説明

撮影支援装置及び撮影支援方法

【課題】撮影者から生物に関する有用な情報を取得することを可能にする撮影支援装置及び撮影支援方法を提供する。
【解決手段】
撮影支援装置1は、生物の専門家に関する生物専門家情報を記憶する専門家情報データベース13Bと、撮影者が携行する携帯型端末装置によって生物を撮影対象とした撮影を行う場合に、当該携帯型端末装置から前記撮影に関する撮影関連情報を取得する撮影関連情報取得手段と、前記撮影関連情報取得手段により取得された撮影関連情報及び専門家情報データベース13Bに記憶されている生物専門家情報に基づいて、前記撮影にあたり連絡をとるべき生物の専門家を特定する生物専門家特定手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影者が生物の撮影を行う場合に、当該撮影を支援するための撮影支援装置及び撮影支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、情報処理技術の進展に伴い、画像情報に基づいて情報検索を行うための技術が種々提案されている。例えば、花を被写体として取得された撮像画像を解析し、その解析結果に基づいて花の名前等の属性情報をデータベースから検索し、その検索結果をディスプレイ等に表示する検索システム等が提案されている(例えば、特許文献1乃至3を参照。)。これにより、撮像画像中の花の属性情報が自動的に得られることになるため、撮影者は、自らが撮影した花の名前等を容易に知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−247436号公報
【特許文献2】特開2003−288363号公報
【特許文献3】特開2007−179129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、様々な生物種の絶滅が危惧される中、生物多様性等の研究が活発となっている。このような研究においては、多くの資料を収集することが重要であるため、研究者のみではなく一般の人からも画像情報等を収集できることが望ましい。この観点からは、上述したような従来の検索システムのように、花等の生物の属性情報を一般の人に提供するだけでは足りず、さらに、当該撮影者から研究資料として有用な情報の提供を受けることを可能にするための仕組みが必要になるといえる。しかしながら、そのような仕組みは従来提案されていなかった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、撮影者から生物に関する有用な情報を取得することを可能にする撮影支援装置及び撮影支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の撮影支援装置は、生物の専門家に関する生物専門家情報を記憶する生物専門家情報記憶部と、撮影者が携行する携帯型端末装置によって生物を撮影対象とした撮影を行う場合に、当該携帯型端末装置から前記撮影に関する撮影関連情報を取得する撮影関連情報取得手段と、前記撮影関連情報取得手段により取得された撮影関連情報及び前記生物専門家情報記憶部に記憶されている生物専門家情報に基づいて、前記撮影にあたり連絡をとるべき生物の専門家を特定する生物専門家特定手段とを備える。
【0007】
前記態様の撮影支援装置において、前記撮影関連情報には、前記撮影者の現在位置を示す位置情報が含まれており、前記生物専門家特定手段が、前記取得された撮影関連情報に含まれる位置情報に示される撮影者の現在位置周辺に生息している生物を特定し、当該特定した生物の専門家を、前記生物専門家情報に基づいて特定するように構成されていてもよい。
【0008】
また、前記態様の撮影支援装置が、前記取得された撮影関連情報に含まれる位置情報に基づいて、前記撮影者の将来位置を予測する将来位置予測手段をさらに備え、前記生物専門家特定手段が、前記将来位置予測手段により予測された撮影者の将来位置周辺に生息している生物を特定し、当該特定した生物の専門家を、前記生物専門家情報に基づいて特定するように構成されていてもよい。
【0009】
また、前記態様の撮影支援装置において、前記撮影関連情報には、前記撮影により取得された生物の撮像画像が含まれており、前記生物専門家特定手段が、前記取得された撮影関連情報に含まれる撮像画像に係る生物を特定し、当該特定した生物の専門家を、前記生物専門家情報に基づいて特定するように構成されていてもよい。
【0010】
また、前記態様の撮影支援装置が、前記生物専門家特定手段により特定された専門家の連絡先を示す生物専門家連絡先情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物専門家連絡先情報送信手段をさらに備えていてもよい。
【0011】
また、前記態様の撮影支援装置において、前記撮影関連情報には、前記撮影者の現在位置を示す位置情報が含まれており、地域の専門家に関する地域専門家情報を記憶する地域専門家情報記憶部と、前記取得された撮影関連情報に含まれる位置情報及び前記地域専門家情報記憶部に記憶されている地域専門家情報に基づいて、前記撮影にあたり連絡をとるべき地域の専門家を特定する地域専門家特定手段とをさらに備えていてもよい。
【0012】
また、前記態様の撮影支援装置が、前記取得された撮影関連情報に含まれる位置情報に基づいて、前記撮影者の将来位置を予測する将来位置予測手段をさらに備え、前記地域専門家特定手段が、前記将来位置予測手段により予測された撮影者の将来位置に基づいて、連絡をとるべき地域の専門家を特定するように構成されていてもよい。
【0013】
また、前記態様の撮影支援装置が、前記地域専門家特定手段により特定された専門家の連絡先を示す地域専門家連絡先情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する地域専門家連絡先情報送信手段をさらに備えていてもよい。
【0014】
本発明の一の態様の撮影支援方法において、生物の専門家に関する生物専門家情報を記憶する生物専門家情報記憶部を備えるコンピュータが、撮影者が携行する携帯型端末装置によって生物を撮影対象とした撮影を行う場合に、当該携帯型端末装置から前記撮影に関する撮影関連情報を取得する撮影関連情報取得工程と、前記撮影関連情報取得工程により取得された撮影関連情報及び前記生物専門家情報記憶部に記憶されている生物専門家情報に基づいて、前記撮影にあたり連絡をとるべき生物の専門家を特定する生物専門家特定工程とを実行する。
【0015】
前記態様の撮影支援方法において、前記撮影関連情報には、前記撮影者の現在位置を示す位置情報が含まれており、前記生物専門家特定工程において、前記コンピュータが、前記取得された撮影関連情報に含まれる位置情報に示される撮影者の現在位置周辺に生息している生物を特定し、当該特定した生物の専門家を、前記生物専門家情報に基づいて特定するようにしてもよい。
