説明

撮影条件取得装置、及び撮影条件取得方法とプログラム、並びに撮像装置

【課題】ユーザーが所望とする撮影結果が得られる撮影条件を容易に、かつ確実に取得することを可能とする。
【解決手段】デジタルカメラ1の制御部2に、記憶部7等に記憶されている任意の撮影画像100を使用者に選択させる処理と、使用者に選択させた撮影画像に付加されている撮影条件情報100bを取得する処理と、現在の撮影状況を示す撮影状況情報を検出する処理と、前記取得した撮影条件情報を、前記検出した撮影状況情報に応じて補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に際して使用する撮影条件情報として取得する処理とを行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてデジタルカメラにおいて所望とする撮影結果を得るための撮影条件の取得技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ(携帯電話端末等に組み込まれたものを含む)においては、撮影時におけるシャッター速度、絞り値、光源の種類等の撮影条件を自動的に設定するオートモードが設けられている。係るオートモードによる撮影条件の設定は、少なくとも失敗のない撮影結果を得ることを目的とするものであり、設定される撮影条件は必ずしも個々の撮影シーンに適するとともに、所望する撮影結果が得られるものとは限らない。なお、所望する撮影結果とは、ユーザーの好みに応じた雰囲気を有するものである。
【0003】
係ることから、一般にデジタルカメラにおいては、ユーザーが1又は複数の撮影条件を必要に応じマニュアルで設定することが可能となっている。しかしながら、一般のユーザーにおいて、その時々の撮影シーンに適するとともに、所望する撮影結果が得られる撮影条件をマニュアルで設定することは現実的には難しい。
【0004】
これを解決する技術として、例えば下記特許文献1には、撮影時において、自端末内の既存する撮影画像から、それを撮影したときの撮影条件を取得し、取得した撮影条件を流用して撮影を行う技術が開示されている。係る技術によれば、ユーザーは、既存する撮影画像の中から所望する撮影結果と近似する画像を選択するだけで、所望する撮影結果が得られる撮影条件を容易に設定することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−1154045公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、ユーザーによって選択された既存の撮影画像が、実際の撮影状況とは異なる撮影状況の下で撮影されたものである場合には、所望する撮影結果が得られないばかりか、被写体に応じた適切な撮影条件すら設定することができない。
【0007】
例えば現在の撮影場所が屋内であるとき、屋外で撮影された撮影画像をユーザーが選択した場合には、ホワイトバランスが崩れた撮影結果しか得ることができない。つまり現在の撮影状況が、既存する撮影画像が撮影されたときとは異なっている場合には、所望する撮影結果もとより、良好な撮影結果すら得ることができないという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、ユーザーが所望とする撮影結果が得られる撮影条件を容易に、かつ確実に取得することを可能とする撮影条件取得装置、及び撮影条件取得方法とプログラム、並びに撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明においては、既存する複数の撮影画像から任意の撮影画像を使用者に選択させる第一の選択制御手段と、前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像に付加されている撮影条件情報を取得する取得手段と、現在の撮影状況を示す撮影状況情報を検出する検出手段と、前記取得手段により取得された撮影条件情報を、前記検出手段により検出された撮影状況情報に応じて補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に際して使用する撮影条件情報として取得する撮影条件取得手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザーが所望とする撮影結果が得られる撮影条件を容易に、かつより確実に取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るデジタルカメラのブロック図である。
【図2】(a)は撮影条件情報の例を示す図、(b)は撮影状況情報の例を示す図、(c)は撮影状況推測テーブルを示す概念図である。
【図3】デジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【図4】図3に続くフローチャートである。
【図5】図3に続くフローチャートである。
【図6】撮影時に使用する撮影条件情報の取得方法を示す説明図である。
【図7】表示部の表示画面における表示例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明に係るデジタルカメラ1の主として電気的構成の概略を示すブロック図である。図1に示したようにデジタルカメラ1は、制御部2と、制御部2に接続された以下の各部とから構成される。
【0013】
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路、各種の制御プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)、及び作業用のRAM(Random Access memory)を含み、制御プログラムに従いデジタルカメラ1の各部を制御する。上記の制御プログラムには、コントラスト検出方式によるAF(Auto Focus)制御や、フラッシュ撮影時の光量調整を含むAE(Auto Exposure)制御、AWB(Auto White Balance)制御に使用されるプログラム、及び制御部2に後述する処理を行わせるためのプログラムが含まれる。
【0014】
また、前記ROMには、AE制御に際して使用される、被写体の明るさに応じたシャッター速度、ISO感度、絞り値の組み合わせを示すプログラム線図を構成するデータ等の各種データも格納されている。
【0015】
電源部3は、充電池、およびDC/DCコンバータなどで構成され、デジタルカメラ1の各部へ、各々の動作に必要な電力を供給する。
【0016】
レンズ部4は、フォーカス調整用、及びズーム用のレンズを含むレンズ群、及びレンズ群を駆動するモータと、絞り、及び絞りを開閉駆動して開度を調整するアクチュエータ等から構成される。
