説明

操作スイッチ用シート部材、操作スイッチ、及び操作スイッチ用シート部材の製造方法

【課題】確実な接触操作と押圧操作が可能で、薄型化し易いと同時に耐久性を確保し易い操作スイッチ用シート部材を提供する。
【解決手段】接触操作及び押圧操作が行われる表面操作部12と、表面操作部12に対する押圧操作により作動可能な押圧作動部19と、表面操作部12に対する接触操作を静電容量の変化として検出可能な静電容量検出部17とを備えた操作スイッチ用シート部材であり、表面操作部12と弾性支持体19との間に静電容量検出部17が配置された状態で、表面操作部12、静電容量検出部17、及び弾性支持体19が一体に接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、接触操作及び押圧操作可能な操作スイッチ用シート部材と、その操作スイッチ用シート部材を備えた操作スイッチと、操作スイッチ用シート部材の製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作部を押圧することなく、指を接触させたり、摺動させる接触操作により、その操作が内部の回路に入力されて各種の処理が実行されるように構成された操作スイッチが多数存在する。このような操作スイッチには、接触操作が行われる同一の操作部を押圧することにより、その押圧操作で内部に設けられた接点の導通を行い、接触操作とは別の処理が実行されるように構成されたものが存在する。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、メンブレンスイッチの上方に可撓性を有するタッチパネルスイッチを配置し、タッチパネル上に指を接触させて摺動させることで接触操作による入力が行えると共に、タッチパネルスイッチを押圧することで、押圧操作による入力が行えるように構成された電子機器が提案されている。
【0004】
ここでは、タッチパネルスイッチが、互いに離間して対向された一対の絶縁基材と、各導電基板の対向面にそれぞれ積層された導電被膜とからなり、一方の絶縁基材を押圧して変形させることで、タッチパネルスイッチの接触操作による入力が行なえるようになっている。
【0005】
また、タッチパネルスイッチを支持する面に凹部が設けられ、この凹部に配線基板の接点部分が配置されており、タッチパネルスイッチの2枚の絶縁基板を押圧して変形させることで、押圧操作による入力が行えるようになっている。
【特許文献1】特開2001−76582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような装置では、タッチパネルスイッチが複数の絶縁基材及び導電皮膜を離間して配置することで形成されており、接触操作を行わない間は導電被膜間を確実に離間させなければならず、薄型化し難いと共に、接触操作時には適度な力で絶縁基材を変形させて導電被膜間を接触させなければならず、確実な接触操作を行い難かった。しかも、押圧操作においては、離間された一対の絶縁基材を繰り返し変形させるため、導電被膜間の間隙が変化し易く、耐久性を確保し難かった。
【0007】
そこで、この発明は、確実な接触操作と押圧操作が可能で、薄型化し易いと同時に耐久性を確保し易い操作スイッチ用シート部材を提供すると共に操作スイッチを提供することを課題とし、また、そのような操作スイッチ用シート部材を容易に製造することができる製造方法を提供することを他の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する請求項1に記載の操作スイッチ用シート部材は、接触操作及び押圧操作が行われる表面操作部と、前記表面操作部に対する押圧操作により作動可能な押圧作動部と、前記表面操作部に対する接触操作を静電容量の変化として検出可能な静電容量検出部とを備えた操作スイッチ用シート部材であって、前記表面操作部と前記押圧作動部との間に前記静電容量検出部が配置された状態で、前記表面操作部、前記静電容量検出部、及び前記押圧作動部が一体に接合されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の操作スイッチ用シート部材は、請求項1に記載の構成に加え、前記表面操作部は、互いに独立に変位可能な押圧操作面を複数備え、前記静電容量検出部は、複数の前記押圧操作面に対応する位置に連続して設けられ、各前記押圧操作面と共に変位可能に構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の操作スイッチ用シート部材は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記表面操作部を押圧操作可能に支持する弾性支持体を備え、該弾性支持体の前記表面操作部とは反対側に前記押圧作動部が設けられ、前記表面操作部と前記弾性支持体との間に前記静電容量検出部が配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の操作スイッチ用シート部材は、請求項3に記載の構成に加え、前記弾性支持体は、複数の前記押圧操作面に対応する位置に連続して設けられ、各前記押圧操作面と共に変位可能に構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の操作スイッチ用シート部材は、請求項4に記載の構成に加え、前記表面操作部は、前記押圧操作面を有して互いに分離した硬質操作片を複数備え、各前記硬質操作片は、周縁部が非接合状態で、前記静電容量検出部及び前記弾性支持体と接合されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の操作スイッチ用シート部材は、請求項2乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、前記表面操作部は、複数の前記押圧操作面を有する連続したフィルムキーからなることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の操作スイッチ用シート部材は、請求項3乃至6に記載の構成に加え、前記弾性支持体は、前記表面操作部側に膨出して形成された膨出部を備え、該膨出部は前記表面操作部側に支持面を有すると共に前記表面操作部とは反対側に中空部を有し、前記表面操作部と前記支持面との間に前記静電容量検出部が配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の操作スイッチは、前記請求項1乃至7の何れか一つに記載の操作スイッチ用シート部材が装着され、該操作スイッチ用シート部材と離間して対向する位置に基体部を備え、前記基体部と前記押圧作動部とに、弾性変形可能な中空立体形状を有する弾性ドームと、該弾性ドームを押圧可能なプランジャとが互いに対向して設けられ、前記表面操作部が押圧されることにより、前記プランジャが前記弾性ドームを弾性変形可能に構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の操作スイッチ用シート部材の製造方法は、請求項1乃至7に記載の操作スイッチ用シート部材を製造する方法であり、前記押圧作動部と前記表面操作部との間となる位置に前記静電容量検出部を配置した後、前記静電容量検出部を前記表面操作部及び前記押圧作動部と一体に接合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の操作スイッチ用シート部材によれば、表面操作部と押圧作動部との間に静電容量検出部が配置されているので、表面操作部への接触操作を精度よく静電容量の変化として検出し易く、確実な接触操作が可能である。
【0018】
