擁壁
【課題】壁高が高く、安定性の高い、ハニカム状立体補強材を利用した擁壁を構築する方法を提供することである。またハニカム状立体補強材を利用した急峻な勾配の擁壁を構築する方法を提供することである。
【解決手段】ハニカム構造体とそのすぐ上に積層されるハニカム構造体との2層を杭によって結合させることを特徴とする擁壁の構築方法。擁壁下部の地山と、そのすぐ上に積層されるハニカム構造体とを杭によって結合させることを特徴とする擁壁の構築方法。
【解決手段】ハニカム構造体とそのすぐ上に積層されるハニカム構造体との2層を杭によって結合させることを特徴とする擁壁の構築方法。擁壁下部の地山と、そのすぐ上に積層されるハニカム構造体とを杭によって結合させることを特徴とする擁壁の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は板状や網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に、土砂・砕石等を充填したハニカム構造体を水平に複数層積層して構築する擁壁の構築方法に関する。また前述のハニカム構造体と杭を組み合わせて、ハニカム構造体の各層間に一体性をもたせた擁壁の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以前より板状や網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材は知られており、このハニカム状立体補強材は土砂・砕石等を充填して(以下、ハニカム状立体補強材に土砂・砕石等を充填した構造体を「ハニカム構造体」と称す)地盤の補強材、道路の路盤材、歩道の基礎材、仮設道路、擁壁の資材に利用されてきた。
【0003】
さらに、ハニカム構造体を一定の高さまで複数層積層し擁壁として使用した構造体(以下、「ハニカム擁壁」と称す)もよく知られている(「特許文献1」、「非特許文献1」の「119ページ」)。また、下部のハニカム構造体に対して、その上に載せるハニカム構造体を下部よりも地山側に後退させることにより、階段状にハニカム構造体を形成して階段状の法面を作ることができる。その際、後退幅を調節することにより、構築する法面の勾配を調整することができる。
【0004】
しかしハニカム構造体のみを用いて擁壁を構築する際には、あまり壁高の高い擁壁を構築することができなかった。なぜなら上下のハニカム構造体との間には結合要素が土の摩擦力のみしかなく、背面土圧や法面方向への力に対して強く対抗できず、ハニカム擁壁構造の一体性が弱かったからである。
【0005】
さらにハニカム擁壁は地山の上に載っているにすぎず、地山とハニカム擁壁の間の安定性は土の摩擦力のみに依存していた。そのため擁壁の壁高を高くするとハニカム擁壁の安定性に問題があった。さらにハニカム擁壁の安定性に問題があったために、壁高を高くした場合にはハニカム擁壁の勾配を急峻にすることができなかった。
【0006】
これらの問題を解決するために、「非特許文献2」の「119ページ、図−4.9 ジオシンセティックを用いる方法 (o)」のようにハニカム擁壁とジオグリッドを併用して壁高の高い擁壁を施工する施工方法も考案された。この方法はハニカム擁壁を法面側に用い、その背後の地山方向にジオグリッドを敷設していく、というものである。ハニカム擁壁とジオグリッドを併用することにより、ハニカム擁壁にジオグリッドによるアンカー効果を付与し、また背面土圧をジオグリッドが引き受けることによりハニカム擁壁そのものにかかる土圧を軽減できる、というメリットがあった。
【0007】
しかしハニカム擁壁とジオグリッドを併用する工法を用いると、ハニカム擁壁の背面にジオグリッドを敷設するスペースを確保するため、背面の地山をより多く掘削しなければならなかった。そのため、背面の地山を掘削できないなど、ジオグリッドを敷設するスペースを確保できないような場所にはこの工法を利用できず、このような場所においてはハニカム擁壁による壁高の高い擁壁を構築することは諦めなければならなかった。
【0008】
【特許文献1】実用新案第2582267号公報
【非特許文献1】「基礎工 1996年12月号」 総合土木研究所刊 119ページ
【非特許文献2】地盤工学会編 「補強土入門」社団法人地盤工学会 1999年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、壁高が高く、安定性の高い、ハニカム状立体補強材を利用した擁壁を構築する方法を提供することである。またハニカム状立体補強材を利用した急峻な勾配の擁壁を構築する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はこの課題を解決するためになされたものであり、請求項1記載の発明は、板状または網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に、土砂・砕石等を充填したハニカム構造体を水平に複数層積層して構築する擁壁において、ハニカム構造体とそのすぐ上に積層されるハニカム構造体との2層を杭によって結合させることを特徴とする擁壁の構築方法である。
【0011】
