擁壁構造及びその施工方法
本発明は、擁壁構造及びその施工方法に関し、さらに具体的には、擁壁積層部材の後方に詰められた充填材にグラウト液を注入して裏込め空間、すなわち積層部材と斜面との間の空間の安定性を確保することができる擁壁構造及びその施工方法に関する。このために本発明の擁壁構造は、グラウト液注入管から排出されたグラウト液が周辺地盤に浸透し、前記注入管と積層部材とが連結され、さらに積層部材と地盤との間に詰められた充填材が前記注入管から排出されたグラウト液によって固結化される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、擁壁構造及びその施工方法に関し、より具体的には、擁壁積層部材の後方に詰められた充填材にグラウト液を注入して裏込め空間、すなわち積層部材と斜面との間の空間の安定性を確保することができる擁壁構造及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、擁壁は土圧に抵抗して土が崩れないように支持する構造物である。近年、ブロックのような積層部材を積み上げて擁壁を造っているが、このような擁壁は鉄筋コンクリート擁壁などに比べて斜面の切土を最小化でき、美麗な前面壁を演出することができ、さらに鉄筋コンクリート擁壁より製造が簡単且つ容易であって、現場までの運搬が容易であるという長所があるため、広く施工されている。
【0003】
積層部材を用いた擁壁は、切土した斜面を補強するために地盤{えいきゅう じばん}アンカー、ソイルネイリング、ロックボルトなどを用いている。ソイルネイリングまたはロックボルトを用いる施工法は、積層部材、例えばプレキャストコンクリート製品の大きさに応じて大型パネルを用いる工法と小型ブロックを用いる工法とに分けられる。
【0004】
大型パネルを用いる工法は、韓国特許登録第1993−0000629号公報などに開示されている。図1は前記工法によって施工された積層式擁壁を示す断面図であり、図2は前記工法によって施工された階段式擁壁を示す断面図である。
【0005】
大型パネルを用いる工法は、斜面を切土する段階と、切土された斜面に穿孔ホールを設けて穿孔ホールにソイルネイリングまたはロックボルト11を挿入する段階と、基礎ブロック12を設置して大型パネル13を積層する段階と、ソイルネイリングまたはロックボルト11と大型パネル13とを連結して大型パネル13と斜面間に充填材14を詰める段階と、ソイルネイリングまたはロックボルト11に圧縮応力を印加してブロック土塊を形成する段階とを含む。
【0006】
前記工法では、ソイルネイリングまたはロックボルト11を穿孔ホールに挿入した後、グラウト液1を穿孔ホールに注入することができる。さらに、基礎ブロック12にパイル15を垂設し、基礎ブロック12を地盤に堅固に固定することもできる。
【0007】
前記工法では、大型パネル13と斜面間の裏込め空間に充填材14を詰めて盛土するが、前記裏込め空間が狭く十分に固めることができない場合には、大型パネル13と充填材14との密着が緩み、大型パネル13に変位が生じる可能性が高い。一方、充填材14が完全に固まっていない場合、パネルを貫いたソイルネイリングまたはロックボルト11に地圧が印加されると、充填材14の支持力が十分ではないため、大型パネル13が斜面の方に不規則的に移動することがある。大型パネル13と充填材14との密着が完全ではないため、ソイルネイルリングまたはロックボルト11と大型パネル13との連結部に応力が集中して安定性が低減する。このような問題を克服するために、ソイルネイルリングまたはロックボルト11の個数を増加させて前記連結部に加えられる荷重を分散させる場合には、工期及び費用が増加する。
【0008】
一方、小型ブロックを用いる工法は、韓国特許登録第10−0372821号公報などに開示されている。図3は前記工法によって施工された積層式擁壁を示す断面図であり、図4は前記工法によって施工された階段式擁壁を示す断面図である。
【0009】
小型ブロックを用いる工法は、斜面を切土して斜面にソイルネイリングまたはロックボルト21を貫設する段階と、ソイルネイリングまたはロックボルト21に補強材22を連結した後、小型ブロック23を積層しながら補強材22と小型ブロック23とを連結する段階と、斜面と小型ブロック23間に充填材14を詰める段階とを含む。小型ブロック23は、基礎ブロック12上に積層される。基礎ブロック12にはパイル15を垂設し、基礎ブロック12を地盤に堅固に固定することもできる。
【0010】
前記工法は、小型ブロック23と斜面間の裏込め空間に充填材14を詰めて盛土するが、前記裏込め空間が狭く十分に固めることができない場合には、小型ブロック23と充填材14との密着が緩み、小型ブロック23に変位が生じる可能性が高い。
【0011】
また、前記工法は小型ブロック23を使用するため、ソイルネイリングまたはロックボルト21と小型ブロック23とが1対1の対応にならず小型ブロック23に十分な地圧を印加することができない。さらに、小型ブロック23と充填材14との密着が完全ではないため、ソイルネイリングまたはロックボルト21と小型ブロック23との連結部に応力が集中して安定性が低減する。このことを克服するために、ソイルネイルリングまたはロックボルト21の個数を増加させて前記連結部に加えられる荷重を分散させる場合には、工期及び費用が増加する。
【0012】
地盤アンカーを用いる工法は、韓国特許登録第10−0525156号公報などに開示されている。図5は前記工法によって施工された積層式擁壁を示す断面図であり、図6は前記工法によって施工された階段式擁壁を示す断面図である。
【0013】
地盤アンカーを用いる工法は、地盤アンカー31とプレキャストコンクリートパネル(以下、「PCパネル」とする)32を用いて予想破壊土壌を堅固な地盤に定着させて斜面を安定化する工法である。
【0014】
前記工法は、斜面を切土して基礎コンクリート33を設置する段階と、PCパネル32を立置きして裏込めコンクリート34を打設する段階と、裏込めコンクリート34と地盤を穿孔してアンカー31を貫設する段階と、裏込めコンクリート34の上に充填材14を詰める段階とを含む。
【0015】
前記工法は、アンカー31を貫設する前にPCパネル32を先に立設して裏込めコンクリート34を打設しなければならないだけでなく、アンカー31の定着長を堅い地盤に定着させなければならないため、アンカー31が長くならなければならない。よって、裏込めコンクリート34の養生時間及び長いアンカー31のため、工事に長時間を要し、工事費用が嵩むという問題点がある。
【0016】
また、前記工法はPCパネル32をまず立置きしてアンカー31を貫設しなければならないため、斜面補強がトップ−ダウン(TOP−DOWN)方式ではなくダウン−アップ(DOWN−UP)方式で行わなければならず、長期間臨時に切土した斜面を放置しなければならない。故に、切土された斜面に対する施工中の安定性問題が生じ、大型クレーン装備を用いて穿孔作業が行われるため、作業空間確保及び経済性の問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】韓国特許登録第1993−0000629号公報
【特許文献2】韓国特許登録第10−0372821号公報
【特許文献3】韓国特許登録第10−0525156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上記問題点を解決するために創案されたものであり、斜面と積層部材との間に詰められた充填材にグラウト液を注入し、グラウト液が充填材に浸透して固結化されることで充填材の強度を高めることができる擁壁構造及びその施工方法を提供することを目的とする。
