説明

撮影装置及び撮影プログラム

【課題】被写体の発光量に応じて最適な冷却温度や露出時間を決定し、撮影時に無駄な電力を消費してしまうのを抑える。
【解決手段】画像処理装置100は、検出対象の光量に基づく信号値、撮像素子を冷却する冷却手段の冷却温度、被写体を撮影する際の露出時間、及び検出対象の光量に基づく信号値と検出対象の背景部分の光量に基づく信号値との比であるS/N比の対応関係を表わすテーブルデータを予め記憶しており、検出対象を予め定めた基準冷却温度及び予め定めた基準露出時間でプレ撮影させ、そのときのS/N比を算出する。そして、算出したS/N比と予め定めた基準S/N比との比較結果に基づいて、プレ撮影したときの検出対象の光量に基づく信号値に対応する冷却温度及び露出時間の組み合わせのうち、基準S/N比以上となる冷却温度及び露出時間を本撮影用の冷却温度及び露出時間としてテーブルデータから決定し、決定した条件で本撮影させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置及び撮影プログラムに係り、特に、撮像素子を冷却する冷却手段を備えた撮影装置及び撮影プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば生化学の分野において、励起光が照射されることにより蛍光を射出する、蛍光色素で標識された蛍光サンプルを被写体として撮像したり、化学発光基質と接触して発光している化学発光サンプルを被写体として撮像したりする撮影装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような撮影装置では、特に化学発光サンプルの撮影を行う場合、励起光を照射せずに微弱な光を発する被写体を撮影するため、露光時間が蛍光サンプルを撮影する場合と比較して長時間となる。露光時間が長時間になると、CCD等の撮像素子の撮影画像に温度と露光時間に応じた暗電流等の影響によるノイズ成分が多く含まれてしまうため、これを防止するために、特許文献1記載の撮影装置では、CCDを冷却する手段が設けられている。
【0004】
このようにCCDを冷却する撮影装置として、特許文献2には、暗電流成分による固定パターンノイズ及び撮像素子内部の電荷電圧変換回路における読み出しノイズであるランダムノイズを撮影装置内の温度等に基づいて予測し、ノイズの大きい方が低減するように、露光時間及び撮影装置内の目標温度を決定する撮影装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、露光時間が長くなるほど冷却素子の駆動電圧を高くする撮影装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−283322号公報
【特許文献2】特開2005−354258号公報
【特許文献3】特開2008−177917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来では、試行錯誤により適切な冷却温度や露出時間等の読取条件を決定していたため時間がかかる、という問題があった。また、露出時間が短くてもよい被写体であっても過剰に撮像素子を冷却してしまう場合がある等、無駄に電力を消費してしまう場合がある、という問題があった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、被写体の発光量に応じて最適な冷却温度や露出時間を決定し、撮影時に無駄な電力を消費してしまうのを抑えることができる撮影装置及び撮影プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、予め定めた検出対象を含む被写体を撮像する撮像素子と、前記撮像素子を冷却する冷却手段と、前記検出対象の光量に基づく信号値、前記冷却手段の冷却温度、前記被写体を撮影する際の露出時間、及び前記検出対象の光量に基づく信号値と前記検出対象の背景部分の光量に基づく信号値との比であるS/N比の対応関係を表わすテーブルデータを記憶した記憶手段と、予め定めた基準冷却温度及び予め定めた基準露出時間で前記被写体を前記撮像素子によりプレ撮影したときの前記S/N比を算出するS/N比算出手段と、前記S/N比算出手段により算出したS/N比と予め定めた基準S/N比との比較結果に基づいて、前記プレ撮影したときの前記検出対象の光量に基づく信号値に対応する前記冷却温度及び前記露出時間の組み合わせのうち、前記基準S/N比以上となる冷却温度及び露出時間を本撮影用の冷却温度及び露出時間として前記テーブルデータから決定する決定手段と、前記決定手段により決定された冷却温度及び露出時間で前記被写体が本撮影されるように、前記撮像素子及び前記冷却手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、検出対象の光量に基づく信号値、冷却手段の冷却温度、被写体を撮影する際の露出時間、及び検出対象の光量に基づく信号値と検出対象の背景部分の光量に基づく信号値との比であるS/N比の対応関係を表わすテーブルデータを記憶しており、予め定めた基準冷却温度及び予め定めた基準露出時間で被写体をプレ撮影したときのS/N比と基準S/N比との比較結果に基づいて、プレ撮影したときの検出対象の光量に基づく信号値に対応する冷却温度及び露出時間の組み合わせのうち、基準S/N比以上となる冷却温度及び露出時間を本撮影用の冷却温度及び露出時間としてテーブルデータから決定して本撮影する。これにより、被写体の発光量に応じて最適な冷却温度や露出時間を決定することができ、必要以上に撮像素子の冷却温度が低くなったり露出時間が必要以上に長くなったりするのを防ぐことができる。