また、表面操作部、静電容量検出部、押圧作動部が一体に接合されているので、表面操作部を押圧すれば静電容量検出部を介して確実に押圧作動部を変位させて作動させることができ、確実な押圧操作が可能である。
【0019】
しかも、表面操作部と押圧作動部との間に静電容量検出部が配置された状態で一体に接合されているので、各部の間に間隙を設ける必要がなく、操作スイッチ用シート部材の厚さを薄く構成し易いと共に、繰返し押圧操作される際の応力などに対する十分な耐久性を確保し易い。
【0020】
従って、確実な接触操作と押圧操作が可能で、薄型化し易いと同時に耐久性を確保し易い操作スイッチ用シート部材を提供することができる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、表面操作部が互いに独立に変位可能な押圧操作面を複数備え、静電容量検出部が複数の押圧操作面に対応する位置に連続して設けられ、各押圧操作面と共に変位可能に構成されているので、接触操作が可能な範囲を広く確保し易く、押圧操作と接触操作との操作性を同時に向上し易い。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、表面操作部を押圧操作可能に支持する弾性支持体を備え、弾性支持体の表面操作部とは反対側に押圧作動部が設けられ、表面操作部と弾性支持体との間に静電容量検出部が配置されているので、静電容量検出部の両面が表面操作部と弾性支持体とに支持された状態で変形でき、静電容量検出部の劣化を防止し易い。
【0023】
請求項4に記載の操作スイッチ用シート部材によれば、弾性支持体が複数の押圧操作面に対応する位置に連続して設けられ、各押圧操作面と共に変位可能に構成されているので、各押圧操作面で静電容量検出部が弾性支持体と共に変形でき、歪みによる劣化等が生じ難い。
【0024】
請求項5に記載の操作スイッチ用シート部材によれば、表面操作部が互いに分離した硬質操作片を複数備え、各硬質操作片が、周縁部を非接合状態にして、静電容量検出部及び弾性支持体と接合されているので、押圧操作された際、各硬質操作片の動作が隣接する硬質操作片により阻害され難く、円滑な押圧操作を行うことができる。
【0025】
請求項6記載の操作スイッチ用シート部材によれば、表面操作部が複数の押圧操作面を有する連続したフィルムキーからなるので、静電容量検出部を連続したフィルムで被覆して表面操作部側を補強でき、静電容量検出部の耐久性を確保し易い。また、複数の押圧操作面を含む連続した面で表面操作を行うことができるので、表面操作を円滑に行うことができる。
【0026】
請求項7に記載の操作スイッチ用シート部材によれば、弾性支持体が表面操作部側に膨出して形成された膨出部を備え、この膨出部が表面操作部側に支持面を有すると共に表面操作部とは反対側に中空部を有し、表面操作部と支持面との間に静電容量検出部が配置されているので、表面操作部を押圧した際に弾性支持体が弾性変形し易く、明確な押圧操作が可能である。
【0027】
請求項8に記載の操作スイッチによれば、基体部と押圧作動部との互いに対向する位置に、弾性変形可能な中空状の弾性ドームと、弾性ドームを押圧するプランジャとが設けられ、表面操作部が押圧操作されることにより、プランジャが弾性ドームを弾性変形可能に構成されているので、表面操作部の押圧操作時に、弾性ドームの変形により、十分なクリック動作感を付与し易い。
【0028】
請求項9に記載の操作スイッチ用シート部材の製造方法によれば、押圧作動部と表面操作部との間となる位置に静電容量検出部を配置し、静電容量検出部を表面操作部及び押圧作動部と一体に接合するので、表面操作部と押圧作動部との間に静電容量検出部が配置された操作スイッチ用シート部材を容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
【0030】
図1乃至図3は、この実施の形態1の操作スイッチを示している。
【0031】
実施の形態1の操作スイッチは、携帯電話に使用されるもので、図1及び図2に示すように、開口部10aを有する筐体10と、筐体10の開口部10aに配置された操作スイッチ用シート部材としての操作パネル11と、筐体10の内部に操作パネル11と離間して対向配設された基体部としての基板21とを備えている。
【0032】
操作パネル11には、接触操作及び押圧操作が可能な表面操作部としての接触押圧操作部12が外部に露出して一部に配置されている。接触押圧操作部12は硬質操作片としての一つの中央キー13と、中央キー13の周囲を囲むように配置された硬質操作片としての方向キー14とを備えている。操作パネル11の接触押圧操作部12以外の部位には、押圧操作可能な多数の押圧操作部15が設けられている。
【0033】
接触押圧操作部12の筐体10の内部側には、中央キー13及び方向キー14に対する接触操作を静電容量の変化として検出できるシート状の静電容量検出部17と、中央キー13及び方向キー14並びに静電容量検出部17を支持する押圧作動部としての弾性体シート19とが配置され、接触押圧操作部12、静電容量検出部17、及び弾性体シート19が一体に接合されている。ここでは、静電容量検出部17及び弾性体シート19は、何れも中央キー13及び方向キー14の全てに対応する位置に連続して設けられている。また、中央キー13及び方向キー14は、それぞれ分離された状態で、静電容量検出部17及び弾性体シート19に支持されている。
【0034】
基板21には、弾性体シート19を筐体10の表面側に付勢する押圧変形部23が設けられ、押圧変形部23内の基板21上には、図示しない回路と接続されて、中央キー13及び方向キー14に対する押圧操作により接続可能な導通接点部25が設けらている。
【0035】
まず、操作パネル11の中央キー13及び方向キー14は、硬質の樹脂からそれぞれ別々に分離された状態で成形されており、図2に示すように、操作パネル11の表面シート11bに設けられた開口部11aに配置されている。
【0036】
これらの中央キー13及び方向キー14の各表面はそれぞれ独立に変位可能な押圧操作面となっており、中央キー13及び方向キー14の各押圧操作面と重複する表面全体が連続する接触操作面となっている。
【0037】
各キー13、14は、表面側で行われる接触操作を背面側に配置された静電容量検出部17により検出可能に形成されている。また、各キー13、14は、背面側からの光が表面側に透過可能に形成されている。このような中央キー13及び方向キー14として、この実施の形態1ではポリカーボネートからなるものを使用している。
【0038】
これらの中央キー13及び方向キー14並びに操作パネル11の表面シート11bの背面側には透光表示部16が設けられている。この透光表示部16は、これらの裏面に、文字、図形等の各種のデザインで抜き形状部を有する遮光性の加飾印刷層が形成されることで構成されている。
【0039】
次に、操作パネル11の静電容量検出部17は、シート状に形成されており、表面に中央キー13及び方向キー14が接合されている。ここでは、キー13、14は両面テープ18により接着されており、各キー13、14の押圧操作を阻害しないようにする目的で、各キー13、14の周縁が非接合状態となっている。
【0040】
このキー13、14と静電容量検出部17との接合部位は全面に渡り、均一に密着して接合されていることが好ましく、例えば、接合部位内に気泡等の間隙や凹凸が存在しないことが好ましい。キー13、14の表面における接触操作時に、静電容量検出部17の感度を均一に確保し易いからである。
【0041】
この静電容量検出部17は、図3に示すように、基材フィルムとしての樹脂フィルム17cに、多数の検出部位17aと、各検出部位17aに接続されたリード線17bとが導電性被膜層により形成された構成となっている。
【0042】
