説明

撮影装置、撮影制御方法及び撮影制御プログラム

【課題】本発明は、撮影時の手ぶれを防止する。
【解決手段】本発明は、制御部20が、操作スクリーン16の表面に操作体がかざされた際、その操作スクリーン16により検出された当該表面に対する操作体のかざし領域に応じて、被写体を撮影する撮影部22による当該被写体の撮影を制御することにより、撮影部22により被写体を撮影する際、デジタルカメラ10に操作キーを押下操作するような外力を何ら加えさせることなく命令を入力させて、当該撮影部22による被写体の撮影を制御することができ、かくして撮影時の手ぶれを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮影装置、撮影制御方法及び撮影制御プログラムに関し、例えば、被写体を写真撮影し得ると共に、動画撮影し得るデジタルカメラに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来のビデオカメラは、外装を構成するケースに、撮影スタート/ストップスイッチやズームスイッチ等の種々の操作スイッチが設けられている。そしてビデオカメラは、これら操作スイッチの押下操作に応じて、被写体を含む撮影範囲を選定し、また当該被写体を動画撮影していた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−20759公報(第16頁、図13)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、かかる構成のビデオカメラは、被写体を動画撮影する際、操作スイッチが押下操作されると、その押下操作に応じてケースが動いて手ぶれが生じる(すなわち、撮影により得られる画像にぶれが生じる)という問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、撮影時の手ぶれを防止し得る撮影装置、撮影制御方法及び撮影制御プログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明においては、制御部が、操作スクリーンの表面に操作体がかざされた際、その操作スクリーンにより検出された当該表面に対する操作体のかざし領域に応じて、被写体を撮影する撮影部による当該被写体の撮影を制御するようにした。
【0007】
従って本発明では、撮影部により被写体を撮影する際、撮影装置に操作キーを押下操作するような外力を何ら加えさせることなく命令を入力させて、当該撮影部による被写体の撮影を制御することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、制御部が、操作スクリーンの表面に操作体がかざされた際、その操作スクリーンにより検出された当該表面に対する操作体のかざし領域に応じて、被写体を撮影する撮影部による当該被写体の撮影を制御するようにしたことにより、撮影部により被写体を撮影する際、撮影装置に操作キーを押下操作するような外力を何ら加えさせることなく命令を入力させて、当該撮影部による被写体の撮影を制御することができ、かくして撮影時の手ぶれを防止し得る撮影装置、撮影制御方法及び撮影制御プログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による撮影装置の回路構成の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】デジタルカメラの外観構成の一実施の形態を示す略線図である。
【図3】デジタルカメラのハードウェア回路ブロックによる回路構成を示すブロック図である。
【図4】操作スクリーンの構成を示す略線図である。
【図5】画素毎のカラーフィルタ及び光センサの構成を示す略線図である。
【図6】操作スクリーンの表示面に操作体がかざされたときの赤外線の反射の説明に供する略線図である。
【図7】操作スクリーンの表示面が操作体にタッチされたときの赤外線の反射の説明に供する略線図である。
【図8】領域検出部の回路構成を示すブロック図である。
【図9】各画素位置の光センサの走査の説明に供する略線図である。
【図10】領域データの構成を示す略線図である。
【図11】かざし領域の検出の説明に供する略線図である。
【図12】撮影モード時の命令入力領域の説明に供する略線図である。
【図13】撮影準備命令の入力に応じた撮影準備処理の説明に供する略線図である。
【図14】撮影命令の入力に応じた写真撮影処理の説明に供する略線図である。
【図15】ズームイン命令の入力に応じたズーム処理の説明に供する略線図である。
【図16】ズームアウト命令の入力に応じたズーム処理の説明に供する略線図である。
【図17】記録開始命令の入力に応じた動画撮影処理の開始の説明に供する略線図である。
【図18】記録終了命令の入力に応じた動画撮影処理の終了の説明に供する略線図である。
【図19】移動命令の入力に応じた移動処理の説明に供する略線図である。
【図20】片手でのかざし操作によるフェード命令の入力に応じたフェード処理の説明に供する略線図である。
【図21】両手でのかざし操作に応じたフェード命令の入力に応じたフェード処理の説明に供する略線図である。
【図22】撮影制御処理手順(1)を示すフローチャートである。
【図23】撮影制御処理手順(2)を示すフローチャートである。
【図24】撮影制御処理手順(3)を示すフローチャートである。
【図25】撮影制御処理手順(4)を示すフローチャートである。
【図26】撮影制御処理手順(5)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面を用いて、発明を実施するための最良の形態(以下、これを実施の形態とも呼ぶ)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0011】
<1.実施の形態>
[1−1.実施の形態の概要]
まず、実施の形態の概要を説明する。因みに、この概要を説明した後、本実施の形態の具体例の説明に移る。
【0012】
図1において、1は全体として実施の形態による撮影装置を示す。かかる撮影装置1において撮影部2は、被写体を撮影する。また撮影装置1において操作スクリーン3は、表面に操作体がかざされた際、当該表面に対する操作体のかざし領域を検出する。さらに撮影装置1において制御部4は、操作スクリーン3により検出されたかざし領域に応じて、撮影部2による被写体の撮影を制御する。
【0013】
かかる構成により撮影装置1は、撮影部2により被写体を撮影する際、当該撮影装置1に操作キーを押下操作するような外力を何ら加えさせることなく命令を入力させて、その撮影部2による被写体の撮影を制御することができる。これにより撮影装置1は、撮影時の手ぶれを防止することができる。
【0014】
[1−2 デジタルカメラの外観構成]
次いで、図2(A)及び(B)を用いて、上述した撮影装置1の具体例であるデジタルカメラ10の外観構成について説明する。図2(A)及び(B)に示すように、デジタルカメラ10は、片手で把持し得る程度の大きさでなる略偏平矩形状の筐体11を有している。
【0015】
筐体11の前面11Aには、その上部に、撮影レンズ12、オートフォーカス(AF:Auto Focus)イルミネータ13、フラッシュ14が設けられている。因みに、オートフォーカスイルミネータ13は、セルフタイマランプも兼ねている。
【0016】
また前面11Aには、レンズカバー15が上方向及び下方向にスライド可能に取り付けられている。これにより筐体11は、レンズカバー15が下方向にスライドした場合、撮影レンズ12、オートフォーカスイルミネータ13及びフラッシュ14を露出させ得るようになされている。
【0017】
これに対し筐体11は、レンズカバー15が上方向にスライドした場合、撮影レンズ12、オートフォーカスイルミネータ13及びフラッシュ14を覆い、外部から保護し得るようになされている。因みに、デジタルカメラ10は、電源のオフ状態でレンズカバー15が下方向にスライドした場合、これに応じて自動的に電源をオンし得るようになされている。
【0018】
さらに筐体11の背面11Bには、操作スクリーン16が設けられている。操作スクリーン16は、手のひらや指、スタイラスペン等を、特に接触させなくても、かざすような操作により種々の命令を入力するための操作部としての機能と、写真画像や動画像等を表示するための表示部の機能とを有するデバイスである。
【0019】
因みに、以下の説明では、操作スクリーン16の表示面に、命令入力用にかざすことのできる手のひらや指、スタイラスペン等を、操作体とも呼ぶ。また、以下の説明では、操作スクリーン16の表示面に、命令入力用に操作体をかざす操作を、かざし操作とも呼ぶ。
【0020】
さらに筐体11の上面11Cには、電源キー17や再生キー18が配置されている。因みに、再生キー18は、デジタルカメラ10の動作モードを、写真画像や動画像を再生して操作スクリーン16に表示する再生モードに切り替えるためのハードウェアキーである。
【0021】
かかる構成によりデジタルカメラ10は、レンズカバー15が下方向にスライドされ、又は電源キー17が押下操作されると、電源をオンして、例えば、撮影モードで起動する。
【0022】
デジタルカメラ10は、撮影モード時、撮影レンズ12を介して被写体を、撮影範囲や構図、フォーカス等の撮影状態の確認用に連続撮影しながら撮影状態提示画像(すなわち、スルー画)を生成し操作スクリーン16に表示する。
【0023】
またデジタルカメラ10は、この際、操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作に応じてズーム(TELE/WIDE)を行う。このようにしてデジタルカメラ10は、操作スクリーン16に表示した撮影状態提示画像によって、ユーザに被写体の撮影状態を確認させることができる。
【0024】
この状態でデジタルカメラ10は、操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作により被写体を写真撮影する撮影命令が入力されると、撮影レンズ12を介して被写体を写真撮影して写真画像を生成し記録する。
【0025】
またデジタルカメラ10は、操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作により被写体の連続的な撮影の記録を開始する記録開始命令が入力されると、撮影レンズ12を介して被写体を連続的に撮影しながら、その撮影を記録する動画撮影を開始する。
【0026】
そしてデジタルカメラ10は、この後、操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作により撮影の記録を終了する記録終了命令が入力されるまでの間、被写体の動画撮影を継続して動画像を生成し記録する。
【0027】
このようにしてデジタルカメラ10は、被写体を写真撮影して写真画像を生成し記録し得ると共に、被写体を動画撮影して動画像を生成し記録し得るようになされている。
【0028】
デジタルカメラ10は、再生キー18が押下操作されると、撮影モードから再生モードに移行する。この際、デジタルカメラ10は、例えば、すでに記録している写真画像及び動画像のうち1つを操作スクリーン16に表示する。そしてデジタルカメラ10は、操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作に応じて、これに表示する写真画像や動画像を切り替える。
【0029】
このようにしてデジタルカメラ10は、被写体を写真撮影して記録していた写真画像や、被写体を動画撮影して記録していた動画像を再生して見せることができるようになされている。
【0030】
[1−3 デジタルカメラ10の回路構成]
次いで、図3を用いて、デジタルカメラ10のハードウェア回路ブロックによる回路構成について説明する。図3に示すように、デジタルカメラ10は、例えば、マイクロプロセッサ構成の制御部20を有している。
【0031】
制御部20は、内部のメモリ(図示せず)に予め記憶されている各種プログラムに従ってデジタルカメラ10全体を制御すると共に、所定の演算処理を実行する。また制御部20は、例えば、操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作により入力される命令や、上述の電源キー17及び再生キー18のような筐体11に設けられた操作キー21の操作に応じて入力される命令に応じた各種処理も実行する。
【0032】
これにより制御部20は、電源キーが操作され電源オン命令が入力されると、例えば、電源をオンして撮影モードで起動する。また制御部20は、例えば、再生モード時に、操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作により、再生モードを撮影モードへ切り替えるモード切替命令が入力されると、再生モードから撮影モードへ移行する。
【0033】
制御部20は、撮影モード時、被写体を含む撮影範囲から到来する撮像光を、撮像部22において光学ユニット23を介して撮像素子24の受光面で受光する。因みに、光学ユニット23は、上述した撮影レンズ12と共に絞りやフォーカスレンズ、ズームレンズ等が設けられて構成されている。また撮像素子24は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等でなる。
【0034】
この際、制御部20は、ドライバ25を介して光学ユニット23を適宜駆動制御することにより、当該光学ユニット23においてフォーカスレンズの位置や絞りの開口量等を調整するようにして、被写体を含む撮影範囲に対しフォーカスや露出を自動調整する。
【0035】
また制御部20は、この際、操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作によりズーム命令が入力されると、そのズーム命令に応じてドライバ25を介して光学ユニット23のズームレンズを移動させる。これにより制御部20は、撮影範囲を広げ又は狭めるようにズーム倍率を調整する。
【0036】
この状態で制御部20は、タイミングジェネレータ26を制御して、当該タイミングジェネレータ26から所定周期でタイミング信号を撮像素子24に送出する。これにより撮像素子24は、受光面で受光している撮像光を、タイミング信号の入力タイミングで光電変換して当該撮像光に応じたアナログの光電変換信号を順次生成する。
【0037】
また撮像素子24は、光電変換信号を生成する毎に、当該生成した光電変換信号を、アナログフロントエンド(Analog Front End)回路(以下、これをAFE回路とも呼ぶ)27に送出する。
【0038】
AFE回路27は、撮像素子24から光電変換信号が与えられる毎に、その光電変換信号に増幅処理やノイズ低減処理のような所定のアナログ処理を施してアナログの撮像信号を生成する。またAFE回路27は、撮像信号を生成する毎に、当該生成した撮像信号を、アナログデジタル変換処理してデジタルの撮像データとしてデジタル処理回路28に送出する。
【0039】
デジタル処理回路28は、AFE回路27から撮像データが与えられる毎に、その撮像データにシェーディング補正処理や、操作スクリーン16の表示解像度に応じて画素を間引く画像縮小処理のような撮影状態提示用のデジタル処理を施す。因みに、以下の説明では、撮影状態提示用のデジタル処理を、状態提示用デジタル処理とも呼ぶ。
【0040】
これによりデジタル処理回路28は、AFE回路27から順次与えられる撮像データに基づき、撮影状態提示画像を構成する時間的に連続な複数の状態提示単位画像の状態提示単位画像データを生成する。
【0041】
デジタル処理回路28は、このようにして撮像データに基づき状態提示単位画像データを順次生成しながら、当該生成した状態提示単位画像データのデータ列を、撮影状態提示画像データとして制御部20に送出する。
【0042】
この際、制御部20は、デジタル処理回路28から与えられた撮影状態提示画像データを操作スクリーン16に送出する。これにより制御部20は、操作スクリーン16に撮影状態提示画像データに基づく撮影状態提示画像を(すなわち、状態提示単位画像データに基づく状態提示単位画像を順次切り替えて撮影状態提示画像として)表示する。
【0043】
このようにして制御部20は、操作スクリーン16に表示した撮影状態提示画像により、ユーザに撮影範囲や構図、フォーカス等のような被写体の撮影状態を確認させることができる。
【0044】
因みに、制御部20は、この際、デジタルカメラ10に内蔵されたバッテリ(図示せず)の残量や撮影条件のようなデジタルカメラ10の使用状況を示すアイコン等の画像データを撮影状態提示画像データに合成している。
【0045】
これにより制御部20は、操作スクリーン16に表示した撮影状態提示画像に、そのアイコンを重ねて表示して、当該アイコンによりバッテリの残量やこの時点に選定されている撮影条件等のようなデジタルカメラ10の使用状況を通知し得るようになされている。
【0046】
この状態で制御部20は、操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作により撮影命令が入力されると、その撮影命令の入力に応じて、撮影部22やコーデック29等を写真撮影用に制御する。
【0047】
このとき制御部20は、タイミングジェネレータ26を制御して、撮像光により撮像素子24の受光面を、所定のシャッタスピードで写真撮影用に露光する。よって撮像素子24は、受光面を露光した撮像光を光電変換して、当該露光した撮像光に応じた光電変換信号を生成すると共に、当該生成した光電変換信号をAFE回路27に送出する。
【0048】
AFE回路27は、このとき撮像素子24から与えられた光電変換信号にアナログ処理を施して撮像信号を生成すると共に、当該生成した撮像信号を、アナログデジタル変換処理して撮像データとしてデジタル処理回路28に送出する。
【0049】
デジタル処理回路28は、このときAFE回路27から与えられた撮像データにシェーディング補正処理や、予め写真画像用に選定された画像サイズに応じて画素を間引く画像縮小処理のような写真撮影用のデジタル処理を施す。因みに、以下の説明では、写真撮影用のデジタル処理を、写真撮影用デジタル処理とも呼ぶ。