ハニカム構造体とそのすぐ上に積層されるハニカム構造体の間に杭を使って両層の橋渡しすることにより、各ハニカム構造体の間に今までになかった一体性を持たせることができる。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、擁壁天端を構成するハニカム構造体を除く各ハニカム構造体の上面部に杭を途中まで打ち、その上に次層のハニカム構造体を積層することを特徴とする請求項1記載の擁壁の構築方法である。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、地山よりハニカム構造体を2層積層後に2層目の上面部分からハニカム構造体1層分の高さよりも長い杭を打ち込み、さらにハニカム構造体を1層積層するごとにハニカム構造体1層分の高さよりも長い杭を順次打ち込んでゆくことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の擁壁の構築方法である。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の擁壁の構築方法において、ハニカム構造体を少なくとも3層以上積層後、その最上層のハニカム構造体の上面から、少なくとも3層以上のハニカム構造体を貫くように杭を打ち込むことを特徴とする擁壁の構築方法である。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、擁壁下部の地山と、そのすぐ上に構築されるハニカム構造体とを杭によって結合させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の擁壁の構築方法ある。
【0016】
また、請求項6記載の発明は、ハニカム構造体を構築する前に、地山に杭を途中まで打ち、その上にハニカム構造体を構築することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の擁壁の構築方法である。
【0017】
また、請求項7記載の発明は、地山よりハニカム構造体を1層構築後に1層目の上面部分からハニカム構造体1層分の高さよりも長い杭を打ち込むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の擁壁の構築方法である。
【0018】
また、請求項8記載の発明は、打ち込まれる杭の長さが、ハニカム構造体の高さの少なくとも3倍以上で、かつ杭を打ち込む位置から地山までの垂直距離よりも長いことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の擁壁の構築方法である。
【0019】
また、請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれかに記載の構築方法で構築した擁壁である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるハニカム構造体とそのすぐ上に構築されるハニカム構造体とを杭によって結合させることにより、今までよりも安定性の高いハニカム擁壁を構築することができる。
【0021】
またさらに上記ハニカム擁壁で、地山とハニカム構造体とを杭によって結合させることにより、上記ハニカム擁壁よりさらに安定性の高いハニカム擁壁を構築することができる。
【0022】
安定性の高いハニカム擁壁を構築できることにより、壁高の高いハニカム擁壁を構築することが可能である。
【0023】
また、安定性の高いハニカム擁壁を構築できることにより、急峻な勾配のハニカム擁壁を構築することが可能である。急峻な勾配の擁壁をつくることで、擁壁の施工範囲を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、この発明の擁壁に利用するハニカム状立体補強材1の展張前の斜視図である。ハニカム状立体補強材1は、複数枚の高密度ポリエチレンのストリップ材2を一定間隔の結合部位3にて結合したものである。このハニカム状立体補強材1は展張方向4に展張してハニカム状のセル構造を形成する。
【0025】
図2は、展張した後のハニカム状立体補強材1の斜視図である。ハニカム状立体補強材1を展張すると、ハニカム状のセル5が形成される。セル5内に土砂・砕石等6を充填して締め固めを行うことにより、剛性のあるハニカム構造体を形成させる。
【0026】
図3はハニカム構造体7を積み上げた際の斜視図である。図2のハニカム構造体7を積み重ねて施工することにより、図3のハニカム擁壁を形成する。積み重ねは法面側のハニカム構造体端部を積み重ねるたびに各層ごとに後退させることによりステップを形成し、その後退の度合いに応じて、様々な法面勾配を形成することができる。
【0027】
図4は、本発明を利用したハニカム構造体を積層する過程を示したハニカム擁壁(事例1)の斜視図である。ハニカム擁壁はハニカム構造体7を積み重ねて構築される。ハニカム構造体7を形成するたびに、杭(a)8を打設してゆく。杭(a)8は杭の全長の半分程度がハニカム構造体に食い込まれ、杭(a)8の上部半分程度がハニカム構造体の上面部分から突起状に露出した状態のままその上部にハニカム構造体をさらに積層することで、上下ハニカム構造体に結合関係を生み出すことができる。なお図4の杭(a)8は、上部斜線部を上部ハニカム構造体にかかる部分をあらわし、杭(a)8の下部は下部ハニカム構造体に食い込んでいる部分をあらわす。