【0011】
なお、請求項2記載の発明のように、前記決定手段は、前記算出手段により算出したS/N比が前記基準S/N比以上の場合、前記プレ撮影したときの前記検出対象の光量に基づく信号値に対応する冷却温度及び露出時間の組み合わせのうち、前記基準S/N比以上となる組み合わせで且つ前記基準露出時間より短い露出時間を含む組み合わせが存在する場合には、当該組み合わせの冷却温度及び露出時間を前記本撮影用の冷却温度及び露出時間として決定するようにしてもよい。これにより、露出時間が必要以上に長くなってしまうのを防ぐことができる。
【0012】
また、請求項3記載の発明のように、前記決定手段は、前記算出手段により算出したS/N比が前記基準S/N比未満の場合、前記プレ撮影したときの前記検出対象の光量に基づく信号値に対応する冷却温度及び露出時間の組み合わせのうち、前記基準露出時間より長い予め定めた限界露出時間で前記基準S/N比以上となる冷却温度が存在する場合には、その冷却温度のうち最も高い冷却温度及び前記限界露出時間を前記本撮影用の冷却温度及び露出時間として決定するようにしてもよい。これにより、必要以上に冷却温度が低くなってしまうのを防ぐことができる。
【0013】
また、請求項4に記載したように、前記算出手段は、前記プレ撮影したときの撮影画像の各画素の画素値のヒストグラムを算出し、算出したヒストグラムに基づいて前記プレ撮影したときの前記S/N比を算出するようにしてもよい。これにより、検出対象や背景部分をユーザーが指定する必要がなく、自動的に撮影画像から検出対象を検出してS/N比を求めることができる。
【0014】
また、請求項5に記載したように、前記テーブルデータの前記検出対象の背景部分の光量に基づく信号値は、前記撮像素子から画像信号を読み出す際に発生する読み出しノイズ及び暗電流ノイズの測定結果に基づいて算出されたものとすることが好ましい。これにより、より最適に冷却温度及び露出時間を決定することができる。
【0015】
請求項6記載の発明は、前記検出対象は、化学発光する物質であることを特徴とする。この場合、撮影する際の露出時間が長時間となって撮像素子の冷却が必要となるので、特に本発明の効果が顕著となる。
【0016】
請求項7記載の発明は、予め定めた検出対象を含む被写体を撮像する撮像素子と、前記撮像素子を冷却する冷却手段と、前記検出対象の光量に基づく信号値、前記冷却手段の冷却温度、前記被写体を撮影する際の露出時間、及び前記検出対象の光量に基づく信号値と前記検出対象の背景部分の光量に基づく信号値との比であるS/N比の対応関係を表わすテーブルデータを記憶した記憶手段と、を備えた撮影装置によって、予め定めた基準冷却温度及び予め定めた基準露出時間で前記被写体を前記撮像素子によりプレ撮影したときの前記S/N比を算出するステップと、算出したS/N比と予め定めた基準S/N比との比較結果に基づいて、前記プレ撮影したときの前記検出対象の光量に基づく信号値に対応する前記冷却温度及び前記露出時間の組み合わせのうち、前記基準S/N比以上となる冷却温度及び露出時間を本撮影用の冷却温度及び露出時間として前記テーブルデータから決定するステップと、決定された冷却温度及び露出時間で前記被写体が本撮影されるように、前記撮像素子及び前記冷却手段を制御するステップと、を含む処理をコンピュータに実行させるための撮影プログラムである。
【0017】
この発明によれば、被写体の発光量に応じて最適な冷却温度や露出時間を決定することができ、必要以上に撮像素子の冷却温度が低くなったり露出時間が必要以上に長くなったりするのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、被写体の発光量に応じて最適な冷却温度や露出時間を決定し、撮影時に無駄な電力を消費してしまうのを抑えることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】撮影システムの斜視図である。
【図2】撮影装置の正面図である。
【図3】画像処理装置100の概略ブロック図である。
【図4】撮影部30の概略ブロック図である。
【図5】読み出しノイズ特性の一例を示すグラフである。
【図6】暗電流ノイズ特性の一例を示すグラフである。
【図7】冷却温度、露出時間、被写体の発光量、及びS/N比との関係を示すテーブルデータを表わす図である。
