操作表示装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラム
【課題】操作性を確保しつつ、警告などの割り込み画面の内容を適切に報知可能な操作表示装置を提供する。
【解決手段】タッチパネルを有する操作表示装置では、操作画面が表示され、その操作画面に重ねて、報知画面が表示される。報知画面を表示する際に、タッチパネルへのタッチが検出されると(S103)、そのタッチの位置を含まない表示領域中に報知画面の表示位置を特定して(S107)、報知画面を表示する(S111)。操作表示装置では、報知画面外の、操作画面上でのタッチを受け付けると、操作画面に対する指示入力として受け付ける。
【解決手段】タッチパネルを有する操作表示装置では、操作画面が表示され、その操作画面に重ねて、報知画面が表示される。報知画面を表示する際に、タッチパネルへのタッチが検出されると(S103)、そのタッチの位置を含まない表示領域中に報知画面の表示位置を特定して(S107)、報知画面を表示する(S111)。操作表示装置では、報知画面外の、操作画面上でのタッチを受け付けると、操作画面に対する指示入力として受け付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は操作表示装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラムに関し、特に、タッチパネルを有する操作表示装置、画像形成装置、当該操作表示装置の制御方法、および当該操作表示装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー機、プリンター、ファクシミリ送受信機、およびそれらの複合機であるMFP(Multi-Functional Peripheral)などの画像形成装置に、表示されたアイコン等に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネル式の操作表示部が備えられるようになっている。このような操作表示部が備えられることで、これら画像形成装置では直観的な操作を行なうことが可能となっている。
【0003】
MFPなどの画像形成装置は、種々のインターフェースから複数機能を同時に実行できるため、パネルで操作をしているユーザーがいても、他のユーザーのジョブを同時に処理していることがある。そのため、パネルでのユーザー操作と関係ない警告が発生し、現在の操作画面に割り込んで、ポップアップや画面切り替えなどでユーザーへの情報が表示される場合がある。
【0004】
このような表示の仕方として、たとえば、特開平6−261166号公報(以下、特許文献1)は、異常発生時に、異常表示の内容を、枠で囲んだ小さな領域を既表示の上に重ねて表示する形式(ウインドー形式)を用いて表示部に表示する技術を開示している。この技術の場合、操作中の画面は保持されてウインドーの下に表示されている。
【0005】
また、ポップアップ画面の表示の仕方として、特開平11−224150号公報(以下、特許文献2)は、択肢の細部項目を展開するポップアップ画面を表示しているとき、予熱モードに入ったことを条件として当該ポップアップ画面の表示を消去する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−261166号公報
【特許文献2】特開平11−224150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ユーザーが操作を行なっている最中に割り込みによる画面表示がなされると、ユーザーが意図しないタイミングで操作が中断されることになる。すなわち、ユーザーは、エラーおよび警告を解除した後に、再度、操作をやり直すことが必要となり、手間がかかる。
【0008】
この問題に対処するため、現在のユーザー操作を優先させて警告などの割り込み画面をすぐに表示しないという方法も考えられるが、ユーザーが長時間の操作などを行なっている場合には、早急にユーザーに知らせる必要がある緊急性の高い警告であってもなかなか表示できないことになる。
【0009】
また、上記特許文献1、2に開示された表示方法を採用した場合であっても、ウインドーやポップアップ画面によって、操作中のユーザーの操作性を落とすことになる、という問題は解消されない。
【0010】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、操作性を確保しつつ、警告などの割り込み画面の内容を適切に報知可能な操作表示装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、操作表示装置は、タッチパネルと、タッチパネルでの表示を制御するための制御装置とを備える。制御装置は、タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示する第1の表示処理と、第1の表示処理の後に、第1の画面に重ねて、第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面を表示する第2の表示処理とを実行する。第2の表示処理は、タッチパネルへのタッチを検出するステップと、タッチパネルの、検出されたタッチの位置を含まない表示領域中に、第2の画面の表示位置を特定するステップと、特定された表示位置に第2の画面を表示するステップとを含む。制御装置は、第2の画面が表示されたタッチパネルの、第2の画面以外の位置であって、第1の画面が表示された位置へのタッチを受け付けると、そのタッチを、第1の画面に対する指示入力として受け付ける。
【0012】
好ましくは、第2の表示処理は、検出されたタッチの位置の、タッチ状態を維持したままの移動を検出するステップと、タッチの位置の移動方向を特定するステップとをさらに含む。第2の表示処理の第2の画面の表示位置を特定するステップでは、検出されたタッチの位置を含まない表示領域中であって、検出されたタッチの位置の、移動方向の前方を含まない表示領域中に、第2の画面の表示位置を特定する。
【0013】
好ましくは、第2の表示処理は、検出されたタッチの位置の、タッチ状態を維持したままの移動を検出するステップと、タッチの位置の移動方向を特定するステップとをさらに含む。第2の表示処理の第2の画面の表示位置を特定するステップでは、検出されたタッチの位置を含まない表示領域中であって、検出されたタッチの位置の、移動方向の前方を含む表示領域中に、第2の画面の表示位置を特定する。
