説明

撮影装置とその制御方法及びプログラム

【課題】液晶素子を使用した可変タイプの偏光フィルタを用いて、偏光フィルタを使用した撮影を容易にする仕組みを提供すること。
【解決手段】液晶素子を使用した可変タイプの偏光フィルタと、偏光角度を決定する操作部を備える撮影装置であって、前記操作部の角度から偏光角度を決定する偏光角度決定手段と、前記偏光角度決定手段で決定した偏光角度に従って液晶素子を回転させて、前記偏光フィルタの電界付加方向を変更する変更手段と、前記変更手段に従って、変更された偏光フィルタを通した画像を得るべく撮影する撮影手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
偏光フィルタを備える撮影装置とその制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
反射する光により所望の撮影画像を得ることができないことがあった。そこで、近年では不要な反射光を除去(例えば、デジタル一眼レフカメラを用いた撮影時に、ガラス面や水面の反射による写りこみを除去したり、空の青さをより強調する)ためにPLフィルタ(偏光フィルタ)PLフィルタ(偏光フィルタ)を用いた撮影が行われている。
【0003】
また、このPLフィルタ等を用いた撮影の際に、各種光学特性を有するフィルタを素早く切り替える方法が考えられている。(例えば、特許文献1、特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−017827号公報
【特許文献2】特開2009−258618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的を達成するために、液晶素子を使用した可変タイプの偏光フィルタと、偏光角度を決定する操作部を備える撮影装置であって、前記操作部の角度から偏光角度を決定する偏光角度決定手段と、前記偏光角度決定手段で決定した偏光角度に従って液晶素子を回転させて、前記偏光フィルタの電界付加方向を変更する変更手段と、前記変更手段に従って、変更された偏光フィルタを通した画像を得るべく撮影する撮影手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、前記変更手段で変更した偏光角度を取得する偏光角度取得手段と、前記撮影手段で撮影した画像と前記偏光角度取得手段で取得した偏光角度とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段で記憶した偏光角度を選択する選択手段とを更に備え、前記変更手段は、前記選択手段で選択した偏光角度に従って変更することを特徴とする。
【0007】
また、前記記憶手段で記憶した画像を表示する表示手段を更に備え、前記選択手段は、前記表示手段で表示された画像に対応する偏光角度を選択することを特徴とする。
【0008】
また、前記撮影装置は、外光の値を測定する測定部を備え、前記記憶手段は、撮影した際の外光の値を撮影された画像と対応付けて記憶し、前記表示手段は、前記測定部で測定された外光の値と一致する前記記憶手段で記憶した外光の値に対応する画像の一覧を表示し、前記選択手段は、前記画像の一覧から選択された画像に対応する偏光角度を選択することを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
しかしながら、PLフィルタは2枚のフィルタが重なり合う構造になっており、2枚の内一枚が回転できるようになっており、撮影時にフィルタを回転させながら効果を調整して使用する。
【0010】
また、PLフィルタは脱着することが可能で、脱着には以下の手順で行われている。
【0011】
まず、フィルタの装着では、(1)フィルタの取り出し(2)フィルタの装着をする。また、次に、フィルタの取り外しでは、(1)フィルタの取り外し(2)フィルタの収納をする。
【0012】
このように、PLフィルタは必要に応じて使用するため、フィルタの紛失や、粉塵環境(降雪地域、砂漠)での装着でレンズとフィルタ間に塵が混入することで、撮影画像に塵が写りこんでしまうことがあった。
【0013】
また、フィルタ装着時にレンズ面に指が触れて、レンズ面に指紋が付き撮影画像の解像感を低下させてしまうことがあった。
【0014】
さらに、撮影環境の温度や湿度により、ねじ込み部の歪みにより、一定の角度での装着が難しく、フィルタの効果(偏光角度)の定量化・記録が困難であった。
