説明

擁壁用ブロックの製造方法および擁壁用ブロック

【課題】コンクリート材の充填不足を解消した高強度の擁壁用ブロックの製造方法および擁壁用ブロックを提供する。
【解決手段】底枠31と、この底枠31の縁から立設した向かい合う側枠32と、この側枠32間に渡された中子40とから構成された擁壁用ブロック10の型枠30に、底枠31と向かい合う開放面34からコンクリート材1を投入した後、開放面側34から型押しして擁壁用ブロック10を製造する擁壁用ブロックの製造方法において、中子40を、開放面34に向けて略凸状に形成した山折面41と、底枠31に向けて略凸状に形成した谷折面42とから形成し、投入したコンクリート材1を山折面41で滑らせて底枠31に蓄積し、蓄積したコンクリート材1を傾れさせて谷折面42と底枠31との間に充填する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート材の充填不足を解消した擁壁用ブロックの製造方法および擁壁用ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、道路、鉄道などの法面、宅地造成地などの傾斜面、または河川などの護岸などに用いられる擁壁であるコンクリートブロックの製造方法として、型枠の側面間に渡された中子の上側から流動性の高いコンクリート材を流し込んで製造する流し込み方式と、流動性のないゼロスランプコンクリート材を供給して圧縮によって締め固める即時脱型方式とが知られている。図5に、ゼロスランプコンクリート材による従来のコンクリートブロックの製造過程の概略断面を示す。
【0003】
上記した流し込み方式では、流動性の高いコンクリート材(スランプ3cmないし10cm)を流し込むため、コンクリート材の充填性がよく、中子と型枠の底との間にコンクリート材が充填される。一方、即時脱型方式では、図5に示すように流動性のないゼロスランプコンクリート材100を供給するため、中子400と型枠300の底310との間にコンクリート材100が充填されにくく、コンクリートブロックの成形が困難となる。また、充填不足によるコンクリートブロックの変形や、強度不足の問題も生じ易い。そこで、次に示すコンクリートブロックの製造方法が下記特許文献1に提案されている。
【0004】
このコンクリートブロックの製造方法は、底枠と、この底枠の縁から立設された側面枠とで略直方体に形成された型枠の側面枠間に、底枠に平行である扁平な中子を差し渡して装着し、この型枠に振動を与えながら上方から硬練りのコンクリート材を供給し、底枠を所定長上昇させてコンクリート材を持ち上げた後、プレス板で上方から型押ししてコンクリート材を締め固めるものである。固められたコンクリートブロックは即時脱型され、取り出された中子の跡には挿通孔が形成される。
【0005】
このコンクリートブロックの製造方法によれば、底枠が所定長上昇することでコンクリート材が持ち上げられて底枠と中子との間にコンクリート材が充填されるため、挿通孔の周りに鬆がないコンクリートブロックを製造できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−337121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、この発明を更に改良し、底枠が上昇する前に、すなわち、供給する段階でコンクリート材を中子と底枠との間に充填することができる構成とすれば、より確実に鬆をなくすことができ、高強度のコンクリートブロックを製造することができると考えられる。
【0008】
本発明は、上記着想から提案されたものである。すなわち、確実にコンクリート材の充填不足を解消した高強度の擁壁用ブロックを製造する擁壁用ブロックの製造方法、および擁壁用ブロックの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、底枠と、この底枠の縁から立設した向かい合う側枠と、前記側枠間に渡された中子とから構成された擁壁用ブロックの型枠に、前記底枠と向かい合う開放面からコンクリート材を投入した後、前記開放面側から型押しする型押し工程を経て擁壁用ブロックを製造する擁壁用ブロックの製造方法において、前記中子が、前記開放面に向けて略凸状に形成された山折面と、前記底枠に向けて略凸状に形成された谷折面とから形成された前記擁壁用ブロックの型枠を用い、投入した前記コンクリート材を前記山折面で滑らせて前記底枠に蓄積し、蓄積した前記コンクリート材を傾れさせて前記谷折面と前記底枠との間に充填する充填工程、を含む、ことを特徴としている。
