説明

撮影装置、その制御方法、及びプログラム

【課題】画角調整の煩雑さを低減し、適する画角の画像を撮影することができる撮像装置、その制御方法、及びプログラムを提供すること。
【解決手段】水準器を用いて撮像装置の角度を計測し、撮影した画像を水準器で計測した角度情報と対応付けて記憶する。画像の指定を受け付けることで、当該画像に対応した角度情報であって、撮影実行の判断基準となる前記角度情報を特定し、撮影した画像の角度情報と、前記特定した角度情報とを用いて、前記撮影手段で撮影した画像の中から、前記判断基準を満たす画像を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置、その制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラをなるべく水平にして撮影するための補助機能として、水準器を搭載しているデジタルカメラが考案されている。水準器自体は水平を検出するだけでなくカメラの傾いた角度も検出可能であるが、上記のカメラでは、水準器を用いて計測した角度を積極的に撮影に利用しておらず、あくまでカメラ自体の水平を検出、表示するためのものとなっている。
【0003】
ところで、水準器等を用いてカメラの角度を計測し、計測した角度を利用して、故意にカメラを傾けた状態で撮影を行い、過去に撮影した画像の被写体(建築物など)を後で再度撮影する場合、同一の画角(角度、緯度・経度、方位)、構図で撮影することが考えられる。
【0004】
例えば、記録済みの画像の角度情報と、現在のカメラの角度情報の両方を表示画面に表示し、ユーザに2つの角度情報を比較させることで、記録済みの画像と同じ構図で撮影を行わせる技術が公開されている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−246937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、ユーザは、カメラの現在の角度情報と、過去に撮影した画像の角度情報とである2つの情報を見比べながら画角の調整を行わなければならず、過去の画像の構図と近似する構図の画像を撮影することは必ずしも容易ではない。
【0007】
本発明は、画角調整の煩雑さを低減し、適する画角の画像を撮影することができる撮像装置、その制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の撮像装置は、水準器を備える撮像装置であって、ユーザから受け付けた操作指示に従って、連続的に撮影を行うことが可能な撮影手段と、前記撮影手段で撮影した画像を、前記水準器で計測した角度情報と対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した画像の指定を受け付けることで、前記画像に対応した角度情報であって、前記撮影手段で撮影した複数の画像の中から画像を抽出する判断基準となる前記角度情報を特定する特定手段と、前記撮影手段で撮影した画像の角度情報と、前記特定手段で特定した角度情報とを用いて、前記撮影手段で撮影した画像の中から、前記判断基準を満たす画像を抽出する抽出手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画角調整の煩雑さを低減し、適する画角の画像を撮影することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態における撮像装置100のハードウェア構成および撮影機能の一例を示す図。
【図2】本発明の実施形態における撮像装置100の機能構成の一例を示す図。
【図3】本発明の実施形態における、撮像装置100の起動からモデル画像の指定を受け付けるまでの処理の流れを示すフローチャート。
【図4】本発明の実施形態における、連続撮影を用いた類似画角画像撮影の処理の流れを示すフローチャート。
【図5】本発明の実施形態における、撮像装置の画角とモデル画像の画角とが近づいた合に撮影を実行する処理の流れを示すフローチャート。
【図6】本発明の実施形態における、撮像装置の画角とモデル画像の画角とを近づけるべく案内し、撮影を促す処理の流れを示すフローチャート。
【図7】本発明の実施形態における、モデル画像の選択指示受付画面の構成の一例を示す図。
【図8】本発明の実施形態における、撮影画面の構成の一例を示す図。
【図9】本発明の実施形態における、カメラ移動指示表示画面の構成の一例を示す図。
【図10】本発明の実施形態における、撮影案内画面の構成の一例を示す図。
【図11】本発明の実施形態における、撮影実行指示表示画面の構成の一例を示す図。
【図12】本発明の実施形態における、画像に紐付いて記憶される画角情報を格納する画角情報テーブルの構成の一例を示す図。
【図13】本発明の実施形態における、撮像装置100の水準器等により計測される計測情報を格納する計測情報テーブルの構成の一例を示す図。
【図14】本発明の実施形態における、撮影を実行する際の閾値を設定した撮影条件テーブルの構成の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態における、地図表示画面の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、図1を参照して、本発明の実施形態における撮像装置100のハードウェア構成および撮影機能について説明する。図1は、本発明の実施形態における撮像装置100のハードウェア構成および撮影機能の一例を示す図である。
【0012】
図1は、本発明に係る撮影装置の概略構成を示すハードウェアブロック図である。図1で、撮影装置は、いわゆるデジタルカメラから成り、撮影用のレンズ101、撮像素子(以下、「CCD」と称する)102、カメラ信号処理部(以下、「ADC」と称する)103、画像処理部104、システムコントローラ110、バッファメモリ111、フラッシュROM112、インターフェース回路(以下、「I/F回路」と称する)113、カードホルダ114、メモリカード115、ディスプレイドライバ116、および操作部120を備える。
【0013】
レンズ101は、レンズ等であり、対物レンズ、ズームレンズ、およびフォーカスレンズなどで構成される。ズームレンズおよびフォーカスレンズについては、不図示の駆動機構により光軸方向へ駆動される。撮像素子102は、レンズ101から入射した撮像光を結像し、電気信号(アナログ信号)に変換して出力するCCDイメージセンサで構成される。
【0014】
カメラ信号処理部(ADC)103は、撮像素子102から受けた電気信号にデジタル変換やホワイトバランス調整などの信号処理を行なって、デジタル信号に変換する機能を有する。システムコントローラ110は、画像処理部104、バッファメモリ111、フラッシュROM112、I/F回路113、ディスプレイドライバ116、サウンドドライバ118、LEDドライバ128、および操作部120に接続されている
【0015】
画像処理部104は、前処理部105、YC処理部106、電子ズーム処理部107、圧縮部108、および伸長部109を備え、カメラ信号処理部103から出力されるデジタル信号から画像データを生成し、各種画像処理を行う機能を有する。
【0016】
前処理部105は、入力される画像データに基づく画像のホワイトバランスを調整するホワイトバランス処理や画像のガンマ補正処理を行う機能を有する。ホワイトバランス処理は、画像の色合いを、実物の色合いに近くなるように調整したり、光源(蛍光灯や太陽光など)に合った適正な色に調整したりする処理である。ガンマ補正処理は、画像のコントラストを調整する処理である。なお、前処理部105は、ホワイトバランス処理およびガンマ補正処理以外の画像処理を実行することも可能である。
【0017】
YC処理部106は、入力される画像データに基づく画像を、輝度情報「Y」と、輝度信号と青色の色差情報「Cb」と、輝度信号と赤色の色差情報「Cr」とに分離する機能を有する。電子ズーム処理部107は、画像の一部(例えば中央部)を所定の大きさでトリミングし、トリミングした画像を信号処理で元画像の大きさに拡大する機能を有する。電子ズーム処理部107は、例えば、撮影された1600×1200ドットの画像から中央の1024×768ドットの画像を切り出し、データ補間を行いながら1600×1200ドットのサイズに拡大することができる。
【0018】
圧縮部108は、画像データをJPEG(Joint Photographic Expert Group)方式などの圧縮形式によって圧縮する機能を有する。伸長部109は、圧縮されている画像データを伸長する機能を有する。例えば、画像データをJPEG方式で圧縮する場合、まず、画像データの高周波成分と低周波成分の割合を数値化する離散コサイン変換処理が行われる(DCT処理)。次に、画像の階調やグラデーションを表現する段階を数値(量子化ビット数)で表現する量子化処理が行われる。最後に、ハフマン符号化処理で画像データが圧縮される。
【0019】
具体的には、画像データの信号文字列が一定のビット毎に区切られ、出現頻度が高い文字列に対してより短い符号が与えてられてゆく。なお、圧縮処理を行わないで画像データを記録する方式の場合は、圧縮部108および伸長部109を省略することができる。また、画像データの圧縮形式は、JPEG方式に限らず、GIF(Graphical Interchange Format)形式などであっても、同様に処理を行うことができる。
