説明

操作パネル制御装置および画像形成装置

【課題】 タッチ操作パネル部のタッチスイッチに部分的に不具合が生じても、操作性を維持させ操作性の低下を最小限にする。
【解決手段】 表示パネル部11は当該装置Aの動作形態を表示する。タッチ操作パネル部13は多数のタッチスイッチが配列され表示パネル部11に重ねられ、タッチスイッチへのタッチ操作による入力指示を受け付ける。操作制御部17は、表示可能領域11a内にこれより小さな表示領域11bで動作形態を表示制御し、タッチ操作パネル部13へのタッチ操作による当該装置への入力指示を受け付ける。移動指示部15は、表示可能領域11aの周囲に表示領域11bの移動指示の入力を受け付ける。操作制御部17は、移動指示に基づき表示領域11bをスライド変位制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は操作パネル制御装置および画像形成装置に係り、例えば電子写真方式の複写機、ファクシミリ機、プリンタ又はこれらの機能を搭載した複合機(MFP:Multi Function Peripheral)等の画像形成装置に用いて好適する操作パネル制御装置および当該画像形成装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置にあっては、一般に、原稿上の画像情報から画像データを光学的に読み取る読取機能、その画像データに基づきトナー像を形成して用紙に転写定着させて印刷する印刷(印字)機能、画像データをファクシミリ送受信するファクシミリ機能、その他種々の画像データ処理機能を有している。
【0003】
そして、画像形成装置では、それら諸機能の選択、設定および実行を、複合機本体ケースに配置された液晶タイプの操作パネル部に対する直接のタッチ操作等によって行うのが一般的である。
【0004】
ところが、そのような操作パネル部は、液晶型の表示パネル部に透明なタッチ操作パネル部(タッチスイッチシート)を重ねて形成されており、タッチ操作パネル部に形成される個々のタッチスイッチの寿命が有限で、経時的に反応不具合が生じる心配がある。
【0005】
特に、画像形成装置においては、スタートキー、コピーキーやリターンキー等の使用頻度が多く、タッチ操作に対する反応の不具合を発生させる心配がある。
【0006】
このような状況に対処するために、例えば特開平8−16299号公報(特許文献1)に示すタッチキー内蔵の表示装置が提案されている。
【0007】
この特許文献1は、入力されるキーに対する表示パターンが表示される表示装置において、上記キーの入力された頻度を計数する計数手段と、この計数手段による計数結果が所定の頻度に達するごとに、上記表示パターンの表示位置を順次変更する変更手段とを有し、使用頻度の高いコピーキーの位置を使用頻度に応じて変更することにより、そのキーの故障を起こし難くし、更に、使用頻度の高いキーが故障した時にキー配置を強制的に変更させ、故障による機能停止を最小限に抑えることを可能にするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−16299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1は、キー入力頻度を計数し、計数結果が所定の頻度に達したときキー配置を強制的に変更させるものであり、何時、どの様な状態に至ったときキー配置が変更されるか、ユーザには判別や予測がつき難く、突然のキー配置変更によってユーザに不安を与える心配もある。
【0010】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、タッチ操作パネル部のタッチスイッチシートに不具合が生じても、タッチ操作パネル部の操作性を維持して入力指示の確保が容易な操作パネル制御装置および画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのような課題を解決するために本発明の請求項1に係る操作パネル制御装置は、当該装置の動作形態を所定の表示可能領域に表示する表示パネル部と、多数のタッチスイッチが上下左右に配列され表示パネル部に重ねられたシート状のタッチ操作パネル部であって、そのタッチスイッチへのタッチ操作による装置への入力指示を受け付けるタッチ操作パネル部と、その表示可能領域にこれより小さな表示領域で動作形態を表示制御し、そのタッチ操作パネル部へのタッチ操作による当該装置への入力指示を受け付けたとき、そのタッチ操作に応じた入力指示に基づき当該装置の動作を実行制御する操作制御部とを具備し、その表示可能領域内における表示領域の移動指示の入力を受け付ける移動指示部を有し、その操作制御部は、移動指示に基づき表示可能領域内における表示領域をスライド変位制御する構成を有する。