【0010】
また、前記型押し工程では、前記擁壁用ブロックの型枠の前記山折面および前記谷折面に、前記開放面および前記底枠に平行な平坦面をそれぞれ形成し、前記コンクリート材を介して前記平坦面に圧力を加える、ことを特徴としている。
【0011】
また、上面部から下面部を貫く鉄筋連結穴が形成された擁壁用ブロックであって、前記鉄筋連結穴は、前記上面部および前記下面部と直交する背面部に向けて略凸状に形成された山折部と、前記背面部に平行な正面部に向けて略凸状に形成された谷折部とから形成された、ことを特徴としている。
【0012】
また、前記山折部および前記谷折部には、前記背面部および前記正面部に平行な平坦部がそれぞれ形成された、ことを特徴としている。
【0013】
なお、底枠と、この底枠の縁から立設された向かい合う側枠と、前記側枠に備えられた中子と、前記底枠と向かい合う開放面と、から構成された擁壁用ブロックの型枠において、前記中子は、前記開放面に向けて略凸状に形成された山折面と、前記底枠に向けて略凸状に形成された谷折面とから形成され、前記山折面および前記谷折面に、前記開放面および前記底枠に平行な平坦面が形成された擁壁用ブロックの型枠を用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る擁壁用ブロックの製造方法および擁壁用ブロックによれば、コンクリート材の充填不足を解消することができ、擁壁用ブロックの強度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る擁壁用ブロックの一実施形態を示す図であり、(a)は透かし斜視図、(b)は平面図である。
【図2】本発明に係る擁壁用ブロックを製造するための型枠の概略を示す概略斜視図である。
【図3】本発明に係る擁壁用ブロックの製造方法の充填工程における中子近辺の様子を拡大して示す拡大概略説明図であり、(a)はコンクリート材の充填途中の図、(b)はコンクリート材が傾れる様子を表した図、(c)は充填完了後の図である。
【図4】本発明に係る擁壁用ブロックの他の実施形態を示す図であり、(a)は透かし斜視図、(b)は(a)のX−X断面図である。
【図5】ゼロスランプコンクリート材による従来のコンクリートブロックの製造過程の概略を説明する概略断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る擁壁用ブロックの一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1(a)、(b)において、本実施形態に係る擁壁用ブロック10は、上面部11および下面部12と、この上面部11および下面部12の幅方向の辺(長辺)と直交する正面部13および背面部14と、厚さ方向の辺(短辺)と直交する両側面部15とから、略直方体形状に形成されている。上面部11から下面部12を貫く鉄筋連結穴20は、擁壁用ブロック10の高さ方向に貫通されている。
【0018】
上面部11の厚さ方向(短辺方向)の途中には、幅方向(長辺方向)に延びる半円形状の上凸部11aが鉄筋連結穴20の開口部23を避けるように断続して形成され、下面部12には、上凸部11aに対応する半円形状の下凹部12aが幅方向(長辺方向)に連続して形成されている。両側面部15には、下凹部12aと連接する半円形状の側凹部15aが高さ方向に連続して形成されている。また、上面部11の略中央には、ワイヤーで釣り上げるための図示しないデハアンカーが埋設され、両側面部15の一方には、施工後の水抜き用の図示しないパイプ装着路が形成されている。正面部13には、例えば、図示しない御影石などの天然石模様、人工模様などの装飾が施されている。施工の際、上凸部11aと下凹部12aとは縦に積み上げられた擁壁用ブロック10同士を嵌合し、側凹部15aは横に並べられた擁壁用ブロック10同士を結合する間詰コンクリートの充填部となる。
【0019】
鉄筋連結穴20の開口部23は、上面部11および下面部12に、厚さ方向(短辺方向)の略中央の両端から幅方向(長辺方向)に略四分の一ずつ互いに近づく位置に形成されている。
【0020】
この鉄筋連結穴20の断面は、略菱形に形成されている。すなわち、鉄筋連結穴20の内側面部は、背面部14に向けて略凸状に形成された山折部21と、正面部13に向けて略凸状に形成された谷折部22と、側面部15に向けて略凸条に形成された連接部26とから構成されている。
