操作位置検出装置
【課題】検出対象である操作位置の数よりも少ない個数の磁気センサで操作位置を判別し、また、磁気センサの1つが故障しても各操作位置の検出に支障がなく、さらに、ユーザに良好な操作感を付与することができる操作位置検出装置を提供する。
【解決手段】シフトポジション検出装置1は、シフトレバー22に配置された磁石10と、磁気センサとしての第1〜第4のMRセンサ11〜14と、判別部としての制御部15と、を備えて概略構成され、第1〜第4のMRセンサ11〜14の出力の判定結果とポジションを対応させたシフトポジション情報160に基づいて各ポジションを判別する。
【解決手段】シフトポジション検出装置1は、シフトレバー22に配置された磁石10と、磁気センサとしての第1〜第4のMRセンサ11〜14と、判別部としての制御部15と、を備えて概略構成され、第1〜第4のMRセンサ11〜14の出力の判定結果とポジションを対応させたシフトポジション情報160に基づいて各ポジションを判別する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、T字形状を有するシフトゲートに設けられた基準位置、R、N及びDの4つのポジションを3つの磁界検知センサで検出するシフト切換機構の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このR、N及びDは、直線状に並び、基準位置は、RとDの中点に位置するNと並んでいる。
【0003】
シフト切換機構の制御装置は、3つの磁界検知センサをR、D及び基準位置の近傍に配置し、その出力値を組み合わせることで4つのポジションを判定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−115944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のシフト切換機構の制御装置は、3つの磁界検知センサのうち、1つでも故障すると各ポジションを検出できない問題があった。さらに、従来のシフト切換機構の制御装置は、ポジション間の切替位置が、磁界検知センサの出力に対するしきい値の設定により決定されるため、切替位置を設定し難く、ユーザに良好な操作感を付与することが困難であった。
【0006】
本発明の目的は、検出対象である操作位置の数よりも少ない個数の磁気センサで操作位置を判別し、また、磁気センサの1つが故障しても各操作位置の検出に支障がなく、さらに、ユーザに良好な操作感を付与することができる操作位置検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、第1の操作位置と第2の操作位置を結ぶ第1の直線、前記第2の操作位置と第3の操作位置を結ぶ第2の直線、及び前記第3の操作位置と第4の操作位置を結ぶ第3の直線からなるルート上を移動する操作部と、前記操作部に設けられ、磁界を発生する磁界発生部と、前記第1の操作位置と前記第2の操作位置が切り替わる第1の切替位置と、前記第3の操作位置と前記第4の操作位置が切り替わる第2の切替位置を結ぶ第4の直線上で、前記第1〜第4の操作位置に囲まれる領域外に設けられ、前記磁界発生部が発生する前記磁界の磁気ベクトルの方向を検出する第1の磁気センサと、前記第4の直線上で、前記第1〜第4の操作位置に囲まれる領域に設けられ、前記磁界発生部が発生する前記磁界の磁気ベクトルの方向を検出する第2の磁気センサと、前記第1及び第2の磁気センサの出力の組み合わせに基づいて前記操作部の前記第1〜第4の操作位置を判別する判別部と、を備える操作位置検出装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検出対象である操作位置の数よりも少ない個数の磁気センサで操作位置を判別し、また、磁気センサの1つが故障しても各操作位置の検出に支障がなく、さらに、ユーザに良好な操作感を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置を用いたシフトユニットの概略図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置のブロック図である。
【図3】図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の磁気センサの配置と各ポジションの位置関係を示す概略図であり、(b)は、磁気センサと磁石の位置関係を示す側面図である。
【図4】図4(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る磁界発生部としての円柱形状を有する磁石から発生する磁気ベクトルの概略図であり、(b)は、角柱形状を有する磁石から発生する磁気ベクトルの概略図であり、(c)は、磁石の側面図である。
【図5】図5(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るMRセンサとH又はLと判別される磁気ベクトルの方向の関係を示す概略図であり、(b)は、MRセンサの回路構成を示す概略図であり、(c)は、MRセンサを横切る磁気ベクトルの角度と出力電圧Voutの関係を示す概略図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態に係るMRセンサの配置に関する概略図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション情報の概略図である。
【図8】図8(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の+ポジションの判別に関する概略図であり、(b)は、Hポジションの判別に関する概略図である。
【図9】図9(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の−ポジションの判別に関する概略図であり、(b)は、Nポジションの判別に関する概略図である。
【図10】図10(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置のRポジションの判別に関する概略図であり、(b)は、Dポジションの判別に関する概略図である。
【図11】図11(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の磁気センサの配置と各ポジションの位置関係を示す概略図であり、(b)は、シフトポジション情報の概略図である。
【図12】図12(a)は、本発明の第3の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の磁気センサの配置と各ポジションの位置関係を示す概略図であり、(b)は、シフトポジション情報の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施の形態]
(シフトユニットの構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置を用いたシフトユニットの概略図である。
【0011】
シフトポジション検出装置1を用いたシフトユニット2は、例えば、図1に示すように、車両に搭載され、シフトゲート4に沿った操作部としてのシフトレバー22の操作により、+ポジション、Hポジション、−ポジション、Rポジション、Nポジション及びDポジションに切り替えることができる。
【0012】
上記の各ポジションは、例えば、シフトレバー22が操作されることにより車両のトランスミッションの状態を切り替えるものである。+ポジションは、トランスミッションのギア比(エンジンの回転数を1としたトランスミッションの出力軸の回転数;トランスミッションの出力軸の回転数:エンジンの回転数)を高いギア比に1段ずつ切り替える操作位置である。Hポジションは、+ポジション及び−ポジションに切り替える際に用意されたニュートラルポジションである。−ポジションは、トランスミッションのギア比を低いギア比に1段ずつ切り替える操作位置である。Rポジションは、車両を後進させる操作位置である。Nポジションは、エンジンの動力をトランスミッションに伝達しないようにする操作位置、すなわちニュートラルポジションである。Dポジションは、エンジンの回転数等に応じてトランスミッションのギア比等を切り替えるポジションである。なお、ポジションは、上記の例に限定されない。
【0013】
シフトユニット2は、例えば、略矩形状を有する本体20と、シフトゲート4が形成された本体20の上部21と、本体20内に設けられ、シフトレバー22のポジションを検出するシフトポジション検出装置1と、を備えて概略構成されている。
【0014】
シフトレバー22は、例えば、略H字形状を有するシフトゲート4に沿って移動する。このシフトゲート4は、Rポジション、Nポジション及びDポジションまでの移動距離が、例えば、+ポジション、Hポジション及び−ポジションまでの移動距離よりも長く設定されている。なお、シフトゲート4の形状は、上記の例に限定されない。
【0015】
シフトゲート4には、例えば、案内溝4aが形成され、シフトレバー22の端部には、スライド部4bが形成されている。シフトレバー22は、例えば、この案内溝4aにスライド部4bが挿入、案内されて各ポジションに操作可能に構成されている。
【0016】
(シフトポジション検出装置の構成)
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置のブロック図である。シフトポジション検出装置1は、例えば、図2に示すように、シフトレバー22に配置された磁石10と、磁気センサとしての第1〜第4のMR(Magnetic Resistance)センサ11〜14と、判別部としての制御部15と、シフトポジション情報160を記憶する記憶部16と、出力部17と、を備えて概略構成されている。
【0017】
図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の磁気センサの配置と各ポジションの位置関係を示す概略図であり、(b)は、磁気センサと磁石の位置関係を示す側面図である。図3(a)及び(b)は、シフトレバー22がHポジション42に操作されている状態を示している。
【0018】
シフトポジション検出装置1は、図3(a)に示すように、シフトパターン40に応じて第1〜第4のMRセンサ11〜14が配置されている。
【0019】
シフトレバー22は、+ポジション(第1の操作位置)41、Hポジション(第2の操作位置)42及び−ポジション(第5の操作位置)43を結ぶ第1の直線401と、Hポジション42とNポジション(第3の操作位置)45を結ぶ第2の直線402と、Rポジション(第4の操作位置)44、Nポジション45及びDポジション(第6の操作位置)46を結ぶ第3の直線403からなる略H字形状のルート(シフトパターン40)上を移動する。
【0020】
第1のMRセンサ(第1の磁気センサ)11は、例えば、図3(a)に示すように、+ポジション41からHポジション42の切替位置47(第1の切替位置)と、Nポジション45からRポジション44の切替位置50(第2の切替位置)を結ぶ第4の直線404上で、+ポジション41、Hポジション42、Nポジション45及びRポジション44に囲まれる領域外に設けられ、磁石10が発生する磁界の磁気ベクトルの方向を検出する。なお、第1のMRセンサ11は、後述するブリッジ回路を構成する4つのMR素子の中心(重心)が第4の直線404上に位置するように配置されるものとする。以下に示す中心は、この4つのMR素子の中心(重心)を示すものとする。
【0021】
ここで、上記の切替位置とは、ポジションの判別が切り替わる位置である。この切換位置は、ユーザの操作感に影響し、例えば、ポジションとポジションの中間点に設定される。
【0022】
第2のMRセンサ(第3の磁気センサ)12は、例えば、図3(a)に示すように、−ポジション43からHポジション42の切替位置48(第4の切替位置)と、Dポジション46からNポジション45の切替位置51(第5の切替位置)を結ぶ第5の直線405上で、−ポジション43、Hポジション42、Nポジション45及びDポジション46に囲まれる領域外に設けられ、磁石10が発生する磁界の磁気ベクトルの方向を検出する。なお、第2のMRセンサ12は、中心(重心)が第5の直線405上に位置するように配置されるものとする。
【0023】
第3のMRセンサ(第2の磁気センサ)13は、例えば、図3(a)に示すように、第4の直線404上で、+ポジション41、Hポジション42、Nポジション45及びRポジション44に囲まれる領域に設けられ、磁石10が発生する磁界の磁気ベクトルの方向を検出する。なお、第3のMRセンサ13は、中心(重心)が第4の直線404上に位置するように配置されるものとする。
【0024】