【0012】
本発明の請求項2に係る操作パネル制御装置は、上記移動指示部が、その表示可能領域の周囲に配置された構成である。
【0013】
本発明の請求項3に係る操作パネル制御装置は、上記操作制御部が、その移動指示を受け付けた移動指示部の表示可能領域に対する配置方向にスライド変位制御する構成である。
【0014】
本発明の請求項4に係る操作パネル制御装置は、上記移動指示部が、その表示可能領域の周囲に縦横複数段に配置され、上記操作制御部が、その表示可能領域より遠い移動指示部からの移動指示に応じて表示領域を大きくスライド変位制御する構成である。
【0015】
本発明の請求項5に係る操作パネル制御装置は、上記移動指示部が、その表示可能領域の周囲に同心状に複数段配置されてなる構成である。
【0016】
本発明の請求項6に係る操作パネル制御装置は、上記移動指示部が、当該装置の本体ケースに形成された操作孔と、この操作孔の底部に配置され操作孔に挿入される操作ピンによるスイッチ動作によって移動指示の入力を受け付けるスイッチ素子とを有する複数のスイッチ部が配列されてなる構成である。
【0017】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、それら請求項1〜6いずれか1項記載の操作パネル制御装置と、画像データを画像形成する画像形成部とを有する構成である。
【発明の効果】
【0018】
このような本発明の請求項1に係る操作パネル制御装置では、その表示可能領域にこれより小さな表示領域に動作形態を表示させた状態において、その移動指示部から表示領域の移動指示の入力を受け付けると、この移動指示に基づき、その操作制御部が表示可能領域内における表示領域をスライド変位制御するから、タッチ操作パネル部のタッチスイッチに部分的に不具合が生じても、この不具合の生じたタッチスイッチ部分を避けて動作形態を表示可能となり、タッチ操作による装置への入力指示を受け付けることが可能で、操作性の低下を最小限に抑え、操作性を維持させることが容易である。
【0019】
本発明の請求項2に係る操作パネル制御装置では、上記移動指示部が、その表示可能領域の周囲に配置されるから、移動指示部が分かり易く、表示領域をスライド変位させる操作性が良好である。
【0020】
本発明の請求項3に係る操作パネル制御装置では、上記操作制御部が、その移動指示を受け付けた移動指示部の表示可能領域に対する配置方向にスライド変位制御するから、表示領域をスライド変位させたい方向に位置する移動指示部を操作すればその方向に表示領域がスライド変位され、操作性が良好である。
【0021】
本発明の請求項4に係る操作パネル制御装置は、上記移動指示部が表示可能領域の周囲に縦横複数段に配置され、上記操作制御部が、表示可能領域より遠い移動指示部からの移動指示に応じて表示領域を大きくスライド変位制御するから、表示領域をスライド変位させたいスライド量に応じた位置の移動指示部を操作すれば、そのスライド量に応じて表示領域がスライド変位され、操作性が良好である。
【0022】
本発明の請求項5に係る操作パネル制御装置は、上記移動指示部が、その表示可能領域の周囲に同心状に複数段配置されてなるから、スライド方向およびスライド量に応じた表示領域の位置変位の予測が視覚的に分かり易く、操作性が良好である。
【0023】
本発明の請求項6に係る操作パネル制御装置は、上記移動指示部が、当該装置の本体ケースに形成された操作孔と、この操作孔の底部に配置され操作孔に挿入された操作ピンによるスイッチ動作によって移動指示の入力を受け付けるスイッチ素子とを有するスイッチ部からなるから、操作の簡単な移動指示部を目立たなくさせた状態で多数配列可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る操作パネル制御装置を含む画像形成装置の実施の形態を示す概略ブロック図である。
