操作用ワイヤロープ
【課題】泥や砂が混ざった摺動条件が劣悪な環境で使用された場合でも、十分な耐久性を有する操作用ワイヤロープを提供する。
【解決手段】複数本の素線を撚り合わせた芯ストランドの周囲に、複数本の素線を撚り合わせた側ストランドを複数本撚り合わせた操作用ワイヤロープで、側ストランドを構成する素線径が0.07〜0.22mmで、芯ストランドの断面係数をX0、側ストランドの断面係数をX1とした場合に、2.0≦X0/X1≦3.7を満足させるようにした。
【解決手段】複数本の素線を撚り合わせた芯ストランドの周囲に、複数本の素線を撚り合わせた側ストランドを複数本撚り合わせた操作用ワイヤロープで、側ストランドを構成する素線径が0.07〜0.22mmで、芯ストランドの断面係数をX0、側ストランドの断面係数をX1とした場合に、2.0≦X0/X1≦3.7を満足させるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の窓や扉などの開閉用に使用される操作用ワイヤロープ、特に、自動車のパワースライドドアの開閉操作用に好適なワイヤロープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のパワースライドドアの開閉操作に使用するワイヤロープは、外部との接触が多く、雨水や泥、砂等の影響を受け易く、摺動条件が劣悪な環境で使用される。
したがって、パワースライドドア用に使用される操作用ワイヤロープは、屈曲性能と共に、曲げ耐久性が特に良好でなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来、パワースライドドア用に使用される操作用ワイヤロープの曲げ耐久性は、回転プーリーに掛け渡して行う負荷試験で評価を行うのが一般的である。
【0004】
ところが、この回転式プーリー曲げ耐久試験で良好な試験結果を得られた操作用ワイヤロープでも、泥や砂が混ざった摺動条件が劣悪な環境で使用された場合には、十分な耐久性を有しないということがあった。
【0005】
そこで、この発明は、泥や砂が混ざった摺動条件が劣悪な環境で使用された場合でも、十分な耐久性を有する操作用ワイヤロープを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、泥や砂が混ざった摺動条件が劣悪な環境で使用された場合でも、良好な耐久性を有する操作用ワイヤロープは、プーリーを固定し、プーリーとワイヤロープとの間で摩擦が生じる条件で曲げ耐久試験を行った結果、その結果が良好なものであるということを見出し、さらに、ある条件を満足した操作用ワイヤロープだけが、回転式プーリー曲げ耐久試験と固定式プーリー曲げ耐久試験の両試験で良好な結果が得られるということを見出したのである。
【0007】
即ち、複数本の素線を撚り合わせた芯ストランドの周囲に、複数本の素線を撚り合わせた側ストランドを複数本撚り合わせた下記式を満足し、側ストランドを構成する素線径が0.07〜0.22mmである操作用ワイヤロープが、回転式プーリー曲げ耐久試験と固定式プーリー曲げ耐久試験の両試験で良好な結果が得られる。
芯ストランドの断面係数をX0、側ストランドの断面係数をX1とした場合に、
2.0≦X0/X1≦3.7
【0008】
ここで、断面係数Xは、ストランドの撚り層数をY層とすると、芯ストランドが単撚りロープの場合と複撚りロープの場合とでそれぞれ次のように定義されるものである。
(1)芯ストランドが単撚りロープの場合
i)中心が1本ベースの時(但し、芯の1本は撚り層数に計上しない。)
X=1+2×Y・・・・(式1)
ii)中心が3本ベースの時(但し、芯の3本は撚り層数に計上しない。)
X=2+2×Y・・・・(式2)
(2)芯ストランドが複撚りロープの場合
芯ストランドを構成する芯ストランドを芯芯ストランド、
芯ストランドを構成する側ストランドを芯側ストランドとし、
芯芯ストランドの断面係数をx0、
芯側ストランドの断面係数をx1とすると、
X=x0+2×x1・・・・(式3)
【発明の効果】
【0009】
以上のように、この発明に係る操作用ワイヤロープは、回転式プーリー曲げ耐久試験と固定式プーリー曲げ耐久試験の両試験で良好な結果が得られるものであり、パワースライドドア操作用ワイヤロープのように、泥や砂が混ざった摺動条件が劣悪な環境で使用された場合でも、十分な耐久性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、37+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図1のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が37本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2、a3の3層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図1のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式1)から
X0=1+2×3=7
となる。
側ストランドBは9本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図1のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0011】
図2は、49+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図2のワイヤロープは、芯ストランドAが、7本撚り芯芯ストランドの周囲に、7本撚り芯側ストランドを6本撚り合わせた複撚りロープであり、素線数が計49本である。
7本撚り芯芯ストランドと7本撚り芯側ストランドは、それぞれ素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)で、その周囲にa1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図2の芯芯ストランドの断面係数x0と芯側ストランドの断面係数x1は、(式1)から、
x0=1+2×1=3
x1=1+2×1=3
となり、
芯ストランドAの断面係数X0は、(式3)から、
X0=3+2×3=9
となる。
図2の側ストランドBは9本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図2のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0012】
図3は、19+8×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図3のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が19本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図3のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式1)から
X0=1+2×2=5
となる。
側ストランドBは8本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図3のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0013】