【0016】
また、前記態様の撮影支援方法において、前記コンピュータが、前記取得された撮影関連情報に含まれる位置情報に基づいて、前記撮影者の将来位置を予測する将来位置予測工程をさらに実行し、前記生物専門家特定工程において、前記コンピュータが、前記将来位置予測手段により予測された撮影者の将来位置周辺に生息している生物を特定し、当該特定した生物の専門家を、前記生物専門家情報に基づいて特定するようにしてもよい。
【0017】
また、前記態様の撮影支援方法において、前記撮影関連情報には、前記撮影により取得された生物の撮像画像が含まれており、前記生物専門家特定工程において、前記コンピュータが、前記取得された撮影関連情報に含まれる撮像画像に係る生物を特定し、当該特定した生物の専門家を、前記生物専門家情報に基づいて特定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る撮影支援装置及び撮影支援方法によれば、生物に関する有用な情報を撮影者から得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る撮影支援システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態1に係る撮影支援装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態1に係る撮影支援装置に設けられている撮影者情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図4】本発明の実施の形態1に係る撮影支援装置に設けられている専門家情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図5】本発明の実施の形態1に係る撮影支援装置に設けられている生息生物情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図6】本発明の実施の形態1に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置及び携帯電話機が実行する連絡先提供処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図7A】携帯電話機のディスプレイ上に表示される、精通専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の一例を示す図。
【図7B】携帯電話機のディスプレイ上に表示される、生物専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の一例を示す図。
【図7C】携帯電話機のディスプレイ上に表示される、地域専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の一例を示す図。
【図8】本発明の実施の形態1に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置及び携帯電話機が実行する連絡先提供処理の手順の他の例を示すフローチャート。
【図9A】携帯電話機のディスプレイ上に表示される、精通専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の他の例を示す図。
【図9B】携帯電話機のディスプレイ上に表示される、生物専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の他の例を示す図。
【図9C】携帯電話機のディスプレイ上に表示される、地域専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の他の例を示す図。
【図10】本発明の実施の形態1に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置及び携帯電話機が実行する撮像画像投稿処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図11】本発明の実施の形態2に係る撮影支援装置の構成を示すブロック図。
【図12】本発明の実施の形態2に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置及び携帯電話機が実行する連絡先提供処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図13A】携帯電話機のディスプレイ上に表示される、精通専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の他の例を示す図。
【図13B】携帯電話機のディスプレイ上に表示される、生物専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0021】
また、以下では、撮影対象となる生物を動物・植物・昆虫に分けて例示しているが、これは説明の便宜上の分類にすぎず、本発明の技術的思想がこの分類に限定されるわけではない。
【0022】
(実施の形態1)
[撮影支援システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る撮影支援システムの構成を示すブロック図である。図1に示すとおり、本実施の形態の撮影支援システムは、生物を撮影する場合において当該撮影を支援するための撮影支援装置1と、各撮影者が携行する携帯電話機2,2,…と、各専門家側に備えられている専門家端末装置3,3,…とを備えている。これらの撮影支援装置1、携帯電話機2,2,…及び専門家端末装置3,3,…は、インターネット等の通信ネットワークNTWを介して通信可能に接続されている。
【0023】
携帯電話機2,2,…は、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子で構成されるカメラを備えている。なお、携帯電話機2,2,…の代わりに、例えば通信機能を有するデジタルスチルカメラ等、通信機能及びカメラ機能を有する他の装置を用いるようにしてもよい。また、専門家端末装置3,3,…としては、パーソナルコンピュータ、携帯電話機及びPDA(Personal Digital Assistant)等の通信機能を有する情報端末装置が用いられる。
【0024】
[撮影支援装置の構成]
以下、上述した撮影支援装置1の詳細な構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る撮影支援装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すとおり、コンピュータ(撮影支援装置)1は、CPU10、ROM11、RAM12、ハードディスク13、及び通信インタフェース(I/F)14を備えており、これらのCPU10、ROM11、RAM12、ハードディスク13及び通信I/F14は、バス15によって接続されている。
