説明

撮影装置

【課題】効率が向上した撮影装置を提供する。
【解決手段】、閃光発光が可能な撮影用照明装置(300)が接続可能な撮影装置(100)を、設定されたシャッタ秒時に基づいて、そのシャッタ秒時が、撮像部(10)の全面に同時に被写体光を露光できるシャッタ全開時間を満たすか否かを判定する判定部(71)と、前記判定部により前記シャッタ全開時間を満たすと判定された場合に、前記撮影用照明装置が前記閃光発光を行う際の総発光量に対する当該シャッタ全開時間中の露光に寄与する有効発光量の比率を示す発光効率を、前記シャッタ全開時間に基づいて求める発光効率決定部(73)と、前記発光効率決定部が求めた前記発光効率に基づき、撮影時に前記撮影用照明装置に前記閃光発光を実行させるか否かを決定する発光決定部(74)とを備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ等の撮影装置としては、設定されたシャッタ秒時に基づいて、照明装置の発光方式を、閃光発光方式及びフラット発光方式の何れかに切り替えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−120814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来のカメラでは、シャッタ秒時によって一義的に発光方式が決定されるため、閃光発光が可能であるにも関わらず、フラット発光が選択される場合がある。しかし、フラット発光は、照明装置の種類にもよるが、総放出光量のうち実際に露光に寄与する光量の割合が10〜15%程度と効率が悪く、閃光発光を行うことが可能であれば、閃光発光を行った方が効率がよい。
本発明の課題は、効率が向上した撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、閃光発光が可能な撮影用照明装置(300)が接続可能な撮影装置であって、設定されたシャッタ秒時に基づいて、そのシャッタ秒時が、撮像部(10)の全面に同時に被写体光を露光できるシャッタ全開時間を満たすか否かを判定する判定部(71)と、前記判定部により前記シャッタ全開時間を満たすと判定された場合に、前記撮影用照明装置が前記閃光発光を行う際の総発光量に対する当該シャッタ全開時間中の露光に寄与する有効発光量の比率を示す発光効率を、前記シャッタ全開時間に基づいて求める発光効率決定部(73)と、前記発光効率決定部が求めた前記発光効率に基づき、撮影時に前記撮影用照明装置に前記閃光発光を実行させるか否かを決定する発光決定部(74)とを備える撮影装置(100)である。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載の撮影装置において、前記撮影用照明装置(300)の発光効率に関する発光効率データが、互いに異なる前記シャッタ全開時間ごとに予め用意され、前記発光効率決定部(73)は、前記発光効率データを参照することによって前記発光効率を求めることを特徴とする撮影装置(100)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の撮影装置において、前記撮影用照明装置(300)は、発光方式として前記閃光発光を行う閃光発光方式と、略一定の発光量で照明光を継続して発光するフラット発光方式とを備え、前記発光効率決定部(73)は、前記シャッタ全開時間に基づいて前記閃光発光時の発光効率と前記フラット発光時の発光効率とをそれぞれ求め、前記発光決定部(74)は、前記閃光発光時の発光効率と前記フラット発光時の発光効率とを比較し、発光効率のよい発光方式で前記撮影用照明装置に照明光を発光させることを特徴とする撮影装置(400)である。
【0006】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の撮影装置において、前記撮影用照明装置(300)から、その閃光発光時のガイドナンバーを取得するガイドナンバー取得部(72)と、前記発光効率及びガイドナンバーに基づいて前記有効発光量を求める有効発光量決定部(73)とをさらに備え、前記発光決定部(74)は、前記有効発光量に基づき、撮影時に前記撮影用照明装置に前記閃光発光を実行させるか否かを決定することを特徴とする撮影装置(100)である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の撮影装置において、前記撮影用照明装置(300)は、発光方式として前記閃光発光を行う閃光発光方式と、略一定の発光量で照明光を継続して発光するフラット発光方式とを備え、前記ガイドナンバー取得部(72)は、前記撮影用照明装置から、そのフラット発光時のガイドナンバーを取得し、前記発光効率決定部(73)は、前記シャッタ全開時間に基づいて前記閃光発光時の発光効率と前記フラット発光時の発光効率とをそれぞれ求め、前記有効発光量決定部(73)は、前記発光効率及び前記ガイドナンバーに基づいて、前記閃光発光時及び前記フラット発光時の有効発光量をそれぞれ求め、前記発光決定部(74)は、前記閃光発光時の有効発光量と前記フラット発光時の有効発光量とを比較し、有効発光量の大きい発光方式で前記撮影用照明装置に照明光を発光させることを特徴とする撮影装置(100)である。