【0028】
図5は、本発明を利用した際のハニカム構造体を積層する過程を示したハニカム擁壁(事例1)の断面図である。本図は1層目のハニカム構造体7を構築した段階を示している。1層目のハニカム構造体構築後に、そのハニカム構造体7の上面部に杭(a)8を打ち込む。杭(a)8は杭の全長の半分程度が1層目のハニカム構造体7に食い込まれ、杭(a)8の上部半分程度が1層目のハニカム構造体7の上面部分から突起状に露出した状態のままにする。
【0029】
図6は、本発明を利用した際のハニカム構造体を積層する過程を示したハニカム擁壁(事例1)の断面図である。本図は2層目のハニカム構造体7を積層した段階を示している。杭(a)8の上部半分程度が1層目のハニカム構造体7の上面部分から突起状に露出した状態のところに、2層目のハニカム構造体7を積層する。2層目のハニカム構造体7の上面部に、同様に杭(a)8を打ち込む。2層目以降は同じ作業を繰り返し、ハニカム擁壁を構築する。
【0030】
図7は、本発明を利用した際のハニカム擁壁(事例1)の完成時の断面図である。ハニカム擁壁天端のハニカム構造体7の上面部には杭は打設しない。
【0031】
図8は、本発明を利用した際の、杭によってハニカム構造体と地山との間で結合性を持たせた場合のハニカム擁壁(事例1)の断面図である。ハニカム擁壁の最下層のハニカム構造体を構築する前に、地山に杭を打設することによりハニカム構造体と地山に結合関係を持たせる。杭(a)8は前述と同様、杭の全長の半分程度が下部の地山に食い込まれ、杭(a)8の上部半分程度が地山の上面部分から突起状に露出した状態のまま、その上部にハニカム構造体を構築することで、地山11とハニカム構造体7に結合関係を生み出すことができる。また、切土面12に杭(a)8を食い込ませることで、さらに安定性の高いハニカム擁壁を構築できる。
【0032】
図9は、本発明を利用した際のハニカム構造体を積層する過程を示したハニカム擁壁(事例2)の断面図である。本図は2層目のハニカム構造体7を積層した段階を示している。この方法では、最下層からハニカム構造体7を2層積層し、その2層目のハニカム構造体7の上面部からハニカム構造体の高さよりも長い杭(b)9を打ち込み、上下のハニカム構造体7に結合関係を持たせる。杭(b)9はハニカム構造体2層にまたがっていればよい。
【0033】
図10は、本発明を利用した際のハニカム構造体を積層する過程を示したハニカム擁壁(事例2)の断面図である。本図は3層目のハニカム構造体7を積層した段階を示している。2層目以降は、1層ハニカム構造体を積層するごとにハニカム構造体7の高さよりも長い杭を打ち込み、その工程をハニカム擁壁の天端まで繰り返して、本発明のハニカム擁壁を構築する。
【0034】
図11は、本発明を利用した際のハニカム擁壁(事例2)の完成時の断面図である。この方法による場合は、ハニカム擁壁天端のハニカム構造体7の上面部にも杭を打設する。
【0035】
図12は、本発明を利用した際の、杭によってハニカム構造体と地山との間で結合性を持たせた場合のハニカム擁壁(事例2)の断面図である。最下層から1層目のハニカム構造体7の上面部からハニカム構造体の高さよりも長い杭(b)9を打ち込み、最下層のハニカム構造体7と地山に結合関係を持たせる。杭(b)9は1層目のハニカム構造体を貫き、地山に食い込んでいればよい。また、切土面12に杭(b)9を食い込ませることで、さらに安定性の高いハニカム擁壁を構築できる。
【0036】
図13は、事例1の方法によるハニカム擁壁の構築方法に、ハニカム構造体を少なくとも3層以上積層後、その最上層のハニカム構造体の上面から、少なくとも3層以上のハニカム構造体を貫くように杭(c)10を打ち込む擁壁の構築方法を併用したハニカム擁壁(事例3)の断面図である。
【0037】
図14は、事例2の方法によるハニカム擁壁の構築方法に、ハニカム構造体を少なくとも3層以上積層後、その最上層のハニカム構造体の上面から、少なくとも3層以上のハニカム構造体を貫くように杭(c)10を打ち込む擁壁の構築方法を併用したハニカム擁壁(事例4)の断面図である。
【0038】
事例1から事例4までのいずれの工法もそれぞれ単独に用いても良いし、おのおのの工法を組み合わせて複合的な工法として用いても良い。
【0039】
杭(a)(b)(c)は長いほうがよい。杭(a)はハニカム構造体7の高さと同程度の長さが好適である。杭(b)はハニカム構造体7の高さの1.5倍程度が好適である。杭(c)はハニカム構造体の高さの3倍以上の長さが好適である。また打ち込む杭の数も多い方が望ましいが、多すぎると既に敷設されたハニカム状立体補強材を損傷する恐れがある。
【0040】
杭の種類は、異型鉄筋やアンカーピン、コンクリート杭、鋼管杭、H鋼、木杭など様々なものを用いることができる。特に杭(a)(b)は異型鉄筋やアンカーピンが好適である。杭(c)は、鋼鉄製の異型鉄筋やアンカーピン、鋼管杭が好適である。太い方がよいが、太すぎると杭打ちの際に既に敷設されたハニカム状立体補強材を巻き込む恐れがあるため、もっとも太くても直径10センチメートルを超えない程度がよい。また杭の形状は中空であっても良い。