【0019】
本発明の他の目的は、グラウト液を注入する注入管と積層部材とを一体化した擁壁構造及びその施工方法を提供するところにある。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、擁壁の裏込め空間が確保されず擁壁の安定性を備え難い場合に、このことを解決することができる擁壁構造及びその施工方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、本発明による擁壁構造は、グラウト液注入管から排出されたグラウト液が周辺の地盤に浸透し、前記注入管と積層部材とが連結され、積層部材と地盤間に詰められた充填材が前記注入管から排出されたグラウト液によって固結化される。
【0022】
望ましくは、地盤及び充填材にグラウト液を注入できるように、前記注入管にはグラウト液排出孔が長さ方向に沿って設けられる。
【0023】
さらに望ましくは、グラウト液を予め定められた圧力で地盤に噴射できるように、穿孔ホールの入口にはパッキング部材が設けられる。
【0024】
望ましくは、積層部材の間の隙間からグラウト液が外部に漏れることを防止するために、積層部材の裏面には遮水マットが設けられる。
【0025】
さらに望ましくは、注入管は穿孔ホールに挿入され、穿孔ホールの外部に突出する部分の前記排出孔は、植木を植える必要がある場合、下向きに形成される。
【0026】
一方、本発明による擁壁施工方法は、(a)地盤に貫設されたグラウト液注入管と積層部材とを連結する段階と、(b)積層部材の後方に充填材を詰める段階と、(c)前記注入管にグラウト液を注入して充填材を固結化させる段階とを含む。
【0027】
望ましくは、段階(a)及び段階(b)のうちのいずれかは、前記注入管にグラウト液を注入して、グラウト液を地盤に浸透させる段階をさらに含む。
【0028】
本発明による擁壁の他の施工方法は、(a1)地盤を切土して積層部材を積層する段階と、(b1)積層部材の後方に充填材を詰める段階と、(c1)積層部材を貫通し、充填材及び地盤を穿孔してグラウト液注入管を貫設する段階と、(d1)前記注入管を通ってグラウト液を注入する段階とを含む。
【0029】
本発明による擁壁のさらに他の施工方法は、(a2)地盤を切土して積層部材を積層する段階と、(b2)地盤に穿孔ホールを掘削して穿孔ホールに注入管を挿入する段階と、(c2)積層部材と注入管とを連結して、充填材を詰める段階と、(d2)グラウト液を圧力を印加した状態で注入管に注入する段階とを含む。
【0030】
本発明による擁壁のさらに他の施工方法は、(a3)地盤を切土して積層部材を積層する段階と、(b3)地盤に穿孔ホールを掘削して穿孔ホールに注入管を挿入する段階と、(c3)原地盤に掘削された穿孔ホール部分のみに多段式で圧力を印加しながら注入管にグラウト液を注入する段階と、(d3)積層部材と斜面間の空間に充填材を詰める段階と、(e3)注入管にグラウト液を注入して充填材を固結化させる段階とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来技術による擁壁を示す断面図である。
【図2】従来技術による擁壁を示す断面図である。
【図3】従来技術による擁壁を示す断面図である。
【図4】従来技術による擁壁を示す断面図である。
【図5】従来技術による擁壁を示す断面図である。
【図6】従来技術による擁壁を示す断面図である。
【図7】本発明の望ましい実施例によって積層式擁壁を施工する工程を示すフローチャートである。
【図8】本発明の望ましい実施例によって積層式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図9】本発明の望ましい実施例によって積層式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図10】本発明の望ましい実施例によって積層式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図11】本発明の望ましい実施例によって積層式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図12】本発明の望ましい実施例によって積層式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図13】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図14】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図15】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図16】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図17】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図18】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図19】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図20】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図21】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図22】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は、一般的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点において、これらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0033】
本発明は、積層部材と斜面との間に詰められた充填材にグラウト液を注入して充填材の強度を高めることができ、積層部材と前記注入管とを一体化することができ、さらに擁壁の裏込め空間が確保されず擁壁の安定性を備え難い場合に、このことを解決することができるところにその特徴がある。以下、このような擁壁の施工方法と共に、その構造も説明する。なお、本明細書において「積層部材」とは、擁壁の壁体を構成する擁壁用ブロック、プレキャストコンクリートパネルなどを含む意味であると定義する。
【0034】
図7は、本発明の望ましい実施例によって積層式擁壁を施工する工程を示すフローチャートであって、前記積層式擁壁の施工を示す断面図である。
【0035】
図面を参照すれば、前記擁壁の施工方法は、地盤を切土して穿孔ホール41を掘削する段階(S10)と、穿孔ホール41にグラウト液注入管42を挿入する段階(S20)と、注入管42にグラウト液1を注入して地盤とグラウト液1とを一体化させる段階(S30)と、段階S10ないし段階S30を繰り返す段階(S40)と、注入管42と積層部材43とを連結して積層部材43の後方に充填材44を詰める段階(S50)と、注入管42にグラウト液1を注入して充填材44とグラウト液1とを一体化させる段階(S60)とを含む。
【0036】
まず、地盤を切土し、切土された斜面に穿孔ホール41を掘削する(S10)。地盤の切土及び穿孔ホール41の掘削は、通常の擁壁施工と同様に行われるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0037】