【図8】画像処理装置で実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図9】化学発光サンプルの撮影画像の一例を示す図である。
【図10】撮影画像のヒストグラムを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る撮影装置を用いた撮影システムの一例を示す斜視図である。撮影システム1は、被写体に応じて励起光を照射せずに又は励起光を照射して被写体を撮影し、被写体の撮影画像を取得する撮影システムであり、撮影装置10及び画像処理装置100を含んで構成されている。
【0022】
撮影装置10は、被写体を撮影して取得した被写体の画像データを画像処理装置100に出力する。画像処理装置100は、受信した画像データに対して、必要に応じて所定の画像処理を施して表示部202に表示させる。
【0023】
なお、被写体は、例えば前述した化学発光サンプルであってもよいし、蛍光サンプルであってもよいが、本実施形態では、化学発光サンプルを被写体として、励起光を被写体に照射せずに撮影する場合について説明する。
【0024】
図2には、撮影装置10の蓋22(図1参照)を開けた状態の正面図を示した。同図に示すように、撮影装置10は、被写体PSが配置される被写体配置部40と、被写体配置部40を内部に収容した筐体20と、被写体配置部40に配置された被写体PSを撮影する撮影部30と、被写体PSに励起光を照射する、筐体20内に配置された落射光源50と、透過光源60と、を備えている。
【0025】
筐体20は、略直方体に形成された中空部21を有するものであって、内部に被写体PSが配置される被写体配置部40を有している。また、筐体20には図1に示す蓋22が開閉可能に取り付けられており、ユーザーが蓋22を開けて筐体20内に被写体PSを収容することができるようになっている。このように、筐体20は中空部21内に外光が入らないような暗箱を構成している。
【0026】
撮影装置10は、筐体20の上面20aに固定されており、詳細は後述するが、例えばCCD等の撮像素子を含んで構成されている。撮像素子には、冷却素子が取り付けられており、撮像素子を冷却することにより、撮影された画像情報に暗電流によるノイズ成分が含まれるのを防止している。
【0027】
撮影装置10にはレンズ部31が取り付けられており、このレンズ部31は、被写体P Sにフォーカスを合わせるために、矢印Z方向に移動可能に設けられている。
【0028】
落射光源50は、被写体配置部40の上に配置された被写体PSに向けて励起光を射出する。透過光源60は、被写体PSの下から励起光を照射する。蛍光サンプルを撮影する場合には、被写体に応じて落射光源50及び透過光源60の少なくとも一方から励起光を被写体に照射させる。
【0029】
図3には、画像処理装置100の概略構成を示した。同図に示すように、画像処理装置100は、メインコントローラ70を含んで構成されている。
【0030】
メインコントローラ70は、CPU(Central Processing Unit)70A、ROM(Read Only Memory)70B、RAM(Random Access Memory)70C、不揮発性メモリ70D、及び入出力インターフェース(I/O)70Eがバス70Fを介して各々接続された構成となっている。
【0031】
I/O70Eには、表示部202、操作部72、ハードディスク74、及び通信I/F76が接続されている。メインコントローラ70は、これらの各機能部を統括制御する。
【0032】
表示部202は、例えばCRTや液晶表示装置等で構成され、撮影装置10で撮影された画像を表示したり、撮影装置10に対して各種の設定や指示を行うための画面等を表示したりする。
【0033】
操作部72は、マウスやキーボード等を含んで構成され、ユーザーが操作部72を操作することによって撮影装置10に各種の指示を行うためのものである。
【0034】
ハードディスク74は、撮影装置10で撮影された撮影画像の画像データ、後述する制御ルーチンの制御プログラムや画像処理プログラム、テーブルデータ等の各種データ等が記憶される。
【0035】
通信インターフェース(I/F)76は、撮影装置10の撮影部30、落射光源50、及び透過光源60と接続される。CPU70Aは、通信I/F76を介して、被写体の種類に応じた撮影条件での撮影を撮影部30に指示したり、被写体に励起光を照射する場合には、落射光源50及び透過光源60の少なくとも一方に励起光の照射を指示したりすると共に、撮影部30で撮影された撮影画像の画像データを受信して画像処理等を施したりする。
【0036】
図4には、撮影部30の概略構成を示した。同図に示すように、撮影部30は、制御部80を備えており、制御部80はバス82を介して通信インターフェース(I/F)84と接続されている。通信I/F84は、画像処理装置100の通信I/F76と接続される。
【0037】
制御部80は、通信I/F84を介して画像処理装置100から撮影が指示されると、指示内容に応じて各部を制御して被写体配置部40に配置された被写体PSを撮影し、その撮影画像の画像データを通信I/F84を介して画像処理装置100へ送信する。