【0021】
山折部21は、一端が背面部14側で互いに近づき、他端が正面部13側に向かって互いに離れる山折斜部21aと、この山折斜部21aの一端同士を連接し、背面部14に平行に形成された山側平坦部21bとから構成されている。同様に、谷折部22は、他端が背面部14側で互いに離れ、一端が正面部13側で互いに近づく谷折斜部22aと、この谷折斜部22aの一端同士を連接し、正面部13に平行に形成された谷側平坦部22bとから構成されている。連接部26は、山折斜部21aおよび谷折斜部22aの他端同士をなだらかに連接している。
【0022】
谷折部22と正面部13との間には、後述するようにコンクリート材1が隙間なく充填されているため、擁壁用ブロック10の強度が高くなる。
【0023】
以上のようにして、擁壁用ブロック10は構成されている。次に、この擁壁用ブロック10を製造するための型枠30の概略を図面に基づいて説明する。
【0024】
図2において、型枠30は、一の面に開放面34を有する略直方体形状に形成され、側面間に中子40が渡されている。型枠30は、底枠31と、この底枠31の長辺側の縁から立設された長側枠32と、底枠31の短辺側の縁から立設された短側枠33と、底枠31と向かい合う開放面34とから構成され、向かい合う長側枠32間には、中子40が一方の長側枠32から他方の長側枠32へ貫通して装着されている。また、図示しないが、長側枠32には擁壁用ブロック10の上凸部11aおよび下凹部12aを形成する凹凸部が、短側枠33には側凹部15aを形成する凸部がそれぞれ形成されている(図1(a)参照)。さらに、底枠31には、擁壁用ブロック10の正面部13に御影石模様などの装飾を施すための図示しない凹凸が形成されている。型枠30に供給されるコンクリート材1は、型枠30の開放面34と略同じ大きさに形成された型押板35によって上方から型押しされる。
【0025】
図2、図3(a)において、中子40は、断面が略菱形に形成されている。すなわち、中子40の外側面は、開放面34に向けて略凸状に形成された山折面41と、底枠31に向けて略凸状に形成された谷折面42と、短側枠33に向けて略凸条に形成された連接面43とから構成されている。
【0026】
山折面41は、一端が開放面34側で互いに近づき、他端が底枠31側に向かって互いに離れる山折斜面41aと、この山折斜面41aの一端同士を連接し、開放面34に平行に形成された山側平坦面41bとから構成されている。同様に、谷折面42は、他端が開放面34側で互いに離れ、一端が底枠31側に向かって互いに近づく谷折斜面42aと、この谷折面42の一端同士を連接し、底枠31に平行に形成された谷側平坦面42bとから構成されている。連接面43は、山折斜面41aおよび谷折斜面42aの他端同士をなだらかに連接している。
【0027】
底枠31から中子40までの領域は、図3(b)に示すように、谷折面42によって、谷側平坦面42b側から連接面43側に向けて徐々に底枠31から離れて高くなるように広がって形成された案内領域A(斜線部分)である。
【0028】
以上のようにして、型枠30は構成されている。次に、この型枠30を用いた本発明に係る擁壁用ブロックの製造方法の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
まず、図2に示すように、長側枠32間に中子40を貫通させて渡し型枠30を形成し、コンクリート材1を型枠30に供給するための例えばホッパーなどの図示しない供給装置にゼロスランプのコンクリート材1を投入する。
【0030】
次に、充填工程として、図2、図3(a)において、供給装置を型枠30の開放面34に沿って長側枠32間でスライドさせて、型枠30にコンクリート材1を万遍なく供給する。コンクリート材1を開放面34から型枠30内に供給すると、コンクリート材1の一部が中子40に当たる。そのため、コンクリート材1の一部が中子40を構成する山折面41の山折斜面41aを滑り下りることで迂回して底枠31に蓄積し、中子40を構成する谷折面42と底枠31との間にはわずかな空隙2が生じる。
【0031】
コンクリート材1は、原則として定形がないゼロスランプの粉粒体であるため、型枠30の形状に沿って成形されるが、空隙2の周囲では自由端となるため丘陵部1aを形成する。丘陵部1aは麓部1bが底枠31に沿って空隙2へ伸びており、供給し続けたコンクリート材1が底枠31に蓄積されると丘陵部1aの高さが増し、やがて麓部1bへ向けて傾れる。コンクリート材1が傾れた分だけ麓部1bが空隙2へ向けて伸びるため、空隙2を底枠31側から埋めていく(図3(b)参照)。