この実施の形態1の導電性被膜層では、複数の扇形の検出部位17aが、それぞれ中央キー13の略中心部から方向キー14の外周縁に至る大きさで放射方向に形成されており、全検出部位17aが円形となるように配置されると共に、各検出部位17aが互いに非接続状態となっている。リード線17bは各検出部位17aの弧状の端縁から延びており、全てのリード線17bが一箇所で集束されて、図示しない回路まで延長されて接続されている。
【0043】
このような静電容量検出部17を構成する樹脂フィルム17cは、光を透過可能な透明性を有すると共に、導電性被膜層が形成可能な剛性を有し、押圧操作時に周囲の押圧変形部を押圧することなく変形可能な柔軟性を有するフィルムが好適である。
【0044】
この樹脂フィルム17cを構成する樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどが挙げられ、これらの樹脂材料の中でも、強度の観点から、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートが好適である。
【0045】
樹脂フィルム17cは、操作パネル11の薄肉化のために、出来るだけ薄肉のフィルムが好適である。後述するように互いに隣接する検出部位17aを樹脂フィルム17cの異なる面に設ける場合には、更に、十分な電気的絶縁性が得られる範囲で薄肉のフィルムとするのが好適である。
【0046】
具体的には、例えば樹脂フィルム17cの厚さを10〜100μmとするのが好ましい。樹脂フィルム17cの厚さが10μm以上であれば、所望の剛性及び電気的絶縁性を得やすく、一方、100μm以下であれば、柔軟性を得やすいと共に薄肉にできるからである。この実施の形態1では、25μm以下のPETフィルムが使用されている。
【0047】
検出部位17a及びリード線17bを構成する導電性被膜層は、導電性が高い程、接触操作時の検出精度が向上できるため、十分な導電性を有するものが好ましい。ここでは、中央キー13及び方向キー14の直下に静電容量検出部17が配置されているため、例えば、抵抗値が4000Ω/□以下であれば使用可能である。また、押圧操作時には繰返し局部的な変形を受けるため、変形に対する柔軟性を有するものが好ましい。この実施の形態1のように、導電性被膜層を樹脂フィルム17c等の他の部材に担持させる場合、形状保持性が不要であるため、より薄肉に形成することにより柔軟性を得ることが可能である。
【0048】
このような導電性被膜としては、カーボンインク、銀系インク等の導電性インクにより形成することができ、更に、透明性を有するインクとして、酸化インジウム錫、導電性高分子等のインクを用いて形成することも可能である。透明性を有するインクを用いると、内部からの照光の妨げにならず、接触押圧操作部12に透光表示部16を設ける場合にデザインの自由度が向上できて好ましい。
【0049】
導電性高分子のインクを用いて検出部位17aやリード線17bを形成する場合には、印刷による形成が望ましく、例えば、スクリーン印刷、インクジェットなどを用いることができる。
【0050】
この導電性被膜層では、樹脂フィルム17cの一方の面に検出部位17a及びリード線17bが全て配置されるように形成してもよいが、互いに隣接する検出部位17aが樹脂フィルム17cの異なる面となるように形成することも可能である。このようにすれば、互いに隣接する検出部位17a間が近接していても、樹脂フィルム17cを介して配置されることにより確実に絶縁することができ、検出部位17a間を絶縁する手間を簡略化することが可能である。
【0051】
導電性被膜層は、透明性を有するインクを用いた印刷層の場合、0.1〜5μmの厚さとするのが好ましい。0.1μm以上であれば、十分な導電性を確保でき、静電容量検出部17において確実に静電容量の変化を検出し易くでき、5μm以下であれば静電容量検出部17を薄肉に形成し易いと共に、透明性を確保し易いからである。
【0052】
なお、印刷層として、カーボンインク、銀系インク等の導電性インクを用いた場合には、5μm〜25μmの厚さとすることで使用可能である。
【0053】
また、このような印刷層の代わりに、例えば、酸化インジウム錫等の導電性金属を蒸着し、所定の形状にエッチングするなど、他の方法で導電性被膜層を形成することも可能である。
【0054】
次に、操作パネル11の弾性体シート19は、筐体10の開口部10aの端縁と基板21との間で固定される周縁部19aと、周縁部19aから接触押圧操作部12が配置された開口部10a側に突出し、支持面としての頂面19dを備えた膨出部19bと、この膨出部19bの筐体10の内部側に形成された中空部19cと、この中空部19cの中央キー13及び方向キー14に対応する位置に、押圧変形部23側に向けて突出して形成された押圧作動部の作動部位としてのプランジャ部19eとを備えている。
【0055】
この弾性体シート19では、静電容量検出部17が膨出部19bの平坦な頂面19dに接着されている。ここでは、静電容量検出部17の全ての検出部位17aが全面において両面テープ20により頂面19dに接着されている。なお、この膨出部19bの頂面19dには、接触押圧操作部12が配置された開口部11a以外の表面シート11bも両面テープ20により接合されている。
【0056】
このような弾性体シート19は、膨出部19bに支持された中央キー13及び方向キー14並びに静電容量検出部17の押圧操作を可能にし、更に、これらを筐体10の表面側に弾性により付勢して繰返し押圧変形を可能にするため、弾性を有する材料から形成されている。
【0057】
この弾性体シート19を構成する弾性を有する材料としては、シリコーンゴム、ポリウレタン等が挙げられ、これらを1種単独、或いは、複数組合わせて使用することができ、特に、光を透過可能な透明性を有する材料が好適である。この実施の形態1では、シリコーンゴム層とポリウレタン層とを積層一体化した成形品を使用している。これにより、薄肉に形成しても切れ等が生じ難く、繰り返しの変形等に対する耐久性を確保し易いからである。
【0058】
シリコーンゴムとポリウレタン等の熱可塑性樹脂とを一体化する場合には、シリコーンゴムとして、又は、熱可塑性樹脂とシリコーンゴムとの間の境界層として、熱可塑性樹脂とは強固に接着するが、金属の成型用金型とは接着しないという選択的な接着特性を有する選択接着シリコーンゴムを用いるのが好ましい。
【0059】
この選択接着シリコーンゴムとしては、その組成で、(a)アルケニル基含有ポリオルガノシロキサン、(b)珪素原子に直結した水素原子を一分子中に少なくとも2個以上有するオルガノハイドロジエンポリシロキサン、(c)付加反応触媒、(d)接着性付与成分を含有するものが好ましい(特開平6−171021号公報、特開平8−216273号公報、特開2002−201454号公報参照)。特に、珪素原子に直結した水素原子を一分子中に少なくとも1個有し、かつ、フェニル骨格を有する基・アルコキシリル基・グリシジル基・酸無水物基から選択された基を含む化合物であることが好ましい。さらにその中でも、少なくとも1個、より好ましくは2個以上のSi−H基と、少なくとも1個のフェニル骨格とを一分子中に有する化合物であることが特に好ましい。
【0060】
具体的に説明すると、選択接着シリコーンゴムとしては、例えば、X−30−3511U(信越化学株式会社製、商品名)が該当する。また、例えばシリコーンゴムコンパウンドKE9510−U(信越化学株式会社製、商品名)100重量部に対し、付加反応型架橋剤C−25A(信越化学株式会社製、商品名)1重量部、付加反応型架橋剤C−25B(信越化学株式会社製、商品名)1重量部、下記の化学式1により示される化合物1重量部を混合したものも選択接着シリコーンゴムに該当する。