【0017】
撮像部5は、CCD(Charge Coupled Device)やMOS(Complementary Meta1 0xide Semiconductor)型の撮像素子と、撮像素子から出力された撮像信号に対して所定のアナログ処理を行った後、デジタル信号に変換するAFE(Analog Front End)とから構成される。撮像部5は、デジタルカメラ1に撮影モードが設定されている間、レンズ部4のレンズ群を介して被写体を逐次撮像し、被写体の画像データ(撮像データ)を制御部2へ供給する。
【0018】
制御部2へ供給された画像データは、制御部2において画素毎のRGBデータに変換され、さらに輝度(Y)成分及び色差(UV)成分からなるYUVデータに変換された後、表示部6へ供給され、表示部6においてライブビュー画像として表示される。
【0019】
また、撮影時において撮像部5から制御部2へ供給された画像データは、YUVデータに変換された後、JPEG(Joint Photographic Expert Group)方式により圧縮される。圧縮後の画像データは、種々の属性情報が付加され、Exif(Exchangeable Image File Format)規格に準拠した静止画ファイルとして記憶部7に記憶される。
【0020】
記憶部7に静止画ファイルとして記憶された画像データは、デジタルカメラ1に再生モードが設定されている間、制御部2によって読み出され伸張された後、表示部6へ供給されて画面表示される。
【0021】
表示部6は、カラー液晶表示パネルと、制御部2から供給される画像データ等に応じてカラー液晶表示パネルを駆動する表示駆動回路とから構成され、前述したように撮影モードにおいては被写体画像をライブビュー表示し、再生モードにおいては記憶部7に静止画ファイルとして記憶されている画像データからなる既存の撮影画像を表示する。また、表示部6は、制御部2から供給される種々のOSD(On Screen Display)表示用のデータに基づく文字情報等も表示する。
【0022】
記憶部7は、例えばデジタルカメラ1に内蔵されたフラッシュメモリや、デジタルカメラ1に着脱自在な各種のメモリカード、及びメモリカードへのデータの入出力を可能とするカードインターフェイスにより構成される。前述したように記憶部7には撮影画像が静止画ファイルとして記憶される。なお、以下の説明においては、記憶部7に静止画ファイルとして記憶されている撮影画像、すなわち既存の撮影画像を既撮影画像という。
【0023】
記憶部7に記憶されている既撮影画像100は、図1に便宜的に示したように圧縮状態にある画像データ本体100aと、画像データ本体に前述した属性情報として付加されている撮影条件情報100bと、撮影状況情報100cとを含む構成である。
【0024】
撮影条件情報100bは、既撮影画像100の撮影時に設定されていた各種の撮影条件に関する情報であり、例えば図2(a)に示したようにシャッター速度、ISO感度、絞り値等である。撮影状況情報100cは、既撮影画像100の撮影時における撮影状況(撮影環境)に関する各種の情報であり、例えば図2(b)に示したように照度(被写体の明るさ)、天気、撮影場所の屋内/屋外の別等である。なお、撮影状況情報100cについては、既撮影画像100が、例えばデジタルカメラ1以外の他のカメラで撮影され、デジタルカメラ1の記憶部7に任意の方法によって格納されたものでは、付加されていない場合もある。
【0025】
操作部8は、電源キーやシャッターキー、及びデジタルカメラ1の基本の動作モードである撮影モードと再生モードとの切り替えに使用されるモード切替キー等の複数の操作キーから構成される。操作部8における操作キーの操作状態は制御部2において随時監視される。
【0026】
発光部9は、キセノン管等の発光管、発光用コンデンサや、その充電回路からなり、被写体が暗い場合におけるフラッシュ撮影時に撮影補助光を発光する。
【0027】
通信部10は、必要に応じて有線又は無線による通信回線、さらには他の通信機器を介してデジタルカメラ1を必要に応じてインターネット500へ接続し、インターネット500上に存在する既撮影画像100(既存の撮影画像)を受信する通信処理を行う。より具体的に説明すると、通信部10は、ソーシャル・ネットワーク・サービスを提供しているサーバーや、撮影画像の保存サービスを提供しているサーバー等の他の装置に記憶されている既撮影画像100を受信する。通信部10により受信された画像データ(静止画ファイル)も記憶部7に記憶される。
【0028】
そして、デジタルカメラ1の制御部2には後述する設定流用モードにおいて使用される撮影状況推測テーブルを構成するデータが前記ROMに格納されている。図2(c)に示したように撮影状況推測テーブル200は、前述した撮影条件情報100bの種類(1又は複数)と、前述した撮影状況情報100cの種類との対応関係を示すテーブルである。つまり任意の撮影時に設定された撮影条件の内容と、その撮影条件で撮影が行われたとき推測できる撮影時の撮影状況の内容との対応関係を示すテーブルである。
【0029】
次に、以上の構成からなるデジタルカメラ1の本発明に係る動作について説明する。図3は、制御部2における処理内容であって、デジタルカメラ1に設けられている設定流用モードでの処理を含むフローチャートである。ここで、設定流用モードは、撮影モードの下位モードとしてデジタルカメラ1に設けられているものであり、撮影時に設定すべき撮影条件を、ユーザーによって選択された既撮影画像100(以下、選択画像という。)に付加されている撮影条件情報100bを用いて取得する動作モードである。つまり任意の既撮影画像100に付加されている撮影条件情報100bを、撮影時に設定する撮影条件として流用するためのモードである。
【0030】
図3に示したように、制御部2は、例えばデジタルカメラ1の電源が投入されることに伴い処理を開始し、まず現在設定されている動作モードが撮影モードであるか否かを確認する(ステップS1)。
【0031】
動作モードが撮影モードでなく再生モードである場合(ステップS1:NO)、制御部2は、再生モードでの処理に向けて再生モード初期設定を行うともに、撮影画像を表示部6に表示させる(ステップS2)。なお、ここで表示させる撮影画像は、例えば前回電源がオフされる直前の再生モードで最後に表示していた撮影画像、つまり所定の既撮影画像である。
【0032】
次に、制御部2は、ユーザーによりモード変更操作の有無を確認し、モード変更操作がなければ(ステップS3:NO)、さらに他の操作の有無を確認する(ステップS4)。
なお、ステップS4の処理で制御部2が確認する操作内容は、例えば画像送り、画像の拡大、スライドシー表示を指示する操作である。そして、制御部2は、他の操作があったときには(ステップS4:YES)、操作に応じた所定の処理を実行した後(ステップS5)、再びモード変更操作の有無を確認する(ステップS3)。