【0050】
これによりデジタル処理回路28は、AFE回路27から与えられた撮像データに基づき、被写体を含む撮影範囲を写真撮影して得られる写真画像データを生成し、当該生成した写真画像データを、コーデック29に送出する。
【0051】
コーデック29は、デジタル処理回路28から写真画像データが与えられると、その写真画像データにJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式等の所定の圧縮符号化方式で圧縮符号化処理を施して圧縮写真画像データを生成する。
【0052】
因みにコーデック29は、この際、写真画像データに画素を間引く縮小処理を施して縮小写真画像の縮小写真画像データも生成する。なお、以下の説明では、縮小写真画像を、写真サムネイルとも呼び、縮小写真画像データを、写真サムネイルデータとも呼ぶ。
【0053】
そしてコーデック29は、その圧縮写真画像データを、写真サムネイルデータと共に記録媒体30に送出する。これによりコーデック29は、記録媒体30に圧縮写真画像データと写真サムネイルデータとを対応付けて記録する。このようにして制御部20は、被写体を写真撮影して、その結果得られた写真画像データを記録することができる。
【0054】
また制御部20は、操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作により記録開始命令が入力されると、これに応じて動画撮影を開始する。また制御部20は、この後、操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作により記録終了命令が入力されると、これに応じて動画撮影を終了する。
【0055】
そして制御部20は、撮影モード時、記録開始命令が入力されてから、記録終了命令が入力されるまでの間、デジタル処理回路28及びコーデック29等を被写体の動画撮影用に制御する。
【0056】
この際、制御部20は、タイミングジェネレータ26を制御して、当該タイミングジェネレータ26から所定周期でタイミング信号を撮像素子24に送出する。よって撮像素子24は、上述と同様に受光面で受光している撮像光を、タイミング信号の入力タイミングで光電変換して、当該撮像光に応じた光電変換信号を順次生成してAFE回路27に送出する。
【0057】
AFE回路27は、撮像素子24から光電変換信号が与えられる毎に、その光電変換信号にアナログ処理を施して撮像信号を生成すると共に、当該生成した撮像信号をアナログデジタル変換処理して撮像データとしてデジタル処理回路28に送出する。
【0058】
デジタル処理回路28は、AFE回路27から撮像データが与えられる毎に、その撮像データにシェーディング補正処理や、予め動画像用に選定された画像サイズに応じて画素を間引く画像縮小処理のような動画撮影用のデジタル処理を施す。因みに、以下の説明では、動画撮影用のデジタル処理を、動画撮影用デジタル処理とも呼ぶ。
【0059】
これによりデジタル処理回路28は、AFE回路27から順次与えられる撮像データに基づき、動画像を構成する時間的に連続な複数のフレーム又はフィールドのような単位動画像の単位動画像データを生成する。
【0060】
デジタル処理回路28は、このようにして撮像データに基づき単位動画像データを順次生成しながら、当該生成した単位動画像データのデータ列を、動画像データとしてコーデック29に送出する。
【0061】
ここで、デジタルカメラ10には、当該デジタルカメラ10に設けられたマイクロホンを含む音声生成部31が設けられている。音声生成部31は、被写体の動画撮影の間、マイクロホンを介してデジタルカメラ10の周囲の音声を集音してアナログの音声信号を生成する。
【0062】
また音声生成部31は、その音声信号に増幅処理及びアナログデジタル変換処理等を施してデジタルの音声データを生成して制御部20に送出する。制御部20は、音声生成部31から音声データが与えられると、その音声データをコーデック29に送出する。
【0063】
コーデック29は、この際、デジタル処理回路28から与えられる動画像データにMPEG(Moving Picture Experts Group)方式等の所定の圧縮符号化方式で圧縮符号化処理を施して圧縮動画像データを生成する。
【0064】
またコーデック29は、制御部20から与えられる音声データについてもMPEG方式等の所定の圧縮符号化方式で圧縮符号化処理を施して圧縮音声データを生成する。さらにコーデック29は、このように圧縮動画像データ及び圧縮音声データを生成しながら、これらを所定単位毎に時分割多重化して多重化データ(以下、これを映像データとも呼ぶ)を生成する。
【0065】
因みにコーデック29は、この際、動画像データを構成する複数の単位動画像データのうち、先頭の単位動画像データに画素を間引く縮小処理を施して、縮小単位動画像の縮小単位動画像データも生成する。なお、以下の説明では、縮小単位動画像を、動画サムネイルとも呼び、縮小単位動画像データを、動画サムネイルデータとも呼ぶ。
【0066】
そしてコーデック29は、その映像データを、動画サムネイルデータと共に記録媒体30に送出する。これによりコーデック29は、記録媒体30に映像データと動画サムネイルデータとを対応付けて記録する。このようにして制御部20は、被写体を動画撮影して、その結果得られた動画像データを映像データとして記録することができる。
【0067】
ところで、制御部20は、操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作によりズーム命令が入力されると、そのズーム命令に応じてドライバ25を介して光学ユニット23のズームレンズを移動させて撮影範囲を広げ又は狭めることができる。
【0068】
またデジタルカメラ10は、このような被写体の動画撮影の際、ユーザにより当該デジタルカメラ10の向き(すなわち、撮影レンズ12の向き)が、例えば、移動している被写体に追従させるように変更される場合がある。
【0069】
このためデジタル処理回路28は、動画撮影の間、AFE回路27から与えられた撮像データに動画撮影用デジタル処理を施して単位動画像データを生成するものの、その撮像データに状態提示用デジタル処理を施して状態提示単位画像データも生成している。
【0070】
そしてデジタル処理回路28は、複数の単位動画像データのデータ列を動画像データとしてコーデック29に送出するものの、この際、複数の状態提示単位画像データのデータ列を撮影状態提示画像データとして制御部20に送出している。
【0071】
よって制御部20は、動画撮影時には、デジタル処理回路28から与えられた撮影状態提示画像データを操作スクリーン16に送出して、当該操作スクリーン16に撮影状態提示画像を表示する。
【0072】
このようにして制御部20は、被写体を動画撮影している間も、操作スクリーン16に表示した撮影状態提示画像により、ユーザに撮影範囲や構図、フォーカス等のような被写体の撮影状態を確認させることができる。
【0073】
因みに、制御部20は、この際、撮影状態提示画像データに、バッテリの残量や撮影条件、記録媒体30の空き容量等のようなデジタルカメラ10の使用状況を示すアイコン等の画像データを合成している。また制御部20は、撮影状態提示画像データに、撮影記録時間(動画撮影の経過時間)のような動画撮影の状況を示すテキストのテキストデータも合成している。
【0074】
よって制御部20は、操作スクリーン16に表示した撮影状態提示画像に、そのアイコンやテキスト(文字列)を重ねて表示して、これらアイコンやテキストにより、デジタルカメラ10の使用状況や動画撮影の状況を通知し得るようになされている。
【0075】
さらに制御部20は、被写体の動画撮影中に操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作により撮影命令が入力されると、デジタル処理回路28及びコーデック29等を被写体の動画撮影用に制御しながら、その撮影命令の入力に応じて写真撮影用にも制御する。
【0076】
この際、デジタル処理回路28は、撮影命令が入力された際にAFE回路27から与えられた1つの撮像データに、動画撮影用デジタル処理と共に写真撮影用デジタル処理を施す。
【0077】
これによりデジタル処理回路28は、撮影命令が入力された際にAFE回路27から与えられた1つの撮像データに基づき、単位動画像データを生成すると共に、写真画像データを生成する。
【0078】
デジタル処理回路28は、このようにして撮像データに基づき単位動画像データ及び写真画像データを生成すると、その単位動画像データを動画像データの一部としてコーデック29に送出すると共に、写真画像データもコーデック29に送出する。
【0079】
よってコーデック29は、この際、被写体の動画撮影に応じて上述のように映像データを生成しながら、写真画像データに基づき上述と同様に圧縮写真画像データ及び写真サムネイルデータを生成する。
【0080】
そしてコーデック29は、その圧縮写真画像データを写真サムネイルデータと共に記録媒体30に送出して、当該記録媒体30に、これら圧縮写真画像データと写真サムネイルデータとを対応付けて記録する。このようにして制御部20は、被写体の動画撮影の途中でも、その被写体を写真撮影して、その結果得られた写真画像データを記録することができる。
【0081】
因みに制御部20は、写真撮影や動画撮影の際、オートフォーカスイルミネータ13及びフラッシュ14等を有する発光部32を適宜制御して発光させることで、フォーカスを自動的に調整したことを通知し、また被写体を撮影用に照明し得るようになされている。
【0082】
一方、制御部20は、例えば、撮影モード時、ユーザにより再生キー18が操作され、モード切替命令が入力されると、そのモード切替命令の入力に応じて、撮影モードから再生モードへと移行する。
【0083】
制御部20は、再生モード時、例えば、コーデック29を介して記録媒体30から、写真サムネイルデータ及び動画サムネイルデータを全て読み出して操作スクリーン16に送出する。これにより制御部20は、操作スクリーン16に、写真サムネイルデータに基づく写真サムネイルと、動画サムネイルデータに基づく動画サムネイルとを一覧表示する。
【0084】
この状態で制御部20は、操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作により、例えば、写真サムネイルが再生用に選択されると、コーデック29に記録媒体30から、その選択された写真サムネイルに対応する圧縮写真画像データを読み出させる。
【0085】
この際、コーデック29は、圧縮写真画像データを伸長復号して元の写真画像データを生成すると共に、その写真画像データに、操作スクリーン16の表示解像度に応じて画素を間引く画像縮小処理を施して表示用の写真画像データを生成し制御部20に送出する。
【0086】
制御部20は、コーデック29から表示用の写真画像データが与えられると、その写真画像データを操作スクリーン16に送出することにより、当該操作スクリーン16に、その写真画像データに基づく写真画像を表示する。このようにして制御部20は、被写体を写真撮影して記録していた写真画像を見せることができる。
【0087】
また制御部20は、操作スクリーン16の表示面に対するかざし操作により、例えば、動画サムネイルが再生用に選択されると、コーデック29に記録媒体30から、その選択された動画サムネイルに対応する映像データを読み出させる。
【0088】
この際、コーデック29は、映像データを圧縮動画像データ及び圧縮音声データに分離する。またコーデック29は、その圧縮動画像データを伸長復号して元の動画像データを生成する。
【0089】
さらにコーデック29は、その動画像データを構成する複数の単位動画像データそれぞれに、操作スクリーン16の表示解像度に応じて画素を間引く画像縮小処理を施すことにより表示用の動画像データを生成する。
【0090】
さらにコーデック29は、圧縮音声データについても、伸長復号して元の音声データを生成する。そしてコーデック29は、これら動画像データ及び音声データを制御部20に送出する。
【0091】
制御部20は、コーデック29から表示用の動画像データが音声データと共に与えられると、その動画像データを操作スクリーン16に送出すると共に、音声データを、デジタルカメラ10に設けられたスピーカを含む音声出力部33に送出する。
【0092】
これにより制御部20は、操作スクリーン16に動画像データに基づく動画像を表示すると共に、その表示に同期させて、音声出力部33により音声データに基づく音声を出力させる。このようにして制御部20は、被写体を動画撮影して記録していた動画像を、その際に録音していた周囲の音声と共に視聴させることができる。
【0093】
[1−4 操作スクリーンの構成]
次いで、図4を用いて操作スクリーン16の構成について説明する。図4に示すように、操作スクリーン16は、それぞれ四角形の板状に形成された導光板40と、液晶パネル41と、透明な光透過型の保護板42とが順次積層配置されて全体の厚みが格段的に薄く形成された光センサ内蔵型表示部43を有している。
【0094】
光センサ内蔵型表示部43は、導光板40の一端に、可視光線及び赤外線を照明光として発射するバックライト44が配置されている。そして光センサ内蔵型表示部43は、デジタルカメラ10(図2)に、保護板42の表面を上述の表示面43Aとして筐体11の背面11Bから露出させ、導光板40及び液晶パネル41をバックライト44と共に筐体11内部に収納するように設けられている。
【0095】
液晶パネル41は、四角形の2枚の透明基板の間に液晶が封入されて形成された液晶層を有している。そして液晶パネル41は、液晶層の表面(保護板42の方向)にカラーフィルタ基板、及び例えば、垂直方向の偏光フィルタが順次積層配置されている。また液晶パネル41は、液晶層の裏面(導光板40の方向)に電極基板、及び例えば、水平方向の偏光フィルタが順次積層配置されている。
【0096】
電極基板は、四角形の透明な基材上に、アレイ状に配置される複数の画素の画素位置に対応させて複数の透明電極が配置されて形成されている。またカラーフィルタ基板は、四角形の透明な基材上に、その各画素位置に対応させて複数の透明電極が配置されている。
【0097】
さらにカラーフィルタ基板は、その基材上に、各画素位置それぞれに対応させて図5に示すような3色(赤、緑、青)のカラーフィルタCF1乃至CF3、及び赤外線受光用の透明な光センサLSが配置されて形成されている。
【0098】
また操作スクリーン16(図4)は、デジタルカメラ10に内蔵された回路素子としての表示処理部47及び領域検出部48を有している。表示処理部47は、電極基板及びカラーフィルタ基板の各透明電極に電気的に接続されている。また領域検出部48は、カラーフィルタ基板の各光センサLSに電気的に接続されている。
【0099】
かかる構成において操作スクリーン16は、画像を表示する際、上述のバッテリを有する電源ブロック、又は制御部20からライト発光用電力がバックライト44に供給され、そのライト発光用電力によりバックライト44を発光させる。
【0100】
これにより操作スクリーン16は、この際、バックライト44の発光により得られる照明光を、導光板40を介して液晶パネル41の裏面全体に照射して、当該液晶パネル41に透過させる。
【0101】
この際、操作スクリーン16は、制御部20から与えられる撮影状態提示画像データや写真画像データ、動画像データ等の表示画像データを表示処理部47に取り込む。そして表示処理部47は、その表示画像データに基づき、液晶パネル41において電極基板及びカラーフィルタ基板の透明電極を介して液晶層の各画素位置の液晶分子にそれぞれ電圧を印加する。
【0102】
これにより操作スクリーン16は、液晶層の各画素位置の液晶分子の配向を制御して、これら液晶分子の位置を通る(液晶層の裏面側から表面側に透過する)照明光の偏向を変化させる。
【0103】
また操作スクリーン16は、液晶層の各液晶分子の位置を透過した照明光を、カラーフィルタCF1乃至CF3に通して着色すると共に、液晶パネル41内の偏光フィルタにより、その着色した照明光を選択的に表示用の光として保護板42に透過させる。因みに、以下の説明では、液晶パネル41で生成される表示用の光を、表示光とも呼ぶ。
【0104】
このようにして操作スクリーン16は、液晶層の各画素位置の液晶分子をそれぞれ偏向フィルタ及びカラーフィルタCF1乃至CF3と共に、画像の画素として機能させて、光センサ内蔵型表示部43に撮影状態提示画像等を表示することができる。
【0105】
ところで、光センサ内蔵型表示部43に撮影状態提示画像等を表示するための表示光は、バックライト44により発射された照明光をもとに生成されていることにより、可視光線と共に赤外線を含んでいる。
【0106】
図6に示すように、表示光に含まれる赤外線は、保護板42をその裏面から表面へほぼ垂直に貫くように透過して表示面43A(すなわち、保護板42の表面)全体からデジタルカメラ10の外側に出射している。因みに、以下の説明では、表示光に含まれ、デジタルカメラ10の外側に出射する赤外線を、出射赤外線とも呼ぶ。
【0107】
そして出射赤外線は、表示面43Aに操作体がかざされたとき、その操作体の表面で反射して表示面43A側に戻る。因みに、以下の説明では、操作体の表面で出射赤外線が反射して表示面43A側に戻る赤外線を、特に反射赤外線とも呼ぶ。
【0108】
このため操作スクリーン16は、表示面43Aにかざされた操作体の表面で出射赤外線が反射したとき、その反射により得られる反射赤外線を保護板42に透過させて取り込むようにして複数の光センサLSで受光する。
【0109】
また操作スクリーン16は、複数の光センサLSによる反射赤外線の受光結果に基づき、表示面43Aで操作体の陰になる領域(すなわち、操作体がかざされた部分を表示面43Aに投影したような領域)を、命令入力用のかざし領域として検出する。
【0110】