【0007】
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載の撮影装置において、前記有効発光量決定部(73)は、前記発光効率及び前記ガイドナンバーに加えて、前記撮影用照明装置(300)の発光に用いる発光用電源(312)の電圧に基づいて前記有効発光量を求めることを特徴とする撮影装置(100)である。
請求項7の発明は、請求項4から請求項6項までのいずれか1項に記載の撮影装置において、被写体光を電気信号に変換して出力する撮像素子(10)と、前記撮像素子の撮像感度を制御する感度制御部(75)と、をさらに備え、前記感度制御部は、前記発光決定部が決定した発光方式の前記有効発光量が、予め設定された目標発光量よりも少ない場合には、前記撮像素子の撮像感度を上昇させることを特徴とする撮影装置(100)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、効率が向上した撮影装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、図面等を参照して、本発明を適用した撮影装置の第1実施形態を含むカメラシステムについて説明する。
図1は、第1実施形態のカメラシステムを示すブロック図である。
カメラシステム1は、カメラボディ100、交換レンズ200、及び、撮影用照明装置300(以下、照明装置300と称する)を備えている。
【0010】
カメラボディ100は、被写体像を撮影する撮影装置であり、撮像素子10、信号処理回路20、シャッタユニット30、ミラーユニット40、測光センサ50、AE(Auto Exposure)制御部60、発光制御部70等を備えている。
撮像素子10は、被写体光を電気的なアナログ信号に変換して出力する光−電気変換素子を含むイメージセンサである。撮像素子10には、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)等を使用することができる。
信号処理回路20は、撮像素子10から出力されたアナログ信号の増幅を行う増幅回路や、増幅回路によって増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ等を備えている(増幅回路、A/Dコンバータは、図示を省略する)。信号処理回路20によって生成された画像データは、フラッシュメモリ等の記憶媒体21に記録される。
【0011】
シャッタユニット30は、撮像素子10に対する被写体光の露光時間を調節するものである。シャッタユニット30は、撮像素子10の撮像面に対して被写体光の入射方向手前側に配置された公知のフォーカルプレンシャッタである。
シャッタユニット30は、先幕31と称される遮光部材を走行させた後、後幕32と称される同様の遮光部材を走行させ、これらの遮光部材の走行開始のタイミングの差によって、撮像素子10に対する露光時間の調整を行うようになっている。
シャッタユニット30は、閉状態の先幕31が走行を開始して開状態に移行することによって撮像素子10の撮像面を露出させ、これによって、撮像面に被写体光を露光させる。また、シャッタユニット30は、先幕31が走行を開始してから、シャッタ秒時(又はシャッタスピード)と称される設定時間の経過後、開状態の後幕が走行を開始して閉状態に移行し、これによって撮像素子10に向けて進行する被写体光を遮断する。
先幕31、後幕32の走行速度は、シャッタ秒時に関わらず概ね一定となっており、本実施形態のシャッタユニット30の場合、走行を開始してから終了するまでの時間(以下、幕走行時間と称する)は、例えば、2.4msec程度になっている。
【0012】
ミラーユニット40は、被写体光を後述する測光センサ50や図示しない光学ファインダ装置に導くものである。ミラーユニット40は、フレーミング時には被写体光の光路上に配置されたメインミラーによって被写体光を測光センサ50等に導き、撮影時には、被写体光の光路から退避する。
測光センサ50は、ミラーユニット40によって導かれた被写体光を受光するイメージセンサである。
【0013】
AE制御部60は、測光センサ50の出力に基づいて撮影時のシャッタ秒時、絞り値、撮像素子10の撮像感度、撮影時の照明装置300の発光量等を自動的に決定する部分である。ただし、カメラシステム1は、撮影者等のユーザ(以下、単にユーザと称する)が手動でこれらのパラメータを設定することもできるようになっている。
【0014】
発光制御部70は、判定部71、ガイドナンバー(GN)取得部72、有効発光量決定部73、発光決定部74、感度制御部75等を備えている。