【0025】
CPU10は、RAM12にロードされた各種のコンピュータプログラムを実行する。これにより、コンピュータ1が本実施の形態の撮影支援装置1として機能することになる。
【0026】
ROM11は、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、又はEEPROM(Electrically Erasable PROM)等によって構成されており、CPU10にて実行されるコンピュータプログラム及びその実行の際に用いられるデータ等が記憶されている。
【0027】
RAM12は、SRAM又はDRAMなどによって構成されている。このRAM12は、ハードディスク13に記憶されている各種のコンピュータプログラムの読み出し等に用いられる。また、CPU10が各種のコンピュータプログラムを実行するときに、CPU10の作業領域としても利用される。
【0028】
ハードディスク13には、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなど、CPU10に実行させるための各種のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等が予めインストールされている。また、このハードディスク13には、撮影者に関する撮影者情報が格納される撮影者情報データベース(DB)13Aと、専門家に関する専門家情報が格納される専門家情報データベース(DB)13Bと、各地に生息している生物に関する生息生物情報が格納される生息生物情報データベース(DB)13Cと、各撮影者から投稿される画像情報が格納される投稿画像情報データベース(DB)13Dとが設けられている。これらの各データベースの詳細については後述する。
【0029】
さらに、ハードディスク13には、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、各種のコンピュータプログラムが当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0030】
通信I/F14は、通信ネットワークNTWを介して撮影支援装置1が外部の装置と通信するためのインタフェース装置である。撮影支援装置1は、この通信I/F14を介して、携帯電話機2,2,…及び専門家端末装置3,3,…との間で各種のデータの送受信を行う。
【0031】
以下、ハードディスク13に設けられている各データベースの詳細について説明する。
(A)撮影者情報DB13A
図3は、本発明の実施の形態1に係る撮影支援装置1に設けられている撮影者情報DB13Aのレイアウトの一例を示す図である。図3に示すように、撮影者情報DB13Aは、撮影者を識別するための撮影者IDが格納される撮影者IDフィールド101、撮影者の氏名が格納される氏名フィールド102、撮影者の連絡先である電子メールアドレスが格納されるメールアドレスフィールド103、同じく連絡先である電話番号が格納される電話番号フィールド104、及び撮影者が設定したパスワードが格納されるパスワードフィールド105を有している。撮影支援装置1は、上記の撮影者情報を、撮影支援システムの利用を希望する撮影者から取得し、撮影者情報DB13Aに登録する。
【0032】
(B)専門家情報DB13B
図4は、本発明の実施の形態1に係る撮影支援装置1に設けられている専門家情報DB13Bのレイアウトの一例を示す図である。図4に示すように、専門家情報DB13Bは、専門家を識別するための専門家IDが格納される専門家IDフィールド201、専門家の氏名が格納される氏名フィールド202、専門家の連絡先である電子メールアドレスが格納されるメールアドレスフィールド203、同じく連絡先である電話番号が格納される電話番号フィールド204、専門家の種別を示す情報が格納される種別フィールド205、専門家が精通している生物の分類(動物、植物及び昆虫の少なくとも1つ)を示す情報が格納される生物分類フィールド206、同じく精通している生物の種類の名称を示す情報が格納される種類フィールド207、及び同じく精通している地域を識別するための地域IDが格納される地域フィールド208を有している。なお、種類フィールド207には、生物分類フィールド206に格納されている分類に属する種類(例えば、分類“動物”に属する種類“カエル”等)が格納される。撮影支援装置1は、上記の専門家情報を、撮影支援システムの利用を希望する専門家から取得し、専門家情報DB13Bに登録する。
【0033】
本実施の形態では、特定の生物の専門家(以下、「生物専門家」という)、特定の地域の専門家(以下、「地域専門家」という)、及び特定の地域の専門家であり且つその地域に生息している生物の専門家(以下、「精通専門家」という)の3種類の専門家がいるものとする。上記の種別フィールド205には、これらの種類に応じた情報が格納される。図4に示す例では、精通専門家を示す“1”、生物専門家を示す“2”、及び地域専門家を示す“3”の何れかが種別フィールド205に格納される。
【0034】
なお、生物分類フィールド206、種類フィールド207、及び地域フィールド208の各フィールドには、複数の情報が格納されていてもよい。これにより、複数の分類の生物についての専門家、複数の種類の生物についての専門家、及び複数の地域についての専門家に係る専門家情報を設定することができる。
【0035】
(C)生息生物情報DB13C
図5は、本発明の実施の形態1に係る撮影支援装置1に設けられている生息生物情報DB13Cのレイアウトの一例を示す図である。図5に示すように、生息生物情報DB13Cは、生物が生息している地域を識別するための地域IDが格納される地域フィールド301、当該地域において生物が観察される期間を示す情報が格納される期間フィールド302、その生物の分類を示す情報が格納される生物分類フィールド303、及びその生物の種類の名称が格納される種類フィールド304を有している。撮影支援装置1は、上記の生息生物情報を、撮影支援システムを利用可能な専門家等から取得し、生息生物情報DB13Cに登録する。
【0036】
(D)投稿画像情報DB13D
投稿画像情報DB13Dには、後述するようにして撮影者から投稿される撮像画像及びその撮影日時等を含む撮像画像情報が蓄積されている。
【0037】
なお、撮影支援装置1は、専門家情報及び生息生物情報に含まれる地域IDの定義ファイル(以下、「地域定義ファイル」という)をハードディスク13に格納している。この地域定義ファイルでは、地域IDと、その地域IDにより特定される地域の範囲とが対応付けられている。ここで、地域の範囲は緯度及び経度により規定されている。そのため、ある地点の緯度及び経度が分かれば、地域定義ファイルを参照することにより、その地点がどの地域に属するかを特定することができる。