【0041】
杭の材質は、金属や樹脂、コンクリート、木などがあげられるが、腐食したり腐敗したりしない材料がよい。また打設方法は、打撃法、ドリルによる方法、場所打ち杭などが上げられるが、どの方法を用いても良い。特に杭(a)(b)はハンマー等による打撃法が好適である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の擁壁の構築方法を用いることで、板状または網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に土砂・砕石等を充填したハニカム構造体を水平に複数層積層して構築する擁壁において、安定性が高く、勾配の急峻で、壁高の高い構造物を構築することに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に使用するハニカム状立体補強材の展張前の斜視図である。
【図2】本発明に使用するハニカム状立体補強材の展張時の斜視図である。
【図3】本発明に使用するハニカム構造体を積み上げた際の斜視図である。
【図4】本発明の杭を打ちながらハニカム構造体を積層した際の斜視図である。
【図5】本発明の1層目のハニカム構造体を構築した際の断面図である(事例1)。
【図6】本発明の2層目のハニカム構造体を積層した際の断面図である(事例1)。
【図7】本発明の杭を打ち込んだハニカム擁壁(事例1)の完成時の断面図である。
【図8】本発明の地山に杭を打ち込んだハニカム擁壁(事例1)の完成時の断面図である。
【図9】本発明の2層目のハニカム構造体を積層した際の断面図である(事例2)。
【図10】本発明の3層目のハニカム構造体を積層した際の断面図である(事例2)。
【図11】本発明の杭を打ち込んだハニカム擁壁(事例2)の完成時の断面図である。
【図12】本発明の地山に杭を打ち込んだハニカム擁壁(事例2)の完成時の断面図である。
【図13】本発明の事例1と杭(c)とを併用したハニカム擁壁(事例3)の完成時の断面図である。
【図14】本発明の事例2と杭(c)とを併用したハニカム擁壁(事例4)の完成時の断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ハニカム状立体補強材
2 ストリップ材
3 結合部位
4 展帳方向
5 セル
6 土砂・砕石等
7 ハニカム構造体
8 杭(a)
9 杭(b)
10 杭(c)
11 地山層
12 切土面
【技術分野】
【0001】
本発明は板状や網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に、土砂・砕石等を充填したハニカム構造体を水平に複数層積層して構築する擁壁の構築方法に関する。また前述のハニカム構造体と杭を組み合わせて、ハニカム構造体の各層間に一体性をもたせた擁壁の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以前より板状や網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材は知られており、このハニカム状立体補強材は土砂・砕石等を充填して(以下、ハニカム状立体補強材に土砂・砕石等を充填した構造体を「ハニカム構造体」と称す)地盤の補強材、道路の路盤材、歩道の基礎材、仮設道路、擁壁の資材に利用されてきた。
【0003】
さらに、ハニカム構造体を一定の高さまで複数層積層し擁壁として使用した構造体(以下、「ハニカム擁壁」と称す)もよく知られている(「特許文献1」、「非特許文献1」の「119ページ」)。また、下部のハニカム構造体に対して、その上に載せるハニカム構造体を下部よりも地山側に後退させることにより、階段状にハニカム構造体を形成して階段状の法面を作ることができる。その際、後退幅を調節することにより、構築する法面の勾配を調整することができる。
【0004】
しかしハニカム構造体のみを用いて擁壁を構築する際には、あまり壁高の高い擁壁を構築することができなかった。なぜなら上下のハニカム構造体との間には結合要素が土の摩擦力のみしかなく、背面土圧や法面方向への力に対して強く対抗できず、ハニカム擁壁構造の一体性が弱かったからである。
【0005】
さらにハニカム擁壁は地山の上に載っているにすぎず、地山とハニカム擁壁の間の安定性は土の摩擦力のみに依存していた。そのため擁壁の壁高を高くするとハニカム擁壁の安定性に問題があった。さらにハニカム擁壁の安定性に問題があったために、壁高を高くした場合にはハニカム擁壁の勾配を急峻にすることができなかった。
【0006】
これらの問題を解決するために、「非特許文献2」の「119ページ、図−4.9 ジオシンセティックを用いる方法 (o)」のようにハニカム擁壁とジオグリッドを併用して壁高の高い擁壁を施工する施工方法も考案された。この方法はハニカム擁壁を法面側に用い、その背後の地山方向にジオグリッドを敷設していく、というものである。ハニカム擁壁とジオグリッドを併用することにより、ハニカム擁壁にジオグリッドによるアンカー効果を付与し、また背面土圧をジオグリッドが引き受けることによりハニカム擁壁そのものにかかる土圧を軽減できる、というメリットがあった。