【0032】
特に、本実施形態では、図3(b)に示すように、中子40を構成する谷折面42によって、案内領域A(斜線部分)が形成されているため、コンクリート材1を空隙2に充填しやすい。案内領域Aは、谷側平坦面42b側から連接面43側に向けて徐々に底枠31から離れて高くなるように広げられて形成されているため、コンクリート材1を型枠30に供給し続けると、丘陵部1aの高さがより増していく。高さが増した丘陵部1aは空隙2へ向けて傾れ、麓部1bとなる。また、傾れた丘陵1aによって麓部1bは空隙2の中央に向けてより伸びていく。これが繰り返される結果、コンクリート材1が空隙2を底枠31側から埋めていき、谷折面42と底枠31との間に隙間がなくなり、充填が完了する(図3(c)参照)。
【0033】
次に、型押し工程として、図2、図3(c)において、型押板35を下降して型枠30の開放面34側から押し当て、型枠30に供給、充填したコンクリート材1を型押しする。この型押し時の圧力が、コンクリート材1を介して、中子40の山折面41および谷折面42に形成された、開放面34および底枠31に平行な山側平坦面41bおよび谷側平坦面42bに加わり、山側平坦面41bと型押板35との間、谷側平坦面42bと底枠31との間に充填したコンクリート材1を型押しする。
【0034】
特に、上記した充填工程を経ることで、谷折面42と底枠31との間にコンクリート材1が隙間なく充填されるため、確実に型押し時の圧力を加えてコンクリート材1を型押しする。
【0035】
その後、型押板35を上昇させ、中子40を抜去して取り外し、型枠30から即時脱型することで擁壁用ブロック10を製造する。
【0036】
型枠30にコンクリート材1を供給する際、または、型押板35で型押しする際に、型枠30、型押板35に振動機構による振動を付与してもよい。振動により、コンクリート材1を型枠30の隅々に隙間なく充填し、また、丘陵部1aの傾れを促して確実にコンクリート材1を中子40の谷折面42と型枠30の底枠31との間に充填し、高強度の擁壁用ブロック10を製造することができる。
【0037】
また、充填工程と型押し工程との間に、すなわち、型枠30にコンクリート材1を供給した後、型押板35により型押しする前に、底枠31を上昇する上昇工程を備えてもよい。底枠31を上昇することにより、コンクリート材1を中子40の谷折面42と型枠30の底枠31との間に隙間なく充填し、高強度の擁壁用ブロック10を製造することができる。
【0038】
上記の通り、本発明に係る擁壁用ブロック10および擁壁用ブロックの製造方法の実施形態によれば、中子40の谷折面42と型枠30の底枠31との間でコンクリート材の充填不足が解消されるため、高強度の擁壁用ブロック10を提供することができる。
【0039】
また、中子40は、開放面34に向けて略凸状に形成された山折面41と、底枠31に向けて略凸状に形成された谷折面42とから形成されている。この構成により、開放面34から供給したコンクリート材1が中子40の山折面41を滑り下りるため、山折面41に蓄積することがない。
【0040】
また、中子40を構成する谷折面42によって、案内領域Aが形成されているため、コンクリート材1を空隙2に充填しやすい。案内領域Aは、谷側平坦面42b側から連接面43側に向けて徐々に底枠31から離れて高くなるように広げられて形成されている。この構成により、コンクリート材1を型枠30に供給し続け、丘陵部1aの高さがより増すと、傾れたコンクリート材1によって麓部1bを空隙2の中央に向けてより伸ばすことができる。高さが増した分だけ大量のコンクリート材1を空隙2へ向けて傾れさせることができる。したがって、コンクリート材1が空隙2を底枠31側から埋めていき、コンクリート材1によって谷折面42と底枠31との間を隙間なく充填することができる。
【0041】
また、本実施形態では、山折面41には山側平坦面41bが、谷折面42には谷側平坦面42bがそれぞれ形成されている。この構成により、型押し時の圧力を逃がすことなく、型押し方向と直交する山側平坦面41bおよび谷側平坦面42bに加えることができる。したがって、コンクリート材1を、山側平坦面41bと型押板35との間、谷折面42と底枠31との間で十分に型押しすることができる。特に、充填工程を経ることで谷折面42と底枠31との間にコンクリート材1が隙間なく充填されるため、確実に型押し時の圧力を加えてコンクリート材1を型押しすることができる。したがって、高強度な擁壁用ブロック10を製造することができる。