ところで、表示面43Aから出射する出射赤外線は、当該表示面43Aから離れるほど、光量が減衰する。よって操作体の表面で得られる反射赤外線についても、表示面43Aと操作体の表面とが近いほど、表示面43A側に戻ったときの光量の減衰が少なく、表示面43Aと操作体の表面とが離れているほど、表示面43A側に戻ったときの光量の減衰が大きくなる。
【0111】
また操作体は、表示面43Aに対しほぼ平行にかざされる場合もあり、斜めにかざされる場合もある。さらに操作体は、ユーザの手(手のひらや指先等)であると、関節や指紋、しわ、部分的な肉付きの違い等により表面は平坦ではなく、大小の起伏を有している。特に操作体がユーザの手(手のひらや指)であると、その端部ほど丸みをおびている。
【0112】
このため出射赤外線は、操作体の表面に照射されると、その出射経路を逆に辿るように反射(すなわち、真下に反射)して表示面43A側に戻る部分があるものの、手の端部等により、操作体の周囲に広がるように斜めに反射して表示面43A側に戻る部分もある。
【0113】
しかしながら、出射赤外線において操作体の周囲に広がるように反射した部分については、表示面43Aに操作体が近づくほど、当該操作体の表面での反射位置から表示面43Aまでの距離が短くなる。
【0114】
その結果、出射赤外線において操作体の周囲に広がるように反射した部分については、光量の減衰を極力低減させて、操作体の真下に、より近い位置の光センサLSによって反射赤外線として受光される。
【0115】
よって操作スクリーン16は、かざし操作により表示面43Aに操作体が近接されると、当該表示面43Aにおいて操作体の陰になっている領域を、かざし領域として検出することができる。
【0116】
また出射赤外線において操作体の周囲に広がるように反射した部分については、表示面43Aから操作体が離れているほど、当該操作体の表面での反射位置から表示面43Aまでの距離が長くなり、又は表示面43Aの周辺にまで進み、光量の減衰も大きくなる。
【0117】
このため操作スクリーン16によって検出されるかざし領域は、表示面43Aから操作体が離れるほど、表示面43Aにおいて操作体の陰になっている実際の領域よりも小さくなる。
【0118】
ただし、操作スクリーン16では、例えば、表示面43Aから十数〔cm〕程度離れた操作体の表面で出射赤外線が反射したときでも、光センサLSにより、ある程度の光量の反射赤外線を受光し得るように、出射赤外線のもとになる照明光の光量が選定されている。
【0119】
よって操作スクリーン16では、表示面43Aから十数〔cm〕程度離れた範囲内で当該表示面43Aに操作体が近づけられ、また遠ざけるようにかざし操作されたとき、その操作に応じた、かざし領域の大きさの変化も検出することができる。
【0120】
さらに操作スクリーン16は、例えば、表示面43 Aに対し操作体として一方及び他方の手でほぼ同時にかざし操作されたとき、当該表示面43Aにおいて一方及び他方の手の陰になっている2つの領域を、それぞれかざし領域として検出することもできる。
【0121】
因みに、図7に示すように、出射赤外線は、表示面43Aにかざすつもりの操作体が接触した(すなわち、表示面43Aが操作体によりタッチされた)ときでも、その操作体の表面で反射し反射赤外線として表示面43A側に戻る。
【0122】
このため操作スクリーン16は、表示面43Aに接触した操作体の表面で出射赤外線が反射したときも、その反射により得られる反射赤外線を保護板42に透過させて取り込むようにして複数の光センサLSで受光する。
【0123】
そして操作スクリーン16は、複数の光センサLSによる反射赤外線の受光結果に基づき、表示面43Aにおいて、これに接触した操作体の陰になる領域も、命令入力用のかざし領域として検出する。
【0124】
図8に示すように、実際に操作スクリーン16において各画素位置の光センサLSは、反射赤外線を受光すると、当該受光した反射赤外線を光電変換して、その反射赤外線の光量に応じたアナログの光電信号を生成する。また各画素位置の光センサLSは、反射赤外線を受光してはいないと、値がほぼ「0」でなるアナログの光電信号を生成する。
【0125】
よって領域検出部48においてセンサ走査回路50は、例えば、図9に示すように全ての画素位置の光センサLSを表示面43Aの左上隅から右下隅にかけて順次1ラインずつ走査するようにして、これら全ての画素位置の光センサLSから光電信号を取り込む。
【0126】
このようにしてセンサ走査回路50は、全ての光センサLSからの光電信号の取り込みを、格段的に短い所定周期で繰り返し実行する。そしてセンサ走査回路50は、このように全ての光センサLSから取り込んだ光電信号を解析回路51に送出する。
【0127】
解析回路51は、センサ走査回路50から全ての光センサLSから取り込まれた複数の光電信号が与えられる毎に、これら複数の光電信号をアナログデジタル変換して、デジタルの複数の受光データを生成する。
【0128】
また解析回路51は、例えば、複数の受光データの値それぞれを、予め選定された閾値と順次比較する。これにより解析回路51は、その比較結果に基づき、画素位置毎に光センサLSが反射赤外線を受光したか否かを示す受光有無データを生成する。
【0129】
また解析回路51は、画素位置毎の受光有無データに基づき、表示面43A内で反射赤外線を受光した光センサLSがまとまっている領域(反射赤外線を受光した光センサLSの配置された画素位置が隣接してまとまっている領域)が存在するか否かを検出する。因みに、以下の説明では、表示面43A内で反射赤外線を受光した光センサLSがまとまっている領域を、受光領域とも呼ぶ。
【0130】
その結果、解析回路51は、表示面43A内で1又は複数の受光領域を検出すると、当該検出した受光領域を、画素位置の座標で示す受光領域データを生成して検出回路52に送出する。因みに、解析回路51は、表示面43A内で受光領域を検出しないときには、検出回路51に何ら送出しない。
【0131】
検出回路52は、解析回路51から受光領域データが与えられると、その受光領域データが示す受光領域の個数を検出する。その結果、検出回路52は、このとき検出された受光領域が1つ以上であると、その受光領域を、命令入力用のかざし領域とする。
【0132】
この際、検出回路52は、かざし領域の面積(以下、これを領域面積とも呼ぶ)を、例えば、当該かざし領域内に位置する画素の個数として検出する。また検出回路52は、かざし領域の例えば、重心の位置(以下、これを領域重心位置とも呼ぶ)を、画素位置の座標として検出する。
【0133】
さらに検出回路52は、かざし領域において表示面水平方向の右端の位置及び左端の位置(すなわち、表示面水平方向の最も右はじの位置及び最も左はじの位置)をそれぞれ画素位置の座標として検出する。因みに、以下の説明では、かざし領域の右端の位置を領域右端位置とも呼び、当該かざし領域の左端の位置を、領域左端位置とも呼ぶ。
【0134】
さらに検出回路52は、かざし領域において表示面垂直方向の上端の位置及び下端の位置(すなわち、表示面垂直方向の最も上はじの位置及び最も下はじの位置)をそれぞれ画素位置の座標として検出する。
【0135】
因みに、以下の説明では、かざし領域の上端の位置を領域上端位置とも呼び、当該かざし領域の下端の位置を、領域下端位置とも呼ぶ。また、以下の説明では、かざし領域について検出した領域重心位置、領域面積、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置を特に区別する必要のない場合、これらをまとめて領域情報とも呼ぶ。さらに、以下の説明では、領域重心位置、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置を特に区別する必要のない場合、これらをまとめて領域位置とも呼ぶ。
【0136】
そして検出回路52は、かざし領域について検出した、領域情報(領域重心位置、領域面積、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置)を領域データ生成回路53に送出する。
【0137】
ただし、検出回路52は、受光領域データが示す受光領域が複数存在すると、当該複数の受光領域の面積を、それぞれ当該受光領域内に位置する画素の個数として検出する。そして検出回路52は、予め選定された検出個数(例えば、5個)を上限として、最も面積の大きい受光領域から順次面積の小さい受光領域を選択して命令入力用のかざし領域とする。
【0138】
また検出回路52は、この際、個々のかざし領域について、上述と同様に領域位置を検出する。そして検出回路52は、このように、かざし領域毎の領域情報(すなわち、領域重心位置、領域面積(この場合は受光領域として検出していた面積)と、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置)を領域データ生成回路53に送出する。
【0139】
領域データ生成回路53は、検出回路52から、1又は複数のかざし領域の領域情報が与えられると、その領域情報を用いて図10に示すような領域データを生成する。この際、領域データ生成回路53は、領域データに、検出されたかざし領域の個数を示す個数情報を格納すると共に、当該検出されたかざし領域を識別するための領域識別情報を生成して格納する。
【0140】
因みに、領域データ生成回路53は、領域識別情報を、例えば、最も領域面積の大きいかざし領域から順次領域面積の小さいかざし領域に順番に付した番号として生成している。
【0141】
また領域データ生成回路53は、領域データに、かざし領域毎の領域情報(領域重心位置、領域面積、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置)を、当該かざし領域の領域識別情報に対応付けて格納する。このようにして領域データ生成回路53は、領域データを生成すると、当該生成した領域データを制御部20に送出する。
【0142】
ところで、デジタルカメラ10では、例えば、表示面43Aに操作体としての指(指の腹)をかざすようなかざし操作を、命令入力用のかざし操作として採用している。またデジタルカメラ10は、後述するように、表示面43Aに指をかざすようなかざし操作以外にも、表示面43Aの比較的広い種々の領域に操作体をかざすようなかざし操作も、命令入力用として採用している。
【0143】
このため領域データ生成回路53は、複数のかざし領域が検出されていると、例えば、領域データに、最も領域面積の大きいかざし領域の領域情報から順次領域面積の小さいかざし領域の領域情報を順番に並べるように格納している。
【0144】
これにより領域データ生成回路53は、制御部20に対し、領域データから最も領域面積の大きいかざし領域の領域情報を最初に取り出させて命令判別処理に使用させ、かざし操作によって入力された命令を、極力迅速に判別させ得るようになされている。
【0145】
このようにして図11に示すように、操作スクリーン16は、かざし操作が行われたとき、表示面43A内の1又は複数のかざし領域55及び56を、それぞれ領域重心位置P1及びP2や、領域面積Area1及びArea2等の領域情報として検出する。
【0146】
また操作スクリーン16は、上述のように全ての光センサLSからの光電信号の取り込みを、格段的に短い所定周期で繰り返し実行する。よって操作スクリーン16は、例えば、表示面43Aに操作体が徐々に近づけられたときや徐々に遠ざけられたとき、これに応じて例えば徐々に大きさの変化するかざし領域を領域情報として順次検出することもできる。
【0147】
そして操作スクリーン16は、このような、かざし領域の検出結果を領域データとして制御部20に通知することで、当該制御部20に、表示面43Aに対して行われたかざし操作を的確に判別させることができる。
【0148】
すなわち、操作スクリーン16は、制御部20に対し、命令入力用に操作体が表示面43Aのどの部分にかざされたのかや、どのようにかざされたのか(徐々に近づける又は遠ざける)を的確に判別させることができる。
【0149】
[1−5 入力判別処理]
次いで、制御部20が領域データに基づき、かざし操作によって入力された命令を判別するために実行する命令判別処理について説明する。
【0150】
制御部20は、例えば、内部のメモリに、かざし操作によって入力される命令を判別するために用いるデータテーブル(以下、これを判別用テーブルとも呼ぶ)を予め記憶している。
【0151】
判別用テーブルは、例えば、動作モード(撮影モードや再生モード、メニュー表示モード等)毎に生成されている。そして動作モード毎の判別用テーブルには、当該動作モードで入力可能な命令と、その命令が入力されたと判別するための入力判別条件とが対応付けられて格納されている。
【0152】
実際に制御部20は、メニュー表示モード時、操作スクリーン16(すなわち、表示面43A)に、それぞれ異なるメニュー項目を示し、操作体としての指やスタイラスペンによるかざし操作で指示可能な複数のアイコンを表示する。
【0153】
このためメニュー表示モード用の判別用テーブルには、アイコンの指示により入力可能な命令(アイコンの表示領域に割り当てられた命令)と、その命令が入力されたと判別するための入力判別条件を示す入力判別条件情報とが対応付けられて格納されている。
【0154】
この場合、入力判別条件情報には、例えば、アイコンの表示領域を画素位置の座標で示す表示領域情報が格納されている。また入力判別条件情報には、領域重点位置が、その表示領域情報が示す表示領域内であり、かつ領域面積が予め選定された最大面積以下であることを示す条件情報も格納されている。因みに、最大面積は、画素の個数で示されている。
【0155】
よって制御部20は、メニュー表示モード時、操作スクリーン16から領域データが与えられると、その領域データに基づき、このとき検出されたかざし領域の個数を判別する。
【0156】
制御部20は、このとき検出されたかざし領域が1個であると、領域データから、そのかざし領域を示す領域情報を取り出す。また制御部20は、このとき検出されたかざし領域が複数であると、領域データから、領域面積の最も大きい1個のかざし領域を示す領域情報を取り出す。
【0157】
また制御部20は、メニュー表示モード用の判別用テーブルから複数の入力判別条件情報を読み出しながら、当該読み出した入力判別条件情報の内容を、領域情報に含まれる領域重心位置や領域面積と順次比較する。
【0158】
その結果、制御部20は、領域重心位置を含む表示領域を示し、かつ領域面積以上の最大面積を示す入力判別条件情報が存在すると、その入力判別条件情報に対応する命令が、このときかざし操作により入力された命令であると判別する。
【0159】
このようにして制御部20は、かざし操作によって入力された命令を判別すると、当該判別した命令に応じて、撮影条件の設定や、特定の処理の実行の有無の設定のような種々の処理を実行する。
【0160】
これに対し制御部20は、領域重心位置を含む範囲、及び又は領域面積以上の面積最大値等を示す入力判別条件情報が存在しないと、このとき何ら命令は入力されていないと判別する。このようにして制御部20は、かざし操作によるアイコンの指示によって入力される命令を判別する。
【0161】
ところで、図12に示すように、デジタルカメラ10では、撮影モード時にかざし操作によって命令を入力するための命令入力領域として、表示面43A全体が命令入力領域CIA1に設定されている。
【0162】
またデジタルカメラ10では、撮影モード時にかざし操作によって命令を入力するための命令入力領域として、表示面43Aにおいて表示面水平方向の右半分及び左半分もそれぞれ命令入力領域CIA2及びCIA3に設定されている。
【0163】
さらにデジタルカメラ10では、撮影モード時にかざし操作によって命令を入力するための命令入力領域として、表示面43Aにおいて表示面垂直方向の上半分及び下半分もそれぞれ命令入力領域CIA4及びCIA5に設定されている。
【0164】
因みに、以下の説明では、撮影モード時の表示面43A全体でなる命令入力領域CIA1を、全面入力領域CIA1とも呼ぶ。また、以下の説明では、撮影モード時の表示面43A右半分でなる命令入力領域CIA2を、右入力領域CIA2とも呼び、表画面43A左半分でなる命令入力領域CIA3を、左入力領域CIA3とも呼ぶ。
【0165】
さらに、以下の説明では、撮影モード時の表示面43A上半分でなる命令入力領域CIA4を、上入力領域CIA4とも呼び、表示面43A下半分でなる命令入力領域CIA5を、下入力領域CIA5とも呼ぶ。
【0166】
そしてデジタルカメラ10では、例えば、撮影モード時に入力可能な命令として、全面入力領域CIA1に写真撮影用の撮影命令が割り当てられている。またデジタルカメラ10では、例えば、撮影モード時に入力可能な命令として、右入力領域CIA2に撮影範囲を広げるためのズーム命令が割り当てられている。
【0167】
さらにデジタルカメラ10では、例えば、撮影モード時に入力可能な命令として、左入力領域CIA3に撮影範囲を狭めるためのズーム命令が割り当てられている。因みに、以下の説明では、撮影範囲を広げるためのズーム命令を、ズームアウト命令とも呼び、撮影範囲を狭めるためのズーム命令を、ズームイン命令とも呼ぶ。
【0168】
さらにデジタルカメラ10では、例えば、撮影モード時に入力可能な命令として、上入力領域CIA4に動画撮影用の記録開始命令が割り当てられると共に、下入力領域CIA5に動画撮影用の記録終了命令が割り当てられている。
【0169】
よって撮影モード用の判別用テーブルには、これら命令入力領域に割り当てられた命令と、その命令が入力されたと判別するための入力判別条件を示す入力判別条件情報とが対応付けられて格納されている。
【0170】
ここで、撮影命令に対応付けられた入力判別条件情報には、例えば、領域面積が予め選定された第1の面積閾値以上であることを示す条件情報が格納されている。また撮影命令に対応付けられた入力判別条件情報には、初期状態として撮影モード全般に亘り撮影命令の入力が有効であることを示す入力有無情報も格納されている。
【0171】
因みに、第1の面積閾値は、画素の個数で示されており、全面入力領域CIA1の面積に応じて、表示面43Aのほぼ全面に亘って操作体がかざされたことを検出し得るように選定されている。
【0172】