【0038】
制御部80には、レンズ部31、タイミング発生器86、及び撮像素子88を冷却する冷却素子90が接続されている。
【0039】
レンズ部31は、図示は省略するが、例えば複数の光学レンズから成るレンズ群、絞り調整機構、ズーム機構、及び自動焦点調節機構等を含んで構成されている。レンズ群は、図2において被写体PSにフォーカスを合わせるために、矢印Z方向に移動可能に設けられている。絞り調節機構は、開口部の径を変化させて撮像素子88への入射光量を調整するものであり、ズーム機構は、レンズの配置する位置を調節してズームを行うものであり、自動焦点調節機構は、被写体PSと撮影装置10との距離に応じてピント調節するものである。
【0040】
被写体PSからの光は、レンズ部31を透過して被写体像として撮像素子88に結像される。
【0041】
撮像素子88は、図示は省略するが、複数の各画素に対応する受光部、水平転送路、及び垂直転送路等を含んで構成されている。撮像素子88は、その撮像面に結像される被写体像を電気信号に光電変換する機能を有し、例えば電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)や金属酸化膜型半導体(Metal OxideSemiconductor:MOS)等のイメージセンサが用いられる。
【0042】
撮像素子88は、タイミング発生器86からのタイミング信号により制御され、被写体PSからの入射光を各受光部で光電変換する。
【0043】
撮像素子88で光電変換された信号電荷は、電荷電圧変換アンプ92によって電圧変換されたアナログ信号となり、信号処理部94に出力される。
【0044】
タイミング発生器86は、撮影部30を動作させる基本クロック(システムクロック) を発生する発振器を有しており、例えば、この基本クロックを各部に供給すると共に、この基本クロックを分周して様々なタイミング信号を生成する。例えば、垂直同期信号、水平同期信号及び電子シャッタパルスなどを示すタイミング信号を生成して撮像素子88に供給する。また、相関二重サンプリング用のサンプリングパルスやアナログ・デジタル変換用の変換クロックなどのタイミング信号を生成して信号処理部94に供給する。
【0045】
信号処理部94は、タイミング発生器86からのタイミング信号により制御され、入力されたアナログ信号に対して相関二重サンプリング処理を施す相関二重サンプリング回路(Correlated Double Sampling:CDS)及び相関二重サンプリング処理が施されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル(Analog/Digital:A/D)変換器等を含んで構成される。
【0046】
相関二重サンプリング処理は、撮像素子88の出力信号に含まれるノイズ等を軽減することを目的として、撮像素子88の1受光素子(画素)毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画像信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理である。
【0047】
相関二重サンプリング回路により相関二重サンプリング処理が行われたアナログ信号は、アナログ・デジタル変換器によりデジタル信号に変換されてメモリ96に出力され、一次記憶される。メモリ96に一次記憶された画像データは、通信I/F84を介して画像処理装置100に送信される。
【0048】
冷却素子90は、例えばペルチエ素子等により構成され、制御部80によって冷却温度が制御される。被写体PSが化学発光サンプルの場合、励起光を照射せずに比較的長時間露光して撮影を行うため、撮像素子88の暗電流ノイズが温度と露光時間に応じて増加すること等により画質に悪影響を及ぼす場合がある。このため、制御部80では、画像処理装置100から指示された冷却温度に基づいて冷却素子90を制御し、撮像素子88を冷却する。
【0049】
ところで、撮影画像の画質に悪影響を及ぼすノイズ成分として、撮像素子88から読み出した信号電荷を電荷電圧変換アンプ92で電圧に変換する際に生じる読み出しノイズと、光が入射されない状態でも熱によって発生する電荷により生じる暗電流ノイズとがある。この読み出しノイズ及び暗電流ノイズは、撮像素子によって多少特性が異なる。
【0050】
図5には、読み出しノイズ特性の一例を示した。同図において、横軸は撮像素子88の温度、縦軸は1画素当たりの読み出しノイズの電荷量である。同図に示すように、読み出しノイズは温度依存性があり、温度が低くなるに従ってノイズが小さくなっていくが、ある程度まで温度を低くすると、それ以上温度を低くしても、それ程ノイズは小さくならない。
【0051】
また、図6には、暗電流ノイズ特性の一例を示した。同図において、横軸は撮像素子88の温度、縦軸は1秒及び1画素当たりの暗電流ノイズの電荷量である。同図に示すように、暗電流ノイズにも温度依存性があり、温度が低くなるに従ってノイズが小さくなる。また、暗電流ノイズは、時間が多くなる程、すなわち被写体を撮影する際の露出時間が長くなるほど増加する。