【0015】
そこで、本発明は、液晶素子を使用した可変タイプの偏光フィルタを用いて、偏光フィルタを使用した撮影を容易にする仕組みを提供することを目的とする。
【0016】
また、偏光フィルタの偏光角度情報を管理することで、偏光角度を容易に変更し、偏光フィルタを使用した撮影を容易にする仕組みを提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、液晶素子を使用した可変タイプの偏光フィルタを用いて、偏光フィルタを使用した撮影が容易になる。
【0018】
また、偏光フィルタの偏光角度情報を管理することで、偏光角度を容易に変更し、偏光フィルタを使用した撮影が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図2】PLフィルタOn/Offスイッチ1hがOffのときの電子PLフィルタ1dの偏光状態を表す図である。
【図3】PLフィルタOn/Offスイッチ1hがOnのときの電子PLフィルタ1dの偏光状態を表す図である。
【図4】回転リング1fを水平方向から角θ(402)回転した状態を表す図である。
【図5】電子PLフィルタ1dを用いた撮像処理図である。
【図6】設定情報登録DB10に登録される設定情報テーブル600の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の実施形態における撮影装置の構成を示すブロック図である。
【0021】
図1において、撮影装置100は、いわゆるデジタルカメラ等から成り、撮影用のレンズ1a、撮像素子1b、信号処理部1c、電源ボタン2a、撮影ボタン2b、再生ボタン2c、ズームボタン2d、メニューボタン2e、カーソルキー2f、撮影モード切り替えダイヤル2g、AF/MF切り替えスイッチ2h、メモリ3、CPU4、記録媒体5、表示部6、ファインダ7、スピーカ8、設定制御部9、記憶部10を備える。
【0022】
撮像部1は、撮影用のレンズ1a、撮像素子1b、信号処理部1c、電子PLフィルタ1dなどで構成される。
【0023】
レンズ1aは、レンズ等であり、対物レンズ、ズームレンズ、およびフォーカスレンズなどで構成される。ズームレンズおよびフォーカスレンズについては、不図示の駆動機構により光軸方向へ駆動される。
【0024】
撮像素子1bは、レンズ1aを介して入射される光学画像を結像し、電気信号に変換する。撮像素子1bによって変換された電気信号は、信号処理部1cによって画像データに変換される。
【0025】
信号処理部(ADC)1cは、撮像素子1bから受けた電気信号にデジタル変換やホワイトバランス調整などの信号処理を行なって、デジタル信号に変換する機能を有する。
【0026】
電子PLフィルタ1dは、液晶素子1e、回転リング1f、角度センサー1g、PLフィルタOn/Offスイッチ1hからなる。PLフィルタOn/Offスイッチ1hは、液晶素子1eの配向状態を切り替えるためのスイッチである。PLフィルタOn/Offスイッチ1hがOffの状態のとき、液晶素子には電界が負荷されず、On状態のときには液晶素子には電界が負荷される。つまり、液晶素子1eは、PLフィルタOn/Offスイッチ1hがOnにされると、一方向に配列し、光学的な偏光作用を有しPLフィルタと同等の効果を有するようになる。また、液晶素子1eは、PLフィルタOn/Offスイッチ1hがOffの状態では、偏光作用が失われ、PLフィルタの機能は有さなくなる。回転リング1fは、液晶素子1eの偏光角度を調整することができる。角度センサー1gは、回転リング1fの回転角度を検出することで、液晶素子1eの偏光角度情報を取得するために用いられる。
【0027】
操作入力部2は、電源ボタン2a、撮影ボタン2b、再生ボタン2c、ズームボタン2d、メニューボタン2e、カーソルキー2f、撮影モード切り替えダイヤル2g、AF/MF切り替えスイッチ2hなどで構成される。なお、操作入力部2は図示の操作以外の操作ボタン類も含まれるが、それらの説明は省略する。
【0028】
電源ボタン2aは、撮影装置の電源のONまたはOFFを切り替えることができる。撮影者が電源ボタン2aでONにすると、撮影装置100に内蔵されているバッテリー(不図示)から各回路へ電源供給されて、撮影装置100の起動処理(レンズバリア(不図示)を開く動作制御およびCPU4のリセット処理など)が行われる。
【0029】