【0020】
バッファメモリ111には、画像処理部104で画像処理が行われる際に、一時的に画像データが保存される。フラッシュROM112には、撮影装置の各種設定情報や、後述するユーザ認証情報が保存される。I/F回路113は、システムコントローラ110から出力される画像データを、メモリカード115に記録可能なデータ形式に変換する。また、I/F回路113は、メモリカード115から読み出された画像データ等を、システムコントローラ110で処理可能なデータ形式に変換する。
【0021】
カードホルダ114は、記録媒体であるメモリカード115を撮影装置に着脱可能にする機構を備えると共に、メモリカード115との間でデータ通信が可能な電気接点を備える。また、カードホルダ114は、撮影装置で利用される記録媒体の種類に応じた構造を有する。メモリカード115は、フラッシュメモリなどの半導体記憶素子を内蔵し、カードホルダ114に着脱可能なカード型の記録媒体である。メモリカード115には、撮影装置で撮影された画像データを記録することができる。
【0022】
ディスプレイドライバ116は、システムコントローラ110から出力される画像データを液晶ディスプレイ117で表示可能な信号に変換する。具体的には、ディスプレイドライバ116は、システムコントローラ110から出力されるデジタルの画像データをアナログ画像信号に変換する処理を行い、次に画像サイズを液晶ディスプレイ117の表示可能エリアのサイズに適したサイズに変換する処理を行う。
【0023】
サウンドドライバ118は、システムコントローラ110から出力される音声データをスピーカ219で鳴動可能な信号に変換する処理を行う。LED(Light Emitting Diode)LEDドライバ128は、システムコントローラ110から出力される命令に従いランプ129の制御を行う。
【0024】
操作部120は、電源スイッチ121、モードダイヤル122、撮影ボタン123、カーソルキー124、ズームボタン125、および閲覧(再生)ボタン126を備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作内容に応じた信号をシステムコントローラ110に出力する。なお、操作部120には、図示の操作ボタン以外の操作ボタン類も含まれるが、それらの説明は省略する。
【0025】
モードダイヤル(選択ボタン)122は、撮影動作のモードを切り替えるための回転可能なダイヤルである。ユーザはモードダイヤル122を操作することで、複数の撮影動作モードを選択することが可能である。なお、本発明の実施形態で、モードダイヤルは、ダイヤル式機構として記載をするが、例えば、ダイヤルではなくスライド式のボタンであってもよい。つまり、モードダイヤル122について、その機構はダイヤルに限定されず、カメラのモードを切り替えられるための機構を備えていることが本質である。
【0026】
閲覧ボタン126は、撮影した画像データを閲覧する閲覧モード(再生モード)に切り替えるためのボタンである。閲覧ボタン126が押下されると、撮影モードから閲覧モードに移行する。なお、閲覧モードへの切替方法については、閲覧ボタン126の押下に限定されず、液晶ディスプレイ117上のタッチパネル(不図示)などによる移行方法であってもよい。
【0027】
閲覧モードでは、システムコントローラ110が、I/F回路113を介して、カードホルダ114に装着されているメモリカード115から設定情報と画像データを読み出す。設定情報は、現在装着されているメモリカード115に記録されている画像の枚数および記録されている画像データの容量などである。読み出される画像データは、例えば、画像1枚分の画像データまたはサムネイルデータである。なお、メモリカード115から読み出される画像データは、上述したように所定の圧縮形式で圧縮されている。
【0028】
メモリカード115から読み出された画像データは、I/F回路113およびシステムコントローラ110を介して、ディスプレイドライバ116へ入力される。ディスプレイドライバ116は、入力された画像データを液晶ディスプレイ117に表示させる。
【0029】
カーソルキー124は、ユーザが撮影装置に対する所定の指示や機能選択を行うためのキーである。ユーザは、カーソルキー124により、撮影装置に対する各種設定情報やユーザ認証情報などの操作入力を行うことができる。また、カーソルキー124により、液晶ディスプレイ117にメニュー画面を表示させたり、撮影装置が有する所定の機能を選択することができる。さらに、カーソルキー124により、撮影装置で撮影された画像データを液晶ディスプレイ117上にプレビュー表示させることができる。プレビュー表示とは、撮像装置100で撮影した画像を、その直後に液晶ディスプレイ117に表示させる機能である。
【0030】
なお、プレビュー表示については、液晶ディスプレイ117上に撮影した画像を1枚のみ表示する構成に限定されず、サムネイル画像を含む複数の画像を表示するように構成してもよい。また、プレビュー表示の切り替えについては、カーソルキー124の押下に限らず、他のボタンの押下などの一般的な方法を利用して切り替えられる構成にしてもよい。また、プレビュー表示画面で、プレビュー表示画像の削除や編集などが行えるように構成してもよい。
【0031】
レンズ制御部127は、レンズ101のレンズに対して、ズーム、フォーカス、絞り等の制御を行う。また、撮影装置は、被写体を撮像して画像データを得る撮影モードと当該撮影モードで得た画像データを表示する閲覧(再生)モードとを備える。
【0032】
なお、音声についてはマイクやスピーカを用いることで、撮像装置と同様に記録、及び再生が可能である。また、映像(動画)記録時には、通常音声記録も同時に行われ、圧縮部108および伸長部109で、映像と音声が多重化される。
【0033】
また、撮像装置100における撮影動作について図1を用いて説明する。まず、ユーザが電源スイッチ121を操作し、撮像装置100の電源をONにする。すると、撮像装置100に内蔵されているバッテリー(不図示)から各回路へ電源供給されて、撮像装置100の起動処理(レンズバリアを開く動作制御およびマイクロコンピューターのリセット処理など)が行われる。撮像装置100は、電源OFF時に電源スイッチ121が押下されると電源ONとなり、自動的に撮影モードとなるように構成されている。また、電源OFF時に閲覧ボタンが押下されると電源ONとなり、自動的に閲覧モードとなるように構成されている。
【0034】
撮像装置100が撮影モードに移行すると、光学画像がレンズ101を介して撮影装置内へ入射し、撮像素子(CCD)102に結像される。CCD102は、入射される光学画像を電気信号に変換して、カメラ信号処理部(ADC)103へ出力する。ADC103は、入力される電気信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。ADC103から出力されるデジタル信号は画像処理部104に入力される。
【0035】
画像処理部104内の前処理部105では、入力されるデジタル信号に基づき画像データを生成し、ホワイトバランス処理およびガンマ補正処理などが行われる。画像処理部104内のYC処理部106では、画像データが輝度信号Yと色差信号CrおよびCbとに分離され、色差信号CrおよびCbの情報量を減らす処理が行われる。色差信号CrおよびCbの情報量の削減処理は、例えば、画像の主走査方向の色情報を間引く「4:2:2ダウンサンプリング処理」や、画像の縦横方向の色情報を間引く「4:1:1ダウンサンプリング処理」などがある。なお、前処理部105およびYC処理部106で画像処理を行う際は、画像データを一時的にバッファメモリ111に保存し、随時バッファメモリ111に保存されている画像データを読み出しながら画像処理が行われる。
【0036】
画像処理部104から出力される画像データ(非圧縮)はシステムコントローラ110に入力される。システムコントローラ110は、画像処理部104から出力される画像データを、ディスプレイドライバ116へ出力する。ディスプレイドライバ116は、入力される画像データ(デジタル信号)をアナログ画像信号に変換すると共に、アナログ画像信号に基づく画像のサイズを液晶ディスプレイ117で表示可能なサイズに調整する。
【0037】
また、ディスプレイドライバ116は、液晶ディスプレイ117に画像を表示させるよう制御する。このとき、液晶ディスプレイ117に表示される画像は、CCD102、ADC103、および画像処理部104で、連続的に信号処理されて生成される画像(スルー画像)である。
【0038】
液晶ディスプレイ117にスルー画像が表示されている状態で、ユーザが希望のタイミングで撮影ボタン123を操作すると、システムコントローラ110は画像処理部104に制御信号を出力する。画像処理部104に制御信号が入力されると、圧縮部108は、前処理部105およびYC処理部106で画像処理された画像データをバッファメモリ111へ保存し、圧縮処理を行う。
【0039】
具体的には、画像データの高周波成分と低周波成分の割合を数値化する離散コサイン変換処理(DCT処理)や、画像の階調やグラデーションを表現する段階を量子化ビット数で表現する量子化処理や、画像データの信号文字列を一定のビット毎に区切り、出現頻度が高い文字列に対して、より短い符号を与えてゆくハフマン符号化処理などが実行される。圧縮された画像データは、システムコントローラ110およびディスプレイドライバ116を介して液晶ディスプレイ117に表示される。また、圧縮された画像データは、カードホルダ114を介してメモリカード115に記録される。