【0052】
また、被写体がタンパク質等の化学発光サンプルの場合、発光量が微弱であるため、検出対象であるタンパク質の光量に基づく信号値(信号強度)と、その背景部分の光量に基づく信号値との比であるS/N比が、検出対象を良好に検出できるS/N比の基準として予め定めた基準S/N比(例えば3)以上となるように冷却温度及び露出時間を定める必要がある。
【0053】
しかしながら、必要以上に露出時間を長くして冷却温度を低くすると無駄に電力を消費する。
【0054】
そこで、本実施形態では、図7に示すような、撮像素子88の冷却温度、露出時間、検出対象の発光量、及びS/N比の対応関係を予め実験等によって求めておいてテーブルデータとして記憶しておき、このテーブルデータに基づいて、被写体の光量に応じて最適な冷却温度及び露出時間を決定する。
【0055】
図7に示すテーブルデータの各マスに記載された数値がS/N比を表わしている。このS/N比は、冷却温度、露出時間、検出対象の発光量を1秒及び1画素当たりの電荷量に換算した信号値の組み合わせがそれぞれ異なる条件でS/N比を各々算出した結果から生成されたものであり、太枠内はS/N比が基準S/N比(=3)以上のものを示している。
【0056】
冷却温度がT(°C)の場合におけるS/N比を示すSN(T)は、検出対象の信号値(信号強度)をS(T)、検出対象の背景の信号値をBG(T)として、次式で表わされる。
【0057】
SN(T)=(S(T)−BG(T))/BGσ(T) ・・・(1)
【0058】
ここで、BG(T)は、冷却温度がTの場合における読み出しノイズをNR(T)[e−]、暗電流ノイズをND(T)[e−/sec]、露出時間をTe[sec]として、次式で表わされる。
【0059】
BG(T)=NR(T)+ND(T)×Te ・・・(2)
【0060】
また、BGσ(T)は、検出対象の背景の信号値の標準偏差値であり、次式で表わされる。
【0061】
BGσ(T)={NR(T)+(ND(T)×Te)1/2 ・・・(3)
【0062】
冷却温度、露出時間、及び検出対象の発光量の組み合わせを変えてそれぞれ上記(1)〜(3)式に基づいてSN(T)を求めることにより、図7に示すテーブルデータが得られる。このテーブルデータは、例えば画像処理装置100のハードディスク74に予め記憶される。
【0063】
次に、本実施形態の作用として、画像処理装置100のCPU70Aで実行される処理について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0064】
なお、本実施形態では、化学発光サンプルを励起光を照射せずに撮影する場合について説明する。この場合、ユーザーは、被写体PSとしての化学発光サンプルを被写体配置部40に載置し、蓋22を閉める。画像処理装置100の表示部202には撮影メニュー画面が表示され、ユーザーは化学発光サンプルの撮影モードを選択し、撮影を指示する。ユーザーが撮影を指示すると、図8に示す制御がCPU70Aによって実行される。
【0065】
まず、ステップ100では、予め定めた第1の冷却温度及び第1の露出時間で化学発光サンプルをプレ撮影するように撮影部30に指示するべく、これらの撮影条件を示す撮影条件情報を撮影部30に送信する。
【0066】
第1の冷却温度及び第1の露出時間は、例えば撮影部30の待機時における撮像素子88の標準的な温度、予め定めた標準的な化学発光サンプルの露出時間に設定される。
【0067】
撮影部30では、撮影条件情報を受信すると、制御部80は、撮像素子88が撮影条件情報で指定された第1の冷却温度となるように冷却素子90を制御すると共に、第1の露出時間で化学発光サンプルが撮影されるようにタイミング発生器86を制御する。これにより、レンズ部31を透過した被写体像が撮像素子88の受光面に第1の露出時間結像される。
【0068】
そして、撮像素子88の各受光素子から電荷が順次電荷電圧変換アンプ92に出力され、各々電圧に変換されてアナログ信号として信号処理部94に出力される。信号処理部94では、前述した相関二重サンプリング処理及びA/D変換処理が行われ、メモリ96に一次記憶される。一次記憶された撮影画像の画像データは、通信I/F84を介して画像処理装置100に送信される。
【0069】
ステップ102では、撮影部30から送信された撮影画像の画像データに基づいて、検出対象の信号値及び検出対象の背景部分の信号値を求める。具体的には、例えば、画像データの各画素の画素値のヒストグラムを求め、このヒストグラムに基づいて、検出対象の信号値(画素値)及び検出対象の背景部分の信号値(画素値)を求める。なお、ここでは、画素値が大きいほど信号値(信号強度)が大きいものとする。
【0070】