図4は、7×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図4のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図4のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式1)から
X0=1+2×1=3
となる。
側ストランドBは6本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図4のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
図5は、7×w(19)で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図5のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が19本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図5のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式1)から
X0=1+2×2=5
となる。
側ストランドBは6本で、各側ストランドBは、素線が19本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1、b2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図5のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×2=5
となる。
【0014】
図6は、37+8×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図6のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が37本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2、a3の3層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図6のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式1)から
X0=1+2×3=7
となる。
側ストランドBは8本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図6のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0015】
図7は、19+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面図を示している。
この図7のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が19本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図7のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式1)から
X0=1+2×2=5
となる。
側ストランドBは9本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図7のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0016】
図8は、75+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図8のワイヤロープは、芯ストランドAが、19本撚り芯芯ストランドの周囲に、7本撚り芯側ストランドを8本撚り合わせた複撚りロープであり、素線数が計75本である。
19本撚り芯芯ストランドは、素線が19本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図8のワイヤロープの芯芯ストランドの断面係数x0は、(式1)から
x0=1+2×2=5
となる。
7本撚り芯側ストランドは、7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)で、その周囲にa1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図8の芯側ストランドの断面係数x1は、(式1)から、
x1=1+2×1=3
となり、
芯ストランドAの断面係数X0は、(式3)から、
X0=5+2×3=11
となる。
図8の側ストランドBは9本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図8のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0017】
図9は、27+8×7で表記されるワイヤロープの概略断面図を示している。
この図9のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が27本の単撚りロープであり、中心が3本ベース(素線a0)の周囲にa1、a2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図9のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式2)から
X0=2+2×2=6
となる。
側ストランドBは8本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図9のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0018】
図10は、27+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図10のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が27本の単撚りロープであり、中心が3本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図10のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式2)から
X0=2+2×2=6
となる。
側ストランドBは9本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図10のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0019】
図11は、37+11×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図11のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が37本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2、a3の3層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図11のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式1)から
X0=1+2×3=7
である。