【0014】
好ましくは、制御装置は、第2の表示処理を実行して第2の画面をタッチパネルに表示した後に、第2の画面に対するタッチを検出すると、そのタッチに従って第2の画面の表示領域を変化させる処理をさらに実行する。
【0015】
好ましくは、制御装置は、第2の表示処理を実行して第2の画面をタッチパネルに表示した後に、第2の画面以外の位置であって、第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、検出されたタッチ位置と第2の画面の表示領域との関係に応じて第2の画面の表示位置を変更する処理をさらに実行する。
【0016】
好ましくは、制御装置は、第2の表示処理を実行して第2の画面をタッチパネルに表示した後に、第2の画面以外の位置であって、第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、検出されたタッチ位置と第2の画面の表示領域との関係に応じて第2の画面の表示サイズを変更する処理をさらに実行する。
【0017】
好ましくは、制御装置は、第2の表示処理を実行して第2の画面をタッチパネルに表示した後に、第2の画面以外の位置であって、第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、第2の画面の透過率を、第1の画面の第2の画面の重なった部分が視認可能な透過率に変更する処理をさらに実行する。そして、制御装置は、透過率が変更された第2の画面が表示された位置へのタッチを受け付けると、そのタッチを、第2の画面から透過して視認可能である第1の画面に対する指示入力として受け付ける。
【0018】
本発明の他の局面に従うと、操作表示装置は、タッチパネルと、タッチパネルでの表示を制御するための制御装置とを備える。制御装置は、タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示する処理と、第1の画面を表示する処理の後に、第1の画面に重ねて、第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面を表示する処理と、第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、第2の画面の透過率を、第1の画面の第2の画面の重なった部分が視認可能な透過率に変更する処理とを実行する。制御装置は、透過率が変更された第2の画面が表示された位置へのタッチを受け付けると、そのタッチを、第2の画面から透過して視認可能である第1の画面に対する指示入力として受け付ける。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、画像形成装置は、上述の操作表示装置を備える。
本発明のさらに他の局面に従うと、制御方法はタッチパネルを有する操作表示装置の制御方法であって、タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示するステップと、第1の画面が表示されたタッチパネルへのタッチを検出するステップと、タッチパネルの、検出されたタッチの位置を含まない表示領域中に、第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面の表示位置を特定するステップと、特定された表示位置に第1の画面に重ねて第2の画面を表示するステップと、第2の画面が表示されたタッチパネルの、第2の画面以外の位置であって、第1の画面が表示された位置へのタッチを検出するステップと、第2の画面以外の位置であって、第1の画面が表示された位置へのタッチを、第1の画面に対する指示入力として受け付けるステップとを備える。
【0020】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムはタッチパネルを有する操作表示装置にタッチパネルへのタッチに応じた処理を実行させるための制御プログラムであって、タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示するステップと、第1の画面が表示されたタッチパネルへのタッチを検出するステップと、タッチパネルの、検出されたタッチの位置を含まない表示領域中に、第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面の表示位置を特定するステップと、特定された表示位置に第1の画面に重ねて第2の画面を表示するステップと、第2の画面が表示されたタッチパネルの、第2の画面以外の位置であって、第1の画面が表示された位置へのタッチを検出するステップと、第2の画面以外の位置であって、第1の画面が表示された位置へのタッチを、第1の画面に対する指示入力として受け付けるステップとを操作表示装置に実行させる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によると、操作表示装置において、操作性を確保しつつ、警告などの割り込み画面の内容を適切に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態にかかるMFP(Multi-Functional Peripheral)の構成の具体例を示す図である。
【図2】実施の形態にかかるMFPの操作パネルでの表示の具体例を示した図である。
【図3】実施の形態にかかるMFPの操作パネルでの表示の具体例を示した図である。
【図4】一般的なポップアップ表示の例を表わした図である。
【図5】実施の形態にかかるMFPの操作パネルでの、ポップアップ表示の例を表わした図である。
【図6】タッチ操作に基づく選択エリアの検出例を表わした図である。
【図7】タッチ操作に基づく選択エリアの検出例を表わした図である。
【図8】実施の形態にかかるMFPの操作パネルでの、ポップアップ表示の例を表わした図である。
【図9】実施の形態にかかるMFPの操作パネルでの、ポップアップ表示の例を表わした図である。
【図10】実施の形態にかかるMFPの操作パネルでの、ポップアップ表示の例を表わした図である。
【図11】実施の形態にかかるMFPの操作パネルでの、ポップアップ表示の例を表わした図である。
