説明

操作パネル、及びそれを備えた画像形成装置

【課題】可能な限りごみの排出を抑えつつ、交換が必要な操作パネル筐体や弾性部材及び表示部材のみを取り替えることができる操作パネルを提供する。
【解決手段】操作パネル筐体132上に、パネル状の表示部130を有し、操作パネル筐体132と表示部130との間に弾性部材144を設けた操作パネルとする。操作パネル筐体132と弾性部材144との間の第1の間隙、弾性部材144と表示部130との間の第2の間隙には、通電剥離性接着剤層160・161を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置等の操作パネルの取り付けに関するものであり、特に、操作パネル筐体上に、操作画面やメセージを表示する板形状の表示部材(タッチパネル)を有し、操作パネル筐体と表示部材との間に弾性部材を設けた操作パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、複合機、あるいはプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。このような画像形成装置は、ユーザが画像形成装置を操作するための操作パネルを有している。また、このような操作パネルは、通常、LCD等の表示パネル上にタッチパネルを積層したタッチパネル式操作パネルとして具備されている。タッチパネル式操作パネルの従来構成として、特許文献1が挙げられる。
【0003】
特許文献1における操作パネルは、図9に示すように、操作画面やメッセ−ジを表示する板形状の表示部材であるLCD201と、LCD201上に載置された透明な板形状の入力部材であるタッチパネル202とを備えている。LCD201とタッチパネル202との間の周辺には、位置ずれを防止する弾性材からなる位置ずれ防止部材203が配置されている。位置ずれ防止部材203は、両面接着テープ204によってLCD201またはタッチパネル202に貼り付けて固定されている。両面接着テープ204で貼り付けて固定されたLCD201またはタッチパネル202は、操作パネルケース205内に保持される。
【0004】
特許文献1における操作パネルでは、表示部材、又は、入力部材に位置ずれ防止部材を両面接着テープで貼り合わせて固定することで、再利用の作業が容易に行われ、再利用の部品の品質の低下やコストを抑制する操作パネルを提供することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−191782号公報(2004年7月8日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1における構成では、位置ずれ防止部材203をLCD201又はタッチパネル202に両面接着テープ204で貼り付けて固定しているため、両面接着テープ204の接着面を保護する保護紙がどうしてもゴミになってしまう。近年、地球温暖化防止を目的とした製造工場からのゴミ排出ゼロといったCO排出量を削減しようとする時代のニーズは考慮されていない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであって、近年の地球温暖化防止を目的とした製造工場からのゴミ排出ゼロといったCO排出量を削減することが可能で、交換が必要な操作パネル筐体や弾性部材及び表示部材のみを取り替えることができる為、ムダな部材まで廃棄する必要がない操作パネル、及びそれを備えた画像形成装置、画像形成方法、並びに操作パネル再生方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、操作パネル筐体上に、パネル状の表示部を有し、前記操作パネル筐体と前記表示部との間に弾性部材を設けた操作パネルであって、前記操作パネル筐体と前記弾性部材との間の第1の間隙、及び前記弾性部材と前記表示部との間の第2の間隙に、通電剥離性接着剤層を形成していることを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、第1の間隙、及び第2の間隙を接着するのに両面テープを用いる場合に比べて、両面テープ接着面を予め保護する保護紙等のゴミを出さず、省資源で対環境性に優れ、且つ第1の間隙、及び第2の間隙を接着したり剥がしたりすることが容易となる。このため、交換が必要な操作パネル筐体や弾性部材及び表示部材のみを取り替えることができ、ムダな部材まで廃棄する必要がない。
【0010】
また、上記操作パネルでは、前記第1の間隙、及び前記第2の間隙を接着する通電剥離性接着剤層は、金属部材で挟まれて形成されていることが好ましい。また、上記操作パネルでは、前記金属部材は、真鋳、SUS、アルミ、及び表面コーティングされた鉄から選ばれる部材であることが好ましい。
【0011】
上記の構成によれば、通電剥離性接着剤による接着性を向上し、且つ剥離をも容易にできる。
【0012】
また、上記操作パネルでは、前記表示部材は前記操作パネル筐体に設けられたカバー部材で覆われていることが好ましい。
【0013】
上記の構成によれば、カバー部材を開けることで金属部材に容易に通電することができ、通電剥離性接着剤層の剥離を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、操作パネル筐体上に、パネル状の表示部を有し、前記操作パネル筐体と前記表示部との間に弾性部材を設けた操作パネルであって、前記操作パネル筐体と前記弾性部材との第1の間隙、及び前記弾性部材と前記表示部との第2の間隙に、通電剥離性接着剤層を形成している構成である。
【0015】