【0038】
後述するように、本実施の形態では、撮影者の現在位置がどの地域に属するかを判定し、その地域に詳しい専門家及び/又は当該地域に生息する生物に詳しい専門家の連絡先を当該撮影者に対して提供する。ここで、地域は、上述したように所定の範囲を有する概念であるため、撮影者は、その範囲内に詳しい専門家、及び/又は当該範囲内に生息する生物に詳しい専門家の連絡先の提供を受けることになる。
【0039】
[撮影支援システムの動作]
次に、上述したように構成された本実施の形態の撮影支援システムの動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態の撮影支援システムにて実行される主な処理には、(1)専門家の連絡先を撮影者に対して提供するための連絡先提供処理、及び(2)撮影支援後に撮影者が撮像画像を投稿するための撮像画像投稿処理等がある。以下では、これらの各処理の詳細について説明する。
【0040】
(1)連絡先提供処理
図6は、本発明の実施の形態1に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置1及び携帯電話機2が実行する連絡先提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下では、撮影者が携行している携帯電話機2がGPS(Global Positioning System)機能を有しており、GPS衛星の電波を用いて自位置を特定することができるものとする。
【0041】
撮影者は、撮影支援装置1による撮影支援を受けるために、携行している携帯電話機2を用いて撮影支援装置1にアクセスする。例えば、撮影者は、生物が多く生息していると思われる場所等に到達したときに、予め設定されている撮影者ID及びパスワードを携帯電話機2に入力し、撮影支援装置1に対してログイン処理を試みるよう携帯電話機2に対して指示する。
【0042】
携帯電話機2は、撮影者から撮影者ID及びパスワードの入力を受け付けた場合、それらの撮影者ID及びパスワードを含むログイン情報を撮影支援装置1に対して送信する(S101)。
【0043】
撮影支援装置1は、携帯電話機2から送信されたログイン情報を受信した場合(S201)、そのログイン情報に基づいてログイン処理を実行する(S202)。このログイン処理では、撮影支援装置1が、撮影者情報DB13Aに格納されている撮影者情報と受信したログイン情報とを照合することによってログインの成否を判定する。ここでは、ログインに成功したものとして説明を続ける。
【0044】
撮影支援装置1は、ログイン済みの撮影者の現在位置を検知するために、当該現在位置を示す情報の送信依頼を示す位置要求情報を携帯電話機2に対して送信する(S203)。
【0045】
携帯電話機2は、撮影支援装置1から送信された位置要求情報を受信した場合(S102)、GPS機能を用いて携帯電話機2の自位置を示す自位置情報(例えば、緯度・経度・高度を含む情報)を取得し、その自位置情報を撮影支援装置1に対して送信する(S103)。
【0046】
撮影支援装置1は、携帯電話機2から送信された自位置情報を受信した場合(S204)、その自位置情報に基づいて、撮影者の現在位置を特定する(S205)。次に、撮影支援装置1は、地域定義ファイルを参照してステップS205で特定した撮影者の現在位置が属する地域を特定し、その地域を示す地域IDが地域フィールド301に格納されている生息生物情報を生息生物情報DB13Cから抽出する(S206)。
【0047】
次に、撮影支援装置1は、ステップS206で抽出された生息生物情報の生物分類フィールド303に格納されている生物の分類を特定した後、その分類が生物分類フィールド206に、上記の地域IDが地域フィールド208にそれぞれ格納されており、且つ種別フィールド205に“1”が格納されている専門家情報が専門家情報DB13Bに蓄積されているか否かを判定することにより、精通専門家の登録の有無を判定する(S207)。
【0048】
ステップS207にて精通専門家が登録されていないと判定した場合(S207でNO)、撮影支援装置1は、上述したようにして特定した生物の種類の名称が種類フィールド207に格納されており、且つ種別フィールド205に“2”が格納されている専門家情報が専門家情報DB13Bに蓄積されているか否かを判定することにより、生物専門家の登録の有無を判定する(S208)。
【0049】
ステップS208にて生物専門家が登録されていないと判定した場合(S208でNO)、撮影支援装置1は、上記の地域IDが地域フィールド208に格納されており、且つ種別フィールド205に“3”が格納されている専門家情報が専門家情報DB13Bに蓄積されているか否かを判定することにより、地域専門家の登録の有無を判定する(S209)。
【0050】
ステップS209にて地域専門家が登録されていないと判定した場合(S209でNO)、撮影支援装置1は、撮影者が現在いる地域及びその地域に生息している生物に関する専門家の登録がなされていないことを示す専門家未登録情報を携帯電話機2に対して送信する(S210)。
【0051】
携帯電話機2が、撮影支援装置1から送信された専門家未登録情報を受信した場合(S104)、専門家が登録されていない旨のメッセージをディスプレイ上に表示し、連絡先提供処理が終了する。
【0052】
他方、ステップS207において精通専門家が登録されていると判定した場合(S207でYES)、撮影支援装置1は、その精通専門家に係る専門家情報の氏名フィールド202、メールアドレスフィールド203及び電話番号フィールド204に格納されている各情報を用いて、精通専門家の連絡先を通知するための精通専門家連絡先情報を生成する(S211)。
【0053】
また、ステップS208において生物専門家が登録されていると判定した場合(S208でYES)、撮影支援装置1は、その生物専門家に係る専門家情報の氏名フィールド202、メールアドレスフィールド203及び電話番号フィールド204に格納されている各情報を用いて、生物専門家の連絡先を通知するための生物専門家連絡先情報を生成する(S212)。
【0054】
さらに、ステップS209において地域専門家が登録されていると判定した場合(S209でYES)、撮影支援装置1は、その地域専門家に係る専門家情報の氏名フィールド202、メールアドレスフィールド203及び電話番号フィールド204に格納されている各情報を用いて、地域専門家の連絡先を通知するための地域専門家連絡先情報を生成する(S213)。
【0055】