【図12】MFPの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図13】MFPでの、第1の表示動作の流れを表わすフローチャートである。
【図14】MFPでの、第2の表示動作の流れを表わすフローチャートである。
【図15】MFPでの、第3の表示動作の流れを表わすフローチャートである。
【図16】ポップアップ画面の表示位置を、ポップアップ画面の表示後に変更する様子を表わした図である。
【図17】ポップアップ画面のサイズを、ポップアップ画面の表示後に変更する様子を表わした図である。
【図18】ポップアップ画面の表示位置が、ポップアップ画面の表示後にユーザー操作に応じて自動的に変更される様子を表わした図である。
【図19】ポップアップ画面のサイズが、ポップアップ画面の表示後にユーザー操作に応じて自動的に変更される様子を表わした図である。
【図20】ポップアップ画面の透過率を、ポップアップ画面の表示後に変更する様子を表わした図である。
【図21】ポップアップ画面の透過率をポップアップ画面の表示後に変更させるための、MFPの動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図22】ポップアップ画面を透過状態で表示する場合の他の例を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0024】
<装置構成>
図1は、本実施の形態にかかる操作表示装置を有する画像形成装置としてのMFP(Multi-Functional Peripheral)100の構成の具体例を示す図である。
【0025】
図1を参照して、MFP100は、一例として、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、記憶装置としての不揮発性メモリー16と、画像データー等を保存するためのHDD(Hard Disk Drive)17と、USB(Universal Serial Bus)接続のためのインターフェースであるUSBI/F18と、図示しないネットワークを介して他の装置と通信するためのネットワークカード19と、ファクシミリ通信用のモデムであるファックスモデム20とを含む。
【0026】
操作パネル15に含まれるタッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0027】
従って、少なくとも操作パネル15および表示処理を行なうためのCPU10は、本実施の形態にかかる操作表示装置を構成する。
【0028】
図2〜図3は、操作パネル15での表示の具体例を示した図である。また、図4は、一般的なポップアップ表示の例を表わした図である。
【0029】
操作パネル15に含まれるタッチパネルにおいては、図2や図3に表わされたような文書やページを表わすアイコンをドラッグ操作や、タッチパネル上の2点に対するピンチイン、ピンチアウト操作などを受け付ける。
【0030】
CPU10は、ドラッグ操作に応じて操作対象の文書やページを移動させたり、ピンチイン、ピンチアウト操作に応じて表示している画像を縮小、拡大させたり回転させたりする処理を実行する。
【0031】
また、操作パネル15に含まれるタッチパネルには、図4に表わされたように、現在表示中の画面上にポップアップする形の別画面でユーザーヘの情報を表示する場合がある。以降の説明においては、この別画面を、ポップアップ画面とも称する。なお、このポップアップ画面は、MFP100での処理中に発生したエラーや、図4に表わされているように消耗品の不足等を報知するものであり、現在の操作パネル15の操作内容に関する内容を報知するものに限られない。
【0032】
<動作概要>
(第1の表示動作)
ポップアップ画面を表示する場合、図4に表わされたように、通常は、ポップアップ画面がユーザー操作のために表示されている画面よりも上位画面となり、操作画面に重ねて表示される。そのため、当該操作画面を操作中のユーザーがあった場合、当該ユーザーは操作画面に対する操作が不可能となる。
【0033】
そこで、MFP100では、第1の表示動作として、図5に表わされたように、操作パネル15の、ユーザーの選択エリアを避けてポップアップ画面を表示する。
【0034】
選択エリアとは、ユーザーがタッチパネル上の1点をタッチしている場合には、当該1点が選択エリアに該当し、このタッチ位置を選択エリアとして検出する。
【0035】
ユーザーがタッチパネル上の2点を同時にタッチしている場合には、一例として、MFP100では、図6に表わされたように、タッチされている2点および当該2点を対角とする矩形内を選択エリアとして検出する。
【0036】
または、他の例として、図7に表わされたように、タッチされている2点および当該2点を結ぶ線分を直径とした円形内を選択エリアとして検出するようにしてもよい。
【0037】
(第2の表示動作)
また、ユーザーがタッチしている箇所を避けてポップアップ画面を表示しようとすると、ポップアップ画面を通常サイズの画面で表示できない場合がある。そこで、MFP100では、第2の表示動作として、ポップアップ画面が通常表示サイズでは表示部分の空き領域に表示しきれない場合には、通常より小さいサイズのポップアップ画面で表示する。
【0038】
この場合の一例として、図8に表わされたように、報知内容の一部、たとえば、警告タイトルのみ、タイトルと内容のみ、など、表示内容を制限して小サイズのポップアップ画面を表示する。
【0039】
また、他の例として、図9に表わされたように、通常サイズのポップアップ画面の一部分を小サイズのポップアップ画面にて表示し、ポップアップ画面のスクロールを受け付けることで通常サイズのポップアップ画面の内容を表示するようにしてもよい。
【0040】
(第3の表示動作)
ポップアップ画面を表示する時に、ユーザーがタッチ操作によって操作対象物を移動させているなど、ドラッグ操作途中である場合、ポップアップ画面がユーザーの移動の目的箇所に重なって表示される場合もあり得る。そこで、MFP100では、第3の表示動作として、ポップアップ画面を表示する時にユーザーのタッチ位置が移動中であることを検出した場合、タッチ位置の移動方向を検出し、図10に表わされたように、タッチ位置とその移動方向から予測される位置(移動先)とを避けてポップアップ画面を表示する。このようにすることで、操作中のユーザーの操作を妨げることがない。図10の例では、ユーザーがタッチしているアイコンを右方向へ移動させると移動先が予測された場合を表わしており、この場合には、予測される移動先の左側にポップアップ画面を表示する。
