操作状況管理システム及び操作状況管理プログラム
【課題】
コンピュータ端末で実行される操作内容の管理において、注意して確認すべきデータを自動判定して視認しやすい形式で表示し、管理者の業務を支援するシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の操作状況管理システムにおける処理装置は、記憶されたアラーム情報の発生件数を所定期間毎に集計し、所定条件を満たしている期間を要注目期間と判定する。次に、集計結果の時系列的な推移を示す推移グラフと、推移グラフ上において要注目期間を示す点を強調する表示情報とを生成する。そして、推移グラフと強調表示とを合成して表示装置に表示させることにより、注目すべき箇所の自動的な強調表示を実現する。
コンピュータ端末で実行される操作内容の管理において、注意して確認すべきデータを自動判定して視認しやすい形式で表示し、管理者の業務を支援するシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の操作状況管理システムにおける処理装置は、記憶されたアラーム情報の発生件数を所定期間毎に集計し、所定条件を満たしている期間を要注目期間と判定する。次に、集計結果の時系列的な推移を示す推移グラフと、推移グラフ上において要注目期間を示す点を強調する表示情報とを生成する。そして、推移グラフと強調表示とを合成して表示装置に表示させることにより、注目すべき箇所の自動的な強調表示を実現する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ端末で実行される操作内容の管理に関し、特に注目すべき操作の実行状況を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、コンピュータ端末で実行された操作内容を管理する方法として、管理者が端末から出力される操作ログ情報を取得して保存するという方法が用いられる。しかし、この方法は、端末で実行された操作内容を正確に把握できる反面、それぞれの操作の実行状況の推移については把握しづらいという問題がある。例えば、管理者が予め指定した特定の操作について、その操作が端末で実行された回数の推移状況を把握しようとした場合、保存されている操作ログ情報から必要情報の抽出及び集計処理等が必要となり、管理者にとって大きな手間となってしまう。
【0003】
上記の問題を解決する手段として、健康管理分野では、体脂肪率や血圧など日々の健康管理情報を計測し、その計測した日時情報と健康管理情報の演算結果とを用いて今回と前回の変化量を算出するという技術がある。この技術において、1ヶ月間当たりの変化量を算出し、その結果をグラフィック表示するという手段が用いられている。これにより、ユーザは、自身の健康管理情報の推移状況を、容易に把握することができる。(特許文献1参照)
【0004】
また、同じく健康管理分野において、被験者の生活動作に関する情報をパラメータ値として取得し、そのパラメータ値の履歴情報に基づいて被験者の漸次的な生活変化を判定するという技術がある。この技術において、蓄積した履歴情報からパラメータ値の推移傾向を算出し、その結果と予め定めた基準値とを比較し、被験者の生活傾向が悪化に向かっているかどうかを判定するという手段が用いられている。これにより、管理者は、被験者の健康状態に関する全体的な推移状況を、容易に把握することができる。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−332845号公報
【特許文献2】特開2006−106813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術を用いると、所定の計測期間毎にデータがどのように推移しているのかという状況は容易に把握することができる。しかし、管理者にとって注意して確認すべき箇所はどこなのか、また、注目すべきデータはどれなのか、ということについては容易に把握できない。このため、表示されるデータが多い場合、注意して確認すべき箇所がどこなのかを管理者自身が判定しなければならず、手間が発生してしまう。
【0007】
特許文献2の技術を用いると、計測したデータが全体としてどういう状態に向かっているのかという、全体の推移傾向は把握することができる。しかし、記憶された履歴情報中のどの時点のデータに注意すべきなのか、ということについては容易に把握できない。このため、注意すべきデータを把握するためには、管理者自身が、全体の推移傾向に基づいてそれぞれのデータを確認して判定しなければならず、手間が発生してしまう上、管理者の能力によって判断に差が出てしまう。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消することを課題とする。具体的には、コンピュータ端末で実行される操作内容の管理において、注意して確認すべきデータを自動的に判定し、管理者にとって視認しやすい形式で表示することにより、管理者の業務負担を軽減するシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の操作状況管理方法は、端末が実行した問題操作に関する情報と日時情報とを含むアラーム情報を記憶する記憶装置と、アラーム情報を用いて端末の操作状況を管理する処理装置と、処理装置の制御指示に基づいて操作状況を表示する表示装置と、を備える操作状況監視システムにおいて、この処理装置が表示装置に対して、操作状況をグラフ形式で表示するための表示領域を表示させるステップと、所定期間毎に集計したアラーム情報の発生件数の時系列的な推移を示す折れ線グラフを表示領域に表示させるステップと、処理装置において要注目と判定された集計期間を示す折れ線グラフ上の点を強調して表示させるステップを実行することを特徴としている。
【0010】
本発明の方法を採用することにより、折れ線グラフにおいて注目すべき箇所を強調し、管理者にとって注目すべき箇所が容易に把握できる形式での表示を実現することができる。これにより、データ確認にかかる作業時間が削減されるため、端末の操作状況を管理する管理者の業務負担を軽減することが可能となる。
【0011】
また、本発明の操作状況管理システムにおける処理装置は、記憶されたアラーム情報の発生件数を所定期間毎に集計する集計部と、集計結果を用いて、集計期間のうち所定条件を満たしている期間を要注目期間と判定する判定部と、集計結果の時系列的な推移を示すグラフを生成する推移グラフ生成部と、推移グラフ上において要注目期間を示す点を強調する表示情報を生成する強調表示生成部と、推移グラフと強調表示とを表示装置に表示させる表示制御部とをそなえることを特徴にした構成としてもよい。
【0012】
本発明の構成を採用することにより、端末から出力されたアラーム情報の発生件数を集計し、その集計結果の時系列的な推移を示すグラフを自動的に生成して表示装置に表示することができる。更に、その推移グラフ上において注目すべき箇所も自動的に強調して表示装置に表示することができる。これにより、注目すべき箇所を視認しやすい形式での表示を実現することができるため、端末の操作状況を管理する管理者の業務負担を軽減することが可能となる。
【0013】
本発明の操作状況管理システムの処理装置に含まれる判定部は、集計結果を用いてアラーム情報の発生件数の平均値を算出する平均値算出手段と、集計結果の特定期間における値と平均値とを比較した比較結果に基づいて要注目期間かどうかを判定する要注目期間判定手段とを有するという構成としてもよい。
【0014】
本発明のように構成することにより、集計期間全体におけるアラーム発生件数の傾向に対して、特異な値を示している期間を要注目期間として強調して表示することができる。これにより、管理者は、全体の傾向とは異なる急激な状況の変化を、すばやく把握することが可能となる。
【0015】
本発明の操作状況管理システムの処理装置に含まれる判定部は、集計結果の特定期間とその特定期間に前後隣接する期間の値を取得する隣接値取得手段と、特定期間の値と取得した隣接期間の値との変化に基づいて要注目期間であるかを判定する要注目期間判定部とを有するという構成としてもよい。
【0016】
本発明のように構成することにより、アラーム発生件数が激しく変化している一連の期間を要注目期間として強調して表示することができる。これにより、管理者は、集計結果における突発的な値の変化に関して、すばやく把握することが可能となる。
【0017】
また、本発明のプログラムを処理装置に読み込ませて実行することで、上述の本発明を実現させることも可能である。つまり、操作状況管理システムに用いるプログラムであって、記憶されたアラーム情報の発生件数を所定期間毎に集計する集計機能と、集計結果を用いて、集計期間のうち所定条件を満たしている期間を要注目期間と判定する判定機能と、集計結果の時系列的な推移を示すグラフを生成する推移グラフ生成機能と、推移グラフ上において前記要注目期間を示す点を強調する表示情報を生成する強調表示生成機能と、推移グラフと強調表示とを表示装置に表示させる表示制御機能とを、処理装置に実現させるプログラム、として本発明を構成してもよい。
【0018】
この操作状況管理プログラムも、上述の操作状況管理システムと同様の作用効果を伴うものである。
【0019】
本発明における問題操作とは、管理者が予め定めた問題となる操作の基準に該当する操作、または正常な操作の基準に違反する操作のことをいう。具体的には、異常な操作の基準を「操作ポリシー」という形式で予め定めておき、その操作ポリシーに該当する操作を問題操作とするという形式が一例として考えられる。
【0020】
本発明におけるアラーム情報とは、端末において問題操作が実行された際に生成される通知情報のことをいう。具体的には、その操作が実行された日時情報、実行された操作の内容を示す処理内容情報、どの問題操作の類型に該当するかを示すアラーム類型情報、及び操作が実行された端末又は当該端末を使用しているユーザを一義的に特定するエージェント情報を少なくとも含む一連の情報などが一例として考えられる。
【0021】
さらに、上記の処理内容情報とは、端末において実行された問題操作の内容を示す情報であって、ミドルウェアまたはOS等において処理されるアプリケーションやハードウェア等による制御を示す情報のことをいう。より具体的には、キー入力、ポインティングデバイスの操作(ボタン押下、移動など)、外部記憶媒体の着脱、外部機器(プリンタなど)との接続、ファイル操作(作成、削除、コピー、移動、フォルダ名変更等)、アプリケーション操作(起動、終了等)、ドライブの追加・削除・検知、IPアドレス変更、記憶媒体の書き込み、印刷、クリップボードへのコピー等を示す情報がある。なお、これらは一例であって限定されるものではない。
【0022】
さらに、上記のアラーム類型情報とは、管理者が予め定めた問題操作の類型を示す情報のことをいう。アラーム類型の具体例としては、端末のハードウェア構成やソフトウェア構成に変更を加える操作、管理者が予め定めたアプリケーション以外の不許可アプリケーションを起動する操作、管理者が予め定めた違反操作内容に該当する操作、管理者が予め閲覧禁止と設定したWebページを閲覧する操作、予め印刷禁止と設定した文書を印刷したり、予め定められたプリント枚数以上の枚数を印刷したりする操作などがある。なお、これらは一例であって限定されるものではない。
【0023】
本発明における推移グラフとは、取得したデータの集計結果が、時系列的にどのように変化しているのかを示すグラフのことをいい、時系列的な変化状況が把握できるグラフであればどのようなものでもよい。具体的には、折れ線グラフ、棒グラフ、又は各種チャート図などが考えられる。
【発明の効果】
【0024】
上述のように構成された本発明によれば、管理者は、アラーム情報の発生件数の時系列的な推移を直感的に把握することができ、さらに、注意して確認すべき箇所もすばやく確認することができる。これにより、データ確認にかかる作業時間が削減されるため、端末の操作状況を管理する管理者の業務負担を軽減することができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のシステム構成の一例を示す概念図。
【図2】本発明の操作状況管理システムのハードウェア構成の一例を示す概念図。
【図3】本発明のシステム構成の一例を示す概念図。
【図4】本発明の実施例1におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図5】本発明の実施例1におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図6】本発明の実施例1における処理プロセスの一例を示すフローチャート。
【図7】本発明の操作ログ情報の一例を示す図。
【図8】本発明のアラーム情報の一例を示す図。
【図9】本発明の集計結果の一例を示す図。
【図10】本発明の推移グラフの一例を示す図。
【図11】本発明の管理端末Cの表示装置5で表示する画像の一例を示すイメージ図。
【図12】本発明の管理端末Cの表示装置5で表示する画像の一例を示すイメージ図。
【図13】本発明の管理端末Cの表示装置5で表示する画像の一例を示すイメージ図。
【図14】本発明の集計結果の一例を示す図。
【図15】本発明の管理端末Cの表示装置5で表示する画像の一例を示すイメージ図。
【図16】本発明の実施例2におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図17】本発明の実施例2におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図18】本発明の実施例2における処理プロセスの一例を示すフローチャート。
【図19】本発明の管理端末Cの表示装置5で表示する画像の一例を示すイメージ図。
【図20】本発明の実施例3におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図21】本発明の実施例3におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図22】本発明の実施例3における処理プロセスの一例を示すフローチャート。
【図23】本発明の集計結果の一例を示す図。
【図24】本発明の管理端末Cの表示装置5で表示する画像の一例を示すイメージ図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔クライアントサーバ形態〕
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。まず、クライアントサーバ形式での実施形態について説明する。図1に、本発明の操作状況管理システムの全体構成の一例を概念的に示す。実施形態は図1に示すように、操作状況管理サーバA(以下、「管理サーバA」という)が、複数のクライアント端末B(以下、「端末B」という)及び管理者用クライアント端末(以下、「管理者端末C」という)と、通信ネットワークN(以下、「ネットワークN」という)を介して接続されるという形で構成されている。