撮影支援装置1は、ステップS211にて精通専門家連絡先情報を生成した場合、ステップS212で生物専門家連絡先情報を生成した場合、又はステップS213で地域専門家連絡先情報を生成した場合、生成した各専門家連絡先情報に基づいて、専門家の連絡先を撮影者に知らせるための専門家連絡先画面を含む専門家連絡先画面情報を生成し(S214)、その生成した専門家連絡先画面情報を携帯電話機2に対して送信する(S215)。なお、この送信は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)により行われてもよく、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)等の他の通信プロトコルにより行われてもよい。
【0056】
携帯電話機2は、撮影支援装置1から送信された専門家連絡先画面情報を受信した場合(S105)、その受信した専門家連絡先画面情報で示される専門家連絡先画面をディスプレイ上に表示する(S106)。
【0057】
以下、専門家連絡先画面の例について、精通専門家、生物専門家及び地域専門家別に説明する。
図7Aは、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される、精通専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の一例を示す図である。図7Aに示すように、専門家連絡先画面S1には、撮影者の現在位置が属する地域に詳しく、且つ当該地域に生息している動物に詳しい専門家の氏名、電子メールアドレス及び電話番号が示されている。撮影者は、この専門家連絡先画面S1を参照することにより、自分が現在いる地域に係る精通専門家の連絡先を知ることができる。撮影者は、この情報を用いて精通専門家と電子メール又は電話で連絡をとり、当該精通専門家からその地域の特徴、当該地域に生息している生物に関する情報、並びにその生物を撮影する場合に撮影すべき内容及びその撮影方法・撮影方位・撮影角度(俯角・仰角)等のアドバイスを取得し、そのアドバイスに基づいて撮影を行う。これにより、専門家からのアドバイスに基づいて撮影者が生物の撮影を行うことになるため、資料価値の高い有用な画像情報等を得ることが可能になる。
【0058】
図7Bは、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される、生物専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の一例を示す図である。図7Bに示すように、専門家連絡先画面S2には、撮影者の現在位置に生息している植物に詳しい専門家の氏名、電子メールアドレス及び電話番号が示されている。撮影者は、この専門家連絡先画面S2を参照することにより、自分が現在いる地域に係る生物専門家の連絡先を知ることができる。上述した場合と同様に、撮影者は、この情報を用いて生物専門家と電子メール又は電話で連絡をとり、当該生物専門家からアドバイスを取得し、そのアドバイスに基づいて撮影を行う。これにより、資料価値の高い有用な画像情報等を得ることが可能になる。
【0059】
図7Cは、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される、地域専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の一例を示す図である。図7Bに示すように、専門家連絡先画面S3には、撮影者の現在位置に詳しい専門家の氏名、電子メールアドレス及び電話番号が示されている。撮影者は、この専門家連絡先画面S3を参照することにより、自分が現在いる地域に係る専門家の連絡先を知ることができる。上述した場合と同様に、撮影者は、この情報を用いて地域専門家と電子メール又は電話で連絡をとり、当該地域専門家からアドバイスを取得し、そのアドバイスに基づいて撮影を行う。これにより、資料価値の高い有用な画像情報等を得ることが可能になる。
【0060】
なお、上記のステップS207及びS208では、ステップS206で抽出された生息生物情報の生物分類フィールド303に格納されている生物の分類を特定した後、その分類が生物分類フィールド206に格納されている専門家情報の有無を判定しているが、この処理に代わり、またはこの処理とともに、ステップS206で抽出された生息生物情報の種類フィールド304に格納されている生物の種類を特定し、その種類が種類フィールド207に格納されている専門家情報の有無を判定するようにしてもよい。この場合、生物の分類(動物・植物・昆虫)ではなく、生物の種類(例えば、カエル等)を基準にして専門家が特定されることになる。
【0061】
また、上記の連絡先提供処理では、精通専門家、生物専門家及び地域専門家の何れかの専門家の連絡先を撮影者に提供しているが、精通専門家及び生物専門家等、異なる種別の複数の専門家の連絡先を撮影者に提供するようにしてもよい。この場合、アドバイスの取得元としては、生物及び地域の両方に詳しい精通専門家がもっとも適していると考えられるため、精通専門家の連絡先が先に表示され、他の種別の専門家の連絡先が後に表示される等の態様で撮影者に対して専門家の連絡先が提供されることが好ましい。
【0062】
上述した連絡先提供処理においては、撮影者の現在位置に係る専門家の連絡先を当該撮影者に対して提供しているが、撮影者がこれから向かう位置、すなわち撮影者の将来位置に係る専門家の連絡先を提供するようにしてもよい。以下、そのための連絡先提供処理の詳細について説明する。
【0063】
図8は、本発明の実施の形態1に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置1及び携帯電話機2が実行する連絡先提供処理の手順の他の例を示すフローチャートである。なお、この連絡先提供処理は、撮影支援装置1が、撮影者が携行する携帯電話機2の自位置情報を当該携帯電話機2から所定の時間間隔で繰り返し受信した後に実行されるものとする。
【0064】
撮影支援装置1は、携帯電話機2から経時的に受信した複数の自位置情報を用いて、その携帯電話機2の移動方向、すなわち撮影者の移動方向を予測する(S301)。次に、撮影支援装置1は、その予測した移動方向と、撮影者の最新の位置とに基づいて、所定時間経過後の撮影者の将来位置を予測する(S302)。なお、このように、本実施の形態では撮影者の移動履歴に基づいて当該撮影者の将来位置を予測しているが、それ以外の方法により将来位置の予測を行ってもよい。例えば、撮影者の現在位置及びその現在位置における地形等に基づいて当該撮影者の将来位置を予測したり、各撮影者の過去の移動履歴に基づいて当該将来位置を予測したりしてもよい。
【0065】
ステップS302以降、撮影支援装置1は、上述したステップS206乃至S215を実行し、携帯電話機2はステップS104乃至S106を実行する。これにより、撮影者は、自らがこれから向かう方面に詳しい専門家及びそこに生息している生物に詳しい専門家等から生物の撮影についてのアドバイスを得ることが可能になる。