【0041】
第3の表示動作の他の例として、ポップアップ画面で表示する警告の中には非常に重要で緊急性の高いものもあるため、ユーザーに早急に認識してもらうことが必要な場合がある。そのため、他の例として、ポップアップ画面を表示する時にユーザーのタッチ位置が移動中であることを検出した場合、タッチ位置の移動方向を検出し、図11に表わされたように、タッチ位置を避けて、その移動方向から予測される位置(移動先)にポップアップ画面を表示する。このようにすることで、操作中のユーザーにポップアップ画面をあえて気付かせることができる。図11の例では、ユーザーがタッチしているアイコンを右方向へ移動させると移動先が予測された場合を表わしており、この場合、あえてその移動先である右側にポップアップ画面を表示する。
【0042】
さらに、第3の表示動作の場合、ポップアップ画面での表示内容に応じて、予測された移動先を避けた位置か、予測された移動先か、ポップアップ画面の表示位置を決定するようにしてもよい。これは、たとえば、表示内容に重要度等が関連付けられており、当該重要度に応じていずれとするかを判断することでなされてもよいし、予め表示内容に表示位置が関連付けられていてもよい。
【0043】
なお、上記第1〜第3の表示動作が組み合わされてもよい。
<機能構成>
図12は、上記第1〜第3の表示動作を行なうための、MFP100の機能構成の具体例を示すブロック図である。図12に表わされる各機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図1に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0044】
図12を参照して、操作パネル15に対する操作に応じた操作信号の入力を受け付けるための入力部101と、操作信号からタッチ位置を特定し、そのタッチ位置からユーザーの選択エリアを検出するための位置検出部102と、タッチ位置の変化に基づいてタッチ位置の移動方向を検出するための方向検出部103と、図示しないセンサーからのセンサー信号等に基づいてポップアップ画面を表示するタイミングと報知内容とを特定するための特定部104と、タッチ位置または選択エリアに基づいてポップアップ画面の表示可能なエリアを判断するための表示エリア判断部105と、表示可能なエリアに基づいてポップアップ画面の表示サイズを決定するためのサイズ決定部106と、ポップアップ画面の表示サイズとポップアップ画面での報知内容とに基づいてポップアップ画面に表示する内容を決定するための内容決定部107と、表示可能なエリアまたはタッチ位置および移動方向に基づいてポップアップ画面の表示位置を決定するための位置決定部108と、ポップアップ画面を操作パネル15に表示する処理を行なうための表示処理部109とを含む。
【0045】
<動作フロー>
図13は、上記第1の表示動作の流れを表わすフローチャートである。この動作は、パネル操作に応じた動作中に割り込んで実行されるものである。図13のフローチャートに表わされる動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図12の各機能を発揮させることで実現される。
【0046】
図13を参照して、CPU10は、パネル操作を受け付けている最中にエラーや消耗品切れなどのポップアップ画面を表示させる事象が発生したことを検出し、ポップアップ画面を表示させるタイミングであると特定すると(ステップS101でYES)、第1の表示動作を開始する。
【0047】
その後にパネルタッチを受け付けると(ステップS103でYES)、そのタッチ位置に基づいて選択エリアを検出する(S105)。
【0048】
ステップS105では、1点のタッチが検出された場合には、当該1点を選択エリアと検出し、2点のタッチが検出された場合には、一例として、図6に表わされたようなタッチされている2点および当該2点を対角とする矩形内を選択エリアしたり、図7に表わされたようなタッチされている2点および当該2点を結ぶ線分を直径とした円形内を選択エリアとして検出したりする。
【0049】
そして、この場合、ステップS107でCPU10は、上記ステップS105で検出された選択エリア以外の領域をポップアップ画面の表示可能なエリアと判断し、当該エリア内にポップアップ画面の表示位置を決定する。表示可能なエリア内でのポップアップ画面の表示位置としては、たとえば中央等、予め規定されていてよい。
【0050】
一方、パネルタッチがなかった場合には(S103でNO)、ステップS109でCPU10は、操作パネル15上で通常の表示位置として予め規定されている位置をポップアップ画面の位置として決定する。
【0051】
そして、ステップS111でCPU10は、決定した位置にポップアップ画面を表示し、以降、パネル操作を受け付けてその操作に従う動作を継続する。
【0052】
図14は、上記第2の表示動作の流れを表わすフローチャートである。この動作もまた、パネル操作に応じた動作中に割り込んで実行されるものである。図14のフローチャートに表わされる動作もまた、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図12の各機能を発揮させることで実現される。
【0053】
図14を参照して、CPU10は、第1の表示動作の上記ステップS101〜S105と同様の動作を行なって、タッチ位置に基づいてユーザーの選択エリアを検出する。
【0054】
CPU10は、予め操作パネル15の表示領域を記憶しており、ステップS201で、当該表示領域と上記ステップS105で算出された選択エリアとから、ポップアップ画面を表示可能なエリアを算出する。
【0055】
CPU10は、算出された表示可能なエリアと予め規定されているポップアップ画面の表示サイズとを比較することで、当該表示可能なエリアにポップアップ画面が表示可能であるか否かを判断する。その結果、上記算出された表示可能なエリアにポップアップ画面のサイズが収まると判断されると(ステップS203でYES)、CPU10は、予め規定されているサイズをポップアップ画面のサイズとして採用する。