例えば検出対象がタンパク質等の化学発光サンプルの場合で、図9に示すように複数の検出対象Kが撮影された場合、この画像データのヒストグラムを求めると、図10に示すように、各検出対象及び背景部分に相当する位置にピークPが現れる。この各ピークの画素値(信号強度)が各検出対象の信号値及び背景部分の信号値に相当する。
【0071】
なお、図9に示す撮影画像の場合、背景部分の信号強度が最も弱く、背景部分の画素値の頻度が最も高くなると考えられるので、図10において一番左側のピークが背景部分に相当し、それより右側のピークが検出対象に相当すると考えられる。
【0072】
ステップ104では、発光量が最小の検出対象、すなわちステップ102で求めた各検出対象の信号値のうち最小の信号値と背景部分の信号値に基づいてS/N比を求める。これは、ステップ102で求めた各検出対象の信号値のうち最小の信号値を、背景部分の信号値で除算すればよい。
【0073】
ステップ106では、ステップ104で求めたS/N比が予め定めた基準S/N比以上であるか否かを判断する。ここで、基準S/N比は、S/N比がこの値以上であれば良好の検出対象を検出できると判断できるS/N比であり、本実施形態では3(検出対象の信号値(発光量)が、背景部分の信号値(発光量)に対して3倍)とするが、これに限られるものではない。
【0074】
そして、ステップ104で求めたS/N比が基準S/N比以上であればステップ108へ移行し、基準S/N比未満であればステップ114へ移行する。
【0075】
ステップ108では、各検出対象の信号値のうち予め定めた飽和領域に達している信号値が存在するか否かを判断する。ここで、飽和領域とは、信号値が取り得る範囲の上限を含む上限付近の領域であり、検出対象の発光量がこれ以上増加しても発光量に比例して信号値が高くならないような領域である。
【0076】
そして、各検出対象の信号値のうち予め定めた飽和領域に達している信号値が存在する場合には、ステップ110へ移行する。一方、そのような信号値が存在しない場合には、本ルーチンを終了する。すなわち、ステップ100でプレ撮影した画像を本撮影の画像とする。
【0077】
ステップ110では、図7に示したテーブルデータを参照し、ステップ104で求めた発光量が最小の検出対象の信号値に対応する冷却温度及び露出時間の組み合わせのうち、第1の露出時間よりも短い露出時間でS/N比が基準S/N比以上となる第2の露出時間と第1の冷却温度の組み合わせが存在するか否かを判断する。そして、そのような第2の露出時間が存在する場合には、ステップ112へ移行し、そのような条件が存在しない場合には、本ルーチンを終了する。
【0078】
ステップ112では、第1の冷却温度及び第2の露出時間で本撮影するよう撮影部30に指示する。これにより、撮影部30では、第1の冷却温度及び第2の露出時間で本撮影し、その撮影画像の画像データを画像処理装置100に送信する。
【0079】
例えば、第1の冷却温度が−20[°C]で、第1の露出時間が100[sec]であった場合に、ステップ104で求めた発光量が最小の検出対象の信号値が10[e−/sec・pix]であった場合、図7に示すテーブルデータより、S/N比は25.21793となる。そして、冷却温度はそのままで、露出時間を10[sec]としても、S/N比は4.127532となり、基準S/N比以上である。従って、この場合は、第2の露出時間を10[sec]とする。これにより、無駄に露出時間が長くなるのを防ぐことができる。
【0080】
ステップ114では、ステップ104で求めたS/N比が、予め定めた下限S/N比より大きく、かつ、基準S/N比未満の範囲内であるか否かが判断される。ここで、下限S/N比は、S/N比がこの値以下の場合には、検出対象を検出するのが困難であると判断できる値に設定され、本実施形態では、一例として1とするが、これに限られるものではない。
【0081】
そして、ステップ104で求めたS/N比が前記範囲内である場合にはステップ116へ移行し、前記範囲内でない場合、すなわちステップ104で求めたS/N比が下限S/N比以下である場合には、ステップ120へ移行する。
【0082】
ステップ116では、図7に示したテーブルデータを参照し、予め定めた限界露出時間以下で、かつ、S/N比が基準S/N比以上となる第2の冷却温度及び第3の露出時間の組み合わせが存在するか否かを判断する。
【0083】
ここで、限界露出時間とは、露出時間がこの値以下であれば、ユーザーが撮影画像を取得するまでに待機する時間として許容できる時間に設定される。
【0084】
そして、予め定めた限界露出時間以下で、かつ、S/N比が基準S/N比以上となる第2の冷却温度及び第3の露出時間の組み合わせが存在する場合には、ステップ118へ移行し、そのような組み合わせが存在しない場合には、ステップ120へ移行する。
【0085】
ステップ118では、第2の冷却温度及び第3の露出時間で本撮影するよう撮影部30に指示する。これにより、撮影部30では、第2の冷却温度及び第3の露出時間で本撮影し、その撮影画像の画像データを画像処理装置100に送信する。
【0086】