再生ボタン2cは、撮影した画像を閲覧する再生モードに切り替えるためのボタンである。再生ボタン2cが押下されると、撮影モードから再生モードに移行する。再生モードでは、CPU4がシステムバスを経由して、記録媒体から画像データを読み出し、表示部6に撮影画像を表示する。なお、再生モードへの切替方法については、再生ボタン2cの押下に限定されず、表示部6(例えば、ディスプレイ)がタッチパネル機能を備えているものであれば、ユーザによるタッチ操作を受け付けることで移行させる方法であってもよい。
【0030】
再生モードでは、コントローラが、I/F回路を介して、カードホルダに装着されている記録媒体5から設定情報と画像データを読み出す。設定情報は、現在装着されている記録媒体5に記録されている画像の枚数および記録されている画像データの容量などである。読み出される画像データは、例えば、画像1枚分の画像データまたはサムネイルデータである。なお、記録媒体5から読み出される画像データは、所定の圧縮形式で圧縮されている。
【0031】
記録媒体5から読み出された画像データは、I/F回路およびコントローラを介して、ディスプレイドライバ(不図示)へ入力される。ディスプレイドライバは、入力された画像データを表示部(ディスプレイ)6に表示させる。
【0032】
ズームボタン2dは、レンズ1aを光軸方向に前後させることにより撮像素子1bに結像する画像の拡大及び縮小を行うことができる。
【0033】
メニューボタン2eは、撮影モードの設定や、撮影装置の初期設定(内部時計の設定、表示部6の明るさ等)を行う画面を表示部6に表示する。
【0034】
カーソルキー2f、はユーザが撮影装置に対する所定の指示や機能選択を行うためのキーである。ユーザは、カーソルキー226により、液晶ディスプレイ217にメニュー画面を表示したり、撮影装置100が有する所定の機能を選択することができる。
【0035】
撮影モード切り替えダイヤル2gは、撮影時の動作モードを切り替えるための回転可能なダイヤルである。撮影者は撮影モード切り替えダイヤル2gを回転操作することで、撮影モードを選択することが可能である。ユーザはダイヤル2gを操作することで、複数の撮影動作モードを選択することが可能である。なお、本発明の実施形態において、ダイヤル2gは、ダイヤル式機構として記載をしている、例えば、ダイヤルではなくスライド式の切替えスイッチであってもよい。つまり、モードダイヤル2gについて、その機構はダイヤルに限定されず、カメラのモードを切り替えられるための機構を備えていることが本質である。
【0036】
AF/MF切り替えスイッチ2hは、撮影装置100のフォーカス機能の有効・無効を設定するスイッチである。AFに切り替えるとオートフォーカス、MFに切り替えるとマニュアルフォーカスに設定される。
【0037】
表示部6は、撮影画像の表示や、撮影装置100の設定情報を表示することができる。
【0038】
ファインダ7は、撮影対象の撮影範囲や構図決めなどに使用し、ファインダ内にはカメラの設定情報を表示する機能を備える。
【0039】
スピーカ8は、撮影時のフォーカス(合掌)通知を行う機能を備える。
【0040】
設定制御部9は、電子PLフィルタ1dから取得したPLフィルタ偏光角度情報を、撮影情報として設定情報登録DB10に登録する機能を有する。
【0041】
画像処理部11は、前処理部11d、YC処理部11e、電子ズーム処理部11f、圧縮部11g、および伸長部11hを備え、カメラ信号処理部1cから出力されるデジタル信号から画像データを生成し、各種画像処理を行う機能を有する。
【0042】
前処理部11dは、入力される画像データに基づく画像のホワイトバランスを調整するホワイトバランス処理や画像のガンマ補正処理を行う機能を有する。ホワイトバランス処理は、画像の色合いを、実物の色合いに近くなるように調整したり、光源(蛍光灯や太陽光など)に合った適正な色に調整したりする処理である。ガンマ補正処理は、画像のコントラストを調整する処理である。なお、前処理部11dは、ホワイトバランス処理およびガンマ補正処理以外の画像処理を実行することも可能である。
【0043】
YC処理部11eは、入力される画像データに基づく画像を、輝度情報「Y」と、輝度信号と青色の色差情報「Cb」と、輝度信号と赤色の色差情報「Cr」とに分離する機能を有する。電子ズーム処理部11fは、画像の一部(例えば中央部)を所定の大きさでトリミングし、トリミングした画像を信号処理で元画像の大きさに拡大する機能を有する。電子ズーム処理部11fは、例えば、撮影された1600×1200ドットの画像から中央の1024×768ドットの画像を切り出し、データ補間を行いながら1600×1200ドットのサイズに拡大することができる。