【0027】
図2に、管理サーバA、端末B又は管理端末Cのハードウェア構成の一例を概念的に示す。
【0028】
管理サーバAは、プログラムの演算処理を実行する演算装置6と、演算結果に基づいて各装置に対する制御指示を出力する制御装置7とを有するCPU等の処理装置1と、情報を記憶するRAMやハードディスク等の記憶装置2と、処理装置1の処理結果や記憶装置2に記憶する情報をインターネットやLAN等のネットワークを介して送受信する通信装置3とを少なくとも有している。管理サーバAが実行する各機能(各手段)は、その処理を実行するプログラムが処理装置1に読み込まれることで実現される。
【0029】
管理サーバAは、必要に応じてキーボード、マウス又はテンキー等の入力装置4と、ディスプレイ(画面)等の表示装置5を備えた構成としてもよい。また、管理サーバAは、複数の端末又はサーバにその機能が分散配置されていてもよい。
【0030】
端末B及び管理端末Cのハードウェア構成も管理サーバAと同様で、図2に示したとおり、処理装置1、記憶装置2、通信装置3、入力装置4及び表示装置5を有している。
【0031】
ネットワークNは、企業や学校等の限られた施設内において情報を物理的に送信するケーブルと、LANスイッチやハブ等でなる中継機器を備えたCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access With Collision Detection)方式のLANとして構成されたものであるが、このネットワークNとしてLAN以外に、インターネットの技術を用いたイントラネットで構成されたものや、WAN(Wide Area Network)の技術によって構築されるものでもよい。
【0032】
〔スタンドアローン形態〕
次に、本発明の別実施形態である、スタンドアローン形式での実施形態について説明する。本実施形態は、中心となる処理を端末Bのみで実行し、管理サーバAは必要としない。端末Bは、図2に示したとおり演算装置1、記憶装置2、通信装置3、入力装置4及び表示装置5を有しており、端末Bが実行する各機能(各手段)は、その処理を実行するプログラムが処理装置1に読み込まれることで実現される。
【0033】
また、図3に示すように、端末Bと外部表示装置Dとを直接接続又はネットワークNを介して接続し、端末Bで実行された処理結果を外部表示装置Dに表示させるという形で本発明を実施しても構わない。なお、端末Bと接続する外部表示装置Dは、処理結果を表示することのできる機器であればいかなるものでもよい。例えば、端末Bに管理端末Cを接続し、管理端末Cの表示装置5を外部表示装置Dとして使用するという形も考えられる。
【実施例1】
【0034】
〔実施例1−構成(1)〕
以下、図面を用いて本発明の第一実施例について説明する。まず、実施形態としてクライアントサーバ形態を用いた場合を例に説明する。図4に、本発明の操作状況管理システムを構成する管理サーバA、端末B及び管理端末Cの機能ブロック図を示す。本発明における各構成部及び各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一の領域を為していてもよい。
【0035】
また、図4は、本発明において必要となる最小限度の機器、構成部及び手段等のみを記載しており、その他の機器、構成部及び手段等についてはその記載を省略する。
【0036】
管理サーバAは、ネットワークNを介して端末B及び管理端末Cと様々な情報を送受信するためのネットワークI/F10、端末Bにおいて実行された処理の履歴を示す操作ログ情報を取得する操作ログ情報取得部11、取得した操作ログ情報を記憶する操作ログ情報記憶部12、端末Bから出力されたアラーム情報を取得するアラーム情報取得部13、取得したアラーム情報を記憶するアラーム情報記憶部14、記憶されたアラーム情報の発生件数を集計する集計部15、集計された結果情報を記憶する集計結果記憶部16、集計結果の推移を示すグラフを生成する推移グラフ生成部17、集計結果から要注目期間を判定する判定部18、要注目期間を強調する表示情報を生成する強調表示生成部19、推移グラフと強調表示とを表示装置に表示させる表示制御情報を管理端末Cに送信する表示制御部20を備えている。
【0037】
端末Bは、ネットワークNを介して管理サーバA及び管理端末Cと様々な情報を送受信するためのネットワークI/F30、端末Bに対して各種情報を入力する入力装置4、受信した情報を用いた演算処理の結果に基づいて端末Bの制御処理を実行する端末制御部31、端末制御部31によって指示された情報を表示する表示装置5、端末Bにおいて実行された制御処理の履歴を示す操作ログ情報を生成し管理サーバAに送信する操作ログ情報生成部32、端末Bにおいて実行された問題操作に関するアラーム情報を生成し管理サーバAに送信するアラーム情報生成部33を備えている。
【0038】
管理端末Cは、ネットワークNを介して管理サーバA及び端末Bと様々な情報を送受信するためのネットワークI/F40、管理サーバAから管理端末Cに対する制御情報を受信する制御情報受信部41、受信した情報を用いた演算処理の結果に基づいて管理端末Cの制御処理を実行する管理端末制御部42、管理端末制御部42によって指示された情報を表示する表示装置5を備えている。
【0039】
以下、図4に記載した本発明を構成する機能ブロック図に基づいて、各構成部の動作について説明する。はじめに、本発明の操作状況管理システムを構成する、端末Bの構成部について説明する。
【0040】
端末制御部31は、入力装置4によって端末Bに入力された各種情報を受信し、受信した情報を用いて演算処理を行い、その結果に基づいて端末Bにおける各種制御処理を実行する。
【0041】
操作ログ情報生成部32は、端末制御部31によって実行された各種制御処理を検出し、操作ログ情報を生成する。そして、生成した操作ログ情報をネットワークI/F30を介して管理サーバAに送信する。
【0042】
上記の操作ログ情報とは、端末Bの入力装置4を用いてユーザにより入力された情報等に基づいて、端末制御部31によって実行された制御処理の内容を示す情報のことをいう。具体的には、制御処理の内容を示す処理内容情報、処理が実行された端末B又は当該端末Bを使用しているユーザを一義的に特定するエージェント情報、及び処理が実行された日時を示す日時情報を含む一連の情報などが一例として考えられる。
【0043】
さらに、上記の処理内容情報とは、端末において実行された内容を示す情報であって、ミドルウェアまたはOS等において処理されるアプリケーションやハードウェア等による制御を示す情報のことをいう。より具体的には、キー入力、ポインティングデバイスの操作(ボタン押下、移動など)、外部記憶媒体の着脱、外部機器(プリンタなど)との接続、ファイル操作(作成、削除、コピー、移動、フォルダ名変更等)、アプリケーション操作(起動、終了等)、ドライブの追加・削除・検知、IPアドレス変更、記憶媒体の書き込み、印刷、クリップボードへのコピー等を示す情報がある。なお、これらは一例であって限定されるものではない。
【0044】
上記のエージェント情報とは、端末Bを一義的に特定するための情報や、端末Bを使用しているユーザを一義的に特定するための情報のことをいう。具体的には、端末BのMACアドレスや端末毎に一義的に設定された番号といった端末個々に設定された番号や符号、及びユーザ毎に一義的に設定されたログインIDやユーザID等がその一例として考えられる。
【0045】
アラーム情報生成部33は、端末制御部31によって実行される各種制御処理のうち、問題操作や注目すべき操作に該当する制御処理を検出し、アラーム情報を生成する。そして、生成したアラーム情報をネットワークI/F30を介して管理サーバAに送信する。
【0046】
上記のアラーム情報の生成について、アラーム情報生成部33は、操作ログ情報生成部32で生成された操作ログ情報を取得し、問題操作に該当する操作ログ情報を検出してアラーム情報を生成するという形式を用いてもよい。なお、上記の問題操とは、端末制御部31によって実行される単一の制御処理に基づいて検出してもよいし、複数出力される一連の制御処理に基づいて検出するとしてもよい。
【0047】
次に、本発明の操作状況管理システムを構成する、管理サーバAの構成部について説明する。
【0048】
操作ログ情報取得部11は、ネットワークNに接続されている端末Bの操作ログ情報をネットワークI/F10を介して取得し、取得した操作ログ情報を操作ログ情報記憶部12に記憶する。
【0049】
操作ログ情報記憶部12には、操作ログ情報取得部11が取得した操作ログ情報が記憶される。その際の記憶形式は、操作ログ情報に含まれるエージェント情報を利用して、端末又はユーザ別に関連付けて記憶するという形式にすると好適である。さらに、操作ログ情報に含まれる日時情報を利用して、操作ログ情報を取得した順に時系列的に記憶するという形式にしてもよい。
【0050】
アラーム情報取得部13は、ネットワークNに接続されている端末Bのアラーム情報をネットワークI/F10を介して取得し、取得したアラーム情報をアラーム情報記憶部14に記憶する。
【0051】
アラーム情報記憶部14は、アラーム情報取得部13が取得したアラーム情報が記憶される。その際の記憶形式は、アラーム情報に含まれるエージェント情報を利用して、端末又はユーザ別に関連付けて記憶するという形式にすると好適である。さらに、アラーム情報に含まれる日時情報を利用して、アラーム情報を取得した順に時系列的に記憶するという形式にしてもよい。
【0052】
集計部15は、操作ログ情報記憶部12に記憶された操作ログ情報の件数と、アラーム情報記憶部14に記憶されたアラーム情報の件数とを所定の集計期間毎に集計し、集計した結果を集計結果記憶部16に記憶する。その際、操作ログ情報の件数に対するアラーム情報の件数の割合を算出し、その算出結果も集計結果として集計結果記憶部16に記憶する。
【0053】
集計結果記憶部16は、集計部15が算出した集計結果が記憶される。その際の記憶形式は、操作ログ情報及びアラーム情報の件数を集計する範囲を示す所定の集計期間に含まれる日時情報を利用して、所定期間毎に時系列的に記憶するという形式にすると好適である。さらに、アラーム情報に含まれる問題操作の内容を示す情報に基づいて予めカテゴリを設定し、該当するカテゴリ別に集計結果を分類して記憶するという形式にしてもよい。
【0054】
推移グラフ生成部17は、集計結果記憶部16に記憶されている集計結果に基づいて、推移グラフを生成する。その際、集計を行った集計期間毎に、時系列的なデータの推移が分かるような形式で推移グラフが生成される。
【0055】
判定部18は、集計結果記憶部16に記憶されている集計結果と予め定められた所定条件とを比較し、集計結果が当該所定条件を満たしている集計期間を特定し、その集計期間を要注目期間と判定する。そして、判定した要注目期間に関する情報を強調表示生成部19に送信する。
【0056】
強調表示生成部19は、判定部18から受信した要注目期間に関する情報に基づいて、推移グラフ上で強調表示を行うための強調表示情報を生成し、表示制御部20に送信する。その際、強調表示生成部19は、強調表示のための条件と強調表示の形態を示す表示データとを組み合わせたテーブルを有しており、判定部18から受信した要注目期間に関する情報と強調表示のための条件とを比較し、該当する表示データを特定し、それを基に強調表示情報を生成すると好適である。
【0057】
表示制御部20は、推移グラフ生成部17から取得した推移グラフと、強調表示生成部19から取得した強調表示情報とを合成して表示制御情報を生成し、ネットワークI/F10を介して管理端末Cに送信する。
【0058】
次に、本発明の操作状況管理システムを構成する、管理端末Cの構成部について説明する。
【0059】
制御情報取得部41は、ネットワークNに接続されている管理サーバAの表示制御情報をネットワークI/F40を介して取得し、取得した表示制御情報を管理端末制御部42に送信する。
【0060】
管理端末制御部42は、制御情報取得部41から各種制御情報を受信し、受信した情報を用いて演算処理を行い、その結果に基づいて管理端末Cにおける各種制御処理を実行する。ここでは、制御情報取得部41から受信した表示制御情報に基づいて、表示装置5に各種情報を表示する。
【0061】
上述の構成とすることにより、表示装置5において表示される推移グラフにおいて、管理者にとって注目すべき箇所を自動的に強調して表示することが可能となる。
【0062】
〔実施例1−構成(2)〕
次に、本発明の第一実施例において、スタンドアローン形態を用いた場合を例に図面を用いて説明する。図5に、本発明の操作状況管理システムを構成する端末B、及び外部表示装置Dの機能ブロック図を示す。本発明における各構成部及び各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一の領域を為していてもよい。
【0063】
また、図5は、本発明において必要となる最小限度の機器、構成部及び手段等のみを記載しており、その他の機器、構成部及び手段等についてはその記載を省略する。
【0064】
端末Bは、端末Bに対して各種情報を入力する入力装置4、受信した情報を用いた演算処理の結果に基づいて端末Bの制御処理を実行する端末制御部31、端末Bにおいて実行された制御処理の履歴を示す操作ログ情報を生成する操作ログ情報生成部32、操作ログ情報を記憶する操作ログ情報記憶部12、端末Bにおいて実行された問題操作に関するアラーム情報を生成するアラーム情報生成部33、アラーム情報を記憶するアラーム情報記憶部14、記憶されたアラーム情報の発生件数を集計する集計部15、集計された結果情報を記憶する集計結果記憶部16、集計結果の推移を示すグラフを生成する推移グラフ生成部17、集計結果から要注目期間を判定する判定部18、要注目期間を強調する表示情報を生成する強調表示生成部19、推移グラフと強調表示とを表示させる表示制御情報を表示装置5又は外部表示装置Dに送信する表示制御部20、表示制御情報に従って表示を行う表示装置5を備えている。
【0065】
外部表示装置Dは、端末Bから外部表示装置Dに対する表示制御情報を受信する制御情報取得部50、制御情報取得部50によって取得した制御情報に基づいて表示を行う表示部51を備えている。
【0066】
以下、図5に記載した本発明を構成する機能ブロック図に基づいて、各構成部の動作について説明する。はじめに、本発明の操作状況管理システムを構成する、端末Bの構成部について説明する。なお、〔実施例1−構成(1)〕と同様の構成部又は同様の動作については、その詳細な説明を省略する。
【0067】
操作ログ情報生成部32は、端末制御部31によって実行された各種制御処理を検出し、操作ログ情報を生成する。そして、生成した操作ログ情報を操作ログ情報記憶部12に記憶する。