【化1】

【0061】
更に、例えば、加熱硬化型のオルガノポリシロキサン組成物100重量部に対して、補強性シリカ微粉末1〜100重量部、エポキシ当量が100〜5000g/molで分子中に芳香族環を少なくとも1個有する有機化合物または有機珪素化合物0.1〜50重量部を混合したものも選択接着シリコーンゴムに該当する。
【0062】
この実施の形態1の操作パネル11は、以上のような中央キー13及び方向キー14、静電容量検出部17、及び弾性体シート19が、一体に接合されたものである。この接合された状態の操作パネル11は、出来るだけ薄肉に形成されることが好ましく、また、弾性体シート19のプランジャ部19eを押圧変形部23に当接させて装着された状態で、形状を確実に保持できると共に、中央キー13又は方向キー14のうちの一つが押圧操作された際、他の中央キー13又は方向キー14が変位しない状態で維持される剛性を有することが要求される。
【0063】
ここでは、中央キー13及び方向キー14及び表面シート11bと、静電容量検出部17と、弾性体シート19との内の一部が十分に剛性を有していれば、残部は変形自在な柔軟性を有していてもよい。
【0064】
その際、中心キー13及び方向キー14は静電容量検出部17や検出部位17aを構成する導電性被膜より剛性を有することが好ましい。押圧操作時に各キー13、14から受ける応力を分散し易く、静電容量検出部17や導電性被膜の耐久性を確保し易いからである。
【0065】
また、弾性体シート19が静電容量検出部17や検出部位17aを構成する導電性被膜より剛性を有することが好ましい。押圧操作時に後述する押圧変形部23から局部的に受ける反力を分散し易く、繰り返しの変形等に対する静電容量検出部17や導電性被膜の耐久性を確保し易いからである。
【0066】
この実施の形態1では、中央キー13及び方向キー14が最も硬質に形成され、弾性体シート19が最も軟質に形成されている。
【0067】
次に、基板21は、硬質樹脂製の板材からなり、中央キー13及び各方向キー14或いは押圧操作部15の押圧操作時に変形を防止できる構造となっている。この基板21には、図示しない回路が設けられ、静電容量検出部17のリード線17bが接続され、中央キー13及び方向キー14の接触操作により検出される静電容量の変化が入力されて処理可能に構成されると共に、中央キー13及び方向キー14の押圧操作による入力が処理可能に構成され、更に、押圧操作部15からの押圧操作による入力が処理可能に構成されている。
【0068】
この基板21の中央キー13及び各方向キー14に対向する部位のそれぞれには、押圧変形部23が、弾性体シート19の各プランジャ部19eに対向するように配設されている。この押圧変形部23は、中空立体形状に形成された弾性ドームを備え、中央キー13及び各方向キー14が押圧操作されることにより、プランジャ部19eが変位することで、プランジャ部19eにより押圧して弾性変形されるように構成されている。
【0069】
この弾性ドームとしては、PETなどの樹脂製ドームや金属製のドームが挙げられる。この実施の形態1では、弾性変形可能な薄肉の金属からなるメタルドーム27を備えており、メタルドーム27が基板21上に各キー13、14に向けて凸となるように配置され、基板21に貼着可能な可撓性を有する樹脂からなるメタルドーム固定シート24により凸面側から被覆されることにより基板21の表面に固定されている。
【0070】
メタルドーム27内には、基板21に設けられた回路を離接する導通接点部25が設けられており、中央キー13や方向キー14の押圧操作で押圧変形部23が押圧されることにより、メタルドーム27の内表面が接触して導通接点部25間が接続されるように構成されている。
【0071】
なお、基板21には、中央キー13及び方向キー14とは面方向に離間した筐体10内の位置に、LEDからなる発光部26が設けられ、この発光部26からの光を中央キー13及び各方向キー14に対向する部位に案内するためのライトガイド22がメタルドーム固定シート24上に部分的に接着剤等で固定されている。
【0072】
そのため、押圧変形部23では、弾性体シート19の各プランジャ部19eの先端はメタルドーム固定シート24及びライトガイド22を介してメタルドーム27の凸面に当接して配置されている。
【0073】
次に、このような構成を有する操作スイッチの使用方法について説明する。
【0074】
接触押圧操作部12において、所望のスイッチ動作を行うには、まず、指を中央キー13又は方向キー14の上に接触させることで瞬時の接触操作を行う。すると、静電容量検出部17の隣り合う複数の検出部位17aにおいて、静電容量の変化が検出される。この検出結果がリード線17bを介して基板21上の回路に伝達されて、接触押圧操作部12上の方向が識別される。次に、必要に応じ、指を中央キー13又は方向キー14上で移動することで更なる接触操作を行うと、初期値との静電容量の変化が検出され、その結果に基づき、選択或いは変化が実施される。
【0075】
その後、指で中央キー13又は方向キー14の一つを押圧することにより押圧操作を行うと、弾性体シート19が変形することにより、中央キー13又は方向キー14と共に、静電容量検出部17、及び膨出部19bが下降し、プランジャ部19eにより押圧変形部23が押圧される。そして、ライトガイド22及びメタルドーム固定シート24と共にメタルドーム27が変形されることにより、クリック動作感が得られた状態で、導通接点部25が導通される。このとき、押圧操作が行われない残りの中央キー13又は方向キー14は下降せず、また、それらに対応する押圧変形部23も弾性変形せず、それぞれ当初の状態で維持される。
【0076】
この押圧操作により、各種の処理や上述の接触操作と組み合わされた所望の処理が実行される。なお、この押圧操作時の距離は微細であり、押圧操作は短時間で実施されることになる。このようにして所望のスイッチ動作を完了する。
【0077】
以上のような操作スイッチによれば、中央キー13及び方向キー14と弾性体シート19との間に静電容量検出部17が配置されているので、中央キー13及び方向キー14に近接させて静電容量検出部17を配置することが可能である。例えば、静電容量検出部17を弾性体シート19より下方に設けるとすれば、弾性体シート19に設けられたプランジャ部19eの形状や構造、或いは、押圧変形部23の形状や構造などにより、中央キー13及び方向キー14と静電容量検出部17との間の距離が離間し易い。そのため、このように、中央キー13及び方向キー14と弾性体シート19との間に静電容量検出部17が配置されていれば、プランジャ部19e等の形状や構造などに拘わらず、中央キー13及び方向キー14に近接させて静電容量検出部17を配置することができ、その結果、中央キー13及び方向キー14への接触操作を精度よく静電容量の変化として検出することが可能である。
【0078】
ここでは、中央キー13及び方向キー14と静電容量検出部17とが均一に密着して接合されているため、中央キー13及び方向キー14と静電容量検出部17との間の距離がバラついて位置により検出精度が変化することがなく、より精度よく静電容量の変化を検出することができて、より確実な接触操作が可能である。
【0079】
しかも、中央キー13及び方向キー14と弾性体シート19のプランジャ部19eに対応する位置との間にも静電容量検出部17が存在しているので、押圧接触操作部12の接触操作において、押圧接触操作部12のプランジャ部19eに対応する位置でも静電容量の変化を検出することができ、静電容量検出部17の検出精度を更に向上することが可能である。
【0080】