例えば、第1の冷却温度が−10[°C]で、第1の露出時間が100[sec]であった場合に、ステップ104で求めた発光量が最小の検出対象の信号値が3[e−/sec・pix]であった場合、図7に示すテーブルデータより、S/N比は1.475983となる。そして、限界露出時間が1000[sec]に設定されていた場合、冷却温度が−20[°C]、露出時間が100[sec]であれば、S/N比は7.56538となり、基準S/N比以上である。従って、この場合は、第2の冷却温度を−20[°C]、第3の露出時間を100[sec]とする。これにより、必要以上に冷却温度が下がったたり露出時間が長くなったりするのを防ぐことができる。
【0087】
ステップ120に移行する場合は、ステップ104で求めたS/N比が下限S/N比以下であったり、限界露出時間以下で、かつ、S/N比が基準S/N比以上となる第2の冷却温度が存在しなかったりする場合であり、冷却温度をかなり低くしないとS/N比を高くするのは困難であると考えられる。従って、この場合は、冷却温度を最低冷却温度に設定する。そして、ステップ122では、露出時間をユーザーに設定させる。
【0088】
ステップ124では、最低冷却温度及びユーザーが設定した露出時間で本撮影するよう撮影部30に指示する。これにより、撮影部30では、最低冷却温度及びユーザー設定の露出時間で本撮影し、その撮影画像の画像データを画像処理装置100に送信する。
【0089】
なお、本実施形態では、ステップ120において最低冷却温度に設定し、ステップ122でユーザーに露出時間を設定させる場合について説明したが、例えば冷却温度を1段階低くすると共に露出時間を1段階長くして再度プレ撮影し、S/N比が基準S/N比以上となるまでこの処理を繰り返すようにしてもよい。
【0090】
このように、本実施形態では、検出対象の光量に基づく信号値、冷却素子の冷却温度、被写体を撮影する際の露出時間、及びS/N比の対応関係を表わすテーブルデータに基づいて、検出対象の光量に応じて、S/N比が基準S/N比以上となる冷却温度及び露出時間を決定して撮影するので、必要以上に冷却温度が低くなったり、露出時間が長くなったりするのを防ぐことができる。
【0091】
なお、本実施形態では、撮影部30から送信された撮影画像の画像データのヒストグラムを求め、このヒストグラムに基づいて、各検出対象の信号値のうち最小の信号値と背景部分の信号値に基づいてS/N比を自動的に求める場合について説明したが、これに限らず、図9に示すように、検出対象の配置がおおよそ決まっている場合には、撮影画像の画像データに基づいて、検出対象を横切るラインLにおける信号強度分布を求め、この信号強度分布に基づいて各検出対象の信号値のうち最小の信号値と背景部分の信号値に基づいてS/N比を自動的に求めるようにしてもよい。
【0092】
また、検出対象及び背景部分を自動的に検出してS/N比を求めるのではなく、撮影画像の画像データを表示部202に表示させ、ユーザーに検出対象及び背景部分を指定させ、指定された検出対象の信号値と背景部分の信号値に基づいてS/N比を求めるようにしてもよい。
【0093】
また、図7に示すテーブルデータを更新するようにしてもよい。例えば、まずレンズ部31に光が入射しない状態で暗画像を撮影して前述した暗電流ノイズ及び読み出しノイズを異なる冷却温度毎に求める。そして、発光量の異なるサンプルを異なる冷却温度及び露出時間の組み合わせで撮影し、上記(1)〜(3)式により、S/N比を異なる冷却温度及び露出時間の組み合わせで各々算出し、図7に示すようなテーブルデータとして記憶する。これにより、テーブルデータの精度を維持することができ、暗電流ノイズや読み出しノイズが経時変化した場合でも、被写体の発光量に応じて最適に冷却温度及び露出時間を決定することができる。
【0094】
また、本実施形態では、図8に示す処理を画像処理装置100のCPU70Aで実行する場合について説明したが、図7のテーブルデータや制御プログラムを撮影部30側に記憶しておき、撮影部30の制御部80で実行するようにしてもよい。
【0095】
また、本実施形態では、化学発光サンプルや蛍光サンプルを撮影する装置に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、顕微鏡画像を撮影する装置や天体画像を撮影する装置にも本発明を適用可能である。
【0096】
なお、本実施形態で説明した撮影システム1の構成(図1〜4参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0097】
また、本記実施形態で説明した制御プログラムの処理の流れ(図8参照)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0098】
1 撮影システム
10 撮影装置
30 撮影部
31 レンズ部
40 被写体配置部
50 落射光源
60 透過光源
70 メインコントローラ
70A CPU(S/N比算出手段、決定手段、制御手段)
72 操作部
74 ハードディスク(記憶手段)
80 制御部
82 バス
86 タイミング発生器
88 撮像素子
