説明

撹拌翼及び撹拌造粒装置

【課題】撹拌効率の向上や原料付着の抑制を図りつつ、より軽量で取り扱いが容易な撹拌翼を提供し、撹拌造粒装置における作業効率の向上を図る。
【解決手段】撹拌翼3は、粉粒体の撹拌、造粒を行う撹拌造粒装置に設置され、センターコーン31と、センターコーン31の外周に放射状に配されたブレード32とを有する。ブレード32の先端部には、ブレード先端の角隅部を上方に折り曲げる形で曲折部41が形成されている。曲折部41の上端縁48は、斜面部40の後端縁43から、上方に傾斜しつつ径方向外側に向かって延びており、ブレード32の先端部にて、曲折部41は上方に立ち上がっている。曲折部41は、屈曲点P,Qを結んだ線分Mに沿ってブレード先端を折り曲げて形成され、線分Mと斜面部40の前端縁45とが為す角度θ3は10°〜80°に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体の撹拌、造粒等の処理を行う撹拌造粒装置に関し、特に、撹拌処理等の際に使用される撹拌翼の性能向上や重量低減に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、医薬品や食品等の製造装置として、円筒形状の処理容器(ベッセル)内に回転羽根部材を配し、粉粒体の撹拌、造粒等の処理を行う撹拌造粒装置が知られている。例えば、特許文献1〜3には、側面が直立又は傾斜した円筒容器内に、2〜4翼の回転羽根(撹拌翼)を配した撹拌造粒装置が記載されている。撹拌造粒装置には、バインダー液等を供給するノズルや、団粒状の処理物を破砕するチョッパーなどが設けられており、容器内の粉粒体に適宜バインダー液等を滴下又は噴霧しつつ撹拌翼を回転させることより、粉粒体の撹拌、混合、造粒等の処理が実行される。
【0003】
このような撹拌造粒装置では、撹拌効率の向上や、処理時における処理容器側面への原料の付着を抑えるため、撹拌翼の形状に様々な工夫が施されている。例えば、特許文献1には、先端部を捻回状に曲折した回転羽根が示されている。また、特許文献2には、先端部を回転方向に屈曲させ、屈曲した先端部(傾斜部)に送気用のノズルを設けた撹拌羽根が記載されている。さらに、特許文献3には、先端部を基端部に対して回転方向に先行させた撹拌羽根が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭41-3596号公報
【特許文献2】実開昭56-137729号公報
【特許文献3】特許第3164600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、このような撹拌造粒装置では、撹拌効率の向上や原料付着の抑制と共に、撹拌翼のセッティングの容易さも、ユーザーにとっては大きな問題である。ところが、従来の撹拌翼はそれ自身の重量が大きく、大型の生産機では、撹拌翼の分割や、セッティングに際しウインチ等の設備が必要であり、撹拌翼が軽いほど作業は容易となる。特に、撹拌翼は、ブレード部分が片持ち状態で取り付けられているため、自重により羽根の先端が下がる傾向があり、それを抑えるべく、羽根の根元の部材幅や板厚を増す必要がある。このため、撹拌翼全体の重量が大きくなりがちであり、従来の撹拌翼は、必ずしも取り扱いが容易とは言えなかった。
【0006】
本発明の目的は、撹拌効率の向上や原料付着の抑制を図りつつ、より軽量で取り扱いが容易な撹拌翼を提供し、撹拌造粒装置における作業効率の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の撹拌翼は、粉粒体の撹拌、造粒を行う撹拌造粒装置に設置され、回転駆動部材に接続されるセンターコーンと、前記センターコーンに放射状に取り付けられた複数個のブレードとを有してなる撹拌翼であって、前記ブレードは、前記センターコーンから径方向に向かって延設され回転方向に向かって下り勾配となった斜面部と、該ブレード先端部の回転方向後側の角隅部に設けられ前記斜面部から上方に向かって立ち上がる小翼部と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、撹拌・造粒処理等の際に、小翼部によって、処理中の粉粒体が上方に持ち上げられ、中心側に誘導される。これにより、撹拌造粒装置の処理容器側壁に押し付けられる粉粒体が減少し、処理容器側壁への原料付着が抑えられる。
【0009】