第4のMRセンサ(第4の磁気センサ)14は、例えば、図3(a)に示すように、第5の直線405上で、+ポジション41、Hポジション42、Nポジション45及びRポジション44に囲まれる領域に設けられ、磁石10が発生する磁界の磁気ベクトルの方向を検出する。なお、第4のMRセンサ14は、中心(重心)が第5の直線405上に位置するように配置されるものとする。
【0025】
第1〜第4のMRセンサ11〜14は、例えば、図3(b)に示すように、基板100上に配置されている。
【0026】
図4(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る磁界発生部としての円柱形状を有する磁石から発生する磁気ベクトルの概略図であり、(b)は、角柱形状を有する磁石から発生する磁気ベクトルの概略図であり、(c)は、磁石の側面図である。図4(a)及び(b)は、例えば、磁石10と磁気ベクトル10Aとの関係を模式的に示すものであり、(c)は、磁石10と磁束10Bとの関係を模式的に示すものである。
【0027】
シフトレバー22の端部には、磁界発生部としての磁石10が設けられている。この磁石10は、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジム磁石等の永久磁石、又はこれらの永久磁石を樹脂に混ぜて成形した磁石等が用いられる。なお、磁界発生部は、上記の例に限定されず、例えば、電磁石等であっても良い。
【0028】
磁石10は、例えば、図3(b)及び図4(a)に示すように、円柱形状を有する。また、磁石10は、例えば、図4(c)に示すように、基板100側がN極、シフトレバー22側がS極となり、磁束10Bが基板100側のN極から湧き出してS極に吸い込まれている。なお、磁石10の着磁の方向は、上記の例に限定されず、基板100側をS極、シフトレバー22側をN極としても良い。
【0029】
また、磁石10は、上記の例に限定されず、例えば、図4(b)に示すように、放射状に磁気ベクトル10Aを発生させる柱体であれば、基板100側の底面の形状が、一辺Aの正方形であっても良い。
【0030】
図5(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るMRセンサとH又はLと判別される磁気ベクトルの方向の関係を示す概略図であり、(b)は、MRセンサの回路構成を示す概略図であり、(c)は、MRセンサを横切る磁気ベクトルの角度と出力電圧Voutの関係を示す概略図である。図5(c)は、例えば、印加する電圧Vを5v、HiとLoを判定するためのしきい電圧Vthを2.5vとした図である。図5(a)、(b)及び(c)では、第1のMRセンサ11を例にとって説明するが他のMRセンサについても同様である。
【0031】
第1のMRセンサ11は、例えば、図5(a)に示すように、対角線によって4つの領域(L、H、L、H)に分けられ、中心を通る磁気ベクトル10Aが、4つのいずれの領域にあるかで、後述する制御部による判定結果が変わる。
【0032】
第1のMRセンサ11は、例えば、図5(b)に示すように、第1〜第4のMR素子がブリッジ回路を形成している。このMR素子は、例えば、蛇腹状に折り返された形状を有し、磁気ベクトル10Aと折り返された部分(感磁部)とのなす角度に基づいて抵抗値が変わる磁気抵抗素子である。ここで、折り返された部分(感磁部)とは、例えば、図5(b)に示す電流が流れる方向に対して直交する部分であり、磁界がこの感磁部に直行するとき、MR素子の抵抗値が最小となり、平行するとき、抵抗値が最大となる。なお、図5(b)に示す電流の流れる方向と平行な部分の磁気抵抗の増減は、感磁部のそれと比べて無視できるほど小さいものとする。また、以下の各MRセンサの中心を通る磁気ベクトル10A以外でMRセンサの検出領域内を通る磁気ベクトル10Aは、MRセンサの中心を通る磁気ベクトル10Aと略平行であるものとする。
【0033】
第1のMRセンサ11は、例えば、第1及び第3のMR素子111、113に電圧Vが印加され、第1のMR素子111と第2のMR素子112の中点電位(V+)と、第3のMR素子113と第4のMR素子114の中点電位(V−)の差分(=V+−V−)をVoutとして制御部15に出力する。また、第2のMR素子112と第4のMR素子114の間は、接地されている。制御部15は、Voutとしきい電圧Vthを比較し、VoutがVthより大きいときを1(Hi)、小さいときを0(Lo)として、第1のMRセンサ11の出力からHi又はLoを判定する。
【0034】
図5(a)に示す第1のMRセンサ11の模式図と、図5(b)に示す第1のMRセンサ11の第1〜第4のMR素子111〜114からなるブリッジ部分の模式図は、対応している。第1のMRセンサ11の出力電圧Voutは、図5(b)に示す基準線11Aを基準とし、磁気ベクトル10Aがこの基準線11Aとなす角をθとすると、Voutは、図5(c)に示すCos曲線となる。なお、角θは、例えば、対角線11Aから時計回りを正としている。図5(a)では、図5(c)に示すHiをHとし、LoをLとして図示している。なお、制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14の出力から磁気ベクトル10Aの角度は検出可能であるが、その向きまでは判定できない。
【0035】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係るMRセンサの配置に関する概略図である。第1〜第4のMRセンサ11〜14は、例えば、図3(a)及び図6に示すように、第4又は第5の直線404、405と、図5(a)に示す対角線が一致するように配置される。この対角線は、図5(a)に示すように、HとLの判定の境界線であるから、対角線が一致するように配置することで、ポジションの切替位置を正確に設定可能である。
【0036】
制御部15は、第1及び第3のMRセンサ11、13の中心を通る磁気ベクトル10Aのうち、角度が第4の直線404から時計回りに0°から90°までの磁気ベクトル10Aを検出することにより、第1及び第3のMRセンサ11、13から出力された出力電圧Vout(第1の出力)に基づいてHiの判定(第1の判定)を行い、角度が第4の直線404から時計回りに90°から180°までの磁気ベクトル10Aを検出することにより出力された出力電圧Vout(第2の出力)に基づいてLoの判定(第2の判定)を行う。
【0037】
また、制御部15は、第2及び第4のMRセンサ12、14の中心を通る磁気ベクトル10Aのうち、磁気ベクトル10Aの角度が第5の直線405から時計回りに0°から90°までの磁気ベクトル10Aを検出することにより、第2及び第4のMRセンサ12、14から出力された出力電圧Vout(第3の出力)に基づいてHiの判定を行い、磁気ベクトル10Aの角度が第5の直線405から時計回りに90°から180°までの磁気ベクトル10Aを検出することにより、第2及び第4のMRセンサ12、14から出力された出力電圧Vout(第4の出力)に基づいてLoの判定を行う。
【0038】
第1のMRセンサ11は、例えば、図6に示すように、Hポジション42と−ポジション43が切り替わる切替位置48(第4の切換位置)及び第1のMRセンサ11の中心を通る直線と、第4の直線404とがなす反時計回りの角度θ1が90°≦θ1≦180°となる位置に設けられる。なお、第1のMRセンサ11は、例えば、90°≦θ1≦135°となる位置に設けられることがより好ましい。
【0039】
第2のMRセンサ12は、例えば、図6に示すように、+ポジション41とHポジション42が切り替わる切替位置47(第1の切替位置)と第2のMRセンサ12の中心を通る直線と、第5の直線405がなす時計回りの角度θ2が90°≦θ2≦180°となる位置に設けられる。なお、第2のMRセンサ12は、例えば、90°≦θ2≦135°となる位置に設けられることがより好ましい。
【0040】
第3のMRセンサ13は、例えば、図6に示すように、第3のMRセンサ13の中心、及びHポジション42とNポジション45が切り替わる切替位置49(第3の切替位置)を通る直線と第4の直線404とが直交する位置に設けられる。
【0041】
第4のMRセンサ14は、例えば、図6に示すように、第4のMRセンサ14の中心と切替位置49を通る直線と第5の直線405とが直交する位置に設けられる。
【0042】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション情報の概略図である。制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14の出力の組み合わせに基づいてシフトレバー22の+ポジション41、Hポジション42、−ポジション43、Rポジション44、Nポジション45及びDポジション46を判別する。
【0043】
制御部15は、例えば、図7に示すように、第1〜第4のMRセンサ11〜14の出力の判定結果とポジションを対応させたシフトポジション情報160に基づいて各ポジションを判別する。
【0044】
出力部17は、例えば、車両LAN(Local Area Network)に接続され、判別したポジションの情報を出力する。車両の制御部は、例えば、取得したポジションの情報に基づいて車両のトランスミッションの状態を切り替える。
【0045】
(動作)
図8(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の+ポジションの判別に関する概略図であり、(b)は、Hポジションの判別に関する概略図である。図9(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の−ポジションの判別に関する概略図であり、(b)は、Rポジションの判別に関する概略図である。図10(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置のNポジションの判別に関する概略図であり、(b)は、Dポジションの判別に関する概略図である。なお、以下において、制御部15が各MRセンサの出力から判定する結果は、第1〜第4のMRセンサ11〜14に順に(0、0、0、0)等と記載するものとする。
【0046】
以下に、ユーザがシフトレバー22をシフトゲート4に沿ってそれぞれのポジションに操作する場合のポジションの判別について説明する。
【0047】
(+ポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22を+ポジション41に操作すると、シフトレバー22と共に+ポジション41に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、図8(a)に示すように、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11の出力がL(0)と判定される方向、第2のMRセンサ12の出力がL(0)と判定される方向、第3のMRセンサ13の出力がH(1)と判定される方向、及び第4のMRセンサ14の出力がH(1)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0048】
制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14から出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11の出力をL(0)、第2のMRセンサ12の出力をL(0)、第3のMRセンサ13の出力をH(1)、及び第4のMRセンサ14の出力をH(1)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(0、0、1、1)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションを+ポジション41と判別する。
【0049】
(Hポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をHポジション42に操作すると、シフトレバー22と共にHポジション42に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、図8(b)に示すように、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11の出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12の出力がL(0)と判定される方向、第3のMRセンサ13の出力がL(0)と判定される方向、及び第4のMRセンサ14の出力がH(1)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0050】