ズームアウト命令に対応付けられた入力判別条件情報には、例えば、右入力領域CIA2を画素位置の座標で示す表示領域情報が格納されている。また、その入力判別条件情報には、例えば、領域位置(領域重心位置、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置)が右入力領域CIA2内であり、かつ領域面積が予め選定された第2の面積閾値以上であることを示す条件情報も格納されている。
【0173】
さらにズームアウト命令に対応付けられた入力判別条件情報には、初期状態として撮影モード全般に亘りズームアウト命令の入力が有効であることを示す入力有無情報も格納されている。
【0174】
因みに、第2の面積閾値は、画素の個数で示されており、表示面43A全面のほぼ半分の面積に応じて、表示面43Aのほぼ半分に操作体がかざされたことを検出し得るように選定されている。
【0175】
ズームイン命令に対応付けられた入力判別条件情報には、例えば、左入力領域CIA3を画素位置の座標で示す表示領域情報が格納されている。またズームイン命令に対応付けられた入力判別条件情報には、例えば、領域位置が左入力領域CIA3内であり、かつ領域面積が第2の面積閾値以上であることを示す条件情報も格納されている。
【0176】
さらにズームイン命令に対応付けられた入力判別条件情報には、初期状態として撮影モード全般に亘りズームイン命令の入力が有効であることを示す入力有無情報も格納されている。
【0177】
記録開始命令に対応付けられた入力判別条件情報には、例えば、上入力領域CIA4を画素位置の座標で示す表示領域情報が格納されている。また記録開始命令に対応付けられた入力判別条件情報には、例えば、領域位置が上入力領域CIA4内であり、かつ領域面積が第2の面積閾値以上であることを示す条件情報も格納されている。
【0178】
記録終了命令に対応付けられた入力判別条件情報には、例えば、下入力領域CIA5を画素位置の座標で示す表示領域情報が格納されている。また記録終了命令に対応付けられた入力判別条件情報には、例えば、領域位置が下入力領域CIA5内であり、かつ領域面積が第2の面積閾値以上であることを示す条件情報も格納されている。
【0179】
さらにデジタルカメラ10では、例えば、撮影モード時に入力可能な命令として、かざし操作により指定された位置(例えば、領域重心位置)にフォーカスや露出等を合せて写真撮影の準備を整える撮影準備命令がある。
【0180】
よって撮影モード用の判別用テーブルには、その撮影準備命令と、当該撮影準備命令が入力されたと判別するための入力判別条件を示す入力判別条件情報とが対応付けられて格納されている。
【0181】
ここで、撮影準備命令に対応付けられた入力判別条件情報には、例えば、領域面積が予め選定された第3の面積閾値以下であることを示す条件情報が格納されている。また撮影準備命令に対応付けられた入力判別条件情報には、撮影モードにおいて動画撮影の間を除き撮影準備命令の入力が有効であることを示す入力有無情報も格納されている。
【0182】
因みに、第3の面積閾値は、画素の個数で示されており、例えば、人の第二指の腹の部分の平均的な大きさに応じて、表示面43Aに操作体としての指先がかざされたことを検出し得るように選定されている。
【0183】
さらにデジタルカメラ10では、例えば、撮影モード時に入力可能な命令として、撮影状態提示画像に重ねて表示している当該デジタルカメラ10の使用状況や動画撮影の状況を示すアイコンやテキストを移動させるための移動命令がある。
【0184】
よって撮影モード用の判別用テーブルには、その移動命令と、当該移動命令が入力されたと判別するための入力判別条件を示す入力判別条件情報とが対応付けられて格納されている。
【0185】
ここで、移動命令に対応付けられた入力判別条件情報には、例えば、領域面積が予め選定された下限閾値以上でかつ上限閾値以下であることを示す条件情報が格納されている。
【0186】
因みに、入力判別条件が示す上限閾値及び下限閾値は、画素の個数で示されており、例えば、下限閾値は、上述の第3の面積閾値よりも大きい値に選定され、上限閾値は、上述の第2の面積閾値よりも小さい値に選定されている。
【0187】
さらにデジタルカメラ10では、例えば、撮影モードの特に動画撮影の間に入力可能な命令として、記録中の動画像を徐々に見えなく(フェードアウト)し、また徐々に見えるように(フェードイン)するフェード命令がある。
【0188】
よって撮影モード用の判別用テーブルには、そのフェード命令と、当該フェード命令が入力されたと判別するための入力判別条件を示す入力判別条件情報とが対応付けられて格納されている。
【0189】
この場合、フェード命令に対応付けられた入力判別条件情報には、例えば、動画撮影時に1又は2個のかざし領域の領域面積が予め選定された第4の面積閾値以上であることを示す条件情報が格納されている。
【0190】
またフェード命令に対応付けられた入力判別条件情報には、初期状態として撮影モード全般に亘り当該フェード命令の入力が無効であることを示す入力有無情報も格納されている。因みに、入力判別条件が示す第4の面積閾値は、画素の個数で示されており、例えば、上述の第2の面積閾値よりも小さい値に選定されている。
【0191】
そして制御部20は、例えば、上述のメニュー表示モード時、かざし操作によるアイコンの指示に応じて、操作スクリーン16に表示した所定の設定画像上で、フェード命令の入力を有効にするか否かを選択させ得るようにしている。
【0192】
制御部20は、フェード命令の入力を無効にしている状態で、その入力を有効にすることが選択されると、撮影モード用の判別用テーブルにおいてフェード命令に対応する入力有無情報の内容を、動画撮影の間、その入力を有効にすることを示すように変更する。これにより制御部20は、動画撮影の間、フェード命令の入力を有効にするように設定する。
【0193】
制御部20は、フェード命令の入力を有効にしても、後にその入力を無効にすることが選択されると、撮影モード用の判別用テーブルにおいてフェード命令に対応する入力有無情報の内容を、撮影モード全般に亘りその入力を無効にすることを示すように変更する。これにより制御部20は、撮影モード全般に亘りフェード命令の入力を無効にするように設定する。
【0194】
ただし、制御部20は、後述するように、例えば、フェード命令を表示面43Aの全面入力領域CIA1や、右入力領域CIA2、左入力領域CIA3等に操作体をかざすようなかざし操作によって入力させるようにしている。
【0195】
すなわち、フェード命令を入力するためのかざし操作は、撮影命令やズームアウト命令、ズームイン命令を入力するためのかざし操作と区別し難くなる可能性がある。
【0196】
このため制御部20は、フェード命令の入力を有効にするように設定すると、撮影モード用の判別用テーブルにおいて撮影命令に対応する入力有無情報の内容を、動画撮影の間、当該撮影命令の入力を無効にすることを示すように変更する。これにより制御部20は、動画撮影の間、撮影命令の入力を無効にするように設定する。
【0197】
また制御部20は、フェード命令の入力を有効にするように設定すると、撮影モード用の判別用テーブルにおいてズームアウト命令に対応する入力有無情報の内容も、動画撮影の間、当該ズームアウト命令の入力を無効にすることを示すように変更する。これにより制御部20は、動画撮影の間、ズームアウト命令の入力を無効にするように設定する。
【0198】
さらに制御部20は、フェード命令の入力を有効にするように設定すると、撮影モード用の判別用テーブルにおいてズームイン命令に対応する入力有無情報の内容も、動画撮影の間、当該ズームイン命令の入力を無効にすることを示すように変更する。これにより制御部20は、動画撮影の間、ズームイン命令の入力を無効にするように設定する。
【0199】
これに対し制御部20は、フェード命令の入力を無効にするように設定すると、これに応じて、撮影モード用の判別用テーブルにおいて撮影命令に対応する入力有無情報の内容を、撮影モード全般に亘りその入力を有効にすることを示すように変更する。これにより制御部20は、撮影モード全般に亘り撮影命令の入力を有効にするように設定する。
【0200】
また制御部20は、フェード命令の入力を無効にするように設定すると、撮影モード用の判別用テーブルにおいてズームアウト命令に対応する入力有無情報の内容も、撮影モード全般に亘りズームアウト命令の入力を有効にすることを示すように変更する。これにより制御部20は、撮影モード全般に亘りズームアウト命令の入力を有効にするように設定する。
【0201】
さらに制御部20は、フェード命令の入力を無効にするように設定すると、撮影モード用の判別用テーブルにおいてズームイン命令に対応する入力有無情報の内容も、撮影モード全般に亘り当該ズームイン命令の入力を有効にすることを示すように変更する。これにより制御部20は、撮影モード全般に亘りズームイン命令の入力を有効にするように設定する。
【0202】
このようにして制御部20は、フェード命令の入力を無効にするように設定すると、撮影モード全般に亘り撮影命令、撮影準備命令、ズームアウト命令及びズームイン命令の入力を有効にするように設定する。
【0203】
また制御部20は、フェード命令の入力を有効にするように設定すると、動画撮影の間、撮影命令、撮影準備命令、ズームアウト命令及びズームイン命令の入力を無効にするように設定する。
【0204】
そして制御部20は、撮影モード時、動画撮影してはいない状態で操作スクリーン16から領域データが与えられると、その領域データに基づき、このとき検出されたかざし領域の個数を判別する。
【0205】
制御部20は、このとき検出されたかざし領域が1個であると、領域データから、そのかざし領域を示す領域情報を取り出す。また制御部20は、このとき検出されたかざし領域が複数であると、領域データから、領域面積が最も大きい1個のかざし領域を示す領域情報を取り出す。
【0206】
この際、制御部20は、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、撮影準備命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。そして制御部20は、領域情報に含まれる領域面積を、撮影準備命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。
【0207】
その結果、制御部20は、領域面積が第3の面積閾値以下であると、このときかざし操作により入力された命令が、撮影準備命令であると判別する。このようにして制御部20は、かざし操作により撮影準備命令が入力されたことを判別すると、その撮影準備命令の入力に応じて撮影準備処理を実行する。
【0208】
これに対し制御部20は、領域面積が第3の面積閾値よりも大きいと、撮影準備命令は入力されていないと判別する。この際、制御部20は、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、撮影命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。そして制御部20は、領域情報に含まれる領域面積を、撮影命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。
【0209】
その結果、制御部20は、領域面積が第1の面積閾値以上であると、このときかざし操作により入力された命令が、撮影命令であると判別する。このようにして制御部20は、かざし操作により撮影命令が入力されたことを判別すると、その撮影命令の入力に応じて写真撮影処理を実行する。
【0210】
これに対し制御部20は、領域面積が第1の面積閾値よりも小さいと、撮影命令は入力されていないと判別する。この際、制御部20は、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、ズームイン命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。
【0211】
そして制御部20は、領域情報に含まれる領域面積、領域重心位置、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置を、ズームイン命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。
【0212】
その結果、制御部20は、領域位置が左入力領域CIA3内であり、かつ領域面積が第2の面積閾値以上であると、このときかざし操作により入力された命令が、ズームイン命令であると判別する。このようにして制御部20は、かざし操作によりズームイン命令が入力されたことを判別すると、そのズームイン命令の入力に応じてズーム処理を実行する。
【0213】
これに対し制御部20は、領域面積が第2の面積閾値以上であるものの、領域重心位置、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置の少なくとも1つ以上が左入力領域CIA3外であると、ズームイン命令は入力されていないと判別する。
【0214】
この際、制御部20は、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、ズームアウト命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。そして制御部20は、領域情報に含まれる領域位置を、ズームアウト命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。
【0215】
その結果、制御部20は、領域位置が右入力領域CIA2内であると、このときかざし操作により入力された命令が、ズームアウト命令であると判別する。このようにして制御部20は、かざし操作によりズームアウト命令が入力されたことを判別すると、そのズームアウト命令の入力に応じてズーム処理を実行する。
【0216】
これに対し制御部20は、領域重心位置、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置の少なくとも1つ以上が右入力領域CIA2外であると、ズームアウト命令は入力されていないと判別する。
【0217】
この際、制御部20は、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、記録開始命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。そして制御部20は、領域情報に含まれる領域位置を、記録開始命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。
【0218】
その結果、制御部20は、領域位置が上入力領域CIA4内であると、このときかざし操作により入力された命令が、記録開始命令であると判別する。このようにして制御部20は、かざし操作により記録開始命令が入力されたことを判別すると、その記録開始命令の入力に応じて動画撮影処理を開始(すなわち、動画撮影の記録を開始)する。
【0219】
ただし、制御部20は、領域重心位置、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置の少なくとも1つ以上が上入力領域CIA4外であると、このとき命令が何ら入力されていないと判別する。
【0220】
ところで、制御部20は、領域面積が第2の面積閾値より小さいと、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、移動命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。そして制御部20は、領域情報に含まれる領域面積を、移動命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。
【0221】
その結果、制御部20は、領域面積が下限閾値以上でかつ上限閾値以下であると、このときかざし操作により入力された命令が、移動命令であると判別する。このようにして制御部20は、かざし操作により移動命令が入力されたことを判別すると、その移動命令の入力に応じて移動処理を実行する。
【0222】
ただし、制御部20は、領域面積が下限閾値より小さい、又は上限閾値より大きいと、このとき命令が何ら入力されていないと判別する。
【0223】
このようにして制御部20は、撮影モード時、動画撮影を開始するまでの間、かざし操作によって、撮影準備命令、撮影命令、ズームイン命令、ズームアウト命令、移動命令、記録開始命令の何れが入力されたのかを適宜判別する。
【0224】
制御部20は、動画撮影処理を開始すると、フェード命令の入力が有効であるか否かを判別する。その結果、制御部20は、フェード命令の入力が無効であると、操作スクリーン16により、かざし操作が検出されることを待ち受ける。
【0225】
そして制御部20は、動画撮影時、操作スクリーン16から領域データが与えられると、その領域データに基づき、このとき検出されたかざし領域の個数を判別する。制御部20は、このとき検出されたかざし領域が1個であると、領域データから、そのかざし領域を示す領域情報を取り出す。また制御部20は、このとき検出されたかざし領域が複数であると、領域データから、領域面積が最も大きい1個のかざし領域を示す領域情報を取り出す。
【0226】
この際、制御部20は、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、撮影命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。そして制御部20は、領域情報に含まれる領域面積を、撮影命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。
【0227】
その結果、制御部20は、領域面積が第1の面積閾値以上であると、このときかざし操作により入力された命令が、撮影命令であると判別する。このようにして制御部20は、かざし操作により撮影命令が入力されたことを判別すると、動画撮影処理を実行しながら、その撮影命令の入力に応じて写真撮影処理も実行する。