【0056】
一方、上記算出された表示可能なエリアにはポップアップ画面のサイズが収まらないと判断されると(ステップS203でNO)、ステップS205でCPU10、上記算出された表示可能なエリアのサイズから、ポップアップ画面の表示サイズを決定する。ここでは、予め表示可能なエリアのサイズとポップアップ画面の表示サイズとの対応関係が記憶されており、当該対応関係に基づいて決定するものであってもよいし、予め表示可能なエリアに対するポップアップ画面の表示サイズの割合が記憶されており、当該割合を用いて算出するものであってもよい。また、その他の方法で決定してもよい。
【0057】
さらに、この場合、CPU10は、上記ステップS205で決定されたポップアップ画面のサイズと、上記ステップS101で表示すべきと判断されたポップアップ画面にて報知する内容とを比較して、その内容が当該画面サイズにて表示可能であるか否かを判断する。
【0058】
その結果、表示されない部分が発生すると判断された場合には(ステップS207でNO)、ステップS209でCPU10は、報知内容のうち、ポップアップ画面に表示すべき内容を決定する。ここでは、たとえば、予めタイトルのみなどと表示内容が規定され、当該規定に従って表示内容を決定するようにしてもよい。または、報知内容の項目ごとに優先度が付されている場合には、優先度の高いものから、決定されたポップアップ画面のサイズに収まるまでの内容を表示内容として決定するようにしてもよい。
【0059】
なお、図9に表わされたように、スクロールして全体表示可能にポップアップ画面を表示する場合には、上記ステップS209での処理を行なわず、報知内容の先頭からポップアップ画面に表示させてもよい。
【0060】
そして、第2の表示動作では、ステップS211でCPU10は、上記ステップS201で算出されたポップアップ画面を表示可能なエリア内にポップアップ画面の表示位置を決定する。表示可能なエリア内でのポップアップ画面の表示位置としては、たとえば中央等、予め規定されていてよい。
【0061】
以降、第1の表示動作と同様に、決定された位置にポップアップ画面を表示し(ステップS111)、パネル操作に従う動作に戻る。
【0062】
図15は、上記第3の表示動作の流れを表わすフローチャートである。この動作もまた、パネル操作に応じた動作中に割り込んで実行されるものである。図15のフローチャートに表わされる動作もまた、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図12の各機能を発揮させることで実現される。
【0063】
図15を参照して、CPU10は、第1の表示動作の上記ステップS101〜S103と同様の動作を行なってパネルタッチの有無を判断する。そして、ポップアップ画面を表示させるタイミングとなった後にパネルタッチがあった場合(ステップS101でYES、かつステップS103でYES)、さらに、そのタッチ位置が移動するか否かを判断する。
【0064】
タッチ位置が移動していると判断されると(ステップS301でYES)、ステップS303でCPU10は、その位置の変化に基づいて移動方向を検出し、ステップS305で移動先を予測する。ここでは、タッチ開始から右方向に移動している場合には、画面の右側を移動先として予測する、などを行なう。
【0065】
なお、タッチ位置が移動していないと判断された場合には(ステップS301でNO)、以降、図14のステップS105以降と同様の動作を行なうものとする。
【0066】
タッチ位置が移動していると判断された場合、次に、CPU10は、上記ステップS101で表示するタイミングと判断されたポップアップ画面について、当該ポップアップ画面にて報知する内容が緊急警告であるか否かを判断する。これは、たとえば、予め緊急度や優先度が報知内容に対応付けられており、その緊急度や優先度を参照することで判断可能であってもよい。また、他の例として、予め緊急度の高い単語や表現をキーワードとして記憶しておき、その単語や表現が含まれているか否か、またはその出現頻度などによって緊急度を判断するようにしてもよい。
【0067】
そして、報知内容が緊急度の高い警告であると判断されると(ステップS307でYES)、CPU10は、ポップアップ画面の表示位置を、上記ステップS305で予測されたタッチ位置の移動先と決定する(ステップS309)。そうでない場合、CPU10は、ポップアップ画面の表示位置を、たとえば上記ステップS305で予測されたタッチ位置の移動先の反対方向など、予測された移動先とは異なる位置と決定する(ステップS311)。
【0068】
以降、第1の表示動作と同様に、決定された位置にポップアップ画面を表示し(ステップS111)、パネル操作に従う動作に戻る。
【0069】
<実施の形態の効果>
以上の動作が行なわれることで、MFP100においてユーザーが操作している操作パネル15の画面においてポップアップ画面にて何らかの報知を行なう場合に、そのポップアップ画面が操作パネル15の操作を妨げない位置に表示されることになる。たとえば報知対象とされるユーザーが操作中のユーザーとは異なる場合や、報知への対処の緊急度が低い場合など、操作パネル15での操作が継続されることになる。そういった場合であっても、このように表示位置が決定されることで、操作パネル15の操作が妨げられることなく、操作性を向上させることができる。
【0070】
さらに、MFP100では、その報知内容が緊急警告などの緊急度が高い場合には、あえてタッチの移動先に表示させる。これにより、報知が見過ごされることなく、早急な対処を促すことができる。
【0071】
従って、MFP100では、ユーザーの操作パネル15の操作性を確保しつつ、警告等のポップアップ画面での報知を適切に行なうことが可能となる。
【0072】
<変形例1>
なお、上のようにポップアップ画面の表示位置を決定した場合であっても、ユーザーの操作によっては、その表示位置が操作の妨げとなる可能性もないとは言い切れない。たとえば、タッチ位置の移動方向が移動途中に変更された場合や、予測以上の移動量があった場合などが挙げられる。
【0073】
そこで、ポップアップ画面表示後に操作性を担保する方法の例として、ポップアップ画面表示後にその表示位置や表示範囲を変化させる方法について第1の変形例として説明する。
【0074】