判定部71は、AE制御部60が自動的に、又は、ユーザが手動で設定したシャッタ秒時が、撮像素子10の撮像面の全面に同時に被写体光を露光できるシャッタ全開時間を満たすか否かを判定する部分である。例えば、シャッタ秒時が1/200秒(5msec)であれば、シャッタ幕の走行速度が2.4msecなので、シャッタユニット30には、2.6msecのシャッタ全開時間が存在する。この場合、判定部71は、設定されたシャッタ秒時は、シャッタ全開時間を満たすと判定する。
GN取得部72は、照明装置300と通信を行って、照明装置のGN情報を取得する部分である。照明装置300のGNは、照明光の照射角によって変化するので、GN取得部72は、照明装置300に備えられたズーム装置330と通信を行ってGN情報を取得する。
【0015】
有効発光量決定部73は、シャッタ全開時間が存在する場合に、照明装置300が撮影時に放出可能な総発光量のうち、当該シャッタ全開時間中の発光量、すなわち、実際に露光に寄与する発光量(以下、有効発光量と称する)を求める部分である。
発光決定部74は、有効発光量決定部73が求めた有効発光量に基づいて、照明装置300の発光方式を決定する部分である。
感度制御部75は、信号処理回路20に備えられた増幅回路を制御して、撮像素子10の撮像感度を制御する部分である。
有効発光量決定部73が照明装置300の有効発光量を求める手法、発光決定部74が発光方式を決定する手法、及び、感度制御部75が行う撮像素子10の感度制御については、後に詳しく説明する。
【0016】
交換レンズ200は、被写体光をカメラボディ100に備えられた撮像素子10に導く撮影レンズLを備え、カメラボディ100に着脱可能に装着される。
撮影用照明装置300は、撮影時に被写体等に向けて撮影用の照明光を照射するものであり、カメラボディ100に着脱可能に装着される。カメラボディ100は、照明装置300が装着された状態で図示しない電気接点を介して照明装置300と電気通信が可能になっている。
【0017】
照明装置300は、発光回路310、電圧検出部320、ズーム装置330、メモリ340等を備えている。
発光回路310は、照明光を発光する部分であり、例えば、キセノンランプ等の発光源311や、この発光源に対して電力を供給するコンデンサ312等を含んでいる。
コンデンサ312は、照明装置300に備えられた図示しないバッテリーから電気の供給を受けることによって昇圧される。
発光回路310は、コンデンサ312の昇圧電圧が、例えば、330V程度の状態(以下、フル充電状態と称する)であれば、最大発光量で発光(フル発光)を行うことができる。ただし、発光回路310は、コンデンサ312がフル充電されていなくても発光を行うことができるようになっている。照明装置300は、コンデンサ312の昇圧電圧が、例えば、200V(フル充電状態の60%)程度であれば、ユーザの指示に応じて照明光を発光できるようになっている。
【0018】
電圧検出部320は、発光回路310に備えられたコンデンサ312の昇圧電圧を検出する部分である。
ズーム装置330は、発光源311から照射させる照明光の照射角を変更するものであり、例えば、発光源311を照明光の照射方向に進退動作させるアクチュエータ(図示省略)等を備えている。ズーム装置330は、例えば、交換レンズ200に備えられたズームレンズの焦点距離に連動して照明光の照射角を自動的に変更する。
カメラボディ100に備えられた発光制御部70のGN取得部72は、ズーム装置330によって照明光の照射角度が変更された場合には、これに応じたGN情報を略リアルタイムで照明装置300から取得する。
メモリ340は、各種データを記憶する記憶媒体である。メモリ340が記憶するデータについては、後に説明する。
【0019】
ここで、照明装置300は、発光方式として、閃光発光とフラット発光とを切り替えることができるようになっている。
閃光発光とは、瞬間的に照明光(閃光)を発光する発光方式である。また、フラット発光とは、略一定の発光量で照明光を継続して発光する発光方式であり、FP(Focal Plain)発光とも称されている。
【0020】
以下、閃光発光及びフラット発光の発光量の変化の様子を説明する。
図2は、図1に示す照明装置が閃光発光及びフラット発光を行う際の発光量の変化を示す図であり、(a)が閃光発光、(b)がフラット発光を示している。
図2(a)に示すように、閃光発光を行う場合、発光源311から照射される閃光は、発光開始の後、時間の経過に応じて発光量が増加し、発光量がピークに達した後、時間の経過に応じて発光量が減少していく。
閃光発光を行う場合、照明装置300の発光回路310は、シャッタユニット30の先幕31の走行が終了し、シャッタユニットが全開の状態(撮像素子10の撮像面の全面が露光可能な状態)となった時点(t1)で、カメラボディ100からの指示に応じて閃光の発光を開始する。そして、発光回路310は、シャッタユニット30の後幕32が走行を開始(t2)すると、これに応じて発光を停止する。