穿孔ホール41の掘削が完了した後は、図8に示すように、穿孔ホール41にグラウト液注入管42を挿入する(S20)。注入管42には、グラウト液を外部に排出するグラウト液排出孔42aが設けられる。望ましくは、地盤及び充填材44にそれぞれグラウト液を注入できるように、排出孔42aは注入管42の長さ方向に沿って設けられる。さらに、穿孔ホール41の外部に突出する注入管42の部分には、排出孔42aが下に向かうように設けられることが望ましいが、これはグラウト液1が下方に噴射されるようにして注入管42の上部に植木を植えることができるようにするためである。
【0038】
注入管42は、一定直径の鋼管で製作することができる。注入管42と穿孔ホール41間の間隔を一定に維持できるように、注入管42の周りには予め定められた間隔でスペーサー(図示せず)を設けることができる。
【0039】
穿孔ホール41に注入管42を挿入した後は、図9に示すように、注入管42にグラウト液1を注入して地盤とグラウト液1とを一体化させる(S30)。穿孔ホール41の入口には予め定められた圧力でグラウト液1を穿孔ホール41に注入できるようにパッキング部材45が設けられる。パッキング部材45は、注入管42と穿孔ホール41間の隙間を密閉してグラウト液1が穿孔ホール41の外部に漏れることを防止する。
【0040】
グラウト液1によって穿孔ホール41が満たされるまでは、圧力が印加されない状態でグラウト液1が穿孔ホール41に注入され、穿孔ホール41が満たされた後には圧力が印加された状態でグラウト液1が注入される。前記圧力はグラウト液1が地盤に効果的に浸透できるようにする。
【0041】
望ましくは、グラウト液1の注入は圧力多段式グラウト装置(図示せず)によって行われる。前記圧力多段式グラウト装置は、注入用メカニカルゴムパッカーまたは水圧パッカーを用いて注入管42を一定個数の区域に区切り、各区域別に圧力を印加しながらグラウト液1を注入することができる装置である。よって、前記注入パッカーシステムは、パッキング部材45と対応する注入管42の部分を基準として、穿孔ホール41内部に挿入された注入管42に圧力が印加されるようにグラウト液1を注入する。注入されたグラウト液1は地盤に浸透して、地盤と一体化される。
【0042】
次いで、図10に示すように、斜面の上端から前記S10段階ないしS30段階を繰り返して斜面を補強する(S40)。すなわち、地盤切土工程、穿孔ホール41掘削工程、穿孔ホール41に注入管42を挿入する工程、注入管42にグラウト液1を注入する工程が全て完了した後、下に下がって前記工程を繰り返す。一方、前記方法とは違って、地盤切土工程、穿孔ホール41掘削工程、穿孔ホール41に注入管42を挿入する工程は、先行する工程が完了してから次の工程が順次行われることもできる。
【0043】
次いで、図11に示すように、注入管42と積層部材43とを連結して、積層部材43の後方に充填材44を詰める(S50)。地盤には基礎ブロック46が設けられ、積層部材43は基礎ブロック46の上部に積層される。注入管42は積層部材43に予め設けられた挿入孔(図示せず)に挿入された後、通常の連結部材、すなわち注入管42の外周面に形成されたネジ山と係合するネジ山を持ったナット(図示せず)によって連結することができる。土砂、骨材などのような通常の充填材44が使用できるが、充填材44は荷重を加えて押し固めることが望ましい。
【0044】
望ましくは、積層部材43の裏面には遮水マット(図示せず)が設けられる。遮水マットは、充填材44にグラウト液1が注入される場合に、グラウト液1が積層部材43の間の隙間から漏れることを防止する。充填材44へのグラウト液1の注入が完了すれば、積層部材43の間の隙間に切断部材を挿入して遮水マットを切断する。前記切断は地盤及び充填材44内部の水を排出させるためである。
【0045】
また、斜面と充填材44間には不織布(図示せず)を設けることもできる。
【0046】
充填材44を詰めた後には、図12に示すように、注入管42にグラウト液1を注入して充填材44とグラウト液1とを一体化させる。グラウト液1は充填材44の間の隙間に浸透して充填材44を固結化させることで、充填材44の強度を増加させる。
【0047】
グラウト液1は、圧力が印加された状態で注入することが望ましい。このようなグラウト液1の注入作業にも、前記圧力多段式グラウト装置が使われ得る。
【0048】
前述したように、穿孔ホール41の外部に突出した注入管42部分の排出孔42aが下向きに形成された場合には、グラウト液1が下方に排出されるため注入管42の上部には植木を植えること(図示せず)が可能になる。
【0049】
グラウト液が充填材44の間の隙間に浸透すれば、充填材44が固結化されて充填材44の強度が増加する。また、注入管42が積層部材43に固定されて積層部材43に十分な地圧を印加することができるため、注入管42の支持力が大きくなり安定性を確保することができる。また、注入管42の内部及び周辺地盤に浸透したグラウト液1が硬化すれば、注入管42自体の剛性にグラウト液1の剛性が加えられ、荷重に抵抗する抵抗力がさらに大きくなる。
【0050】
なお、以上では、地盤へのグラウト液注入工程(S30)と充填材44へのグラウト液1注入工程(S60)がそれぞれ個別に行われることを説明したが、2つの工程(S30、S60)は1つの工程として行うこともできる。すなわち、地盤を切土して穿孔ホール41を掘削する段階と、穿孔ホール41に注入管42を挿入する段階と、注入管42と積層部材43とを連結して、積層部材43の後方に充填材44を詰める段階が完了した後、注入管42にグラウト液1を注入してグラウト液1を充填材44及び地盤に浸透させることも可能である。
【0051】
また、積層部材43を積層して充填材44を詰めた後、穿孔ホール41を掘削することも可能である。すなわち、地盤切土、積層部材43の積層、及び充填材44の詰めを完了し、穿孔ホール41を掘削した後、注入管42を穿孔ホール41に挿入してグラウト液1を注入することも可能である。穿孔ホール41の掘削は、積層部材43を貫通して行うか、または積層部材43の挿入孔を通じて行うことができる。
【0052】
さらに、前記施工方法は、斜面を切土して積層部材43を積層する段階、穿孔ホール41を掘削して穿孔ホール41に注入管42を挿入する段階、積層部材43と注入管42とを連結して、充填材44を詰める段階、グラウト液1を圧力を加えた状態で注入管42に注入する段階の順に行うこともできる。
【0053】
さらに、前記施工方法は、地盤を切土して積層部材43を積層する段階、地盤に穿孔ホール41を掘削して、穿孔ホール41に注入管42を挿入する段階、原地盤に掘削された穿孔ホール41部分のみに多段式で圧力を印加しながら注入管42にグラウト液1を注入する段階、積層部材43と斜面間の空間に充填材44を詰める段階、注入管42にグラウト液1を注入して充填材44を固結化させる段階の順に行われることもできる。
【0054】
本発明の施工方法は、このような積層式擁壁100の施工に適用することができるが、階段式擁壁の施工にも適用することができる。図13ないし図22は、それぞれ本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工することを示す断面図である。
【0055】
図面に示すように、前記施工方法は上部擁壁200aを先に完成した後、下部擁壁200bを施工するが、本発明がこのような手順に限定されることはない。詳しくは後述する。図13ないし図22の参照符号のうち、図8ないし図12の参照符号と同一のものは同一機能を果たす同一部材を示す。
【0056】