【図2】図1の操作パネル部を説明する図である。
【図3】図1の操作パネル部を説明する図である。
【図4】図1の操作パネル部の要部を説明する部分拡大図である。
【図5】図1の操作パネル部の要部を説明する部分拡大図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る操作パネル制御装置および画像形成装置の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本発明の操作パネル制御装置は画像形成装置を説明する過程で説明する。
【0026】
図1は本発明に係る操作パネル制御装置Bを含む画像形成装置Aの実施の一形態を示す概略ブロック図である。
【0027】
画像形成装置Aは、主制御部1を中心にして画像読取部3、記憶部5、印刷部7、通信部9および操作パネル制御装置Bを有し、例えば複合機を構成している。なお、画像形成装置Aとしてはこれ以外にも種々の構成を有するが、本発明の要部ではないので説明および図示を省略する。
【0028】
主制御部1は、画像読取部3、記憶部5、印刷部7、通信部9および操作パネル制御装置Bを制御するものであるが、詳細は後述する。
【0029】
画像読取部3は、画像形成装置Aの本体ケース(図示せず。)の上部に配置され、主制御部1の制御の下、原稿用紙から当該紙面の画像状態を光学的に読み込み、フィルタ処理等をして電子的画像データを生成するスキャナであり、生成した画像データが原稿の頁毎に記憶部5に順次記憶されるようになっている。
【0030】
記憶部5は、画像読取部3からの読取画像データや通信部9を介した外部からの画像データ、主制御部1や操作パネル制御装置Bの動作プログラム、および操作パネル制御装置Bで表示する表示画面等を格納する読み書き可能な例えばハードディスク(HDD)である。
【0031】
印刷部7は、本体ケース内に配置され、用紙のセットされる給紙段から用紙を給紙し、記憶部5の記憶画像データに基づき画像形成して用紙に印刷処理する画像形成部としての機能を有している。
【0032】
通信部9は、ネットワークNTを介して外部の図示しない画像形成装置やサーバー等との間で画像データや電子メールの送受信をする入出力インターフェースである。
【0033】
主制御部1は、CPU(central processing unit)、このCPUの起動プログラムを格納したメモリ部、入出力インターフェース(いずれも図示せず。)を有し、上述した画像読取部3からの読取画像データを記憶部5に格納し、格納された画像データを印刷部7に出力して印刷制御し、種々の表示画面を操作パネル制御装置Bに出力して表示制御する他、操作パネル制御装置Bからの操作指示を画像読取部3および印刷部7に出力してその動作機能を実行制御する機能を有し、操作パネル制御装置Bを制御するとともにそれらの一部を担っている。
【0034】
操作パネル制御装置Bは、表示パネル部11、タッチ操作パネル部13、移動指示部15および操作制御部17を有して構成されており、表示パネル部11、タッチ操作パネル部13および移動指示部15等によって操作表示部19が形成されている。
【0035】
なお、操作パネル制御装置Bとしてはこれ以外にも種々の構成を有するが、本発明の要部ではないので説明および図示を省略する。
【0036】
操作表示部19の表示パネル部11は、図2に示すように、画像形成装置Aの動作形態を所定の表示可能領域11aに表示する液晶型の表示パネルであり、画像形成装置Aの主制御部1から操作制御部17を介した制御の下、例えば画像データの取込や印刷動作を表示するものである。
【0037】
表示パネル部11は、表示可能領域11a内において、周囲に補助表示領域部分を残し表示可能領域11aより小さな表示領域11bに画像形成装置Aの動作形態が表示可能になっている。これらの表示は操作制御部17によってなされ、後述するように表示可能領域11a内においてスライド可能になっているが、詳細な後述する。
【0038】
なお、図2における符号11cは複写、ファクシミリ又は画像データ送受信等の機能選択用の選択ボタン、符号11dは種々の設定値等の入力用のテンキー、符号11eは入力確定用のリターンキーである。
【0039】