【0040】
撮影ボタン123が操作される前にズームボタン125が操作されると、システムコントローラ110は光学ズーム処理や電子ズーム処理を実行し、画像の大きさを拡大または縮小させることができる。そして、ズームボタン125の操作後、撮影ボタン123が操作されると、拡大または縮小された画像の画像データがメモリカード115へ記録される。
【0041】
水準器130は、撮像装置100の傾きを検知し、計測する。方位センサ131は、撮像装置100の向いている方角(方位)を計測する。以上が図1に示す、本発明の実施形態における撮像装置100のハードウェア構成および撮影機能についての説明である。
【0042】
次に図2を参照して、本発明の実施形態における撮像装置100の機能構成について説明する。図2は、本発明の実施形態における撮像装置100の機能構成の一例を示す図である。図2に示す通り、本発明の実施形態における撮像装置100は、画角取得部201、画角計測部202、画角情報比較部203、類似画像抽出部204、撮影判断部205、撮影案内部206等から構成される。
【0043】
画角取得部201はユーザから指定された画像の画角情報を抽出する抽出部である。例えば、撮影済みの画像のプレビュー画像の選択を受け付け、選択対象の画像の画角情報を抽出する。画角情報については、図12の説明にて後述する。
【0044】
ここで図12を参照して、本発明の実施形態における、画像に紐付いて記憶される画角情報を格納する画角情報テーブルの構成の一例について説明する。図12は、本発明の実施形態における、画像に紐付いて記憶される画角情報を格納する画角情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【0045】
画角情報テーブル1200は、ファイル名1201、撮影位置1202、方位1203、上下方向角度1204等から構成されている。当該画像情報テーブル1200に記憶される情報は、撮影により画像が取得された場合において、当該画像の取得時点(撮影時点)に計測した情報であり、当該画像情報テーブル1200は当該撮影により取得した画像の画像ファイルに紐付いて、バッファメモリ111、メモリカード115等に記憶されるものとする。
【0046】
ファイル名1201は、画像ファイルのファイル名である。撮影位置1202は、当該画像ファイルの画像が撮影された場所を示す情報である。方位1203は、当該画像ファイルの画像が撮影された方位を示す情報である。
【0047】
上下方向角度1204は、当該画像ファイルの画像が撮影された上下方向角度を示す情報である。以上が図12の、本発明の実施形態における、画像に紐付いて記憶される画角情報を格納する画角情報テーブルの構成の一例についての説明である。
【0048】
図2の説明に戻る。画角計測部202は撮像装置100の現在の画角(角度・方位)、撮像装置100の位置を計測する計測部である。例えば、水準器130の機能を用いて撮像装置100の角度を計測し、GPS機能を用いて撮像装置100の位置を計測し、方位センサ131の機能を用いて撮像装置100の方位を計測する。各装置、機能により計測される情報は計測情報テーブル1300に示す通りである。計測情報テーブル1300については、図13の説明で後述する。
【0049】
ここで図13を参照して、本発明の実施形態における、撮像装置100の水準器等により計測される計測情報を格納する計測情報テーブルの構成の一例について説明する。図13は、本発明の実施形態における、撮像装置100の水準器等により計測される計測情報を格納する計測情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【0050】
計測情報テーブル1300は、バッファメモリ111等の一時記憶媒体に記憶される。計測情報テーブル1300に示す情報は、各装置、機能により計測中の未確定情報であって、撮影処理により画像が取得された時点で、画角情報テーブル1200として、当該画像に紐付いて記憶される。現在位置1301は、撮像装置100の現在位置を示す情報である。方位1302は、撮像装置100の現在の方位、向いている方向を示す。
【0051】
上下方向角度1303は、撮像装置100の現在の角度を示す情報である。以上が図13の、本発明の実施形態における、撮像装置100の水準器等により計測される計測情報を格納する計測情報テーブルの構成の一例についての説明である。
【0052】
図2の説明に戻る。画角情報比較部203は、画角取得部201で取得した画角、位置と、画角計測部202で計測した画角、位置、または新たに撮影した画像の画角情報とを比較する比較部である。つまり、画角情報テーブル1200の各情報と、計測情報テーブル1300の各情報とを比較する。
【0053】
類似画像抽出部204は、撮影した画像の中から、画角取得部201で取得した画角に一致する、または近似する画角情報を有する画像を抽出する抽出部である。撮影判断部205は、前述した、ユーザから指定された画像、の画角と撮像装置の画角との差が閾値以内になったか否かを判断する判断部である。当該閾値については本発明の第2の実施形態の図14の説明にて後述する。
【0054】
撮影案内部206は、画角取得部で取得した画角と、画角計測部で計測した画角とを近づけるべく案内をする案内部である。例えば、撮像装置100の位置が、ユーザから指定された画像に紐付いた位置情報の示す位置に近づくよう、音声案内をしたり、これから撮影される画像の画角と、ユーザから指定された画像の画角とを近づけるべく、ディスプレイ117に、ユーザから指定された画像のスルー画像を表示したりする。以上が図2に示す、本発明の実施形態における撮像装置100の機能構成についての説明である。
【0055】
次に図3を参照して、本発明の実施形態における、撮像装置100の起動からモデル画像の指定を受け付けるまでの処理の流れについて説明する。図3は、本発明の実施形態における撮像装置100の起動からモデル画像の指定を受け付けるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【0056】
撮像装置100は、起動後、ステップS301においてユーザからの指示を受け付け(ステップS301)、受け付けた指示がプレビュー表示モードへの移行指示か否かを判定する(ステップS302)。受け付けた指示がプレビュー表示モードへの移行指示でないと判定した場合は(ステップS302でNO)処理をステップS306に移行し、その他の処理に移行する。ここでいうその他の処理とは、撮像装置100がユーザの指示に従って行う、例えば、撮影モードの開始処理や、メニュー画面の展開処理等のことである。尚、ここでいうプレビュー表示モードとは、既存の撮影画像の一覧、既存の撮影画像のプレビュー表示を行うためのモードである。
【0057】
撮像装置100は、ステップS301で受け付けた指示がプレビュー表示モードへの移行指示であると判定した場合は(ステップS302でYES)、撮像装置100は、その表示画面上に既存の撮影画像の一覧を表示する(ステップS303)。
【0058】
次に、一覧に表示されている画像の選択指示を受け付けたか否かを判定し(ステップS304)、画像の選択指示を受け付けていないと判定した場合は(ステップS304でNO)、プレビュー表示モードのキャンセル指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS305)。
【0059】
ここでいうキャンセル指示とは、プレビュー表示モードを中断して別の処理に移行するための指示を含み、例えば、撮影モードへの移行指示、外部機器に対する画像転送モードへの移行指示等のことである。
【0060】
撮像装置100は、受け付けた指示がキャンセル指示でないと判定した場合(ステップS305でNO)は処理をステップS303に戻し、受け付けた指示がキャンセル指示であると判定した場合(ステップS305でYES)は、処理をステップS306に移行して、ユーザからの指示に従い、その他の処理を実行する(ステップS306)。
【0061】
撮像装置100は、ステップS304で画像の選択を受け付けたと判定した場合(ステップS304でYES)は処理をステップS307に移行して、選択された画像のプレビューを表示する(ステップS307)。
【0062】
尚、プレビュー表示モードに処理を移行した後、ステップS303において画像の一覧を表示せず、例えば、前回の撮像装置100のスリープ処理実行直前に表示していた画像をプレビュー画像として表示する場合、ステップS304の判断は行わないものとする。尚、画像をプレビュー表示する画面であるプレビュー表示画面とは、例えば、図7に示すモデル画像選択指示受付画面700のような画面である。
【0063】
ここで図7を参照して、本発明の実施形態における、モデル画像の選択指示受付画面の構成の一例について説明する。図7は、本発明の実施形態における、モデル画像の選択指示受付画面の構成の一例を示す図である。
【0064】
モデル画像選択指示受付画面700は、画角指定ボタン701、ダイアログ702、「はい」ボタン703、「いいえ」ボタン704、ボタン表示部705等から構成される。
【0065】