【0228】
これに対し制御部20は、領域面積が第1の面積閾値よりも小さいと、撮影命令は入力されていないと判別する。この際、制御部20は、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、ズームイン命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。
【0229】
そして制御部20は、領域情報に含まれる領域面積、領域重心位置、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置を、ズームイン命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。
【0230】
その結果、制御部20は、領域位置が左入力領域CIA3内であり、かつ領域面積が第2の面積閾値以上であると、このときかざし操作により入力された命令が、ズームイン命令であると判別する。
【0231】
このようにして制御部20は、かざし操作によりズームイン命令が入力されたことを判別すると、動画撮影処理を実行しながら、そのズームイン命令の入力に応じてズーム処理を実行する。
【0232】
これに対し制御部20は、領域面積が第2の面積閾値以上であるものの、領域重心位置、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置の少なくとも1つ以上が左入力領域CIA3外であると、ズームイン命令は入力されていないと判別する。
【0233】
この際、制御部20は、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、ズームアウト命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。そして制御部20は、領域情報に含まれる領域位置を、ズームアウト命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。
【0234】
その結果、制御部20は、領域位置が右入力領域CIA2内であると、このときかざし操作により入力された命令が、ズームアウト命令であると判別する。このようにして制御部20は、かざし操作によりズームアウト命令が入力されたことを判別すると、動画撮影処理を実行しながら、そのズームアウト命令の入力に応じてズーム処理を実行する。
【0235】
これに対し制御部20は、領域重心位置、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置の少なくとも1つ以上が右入力領域CIA2外であると、ズームアウト命令は入力されていないと判別する。
【0236】
この際、制御部20は、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、記録終了命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。そして制御部20は、領域情報に含まれる領域位置を、記録終了命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。
【0237】
その結果、制御部20は、領域位置が下入力領域CIA5内であると、このときかざし操作により入力された命令が、記録終了命令であると判別する。このようにして制御部20は、かざし操作により記録終了命令が入力されたことを判別すると、その記録終了命令の入力に応じて動画撮影処理を終了(すなわち、動画撮影の記録を終了)する。
【0238】
ただし、制御部20は、領域重心位置、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置の少なくとも1つ以上が下入力領域CIA5外であると、このとき命令が何ら入力されていないと判別する。
【0239】
ところで、制御部20は、領域面積が第2の面積閾値より小さいと、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、移動命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。そして制御部20は、領域情報に含まれる領域面積を、移動命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。
【0240】
その結果、制御部20は、領域面積が下限閾値以上でかつ上限閾値以下であると、このときかざし操作により入力された命令が、移動命令であると判別する。このようにして制御部20は、かざし操作により移動命令が入力されたことを判別すると、動画撮影処理を実行しながら、その移動命令の入力に応じて移動処理を実行する。
【0241】
ただし、制御部20は、領域面積が下限閾値より小さい、又は上限閾値より大きいと、このとき命令が何ら入力されていないと判別する。
【0242】
このようにして制御部20は、動画撮影時、フェード命令の入力が無効であると、かざし操作によって、撮影命令、ズームイン命令、ズームアウト命令、移動命令、記録終了命令の何れが入力されたのかを適宜判別する。
【0243】
また制御部20は、動画撮影処理を開始して、フェード命令の入力が有効であるか否かを判別した結果、フェード命令の入力が有効であると、このときも操作スクリーン16により、かざし操作が検出されることを待ち受ける。
【0244】
そして制御部20は、動画撮影時、操作スクリーン16から領域データが与えられると、その領域データに基づき、このとき検出されたかざし領域の個数を判別する。制御部20は、このとき検出されたかざし領域が1個であると、領域データから、そのかざし領域を示す領域情報を取り出す。
【0245】
この際、制御部20は、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、記録終了命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。
【0246】
そして制御部20は、領域情報に含まれる領域面積、領域重心位置、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置を、記録終了命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。
【0247】
その結果、制御部20は、領域位置が下入力領域CIA5内であり、かつ領域面積が第2の面積閾値以上であると、このときかざし操作により入力された命令が、記録終了命令であると判別する。
【0248】
このようにして制御部20は、かざし操作により記録終了命令が入力されたことを判別すると、その記録終了命令の入力に応じて動画撮影処理を終了(すなわち、動画撮影の記録を終了)する。
【0249】
これに対し制御部20は、領域重心位置、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置の少なくとも1つ以上が下入力領域CIA5外、及び又は領域面積が第2の面積閾値より小さいと、記録終了命令は入力されていないと判別する。
【0250】
制御部20は、このように記録終了命令は入力されていないと判別すると、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、フェード命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。そして制御部20は、領域情報に含まれる領域面積を、フェード命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。
【0251】
その結果、制御部20は、領域面積が第4の面積閾値以上であると、このときかざし操作により入力された命令が、フェード命令であると判別する。このようにして制御部20は、かざし操作によりフェード命令が入力されたことを判別すると、そのフェード命令の入力に応じてフェード処理を実行する。ただし、制御部20は、領域面積が第4の面積閾値よりも小さいと、このとき命令が何ら入力されていないと判別する。
【0252】
また制御部20は、動画撮影時、フェード命令の入力が有効な状態で、操作スクリーン16により少なくとも2個以上のかざし領域が検出されると、このとき与えられた領域データから、最も大きいかざし領域を示す領域情報を取り出す。
【0253】
この際、制御部20は、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、記録終了命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。
【0254】
そして制御部20は、領域情報に含まれる領域面積、領域重心位置、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置を、記録終了命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。
【0255】
その結果、制御部20は、領域位置が下入力領域CIA5内であり、かつ領域面積が第2の面積閾値以上であると、このときかざし操作により入力された命令が、記録終了命令であると判別する。
【0256】
このようにして制御部20は、かざし操作により記録終了命令が入力されたことを判別すると、その記録終了命令の入力に応じて動画撮影処理を終了(すなわち、動画撮影の記録を終了)する。
【0257】
これに対し制御部20は、領域重心位置、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置の少なくとも1つ以上が下入力領域CIA5外、及び又は領域面積が第2の面積閾値より小さいと、記録終了命令は入力されていないと判別する。
【0258】
この際、制御部20は、このとき操作スクリーン16から与えられていた領域データから、最も大きいかざし領域の次に大きいかざし領域を示す領域情報を追加で取り出す。また制御部20は、撮影モード用の判別用テーブルから例えば、フェード命令に対応する入力判別条件情報を読み出す。
【0259】
そして制御部20は、2個の領域情報それぞれに含まれる領域面積を、フェード命令に対応する入力判別条件情報の内容と比較する。その結果、制御部20は、少なくとも1個の領域面積が第4の面積閾値以上であると、このときかざし操作により入力された命令が、フェード命令であると判別する。
【0260】
このようにして制御部20は、かざし操作によりフェード命令が入力されたことを判別すると、そのフェード命令の入力に応じてフェード処理を実行する。ただし、制御部20は、2個の領域面積の何れもが第4の面積閾値より小さいと、このとき命令が何ら入力されていないと判別する。
【0261】
このようにして制御部20は、動画撮影時、フェード命令の入力が有効であると、かざし操作によって、記録終了命令、フェード命令の何れが入力されたのかを適宜判別する。
【0262】
[1−6 撮影制御処理]
次いで、制御部20が、撮影モード時に、上述したようにかざし操作によって入力された命令を判別し、その判別した命令に応じて撮影を制御する撮影制御処理について説明する。
【0263】
図13に示すように、制御部20は、動画撮影の間を除き操作スクリーン16に撮影状態提示画像を表示した状態で、被写体(人物の顔)に例えば、操作体としての指先をかざすようなかざし操作が行われて撮影準備命令が入力されると、撮影準備処理を実行する。
【0264】
この際、制御部20は、例えば、ドライバ25を介して光学ユニット23を駆動制御する。これにより制御部20は、撮影状態提示画像が示す撮影範囲の中で、領域重心位置に対応する部分(かざし操作によって指定された人物の顔のような特定の部分)のフォーカスや露出等を調整するようにして写真撮影の準備を整える。
【0265】
そして制御部20は、このように写真撮影の準備を整えると、その準備の完了時点から、予め選定された所定の維持時間(数秒程度)に達するまでの間は、その準備の整った状態(以下、これを準備完了状態とも呼ぶ)を維持する。これにより制御部20は、撮影準備命令の入力に引き続き撮影命令が入力されると、その写真撮影の準備を整えた状態で被写体を写真撮影するようになされている。
【0266】
また図14に示すように、制御部20は、操作スクリーン16に撮影状態提示画像を表示した状態で、表示面43Aのほぼ全面に亘って例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われて撮影命令が入力されると、写真撮影処理を実行する。
【0267】
制御部20は、動画撮影していない状態で撮影命令が入力されたとき、まだ準備完了状態を維持していると、その準備完了状態のまま、上述のように撮影部22と共にコーデック29を制御して被写体を写真撮影して写真画像データ生成する。そして制御部20は、その写真画像データ(すなわち圧縮写真画像データ)を記録媒体30に記録する。
【0268】
ただし制御部20は、撮影命令が入力されたとき、写真撮影の準備を何ら整えてはいないと、その撮影範囲の中で、このときのかざし操作で検出された領域重心位置に対応する部分のフォーカスや露出等を自動的に調整するようにして写真撮影の準備を整える。
【0269】
すなわち、制御部20は、撮影準備命令が直前に入力されずに撮影命令が入力されたときや、撮影準備命令の入力に応じて整えた写真撮影の準備を解除した後に撮影命令が入力されたときには、写真撮影の準備を整える。
【0270】
そのうえで制御部20は、上述のように撮影部22と共にコーデック29を制御して被写体を写真撮影して写真画像データを生成すると共に、その写真画像データ(すなわち圧縮写真画像データ)を記録媒体30に記録する。
【0271】
ところで、制御部20は、上述のように動画撮影の実行中でも、フェード命令の入力を無効にしていると、撮影命令の入力に応じた写真撮影処理を実行する。ただし制御部20は、動画撮影の間に写真撮影する場合、撮影範囲内の特定の部分のフォーカスや露出を調整して写真撮影の準備を整えるようなことはせず、撮影命令の入力に応じて写真撮影処理を実行する。
【0272】
このようにして制御部20は、動画撮影により得られる動画像において、途中で人物の顔のように特定の部分のみフォーカスや露出等が他の部分とは異なるように変化することを回避している。
【0273】
図15(A)及び(B)に示すように、制御部20は、撮影状態提示画像を表示した状態で、表示面43Aのほぼ左半分に例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われてズームイン命令が入力されると、ズーム処理を実行する。この際、制御部20は、例えば、ドライバ25を介して光学ユニット23を駆動制御することによりズームレンズを移動させて撮影範囲を狭める。
【0274】
ところで、制御部20は、この際、表示面43Aのほぼ左半分に手のひらがかざされている間、ズームレンズを徐々に移動させる。よって制御部20は、表示面43Aのほぼ左半分に手のひらをかざし続ける時間により、撮影範囲をどの程度狭めるのかを容易に選定させることができる。
【0275】
また図16(A)及び(B)に示すように、制御部20は、撮影状態提示画像を表示した状態で、表示面43Aのほぼ右半分に例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われてズームアウト命令が入力されると、ズーム処理を実行する。この際、制御部20は、例えば、ドライバ25を介して光学ユニット23を駆動制御することによりズームレンズを移動させて撮影範囲を広げる。
【0276】
ところで、制御部20は、この際、表示面43Aのほぼ右半分に手のひらがかざされている間、ズームレンズを徐々に移動させる。よって制御部20は、表示面43Aのほぼ右半分に手のひらをかざし続ける時間により、撮影範囲をどの程度広げるのかを容易に選定させることができる。
【0277】
さらに図17に示すように、制御部20は、操作スクリーン16に撮影状態提示画像を表示した状態で、例えば、操作体としての手のひらを表示面43Aの上半分にかざすようなかざし操作が行われて記録開始命令が入力されると、動画撮影処理を開始する。
【0278】
この際、制御部20は、上述のように撮影部22と共にコーデック29を制御して被写体の動画撮影を開始(すなわち、撮影の記録を開始)することにより動画像データ(すなわち圧縮動画像データ)の生成及び記録媒体30への記録を開始する。
【0279】
そして図18に示すように、制御部20は、動画撮影処理を開始した後、例えば、操作体としての手のひらを表示面43Aの下半分にかざすようなかざし操作が行われて記録終了命令が入力されると、実行中であった動画撮影処理を終了する。
【0280】
この際、制御部20は、上述のように撮影部22と共にコーデック29を制御して被写体の動画撮影を終了(すなわち、撮影の記録を終了)することにより動画像データ(すなわち圧縮動画像データ)の生成及び記録媒体30への記録を終了する。
【0281】
さらに図19(A)乃至(C)に示すように、制御部20は、動画撮影前に操作スクリーン16に撮影状態提示画像を表示している間、その撮影状態提示画像に、デジタルカメラ10の使用状況を示すアイコンを所定のレイアウトで重ねて表示する。
【0282】
また制御部20は、動画撮影中に操作スクリーン16に撮影状態提示画像を表示している間、その撮影状態提示画像に、動画撮影の状況を示すテキストも所定のレイアウトで重ねて表示する。
【0283】
そして制御部20は、操作スクリーン16に撮影状態提示画像を表示した状態で、例えば、操作体としての手のひらを表示面43Aの右端寄りや左端寄り、上端寄り、下端寄りにかざすようなかざし操作が行われて移動命令が入力されると、移動処理を実行する。
【0284】
この際、制御部20は、このときのかざし操作で検出された領域重心位置(又は領域位置)により、表示面43Aにおけるかざし領域の位置(表示面43Aの右端寄りや左端寄り、上端寄り、下端寄り)を検出する。
【0285】
