説明

操作対象装置の周辺に存在する遠隔操作装置の離脱を検出するシステム及び方法

【課題】操作対象装置の視聴可能範囲に存在する遠隔操作装置を認識すると共に、その視聴可能範囲から離脱した遠隔操作装置を認識するシステム等を提供する。
【解決手段】遠隔操作装置は、第1の無線通信手段と、第2の無線通信手段と、第2の無線通信手段を介して他の遠隔操作装置との間で識別子を交換する識別子送受信手段と、他の遠隔操作装置から受信した装置識別子とその受信時刻とを、起動状態ログとして記録する起動状態ログ記録手段と、単位時間当たりの移動距離を導出する加速度センサと、第2の無線リンクが切断された際、加速度センサによって所定閾値以上の移動が検出されなかった場合、他の遠隔操作装置が移動したと認識し、加速度センサによって所定閾値以上の移動が検出された場合、当該遠隔操作装置自らが移動したと認識する離脱検出手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコン(remote controller)装置のような遠隔操作装置から、操作対象装置を操作する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
リモコン装置は、AV(Audio Visual)機器(例えばテレビ装置)や電化機器(例えば照明装置)を、離れた位置から操作することができる。リモコン装置は、一般的に無線タイプであって、特に赤外線方式又は電波方式が用いられる(その他、超音波方式や可視光方式もある)。例えば、テレビ装置を操作するリモコン装置は、一般に赤外線方式が用いられる。リモコン装置は赤外線発光部を有し、テレビ装置は赤外線受光部を有する。
【0003】
赤外線は、約750〜1,000nmの間の波長を有する。自然から放射された赤外線と、リモコン装置から発光された赤外線とを区別するために、リモコン装置は、キャリア周波数で変調した赤外線を送信する。キャリア周波数は、一般に、38〜40kHz程度である。
【0004】
図1は、従来技術におけるシステム構成図である。
【0005】
図1によれば、遠隔操作装置が、赤外線操作信号を送信し、操作対象装置を操作している。遠隔操作装置としてリモコン装置が表され、操作対象装置としてテレビ装置及び照明装置が表されている。リモコン装置A及びリモコン装置Bは、テレビ装置3を操作可能な位置にある。また、リモコン装置B及びリモコン装置Cは、照明装置3を操作可能な位置にある。
【0006】
リモコン装置Aは、テレビ装置3へ、例えばチャネル切り替え(又は電源オン/オフ)の赤外線操作信号を送信している。同様に、リモコン装置Bも、テレビ装置3へ、赤外線操作信号を送信している。また、リモコン装置Bは、照明装置3へ、例えば明るさの調整(又は電源オン/オフ)の赤外線操作信号を送信している。同様に、リモコン装置Cも、照明装置3へ、赤外線操作信号を送信している。
【0007】
ここで、テレビ装置3は、リモコン装置5から赤外線操作信号を受信するが、その赤外線操作信号を送信したリモコン装置を区別することまではできない。例えば、テレビ装置3は、その視聴可能範囲内のリモコン装置を特定することができない。具体的には、図1によれば、リモコン装置Bを所持するユーザBが、テレビ装置3の視聴可能範囲から離脱したとしても、テレビ装置3は、ユーザBの不在を認識できない。
【0008】
これに対し、リモコン装置が、そのリモコンを操作するユーザの個人情報と、その操作毎に割り当てられた識別番号とを、テレビ装置へ送信する技術がある(例えば特許文献1参照)。テレビ装置は、受信した個人情報及び識別番号と共に、テレビ装置の状態情報をサーバへ送信する。サーバは、受信した個人情報、識別番号及び状態情報を、操作履歴としてデータベースに登録する。これにより、テレビ装置は、サーバのデータベースを用いて、その操作信号を送信したリモコン装置を認識することができると共に、視聴履歴を把握することもできる。
【0009】
また、テレビ装置の前方に取り付けられたカメラによって、室内を撮影し、ユーザの顔を認識する技術もある(例えば特許文献2参照)。この技術によれば、テレビ装置の視聴可能範囲内のユーザを識別し、現在の番組を誰が視聴しているかを認識することによって、操作信号を送信可能な位置に存在するリモコン装置を認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−151098号公報
【特許文献2】特開平9−035067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載された技術によれば、テレビ装置は、操作信号を送信したリモコン装置を区別することができても、その周辺に存在する他のリモコン装置まで認識することはできない。操作履歴は、リモコン装置からテレビ装置への操作信号の送信によってのみ取得されるからである。従って、テレビ装置は、操作信号を送信可能な位置に存在するけれども、操作信号を送信していないリモコン装置を認識することができない。同様に、テレビ装置は、操作信号を送信可能な位置を離脱したリモコン装置を認識することができない。
