説明

撮影装置

【課題】利用者を新しい撮影方法で撮影し、撮影画像の出力方法の面白さを向上した撮影装置を提供する。
【解決手段】撮影システム1は、撮影室10内に位置する利用者を複数の角度から撮影可能な撮影部と、撮影室10内に設けられ、撮影情報を利用者に撮影時に視認可能に出力する1つのプレビューモニタ12とを備え、撮影部は、撮影室10内の利用者の位置である撮影中心に光軸が向けられたカメラ331と、カメラ331に対向配置された移動壁と、一端側にカメラ331が一体的に設けられ、他端側に移動壁333が一体的に設けられたアーム321と、アーム321を回転駆動することにより、カメラ331及び移動壁333を撮影中心を中心として回転し、カメラ331を所定時間毎に撮影動作させることにより、利用者を各撮影位置から撮影し、プレビューモニタ12は、各撮影位置の各撮影情報を順次表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が自らを被写体として撮影するのに適した撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゲームコーナー等において、利用者を撮影し、モニタに表示した撮影画像にいたずら書きを加え、印刷して出力する撮影装置(いわゆるプリントシール機)があった(例えば特許文献1)。また、一部の撮影装置においては、その撮影画像を携帯電話機に送信して、携帯電話機のモニタに撮影画像を出力することが行われている。
しかし、これらの撮影装置は、撮影方法や撮影画像の出力が単純であるため、目新しさがなくなってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−326435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、利用者を新しい撮影方法で撮影し、撮影画像の出力方法の面白さを向上した撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0006】
・第1の発明は、利用者を囲むように配置された筐体と、前記筐体内に位置する利用者を複数の角度から撮影可能な撮影部と、前記筐体内に設けられ、前記撮影部が撮影して取得した複数の前記角度に対応した各撮影位置からの各撮影情報を、利用者に撮影時に視認可能に出力する1つの表示部とを備え、前記撮影部は、前記筐体内の利用者の位置である撮影中心に光軸が向けられた撮影機と、前記撮影機に対して、前記撮影中心を介した他方側に対向配置された移動壁と、一端側に前記撮影機が一体的に設けられ、他端側に前記移動壁が一体的に設けられ、前記撮影中心を通る軸回りに回転可能に支持されたアームと、前記アームを回転駆動することにより、前記撮影機及び前記移動壁を、これらの位置関係を維持した状態で、前記撮影中心を中心として回転する駆動部とを備え、前記撮影機を所定時間毎に撮影動作させることにより、前記利用者を前記撮影中心を中心とした円周上の所定間隔を隔てた各撮影位置から撮影し、前記各撮影位置の前記各撮影情報を取得可能であり、前記表示部は、前記各撮影位置の前記各撮影情報を順次表示すること、を特徴とする撮影装置である。
・第2の発明は、第1の発明の撮影装置において、前記アームの前記一端側に一体的に設けられ、前記利用者に向けて光を発する照明部を備えること、を特徴とする撮影装置である。
・第3の発明は、第1又は第2の発明の撮影装置において、前記撮影情報は、静止画に関する情報であること、を特徴とする撮影装置である。
・第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明の撮影装置において、前記筐体内で発せられた音声を認識する音声認識部と、前記音声認識部の出力に応じて、前記撮影部及び前記表示部の少なくとも1つを制御する制御部とを備えること、を特徴とする撮影装置である。
・第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明の撮影装置において、複数の前記撮影位置の撮影情報を、通信網を介して接続されたサーバに送信可能な送信部を備えること、を特徴とする撮影装置である。
・第6の発明は、第1から第5までのいずれかの発明の撮影装置において、複数の前記撮影位置の撮影情報を、情報通信端末に送信可能な端末送信部を備えること、を特徴とする撮影装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、複数の撮影位置から取得した撮影情報を1つの表示部に表示するので、例えば複数の撮影情報を並べて表示したり順次表示する等、表示態様を多様にすることができる。また、利用者に撮影時に視認可能に出力するので、利用者は、撮影しながら撮影情報を確認でき、撮り直し等の判断を容易に行うことができる。
(2)本発明は、制御部が各撮影情報を順次取り込むので、時間当たりの処理能力が例えば同時に取り込む場合に比較して少なくても、各撮影情報を取り込むことができる。
(3)本発明は、撮影機が撮影中心を中心とした円周上の複数の撮影位置に配置又は移動可能なので、撮影中心に位置する利用者を複数の角度から撮影することができる。
【0008】
(4)本発明は、撮影機の光軸が撮影中心に向いているので、撮影中心に位置する利用者を、撮影画面の中央に配置して複数の角度から撮影することができる。
(5)本発明は、撮影位置が水平面の円周上であるので、直立している利用者を周囲から撮影することができるため、利用者の前後左右等からの撮影情報を取得することができる。
(6)本発明は、撮影機が各撮影位置に配置されているので、同時に撮影情報を取得することができる。
【0009】
(7)本発明は、撮影機を各撮影位置へと移動させるので、撮影機の数が少なくてもより多くの撮影位置からの撮影情報を取得することができるため、コスト削減を図ることができる。
(8)本発明は、撮影情報を所定の周方向の順番に所定時間毎に取得するので、例えば手の上下動作等、動作している利用者の撮影情報を取得することができる。