制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14から出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11の出力をH(1)、第2のMRセンサ12の出力をL(0)、第3のMRセンサ13の出力をL(0)、及び第4のMRセンサ14の出力をH(1)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、0、0、1)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをHポジション42と判別する。
【0051】
(−ポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22を−ポジション43に操作すると、シフトレバー22と共に−ポジション43に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、図9(a)に示すように、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11の出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12の出力がH(1)と判定される方向、第3のMRセンサ13の出力がL(0)と判定される方向、及び第4のMRセンサ14の出力がL(0)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0052】
制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14から出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11の出力をH(1)、第2のMRセンサ12の出力をH(1)、第3のMRセンサ13の出力をL(0)、及び第4のMRセンサ14の出力をL(0)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、1、0、0)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションを−ポジション43と判別する。
【0053】
(Rポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をRポジション44に操作すると、シフトレバー22と共にRポジション44に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、図9(b)に示すように、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11の出力がL(0)と判定される方向、第2のMRセンサ12の出力がL(0)と判定される方向、第3のMRセンサ13の出力がL(0)と判定される方向、及び第4のMRセンサ14の出力がL(0)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0054】
制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14から出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11の出力をL(0)、第2のMRセンサ12の出力をL(0)、第3のMRセンサ13の出力をL(0)、及び第4のMRセンサ14の出力をL(0)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(0、0、0、0)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをRポジション44と判別する。
【0055】
(Nポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をNポジション45に操作すると、シフトレバー22と共にNポジション45に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、図10(a)に示すように、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11の出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12の出力がL(0)と判定される方向、第3のMRセンサ13の出力がH(1)と判定される方向、及び第4のMRセンサ14の出力がL(0)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0056】
制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14から出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11の出力をH(1)、第2のMRセンサ12の出力をL(0)、第3のMRセンサ13の出力をH(1)、及び第4のMRセンサ14の出力をL(0)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、0、1、0)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをNポジション45と判別する。
【0057】
(Dポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をDポジション46に操作すると、シフトレバー22と共にDポジション46に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、図10(b)に示すように、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11の出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12の出力がH(1)と判定される方向、第3のMRセンサ13の出力がH(1)と判定される方向、及び第4のMRセンサ14の出力がH(1)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0058】
制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14から出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11の出力をH(1)、第2のMRセンサ12の出力をH(1)、第3のMRセンサ13の出力をH(1)、及び第4のMRセンサ14の出力をH(1)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、1、1、1)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをRポジション44と判別する。
【0059】
(第1の実施の形態の効果)
上記の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置1によれば、ポジションの数(6つ)より少ない第1〜第4のMRセンサ11〜14の出力の組み合わせでポジションを判別することができる。また、シフトポジション検出装置1は、第1〜第4のMRセンサ11〜14のうち、1つが故障しても6つのポジションを判別することができる。さらに、シフトポジション検出装置1は、使用するMRセンサが検出対象のポジションの数(6つ)よりも少ない(4つ)ので、製造コストを削減することができる。
【0060】
また、シフトポジション検出装置1の第1〜第4のMRセンサ11〜14は、各ポジションの切替位置に基づいた第4又は第5の直線404、405上に配置され、さらに、HとLの切替の境界と第4又は第5の直線404、405を一致させて配置されるので、第4又は第5の直線404、405上に配置しない場合と比べて、当該境界にて出力が切り替わり、切替位置に応じた正確な出力を行うことができ、シフトポジション検出装置1は、正確にポジションを判別することができる。
【0061】
さらに、シフトポジション検出装置1は、第1のMRセンサ11がHポジション42と−ポジション43が切り替わる切替位置48及び第1のMRセンサ11の中心を通る直線と、第4の直線404とがなす反時計回りの角度θ1が90°から180°となる位置に設けられ、第2のMRセンサ12が+ポジション41とHポジション42が切り替わる切替位置47と第2のMRセンサ12の中心を通る直線と、第5の直線405がなす時計回りの角度θ2が90°から180°となる位置に設けられるので、切替位置に応じた出力から正確なポジションを判別することができる。
【0062】
またさらに、シフトポジション検出装置1は、第3のMRセンサ13が、第3のMRセンサ13の中心、及びHポジション42とNポジション45が切り替わる切替位置49を通る直線と第4の直線404とが直交する位置に設けられ、第4のMRセンサ14が、第4のMRセンサ14の中心と切替位置49を通る直線と第5の直線405とが直交する位置に設けられるので、切換位置に応じた出力から正確なポジションを判別することができる。
【0063】
シフトポジション検出装置1は、切替位置を正確に設定することができるので、ユーザに良好な操作感を付与することができる。
【0064】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、略コ字形状のルート上の4つのポジションを2つの磁気センサで検出する点で第1の実施の形態と異なっている。
【0065】
図11(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の磁気センサの配置と各ポジションの位置関係を示す概略図であり、(b)は、シフトポジション情報の概略図である。以下に、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0066】
本実施の形態に係るシフトポジション検出装置1は、例えば、図11(a)に示すように、第1の実施の形態における第1のMRセンサ11を第1のMRセンサ11a、及び第3のMRセンサ13を第2のMRセンサ12aとしている。第1及び第2のMRセンサ11a、12aの配置は第1の実施の形態と同じである。
【0067】
(+ポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22を+ポジション41に操作すると、シフトレバー22と共に+ポジション41に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がL(0)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がH(1)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0068】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をL(0)、第2のMRセンサ12aの出力をH(1)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(0、1)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションを+ポジション41と判別する。
【0069】
(Hポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をHポジション42に操作すると、シフトレバー22と共にHポジション42に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がL(0)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0070】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をH(1)、第2のMRセンサ12aの出力をL(0)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、0)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをHポジション42と判別する。
【0071】
(Nポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をNポジション45に操作すると、シフトレバー22と共にNポジション45に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がH(1)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0072】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をH(1)、第2のMRセンサ12aの出力をH(1)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、1)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをNポジション45と判別する。
【0073】
(Rポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をRポジション44に操作すると、シフトレバー22と共にRポジション44に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がL(0)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がL(0)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0074】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をL(0)、第2のMRセンサ12aの出力をL(0)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(0、0)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをRポジション44と判別する。
【0075】
(第2の実施の形態の効果)
上記の第2の実施の形態に係るシフトポジション検出装置1によれば、ポジションの数(4つ)より少ない(2つ)第1及び第2のMRセンサ11a、12aの出力の組み合わせでポジションを判別することができる。シフトポジション検出装置1は、使用するMRセンサの数が少ないので製造コストを削減することができる。
【0076】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、シフトレバー22の移動距離が短い+ポジションと−ポジション側から、シフトレバー22の移動距離が長い、Rポジション及びNポジション側に、第1のMRセンサが配置される点で上記の各実施の形態と異なっている。
【0077】
図12(a)は、本発明の第3の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の磁気センサの配置と各ポジションの位置関係を示す概略図であり、(b)は、シフトポジション情報の概略図である。
【0078】
本実施の形態に係るシフトポジション検出装置1は、図12(a)に示すように、第1のMRセンサ11aがRポジション44及びNポジション45側で、かつ、第4の直線404上に配置されている。
【0079】
(+ポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22を+ポジション41に操作すると、シフトレバー22と共に+ポジション41に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がH(1)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0080】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をH(1)、第2のMRセンサ12aの出力をH(1)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、1)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションを+ポジション41と判別する。
【0081】
(Hポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をHポジション42に操作すると、シフトレバー22と共にHポジション42に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がL(0)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がL(0)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0082】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をL(0)、第2のMRセンサ12aの出力をL(0)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(0、0)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをHポジション42と判別する。
【0083】
(Nポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をNポジション45に操作すると、シフトレバー22と共にNポジション45に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がL(0)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がH(1)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0084】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をL(0)、第2のMRセンサ12aの出力をH(1)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(0、1)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをNポジション45と判別する。
【0085】
(Rポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をRポジション44に操作すると、シフトレバー22と共にRポジション44に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がL(0)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0086】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をH(1)、第2のMRセンサ12aの出力をL(0)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、0)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをRポジション44と判別する。
【0087】
(第3の実施の形態の効果)
上記の第3の実施の形態に係るシフトポジション検出装置1によれば、ポジションの数(4つ)より少ない(2つ)第1及び第2のMRセンサ11a、12aの出力の組み合わせでポジションを判別することができる。また、シフトポジション検出装置1は、使用するMRセンサの数が少ないので製造コストを削減することができる。
【0088】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形及び組み合わせが可能である。
【0089】
例えば、第1の実施の形態において、第3の実施の形態のように、第1及び第2のMRセンサ11、12の少なくとも1つを第4又は第5の直線404、405上で、かつ、Rポジション44及びDポジション46側に配置しても良い。
【0090】
例えば、上記に記載の各実施の形態におけるHとLの判定は、逆であっても良い。また、上記に記載のMRセンサのHとLの向きは、例えば、各MRセンサごとに異なっていても良い。
【0091】
また、上記に記載の各MRセンサは、アナログ出力を行い、制御部15によってH又はLとして判定されたが、これに限定されず、MRセンサに制御部を設けてH又はLのデジタル出力を行うように構成されても良い。
【0092】
上記に記載の各MRセンサは、磁気抵抗素子を用いた磁気センサであったが、これに限定されず、磁気ベクトル10Aの方向の変化を検出することができるセンサであれば良い。
【符号の説明】
【0093】
1…シフトポジション検出装置、2…シフトユニット、4…シフトゲート、4a…案内溝、4b…スライド部、10…磁石、10A…磁気ベクトル、10B…磁界、11〜14…第1〜第4のMRセンサ、11A…基準線、11A…対角線、11a、12a…第1及び第2のMRセンサ、15…制御部、16…記憶部、17…出力部、20…本体、21…上部、22…シフトレバー、40…シフトパターン、41…+ポジション、42…Hポジション、43…−ポジション、44…Rポジション、45…Nポジション、46…Dポジション、47〜51…第1〜第5の切替位置、100…基板、111〜114…第1〜第4のMR素子、160…シフトポジション情報、401〜405…第1〜第5の直線
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、T字形状を有するシフトゲートに設けられた基準位置、R、N及びDの4つのポジションを3つの磁界検知センサで検出するシフト切換機構の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このR、N及びDは、直線状に並び、基準位置は、RとDの中点に位置するNと並んでいる。
【0003】
シフト切換機構の制御装置は、3つの磁界検知センサをR、D及び基準位置の近傍に配置し、その出力値を組み合わせることで4つのポジションを判定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−115944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のシフト切換機構の制御装置は、3つの磁界検知センサのうち、1つでも故障すると各ポジションを検出できない問題があった。さらに、従来のシフト切換機構の制御装置は、ポジション間の切替位置が、磁界検知センサの出力に対するしきい値の設定により決定されるため、切替位置を設定し難く、ユーザに良好な操作感を付与することが困難であった。
【0006】
本発明の目的は、検出対象である操作位置の数よりも少ない個数の磁気センサで操作位置を判別し、また、磁気センサの1つが故障しても各操作位置の検出に支障がなく、さらに、ユーザに良好な操作感を付与することができる操作位置検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、第1の操作位置と第2の操作位置を結ぶ第1の直線、前記第2の操作位置と第3の操作位置を結ぶ第2の直線、及び前記第3の操作位置と第4の操作位置を結ぶ第3の直線からなるルート上を移動する操作部と、前記操作部に設けられ、磁界を発生する磁界発生部と、前記第1の操作位置と前記第2の操作位置が切り替わる第1の切替位置と、前記第3の操作位置と前記第4の操作位置が切り替わる第2の切替位置を結ぶ第4の直線上で、前記第1〜第4の操作位置に囲まれる領域外に設けられ、前記磁界発生部が発生する前記磁界の磁気ベクトルの方向を検出する第1の磁気センサと、前記第4の直線上で、前記第1〜第4の操作位置に囲まれる領域に設けられ、前記磁界発生部が発生する前記磁界の磁気ベクトルの方向を検出する第2の磁気センサと、前記第1及び第2の磁気センサの出力の組み合わせに基づいて前記操作部の前記第1〜第4の操作位置を判別する判別部と、を備える操作位置検出装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検出対象である操作位置の数よりも少ない個数の磁気センサで操作位置を判別し、また、磁気センサの1つが故障しても各操作位置の検出に支障がなく、さらに、ユーザに良好な操作感を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置を用いたシフトユニットの概略図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置のブロック図である。
【図3】図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の磁気センサの配置と各ポジションの位置関係を示す概略図であり、(b)は、磁気センサと磁石の位置関係を示す側面図である。
【図4】図4(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る磁界発生部としての円柱形状を有する磁石から発生する磁気ベクトルの概略図であり、(b)は、角柱形状を有する磁石から発生する磁気ベクトルの概略図であり、(c)は、磁石の側面図である。