【0012】
また、赤外線通信機能を有するリモコン装置は、一般に、32ビットの赤外線信号を送信する。32ビットの赤外線信号は、製造元を表す16ビットのカスタムコードと、操作内容を表す16ビットのデータコードからなる。ここで、ユーザの個人情報、操作の識別番号及びテレビ装置の状態情報のような情報を、更に赤外線信号に含める場合、リモコン装置及びテレビ装置は、それぞれ独自の赤外線規格を実装する必要がある。従って、赤外線通信による操作履歴の把握は、開発コストの増大及び汎用性の低下という問題を生じる。
【0013】
尚、特許文献2に記載された技術によれば、テレビ装置に顔画像を認識するためのカメラを設置する必要がある。顔画像の認識精度の向上は、開発コストの増大という問題を生じる。
【0014】
そこで、本発明は、既存の赤外線通信自体の機能を拡張することなく、操作対象装置の視聴可能範囲(操作信号を送信可能な範囲)に存在する遠隔操作装置を認識すると共に、その視聴可能範囲から離脱した遠隔操作装置を認識するシステム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、操作信号を第1の無線リンクを介して送信する遠隔操作装置と、操作信号を第1の無線リンクを介して受信し且つその内容に応じて動作が制御される操作対象装置とを有する、遠隔操作装置の離脱を検出するシステムであって、
遠隔操作装置は、
第1の無線リンクを確立する第1の無線通信手段と、
第2の無線リンクを定期的に確立する第2の無線通信手段と、
操作信号を、第1の無線通信手段を介して操作対象装置へ送信する操作信号送信手段と、
識別子を記憶する識別子記憶手段と、
第2の無線通信手段を介して、識別子を他の遠隔操作装置へ送信すると共に、他の遠隔操作装置から識別子を受信する識別子送受信手段と、
他の遠隔操作装置から受信した装置識別子とその受信時刻とを、起動状態ログとして記録する起動状態ログ記録手段と、
単位時間当たりの移動距離を導出する加速度センサと、
第2の無線リンクを介して識別子を交換できない場合、加速度センサによって所定閾値以上の移動が検出されなかった際、他の遠隔操作装置が移動したと認識し、加速度センサによって所定閾値以上の移動が検出された際、当該遠隔操作装置自らが移動したと認識する離脱検出手段と
を有することを特徴とする。
【0016】
本発明のシステムにおける他の実施形態によれば、
遠隔操作装置の第1の無線通信手段は、指向性のある赤外線通信手段であり、
遠隔操作装置の第2の無線通信手段は、指向性のない近距離無線通信手段であることも好ましい。
【0017】
本発明のシステムにおける他の実施形態によれば、
近距離無線通信手段は、Bluetooth通信手段であり、
遠隔操作装置の識別子送受信手段は、他の遠隔操作装置との間で、呼び出し(Page)シーケンスを定期的に実行することによって、当該装置識別子を送受信することも好ましい。
【0018】
本発明のシステムにおける他の実施形態によれば、
近距離無線通信手段は、無線LAN通信手段であり、
遠隔操作装置の識別子送受信手段は、他の遠隔操作装置との間で、装置識別子を定期的に送受信することも好ましい。
【0019】
本発明のシステムにおける他の実施形態によれば、
システムは、遠隔操作装置からネットワークを介して接続される履歴蓄積装置を更に有し、
遠隔操作装置について、
当該遠隔操作装置の装置識別子に対応付けた起動状態ログを、履歴蓄積装置へ送信する起動状態ログ送信手段を更に有し、
起動状態ログ送信手段は、他の遠隔操作装置が移動したと認識した場合、他の遠隔操作装置の離脱を意味する起動状態ログを、履歴蓄積装置へ送信し、
履歴蓄積装置は、
起動状態ログを蓄積するログ蓄積手段と、
操作対象装置又は他の装置からの要求に応じて、ログ蓄積手段に蓄積された起動状態ログを送信する起動状態ログ提供手段と
を有することも好ましい。
【0020】
本発明のシステムにおける他の実施形態によれば、起動状態ログ記録手段は、起動状態ログに、操作対象装置の識別子を更に対応付けて送信することも好ましい。
【0021】
本発明のシステムにおける他の実施形態によれば、
ネットワークは、インターネットであり、
履歴蓄積装置は、インターネットに接続された履歴サーバであり、
遠隔操作装置は、携帯電話機であって、インターネットに携帯電話網を介して接続することができ、
遠隔操作装置は、当該携帯電話機に搭載された赤外線発光部及び近距離無線通信部を用いることも好ましい。
【0022】
本発明のシステムにおける他の実施形態によれば、
ネットワークは、ホームネットワークであり、
履歴蓄積装置は、ホームネットワークに接続されたセットトップボックス若しくはルータ、又は、操作対象装置に組み込まれており、
遠隔操作装置は、携帯電話機であって、ホームネットワークに無線を介して接続することができ、
遠隔操作装置は、当該携帯電話機に搭載された赤外線発光部及び近距離無線通信部を用いることも好ましい。
【0023】
本発明によれば、操作信号を第1の無線リンクを介して送信する遠隔操作装置と、操作信号を第1の無線リンクを介して受信し且つその内容に応じて動作が制御される操作対象装置とを有するシステムにおける遠隔操作装置の離脱を検出する方法であって、