上部擁壁200aの施工方法は、地盤を切土して穿孔ホール41を掘削する段階と、穿孔ホール41にグラウト液注入管42を挿入する段階と、注入管42にグラウト液1を注入して地盤とグラウト液1とを一体化させる段階と、前記段階を繰り返す段階と、注入管42と積層部材43とを連結して、積層部材43の後方に充填材44を詰める段階と、注入管42にグラウト液1を注入して充填材44とグラウト液1とを一体化させる段階とを含む。前記各段階は積層式擁壁100の各段階と同様の原理によって行われるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0057】
上部擁壁200aが完成された後には、下部擁壁200bが施工される。下部擁壁200bは、上部擁壁200aと同様の原理によって施工することができる。
【0058】
なお、以上では、階段式擁壁200a、200bを施工するために、上部擁壁200aが完成されてから下部擁壁200bが施工されることを説明したが、上部擁壁200aと下部擁壁200bは同時に施工することもできる。すなわち、地盤を階段式に切土し、各階段の斜面に穿孔ホール41を掘削した後、穿孔ホール41に注入管42を挿入してグラウティングを施して各階段の斜面の擁壁を同時に完成することも可能である。
【0059】
また、前述した実施例のように、地盤へのグラウト液1注入段階と充填材44へのグラウト液1注入段階はそれぞれ個別に行うこともできるが、2つの段階を1つの工程として行うこともできる。すなわち、地盤を切土して穿孔ホール41を掘削する段階と、穿孔ホール41に注入管42を挿入する段階と、注入管42と積層部材43とを連結して、積層部材43の後方に充填材44を詰める段階が完了した後、注入管42にグラウト液1を注入してグラウト液1を充填材44及び地盤に浸透させることも可能である。
【0060】
さらに、積層部材43を積層して充填材44を詰めた後、穿孔ホール41を掘削することも可能である。すなわち、地盤切土、積層部材43の積層、及び充填材44の詰めを完了し、穿孔ホール41を掘削した後、注入管42を穿孔ホール41に挿入してグラウト液1を注入することも可能である。穿孔ホール41の掘削は積層部材43を貫通して行うか、または積層部材43の挿入孔を通じて行うことができる。
【0061】
さらに、前記施工方法は、斜面を切土して積層部材43を積層する段階、穿孔ホール41を掘削して穿孔ホール41に注入管42を挿入する段階、積層部材43と注入管42とを連結して、充填材44を詰める段階、グラウト液1を、圧力を印加した状態で注入管42に注入する段階の順に行うこともできる。
【0062】
前述したように、グラウト液が充填材44の間の隙間に浸透すれば、充填材44が固結化されて充填材44の強度が増加する。また、注入管42が積層部材43に固定されて積層部材43に十分な地圧を印加することができるため、パネルを支持する注入管42の支持力が大きくなり安定性を確保することができる。また、注入管42の内部及び周辺地盤に浸透したグラウト液1が硬化すれば、注入管42自体の剛性にグラウト液1の剛性が加えられ荷重に抵抗する抵抗力がさらに大きくなる。
【0063】
さらに、前記施工方法は、地盤を切土して積層部材43を積層する段階、地盤に穿孔ホール41を掘削して穿孔ホール41に注入管42を挿入する段階、原地盤に掘削された穿孔ホール41部分のみに多段式で圧力を印加しながら注入管42にグラウト液1を注入する段階、積層部材43と斜面間の空間に充填材44を詰める段階、注入管42にグラウト液1を注入して充填材44を固結化させる段階の順に行うこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明による擁壁構造及びその施工方法は、次のような効果を有する。
第一、注入管から排出されたグラウト液が注入管周辺の地盤及び充填材に浸透して地盤及び充填材の強度が増加し、積層部材と充填材とが完全に密着されて擁壁の安定性が増加する。
第二、注入管内部及び周辺地盤に浸透したグラウト液が硬化すれば、注入管の剛性にグラウト液の剛性が加えられ、さらに大きい補強効果を奏する。
第三、注入管が積層部材に固定されることができる。
第四、充填材の強度が増大して積層部材が注入管に完全に密着するため、注入管に十分な地圧を印加することができる。よって、積層部材の支持力を増大させることができる。
第五、擁壁の裏込め空間、すなわち積層部材と斜面間の空間の安定性を確保することができる。
【符号の説明】
【0065】
41 穿孔ホール
42 グラウト液注入管
43 積層部材
44 充填材
45 パッキング部材
46 基礎ブロック
100 擁壁
200a 上部擁壁
200b 下部擁壁
【技術分野】
【0001】
本発明は、擁壁構造及びその施工方法に関し、より具体的には、擁壁積層部材の後方に詰められた充填材にグラウト液を注入して裏込め空間、すなわち積層部材と斜面との間の空間の安定性を確保することができる擁壁構造及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、擁壁は土圧に抵抗して土が崩れないように支持する構造物である。近年、ブロックのような積層部材を積み上げて擁壁を造っているが、このような擁壁は鉄筋コンクリート擁壁などに比べて斜面の切土を最小化でき、美麗な前面壁を演出することができ、さらに鉄筋コンクリート擁壁より製造が簡単且つ容易であって、現場までの運搬が容易であるという長所があるため、広く施工されている。
【0003】
積層部材を用いた擁壁は、切土した斜面を補強するために地盤{えいきゅう じばん}アンカー、ソイルネイリング、ロックボルトなどを用いている。ソイルネイリングまたはロックボルトを用いる施工法は、積層部材、例えばプレキャストコンクリート製品の大きさに応じて大型パネルを用いる工法と小型ブロックを用いる工法とに分けられる。
【0004】
大型パネルを用いる工法は、韓国特許登録第1993−0000629号公報などに開示されている。図1は前記工法によって施工された積層式擁壁を示す断面図であり、図2は前記工法によって施工された階段式擁壁を示す断面図である。
【0005】
大型パネルを用いる工法は、斜面を切土する段階と、切土された斜面に穿孔ホールを設けて穿孔ホールにソイルネイリングまたはロックボルト11を挿入する段階と、基礎ブロック12を設置して大型パネル13を積層する段階と、ソイルネイリングまたはロックボルト11と大型パネル13とを連結して大型パネル13と斜面間に充填材14を詰める段階と、ソイルネイリングまたはロックボルト11に圧縮応力を印加してブロック土塊を形成する段階とを含む。
【0006】
前記工法では、ソイルネイリングまたはロックボルト11を穿孔ホールに挿入した後、グラウト液1を穿孔ホールに注入することができる。さらに、基礎ブロック12にパイル15を垂設し、基礎ブロック12を地盤に堅固に固定することもできる。
【0007】
前記工法では、大型パネル13と斜面間の裏込め空間に充填材14を詰めて盛土するが、前記裏込め空間が狭く十分に固めることができない場合には、大型パネル13と充填材14との密着が緩み、大型パネル13に変位が生じる可能性が高い。一方、充填材14が完全に固まっていない場合、パネルを貫いたソイルネイリングまたはロックボルト11に地圧が印加されると、充填材14の支持力が十分ではないため、大型パネル13が斜面の方に不規則的に移動することがある。大型パネル13と充填材14との密着が完全ではないため、ソイルネイルリングまたはロックボルト11と大型パネル13との連結部に応力が集中して安定性が低減する。このような問題を克服するために、ソイルネイルリングまたはロックボルト11の個数を増加させて前記連結部に加えられる荷重を分散させる場合には、工期及び費用が増加する。