【0068】
操作ログ情報記憶部12には、操作ログ情報生成部32が生成した操作ログ情報が記憶される。その際の記憶形式は、操作ログ情報に含まれるエージェント情報を利用して、端末又はユーザ別に関連付けて記憶するという形式にすると好適である。さらに、操作ログ情報に含まれる日時情報を利用して、操作ログ情報を取得した順に時系列的に記憶するという形式にしてもよい。
【0069】
アラーム情報生成部33は、端末制御部31によって生成される各種制御処理のうち、問題操作に該当する制御処理を検出し、アラーム情報を生成する。そして、生成したアラーム情報をアラーム情報記憶部14に記憶する。
【0070】
アラーム情報記憶部14は、アラーム情報生成部33が生成したアラーム情報が記憶される。その際の記憶形式は、アラーム情報に含まれるエージェント情報を利用して、端末又はユーザ別に関連付けて記憶するという形式にすると好適である。さらに、アラーム情報に含まれる日時情報を利用して、アラーム情報を取得した順に時系列的に記憶するという形式にしてもよい。
【0071】
表示制御部20は、推移グラフ生成部17から取得した推移グラフと、強調表示生成部19から取得した強調表示情報とを合成して表示制御情報を生成し、表示装置5に表示させる。
【0072】
また、表示制御部20は、生成した強調表示情報を、端末Bと接続する外部表示装置Dに対して送信してもよい。
【0073】
次に、本発明の操作状況管理システムを構成する、外部表示装置Dの構成部について説明する。
【0074】
制御情報取得部50は、端末Bから送信された表示制御情報を取得し、取得した表示制御情報を表示部51に送信する。
【0075】
表示部51は、制御情報取得部50から取得した表示制御情報に基づいて、外部表示装置Dの表示装置(図示せず)に表示する。
【0076】
上述の構成とすることにより、管理サーバAを設けることなく、端末B単体で本発明の実現が可能となる。
【0077】
〔実施例1−処理プロセス(1)〕
次に、本発明の操作状況監視システムをクライアントサーバ形態で動作させる場合における処理プロセスの一例を、図4の機能ブロック図及び図6のフローチャート等を用いて説明する。
【0078】
管理サーバAの操作ログ情報取得部11は、端末Bの操作ログ情報生成部32によって生成された操作ログ情報を取得し、操作ログ情報記憶部12に記憶する(S101)。なお、操作ログ情報生成部32による操作ログ情報の送信タイミングは、操作ログ情報を生成した時点で、その都度送信するという形式としても良いし、生成した操作ログ情報を所定期間溜め込み、特定のタイミングで一度に送信するという形式でも良い。
【0079】
図7に、操作ログ情報記憶部12に記憶される操作ログ情報の一例を示す。この図に示すとおり、以下の処理プロセスでは具体的に、操作ログ情報に含まれる処理内容情報として「イベント」、予め設定される処理内容の分類を示す「カテゴリ」、どの問題操作の類型に該当するかを示すアラーム類型情報として「アラーム類型」、エージェント情報として「部署ID」・「端末ID」・「ユーザID」、日時情報として「イベント日時」という項目が用いられる、という場合を例に説明する。
【0080】
上記のアラーム類型について、ここでは、端末のハードウェア構成やソフトウェア構成に変更を加える操作を「資産変更」、管理者が予め定めたアプリケーション以外の不許可アプリケーションを起動する操作を「アプリ」、管理者が予め定めた違反操作内容に該当する操作を「違反操作」、管理者が予め閲覧禁止と設定したWebページを閲覧する操作を「Web」、予め印刷禁止と設定した文書を印刷したり、予め定められたプリント枚数以上の枚数を印刷したりする操作を「印刷」として表示することとする。
【0081】
管理サーバAのアラーム情報取得部13は、端末Bのアラーム情報生成部33によって生成されたアラーム情報を取得し、アラーム情報記憶部14に記憶する(S102)。なお、アラーム情報生成部33によるアラーム情報の送信タイミングは、アラーム情報を生成した時点で、その都度送信するという形式としても良いし、生成したアラーム情報を所定期間溜め込み、特定のタイミングで一度に送信するという形式でも良い。
【0082】
図8に、アラーム情報記憶部14に記憶されるアラーム情報の一例を示す。この図に示すとおり、以下の処理プロセスでは具体的に、アラーム情報に含まれる問題操作の内容を示す情報として「イベント」、予め設定される処理内容の分類を示す「カテゴリ」、エージェント情報として「部署ID」・「端末ID」・「ユーザID」、日時情報として「イベント日時」という項目が用いられるという場合を例に説明する。
【0083】
集計部15は、所定期間毎の操作ログ情報及びアラーム情報の出力件数を集計し、結果を集計結果記憶部16に記憶する(S103)。なお、その所定期間毎の操作ログ情報件数の中に含まれるアラーム情報件数の割合を集計結果として算出するとしても良い。また、集計結果をイベントのカテゴリ別に算出して記憶するという形式としても良い。
【0084】
図9に、集計結果記憶部16に記憶される集計結果の一例を示す。この図では、所定期間を1ヶ月とし、1ヶ月毎に集計した結果を、処理内容のカテゴリ別に示している。さらに、操作ログ情報件数の中に含まれるアラーム情報件数の割合を「異常率」、そして操作ログ情報件数の中でアラーム情報件数を除いた割合を「正常率」として表示している。以下の処理プロセスでは、この「正常率」を用いる場合を例に説明する。
【0085】
推移グラフ生成部17は、集計結果記憶部16に記憶されている「2009年6月」から「2010年5月」までの「正常率」のデータを用いて、推移グラフを生成する(S104)。図10に、生成された推移グラフの一例を示す。
【0086】
判定部18は、集計結果記憶部16に記憶されている「正常率」に基づき、要注目期間を判定する(S105)。なお、本処理プロセスでは、予め所定値を「正常率60パーセント」と定め、「正常率60パーセント未満」の集計期間を、要注目期間と判定することとする。その結果、カテゴリ「操作」の「2009年8月」と「2010年4月」、及びカテゴリ「セキュリティ」の「2009年12月」が要注目期間と判定される(S106)。
【0087】
強調表示生成部19は、要注目期間のデータを強調するための強調表示情報を生成する(S107)。なお、本処理プロセスでは強調表示情報として、推移グラフ上におけるデータを示す点の形状を変化させるという形の強調表示情報を生成することとする。その他、推移グラフ上において、要注目期間のデータを示す点のそばにコメント等が記載された吹き出しを表示するという形の強調表示情報、データを示す点の色を変化させるという強調表示情報、又は要注目である旨を示すマークや図形を表示するという形の強調表示情報を生成するという形式としても良い。
【0088】
また、強調表示生成部19が生成する強調表示情報の一例として、要注目期間のデータを示す点のそばに、当該要注目期間において取得したアラーム情報のうち、取得件数が一番多かった(または一番少なかった)アラーム類型を表示するという形式としてもよい。この形式にすることにより、要注目期間において、どの類型に属する問題操作が多く行われていたのかという情報を容易に確認することが可能となる。
【0089】
表示制御部20は、推移グラフと強調表示情報とを合成し、表示制御情報を生成する(S108)。生成された表示制御情報は管理端末Cに送信され、管理端末制御部42によって、管理端末Cの表示装置5に表示される(S109)。
【0090】
図11に、表示装置5に表示される画像のイメージを示す。この図では、管理端末Cの表示装置5の画面60と、管理サーバAから受信した表示制御情報を表示するための表示ウィンドウ61と、アラーム情報発生件数の時系列的な推移を示す推移グラフを表示させるための表示領域62と、折れ線グラフ形式の推移グラフ63と、要注目期間のデータを強調する強調表示情報64の具体例を示している。
【0091】
〔実施例1−処理プロセス(2)〕
次に、本発明の操作状況監視システムをクライアントサーバ形態で動作させる場合における処理プロセスの別の一例について、図4の機能ブロック図及び図6のフローチャート等を用いて説明する。なお、図6のフローチャートにおける(S101)から(S104)の動作については、〔実施例1−処理プロセス(1)〕と同様のため、その詳細を省略する。
【0092】
判定部18は、集計結果記憶部16に記憶されている「正常率」に基づき、要注目期間を判定する(S105)。なお、本処理プロセスでは、予め、「正常率60パーセント未満」の集計期間を「レベル1」、「正常率50パーセント未満」の集計期間を「レベル2」、「正常率40パーセント未満」の集計期間を「レベル3」と定め、それぞれに該当する期間を要注目期間と判定し、重要度別に分類することとする。その結果、「レベル1」はカテゴリ「操作」の「2010年4月」、「レベル2」はカテゴリ「操作」の「2010年4月」、「レベル3」は「セキュリティ」の「2009年12月」と判定される(S106)。
【0093】
強調表示生成部19は、要注目期間のデータを強調するための強調表示情報を生成する(S107)。なお、本処理プロセスでは強調表示情報として、推移グラフ上におけるデータを示す点の形状を、重要度別に変化させるという形の強調表示情報を生成することとする。具体的には、「レベル1」、「レベル2」、「レベル3」と重要度が上がるにつれ、より目立つような強調表示情報が生成されることとする。
【0094】
上記の「より目立つような強調表示情報」とは、推移グラフ上における注目期間のデータを示す点について、他のデータを示す点と差別化するために、視覚的に異なる表示をすることをいう。具体的には、点の形状を変化させる(丸型から三角や四角型に変化させる。または、二重丸や三重丸型に変化させるなど)、点のサイズを大きくする(他の点と比べて2倍や3倍などにする)、点の色を変化させる(他の点とは違う色にする。または色を点滅させるなど)というような表示が考えられる。なお、これらは一例であって限定されるものではない。
【0095】
表示制御部20は、推移グラフと強調表示情報とを合成し、表示制御情報を生成する(S108)。生成された表示制御情報は管理端末Cに送信され、管理端末制御部42によって、管理端末Cの表示装置5に表示される(S109)。図12に、表示装置5に表示される画像のイメージを示す。なお、ここでは、重要度のレベル別に強調表示の形式を変化させるという形式としているが、その他、要注目期間のデータを示す点のそばに重要度レベルを示す数字等を表示するという形式としても良い。
【0096】
〔実施例1−処理プロセス(3)〕
次に、本発明の操作状況監視システムをクライアントサーバ形態で動作させる場合における処理プロセスの別の一例について、図4の機能ブロック図及び図6のフローチャート等を用いて説明する。なお、図6のフローチャートにおける(S101)から(S104)の動作については、〔実施例1−処理プロセス(1)〕と同様のため、その詳細を省略する。
【0097】
判定部18は、集計結果記憶部16に記憶されている「正常率」に基づき、要注目期間を判定する(S105)。なお、本処理プロセスでは、推移グラフを生成する集計期間の範囲内において、正常率が一番高い値と一番低い値の両方を抽出し、それぞれを要注目期間と判定することとする。その結果、カテゴリ「資産」の「2010年4月」、及びカテゴリ「セキュリティ」の「2009年12月」と判定される(S106)。
【0098】
強調表示生成部19は、要注目期間のデータを強調するための強調表示情報を生成する(S107)。なお、本処理プロセスでは強調表示情報として、推移グラフ上におけるデータを示す点の形状を変化させるという形の強調表示情報を生成することとする。
【0099】
表示制御部20は、推移グラフと強調表示情報とを合成し、表示制御情報を生成する(S108)。生成された表示制御情報は管理端末Cに送信され、管理端末制御部42によって、管理端末Cの表示装置5に表示される(S109)。図13に、表示装置5に表示される画像のイメージを示す。ここで示す強調表示の形式以外にも、例えば、要注目期間のデータを示す点のそばに最大値又は最小値を示す表示を行うという形式としても良い。
【0100】
〔実施例1−処理プロセス(4)〕
次に、本発明の操作状況監視システムをクライアントサーバ形態で動作させる場合における処理プロセスの別の一例について、図4の機能ブロック図及び図6のフローチャート等を用いて説明する。なお、図6のフローチャートにおける(S101)、(S103)、及び(S104)の動作については、〔実施例1−処理プロセス(1)〕と同様のため、その詳細を省略する。
【0101】
集計部15は、所定期間毎の操作ログ情報及びアラーム情報の出力件数を集計し、結果を集計結果記憶部16に記憶する(S103)。図14に、集計結果記憶部16に記憶される集計結果の一例を示す。なお、本処理プロセスにおいて集計部15は、前年度における同時期の集計結果を集計結果記憶部16から抽出し、前年度と今回との差分を算出し、今回の集計結果として集計結果記憶部16に「前年度差分」として記憶することとする。以下の処理プロセスでは、この「前年度差分」を用いる場合を例に説明する(S106)。
【0102】
判定部18は、集計結果記憶部16に記憶されている「前年度差分」に基づき、要注目期間を判定する(S105)。なお、本処理プロセスでは、予め所定値を「−10」と定め、前年度差分「−10未満」の集計期間を、要注目期間と判定することとする。その結果、カテゴリ「操作」の「2009年11月」、及びカテゴリ「セキュリティ」の「2009年12月」が要注目期間と判定される。
【0103】
強調表示生成部19は、要注目期間のデータを強調するための強調表示情報を生成する(S107)。なお、本処理プロセスでは強調表示情報として、推移グラフ上におけるデータを示す点の形状を変化させるという形の強調表示情報を生成することとする。
【0104】
表示制御部20は、推移グラフと強調表示情報とを合成し、表示制御情報を生成する(S108)。生成された表示制御情報は管理端末Cに送信され、管理端末制御部42によって、管理端末Cの表示装置5に表示される(S109)。図15に、表示装置5に表示される画像のイメージを示す。
【実施例2】
【0105】
〔実施例2−構成(1)〕
以下、図面を用いて本発明の第二実施例について説明する。まず、実施形態としてクライアントサーバ形態を用いた場合を例に説明する。図16に、本発明の操作状況管理システムを構成する管理サーバA、端末B及び管理端末Cの機能ブロック図を示す。本発明における各構成部及び各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一の領域を為していてもよい。
【0106】
また、図16は、本発明において必要となる最小限度の機器、構成部及び手段等のみを記載しており、その他の機器、構成部及び手段等についてはその記載を省略する。なお、〔実施例1−構成(1)〕と同一の構成部等には同一の符号を付しており、同じ動作をする場合にはその詳細な説明は省略する。