【0044】
圧縮部11gは、画像データをJPEG(Joint Photographic Expert Group)方式などの圧縮形式によって圧縮する機能を有する。伸長部11hは、圧縮されている画像データを伸長する機能を有する。例えば、画像データをJPEG方式で圧縮する場合、まず、画像データの高周波成分と低周波成分の割合を数値化する離散コサイン変換処理が行われる(DCT処理)。次に、画像の階調やグラデーションを表現する段階を数値(量子化ビット数)で表現する量子化処理が行われる。最後に、ハフマン符号化処理で画像データが圧縮される。
【0045】
具体的には、画像データの信号文字列が一定のビット毎に区切られ、出現頻度が高い文字列に対してより短い符号が与えてられてゆく。なお、圧縮処理を行わないで画像データを記録する方式の場合は、圧縮部11gおよび伸長部11hを省略することができる。また、画像データの圧縮形式は、JPEG方式に限らず、GIF(Graphical Interchange Format)形式などであっても、同様に処理を行うことができる。
【0046】
以上、図1を用いて本発明を実施する撮像装置のハードウエア構成および撮影機能について説明した。
【0047】
図2は、PLフィルタOn/Offスイッチ1hがOffのときの電子PLフィルタ1dの偏光状態を表す。この状態では、液晶素子1eに電界が負荷されていないため、液晶分子は一方向に配列せず、PLフィルタとしての機能はOffされた状態になる。
【0048】
図3は、PLフィルタOn/Offスイッチ1hがOnのときの電子PLフィルタ1dの偏光状態を表す。この状態では、液晶素子1eに電界301が負荷されているため、液晶分子は一方向に配列(302)し、PLフィルタとしての機能はOnの状態になる。
【0049】
図4は、回転リング1fを水平方向から角θ(402)回転した状態を表す。回転リング1fが角θ(402)回転すると、液晶素子1eが角θ(402)回転し、結果としてPLフィルタの偏光角度を角θ(402)回転させることができる。
【0050】
図5は、電子PLフィルタ1dを用いた撮像処理図を表す。
【0051】
1:電子PLフィルタスイッチON処理では、ユーザの操作に応じて電子PLフィルタスイッチ1hがONになったことを検知する。
【0052】
1.1:電界付加処理では、電子PLフィルタスイッチ1hがONになったことを受けて、電子PLフィルタ1d内の液晶素子1eに電界を付加し、PLフィルタとしての機能がON状態になる。
【0053】
2:回転リング回転処理では、ユーザの操作に応じて回転リング1fが回転されたことを検知する。この際、角度センサー1gが、回転リングが回転した角度を取得し、偏光角度を計算する。
【0054】
2.1:電界付加方向変更処理では、2:回転リング回転処理による回転リング1fの回転により、液晶素子が回転することにより、PLフィルタの偏光角度が変更される。
【0055】
3:撮影処理は、ユーザのシャッター押下操作により開始され、3.1:の撮像処理で被写体を撮像し、3.2:画像生成処理で、被写体の画像情報を作成する。
【0056】
3.3:画像・撮影情報保存処理では3.2:画像生成処理で生成された画像情報と、2:回転リング回転処理実行時に取得した偏光角度情報を関連付けて、設定情報登録DB10に情報を登録する。
【0057】
4:電子PLフィルタスイッチOFF処理では、ユーザの操作に応じて電子PLフィルタスイッチ1hがOFFになったことを検知する。
【0058】
4.1:電界付加解除処理では、電子PLフィルタスイッチ1hがOFFになったことを受けて、電子PLフィルタ1d内の液晶素子1eに電界の付加を中止し、PLフィルタとしての機能がOFF状態になる。
【0059】
次に、3:撮影処理について詳細に説明する。ユーザが撮影時時に、既に撮影された画像情報を選択し、選択された画像情報に関連付けられている偏光角度情報を使用するか否かを判定する。ユーザの指示に応じて、偏光角度情報を使用すると判定された場合には、設定情報登録DB10から偏光角度情報を取得し、1:電子PLフィルタスイッチON処理に処理を移す。この場合、ユーザの操作なく電子PLフィルタスイッチ1hをON状態とする。この処理は、特に、電子PLフィルタ自動機能がONになっている状態で有効となることが望ましい。