また、中央キー13及び方向キー14、静電容量検出部17、並びに弾性体シート19が一体に接合されているので、中央キー13及び方向キー14を押圧すれば静電容量検出部17を介して確実にプランジャ部19eを変位させて作動させることができ、確実な押圧操作が可能である。
【0081】
しかも、中央キー13及び方向キー14、静電容量検出部17、弾性体シート19が一体に接合されているので、各部の間に間隙を設ける必要がなく、操作パネル11の厚さを薄く構成し易い。また、接触操作と押圧操作を実現するための機能を操作パネル11に集約することができるため、少ない部品点数で操作スイッチを構成することができる。
【0082】
更に、それぞれを薄肉に形成しても、単独で配置されている場合に比べて、繰返し押圧操作を受けた際、押圧操作により受ける応力で変形や破断等が生じ難く、押圧接触操作部12の表面と静電容量検出部17との間の距離や、押圧接触操作部12の表面と押圧変形部23との間の距離も変化し難くでき、十分な耐久性を確保し易い。
【0083】
ここでは、中央キー13及び方向キー14と弾性体シート19との間に静電容量検出部17が配置されているので、押圧操作により静電容量検出部17が変形される場合であっても、静電容量検出部17の両面が支持された状態で変形でき、静電容量検出部が劣化し難く、繰返し押圧操作される際の応力などに対する十分な耐久性を確保し易い。
【0084】
また、この操作パネル11は、互いに独立に変位可能な中央キー13及び方向キー14を備え、静電容量検出部17が中央キー13及び方向キー14に対応する位置に連続して設けられ、各キー13、14と共に変位可能に構成されているので、中央キー13及び方向キー14に対して別々に押圧操作可能であると共に、中央キー13及び方向キー14に跨って接触操作を行うことができ、接触操作が可能な範囲を広く確保し易い。そのため、押圧操作と接触操作の両方の操作性を向上し易い。
【0085】
更に、弾性体シート19が中央キー13及び方向キー14に対応する位置に連続して設けられられているので、静電容量検出部17が連続して弾性体シート19に支持された状態で一体的に静電容量検出部17が変形され、静電容量検出部17の歪みによる劣化等を防止できる。
【0086】
また、この操作パネル11では、互いに分離した硬質の中央キー13及び方向キー14を備え、各中央キー13及び方向キー14が、周縁部を非接合状態にして、静電容量検出部17及び弾性体シート19と接合されているので、各キー13、14間が近接して配置されていても、一部のキー13、14が押圧された際、静電容量検出部17及び弾性体シート19が隣接するキー13、14の周縁部から離間して変形することができ、押圧されたキー13、14の動作が阻害され難く、円滑な押圧操作を行うことができる。
【0087】
更に、この操作パネル11では、中央キー13及び方向キー14が弾性体シート19の膨出部19bの頂面19dに支持されているので、中央キー13及び方向キー14を押圧した際に弾性体シート19が弾性変形し易く、明確な押圧操作が可能である。
【0088】
ここでは、膨出部19bが弾性体シート19が周縁部19aから押圧接触操作部12側に突出して支持面としての頂面19dを備えて中空に形成されているので、押圧操作時に膨出部19bが変形し易く、より明確な押圧操作を行うことが可能である。
【0089】
また、この操作パネル11では、静電容量検出部17が樹脂フィルム17cに導電性インクの印刷層からなる導電性皮膜層を設けて形成されているので、静電容量検出部17を極めて薄肉に形成することができ、より操作スイッチの薄型化を図り易く、また、柔軟性を付与することができてより明確な押圧操作感を得やすい。
【0090】
そして、このような携帯電話では、筐体10の内部側に固定された基板21と弾性体シート19の膨出部19bとの互いに対向する位置に、弾性変形可能な中空状のメタルドーム27と、メタルドーム27を押圧するプランジャ部19eとが設けられ、接触押圧操作部12が押圧されることで、プランジャ部19eがメタルドーム27を弾性変形できるように構成されているので、各キー13、14の押圧操作時に、メタルドーム27の変形による十分なクリック動作感を得ることができる。
【0091】
ここでは、プランジャ部19eが膨出部19bの接触押圧操作部12を支持する頂面19dとは反対側に設けられているため、静電容量検出部17を接触押圧操作部12全体の任意の場所に配置することができ、接触操作の確実性を向上することが可能であると共に、設計の自由度を向上することができる。
【0092】
次に、以上のような操作パネル11を製造する方法について、図4を用いて具体的に説明する。
【0093】
まず、厚さ50μmのポリウレタンフィルム(シーダム株式会社製)の片面に位置決め用の孔を形成すると共に(S101)、透明のウレタン系インクRUX(セイコーアドバンス株式会社製、商品名)を印刷して易接着層を形成した(S102)。この易接着層側に選択接着性の液状シリコーンゴムKE−2090−60A/B(信越化学工業株式会社製、商品名)を塗布して、所定の成形型に配置し、120℃で5分間圧縮成型した(S103)後、成形型から取り出した。そして、パンチングにより不要なバリを取り除く外形抜き(S105)を行い、弾性体シート19を作製した。ここでは、ポリウレタン層が膨出部19bの頂面19dとなるように成形した。
【0094】
次に、厚さ50μmの両面テープ20であるハイボン(日立化成ポリマー株式会社製、商品名)に位置決め用として孔開けをして(S111)、所定形状にハーフカット(S112)を行った後、弾性体シート19の膨出部19bの頂面19dに貼り付けた(S113)。
【0095】
弾性体シート19の作製とは別に、搬送用フィルムに積層された厚さ25μmのPETフィルムに位置決め用孔を開けた(S121)後、カーボンインクを用いて検出部位17a及びリード線17bを印刷して回路印刷を行い(S122)、所定形状にハーフカット(S123)を行い、搬送用フィルムに支持された状態で静電容量検出部17を作製した。そして、この静電容量検出部17を両面テープが貼り付けられた膨出部19bの頂面19dに位置決め孔により位置決めして載置し、この状態で圧着治具を用いて圧着した後、搬送用フィルムを除去することにより、弾性体シート19に静電容量検出部17を接合した(S124)。
【0096】
更に、厚さ50μmの両面テープ18であるハイボン(日立化成ポリマー株式会社製、商品名)を、中央キー13及び方向キー14の裏面の形状より小さい形状で、可動部を形成できるようにして切断すると共に、位置決め用として孔開けをして(S131)、所定形状にハーフカットした(S132)。そして、弾性体シート19の膨出部19bの頂面19dの静電容量検出部17上となる所定位置に貼り付けると共に、操作パネル11の表面シート11bが接合される部位に貼り付けた(S133)。
【0097】
これとは別に、厚さ0.4mmのポリカーボネートシートの裏面に数字や文字等の加飾層を印刷し(S141)、中央キー13及び方向キー14が配置される開口部11aを設けて打ち抜きカットし(S142)操作パネル11の表面シート11bを作製した。また、厚さ0.4mmのポリカーボネートシートの裏面に数字や文字等の加飾層を印刷し(S151)、所定形状に打ち抜きカットして(S152)、中央キー13及び方向キー14を得た。
【0098】
そして、中央キー13及び方向キー14を弾性体シート19の膨出部19bの頂面19dの静電容量検出部17上に接合すると共に、更に、開口部11aに中央キー13及び方向キー14が配置されるようにして、操作パネル11の表面シート11bを弾性体シート19の膨出部19bの頂面19dに接合する(S153)ことにより、接触押圧操作部12を備えた操作スイッチ用シート部材である操作パネル11を得た。その後、操作パネル11の周縁に、基板21との密着性を確保するためのスポンジテープを貼り付けて(S161)操作スイッチ用シート部材の製造を終了した。