それゆえ、第1の間隙、及び第2の間隙を接着するのに両面テープを用いる場合に比べて、両面テープ接着面を予め保護する保護紙等のゴミを出さず、ゴミの焼却に伴うCO排出量を抑制して地球温暖化防止を図ると伴に省資源で対環境性に優れ、且つ第1の間隙、及び第2の間隙を接着したり剥がしたりすることが容易となるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る操作パネルの概略断面図である。
【図2】本発明が適用される画像形成装置の一構成例を示す断面図である。
【図3】本実施の形態に係る操作パネルの平面図である。
【図4】上記操作パネルにおいて表示部カバーを閉じた場合の概略斜視図である。
【図5】上記操作パネルにおいて表示部カバーを開いた場合の概略斜視図である。
【図6】図1のA部の詳細拡大図である。
【図7】本実施の形態における表示部の組み付けを示す図である。
【図8】上記操作パネルに取り付けた表示部を取り外す際の状態図である。
【図9】従来の操作パネルの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図2は、本発明が適用される画像形成装置の一構成例を示す断面図である。
【0018】
図2に示すように、画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体110と、自動原稿処理装置120とにより構成されている。
【0019】
装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
【0020】
装置本体110の上部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また原稿処理装置120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
【0021】
装置本体110には、本実施の形態に係る操作パネル99が備えられている。操作パネル99は装置本体110の操作やメッセージ、印刷ジョブの進捗状況、プレビュー表示、又はネットワークとの送受信情報等を表示する。
【0022】
本画像形成装置において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。すなわち、各画像ステーションは、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定されている。尚、本実施例では4色のカラー画像で説明するが、特に4色に限定せず、例えばシアンおよびマゼンタと同一の色相で濃度がより薄い特性をもつライトシアン(LC)およびライトマゼンタ(LM)を加えた6色であっても良い。
【0023】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図2に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0024】
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。また、露光ユニット1としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
【0025】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。上記中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。
【0026】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0027】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0028】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0029】
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。
【0030】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10もしくは前記中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)としている。
【0031】
また、次工程でトナーの混色を発生させる原因となる残留トナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。上記残留トナーは、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーを含む。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触するクリーニング部材として、例えばクリーニングブレードが備えられている。クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0032】
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。また、装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0033】
また装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0034】
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。またピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にまたピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0035】
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ10に搬送する機能を有している。