【0007】
しかしハニカム擁壁とジオグリッドを併用する工法を用いると、ハニカム擁壁の背面にジオグリッドを敷設するスペースを確保するため、背面の地山をより多く掘削しなければならなかった。そのため、背面の地山を掘削できないなど、ジオグリッドを敷設するスペースを確保できないような場所にはこの工法を利用できず、このような場所においてはハニカム擁壁による壁高の高い擁壁を構築することは諦めなければならなかった。
【0008】
【特許文献1】実用新案第2582267号公報
【非特許文献1】「基礎工 1996年12月号」 総合土木研究所刊 119ページ
【非特許文献2】地盤工学会編 「補強土入門」社団法人地盤工学会 1999年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、壁高が高く、安定性の高い、ハニカム状立体補強材を利用した擁壁を構築する方法を提供することである。またハニカム状立体補強材を利用した急峻な勾配の擁壁を構築する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はこの課題を解決するためになされたものであり、請求項1記載の発明は、板状または網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に、土砂・砕石等を充填したハニカム構造体を水平に複数層積層して構築する擁壁において、ハニカム構造体とそのすぐ上に積層されるハニカム構造体との2層を杭によって結合させることを特徴とする擁壁の構築方法である。
【0011】
ハニカム構造体とそのすぐ上に積層されるハニカム構造体の間に杭を使って両層の橋渡しすることにより、各ハニカム構造体の間に今までになかった一体性を持たせることができる。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、擁壁天端を構成するハニカム構造体を除く各ハニカム構造体の上面部に杭を途中まで打ち、その上に次層のハニカム構造体を積層することを特徴とする請求項1記載の擁壁の構築方法である。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、地山よりハニカム構造体を2層積層後に2層目の上面部分からハニカム構造体1層分の高さよりも長い杭を打ち込み、さらにハニカム構造体を1層積層するごとにハニカム構造体1層分の高さよりも長い杭を順次打ち込んでゆくことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の擁壁の構築方法である。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の擁壁の構築方法において、ハニカム構造体を少なくとも3層以上積層後、その最上層のハニカム構造体の上面から、少なくとも3層以上のハニカム構造体を貫くように杭を打ち込むことを特徴とする擁壁の構築方法である。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、擁壁下部の地山と、そのすぐ上に構築されるハニカム構造体とを杭によって結合させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の擁壁の構築方法ある。
【0016】
また、請求項6記載の発明は、ハニカム構造体を構築する前に、地山に杭を途中まで打ち、その上にハニカム構造体を構築することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の擁壁の構築方法である。
【0017】
また、請求項7記載の発明は、地山よりハニカム構造体を1層構築後に1層目の上面部分からハニカム構造体1層分の高さよりも長い杭を打ち込むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の擁壁の構築方法である。
【0018】
また、請求項8記載の発明は、打ち込まれる杭の長さが、ハニカム構造体の高さの少なくとも3倍以上で、かつ杭を打ち込む位置から地山までの垂直距離よりも長いことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の擁壁の構築方法である。
【0019】
また、請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれかに記載の構築方法で構築した擁壁である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるハニカム構造体とそのすぐ上に構築されるハニカム構造体とを杭によって結合させることにより、今までよりも安定性の高いハニカム擁壁を構築することができる。
【0021】
またさらに上記ハニカム擁壁で、地山とハニカム構造体とを杭によって結合させることにより、上記ハニカム擁壁よりさらに安定性の高いハニカム擁壁を構築することができる。
【0022】
安定性の高いハニカム擁壁を構築できることにより、壁高の高いハニカム擁壁を構築することが可能である。