側ストランドBは11本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図11のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0020】
図12は、361+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図12のワイヤロープは、芯ストランドAが、19本撚りの1本の芯芯芯ストランドA1の周囲に、19本撚り芯芯側ストランドA2を6本撚り合わせて、芯芯ストランドA3を形成し、この芯芯ストランドA3の周囲に、19本撚りの芯側ストランドA4を12本撚り合わせた複撚りロープであり、素線数が計361本である。
19本撚り芯芯芯ストランドA1、19本撚り芯芯側ストランドA2、19本撚りの芯側ストランドA4は、それぞれ素線が19本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)で、その周囲にa1、a2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図12の芯芯芯ストランドA1の断面係数x00と芯芯側ストランドA2の断面係数x01は、(式1)から、
x00=1+2×2=5
x01=1+2×2=5
となり、
芯芯ストランドA3の断面係数X10は、(式3)から、
X10=5+2×5=15
となる。
芯側ストランドA4の断面係数x11は、(式1)から、
x11=1+2×2=5
となり、
芯ストランドAの断面係数X0は、(式3)から、
X0=15+2×5=25
となる。
図12の側ストランドBは7本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図12のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0021】
以上の図1〜図12に示すワイヤロープ構成で、芯ストランドの断面係数X0と側ストランドの断面係数X1との比(X0/X1)と素線径を変化させ、回転式プーリー曲げ耐久試験と固定式プーリー曲げ耐久試験を行った結果を表1、表2に示す。
【0022】
表1、表2の結果から、2.0≦X0/X1≦3.7の範囲にあり、側ストランドの素線径が0.07〜0.22mmのワイヤロープが、回転式プーリー曲げ耐久試験と固定式プーリー曲げ耐久試験で良好な結果が得られるということが確認された。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
この発明のワイヤロープの耐久性試験は、次のような方法で行った。
まず、回転式プーリー曲げ耐久試験は、図13に示すように、試験ワイヤAの下端に、8kgの重りWを付け、上下2個の回転自在なプーリーP1、P2に掛け渡して水平に引き出し、その他端をエアシリンダCのロッドに接続して、エアシリンダCのロッドを水平に100mmのストロークで往復動させ、重りWの下降位置から上方に100mmの位置にストッパー板Sを設置し、エアシリンダCの往復動で重りWが上昇した位置で、重りWがストッパー板Sに、372Nの力で0.5秒間負荷がかかるようにして、エアシリンダCを往復させて重りWがストッパー板Sに当たる回数を1回として、試験ワイヤAが全損するまでの回数を測定した。
プーリーP1、P2は、溝底径が28mmで、溝形状が平溝で、溝幅が2.0mmのものを使用した。
【0026】
次に、固定式プーリー曲げ耐久試験は、図14に示す通りであり、プーリーP3、P4が回転しない固定式のものを使用した以外は、図13と同一条件とした
上記回転式プーリー曲げ耐久試験と固定式プーリー曲げ耐久試験における評価では、6万回を要求性能として評価を行い、6万回以下で断線したものには×、6万回以下で断線しなかったものを○の評価を付した。
【0027】
上記の耐久試験に用いた試験ワイヤは、いずれも芯ストランドと側ストランドの素線の材質は、ステンレス(SUS304)である。
なお、この発明のワイヤロープの材質としては、ステンレス以外の硬鋼線でもよく、表面に、樹脂被覆を設けたものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】37+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図2】49+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図3】19+8×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図4】7×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図5】7×w(19)で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図6】37+8×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図7】19+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面図である。
【図8】75+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図9】27+8×7で表記されるワイヤロープの概略断面図である。
【図10】27+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図11】37+11×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図12】361+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図13】回転式プーリー曲げ耐久試験の試験方法を示す概略図である。
【図14】固定式プーリー曲げ耐久試験の試験方法を示す概略図である。
【符号の説明】
【0029】
A 芯ストランド
B 側ストランド
P1、P2、P3、P4 プーリー
W 重り
C エアシリンダ
S ストッパー板
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の窓や扉などの開閉用に使用される操作用ワイヤロープ、特に、自動車のパワースライドドアの開閉操作用に好適なワイヤロープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のパワースライドドアの開閉操作に使用するワイヤロープは、外部との接触が多く、雨水や泥、砂等の影響を受け易く、摺動条件が劣悪な環境で使用される。
したがって、パワースライドドア用に使用される操作用ワイヤロープは、屈曲性能と共に、曲げ耐久性が特に良好でなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来、パワースライドドア用に使用される操作用ワイヤロープの曲げ耐久性は、回転プーリーに掛け渡して行う負荷試験で評価を行うのが一般的である。
【0004】
ところが、この回転式プーリー曲げ耐久試験で良好な試験結果を得られた操作用ワイヤロープでも、泥や砂が混ざった摺動条件が劣悪な環境で使用された場合には、十分な耐久性を有しないということがあった。
【0005】