【0021】
これに対し、図2(b)に示すように、フラット発光を行う場合、照明装置300は、先幕の走行開始(t0)から後幕の走行終了(t3)まで、略一定の発光量で照明光を照射する。フラット発光を行う場合、発光回路310は、図示しないスイッチング素子のオン、オフ切り替えを高速で行うことによって、略一定の光量で照明光を発光する。
【0022】
ここで、シャッタ秒時が、例えば、1/1000秒(1msec)等の高速に設定されている場合、先幕31の走行が終了する以前に後幕32が走行を開始するので、シャッタ全開時間が存在しないことになるが、フラット発光は、発光量が変化しないので、シャッタ全開時間が存在しない場合であっても、撮像面の全ての領域に略一定の露光量で被写体像を露光できる。
一方、閃光発光は、図2(a)に示すように、発光量が時間の経過とともに変化するので、シャッタ全開時間が存在しない場合に行うと、撮像面に対する露光量が撮像面の位置によって変化する。したがって、シャッタ全開時間が存在しない場合は、閃光発光を行うことが実質的に不可能となる。
【0023】
前述の発光制御部70に備えられた判定部71は、AE制御部60が自動設定、又は、ユーザが手動設定したシャッタ秒時が、シャッタ全開時間を満たすか否かを判定し、シャッタ全開時間を満たさない(シャッタ全開時間が存在しない)場合には、その旨を発光決定部74に伝達し、発光決定部74は、発光回路310に対してフラット発光を実行させる。
これに対し、判定部71によって設定されたシャッタ秒時がシャッタ全開時間を満たすと判定された場合には、有効発光量決定部73は、閃光発光時の有効発光量とフラット発光時の有効発光量とをそれぞれ求める。発光決定部74は、有効発光量の大きい方の発光方式を選択し、当該発光方式で発光回路310に照明光の発光を実行させる。
【0024】
以下、有効発光量の求め方を説明する。
前述のように、有効発光量とは、照明装置300が発光可能な総発光量のうち、シャッタ全開時間中に実際に露光に寄与する発光量を意味し、発光時の発光効率、照明装置300のGN、及び、コンデンサの昇圧電圧から求められる。
【0025】
表1は、閃光発光時の発光効率を、互いに異なるシャッタ全開時間ごとに示す表である。
【0026】
【表1】

【0027】
表1を用いて一例を説明すると、シャッタ全開時間が、例えば、8000μsec以上(低速シャッタ秒時)であれば、閃光発光によって発光した照明光の全てが露光に寄与する。このような場合を、発光効率が100%であると称する。
また、シャッタ全開時間が、例えば、2000μsecである場合、閃光発光の発光効率は、70%程度となることがわかる。
これに対し、シャッタ全開時間が、例えば、300μsec(高速シャッタ秒時)の場合、発光直後に発光を停止するため、閃光発光の発光効率は、15%程度に低下する。
【0028】
この表1に示すデータは、照明装置300に固有のものであり、試験によって予めデータ採りを行って作成され、照明装置300に備えられたメモリ340に保存される。この表1のデータは、撮影開始時(カメラボディ100及び照明装置300の電源オン時)に、照明装置300からカメラボディ100に伝達され、カメラボディ100は、図示しないメモリにこの表1のデータを保存する。
【0029】
一方、フラット発光時の発光効率は、次の式1によって求められる。
発光効率=シャッタ全開時間/(シャッタ全開時間+発光維持時間)・・・(式1)
なお、発光維持時間とは、先幕31が走行を開始してから、後幕32の走行が終了するまでの時間である(図2(b)参照。)
【0030】
ここで、フラット発光時のGNは、熱損失等の影響もあり、閃光発光時のGNに比べて、例えば、70%程度に低下するので、発光効率も式1から求めた値の所定割合、例えば、70%程度に低下する。フラット発光時に、閃光発光時に比べてどの程度GNが低下するかは、照明装置300の回路によって異なるので、発光制御部70は、フラット発光時にどの程度GNが低下するのかをデータとして照明装置300から予め取得するものとする。
式1を用いて一例を説明すると、例えば、シャッタ秒時が3000μsecの場合、シャッタ全開時間が600μsec、発光維持維持時間が5400μsecなので、発光効率は、式1より11.5%となる。そして、前述したように、フラット発光時のGNは、閃光発光時の70%程度となるので、総合的な発光効率は、7.7%程度となる。
一方、同じシャッタ全開時間(600μsec)の場合の、閃光発光時の発光効率は、表1より、30.3%であることがわかる。
以上説明した発光効率の演算は、有効発光量決定部73が行うようになっており、有効発光量決定部73は、発光効率決定部としても機能する。
【0031】