【0033】
一方、制御部2は、電源投入直後に撮影モードが設定されていたとき(ステップS1:YES)、及び再生モードから撮影モードへのモード変更操作があったときには(ステップS3:YES)、撮影モードでの処理に向けて撮影モード初期設定を行うともに、表示部6におけるライブビュー表示を開始する(ステップS6)。これに伴い、表示部6には例えば図7(a)に示したようなライブビュー画像が表示される。
【0034】
しかる後、ユーザーにより撮影モードの下位モードとして前述した設定流用モードが選択されたか否かを確認し、設定流用モードが選択された場合においては(ステップS7:YES)、以下の処理を実行する。
【0035】
まず、制御部2は、撮影条件の取得に向けた処理に際して対象となる任意の既撮影画像をユーザーに選択させる(ステップS8)。ステップS8に際して制御部2は、記憶部7に記憶されている複数の既撮影画像100を表示部6に選択可能に順送りで表示させたり、選択可能に一覧表示させたりすることによりユーザーに所望の既撮影画像を選択させる。
【0036】
或いは、制御部2は、ユーザーの指示に応じ通信部10を介してインターネット500へ接続し、インターネット500上に存在する既撮影画像100を受信し、受信した複数の既撮影画像100を表示部6に選択可能に順送りで表示させたり、選択可能に一覧表示さたりすることによりユーザーに所望の既撮影画像を選択させる。
【0037】
なお、このときユーザーには、この後の撮影によって得たいと望む撮影結果と近似する既撮影画像、例えば好みに応じた雰囲気を有する既撮影画像を選択させる。
【0038】
次に、制御部2は、ユーザーによって選択された既撮影画像(以下、選択画像という。)から、それに付加されている撮影条件情報100bを取得し(ステップS9)、さらに現在の撮影状況情報を取得する(ステップS10)。図7(b)は、ユーザーによって選択された既撮影画像の例を便宜的に示した図である。
【0039】
係る処理において制御部2が取得する撮影状況情報は、撮像部5の撮像素子をセンサとして直接、又は間接的に検出可能な種類の情報である。すなわちステップS10の処理に際して制御部2は、撮像部5から供給される被写体の画像データに基づいて、被写体の照度や撮影場所(屋内又は屋外)等の撮影状況情報を取得(検出)する。なお、撮影場所の検出に際して制御部2は、撮影時におけるAWB制御と同様の処理によって光源の種類を特定し、特定した光源の種類から撮影場所が屋内か屋外かを判定する。
【0040】
次に、制御部2は、選択画像に撮影状況情報100cが付加されているか否かを確認し、付加されていない場合には(ステップS11:NO)、後述するステップS12〜ステップS14の処理を実行し、付加されている場合には(ステップS11:YES)、後述するステップS15〜ステップS19の処理を実行する。
【0041】
まず、選択画像に撮影状況情報100cが付加されていない場合の処理について説明する。図6(a)は、その場合の処理内容を示した説明図である。
【0042】
選択画像に撮影状況情報100cが付加されていない場合、図3に示したように制御部2は、選択画像から取得した撮影条件情報に基づき、前述した撮影状況推測テーブル200を参照することによって、選択画像が撮影された時の撮影状況を推測する(ステップS12)。すなわち制御部2は、選択画像から取得した撮影条件情報のうちで、撮影状況推測テーブル200に示されている種類の撮影条件(1又は複数)の特定の内容に対応する撮影状況の内容を確認する。
【0043】
次に、制御部2は、ステップS12の処理で推測した撮影状況の情報と、ステップS10の処理で取得した現在の撮影状況を示す撮影状況情報との間における第一の差異Aを特定する(ステップS13)。すなわち制御部2は、双方の撮影状況情報において互いに異なる撮影状況の種類を特定する。
【0044】
しかる後、制御部2は、第一の差異Aに基づいて、ステップS9の処理で取得した撮影条件情報100bを補正する(ステップS14)。ステップS14の処理に際して制御部2は、例えば第一の差異A、つまり前記双方の撮影状況情報において互いに異なる撮影状況の種類が撮影場所であって、推測した選択画像の撮影場所が屋内であるのに対し、現在の撮影場所が屋外であるときには、ステップS9の処理で取得した撮影条件情報100bにおけるホワイトバランスを屋外の撮影時のホワイトバランスに補正する。
【0045】
また、ステップS14の処理に際して制御部2は、第一の差異Aに対応する撮影条件情報の種類が複数の場合、必要に応じて予め決められている優先順位がより高い種類の撮影条件情報から順に補正する。ここで、図2(a)に示したように、撮影条件情報100bにおける各種類の優先順位は、撮影結果に及ぼす影響がより少ない種類の撮影条件情報ほど優先順位が高くなっている。
【0046】
そのため、例えば第一の差異Aが照度(被写体の明るさ)である場合であって、推測した選択画像の照度に比べ、現在の照度が低い又は高いときには、ステップS9の処理で取得した撮影条件情報における照度に関連する種類の情報(撮影条件)、すなわちシャッター速度、絞り値、ISO感度のうちでISO感度を最初に補正し、それが補正範囲を超えてしまうときには、ISO感度を補正範囲の限界まで補正し、次に絞り値を補正する。
【0047】
つまりステップS12〜ステップS14の処理においては、選択画像(既撮影画像)が撮影された時の撮影状況と現在の撮影状況とが異なっている場合には、選択画像の撮影時における撮影条件情報が、現在の撮影状況に応じて補正される。
【0048】
その結果、補正後に得られる撮影条件情報は、これから撮影しようとしている被写体の撮影に適した撮影条件情報、つまり良好な状態の撮影結果を得ることができ、しかもユーザーの好みに応じた選択画像と近似する雰囲気を有する撮影結果を得ることができる撮影条件情報となる。
【0049】
また、選択画像から取得した撮影条件情報を補正するとき、第一の差異Aに対応する撮影条件情報の種類が複数の場合には、必要に応じて予め決められている優先順位がより高い種類の撮影条件情報から順に補正する。これよっても、補正後の撮影条件情報が、より確実に被写体の撮影に適した良好な状態の撮影結果を得ることができる撮影条件情報となる。
【0050】
次に、選択画像に撮影状況情報100cが付加されている場合の処理について説明する。図6(b)は、その場合の処理内容を示した説明図である。
【0051】