【0066】
図9Aは、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される、精通専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の一例を示す図である。図9Aに示すように、専門家連絡先画面S4には、撮影者の将来位置が属する地域に詳しく、且つ当該地域に生息している動物に詳しい専門家の氏名、電子メールアドレス及び電話番号が示されている。撮影者は、この専門家連絡先画面S1を参照することにより、自分がこれから向かう方面に係る精通専門家の連絡先を知ることができる。撮影者は、この情報を用いて精通専門家と電子メール又は電話で連絡をとり、当該生物専門家からアドバイスを取得し、そのアドバイスに基づいて撮影を行う。これにより、資料価値の高い有用な画像情報等を得ることが可能になる。
【0067】
図9Bは、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される、生物専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の一例を示す図である。図9Bに示すように、専門家連絡先画面S5には、撮影者の将来位置に生息している植物に詳しい専門家の氏名、電子メールアドレス及び電話番号が示されている。撮影者は、この専門家連絡先画面S5を参照することにより、自分がこれから向かう方面に係る生物専門家の連絡先を知ることができる。上述した場合と同様に、撮影者は、この情報を用いて生物専門家と電子メール又は電話で連絡をとり、当該生物専門家からアドバイスを取得し、そのアドバイスに基づいて撮影を行う。これにより、資料価値の高い有用な画像情報等を得ることが可能になる。
【0068】
図9Cは、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される、地域専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の一例を示す図である。図9Cに示すように、専門家連絡先画面S6には、撮影者の現在位置に詳しい専門家の氏名、電子メールアドレス及び電話番号が示されている。撮影者は、この専門家連絡先画面S6を参照することにより、自分がこれから向かう方面に係る専門家の連絡先を知ることができる。上述した場合と同様に、撮影者は、この情報を用いて地域専門家と電子メール又は電話で連絡をとり、当該地域専門家からアドバイスを取得し、そのアドバイスに基づいて撮影を行う。これにより、資料価値の高い有用な画像情報等を得ることが可能になる。
【0069】
(2)撮像画像投稿処理
撮影者は、上述したようにして撮影支援装置1から提供された専門家の連絡先に連絡し、当該専門家からアドバイスを得る。そして、そのアドバイスにしたがって、携帯電話機2が備えるカメラにより生物の撮影を行う。
【0070】
図10は、本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置1及び携帯電話機2が実行する撮像画像投稿処理の手順を示すフローチャートである。図10に示すとおり、携帯電話機2は、撮影者の操作により生物を撮影対象とした撮像画像を取得した場合(S401)、その撮像画像及び撮影した日時等を含む撮像画像情報を、撮影支援装置1に対して送信する(S402)。
【0071】
撮影支援装置1は、携帯電話機2から送信された撮像画像情報を受信した場合(S501)、その撮像画像情報に含まれている撮像画像を投稿画像情報DB13Dに登録する(S502)。
【0072】
この撮像画像投稿処理により、撮影支援装置1には、各撮影者から投稿された撮像画像が蓄積されることになる。これらの撮像画像は、撮影者が各専門家からアドバイスを受け、そのアドバイスに基づいて取得されたものであるため、例えば生物多様性等の様々な研究において有用なものが含まれている場合がある。このように、本実施の形態によれば、各撮影者から利用価値の高い資料を取得することが可能になる。
【0073】
(実施の形態2)
実施の形態2は、撮影者から提供される撮像画像に基づいて専門家を特定し、その専門家の連絡先を撮影者に提供する。本実施の形態においても、実施の形態1の場合と同様に、撮影支援装置と携帯電話機とが協働して処理を行うことにより撮影者に対する撮影支援が行われる。
【0074】
[撮影支援装置の構成]
図11は、本発明の実施の形態2に係る撮影支援装置の構成を示すブロック図である。図11に示すように、本実施の形態の撮影支援装置100が備えるハードディスク13には、実施の形態1における生息生物情報DB13Cの代わりに、照合画像情報データベース(DB)13Eが設けられている。この照合画像情報DB13Eには、各生物の撮像画像が格納されている。これらの撮像画像は、後述するようにして撮影者が取得した撮像画像の照合処理を行う場合に用いられる。なお、撮影支援装置100のその他の構成については、実施の形態1の撮影支援装置1の場合と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0075】
[撮影支援システムの動作]
図12は、本発明の実施の形態2に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置100及び携帯電話機2が実行する連絡先提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下では、実施の形態1の場合と同様に、携帯電話機2がGPS(Global Positioning System)機能を有しているものとする。
【0076】
撮影者は、登山中及び散歩中等、様々な場面において、携行している携帯電話機2のカメラを用いて生物を被写体として撮影を行う。これにより、携帯電話機2は、図12に示すように、生物を含む撮像画像を取得する(S601)。次に、撮影者は、その撮像画像を撮影支援装置100に対して送信するよう、携帯電話機2に指示する。この指示を撮影者から受け付けた場合、携帯電話機2は、ステップS601にて取得した撮像画像及び撮影日時等を含む撮像画像情報と、GPS機能を用いて取得した携帯電話機2の自位置を示す位置情報(緯度、経度及び高度を含む情報)とを、撮影支援装置100に対して送信する(S602)。
【0077】
撮影支援装置100は、携帯電話機2から送信された撮像画像情報及び位置情報を受信した場合(S701)、撮像画像情報の撮像画像に対してエッジ抽出等の画像解析処理を施すことにより、当該撮像画像に含まれる撮影対象の特徴を抽出する(S702)。次に、撮影支援装置100は、抽出した特徴に基づいて、撮影対象の生物の種類を特定する(S703)。この特定は、照合画像情報DB13Eに格納されている画像情報の特徴とステップS702で抽出した特徴との照合を行ってそれらの類似度を算出し、その類似度に応じて生物の種類を特定すること等により行われる。