有効発光量は、以上説明した発光効率と照明装置300のGNとの積で求められるが、照明装置300は、コンデンサ312がフル充電でなくても発光できるようになっており、その発光量は、昇圧電圧が低くなるほど少なくなる。したがって、照明装置300の有効発光量は、発光効率及びGNと併せて、コンデンサ312の昇圧電圧も考慮する必要がある。
【0032】
図3は、図1に示す照明装置が閃光発光を行う際の発光量の変化を示す図である。
図3(a)のグラフAは、コンデンサ312がフル充電されている場合の発光量の変化を示し、グラフB、グラフC、グラフDは、それぞれコンデンサ312の昇圧電圧がフル充電時よりも低い場合を示している。この図3に示すように、照明装置300は、コンデンサ312の昇圧電圧によってピーク時の発光量が異なるものの、発光量の変化を示すグラフの波形は、概ね同じとなっている。
図3(b)は、昇圧電圧に応じた光量比を示しており、昇圧電圧に略比例して発光量が変化することが分かる。図3(b)に示す光量比とは、フル充電状態(330V)での総発光量に対する総発光量の比率を表している。
なお、前述の表1に示したデータ(シャッタ全開時間ごとの発光効率)は、照明装置300のGNやコンデンサ312の昇圧電圧に関わらず一定である。
【0033】
表2は、互いに異なる昇圧電圧ごとの照明装置300の光量比を示している。
【表2】

【0034】
この表2において、光量比は、実測値に基づくデータ(A)と、近似式に基づくデータ(B)とが示されているが、どちらを使用してもよい。本実施形態では、近似式に基づくデータ(B)を用いて説明する。
この表2に示すデータは、照明装置300に固有のものであり、照明装置300のメモリ340に保存されている。カメラボディ100は、撮影開始時に、前述した表1のデータとともにこの表2のデータを照明装置300から取得する。また、表2に示す昇圧電圧に応じた光量比は、閃光発光時もフラット発光時も同様に適用でき、例えば、昇圧電圧が300Vであれば、閃光発光の場合もフラット発光の場合も、同様に昇圧電圧が330Vの場合に比べ発光量が78.8%程度に減衰する。
【0035】
以下、有効発光量の算出手順を、具体例をあげて説明する。
閃光発光時の有効発光量は、表1に示す発光効率、照明装置300のGN、及び、表2に示す昇圧電圧に応じた光量比を掛け合わせることによって算出できる。例えば、シャッタ全開時間が2000μsecの場合、表1より発光効率は70%となる。この時、昇圧電圧が300Vであれば、表2より、昇圧電圧によって光量比が78.8%程度となるので、有効発光量は、GN(最大発光量)の、約55%となる。
フラット発光を行う場合の有効発光量の演算も、式1から求めた発光効率と、照明装置300のGN(閃光発光時のGNの70%)、及び、コンデンサの昇圧電圧(表2)から求める。上記の例(シャッタ全開時間が2000μsec(発光維持時間が6800μsec)、昇圧電圧が300V)の場合、発光効率が約29.4%であり、電圧が300Vなので、有効発光量は、GNの約23.2%になる。
【0036】
以上の計算は、対数で行うと容易である。表1及び表2には、1段あたり12Lsb(2倍当たり12Lsb)のスケーリングで算出した発光量の減衰量が示されている。対数計算の場合、この2つの値を加算することによって、総合的な減衰量を求めることができる。上記の閃光発光の例で説明すると、(−6)+(−4)=−10となり、2^(−10/12)=0.56(56%)であるから、略一致することが分かる。
【0037】
発光決定部74は、閃光発光時の有効発光量とフラット発光時の有効発光量とを比較する。
上記の例では、閃光発光の方が有効発光量が多いので、発光決定部74は、発光方式として閃光発光を選択し、発光回路310に閃光発光による照明光の照射を実行させる。
【0038】
次に、発光制御部70に備えられた感度制御部75が行う撮像素子10の感度制御について説明する。
前述のように、撮影時における照明装置300の目標発光量は、AE制御部60が自動的に算出する。そして、感度制御部75は、有効発光量決定部73が求めた有効発光量と、目標発光量とを比較し、有効発光量が目標発光量に満たない場合には、撮像素子10の撮像感度を上昇(増感)させる。光量がどの程度不足であるかは、容易に計算できるので、どの程度撮像素子10を増感するかも、光量の不足分に応じて容易に計算できる。なお、目標発光量が手動で入力された場合、感度制御部75は、この入力値と有効発光量決定部73が求めた有効発光量とを比較する。
【0039】
次に、カメラボディ100に備えられた発光制御部700が行う発光制御について、フローチャートを用いてステップごとに説明する。
図4は、図1に示すカメラボディに備えられた発光制御部が行う発光制御を示すフローチャートの第1分図である。
【0040】
(ステップS01:発光効率データ取得)
カメラボディ100及び照明装置300の電源がオンになると、発光制御部70は、照明装置300に備えられたメモリ340に保存された表1及び表2に示すデータを取得し、ステップS02に進む。