選択画像に撮影状況情報100cが付加されている場合、図3に示したように制御部2は、選択画像から、それに付加されている撮影状況情報を取得し(ステップS15)、取得した撮影状況情報と、ステップS10の処理で取得した現在の撮影状況を示す撮影状況情報との間における第二の差異Bを特定する(ステップS16)。すなわち制御部2は、双方の撮影状況情報において互いに異なる撮影状況の種類であって、選択画像が撮影されたときの実際の撮影状況と現在の撮影状況との間における実際の差異を特定する。
【0052】
次に、制御部2は、ステップS12の処理と同様に、選択画像から取得した撮影条件情報に基づき、前述した撮影状況推測テーブル200を参照することによって、選択画像が撮影された時の撮影状況を推測する(ステップS17)。すなわちステップS17の処理おいて制御部2は、選択画像が撮影された時の撮影条件が、撮影時の撮影状況に応じた一般的な基準に従い設定されていたと仮定した場合における選択画像の撮影時における撮影状況を推測する。
【0053】
引き続き、制御部2は、推測した撮影状況と、ステップS15の処理で取得した選択画像に付加されている撮影状況情報により示される撮影状況との間における第三の差異Cを特定する(ステップS18)。係る第三の差異Cは、選択画像が撮影された時の撮影条件が、撮影時の撮影状況に応じた一般的に基準に従い設定されていた場合とは異なり、例えば撮影者によって意図的に変更されていた場合、例えば露出を通常よりも多め(明るく)に設定していたり、通常よりも少なめ(暗く)設定していたりした場合に生じる撮影状況の差異である。
【0054】
しかる後、制御部2は、ステップS16の処理で特定した第二の差異BとステップS18の処理で特定した第三の差異Cとにそれぞれ基づいて、ステップS9の処理で取得した撮影条件情報100bを補正する(ステップS19)。ステップS19の処理に際して制御部2は、第二の差異Bに基づき、ステップS9の処理で取得した撮影条件情報100bを前述したステップS14の処理と同様の手順で補正した後、補正後の撮影条件情報を、さらに、第三の差異Cに基づき、前述したステップS14の処理と同様の手順で補正する。
【0055】
これによりステップS15〜ステップS19の処理においても、選択画像(既撮影画像)が撮影された時の撮影状況と現在の撮影状況とが異なっている場合には、選択画像の撮影時における撮影条件情報が、現在の撮影状況に応じて補正される。しかも、補正後に得られる撮影条件情報には、選択画像が撮影された時の撮影条件が撮影者によって意図的に変更されていた場合には、それが反映される。
【0056】
その結果、補正後に得られる撮影条件情報は、これから撮影しようとしている被写体の撮影に適した撮影条件情報、つまり良好な状態の撮影結果を得ることができ、しかもユーザーの好みに応じた選択画像とより一層確実に近似する雰囲気を有する撮影結果を得ることができる撮影条件情報となる。
【0057】
また、選択画像から取得した撮影条件情報100bを補正するとき、第二の差異B、及び第三の差異Cに対応する撮影条件情報の種類が複数の場合には、必要に応じて予め決められている優先順位がより高い種類の撮影条件情報から順に補正する。これよっても、補正後の撮影条件情報が、より確実に被写体の撮影に適した良好な状態の撮影結果を得ることができる撮影条件情報となる。
【0058】
以上のようにステップS12〜ステップS14の処理、又はステップS15〜ステップS19の処理によって、選択画像に付加されている撮影条件情報100bを補正した後、制御部2は、引き続き図4に示した以下の処理を実行する。
【0059】
すなわち制御部2は、補正後の撮影条件情報によるライブビュー画像を表示部6に表示されるとともに、画面上にモード表示を行う(ステップS20)。ステップS20の処理に際して制御部2は、撮像部5から供給される被写体の画像データに対し、補正後の撮影条件情報に応じた内容の画像処理を施すことにより、ライブビュー画像として表示中の被写体を補正後の撮影条件情報に従って撮影した場合に生成される画像と同様の表示用画像を生成し、それをライブビュー画像として表示部6に表示させる。つまり補正後の撮影条件情報が反映されたライブビュー画像を表示させる。なお、表示用画像は、実際の撮影結果と同一である必要はなく、補正後の撮影条件情報を撮影時に設定した場合の効果をユーザーに確認させる程度のものでよい。
【0060】
また、ステップS20の処理におけるモード表示は、現在、設定流用モードが設定されており、かつライブビュー画像が、補正後の撮影条件情報が反映された状態の画像であることを明示するためのもの、つまり補正後の撮影条件情報の効果をユーザーに識別させるためのものであって、OSD表示により行われる。図7(c)は、ステップS20の処理に際して表示部6に表示されるライブビュー画像、及びモード表示の例を示した図である。したがって、係るライブビュー画像によって、ユーザーは撮影時にどの様な撮影結果が得られる撮影条件情報が取得できたのかを、撮影以前に確認することができる。
【0061】
引き続き、制御部2は、ユーザーからライブビュー画像に反映中の撮影条件情報の補正が必要との指示(キー操作)があるか否かを確認し、補正が必要である旨の指示があった場合には(ステップS21:YES)、ユーザーに補正後の撮影条件情報から、撮影時の撮影条件として除外すべき撮影条件情報の種類を選択させる(ステップS22)。
【0062】
ステップS22の処理に際して制御部2は、図7(d)に示したような、撮影条件情報の種類を選択するための選択画面を表示部6に表示させ、所定のキー操作によって任意の撮影条件情報の種類を選択させる。しかる後、制御部2は、ライブビュー画像に反映中の撮影条件情報から、ユーザーにより選択された種類の撮影条件情報を除外する補正を行う(ステップS23)。
【0063】
これにより、ユーザーにおいては、前述したステップS14の処理やステップS19の処理によって自動的に補正された撮影条件情報が意図する撮影に適さない場合には、意図する撮影に応じて撮影条件情報を手動でさらに補正することができる。つまり、補正後に得られる撮影条件情報にユーザーの意志を反映させることができる。
【0064】
例えば、できるだけノイズが目立たない撮影結果を得たいにも拘わらず、自動的に補正された撮影条件情報のうちで、絞り値よりも優先度合が高いISO感度によって明るさが調整され、その結果、撮影条件情報が撮影結果にノイズを目立せるようなものとなっているときには、撮影時の撮影条件として除外すべき撮影条件情報の種類としてISO感度を選択すればよい。
【0065】
また、例えばフラッシュ撮影が行えない状況下で、自動的に補正された撮影条件情報においてフラッシュ有りとなっていた場合には、撮影時の撮影条件として除外すべき撮影条件情報の種類としてフラッシュの有りを選択すれば、フラッシュ無し、シャッター速度、絞り値、ISO感度、ホワイトバランスの調整によって好みの撮影結果が得られるような撮影条件情報を得ることができる。