【0099】
その後、予め、形成された筐体10及び基板21に、ライトガイド22、押圧変形部23、導通接点部25、発光部26、メタルドーム27等、各部を構成する部材と共に、得られた操作スイッチ用シート部材を組込み、操作スイッチを得た。
【0100】
このようにすれば、上記のような操作パネル11及び操作スイッチを容易に製造することができる。
【0101】
なお、上記実施の形態1は、本発明の範囲において適宜変更可能である。例えば、上記では、静電容量検出部17と中央キー13及び方向キー14との間を透明な両面テープ18により接合し、弾性体シート19と静電容量検出部17との間を透明な両面テープ20で接合し、基板21とライトガイド22との間をメタルドーム固定シート24により接合したが、例えば、両面テープ18、20に変えて紫外線硬化型接着剤、可視光硬化型接着剤、シアノアクリレート接着剤、ホットメルト等、各種の接着剤を用いることが可能である。
【0102】
また、上記では、静電容量検出部17等を、周縁部19aから接触押圧操作部12側に突出して形成された膨出部19bにより支持した例について説明したが、特に限定されるものではなく、静電容量検出部17等を支持する面が弾性体シート19に設けられた中空部19c等により周縁部19aより弾性変形し易く形成されていれば、この発明を同様に適用することが可能である。例えば、平坦な弾性体シート19の筐体10の内部側の面、即ち、基板21と対向する面側に、押圧変形部23が配置可能な中空部19cを設け、この中空部19cが設けられた部位における筐体10の外部側の面、即ち、基板21と対向しない面により静電容量検出部17を支持するように構成することも可能である。
【0103】
更に、上記では、弾性ドームとしてメタルドーム27を用いた例について説明したが、樹脂等の弾性を有する材料により立体的形状に形成された成形体など、押圧されることによりクリック動作感が得られる部材であれば、適宜変更可能である。
【0104】
また、上記では、クリック操作感を向上する等の目的で、プランジャ部19eを設けたが、プランジャ部19eの存在しない平坦面からなるものであってもよい。その場合、押圧変形部23側から平坦面側に向けて突出するように、プランジャ部に相当する突起を設けることも可能である。例えば、メタルドーム27の頂点付近に、絞り加工により突起を設けたり、ゴム、エラストマー等からなる突起を貼付けてもよく、また、メタルドーム固定シート24のメタルドーム27の頂点付近に相当する位置に突起を設けたり、貼付けてもよく、更に、ライトガイド22のメタルドーム27の頂点付近に相当する位置に突起を設けたり、貼付けることも可能である。
[実施の形態2]
【0105】
図5は、この実施の形態2の操作スイッチを示す。
【0106】
この実施の形態2の操作パネル11では、静電容量検出部17が、樹脂フィルム17cを用いることなく、弾性体シート19に直接印刷することにより形成されている他は、実施の形態1と同様である。
【0107】
このような操作パネル11では、静電容量検出部17を実施の形態1に比べて薄く形成できると共に、樹脂フィルム17cを弾性体シート19に接合するための両面テープ20が不要となるため、操作スイッチ用シート部材全体の厚さをより薄く形成することが可能である。
【0108】
このような実施の形態2の操作パネル11を製造するには、図6に示すように、厚さ50μmのポリウレタンフィルム(シーダム株式会社製)の片面に位置決め用の孔を形成した(S101)後、その一方の表面に回路印刷することにより(S171)静電容量検出部17を作製して、更に保護層を印刷する。この印刷は、例えば、カーボンインク、銀ペースト等の遮光性材料、酸化インジウム錫、導電性高分子(PEDOT)等の透明材料により行えばよい。ここでは、回路印刷の後、保護層を印刷することなく、回路印刷された上に易接着層を印刷するようにしてもよい。
【0109】
そして、この回路印刷された表面とは反対側の表面に、透明のウレタン系インクRUX(セイコーアドバンス株式会社製、商品名)を印刷して易接着層を形成し(S172)、実施の形態1と同様に、選択接着性の液状シリコーンゴムKE−2090−60A/B(信越化学工業株式会社製、商品名)を塗布して、圧縮成型した後(S103)、外形抜き(S105)を行い、静電容量検出部17が接合された状態の弾性体シート19を作製する。
【0110】
その後は、実施の形態1と同様にすることにより、実施の形態2の操作パネル11が得られる。このようにすれば、実施の形態1よりも更に薄肉に製造することができる。
[実施の形態3]
【0111】
図7は、この実施の形態3の操作スイッチを示す。
【0112】
この実施の形態3の操作スイッチでは、操作パネル11の接触押圧操作部12及び押圧操作部15を一体に設けた1枚のフィルムキー31から形成されている。このフィルムキー31は薄肉、例えば0.1mm以下のポリカーボネートフィルムにより変形自在に形成されている。
【0113】
このフィルムキー31の裏面側には加飾印刷層32が積層され、この加飾印刷層32により接触押圧操作部12及び押圧操作部15が表示されており、図1の中央キー13及び方向キー14と同一形状の中央部33と方向部34とが線図により区画されている。また、加飾印刷層32が積層されていない非印刷部位32aにより透光表示部16が形成されている。
【0114】
一方、フィルムキー31の表面側には、押圧操作を容易にする目的で、各操作部12、15の位置に突起を設けていてもよく、この実施の形態3では弾性体シート19の方向部34に突起成形体41が装着されている。この突起成形体41は、透明性を有する樹脂から薄肉に形成されており、例えばPETフィルムに紫外線硬化樹脂の転写若しくはポッティングにより作製されている。
【0115】
ここでは、フィルムキー31が上述の実施の形態1、2の操作パネル11の表面シート11bに比べて薄肉であるため、実施の形態1、2の操作パネル11のように剛性により形状を保持することができず、変形し易い構造となっている。そのため、この実施の形態3では、ポリカーボネート等からなる容易に変形しない硬質ベースフレーム35が設けられ、この硬質ベースフレーム35に操作パネル11が固定されている。
【0116】
硬質ベースフレーム35はフィルムキー31の押圧操作が行われない部位に連続して一体に設けられており、頂部にフィルムキー31及び静電容量検出部17が接合されている。硬質ベースフレーム35の開口部35aには、弾性体シート19の膨出部19bが配置され、弾性体シート19の周縁部19aが硬質ベースフレーム35の底部側に固定されている。この実施の形態3では、弾性体シート19は選択接着シリコーンゴムを用いて成形されている。なお、この硬質ベースフレーム35は、図示しない周縁部の複数の突出部により筐体10にはめ込まれて固定されている。
【0117】
なお、接触押圧操作部12と静電容量検出部17との間、弾性体シート19の膨出部19bの頂面19d及び硬質ベースフレーム35と静電容量検出部17との間は、それぞれ両面テープ18、20により接合されている。
【0118】
その他は実施の形態1と同様である。
【0119】
このような構成を有する操作スイッチも実施の形態1の操作スイッチと同様に使用することができる。
【0120】
そして、以上のような操作スイッチによれば、実施の形態1と同様に、確実な押圧操作と接触操作とを行える構成を簡単な構成で実現することができ、操作スイッチを薄型化し易くでき、十分な耐久性を確保することができる。また、メタルドーム27の変形による十分なクリック動作感も得られ、設計の自由度を向上できる。
【0121】