(ステップS02:測光値取得)
発光制御部70は、AE制御部60の出力に基づいて、シャッタ秒時や、撮影時の目標発光量に関する情報を取得する。AE制御部60が行う測光制御は、照明装置300からモニタ発光と称される小発光量の予備的な発光を行い、このときの被写体からの反射光に基づいて行う。モニタ発光の発光量は、フル発光光量に対する比率として、撮影装置30からカメラボディ100に伝達される。本発光時の発光量は、モニタ発光の発光量に対する倍率ゲインとして計算する(ステップS03に進む)。
【0041】
(ステップS03:電圧、GN情報取得)
発光制御部70は、有効発光量決定部73が照明装置300の電圧検出部320と通信を行って、コンデンサ312の昇圧電圧情報を取得する。また、GN取得部72が照明装置300と通信を行って、照明装置300のGN情報を取得する。
目標発光量、コンデンサ312の昇圧電圧、照明装置300のGNは、撮影時において変化するので、発光制御部70は、これらの値を所定時間ごとに繰り返し取得する。一方、ステップS01で取得するデータは、これらの測光値等に関わらず一定であるので、電源オンの直後に1回だけ取得すればよい。
【0042】
発光制御部70がステップS02及びS03の制御を繰り返している状態で、ユーザから撮影開始の指示があると、この撮影指示は、図4のフローチャートに対して割り込み、発光制御部70は、発光方式の決定制御及び撮像素子10の増感制御を行う。
図5は、図1に示すカメラボディに備えられた発光制御部が行う発光制御を示すフローチャートの第2分図である。
【0043】
(ステップS10:有効発光量を演算)
有効発光量決定部73は、ステップS01で取得したデータ(表1、表2)、撮影開始指示の直前に決定したシャッタ秒時(ステップS02)、及び、撮影開始指示の直前に取得した昇圧電圧、及び、GN情報(ステップS03)に基づいて、閃光発光時、及び、フラット発光時の有効発光量をそれぞれ演算して、ステップS11に進む。
【0044】
(ステップS11:発光方式決定)
発光決定部74は、ステップS10で求めた閃光発光時の有効発光量と、フラット発光の有効発光量とを比較し、有効発光量の大きい発光方式を選択してステップS12に進む。
【0045】
(ステップS12:発光量判定)
感度制御部75は、図5のステップS02で決定した目標発光量と、ステップS10で演算した有効発光量とを比較し、有効発光量の方が多い場合には、処理を終了する。
一方、感度制御部75は、有効発光量が目標発光量に満たない場合には、ステップS13に進んで、撮像素子10の撮像感度を上げる制御を行う。
【0046】
(ステップS13:撮像感度上昇)
感度制御部75は、信号処理回路20に備えられた増幅回路を制御して、撮像素子10から出力された電気信号の増幅率を増加させる。
以下、発光制御部70は、カメラボディ100が行う撮影動作(ミラーユニット40の退避、先幕31の走行開始)に併せて、照明装置300に照明光の発光を開始させる。
【0047】
以上説明した第1実施形態のカメラボディ100によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)シャッタ秒時(シャッタ全開時間)に閾値を設け、この閾値によって発光方式を決定する場合には、確実性を優先して閃光発光が可能であるにも関わらず、フラット発光を選択するように閾値を設定せざる得ない。しかし、フラット発光は、先幕31、後幕32が走行している間も発光を行っており、総発光量のうち、実際に露光に寄与する割合が低いので、閃光発光が可能であれば閃光発光を行った方が効率がよい。
本実施形態のカメラボディ100は、発光方式を閃光発光方式にするかフラット発光方式にするかを、発光効率に基づいて求めた有効発光量の比較によって決定するので、閾値を設定する場合に比べ、閃光発光が可能なシャッタ秒時の限界まで、閃光発光を行うことができる。したがって、照明装置300のエネルギー効率が向上する。
(2)閃光発光時の照明装置300の発光効率を予めデータ化して用意しておくので、発光効率を速やかに求めることができる。
(3)有効発光量が目標発光量よりも多い場合には、撮像素子10の撮像感度を上昇させないので、可能な限り低撮像感度で撮影を行うことができ、画像に発生するノイズを抑制することができる。
(4)有効発光量を求める際に、コンデンサ312の昇圧電圧も考慮するので、より正確な有効発光量を演算することができる。したがって、撮像素子10の感度制御を、より正確に行うことができる。
【0048】
[第2実施形態]
次に、本発明を適用した撮影装置の第2実施形態であるカメラボディ400について説明する。この第2実施形態のカメラボディ400の構成は、発光制御部70が行う制御以外は第1実施形態のカメラボディ100の構成と同じであるので、図1に括弧付きの数字を付して説明する。