【0036】
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。ヒートローラ71は、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。また、ヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定される。また、ヒートローラ71を外部から定着するための外部定着ベルト73が設けられている。
【0037】
次にシート搬送経路を説明する。上述のように、画像形成装置には予めシートを収納する給紙カセット81、及び手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82からシートを給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、シートを1枚ずつ搬送路Sに導くようになっている。
【0038】
各給紙カセット81,82から搬送されるシートは用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0039】
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものである。これに対して両面印字要求の時は、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによってシートを搬送ローラ12c,12dに導く。そしてその後レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
【0040】
次に、本発明に関する操作パネルについて説明する。図3は、本実施の形態に係る操作パネル99の平面図である。
【0041】
操作パネル99には、表示部130や各種キー(テンキー、オールクリアキー、スタートキー等)が設けられている。表示部130は、例えばタッチパネルとすることができるまた、表示部130の前側(図面の下方)には、表示部カバー(カバー部材)131が備えられている。
【0042】
図4は、表示部カバー131を閉じた場合の概略斜視図である。図5は、表示部カバー131を開けた場合の概略斜視図である。図中では、表示部130と操作パネル筐体132と表示部カバー131のみを図示している。
【0043】
表示部カバー131は、操作パネル筐体132に設けられたボス132Aを貫通支持するように設けられた支持部材131Aで支持され、操作パネル筐体132から引き出すことによって開閉する。また、表示部カバー131を引き出す際には、支持部材131Aに当接して表示部カバー131をスムースに引き出せるように操作パネル筐体132にはガイド132Bが設けられている。
【0044】
図1は、操作パネルの概略断面図である。さらに、図6に図1のA部詳細拡大図を示す。尚、図1の表示部130の図中右側は、後述する金属部材の絞り加工以外はA部と同じな為、説明は割愛する。
【0045】
表示部130の底部裏面には、第1金属部材140がM2タッピング雄ネジ150にてビス止めされている。尚、表示部130はABS樹脂等で覆われており、第1金属部材140はそのABS樹脂にビス止めされている。また、操作パネル筐体(ABS樹脂等)132の上面には、第4金属部材143がM2タッピング雄ネジ150にてビス止めされている。第1金属部材140と第4金属部材143との間には、その両面に第2金属部材141および第3金属部材142が貼り付けられた弾性部材(発泡ウレタン樹脂等)144が配される。すなわち、弾性部材144は、第2金属部材141と第3金属部材142との間に挟み込まれている。
【0046】
第1金属部材140と第2金属部材141との間には、通電剥離性接着剤層160がおよそ30μmの層厚で設けられている。また、第3金属部材142と第4金属部材143との間には、通電剥離性接着剤層161がおよそ30μmの層厚で設けられている。すなわち、操作パネル筐体132と弾性部材144との間(第1の間隙)には通電剥離性接着剤層160が形成されており、弾性部材144と表示部130との間(第2の間隙)には通電剥離性接着剤層161が形成されている。通電剥離性接着剤層160・161は、例えば、太陽金網株式会社製エレクトリリースE4を用いることができる。さらに、弾性部材144を第2金属部材141および第3金属部材142で挟み込んだ構造体は、M2雄ネジ151にて第4金属部材143にビス止めされている。
【0047】
第4金属部材143には、絞り加工が施されている。この絞り加工は、第3金属部材142の当たりになっており、M2雄ネジ151の頭部で表示部130の位置決めをしている。
【0048】
M2タッピング雄ネジ150は、頭部は図示しないマイナスドライバやプラスドライバで締め付け可能なように溝を有している。ボス部は、第1金属部材140の板厚t1.0mmと同様に1mmの長さであり、外径はφ3mmである。ネジ部はM2のタッピングネジである。
【0049】
M2雄ネジ151は、頭部は円柱状であり、図示しないマイナスドライバやプラスドライバで締め付け可能なように溝を有している。頭部の長さは、第1金属部材140の板厚t1.0mmと同様に1mmの長さであり、外径はφ4mmである。ボス部は、第2金属部材141の板厚t1.0mmと、弾性部材144の層厚t3.0mmと、第3金属部材142の板厚t1.0mmとを合わせた5mmの長さであり、外径φ3mmである。ネジ部は、第4金属部材143のM2雌ネジの部分にネジ止めされ、ネジ部の長さは第4金属部材143の板厚t1.0mmより短い0.8mmから1.0mm未満である。
【0050】