特に、ここでは、接触押圧操作部12がフィルムキー31からなり、極めて薄く形成されているので、接触押圧操作部12の周辺アッセンブリの厚さをより薄型化することが可能である。
【0122】
また、接触押圧操作部12が極めて薄く形成されいるため、この部分の剛性が不足し易いが、ここでは、硬質ベースフレーム35が設けられることで剛性が確保されているため、基板21に固定しない状態でも、接触押圧操作部12の周辺アッセンブリの十分な剛性を確保することができる。
【0123】
また、弾性体シート19が選択接着シリコーンゴムを用いて成形されているので、硬質ベースフレーム35と弾性体シート19とを容易に確実に接着することが可能である。
【0124】
一般に、シリコーンゴムとプラスチックとを一体化する方法として、プライマーの塗布または表面改質等の下地処理を施して一体化する方法と、接着剤を介して一体化する方法とがある。しかしながら、選択接着シリコーンゴムを用いて成形すれば、下地処理を施すことや接着剤を介在させることなく、シリコーンゴムとプラスチックとを強固に接着させることができる。即ち、この実施の形態3においては、弾性体シート19に選択接着シリコーンゴムを用い、硬質ベースフレーム35としてポリカーボネート樹脂を用いるため、下地処理を施すことや接着剤を介在させることなく、弾性体シート19と硬質ベースフレーム35とを接合一体化して成形することができる。これにより、製造時に下地処理工程や接着工程を省略することができ、作業効率を向上させることができる。また、下地処理の不確実性に起因する接着状態の不安定さについても解消することができる。
【0125】
なお、このような操作スイッチ用シート部材を製造するには、図8に示すように、まず、ポリカーボネートを射出成形することにより、開口部35aを設けた硬質ベースフレーム35を作製する(S181)。この硬質ベースフレーム35の開口部35aに選択接着性液状シリコーンゴムKE−2090−60A/B(信越化学工業株式会社製、商品名)を射出してインサート成形し(S182)、その後、バリ取り(S183)及びアフターキュア(S184)することにより、弾性体シート19が硬質ベースフレーム35に接合された状態の成形体を作製する。
【0126】
その後、実施の形態1と同様にして静電容量検出部17及び両面テープ18、20を積層して接合する。
【0127】
そして、例えば、厚さ0.1mmのポリカーボネートシートに、透明なUV樹脂を所定形状に転写してUV照射することにより突起成形体41を形成し(S191)、その裏面に、線図、数字や文字等の加飾層を印刷して中央キー13及び方向キー14と同一形状の中央部33と方向部34を含む印刷部位及び非印刷部位により形成し(S192)、所定形状に切断した後(S193)、両面テープ18上に圧着して(S194)、操作スイッチ用シート部材を得て、筐体10及び基板21に、各部を構成する部材と共に組込むことで操作スイッチを得ることができる。
[実施の形態4]
【0128】
図9は、実施の形態4の操作スイッチを示している。この実施の形態4は、図1の操作パネル11の押圧操作部15が設けられた部位に適用した例である。
【0129】
ここでは、操作パネル11に多数の押圧操作部15が設けられ、この操作パネル11の筐体10の内部側に静電容量検出部17が接合され、これらが、弾性体シート19の操作パネル11全幅に相当する膨出部19bの頂面19dに接合されて支持されている。
【0130】
この静電容量検出部17は、押圧操作部15の押圧操作とは別に、独立して接触操作を行うためのものであり、操作パネル11全面を利用して指を接触或いは摺動させることにより、押圧操作による入力とは別に、位置、距離、或いは方向等の入力が可能に構成されている。
【0131】
この操作パネル11では、弾性体シート19がシリコーンゴムから、操作パネル全体に広がるように連続した膨出部19bを備えて形成されており、膨出部19bの中空部19c内の基板21の表面には、各押圧操作部15に対応する位置にメタルドーム27が設けられ、各メタルドーム27内に導通接点部25が設けられている。そのため、操作パネル11の各押圧操作部15を押圧すると、対応する位置の膨出部19bが変形して弾性体シート19のプランジャ部19eによりメタルドーム27が押圧変形され、これにより、導通接点部25が接続されるようになっている。
【0132】
その他は実施の形態1と同様である。
【0133】
このような操作スイッチにおいても、実施の形態1と同様の効果を得ることが可能であり、ここでは、操作パネル11全面を利用して容易に接触操作を行うことができる。
【0134】
この実施の形態4の操作スイッチ用シート部材を製造するには、図10に示すように、例えば、シリコーンゴムコンパウンドKE−9510U(信越化学工業株式会社製、商品名)100重量部に、架橋剤C−8(信越化学工業株式会社製、商品名)2重量部を混練し、分出した後、所定の金型に配置し、170℃で5分間圧縮成形する(S201)。その後、200℃で1時間熱風乾燥してアフターキュアして取り出し(S202)、パンチングにより不要なバリを取り除く(S203)ことにより弾性体シート19を作製する。 この弾性体シート19の膨出部19bの表面に、プライマーとしてPPX−3(セメダイン株式会社製、商品名)をスプレーにて塗布し(S204)、その直後にシアノアクリレート系接着剤のPPX(セメダイン株式会社製、商品名)をディスペンサーにより塗布する(S205)。
【0135】
その後、実施の形態1と同様に得られた静電容量検出部17及び両面テープ18を積層し、更に、操作パネル11の表面シート11bを積層して接合することにより操作スイッチ用シート部材を製造することができる。ここでは、開口部11aを設けておき、実施の形態1と同様に、中央キー13及び方向キー14を接合することも可能である。
[実施の形態5]
【0136】
図11は、この実施の形態5の操作スイッチを示す。
【0137】
この実施の形態5の操作スイッチでは、弾性体シート19が膨出部19b及び中空部19cを有さず、基板21側の面にプランジャ部19eが設けられている以外は略一定厚さのシート形状に形成されている。
【0138】
この弾性体シート19では、プランジャ部19eが設けられた面とは反対側の外側平面19fが支持面となっており、この外側平面19fに静電容量検出部17並びに中央キー13及び方向キー14が接合されている。
【0139】
弾性体シート19は、弾性変形可能な材料からなる弾性体フレーム43に接合されて支持されている。弾性体フレーム43としては、例えば、発泡樹脂の成形体やステンレス等の金属板を弾性変形可能に成形した成形体などが挙げられる。
【0140】
この弾性体フレーム43は、弾性体シート19と基板21との間で、接触押圧操作部12の位置の周囲を囲む位置に配置されており、接触押圧操作部12の位置では弾性体シート19の基板21側に中空部44を形成している。
【0141】
ここでは、弾性体フレーム43は、弾性体シート19のプランジャ部19e側の面とライトガイド22との間、場所によっては基板21との間に介在し、その周縁部43aが筐体10の開口部10aの内側端縁10bにより固定されている。
【0142】
このような操作スイッチでは、中央キー13及び方向キー14の押圧操作を行うと、弾性体シート19が中空部44側に弾性変形すると共に弾性体フレーム43が弾性変形し、プランジャ19eにより押圧変形部23を押圧変形するようになっている。
【0143】
その他は実施の形態1と同様である。
【0144】
このような操作スイッチであっても実施の形態1と同様の作用効果が得られる。また、弾性体シート19の形状が単純であるため、製造が容易である。
【0145】