(9)本発明は、各撮影情報を順次表示することにより、利用者を断続的に所定角度ずつ回転させて表示していわゆるパラパラ漫画のように表示することができ、面白い態様で表現することができる。
【0010】
(10)本発明は、撮影機の光軸が撮影中心の方向を向くように自動的に調整可能なので、光軸調整に関するメンテナンスの手間を省くことができる。
(11)本発明は、音声により撮影部、表示部を制御できるので、利用者は、表示部を視認しながら音声による指示のみで撮影を進行することができる。つまり、利用者は、操作ボタン等を操作する必要がないので、例えば撮影中心に位置した状態のまま撮影部、表示部を操作することができる。
(12)本発明は、上部照明部及び下部照明部が、撮影中心に位置する利用者に向けて、上側周囲及び下側周囲から光を発するので、利用者の背後に影を生じさせずに撮影することができる。また、複数の撮影位置から利用者を均一な明るさで照らすことができるので、利用者の複数の撮影情報を均一な明るさで取得でき、撮影情報を出力する場合に自然な態様で表現することができる。
【0011】
(13)本発明は、クロマキー処理により背景画像を削除することができる。また、上記(11)の上部照明部及び下部照明部を備えることにより、壁部に影を映すことがないので、背景削除の画像処理(例えばクロマキー処理等)を精度よく行うことができる。
(14)本発明は、回転テーブルを備え利用者を回転することができるので、撮影機の数が少なくても、複数の角度から利用者の撮影画像を取得することができる。
(15)本発明は、複数の撮影位置からの撮影情報をサーバに送信可能なので、通信網を活用した撮影情報の利用、例えば撮影情報を通信網を介して情報通信端末に送信したり、WEB上で公開することができる。
【0012】
(16)本発明は、撮影情報を情報通信端末に送信可能なので、利用者は、撮影情報を、情報通信端末の表示装置に出力したり、情報通信端末で編集することができる。
(17)本発明は、通信網をサーバから情報通信端末に送信することができるので、利用者は、撮影情報を、情報通信端末の表示装置に出力したり、情報通信端末で編集することができる。
(18)本発明は、撮影情報をサーバに記憶することができるので、例えば情報通信端末の要求に応じて、撮影情報を情報通信端末に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態の撮影システムの斜視図である。
【図2】第1実施形態の撮影室内のカメラ配置を説明する図である。
【図3】第1実施形態の撮影情報の通信システムのブロック図である。
【図4】第1実施形態の撮影室の構成を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態の照明装置の配置を説明する図である。
【図6】第1実施形態のプレビューモニタの斜視図である。
【図7】第1実施形態のプレビューモニタの表示例である。
【図8】第1実施形態のプレビューモニタの表示例である。
【図9】第1実施形態の落書き装置の落書き用モニタと落書きペンとを示す図である。
【図10】第1実施形態の落書きについて説明する図である。
【図11】第1実施形態の撮影情報及び背景画像にさらに落書きデータを追加して出力した例である。
【図12】第1実施形態のカメラの1つを拡大して示す斜視図である
【図13】第2実施形態の撮影室の斜視図である。
【図14】第3実施形態の撮影室の斜視図である。
【図15】第4施形態の撮影室の斜視図である。
【図16】第5実施形態の撮影システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
最初に、本実施形態の撮影システム1の構成の概略を説明する。
図1は、第1実施形態の撮影システム1の斜視図である。
図2は、第1実施形態の撮影室10内のカメラ配置を説明する図であり、図2(a)は、上面図、図2(b)は、斜視図である。
撮影システム1は、撮影室10(筐体)及び落書き装置20を備えている。撮影室10は、外壁が円筒状又は多角形の筒状に形成され、撮影室10の水平面(図中XY平面)における直径が2m程度、鉛直方向(図中矢印Z方向)の高さが2m程度の大型の装置である。
【0015】
図1、図2に示すように、撮影室10の内部には、24台のカメラ11(撮影機)と、プレビューモニタ12(表示部)と、内壁13とが設置されている。以下、カメラ11については、必要に応じて枝番号(11−1〜11−24)を付して説明する。
カメラ11は、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備えたデジタルカメラである。図2に示すように、カメラ11は、撮影室10の中心(軸)C(撮影中心)を中心とした水平面(XY平面)内の同一円周上の位置(撮影位置)に配置されている。カメラ11−1〜11−24は、等間隔つまり中心Cを中心に15°間隔に、円環状のフレーム11aの上に設置されている。24台のカメラ11−1〜11−24は、光軸が中心Cを向くように配置されており、撮影室10の中心Cに位置する利用者Uを、同時に又は所定の時間差(所定時間)毎に、複数の撮影角度から撮影を行うことができる。
以上の構成により、カメラ11−1〜11−24は、直立している利用者Uを周囲から同時に又は所定の時間差毎に撮影し、各撮影位置からの利用者Uの静止画の撮影情報(撮影画像)を取得(撮影)することができる。
【0016】
プレビューモニタ12は、撮影時に24台のカメラ11−1〜11−24の撮影画像(撮影情報)を利用者Uが確認するためのLCD(液晶表示装置)等の表示装置である。プレビューモニタ12は、利用者Uが撮影中に視認できるように、表示画面が中心Cを向くように、撮影室10内に設置されている(図1参照)。