【0066】
そして、制御部2は、ステップS23の処理による補正後の撮影条件情報によるライブビュー画像を表示部6に表示させるとともに、画面上にモード表示を行う(ステップS24)。なお、このときの制御部2の具体的な処理は、ステップS20の処理の場合と同様である。図7(e)は、ステップS23の処理に際して表示部6に表示されるライブビュー画像、及びモード表示の例を示した図である。したがって、係るライブビュー画像によって、ユーザーは撮影時にどの様な撮影結果が得られる撮影条件情報が取得できたのかを、撮影以前に確認することができる。
【0067】
これにより、ユーザーにおいては、自分が選択した種類の撮影条件情報を除外した内容の撮影条件情報を適用して撮影した場合に得られる撮影結果を確認することができる。
【0068】
しかる後、制御部2は、その時点でライブビュー画像に反映中の撮影条件情報の保存指示があるか否かを確認する(ステップS25)。なお、前述したステップS20の処理におけるライブビュー表示、及びモード表示の後に、ユーザーから補正が必要である旨の指示がなかった場合(ステップS21:NO)、制御部2は、その時点で直ちにライブビュー画像に反映中の撮影条件情報の保存指示があるか否かを確認する(ステップS25)。
【0069】
撮影条件情報の保存指示があった場合(ステップS25:YES)、制御部2は、その時点でライブビュー画像に反映中の撮影条件情報の保存処理を行う(ステップS26)。係る保存処理に際して制御部2は、例えばその時点でライブビュー画像として表示している画像を、当該画像に反映させている撮影条件情報を付加するとともに、撮影条件情報の保存用画像として通常の既撮影画像100とは識別可能な状態で記憶部7に記憶させる。これにより、任意の撮影時に設定流用モードで取得した撮影条件情報が、その後の撮影時においても利用可能となる。
【0070】
そして、制御部2は、ステップS26の処理後には前述したステップS7の処理へ戻り、また撮影条件情報の保存指示がなかった場合については(ステップS25:NO)、直ちに前述したステップS7の処理へ戻り、設定流用モードが再び選択されたら(ステップS7:YES)、前述したステップS8以降の処理を繰り返す。
【0071】
一方、制御部2は、前述したステップS8以降の処理を行った後、又はそれを行う以前においてライブビュー表示を行っている間、撮影モードの下位モードとして予め用意されている保存撮影条件モードがユーザーにより選択された場合には図5に進み(ステップS7:NO、ステップS27:YES)、以下の処理を行う。
【0072】
まず、制御部2は、撮影時に設定すべき撮影条件情報として、前述したステップS26の保存処理によって予め保存されている撮影条件情報をユーザーに選択させる(ステップS28)。ステップS28の処理に際して制御部2は、記憶部7に記憶されている1又は複数の前述した撮影条件情報の保存用画像を表示部6に選択可能に順送りで表示させたり、選択可能に一覧表示させることによりユーザーに所望の保存用画像、つまり撮影条件情報を選択させる。しかる後、制御部2は、ユーザーに選択された撮影条件情報を反映した状態のライブビュー表示を開始し(ステップS29)、ステップS7の処理へ戻る。
【0073】
そして、制御部2は、ライブビュー表示を行っている間に、いずれかの時点でシャッターキーが操作(押下)されると(ステップS7:NO、ステップS27:NO、ステップS30:YES)、記録用の画像データを取得する撮影処理を実行する(ステップS31)。
【0074】
ステップS31において制御部2が実行する撮影処理は、ライブビュー画像として、先に説明した撮影条件情報、すなわちステップS12〜ステップS14の処理や、ステップS15〜ステップS19の処理で取得した撮影条件情報が反映されている状態のライブビュー画像が表示されているときには、その撮影条件情報に従った撮影処理である。また、ステップS31において制御部2が実行する撮影条件は、ライブビュー画像として、先に説明した撮影条件情報が反映されていない通常の状態のライブビュー画像が表示されているときには、AE制御やAWB制御等によって得られた撮影条件情報に従った撮影処理である。
【0075】
しかる後、制御部2は、ステップS31の撮影処理で取得した画像データを圧縮し、種々の属性情報を付加し静止画ファイルとして記憶部7に記憶する(ステップS32)。
【0076】
また、制御部2は、ライブビュー表示を行っている間にシャッターキー以外の他の操作があった場合には(ステップS30:NO、ステップS33:YES)、操作に応じた所定の処理を実行した後(ステップS34)、再び設定流用モードが選択されたか否かを確認する(ステップS7)。なお、ステップS33の処理で制御部2が確認する操作内容は、ズーム設定等である。
【0077】
以上のように本実施形態のデジタルカメラ1によれば、ユーザーは、既存する撮影画像の中から所望する撮影結果と近似する画像を選択するだけで、所望する撮影結果であって、良好な状態の撮影結果を容易、かつ確実に得ることができる。
【0078】
なお、ここではデジタルカメラ1が通信部10を備え、必要に応じてインターネットから既撮影画像100を受信し、受信した既撮影画像100から撮影時に流用する撮影条件情報を得ることができる構成について説明した。しかし、本発明の実施に際しては、通信部10を廃止し、デジタルカメラ1が記憶部7に記憶されている既撮影画像100のみから撮影時に流用する撮影条件情報を得る構成を採用しても構わない。
【0079】
また、本発明の実施に際しては、デジタルカメラ1が撮影時に使用する撮影条件情報を、デジタルカメラ1以外の装置によって取得する構成も採用することができる。
【0080】
図8は、その場合の一例を示すシステム構成図である。すなわち図8に示したシステムは、デジタルカメラ1と、デジタルカメラ1、及びインターネット500と通信可能な携帯情報端末(携帯電話端末など)600とで構成される。
【0081】
係るシステムにおいて本発明を実施する場合には、携帯情報端末600においてインターネット500上の既撮影画像100を選択しダウンロードさせるとともに、デジタルカメラ1が撮影に際して使用する撮影条件情報を取得させる。そして、携帯情報端末600が取得した撮影条件情報をデジタルカメラ1に供給し、それをデジタルカメラ1が撮影時に使用する撮影条件情報として設定する構成とすればよい。
【0082】
その場合、例えば携帯情報端末600がデジタルカメラを内蔵する構成であれば、携帯情報端末600には、図3、図4に示したステップS8〜ステップS26と同様の処理を行わせればよい。
【0083】
以上、本発明のいくつかの実施形態、及びその変形例について説明したが、これらは本発明の作用効果が得られる範囲内であれば適宜変更が可能であり、変更後の実施形態も特許請求の範囲に記載された発明、及びその発明と均等の発明の範囲に含まれる。