前記撹拌翼において、前記小翼部と前記斜面部の背面との為す角度θ1を5°〜80°としても良い。また、前記斜面部が水平面に対して為す角度θ2を5°〜60°とし、且つ、前記角度θ2と前記角度θ1との和を90°未満としても良い。さらに、前記ブレード先端部の回転方向前側に屈曲点P、前記斜面部の後端縁上に屈曲点Qをそれぞれ設定し、前記屈曲点Pと前記屈曲点Qを結んだ線分Mを境界として、前記斜面部の径方向外側に前記小翼部を形成し、前記線分Mと前記斜面部の前端縁との為す角度θ3を10°〜80°としても良い。
【0010】
前記小翼部の上端縁を、前記斜面部の後端縁から、径方向外側に向かって上方に傾斜しつつ延在させても良い。また、前記小翼部として、前記角隅部を上方に折り曲げて形成した曲折部を設けても良い。さらに、前記小翼部を、前記ブレードの全長に対し、先端から1/3の範囲に形成するようにしても良い。
【0011】
一方、本発明の撹拌造粒装置は、粉粒体を収容する処理容器と、前記処理容器内に配置される撹拌翼とを備え、前記撹拌翼を回転駆動させることにより前記粉粒体の撹拌、造粒を行う撹拌造粒装置であって、前記ブレードは、前記センターコーンから径方向に向かって延設され回転方向に向かって下り勾配となった斜面部と、該ブレード先端部の回転方向後側の角隅部に設けられ、前記斜面部から上方に向かって立ち上がる小翼部と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、撹拌・造粒処理等の際に、小翼部によって、処理中の粉粒体が上方に持ち上げられ、中心側に誘導される。これにより、処理容器側壁に押し付けられる粉粒体が減少し、処理容器側壁への原料付着が抑えられる。
【0013】
前記撹拌造粒装置において、前記小翼部の上端縁を、前記斜面部の後端縁から、径方向外側に向かって上方に傾斜しつつ延在させても良い。また、前記小翼部として、前記角隅部を上方に折り曲げて形成した曲折部を設けても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明の撹拌翼によれば、ブレードの先端部に、上方に向かって立ち上がる小翼部を設けたので、撹拌・造粒処理等の際に、この小翼部によって、処理中の粉粒体を上方に移動させることが可能となる。これにより、撹拌造粒装置の処理容器側壁に押し付けられる粉粒体が減少し、処理容器側壁への原料付着が抑えられる。従って、原料の無駄が少なくなり、製品の収率が向上する。また、処理容器が汚れにくく、装置のメンテナンスも容易となり、作業効率も向上する。さらに、前述のような小翼部を設けることにより、撹拌効率の向上や原料付着の抑制を図りつつ、撹拌翼を軽量化することが可能となる。
【0015】
本発明の撹拌造粒装置によれば、処理容器内に収容された粉粒体に対し、撹拌翼によって撹拌、造粒等を行う撹拌造粒装置にて、撹拌翼のブレード先端部に、上方に向かって立ち上がる小翼部を設けたので、撹拌・造粒処理等の際に、この小翼部によって、処理中の粉粒体を上方に移動させることが可能となる。これにより、撹拌造粒装置の処理容器側壁に押し付けられる粉粒体が減少し、処理容器側壁への原料付着が抑えられる。従って、原料の無駄が少なくなり、製品の収率が向上する。また、処理容器が汚れにくく、装置のメンテナンスも容易となり、作業効率も向上する。さらに、前述のような小翼部を設けることにより、撹拌効率の向上や原料付着の抑制を図りつつ、撹拌翼を軽量化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例である撹拌造粒装置の構成を示す説明図である。
【図2】撹拌翼の構成を示す斜視図である。
【図3】センターコーンの構成を示す断面図である。
【図4】ブレードの構成を示す説明図であり、ブレード先端部を回転方向側から見た状態を示している。
【図5】ブレードの構成を示す説明図であり、ブレード先端部を斜め上方(図4の矢示S)から見た状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例である撹拌造粒装置の構成を示す説明図である。図1の撹拌造粒装置1は、有底略円筒状のベッセル(処理容器)2を備えており、ベッセル2の底部中央には撹拌翼3が配置されている。ベッセル2は、装置筐体4のテーブル部5に載置されている。装置筐体4のベッセル2の下方には、撹拌翼用モーター6が収容されている。撹拌翼用モーター6には、減速機7を介して回転軸(回転駆動部材)8と接続されている。回転軸8は、減速機7から垂直方向に延び、ベッセル2の内部に突出している。撹拌翼3は、回転軸8の上端部に取り付けられ、撹拌翼用モーター6によって回転駆動される。
【0018】
ベッセル2は側壁11が上方に向かって縮径しており、側壁11には、排出部12と、チョッパー13が設けられている。排出部12は、ハンドル14によって開閉し、そこから処理済みの粉粒体を排出できるようになっている。チョッパー13は、チョッパー用モーター15によって回転駆動される。チョッパー用モーター15は、テーブル部5上に載置されている。
