説明

撹拌装置

【課題】 対象物の温度を高精度に測定することができる温度測定装置を備えた撹拌装置を提供する。
【解決手段】 この撹拌装置の一種である濾過乾燥装置2は、円筒状の側部を有する容器3と、この容器3のほぼ中心軸回りに回転可能に設けられた撹拌翼5と、前記側部に形成された、容器内処理物Mの温度を測定するための温度測定装置1とを備えており、この温度測定装置1が、シース内に熱電対が収容されたシース熱電対21と、このシース熱電対21を収容する有底筒状の保護管22とを備えており、この保護管22の端板部23の内面に、シース熱電対21の先端から所定長さの感温部25が密着状態で固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撹拌装置に関する。さらに詳しくは、撹拌対象物を収容する容器を備えてこの収容物を撹拌する撹拌装置であって、上記容器の内部温度を測定するのに適した温度測定装置を備えた撹拌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前述した撹拌装置の一例として、特許文献1に開示されているような反応装置が知られている。この反応装置は処理対象物を収容するための容器を有している。容器の側部の外周面には加熱剤や冷却剤が流通するジャケットが形成されている。この容器の中心軸に沿って上部から容器内に回転軸が挿入されている。この回転軸の下端には、処理対象物を撹拌するための撹拌翼が取り付けられている。この容器の底部近傍には、容器内部の温度を測定するための温度センサが取り付けられている。この温度センサは温度測定用の探針であり、容器壁を貫入してその内部に突出している。この場合、探針が撹拌翼と接触しないように配置したとしても、撹拌される処理対象物の流動から衝撃等の影響を受ける可能性がある。さらに、探針に処理対象物が付着する可能性がある。特許文献1にはこの探針の構造についての詳細な説明は無い。
【0003】
特許文献2には、処理対象物を収容するための容器を備えた多機能濾過器が開示されている。この濾過器の容器にも、上記特許文献1の反応装置と同様の撹拌翼が備えられている。そして、容器底部には濾過板が取り付けられている。この濾過板を容器に固定するためのピンには、容器内部の温度を測定するための温度センサが内蔵されている。この温度センサの構造についての詳細な説明は無い。
【0004】
また、温度センサを容器の上部から容器内に進入させたものも知られている。この場合、温度センサの下端(先端)は、撹拌翼の上下動ストロークの範囲より上方の位置となるように配置する必要がある。その結果、温度センサが処理対象物に接触しないことが多く、その精確な温度を測定することが難しい。
【0005】
図7に示すようなシース熱電対51が上記温度センサ等として用いられることがある。一般に、シース熱電対51は、低炭素ステンレス鋼等の金属製のチューブ状シース52に熱電対53が挿入されたものである。シース52内には熱電対素線を保護するために酸化マグネシウム等の充填剤55が充填されている。このシース熱電対51を、低炭素ステンレス鋼、インコネル(登録商標)、ハステロイ(登録商標)、チタン等の金属製保護管54、または、ガラスやテフロン(登録商標)等の非金属製保護管に収納して用いることがある。
【0006】
熱電対53の感温部である先端部はシース52の内部先端に接触させるのが好ましいが、離間してしまっている場合がある。また、保護管54の内部には前記と同様の充填剤55が充填されており、シース熱電対51は動くことのないようにこの充填剤55に埋め込まれている。シース熱電対51の先端はできるだけ保護管54の先端内面54aに接触するようにされているが、確実ではない。このような構造であるから、シース熱電対51によって対象物の温度を精確に測定するためには、シース熱電対51の先端のみではなく、先端から所定長さ(たとえば、シース径の3〜6倍程度であり、以下、感温部ともいう)にわたって対象物に接触させるのが好ましい。
【0007】
ところが、上記した保護管内収納型の熱電対では、測定対象物の温度に最も近いと思われる保護管54の先端内面にシース熱電対51の先端のみが接触しているか、または、離間しているおそれすらある。さらに、保護管54内の充填剤55を伝わる他の熱源からの熱の影響を受ける可能性、すなわち、外乱の可能性もある。
【0008】