遠隔操作装置及び操作対象装置は各々、識別子を有し、
遠隔操作装置は、第2の無線リンクの無線通信部と、単位時間当たりの移動距離を導出する加速度センサとを有し、
第1の遠隔操作装置と第2の遠隔操作装置との間で、第2の無線リンクを定期的に確立し、第1の遠隔操作装置が、第2の遠隔操作装置からその第2の識別子を受信し、第2の識別子及びその受信時刻を起動状態ログとして記録する第1のステップと、
第2の無線リンクを介して識別子を交換できない場合、加速度センサによって所定閾値以上の移動が検出されなかった際、他の遠隔操作装置が移動したと認識し、加速度センサによって所定閾値以上の移動が検出された際、当該遠隔操作装置自らが移動したと認識する第2のステップと
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明のシステム及び方法によれば、遠隔操作装置から送信された起動状態ログを取得することによって、既存の赤外線通信自体の機能を拡張することなく、操作対象装置の視聴可能範囲(操作信号を送信可能な範囲)に存在する遠隔操作装置を認識することができる。特に、加速度センサを用いることによって、その視聴可能範囲から離脱した遠隔操作装置を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来技術におけるシステム構成図である。
【図2】本発明における基本システム構成図である。
【図3】起動状態検出のための第1のシステム構成図である。
【図4】起動状態検出のための第2のシステム構成図である。
【図5】起動状態検出のための第3のシステム構成図である。
【図6】本発明における各装置の機能構成図である。
【図7】遠隔操作装置が互いに存在を通知するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0027】
図2は、本発明における基本システム構成図である。
【0028】
図2によれば、遠隔操作装置として携帯電話機A及び携帯電話機Bが表され、操作対象装置としてテレビ装置aが表されている。尚、以下では、遠隔操作装置は、代表的な携帯電話機として説明するが、勿論、PDA(Personal Digital Assistant)又は携帯端末であってもよい。また、操作対象装置も、テレビ装置以外の、AV機器や電化機器であってもよい。
【0029】
また、携帯電話機はそれぞれ、装置識別子及び/又はユーザ識別子(以下「識別子」という)を有し、テレビ装置も、装置識別子を有する。装置識別子は、携帯電話機又はテレビ装置の固有のデバイス識別子であり、ユーザ識別子は、携帯電話機を操作するユーザ固有の識別子をいう。
【0030】
携帯電話機は、一般に、赤外線通信規格IrDA(Infrared Data Association)準拠の赤外線発光部を有する。IrDAの仕様は、一般のリモコン装置で使われている赤外線通信の仕様とは異なる。携帯電話機は、リモコン用アプリケーションを起動することによって、IrDA準拠の赤外線発光部に対してリモコン用の操作信号をエミュレートすることによって、リモコン装置として機能する。
【0031】
図2のシステムによれば、図1と同様に、携帯電話機Aは、赤外線通信リンク(第1の無線リンク)を介して、例えばチャネル切り替え(又は電源オン/オフ)の赤外線操作信号を送信し、テレビ装置aを操作している。赤外線通信リンクは指向性があるので、その携帯電話機の赤外線出力ポートを、テレビ装置aへ向けることによって、赤外線操作信号を送信することができる。このとき、携帯電話機Bも、テレビ装置aを操作可能な位置でリモコン用アプリケーションを起動している。
【0032】
本発明の携帯電話機1は、近距離無線通信部及び加速度センサを更に搭載する。
【0033】
近距離無線リンク(第2の無線リンク)は、Bluetoothであってもよいし、例えばWi−Fi(Wireless Fidelity)のような無線LAN(Local Area network)であってもよい。指向性がない近距離無線リンクは、その携帯電話機の向きに影響を受けることなく、相互に通信することができる。一方の携帯電話機が、問い合わせ要求をその周辺へ送信し、他方の携帯電話機Aが、その問い合わせ要求に応答することによって、近距離無線リンクが確立される。両方の携帯電話機が、その周辺に他の携帯電話機が存在することを認識する。
【0034】
尚、携帯電話機Aがテレビ装置aを操作可能な範囲は、携帯電話機Aを所持するユーザがテレビ装置aを視聴可能な範囲と一致するものとする。また、携帯電話機Aと携帯電話機Bとが近距離無線リンクを介して通信可能である場合、携帯電話機Bも、テレビ装置aを操作可能範囲に位置するものとする。即ち、携帯電話機Bを所持するユーザも、テレビ装置aを視聴可能であるとする。
【0035】
加速度センサは、単位時間当たりの移動距離を導出することによって加速度を計測する。加速度センサは、歩数計や携帯電話機に搭載されているものも多い。携帯電話機に搭載された加速度センサは、例えば、移動距離の決定や、ディスプレイの上下方向の決定にも用いられる。3軸タイプの加速度センサは、1軸を地球の重力方向に合わせることによって、その重力方向に対する角度や移動距離を検出することができる。