【0023】
また、安定性の高いハニカム擁壁を構築できることにより、急峻な勾配のハニカム擁壁を構築することが可能である。急峻な勾配の擁壁をつくることで、擁壁の施工範囲を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、この発明の擁壁に利用するハニカム状立体補強材1の展張前の斜視図である。ハニカム状立体補強材1は、複数枚の高密度ポリエチレンのストリップ材2を一定間隔の結合部位3にて結合したものである。このハニカム状立体補強材1は展張方向4に展張してハニカム状のセル構造を形成する。
【0025】
図2は、展張した後のハニカム状立体補強材1の斜視図である。ハニカム状立体補強材1を展張すると、ハニカム状のセル5が形成される。セル5内に土砂・砕石等6を充填して締め固めを行うことにより、剛性のあるハニカム構造体を形成させる。
【0026】
図3はハニカム構造体7を積み上げた際の斜視図である。図2のハニカム構造体7を積み重ねて施工することにより、図3のハニカム擁壁を形成する。積み重ねは法面側のハニカム構造体端部を積み重ねるたびに各層ごとに後退させることによりステップを形成し、その後退の度合いに応じて、様々な法面勾配を形成することができる。
【0027】
図4は、本発明を利用したハニカム構造体を積層する過程を示したハニカム擁壁(事例1)の斜視図である。ハニカム擁壁はハニカム構造体7を積み重ねて構築される。ハニカム構造体7を形成するたびに、杭(a)8を打設してゆく。杭(a)8は杭の全長の半分程度がハニカム構造体に食い込まれ、杭(a)8の上部半分程度がハニカム構造体の上面部分から突起状に露出した状態のままその上部にハニカム構造体をさらに積層することで、上下ハニカム構造体に結合関係を生み出すことができる。なお図4の杭(a)8は、上部斜線部を上部ハニカム構造体にかかる部分をあらわし、杭(a)8の下部は下部ハニカム構造体に食い込んでいる部分をあらわす。
【0028】
図5は、本発明を利用した際のハニカム構造体を積層する過程を示したハニカム擁壁(事例1)の断面図である。本図は1層目のハニカム構造体7を構築した段階を示している。1層目のハニカム構造体構築後に、そのハニカム構造体7の上面部に杭(a)8を打ち込む。杭(a)8は杭の全長の半分程度が1層目のハニカム構造体7に食い込まれ、杭(a)8の上部半分程度が1層目のハニカム構造体7の上面部分から突起状に露出した状態のままにする。
【0029】
図6は、本発明を利用した際のハニカム構造体を積層する過程を示したハニカム擁壁(事例1)の断面図である。本図は2層目のハニカム構造体7を積層した段階を示している。杭(a)8の上部半分程度が1層目のハニカム構造体7の上面部分から突起状に露出した状態のところに、2層目のハニカム構造体7を積層する。2層目のハニカム構造体7の上面部に、同様に杭(a)8を打ち込む。2層目以降は同じ作業を繰り返し、ハニカム擁壁を構築する。
【0030】
図7は、本発明を利用した際のハニカム擁壁(事例1)の完成時の断面図である。ハニカム擁壁天端のハニカム構造体7の上面部には杭は打設しない。
【0031】
図8は、本発明を利用した際の、杭によってハニカム構造体と地山との間で結合性を持たせた場合のハニカム擁壁(事例1)の断面図である。ハニカム擁壁の最下層のハニカム構造体を構築する前に、地山に杭を打設することによりハニカム構造体と地山に結合関係を持たせる。杭(a)8は前述と同様、杭の全長の半分程度が下部の地山に食い込まれ、杭(a)8の上部半分程度が地山の上面部分から突起状に露出した状態のまま、その上部にハニカム構造体を構築することで、地山11とハニカム構造体7に結合関係を生み出すことができる。また、切土面12に杭(a)8を食い込ませることで、さらに安定性の高いハニカム擁壁を構築できる。
【0032】
図9は、本発明を利用した際のハニカム構造体を積層する過程を示したハニカム擁壁(事例2)の断面図である。本図は2層目のハニカム構造体7を積層した段階を示している。この方法では、最下層からハニカム構造体7を2層積層し、その2層目のハニカム構造体7の上面部からハニカム構造体の高さよりも長い杭(b)9を打ち込み、上下のハニカム構造体7に結合関係を持たせる。杭(b)9はハニカム構造体2層にまたがっていればよい。
【0033】
図10は、本発明を利用した際のハニカム構造体を積層する過程を示したハニカム擁壁(事例2)の断面図である。本図は3層目のハニカム構造体7を積層した段階を示している。2層目以降は、1層ハニカム構造体を積層するごとにハニカム構造体7の高さよりも長い杭を打ち込み、その工程をハニカム擁壁の天端まで繰り返して、本発明のハニカム擁壁を構築する。
【0034】
図11は、本発明を利用した際のハニカム擁壁(事例2)の完成時の断面図である。この方法による場合は、ハニカム擁壁天端のハニカム構造体7の上面部にも杭を打設する。
【0035】
図12は、本発明を利用した際の、杭によってハニカム構造体と地山との間で結合性を持たせた場合のハニカム擁壁(事例2)の断面図である。最下層から1層目のハニカム構造体7の上面部からハニカム構造体の高さよりも長い杭(b)9を打ち込み、最下層のハニカム構造体7と地山に結合関係を持たせる。杭(b)9は1層目のハニカム構造体を貫き、地山に食い込んでいればよい。また、切土面12に杭(b)9を食い込ませることで、さらに安定性の高いハニカム擁壁を構築できる。