【0008】
一方、小型ブロックを用いる工法は、韓国特許登録第10−0372821号公報などに開示されている。図3は前記工法によって施工された積層式擁壁を示す断面図であり、図4は前記工法によって施工された階段式擁壁を示す断面図である。
【0009】
小型ブロックを用いる工法は、斜面を切土して斜面にソイルネイリングまたはロックボルト21を貫設する段階と、ソイルネイリングまたはロックボルト21に補強材22を連結した後、小型ブロック23を積層しながら補強材22と小型ブロック23とを連結する段階と、斜面と小型ブロック23間に充填材14を詰める段階とを含む。小型ブロック23は、基礎ブロック12上に積層される。基礎ブロック12にはパイル15を垂設し、基礎ブロック12を地盤に堅固に固定することもできる。
【0010】
前記工法は、小型ブロック23と斜面間の裏込め空間に充填材14を詰めて盛土するが、前記裏込め空間が狭く十分に固めることができない場合には、小型ブロック23と充填材14との密着が緩み、小型ブロック23に変位が生じる可能性が高い。
【0011】
また、前記工法は小型ブロック23を使用するため、ソイルネイリングまたはロックボルト21と小型ブロック23とが1対1の対応にならず小型ブロック23に十分な地圧を印加することができない。さらに、小型ブロック23と充填材14との密着が完全ではないため、ソイルネイリングまたはロックボルト21と小型ブロック23との連結部に応力が集中して安定性が低減する。このことを克服するために、ソイルネイルリングまたはロックボルト21の個数を増加させて前記連結部に加えられる荷重を分散させる場合には、工期及び費用が増加する。
【0012】
地盤アンカーを用いる工法は、韓国特許登録第10−0525156号公報などに開示されている。図5は前記工法によって施工された積層式擁壁を示す断面図であり、図6は前記工法によって施工された階段式擁壁を示す断面図である。
【0013】
地盤アンカーを用いる工法は、地盤アンカー31とプレキャストコンクリートパネル(以下、「PCパネル」とする)32を用いて予想破壊土壌を堅固な地盤に定着させて斜面を安定化する工法である。
【0014】
前記工法は、斜面を切土して基礎コンクリート33を設置する段階と、PCパネル32を立置きして裏込めコンクリート34を打設する段階と、裏込めコンクリート34と地盤を穿孔してアンカー31を貫設する段階と、裏込めコンクリート34の上に充填材14を詰める段階とを含む。
【0015】
前記工法は、アンカー31を貫設する前にPCパネル32を先に立設して裏込めコンクリート34を打設しなければならないだけでなく、アンカー31の定着長を堅い地盤に定着させなければならないため、アンカー31が長くならなければならない。よって、裏込めコンクリート34の養生時間及び長いアンカー31のため、工事に長時間を要し、工事費用が嵩むという問題点がある。
【0016】
また、前記工法はPCパネル32をまず立置きしてアンカー31を貫設しなければならないため、斜面補強がトップ−ダウン(TOP−DOWN)方式ではなくダウン−アップ(DOWN−UP)方式で行わなければならず、長期間臨時に切土した斜面を放置しなければならない。故に、切土された斜面に対する施工中の安定性問題が生じ、大型クレーン装備を用いて穿孔作業が行われるため、作業空間確保及び経済性の問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】韓国特許登録第1993−0000629号公報
【特許文献2】韓国特許登録第10−0372821号公報
【特許文献3】韓国特許登録第10−0525156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上記問題点を解決するために創案されたものであり、斜面と積層部材との間に詰められた充填材にグラウト液を注入し、グラウト液が充填材に浸透して固結化されることで充填材の強度を高めることができる擁壁構造及びその施工方法を提供することを目的とする。
【0019】
本発明の他の目的は、グラウト液を注入する注入管と積層部材とを一体化した擁壁構造及びその施工方法を提供するところにある。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、擁壁の裏込め空間が確保されず擁壁の安定性を備え難い場合に、このことを解決することができる擁壁構造及びその施工方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、本発明による擁壁構造は、グラウト液注入管から排出されたグラウト液が周辺の地盤に浸透し、前記注入管と積層部材とが連結され、積層部材と地盤間に詰められた充填材が前記注入管から排出されたグラウト液によって固結化される。
【0022】
望ましくは、地盤及び充填材にグラウト液を注入できるように、前記注入管にはグラウト液排出孔が長さ方向に沿って設けられる。
【0023】
さらに望ましくは、グラウト液を予め定められた圧力で地盤に噴射できるように、穿孔ホールの入口にはパッキング部材が設けられる。
【0024】
望ましくは、積層部材の間の隙間からグラウト液が外部に漏れることを防止するために、積層部材の裏面には遮水マットが設けられる。
【0025】
さらに望ましくは、注入管は穿孔ホールに挿入され、穿孔ホールの外部に突出する部分の前記排出孔は、植木を植える必要がある場合、下向きに形成される。
【0026】
一方、本発明による擁壁施工方法は、(a)地盤に貫設されたグラウト液注入管と積層部材とを連結する段階と、(b)積層部材の後方に充填材を詰める段階と、(c)前記注入管にグラウト液を注入して充填材を固結化させる段階とを含む。
【0027】
望ましくは、段階(a)及び段階(b)のうちのいずれかは、前記注入管にグラウト液を注入して、グラウト液を地盤に浸透させる段階をさらに含む。
【0028】
本発明による擁壁の他の施工方法は、(a1)地盤を切土して積層部材を積層する段階と、(b1)積層部材の後方に充填材を詰める段階と、(c1)積層部材を貫通し、充填材及び地盤を穿孔してグラウト液注入管を貫設する段階と、(d1)前記注入管を通ってグラウト液を注入する段階とを含む。
【0029】
本発明による擁壁のさらに他の施工方法は、(a2)地盤を切土して積層部材を積層する段階と、(b2)地盤に穿孔ホールを掘削して穿孔ホールに注入管を挿入する段階と、(c2)積層部材と注入管とを連結して、充填材を詰める段階と、(d2)グラウト液を圧力を印加した状態で注入管に注入する段階とを含む。
【0030】
本発明による擁壁のさらに他の施工方法は、(a3)地盤を切土して積層部材を積層する段階と、(b3)地盤に穿孔ホールを掘削して穿孔ホールに注入管を挿入する段階と、(c3)原地盤に掘削された穿孔ホール部分のみに多段式で圧力を印加しながら注入管にグラウト液を注入する段階と、(d3)積層部材と斜面間の空間に充填材を詰める段階と、(e3)注入管にグラウト液を注入して充填材を固結化させる段階とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来技術による擁壁を示す断面図である。
【図2】従来技術による擁壁を示す断面図である。
【図3】従来技術による擁壁を示す断面図である。
【図4】従来技術による擁壁を示す断面図である。
【図5】従来技術による擁壁を示す断面図である。
【図6】従来技術による擁壁を示す断面図である。
【図7】本発明の望ましい実施例によって積層式擁壁を施工する工程を示すフローチャートである。