画角指定ボタン701は、ボタン表示部705に表示されるボタンの1つであり、このボタンの押下を受け付けることにより、ダイアログ702、「はい」ボタン703、「いいえ」ボタン703がモデル画像選択指示受付画面700に表示される。ダイアログ702は、表示中の画像をモデル画像とするか否かの判断を促す情報を表示するダイアログである。
【0066】
ここでいうモデル画像とは、新規に画像を撮影する場合に、そのモデルとなる画角を有する画像として、ユーザから指定される画像のことである。「はい」ボタン703は、表示中の画像をモデル画像とするためのボタンである。
【0067】
「いいえ」ボタン704は、表示中の画像をモデル画像とせず、当該モデル画像の指定の処理をキャンセルするためのボタンである。「いいえ」ボタン704の押下を受け付けることで、撮像装置100は、ダイアログ702、「はい」ボタン703、「いいえ」ボタン703を表示画面上より削除する。
【0068】
ボタン表示部705は、画角指定ボタン701を含むボタンを表示する表示部である。当該ボタン表示部は、ステップSユーザがプレビュー表示をするS307でプレビューを表示するタイミングで、表示画面に表示してもよいし、また、表示画面を表示したディスプレイ117(タッチパネル)の端部に対するフリック操作を受け付けることで、表示画面に表示するようにしてもよい。以上が図7の、本発明の実施形態における、モデル画像の選択指示受付画面の構成の一例についての説明である。
【0069】
図3の説明に戻る。撮像装置100は、モデル画像選択指示受付画面700に表示された画像の画角と近似する画角で、新規の画像を撮影するための指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS308)。
【0070】
すなわち、撮像装置100は、図7のモデル画像選択指示受付画面700中の「はい」ボタン703の押下を受け付けた場合、表示中の画像と近似する画角で新規の画像を撮影するための指示を受け付けたものと判断(ステップS308でYES)し、処理をステップS309に移行する。
【0071】
また、同画面中の「いいえ」ボタン703の押下を受け付けた場合、表示中の画像と近似する画角で新規の画像を撮影するための指示を受け付けなかったものと判断(ステップS308でNO)し、処理をステップS305に移行する。
【0072】
撮像装置100は、ステップS308で、モデル画像選択指示受付画面700に表示された画像の画角と近似する画角で、新規の画像を撮影するための指示を受け付けたと判定した場合(ステップS308でYES)、撮影位置1202と現在位置1301の差の値が、位置条件1403に示す閾値以内か否かを判定し(ステップS309)、閾値以内でないと判定した場合は、地図表示画面1500のような画面を表示して、ユーザを撮影位置1202まで誘導する(ステップS310)。位置条件1403については図14の説明で、地図表示画面1500については図15の説明で後述する。
【0073】
ここで図14を参照して、本発明の実施形態における、撮影を実行する際の閾値を設定した撮影条件テーブルの構成の一例について説明する。図14は、本発明の実施形態における、撮影を実行する際の閾値を設定した撮影条件テーブルの構成の一例を示す図である。
【0074】
撮影条件テーブル1400は、方位条件1401、上下方向角度条件1402、位置条件1403等から構成される。方位条件1401、上下方向角度条件1402は、主に、本発明における第2の実施形態において用いられる。
【0075】
方位条件1401は、撮影を行う際の、撮影許可の基準となる閾値の設定、条件である。上下方向角度条件1402は、撮影を行う際の、撮影許可の基準となる閾値の設定、条件である。
【0076】
位置条件1403は、例えば、撮影位置1202と現在位置1301との差が位置条件1403に合致した場合に、自動的に撮影モードにモードを切り替える処理に用いるための条件である。
【0077】
例えば、位置条件1403に示す「−3m≦x≦3m」は、現在位置1301に示す緯度「N:aa」と撮影位置1202の示す緯度「N:AA」との差が「−3m≦x≦3m」の間にあるか、及び、現在位置1301に示す経度「E:bb」と撮影位置1202の示す経度「E:BB」との差が「−3m≦x≦3m」の間にあるか否かを判断する判断基準を示している。
【0078】
本発明の実施形態においては、本条件は緯度、経度のそれぞれを条件の対象として個別に条件合致の判断を行っているが、例えば、位置条件=撮影位置1202の示す緯度、経度から特定される地点から半径3m以内、と定義してもよい。また、高さ=Hを位置条件に加えてもよい。以上が図14の、本発明の実施形態における、撮影を実行する際の閾値を設定した撮影条件テーブルの構成の一例についての説明である。
【0079】
続いて図15を参照し、本発明の実施形態における、地図表示画面の構成の一例について説明する。図15は、本発明の実施形態における、地図表示画面の構成の一例を示す図である。
【0080】
図15に示すように、地図表示画面1500は、現在位置1501、撮影位置1502、経路1503等から構成されている。現在位置1501は、GPS機能により計測される撮像装置100の現在位置であり、図13の計測情報テーブル1300中の現在位置1301の示す地点である。
【0081】
撮影位置1502は、モデル画像に紐付く画角情報テーブル1200の撮影位置1202の示す位置である。経路1503は、現在位置1501から撮影位置1502に、ユーザを誘導するための経路情報を示す。経路情報の特定・算出方法は既存の経路案内の技術と変わらないため、ここでは説明を割愛する。以上が図15の、本発明の実施形態における、地図表示画面の構成の一例についての説明である。
【0082】
図3の説明に戻る。撮像装置100は、ステップS310で地図表示画面1500を表示画面に表示し、ユーザを撮影位置1202に誘導して、再度、撮影位置1202と現在位置1301の差の値が、位置条件1403に示す閾値以内か否かを判定する(ステップS309)。
【0083】
撮像装置100は、撮影位置1202と現在位置1301の差の値が、位置条件1403に示す閾値以内であると判定した場合(ステップS309でYES)、画角指定撮影モードに移行する(ステップS311)。
【0084】
尚、本発明の実施形態においては、位置条件1403を基準として地図表示画面1500を表示したり、撮像装置100のモードを撮影モードに切り替えたりするよう記載したが、地図表示画面1500の表示、及び撮影モードへのモード移行の処理は、必ずしも位置条件1403を基準として行われるものではない。
【0085】
例えば、表示画面上のボタン表示領域に不図示の地図表示ボタンを表示し、当該地図表示ボタンの押下を受け付けることで、地図表示画面1500を表示するようにしてもよい。また、撮影ボタン123の押下を受け付けることにより、撮影モードに移行するようにしてもよい。以上が図3の、本発明の実施形態における、撮像装置100の起動からモデル画像の指定を受け付けるまでの処理の流れについての説明である。
【0086】
以降、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態に分けて、本発明の画像撮影処理の流れについて説明する。
<第1の実施形態>
【0087】
次に、本発明の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態において、本発明は、撮像装置の画角と過去の画像の画角とを比較することによる画角の微調整の煩雑さを低減し、過去の画像の画角に基づいて、適する画角の画像を撮影することを目的とする。
【0088】
第1の実施形態においては、モデル画像の画角情報と連続撮影とを用いた実施形態について説明する。第1の実施形態では、連続的に撮影した画像の中から、モデル画像の画角情報と近似する画角情報を抽出する方法を以て、モデル画像に近似する画角の新規画像を撮影する。
【0089】
図4を参照して、本発明の実施形態における、連続撮影を用いた類似画角画像撮影の処理の流れについて説明する。図4は、本発明の実施形態における、連続撮影を用いた類似画角画像撮影の処理の流れを示すフローチャートである。
【0090】
撮像装置100は、モデル画像に紐付くの画角情報テーブル1200中の情報、及び、計測情報テーブル1300中の情報をユーザに視認、比較させるべく、画像撮影時に表示画面に表示する撮影画面に表示する(ステップS401)。ステップS401で表示する撮影画面とは、例えば、図8に示す撮影画面800のような画面である。撮影画面800については図8の説明にて後述する。
【0091】
ここで、図8を参照して、本発明の実施形態における、撮影画面の構成の一例について説明する。図8は、本発明の実施形態における、撮影画面の構成の一例を示す図である。撮影画面800は、画角比較情報表示部801と選択カーソル802等から構成されている。
【0092】
画角比較情報表示部801は、現在の撮像装置100の画角情報と、モデル画像の画角情報を比較表示する。例えば、撮影位置1202と現在位置1301、方位1203と方位1302、上下方向角度1204と上下方向角度1303等を比較させるべく撮影画面に表示する。
【0093】
この場合、モデル画像の画角情報テーブル1200中の情報は固定して表示し、計測中の情報である計測情報手ぶる1300中の情報は、撮像装置100の角度・動きに応じて動的に変化するものとする。選択カーソル802は、選択カーソル中のボタン(画角指定ボタン)が選択状態であることを示している。以上が図8の、本発明の実施形態における、撮影画面の構成の一例についての説明である。