そして制御部20は、その検出結果に応じて撮影状態提示画像データに対する複数のアイコンの画像データや複数のテキストのテキストデータの合成位置を変更する。これにより制御部20は、撮影状態提示画像上の操作体がかざされた部分に、複数のアイコンや複数のテキストを移動させて表示する。
【0286】
このようにして制御部20は、撮影状態提示画像内の複数のアイコンや複数のテキストを被写体の上から、操作体がかざされた右端寄りや左端寄り、上端寄り、下端寄りに移動させる。よって制御部20は、アイコンやテキストにより被写体の撮影状態が確認し難くなることを回避することができる。
【0287】
図20(A)乃至(C)に示すように、制御部20は、動画撮影の実行中、フェード命令の入力が有効な状態で、例えば、操作体としての片方の手のひらを表示面43Aにかざすようなかざし操作が行われてフェード命令が入力されると、フェード処理を実行する。
【0288】
実際に制御部20は、かざし領域の領域重心位置及び領域面積の大きさに応じてデジタル処理回路28を制御して、動画像データを構成する複数の単位動画像データに明度や彩度等を調整するようなフェード処理を施す。
【0289】
また制御部20は、この際、表示面43Aに対し操作体としての片方の手のひらが離され、また近づけられて領域面積が変化すると、その変化に応じてデジタル処理回路28を制御する。よって制御部20は、動画像データを構成する複数の単位動画像データに徐々に明度や彩度等の調整値を変化させるようなフェード処理を施す。
【0290】
これにより制御部20は、フェード命令の入力時点に、表示面43Aに片方の手のひらが近接していると、動画像を構成する複数の単位動画像においてがざし領域に対応する全面や右半分、左半分等の一箇所を黒色又は白色に変化させる。
【0291】
よって制御部20は、動画像を構成する複数の単位動画像においてがざし領域に対応する全面や右半分、左半分等の一箇所の絵柄をほとんど見えないようにする。
【0292】
そして制御部20は、この際、表示面43Aに近接していた片方の手のひらが徐々に離されると、動画像を構成する複数の単位動画像においてがざし領域に対応する全面や右半分、左半分等の一箇所から黒色又は白色を徐々に抜くようにする。
【0293】
よって制御部20は、動画像を構成する複数の単位動画像においてがざし領域に対応する全面や右半分、左半分等の一箇所の絵柄を徐々に見えるように(すなわち、フェードイン)する。
【0294】
これに対し制御部20は、フェード命令の入力時点に、表示面43Aから片方の手のひらが比較的離れていると、動画像を構成する複数の単位動画像においてがざし領域に対応する全面や右半分、左半分等の一箇所に黒色又は白色を僅かに追加する。
【0295】
よって制御部20は、動画像を構成する複数の単位動画像においてがざし領域に対応する全面や右半分、左半分等の一箇所の絵柄を僅かに見えづらくする。
【0296】
そして制御部20は、この際、表示面43Aに片方の手のひらが徐々に近づけられると、動画像を構成する複数の単位動画像においてがざし領域に対応する全面や右半分、左半分等の一箇所に追加する黒色又は白色を徐々に増加させる。
【0297】
よって制御部20は、動画像を構成する複数の単位動画像においてがざし領域に対応する全面や右半分、左半分等の一箇所の絵柄を徐々に見えないように(すなわち、フェードアウト)する。
【0298】
このようにして制御部20は、動画撮影を実行しながら、動画像データを適宜、フェードをかけて生成し記録し得るようになされている。ところで、制御部20は、この際、動画像データと同時に生成している撮影状態提示画像データについても同様にフェード処理を施す。
【0299】
よって制御部20は、このとき操作スクリーン16に表示している撮影状態提示画像により、かざし操作に応じて動画像に施しているフェードの状態を確認させることができる。
【0300】
また図21(A)及び(B)に示すように、制御部20は、動画撮影の実行中、フェード命令の入力が有効な状態で、例えば、操作体としての両手のひらを表示面43Aにかざすようなかざし操作が行われてフェード命令が入力されても、フェード処理を実行する。
【0301】
この際、制御部20は、二箇所のかざし領域のうち、一箇所のかざし領域のみがフェード命令の入力条件を満たしていると、図20(A)乃至(C)について説明した場合と同様に処理する。
【0302】
また制御部20は、二箇所のかざし領域が共にフェード命令の入力条件を満たすと、当該二箇所のかざし領域の領域重心位置及び領域面積の大きさに応じてデジタル処理回路28を制御して、動画像データを構成する複数の単位動画像データにフェード処理を施す。
【0303】
この際、制御部20は、表示面43Aに対し両手のひらが離され、また近づけられて2つの領域面積が変化すると、その変化に応じてデジタル処理回路28を制御して、動画像データを構成する複数の単位動画像データにフェード処理を施す。
【0304】
よって制御部20は、フェード命令の入力時点に、表示面43Aに両手のひらが近接していると、動画像を構成する複数の単位動画像において二箇所のがざし領域に対応する右端寄り及び左端寄りや上端寄り及び左端寄り等の二箇所を黒色又は白色に変化させる。
【0305】
これにより制御部20は、動画像を構成する複数の単位動画像において二箇所のがざし領域に対応する右端寄り及び左端寄りや上端寄り及び左端寄り等の二箇所の絵柄をほとんど見えないようにする。
【0306】
そして制御部20は、この際、表示面43Aに近接していた両手のひらが徐々に離されると、動画像を構成する複数の単位動画像において二箇所のがざし領域に対応する右端寄り及び左端寄りや上端寄り及び左端寄り等の二箇所から黒色又は白色を徐々に抜く。
【0307】
よって制御部20は、動画像を構成する複数の単位動画像において二箇所のがざし領域に対応する右端寄り及び左端寄りや上端寄り及び左端寄り等の二箇所の絵柄を徐々に見えるように(すなわち、フェードイン)する。
【0308】
制御部20は、フェード命令の入力時点に、表示面43Aから両手のひらが比較的離れていると、動画像を構成する複数の単位動画像において二箇所のがざし領域に対応する右端寄り及び左端寄りや上端寄り及び左端寄り等の二箇所に黒色又は白色を僅かに追加する。
【0309】
よって制御部20は、動画像を構成する複数の単位動画像において二箇所のがざし領域に対応する右端寄り及び左端寄りや上端寄り及び左端寄り等の二箇所の絵柄を僅かに見えづらくする。
【0310】
そして制御部20は、この際、表示面43Aに両手のひらが徐々に近づけられると、動画像を構成する複数の単位動画像において二箇所のがざし領域に対応する右端寄り及び左端寄りや上端寄り及び左端寄り等の二箇所に追加する黒色又は白色を徐々に増加させる。
【0311】
また制御部20は、表示面43Aに両手のひらが徐々に近づけられると、動画像を構成する複数の単位動画像において二箇所のがざし領域に対応する右端寄り及び左端寄りや上端寄り及び左端寄り等の黒色又は白色を追加する2つの部分を徐々に広げる。
【0312】
よって制御部20は、動画像を構成する複数の単位動画像において二箇所のがざし領域に対応する右端寄り及び左端寄りや上端寄り及び左端寄り等の2つの部分の絵柄を徐々に見えないように(すなわち、フェードアウト)する。
【0313】
また制御部20は、動画像を構成する複数の単位動画像において、その絵柄を徐々に見えないようにする2つの部分をそれぞれ徐々に広げて最終的には、単位動画像全面の絵柄をほとんど見えないようにする。
【0314】
このようにして制御部20は、動画撮影を実行しながら、動画像データを適宜、フェードをかけて生成し記録し得るようになされている。なお、制御部20は、この際も、動画像データと同時に生成している撮影状態提示画像データに同様にフェード処理を施す。
【0315】
よって制御部20は、このとき操作スクリーン16に表示している撮影状態提示画像により、かざし操作に応じて動画像に施しているフェードの状態を確認させることができる。
【0316】
ところで、制御部20は、フェード処理を実行して、動画像を構成する複数の単位動画像の絵柄が見える状態から徐々に見えなくして、最終的に単位動画像全面の絵柄を全く見えないようにすると、その時点から内部のタイマにより計時を開始する。
【0317】
そして制御部20は、この際、単位動画像全面の絵柄を全く見えないようにした時点から、新たにフェード命令が入力されないまま、予め選定された所定時間に達すると、動画撮影処理を自動的に終了する。
【0318】
このようにして制御部20は、動画像の絵柄を徐々に見えなくし、最終的に動画像の絵柄を全く見えないようにしたまま、動画撮影を終了させるように要望されたときには、わざわざ記録終了命令を入力させずに、動画撮影を自動的に終了させることができる。
【0319】
[1−7 撮影制御処理手順]
次いで、図22乃至図26を用いて、制御部20が、撮影モード時、内部のメモリに予め記憶された撮影制御プログラムに従って実行する撮影制御処理手順RT1について説明する。
【0320】
制御部20は、撮影モードに移行すると、内部のメモリに予め記憶された撮影制御プログラムに従い、図22乃至図26に示す撮影制御処理手順RT1を開始する。制御部20は、撮影制御処理手順RT1を開始すると、ステップSP1においてかざし領域が検出されたか否かを判別する。
【0321】
このステップSP1において否定結果が得られると、このことは表示面43Aに対しかざし操作が行われてはいないことを表している。ステップSP1において制御部20は、かかる否定結果を得ると、次のステップSP2に移る。
【0322】
ステップSP2において制御部20は、撮影モードを終了するか否かを判別する。このステップSP2において否定結果が得られると、このことは未だ再生モードへの移行や電源オフが指示されてはいないことを表している。ステップSP2において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP1に戻る。
【0323】
よって制御部20は、この後、ステップSP1又はステップSP2において肯定結果を得るまでの間、ステップSP1及びステップSP2の処理を繰り返し実行して、かざし操作が行われることや撮影モードの終了を待ち受ける。
【0324】
ところで、ステップSP1において肯定結果が得られると、このことは表示面43Aに対しかざし操作が行われたことを表している。このステップSP1において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、ステップSP3に移る。
【0325】
ステップSP3において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域面積が第3の面積閾値以下であるか否かを判別する。このステップSP3において肯定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aに例えば、操作体としての指先をかざすようなかざし操作が行われて撮影準備命令が入力されたことを表している。ステップSP3において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP4に移る。
【0326】
よってステップSP4において制御部20は、ドライバ25を介して光学ユニット23を駆動制御するようにして撮影準備処理を実行することにより、撮影範囲内において領域重心位置に対応する部分のフォーカスや露出等を調整して写真撮影の準備を整える。また制御部20は、この際、内部のタイマによって維持時間の計時を開始し、準備完了状態を維持したまま、ステップSP1に戻る。
【0327】
ところで、ステップSP3において否定結果が得られると、このことは、このときかざし操作により撮影命令、ズームアウト命令、ズームイン命令、移動命令、記録開始命令の何れかが入力された可能性があることを表している。ステップSP3において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP5に移る。
【0328】
ステップSP5において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域面積が第1の面積閾値以上であるか否かを判別する。このステップSP5において肯定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aのほぼ全面に亘って例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われて撮影命令が入力されたことを表している。ステップSP5において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP6に移る。
【0329】
ステップSP6において制御部20は、すでに写真撮影の準備を整えているか否かを判別する。ステップSP6において肯定結果が得られると、このことは、撮影準備命令の入力に引き続き撮影命令が入力されたことで、準備完了状態をまだ維持していることを表している。ステップSP6において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP7に移る。
【0330】
これに対しステップSP6において否定結果が得られると、このことは、直前に撮影準備命令が入力されないまま、撮影命令が入力されたことで、まだ写真撮影の準備を整えてはいないことを表している。ステップSP6において制御部20は、かかる否定結果を得ると、次のステップSP8に移る。
【0331】
よってステップSP8において制御部20は、ドライバ25を介して光学ユニット23を駆動制御するようにして撮影準備処理を実行する、これにより制御部20は、撮影範囲内において領域重心位置に対応する部分のフォーカスや露出等を調整するようにして写真撮影の準備を整えて、ステップSP7に移る。
【0332】
ステップSP7において制御部20は、その写真撮影の準備を整えた状態のまま、撮影部22及びコーデック29を制御するようにして写真撮影処理を実行した後、ステップSP1に戻る。
【0333】
ところで、ステップSP5において否定結果が得られると、このことは、このときかざし操作によりズームアウト命令、ズームイン命令、移動命令、記録開始命令の何れかが入力された可能性があることを表している。ステップSP5において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP9に移る。
【0334】
ステップSP9において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域面積が第2の面積閾値以上であるか否かを判別する。このステップSP9において肯定結果が得られると、このことは、このときかざし操作によりズームアウト命令、ズームイン命令、記録開始命令の何れかが入力された可能性があることを表している。ステップSP9において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、ステップSP10に移る。
【0335】
ステップSP10において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域位置が左入力領域CIA3内であるか否かを判別する。このステップSP10において肯定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aのほぼ左半分に例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われてズームアウト命令が入力されたことを表している。ステップSP10において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP11に移る。
【0336】
よってステップSP11において制御部20は、ドライバ25を介して光学ユニット23を駆動制御してズーム処理を実行することにより、ズームレンズを移動させて撮影範囲を狭めた後、ステップSP1に戻る。
【0337】
またステップSP10において否定結果が得られると、このことは、このときかざし操作によりズームアウト命令、記録開始命令の何れかが入力された可能性があることを表している。ステップSP10において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP12に移る。
【0338】
ステップSP12において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域位置が右入力領域CIA2内であるか否かを判別する。このステップSP12において肯定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aのほぼ右半分に例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われてズームイン命令が入力されたことを表している。ステップSP12において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP13に移る。
【0339】
よってステップSP13において制御部20は、ドライバ25を介して光学ユニット23を駆動制御してズーム処理を実行することにより、ズームレンズを移動させて撮影範囲を広げた後、ステップSP1に戻る。
【0340】
またステップSP9において否定結果が得られると、このことは、このときかざし操作により移動命令が入力された可能性があることを表している。ステップSP9において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP14に移る。
【0341】
ステップSP14において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域位置が下限閾値以上で、かつ上限閾値以下であるか否かを判別する。このステップSP14において肯定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aの右端寄りや左端寄り、上端寄り、下端寄りに例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われて移動命令が入力されたことを表している。ステップSP14において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP15に移る。