以下に、本出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
既存する複数の撮影画像から任意の撮影画像を使用者に選択させる第一の選択制御手段と、前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像に付加されている撮影条件情報を取得する取得手段と、現在の撮影状況を示す撮影状況情報を検出する検出手段と、前記取得手段により取得された撮影条件情報を、前記検出手段により検出された撮影状況情報に応じて補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に際して使用する撮影条件情報として取得する撮影条件取得手段とを備えることを特徴とする撮影条件取得装置。
[請求項2]
前記撮影条件取得手段は、前記取得手段により取得された撮影条件情報の補正に際し、当該撮影条件情報における補正候補となる種類の撮影条件情報が複数の場合、必要に応じて予め決められている優先順位がより高い種類の撮影条件情報から順に補正することを特徴とする請求項1記載の撮影条件取得装置。
[請求項3]
前記撮影条件取得手段は、前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像の撮影時の撮影状況を、前記取得手段により取得された撮影条件情報に基づき推測する推測手段と、前記推測手段により推測された撮影状況と前記検出手段により検出された撮影状況情報により示される現在の撮影状況との間における第一の差異を特定する第一の特定手段とを含み、前記取得手段により取得された撮影条件情報を、前記第一の特定手段により特定された第一の差異に基づき補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に使用する撮影条件情報として取得することを特徴とする請求項1又は2記載の撮影条件取得装置。
[請求項4]
前記取得手段は、前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像に、当該撮影画像の撮影時の撮影状況を示す撮影状況情報が付加されている場合に、当該撮影状況情報を更に取得し、前記撮影条件取得手段は、前記取得手段により取得された撮影状況情報により示される撮影状況と前記検出手段により検出された撮影状況情報により示される現在の撮影状況との間における第二の差異を特定する第二の特定手段と、前記推測手段により推測された撮影状況と前記取得手段により取得された撮影状況情報により示される撮影状況との間における第三の差異を特定する第三の特定手段と、前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像に、当該撮影画像の撮影時の撮影状況を示す撮影状況情報が付加されている場合に、前記取得手段により取得された撮影条件情報を、前記第二の特定手段により特定した第二の差異及び前記第三の特定手段により特定した第三の差異に基づき補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に使用する撮影条件情報として取得する第一の補正取得手段と、前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像に、当該撮影画像の撮影時の撮影状況を示す撮影状況情報が付加されていない場合に、前記取得手段により取得された撮影条件情報を、前記第一の特定手段により特定された第一の差異に基づき補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に使用する撮影条件情報として取得する第二の補正取得手段とを更に含むことを特徴とする請求項3記載の撮影条件取得装置。
[請求項5]
前記取得手段は、前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像に付加されている撮影状況情報を更に取得し、前記撮影条件取得手段は、前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像の撮影時の撮影状況を、前記取得手段により取得された撮影条件情報に基づき推測する推測手段と、前記取得手段により取得された撮影状況情報により示される撮影状況と前記検出手段により検出された撮影状況情報により示される現在の撮影状況との間における第二の差異を特定する第二の特定手段と、前記推測手段により推測された撮影状況と前記取得手段により取得された撮影状況情報により示される撮影状況との間における第三の差異を特定する第三の特定手段とを含み、前記取得手段により取得された撮影条件情報を、前記第二の特定手段により特定した第二の差異及び前記第三の特定手段により特定した第三の差異に基づき補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に使用する撮影条件情報として取得することを特徴とする請求項1又は2記載の撮影条件取得装置。
[請求項6]
前記検出手段は、現在の撮影状況を示す撮影状況情報として、被写体の照度、天気、屋内又は屋外の別の少なくともいずれか1つを示す撮影状況情報を検出することを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の撮影条件取得装置。
[請求項7]
前記取得手段により取得された撮影条件情報のうちで現在の撮影状況での被写体の撮影に際し流用すべき種類の撮影条件を使用者に選択させる第二の選択制御手段をさらに備え、前記撮影条件取得手段は、前記取得手段により取得された撮影条件情報の補正に際し、第二の選択制御手段が使用者に選択させた種類の撮影条件を補正の対象から除外することを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の撮影条件取得装置。
[請求項8]
前記第一の選択制御手段は、既存する複数の撮影画像であって、前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件情報を被写体の撮影に際して使用する撮影装置に保存されている複数の撮影画像から任意の撮影画像を使用者に選択させることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の撮影条件取得装置。
[請求項9]
前記第一の選択制御手段は、既存する複数の撮影画像であって、前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件情報を被写体の撮影に際して使用する撮影装置以外の他の装置に保存されている複数の撮影画像から任意の撮影画像を使用者に選択させることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の撮影条件取得装置。