タッチ操作パネル部13は、多数のタッチスイッチ(タッチセンサ)が上下左右に配列され表示パネル部11に重ねられた透明又は透過性のシート状入力部であり、表示領域11bを含む表示可能領域11a全体に相当するタッチスイッチへのタッチ操作により、当該装置Aへの入力指示を受け付ける機能を有する。タッチ操作パネル部13は透過されて図では見えない。
【0040】
すなわち、タッチ操作パネル部13は、表示パネル部11に対し、マトリックス状に配列された例えば公知の静電容量型センサ等の多数のタッチスイッチからなるタッチスイッチシートであり、個々のタッチスイッチへのタッチ操作による入力指示を受け付け、操作制御部17に出力する機能を有している。タッチセンサは静電容量型センサに限定されない。
【0041】
図3は、図2中の表示パネル部11において、横長四角形状の表示領域11bには画像形成装置Aの動作形態として画像形成装置の概略イラスト加えて、「コピー」、「ソート」および「ステープ」の操作ボタン表示11fがなされた状態が図示されており、表示領域11bの周囲はこれを囲むように補助表示領域11gとなっている。
【0042】
例えば、「コピー」の操作ボタン表示11fの領域に重なる何れか1個又は複数個のタッチセンサを外部からタッチすることにより、操作制御部17が「コピー」の操作ボタン表示11fへの操作入力であると判別する。
【0043】
移動指示部15は、操作表示部19において、表示パネル部11の周囲にこれを囲むように配置されており、表示可能領域11aにおける表示領域11bの移動指示の入力を受け付けてこの指示情報を操作制御部17に出力する機能を有している。なお、図2では移動指示部15を簡略化して示す。
【0044】
移動指示部15は、図4に示すように、表示可能領域11aの周囲に僅かな間隔を置いて上下左右に、かつ枠型の同心状に縦横複数段に配列された複数のスイッチ部21から形成されている。図4中の●印は操作予定のスイッチ部21である。
【0045】
個々のスイッチ部21は、操作制御部17の制御の下、表示可能領域11aに対する内外方向で1ステップ分のスライド変位に対応しており、表示可能領域11aに近いスイッチ部21cから遠ざかるに従い、そのステップ分のスライド変位に対応している。
【0046】
スイッチ部21は、図4および図5に示すように、装置の本体ケースに形成された操作孔21a(図5では図示せず。)と、この操作孔21aの底部に配置され操作孔21aに挿入される操作ピン21bによるスイッチ動作によって移動指示の入力を受け付けるスイッチ素子21cとを有して形成されている。図5中の符号21dはユーザの操作指である。
【0047】
すなわち、移動指示部15は、操作孔21aおよびスイッチ素子21cを有するスイッチ部21に操作ピン21bが挿入されることにより、スイッチ素子21cがスイッチ動作して移動指示の入力を受け付けるようになっており、個々のスイッチ部21(スイッチ部21c)毎の指示入力が操作制御部17に出力されるようになっている。
【0048】
操作制御部17はサブCPUで形成され、画像形成装置Aの主制御部1から制御の下、図2に示したように、表示パネル部11に例えば画像データの取込や印刷動作形態を表示制御するとともに、タッチ操作パネル部13へのタッチ操作に応じた入力指示を受け付け、入力指示に基づき主制御部1等にそれを出力して実行制御する機能を有する機能を有している。
【0049】
また、操作制御部17は、移動指示部15からの移動指示に基づき表示可能領域11a内における表示領域11bをスライド変位制御する機能を有する他、以下の制御機能を有している。
【0050】
すなわち、操作制御部17は、その移動指示を受け付けた移動指示部15の表示可能領域11aに対する配置方向にスライド変位制御する機能、表示可能領域1bより遠い移動指示部15からの移動指示に応じて表示領域11bを大きくステップ毎にスライド変位制御する機能を有している。
【0051】
具体的には、例えば図4において、表示可能領域1bに最も近いスイッチ部21に操作ピン21bを挿入すれば、移動操作されたスイッチ部21方向へ表示領域11bが1ステップ分スライド変位され、更に1段離れたスイッチ部21に操作ピン21bを挿入すれば、操作されたスイッチ部21方向へ表示領域11bが更に1ステップ分スライド変位される。
【0052】