【0342】
よってステップSP15において制御部20は、移動処理を実行することにより、撮影状態提示画像上の操作体がかざされた部分に、複数のアイコンや複数のテキストを移動させた後、ステップSP1に戻る。
【0343】
またステップSP14において否定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aに命令を入力するようには操作体がかざされていなかったため、命令が何ら入力されていないことを表している。ステップSP14において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP1に戻る。
【0344】
ところで、ステップSP12において否定結果が得られると、このことは、このときかざし操作により記録開始命令が入力された可能性があることを表している。ステップSP12において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP16に移る。
【0345】
ステップSP16において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域位置が上入力領域CIA4内であるか否かを判別する。このステップSP16において否定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aに命令を入力するようには操作体がかざされていなかったため、命令が何ら入力されていないことを表している。ステップSP16において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP1に戻る。
【0346】
これに対しステップSP16において肯定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aのほぼ上半分に例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われて記録開始命令が入力されたことを表している。
【0347】
ステップSP16において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP17に移る。よってステップSP17において制御部20は、撮影部22及びコーデック29を制御して動画撮影処理を開始(撮影の記録を開始)し、次のステップSP18に移る。
【0348】
ステップSP18において制御部20は、現在、フェード命令の入力が有効であるか否かを判別する。このステップSP18において肯定結果が得られると、このことは動画撮影して得られる動画像を、フェードをかけながら記録するように要望され、事前にフェード命令の入力を有効にするように設定していたことを表している。
【0349】
ステップSP18において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP19に移る。ステップSP19において制御部20は、かざし領域が検出されることを待ち受けて、操作スクリーン16によりかざし領域が検出されると、次のステップSP20に移る。
【0350】
ステップSP20において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域位置が下入力領域CIA4内で、かつ領域面積が第2の面積閾値以上であるか否かを判別する。
【0351】
このステップSP20において肯定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aのほぼ下半分に例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われて記録終了命令が入力されたことを表している。
【0352】
ステップSP20において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP21に移る。よってステップSP21において制御部20は、撮影部22及びコーデック29を制御して動画撮影処理を終了(撮影の記録を終了)した後、ステップSP1に戻る。
【0353】
またステップSP20において否定結果が得られると、このことは、このときかざし操作によりフェード命令が入力された可能性があることを表している。ステップSP20において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP22に移る。
【0354】
ステップSP22において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域面積が第4の面積閾値以上であるか否かを判別する。このステップSP22において肯定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aの一箇所又は二箇所に例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われてフェード命令が入力されたことを表している。
【0355】
ステップSP22において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP23に移る。よってステップSP23において制御部20は、デジタル処理回路28を制御して動画像データ(及び撮影状態提示画像データ)に対するフェード処理を実行して、次のステップSP24に移る。
【0356】
ステップSP24において制御部20は、動画撮影処理を自動的に終了させるか否かを判別する。このステップSP24において肯定結果が得られると、このことは、動画撮影処理を自動的に終了させるために、動画像の全面の絵柄を見える状態から徐々に見えないようにして最終的に全く見えないようにし、その時点から所定時間に達したことを表している。ステップSP24において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、ステップSP21に移る。
【0357】
またステップSP24において否定結果が得られると、このことは、動画像の全面の絵柄を全く見えない状態から徐々に見えるようにして、最終的にその絵柄を完全に見えるようにしたことで、まだ動画撮影を継続することを表している。ステップSP24において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP19に戻る。
【0358】
さらにステップSP22において否定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aに命令を入力するようには操作体がかざされていなかったため、命令が何ら入力されていないことを表している。ステップSP22において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP19に戻る。
【0359】
ところで、ステップSP18において否定結果が得られると、このことは動画撮影して得られる動画像を、フェードをかけながら記録するようには要望されておらず、事前にフェード命令の入力を無効にするように設定していたことを表している。
【0360】
ステップSP18において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP25に移る。ステップSP25において制御部20は、かざし領域が検出されることを待ち受けて、操作スクリーン16によりかざし領域が検出されると、次のステップSP26に移る。
【0361】
ステップSP26において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域面積が第1の面積閾値以上であるか否かを判別する。このステップSP26において肯定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aのほぼ全面に亘って例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われて撮影命令が入力されたことを表している。ステップSP26において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP27に移る。
【0362】
ステップSP27において制御部20は、写真撮影の準備を特には整えないまま、撮影部22及びコーデック29を制御するようにして写真撮影処理を実行した後、ステップSP25に戻る。
【0363】
ところで、ステップSP26において否定結果が得られると、このことは、このときかざし操作によりズームアウト命令、ズームイン命令、移動命令、記録終了命令の何れかが入力された可能性があることを表している。ステップSP26において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP28に移る。
【0364】
ステップSP28において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域面積が第2の面積閾値以上であるか否かを判別する。このステップSP28において肯定結果が得られると、このことは、このときかざし操作によりズームアウト命令、ズームイン命令、記録開始命令の何れかが入力された可能性があることを表している。ステップSP28において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、ステップSP29に移る。
【0365】
ステップSP29において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域位置が左入力領域CIA3内であるか否かを判別する。このステップSP29において肯定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aのほぼ左半分に例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われてズームアウト命令が入力されたことを表している。ステップSP29において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP30に移る。
【0366】
よってステップSP30において制御部20は、ドライバ25を介して光学ユニット23を駆動制御してズーム処理を実行することにより、ズームレンズを移動させて撮影範囲を狭めた後、ステップSP25に戻る。
【0367】
またステップSP29において否定結果が得られると、このことは、このときかざし操作によりズームアウト命令、記録終了命令の何れかが入力された可能性があることを表している。ステップSP29において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP31に移る。
【0368】
ステップSP31において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域位置が右入力領域CIA2内であるか否かを判別する。このステップSP31において肯定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aのほぼ右半分に例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われてズームイン命令が入力されたことを表している。ステップSP31において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP32に移る。
【0369】
よってステップSP32において制御部20は、ドライバ25を介して光学ユニット23を駆動制御してズーム処理を実行することにより、ズームレンズを移動させて撮影範囲を広げた後、ステップSP25に戻る。
【0370】
またステップSP28において否定結果が得られると、このことは、このときかざし操作により移動命令が入力された可能性があることを表している。ステップSP28において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP33に移る。
【0371】
ステップSP33において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域位置が下限閾値以上で、かつ上限閾値以下であるか否かを判別する。このステップSP33において肯定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aの右端寄りや左端寄り、上端寄り、下端寄りに例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われて移動命令が入力されたことを表している。ステップSP33において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP34に移る。
【0372】
よってステップSP34において制御部20は、移動処理を実行することにより、撮影状態提示画像上の操作体がかざされた部分に、複数のアイコンや複数のテキストを移動させた後、ステップSP25に戻る。
【0373】
またステップSP33において否定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aに命令を入力するようには操作体がかざされていなかったため、命令が何ら入力されていないことを表している。ステップSP33において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP25に戻る。
【0374】
ところで、ステップSP31において否定結果が得られると、このことは、このときかざし操作により記録終了命令が入力された可能性があることを表している。ステップSP31において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP35に移る。
【0375】
ステップSP35において制御部20は、このときのかざし操作に応じて検出された領域位置が下入力領域CIA4内で、かつ領域面積が第2の面積閾値以上であるか否かを判別する。
【0376】
このステップSP35において肯定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aのほぼ下半分に例えば、操作体としての手のひらをかざすようなかざし操作が行われて記録終了命令が入力されたことを表している。
【0377】
ステップSP35において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP36に移る。よってステップSP36において制御部20は、撮影部22及びコーデック29を制御して動画撮影処理を終了(撮影の記録を終了)した後、ステップSP25に戻る。
【0378】
またステップSP35において否定結果が得られると、このことは、このとき表示面43Aに命令を入力するようには操作体がかざされていなかったため、命令が何ら入力されていないことを表している。ステップSP35において制御部20は、かかる否定結果を得ると、ステップSP25に戻る。
【0379】
このようにして制御部20は、撮影モードの間、ステップSP1乃至ステップSP36の処理を適宜実行することにより、表示面43Aに対するかざし操作によって入力される命令に応じて被写体の写真撮影や動画撮影を制御する。
【0380】
そしてステップSP2において肯定結果が得られると、このことは再生モードへの移行や電源オフが指示されて撮影モードを終了することを表している。ステップSP2において制御部20は、かかる肯定結果を得ると、ステップSP37に移る。これによりステップSP37において制御部20は、撮影制御処理手順RT1を終了する。
【0381】
[1−8 実施の形態の動作及び効果]
以上の構成において、デジタルカメラ10の制御部20は、撮影モード時、操作スクリーン16の表示面43Aに操作体をかざすかざし操作が行われると、当該操作スクリーン16にかざし領域を検出させる。
【0382】
そしてデジタルカメラ10の制御部20は、その操作スクリーン16によって検出されたかざし領域に応じて、かざし操作により入力された命令を判別して、当該判別した命令に応じて被写体の写真撮影や動画撮影を制御する。
【0383】
従って、デジタルカメラ10の制御部20は、被写体を写真撮影や動画撮影する際、当該デジタルカメラ10に操作キーを押下操作するような外力を何ら加えさせることなく命令を入力させ、その入力に応じて、被写体の写真撮影や動画撮影を制御することができる。
【0384】
以上の構成によれば、デジタルカメラ10は、撮影モード時、操作スクリーン16の表示面43Aに操作体をかざすかざし操作が行われると、当該操作スクリーン16によって検出されたかざし領域に応じて、かざし操作により入力された命令を判別して、当該判別した命令に応じて被写体の写真撮影や動画撮影を制御するようにした。これによりデジタルカメラ10は、被写体を写真撮影や動画撮影する際、当該デジタルカメラ10に操作キーを押下操作するような外力を何ら加えさせることなく命令を入力させて、その入力に応じて、被写体の写真撮影や動画撮影を制御することができる。よってデジタルカメラ10は、撮影時の手ぶれを防止することができる。
【0385】
実際にデジタルカメラ10は、撮影モード時、被写体を写真撮影するとき、表示面43Aに対するかざし操作によって写真撮影の準備を整える撮影準備命令や、写真撮影する撮影命令を入力させるようにした。従ってデジタルカメラ10は、被写体を写真撮影するとき、撮影準備命令や撮影命令の入力のために、手ぶれが生じることを防止することができる。
【0386】