【0107】
管理サーバAは、判定部18の内部に、集計結果記憶部16に記憶されている情報から所定の平均値を算出する平均値算出手段21と、算出した平均値を利用して要注目期間を判定する要注目期間判定手段22とを備えているという点において、〔実施例1−構成(1)〕と異なっている。
【0108】
以下、図16に記載した本発明を構成する機能ブロック図に基づいて、各構成部の動作について説明する。なお、〔実施例1−構成(1)〕と同様の構成部又は同様の動作については、その詳細な説明を省略する。
【0109】
平均値算出手段21は、集計結果記憶部16に記憶されている情報から、推移グラフを生成する集計期間の範囲内における集計結果の平均値を算出し、その算出した平均値を要注目期間判定手段22に送信する。
【0110】
要注目期間判定手段22は、平均値算出手段21から取得した平均値を用いて判定条件を設定し、集計結果が当該判定条件を満たしている集計期間を特定し、その集計期間を要注目期間と判定する。そして、判定した要注目期間に関する情報を強調表示生成部19に送信する。具体的には、平均値に対し上下の幅(所定の範囲値)を設け、その幅に含まれているか含まれていないかを判定するという処理を行う。なお、所定の範囲値は、上下で同じ値に限らず、異なる値としてもよい。例えば、上側では大きな値とし、下側では小さな値とするなどである。
【0111】
上述の構成とすることにより、表示装置5において表示される推移グラフにおいて、突出した値を示す箇所を自動的に強調表示することができるため、管理者は注目すべき箇所を容易に特定することが可能となる。
【0112】
〔実施例2−構成(2)〕
次に、本発明の第二実施例において、スタンドアローン形態を用いた場合を例に図面を用いて説明する。図17に、本発明の操作状況管理システムを構成する端末B、及び外部表示装置Dの機能ブロック図を示す。本発明における各構成部及び各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一の領域を為していてもよい。
【0113】
また、図17は、本発明において必要となる最小限度の機器、構成部及び手段等のみを記載しており、その他の機器、構成部及び手段等についてはその記載を省略する。なお、〔実施例1−構成(2)〕と同一の構成部等には同一の符号を付しており、同じ動作をする場合にはその詳細な説明は省略する。
【0114】
端末Bは、は、判定部18の内部に、集計結果記憶部16に記憶されている情報から所定の平均値を算出する平均値算出手段21と、算出した平均値を利用して要注目期間を判定する要注目期間判定手段22とを備えているという点において、〔実施例1−構成(2)〕と異なっている。
【0115】
上述の構成とすることにより、管理サーバAを設けることなく、端末B単体で本発明の実現が可能となる。
【0116】
〔実施例2−処理プロセス〕
次に、本発明の操作状況監視システムをクライアントサーバ形態で動作させる場合における処理プロセスの一例について、図16の機能ブロック図及び図18のフローチャート等を用いて説明する。なお、図18のフローチャートにおける(S201)から(S204)の動作については、〔実施例1−処理プロセス(1)〕と同様のため、その詳細を省略する。
【0117】
判定部18の平均値算出手段21は、集計結果記憶部16に記憶されている「正常率」に基づき、平均値を算出する(S205)。集計値が図9のとおりに記憶されていた場合、カテゴリ「操作」の平均値は「約77パーセント」、カテゴリ「資産」の平均値は「約91パーセント」、カテゴリ「セキュリティ」の平均値は「約75パーセント」と算出される。
【0118】
判定部18の要注目判定手段22は、平均値を用いて設定した判定条件に基づき、要注目期間を判定する(S206)。なお、本処理プロセスでは、判定条件について、「平均値−5パーセント未満」の集計期間を、要注目期間と判定することとする。その結果、カテゴリ「操作」は「72パーセント未満」、カテゴリ「資産」は「86パーセント未満」、カテゴリ「セキュリティ」は「70パーセント未満」が判定条件となり、その判定条件に該当する期間が要注目期間と判定される(S207)。
【0119】
強調表示生成部19は、要注目期間のデータを強調するための強調表示情報を生成する(S208)。なお、本処理プロセスでは強調表示情報として、推移グラフ上におけるデータを示す点の形状を変化させるという形の強調表示情報を生成することとする。
【0120】
表示制御部20は、推移グラフと強調表示情報とを合成し、表示制御情報を生成する(S209)。生成された表示制御情報は管理端末Cに送信され、管理端末制御部42によって、管理端末Cの表示装置5に表示される(S210)。図19に、表示装置5に表示される画像のイメージを示す。
【実施例3】
【0121】
〔実施例3−構成(1)〕
以下、図面を用いて本発明の第三実施例について説明する。まず、実施形態としてクライアントサーバ形態を用いた場合を例に説明する。図20に、本発明の操作状況管理システムを構成する管理サーバA、端末B及び管理端末Cの機能ブロック図を示す。本発明における各構成部及び各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一の領域を為していてもよい。
【0122】
また、図20は、本発明において必要となる最小限度の機器、構成部及び手段等のみを記載しており、その他の機器、構成部及び手段等についてはその記載を省略する。なお、〔実施例1−構成(1)〕及び〔実施例2−構成(1)〕と同一の構成部等には同一の符号を付しており、同じ動作をする場合にはその詳細な説明は省略する。
【0123】
管理サーバAは、判定部18の内部に、集計結果記憶部16に記憶されている情報から特定期間とその特定期間に隣接する期間の値を取得する隣接値取得手段23と、取得した隣接値を利用して要注目期間を判定する要注目期間判定手段22とを備えているという点において、〔実施例1−構成(1)〕及び〔実施例2−構成(1)〕と異なっている。
【0124】
以下、図20に記載した本発明を構成する機能ブロック図に基づいて、各構成部の動作について説明する。なお、〔実施例1−構成(1)〕及び〔実施例2−構成(1)〕と同様の構成部又は同様の動作については、その詳細な説明を省略する。
【0125】
隣接値取得手段23は、集計結果記憶部16に記憶されている情報から、各集計期間毎に、その集計期間の前に隣接する集計期間の値を取得し、それぞれの差分について判定する。そしてその判定結果を対前集計期間比という情報にまとめて集計結果記憶部16に記憶する。
【0126】
要注目期間判定手段22は、集計結果記憶部16に記憶されている対前集計期間比の情報を取得し、その対前集計期間比が予め定められた判定条件を満たしている集計期間を特定し、その集計期間を要注目期間と判定する。そして、判定した要注目期間に関する情報を強調表示生成部19に送信する。
【0127】
上述の構成とすることにより、表示装置5において表示される推移グラフにおいて、データが激しく変動している箇所を自動的に強調表示することができるため、管理者は注目すべき箇所を容易に特定することが可能となる。
【0128】
〔実施例3−構成(2)〕
次に、本発明の第三実施例において、スタンドアローン形態を用いた場合を例に図面を用いて説明する。図21に、本発明の操作状況管理システムを構成する端末B、及び外部表示装置Dの機能ブロック図を示す。本発明における各構成部及び各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一の領域を為していてもよい。
【0129】
また、図21は、本発明において必要となる最小限度の機器、構成部及び手段等のみを記載しており、その他の機器、構成部及び手段等についてはその記載を省略する。なお、〔実施例1−構成(2)〕及び〔実施例2−構成(2)〕と同一の構成部等には同一の符号を付しており、同じ動作をする場合にはその詳細な説明は省略する。
【0130】
端末Bは、判定部18の内部に、集計結果記憶部16に記憶されている情報から特定期間とその特定期間に隣接する期間の値を取得する隣接値取得手段23と、取得した隣接値を利用して要注目期間を判定する要注目期間判定手段22とを備えているという点において、〔実施例1−構成(2)〕及び〔実施例2−構成(2)〕と異なっている。
【0131】
上述の構成とすることにより、管理サーバAを設けることなく、端末B単体で本発明の実現が可能となる。
【0132】
〔実施例3−処理プロセス〕
次に、本発明の操作状況監視システムをクライアントサーバ形態で動作させる場合における処理プロセスの一例について、図20の機能ブロック図及び図22のフローチャート等を用いて説明する。なお、図22のフローチャートにおける(S301)から(S304)の動作については、〔実施例1−処理プロセス(1)〕と同様のため、その詳細を省略する。
【0133】
判定部18の隣接値取得手段23は、集計結果記憶部16から、各集計期間毎に、その集計期間の前に隣接する集計期間の「正常値」を取得し(S305)、それぞれの差分を対前集計期間比という情報にまとめて集計結果記憶部16に記憶する。図23に、対前週計期間比が記憶された集計期間記憶部16の一例を示す。なお、本処理プロセスでは、対象となっている集計期間の「正常値」が隣接する前集計期間の「正常値」よりも増加している場合は「+」、減少している場合は「−」の記号が記憶されることとする。
【0134】
判定部18の要注目判定手段22は、予め設定された判定条件に基づき、要注目期間を判定する(S306)。なお、本処理プロセスでは、判定条件として、「対象集計期間の記号と前集計期間の記号が異なる」場合、その対象集計期間を、要注目期間と判定することとする。その結果、カテゴリ「操作」の「2009年8月」・「2009年9月」・「2009年10月」・「2009年11月」・「2010年4月」・「2010年5月」、カテゴリ「資産」の「2009年8月」・「2009年11月」・「2010年2月」・「2010年5月」、カテゴリ「セキュリティ」の「2009年8月」・「2009年10月」・「2010年1月」・「2010年3月」が要注目期間と判定される(S307)。
【0135】
強調表示生成部19は、要注目期間のデータを強調するための強調表示情報を生成する(S308)。なお、本処理プロセスでは強調表示情報として、推移グラフ上におけるデータを示す点の形状を変化させるという形の強調表示情報を生成することとする。
【0136】
表示制御部20は、推移グラフと強調表示情報とを合成し、表示制御情報を生成する(S309)。生成された表示制御情報は管理端末Cに送信され、管理端末制御部42によって、管理端末Cの表示装置5に表示される(S310)。図24に、表示装置5に表示される画像のイメージを示す。
【符号の説明】
【0137】
A:管理サーバ
B:端末
C:管理端末
D:外部表示装置
1:処理装置
2:記憶装置
3:通信装置
4:入力装置
5:表示装置
6:演算装置
7:制御装置
10:ネットワークI/F
11:操作ログ情報取得部
12:操作ログ情報記憶部
13:アラーム情報取得部
14:アラーム情報記憶部
15:集計部
16:集計結果記憶部
17:推移グラフ生成部
18:判定部
19:強調表示生成部
20:表示制御部
21:平均値算出手段
22:要注目期間判定手段
23:隣接値取得手段
30:ネットワークI/F
31:端末制御部
32:操作ログ情報生成部
33:アラーム情報生成部
40:ネットワークI/F
41:制御情報取得部
42:管理端末制御部
50:制御情報取得部
51:表示部
60:画面
61:表示ウィンドウ
62:表示領域
63:推移グラフ
64:強調表示情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ端末で実行される操作内容の管理に関し、特に注目すべき操作の実行状況を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、コンピュータ端末で実行された操作内容を管理する方法として、管理者が端末から出力される操作ログ情報を取得して保存するという方法が用いられる。しかし、この方法は、端末で実行された操作内容を正確に把握できる反面、それぞれの操作の実行状況の推移については把握しづらいという問題がある。例えば、管理者が予め指定した特定の操作について、その操作が端末で実行された回数の推移状況を把握しようとした場合、保存されている操作ログ情報から必要情報の抽出及び集計処理等が必要となり、管理者にとって大きな手間となってしまう。
【0003】
上記の問題を解決する手段として、健康管理分野では、体脂肪率や血圧など日々の健康管理情報を計測し、その計測した日時情報と健康管理情報の演算結果とを用いて今回と前回の変化量を算出するという技術がある。この技術において、1ヶ月間当たりの変化量を算出し、その結果をグラフィック表示するという手段が用いられている。これにより、ユーザは、自身の健康管理情報の推移状況を、容易に把握することができる。(特許文献1参照)
【0004】
また、同じく健康管理分野において、被験者の生活動作に関する情報をパラメータ値として取得し、そのパラメータ値の履歴情報に基づいて被験者の漸次的な生活変化を判定するという技術がある。この技術において、蓄積した履歴情報からパラメータ値の推移傾向を算出し、その結果と予め定めた基準値とを比較し、被験者の生活傾向が悪化に向かっているかどうかを判定するという手段が用いられている。これにより、管理者は、被験者の健康状態に関する全体的な推移状況を、容易に把握することができる。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−332845号公報
【特許文献2】特開2006−106813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術を用いると、所定の計測期間毎にデータがどのように推移しているのかという状況は容易に把握することができる。しかし、管理者にとって注意して確認すべき箇所はどこなのか、また、注目すべきデータはどれなのか、ということについては容易に把握できない。このため、表示されるデータが多い場合、注意して確認すべき箇所がどこなのかを管理者自身が判定しなければならず、手間が発生してしまう。
【0007】