なお、図4Bは表示可能領域1bの左側に位置するスイッチ部21を操作して左側へスライドさせた状態を示している。
【0053】
次に、本発明に係る画像形成装置Aにおける操作パネル制御装置Bの動作を簡単に説明する。
【0054】
一例として、「コピー」の操作ボタン表示11fに相当するタッチ操作パネル部13に、部分的に反応不具合領域Zが生じ、「コピー」の操作ボタン表示11fから入力指示が困難な状況において、操作制御部17による表示制御の下、図3に示す動作形態が表示され、表示可能領域1bの左側に位置するスイッチ部21を操作し、表示領域11bを左側へスライドさせる過程を説明する。
【0055】
移動指示部15のスイッチ部21、例えば表示可能領域11aの左側にあってこれに最も近接した操作孔21aに操作ピン21bを挿入するとスイッチ素子21cがスイッチ動作(オン動作)して移動指示が操作制御部17に出力される。
【0056】
操作制御部17は、スイッチ部21cの指示入力を受け、表示可能領域11a内において、図3および図4に示すように、表示領域11bを表示可能領域11a内で1ステップ(S)分左側にスライド変位させた状態で表示制御する。
【0057】
この状態では、図3Bおよび図4Bに示すように、タッチ操作パネル部の反応不具合領域Zが、「コピー」の操作ボタン表示11fに相当する領域から外れ、「コピー」の操作ボタン表示11fに相当する領域をタッチ操作すれば、指示入力を操作制御部17へ出力させることが可能である。
【0058】
さらに、操作ピン21bを抜き、1段左側の操作孔21aに操作ピン21bを挿入すると、スイッチ素子21cが同様に動作し、操作制御部17が表示領域11bを更に1ステップ分左側へスライド変位させ、最初の位置から2ステップ分左側へスライド変位させる。
【0059】
これ以外にも、表示可能領域11aの上下左右のスイッチ部21をスイッチ動作させると、表示可能領域11a内において表示領域11bを上下左右にスライド変位させた状態で表示される。
【0060】
すなわち、表示可能領域11aに対する配置方向に、表示可能領域1bより遠い分、表示領域11bが大きくスライド変位される。
【0061】
このような本発明の操作パネル制御装置は、画像形成装置Aの動作形態を所定の表示可能領域11aに表示する表示パネル部11と、多数のタッチスイッチが上下左右に配列され表示パネル部11に重ねられたシート状のタッチ操作パネル部13であって、そのタッチスイッチへのタッチ操作による装置への入力指示を受け付けるタッチ操作パネル部13と、その表示可能領域11aにこれより小さな表示領域11bに動作形態を表示制御し、そのタッチ操作パネル部13へのタッチ操作による当該装置への入力指示を受け付けたとき、そのタッチ操作に応じた入力指示に基づき当該装置の動作を実行制御する操作制御部17とを具備し、その表示可能領域11aの周囲にはその表示可能領域11a内における表示領域11bの移動指示の入力を受け付ける移動指示部15を有し、その操作制御部17が移動指示に基づき表示可能領域11a内における表示領域11bをスライド変位制御する構成を有している。
【0062】
そのため、タッチ操作パネル部13のタッチスイッチに部分的に不具合が生じても、この不具合の生じたタッチスイッチ部分を避けて動作形態を表示可能となり、タッチ操作による装置Aへの入力指示を受け付けることが可能であるし、移動指示部15が表示可能領域11aの周囲に配置されているから移動指示部15の存在が分かり易く、操作性の低下を最小限にして操作性を維持させことが容易である。
【0063】
また、操作制御部17が、その移動指示を受け付けた移動指示部15の表示可能領域11aに対する配置方向にスライド変位制御するから、表示領域11bをスライド変位させたい方向に位置する移動指示部15を操作すればその方向に表示領域11bがスライド変位され、操作性が良好である。
【0064】
さらに、移動指示部15が、その表示可能領域11aの周囲に縦横複数段に配置され、その表示可能領域11aより遠い移動指示部15からの移動指示に応じて表示領域11bを大きくスライド変位制御するから、表示領域11bをスライド変位させたいスライド量に応じた位置の移動指示部15を操作すれば、そのスライド量に応じて表示領域11bがスライド変位され、この点からも操作性が良好である。
【0065】