図16は、ポップアップ画面の表示位置を、ポップアップ画面の表示後に変更する様子を表わした図である。図16に示されるように、ポップアップ画面上をタッチしたままタッチ位置を移動させることで、それに伴ってポップアップ画面が移動する。
【0075】
図16の例では、ポップアップ画面の一部にタッチしてそのまま左方向にタッチ位置を移動させることで、ポップアップ画面が左方向に移動している様子が表わされている。
【0076】
また、図17は、ポップアップ画面のサイズを、ポップアップ画面の表示後に変更する様子を表わした図である。図17に表わされるように、ポップアップ画面のたとえば角部分や辺付近等をタッチしたままタッチ位置を移動させることで、それに伴ってポップアップ画面のサイズが変更される。
【0077】
図17の例では、ポップアップ画面の左下角にタッチしてそのまま右上方向にタッチ位置を移動させることで、ポップアップ画面のサイズが、タッチ位置を左下角とするように相似形で変形(縮小)している様子が表わされている。
【0078】
これは、CPU10がポップアップ画面表示後にパネルタッチを検出したときに、そのタッチ位置がポップアップ画面の表示範囲内である場合に、当該ポップアップ画面の表示の変更を指示するものと判断して、そのタッチ位置の移動に従ってポップアップ画面を変形させることで実現される。
【0079】
すなわち、一例として、予めポップアップ画面の角や辺から所定範囲内をサイズ変更を指示する領域、その他のポップアップ画面内の領域を表示位置変更を指示する領域として記憶しておき、CPU10は、ポップアップ画面に対するタッチを検出すると、そのタッチ位置とポップアップ画面の表示領域とを比較することで、指示内容を特定する。そして、表示位置を変更する指示である場合には、タッチ位置の移動の後にタッチが解消された位置を、変更後の表示位置と特定して、ポップアップ画面を当該位置に再表示させる。サイズを変更する指示である場合には、タッチ位置の移動開始時のタッチ位置とその後のタッチが解消された位置とからサイズの変更量および表示領域を特定し、そのサイズおよびその領域にポップアップ画面を再表示させる。
【0080】
上の例は、ポップアップ画面の表示位置、サイズをポップアップ画面に対するユーザー指示に従って変更するものであるが、操作パネル15に表示されている操作画面に対するユーザー操作に従って、自動的に変更するようにしてもよい。
【0081】
図18は、ポップアップ画面の表示位置が、ポップアップ画面の表示後にユーザー操作に応じて自動的に変更される様子を表わした図である。
【0082】
図18の例では、操作パネル15に表示された操作画面に対するタッチ位置が右に移動して表示されているポップアップ画面に近づくと、自動的に、当該ポップアップ画面が操作画面の左側に移動する様子が表わされている。
【0083】
また、図19は、ポップアップ画面のサイズが、ポップアップ画面の表示後にユーザー操作に応じて自動的に変更される様子を表わした図である。
【0084】
図19の例では、操作パネル15に表示された操作画面に対するタッチ位置が右に移動して表示されているポップアップ画面に近づくと、自動的に、当該ポップアップ画面が縮小されて、元のポップアップ画面の左側部分の表示がなくなっている様子が表わされている。
【0085】
これは、CPU10が、ポップアップ画面表示後にパネルタッチを検出したときに、そのタッチ位置が、ポップアップ画面の表示範囲から予め規定されている所定範囲内である場合に、当該ポップアップ画面の表示位置の変更やサイズの変更を行なうものと判断してポップアップ画面を変形させることで実現される。
【0086】
一例として、CPU10は、上記範囲内に達したタッチ位置のポップアップ画面の表示領域との位置関係に応じて予め移動位置を記憶しておき、記憶されている移動位置にポップアップ画面を再表示させるようにしてもよい。図18の例は、ポップアップ画面の左側の所定範囲内にタッチ位置があるときには現在の表示位置よりも左側に再表示させると移動位置が記憶されている場合に該当する。
【0087】
また、他の例として、CPU10は、上記範囲内に到達するよりも以前のタッチ位置の移動方向に基づいて、その方向と逆の方向の位置をポップアップ画面の移動先として特定するようにしてもよい。
【0088】
同様に、CPU10は、上記範囲内に達したタッチ位置のポップアップ画面の表示領域との位置関係に応じて予め変形方法を記憶しておき、記憶されている変形方法でポップアップ画面のサイズを変更させるようにしてもよい。図19の例は、ポップアップ画面の左側の所定範囲内にタッチ位置があるときにはポップアップ画面の左側部分の表示をなくすようにサイズを縮小させると変更方法が記憶されている場合に該当する。
【0089】
また、上記と同様に、CPU10は、上記範囲内に到達するよりも以前のタッチ位置の移動方向に基づいて、その方向にポップアップ画面のサイズを縮小するようにしてもよい。
【0090】
さらに、他の例として、CPU10は、ポップアップ画面のサイズの変更と表示位置の変更とを組み合わせてもよい。すなわち、一例として、タッチ位置に応じてポップアップ画面のサイズを縮小させ、さらに縮小後のポップアップ画面から予め規定された所定範囲に再度タッチ位置が達した場合には、表示位置を移動させるようにしてもよい。
【0091】
このようにすることで、ポップアップ画面の表示後であっても、操作パネル15に表示された操作画面の操作性を確保することができ、より操作性を向上させることができる。
【0092】
<変形例2>
ポップアップ画面表示後に操作性を担保する方法の他の例として、ポップアップ画面の表示後にその透過率を変化させる方法について第2の変形例として説明する。
【0093】
図20は、ポップアップ画面の透過率を、ポップアップ画面の表示後に変更する様子を表わした図である。図20に示されるように、タッチ位置がポップアップ画面の表示に近づくと、ポップアップ画面が透過状態となり、その下の操作画面が表示されるようになる。そのため、ポップアップ画面下の操作画面の操作が可能となる。
【0094】
図21は、この場合の動作の流れの一例を表わすフローチャートであって、上記表示動作によってポップアップ画面が表示された後に行なわれる動作を表わしている。
【0095】