特許文献2の技術を用いると、計測したデータが全体としてどういう状態に向かっているのかという、全体の推移傾向は把握することができる。しかし、記憶された履歴情報中のどの時点のデータに注意すべきなのか、ということについては容易に把握できない。このため、注意すべきデータを把握するためには、管理者自身が、全体の推移傾向に基づいてそれぞれのデータを確認して判定しなければならず、手間が発生してしまう上、管理者の能力によって判断に差が出てしまう。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消することを課題とする。具体的には、コンピュータ端末で実行される操作内容の管理において、注意して確認すべきデータを自動的に判定し、管理者にとって視認しやすい形式で表示することにより、管理者の業務負担を軽減するシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の操作状況管理方法は、端末が実行した問題操作に関する情報と日時情報とを含むアラーム情報を記憶する記憶装置と、アラーム情報を用いて端末の操作状況を管理する処理装置と、処理装置の制御指示に基づいて操作状況を表示する表示装置と、を備える操作状況監視システムにおいて、この処理装置が表示装置に対して、操作状況をグラフ形式で表示するための表示領域を表示させるステップと、所定期間毎に集計したアラーム情報の発生件数の時系列的な推移を示す折れ線グラフを表示領域に表示させるステップと、処理装置において要注目と判定された集計期間を示す折れ線グラフ上の点を強調して表示させるステップを実行することを特徴としている。
【0010】
本発明の方法を採用することにより、折れ線グラフにおいて注目すべき箇所を強調し、管理者にとって注目すべき箇所が容易に把握できる形式での表示を実現することができる。これにより、データ確認にかかる作業時間が削減されるため、端末の操作状況を管理する管理者の業務負担を軽減することが可能となる。
【0011】
また、本発明の操作状況管理システムにおける処理装置は、記憶されたアラーム情報の発生件数を所定期間毎に集計する集計部と、集計結果を用いて、集計期間のうち所定条件を満たしている期間を要注目期間と判定する判定部と、集計結果の時系列的な推移を示すグラフを生成する推移グラフ生成部と、推移グラフ上において要注目期間を示す点を強調する表示情報を生成する強調表示生成部と、推移グラフと強調表示とを表示装置に表示させる表示制御部とをそなえることを特徴にした構成としてもよい。
【0012】
本発明の構成を採用することにより、端末から出力されたアラーム情報の発生件数を集計し、その集計結果の時系列的な推移を示すグラフを自動的に生成して表示装置に表示することができる。更に、その推移グラフ上において注目すべき箇所も自動的に強調して表示装置に表示することができる。これにより、注目すべき箇所を視認しやすい形式での表示を実現することができるため、端末の操作状況を管理する管理者の業務負担を軽減することが可能となる。
【0013】
本発明の操作状況管理システムの処理装置に含まれる判定部は、集計結果を用いてアラーム情報の発生件数の平均値を算出する平均値算出手段と、集計結果の特定期間における値と平均値とを比較した比較結果に基づいて要注目期間かどうかを判定する要注目期間判定手段とを有するという構成としてもよい。
【0014】
本発明のように構成することにより、集計期間全体におけるアラーム発生件数の傾向に対して、特異な値を示している期間を要注目期間として強調して表示することができる。これにより、管理者は、全体の傾向とは異なる急激な状況の変化を、すばやく把握することが可能となる。
【0015】
本発明の操作状況管理システムの処理装置に含まれる判定部は、集計結果の特定期間とその特定期間に前後隣接する期間の値を取得する隣接値取得手段と、特定期間の値と取得した隣接期間の値との変化に基づいて要注目期間であるかを判定する要注目期間判定部とを有するという構成としてもよい。
【0016】
本発明のように構成することにより、アラーム発生件数が激しく変化している一連の期間を要注目期間として強調して表示することができる。これにより、管理者は、集計結果における突発的な値の変化に関して、すばやく把握することが可能となる。
【0017】
また、本発明のプログラムを処理装置に読み込ませて実行することで、上述の本発明を実現させることも可能である。つまり、操作状況管理システムに用いるプログラムであって、記憶されたアラーム情報の発生件数を所定期間毎に集計する集計機能と、集計結果を用いて、集計期間のうち所定条件を満たしている期間を要注目期間と判定する判定機能と、集計結果の時系列的な推移を示すグラフを生成する推移グラフ生成機能と、推移グラフ上において前記要注目期間を示す点を強調する表示情報を生成する強調表示生成機能と、推移グラフと強調表示とを表示装置に表示させる表示制御機能とを、処理装置に実現させるプログラム、として本発明を構成してもよい。
【0018】
この操作状況管理プログラムも、上述の操作状況管理システムと同様の作用効果を伴うものである。
【0019】
本発明における問題操作とは、管理者が予め定めた問題となる操作の基準に該当する操作、または正常な操作の基準に違反する操作のことをいう。具体的には、異常な操作の基準を「操作ポリシー」という形式で予め定めておき、その操作ポリシーに該当する操作を問題操作とするという形式が一例として考えられる。
【0020】
本発明におけるアラーム情報とは、端末において問題操作が実行された際に生成される通知情報のことをいう。具体的には、その操作が実行された日時情報、実行された操作の内容を示す処理内容情報、どの問題操作の類型に該当するかを示すアラーム類型情報、及び操作が実行された端末又は当該端末を使用しているユーザを一義的に特定するエージェント情報を少なくとも含む一連の情報などが一例として考えられる。
【0021】
さらに、上記の処理内容情報とは、端末において実行された問題操作の内容を示す情報であって、ミドルウェアまたはOS等において処理されるアプリケーションやハードウェア等による制御を示す情報のことをいう。より具体的には、キー入力、ポインティングデバイスの操作(ボタン押下、移動など)、外部記憶媒体の着脱、外部機器(プリンタなど)との接続、ファイル操作(作成、削除、コピー、移動、フォルダ名変更等)、アプリケーション操作(起動、終了等)、ドライブの追加・削除・検知、IPアドレス変更、記憶媒体の書き込み、印刷、クリップボードへのコピー等を示す情報がある。なお、これらは一例であって限定されるものではない。
【0022】
さらに、上記のアラーム類型情報とは、管理者が予め定めた問題操作の類型を示す情報のことをいう。アラーム類型の具体例としては、端末のハードウェア構成やソフトウェア構成に変更を加える操作、管理者が予め定めたアプリケーション以外の不許可アプリケーションを起動する操作、管理者が予め定めた違反操作内容に該当する操作、管理者が予め閲覧禁止と設定したWebページを閲覧する操作、予め印刷禁止と設定した文書を印刷したり、予め定められたプリント枚数以上の枚数を印刷したりする操作などがある。なお、これらは一例であって限定されるものではない。
【0023】
本発明における推移グラフとは、取得したデータの集計結果が、時系列的にどのように変化しているのかを示すグラフのことをいい、時系列的な変化状況が把握できるグラフであればどのようなものでもよい。具体的には、折れ線グラフ、棒グラフ、又は各種チャート図などが考えられる。
【発明の効果】
【0024】
上述のように構成された本発明によれば、管理者は、アラーム情報の発生件数の時系列的な推移を直感的に把握することができ、さらに、注意して確認すべき箇所もすばやく確認することができる。これにより、データ確認にかかる作業時間が削減されるため、端末の操作状況を管理する管理者の業務負担を軽減することができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のシステム構成の一例を示す概念図。
【図2】本発明の操作状況管理システムのハードウェア構成の一例を示す概念図。
【図3】本発明のシステム構成の一例を示す概念図。
【図4】本発明の実施例1におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図5】本発明の実施例1におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図6】本発明の実施例1における処理プロセスの一例を示すフローチャート。
【図7】本発明の操作ログ情報の一例を示す図。
【図8】本発明のアラーム情報の一例を示す図。
【図9】本発明の集計結果の一例を示す図。
【図10】本発明の推移グラフの一例を示す図。
【図11】本発明の管理端末Cの表示装置5で表示する画像の一例を示すイメージ図。
【図12】本発明の管理端末Cの表示装置5で表示する画像の一例を示すイメージ図。
【図13】本発明の管理端末Cの表示装置5で表示する画像の一例を示すイメージ図。
【図14】本発明の集計結果の一例を示す図。
【図15】本発明の管理端末Cの表示装置5で表示する画像の一例を示すイメージ図。
【図16】本発明の実施例2におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図17】本発明の実施例2におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図18】本発明の実施例2における処理プロセスの一例を示すフローチャート。
【図19】本発明の管理端末Cの表示装置5で表示する画像の一例を示すイメージ図。
【図20】本発明の実施例3におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図21】本発明の実施例3におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図22】本発明の実施例3における処理プロセスの一例を示すフローチャート。
【図23】本発明の集計結果の一例を示す図。
【図24】本発明の管理端末Cの表示装置5で表示する画像の一例を示すイメージ図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔クライアントサーバ形態〕
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。まず、クライアントサーバ形式での実施形態について説明する。図1に、本発明の操作状況管理システムの全体構成の一例を概念的に示す。実施形態は図1に示すように、操作状況管理サーバA(以下、「管理サーバA」という)が、複数のクライアント端末B(以下、「端末B」という)及び管理者用クライアント端末(以下、「管理者端末C」という)と、通信ネットワークN(以下、「ネットワークN」という)を介して接続されるという形で構成されている。
【0027】
図2に、管理サーバA、端末B又は管理端末Cのハードウェア構成の一例を概念的に示す。
【0028】
管理サーバAは、プログラムの演算処理を実行する演算装置6と、演算結果に基づいて各装置に対する制御指示を出力する制御装置7とを有するCPU等の処理装置1と、情報を記憶するRAMやハードディスク等の記憶装置2と、処理装置1の処理結果や記憶装置2に記憶する情報をインターネットやLAN等のネットワークを介して送受信する通信装置3とを少なくとも有している。管理サーバAが実行する各機能(各手段)は、その処理を実行するプログラムが処理装置1に読み込まれることで実現される。
【0029】
管理サーバAは、必要に応じてキーボード、マウス又はテンキー等の入力装置4と、ディスプレイ(画面)等の表示装置5を備えた構成としてもよい。また、管理サーバAは、複数の端末又はサーバにその機能が分散配置されていてもよい。
【0030】
端末B及び管理端末Cのハードウェア構成も管理サーバAと同様で、図2に示したとおり、処理装置1、記憶装置2、通信装置3、入力装置4及び表示装置5を有している。
【0031】
ネットワークNは、企業や学校等の限られた施設内において情報を物理的に送信するケーブルと、LANスイッチやハブ等でなる中継機器を備えたCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access With Collision Detection)方式のLANとして構成されたものであるが、このネットワークNとしてLAN以外に、インターネットの技術を用いたイントラネットで構成されたものや、WAN(Wide Area Network)の技術によって構築されるものでもよい。
【0032】
〔スタンドアローン形態〕
次に、本発明の別実施形態である、スタンドアローン形式での実施形態について説明する。本実施形態は、中心となる処理を端末Bのみで実行し、管理サーバAは必要としない。端末Bは、図2に示したとおり演算装置1、記憶装置2、通信装置3、入力装置4及び表示装置5を有しており、端末Bが実行する各機能(各手段)は、その処理を実行するプログラムが処理装置1に読み込まれることで実現される。
【0033】
また、図3に示すように、端末Bと外部表示装置Dとを直接接続又はネットワークNを介して接続し、端末Bで実行された処理結果を外部表示装置Dに表示させるという形で本発明を実施しても構わない。なお、端末Bと接続する外部表示装置Dは、処理結果を表示することのできる機器であればいかなるものでもよい。例えば、端末Bに管理端末Cを接続し、管理端末Cの表示装置5を外部表示装置Dとして使用するという形も考えられる。
【実施例1】
【0034】
〔実施例1−構成(1)〕
以下、図面を用いて本発明の第一実施例について説明する。まず、実施形態としてクライアントサーバ形態を用いた場合を例に説明する。図4に、本発明の操作状況管理システムを構成する管理サーバA、端末B及び管理端末Cの機能ブロック図を示す。本発明における各構成部及び各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一の領域を為していてもよい。
【0035】
また、図4は、本発明において必要となる最小限度の機器、構成部及び手段等のみを記載しており、その他の機器、構成部及び手段等についてはその記載を省略する。
【0036】
管理サーバAは、ネットワークNを介して端末B及び管理端末Cと様々な情報を送受信するためのネットワークI/F10、端末Bにおいて実行された処理の履歴を示す操作ログ情報を取得する操作ログ情報取得部11、取得した操作ログ情報を記憶する操作ログ情報記憶部12、端末Bから出力されたアラーム情報を取得するアラーム情報取得部13、取得したアラーム情報を記憶するアラーム情報記憶部14、記憶されたアラーム情報の発生件数を集計する集計部15、集計された結果情報を記憶する集計結果記憶部16、集計結果の推移を示すグラフを生成する推移グラフ生成部17、集計結果から要注目期間を判定する判定部18、要注目期間を強調する表示情報を生成する強調表示生成部19、推移グラフと強調表示とを表示装置に表示させる表示制御情報を管理端末Cに送信する表示制御部20を備えている。
【0037】