内壁13は、カメラ11よりも内側に設けられ、利用者Uを全周囲うような円筒状に形成されている。内壁13には、撮影用の24つの撮影穴13aが各カメラ11−1〜11−24に対応して設けられている。また、内壁13は、その内壁面13bつまり利用者U側の壁面が緑色又は青色の単一色に彩色されている。この彩色は、制御部40(後述する)が撮影情報から利用者Uの背景を削除するクロマキー処理を容易にするためである。
【0017】
カメラ11によって撮影された撮影情報は、落書き装置20に送信される。
落書き装置20は、撮影室10に隣接して配置されている。落書き装置20は、利用者Uが操作することにより、受信した撮影情報を編集して、背景画像の入れ替え、画像への文字等の書き込み、撮影情報の出力方法の設定等を行うことができる。落書き装置20は、後述するように落書き用モニタ21及び落書きペン22が設けられている。
撮影情報の出力は、例えば、携帯電話機48(図3参照)への送信、複数角度からの画像のシール付きのシートへの印刷等のなかから選択することができる。
【0018】
図3は、第1実施形態の撮影情報の通信システム100のブロック図である。
撮影情報の通信システム100は、撮影システム1と、撮影システム1にインターネット等の通信網49により接続されたサーバ50等とから構成される。撮影システム1とサーバ50とは、通信網49により基地局47に接続されている。基地局47は、利用者Uが所有する携帯電話機48との間で、無線によりデータの送受信を行うことができる。これにより、撮影システム1とサーバ50とからなる通信システム100は、撮影情報を携帯電話機48(情報通信端末)に送信することができる。
【0019】
撮影システム1は、撮影室10に設けられたカメラ11及びプレビューモニタ12と、マイク15と、落書き装置20に設けられた落書き用モニタ21及び落書きペン22(図1参照)と、通信回路31、記憶部35及び制御部40とを備えている。なお、通信回路31、記憶部35及び制御部40は、例えば落書き装置20内部に収容してもよいし、別途設置された専用ケース(図示せず)内に収容してもよい。
【0020】
プレビューモニタ12は、制御部40から出力された撮影情報を表示する。利用者Uは、プレビューモニタ12を視認することにより、写り具合やポーズを確認して、再撮影するか否かの判断を容易に行うことができる。プレビューモニタ12には、回転表示(後述する)等をすることができる。
【0021】
マイク15は、利用者Uがカメラ11を操作するための音声を入力するために、撮影室10内に設けられた音声入力部である。マイク15は、撮影画像に写り込まないように、撮影室10の天井に吊り下がるように設置されている(図4参照)。利用者Uに発せられマイク15に入力された音声は、電気信号に変換されて制御部40へ出力され、制御部40がこの電気信号に基づいて音声認識を行いカメラ11、プレビューモニタ12等を制御する。
マイク15への音声入力の例は、以下の通りである。
タイマースタート:撮影開始までのタイマー(例えば10秒程度)を開始するための命令である。
タイマーストップ:タイマーを停止するための命令である。
回転左(又は回転右):撮影画像をプレビューモニタ12に回転表示(後述する)する場合の回転方向を指定するための命令である。
タイムシフト:回転表示する場合の表示間隔を設定するための命令である。
このように、撮影システム1は、音声によりカメラ11、プレビューモニタ12を制御できるので、利用者Uは、プレビューモニタ12を視認しながら音声による指示のみで撮影を進行することができる。つまり、利用者Uは、操作ボタン等を操作する必要がなく、中心Cに位置した状態のまま撮影を進行することができる。
なお、これら制御部40への命令は、プレビューモニタ12の操作ボタン12b(後述する図6参照)や、図示しないリモコン等によるものでよい。
【0022】
カメラ11は、USB(ユニバーサル シリアル バス)ケーブル等により落書き装置20に電気的に接続されており、撮影情報を制御部40に出力する。
落書き用モニタ21は、例えば電磁誘導方式によるペンタブレットにLCDを重ね合わせた液晶タブレットである。落書き用モニタ21には、撮影画像が表示され、利用者Uは、落書き用モニタ21に落書きペン22の先端を接触させることにより、撮影画像に文字、図形等を追加することができる。また、落書き用モニタ21には、液晶タブレットの他、抵抗皮膜方式、静電容量方式等のタッチパネル等も利用することができる。
【0023】
制御部40は、撮影システム1を統括的に制御するための制御部であり、例えばCPU(中央処理装置)等から構成される。制御部40は、記憶部35に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
なお、制御部40は、後述する落書き処理のために、撮影情報から撮影時の背景を削除した上で、撮影情報を記憶部35に一時的に記憶する。背景は、クロマキー処理によって背景の大部分を削除され、さらに差分処理により背景に写りこんでいる撮影穴13a及びプレビューモニタ12が削除される。差分処理とは、利用者Uがいない状態で撮影画像を撮影し、この撮影情報と利用者Uの撮影情報とを比較して共通する情報を抽出して、この共通した情報を利用者Uの撮影情報から削除することをいう。撮影穴13a及びプレビューモニタ12の画像は、利用者Uの有無に関わらず撮影情報に共通して含まれるので、利用者Uを撮影した撮影情報からこの共通したデータを削除することにより、利用者Uを撮影した撮影画像から撮影穴13a及びプレビューモニタ12の画像を削除することができる。
このように、制御部40は、クロマキー処理によって背景の大部分を削除した後に、差分処理により撮影穴13a等を削除することにより、背景処理を容易にして処理時間を短縮することができる。
【0024】
サーバ50は、通信回路51と、記憶部60と、制御部70とを備えている。
通信回路51は、通信網49等を介して、携帯電話機48と撮影システム1との間で、撮影情報及び撮影情報に関連した情報等を送受信するための電気回路である。