またデジタルカメラ10は、撮影モード時、動画撮影の途中で被写体を写真撮影するとき、表示面43Aに対するかざし操作によって撮影命令を入力させるようにした。従ってデジタルカメラ10は、動画撮影の間に被写体を写真撮影するときにも、撮影命令の入力のために、手ぶれが生じることを防止することができる。
【0387】
さらにデジタルカメラ10は、撮影モード時、被写体を動画撮影するとき、表示面43Aに対するかざし操作によって記録開始命令や記録終了命令を入力させるようにした。従ってデジタルカメラ10は、被写体の動画撮影を開始するときや終了するときにも、手ぶれが生じることを防止することができる。
【0388】
さらにデジタルカメラ10は、被写体を動画撮影している途中に撮影範囲を狭め、また広げるように変更するとき、表示面43Aに対するかざし操作によってズームイン命令やズームアウト命令を入力させるようにした。従ってデジタルカメラ10は、被写体を動画撮影している途中に撮影範囲を変更するときにも、手ぶれが生じることを防止することができる。
【0389】
さらにデジタルカメラ10は、被写体を動画撮影しているとき、表示面43Aに対するかざし操作によってフェード命令を入力させるようにした。従ってデジタルカメラ10は、被写体の動画撮影中にフェード命令の入力によって、手ぶれが生じることを防止することができる。またデジタルカメラ10は、被写体を動画撮影しながら、その動画撮影によって得られる動画像を、フェードをかけるように編集することができる。
【0390】
さらにデジタルカメラ10は、このように動画像に対してフェードをかけるとき、表示面43Aにかざす操作体と当該表示面43Aとの距離の変化に応じて、フェードの程度を調整するようにした。
【0391】
さらにデジタルカメラ10は、このように動画像に対してフェードをかけるとき、表示面43Aに操作体を近づけ、また遠ざけるときの時間に応じて、動画像にかけるフェードの程度を変化させる時間も調整するようにした。
【0392】
従ってデジタルカメラ10は、フェード処理のための煩雑な事前設定を何ら行わせることなく、動画像に対し、容易に所望の状態となるようにフェードをかけることができる。
【0393】
さらにデジタルカメラ10は、被写体を動画撮影している間、その被写体の撮影状態を確認させるための撮影状態提示画像を操作スクリーン16に表示するようにした。またデジタルカメラ10は、その撮影状態提示画像に、デジタルカメラ10の使用状況や動画撮影の状況を示すアイコンやテキストを重ねて表示するようにした。
【0394】
そしてデジタルカメラ10は、表示面43Aに対するかざし操作によって、撮影状態提示画像上でアイコンやテキストを移動させる移動命令を入力させるようにした。従ってデジタルカメラ10は、被写体の動画撮影中に移動命令の入力によって、手ぶれが生じることも防止することができる。またデジタルカメラ10は、被写体の動画撮影中に撮影状態提示画像上でアイコンやテキストを自由に移動させて、撮影状態を的確に確認させることができる。
【0395】
さらにデジタルカメラ10は、撮影モード時、表示面43Aに対するかざし操作によって種々の命令を入力させるようにした。よってデジタルカメラ10は、命令の入力の際にわざわざ操作キーの位置を確認させたりすることなく、表示面43Aを見ながら当該表示面43Aに操作体をかざす簡易な操作で種々の命令を容易に入力させることができる。またデジタルカメラ10は、このように表示面43Aに対するかざし操作により種々の命令を入力させることで、操作キーを極力減らして構成を簡易化することもできる。
【0396】
<2.変形例>
[2−1 変形例1]
なお上述した実施の形態においては、表示面43Aに対し、予め5種類の命令入力領域を設定し、これら5種類の命令入力領域に予め入力可能な命令を固定的に割り当てるようにした場合について述べた。
【0397】
しかしながら本発明は、これに限らず、表示面43Aに対し、当該表示面43Aの全面のみや、2分割、3分割、4分割、6分割のように少なくとも1以上の命令入力領域を設定するようにしても良い。また本発明は、その命令入力領域に予め入力可能な命令を割り当てるものの、命令入力領域に割り当てる命令を任意に変更させるようにしても良い。
【0398】
すなわち、本発明は、このように命令入力領域に割り当てる命令を任意に変更する場合、すでに命令入力領域に割り当てている命令の中で、命令入力領域に割り当てる命令を任意に変更するようにしても良い。また本発明は、命令入力領域よりも多い命令を用意しておき、命令入力領域に所望の命令を割り当てるようにして、命令入力領域に割り当てる命令を変更するようにしても良い。
【0399】
そして本発明は、かかる構成により、命令入力領域に割り当てる命令をユーザの要望に応じて選定し得ることにより、命令を入力し易くしてデジタルカメラの使い勝手を向上させることができる。
【0400】
因みに、本発明は、命令入力領域に上述のフェード命令や移動命令を割り当てるようにしても良いし、他に電源のオン命令やオフ命令等のように、この他種々の命令を割り当てることができる。
【0401】
[2−2 変形例2]
また上述した実施の形態においては、かざし操作が行われると、領域重心位置、領域面積、領域右端位置、領域左端位置、領域上端位置、領域下端位置を検出し、これらを使用して、かざし操作によって入力された命令を判別するようにした場合について述べた。
【0402】
しかしながら本発明は、これに限らず、かざし操作が行われると、領域重心位置及び領域面積のみを検出し、これら使用して、かざし操作によって入力された命令を判別にするようにしても良い。本発明は、かかる構成により、かざし操作によって入力された命令の判別に使用する情報を少なくし得る分、命令判別処理を簡易化することができる。因みに、本発明は、領域重心位置に替えてかざし領域の中心位置を検出して、かざし操作によって入力された命令の判別に使用するようにしても良い。
【0403】
[2−3 変形例3]
さらに上述した実施の形態においては、被写体を動画撮影しながら、その動画撮影によって得られる動画像データに適宜、フェードかけるようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、被写体を動画撮影しながら、その動画撮影によって得られる動画像データに適宜、ぼかし処理やモザイク処理、セピア色や白黒等のように彩度を変更する処理等、この他種々のエフェクトをかけるようにしても良い。
【0404】
[2−4 変形例4]
さらに上述した実施の形態においては、被写体を写真撮影し、また動画撮影し、さらに動画撮影中に写真撮影するようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、被写体の写真撮影及び動画撮影の何れか一方のみを実行し、また被写体の写真撮影と動画撮影とを別々にのみ実行するようにしても良い。
【0405】
[2−5 変形例5]
さらに上述した実施の形態においては、事前にメニュー表示モードにおいて、フェード命令の入力を有効にするのか、また無効にするのかを設定しておくようにした場合について述べた。
【0406】
しかしながら本発明は、これに限らず、撮影モード時、また動画撮影中、撮影状態提示画像上に、フェード命令の入力を有効にするのか、また無効にするのかを設定するためのアイコンを表示する。
【0407】
そして本発明は、撮影モード時や動画撮影中に、上述のように、そのアイコンをかざし操作で指示させるようにして、フェード命令の入力を有効にするのか、また無効にするのかを設定するようにしても良い。
【0408】
[2−6 変形例6]
さらに上述した実施の形態においては、写真撮影の準備を整えてはいない状態で撮影命令が入力されたとき、撮影範囲内において領域重心位置に対応する部分のフォーカスや露出等を調整するようにして写真撮影の準備を整えたうえで、写真撮影処理を実行するようにした場合について述べた。
【0409】
しかしながら本発明は、これに限らず、写真撮影の準備を整えてはいない状態で撮影命令が入力されたとき、撮影範囲に対し顔検出処理を実行して人物の顔を検出する。そして本発明は、その検出した顔のフォーカスや露出等を調整するようにして写真撮影の準備を整えたうえで、写真撮影処理を実行するようにしても良い。
【0410】
[2−7 変形例7]
さらに上述した実施の形態においては、本発明の撮影装置を、図1乃至図26について上述したデジタルカメラ10に適用するようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、撮影機能を有するコンピュータや、撮影機能を有する携帯電話機、撮影機能を有するPDA(Personal Digital Assistance)、撮影機能を有する携帯型ゲーム機器等の情報処理装置に適用することができる。
【0411】
また本発明は、写真撮影機能のみを有するデジタルスチルカメラや、動画撮影機能のみを有するデジタルビデオカメラのような撮影装置等のように、この他種々の構成の撮影装置にも適用することができる。
【0412】
[2−8 変形例8]
さらに上述した実施の形態においては、本発明による撮影制御プログラムを、図1乃至図26について上述した制御部20の内部のメモリに予め記憶された撮影制御プログラムに適用するようにした。そして制御部20が、その撮影制御プログラムに従って図22乃至図26について上述した撮影制御処理手順RT1を実行するようにした場合について述べた。
【0413】
しかしながら本発明は、これに限らず、デジタルカメラ10が撮影制御プログラムの記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体によって撮影制御プログラムをインストールしても良い。そして制御部20が、そのインストールした撮影制御プログラムに従って撮影制御処理手順RT1を実行するようにしても良い。
【0414】
またデジタルカメラ10は、ローカルエリアネットワークやインターネット、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用して外部から撮影制御プログラムをインストールするようにしても良い。
【0415】
そして撮影制御プログラムをデジタルカメラ10にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ読取可能な記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスクのようなパッケージメディアで実現しても良い。
【0416】
また撮影制御プログラムをデジタルカメラ10にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ読取可能な記憶媒体としては、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)のようなパッケージメディアで実現しても良い。
【0417】
さらに撮影制御プログラムをデジタルカメラ10にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ読取可能な記憶媒体としては、DVD(Digital Versatile Disc)等のパッケージメディアで実現しても良い。
【0418】
さらに、かかるコンピュータ読取可能な記憶媒体としては、パッケージメディアのみならず、各種プログラムが一時的もしくは永続的に記憶される半導体メモリや磁気ディスク等で実現しても良い。
【0419】
また、これらコンピュータ読取可能な記憶媒体に撮影制御プログラムを記憶する手段としては、ローカルエリアネットワークやインターネット、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用しても良い。さらにコンピュータ読取可能な記憶媒体には、ルータやモデム等の各種通信インタフェースを介して撮影制御プログラムを記憶するようにしても良い。
【0420】
[2−9 変形例9]
さらに上述した実施の形態においては、被写体を撮影する撮影部として、図1乃至図26について上述した光学ユニット23、撮像素子24、AFE回路27、デジタル処理回路28を有する撮影部22を適用するようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、この他種々の構成の撮影部を広く適用することができる。
【0421】
[2−10 変形例10]
さらに上述した実施の形態においては、表面に操作体がかざされた際、当該表面に対する操作体のかざし領域を検出する操作スクリーンとして、図1乃至図26について上述した操作スクリーン16を適用するようにした場合について述べた。
【0422】
しかしながら本発明は、これに限らず、表示機能を有さず、表面に操作体がかざされたときに、かざし領域を検出する操作部としての機能のみを有する操作スクリーン等のように、この他種々の構成の操作スクリーンを広く適用することができる。
【0423】
[2−11 変形例11]
さらに上述した実施の形態においては、操作スクリーンにより検出されたかざし領域に応じて、撮影部による被写体の撮影を制御する制御部として、図1乃至図26について上述した制御部20を適用するようにした場合について述べた。
【0424】
しかしながら本発明は、これに限らず、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)を適用することができる。また本発明は、操作スクリーンにより検出されたかざし領域に応じて、撮影部による被写体の撮影を制御するハードウェア回路構成の専用の制御回路等のように、この他種々の構成の制御部にも広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0425】
本発明は、デジタルカメラやカメラ付携帯電話機、カメラ付携帯ゲーム機器等の撮影装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0426】
1……撮影装置、2、22……撮影部、3、16……操作スクリーン、4、22……制御部、10……デジタルカメラ、23……光学ユニット、24……撮像素子、27……AFE回路、28……デジタル処理回路、40……導光板41……液晶パネル、42……保護板、43……光センサ内蔵型表示部、43A……表示面、47……表示処理部、48……領域検出部、50……センサ走査回路、51……解析回路、52……検出回路、53……領域データ生成回路、55、56……かざし領域、LS……光センサ、RT1……撮影制御処理手順。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影する撮影部と、
表面に操作体がかざされた際、当該表面に対する上記操作体のかざし領域を検出する操作スクリーンと、
上記操作スクリーンにより検出された上記かざし領域に応じて、上記撮影部による上記被写体の撮影を制御する制御部と
を具える撮影装置。
【請求項2】
上記制御部は、
上記操作スクリーンにより検出された上記かざし領域に応じて、上記被写体を写真撮影するように、上記撮影部による当該被写体の撮影を制御する
請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
上記制御部は、
上記操作スクリーンにより検出された上記かざし領域に応じて、上記被写体を写真撮影するための準備を整えるように、上記撮影部による当該被写体の撮影を制御する
請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
上記制御部は、
上記操作スクリーンにより検出された上記かざし領域に応じて、上記被写体の動画撮影を開始するように、上記撮影部による当該被写体の撮影を制御する
請求項3に記載の撮影装置。
【請求項5】
上記制御部は、
上記操作スクリーンにより検出された上記かざし領域に応じて、上記被写体の動画撮影を終了するように、上記撮影部による当該被写体の撮影を制御する
請求項4に記載の撮影装置。
【請求項6】
上記制御部は、
上記操作スクリーンにより検出された上記かざし領域に応じて、上記被写体の動画撮影の間に当該被写体を写真撮影するように、上記撮影部による上記被写体の撮影を制御する
請求項5に記載の撮影装置。
【請求項7】
上記制御部は、
上記操作スクリーンにより検出された上記かざし領域に応じて、上記被写体の撮影範囲を広げ、また狭めるように、上記撮影部による上記被写体の撮影を制御する
請求項6に記載の撮影装置。
【請求項8】
上記操作スクリーンは、
上記撮影部により上記被写体が撮影状態の確認用に撮影されて生成された撮影状態提示画像を表示すると共に、当該撮影状態提示画像に所定のアイコンを重ねて表示し、
上記制御部は、
上記操作スクリーンにより検出された上記かざし領域に応じて、上記被写体の動画撮影の間、上記操作スクリーンに表示されている上記撮影状態提示画像上で上記アイコンを移動させるように、上記撮影部による上記被写体の撮影を制御する
請求項7に記載の撮影装置。
【請求項9】
上記制御部は、
上記操作スクリーンにより検出された上記かざし領域に応じて、上記撮影部により上記被写体を動画撮影して生成される動画像データにエフェクト処理を施すように、上記撮影部による上記被写体の撮影を制御する
請求項8に記載の撮影装置。
【請求項10】
操作スクリーンの表面に操作体がかざされた際、当該操作スクリーンにより検出された上記表面に対する上記操作体のかざし領域に応じて、被写体を撮影する撮影部による当該被写体の撮影を制御する制御ステップ
を具える撮影制御方法。
【請求項11】
コンピュータに
操作スクリーンの表面に操作体がかざされた際、当該操作スクリーンにより検出された上記表面に対する上記操作体のかざし領域に応じて、被写体を撮影する撮影部による当該被写体の撮影を制御する制御ステップ
を実行させる撮影制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−101184(P2011−101184A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254248(P2009−254248)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】