保護管の先端に孔を明け、シース熱電対の先端を保護管外部に突出させたものも知られている。しかし、この形式の場合には、使用先によっては、シース材質に制限があったり、シース熱電対に対する外力からの保護が十分ではないことがある。さらに、シース熱電対を保護管に固定するための銀ロウ材の成分が温度測定対象物に影響を与えるおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−081995号公報
【特許文献1】特開平05−103917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、対象物の温度を高精度に測定することができる保護管式の温度測定装置を装備した撹拌装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の撹拌装置は、
円筒状の側部を有する容器と、
この容器のほぼ中心軸回りに回転可能に設けられた撹拌翼と、
前記側部に形成された、容器内収容物の温度を測定するための温度測定装置とを備えており、
この温度測定装置が、シース内に熱電対が収容されたシース熱電対と、このシース熱電対を収容するための、平板状の底部を有する筒状の保護管とを備えており、
この保護管の底部の内面に、前記シース熱電対の先端から所定長さの感温部が密着状態で固定されている。
【0012】
温度測定装置の保護管の平板状底部の内面に、換言すれば温度測定装置の先端の平坦な内面に、シース熱電対の所定長さの感温部が密着状態にあるので、効率よく容器内部の測定対象物の温度を検出することができる。しかも、感温部は温度測定装置の先端内面に密着しているので、保護管の側周面からの熱的外乱が抑制される。
【0013】
前記温度測定装置の底部外面を、前記容器の内面と同一の面を構成する形状にするのが好ましい。こうすれば、取り付けられた容器内面に撹拌翼の先端が近接している撹拌装置にも安心して適用することができる。
【0014】
前記温度測定装置を容器側部に取り付けるために容器側部に筒状のボス部材を固定し、このボス部材の内側空洞に筒状の断熱用ブッシュを挿入し、この断熱用ブッシュの内側空洞が容器の内外を連通するように構成し、断熱用ブッシュの内側空洞に前記温度測定装置を挿入した上で着脱可能に固定することができる。こうすることにより、温度測定装置の側周面からの熱的外乱が一層効果的に抑制される。
【0015】
前記保護管の底部の内面に溝を形成し、前記シース熱電対の感温部をこの溝に嵌着した上で固定するようにしてもよい。溝に嵌着することにより、保護管の底部への密着度が上昇する。さらに、シース熱電対を保護管底部の外部(温度測定対象物が存在している)から隔てる底部の肉厚が薄くなり、一層精確な温度測定が可能となる。
【0016】
前記保護管を円筒状とし、前記溝を保護管の断面中心を中心とする円状に延びる部分を含んだ形状とすることができる。こうすることにより、十分な溝長さを確保することができる。さらに、感温部を保護管の側周面に接触させないような溝配置が容易となる。
【0017】
前記シース熱電対を、螺旋状に湾曲した上で保護管の内周面に弾力的に接触させるようにして保護管内に収容することができる。こうすることにより、酸化マグネシウム等の充填剤を使用しなくても、シース熱電対が自身の弾力によって保護管内面突っ張るような体勢で固定状態を得ることができる。その結果、酸化マグネシウム等を充填した場合に比較して、この充填剤を伝わる熱的外乱を回避することができるという利点を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の撹拌装置によれば、保護管を通して測定対象物の温度を精確に測定することができる温度測定装置を装備しているので、撹拌翼や測定対象物の流動による影響を受けにくい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る撹拌装置の一実施形態である濾過乾燥装置を示す正面断面図である。
【図2】図1の濾過乾燥装置の容器の内周面のうち、温度測定装置とバルブとが取り付けられている範囲を示す展開図であり、図1におけるII−II線矢視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る温度測定装置が、図1の濾過乾燥装置の容器に取り付いた状態を示す一部断面図である。