端末Bは、ネットワークNを介して管理サーバA及び管理端末Cと様々な情報を送受信するためのネットワークI/F30、端末Bに対して各種情報を入力する入力装置4、受信した情報を用いた演算処理の結果に基づいて端末Bの制御処理を実行する端末制御部31、端末制御部31によって指示された情報を表示する表示装置5、端末Bにおいて実行された制御処理の履歴を示す操作ログ情報を生成し管理サーバAに送信する操作ログ情報生成部32、端末Bにおいて実行された問題操作に関するアラーム情報を生成し管理サーバAに送信するアラーム情報生成部33を備えている。
【0038】
管理端末Cは、ネットワークNを介して管理サーバA及び端末Bと様々な情報を送受信するためのネットワークI/F40、管理サーバAから管理端末Cに対する制御情報を受信する制御情報受信部41、受信した情報を用いた演算処理の結果に基づいて管理端末Cの制御処理を実行する管理端末制御部42、管理端末制御部42によって指示された情報を表示する表示装置5を備えている。
【0039】
以下、図4に記載した本発明を構成する機能ブロック図に基づいて、各構成部の動作について説明する。はじめに、本発明の操作状況管理システムを構成する、端末Bの構成部について説明する。
【0040】
端末制御部31は、入力装置4によって端末Bに入力された各種情報を受信し、受信した情報を用いて演算処理を行い、その結果に基づいて端末Bにおける各種制御処理を実行する。
【0041】
操作ログ情報生成部32は、端末制御部31によって実行された各種制御処理を検出し、操作ログ情報を生成する。そして、生成した操作ログ情報をネットワークI/F30を介して管理サーバAに送信する。
【0042】
上記の操作ログ情報とは、端末Bの入力装置4を用いてユーザにより入力された情報等に基づいて、端末制御部31によって実行された制御処理の内容を示す情報のことをいう。具体的には、制御処理の内容を示す処理内容情報、処理が実行された端末B又は当該端末Bを使用しているユーザを一義的に特定するエージェント情報、及び処理が実行された日時を示す日時情報を含む一連の情報などが一例として考えられる。
【0043】
さらに、上記の処理内容情報とは、端末において実行された内容を示す情報であって、ミドルウェアまたはOS等において処理されるアプリケーションやハードウェア等による制御を示す情報のことをいう。より具体的には、キー入力、ポインティングデバイスの操作(ボタン押下、移動など)、外部記憶媒体の着脱、外部機器(プリンタなど)との接続、ファイル操作(作成、削除、コピー、移動、フォルダ名変更等)、アプリケーション操作(起動、終了等)、ドライブの追加・削除・検知、IPアドレス変更、記憶媒体の書き込み、印刷、クリップボードへのコピー等を示す情報がある。なお、これらは一例であって限定されるものではない。
【0044】
上記のエージェント情報とは、端末Bを一義的に特定するための情報や、端末Bを使用しているユーザを一義的に特定するための情報のことをいう。具体的には、端末BのMACアドレスや端末毎に一義的に設定された番号といった端末個々に設定された番号や符号、及びユーザ毎に一義的に設定されたログインIDやユーザID等がその一例として考えられる。
【0045】
アラーム情報生成部33は、端末制御部31によって実行される各種制御処理のうち、問題操作や注目すべき操作に該当する制御処理を検出し、アラーム情報を生成する。そして、生成したアラーム情報をネットワークI/F30を介して管理サーバAに送信する。
【0046】
上記のアラーム情報の生成について、アラーム情報生成部33は、操作ログ情報生成部32で生成された操作ログ情報を取得し、問題操作に該当する操作ログ情報を検出してアラーム情報を生成するという形式を用いてもよい。なお、上記の問題操とは、端末制御部31によって実行される単一の制御処理に基づいて検出してもよいし、複数出力される一連の制御処理に基づいて検出するとしてもよい。
【0047】
次に、本発明の操作状況管理システムを構成する、管理サーバAの構成部について説明する。
【0048】
操作ログ情報取得部11は、ネットワークNに接続されている端末Bの操作ログ情報をネットワークI/F10を介して取得し、取得した操作ログ情報を操作ログ情報記憶部12に記憶する。
【0049】
操作ログ情報記憶部12には、操作ログ情報取得部11が取得した操作ログ情報が記憶される。その際の記憶形式は、操作ログ情報に含まれるエージェント情報を利用して、端末又はユーザ別に関連付けて記憶するという形式にすると好適である。さらに、操作ログ情報に含まれる日時情報を利用して、操作ログ情報を取得した順に時系列的に記憶するという形式にしてもよい。
【0050】
アラーム情報取得部13は、ネットワークNに接続されている端末Bのアラーム情報をネットワークI/F10を介して取得し、取得したアラーム情報をアラーム情報記憶部14に記憶する。
【0051】
アラーム情報記憶部14は、アラーム情報取得部13が取得したアラーム情報が記憶される。その際の記憶形式は、アラーム情報に含まれるエージェント情報を利用して、端末又はユーザ別に関連付けて記憶するという形式にすると好適である。さらに、アラーム情報に含まれる日時情報を利用して、アラーム情報を取得した順に時系列的に記憶するという形式にしてもよい。
【0052】
集計部15は、操作ログ情報記憶部12に記憶された操作ログ情報の件数と、アラーム情報記憶部14に記憶されたアラーム情報の件数とを所定の集計期間毎に集計し、集計した結果を集計結果記憶部16に記憶する。その際、操作ログ情報の件数に対するアラーム情報の件数の割合を算出し、その算出結果も集計結果として集計結果記憶部16に記憶する。
【0053】
集計結果記憶部16は、集計部15が算出した集計結果が記憶される。その際の記憶形式は、操作ログ情報及びアラーム情報の件数を集計する範囲を示す所定の集計期間に含まれる日時情報を利用して、所定期間毎に時系列的に記憶するという形式にすると好適である。さらに、アラーム情報に含まれる問題操作の内容を示す情報に基づいて予めカテゴリを設定し、該当するカテゴリ別に集計結果を分類して記憶するという形式にしてもよい。
【0054】
推移グラフ生成部17は、集計結果記憶部16に記憶されている集計結果に基づいて、推移グラフを生成する。その際、集計を行った集計期間毎に、時系列的なデータの推移が分かるような形式で推移グラフが生成される。
【0055】
判定部18は、集計結果記憶部16に記憶されている集計結果と予め定められた所定条件とを比較し、集計結果が当該所定条件を満たしている集計期間を特定し、その集計期間を要注目期間と判定する。そして、判定した要注目期間に関する情報を強調表示生成部19に送信する。
【0056】
強調表示生成部19は、判定部18から受信した要注目期間に関する情報に基づいて、推移グラフ上で強調表示を行うための強調表示情報を生成し、表示制御部20に送信する。その際、強調表示生成部19は、強調表示のための条件と強調表示の形態を示す表示データとを組み合わせたテーブルを有しており、判定部18から受信した要注目期間に関する情報と強調表示のための条件とを比較し、該当する表示データを特定し、それを基に強調表示情報を生成すると好適である。
【0057】
表示制御部20は、推移グラフ生成部17から取得した推移グラフと、強調表示生成部19から取得した強調表示情報とを合成して表示制御情報を生成し、ネットワークI/F10を介して管理端末Cに送信する。
【0058】
次に、本発明の操作状況管理システムを構成する、管理端末Cの構成部について説明する。
【0059】
制御情報取得部41は、ネットワークNに接続されている管理サーバAの表示制御情報をネットワークI/F40を介して取得し、取得した表示制御情報を管理端末制御部42に送信する。
【0060】
管理端末制御部42は、制御情報取得部41から各種制御情報を受信し、受信した情報を用いて演算処理を行い、その結果に基づいて管理端末Cにおける各種制御処理を実行する。ここでは、制御情報取得部41から受信した表示制御情報に基づいて、表示装置5に各種情報を表示する。
【0061】
上述の構成とすることにより、表示装置5において表示される推移グラフにおいて、管理者にとって注目すべき箇所を自動的に強調して表示することが可能となる。
【0062】
〔実施例1−構成(2)〕
次に、本発明の第一実施例において、スタンドアローン形態を用いた場合を例に図面を用いて説明する。図5に、本発明の操作状況管理システムを構成する端末B、及び外部表示装置Dの機能ブロック図を示す。本発明における各構成部及び各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一の領域を為していてもよい。
【0063】
また、図5は、本発明において必要となる最小限度の機器、構成部及び手段等のみを記載しており、その他の機器、構成部及び手段等についてはその記載を省略する。
【0064】
端末Bは、端末Bに対して各種情報を入力する入力装置4、受信した情報を用いた演算処理の結果に基づいて端末Bの制御処理を実行する端末制御部31、端末Bにおいて実行された制御処理の履歴を示す操作ログ情報を生成する操作ログ情報生成部32、操作ログ情報を記憶する操作ログ情報記憶部12、端末Bにおいて実行された問題操作に関するアラーム情報を生成するアラーム情報生成部33、アラーム情報を記憶するアラーム情報記憶部14、記憶されたアラーム情報の発生件数を集計する集計部15、集計された結果情報を記憶する集計結果記憶部16、集計結果の推移を示すグラフを生成する推移グラフ生成部17、集計結果から要注目期間を判定する判定部18、要注目期間を強調する表示情報を生成する強調表示生成部19、推移グラフと強調表示とを表示させる表示制御情報を表示装置5又は外部表示装置Dに送信する表示制御部20、表示制御情報に従って表示を行う表示装置5を備えている。
【0065】
外部表示装置Dは、端末Bから外部表示装置Dに対する表示制御情報を受信する制御情報取得部50、制御情報取得部50によって取得した制御情報に基づいて表示を行う表示部51を備えている。
【0066】
以下、図5に記載した本発明を構成する機能ブロック図に基づいて、各構成部の動作について説明する。はじめに、本発明の操作状況管理システムを構成する、端末Bの構成部について説明する。なお、〔実施例1−構成(1)〕と同様の構成部又は同様の動作については、その詳細な説明を省略する。
【0067】
操作ログ情報生成部32は、端末制御部31によって実行された各種制御処理を検出し、操作ログ情報を生成する。そして、生成した操作ログ情報を操作ログ情報記憶部12に記憶する。
【0068】
操作ログ情報記憶部12には、操作ログ情報生成部32が生成した操作ログ情報が記憶される。その際の記憶形式は、操作ログ情報に含まれるエージェント情報を利用して、端末又はユーザ別に関連付けて記憶するという形式にすると好適である。さらに、操作ログ情報に含まれる日時情報を利用して、操作ログ情報を取得した順に時系列的に記憶するという形式にしてもよい。
【0069】
アラーム情報生成部33は、端末制御部31によって生成される各種制御処理のうち、問題操作に該当する制御処理を検出し、アラーム情報を生成する。そして、生成したアラーム情報をアラーム情報記憶部14に記憶する。
【0070】
アラーム情報記憶部14は、アラーム情報生成部33が生成したアラーム情報が記憶される。その際の記憶形式は、アラーム情報に含まれるエージェント情報を利用して、端末又はユーザ別に関連付けて記憶するという形式にすると好適である。さらに、アラーム情報に含まれる日時情報を利用して、アラーム情報を取得した順に時系列的に記憶するという形式にしてもよい。
【0071】
表示制御部20は、推移グラフ生成部17から取得した推移グラフと、強調表示生成部19から取得した強調表示情報とを合成して表示制御情報を生成し、表示装置5に表示させる。
【0072】
また、表示制御部20は、生成した強調表示情報を、端末Bと接続する外部表示装置Dに対して送信してもよい。
【0073】
次に、本発明の操作状況管理システムを構成する、外部表示装置Dの構成部について説明する。
【0074】
制御情報取得部50は、端末Bから送信された表示制御情報を取得し、取得した表示制御情報を表示部51に送信する。
【0075】
表示部51は、制御情報取得部50から取得した表示制御情報に基づいて、外部表示装置Dの表示装置(図示せず)に表示する。
【0076】
上述の構成とすることにより、管理サーバAを設けることなく、端末B単体で本発明の実現が可能となる。
【0077】
〔実施例1−処理プロセス(1)〕
次に、本発明の操作状況監視システムをクライアントサーバ形態で動作させる場合における処理プロセスの一例を、図4の機能ブロック図及び図6のフローチャート等を用いて説明する。
【0078】
管理サーバAの操作ログ情報取得部11は、端末Bの操作ログ情報生成部32によって生成された操作ログ情報を取得し、操作ログ情報記憶部12に記憶する(S101)。なお、操作ログ情報生成部32による操作ログ情報の送信タイミングは、操作ログ情報を生成した時点で、その都度送信するという形式としても良いし、生成した操作ログ情報を所定期間溜め込み、特定のタイミングで一度に送信するという形式でも良い。
【0079】
図7に、操作ログ情報記憶部12に記憶される操作ログ情報の一例を示す。この図に示すとおり、以下の処理プロセスでは具体的に、操作ログ情報に含まれる処理内容情報として「イベント」、予め設定される処理内容の分類を示す「カテゴリ」、どの問題操作の類型に該当するかを示すアラーム類型情報として「アラーム類型」、エージェント情報として「部署ID」・「端末ID」・「ユーザID」、日時情報として「イベント日時」という項目が用いられる、という場合を例に説明する。
【0080】
上記のアラーム類型について、ここでは、端末のハードウェア構成やソフトウェア構成に変更を加える操作を「資産変更」、管理者が予め定めたアプリケーション以外の不許可アプリケーションを起動する操作を「アプリ」、管理者が予め定めた違反操作内容に該当する操作を「違反操作」、管理者が予め閲覧禁止と設定したWebページを閲覧する操作を「Web」、予め印刷禁止と設定した文書を印刷したり、予め定められたプリント枚数以上の枚数を印刷したりする操作を「印刷」として表示することとする。
【0081】
管理サーバAのアラーム情報取得部13は、端末Bのアラーム情報生成部33によって生成されたアラーム情報を取得し、アラーム情報記憶部14に記憶する(S102)。なお、アラーム情報生成部33によるアラーム情報の送信タイミングは、アラーム情報を生成した時点で、その都度送信するという形式としても良いし、生成したアラーム情報を所定期間溜め込み、特定のタイミングで一度に送信するという形式でも良い。
【0082】
図8に、アラーム情報記憶部14に記憶されるアラーム情報の一例を示す。この図に示すとおり、以下の処理プロセスでは具体的に、アラーム情報に含まれる問題操作の内容を示す情報として「イベント」、予め設定される処理内容の分類を示す「カテゴリ」、エージェント情報として「部署ID」・「端末ID」・「ユーザID」、日時情報として「イベント日時」という項目が用いられるという場合を例に説明する。