【図8】本発明の望ましい実施例によって積層式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図9】本発明の望ましい実施例によって積層式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図10】本発明の望ましい実施例によって積層式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図11】本発明の望ましい実施例によって積層式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図12】本発明の望ましい実施例によって積層式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図13】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図14】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図15】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図16】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図17】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図18】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図19】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図20】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図21】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【図22】本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工する工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は、一般的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点において、これらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0033】
本発明は、積層部材と斜面との間に詰められた充填材にグラウト液を注入して充填材の強度を高めることができ、積層部材と前記注入管とを一体化することができ、さらに擁壁の裏込め空間が確保されず擁壁の安定性を備え難い場合に、このことを解決することができるところにその特徴がある。以下、このような擁壁の施工方法と共に、その構造も説明する。なお、本明細書において「積層部材」とは、擁壁の壁体を構成する擁壁用ブロック、プレキャストコンクリートパネルなどを含む意味であると定義する。
【0034】
図7は、本発明の望ましい実施例によって積層式擁壁を施工する工程を示すフローチャートであって、前記積層式擁壁の施工を示す断面図である。
【0035】
図面を参照すれば、前記擁壁の施工方法は、地盤を切土して穿孔ホール41を掘削する段階(S10)と、穿孔ホール41にグラウト液注入管42を挿入する段階(S20)と、注入管42にグラウト液1を注入して地盤とグラウト液1とを一体化させる段階(S30)と、段階S10ないし段階S30を繰り返す段階(S40)と、注入管42と積層部材43とを連結して積層部材43の後方に充填材44を詰める段階(S50)と、注入管42にグラウト液1を注入して充填材44とグラウト液1とを一体化させる段階(S60)とを含む。
【0036】
まず、地盤を切土し、切土された斜面に穿孔ホール41を掘削する(S10)。地盤の切土及び穿孔ホール41の掘削は、通常の擁壁施工と同様に行われるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0037】
穿孔ホール41の掘削が完了した後は、図8に示すように、穿孔ホール41にグラウト液注入管42を挿入する(S20)。注入管42には、グラウト液を外部に排出するグラウト液排出孔42aが設けられる。望ましくは、地盤及び充填材44にそれぞれグラウト液を注入できるように、排出孔42aは注入管42の長さ方向に沿って設けられる。さらに、穿孔ホール41の外部に突出する注入管42の部分には、排出孔42aが下に向かうように設けられることが望ましいが、これはグラウト液1が下方に噴射されるようにして注入管42の上部に植木を植えることができるようにするためである。
【0038】
注入管42は、一定直径の鋼管で製作することができる。注入管42と穿孔ホール41間の間隔を一定に維持できるように、注入管42の周りには予め定められた間隔でスペーサー(図示せず)を設けることができる。
【0039】
穿孔ホール41に注入管42を挿入した後は、図9に示すように、注入管42にグラウト液1を注入して地盤とグラウト液1とを一体化させる(S30)。穿孔ホール41の入口には予め定められた圧力でグラウト液1を穿孔ホール41に注入できるようにパッキング部材45が設けられる。パッキング部材45は、注入管42と穿孔ホール41間の隙間を密閉してグラウト液1が穿孔ホール41の外部に漏れることを防止する。
【0040】
グラウト液1によって穿孔ホール41が満たされるまでは、圧力が印加されない状態でグラウト液1が穿孔ホール41に注入され、穿孔ホール41が満たされた後には圧力が印加された状態でグラウト液1が注入される。前記圧力はグラウト液1が地盤に効果的に浸透できるようにする。
【0041】
望ましくは、グラウト液1の注入は圧力多段式グラウト装置(図示せず)によって行われる。前記圧力多段式グラウト装置は、注入用メカニカルゴムパッカーまたは水圧パッカーを用いて注入管42を一定個数の区域に区切り、各区域別に圧力を印加しながらグラウト液1を注入することができる装置である。よって、前記注入パッカーシステムは、パッキング部材45と対応する注入管42の部分を基準として、穿孔ホール41内部に挿入された注入管42に圧力が印加されるようにグラウト液1を注入する。注入されたグラウト液1は地盤に浸透して、地盤と一体化される。
【0042】
次いで、図10に示すように、斜面の上端から前記S10段階ないしS30段階を繰り返して斜面を補強する(S40)。すなわち、地盤切土工程、穿孔ホール41掘削工程、穿孔ホール41に注入管42を挿入する工程、注入管42にグラウト液1を注入する工程が全て完了した後、下に下がって前記工程を繰り返す。一方、前記方法とは違って、地盤切土工程、穿孔ホール41掘削工程、穿孔ホール41に注入管42を挿入する工程は、先行する工程が完了してから次の工程が順次行われることもできる。
【0043】
次いで、図11に示すように、注入管42と積層部材43とを連結して、積層部材43の後方に充填材44を詰める(S50)。地盤には基礎ブロック46が設けられ、積層部材43は基礎ブロック46の上部に積層される。注入管42は積層部材43に予め設けられた挿入孔(図示せず)に挿入された後、通常の連結部材、すなわち注入管42の外周面に形成されたネジ山と係合するネジ山を持ったナット(図示せず)によって連結することができる。土砂、骨材などのような通常の充填材44が使用できるが、充填材44は荷重を加えて押し固めることが望ましい。
【0044】
望ましくは、積層部材43の裏面には遮水マット(図示せず)が設けられる。遮水マットは、充填材44にグラウト液1が注入される場合に、グラウト液1が積層部材43の間の隙間から漏れることを防止する。充填材44へのグラウト液1の注入が完了すれば、積層部材43の間の隙間に切断部材を挿入して遮水マットを切断する。前記切断は地盤及び充填材44内部の水を排出させるためである。