【図4】図3における温度測定装置を示す一部切り欠き側面図である。
【図5】図4の温度測定装置に含まれるシース熱電対の一部分を示す斜視図である。
【図6】図4の温度測定装置に含まれる保護管の先端部の端板部を内側から見た図に相当する、図5のVI−VI線断面図である。
【図7】従来の保護管付きシース熱電対の一例を示す一部切り欠き側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る撹拌装置の一実施形態である濾過乾燥装置、および、この濾過乾燥装置に装備された度測定装置の一例について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る濾過乾燥装置2を示す正面断面図である。この濾過乾燥装置2はベル型ハウジングの形状を呈した容器3を有している。この容器3の中心軸に沿って上部から容器内に回転軸4が挿入されており、この回転軸4の下端に撹拌翼5が取り付けられている。撹拌翼5の先端は容器3の内周面に近接している。容器3の上端には回転軸4を回転駆動するための駆動装置6が設置されている。容器3内の底部には濾材7が充填されている。容器3の側部の外周面には熱媒体が循環するジャケット8が形成されている。容器3内のスラリー等の処理対象物(処理物ともいう)Mは、この熱媒体によって加熱されながら前記攪拌翼5によって撹拌される。その過程で濾液が底部の排液口9から排出される。容器3の底部に近い側面には、処理物Mの排出口を開閉するためのバルブ10が設置されている。
【0022】
図2は、図1のII−II線矢視図であり、前記容器3の外周面のうちバルブ10が取り付けられている範囲の展開図である。容器3の外周面のうち、バルブ10が設置されている部分は上記ジャケット8で覆うことはできない。図示のごとく、その範囲ではジャケット8は切り欠かれた形状8aを呈している。このジャケット8が形成されていない範囲の容器3の側板に、すなわちバルブ10に隣接した位置に、前記温度測定装置1を取り付けるのが好ましい。この範囲に設置することにより、ジャケット8の加熱媒体の熱の影響を受けにくい。
【0023】
図3も併せて参照すれば明らかなように、この温度測定装置1は、容器3の側板3aを貫通して形成された取付孔11に挿入された状態で、ボス部材12と断熱用ブッシュ14とによって取り付けられている。具体的には、円筒状のボス部材12が、この取付孔11に挿入された状態で、溶接によって容器側板3aに固定されている。ボス部材12の内径側空洞が容器3の内外を連通することになる。このボス部材12の後端には溶接によってフランジ13が取り付けられている。このボス部材12の内径側空洞には、円筒状の断熱用ブッシュ14が挿入されている。この断熱用ブッシュ14の内径側空洞が容器3の内外を連通することになる。断熱用ブッシュ14の材料としては、熱伝導率の低い合成樹脂(たとえばPTFE)等を用いるのが好ましい。さらに、断熱用ブッシュ14の内部を中空にして空気を充填してもよい。または、断熱用ブッシュ14を用いずに、容器3内部とのシールを施した上で、ボス部材12と探針部16との間に断熱用の間隙が形成されるようにスペーサを介装してもよい。断熱用ブッシュ14の後端には放射状に拡がる鍔部15が形成されている。この断熱用ブッシュ14の内径側空洞に温度測定装置1の円柱状の探針部16が挿入されている。この探針部16の長手方向中間部分にはフランジ17が取り付けられている。
【0024】
前記断熱用ブッシュ14の鍔部15を、ボス部材12のフランジ13と温度測定装置1のフランジ17とで挟み、これらをボルト26で固定している。こうすることにより、ボス部材12、断熱用ブッシュ14および温度測定装置1の三者を一体化して容器3に固定している。こうすることにより、温度測定装置1に対する周囲の熱源からの影響が抑制される。たとえばこの温度測定装置1に上記ジャケット8が近接している場合であっても、ジャケット8からの熱が温度測定装置1に伝わりにくい。断熱用ブッシュ14の外周面の溝には、ボス部材12の内周面との間をシールするために、オーリング等のシール部材18が装着されている。探針部16の外周面の溝には、断熱用ブッシュ14の内周面との間をシールするために、オーリング等のシール部材19が装着されている。ボス部材12、断熱用ブッシュ14および温度測定装置1の先端面は互いに一致させられている。さらに、これらの面は容器3の内周面とも一致させられている。こうすることにより、容器3内で旋回する撹拌翼や流動する処理物Mから力学的な影響を受けることがなく、処理物が付着することも抑制される。