そこで、この発明は、泥や砂が混ざった摺動条件が劣悪な環境で使用された場合でも、十分な耐久性を有する操作用ワイヤロープを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、泥や砂が混ざった摺動条件が劣悪な環境で使用された場合でも、良好な耐久性を有する操作用ワイヤロープは、プーリーを固定し、プーリーとワイヤロープとの間で摩擦が生じる条件で曲げ耐久試験を行った結果、その結果が良好なものであるということを見出し、さらに、ある条件を満足した操作用ワイヤロープだけが、回転式プーリー曲げ耐久試験と固定式プーリー曲げ耐久試験の両試験で良好な結果が得られるということを見出したのである。
【0007】
即ち、複数本の素線を撚り合わせた芯ストランドの周囲に、複数本の素線を撚り合わせた側ストランドを複数本撚り合わせた下記式を満足し、側ストランドを構成する素線径が0.07〜0.22mmである操作用ワイヤロープが、回転式プーリー曲げ耐久試験と固定式プーリー曲げ耐久試験の両試験で良好な結果が得られる。
芯ストランドの断面係数をX0、側ストランドの断面係数をX1とした場合に、
2.0≦X0/X1≦3.7
【0008】
ここで、断面係数Xは、ストランドの撚り層数をY層とすると、芯ストランドが単撚りロープの場合と複撚りロープの場合とでそれぞれ次のように定義されるものである。
(1)芯ストランドが単撚りロープの場合
i)中心が1本ベースの時(但し、芯の1本は撚り層数に計上しない。)
X=1+2×Y・・・・(式1)
ii)中心が3本ベースの時(但し、芯の3本は撚り層数に計上しない。)
X=2+2×Y・・・・(式2)
(2)芯ストランドが複撚りロープの場合
芯ストランドを構成する芯ストランドを芯芯ストランド、
芯ストランドを構成する側ストランドを芯側ストランドとし、
芯芯ストランドの断面係数をx0、
芯側ストランドの断面係数をx1とすると、
X=x0+2×x1・・・・(式3)
【発明の効果】
【0009】
以上のように、この発明に係る操作用ワイヤロープは、回転式プーリー曲げ耐久試験と固定式プーリー曲げ耐久試験の両試験で良好な結果が得られるものであり、パワースライドドア操作用ワイヤロープのように、泥や砂が混ざった摺動条件が劣悪な環境で使用された場合でも、十分な耐久性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、37+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図1のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が37本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2、a3の3層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図1のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式1)から
X0=1+2×3=7
となる。
側ストランドBは9本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図1のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0011】
図2は、49+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図2のワイヤロープは、芯ストランドAが、7本撚り芯芯ストランドの周囲に、7本撚り芯側ストランドを6本撚り合わせた複撚りロープであり、素線数が計49本である。
7本撚り芯芯ストランドと7本撚り芯側ストランドは、それぞれ素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)で、その周囲にa1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図2の芯芯ストランドの断面係数x0と芯側ストランドの断面係数x1は、(式1)から、
x0=1+2×1=3
x1=1+2×1=3
となり、
芯ストランドAの断面係数X0は、(式3)から、
X0=3+2×3=9
となる。
図2の側ストランドBは9本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図2のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0012】
図3は、19+8×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図3のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が19本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図3のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式1)から
X0=1+2×2=5
となる。
側ストランドBは8本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図3のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0013】
図4は、7×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図4のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図4のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式1)から
X0=1+2×1=3
となる。
側ストランドBは6本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図4のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
図5は、7×w(19)で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図5のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が19本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図5のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式1)から
X0=1+2×2=5
となる。
側ストランドBは6本で、各側ストランドBは、素線が19本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1、b2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図5のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×2=5
となる。
【0014】
図6は、37+8×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図6のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が37本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2、a3の3層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図6のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式1)から