【0036】
携帯電話機に搭載される半導体型の加速度センサは、ピエゾ抵抗型のものが多い。この加速度センサは、中央の重りが、円環状に薄い表面のダイヤフラムに支えられる。ダイヤフラムの位置変化は、ピエゾ抵抗素子によって検出される。その抵抗値の変化は、加速度センサから、例えば直流電圧又は周波数の変化として出力される。
【0037】
図2によれば、携帯電話機A及び携帯電話機Bがテレビ装置aの視聴可能範囲に存在しており、携帯電話機Aが、テレビ装置aを操作している。また、携帯電話機Aと携帯電話機Bとの間で、近距離無線リンクを確立することができる。携帯電話機A及び携帯電話機Bは、近距離無線リンクを介して相互に識別子を定期的に交換する。
【0038】
図2(a)によれば、携帯電話機Bを所持するユーザが、テレビ装置aの視聴可能範囲から離脱したとする。携帯電話機Aについて、近距離無線通信部は携帯電話機Bとの間で識別子を交換できないと共に、加速度センサは所定閾値以上の移動距離を検出しない。このとき、携帯電話機Aは、携帯電話機Bが、移動によってテレビ装置aを操作可能な位置を離脱したと認識する。一方で、携帯電話機Bについて、近距離無線通信部は携帯電話機Aとの間で識別子を交換できないと共に、加速度センサは所定閾値以上の移動距離を検出する。このとき、携帯電話機Bは、自らの移動によって、テレビ装置aを操作可能な位置を離脱したと認識する。
【0039】
図2(b)によれば、携帯電話機Aを所持するユーザが、テレビ装置aの視聴可能範囲から離脱したとする。携帯電話機Aについて、近距離無線通信部は携帯電話機Bとの間で識別子を交換できないと共に、加速度センサは所定閾値以上の移動距離を検出する。このとき、携帯電話機Aは、自らの移動によって、テレビ装置aを操作可能な位置を離脱したと認識する。一方で、携帯電話機Bについて、近距離無線通信部は携帯電話機Aとの間で識別子を交換できないと共に、加速度センサは所定閾値以上の移動距離を検出しない。このとき、携帯電話機Bは、携帯電話機Aが、移動によってテレビ装置aを操作可能な位置を離脱したと認識する。その後、携帯電話機Bは、赤外線通信リンクを介して、テレビ装置aを操作することができる。
【0040】
図3は、起動状態検出のための第1のシステム構成図である。
【0041】
図3によれば、携帯電話機1は、携帯電話網を介してインターネットに接続することができる。また、インターネットには、サーバとしての履歴蓄積装置2も接続されている。履歴蓄積装置2は、テレビ装置(操作対象装置)の視聴可能範囲に存在する携帯電話機(遠隔操作装置)を、「起動状態ログ」として記録蓄積する。
【0042】
携帯電話機Aは、近距離無線リンクを定期的に確立し、装置識別子ID−Bを受信することによって、携帯電話機Bが当該携帯電話機Aの周辺に存在していることを認識する。即ち、アクティブ信号(又はアライブ信号)の役割をなす。一方で、携帯電話機Aは、装置識別子ID−Bを受信できなくなると共に、加速度センサが所定閾値以上の移動距離を検出しない場合、携帯電話機Bが、移動によって当該携帯電話機Aの周辺に存在しなくなったことを認識する。
【0043】
このとき、携帯電話機Aは、携帯電話機Bから受信した装置識別子ID−Bとその受信時刻とを含む「起動状態ログ」を記録する。携帯電話機Aは、その起動状態ログに、当該携帯電話機Aの装置識別子ID−Aを対応付けて、履歴蓄積装置2へ送信する。
【0044】
ここで、携帯電話機Aは、起動状態ログを送信する際に、テレビ装置(操作対象装置)の装置識別子ID−aを更に対応付けることも好ましい。これによって、「装置識別子ID−aのテレビ装置を操作している、装置識別子ID−Aの携帯電話機(遠隔操作装置)の周辺に、装置識別子ID−Bの携帯電話機が存在する」ことが認識される。
【0045】
尚、携帯電話機Aだけでなく、携帯電話機Bも、「起動状態ログ」を記録し、記録した「起動状態ログ」に、当該携帯電話機Bの装置識別子ID−Bを対応付けて、履歴蓄積装置2へ送信するものであってもよい。
【0046】
また、起動状態ログの送信タイミングは、利用用途に応じて設定される。リアルタイム性を必要とする場合、ログは、例えば、携帯電話機のリモコン用アプリケーションを起動した時、赤外線操作信号を送信した時、他の携帯電話機と識別子を交換した時に送信される。逆に、リアルタイム性を必要としない場合、ログは、例えば1日に1回送信される。
【0047】
図4は、起動状態検出のための第2のシステム構成図である。
【0048】
図4は、図3と比較して、携帯電話機Bではなく、当初にテレビ装置aに対して操作信号を送信していた携帯電話機Aが、テレビ装置aの視聴可能範囲から離脱している点について相違する。
【0049】
携帯電話機Aは、携帯電話機Bの装置識別子ID−Bを受信できなくなると共に、加速度センサが所定閾値以上の移動距離を検出した場合、携帯電話機A自らが移動し、当該携帯電話機Bの周辺に存在しなくなったことを認識する。このとき、携帯電話機Aは、テレビ装置aの視聴可能範囲から離脱したことを認識する。