【0025】
図4には前記温度測定装置1が詳細に示されている。図4は、温度測定装置1をその探針部16の一部を切り欠いて示す側面図である。温度測定装置1は、フランジ17を有する前記探針部16と、この探針部16の基端側に着脱可能に接続された端子箱20とを備えている。探針部16は、シース熱電対21と、このシース熱電対21を収容した保護管22とからなる。シース熱電対21は前述した従来のものと同じであり、金属製のチューブ状シースに熱電対が挿入されたものである。したがって、詳細な説明は省略する。シース内の熱電対としては、K型(クロメル−アルメル)、E型(クロメル−コンスタンタン)、J型(鉄−コンスタンタン)、T型(銅−コンスタンタン)等、測定温度範囲等に応じて限定無く選択することができる。また、シース熱電対21としてはシングルエレメントでもダブルエレメントでもよい。
【0026】
図4および図5に示すように、本実施形態ではシース熱電対は螺旋状に湾曲させられた状態で保護管22内に収容されている。図5は保護管22内に収容された状態のシース熱電対21の一部を示す斜視図である。保護管22の内面は二点鎖線で示している。シース熱電対21を予め湾曲させるときの曲率半径(螺旋の中心軸方向に見たときの曲率半径)は、保護管22の内面半径より大きくしている。したがって、シース熱電対21を螺旋状のまま保護管22に挿入すると、そのほぼ全長にわたって保護管22の内面に弾力的に押圧される。その結果、シース熱電対21は自力で保護管22内に固定されることになる。したがって、保護管22内に固定用の酸化マグネシウム等の充填剤を充填する必要がなく、シース熱電対21の周囲は断熱効果のある空気が充満するので温度測定上の外乱を受けにくい。もちろん、前記湾曲の形状は、螺旋状等の三次元的なものに限定はされない。保護管が円筒状であれば、たとえば、シース熱電対21を一平面内にジグザグ状、葛折り状、サインカーブ状等に湾曲させて保護管内面に押圧させてもよい。
【0027】
図6は保護管22の先端部の端板部23を内側から見た図に相当する、図5のVI−VI線断面図である。図示のごとく、端板部23の内面には、保護管22の内径より小さい直径の円形溝24aと、この円形溝24aの一直径方向の直径溝24bとが形成されている。これらの溝24a、24bの各幅は、シース熱電対21を嵌着するためにシース熱電対21の横断面の直径と同程度の大きさにされている。また、各溝24a、24bの横断面形状を半円形とするのがシースの端板部23への密着表面積が大きくなるので好ましい。
【0028】
一方、図5に示すように、シース熱電対21の先端部の所定長さ部分は前記螺旋状部分より小さな曲率半径で湾曲させられている。この部分は保護管22の円筒部の内周面には当接しない。この部分は、図6に示す保護管22の端板部23の前記溝24a、24bに嵌着、固定される部分である。すなわち、シース熱電対21の先端部分はまず円形溝24aに嵌り込み、最終的に直径溝24bに至ってシース熱電対21の先端は直径溝24bの途中で終わる。シース熱電対21の先端の所定長さ部分は上述したように溝24a、24bに嵌着され、その上で銀ロウ付け等によって端板部23に固着される。したがって、シース熱電対21の感温部25とされる先端部の所定長さの範囲(たとえば、シース径の3〜6倍程度)が保護管22の端板部23に密着させられる。しかも、保護管22のうちで、端板部23は、容器3内の処理物Mの温度に最も近い温度になっている。シース熱電対21を溝24a、24bに嵌着することにより、単に端板部23の内面に接触させる場合に比べても、シース熱電対21が測定対象物に対してより一層近付く。また、前記溝24a、24b内に固着されたシース熱電対21の感温部25は、保護管22の他の部分には接触していない。さらに、前述のとおり、この保護管22内には充填剤が充填されていないので、感温部25には他の熱源から熱が伝わりにくい。以上から、この温度測定装置1によれば、処理物Mの温度を精確に測定することができる。
【0029】