記憶部60は、サーバ50の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスクの記憶装置である。また、記憶部60は、撮影システム1から送信された撮影情報等を記憶する記憶領域を有している。
【0025】
制御部70は、サーバ50を統括的に制御するための制御部であり、例えばCPU等から構成される。制御部70は、記憶部60に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部70は、通信回路51を制御して撮影システム1や携帯電話機48との間で撮影情報の送受信を行ったり、また記憶部60を制御して撮影情報の記憶に関する処理を行う。
利用者Uの所有する携帯電話機48は、モニタ48aを備えた音声端末である。携帯電話機48は、JAVA(登録商標)等で作成された再生プログラムや、FLASH(登録商標)PLAYER等の再生ソフトが組み込まれている。携帯電話機48は、これらの再生プログラム等を活用して、基地局47を介してサーバ50又は撮影システム1から受信した撮影情報を、モニタ48aに出力することができる。
【0026】
次に、図4、図5を参照して撮影システム1の構成を詳細に説明する。
図4は、第1実施形態の撮影室10の構成を示す斜視図である。
図5は、第1実施形態の照明装置の配置を説明する図である(床123の図示は、省略する)。
図4に示すように、撮影室10は、内壁面13bと、上部照明装置110と、下部照明装置120とを備えている。
【0027】
図4、図5に示すように、上部照明装置110は、4つの円形照明111A〜111Dと、4つの直方体の照明112A〜112Dとが交互に配置される。円形照明111A〜111Dは、円盤形のケース内に、照明源として、例えば円環形の蛍光灯を収容し、直方体の照明112A〜112Dは、直方体のケース内に、照明源として、例えば円柱形の蛍光灯を収容している。また、これらの照明源は、半透明な乳白色の樹脂等のカバーによって覆われており、照明源からの光は、拡散されて利用者Uに到達し、利用者Uをソフトに照らすことができる。
【0028】
図5に示すように、撮影室10内上部には、撮影室10の中心Cを中心とする円環上のフレーム113が設けられており、円形照明111A〜111Dと直方体の照明112A〜112Dとは、このフレーム113に吊り下がるように設けられている。これにより、円形照明111A〜111Dと直方体の照明112A〜112Dとは、利用者Uの上側であって利用者Uが位置する領域よりも外側に配置され、利用者Uに向けて上側周囲から光を発することができる。
【0029】
下部照明装置120は、上部照明装置110と同様な構成であり、図4に示すように床123よりも下に設けられている。床123は、光を透過する材質(樹脂、ガラス等)により形成される。これにより、下部照明装置120は、利用者Uに向けて下側周囲から光を発することができる。
【0030】
このように、本実施形態の撮影室10は、上部照明装置110及び下部照明装置120を備え、利用者Uを上側及び下側から周囲から照らすことにより、利用者Uを陰影が出ないように照らすことができる。このため、撮影システム1は、利用者Uの複数の撮影情報を均一な明るさで取得でき、撮影画像をプレビューモニタ12に出力する場合により自然な態様で表現することができる。
【0031】
また、内壁面13bを全周に渡って均一に照らすことができるので、撮影画像の背景画像の削除等の処理を、容易に行うことができる。
ところで、従来のプリントシール機の撮影室は、カメラが設置された内壁面に照明装置が配置されていた。
しかし、第1実施形態の撮影室10で内壁面13bに照明装置を配置した場合には、撮影穴13aが壁13全周に所定間隔で設けられているので、撮影画面に照明装置が映り込んでしまい、また利用者Uの影が背後の内壁面13bに映ってしまうために、内壁面13bの明るさが均一な撮影画像を撮影することができない。
【0032】
一方、利用者Uの背景画像を削除するために、例えばクロマキー処理等の画像処理をする必要があるが、この画像処理には、背景画像を均一な緑色、青色にすることが好適である。第1実施形態の撮影室10は、前述したように上部照明装置110と下部照明装置120とを設けることにより、撮影画面に上部照明装置110と下部照明装置120とが映り込むことがなく、内壁面13bを画像処理に好適な緑色、青色に彩色することができ、また利用者Uの影が内壁面13bに映ることがないので、内壁面13bを均一な明るさにすることができるため、この画像処理を精度よく行うことができる。
また、利用者の背後に照明装置が映り込む場合には、逆光となってしまい露出制御が困難になるが、第1実施形態の撮影室10は、照明装置が映り込むことがなく、露出制御が容易である。
【0033】
次に、図2、図6〜図8を参照して、撮影システム1の撮影方法、プレビューモニタ12の表示について説明する。
図6は、第1実施形態のプレビューモニタ12の斜視図である。
図7、図8は、第1実施形態のプレビューモニタ12の表示例である。
図6に示すように、プレビューモニタ12は、表示領域12aよりも下側に操作ボタン12bを備えている。この操作ボタン12bの操作に応じて、信号が制御部40に出力され、制御部40は、マイク15への音声入力と同様に、タイマースタート、タイマーストップ、回転左(又は回転右)等の制御を行う。
なお、操作ボタン12bを設ける代わりに、プレビューモニタ12を、例えば、抵抗皮膜方式、静電容量方式等のタッチパネルとしてもよい。この場合、操作ボタン12bの入力内容と同様が入力ボタンをこのタッチパネルに表示すればよい。
図2に示すように、本実施形態の撮影システム1は、制御部40が、複数のカメラ11−1〜11−24を同時に駆動させることにより、利用者Uの一瞬のポーズを多数のカメラ11−1〜11−24で同時に撮影し、撮影情報を記憶部35に記憶する。