【0094】
撮像装置100は、ユーザから撮影指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS402)。撮影指示を受け付けていない場合(ステップS402でNO)、処理をステップS406に移行し、ステップS402で受け付けた指示が撮影モードの終了指示か否かを判定する(ステップS406)。
【0095】
ステップS402で受け付けた指示が撮影モードの終了指示であると判定した場合(ステップS406でYES)、処理を終了し、受け付けた指示が撮影モードの終了指示でないと判定した場合(ステップS406でNO)、処理をステップS402に戻す。
【0096】
尚、例えば、撮影モードの終了指示以外の指示である、撮影設定の変更指示やメニュー画面展開指示等が成された場合は、当該指示に伴った処理の終了後、撮影モード(ここではステップS401)に戻るものとする。撮像装置100は、ステップS402で、撮影指示を受け付けたと判定した場合(ステップS402でYES)、連続撮影を行う(ステップS403)。
【0097】
撮像装置100は、撮影した複数の画像の中で、モデル画像に紐付く画角情報テーブル1200の情報に最も近似する画角情報テーブル1200の情報を有する画像である最近似画像を抽出し(ステップS404)、表示画面に表示して、当該画像の画角情報と共にメモリカード115等の記憶媒体に記憶して(ステップS405)、処理をステップS406に移行する。尚、ステップS404で抽出する画像、ステップS405で表示する画像は複数であってもよい。
【0098】
また、本実施形態では、ステップS404において、前記最近似画像を抽出するものとしたが、抽出する画像は必ずしも当該最近似画像に限られるものではない。例えば、撮影した複数の画像の中で、モデル画像に紐付く画角情報テーブル1200の情報に近似する画角情報テーブル1200の情報を有する画像を複数枚抽出するようにしてもよい。
【0099】
更に、ユーザに、表示画面に表示した複数の画像の中から画像を選択させ、当該選択の対象となった画像のみを記憶媒体に記憶することにより、不要な画像の記憶を防止することも可能である。以上が図4の、本発明の実施形態における、連続撮影を用いた類似画角画像撮影の処理の流れについての説明である。
【0100】
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、撮像装置の画角と過去の画像の画角とを比較することによる画角の微調整の煩雑さを低減し、過去の画像の画角に基づいて、適する画角の画像を撮影することが出来る。
<第2の実施形態>
【0101】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態において、本発明は、撮影のタイミングを計る煩雑さを低減し、過去の画像の画角に基づいて、適する構図の画像を撮影することを目的とする。
【0102】
第2の実施形態においては、モデル画像の画角と撮影装置の現在の画角とが一定以上近づいた場合に撮影処理を実行することで、モデル画像に近似する画角の新規画像を取得する。
【0103】
図5を参照して、本発明の実施形態における、撮像装置の画角とモデル画像の画角とが近づいた場合に撮影を実行する処理の流れについて説明する。図5は、本発明の実施形態における、撮像装置の画角とモデル画像の画角とが近づいた場合に撮影を実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0104】
撮像装置100は、モデル画像に紐付くの画角情報テーブル1200中の情報、及び、計測情報テーブル1300中の情報をユーザに視認、比較させるべく、画像撮影時に表示画面に表示する撮影画面に表示する(ステップS501)。ステップS501で表示する撮影画面とは、例えば、図8に示す撮影画面800のような画面である。
【0105】
次に、撮像装置100の向いている方角が、モデル画像に紐付いた画角情報テーブル1200中の方位1203に一定以上近似しているかどうかを判定する(ステップS502)。当該近似の判定は、例えば図14に示す、撮影条件テーブル1400に設定された方位条件1401に基づいて行う。
【0106】
撮像装置100は、撮像装置100の向いている方角がモデル画像に紐付いた画角情報テーブル1200中の方位1203に一定以上近似していると判定した場合(ステップS502でYES)、図8の撮影画面800のような画面に、撮像装置を上下左右に移動させるように誘導する表示をする(ステップS503)。当該表示の様子は図9を用いて説明する。
【0107】
ここで図9を参照して、本発明の実施形態における、カメラ移動指示表示画面の構成の一例について説明する。図9を参照して、本発明の実施形態における、カメラ移動指示表示画面の構成の一例を示す図である。
【0108】
カメラ移動指示表示画面900は、カメラ移動指示表示部901、画角比較情報表示部902等から構成されている。カメラ移動指示表示部901は、方位1203と方位1302との差の値が方位条件1401以内、例えば図14の方位条件1401に記載されている−15度から+15度の間になった場合に表示され、撮像装置100の上下左右への移動指示を表示する表示部である。
【0109】
画角比較情報表示部902は、現在の撮像装置100の画角情報と、モデル画像の画角情報を比較表示する。例えば、撮影位置1202と現在位置1301、方位1203と方位1302を比較させるべく撮影画面に表示する表示部である。以上が図9の、本発明の実施形態における、カメラ移動指示表示画面の構成の一例についての説明である。
【0110】
図5の説明に戻る。撮像装置100は、ステップS502で、撮像装置100の向いている方角がモデル画像に紐付いた画角情報テーブル1200中の方位1203に一定以上近似していないと判定した場合(ステップS502でNO)、処理をステップS502の前に戻す。尚、撮影モードの終了指示を受け付けた場合は、当該指示に従って、撮影モードを終了するものとする。
【0111】
撮像装置100は、ステップS504において、モデル画像に紐付いた画角情報テーブル1200中の方位1203と計測情報テーブル1300中の方位1302の差が、撮影条件テーブル1400中の方位条件1401に一致し、且つ、上下方向角度1204と上下方向角度1303の値が上下方向角度条件1402に一致したか否かを判定し(ステップS504)、一致したと判定した場合(ステップS504でYES)は処理をステップS505に移行し、一致していないと判定した場合(ステップS504でNO)は処理をステップS508に移行する。
【0112】
尚、ステップS504の判定処理において、図14の位置条件1403を用いるようにしてもよい。つまり、方位条件1401、上下方向角度条件1402を満たし、且つ、撮影位置1202と現在位置1301の差の値が、位置条件1403に合致する場合に撮影を実行するようにしてもよい。
【0113】
撮像装置100は、ステップS508において、当該撮影のキャンセル指示を受け付けたか否かを判定し、キャンセル指示を受け付けたと判定した場合(ステップS508でYES)は、処理を終了し、キャンセル指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS508でNO)は、処理をステップS503に戻す。
【0114】
撮像装置100は、ステップS505において撮影処理を実行する(ステップS505)。そして、撮影モードの終了指示を受け付けたか否かを判定し(ステップS506)、撮影モードの終了指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS506でNO)は、処理をステップS504の前に戻し、撮影モードの終了指示を受け付けたと判定した場合(ステップS506でYES)は、当該ステップS504からステップS506までの間に撮影した画像を表示画面に表示し、当該画像の画角情報と共にメモリカード115等の記憶媒体に記憶する(ステップS507)。
【0115】
尚、ステップS507で表示すべき画像が1枚の場合は、当該画像のプレビューを表示し、表示すべき画像が複数枚存在する場合は、当該複数枚の画像の一覧画面を表示するようにしてもよい。以上が図5の、本発明の実施形態における、撮像装置の画角とモデル画像の画角とが近づいた場合に撮影を実行する処理の流れについての説明である。
【0116】
以上のように、本発明の第2の実施形態によれば、撮影のタイミングを計る煩雑さを低減し、過去の画像の画角に基づいて、適する構図の画像を撮影することが出来る。
<第3の実施形態>
【0117】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態において、本発明は、過去の画像の画角に基づいて、画角の調整方法をユーザに認識させ、適する画像を撮影させることを目的とする。
【0118】
第3の実施形態においては、モデル画像の画角と撮影装置の現在の画角とを近づけるべく案内し、撮影を行わせることで、モデル画像に近似する画角の新規画像を取得する。
【0119】
図6を参照して、本発明の実施形態における、撮像装置の画角とモデル画像の画角とを近づけるべく案内し、撮影を促す処理の流れについて説明する。図6は、本発明の実施形態における、撮像装置の画角とモデル画像の画角とを近づけるべく案内し、撮影を促す処理の流れを示すフローチャートである。