図21を参照して、この場合、CPU10は、パネルタッチを検出すると(ステップS401でYES)、その位置を検出して(ステップS403)、ポップアップ画面の表示領域内であるか否かを判断する。このとき、ポップアップ画面の表示領域から予め規定された範囲内であるか否かを判断するようにしてもよい。そして、領域内または上記範囲内と判断されると(ステップS405でYES)、表示されているポップアップ画面を透過状態に変化させる(ステップS407)。
【0096】
同様にして、タッチ位置がポップアップ画面の表示領域内または上記範囲内から脱したと判断されると、透過状態とされたポップアップ画面の表示を元の状態に戻すようにしてもよい。
【0097】
なお、この場合、ポップアップ画面の表示位置をタッチ位置に応じて決定する必要がなく、図22に表わされたように、通常の表示位置に表示させるようにしてもよい。そして、図21に表わされた動作を行なって、タッチ位置がポップアップ画面の表示領域内に達した、または表示領域から所定範囲内に達したと判断された場合に、その画面を透過状態とすればよい。
【0098】
このようにすることでも、ポップアップ画面の表示後であっても、操作パネル15に表示された操作画面の操作性を確保することができ、より操作性を向上させることができる。
【0099】
<変形例3>
なお、上述の表示動作によって、通常とは異なる位置や異なるサイズでポップアップ画面が表示された後、操作パネル15に表示された操作画面に対するユーザー操作が終了すると、当該表示を通常のポップアップ画面の表示としてもよい。
【0100】
通常のポップアップ画面の表示に戻すタイミングとしては、パネルタッチが所定時間以上なされないことが検出されたタイミングとしてもよいし、操作対象とするジョブ処理の終了が検出されたタイミングであってもよいし、たとえばスタートキーや編集完了キーなどのジョブの最終処理を指示する操作が検出されたタイミングであってもよい。
【0101】
さらに、通常のポップアップ画面の表示に戻すタイミングをユーザーが設定したり変更したり可能であってもよい。
【0102】
または、表示されるポップアップ画面での報知内容の重要性、優先度に応じて通常のポップアップ画面の表示に戻すタイミングが規定されていてもよい。
【0103】
このようにすることで、操作パネル15に表示された操作画面の操作性を確保しつつ、警告等のポップアップ画面での報知を適切に行なうことが可能となる。
【0104】
さらに、上述の動作をMFP100のCPU10に実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0105】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0106】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0107】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0108】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0109】
10 CPU、11 ROM、12 RAM、13 スキャナー、14 プリンター、15 操作パネル、16 不揮発性メモリー、17 HDD、18 USBインターフェース、19 ネットワークカード、20 ファックスモデム、100 MFP、101 入力部、102 位置検出部、103 方向検出部、104 特定部、105 表示エリア判断部、106 サイズ決定部、107 内容決定部、108 位置決定部、109 表示処理部。
【技術分野】
【0001】
この発明は操作表示装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラムに関し、特に、タッチパネルを有する操作表示装置、画像形成装置、当該操作表示装置の制御方法、および当該操作表示装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー機、プリンター、ファクシミリ送受信機、およびそれらの複合機であるMFP(Multi-Functional Peripheral)などの画像形成装置に、表示されたアイコン等に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネル式の操作表示部が備えられるようになっている。このような操作表示部が備えられることで、これら画像形成装置では直観的な操作を行なうことが可能となっている。
【0003】
MFPなどの画像形成装置は、種々のインターフェースから複数機能を同時に実行できるため、パネルで操作をしているユーザーがいても、他のユーザーのジョブを同時に処理していることがある。そのため、パネルでのユーザー操作と関係ない警告が発生し、現在の操作画面に割り込んで、ポップアップや画面切り替えなどでユーザーへの情報が表示される場合がある。
【0004】
このような表示の仕方として、たとえば、特開平6−261166号公報(以下、特許文献1)は、異常発生時に、異常表示の内容を、枠で囲んだ小さな領域を既表示の上に重ねて表示する形式(ウインドー形式)を用いて表示部に表示する技術を開示している。この技術の場合、操作中の画面は保持されてウインドーの下に表示されている。
【0005】
また、ポップアップ画面の表示の仕方として、特開平11−224150号公報(以下、特許文献2)は、択肢の細部項目を展開するポップアップ画面を表示しているとき、予熱モードに入ったことを条件として当該ポップアップ画面の表示を消去する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−261166号公報
【特許文献2】特開平11−224150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ユーザーが操作を行なっている最中に割り込みによる画面表示がなされると、ユーザーが意図しないタイミングで操作が中断されることになる。すなわち、ユーザーは、エラーおよび警告を解除した後に、再度、操作をやり直すことが必要となり、手間がかかる。
【0008】
この問題に対処するため、現在のユーザー操作を優先させて警告などの割り込み画面をすぐに表示しないという方法も考えられるが、ユーザーが長時間の操作などを行なっている場合には、早急にユーザーに知らせる必要がある緊急性の高い警告であってもなかなか表示できないことになる。