【0050】
一方で、携帯電話機Bは、携帯電話機Aの装置識別子ID−Aを受信できなくなると共に、加速度センサが所定閾値以上の移動距離を検出しない場合、携帯電話機Aが、移動によって当該携帯電話機Bの周辺に存在しなくなったことを認識する。このとき、携帯電話機Bは、テレビ装置の視聴可能範囲に他の遠隔操作装置が存在しないことを示す「起動状態ログ」を、履歴蓄積装置2へ送信する。
【0051】
図5は、起動状態検出のための第3のシステム構成図である。
【0052】
図5は、図3と比較して、履歴蓄積装置2の機能が、ホームネットワークに接続されるセットトップボックス(又はルータ)4に内蔵されている点について相違する。図5のセットトップボックスは、ハードディスクのような記憶部と、起動状態ログの処理のためのプロセッサとを有する。勿論、履歴蓄積機能が、操作対象装置自体(例えばテレビ装置自体)に内蔵されているものであってもよい。
【0053】
遠隔操作装置としての携帯電話機1と、セットトップボックス4とは、近距離無線リンクを介して接続されるものであってもよい。近距離無線リンクは、Bluetoothであってもよいし、例えばWi−Fi(Wireless Fidelity)のような無線LAN(Local Area Network)であってもよい。また、セットトップボックス4が、フェムトセル用のアクセスポイントであり、携帯電話機1が、携帯電話用の無線リンクでセットトップボックス4に接続するものであってもよい。
【0054】
図6は、本発明における各装置の機能構成図である。
【0055】
図6によれば、遠隔操作装置1は、例えば携帯電話機であって、入力インタフェース部100と、赤外線出力ポート101と、操作信号送信部102と、近距離無線通信部103と、識別子送受信部104と、識別子記憶部105と、通信インタフェース部106と、起動状態ログ記録部107と、起動状態ログ送信部108と、加速度センサ109と、離脱検出部110とを有する。
【0056】
入力インタフェース部100は、操作対象装置3に対する操作内容をユーザが入力すべきキーボードや、ユーザが操作可能な内容を表示すべきディスプレイである。ユーザによって操作された操作内容は、操作信号送信部102へ出力される。
【0057】
操作信号送信部102は、入力インタフェース部100から操作内容を入力し、その操作内容を、操作信号として赤外線出力ポート101へ出力する。具体的には、携帯電話機の場合、リモコン用アプリケーションを起動することによって、IrDA準拠の赤外線出力ポート101に対してリモコン用の操作信号をエミュレートする。また、操作信号送信部102は、操作対象装置3の装置識別子を、識別子送受信部104へ出力する。これにより、「起動状態ログ」に、操作対象装置3の装置識別子を対応付けることができる。
【0058】
赤外線出力ポート101は、操作信号送信部102から出力された操作信号を、指向性のある赤外線によって、操作対象装置3へ送信する。赤外線出力ポート101は、例えばIrDA準拠のものである。
【0059】
近距離無線通信部103は、Bluetooth又は無線LANのような近距離無線リンクを確立する。指向性がない近距離無線リンクは、その遠隔操作装置の向きに影響を受けることなく、他の遠隔操作装置と通信することができる。
【0060】
識別子記憶部105は、当該遠隔操作装置の装置識別子及び/又はユーザ識別子を記憶し、この識別子を識別子送受信部104へ出力する。装置識別子は、例えばBluetooth無線モジュールの装置IDや、携帯電話機に搭載されるSIMカードの識別番号であってもよい。また、ユーザ識別子は、携帯電話機の電話番号や、ホームネットワーク内のみで利用可能な識別子であってもよい。
【0061】
識別子送受信部104は、識別子記憶部105から出力された識別子を、近距離無線通信部103を介して、他の遠隔操作装置へ送信する。また、識別子送受信部104は、近距離無線通信部103を介して、他の遠隔操作装置から受信する。受信した識別子は、起動状態ログ記録部107へ出力される。識別子送受信部104は、近距離無線リンクを介して定期的に識別子を交換し、近距離無線リンクを確立できず、識別子を交換できない場合、離脱検出部110へその旨を通知する。
【0062】
ここで、識別子送受信部104は、近距離無線通信部103がBluetoothである場合、呼び出し(Page)シーケンスを定期的に実行するものであってもよい。呼び出しシーケンスの中で、装置IDを交換することができる。また、呼び出し(Page)シーケンスによって無線リンクを確立した後、識別子を含むデータパケットを交換するものであってもよい。更に、識別子送受信部104は、近距離無線通信部103が無線LANである場合、識別子を含むデータパケットを定期的に交換するものであってもよい。
【0063】
尚、識別子送受信部104は、近距離無線リンクに競合が生じ、送信エラーが発生した場合、一定時間待機後に、その識別子を他の携帯電話機へ再送信するべく動作する。
【0064】