【0120】
撮像装置100は、モデル画像に紐付くの画角情報テーブル1200中の情報、及び、計測情報テーブル1300中の情報をユーザに視認、比較させるべく、画像撮影時に表示画面に表示する撮影画面に表示する(ステップS601)。例えば、撮影位置1202と現在位置1301、方位1203と方位1302、上下方向角度1204と上下方向角度1303等を比較させるべく表示する。ステップS601で表示する撮影画面とは、例えば、図8に示す撮影画面800のような画面である。
【0121】
次に、撮像装置100の向いている方角が、モデル画像に紐付いた画角情報テーブル1200中の方位1203に一定以上近似しているかどうかを判定する(ステップS602)。当該近似の判定は、例えば図14に示す、撮影条件テーブル1400に設定された方位条件1401に基づいて行う。
【0122】
撮像装置100の向いている方角がモデル画像に紐付いた画角情報テーブル1200中の方位1203に一定以上近似していると判定した場合(ステップS602でYES)、図8の撮影画面800のような画面に、撮像装置を上下左右に移動させるように誘導する表示をする(ステップS603)。
【0123】
撮像装置100の向いている方角がモデル画像に紐付いた画角情報テーブル1200中の方位1203に一定以上近似していないと判定した場合(ステップS502でNO)、処理をステップS602の前に戻す。尚、撮影モードの終了指示を受け付けた場合は、当該指示に従って、撮影モードを終了するものとする。
【0124】
次に、撮像装置100は、ステップS604において、モデル画像に紐付いた画角情報テーブル1200中の方位1203と計測情報テーブル1300中の方位1302の差が、撮影条件テーブル1400中の方位条件1401に一致し、且つ、上下方向角度1204と上下方向角度1303の値が上下方向角度条件1402に一致したか否かを判定し(ステップS604)、一致したと判定した場合(ステップS604でYES)は処理をステップS605に移行し、一致していないと判定した場合(ステップS604でNO)は処理をステップS611に移行する。
【0125】
ステップS611で、モデル画像に紐付いた画角情報テーブル1200中の方位1203と計測情報テーブル1300中の方位1302、上下方向角度1204と上下方向角度1303を比較し(ステップS611)、その差分の値と、修正すべき方角を表示画面上に表示して(ステップS612)、撮影画角修正の案内をする。
【0126】
撮影画角修正の案内は、例えば、表示画面に、図10に示す撮影案内画面1000のような画面を表示することで実施する。撮影案内画面1000については図10の説明にて後述する。
【0127】
ここで図10を参照して、本発明の実施形態における、撮影案内画面の構成の一例について説明する。図10は、本発明の実施形態における、撮影案内画面の構成の一例を示す図である。
【0128】
図10に示すように、撮影案内画面1000は、上下方向修正案内表示1001、左右方向修正案内表示1002、モデル画像画角外枠1003等から構成されている。
【0129】
上下方向修正案内表示1001は、現在の撮像装置100の画角情報とモデル画像の画角情報を比較した結果の差分の数値を基に、撮像装置100の画角をモデル画像の画角に近づけるべく、画角の修正の案内を表示する。
【0130】
つまり、モデル画像に紐付いた画角情報テーブル1200の上下方向角度1204と、計測情報テーブル1300の上下方向角度1303(現在計測中の上下方向角度)との差の角度を表示する。撮影案内画面1000においては、上方向への矢印と差の角度(20度)の表示がなされており、画角を上方向に20度修正するようにユーザを誘導するものである。下方向に画角を修正させる場合には、画面下部に下方向の矢印と共に、差の角度を表示する。
【0131】
左右方向修正案内表示1002は、現在の撮像装置100の画角情報とモデル画像の画角情報を比較した結果の差分の数値を基に、撮像装置100の画角をモデル画像の画角に近づけるべく、画角の修正の案内を表示する。
【0132】
つまり、モデル画像に紐付いた画角情報テーブル1200の方位1203と、計測情報テーブル1300の方位1302(現在計測中の方位)との差の角度を表示する。撮影案内画面1000においては、右方向への矢印と差の角度(60度)の表示がなされており、画角を右方向に60度修正するようにユーザを誘導するものである。左方向に画角を修正させる場合には、画面左部に左方向の矢印と共に、差の角度を表示する。
【0133】
モデル画像画角外枠1003は、モデル画像の画角の外枠を示す。モデル画像に紐付いた画角情報テーブル1200の上下方向角度1204と、計測情報テーブル1300の上下方向角度1303(現在計測中の上下方向角度)との差の角度、及び、方位1203と方位1302(現在計測中の方位)との差の角度を埋めた場合に到達する画角の外枠を表す。モデル画像画角外枠1003を、表示画面上の撮影対象画像の表示される部分の外枠に合致させることで、モデル画像と近似の画角で撮影を実行させるための表示である。
【0134】
尚、上下方向修正案内表示1001、左右方向修正案内表示1002と、モデル画像画角外枠1003は、同じタイミングで表示させてもよいし、別々に表示させてもよい。更に、角度だけでなく、現在位置1301を撮影位置1202に近づけるべく、例えば「右に3m」等、距離を示す案内を表示してもよい。
【0135】
また、上記差の角度が、図14の方位条件1401、上下方向角度条件1402に合致した場合、撮影の邪魔にならないように、案内表示としての矢印及び差の角度の表示を表示画面上から削除するようにしてもよい。以上が図10の、本発明の実施形態における、撮影案内画面の構成の一例についての説明である。
【0136】
図6の説明に戻る。撮像装置100は、撮影モードの終了指示が成されたか否かを判定し(ステップS610)、終了指示が成されたと判定した場合(ステップS610でYES)はそのまま撮影モードを終了する。
【0137】
終了指示がされていないと判定した場合(ステップS610でNO)は、処理をステップS604に戻し、再度、モデル画像に紐付いた画角情報テーブル1200中の方位1203と計測情報テーブル1300中の方位1302の差が、撮影条件テーブル1400中の方位条件1401に一致し、且つ、上下方向角度1204と上下方向角度1303の値が上下方向角度条件1402に一致したか否かを判定する(ステップS604)。
【0138】
一致したと判定した場合(ステップS604でYES)は処理をステップS605に移行し、表示画面に、ユーザに対して撮影の実行を促す表示をする(ステップS605)。撮影の時期項を促す表示とは、例えば、撮影実行指示表示部1101のような表示である。撮影実行指示表示部1101については図11の説明で後述する。
【0139】
ここで図11を参照して、本発明の実施形態における、撮影実行指示表示画面の構成の一例について説明する。図11は、本発明の実施形態における、撮影実行指示表示画面の構成の一例を示す図である。
【0140】
図11に示すように、撮影実行指示表示画面1100は、撮影実行指示表示部1101、モデル画像画角外枠1102等から構成されている。撮影実行指示表示画面1100は、モデル画像の画角と計測中の画角とが近づいた場合に、撮影案内画面1000から遷移する画面である。尚、撮影案内画面1000に表示されていた上下方向修正案内表示1001、左右方向修正案内表示1002は、画角の差が図14に示す方位条件1401、上下方向角度条件1402に合致したため、表示画面上より削除したものとする。
【0141】
撮影実行指示表示部1101は、撮像装置100の移動をやめ、撮影を実行するようユーザに通知するための表示部である。撮像装置100の画角がモデル画像の画角に近づき、その差の値が図14に示す方位条件1401、上下方向角度条件1402に合致した場合に表示する。モデル画像画角外枠1102は、モデル画像の画角の外枠を示す。以上が図11の、本発明の実施形態における、撮影実行指示表示画面の構成の一例についての説明である。
【0142】
図6の説明に戻る。撮像装置100は、ユーザより指示を受け付け(ステップS606)、受け付けた指示が撮影指示か否かを判定する(ステップS607)。受け付けた指示が撮影指示でないと判定した場合(ステップS607でNO)、処理をステップS610に移行する。
【0143】
受け付けた指示が撮影指示であると判定した場合(ステップS607でYES)、撮影を実行すし(ステップS608)、その後、撮影した画像を表示画面にプレビュー表示し、当該画像の画角情報と共にメモリカード115等の記憶媒体に記憶する(ステップS609)。
【0144】
撮像装置100は、撮影モードの終了指示が成されたか否かを判定し(ステップS610)、終了指示が成されたと判定した場合(ステップS610でYES)はそのまま撮影モードを終了する。終了指示がされていないと判定した場合(ステップS610でNO)は、処理をステップS604に戻す。以上が図6の、本発明の実施形態における、撮像装置の画角とモデル画像の画角とを近づけるべく案内し、撮影を促す処理の流れについての説明である。
【0145】
以上のように、本発明の第3の実施形態によれば、過去の画像の画角に基づいて、画角の調整方法をユーザに認識させ、適する画像を撮影させることが出来る。
【0146】