90 冷却素子(冷却手段)
92 電荷電圧変換アンプ
94 信号処理部
96 メモリ
100 画像処理装置
202 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた検出対象を含む被写体を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子を冷却する冷却手段と、
前記検出対象の光量に基づく信号値、前記冷却手段の冷却温度、前記被写体を撮影する際の露出時間、及び前記検出対象の光量に基づく信号値と前記検出対象の背景部分の光量に基づく信号値との比であるS/N比の対応関係を表わすテーブルデータを記憶した記憶手段と、
予め定めた基準冷却温度及び予め定めた基準露出時間で前記被写体を前記撮像素子によりプレ撮影したときの前記S/N比を算出するS/N比算出手段と、
前記S/N比算出手段により算出したS/N比と予め定めた基準S/N比との比較結果に基づいて、前記プレ撮影したときの前記検出対象の光量に基づく信号値に対応する前記冷却温度及び前記露出時間の組み合わせのうち、前記基準S/N比以上となる冷却温度及び露出時間を本撮影用の冷却温度及び露出時間として前記テーブルデータから決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された冷却温度及び露出時間で前記被写体が本撮影されるように、前記撮像素子及び前記冷却手段を制御する制御手段と、
を備えた撮影装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記算出手段により算出したS/N比が前記基準S/N比以上の場合、前記プレ撮影したときの前記検出対象の光量に基づく信号値に対応する冷却温度及び露出時間の組み合わせのうち、前記基準S/N比以上となる組み合わせで且つ前記基準露出時間より短い露出時間を含む組み合わせが存在する場合には、当該組み合わせの冷却温度及び露出時間を前記本撮影用の冷却温度及び露出時間として決定する
請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記算出手段により算出したS/N比が前記基準S/N比未満の場合、前記プレ撮影したときの前記検出対象の光量に基づく信号値に対応する冷却温度及び露出時間の組み合わせのうち、前記基準露出時間より長い予め定めた限界露出時間で前記基準S/N比以上となる冷却温度が存在する場合には、その冷却温度のうち最も高い冷却温度及び前記限界露出時間を前記本撮影用の冷却温度及び露出時間として決定する
請求項1又は請求項2記載の撮影装置。
【請求項4】
前記算出手段は、前記プレ撮影したときの撮影画像の各画素の画素値のヒストグラムを算出し、算出したヒストグラムに基づいて前記プレ撮影したときの前記S/N比を算出する
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の撮影装置。
【請求項5】
前記テーブルデータの前記検出対象の背景部分の光量に基づく信号値は、前記撮像素子から画像信号を読み出す際に発生する読み出しノイズ及び暗電流ノイズの測定結果に基づいて算出されたものである
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記検出対象は、化学発光する物質である
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の撮影装置。
【請求項7】
予め定めた検出対象を含む被写体を撮像する撮像素子と、前記撮像素子を冷却する冷却手段と、前記検出対象の光量に基づく信号値、前記冷却手段の冷却温度、前記被写体を撮影する際の露出時間、及び前記検出対象の光量に基づく信号値と前記検出対象の背景部分の光量に基づく信号値との比であるS/N比の対応関係を表わすテーブルデータを記憶した記憶手段と、を備えた撮影装置によって、予め定めた基準冷却温度及び予め定めた基準露出時間で前記被写体を前記撮像素子によりプレ撮影したときの前記S/N比を算出するステップと、
算出したS/N比と予め定めた基準S/N比との比較結果に基づいて、前記プレ撮影したときの前記検出対象の光量に基づく信号値に対応する前記冷却温度及び前記露出時間の組み合わせのうち、前記基準S/N比以上となる冷却温度及び露出時間を本撮影用の冷却温度及び露出時間として前記テーブルデータから決定するステップと、
決定された冷却温度及び露出時間で前記被写体が本撮影されるように、前記撮像素子及び前記冷却手段を制御するステップと、
を含む処理をコンピュータに実行させるための撮影プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−199659(P2011−199659A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64986(P2010−64986)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】