【0045】
また、斜面と充填材44間には不織布(図示せず)を設けることもできる。
【0046】
充填材44を詰めた後には、図12に示すように、注入管42にグラウト液1を注入して充填材44とグラウト液1とを一体化させる。グラウト液1は充填材44の間の隙間に浸透して充填材44を固結化させることで、充填材44の強度を増加させる。
【0047】
グラウト液1は、圧力が印加された状態で注入することが望ましい。このようなグラウト液1の注入作業にも、前記圧力多段式グラウト装置が使われ得る。
【0048】
前述したように、穿孔ホール41の外部に突出した注入管42部分の排出孔42aが下向きに形成された場合には、グラウト液1が下方に排出されるため注入管42の上部には植木を植えること(図示せず)が可能になる。
【0049】
グラウト液が充填材44の間の隙間に浸透すれば、充填材44が固結化されて充填材44の強度が増加する。また、注入管42が積層部材43に固定されて積層部材43に十分な地圧を印加することができるため、注入管42の支持力が大きくなり安定性を確保することができる。また、注入管42の内部及び周辺地盤に浸透したグラウト液1が硬化すれば、注入管42自体の剛性にグラウト液1の剛性が加えられ、荷重に抵抗する抵抗力がさらに大きくなる。
【0050】
なお、以上では、地盤へのグラウト液注入工程(S30)と充填材44へのグラウト液1注入工程(S60)がそれぞれ個別に行われることを説明したが、2つの工程(S30、S60)は1つの工程として行うこともできる。すなわち、地盤を切土して穿孔ホール41を掘削する段階と、穿孔ホール41に注入管42を挿入する段階と、注入管42と積層部材43とを連結して、積層部材43の後方に充填材44を詰める段階が完了した後、注入管42にグラウト液1を注入してグラウト液1を充填材44及び地盤に浸透させることも可能である。
【0051】
また、積層部材43を積層して充填材44を詰めた後、穿孔ホール41を掘削することも可能である。すなわち、地盤切土、積層部材43の積層、及び充填材44の詰めを完了し、穿孔ホール41を掘削した後、注入管42を穿孔ホール41に挿入してグラウト液1を注入することも可能である。穿孔ホール41の掘削は、積層部材43を貫通して行うか、または積層部材43の挿入孔を通じて行うことができる。
【0052】
さらに、前記施工方法は、斜面を切土して積層部材43を積層する段階、穿孔ホール41を掘削して穿孔ホール41に注入管42を挿入する段階、積層部材43と注入管42とを連結して、充填材44を詰める段階、グラウト液1を圧力を加えた状態で注入管42に注入する段階の順に行うこともできる。
【0053】
さらに、前記施工方法は、地盤を切土して積層部材43を積層する段階、地盤に穿孔ホール41を掘削して、穿孔ホール41に注入管42を挿入する段階、原地盤に掘削された穿孔ホール41部分のみに多段式で圧力を印加しながら注入管42にグラウト液1を注入する段階、積層部材43と斜面間の空間に充填材44を詰める段階、注入管42にグラウト液1を注入して充填材44を固結化させる段階の順に行われることもできる。
【0054】
本発明の施工方法は、このような積層式擁壁100の施工に適用することができるが、階段式擁壁の施工にも適用することができる。図13ないし図22は、それぞれ本発明の望ましい実施例によって階段式擁壁を施工することを示す断面図である。
【0055】
図面に示すように、前記施工方法は上部擁壁200aを先に完成した後、下部擁壁200bを施工するが、本発明がこのような手順に限定されることはない。詳しくは後述する。図13ないし図22の参照符号のうち、図8ないし図12の参照符号と同一のものは同一機能を果たす同一部材を示す。
【0056】
上部擁壁200aの施工方法は、地盤を切土して穿孔ホール41を掘削する段階と、穿孔ホール41にグラウト液注入管42を挿入する段階と、注入管42にグラウト液1を注入して地盤とグラウト液1とを一体化させる段階と、前記段階を繰り返す段階と、注入管42と積層部材43とを連結して、積層部材43の後方に充填材44を詰める段階と、注入管42にグラウト液1を注入して充填材44とグラウト液1とを一体化させる段階とを含む。前記各段階は積層式擁壁100の各段階と同様の原理によって行われるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0057】
上部擁壁200aが完成された後には、下部擁壁200bが施工される。下部擁壁200bは、上部擁壁200aと同様の原理によって施工することができる。
【0058】
なお、以上では、階段式擁壁200a、200bを施工するために、上部擁壁200aが完成されてから下部擁壁200bが施工されることを説明したが、上部擁壁200aと下部擁壁200bは同時に施工することもできる。すなわち、地盤を階段式に切土し、各階段の斜面に穿孔ホール41を掘削した後、穿孔ホール41に注入管42を挿入してグラウティングを施して各階段の斜面の擁壁を同時に完成することも可能である。
【0059】
また、前述した実施例のように、地盤へのグラウト液1注入段階と充填材44へのグラウト液1注入段階はそれぞれ個別に行うこともできるが、2つの段階を1つの工程として行うこともできる。すなわち、地盤を切土して穿孔ホール41を掘削する段階と、穿孔ホール41に注入管42を挿入する段階と、注入管42と積層部材43とを連結して、積層部材43の後方に充填材44を詰める段階が完了した後、注入管42にグラウト液1を注入してグラウト液1を充填材44及び地盤に浸透させることも可能である。
【0060】
さらに、積層部材43を積層して充填材44を詰めた後、穿孔ホール41を掘削することも可能である。すなわち、地盤切土、積層部材43の積層、及び充填材44の詰めを完了し、穿孔ホール41を掘削した後、注入管42を穿孔ホール41に挿入してグラウト液1を注入することも可能である。穿孔ホール41の掘削は積層部材43を貫通して行うか、または積層部材43の挿入孔を通じて行うことができる。
【0061】
さらに、前記施工方法は、斜面を切土して積層部材43を積層する段階、穿孔ホール41を掘削して穿孔ホール41に注入管42を挿入する段階、積層部材43と注入管42とを連結して、充填材44を詰める段階、グラウト液1を、圧力を印加した状態で注入管42に注入する段階の順に行うこともできる。
【0062】
前述したように、グラウト液が充填材44の間の隙間に浸透すれば、充填材44が固結化されて充填材44の強度が増加する。また、注入管42が積層部材43に固定されて積層部材43に十分な地圧を印加することができるため、パネルを支持する注入管42の支持力が大きくなり安定性を確保することができる。また、注入管42の内部及び周辺地盤に浸透したグラウト液1が硬化すれば、注入管42自体の剛性にグラウト液1の剛性が加えられ荷重に抵抗する抵抗力がさらに大きくなる。
【0063】
さらに、前記施工方法は、地盤を切土して積層部材43を積層する段階、地盤に穿孔ホール41を掘削して穿孔ホール41に注入管42を挿入する段階、原地盤に掘削された穿孔ホール41部分のみに多段式で圧力を印加しながら注入管42にグラウト液1を注入する段階、積層部材43と斜面間の空間に充填材44を詰める段階、注入管42にグラウト液1を注入して充填材44を固結化させる段階の順に行うこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明による擁壁構造及びその施工方法は、次のような効果を有する。