そして、図7に示すように、制御部40は、これらの撮影情報を、周方向の左回り又は右回り方向(所定の周方向)の順番にプレビューモニタ12に順次出力する。これにより、図7に示すように、撮影システム1は、あたかも利用者Uが断続的に15°ずつ回転しているかのように、プレビューモニタ12に撮影情報を表示することができる(なお、図7では、利用者Uの正面、右側面、背面、左側面の表示のみを示し、これらの間の表示は省略している)。このように表示することにより、撮影システム1は、撮影画像を、利用者Uを断続的に所定角度ずつ回転し、いわゆるパラパラ漫画のように、面白い態様で表現することができる。このような表示方法を、以下「回転表示」という。利用者Uは、プレビューモニタ12を確認して、所望の撮影情報を取得できたと判断した場合には、図6に示すプレビューモニタ12の操作ボタン12bを操作して撮影を終了して、後述する落書き作業を行う。
なお、撮影システム1は、操作ボタン12bを設ける代わりに、プレビューモニタ12をタッチパネルの構成にして、操作ボタン12bと同様な操作ボタンを表示してもよい。
【0034】
また、制御部40は、所定の時間差(所定時間)毎に順次カメラ11を駆動して、各撮影位置の各撮影画像を、周方向の左回り又は右回り方向(所定の周方向)に順番に所定時間毎に撮影してもよい。つまり、制御部40は、1台のカメラ11を駆動してから、一定時間経過後にその隣のカメラ11を順次駆動してもよい。例えば制御部40が0.1秒間隔でカメラ11を順次駆動させた場合、24台分全ての撮影画像のデータを取得するためには、2.4秒の時間を必要とする。この場合、撮影画像のデータには、利用者Uの2.4秒間の動作が記録される。そして、撮影システム1は、前述した方法によりプレビューモニタ12に出力した場合、利用者Uが回転動作をしているかのように見せると同時に、利用者Uの動作(例えば手の上下動作)を表現することができる。
【0035】
また、図8に示すように、制御部40は、プレビューモニタ12の中央部の領域に利用者Uを回転表示し、その上下左右に正面画像、背面画像、左側面の画像、右側面の画像を表示してもよい。この場合、利用者Uは、多方向からの写り具合やポーズを同時に確認できるので、撮り直し等の判断をより容易に行うことができる。
【0036】
次に、図3、図9〜図11を参照して落書きの方法について説明する。
図9は、第1実施形態の落書き装置20の落書き用モニタ21と落書きペン22とを示す図である。
図10は、第1実施形態の落書きについて説明する図であり、図10(a)は、落書きデータを説明する図、図10(b)は、撮影画像に背景画像を追加して出力した例である。
図11は、撮影画像及び背景画像にさらに落書きのデータを追加して出力した例である。
【0037】
図9に示すように、利用者Uは、落書き装置20を操作して、予め用意されている文字、記号等から所望のものを選択したり、任意の文字を入力し落書きの内容を決定する。利用者Uは、落書きの内容を決定する場合、落書きアイテム選択エリア21aの表示を落書きペン22で選択すればよい。制御部40は、決定した落書きの内容を落書き用モニタ21の落書きエリア21bに表示する。さらに制御部40は、入力された落書きのデータを、図10(a)に示すように、時間経過とともに回転するようなデータに加工する。
【0038】
一方、制御部40は、図10(b)に示すように、撮影画像及び背景画像の情報を合成して、落書き用モニタ21の撮影データ出力エリア21cに表示する。背景画像は、落書きの処理以前に設定されている。このとき、制御部40は、撮影画像を前述した回転表示する。
なお、撮影システム1は、落書き処理をした後に背景画像を設定できるようにしてもよく、又はこれらを合成後に背景画像を利用者Uが適宜変更できるようにしてもよい。回転表示を確認することにより、利用者Uが背景画像の変更を望む場合もあるからである。
そして、図11に示すように、制御部40は、加工した落書きのデータと、撮影画像及び背景画像とを合成してプレビューエリア21dに表示する。
これにより、制御部40は、落書きと利用者Uとが一緒に回転しているように表示することができる。利用者Uは、プレビューエリア21dの画像を確認して、落書きの書き込み等の作業を終了する場合には、決定ボタン(図示せず)を操作する。あるいは、落書きの書き込み等のために利用者Uに与えられている時間(例えば数分間程度)が経過すると、制御部40が自動的に作業を終了する。
【0039】
図3に示すように、これに応じて信号が制御部40に出力され、制御部40は、落書きの内容を確定して、落書きデータと、撮影情報及び背景画像の情報とを合成して出力するための関連付け用データとを作成し、記憶部35に一次記憶する。これにより、記憶部35には、24方向からの撮影情報に対応した、落書きデータ及び関連付けファイルが生成、記憶される。そして、制御部40は、通信回路31を駆動して撮影情報を含むこれらのデータを、サーバ50へと送信する。
【0040】
なお、制御部40は、撮影情報に落書きデータを書き込んだ状態のデータを作成してもよい。つまり、落書きデータ及び撮影情報を関連付けデータを用いて合成して出力するのではなく、落書きデータ及び撮影情報を合成した1つのデータを作成して出力してもよい。この場合、データ容量が小さくできるという効果を有するが、撮影情報自体に落書きデータが書き込まれることになり、利用者Uが撮影情報をパーソナルコンピュータ等に取り込んで加工したりすることが困難となる。従って、データの記憶装置や送受信時におけるデータ容量が制限されない場合には、本実施形態の関連付けデータによる方法の方が利便性がよい。
また、撮影画像及び背景画像を1つのデータにするのではなく、撮影画像と背景画像とを合成する関連付けデータを作成してもよい。
【0041】
サーバ50がこれらのデータを受信すると、制御部70が、これらのデータを記憶部60に記憶する。そして、利用者Uの携帯電話機48からの要求に応じて、記憶していたデータを携帯電話機48へと送信する。