【0019】
ベッセル2の上端開口部16には、上蓋17が開閉自在に取り付けられている。上蓋17には、バインダー液供給管18と、スプレーノズル19及びフィルター20が取り付けられている。バインダー液供給管18の上方には、バインダー液容器として、ホッパー21が設けられている。スプレーノズル19は、装置外に設けられた図示しないコンプレッサーや液容器に接続されている。撹拌造粒装置1では、撹拌翼3とベッセル2との間にパージエアーが供給されており、フィルター20は、排気エアー中に含まれる粉粒体を除去しつつ装置外にエアーを排出するために取り付けられている。
【0020】
図2は、撹拌翼3の構成を示す斜視図である。図2に示すように、撹拌翼3は、センターコーン31とブレード32とから構成されている。センターコーン31とブレード32は、共にステンレス鋼にて形成されている。撹拌翼3の外径は、装置の体格によって適宜設定されるが、図2の撹拌翼3は約500mmの外径となっている。センターコーン31は円錐台状に形成されており、ブレード32は、センターコーン31の下部外周に溶接固定されている。本実施例では、ブレード32は、センターコーン31に等分に3個設けられている。
【0021】
図3は、センターコーン31の構成を示す断面図である。図3に示すように、センターコーン31には、取付孔33が上下方向に貫通形成されている。取付孔33の上端部は、角孔34となっている。角孔34は、回転軸8の上部に形成された角柱部35に嵌合する。角孔34を角柱部35に嵌合させることにより、撹拌翼3は回転軸8と一体となって回転する。
【0022】
回転軸8の上端部には、雄ネジ部36が形成されている。雄ネジ部36には、ロックナット37が螺合固定される。ロックナット37は、先端部にナット部38が形成された略円錐形状となっている。ロックナット37は、ナット部38にクロスレンチを取り付け、回転させることにより、回転軸8に固定される。すなわち、回転軸8にセンターコーン31を嵌合させ、ロックナット37を螺合固定させることにより、撹拌翼3は、回転軸8に接続固定される。
【0023】
図4,5は、ブレード32の構成を示す説明図である。ブレード32は、センターコーン31から径方向に向かって延設された斜面部40と、ブレード先端部の回転方向後側の角隅部Kに設けられた曲折部(小翼部)41とから構成されている。斜面部(第1斜面)40は、回転方向に向かって下り勾配となっている。曲折部41は、図4の線分Mに沿って、ブレード32の先端部に、角隅部Kを上方に折り曲げる形で形成されている。曲折部41の回転方向対向面は、水平面に対して斜面部40よりも大きな角度で立ち上がったガイド面(第2斜面)42となっている。
【0024】
この場合、線分Mは、曲折部41を形成すべく設定された、ブレード先端部の回転方向前側の屈曲点Pと、斜面部40の後端縁43上の屈曲点Qを結んだ線分である。本実施例では、ブレード先端部の回転方向先行側の頂点44を点Pとし、この点Pを基準として、角隅部Kを内側、すなわち、センターコーン31側に折り返す形で曲折部41を設けている。なお、点Pをブレード32の外端縁46上に設定すれば、同様の状態となるが、曲折部41の作用・効果を考慮すると、点Pは頂点44に設定することが好ましい。
【0025】
曲折部41とブレード背面(斜面部40の回転方向に向かって裏側の面)47との為す角度θ1(曲折部立ち上げ角度)は、5°〜80°、好ましくは、20°〜60°となっている。また、斜面部40が水平面に対して為す角度θ2(ブレード立ち上げ角度)は、5°〜60°、好ましくは、15°〜40°となっている。曲折部立ち上げ角度θ1とブレード立ち上げ角度θ2の和は、90°未満とすることにより、回転方向に先行しない。
【0026】
曲折部41と斜面部40は、線分Mを境界として、曲面Rにて接続されている。線分Mは、曲面Rの中心線となっている。このように、曲折部41と斜面部40を曲面Rにて接合することにより、撹拌翼3の回転に伴い、処理中の粉粒体はブレード32にすくい上げられ、滑らかに曲折部41側に導入される。線分Mと斜面部40の前端縁45との為す角度θ3(曲折部折り曲げ角度)は、10°〜80°、好ましくは、20°〜60°となっており、点Pは、ブレード32の先端から1/3の範囲に形成される。
【0027】