第1ないし第4金属部材140ないし143の材質は、真鋳、SUS、アルミダイキャスト、表面処理(無電界ニッケルメッキ、ユニクロメッキ、クロムメッキ等の表面コーティング)された鉄部材や無垢の鉄部材からなる。特に、高温高湿の多湿環境下で画像形成装置を多用する場合は、真鋳、SUS、アルミダイキャスト、表面処理された鉄部材が錆防止の点で好ましく、安価な点で表面処理された鉄部材が好ましい。また、高温高湿の多湿環境下以外の環境下で多用される場合には、安価な点で無垢の鉄部材が好ましい。
【0051】
図7に、本実施の形態における表示部130の組み付けを示す。尚、図7においては、第1金属部材140より下の層を図示しており、表示部130および第1金属部材140は図示していない。
【0052】
まず、第4金属部材143が、操作パネル筐体132にM2タッピング雄ネジ150にて取り付けられる(図6参照)。
【0053】
次に、第4金属部材143の表面に通電剥離性接着剤が塗布され、その上に、弾性部材144を第2金属部材141と第3金属部材142とで挟み込んだ構造体が配置される。上記構造体は、さらにM2雄ネジ151によって第4金属部材143にネジ止めされる。この際、M2雄ネジ151の締め付け状態によって通電剥離性接着剤が第4金属部材143の周辺から多少はみ出すが、特に問題はない。尚、通電剥離性接着剤のはみ出しを防止するには、第4金属部材143と第3金属部材142との表面を深さ30μm程度になるようサンドペーパーやサンドブラスト処理をしても良い。上記通電剥離性接着剤の硬化により通電剥離性接着剤層161が形成され、第4金属部材143と第3金属部材142とが接着される。
【0054】
次に、第2金属部材141の上面に通電剥離性接着剤が塗布され、その上に、予め表示部130にM2タッピング雄ネジ150で取り付けた第1金属部材140が、M2雄ネジ151の頭部と第1金属部材140の丸穴とが一致するように取り付けられる。上記通電剥離性接着剤の硬化により通電剥離性接着剤層1601が形成され、第1金属部材140と第2金属部材141とが接着される。尚、図示していない表示部130のハーネスも図示していない操作パネル筐体132のハーネスと接続される。
【0055】
最後に、表示部カバー131を閉めて表示部130を備えた操作パネルが完成する。
【0056】
図8は、操作パネルに取り付けた表示部130を取り外す際の状態図である。表示部130を取り外す際には、表示部カバー131が手前に引き出される(図示せず)。すなわち、表示カバー131を操作パネル筐体132から引き出し可能な構造とすることで、表示部130の取り外し(または取り付け)の際の作業スペースを確保し易くなる。
【0057】
通電剥離性接着剤層160を剥離する場合は、図8に示すように、第1金属部材140にDC+50(V)を、第2金属部材141にDC0(V)GNDを接続して、通電剥離性接着剤層160に対して通電する。この操作で表示部130と第2金属部材141とが分離できる。なお、上記通電による通電剥離性接着剤層の剥離は陽極側で生じるため、図8の接続による通電では、第1金属部材140と通電剥離性接着剤層160との間で剥離が生じる。したがって、接続する電極の極性を入れ替えて再度通電すると、第2金属部材141と通電剥離性接着剤層160との間でも剥離を生じさせることができる。
【0058】
次に、第3金属部材142と第4金属部材143との間でも同様に通電すれば、操作パネル筐体132から弾性部材144を第2金属部材141および第3金属部材142で挟み込んだ構造体を剥離することが可能となる。
【0059】
従って、本実施の形態に係る操作パネルでは、両面テープ接着面を保護する保護紙等のゴミを出すことなく、表示部や弾性部材、及び操作パネル筐体を個別に交換が可能となる。
【0060】
尚、本実施の形態では、表示部について述べてきたが、操作パネル上に配置されるキー等も同様にして、剥離できることは言うまでもない。
【0061】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
130 表示部
131 表示部カバー(カバー部材)
132 操作パネル筐体
140 第1金属部材
141 第2金属部材
142 第3金属部材
143 第4金属部材
144 弾性部材
160 通電剥離性接着剤層
161 通電剥離性接着剤層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネル筐体上に、パネル状の表示部を有し、前記操作パネル筐体と前記表示部との間に弾性部材を設けた操作パネルであって、
前記操作パネル筐体と前記弾性部材との間の第1の間隙、及び前記弾性部材と前記表示部との間の第2の間隙に、通電剥離性接着剤層を形成していることを特徴とする操作パネル。
【請求項2】
前記第1の間隙、及び前記第2の間隙を接着する通電剥離性接着剤層は、金属部材で挟まれて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の操作パネル。
【請求項3】
前記金属部材は、真鋳、SUS、アルミ、及び表面コーティングされた鉄から選ばれる部材であることを特徴とする請求項2に記載の操作パネル。
【請求項4】
前記表示部は前記操作パネル筐体に設けられたカバー部材で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の操作パネル。
【請求項5】
前記請求項1から4の何れかに記載の操作パネルを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−53211(P2012−53211A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194789(P2010−194789)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】