【0078】
なお、画像解析により生物の種類を特定することができなかった場合、撮影支援装置100は、そのことを示すメッセージを含む情報を携帯電話機2に対して送信し、これを受けた携帯電話機2がそのメッセージをディスプレイ上に表示して、連絡先提供処理が終了する。
【0079】
次に、撮影支援装置100は、ステップS701にて受信した自位置情報に基づいて、撮影者の現在位置を特定する(S705)。次に、撮影支援装置100は、地域定義ファイルを参照してステップS705で特定した撮影者の現在位置が属する地域を特定し(S706)、その地域を示す地域IDが地域フィールド208に、ステップS703で特定した生物の種類が種類フィールド207にそれぞれ格納されており、且つ種別フィールド205に“1”が格納されている専門家情報が専門家情報DB13Bに蓄積されているか否かを判定することにより、精通専門家の登録の有無を判定する(S707)。
【0080】
ステップS707にて精通専門家が登録されていないと判定した場合(S707でNO)、撮影支援装置100は、ステップS703で特定した生物の種類の名称が種類フィールド207に格納されており、且つ種別フィールド205に“2”が格納されている専門家情報が専門家情報DB13Bに蓄積されているか否かを判定することにより、生物専門家の登録の有無を判定する(S708)。
【0081】
ステップS708にて生物専門家が登録されていないと判定した場合(S708でNO)、撮影支援装置1は、上記の地域IDが地域フィールド208に格納されており、且つ種別フィールド205に“3”が格納されている専門家情報が専門家情報DB13Bに蓄積されているか否かを判定することにより、地域専門家の登録の有無を判定する(S709)。
【0082】
ステップS709にて地域専門家が登録されていないと判定した場合(S709でNO)、撮影支援装置1は、撮影者が現在いる地域及びその地域に生息している生物に関する専門家の登録がなされていないことを示す専門家未登録情報を携帯電話機2に対して送信する(S710)。
【0083】
携帯電話機2が、撮影支援装置1から送信された専門家未登録情報を受信した場合(S603)、専門家が登録されていない旨のメッセージをディスプレイ上に表示し、連絡先提供処理が終了する。
【0084】
他方、ステップS707において精通専門家が登録されていると判定した場合(S707でYES)、撮影支援装置100は、実施の形態1の場合と同様にして、精通専門家連絡先情報を生成する(S711)。また、実施の形態1の場合と同様、撮影支援装置100は、ステップS708において生物専門家が登録されていると判定した場合(S708でYES)は生物専門家情報を生成し(S712)、ステップS709において地域専門家が登録されていると判定した場合(S709でYES)は地域専門家連絡先情報を生成する(S713)。さらに、実施の形態1の場合と同様に、生成した各専門家連絡先情報に基づいて、専門家の連絡先を撮影者に知らせるための専門家連絡先画面を含む専門家連絡先画面情報を生成し(S714)、その生成した専門家連絡先画面情報を携帯電話機2に対して送信する(S715)。
【0085】
携帯電話機2は、撮影支援装置1から送信された専門家連絡先画面情報を受信した場合(S604)、その受信した専門家連絡先画面情報で示される専門家連絡先画面をディスプレイ上に表示する(S605)。
【0086】
以下、精通専門家及び生物専門家に係る専門家連絡先画面の例について説明する。なお、地域専門家に係る専門家連絡先画面については実施の形態1の場合と同様であるので、説明を省略する。
図13Aは、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される、精通専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の他の例を示す図である。図13Aに示すように、専門家連絡先画面S7には、撮影者の現在位置が属する地域に詳しく、且つ当該撮影者が撮影対象とした生物に詳しい専門家の氏名、電子メールアドレス及び電話番号が示されている。撮影者は、この情報を用いて精通専門家と電子メール又は電話で連絡をとり、当該精通専門家からその地域の特徴、当該生物に関する情報、並びにその生物を撮影する場合に撮影すべき内容及びその撮影方法・撮影方位・撮影角度(俯角・仰角)等のアドバイスを取得し、そのアドバイスに基づいて再度撮影を行う。これにより、専門家からのアドバイスに基づいて撮影者が生物の撮影を行うことになるため、資料価値の高い有用な画像情報等を得ることが可能になる。
【0087】
図13Bは、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される、生物専門家の連絡先を示す専門家連絡先画面の他の例を示す図である。図7Bに示すように、専門家連絡先画面S2には、撮影者が撮影対象とした生物に詳しい専門家の氏名、電子メールアドレス及び電話番号が示されている。撮影者は、ここの情報を用いて生物専門家と電子メール又は電話で連絡をとり、当該生物専門家からアドバイスを取得し、そのアドバイスに基づいて撮影を行う。これにより、資料価値の高い有用な画像情報等を得ることが可能になる。
【0088】
(その他の実施の形態)
精通専門家は地域及びその地域に生息する生物の両者について詳しいため、生物専門家及び地域専門家と比べて、アドバイスの取得先として適しているといえる。しかしながら、これらの生物専門家及び地域専門家の双方からアドバイスを受けることができれば、精通専門家からアドバイスを受けるのと同様の内容の情報を得ることも可能だと考えられる。そのため、例えば、上記の各実施の形態において、撮影支援装置が、生物専門家及び地域専門家を抽出した場合、質の高いアドバイスを行うべく、これらの生物専門家及び地域専門家に対して互いに連絡を取り合うように指示するともに、撮影者に対しては、これらの生物専門家及び地域専門家の少なくとも何れか一方と連絡をとるように指示するようにしてもよい。
【0089】
また、上記の各実施の形態では、撮影支援装置が、撮影者に対して専門家と連絡をとるよう指示しているが、これとは反対に、専門家に対して撮影者と連絡をとるよう指示するようにしてもよい。この場合、撮影支援装置が、撮影者情報に含まれる撮影者の電子メールアドレス及び電話番号を各専門家に提供し、それらの情報を用いて各専門家が撮影者と連絡をとるようにすればよい。
【0090】
また、上記の各実施の形態では、撮影支援装置1,100と携帯電話機2とが別装置となっているが、上述した撮影支援装置1の構成を携帯電話機2が備えることにより、携帯電話機2単体で撮影者の撮影支援を行うことができるようにしてもよい。
【0091】