このようなデータの受け渡しは、例えば、サーバ50上に撮影情報等を記録した専用のWEBページを作成しておき、携帯電話機48からWEBページにアクセスがあった場合に、撮影情報等を携帯電話機48にダウンロードするようにすればよい。
この場合、WEBページのアドレスの情報を利用者Uに容易に伝達するために、撮影終了後に、利用者Uが携帯電話機48のアドレスをサーバ50に登録できるようにしてもよい。そして、このWEBページのアドレスの情報を添付して電子メールで携帯電話機48に送信すれば、利用者UによるWEBページへのアクセスを容易にすることができる。
携帯電話機48は、前述したように再生ソフト等が組み込まれているので、前述した落書き装置20のプレビューエリア21dと同様に、受信データを回転表示等の方法で出力することができる。
なお、サーバ50は、記憶部60に記憶したデータを、WEB上で公開し、特定または不特定の接続者が閲覧できるようにしてもよい。
【0042】
図12は、第1実施形態のカメラ11の1つを拡大して示す斜視図である。
カメラ11は、上下方向(つまり光軸Oに直交する水平方向の軸回り)、及び左右方向(つまり鉛直方向の軸回り)に回転移動するような駆動機構が設けられており、光軸Oの向きを調整することができる。撮影システム1は、例えば利用者Uが使用する前に、予め利用者Uがいない状態の撮影情報を取得して、カメラ11の光軸Oが、撮影室10の中心Cを向くように調整する。
この調整は、例えば、制御部40が、使用前の撮影画像を画像処理して対向配置されたカメラ11の撮影穴13a(図2参照)を識別し、撮影画像の中心と撮影穴13aの中心とのズレを算出し、これらの中心が一致するようにカメラ11の駆動機構を制御することにより行うことができる。
これにより、撮影システム1は、ゲームセンタの管理者等の光軸調整に関するメンテナンスの手間を省くことができる。
また、この駆動機構は、カメラ11を光軸O回りに回転移動できる機能を備えていてもよい。これにより、撮影画像の鉛直方向(水平方向)の傾きを調整することができる。鉛直方向(水平方向)の傾きは、制御部40が、撮影情報に含まれる複数の撮影穴13aに基づいて判定すればよい。
【0043】
以上説明したように、本実施形態の撮影システム1は、複数の撮影位置から撮影した撮影画像を、回転表示する等、プレビューモニタ12に多様に表示することができる。また、利用者Uは、撮影しながら撮影画像を確認でき、撮り直し等の判断を容易に行うことができる。さらに、各撮影画像を回転表示することにより、いわゆるパラパラ漫画のように表示することができ、面白い態様で表現することができる。
また、通信システム100は、撮影情報を携帯電話機48に送信可能なので、利用者Uは、撮影画像を携帯電話機48のモニタ48aに出力して気軽に楽しむことができる。
【0044】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用した撮影システムの第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図13は、第2実施形態の撮影室210の斜視図である。
本実施形態の撮影システム200は、撮影室210の天井210aが中心C2(撮影中心)を中心とする半球状に形成され、中心を中心C2とする水平面の円周上に設置された24台のカメラ11と、天井210aに吊り下がるように設置された複数のカメラ211とを備えている。カメラ211は、光軸が中心C2を向くように設置されている。
このように、撮影システム200は、カメラ11,211を立体的に配置することにより、撮影画像を、水平面内の撮影位置からだけではなく、利用者の上方からも撮影することができる。これにより、撮影システム200は、上方からの撮影情報を含めてプレビューモニタ12等に表示することができ、より多様な表現をすることができる。
【0045】
(第3実施形態)
次に、本発明を適用した撮影システムの第3実施形態について説明する。
図14は、第3実施形態の撮影室310の斜視図である。
図14(a)に示すように、撮影室310の上部には、クランク機構320(撮影機移動部)と、カメラ331と、照明部332と、移動壁333とを備えている。
クランク機構320は、撮影室310の上部に設けられており、アーム321と、円盤322と、円盤323と、リンク324と、モータ325とを備えている。
アーム321は、その長手方向が水平方向になるように配置され、中心軸C3を中心に回転可能に設けられている。
円盤322は、中心軸C3を中心に回転可能に設けられている。
円盤323は、鉛直方向の中心軸Z3を中心に回転可能に設けられている。円盤323は、モータ324により回転駆動される。
リンク324は、円盤322の外縁と円盤323と外縁とを接続している。
クランク機構320は、モータ325の回転にともない円盤323を回転させ、リンク324を介して回転力を円盤322に伝達し、円盤322及びアーム321を回転させる。
【0046】
カメラ331及び照明部332は、アーム321の一端に吊り下がるように設置されている。カメラ331及び照明部332は、アーム321の回転にともない回転する。
カメラ331は、その光軸O3が、撮影室310の中心軸C3を向くように設置され、アーム321の回転したときにも中心軸C3上にいる利用者Uに常に向けられる。
照明部332は、第1実施形態の円形照明111A〜111Dと同様な照明装置である(図5参照)。照明部332は、カメラ331と一体で回転することにより、撮影時において、利用者Uに向けて常に光を発することができる。
【0047】
移動壁333は、カメラ331等が設けられている側とは反対側のアーム321の一端に吊り下がるように設けられている。移動壁333は、第1実施形態の内壁13を一部切り取ったような形状である。移動壁333の大きさは、カメラ331の画角をカバーするようになっている。
【0048】