通信インタフェース部106は、履歴蓄積装置2に接続するインタフェースである。履歴蓄積装置2がインターネットに接続されるサーバである場合、通信インタフェース部106は、携帯電話網用のインタフェースであってもよい。また、履歴蓄積装置2がホームネットワークに接続されるセットトップボックスである場合、通信インタフェース部106は、Bluetooth、無線LAN又はフェムトセル用のインタフェースであってもよい。
【0065】
起動状態ログ記録部107は、受信した識別子(例えば携帯電話機Bの識別子ID−B)及びその受信時刻(例えば22:00)を、「起動状態ログ」として記録する。起動状態ログ記録部107は、その「起動状態ログ」を起動状態ログ送信部108へ出力する。また、起動状態ログ記録部107は、操作対象装置3の装置識別子を、起動状態ログ送信部108へ出力する。
【0066】
加速度センサ109は、単位時間当たりの移動距離を検出する。加速度センサ109は、検出した移動距離を離脱検出部110へ出力する。
【0067】
離脱検出部110は、加速度センサ109から入力された移動距離が所定閾値以上である場合、その遠隔操作装置自らが移動したと認識する。一方、離脱検出部110は、移動距離が所定閾値未満であれば、他の遠隔操作装置が移動したと認識する。離脱検出部110は、この認識結果を起動状態ログ送信部108へ出力する。
【0068】
起動状態ログ送信部108は、当該遠隔操作装置自らの装置識別子に対応付けた「起動状態ログ」を、履歴蓄積装置2へ送信する。ここで、離脱検出部110によって他の遠隔操作装置が移動したと認識された場合にも、「起動状態ログ」を送信する。このとき、起動状態ログは、他の遠隔操作装置の離脱を意味する。起動状態ログ送信部108は、操作対象装置3の装置識別子を、更に「起動状態ログ」に対応付けて履歴蓄積装置2へ送信する。尚、起動状態ログ送信部108は、通信インタフェース部106を介して、起動状態ログを、ショートメッセージ(例えばCメール)又は電子メールによって送信するものであってもよい。
【0069】
図6によれば、履歴蓄積装置2は、通信インタフェース部21と、ログ蓄積部22と、起動状態ログ提供部23とを有する。
【0070】
通信インタフェース部21は、遠隔操作装置1から接続されるインタフェースである。通信インタフェース部21は、IPネットワークであるインターネットに接続する。
【0071】
ログ蓄積部22は、通信インタフェース部21を介して、遠隔操作装置1から受信した起動状態ログを蓄積する。
【0072】
起動状態ログ提供部23は、操作対象装置又は他の装置からの要求に応じて、ログ蓄積部22に蓄積された起動状態ログを送信する。
【0073】
図7は、遠隔操作装置が互いに存在を通知するシーケンス図である。
【0074】
図7によれば、遠隔操作装置(携帯電話機)3は、Bluetoothに基づくプロトコル構成を有する。勿論、起動状態検出装置(セットトップボックス)1も、遠隔操作装置3と通信するために、同様のプロトコル構成を有するものであってもよい。そのプロトコルの中で、LMP(Link Management Protocol)は、無線リンクにおける接続確立、接続制御及びセキュリティを実現する。LMPの接続確立では、Bluetoothにおける問い合わせ(Inquiry)状態及び呼び出し(Page)状態を実行する。
【0075】
(S71)携帯電話機Bは、リモコン用アプリケーションを起動した際に、問い合わせ要求(Inquiry)メッセージを、Bluetoothの無線リンクへブロードキャストする。Bluetoothの電波を受信可能な範囲に存在する携帯電話機Aは、この問い合わせ要求(Inquiry)メッセージを受信する。これに対し、携帯電話機Aは、FHS応答メッセージを返信する。FHSパケットには、Bluetoothのクラス、装置ID(識別子)、クロック等の情報が含まれる。これによって、携帯電話機Bは、携帯電話機Aの存在を認識する。
【0076】
(S72)その後、携帯電話機Aと携帯電話機Bとの間で、識別子通知シーケンスを定期的に実行する。識別子通知シーケンスは、例えば呼び出し(Page)状態のシーケンスを実行することができ、これによって、携帯電話機A及び携帯電話機Bは互いに、識別子(例えば装置ID)を交換することができる。
【0077】
(S721)携帯電話機Bは、呼び出し(Page)要求メッセージを携帯電話機Aへ送信する。これに対し、携帯電話機Aは、受信応答メッセージを、携帯電話機Bへ返信する。
(S722)次に、携帯電話機Bは、FHS要求メッセージを携帯電話機Aへ送信する。FHSパケットには、Bluetoothのクラス、装置ID(識別子)、クロック等の情報が含まれる。これによって、携帯電話機Bは、携帯電話機Aの存在を認識することができる。そして、携帯電話機Bは、受信応答メッセージを、携帯電話機Aへ返信する。
(S723)直ぐに、携帯電話機Bは、接続解除要求を携帯電話機Aへ送信する。携帯電話機A及び携帯電話機Bは互いに、Bluetoothの無線リンクを用いて、識別子を交換できればよい。即ち、Bluetoothの無線リンクを維持する必要がないからである。接続解除要求を受信した携帯電話機Aは、受信応答メッセージを、携帯電話機Bへ返信する。