【0042】
次に、本発明に係る擁壁用ブロックの他の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、上記した実施形態と異なる構成についてのみ説明し、重複する構成については説明を省略する。
【0043】
図4(a)、(b)において、擁壁用ブロック110に備えられた鉄筋連結穴120には、上面部111に開口する縁が拡径で内部に向けて次第に縮径する上面開口部23aが形成され、下面部112に開口する縁が拡径で内部に向けて次第に縮径する下面開口部23bが形成されている。鉄筋連結穴120は、上面開口部23aから下面開口部23bへ向けて縮径するテーパ状に形成されている。
【0044】
上記の通り、本発明に係る擁壁用ブロックの他の実施形態によれば、上面開口部23aおよび下面開口部23bが形成されているため、施工時に充填される間詰コンクリートの面積が増して積まれた擁壁用ブロック110同士の結合力が高まる。また、鉄筋連結穴120はテーパ状に形成されているため、漏斗状に作用し、充填された間詰コンクリートが確実に流下する。
【0045】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1、100 コンクリート材
1a 丘陵部
1b 麓部
2 空隙
10、110 擁壁用ブロック
11、111 上面部
11a 上凸部
12、112 下面部
12a 下凹部
13 正面部
14 背面部
15 側面部
15a 側凹部
20、120 鉄筋連結穴
21 山折部
21a 山折斜部
21b 山側平坦部
22 谷折部
22a 谷折斜部
22b 谷側平坦部
23 開口部
23a 上面開口部
23b 下面開口部
26 連接部
30、300 型枠
31、310 底枠
32 長側枠
33 短側枠
34 開放面
35 型押板
40、400 中子
41 山折面
41a 山折斜面
41b 山側平坦面
42 谷折面
42a 谷折斜面
42b 谷側平坦面
43 連接面
A 案内領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底枠と、この底枠の縁から立設した向かい合う側枠と、前記側枠間に渡された中子とから構成された擁壁用ブロックの型枠に、前記底枠と向かい合う開放面からコンクリート材を投入した後、前記開放面側から型押しする型押し工程を経て擁壁用ブロックを製造する擁壁用ブロックの製造方法において、
前記中子が、前記開放面に向けて略凸状に形成された山折面と、前記底枠に向けて略凸状に形成された谷折面とから形成された前記擁壁用ブロックの型枠を用い、投入した前記コンクリート材を前記山折面で滑らせて前記底枠に蓄積し、蓄積した前記コンクリート材を傾れさせて前記谷折面と前記底枠との間に充填する充填工程、
を含む、
ことを特徴とする擁壁用ブロックの製造方法。
【請求項2】
前記型押し工程では、前記擁壁用ブロックの型枠の前記山折面および前記谷折面に、前記開放面および前記底枠に平行な平坦面をそれぞれ形成し、前記コンクリート材を介して前記平坦面に圧力を加える、
ことを特徴とする請求項1に記載の擁壁用ブロックの製造方法。
【請求項3】
上面部から下面部を貫く鉄筋連結穴が形成された擁壁用ブロックであって、
前記鉄筋連結穴は、前記上面部および前記下面部と直交する背面部に向けて略凸状に形成された山折部と、前記背面部に平行な正面部に向けて略凸状に形成された谷折部とから形成された、
ことを特徴とする擁壁用ブロック。
【請求項4】
前記山折部および前記谷折部には、前記背面部および前記正面部に平行な平坦部がそれぞれ形成された、
ことを特徴とする請求項3に記載の擁壁用ブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−52517(P2013−52517A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190271(P2011−190271)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000179465)山富産業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】