以上の構成により、図14(b)に示すように、本実施形態の撮影システムは、モータ325の回転にともない、カメラ331、照明部332及び移動壁の位置関係を維持した状態で一体で回転し、カメラ331を複数の撮影位置に移動させることができる。そして、中心軸C3上にいる利用者Uを、1台のカメラ331によって、所定の時間差毎に撮影して撮影情報を取得することができる。利用者Uは、プレビューモニタ312により、撮影画像を確認することができる。
このように、本実施形態の撮影システムは、1台のカメラ331を利用して、複数の撮影位置からの撮影情報を取得することができるため、低コストに抑えることができる。
【0049】
(第4実施形態)
次に、本発明を適用した撮影システムの第4実施形態について説明する。
図15は、第4実施形態の撮影室410の斜視図である。
図15に示すように、撮影室410は、中心軸C4上に位置する利用者Uを載置した状態で、モータ412の駆動力により中心軸C4を中心に回転するターンテーブル413を備えている。
また、6台のカメラ411−1〜411−6が、撮影中心を中心とした鉛直面上の円周上に所定に25°程度の間隔で配置されている。この円周は、利用者Uの頭部付近が中心(撮影中心)であり、カメラ411−1〜411−6は、その光軸がこの中心に向けた状態で固定されている。
【0050】
撮影時には、ターンテーブル413が回転し、カメラ411−1〜411−6が所定の時間差毎に利用者Uを撮影する。これにより、本実施形態の撮影システムは、中心軸C4上にいる利用者Uを、鉛直面上の複数の角度から、所定の時間差毎に撮影情報を取得することができる。
なお、図示は省略するが、ターンテーブル413に同期して回転するプレビューモニタを設けることにより、撮影画像を利用者Uに撮影時に視認可能に出力することができる。プレビューモニタの回転機構としては、例えば第3実施形態のクランク機構320(図14参照)を利用することができる。
【0051】
(第5実施形態)
次に、本発明を適用した撮影システムの第5実施形態について説明する。
図16は、第5実施形態の撮影システム500のブロック図である。
第1実施形態の撮影システム1が撮影情報として静止画の情報を扱うものであったのに対して、撮影システム500は、撮影情報として動画の情報を扱えるようにしたものである。
図16に示すように、撮影システム500は、カメラ511(511−1〜511−24)と、NTSC(National Television Standards Committee)スイッチャ530と、制御部540と、記憶部535等とを備えている。なお、通信回路31は、第1実施手形態と同様に、通信網49を介してサーバ、基地局等に接続されているが、ここでは、図示及び詳細な説明を省略する。
【0052】
カメラ511(511−1〜511−24)は、撮影情報として動画情報及び静止画を取得できるデジタルカメラである。
NTSCスイッチャ530は、制御部540の制御により動作する。
各カメラ511−1〜511−24とNTSCスイッチャ530とは、それぞれビデオケーブル522−1〜522−24により電気的に接続され、各カメラ511−1〜511−24が取得した動画情報は、NTSCスイッチャ530にリアルタイムで入力される。
また、NTSCスイッチャ530と制御部540とは、24本のビデオケーブル536−1〜536−24と、RS232C(Recommended Standard 232C)制御ケーブル537とにより電気的に接続されている。24個のカメラ511−1〜511−24が取得した情報は、制御部540の制御に応じて、制御部540に出力される。
【0053】
制御部540は、撮影システム500を統括的に制御するための制御部である。
制御部540と各カメラ511との間は、USBケーブル537を用いてそれぞれ接続されている。また、制御部540は、各カメラ511が取得した撮影情報(動画情報及び静止画)を、USBケーブル537を介して取得して記憶部535に逐次保存する。
【0054】
次に、撮影システム500の動作について説明する。
利用者が撮影室510に内部に入り、マイク15に撮影開始の命令を音声入力すると、この音声入力に応じて制御部540が、処理を開始する。
制御部540は、各カメラ511のリアルタイムの動画情報をNTSCスイッチャ530を介して取得する。
制御部540は、NTSCスイッチャ530を介して、次の5つの動画情報を取得する。
(1)カメラ511−1〜511−24の動画情報を順に切り替えて取得する。
(2)カメラ511−1(正面カメラ)の動画情報を常に取得する。
(3)カメラ511−7(右側面カメラ)の動画情報を常に取得する。
(4)カメラ511−13(背面カメラ)の動画情報を常に取得する。
(5)カメラ511−19(左側面カメラ)の動画情報を常に取得する。
制御部540は、取得した(1)〜(5)の動画情報を、図8に示す「回転表示」、「正面」、「右側面」、「背面」、「左側面」の配置になるように画像処理をして、プレビューモニタ12に出力する。
【0055】
これにより、撮影システム500は、プレビューモニタ12に、利用者の動画情報をリアルタイムでプレビューすることができる。
なお、撮影システム500は、落書きや背景画像の情報を合成し、通信回路31等を介して携帯電話等に送信するための情報として、記憶部535に記憶した動画情報を使用することができる。このように、撮影システム500は、静止画ではなく動画情報を利用することにより、撮影情報の再生時の楽しさを向上することができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0057】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)本実施形態において、撮影情報を通信網を介して携帯電話機に送信する例を示したが、これに限定されない。例えば、撮影システムと携帯電話機とは、無線(赤外線等)通信等により直接撮影情報を送受信してもよい。