【0078】
尚、S721及びS722によって無線リンクを確立した後、識別子を含むデータパケットを送信するものであってもよい。携帯電話機1は、そのデータパケットを起動状態検出装置2へ送信した後、S723によって接続を解除する。
【0079】
ここで、本発明によれば、S723によって直ぐに、携帯電話機Aと携帯電話機Bとの間で、接続解除要求が転送される。この理由として、Bluetoothは、通常、1対1通信に基づくものであって、処理負荷が大きくなる1対多通信の場合、動作が不安定となる傾向がある。そのために、本発明によれば、Bluetoothの無線リンクについて接続/解除を繰り返すことによって、複数の携帯電話機同士の間で接続できるようにしている。
【0080】
(S73)S72で実行された識別子通知シーケンスは、定期的に実行される。識別子通知シーケンスが実行される毎に、携帯電話機A及び携帯電話機Bは、互いの存在を認識する。
【0081】
(S74)ここで、携帯電話機Bが、携帯電話機Aの周辺から離脱したとする。この場合、携帯電話機A及びBの間の識別子通知シーケンスが実行されなくなる。このとき、携帯電話機Aは、携帯電話機Bが、当該携帯電話機Aの周辺に存在しないと認識する。
【0082】
携帯電話機Aと携帯電話機Bとの間で送受信されるFHS要求メッセージのデータ構造は、Bluetoothの一般的なデータ構造である。Bluetoothの一般的なデータ構造は、アクセスコード部と、ヘッダ部と、ペイロード部とからなる。アクセスコード部は、プリアンブル等を含む。ヘッダ部は、Bluetoothアドレス、タイプコード(制御/音声/データ)、フロー制御、ARQN、シーケンス番号、チェックサムを含む。ペイロード部は、ここでは、FHSの内容を含む。FHSには、主に、Bluetoothのクラス、装置ID(デバイス識別子)、クロック等が含まれる。この装置IDによって、一方の携帯電話機は、他方の携帯電話機を認識することができる。
【0083】
以上、詳細に説明したように、本発明のシステム及び方法によれば、遠隔操作装置から送信された起動状態ログを取得することによって、既存の赤外線通信自体の機能を拡張することなく、操作対象装置の視聴可能範囲(操作信号を送信可能な範囲)に存在する遠隔操作装置を認識することができる。特に、加速度センサを用いることによって、その視聴可能範囲から離脱した遠隔操作装置を認識することができる。
【0084】
履歴蓄積装置に蓄積された起動状態ログは、例えば、リモコン用アプリケーションの起動状況、起動時刻及び対象機器の表示チャンネルにおける視聴率調査に利用することもできる。例えば、操作対象装置(例えばテレビ装置)を操作可能な位置で、誰がどの番組を視聴していたかを認識することができる。本発明によれば、そのテレビ装置を視聴している複数のユーザ、特に操作信号を送信していないユーザについても、視聴履歴を取得することもできる。このような視聴履歴は、ユーザへ、コンテンツや番組を推薦するレコメンド機能に用いられる。
【0085】
また、テレビ装置の画面に、その周辺に存在している遠隔操作装置(例えば携帯電話機)を所持するユーザの識別子と対応付けられた写真画像又はアバタ画像を、表示することもできる。
【0086】
簡易化な技術として、近距離無線通信のみで、操作信号及び識別子の両方を送信することもできる。しかしながら、近距離無線通信の場合、赤外線通信よりも遅延が大きく、ユーザの操作性が劣ることとなる。これに対し、本発明によれば、操作信号には、既存の低遅延の赤外線通信を用いることにより、ユーザの操作性を維持することができる。また、リアルタイム性を要しない識別子の交換には、近距離無線通信を用いる。
【0087】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0088】
1 遠隔操作装置、携帯電話機
100 入力インタフェース部
101 赤外線出力ポート
102 操作信号送信部
103 近距離無線通信部
104 識別子送受信部
105 識別子記憶部
106 通信インタフェース部
107 起動状態ログ記録部
108 起動状態ログ送信部
109 加速度センサ
110 離脱検出部
2 履歴蓄積装置
21 通信インタフェース部
22 ログ蓄積部
23 起動状態ログ提供部
3 操作対象装置、テレビ装置
4 セットトップボックス
5 リモコン装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作信号を第1の無線リンクを介して送信する遠隔操作装置と、前記操作信号を第1の無線リンクを介して受信し且つその内容に応じて動作が制御される操作対象装置とを有する、遠隔操作装置の離脱を検出するシステムであって、
前記遠隔操作装置は、
第1の無線リンクを確立する第1の無線通信手段と、
第2の無線リンクを定期的に確立する第2の無線通信手段と、
操作信号を、第1の無線通信手段を介して前記操作対象装置へ送信する操作信号送信手段と、
識別子を記憶する識別子記憶手段と、
第2の無線通信手段を介して、前記識別子を他の遠隔操作装置へ送信すると共に、他の遠隔操作装置から識別子を受信する識別子送受信手段と、