また、この第2実施形態において、上述した第1実施形態と同様な機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に統一した符号を付して、重複する説明や図面を適宜省略する。
【0049】
第1実施形態のカメラボディ100が有効発光量の比較によって照明装置300の発光方式を決定したのに対し、第2実施形態のカメラボディ400は、発光効率の比較によって照明装置300の発光方式を決定する点が異なる。
以下、第2実施形態のカメラボディ400の行う発光制御について説明する。なお、図4に示す制御は、第1実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
図6は、第2実施形態のカメラボディに備えられた発光制御部が行う発光制御を示す第2分図である。
【0050】
発光制御部70の発光決定部74は、ステップS20において、有効発光量決定部73から閃光発光時、及び、フラット発光時の発光効率を取得して、ステップS21に進む。
ステップS21において、発光制御部70は、発光決定部74が閃光発光時の発光効率と、フラット発光時の発光効率との比較を行い、より効率のよい発光方式を撮影時の発光方式として選択する。
【0051】
前述した例によれば、例えば、シャッタ秒時が3000μsec(シャッタ全開時間が600μsec)の場合、フラット発光時の総合的な発光効率は、式1より、7.7%程度となる。これに対し、閃光発光時の発光効率は、表1より、30.3%であることがわかる。
フラット発光時の発光効率を求める式1、及び、閃光発光時のシャッタ全開時間ごとの発光効率を示す表1は、照明装置300のGN、及び、コンデンサ312の昇圧電圧に依存しないので、発光効率のみの比較であっても第1実施形態で行った有効発光量の比較と同等の判定、すなわち、どちらの発光方式の方がより発光効率がよいかという判定を行うことができる。
【0052】
以下、図4のステップS03で取得した昇圧電圧情報、及び、照明装置300のGNに基づいて、閃光発光時及びフラット発光時の有効発光量をそれぞれ求め(ステップS22)、第1実施形態と同様に、選択した発光方式での有効発光量が目標GNよりも少ない場合(ステップS23でYes)には、感度制御部75が撮像素子10の撮像感度を上昇させる(ステップS24)。
【0053】
第2実施形態のカメラボディ400は、照明装置300の発光方式ごとに有効発光量を求めることなく、発光効率に基づいて発光方式を選択するので、発光方式を選択する際の演算処理を高速化できる。
【0054】
[変形形態]
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であって、これらも本発明の技術的範囲内に含まれる。
(1)撮影装置は、実施形態において、閃光発光時及びフラット発光時の発光効率又は発光量の比較によって、閃光発光を行うか否かを決定したが、このような比較を行わずに、例えば、閃光発光時の発光効率又は有効発光量が所定の閾値に達しているか否かによって、閃光発光を行うか否かを決定してもよい。
また、実施形態において、撮影装置は、閃光発光時の有効発光量(又は発光効率)がフラット発光時のよりも小さい(低い)場合、照明装置にフラット発光を行わせるが、これに限らず、撮影禁止制御を行ってもよい。この場合、ユーザは、よりGNの大きい照明装置に交換する等の措置をとることができる。
(2)実施形態において、閃光発光時の発光効率は、予め用意されたデータ(表1)から求めたが、これに限らず、一例として、以下に示すような式に基づいて演算してもよい。
発光効率=at+bt+ct+d
(a、b、c、d:定数、t:時間)
(3)実施形態において、閃光発光時の発光効率は、照明装置のメモリに記録されて用意されていたが、これに限らず、カメラボディ側に当該データが記録されていてもよい。この場合、カメラボディに装着可能な照明装置の種類ごとに発光効率のデータを用意しておき、照明装置が装着された際に、その種類におうじて必要なデータを読み出せばよい。
(4)実施形態の照明装置は、撮影装置であるカメラボディに着脱可能に装着される外付け型のものであったが、照明装置は、これに限らず、カメラボディに一体に設けられていてもよい。
(5)撮影装置は、デジタルカメラに限らず、被写体光を銀塩フィルムに露光して記録するフィルムカメラであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】第1実施形態のカメラシステムを示す図である。
【図2】図1に示す照明装置が閃光発光及びフラット発光を行う際の発光量の変化を示す図である。
【図3】図1に示す照明装置が閃光発光を行う際の発光量の変化を示す図である。
【図4】図1に示すカメラボディに備えられた発光制御部が行う発光制御を示すフローチャートの第1分図である。
【図5】図1に示すカメラボディに備えられた発光制御部が行う発光制御を示すフローチャートの第2分図である。