シース熱電対21の感温部25の湾曲形状、および、端板部23の溝の形状は、それぞれ図5および図6に示すものに限定されることはない。たとえば、端板部23の溝形状が図6に示すものであっても、感温部25の湾曲形状を、図5とは逆に、まず直径溝24bの中間部から入って円形溝24aに移り、円形溝24aに沿って一周近く進んで終わるような形状としてもよい。または、円形溝24aの円周が前記感温部25の長さより長い場合には、直径溝24bを省略し、感温部25を円形溝24aのみに沿って嵌着させてもよい。また、渦巻き状の溝を形成してもよい。溝の形状は、シース熱電対21を嵌着させる作業性や感温部を十分にカバーする長さを確保する観点から、以上説明した円形状や渦巻き状が好ましい。しかし、U字状や直線状のみの溝であってもよい。
【0030】
以上説明した実施形態では撹拌装置として濾過乾燥装置を例示したが、本発明の温度測定装置の適用は濾過乾燥装置には限定されない。すなわち、容器内部の処理対象物を加熱する装置には限定されない。たとえば、加熱乾燥機の後工程で使用される冷却ホッパーや晶析缶のように、容器内部の処理対象物を冷却するような撹拌装置にも適用することもできる。この場合には、ジャケット8には冷却媒体を循環させることになる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の撹拌装置によれば、装備される温度想定装置を取付対象の容器の内部に突出させる必要なく、また、熱的な外乱が抑制される。その結果、容器内部の測定対象物の温度を精確に測定することができる。したがって、加熱用ジャケット等によって容器を加熱する機能を有した濾過乾燥装置等の撹拌装置として有用である。
【符号の説明】
【0032】
1 … 温度測定装置
2 … 濾過乾燥装置
3 … 容器
4 … 回転軸
5 … 撹拌翼
6 … 駆動装置
7 … 濾材
8 … ジャケット
9 … 排液口
10 … バルブ
11 … 取付孔
12 … ボス部材
13 … (ボス部材の)フランジ
14 … 断熱用ブッシュ
15 … (断熱用ブッシュの)鍔部
16 … 探針部
17 … (探針部の)フランジ
18 … シール部材
19 … シール部材
20 … 端子箱
21 … シース熱電対
22 … 保護管
23 … 端板部
24a … 円形溝
24b … 直径溝
25 … 感温部
26 … ボルト
M … 処理物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の側部を有する容器と、
この容器のほぼ中心軸回りに回転可能に設けられた撹拌翼と、
前記側部に形成された、容器内収容物の温度を測定するための温度測定装置とを備えており、
この温度測定装置が、シース内に熱電対が収容されたシース熱電対と、このシース熱電対を収容するための、平板状の底部を有する筒状の保護管とを備えており、
この保護管の底部の内面に、前記シース熱電対の先端から所定長さの感温部が密着状態で固定されている、撹拌装置。
【請求項2】
前記温度測定装置の底部外面が、容器の内面と同一の面を構成している、請求項1記載の撹拌装置。
【請求項3】
前記温度測定装置を容器側部に取り付けるために容器側部に固定された筒状のボス部材と、このボス部材の内側空洞に挿入された筒状の断熱用ブッシュとをさらに備えており、
この断熱用ブッシュの内側空洞が容器の内外を連通するように構成されており、この断熱用ブッシュの内側空洞に前記温度測定装置が挿入された上で着脱可能に固定されている、請求項1または2記載の撹拌装置。
【請求項4】
前記保護管の底部の内面に溝が形成されており、前記シース熱電対の感温部がこの溝に嵌着された上で固定されている、請求項1〜3のうちのいずれか一の項に記載の撹拌装置。
【請求項5】
前記保護管が円筒状を呈しており、前記溝が保護管の断面中心を中心とする円状に延びる部分を有している、請求項1〜4のうちのいずれか一の項に記載の撹拌装置。
【請求項6】
前記シース熱電対が、螺旋状に湾曲された上で保護管の内周面に弾力的に接触させられている、請求項1〜5のうちのいずれか一の項に記載の撹拌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−185766(P2010−185766A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29844(P2009−29844)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】