【0083】
集計部15は、所定期間毎の操作ログ情報及びアラーム情報の出力件数を集計し、結果を集計結果記憶部16に記憶する(S103)。なお、その所定期間毎の操作ログ情報件数の中に含まれるアラーム情報件数の割合を集計結果として算出するとしても良い。また、集計結果をイベントのカテゴリ別に算出して記憶するという形式としても良い。
【0084】
図9に、集計結果記憶部16に記憶される集計結果の一例を示す。この図では、所定期間を1ヶ月とし、1ヶ月毎に集計した結果を、処理内容のカテゴリ別に示している。さらに、操作ログ情報件数の中に含まれるアラーム情報件数の割合を「異常率」、そして操作ログ情報件数の中でアラーム情報件数を除いた割合を「正常率」として表示している。以下の処理プロセスでは、この「正常率」を用いる場合を例に説明する。
【0085】
推移グラフ生成部17は、集計結果記憶部16に記憶されている「2009年6月」から「2010年5月」までの「正常率」のデータを用いて、推移グラフを生成する(S104)。図10に、生成された推移グラフの一例を示す。
【0086】
判定部18は、集計結果記憶部16に記憶されている「正常率」に基づき、要注目期間を判定する(S105)。なお、本処理プロセスでは、予め所定値を「正常率60パーセント」と定め、「正常率60パーセント未満」の集計期間を、要注目期間と判定することとする。その結果、カテゴリ「操作」の「2009年8月」と「2010年4月」、及びカテゴリ「セキュリティ」の「2009年12月」が要注目期間と判定される(S106)。
【0087】
強調表示生成部19は、要注目期間のデータを強調するための強調表示情報を生成する(S107)。なお、本処理プロセスでは強調表示情報として、推移グラフ上におけるデータを示す点の形状を変化させるという形の強調表示情報を生成することとする。その他、推移グラフ上において、要注目期間のデータを示す点のそばにコメント等が記載された吹き出しを表示するという形の強調表示情報、データを示す点の色を変化させるという強調表示情報、又は要注目である旨を示すマークや図形を表示するという形の強調表示情報を生成するという形式としても良い。
【0088】
また、強調表示生成部19が生成する強調表示情報の一例として、要注目期間のデータを示す点のそばに、当該要注目期間において取得したアラーム情報のうち、取得件数が一番多かった(または一番少なかった)アラーム類型を表示するという形式としてもよい。この形式にすることにより、要注目期間において、どの類型に属する問題操作が多く行われていたのかという情報を容易に確認することが可能となる。
【0089】
表示制御部20は、推移グラフと強調表示情報とを合成し、表示制御情報を生成する(S108)。生成された表示制御情報は管理端末Cに送信され、管理端末制御部42によって、管理端末Cの表示装置5に表示される(S109)。
【0090】
図11に、表示装置5に表示される画像のイメージを示す。この図では、管理端末Cの表示装置5の画面60と、管理サーバAから受信した表示制御情報を表示するための表示ウィンドウ61と、アラーム情報発生件数の時系列的な推移を示す推移グラフを表示させるための表示領域62と、折れ線グラフ形式の推移グラフ63と、要注目期間のデータを強調する強調表示情報64の具体例を示している。
【0091】
〔実施例1−処理プロセス(2)〕
次に、本発明の操作状況監視システムをクライアントサーバ形態で動作させる場合における処理プロセスの別の一例について、図4の機能ブロック図及び図6のフローチャート等を用いて説明する。なお、図6のフローチャートにおける(S101)から(S104)の動作については、〔実施例1−処理プロセス(1)〕と同様のため、その詳細を省略する。
【0092】
判定部18は、集計結果記憶部16に記憶されている「正常率」に基づき、要注目期間を判定する(S105)。なお、本処理プロセスでは、予め、「正常率60パーセント未満」の集計期間を「レベル1」、「正常率50パーセント未満」の集計期間を「レベル2」、「正常率40パーセント未満」の集計期間を「レベル3」と定め、それぞれに該当する期間を要注目期間と判定し、重要度別に分類することとする。その結果、「レベル1」はカテゴリ「操作」の「2010年4月」、「レベル2」はカテゴリ「操作」の「2010年4月」、「レベル3」は「セキュリティ」の「2009年12月」と判定される(S106)。
【0093】
強調表示生成部19は、要注目期間のデータを強調するための強調表示情報を生成する(S107)。なお、本処理プロセスでは強調表示情報として、推移グラフ上におけるデータを示す点の形状を、重要度別に変化させるという形の強調表示情報を生成することとする。具体的には、「レベル1」、「レベル2」、「レベル3」と重要度が上がるにつれ、より目立つような強調表示情報が生成されることとする。
【0094】
上記の「より目立つような強調表示情報」とは、推移グラフ上における注目期間のデータを示す点について、他のデータを示す点と差別化するために、視覚的に異なる表示をすることをいう。具体的には、点の形状を変化させる(丸型から三角や四角型に変化させる。または、二重丸や三重丸型に変化させるなど)、点のサイズを大きくする(他の点と比べて2倍や3倍などにする)、点の色を変化させる(他の点とは違う色にする。または色を点滅させるなど)というような表示が考えられる。なお、これらは一例であって限定されるものではない。
【0095】
表示制御部20は、推移グラフと強調表示情報とを合成し、表示制御情報を生成する(S108)。生成された表示制御情報は管理端末Cに送信され、管理端末制御部42によって、管理端末Cの表示装置5に表示される(S109)。図12に、表示装置5に表示される画像のイメージを示す。なお、ここでは、重要度のレベル別に強調表示の形式を変化させるという形式としているが、その他、要注目期間のデータを示す点のそばに重要度レベルを示す数字等を表示するという形式としても良い。
【0096】
〔実施例1−処理プロセス(3)〕
次に、本発明の操作状況監視システムをクライアントサーバ形態で動作させる場合における処理プロセスの別の一例について、図4の機能ブロック図及び図6のフローチャート等を用いて説明する。なお、図6のフローチャートにおける(S101)から(S104)の動作については、〔実施例1−処理プロセス(1)〕と同様のため、その詳細を省略する。
【0097】
判定部18は、集計結果記憶部16に記憶されている「正常率」に基づき、要注目期間を判定する(S105)。なお、本処理プロセスでは、推移グラフを生成する集計期間の範囲内において、正常率が一番高い値と一番低い値の両方を抽出し、それぞれを要注目期間と判定することとする。その結果、カテゴリ「資産」の「2010年4月」、及びカテゴリ「セキュリティ」の「2009年12月」と判定される(S106)。
【0098】
強調表示生成部19は、要注目期間のデータを強調するための強調表示情報を生成する(S107)。なお、本処理プロセスでは強調表示情報として、推移グラフ上におけるデータを示す点の形状を変化させるという形の強調表示情報を生成することとする。
【0099】
表示制御部20は、推移グラフと強調表示情報とを合成し、表示制御情報を生成する(S108)。生成された表示制御情報は管理端末Cに送信され、管理端末制御部42によって、管理端末Cの表示装置5に表示される(S109)。図13に、表示装置5に表示される画像のイメージを示す。ここで示す強調表示の形式以外にも、例えば、要注目期間のデータを示す点のそばに最大値又は最小値を示す表示を行うという形式としても良い。
【0100】
〔実施例1−処理プロセス(4)〕
次に、本発明の操作状況監視システムをクライアントサーバ形態で動作させる場合における処理プロセスの別の一例について、図4の機能ブロック図及び図6のフローチャート等を用いて説明する。なお、図6のフローチャートにおける(S101)、(S103)、及び(S104)の動作については、〔実施例1−処理プロセス(1)〕と同様のため、その詳細を省略する。
【0101】
集計部15は、所定期間毎の操作ログ情報及びアラーム情報の出力件数を集計し、結果を集計結果記憶部16に記憶する(S103)。図14に、集計結果記憶部16に記憶される集計結果の一例を示す。なお、本処理プロセスにおいて集計部15は、前年度における同時期の集計結果を集計結果記憶部16から抽出し、前年度と今回との差分を算出し、今回の集計結果として集計結果記憶部16に「前年度差分」として記憶することとする。以下の処理プロセスでは、この「前年度差分」を用いる場合を例に説明する(S106)。
【0102】
判定部18は、集計結果記憶部16に記憶されている「前年度差分」に基づき、要注目期間を判定する(S105)。なお、本処理プロセスでは、予め所定値を「−10」と定め、前年度差分「−10未満」の集計期間を、要注目期間と判定することとする。その結果、カテゴリ「操作」の「2009年11月」、及びカテゴリ「セキュリティ」の「2009年12月」が要注目期間と判定される。
【0103】
強調表示生成部19は、要注目期間のデータを強調するための強調表示情報を生成する(S107)。なお、本処理プロセスでは強調表示情報として、推移グラフ上におけるデータを示す点の形状を変化させるという形の強調表示情報を生成することとする。
【0104】
表示制御部20は、推移グラフと強調表示情報とを合成し、表示制御情報を生成する(S108)。生成された表示制御情報は管理端末Cに送信され、管理端末制御部42によって、管理端末Cの表示装置5に表示される(S109)。図15に、表示装置5に表示される画像のイメージを示す。
【実施例2】
【0105】
〔実施例2−構成(1)〕
以下、図面を用いて本発明の第二実施例について説明する。まず、実施形態としてクライアントサーバ形態を用いた場合を例に説明する。図16に、本発明の操作状況管理システムを構成する管理サーバA、端末B及び管理端末Cの機能ブロック図を示す。本発明における各構成部及び各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一の領域を為していてもよい。
【0106】
また、図16は、本発明において必要となる最小限度の機器、構成部及び手段等のみを記載しており、その他の機器、構成部及び手段等についてはその記載を省略する。なお、〔実施例1−構成(1)〕と同一の構成部等には同一の符号を付しており、同じ動作をする場合にはその詳細な説明は省略する。
【0107】
管理サーバAは、判定部18の内部に、集計結果記憶部16に記憶されている情報から所定の平均値を算出する平均値算出手段21と、算出した平均値を利用して要注目期間を判定する要注目期間判定手段22とを備えているという点において、〔実施例1−構成(1)〕と異なっている。
【0108】
以下、図16に記載した本発明を構成する機能ブロック図に基づいて、各構成部の動作について説明する。なお、〔実施例1−構成(1)〕と同様の構成部又は同様の動作については、その詳細な説明を省略する。
【0109】
平均値算出手段21は、集計結果記憶部16に記憶されている情報から、推移グラフを生成する集計期間の範囲内における集計結果の平均値を算出し、その算出した平均値を要注目期間判定手段22に送信する。
【0110】
要注目期間判定手段22は、平均値算出手段21から取得した平均値を用いて判定条件を設定し、集計結果が当該判定条件を満たしている集計期間を特定し、その集計期間を要注目期間と判定する。そして、判定した要注目期間に関する情報を強調表示生成部19に送信する。具体的には、平均値に対し上下の幅(所定の範囲値)を設け、その幅に含まれているか含まれていないかを判定するという処理を行う。なお、所定の範囲値は、上下で同じ値に限らず、異なる値としてもよい。例えば、上側では大きな値とし、下側では小さな値とするなどである。
【0111】
上述の構成とすることにより、表示装置5において表示される推移グラフにおいて、突出した値を示す箇所を自動的に強調表示することができるため、管理者は注目すべき箇所を容易に特定することが可能となる。
【0112】
〔実施例2−構成(2)〕
次に、本発明の第二実施例において、スタンドアローン形態を用いた場合を例に図面を用いて説明する。図17に、本発明の操作状況管理システムを構成する端末B、及び外部表示装置Dの機能ブロック図を示す。本発明における各構成部及び各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一の領域を為していてもよい。
【0113】
また、図17は、本発明において必要となる最小限度の機器、構成部及び手段等のみを記載しており、その他の機器、構成部及び手段等についてはその記載を省略する。なお、〔実施例1−構成(2)〕と同一の構成部等には同一の符号を付しており、同じ動作をする場合にはその詳細な説明は省略する。
【0114】
端末Bは、は、判定部18の内部に、集計結果記憶部16に記憶されている情報から所定の平均値を算出する平均値算出手段21と、算出した平均値を利用して要注目期間を判定する要注目期間判定手段22とを備えているという点において、〔実施例1−構成(2)〕と異なっている。
【0115】
上述の構成とすることにより、管理サーバAを設けることなく、端末B単体で本発明の実現が可能となる。
【0116】
〔実施例2−処理プロセス〕
次に、本発明の操作状況監視システムをクライアントサーバ形態で動作させる場合における処理プロセスの一例について、図16の機能ブロック図及び図18のフローチャート等を用いて説明する。なお、図18のフローチャートにおける(S201)から(S204)の動作については、〔実施例1−処理プロセス(1)〕と同様のため、その詳細を省略する。
【0117】
判定部18の平均値算出手段21は、集計結果記憶部16に記憶されている「正常率」に基づき、平均値を算出する(S205)。集計値が図9のとおりに記憶されていた場合、カテゴリ「操作」の平均値は「約77パーセント」、カテゴリ「資産」の平均値は「約91パーセント」、カテゴリ「セキュリティ」の平均値は「約75パーセント」と算出される。
【0118】
判定部18の要注目判定手段22は、平均値を用いて設定した判定条件に基づき、要注目期間を判定する(S206)。なお、本処理プロセスでは、判定条件について、「平均値−5パーセント未満」の集計期間を、要注目期間と判定することとする。その結果、カテゴリ「操作」は「72パーセント未満」、カテゴリ「資産」は「86パーセント未満」、カテゴリ「セキュリティ」は「70パーセント未満」が判定条件となり、その判定条件に該当する期間が要注目期間と判定される(S207)。
【0119】
強調表示生成部19は、要注目期間のデータを強調するための強調表示情報を生成する(S208)。なお、本処理プロセスでは強調表示情報として、推移グラフ上におけるデータを示す点の形状を変化させるという形の強調表示情報を生成することとする。
【0120】