以上、説明した通り、本発明の第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態によれば、画角調整の煩雑さを低減し、適する画角の画像を撮影することができる撮像装置、その制御方法、及びプログラムを提供することが可能となる。
【0147】
尚、第1の実施形態から第3の実施形態について詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0148】
以下、本発明の特許請求の範囲に記載した請求項の各構成要件が、本発明の実施形態における何れの処理を指すかについて説明する。
【0149】
本発明の第1の実施形態において、撮像装置100は水準器130を備える(請求項1の、「水準器を備える撮像装置であって」/図1の水準器130に該当)。撮像装置100は、ユーザからの指示に従って連続撮影を行い(請求項1の、「ユーザから受け付けた操作指示に従って、連続的に撮影を行うことが可能な撮影手段」/図4のステップS403に該当)、当該撮影した画像を画角情報テーブル1200と紐付けて保存する(請求項1の、「前記撮影手段で撮影した画像を、前記水準器で計測した角度情報と対応付けて記憶する記憶手段」及び、請求項3の「前記記憶手段は、前記抽出手段で抽出した画像を記憶する」/図4のステップS405に該当)。
【0150】
撮像装置100は、既存の画像の中からモデル画像としての画像の選択指示を受け付けたか否かを判定し、画像の選択指示を受け付けたと判定した場合、当該選択の対象となった画像をモデル画像とする(請求項1の「前記記憶手段に記憶した画像の指定を受け付けることで、前記画像に対応した角度情報であって、前記撮影手段で撮影した複数の画像の中から画像を抽出する判断基準となる前記角度情報を特定する特定手段」/図3のステップS308〜S309に該当)。
【0151】
そして、また、連続撮影を行い、当該連続撮影で取得した画像の内、当該モデル画像に紐付いた画角情報テーブル1200の情報に最も近似する画角情報テーブル1200を有する画像を抽出する(請求項1の「前記撮影手段で撮影した画像の角度情報と、前記特定手段で特定した角度情報とを用いて、前記撮影手段で撮影した画像の中から、前記判断基準を満たす画像を抽出する抽出手段」/図4のステップS404)。尚、当該抽出手段で抽出する画像は、ステップS404の説明で前述したように、最近似の画像に限られるものではなく、また、複数であってもよい(請求項3の「前記抽出手段で抽出する画像は複数であってもよく」に該当)。
【0152】
また、撮像装置100はGPS機能を備え(請求項2の「位置計測機能を更に備え」に該当)、当該GPS機能で計測した位置情報であり、画像を撮影した際の位置である撮影位置1202を、撮影した画像と紐付けて保存する(請求項2の「前記記憶手段は、前記撮影手段で撮影をした際に前記位置計測機能で計測した位置情報を、前記撮影手段で撮影した画像と対応付けて記憶し」/図4のステップS405に該当)。
【0153】
そして、前記画像の抽出は、方位1203と方位1302、上下方向角度1204と上下方向角度1303だけでなく、撮影位置1202と現在位置1301の類似、非類似をも判断して行われる(請求項2の「前記抽出手段は、前記撮影手段で撮影した画像の位置情報と、前記特定手段で特定した画像の位置情報とを用いて、前記撮影手段で撮影した画像の中から、前記判断基準を満たす画像を抽出する」/図4のステップS404に該当)。
【0154】
尚、撮影終了後、抽出した画像を表示画面に表示し(請求項4の「撮影の終了後、前記抽出手段で抽出した画像を表示画面に表示する表示手段」/図4のステップS405に該当)、表示した画像が複数である場合等は、ユーザから画像の選択指示を受け付け、選択対象の画像のみを記憶媒体に記憶するようにしてもよい(請求項4の「前記表示画面に表示した複数の画像の中から画像の選択指示を受け付ける選択指示受付手段」及び、同項「前記記憶手段は、前記選択指示受付手段で受け付けた選択指示の対象となった画像を記憶することを特徴とする」に該当)。
【0155】
撮像装置100は、撮影モード実行中の間、各種装置、機能(水準器、方位センサ、GPS機能)で計測中の情報である計測情報テーブル1300の情報と、モデル画像に紐付く画角情報テーブル1200の情報をユーザに比較、視認させるべく、表示画面上に表示する(請求項5の「水準器で計測中の角度情報と、前記特定手段で特定した角度情報とを比較すべく、表示画面に表示する角度情報表示手段」及び、請求項6の「位置計測機能で計測中の位置情報と、前記特定手段で特定した画像の位置情報とを比較すべく、表示画面に表示する位置情報表示手段」/図8〜図11の画角比較情報表示部に該当)。
【0156】
また、本発明の第2の実施形態において、撮像装置100は、ユーザからの指示に基づいて撮影モードに移行し、モデル画像の画角情報と計測中の情報が一定以上近づいた場合に、自動的に撮影を実行する(請求項9の「ユーザから受け付けた操作指示に従って撮影を行う撮影手段」/図5のステップS505に該当)。
【0157】
撮像装置100は水準器130を備える(請求項9の、「水準器を備える撮像装置であって」/図1の水準器130に該当)。撮像装置100は撮影した画像を画角情報テーブル1200と紐付けて記憶する(請求項9の「前記撮影手段で撮影した画像を、前記水準器で計測した角度情報と対応付けて記憶する記憶手段と」/図5のステップS507に該当)。
【0158】
そして、撮像装置100は、既存の画像の中からモデル画像としての画像の選択指示を受け付けたか否かを判定し、画像の選択指示を受け付けたと判定した場合、当該選択の対象となった画像をモデル画像とする(請求項9の「前記記憶手段に記憶した画像の指定を受け付けることで、前記画像に対応した、前記撮影手段における撮影実行の判断基準となる前記角度情報を特定する特定手段」/図3のステップS308〜S309に該当)。
【0159】
そして、モデル画像の画角情報(画角情報テーブル1200の情報)と計測中の画角情報(計測情報テーブル1300の情報)とが一定以上近づいた場合に、撮影を実行する(請求項9の「前記撮影手段は、前記水準器により計測された角度と、前記特定手段で特定した角度情報とを用いて、前記判断基準を満たす画像を撮影する」/図5のステップS504、S505に該当)。尚、当該撮影実行の判断は、撮影条件テーブル1400に設定された各条件に基づいて判断される。
【0160】
また、撮像装置100はGPS機能を備え(請求項10の「位置計測機能を更に備え」に該当)、撮影した画像に紐付いて記憶される画角情報テーブル1200には、当該GPS機能により計測された撮影位置1202が含まれる(請求項10の「前記記憶手段は、前記撮影手段で撮影をした際に前記位置計測機能で計測した位置情報を、前記撮影手段で撮影した画像と対応付けて記憶し」/図5のステップS507に該当)。
【0161】
更に、当該現在位置1301と撮影位置1202が位置条件1403に合致することを撮影実行の条件に含む構成にしてもよい(請求項10の「前記撮影手段は、前記位置計測機能で計測中の位置情報と、前記特定手段で特定した画像の位置情報とを用いて、前記判断基準を満たす画像を撮影する」/図5のステップS504に該当)。
【0162】
また、本発明の第2の実施形態において、撮像装置100は水準器130を備える(請求項13の、「水準器を備える撮像装置であって」/図1の水準器130に該当)。撮像装置100は、ユーザから受け付けた撮影指示(撮影ボタンの押下)に基づいて撮影を実行し(請求項13の「ユーザから受け付けた操作指示に従って撮影を行う撮影手段」/図6のステップS607〜S608に該当)、当該撮影した画像を、当該画像撮影時に各種装置、機能で計測した情報を格納した画角情報テーブル1200と紐付けて記憶する(請求項13の「前記撮影手段で撮影した画像を、水準器で計測した角度情報と対応付けて記憶する記憶手段」/図6のステップS609に該当)。
【0163】
そして、撮像装置100は、既存の画像の中からモデル画像としての画像の選択指示を受け付けたか否かを判定し、画像の選択指示を受け付けたと判定した場合、当該選択の対象となった画像をモデル画像とする(請求項13の「前記記憶手段に記憶した画像の指定を受け付けることで、前記画像に対応した、前記撮影手段における撮影実行の判断基準となる前記角度情報を特定する特定手段」/図3のステップS308〜S309に該当)。
【0164】
撮像装置100は、計測中の情報である計測情報テーブル1300の情報を、モデル画像の画角情報テーブルの情報に近づけるべく、音声により案内をしたり、表示画面上に案内表示をしたりする(請求項13の「水準器で計測した角度を前記特定手段で特定した前記角度情報の示す角度に近づけるべく案内する案内手段」/図6のステップS605、S612、図10の撮影案内画面1000に該当)。
【0165】
また、撮像装置100はGPS機能を備え(請求項14の「位置計測機能を更に備え」に該当)、撮影した画像に紐付いて記憶される画角情報テーブル1200には、当該GPS機能により計測された撮影位置1202が含まれる(請求項14の「前記記憶手段は、前記撮影手段で撮影をした際に前記位置計測機能で計測した位置情報を、前記撮影手段で撮影した画像と対応付けて記憶し」/図6のステップS609に該当)。
【0166】
撮影案内画面1000に表示される案内は、角度、方位に関する情報だけでなく、位置情報を含んでもよいものとする(請求項14の「前記案内手段は、位置計測機能により計測した位置情報を前記特定手段で特定した画像の位置情報の示す位置に近づけるべく案内する案内手段」に該当)。