点Qは、曲折部41の上端縁48と、斜面部40の後端縁43との境界となっている。上端縁48は、後端縁43の外端から、径方向外側に向かって上方に傾斜しつつ延在している(延びている)。すなわち、曲折部41は、上端縁48が、点Qからなだらかに上方に傾斜するように、立ち上がっている。このように、当該撹拌翼3では、撹拌・造粒作用への寄与が大きいブレード32の先端1/3の範囲に、上方に立ち上がった曲折部41を設けることにより、処理中の粉粒体を上方に移動させることができる。
【0028】
一般に、撹拌造粒装置では、撹拌翼の遠心力によって、処理中の粉粒体はベッセル側壁側に流動する傾向があり、これによって、ベッセル側壁内面に原料の付着が生じる。これに対し、当該撹拌造粒装置1では、曲折部41によって、処理中の粉粒体が上方に持ち上げられ、中心側に誘導される。このため、撹拌・造粒処理等の際に、粉粒体がベッセル2の側壁内面11aに押し付けられにくくなり、ベッセル側壁への原料付着が抑えられる。また、曲折部41は、斜面部40よりも上方への傾斜が大きいため、先端部を回転方向に先行させて屈曲させた屈曲形状のブレードよりも、当該撹拌翼3は、粉粒体を上方に移動させる作用が大きくなり、屈曲形状のブレードよりも高い撹拌効率や原料付着抑制効果が得られる。
【0029】
また、撹拌翼3では、処理中の作用面として寄与する曲折部41が、斜面部40の後端縁43から上方に立ち上がる形で設けられているため、ブレード32の全長(L1+L2)が、小翼部のないストレート形状の撹拌翼と同等程度に抑えられ、先端部が回転方向に先行させて屈曲したものよりも短くなる。このため、ストレート形状のものから重量を増すことなく、曲折部41によりベッセル側壁への原料付着を抑えることができ、同様の効果があるとされる後者の屈曲形状のブレードよりも重量を軽くできる。
【0030】
さらに、作用面として寄与するガイド面42を有する曲折部41が、斜面部40から立ち上がって設けられているため、斜面部40自体の高さは低くても足り、従来のストレート形状の撹拌翼よりも斜面部40の部分の幅(高さ)を小さくできる。このため、原料付着の抑制効果を得つつ、ブレード32の材料を削減でき、重量軽減や価格低減を図ることが可能となる。従って、本発明による撹拌翼3にあっては、屈曲形状のブレードよりも高い撹拌効率や原料付着抑制効果を得つつ、ブレード重量を軽減することができ、撹拌翼の取り扱いが容易となると共に、製品価格の低減も図られる。
【0031】
このような撹拌造粒装置1では、次のようにして粉粒体の撹拌、造粒等の処理を行う。ここではまず、上部開口部16から被処理物である粉粒体を供給する。次に、撹拌翼用モーター6を駆動し、撹拌翼3を回転駆動させる。その際、ベッセル2内には、バインダー液供給管18又はスプレーノズル19によって、バインダー液等を適宜供給する。また、ブレード32の下端とベッセル2の底面2aとの間には、センターコーン31の下端からパージエアーを供給する。
【0032】
ベッセル2内の粉粒体は、撹拌翼3によって、撹拌、造粒される。このとき、当該撹拌造粒装置1では、ブレード32の先端に設けられた曲折部41により、処理中の粉粒体が上方に移動する。このため、ベッセル2の側壁内面11aに押し付けられる粉粒体が減少し、ベッセル側壁への原料付着が抑えられる。従って、原料の無駄が少なくなり、製品の収率が向上する。また、ベッセル2が汚れにくく、装置のメンテナンスも容易となり、作業効率も向上する。
【0033】
ベッセル2内にて、撹拌、混合、造粒等の処理が施された粉粒体は、チョッパー13にて適宜解砕される。これにより、撹拌造粒装置1にて粉粒体が造粒され、所望の粒状製品が製造される。混合、造粒等の処理が終了した製品は、排出部12から排出される。
【0034】
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施例に記載した各数値はあくまでも一例であり、本発明は、前述の数値には限定されない。また、前述の実施例では、ブレード32の先端部に、小翼部として、ブレード角隅部Kを折り曲げる形で曲折部41を設けた構成を示したが、ブレード32の先端部に、折曲部41と同様の形状の板状部材を取り付けて小翼部を形成しても良い。この場合、小翼部を形成する板状部材は、溶接や、ボルトやリベット等の機械的手段などによって斜面部40に接合され、ブレード32は、線分Mを境界として、点P,Qにて板状部材と斜面部40が屈曲状態で接続された形となる。なお、ブレード32を鋳造によって形成し、斜面部と小翼部を一体に形成することも可能である。
【0035】
さらに、折曲部(小翼部)41の上端縁48は、必ずしも、径方向外側に向かって上方に傾斜しつつ延びている必要はなく、上端縁48を、斜面部40の後端縁43と同じ高さに形成しても良い。
【符号の説明】
【0036】
1 撹拌造粒装置