表示制御部20は、推移グラフと強調表示情報とを合成し、表示制御情報を生成する(S209)。生成された表示制御情報は管理端末Cに送信され、管理端末制御部42によって、管理端末Cの表示装置5に表示される(S210)。図19に、表示装置5に表示される画像のイメージを示す。
【実施例3】
【0121】
〔実施例3−構成(1)〕
以下、図面を用いて本発明の第三実施例について説明する。まず、実施形態としてクライアントサーバ形態を用いた場合を例に説明する。図20に、本発明の操作状況管理システムを構成する管理サーバA、端末B及び管理端末Cの機能ブロック図を示す。本発明における各構成部及び各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一の領域を為していてもよい。
【0122】
また、図20は、本発明において必要となる最小限度の機器、構成部及び手段等のみを記載しており、その他の機器、構成部及び手段等についてはその記載を省略する。なお、〔実施例1−構成(1)〕及び〔実施例2−構成(1)〕と同一の構成部等には同一の符号を付しており、同じ動作をする場合にはその詳細な説明は省略する。
【0123】
管理サーバAは、判定部18の内部に、集計結果記憶部16に記憶されている情報から特定期間とその特定期間に隣接する期間の値を取得する隣接値取得手段23と、取得した隣接値を利用して要注目期間を判定する要注目期間判定手段22とを備えているという点において、〔実施例1−構成(1)〕及び〔実施例2−構成(1)〕と異なっている。
【0124】
以下、図20に記載した本発明を構成する機能ブロック図に基づいて、各構成部の動作について説明する。なお、〔実施例1−構成(1)〕及び〔実施例2−構成(1)〕と同様の構成部又は同様の動作については、その詳細な説明を省略する。
【0125】
隣接値取得手段23は、集計結果記憶部16に記憶されている情報から、各集計期間毎に、その集計期間の前に隣接する集計期間の値を取得し、それぞれの差分について判定する。そしてその判定結果を対前集計期間比という情報にまとめて集計結果記憶部16に記憶する。
【0126】
要注目期間判定手段22は、集計結果記憶部16に記憶されている対前集計期間比の情報を取得し、その対前集計期間比が予め定められた判定条件を満たしている集計期間を特定し、その集計期間を要注目期間と判定する。そして、判定した要注目期間に関する情報を強調表示生成部19に送信する。
【0127】
上述の構成とすることにより、表示装置5において表示される推移グラフにおいて、データが激しく変動している箇所を自動的に強調表示することができるため、管理者は注目すべき箇所を容易に特定することが可能となる。
【0128】
〔実施例3−構成(2)〕
次に、本発明の第三実施例において、スタンドアローン形態を用いた場合を例に図面を用いて説明する。図21に、本発明の操作状況管理システムを構成する端末B、及び外部表示装置Dの機能ブロック図を示す。本発明における各構成部及び各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一の領域を為していてもよい。
【0129】
また、図21は、本発明において必要となる最小限度の機器、構成部及び手段等のみを記載しており、その他の機器、構成部及び手段等についてはその記載を省略する。なお、〔実施例1−構成(2)〕及び〔実施例2−構成(2)〕と同一の構成部等には同一の符号を付しており、同じ動作をする場合にはその詳細な説明は省略する。
【0130】
端末Bは、判定部18の内部に、集計結果記憶部16に記憶されている情報から特定期間とその特定期間に隣接する期間の値を取得する隣接値取得手段23と、取得した隣接値を利用して要注目期間を判定する要注目期間判定手段22とを備えているという点において、〔実施例1−構成(2)〕及び〔実施例2−構成(2)〕と異なっている。
【0131】
上述の構成とすることにより、管理サーバAを設けることなく、端末B単体で本発明の実現が可能となる。
【0132】
〔実施例3−処理プロセス〕
次に、本発明の操作状況監視システムをクライアントサーバ形態で動作させる場合における処理プロセスの一例について、図20の機能ブロック図及び図22のフローチャート等を用いて説明する。なお、図22のフローチャートにおける(S301)から(S304)の動作については、〔実施例1−処理プロセス(1)〕と同様のため、その詳細を省略する。
【0133】
判定部18の隣接値取得手段23は、集計結果記憶部16から、各集計期間毎に、その集計期間の前に隣接する集計期間の「正常値」を取得し(S305)、それぞれの差分を対前集計期間比という情報にまとめて集計結果記憶部16に記憶する。図23に、対前週計期間比が記憶された集計期間記憶部16の一例を示す。なお、本処理プロセスでは、対象となっている集計期間の「正常値」が隣接する前集計期間の「正常値」よりも増加している場合は「+」、減少している場合は「−」の記号が記憶されることとする。
【0134】
判定部18の要注目判定手段22は、予め設定された判定条件に基づき、要注目期間を判定する(S306)。なお、本処理プロセスでは、判定条件として、「対象集計期間の記号と前集計期間の記号が異なる」場合、その対象集計期間を、要注目期間と判定することとする。その結果、カテゴリ「操作」の「2009年8月」・「2009年9月」・「2009年10月」・「2009年11月」・「2010年4月」・「2010年5月」、カテゴリ「資産」の「2009年8月」・「2009年11月」・「2010年2月」・「2010年5月」、カテゴリ「セキュリティ」の「2009年8月」・「2009年10月」・「2010年1月」・「2010年3月」が要注目期間と判定される(S307)。
【0135】
強調表示生成部19は、要注目期間のデータを強調するための強調表示情報を生成する(S308)。なお、本処理プロセスでは強調表示情報として、推移グラフ上におけるデータを示す点の形状を変化させるという形の強調表示情報を生成することとする。
【0136】
表示制御部20は、推移グラフと強調表示情報とを合成し、表示制御情報を生成する(S309)。生成された表示制御情報は管理端末Cに送信され、管理端末制御部42によって、管理端末Cの表示装置5に表示される(S310)。図24に、表示装置5に表示される画像のイメージを示す。
【符号の説明】
【0137】
A:管理サーバ
B:端末
C:管理端末
D:外部表示装置
1:処理装置
2:記憶装置
3:通信装置
4:入力装置
5:表示装置
6:演算装置
7:制御装置
10:ネットワークI/F
11:操作ログ情報取得部
12:操作ログ情報記憶部
13:アラーム情報取得部
14:アラーム情報記憶部
15:集計部
16:集計結果記憶部
17:推移グラフ生成部
18:判定部
19:強調表示生成部
20:表示制御部
21:平均値算出手段
22:要注目期間判定手段
23:隣接値取得手段
30:ネットワークI/F
31:端末制御部
32:操作ログ情報生成部
33:アラーム情報生成部
40:ネットワークI/F
41:制御情報取得部
42:管理端末制御部
50:制御情報取得部
51:表示部
60:画面
61:表示ウィンドウ
62:表示領域
63:推移グラフ
64:強調表示情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末が実行した問題操作に関する情報と日時情報とを含むアラーム情報を記憶する記憶装置と、
前記アラーム情報を用いて前記端末の操作状況を管理する処理装置と、
前記処理装置の制御指示に基づいて前記操作状況を表示する表示装置と、
を備える操作状況監視システムであって、
前記処理装置が、
前記表示装置に、前記操作状況をグラフ形式で表示するための表示領域を表示させるステップと、
前記表示装置に、所定期間毎に集計した前記アラーム情報の発生件数の時系列的な推移を示す折れ線グラフを、前記表示領域に表示させるステップと、
前記表示装置に、前記処理装置において要注目と判定された集計期間を示す前記折れ線グラフ上の点を強調して表示させるステップと、
を実行することを特徴とする操作状況管理方法。
【請求項2】
端末が実行した問題操作に関する情報と日時情報とを含むアラーム情報を記憶する記憶装置と、
前記アラーム情報を用いて前記端末の操作状況を管理する処理装置と、
前記処理装置の制御指示に基づいて前記操作状況を表示する表示装置と、
を備える操作状況管理システムであって、
前記処理装置は、
前記記憶されたアラーム情報の発生件数を所定期間毎に集計する集計部と、
前記集計結果を用いて、前記集計期間のうち所定条件を満たしている期間を要注目期間と判定する判定部と、
前記集計結果の時系列的な推移を示すグラフを生成する推移グラフ生成部と、
前記推移グラフ上において要注目期間を示す点を強調する表示情報を生成する強調表示生成部と、
前記推移グラフと前記強調表示とを前記表示装置に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする操作状況管理システム。
【請求項3】
前記処理装置における判定部は、
前記集計結果を用いて前記アラーム情報の発生件数の平均値を算出する平均値算出手段と、
前記集計結果の特定期間における値と前記算出した平均値とを比較した比較結果に基づいて要注目期間かどうかを判定する要注目期間判定手段と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の操作状況管理システム。
【請求項4】
前記処理装置における前記判定部は、
前記集計結果の特定期間と当該特定期間に前後隣接する期間の値を取得する隣接値取得手段と、
前記特定期間の値と取得した隣接期間の値との変化に基づいて要注目期間であるか判定する要注目期間判定手段と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の操作状況管理システム。
【請求項5】
端末が実行した問題操作に関する情報と日時情報とを含むアラーム情報を記憶する記憶装置と、
前記アラーム情報を用いて前記端末の操作状況を管理する処理装置と、
前記処理装置の制御指示に基づいて前記操作状況を表示する表示装置と、
を備える操作状況管理システムに用いるプログラムであって、
前記処理装置に、
前記記憶されたアラーム情報の発生件数を所定期間毎に集計する集計機能と、
前記集計結果を用いて、前記集計期間のうち所定条件を満たしている期間を要注目期間と判定する判定機能と、
前記集計結果の時系列的な推移を示すグラフを生成する推移グラフ生成機能と、
前記推移グラフ上において前記要注目期間を示す点を強調する表示情報を生成する強調表示生成機能と、
前記推移グラフと前記強調表示とを前記表示装置に表示させる表示制御機能と、
を実現させることを特徴とする操作状況管理プログラム。
【請求項1】
端末が実行した問題操作に関する情報と日時情報とを含むアラーム情報を記憶する記憶装置と、
前記アラーム情報を用いて前記端末の操作状況を管理する処理装置と、
前記処理装置の制御指示に基づいて前記操作状況を表示する表示装置と、
を備える操作状況監視システムであって、
前記処理装置が、
前記表示装置に、前記操作状況をグラフ形式で表示するための表示領域を表示させるステップと、
前記表示装置に、所定期間毎に集計した前記アラーム情報の発生件数の時系列的な推移を示す折れ線グラフを、前記表示領域に表示させるステップと、
前記表示装置に、前記処理装置において要注目と判定された集計期間を示す前記折れ線グラフ上の点を強調して表示させるステップと、
を実行することを特徴とする操作状況管理方法。
【請求項2】
端末が実行した問題操作に関する情報と日時情報とを含むアラーム情報を記憶する記憶装置と、
前記アラーム情報を用いて前記端末の操作状況を管理する処理装置と、
前記処理装置の制御指示に基づいて前記操作状況を表示する表示装置と、
を備える操作状況管理システムであって、
前記処理装置は、
前記記憶されたアラーム情報の発生件数を所定期間毎に集計する集計部と、
前記集計結果を用いて、前記集計期間のうち所定条件を満たしている期間を要注目期間と判定する判定部と、
前記集計結果の時系列的な推移を示すグラフを生成する推移グラフ生成部と、
前記推移グラフ上において要注目期間を示す点を強調する表示情報を生成する強調表示生成部と、
前記推移グラフと前記強調表示とを前記表示装置に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする操作状況管理システム。
【請求項3】
前記処理装置における判定部は、
前記集計結果を用いて前記アラーム情報の発生件数の平均値を算出する平均値算出手段と、
前記集計結果の特定期間における値と前記算出した平均値とを比較した比較結果に基づいて要注目期間かどうかを判定する要注目期間判定手段と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の操作状況管理システム。
【請求項4】
前記処理装置における前記判定部は、
前記集計結果の特定期間と当該特定期間に前後隣接する期間の値を取得する隣接値取得手段と、
前記特定期間の値と取得した隣接期間の値との変化に基づいて要注目期間であるか判定する要注目期間判定手段と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の操作状況管理システム。
【請求項5】
端末が実行した問題操作に関する情報と日時情報とを含むアラーム情報を記憶する記憶装置と、
前記アラーム情報を用いて前記端末の操作状況を管理する処理装置と、
前記処理装置の制御指示に基づいて前記操作状況を表示する表示装置と、
を備える操作状況管理システムに用いるプログラムであって、
前記処理装置に、
前記記憶されたアラーム情報の発生件数を所定期間毎に集計する集計機能と、
前記集計結果を用いて、前記集計期間のうち所定条件を満たしている期間を要注目期間と判定する判定機能と、
前記集計結果の時系列的な推移を示すグラフを生成する推移グラフ生成機能と、
前記推移グラフ上において前記要注目期間を示す点を強調する表示情報を生成する強調表示生成機能と、
前記推移グラフと前記強調表示とを前記表示装置に表示させる表示制御機能と、
を実現させることを特徴とする操作状況管理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−22593(P2012−22593A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161342(P2010−161342)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(599108242)Sky株式会社 (257)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(599108242)Sky株式会社 (257)
[ Back to top ]