【図5】図5(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るMRセンサとH又はLと判別される磁気ベクトルの方向の関係を示す概略図であり、(b)は、MRセンサの回路構成を示す概略図であり、(c)は、MRセンサを横切る磁気ベクトルの角度と出力電圧Voutの関係を示す概略図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態に係るMRセンサの配置に関する概略図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション情報の概略図である。
【図8】図8(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の+ポジションの判別に関する概略図であり、(b)は、Hポジションの判別に関する概略図である。
【図9】図9(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の−ポジションの判別に関する概略図であり、(b)は、Nポジションの判別に関する概略図である。
【図10】図10(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置のRポジションの判別に関する概略図であり、(b)は、Dポジションの判別に関する概略図である。
【図11】図11(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の磁気センサの配置と各ポジションの位置関係を示す概略図であり、(b)は、シフトポジション情報の概略図である。
【図12】図12(a)は、本発明の第3の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の磁気センサの配置と各ポジションの位置関係を示す概略図であり、(b)は、シフトポジション情報の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施の形態]
(シフトユニットの構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置を用いたシフトユニットの概略図である。
【0011】
シフトポジション検出装置1を用いたシフトユニット2は、例えば、図1に示すように、車両に搭載され、シフトゲート4に沿った操作部としてのシフトレバー22の操作により、+ポジション、Hポジション、−ポジション、Rポジション、Nポジション及びDポジションに切り替えることができる。
【0012】
上記の各ポジションは、例えば、シフトレバー22が操作されることにより車両のトランスミッションの状態を切り替えるものである。+ポジションは、トランスミッションのギア比(エンジンの回転数を1としたトランスミッションの出力軸の回転数;トランスミッションの出力軸の回転数:エンジンの回転数)を高いギア比に1段ずつ切り替える操作位置である。Hポジションは、+ポジション及び−ポジションに切り替える際に用意されたニュートラルポジションである。−ポジションは、トランスミッションのギア比を低いギア比に1段ずつ切り替える操作位置である。Rポジションは、車両を後進させる操作位置である。Nポジションは、エンジンの動力をトランスミッションに伝達しないようにする操作位置、すなわちニュートラルポジションである。Dポジションは、エンジンの回転数等に応じてトランスミッションのギア比等を切り替えるポジションである。なお、ポジションは、上記の例に限定されない。
【0013】
シフトユニット2は、例えば、略矩形状を有する本体20と、シフトゲート4が形成された本体20の上部21と、本体20内に設けられ、シフトレバー22のポジションを検出するシフトポジション検出装置1と、を備えて概略構成されている。
【0014】
シフトレバー22は、例えば、略H字形状を有するシフトゲート4に沿って移動する。このシフトゲート4は、Rポジション、Nポジション及びDポジションまでの移動距離が、例えば、+ポジション、Hポジション及び−ポジションまでの移動距離よりも長く設定されている。なお、シフトゲート4の形状は、上記の例に限定されない。
【0015】
シフトゲート4には、例えば、案内溝4aが形成され、シフトレバー22の端部には、スライド部4bが形成されている。シフトレバー22は、例えば、この案内溝4aにスライド部4bが挿入、案内されて各ポジションに操作可能に構成されている。
【0016】
(シフトポジション検出装置の構成)
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置のブロック図である。シフトポジション検出装置1は、例えば、図2に示すように、シフトレバー22に配置された磁石10と、磁気センサとしての第1〜第4のMR(Magnetic Resistance)センサ11〜14と、判別部としての制御部15と、シフトポジション情報160を記憶する記憶部16と、出力部17と、を備えて概略構成されている。
【0017】
図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の磁気センサの配置と各ポジションの位置関係を示す概略図であり、(b)は、磁気センサと磁石の位置関係を示す側面図である。図3(a)及び(b)は、シフトレバー22がHポジション42に操作されている状態を示している。
【0018】
シフトポジション検出装置1は、図3(a)に示すように、シフトパターン40に応じて第1〜第4のMRセンサ11〜14が配置されている。
【0019】
シフトレバー22は、+ポジション(第1の操作位置)41、Hポジション(第2の操作位置)42及び−ポジション(第5の操作位置)43を結ぶ第1の直線401と、Hポジション42とNポジション(第3の操作位置)45を結ぶ第2の直線402と、Rポジション(第4の操作位置)44、Nポジション45及びDポジション(第6の操作位置)46を結ぶ第3の直線403からなる略H字形状のルート(シフトパターン40)上を移動する。
【0020】
第1のMRセンサ(第1の磁気センサ)11は、例えば、図3(a)に示すように、+ポジション41からHポジション42の切替位置47(第1の切替位置)と、Nポジション45からRポジション44の切替位置50(第2の切替位置)を結ぶ第4の直線404上で、+ポジション41、Hポジション42、Nポジション45及びRポジション44に囲まれる領域外に設けられ、磁石10が発生する磁界の磁気ベクトルの方向を検出する。なお、第1のMRセンサ11は、後述するブリッジ回路を構成する4つのMR素子の中心(重心)が第4の直線404上に位置するように配置されるものとする。以下に示す中心は、この4つのMR素子の中心(重心)を示すものとする。
【0021】
ここで、上記の切替位置とは、ポジションの判別が切り替わる位置である。この切換位置は、ユーザの操作感に影響し、例えば、ポジションとポジションの中間点に設定される。
【0022】
第2のMRセンサ(第3の磁気センサ)12は、例えば、図3(a)に示すように、−ポジション43からHポジション42の切替位置48(第4の切替位置)と、Dポジション46からNポジション45の切替位置51(第5の切替位置)を結ぶ第5の直線405上で、−ポジション43、Hポジション42、Nポジション45及びDポジション46に囲まれる領域外に設けられ、磁石10が発生する磁界の磁気ベクトルの方向を検出する。なお、第2のMRセンサ12は、中心(重心)が第5の直線405上に位置するように配置されるものとする。
【0023】
第3のMRセンサ(第2の磁気センサ)13は、例えば、図3(a)に示すように、第4の直線404上で、+ポジション41、Hポジション42、Nポジション45及びRポジション44に囲まれる領域に設けられ、磁石10が発生する磁界の磁気ベクトルの方向を検出する。なお、第3のMRセンサ13は、中心(重心)が第4の直線404上に位置するように配置されるものとする。
【0024】
第4のMRセンサ(第4の磁気センサ)14は、例えば、図3(a)に示すように、第5の直線405上で、+ポジション41、Hポジション42、Nポジション45及びRポジション44に囲まれる領域に設けられ、磁石10が発生する磁界の磁気ベクトルの方向を検出する。なお、第4のMRセンサ14は、中心(重心)が第5の直線405上に位置するように配置されるものとする。
【0025】
第1〜第4のMRセンサ11〜14は、例えば、図3(b)に示すように、基板100上に配置されている。
【0026】
図4(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る磁界発生部としての円柱形状を有する磁石から発生する磁気ベクトルの概略図であり、(b)は、角柱形状を有する磁石から発生する磁気ベクトルの概略図であり、(c)は、磁石の側面図である。図4(a)及び(b)は、例えば、磁石10と磁気ベクトル10Aとの関係を模式的に示すものであり、(c)は、磁石10と磁束10Bとの関係を模式的に示すものである。
【0027】
シフトレバー22の端部には、磁界発生部としての磁石10が設けられている。この磁石10は、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジム磁石等の永久磁石、又はこれらの永久磁石を樹脂に混ぜて成形した磁石等が用いられる。なお、磁界発生部は、上記の例に限定されず、例えば、電磁石等であっても良い。
【0028】
磁石10は、例えば、図3(b)及び図4(a)に示すように、円柱形状を有する。また、磁石10は、例えば、図4(c)に示すように、基板100側がN極、シフトレバー22側がS極となり、磁束10Bが基板100側のN極から湧き出してS極に吸い込まれている。なお、磁石10の着磁の方向は、上記の例に限定されず、基板100側をS極、シフトレバー22側をN極としても良い。
【0029】
また、磁石10は、上記の例に限定されず、例えば、図4(b)に示すように、放射状に磁気ベクトル10Aを発生させる柱体であれば、基板100側の底面の形状が、一辺Aの正方形であっても良い。
【0030】
図5(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るMRセンサとH又はLと判別される磁気ベクトルの方向の関係を示す概略図であり、(b)は、MRセンサの回路構成を示す概略図であり、(c)は、MRセンサを横切る磁気ベクトルの角度と出力電圧Voutの関係を示す概略図である。図5(c)は、例えば、印加する電圧Vを5v、HiとLoを判定するためのしきい電圧Vthを2.5vとした図である。図5(a)、(b)及び(c)では、第1のMRセンサ11を例にとって説明するが他のMRセンサについても同様である。
【0031】
第1のMRセンサ11は、例えば、図5(a)に示すように、対角線によって4つの領域(L、H、L、H)に分けられ、中心を通る磁気ベクトル10Aが、4つのいずれの領域にあるかで、後述する制御部による判定結果が変わる。
【0032】
第1のMRセンサ11は、例えば、図5(b)に示すように、第1〜第4のMR素子がブリッジ回路を形成している。このMR素子は、例えば、蛇腹状に折り返された形状を有し、磁気ベクトル10Aと折り返された部分(感磁部)とのなす角度に基づいて抵抗値が変わる磁気抵抗素子である。ここで、折り返された部分(感磁部)とは、例えば、図5(b)に示す電流が流れる方向に対して直交する部分であり、磁界がこの感磁部に直行するとき、MR素子の抵抗値が最小となり、平行するとき、抵抗値が最大となる。なお、図5(b)に示す電流の流れる方向と平行な部分の磁気抵抗の増減は、感磁部のそれと比べて無視できるほど小さいものとする。また、以下の各MRセンサの中心を通る磁気ベクトル10A以外でMRセンサの検出領域内を通る磁気ベクトル10Aは、MRセンサの中心を通る磁気ベクトル10Aと略平行であるものとする。
【0033】
第1のMRセンサ11は、例えば、第1及び第3のMR素子111、113に電圧Vが印加され、第1のMR素子111と第2のMR素子112の中点電位(V+)と、第3のMR素子113と第4のMR素子114の中点電位(V−)の差分(=V+−V−)をVoutとして制御部15に出力する。また、第2のMR素子112と第4のMR素子114の間は、接地されている。制御部15は、Voutとしきい電圧Vthを比較し、VoutがVthより大きいときを1(Hi)、小さいときを0(Lo)として、第1のMRセンサ11の出力からHi又はLoを判定する。
【0034】