そして、移動指示部15が、その表示可能領域11aの周囲に同心状に複数段配置されてなる構成であるから、スライド方向およびスライド量に応じた表示領域11bの位置変位の予測が視覚的に分かり易く、より操作性が良好である。
【0066】
移動指示部15を形成するスイッチ部21の配置形態は、上述したように同心状に限らず任意であり、その表示可能領域11aから離れた位置に応じ、表示可能領域11a中央部のデフォルト位置からのスライド量も等量又は異なる量で大きくスライド変位制御可能である。
【0067】
ところで、移動指示部15が、操作孔21aと、この操作孔21aの底部に配置され操作孔21aに挿入された操作ピン21bによるスイッチ動作によって移動指示の入力を受け付けるスイッチ素子21cとを有するスイッチ部21からなるから、操作の簡単な移動指示部15を目立たなく多数配列可能となる。
【0068】
もっとも、移動指示部15は上述したように操作孔21aおよびスイッチ素子21cからなる構成に限定されず、タッチスイッチ構成等種々の構成が可能である。
【0069】
なお、本発明の操作パネル制御装置Bを搭載した画像形成装置Aにおいても、上述した操作パネル制御装置Bと同様の効果を有する。
【符号の説明】
【0070】
1 主制御部
3 画像読取部
5 記憶部
7 印刷部(画像形成部)
9 通信部
11 表示パネル部
11a 表示可能領域
11b 表示領域
11c 選択ボタン
11f 操作ボタン表示
11g 補助表示領域
13 タッチ操作パネル部
13a タッチスイッチ
15 移動指示部
17 操作制御部
19 操作表示部
21 スイッチ部
21a 操作孔
21b 操作ピン
21c スイッチ素子
21d 操作指
A 画像形成装置
B 操作パネル制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該装置の動作形態を所定の表示可能領域に表示する表示パネル部と、
多数のタッチスイッチが上下左右に配列され前記表示パネル部に重ねられたシート状のタッチ操作パネル部であって、前記タッチスイッチへのタッチ操作による前記装置への入力指示を受け付けるタッチ操作パネル部と、
前記表示可能領域にこれより小さな表示領域で前記動作形態を表示制御し、前記タッチ操作パネル部へのタッチ操作による前記装置への入力指示を受け付けたとき、前記タッチ操作に応じた前記入力指示に基づき前記装置の動作を実行制御する操作制御部と、
を具備し、
前記表示可能領域内における前記表示領域の移動指示の入力を受け付ける移動指示部を有し、
前記操作制御部は、前記移動指示に基づき前記表示可能領域内における前記表示領域をスライド変位制御することを特徴とする操作パネル制御装置。
【請求項2】
前記移動指示部は、前記表示可能領域の周囲に配置された請求項1記載の操作パネル制御装置。
【請求項3】
前記操作制御部は、前記移動指示を受け付けた前記移動指示部の前記表示可能領域に対する配置方向にスライド変位制御する請求項2記載の操作パネル制御装置。
【請求項4】
前記移動指示部は、前記表示可能領域の周囲に縦横複数段に配置され、前記操作制御部は、前記表示可能領域より遠い前記移動指示部からの前記移動指示に応じて前記表示領域を大きくスライド変位制御する請求項4記載の操作パネル制御装置。
【請求項5】
前記移動指示部は、前記表示可能領域の周囲に同心状に複数段配置されてなる請求項4記載の操作パネル制御装置。
【請求項6】
前記移動指示部は、前記装置の本体ケースに形成された操作孔と、この操作孔の底部に配置され前記操作孔に挿入される操作ピンによるスイッチ動作によって前記移動指示の入力を受け付けるスイッチ素子とを有する複数のスイッチ部が配列されてなる請求項2〜5いずれか1項記載の操作パネル制御装置。
【請求項7】
前記請求項1〜6いずれか1項記載の操作パネル制御装置と、画像データを画像形成する画像形成部とを有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−32981(P2012−32981A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171573(P2010−171573)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】