【0060】
次に、2.1:電界付加方向変更処理に処理を移し、取得した偏光角度情報を使用し、2:回転リング回転処理で液晶素子が回転することにより、PLフィルタの偏光角度を変更する。
【0061】
また、ユーザの指示に応じて、偏光角度情報を使用しないと判定された場合には、電子PLフィルタスイッチ1hをOFF状態として、撮影を実行する。
【0062】
さらに、撮影装置は、外光など光を測定する測光部を備えており、測光部で測定された測光情報を画像情報に関連付け、設定情報登録DBに登録する。
【0063】
ユーザが撮影時に、測光部で測定した光の値と、設定情報登録DBに記憶されている光の値から一致する(完全一致でなく、所定の範囲内であってもよい)画像を特定し、特定された画像の一覧(サムネイル一覧表示等)を表示部に表示する。この表示部に表示された画像一覧から、ユーザが画像を選択することによって特定される画像に対応する偏光角度情報を設定情報登録DBから取得し、PLフィルタの偏光角度を変更する。そして、撮影を行うようにする。なお、画像一覧では、偏光角度情報も共に表示する。
【0064】
図6は、本発明を適用した一実施形態の撮影装置100のメモリ3に記憶される設定情報登録DB10に登録される設定情報テーブル600の一例を示す図である。図示しないが、測光部で測定した光の値(明るさ)も画像情報に関連付いて登録されている。
【0065】
上述した構成によれば、液晶素子を使用した可変タイプの偏光フィルタと、偏光角度を決定する操作部を備える撮影装置において、前記操作部の角度から偏光角度を決定し(偏光角度決定手段)、決定した偏光角度に従って液晶素子を回転させて、前記偏光フィルタの電界付加方向を変更し(変更手段)、変更された偏光フィルタを通した画像を得るべく撮影する(撮影手段)。
【0066】
また、偏光した偏光角度を取得し(偏光角度取得手段)、撮影した画像と取得した偏光角度とを対応付けて記憶し(記憶手段)、記憶した偏光角度を選択し(選択手段)偏光角度を変更する場合には、選択した偏光角度に従って変更する。
【0067】
また、記憶した画像を表示し(表示手段)、偏光角度を選択する場合には、表示された画像に対応する偏光角度を選択する。
【0068】
また、撮影装置は、外光の値を測定する測定部を備え、撮影した際の外光の値を撮影された画像と対応付けて記憶し、前記画像を表示する際には、前記測定部で測定された外光の値と一致する記憶した外光の値に対応する画像の一覧を表示し、偏光角度を選択する際には、前記画像の一覧から選択された画像に対応する偏光角度を選択する。
【0069】
以上、本実施形態について説明したが、本実施形態によれば、液晶素子を使用した可変タイプの偏光フィルタを用いて、偏光フィルタを使用した撮影が容易になる。
【0070】
また、偏光フィルタの偏光角度情報を管理することで、偏光角度を容易に変更し、偏光フィルタを使用した撮影が容易になる。
【0071】
また、従来の取り外し可能なPLフィルタに比べ、紛失を防止でき、粉塵環境(降雪地域、砂漠)での装着でレンズとフィルタ間に塵が混入し、撮影画像に塵が写りこんでしまうことがなくなる。
【0072】
また、フィルタ装着時にレンズ面に指が触れて、レンズ面に指紋が付き撮影画像の解像感を低下させてしまうことがなくなる。
【0073】
さらに、撮影環境の温度や湿度により、ねじ込み部の歪みにより、一定の角度での装着が難しく、フィルタの効果(偏光角度)の定量化・記録が行なえるようになる。
【0074】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0075】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0076】