【0036】
図13は、事例1の方法によるハニカム擁壁の構築方法に、ハニカム構造体を少なくとも3層以上積層後、その最上層のハニカム構造体の上面から、少なくとも3層以上のハニカム構造体を貫くように杭(c)10を打ち込む擁壁の構築方法を併用したハニカム擁壁(事例3)の断面図である。
【0037】
図14は、事例2の方法によるハニカム擁壁の構築方法に、ハニカム構造体を少なくとも3層以上積層後、その最上層のハニカム構造体の上面から、少なくとも3層以上のハニカム構造体を貫くように杭(c)10を打ち込む擁壁の構築方法を併用したハニカム擁壁(事例4)の断面図である。
【0038】
事例1から事例4までのいずれの工法もそれぞれ単独に用いても良いし、おのおのの工法を組み合わせて複合的な工法として用いても良い。
【0039】
杭(a)(b)(c)は長いほうがよい。杭(a)はハニカム構造体7の高さと同程度の長さが好適である。杭(b)はハニカム構造体7の高さの1.5倍程度が好適である。杭(c)はハニカム構造体の高さの3倍以上の長さが好適である。また打ち込む杭の数も多い方が望ましいが、多すぎると既に敷設されたハニカム状立体補強材を損傷する恐れがある。
【0040】
杭の種類は、異型鉄筋やアンカーピン、コンクリート杭、鋼管杭、H鋼、木杭など様々なものを用いることができる。特に杭(a)(b)は異型鉄筋やアンカーピンが好適である。杭(c)は、鋼鉄製の異型鉄筋やアンカーピン、鋼管杭が好適である。太い方がよいが、太すぎると杭打ちの際に既に敷設されたハニカム状立体補強材を巻き込む恐れがあるため、もっとも太くても直径10センチメートルを超えない程度がよい。また杭の形状は中空であっても良い。
【0041】
杭の材質は、金属や樹脂、コンクリート、木などがあげられるが、腐食したり腐敗したりしない材料がよい。また打設方法は、打撃法、ドリルによる方法、場所打ち杭などが上げられるが、どの方法を用いても良い。特に杭(a)(b)はハンマー等による打撃法が好適である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の擁壁の構築方法を用いることで、板状または網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に土砂・砕石等を充填したハニカム構造体を水平に複数層積層して構築する擁壁において、安定性が高く、勾配の急峻で、壁高の高い構造物を構築することに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に使用するハニカム状立体補強材の展張前の斜視図である。
【図2】本発明に使用するハニカム状立体補強材の展張時の斜視図である。
【図3】本発明に使用するハニカム構造体を積み上げた際の斜視図である。
【図4】本発明の杭を打ちながらハニカム構造体を積層した際の斜視図である。
【図5】本発明の1層目のハニカム構造体を構築した際の断面図である(事例1)。
【図6】本発明の2層目のハニカム構造体を積層した際の断面図である(事例1)。
【図7】本発明の杭を打ち込んだハニカム擁壁(事例1)の完成時の断面図である。
【図8】本発明の地山に杭を打ち込んだハニカム擁壁(事例1)の完成時の断面図である。
【図9】本発明の2層目のハニカム構造体を積層した際の断面図である(事例2)。
【図10】本発明の3層目のハニカム構造体を積層した際の断面図である(事例2)。
【図11】本発明の杭を打ち込んだハニカム擁壁(事例2)の完成時の断面図である。
【図12】本発明の地山に杭を打ち込んだハニカム擁壁(事例2)の完成時の断面図である。
【図13】本発明の事例1と杭(c)とを併用したハニカム擁壁(事例3)の完成時の断面図である。
【図14】本発明の事例2と杭(c)とを併用したハニカム擁壁(事例4)の完成時の断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ハニカム状立体補強材
2 ストリップ材
3 結合部位
4 展帳方向
5 セル
6 土砂・砕石等
7 ハニカム構造体
8 杭(a)
9 杭(b)
10 杭(c)
11 地山層
12 切土面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状または網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に、土砂・砕石等を充填したハニカム構造体を水平に複数層積層して構築する擁壁において、ハニカム構造体とそのすぐ上に積層されるハニカム構造体との2層を杭によって結合させることを特徴とする擁壁の構築方法。
【請求項2】
擁壁天端を構成するハニカム構造体を除く各ハニカム構造体の上面部に杭を途中まで打ち、その上に次層のハニカム構造体を積層することを特徴とする請求項1記載の擁壁の構築方法。
【請求項3】