他の遠隔操作装置から受信した前記装置識別子とその受信時刻とを、起動状態ログとして記録する起動状態ログ記録手段と、
単位時間当たりの移動距離を導出する加速度センサと、
第2の無線リンクを介して識別子を交換できない場合、前記加速度センサによって所定閾値以上の移動が検出されなかった際、他の遠隔操作装置が移動したと認識し、前記加速度センサによって所定閾値以上の移動が検出された際、当該遠隔操作装置自らが移動したと認識する離脱検出手段と
を有することを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記遠隔操作装置の第1の無線通信手段は、指向性のある赤外線通信手段であり、
前記遠隔操作装置の第2の無線通信手段は、指向性のない近距離無線通信手段である
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記近距離無線通信手段は、Bluetooth通信手段であり、
前記遠隔操作装置の識別子送受信手段は、他の遠隔操作装置との間で、呼び出し(Page)シーケンスを定期的に実行することによって、当該装置識別子を送受信することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記近距離無線通信手段は、無線LAN通信手段であり、
前記遠隔操作装置の識別子送受信手段は、他の遠隔操作装置との間で、前記装置識別子を定期的に送受信することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、前記遠隔操作装置からネットワークを介して接続される履歴蓄積装置を更に有し、
前記遠隔操作装置について、
当該遠隔操作装置の装置識別子に対応付けた前記起動状態ログを、前記履歴蓄積装置へ送信する起動状態ログ送信手段を更に有し、
前記起動状態ログ送信手段は、他の遠隔操作装置が移動したと認識した場合、他の遠隔操作装置の離脱を意味する起動状態ログを、前記履歴蓄積装置へ送信し、
前記履歴蓄積装置は、
前記起動状態ログを蓄積するログ蓄積手段と、
前記操作対象装置又は他の装置からの要求に応じて、前記ログ蓄積手段に蓄積された前記起動状態ログを送信する起動状態ログ提供手段と
を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記起動状態ログ記録手段は、前記起動状態ログに、前記操作対象装置の識別子を更に対応付けて送信することを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ネットワークは、インターネットであり、
前記履歴蓄積装置は、前記インターネットに接続された履歴サーバであり、
前記遠隔操作装置は、携帯電話機であって、前記インターネットに携帯電話網を介して接続することができ、
前記遠隔操作装置は、当該携帯電話機に搭載された赤外線発光部及び近距離無線通信部を用いる
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ネットワークは、ホームネットワークであり、
前記履歴蓄積装置は、前記ホームネットワークに接続されたセットトップボックス若しくはルータ、又は、前記操作対象装置に組み込まれており、
前記遠隔操作装置は、携帯電話機であって、前記ホームネットワークに無線を介して接続することができ、
前記遠隔操作装置は、当該携帯電話機に搭載された赤外線発光部及び近距離無線通信部を用いる
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
操作信号を第1の無線リンクを介して送信する遠隔操作装置と、前記操作信号を第1の無線リンクを介して受信し且つその内容に応じて動作が制御される操作対象装置とを有するシステムにおける遠隔操作装置の離脱を検出する方法であって、
前記遠隔操作装置及び前記操作対象装置は各々、識別子を有し、
前記遠隔操作装置は、第2の無線リンクの無線通信部と、単位時間当たりの移動距離を導出する加速度センサとを有し、
第1の遠隔操作装置と第2の遠隔操作装置との間で、第2の無線リンクを定期的に確立し、第1の遠隔操作装置が、第2の遠隔操作装置からその第2の識別子を受信し、第2の識別子及びその受信時刻を起動状態ログとして記録する第1のステップと、
第2の無線リンクを介して識別子を交換できない場合、前記加速度センサによって所定閾値以上の移動が検出されなかった際、他の遠隔操作装置が移動したと認識し、前記加速度センサによって所定閾値以上の移動が検出された際、当該遠隔操作装置自らが移動したと認識する第2のステップと
を有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−61746(P2011−61746A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212476(P2009−212476)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】