また、本発明におけるプログラムは、図5に示す処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図5に示す処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図5の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0077】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0078】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0079】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0080】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0081】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0082】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0083】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0084】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0085】
1 撮像部
1d 電子PLフィルタ
2 操作入力部
3 メモリ
4 CPU
5 記録媒体
6 表示部
7 ファインダ
8 スピーカ
9 設定制御部
10 設定情報登録DB
11 画像処理部
100 撮影装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶素子を使用した可変タイプの偏光フィルタと、偏光角度を決定する操作部を備える撮影装置であって、
前記操作部の角度から偏光角度を決定する偏光角度決定手段と、
前記偏光角度決定手段で決定した偏光角度に従って液晶素子を回転させて、前記偏光フィルタの電界付加方向を変更する変更手段と、
前記変更手段に従って、変更された偏光フィルタを通した画像を得るべく撮影する撮影手段と
を備えることを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記変更手段で変更した偏光角度を取得する偏光角度取得手段と、
前記撮影手段で撮影した画像と前記偏光角度取得手段で取得した偏光角度とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段で記憶した偏光角度を選択する選択手段とを更に備え、
前記変更手段は、前記選択手段で選択した偏光角度に従って変更することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記記憶手段で記憶した画像を表示する表示手段を更に備え、
前記選択手段は、前記表示手段で表示された画像に対応する偏光角度を選択することを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記撮影装置は、外光の値を測定する測定部を備え、
前記記憶手段は、撮影した際の外光の値を撮影された画像と対応付けて記憶し、
前記表示手段は、前記測定部で測定された外光の値と一致する前記記憶手段で記憶した外光の値に対応する画像の一覧を表示し、
前記選択手段は、前記画像の一覧から選択された画像に対応する偏光角度を選択することを特徴とする請求項3に記載の撮影装置。
【請求項5】
液晶素子を使用した可変タイプの偏光フィルタと、偏光角度を決定する操作部を備える撮影装置の制御方法であって、
前記撮影装置が、
前記操作部の角度から偏光角度を決定する偏光角度決定ステップと、
前記偏光角度決定ステップで決定した偏光角度に従って液晶素子を回転させて、前記偏光フィルタの電界付加方向を変更する変更ステップと、
前記変更ステップに従って、変更された偏光フィルタを通した画像を得るべく撮影する撮影ステップと
を実行することを特徴とする制御方法。
【請求項6】
液晶素子を使用した可変タイプの偏光フィルタと、偏光角度を決定する操作部を備える撮影装置で実行可能なプログラムであって、
前記撮影装置を、
前記操作部の角度から偏光角度を決定する偏光角度決定手段と、
前記偏光角度決定手段で決定した偏光角度に従って液晶素子を回転させて、前記偏光フィルタの電界付加方向を変更する変更手段と、
前記変更手段に従って、変更された偏光フィルタを通した画像を得るべく撮影する撮影手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−98928(P2013−98928A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242595(P2011−242595)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】