【0058】
(2)本実施形態において、撮影システムは、撮影情報をプレビューモニタ等に表示する例を示したが、これに限定されない。例えば、撮影システムは、複数の撮影情報を羅列して粘着剤付きのシートに印刷して出力してもよい。
【0059】
(3)本実施形態において、マイクへの音声入力によりカメラ等を制御する例を示したが、これに限定されない。例えば、床に操作装置を設け、利用者が足で操作できる操作部を設け、この操作部によりカメラ等を制御してもよい。
【0060】
(4)第3実施形態において、カメラが円周上の各撮影位置に配置するためにクランク機構等を用いる例を示したが、これに限定されない。例えば、撮影システムに、円周状のレールと、カメラをこのレールに沿って移動させる駆動機構(撮影機移動部)を設けてもよい。この場合、撮影システムは、カメラを円周上の複数の各撮影位置へと移動させることができるので、カメラの数が少なくても各撮影位置からの撮影情報を取得することができ、コスト削減を図ることができる。
【0061】
(5)本実施形態において、撮影情報を携帯電話機に送信する例を示したが、これに限定されない。例えば、通信システムは、モニタを備える携帯情報通信端末に撮影情報を送信してもよい。また、通信システムは、利用者が所有するパーソナルコンピュータ等に撮影情報を送信してもよい。この場合、利用者は、編集ソフト等により撮影情報を編集することができるので、撮影情報のより進んだ利用が可能である。
【0062】
(6)本実施形態において、撮影システムは、複数の撮影位置からの撮影情報を取得する例を示したが、これに限定されない。例えば、撮影位置は固定されていてもよい。この場合にも、撮影システムは、所定時間毎に撮影を行えば、一方向からの撮影情報を所定時間毎に取得することができ、利用者の動作を記録、表示することができる。
【0063】
(7)本実施形態において、撮影システムは、遊戯施設等に設定される例を示したが、これに限定されない。例えば、撮影システムは、写真館に設置しても、複数の角度からの撮影情報を取得することができる。また、洋服店等に設定すれば、利用者は、複数の角度からの画像をプレビューモニタで視認することができ、試着の確認に便利である。
【符号の説明】
【0064】
1,200,500 撮影システム
10,210,310,410 撮影室
11,11−1〜11−24,211,331,411−1〜411−6 カメラ
12 プレビューモニタ
13 内壁
13a 撮影穴
15 マイク
20 落書き装置
21 落書き用モニタ
22 落書きペン
35,535 記憶部
40,540 制御部
48 携帯電話機
50 サーバ
51 通信回路
60 記憶部
70 制御部
100 通信システム
110 上部照明装置
120 下部照明装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を囲むように配置された筐体と、
前記筐体内に位置する利用者を複数の角度から撮影可能な撮影部と、
前記筐体内に設けられ、前記撮影部が撮影して取得した複数の前記角度に対応した各撮影位置からの各撮影情報を、利用者に撮影時に視認可能に出力する1つの表示部とを備え、
前記撮影部は、
前記筐体内の利用者の位置である撮影中心に光軸が向けられた撮影機と、
前記撮影機に対して、前記撮影中心を介した他方側に対向配置された移動壁と、
一端側に前記撮影機が一体的に設けられ、他端側に前記移動壁が一体的に設けられ、前記撮影中心を通る軸回りに回転可能に支持されたアームと、
前記アームを回転駆動することにより、前記撮影機及び前記移動壁を、これらの位置関係を維持した状態で、前記撮影中心を中心として回転する駆動部とを備え、
前記撮影機を所定時間毎に撮影動作させることにより、前記利用者を前記撮影中心を中心とした円周上の所定間隔を隔てた各撮影位置から撮影し、前記各撮影位置の前記各撮影情報を取得可能であり、
前記表示部は、前記各撮影位置の前記各撮影情報を順次表示すること、
を特徴とする撮影装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮影装置において、
前記アームの前記一端側に一体的に設けられ、前記利用者に向けて光を発する照明部を備えること、
を特徴とする撮影装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の撮影装置において、
前記撮影情報は、静止画に関する情報であること、
を特徴とする撮影装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の撮影装置において、
前記筐体内で発せられた音声を認識する音声認識部と、
前記音声認識部の出力に応じて、前記撮影部及び前記表示部の少なくとも1つを制御する制御部とを備えること、
を特徴とする撮影装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の撮影装置において、
複数の前記撮影位置の撮影情報を、通信網を介して接続されたサーバに送信可能な送信部を備えること、
を特徴とする撮影装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の撮影装置において、
複数の前記撮影位置の撮影情報を、情報通信端末に送信可能な端末送信部を備えること、
を特徴とする撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−239201(P2012−239201A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−159309(P2012−159309)
【出願日】平成24年7月18日(2012.7.18)
【分割の表示】特願2008−27905(P2008−27905)の分割
【原出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】