また、上記の各実施の形態において、撮影者の携帯電話機2に対して専門家連絡先画面情報を送信する前に、撮影支援装置1,100が、特定された専門家の専門家端末装置3に対して電子メール等を送信することによって撮影者からの連絡を受け入れる準備があるかどうかを確認し、受け入れる準備がある専門家についての専門家連絡先画面情報のみを、携帯電話機2に対して送信するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の撮影支援装置及び撮影支援方法は、様々な生物を撮影対象とする場合において撮影支援を行う撮影支援装置及び撮影支援方法等として有用である。
【符号の説明】
【0093】
1,100 撮影支援装置
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 ハードディスク
13A 撮影者情報データベース
13B 専門家情報データベース
13C 生息生物情報データベース
13D 投稿画像情報データベース
13E 照合画像情報データベース
14 通信インタフェース
15 バス
2 携帯電話機
3 専門家端末装置
13 ハードディスク
S1〜S8 専門家連絡先画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物の専門家に関する生物専門家情報を記憶する生物専門家情報記憶部と、
撮影者が携行する携帯型端末装置によって生物を撮影対象とした撮影を行う場合に、当該携帯型端末装置から前記撮影に関する撮影関連情報を取得する撮影関連情報取得手段と、
前記撮影関連情報取得手段により取得された撮影関連情報及び前記生物専門家情報記憶部に記憶されている生物専門家情報に基づいて、前記撮影にあたり連絡をとるべき生物の専門家を特定する生物専門家特定手段と
を備える、撮影支援装置。
【請求項2】
前記撮影関連情報には、前記撮影者の現在位置を示す位置情報が含まれており、
前記生物専門家特定手段が、前記取得された撮影関連情報に含まれる位置情報に示される撮影者の現在位置周辺に生息している生物を特定し、当該特定した生物の専門家を、前記生物専門家情報に基づいて特定するように構成されている、
請求項1に記載の撮影支援装置。
【請求項3】
前記取得された撮影関連情報に含まれる位置情報に基づいて、前記撮影者の将来位置を予測する将来位置予測手段をさらに備え、
前記生物専門家特定手段が、前記将来位置予測手段により予測された撮影者の将来位置周辺に生息している生物を特定し、当該特定した生物の専門家を、前記生物専門家情報に基づいて特定するように構成されている、
請求項2に記載の撮影支援装置。
【請求項4】
前記撮影関連情報には、前記撮影により取得された生物の撮像画像が含まれており、
前記生物専門家特定手段が、前記取得された撮影関連情報に含まれる撮像画像に係る生物を特定し、当該特定した生物の専門家を、前記生物専門家情報に基づいて特定するように構成されている、
請求項1乃至3の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項5】
前記生物専門家特定手段により特定された専門家の連絡先を示す生物専門家連絡先情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物専門家連絡先情報送信手段を
さらに備える、
請求項1乃至4の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項6】
前記撮影関連情報には、前記撮影者の現在位置を示す位置情報が含まれており、
地域の専門家に関する地域専門家情報を記憶する地域専門家情報記憶部と、
前記取得された撮影関連情報に含まれる位置情報及び前記地域専門家情報記憶部に記憶されている地域専門家情報に基づいて、前記撮影にあたり連絡をとるべき地域の専門家を特定する地域専門家特定手段と
をさらに備える、請求項1に記載の撮影支援装置。
【請求項7】
前記取得された撮影関連情報に含まれる位置情報に基づいて、前記撮影者の将来位置を予測する将来位置予測手段をさらに備え、
前記地域専門家特定手段が、前記将来位置予測手段により予測された撮影者の将来位置
に基づいて、連絡をとるべき地域の専門家を特定するように構成されている、
請求項6に記載の撮影支援装置。
【請求項8】
前記地域専門家特定手段により特定された専門家の連絡先を示す地域専門家連絡先情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する地域専門家連絡先情報送信手段を
さらに備える、
請求項6又は7に記載の撮影支援装置。
【請求項9】
生物の専門家に関する生物専門家情報を記憶する生物専門家情報記憶部を備えるコンピュータが、
撮影者が携行する携帯型端末装置によって生物を撮影対象とした撮影を行う場合に、当該携帯型端末装置から前記撮影に関する撮影関連情報を取得する撮影関連情報取得工程と、
前記撮影関連情報取得工程により取得された撮影関連情報及び前記生物専門家情報記憶部に記憶されている生物専門家情報に基づいて、前記撮影にあたり連絡をとるべき生物の専門家を特定する生物専門家特定工程と
を実行する、撮影支援方法。
【請求項10】
前記撮影関連情報には、前記撮影者の現在位置を示す位置情報が含まれており、
前記生物専門家特定工程において、前記コンピュータが、前記取得された撮影関連情報に含まれる位置情報に示される撮影者の現在位置周辺に生息している生物を特定し、当該特定した生物の専門家を、前記生物専門家情報に基づいて特定する、
請求項9に記載の撮影支援方法。
【請求項11】
前記コンピュータが、前記取得された撮影関連情報に含まれる位置情報に基づいて、前記撮影者の将来位置を予測する将来位置予測工程をさらに実行し、
前記生物専門家特定工程において、前記コンピュータが、前記将来位置予測手段により予測された撮影者の将来位置周辺に生息している生物を特定し、当該特定した生物の専門家を、前記生物専門家情報に基づいて特定する、
請求項10に記載の撮影支援方法。
【請求項12】
前記撮影関連情報には、前記撮影により取得された生物の撮像画像が含まれており、
前記生物専門家特定工程において、前記コンピュータが、前記取得された撮影関連情報に含まれる撮像画像に係る生物を特定し、当該特定した生物の専門家を、前記生物専門家情報に基づいて特定する、
請求項9乃至11の何れかに記載の撮影支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【公開番号】特開2012−209692(P2012−209692A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72749(P2011−72749)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】