【0167】
例えば、図10の上下方向修正案内表示1001の代わりに、「前方に5m」、左右方向修正案内表示1002の代わりに、「右方向に3m」というように、現在位置1301を撮影位置1202に近づけるための案内を表示してもよい。以上が、本発明の特許請求の範囲に記載した請求項の各構成要件が、本発明の実施形態における何れの処理を指すかについての説明である。

【符号の説明】
【0168】
100 撮像装置
201 画角取得部
202 画角計測部
203 画角情報比較部
204 類似画像抽出部
205 撮影判断部
206 撮影案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水準器を備える撮像装置であって、
ユーザから受け付けた操作指示に従って、連続的に撮影を行うことが可能な撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した画像を、前記水準器で計測した角度情報と対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶した画像の指定を受け付けることで、前記画像に対応した角度情報であって、前記撮影手段で撮影した複数の画像の中から画像を抽出する判断基準となる前記角度情報を特定する特定手段と、
前記撮影手段で撮影した画像の角度情報と、前記特定手段で特定した角度情報とを用いて、前記撮影手段で撮影した画像の中から、前記判断基準を満たす画像を抽出する抽出手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
位置計測機能を更に備え、
前記記憶手段は、前記撮影手段で撮影をした際に前記位置計測機能で計測した位置情報を、前記撮影手段で撮影した画像と対応付けて記憶し、
前記抽出手段は、前記撮影手段で撮影した画像の位置情報と、前記特定手段で特定した画像の位置情報とを用いて、前記撮影手段で撮影した画像の中から、前記判断基準を満たす画像を抽出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記抽出手段で抽出する画像は複数であってもよく、
前記記憶手段は、前記抽出手段で抽出した画像を記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
撮影の終了後、前記抽出手段で抽出した画像を表示画面に表示する表示手段と、
前記表示画面に表示した複数の画像の中から画像の選択指示を受け付ける選択指示受付手段と
を更に備え、
前記記憶手段は、前記選択指示受付手段で受け付けた選択指示の対象となった画像を記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
水準器で計測中の角度情報と、前記特定手段で特定した角度情報とを比較すべく、表示画面に表示する角度情報表示手段
を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
位置計測機能で計測中の位置情報と、前記特定手段で特定した画像の位置情報とを比較すべく、表示画面に表示する位置情報表示手段
を備えることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に撮像装置。
【請求項7】
水準器を備える撮像装置の制御方法であって、
撮影手段が、ユーザから受け付けた操作指示に従って、連続的に撮影を行うことが可能な撮影工程と、
記憶手段が、前記撮影工程で撮影した画像を、前記水準器で計測した角度情報と対応付けて記憶する記憶工程と、
特定手段が、前記記憶工程に記憶した画像の指定を受け付けることで、前記画像に対応した角度情報であって、前記撮影工程で撮影した複数の画像の中から画像を抽出する判断基準となる前記角度情報を特定する特定工程と、
抽出手段が、前記撮影工程で撮影した画像の角度情報と、前記特定工程で特定した角度情報とを用いて、前記撮影工程で撮影した画像の中から、前記判断基準を満たす画像を抽出する抽出工程と
を含むことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項8】
水準器を備える撮像装置で実行可能なプログラムであって、
撮像装置を
ユーザから受け付けた操作指示に従って、連続的に撮影を行うことが可能な撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した画像を、前記水準器で計測した角度情報と対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶した画像の指定を受け付けることで、前記画像に対応した角度情報であって、前記撮影手段で撮影した複数の画像の中から画像を抽出する判断基準となる前記角度情報を特定する特定手段と、
前記撮影手段で撮影した画像の角度情報と、前記特定手段で特定した角度情報とを用いて、前記撮影手段で撮影した画像の中から、前記判断基準を満たす画像を抽出する抽出手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
水準器を備える撮像装置であって、
ユーザから受け付けた操作指示に従って撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した画像を、前記水準器で計測した角度情報と対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶した画像の指定を受け付けることで、前記画像に対応した、前記撮影手段における撮影実行の判断基準となる前記角度情報を特定する特定手段と
を備え、
前記撮影手段は、前記水準器により計測された角度と、前記特定手段で特定した角度情報とを用いて、前記判断基準を満たす画像を撮影することを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
位置計測機能を更に備え、
前記記憶手段は、前記撮影手段で撮影をした際に前記位置計測機能で計測した位置情報を、前記撮影手段で撮影した画像と対応付けて記憶し、
前記撮影手段は、前記位置計測機能で計測中の位置情報と、前記特定手段で特定した画像の位置情報とを用いて、前記判断基準を満たす画像を撮影することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
水準器を備える撮像装置の制御方法であって、
撮影手段が、ユーザから受け付けた操作指示に従って撮影を行う撮影工程と、
記憶手段が、前記撮影工程で撮影した画像を、前記水準器で計測した角度情報と対応付けて記憶する記憶工程と、
特定手段が、前記記憶工程に記憶した画像の指定を受け付けることで、前記画像に対応した、前記撮影工程における撮影実行の判断基準となる前記角度情報を特定する特定工程と
を含み、
前記撮影工程は、前記水準器により計測された角度と、前記特定工程で特定した角度情報とを用いて、前記判断基準を満たす画像を撮影することを特徴とする撮像装置。
【請求項12】
水準器を備える撮像装置で実行可能なプログラムであって、
撮像装置を
ユーザから受け付けた操作指示に従って撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した画像を、前記水準器で計測した角度情報と対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶した画像の指定を受け付けることで、前記画像に対応した、前記撮影手段における撮影実行の判断基準となる前記角度情報を特定する特定手段
として機能させることを特徴とし、
前記撮影手段は、前記水準器により計測された角度と、前記特定手段で特定した角度情報とを用いて、前記判断基準を満たす画像を撮影することを特徴とするプログラム。
【請求項13】
水準器を備える撮像装置であって、
ユーザから受け付けた操作指示に従って撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した画像を、水準器で計測した角度情報と対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶した画像の指定を受け付けることで、前記画像に対応した、前記撮影手段における撮影実行の判断基準となる前記角度情報を特定する特定手段と、
水準器で計測した角度を前記特定手段で特定した前記角度情報の示す角度に近づけるべく案内する案内手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項14】
位置計測機能を更に備え、
前記記憶手段は、前記撮影手段で撮影をした際に前記位置計測機能で計測した位置情報を、前記撮影手段で撮影した画像と対応付けて記憶し、
前記案内手段は、位置計測機能により計測した位置情報を前記特定手段で特定した画像の位置情報の示す位置に近づけるべく案内する案内手段と
を備えることを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−42255(P2013−42255A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176547(P2011−176547)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】