図5(a)に示す第1のMRセンサ11の模式図と、図5(b)に示す第1のMRセンサ11の第1〜第4のMR素子111〜114からなるブリッジ部分の模式図は、対応している。第1のMRセンサ11の出力電圧Voutは、図5(b)に示す基準線11Aを基準とし、磁気ベクトル10Aがこの基準線11Aとなす角をθとすると、Voutは、図5(c)に示すCos曲線となる。なお、角θは、例えば、対角線11Aから時計回りを正としている。図5(a)では、図5(c)に示すHiをHとし、LoをLとして図示している。なお、制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14の出力から磁気ベクトル10Aの角度は検出可能であるが、その向きまでは判定できない。
【0035】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係るMRセンサの配置に関する概略図である。第1〜第4のMRセンサ11〜14は、例えば、図3(a)及び図6に示すように、第4又は第5の直線404、405と、図5(a)に示す対角線が一致するように配置される。この対角線は、図5(a)に示すように、HとLの判定の境界線であるから、対角線が一致するように配置することで、ポジションの切替位置を正確に設定可能である。
【0036】
制御部15は、第1及び第3のMRセンサ11、13の中心を通る磁気ベクトル10Aのうち、角度が第4の直線404から時計回りに0°から90°までの磁気ベクトル10Aを検出することにより、第1及び第3のMRセンサ11、13から出力された出力電圧Vout(第1の出力)に基づいてHiの判定(第1の判定)を行い、角度が第4の直線404から時計回りに90°から180°までの磁気ベクトル10Aを検出することにより出力された出力電圧Vout(第2の出力)に基づいてLoの判定(第2の判定)を行う。
【0037】
また、制御部15は、第2及び第4のMRセンサ12、14の中心を通る磁気ベクトル10Aのうち、磁気ベクトル10Aの角度が第5の直線405から時計回りに0°から90°までの磁気ベクトル10Aを検出することにより、第2及び第4のMRセンサ12、14から出力された出力電圧Vout(第3の出力)に基づいてHiの判定を行い、磁気ベクトル10Aの角度が第5の直線405から時計回りに90°から180°までの磁気ベクトル10Aを検出することにより、第2及び第4のMRセンサ12、14から出力された出力電圧Vout(第4の出力)に基づいてLoの判定を行う。
【0038】
第1のMRセンサ11は、例えば、図6に示すように、Hポジション42と−ポジション43が切り替わる切替位置48(第4の切換位置)及び第1のMRセンサ11の中心を通る直線と、第4の直線404とがなす反時計回りの角度θ1が90°≦θ1≦180°となる位置に設けられる。なお、第1のMRセンサ11は、例えば、90°≦θ1≦135°となる位置に設けられることがより好ましい。
【0039】
第2のMRセンサ12は、例えば、図6に示すように、+ポジション41とHポジション42が切り替わる切替位置47(第1の切替位置)と第2のMRセンサ12の中心を通る直線と、第5の直線405がなす時計回りの角度θ2が90°≦θ2≦180°となる位置に設けられる。なお、第2のMRセンサ12は、例えば、90°≦θ2≦135°となる位置に設けられることがより好ましい。
【0040】
第3のMRセンサ13は、例えば、図6に示すように、第3のMRセンサ13の中心、及びHポジション42とNポジション45が切り替わる切替位置49(第3の切替位置)を通る直線と第4の直線404とが直交する位置に設けられる。
【0041】
第4のMRセンサ14は、例えば、図6に示すように、第4のMRセンサ14の中心と切替位置49を通る直線と第5の直線405とが直交する位置に設けられる。
【0042】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション情報の概略図である。制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14の出力の組み合わせに基づいてシフトレバー22の+ポジション41、Hポジション42、−ポジション43、Rポジション44、Nポジション45及びDポジション46を判別する。
【0043】
制御部15は、例えば、図7に示すように、第1〜第4のMRセンサ11〜14の出力の判定結果とポジションを対応させたシフトポジション情報160に基づいて各ポジションを判別する。
【0044】
出力部17は、例えば、車両LAN(Local Area Network)に接続され、判別したポジションの情報を出力する。車両の制御部は、例えば、取得したポジションの情報に基づいて車両のトランスミッションの状態を切り替える。
【0045】
(動作)
図8(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の+ポジションの判別に関する概略図であり、(b)は、Hポジションの判別に関する概略図である。図9(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の−ポジションの判別に関する概略図であり、(b)は、Rポジションの判別に関する概略図である。図10(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置のNポジションの判別に関する概略図であり、(b)は、Dポジションの判別に関する概略図である。なお、以下において、制御部15が各MRセンサの出力から判定する結果は、第1〜第4のMRセンサ11〜14に順に(0、0、0、0)等と記載するものとする。
【0046】
以下に、ユーザがシフトレバー22をシフトゲート4に沿ってそれぞれのポジションに操作する場合のポジションの判別について説明する。
【0047】
(+ポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22を+ポジション41に操作すると、シフトレバー22と共に+ポジション41に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、図8(a)に示すように、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11の出力がL(0)と判定される方向、第2のMRセンサ12の出力がL(0)と判定される方向、第3のMRセンサ13の出力がH(1)と判定される方向、及び第4のMRセンサ14の出力がH(1)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0048】
制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14から出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11の出力をL(0)、第2のMRセンサ12の出力をL(0)、第3のMRセンサ13の出力をH(1)、及び第4のMRセンサ14の出力をH(1)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(0、0、1、1)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションを+ポジション41と判別する。
【0049】
(Hポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をHポジション42に操作すると、シフトレバー22と共にHポジション42に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、図8(b)に示すように、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11の出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12の出力がL(0)と判定される方向、第3のMRセンサ13の出力がL(0)と判定される方向、及び第4のMRセンサ14の出力がH(1)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0050】
制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14から出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11の出力をH(1)、第2のMRセンサ12の出力をL(0)、第3のMRセンサ13の出力をL(0)、及び第4のMRセンサ14の出力をH(1)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、0、0、1)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをHポジション42と判別する。
【0051】
(−ポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22を−ポジション43に操作すると、シフトレバー22と共に−ポジション43に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、図9(a)に示すように、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11の出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12の出力がH(1)と判定される方向、第3のMRセンサ13の出力がL(0)と判定される方向、及び第4のMRセンサ14の出力がL(0)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0052】
制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14から出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11の出力をH(1)、第2のMRセンサ12の出力をH(1)、第3のMRセンサ13の出力をL(0)、及び第4のMRセンサ14の出力をL(0)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、1、0、0)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションを−ポジション43と判別する。
【0053】
(Rポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をRポジション44に操作すると、シフトレバー22と共にRポジション44に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、図9(b)に示すように、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11の出力がL(0)と判定される方向、第2のMRセンサ12の出力がL(0)と判定される方向、第3のMRセンサ13の出力がL(0)と判定される方向、及び第4のMRセンサ14の出力がL(0)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0054】
制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14から出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11の出力をL(0)、第2のMRセンサ12の出力をL(0)、第3のMRセンサ13の出力をL(0)、及び第4のMRセンサ14の出力をL(0)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(0、0、0、0)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをRポジション44と判別する。
【0055】
(Nポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をNポジション45に操作すると、シフトレバー22と共にNポジション45に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、図10(a)に示すように、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11の出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12の出力がL(0)と判定される方向、第3のMRセンサ13の出力がH(1)と判定される方向、及び第4のMRセンサ14の出力がL(0)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0056】