[請求項10]
前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件情報を再利用可能に保存する保存手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の撮影条件取得装置。
[請求項11]
前記取得手段により取得された撮影条件情報と前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件情報との差異を識別可能に表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至10いずれか記載の撮影条件取得装置。
[請求項12]
既存する複数の撮影画像から任意の撮影画像を使用者に選択させる工程と、使用者に選択させた撮影画像に付加されている撮影条件情報を取得する工程と、現在の撮影状況を示す撮影状況情報を検出する工程と、前記取得した撮影条件情報を、前記検出した撮影状況情報に応じて補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に際して使用する撮影条件情報として取得する工程とを備えることを特徴とする撮影条件取得方法。
[請求項13]
コンピュータに、任意の記憶手段に記憶されている複数の撮影画像から任意の撮影画像を使用者に選択させる処理と、使用者に選択させた撮影画像に付加されている撮影条件情報を取得する処理と、所定の検出手段によって現在の撮影状況を示す撮影状況情報を検出する処理と、前記取得した撮影条件情報を、前記検出した撮影状況情報に応じて補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に際して使用する撮影条件情報として取得する処理とを実行させることを特徴とするプログラム。
[請求項14]
被写体を撮像する撮像手段と、既存する複数の撮影画像から任意の撮影画像を使用者に選択させる第一の選択制御手段と、前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像に付加されている撮影条件情報を取得する取得手段と、現在の撮影状況を示す撮影状況情報を検出する検出手段と、前記取得手段により取得された撮影条件情報を、前記検出手段により検出された撮影状況情報に応じて補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に際して使用する撮影条件情報として取得する撮影条件取得手段と、前記撮像手段が被写体を撮像する撮影時の撮影条件を前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件情報に従い設定する設定手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
【符号の説明】
【0084】
1 デジタルカメラ
2 制御部
3 電源部
4 レンズ部
5 撮像部
6 表示部
7 記憶部
8 操作部
9 発光部
10 通信部
100 既撮影画像
100a 画像データ本体
100b 撮影条件情報
100c 撮影状況情報
500 インターネット
600 携帯情報端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存する複数の撮影画像から任意の撮影画像を使用者に選択させる第一の選択制御手段と、
前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像に付加されている撮影条件情報を取得する取得手段と、
現在の撮影状況を示す撮影状況情報を検出する検出手段と、
前記取得手段により取得された撮影条件情報を、前記検出手段により検出された撮影状況情報に応じて補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に際して使用する撮影条件情報として取得する撮影条件取得手段と
を備えることを特徴とする撮影条件取得装置。
【請求項2】
前記撮影条件取得手段は、前記取得手段により取得された撮影条件情報の補正に際し、当該撮影条件情報における補正候補となる種類の撮影条件情報が複数の場合、必要に応じて予め決められている優先順位がより高い種類の撮影条件情報から順に補正することを特徴とする請求項1記載の撮影条件取得装置。
【請求項3】
前記撮影条件取得手段は、
前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像の撮影時の撮影状況を、前記取得手段により取得された撮影条件情報に基づき推測する推測手段と、
前記推測手段により推測された撮影状況と前記検出手段により検出された撮影状況情報により示される現在の撮影状況との間における第一の差異を特定する第一の特定手段と
を含み、
前記取得手段により取得された撮影条件情報を、前記第一の特定手段により特定された第一の差異に基づき補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に使用する撮影条件情報として取得する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の撮影条件取得装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像に、当該撮影画像の撮影時の撮影状況を示す撮影状況情報が付加されている場合に、当該撮影状況情報を更に取得し、
前記撮影条件取得手段は、
前記取得手段により取得された撮影状況情報により示される撮影状況と前記検出手段により検出された撮影状況情報により示される現在の撮影状況との間における第二の差異を特定する第二の特定手段と、
前記推測手段により推測された撮影状況と前記取得手段により取得された撮影状況情報により示される撮影状況との間における第三の差異を特定する第三の特定手段と、
前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像に、当該撮影画像の撮影時の撮影状況を示す撮影状況情報が付加されている場合に、前記取得手段により取得された撮影条件情報を、前記第二の特定手段により特定した第二の差異及び前記第三の特定手段により特定した第三の差異に基づき補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に使用する撮影条件情報として取得する第一の補正取得手段と、