X0=1+2×3=7
となる。
側ストランドBは8本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図6のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0015】
図7は、19+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面図を示している。
この図7のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が19本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図7のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式1)から
X0=1+2×2=5
となる。
側ストランドBは9本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図7のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0016】
図8は、75+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図8のワイヤロープは、芯ストランドAが、19本撚り芯芯ストランドの周囲に、7本撚り芯側ストランドを8本撚り合わせた複撚りロープであり、素線数が計75本である。
19本撚り芯芯ストランドは、素線が19本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図8のワイヤロープの芯芯ストランドの断面係数x0は、(式1)から
x0=1+2×2=5
となる。
7本撚り芯側ストランドは、7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)で、その周囲にa1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図8の芯側ストランドの断面係数x1は、(式1)から、
x1=1+2×1=3
となり、
芯ストランドAの断面係数X0は、(式3)から、
X0=5+2×3=11
となる。
図8の側ストランドBは9本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図8のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0017】
図9は、27+8×7で表記されるワイヤロープの概略断面図を示している。
この図9のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が27本の単撚りロープであり、中心が3本ベース(素線a0)の周囲にa1、a2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図9のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式2)から
X0=2+2×2=6
となる。
側ストランドBは8本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図9のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0018】
図10は、27+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図10のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が27本の単撚りロープであり、中心が3本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図10のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式2)から
X0=2+2×2=6
となる。
側ストランドBは9本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図10のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0019】
図11は、37+11×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図11のワイヤロープは、芯ストランドAが、素線が37本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)のその周囲にa1、a2、a3の3層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図11のワイヤロープの芯ストランドAの断面係数X0は、(式1)から
X0=1+2×3=7
である。
側ストランドBは11本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図11のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0020】
図12は、361+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図を示している。
この図12のワイヤロープは、芯ストランドAが、19本撚りの1本の芯芯芯ストランドA1の周囲に、19本撚り芯芯側ストランドA2を6本撚り合わせて、芯芯ストランドA3を形成し、この芯芯ストランドA3の周囲に、19本撚りの芯側ストランドA4を12本撚り合わせた複撚りロープであり、素線数が計361本である。
19本撚り芯芯芯ストランドA1、19本撚り芯芯側ストランドA2、19本撚りの芯側ストランドA4は、それぞれ素線が19本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線a0)で、その周囲にa1、a2の2層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図12の芯芯芯ストランドA1の断面係数x00と芯芯側ストランドA2の断面係数x01は、(式1)から、
x00=1+2×2=5
x01=1+2×2=5
となり、
芯芯ストランドA3の断面係数X10は、(式3)から、
X10=5+2×5=15
となる。
芯側ストランドA4の断面係数x11は、(式1)から、
x11=1+2×2=5
となり、
芯ストランドAの断面係数X0は、(式3)から、
X0=15+2×5=25
となる。
図12の側ストランドBは7本で、各側ストランドBは、素線が7本の単撚りロープであり、中心が1本ベース(素線b0)で、その周囲にb1の1層の撚り層(Y)を設けている。
したがって、図12のワイヤロープの側ストランドBの断面係数X1は、(式1)から
X1=1+2×1=3
となる。
【0021】
以上の図1〜図12に示すワイヤロープ構成で、芯ストランドの断面係数X0と側ストランドの断面係数X1との比(X0/X1)と素線径を変化させ、回転式プーリー曲げ耐久試験と固定式プーリー曲げ耐久試験を行った結果を表1、表2に示す。
【0022】