制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14から出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11の出力をH(1)、第2のMRセンサ12の出力をL(0)、第3のMRセンサ13の出力をH(1)、及び第4のMRセンサ14の出力をL(0)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、0、1、0)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをNポジション45と判別する。
【0057】
(Dポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をDポジション46に操作すると、シフトレバー22と共にDポジション46に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、図10(b)に示すように、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11の出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12の出力がH(1)と判定される方向、第3のMRセンサ13の出力がH(1)と判定される方向、及び第4のMRセンサ14の出力がH(1)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0058】
制御部15は、第1〜第4のMRセンサ11〜14から出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11の出力をH(1)、第2のMRセンサ12の出力をH(1)、第3のMRセンサ13の出力をH(1)、及び第4のMRセンサ14の出力をH(1)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、1、1、1)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをRポジション44と判別する。
【0059】
(第1の実施の形態の効果)
上記の第1の実施の形態に係るシフトポジション検出装置1によれば、ポジションの数(6つ)より少ない第1〜第4のMRセンサ11〜14の出力の組み合わせでポジションを判別することができる。また、シフトポジション検出装置1は、第1〜第4のMRセンサ11〜14のうち、1つが故障しても6つのポジションを判別することができる。さらに、シフトポジション検出装置1は、使用するMRセンサが検出対象のポジションの数(6つ)よりも少ない(4つ)ので、製造コストを削減することができる。
【0060】
また、シフトポジション検出装置1の第1〜第4のMRセンサ11〜14は、各ポジションの切替位置に基づいた第4又は第5の直線404、405上に配置され、さらに、HとLの切替の境界と第4又は第5の直線404、405を一致させて配置されるので、第4又は第5の直線404、405上に配置しない場合と比べて、当該境界にて出力が切り替わり、切替位置に応じた正確な出力を行うことができ、シフトポジション検出装置1は、正確にポジションを判別することができる。
【0061】
さらに、シフトポジション検出装置1は、第1のMRセンサ11がHポジション42と−ポジション43が切り替わる切替位置48及び第1のMRセンサ11の中心を通る直線と、第4の直線404とがなす反時計回りの角度θ1が90°から180°となる位置に設けられ、第2のMRセンサ12が+ポジション41とHポジション42が切り替わる切替位置47と第2のMRセンサ12の中心を通る直線と、第5の直線405がなす時計回りの角度θ2が90°から180°となる位置に設けられるので、切替位置に応じた出力から正確なポジションを判別することができる。
【0062】
またさらに、シフトポジション検出装置1は、第3のMRセンサ13が、第3のMRセンサ13の中心、及びHポジション42とNポジション45が切り替わる切替位置49を通る直線と第4の直線404とが直交する位置に設けられ、第4のMRセンサ14が、第4のMRセンサ14の中心と切替位置49を通る直線と第5の直線405とが直交する位置に設けられるので、切換位置に応じた出力から正確なポジションを判別することができる。
【0063】
シフトポジション検出装置1は、切替位置を正確に設定することができるので、ユーザに良好な操作感を付与することができる。
【0064】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、略コ字形状のルート上の4つのポジションを2つの磁気センサで検出する点で第1の実施の形態と異なっている。
【0065】
図11(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の磁気センサの配置と各ポジションの位置関係を示す概略図であり、(b)は、シフトポジション情報の概略図である。以下に、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0066】
本実施の形態に係るシフトポジション検出装置1は、例えば、図11(a)に示すように、第1の実施の形態における第1のMRセンサ11を第1のMRセンサ11a、及び第3のMRセンサ13を第2のMRセンサ12aとしている。第1及び第2のMRセンサ11a、12aの配置は第1の実施の形態と同じである。
【0067】
(+ポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22を+ポジション41に操作すると、シフトレバー22と共に+ポジション41に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がL(0)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がH(1)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0068】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をL(0)、第2のMRセンサ12aの出力をH(1)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(0、1)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションを+ポジション41と判別する。
【0069】
(Hポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をHポジション42に操作すると、シフトレバー22と共にHポジション42に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がL(0)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0070】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をH(1)、第2のMRセンサ12aの出力をL(0)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、0)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをHポジション42と判別する。
【0071】
(Nポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をNポジション45に操作すると、シフトレバー22と共にNポジション45に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がH(1)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0072】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をH(1)、第2のMRセンサ12aの出力をH(1)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、1)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをNポジション45と判別する。
【0073】
(Rポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をRポジション44に操作すると、シフトレバー22と共にRポジション44に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がL(0)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がL(0)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0074】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をL(0)、第2のMRセンサ12aの出力をL(0)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(0、0)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをRポジション44と判別する。
【0075】
(第2の実施の形態の効果)
上記の第2の実施の形態に係るシフトポジション検出装置1によれば、ポジションの数(4つ)より少ない(2つ)第1及び第2のMRセンサ11a、12aの出力の組み合わせでポジションを判別することができる。シフトポジション検出装置1は、使用するMRセンサの数が少ないので製造コストを削減することができる。
【0076】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、シフトレバー22の移動距離が短い+ポジションと−ポジション側から、シフトレバー22の移動距離が長い、Rポジション及びNポジション側に、第1のMRセンサが配置される点で上記の各実施の形態と異なっている。
【0077】
図12(a)は、本発明の第3の実施の形態に係るシフトポジション検出装置の磁気センサの配置と各ポジションの位置関係を示す概略図であり、(b)は、シフトポジション情報の概略図である。
【0078】
本実施の形態に係るシフトポジション検出装置1は、図12(a)に示すように、第1のMRセンサ11aがRポジション44及びNポジション45側で、かつ、第4の直線404上に配置されている。
【0079】
(+ポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22を+ポジション41に操作すると、シフトレバー22と共に+ポジション41に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がH(1)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0080】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をH(1)、第2のMRセンサ12aの出力をH(1)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、1)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションを+ポジション41と判別する。
【0081】
(Hポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をHポジション42に操作すると、シフトレバー22と共にHポジション42に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がL(0)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がL(0)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0082】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をL(0)、第2のMRセンサ12aの出力をL(0)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(0、0)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをHポジション42と判別する。