前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像に、当該撮影画像の撮影時の撮影状況を示す撮影状況情報が付加されていない場合に、前記取得手段により取得された撮影条件情報を、前記第一の特定手段により特定された第一の差異に基づき補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に使用する撮影条件情報として取得する第二の補正取得手段と
を更に含む
ことを特徴とする請求項3記載の撮影条件取得装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像に付加されている撮影状況情報を更に取得し、
前記撮影条件取得手段は、
前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像の撮影時の撮影状況を、前記取得手段により取得された撮影条件情報に基づき推測する推測手段と、
前記取得手段により取得された撮影状況情報により示される撮影状況と前記検出手段により検出された撮影状況情報により示される現在の撮影状況との間における第二の差異を特定する第二の特定手段と、
前記推測手段により推測された撮影状況と前記取得手段により取得された撮影状況情報により示される撮影状況との間における第三の差異を特定する第三の特定手段と
を含み、
前記取得手段により取得された撮影条件情報を、前記第二の特定手段により特定した第二の差異及び前記第三の特定手段により特定した第三の差異に基づき補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に使用する撮影条件情報として取得する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の撮影条件取得装置。
【請求項6】
前記検出手段は、現在の撮影状況を示す撮影状況情報として、被写体の照度、天気、屋内又は屋外の別の少なくともいずれか1つを示す撮影状況情報を検出することを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の撮影条件取得装置。
【請求項7】
前記取得手段により取得された撮影条件情報のうちで現在の撮影状況での被写体の撮影に際し流用すべき種類の撮影条件を使用者に選択させる第二の選択制御手段をさらに備え、
前記撮影条件取得手段は、前記取得手段により取得された撮影条件情報の補正に際し、第二の選択制御手段が使用者に選択させた種類の撮影条件を補正の対象から除外することを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の撮影条件取得装置。
【請求項8】
前記第一の選択制御手段は、既存する複数の撮影画像であって、前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件情報を被写体の撮影に際して使用する撮影装置に保存されている複数の撮影画像から任意の撮影画像を使用者に選択させることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の撮影条件取得装置。
【請求項9】
前記第一の選択制御手段は、既存する複数の撮影画像であって、前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件情報を被写体の撮影に際して使用する撮影装置以外の他の装置に保存されている複数の撮影画像から任意の撮影画像を使用者に選択させることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の撮影条件取得装置。
【請求項10】
前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件情報を再利用可能に保存する保存手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の撮影条件取得装置。
【請求項11】
前記取得手段により取得された撮影条件情報と前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件情報との差異を識別可能に表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至10いずれか記載の撮影条件取得装置。
【請求項12】
既存する複数の撮影画像から任意の撮影画像を使用者に選択させる工程と、
使用者に選択させた撮影画像に付加されている撮影条件情報を取得する工程と、
現在の撮影状況を示す撮影状況情報を検出する工程と、
前記取得した撮影条件情報を、前記検出した撮影状況情報に応じて補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に際して使用する撮影条件情報として取得する工程と
を備えることを特徴とする撮影条件取得方法。
【請求項13】
コンピュータに、
任意の記憶手段に記憶されている複数の撮影画像から任意の撮影画像を使用者に選択させる処理と、
使用者に選択させた撮影画像に付加されている撮影条件情報を取得する処理と、
所定の検出手段によって現在の撮影状況を示す撮影状況情報を検出する処理と、
前記取得した撮影条件情報を、前記検出した撮影状況情報に応じて補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に際して使用する撮影条件情報として取得する処理と
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
被写体を撮像する撮像手段と、
既存する複数の撮影画像から任意の撮影画像を使用者に選択させる第一の選択制御手段と、
前記第一の選択制御手段が使用者に選択させた撮影画像に付加されている撮影条件情報を取得する取得手段と、
現在の撮影状況を示す撮影状況情報を検出する検出手段と、
前記取得手段により取得された撮影条件情報を、前記検出手段により検出された撮影状況情報に応じて補正し、補正後の撮影条件情報を現在の撮影状況での被写体の撮影に際して使用する撮影条件情報として取得する撮影条件取得手段と、
前記撮像手段が被写体を撮像する撮影時の撮影条件を前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件情報に従い設定する設定手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−77876(P2013−77876A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214971(P2011−214971)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】