第一、注入管から排出されたグラウト液が注入管周辺の地盤及び充填材に浸透して地盤及び充填材の強度が増加し、積層部材と充填材とが完全に密着されて擁壁の安定性が増加する。
第二、注入管内部及び周辺地盤に浸透したグラウト液が硬化すれば、注入管の剛性にグラウト液の剛性が加えられ、さらに大きい補強効果を奏する。
第三、注入管が積層部材に固定されることができる。
第四、充填材の強度が増大して積層部材が注入管に完全に密着するため、注入管に十分な地圧を印加することができる。よって、積層部材の支持力を増大させることができる。
第五、擁壁の裏込め空間、すなわち積層部材と斜面間の空間の安定性を確保することができる。
【符号の説明】
【0065】
41 穿孔ホール
42 グラウト液注入管
43 積層部材
44 充填材
45 パッキング部材
46 基礎ブロック
100 擁壁
200a 上部擁壁
200b 下部擁壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラウト液注入管から排出されたグラウト液が周辺地盤に浸透し、前記注入管と積層部材とが連結され、さらに積層部材と地盤との間に詰められた充填材が前記注入管から排出されたグラウト液によって固結化されたことを特徴とする擁壁構造。
【請求項2】
地盤及び充填材にグラウト液を注入できるように、前記注入管にはグラウト液排出孔が長さ方向に沿って設けられることを特徴とする請求項1に記載の擁壁構造。
【請求項3】
グラウト液を予め定められた圧力で地盤に噴射できるように、穿孔ホールの入口にはパッキング部材が設けられることを特徴とする請求項2に記載の擁壁構造。
【請求項4】
積層部材の間の隙間からグラウト液が外部に漏れることを防止するために、積層部材の裏に遮水マットが設けられることを特徴とする請求項1に記載の擁壁構造。
【請求項5】
注入管が穿孔ホールに挿入され、
穿孔ホールの外部に突出する部分の前記排出孔が下向きに設けられることを特徴とする請求項2に記載の擁壁構造。
【請求項6】
(a)地盤に貫設されたグラウト液注入管と積層部材とを連結する段階と、
(b)積層部材の後方に充填材を詰める段階と、
(c)前記注入管にグラウト液を注入して充填材を固結化させる段階と、
を含むことを特徴とする擁壁の施工方法。
【請求項7】
段階(a)と段階(b)のうちのいずれかは、前記注入管にグラウト液を注入してグラウト液を地盤に浸透させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の擁壁の施工方法。
【請求項8】
(a1)地盤を切土して積層部材を積層する段階と、
(b1)積層部材の後方に充填材を詰める段階と、
(c1)層部材を貫通して充填材及び地盤を穿孔してグラウト液注入管を貫設する段階と、
(d1)前記注入管を通ってグラウト液を注入する段階と、
を含むことを特徴とする擁壁の施工方法。
【請求項9】
(a2)地盤を切土して積層部材を積層する段階と、
(b2)地盤に穿孔ホールを掘削して穿孔ホールに注入管を挿入する段階と、
(c2)積層部材と注入管とを連結して、充填材を詰める段階と、
(d2)グラウト液を圧力を印加した状態で注入管に注入する段階と、
を含むことを特徴とする擁壁の施工方法。
【請求項10】
(a3)地盤を切土して積層部材を積層する段階と、
(b3)地盤に穿孔ホールを掘削して穿孔ホールに注入管を挿入する段階と、
(c3)原地盤に掘削された穿孔ホール部分のみに多段式で圧力を印加しながら注入管にグラウト液を注入する段階と、
(d3)積層部材と斜面との間の空間に充填材を詰める段階と、
(e3)注入管にグラウト液を注入して充填材を固結化させる段階と、
を含むことを特徴とする擁壁の施工方法。
【請求項1】
グラウト液注入管から排出されたグラウト液が周辺地盤に浸透し、前記注入管と積層部材とが連結され、さらに積層部材と地盤との間に詰められた充填材が前記注入管から排出されたグラウト液によって固結化されたことを特徴とする擁壁構造。
【請求項2】
地盤及び充填材にグラウト液を注入できるように、前記注入管にはグラウト液排出孔が長さ方向に沿って設けられることを特徴とする請求項1に記載の擁壁構造。
【請求項3】
グラウト液を予め定められた圧力で地盤に噴射できるように、穿孔ホールの入口にはパッキング部材が設けられることを特徴とする請求項2に記載の擁壁構造。
【請求項4】
積層部材の間の隙間からグラウト液が外部に漏れることを防止するために、積層部材の裏に遮水マットが設けられることを特徴とする請求項1に記載の擁壁構造。
【請求項5】
注入管が穿孔ホールに挿入され、
穿孔ホールの外部に突出する部分の前記排出孔が下向きに設けられることを特徴とする請求項2に記載の擁壁構造。
【請求項6】
(a)地盤に貫設されたグラウト液注入管と積層部材とを連結する段階と、
(b)積層部材の後方に充填材を詰める段階と、
(c)前記注入管にグラウト液を注入して充填材を固結化させる段階と、
を含むことを特徴とする擁壁の施工方法。
【請求項7】
段階(a)と段階(b)のうちのいずれかは、前記注入管にグラウト液を注入してグラウト液を地盤に浸透させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の擁壁の施工方法。
【請求項8】
(a1)地盤を切土して積層部材を積層する段階と、
(b1)積層部材の後方に充填材を詰める段階と、
(c1)層部材を貫通して充填材及び地盤を穿孔してグラウト液注入管を貫設する段階と、
(d1)前記注入管を通ってグラウト液を注入する段階と、
を含むことを特徴とする擁壁の施工方法。
【請求項9】
(a2)地盤を切土して積層部材を積層する段階と、
(b2)地盤に穿孔ホールを掘削して穿孔ホールに注入管を挿入する段階と、
(c2)積層部材と注入管とを連結して、充填材を詰める段階と、
(d2)グラウト液を圧力を印加した状態で注入管に注入する段階と、
を含むことを特徴とする擁壁の施工方法。
【請求項10】
(a3)地盤を切土して積層部材を積層する段階と、
(b3)地盤に穿孔ホールを掘削して穿孔ホールに注入管を挿入する段階と、
(c3)原地盤に掘削された穿孔ホール部分のみに多段式で圧力を印加しながら注入管にグラウト液を注入する段階と、
(d3)積層部材と斜面との間の空間に充填材を詰める段階と、
(e3)注入管にグラウト液を注入して充填材を固結化させる段階と、
を含むことを特徴とする擁壁の施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2010−506066(P2010−506066A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531315(P2009−531315)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【国際出願番号】PCT/KR2007/004102
【国際公開番号】WO2009/025406
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(509099198)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【国際出願番号】PCT/KR2007/004102
【国際公開番号】WO2009/025406
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(509099198)
【Fターム(参考)】
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