なお、この実施の形態5の操作スイッチでは、弾性体シート19が実施の形態1のように立体的形状を有するものではないが、静電容量検出部17が一体に接合されているため、その樹脂フィルム17cの適度な剛性により操作スイッチ用シート部材の装着状態における形状を維持することが可能となっている。
[実施の形態6]
【0146】
図12は、この実施の形態6の操作スイッチを示す。
【0147】
この操作スイッチでは、実施の形態3と同様に、操作パネル11の接触押圧操作部12及び押圧操作部15が1枚のフィルムキー31から一体に形成されており、フィルムキー31の裏面側に加飾印刷層32が積層され、加飾印刷層32により接触押圧操作部12及び押圧操作部15が表示されて、図1の中央キー13及び方向キー14と同一形状の中央部33と方向部34とが線図により区画されている。また、所定位置には、光が透過可能な透光表示部16が形成されている。
【0148】
このフィルムキー31は、例えばポリカーボネートフィルムにより形成されており、中央部33及び方向部34がそれぞれ独立に押圧変形可能であると共に、操作パネル11の形状を保持可能な剛性を有している。
【0149】
また、操作パネル11の基板21と対向する面側には、弾性支持体としての弾性体シート19は設けられておらず、代わりに、弾性変形部23に対向する位置にプランジャ部37aを備え、残部がフィルムキー31より軟質なプランジャシート37が設けられている。
【0150】
この操作パネル11では、静電容量検出部17及びプランジャシート37がフィルムキー31に接合て支持されている。この操作パネル11は、周縁部に補強板38が両面テープ39により接合されることで、剛性が向上されており、この補強板38が筐体10の開口部10a近傍に設けられた被固定部10cに固定されることで、操作パネル11が筐体10に装着されている。
【0151】
このような操作スイッチであっても、実施の形態1と同様の作用効果が得られる。
【0152】
しかも、この操作パネル11では、中央部33及び方向部34が連続したフィルムキー31に設けられているので、中央部33及び方向部34に対応する位置に連続して設けられた静電容量検出部17を、連続したフィルムキー31で被覆されて補強される。そのため、静電容量検出部17が押圧操作により繰り返し局部的に変形させられても、静電容量検出部17に劣化が生じ難く、耐久性を確保し易い。同時に、中央部33及び方向部34を含む連続した面において表面操作を行うことができるため、表面操作を円滑に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】この発明の実施の形態1の操作スイッチの正面図である。
【図2】同実施の形態1の図1のA−A断面図である。
【図3】同実施の形態1の静電容量検出部を示す正面図である。
【図4】同実施の形態1の操作スイッチ用シート部材の製造工程を説明する図である。
【図5】この発明の実施の形態2の操作スイッチの部分断面図である。
【図6】同実施の形態2の操作スイッチ用シート部材の製造工程を説明する図である。
【図7】この発明の実施の形態3の操作スイッチの部分断面図である。
【図8】同実施の形態3の操作スイッチ用シート部材の製造工程を説明する図である。
【図9】この発明の実施の形態4の操作スイッチを示す図1のB−B断面図である。
【図10】同実施の形態4の操作スイッチ用シート部材の製造工程を説明する図である。
【図11】この発明の実施の形態5の操作スイッチの部分断面図である。
【図12】この発明の実施の形態6の操作スイッチの部分断面図である。
【符号の説明】
【0154】
10 筐体
10a 開口部
11 操作パネル
11a 開口部
12 接触押圧操作部
13 中央キー
14 方向キー
15 押圧操作部
16 透光表示部
17 静電容量検出部
19 弾性体シート
19b、29b 膨出部
19c、29c 中空部
19e プランジャ部
21 基板
22 ライトガイド
23 押圧変形部
25 導通接点部
26 発光部
27 メタルドーム
31 フィルムキー
32 加飾印刷層
35 硬質ベースフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触操作及び押圧操作が行われる表面操作部と、前記表面操作部に対する押圧操作により作動可能な押圧作動部と、前記表面操作部に対する接触操作を静電容量の変化として検出可能な静電容量検出部とを備えた操作スイッチ用シート部材であって、
前記表面操作部と前記押圧作動部との間に前記静電容量検出部が配置された状態で、前記表面操作部、前記静電容量検出部、及び前記押圧作動部が一体に接合されていることを特徴とする操作スイッチ用シート部材。
【請求項2】
前記表面操作部は、互いに独立に変位可能な押圧操作面を複数備え、前記静電容量検出部は、複数の前記押圧操作面に対応する位置に連続して設けられ、各前記押圧操作面と共に変位可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の操作スイッチ用シート部材。
【請求項3】
前記表面操作部を押圧操作可能に支持する弾性支持体を備え、該弾性支持体の前記表面操作部とは反対側に前記押圧作動部が設けられ、前記表面操作部と前記弾性支持体との間に前記静電容量検出部が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の操作スイッチ用シート部材。
【請求項4】
前記弾性支持体は、複数の前記押圧操作面に対応する位置に連続して設けられ、各前記押圧操作面と共に変位可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の操作スイッチ用シート部材。
【請求項5】
前記表面操作部は、前記押圧操作面を有して互いに分離した硬質操作片を複数備え、各前記硬質操作片は、周縁部が非接合状態で、前記静電容量検出部及び前記弾性支持体と接合されていることを特徴とする請求項4に記載の操作スイッチ用シート部材。
【請求項6】
前記表面操作部は、複数の前記押圧操作面を有する連続したフィルムキーからなることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一つに記載の操作スイッチ用シート部材。
【請求項7】
前記弾性支持体は、前記表面操作部側に膨出して形成された膨出部を備え、該膨出部は前記表面操作部側に支持面を有すると共に前記表面操作部とは反対側に中空部を有し、前記表面操作部と前記支持面との間に前記静電容量検出部が配置されていることを特徴とする請求項3乃至6に記載の操作スイッチ用シート部材。
【請求項8】
前記請求項1乃至7の何れか一つに記載の操作スイッチ用シート部材が装着され、該操作スイッチ用シート部材と離間して対向する位置に基体部を備え、
前記基体部と前記押圧作動部とに、弾性変形可能な中空立体形状を有する弾性ドームと、該弾性ドームを押圧可能なプランジャとが互いに対向して設けられ、前記表面操作部が押圧されることにより、前記プランジャが前記弾性ドームを弾性変形可能に構成されていることを特徴とする操作スイッチ。
【請求項9】
請求項1乃至7に記載の操作スイッチ用シート部材を製造する方法であり、
前記押圧作動部と前記表面操作部との間となる位置に前記静電容量検出部を配置した後、前記静電容量検出部を前記表面操作部及び前記押圧作動部と一体に接合することを特徴とする操作スイッチ用シート部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−140755(P2008−140755A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−88723(P2007−88723)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】