表1、表2の結果から、2.0≦X0/X1≦3.7の範囲にあり、側ストランドの素線径が0.07〜0.22mmのワイヤロープが、回転式プーリー曲げ耐久試験と固定式プーリー曲げ耐久試験で良好な結果が得られるということが確認された。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
この発明のワイヤロープの耐久性試験は、次のような方法で行った。
まず、回転式プーリー曲げ耐久試験は、図13に示すように、試験ワイヤAの下端に、8kgの重りWを付け、上下2個の回転自在なプーリーP1、P2に掛け渡して水平に引き出し、その他端をエアシリンダCのロッドに接続して、エアシリンダCのロッドを水平に100mmのストロークで往復動させ、重りWの下降位置から上方に100mmの位置にストッパー板Sを設置し、エアシリンダCの往復動で重りWが上昇した位置で、重りWがストッパー板Sに、372Nの力で0.5秒間負荷がかかるようにして、エアシリンダCを往復させて重りWがストッパー板Sに当たる回数を1回として、試験ワイヤAが全損するまでの回数を測定した。
プーリーP1、P2は、溝底径が28mmで、溝形状が平溝で、溝幅が2.0mmのものを使用した。
【0026】
次に、固定式プーリー曲げ耐久試験は、図14に示す通りであり、プーリーP3、P4が回転しない固定式のものを使用した以外は、図13と同一条件とした
上記回転式プーリー曲げ耐久試験と固定式プーリー曲げ耐久試験における評価では、6万回を要求性能として評価を行い、6万回以下で断線したものには×、6万回以下で断線しなかったものを○の評価を付した。
【0027】
上記の耐久試験に用いた試験ワイヤは、いずれも芯ストランドと側ストランドの素線の材質は、ステンレス(SUS304)である。
なお、この発明のワイヤロープの材質としては、ステンレス以外の硬鋼線でもよく、表面に、樹脂被覆を設けたものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】37+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図2】49+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図3】19+8×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図4】7×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図5】7×w(19)で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図6】37+8×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図7】19+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面図である。
【図8】75+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図9】27+8×7で表記されるワイヤロープの概略断面図である。
【図10】27+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図11】37+11×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図12】361+9×7で表記されるワイヤロープの概略断面構成図である。
【図13】回転式プーリー曲げ耐久試験の試験方法を示す概略図である。
【図14】固定式プーリー曲げ耐久試験の試験方法を示す概略図である。
【符号の説明】
【0029】
A 芯ストランド
B 側ストランド
P1、P2、P3、P4 プーリー
W 重り
C エアシリンダ
S ストッパー板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の素線を撚り合わせた芯ストランドの周囲に、複数本の素線を撚り合わせた側ストランドを複数本撚り合わせた下記式を満足し、側ストランドを構成する素線径が0.07〜0.22mmである操作用ワイヤロープ。
芯ストランドの断面係数をX0、側ストランドの断面係数をX1とした場合に、
2.0≦X0/X1≦3.7
ここで、断面係数Xは、ストランドの撚り層数をY層とすると、芯ストランドが単撚りロープの場合と複撚りロープの場合とでそれぞれ次のように定義される。
(1)芯ストランドが単撚りロープの場合
i)中心が1本ベースの時(但し、芯の1本は撚り層数に計上しない。)
X=1+2×Y
ii)中心が3本ベースの時(但し、芯の3本は撚り層数に計上しない。)
X=2+2×Y
(2)芯ストランドが複撚りロープの場合
芯ストランドを構成する芯ストランドを芯芯ストランド、
芯ストランドを構成する側ストランドを芯側ストランドとし、
芯芯ストランドの断面係数をx0、
芯側ストランドの断面係数をx1とすると、
X=x0+2×x1
【請求項2】
芯ストランドと側ストランドの素線が、ステンレス鋼線である請求項1記載の操作用ワイヤロープ。
【請求項3】
芯ストランドと側ストランドの素線が、硬鋼線である請求項1記載の操作用ワイヤロープ。
【請求項4】
表面に樹脂被覆を有する請求項1〜3のいずれかに記載の操作用ワイヤロープ。
【請求項1】
複数本の素線を撚り合わせた芯ストランドの周囲に、複数本の素線を撚り合わせた側ストランドを複数本撚り合わせた下記式を満足し、側ストランドを構成する素線径が0.07〜0.22mmである操作用ワイヤロープ。
芯ストランドの断面係数をX0、側ストランドの断面係数をX1とした場合に、
2.0≦X0/X1≦3.7
ここで、断面係数Xは、ストランドの撚り層数をY層とすると、芯ストランドが単撚りロープの場合と複撚りロープの場合とでそれぞれ次のように定義される。
(1)芯ストランドが単撚りロープの場合
i)中心が1本ベースの時(但し、芯の1本は撚り層数に計上しない。)
X=1+2×Y
ii)中心が3本ベースの時(但し、芯の3本は撚り層数に計上しない。)
X=2+2×Y
(2)芯ストランドが複撚りロープの場合
芯ストランドを構成する芯ストランドを芯芯ストランド、
芯ストランドを構成する側ストランドを芯側ストランドとし、
芯芯ストランドの断面係数をx0、
芯側ストランドの断面係数をx1とすると、
X=x0+2×x1
【請求項2】
芯ストランドと側ストランドの素線が、ステンレス鋼線である請求項1記載の操作用ワイヤロープ。
【請求項3】
芯ストランドと側ストランドの素線が、硬鋼線である請求項1記載の操作用ワイヤロープ。
【請求項4】
表面に樹脂被覆を有する請求項1〜3のいずれかに記載の操作用ワイヤロープ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−209503(P2009−209503A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56642(P2008−56642)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(392025652)クリサンセマム株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(392025652)クリサンセマム株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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