地山よりハニカム構造体を2層積層後に2層目の上面部分からハニカム構造体1層分の高さよりも長い杭を打ち込み、さらにハニカム構造体を1層積層するごとにハニカム構造体1層分の高さよりも長い杭を順次打ち込んでゆくことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の擁壁の構築方法。
【請求項4】
ハニカム構造体を少なくとも3層以上積層後、その最上層のハニカム構造体の上面から、少なくとも3層以上のハニカム構造体を貫くように杭を打ち込むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の擁壁の構築方法。
【請求項5】
擁壁下部の地山と、そのすぐ上に構築されるハニカム構造体とを杭によって結合させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の擁壁の構築方法。
【請求項6】
ハニカム構造体を構築する前に、地山に杭を途中まで打ち、その上にハニカム構造体を構築することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の擁壁の構築方法。
【請求項7】
地山よりハニカム構造体を1層構築後に1層目の上面部分からハニカム構造体1層分の高さよりも長い杭を打ち込むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の擁壁の構築方法。
【請求項8】
打ち込まれる杭の長さが、ハニカム構造体の高さの少なくとも3倍以上で、かつ杭を打ち込む位置から地山までの垂直距離よりも長いことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の擁壁の構築方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の構築方法で構築した擁壁。
【請求項1】
板状または網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に、土砂・砕石等を充填したハニカム構造体を水平に複数層積層して構築する擁壁において、ハニカム構造体とそのすぐ上に積層されるハニカム構造体との2層を杭によって結合させることを特徴とする擁壁の構築方法。
【請求項2】
擁壁天端を構成するハニカム構造体を除く各ハニカム構造体の上面部に杭を途中まで打ち、その上に次層のハニカム構造体を積層することを特徴とする請求項1記載の擁壁の構築方法。
【請求項3】
地山よりハニカム構造体を2層積層後に2層目の上面部分からハニカム構造体1層分の高さよりも長い杭を打ち込み、さらにハニカム構造体を1層積層するごとにハニカム構造体1層分の高さよりも長い杭を順次打ち込んでゆくことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の擁壁の構築方法。
【請求項4】
ハニカム構造体を少なくとも3層以上積層後、その最上層のハニカム構造体の上面から、少なくとも3層以上のハニカム構造体を貫くように杭を打ち込むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の擁壁の構築方法。
【請求項5】
擁壁下部の地山と、そのすぐ上に構築されるハニカム構造体とを杭によって結合させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の擁壁の構築方法。
【請求項6】
ハニカム構造体を構築する前に、地山に杭を途中まで打ち、その上にハニカム構造体を構築することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の擁壁の構築方法。
【請求項7】
地山よりハニカム構造体を1層構築後に1層目の上面部分からハニカム構造体1層分の高さよりも長い杭を打ち込むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の擁壁の構築方法。
【請求項8】
打ち込まれる杭の長さが、ハニカム構造体の高さの少なくとも3倍以上で、かつ杭を打ち込む位置から地山までの垂直距離よりも長いことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の擁壁の構築方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の構築方法で構築した擁壁。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−82093(P2008−82093A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265048(P2006−265048)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000219912)東京インキ株式会社 (120)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000219912)東京インキ株式会社 (120)
【Fターム(参考)】
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