【図6】第2実施形態のカメラボディに備えられた発光制御部が行う発光制御を示すフローチャートの第2分図である。
【符号の説明】
【0056】
1 カメラシステム : 10 撮像素子 : 20 信号処理回路 : 30 シャッタユニット : 70 発光制御部 : 71 判定部 : 72 GN取得部 : 73 有効発光量決定部 : 74発光決定部 : 100 カメラボディ : 300 撮影用照明装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閃光発光が可能な撮影用照明装置が接続可能な撮影装置であって、
設定されたシャッタ秒時に基づいて、そのシャッタ秒時が、撮像部の全面に同時に被写体光を露光できるシャッタ全開時間を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記シャッタ全開時間を満たすと判定された場合に、前記撮影用照明装置が前記閃光発光を行う際の総発光量に対する当該シャッタ全開時間中の露光に寄与する有効発光量の比率を示す発光効率を、前記シャッタ全開時間に基づいて求める発光効率決定部と、
前記発光効率決定部が求めた前記発光効率に基づき、撮影時に前記撮影用照明装置に前記閃光発光を実行させるか否かを決定する発光決定部と
を備える撮影装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮影装置において、
前記撮影用照明装置の発光効率に関する発光効率データが、互いに異なる前記シャッタ全開時間ごとに予め用意され、
前記発光効率決定部は、前記発光効率データを参照することによって前記発光効率を求めること
を特徴とする撮影装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の撮影装置において、
前記撮影用照明装置は、発光方式として前記閃光発光を行う閃光発光方式と、略一定の発光量で照明光を継続して発光するフラット発光方式とを備え、
前記発光効率決定部は、前記シャッタ全開時間に基づいて前記閃光発光時の発光効率と前記フラット発光時の発光効率とをそれぞれ求め、
前記発光決定部は、前記閃光発光時の発光効率と前記フラット発光時の発光効率とを比較し、発光効率のよい発光方式で前記撮影用照明装置に照明光を発光させること
を特徴とする撮影装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の撮影装置において、
前記撮影用照明装置から、その閃光発光時のガイドナンバーを取得するガイドナンバー取得部と、
前記発光効率及びガイドナンバーに基づいて前記有効発光量を求める有効発光量決定部と
をさらに備え、
前記発光決定部は、前記有効発光量に基づき、撮影時に前記撮影用照明装置に前記閃光発光を実行させるか否かを決定すること
を特徴とする撮影装置。
【請求項5】
請求項4に記載の撮影装置において、
前記撮影用照明装置は、発光方式として前記閃光発光を行う閃光発光方式と、略一定の発光量で照明光を継続して発光するフラット発光方式とを備え、
前記ガイドナンバー取得部は、前記撮影用照明装置から、そのフラット発光時のガイドナンバーを取得し、
前記発光効率決定部は、前記シャッタ全開時間に基づいて前記閃光発光時の発光効率と前記フラット発光時の発光効率とをそれぞれ求め、
前記有効発光量決定部は、前記発光効率及び前記ガイドナンバーに基づいて、前記閃光発光時及び前記フラット発光時の有効発光量をそれぞれ求め、
前記発光決定部は、前記閃光発光時の有効発光量と前記フラット発光時の有効発光量とを比較し、有効発光量の大きい発光方式で前記撮影用照明装置に照明光を発光させること
を特徴とする撮影装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の撮影装置において、
前記有効発光量決定部は、前記発光効率及び前記ガイドナンバーに加えて、前記撮影用照明装置の発光に用いる発光用電源の電圧に基づいて前記有効発光量を求めること
を特徴とする撮影装置。
【請求項7】
請求項4から請求項6項までのいずれか1項に記載の撮影装置において、
被写体光を電気信号に変換して出力する撮像素子と、
前記撮像素子の撮像感度を制御する感度制御部と、
をさらに備え、
前記感度制御部は、前記発光決定部が決定した発光方式の前記有効発光量が、予め設定された目標発光量よりも少ない場合には、前記撮像素子の撮像感度を上昇させること
を特徴とする撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−222985(P2009−222985A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−67233(P2008−67233)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】