2 ベッセル(処理容器)
2a 底面
3 撹拌翼
4 装置筐体
5 テーブル部
6 撹拌翼用モーター
7 減速機
8 回転軸(回転駆動部材)
11 側壁
11a 側壁内面
12 排出部
13 チョッパー
14 ハンドル
15 チョッパー用モーター
16 上端開口部
17 上蓋
18 バインダー液供給管
19 スプレーノズル
20 フィルター
21 ホッパー
31 センターコーン
32 ブレード
33 取付孔
34 角孔
35 角柱部
36 雄ネジ部
37 ロックナット
38 ナット部
40 斜面部
41 曲折部(小翼部)
42 ガイド面
43 後端縁
44 頂点
45 前端縁
46 外端縁
47 ブレード背面
48 上端縁
K 角隅部
M 線分
P 屈曲点
Q 屈曲点
R 曲面
X 曲折部先端
θ1 曲折部立ち上げ角度
θ2 ブレード立ち上げ角度
θ3 曲折部折り曲げ角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体の撹拌、造粒を行う撹拌造粒装置に設置され、回転駆動部材に接続されるセンターコーンと、前記センターコーンに放射状に取り付けられた複数個のブレードとを有してなる撹拌翼であって、
前記ブレードは、
前記センターコーンから径方向に向かって延設され、回転方向に向かって下り勾配となった斜面部と、
該ブレード先端部の回転方向後側の角隅部に設けられ、前記斜面部から上方に向かって立ち上がる小翼部と、を有することを特徴とする撹拌翼。
【請求項2】
請求項1記載の撹拌翼において、前記小翼部と前記斜面部の背面との為す角度θ1を5°〜80°としたことを特徴とする撹拌翼。
【請求項3】
請求項2記載の撹拌翼において、前記斜面部が水平面に対して為す角度θ2を5°〜60°とし、且つ、前記角度θ2と前記角度θ1との和を90°未満としたことを特徴とする撹拌翼。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の撹拌翼において、前記ブレード先端部の回転方向前側に屈曲点P、前記斜面部の後端縁上に屈曲点Qをそれぞれ設定し、前記屈曲点Pと前記屈曲点Qを結んだ線分Mを境界として、前記斜面部の径方向外側に前記小翼部を形成し、
前記線分Mと前記斜面部の前端縁との為す角度θ3を10°〜80°としたことを特徴とする撹拌翼。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の撹拌翼において、前記小翼部の上端縁は、前記斜面部の後端縁から、径方向外側に向かって上方に傾斜しつつ延在することを特徴とする撹拌翼。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の撹拌翼において、前記ブレードは、前記小翼部として、前記角隅部を上方に折り曲げて形成した曲折部を有することを特徴とする撹拌翼。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の撹拌翼において、前記小翼部は、前記ブレードの全長に対し、先端から1/3の範囲に形成されることを特徴とする撹拌翼。
【請求項8】
粉粒体を収容する処理容器と、前記処理容器内に配置される撹拌翼とを備え、前記撹拌翼を回転駆動させることにより前記粉粒体の撹拌、造粒を行う撹拌造粒装置であって、
前記撹拌翼は、回転駆動部材に接続されるセンターコーンと、前記センターコーンに放射状に取り付けられた複数個のブレードとを有し、
前記ブレードは、
前記センターコーンから径方向に向かって延設され、回転方向に向かって下り勾配となった斜面部と、
該ブレード先端部の回転方向後側の角隅部に設けられ、前記斜面部から上方に向かって立ち上がる小翼部と、を有することを特徴とする撹拌造粒装置。
【請求項9】
請求項8記載の撹拌造粒装置において、前記小翼部の上端縁は、前記斜面部の後端縁から、径方向外側に向かって上方に傾斜しつつ延在することを特徴とする撹拌造粒装置。
【請求項10】
請求項8又は9記載の撹拌造粒装置において、前記ブレードは、前記小翼部として、前記角隅部を上方に折り曲げて形成した曲折部を有することを特徴とする撹拌造粒装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−206631(P2011−206631A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74255(P2010−74255)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000112912)フロイント産業株式会社 (55)
【Fターム(参考)】