【0083】
(Nポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をNポジション45に操作すると、シフトレバー22と共にNポジション45に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がL(0)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がH(1)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0084】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をL(0)、第2のMRセンサ12aの出力をH(1)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(0、1)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをNポジション45と判別する。
【0085】
(Rポジションの判別)
ユーザがシフトレバー22をRポジション44に操作すると、シフトレバー22と共にRポジション44に磁石10が移動する。磁気ベクトル10Aは、移動した磁石10の磁界に基づいて、第1のMRセンサ11aの出力がH(1)と判定される方向、第2のMRセンサ12aの出力がL(0)と判定される方向から各MRセンサを横切る。
【0086】
制御部15は、第1及び第2のMRセンサ11a、12aから出力される出力電圧Voutとしきい電圧Vthに基づいて、第1のMRセンサ11aの出力をH(1)、第2のMRセンサ12aの出力をL(0)と判定し、その判定した結果とシフトポジション情報160を比較する。制御部15は、判定した結果が(1、0)であることから、シフトポジション情報160に基づいてシフトレバー22のポジションをRポジション44と判別する。
【0087】
(第3の実施の形態の効果)
上記の第3の実施の形態に係るシフトポジション検出装置1によれば、ポジションの数(4つ)より少ない(2つ)第1及び第2のMRセンサ11a、12aの出力の組み合わせでポジションを判別することができる。また、シフトポジション検出装置1は、使用するMRセンサの数が少ないので製造コストを削減することができる。
【0088】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形及び組み合わせが可能である。
【0089】
例えば、第1の実施の形態において、第3の実施の形態のように、第1及び第2のMRセンサ11、12の少なくとも1つを第4又は第5の直線404、405上で、かつ、Rポジション44及びDポジション46側に配置しても良い。
【0090】
例えば、上記に記載の各実施の形態におけるHとLの判定は、逆であっても良い。また、上記に記載のMRセンサのHとLの向きは、例えば、各MRセンサごとに異なっていても良い。
【0091】
また、上記に記載の各MRセンサは、アナログ出力を行い、制御部15によってH又はLとして判定されたが、これに限定されず、MRセンサに制御部を設けてH又はLのデジタル出力を行うように構成されても良い。
【0092】
上記に記載の各MRセンサは、磁気抵抗素子を用いた磁気センサであったが、これに限定されず、磁気ベクトル10Aの方向の変化を検出することができるセンサであれば良い。
【符号の説明】
【0093】
1…シフトポジション検出装置、2…シフトユニット、4…シフトゲート、4a…案内溝、4b…スライド部、10…磁石、10A…磁気ベクトル、10B…磁界、11〜14…第1〜第4のMRセンサ、11A…基準線、11A…対角線、11a、12a…第1及び第2のMRセンサ、15…制御部、16…記憶部、17…出力部、20…本体、21…上部、22…シフトレバー、40…シフトパターン、41…+ポジション、42…Hポジション、43…−ポジション、44…Rポジション、45…Nポジション、46…Dポジション、47〜51…第1〜第5の切替位置、100…基板、111〜114…第1〜第4のMR素子、160…シフトポジション情報、401〜405…第1〜第5の直線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の操作位置と第2の操作位置を結ぶ第1の直線、前記第2の操作位置と第3の操作位置を結ぶ第2の直線、及び前記第3の操作位置と第4の操作位置を結ぶ第3の直線からなるルート上を移動する操作部と、
前記操作部に設けられ、磁界を発生する磁界発生部と、
前記第1の操作位置と前記第2の操作位置が切り替わる第1の切替位置と、前記第3の操作位置と前記第4の操作位置が切り替わる第2の切替位置を結ぶ第4の直線上で、前記第1〜第4の操作位置に囲まれる領域外に設けられ、前記磁界発生部が発生する前記磁界の磁気ベクトルの方向を検出する第1の磁気センサと、
前記第4の直線上で、前記第1〜第4の操作位置に囲まれる領域に設けられ、前記磁界発生部が発生する前記磁界の磁気ベクトルの方向を検出する第2の磁気センサと、
前記第1及び第2の磁気センサの出力の組み合わせに基づいて前記操作部の前記第1〜第4の操作位置を判別する判別部と、
を備える操作位置検出装置。
【請求項2】
前記判別部は、前記第1及び第2の磁気センサの中心を通る前記磁気ベクトルのうち、角度が前記第4の直線から時計回りに0°から90°までの前記磁気ベクトルを検出して前記第1及び第2の磁気センサから出力された第1の出力に基づいて第1の判定を行い、角度が前記第4の直線から時計回りに90°から180°までの前記磁気ベクトルを検出して出力された第2の出力に基づいて第2の判定を行う請求項1に記載の操作位置検出装置。
【請求項3】
前記第2の磁気センサは、前記第2の磁気センサの中心、及び前記第2の操作位置と前記第3の操作位置が切り替わる第3の切替位置を通る直線と前記第4の直線とが直交する位置に設けられる請求項2に記載の操作位置検出装置。
【請求項4】
前記第1の操作位置と前記第2の操作位置間の距離は、前記第3の操作位置と前記第4の操作位置間の距離と異なる請求項3に記載の操作位置検出装置。
【請求項5】
前記第2の操作位置を対称点として前記第1の操作位置と点対称の位置に設けられた第5の操作位置と、
前記第3の操作位置を対称点として前記第4の操作位置と点対称の位置に設けられた第6の操作位置と、
前記第2の操作位置と前記第5の操作位置が切り替わる第4の切替位置と、前記第3の操作位置と前記第6の操作位置が切り替わる第5の切替位置を結ぶ第5の直線上で、前記第2、第3、第6及び第5の操作位置に囲まれる領域外に設けられ、前記磁界発生部が発生する前記磁界の磁気ベクトルの方向を検出する第3の磁気センサと、
前記第5の直線上で、前記第2、第3、第6及び第5の操作位置に囲まれる領域に設けられ、前記磁界発生部が発生する前記磁界の磁気ベクトルの方向を検出する第4の磁気センサと、
前記第1〜第4の磁気センサの出力の組み合わせに基づいて前記操作部の前記第1〜第6の操作位置を判別する判別部と、
を備える請求項4に記載の操作位置検出装置。
【請求項6】
前記判別部は、前記第3及び第4の磁気センサの中心を通る前記磁気ベクトルのうち、前記磁気ベクトルの角度が前記第5の直線から時計回りに0°から90°までの前記磁気ベクトルを検出して前記第3及び第4の磁気センサから出力された第3の出力に基づいて前記第1の判定を行い、前記磁気ベクトルの角度が前記第5の直線から時計回りに90°から180°までの前記磁気ベクトルを検出して前記第3及び第4の磁気センサから出力された第4の出力に基づいて前記第2の判定を行う請求項5に記載の操作位置検出装置。
【請求項7】
前記第4の磁気センサは、前記第4の磁気センサの中心と前記第3の切替位置を通る直線と前記第5の直線とが直交する位置に設けられる請求項6に記載の操作位置検出装置。
【請求項8】
前記第1の磁気センサは、前記第4の直線から前記第4の切換位置及び前記第1の磁気センサの中心を通る直線までの反時計回りの角度θ1が90°≦θ1≦180°となる位置に設けられ、
前記第3の磁気センサは、前記第5の直線から前記第1の切替位置と前記第3の磁気センサの中心を通る直線までの時計回りの角度θ2が90°≦θ2≦180°となる位置に設けられる請求項7に記載の操作位置検出装置。
【請求項1】
第1の操作位置と第2の操作位置を結ぶ第1の直線、前記第2の操作位置と第3の操作位置を結ぶ第2の直線、及び前記第3の操作位置と第4の操作位置を結ぶ第3の直線からなるルート上を移動する操作部と、
前記操作部に設けられ、磁界を発生する磁界発生部と、
前記第1の操作位置と前記第2の操作位置が切り替わる第1の切替位置と、前記第3の操作位置と前記第4の操作位置が切り替わる第2の切替位置を結ぶ第4の直線上で、前記第1〜第4の操作位置に囲まれる領域外に設けられ、前記磁界発生部が発生する前記磁界の磁気ベクトルの方向を検出する第1の磁気センサと、
前記第4の直線上で、前記第1〜第4の操作位置に囲まれる領域に設けられ、前記磁界発生部が発生する前記磁界の磁気ベクトルの方向を検出する第2の磁気センサと、
前記第1及び第2の磁気センサの出力の組み合わせに基づいて前記操作部の前記第1〜第4の操作位置を判別する判別部と、
を備える操作位置検出装置。
【請求項2】
前記判別部は、前記第1及び第2の磁気センサの中心を通る前記磁気ベクトルのうち、角度が前記第4の直線から時計回りに0°から90°までの前記磁気ベクトルを検出して前記第1及び第2の磁気センサから出力された第1の出力に基づいて第1の判定を行い、角度が前記第4の直線から時計回りに90°から180°までの前記磁気ベクトルを検出して出力された第2の出力に基づいて第2の判定を行う請求項1に記載の操作位置検出装置。
【請求項3】
前記第2の磁気センサは、前記第2の磁気センサの中心、及び前記第2の操作位置と前記第3の操作位置が切り替わる第3の切替位置を通る直線と前記第4の直線とが直交する位置に設けられる請求項2に記載の操作位置検出装置。
【請求項4】
前記第1の操作位置と前記第2の操作位置間の距離は、前記第3の操作位置と前記第4の操作位置間の距離と異なる請求項3に記載の操作位置検出装置。
【請求項5】
前記第2の操作位置を対称点として前記第1の操作位置と点対称の位置に設けられた第5の操作位置と、
前記第3の操作位置を対称点として前記第4の操作位置と点対称の位置に設けられた第6の操作位置と、
前記第2の操作位置と前記第5の操作位置が切り替わる第4の切替位置と、前記第3の操作位置と前記第6の操作位置が切り替わる第5の切替位置を結ぶ第5の直線上で、前記第2、第3、第6及び第5の操作位置に囲まれる領域外に設けられ、前記磁界発生部が発生する前記磁界の磁気ベクトルの方向を検出する第3の磁気センサと、
前記第5の直線上で、前記第2、第3、第6及び第5の操作位置に囲まれる領域に設けられ、前記磁界発生部が発生する前記磁界の磁気ベクトルの方向を検出する第4の磁気センサと、
前記第1〜第4の磁気センサの出力の組み合わせに基づいて前記操作部の前記第1〜第6の操作位置を判別する判別部と、
を備える請求項4に記載の操作位置検出装置。
【請求項6】
前記判別部は、前記第3及び第4の磁気センサの中心を通る前記磁気ベクトルのうち、前記磁気ベクトルの角度が前記第5の直線から時計回りに0°から90°までの前記磁気ベクトルを検出して前記第3及び第4の磁気センサから出力された第3の出力に基づいて前記第1の判定を行い、前記磁気ベクトルの角度が前記第5の直線から時計回りに90°から180°までの前記磁気ベクトルを検出して前記第3及び第4の磁気センサから出力された第4の出力に基づいて前記第2の判定を行う請求項5に記載の操作位置検出装置。
【請求項7】
前記第4の磁気センサは、前記第4の磁気センサの中心と前記第3の切替位置を通る直線と前記第5の直線とが直交する位置に設けられる請求項6に記載の操作位置検出装置。
【請求項8】
前記第1の磁気センサは、前記第4の直線から前記第4の切換位置及び前記第1の磁気センサの中心を通る直線までの反時計回りの角度θ1が90°≦θ1≦180°となる位置に設けられ、
前記第3の磁気センサは、前記第5の直線から前記第1の切替位置と前記第3の磁気センサの中心を通る直線までの時計回りの角度θ2が90°≦θ2≦180°となる位置に設けられる請求項7に記載の操作位置検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−163782(P2011−163782A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23619(P2010−23619)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
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