【0009】
また、上記特許文献1、2に開示された表示方法を採用した場合であっても、ウインドーやポップアップ画面によって、操作中のユーザーの操作性を落とすことになる、という問題は解消されない。
【0010】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、操作性を確保しつつ、警告などの割り込み画面の内容を適切に報知可能な操作表示装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、操作表示装置は、タッチパネルと、タッチパネルでの表示を制御するための制御装置とを備える。制御装置は、タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示する第1の表示処理と、第1の表示処理の後に、第1の画面に重ねて、第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面を表示する第2の表示処理とを実行する。第2の表示処理は、タッチパネルへのタッチを検出するステップと、タッチパネルの、検出されたタッチの位置を含まない表示領域中に、第2の画面の表示位置を特定するステップと、特定された表示位置に第2の画面を表示するステップとを含む。制御装置は、第2の画面が表示されたタッチパネルの、第2の画面以外の位置であって、第1の画面が表示された位置へのタッチを受け付けると、そのタッチを、第1の画面に対する指示入力として受け付ける。
【0012】
好ましくは、第2の表示処理は、検出されたタッチの位置の、タッチ状態を維持したままの移動を検出するステップと、タッチの位置の移動方向を特定するステップとをさらに含む。第2の表示処理の第2の画面の表示位置を特定するステップでは、検出されたタッチの位置を含まない表示領域中であって、検出されたタッチの位置の、移動方向の前方を含まない表示領域中に、第2の画面の表示位置を特定する。
【0013】
好ましくは、第2の表示処理は、検出されたタッチの位置の、タッチ状態を維持したままの移動を検出するステップと、タッチの位置の移動方向を特定するステップとをさらに含む。第2の表示処理の第2の画面の表示位置を特定するステップでは、検出されたタッチの位置を含まない表示領域中であって、検出されたタッチの位置の、移動方向の前方を含む表示領域中に、第2の画面の表示位置を特定する。
【0014】
好ましくは、制御装置は、第2の表示処理を実行して第2の画面をタッチパネルに表示した後に、第2の画面に対するタッチを検出すると、そのタッチに従って第2の画面の表示領域を変化させる処理をさらに実行する。
【0015】
好ましくは、制御装置は、第2の表示処理を実行して第2の画面をタッチパネルに表示した後に、第2の画面以外の位置であって、第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、検出されたタッチ位置と第2の画面の表示領域との関係に応じて第2の画面の表示位置を変更する処理をさらに実行する。
【0016】
好ましくは、制御装置は、第2の表示処理を実行して第2の画面をタッチパネルに表示した後に、第2の画面以外の位置であって、第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、検出されたタッチ位置と第2の画面の表示領域との関係に応じて第2の画面の表示サイズを変更する処理をさらに実行する。
【0017】
好ましくは、制御装置は、第2の表示処理を実行して第2の画面をタッチパネルに表示した後に、第2の画面以外の位置であって、第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、第2の画面の透過率を、第1の画面の第2の画面の重なった部分が視認可能な透過率に変更する処理をさらに実行する。そして、制御装置は、透過率が変更された第2の画面が表示された位置へのタッチを受け付けると、そのタッチを、第2の画面から透過して視認可能である第1の画面に対する指示入力として受け付ける。
【0018】
本発明の他の局面に従うと、操作表示装置は、タッチパネルと、タッチパネルでの表示を制御するための制御装置とを備える。制御装置は、タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示する処理と、第1の画面を表示する処理の後に、第1の画面に重ねて、第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面を表示する処理と、第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、第2の画面の透過率を、第1の画面の第2の画面の重なった部分が視認可能な透過率に変更する処理とを実行する。制御装置は、透過率が変更された第2の画面が表示された位置へのタッチを受け付けると、そのタッチを、第2の画面から透過して視認可能である第1の画面に対する指示入力として受け付ける。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、画像形成装置は、上述の操作表示装置を備える。
本発明のさらに他の局面に従うと、制御方法はタッチパネルを有する操作表示装置の制御方法であって、タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示するステップと、第1の画面が表示されたタッチパネルへのタッチを検出するステップと、タッチパネルの、検出されたタッチの位置を含まない表示領域中に、第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面の表示位置を特定するステップと、特定された表示位置に第1の画面に重ねて第2の画面を表示するステップと、第2の画面が表示されたタッチパネルの、第2の画面以外の位置であって、第1の画面が表示された位置へのタッチを検出するステップと、第2の画面以外の位置であって、第1の画面が表示された位置へのタッチを、第1の画面に対する指示入力として受け付けるステップとを備える。
【0020】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムはタッチパネルを有する操作表示装置にタッチパネルへのタッチに応じた処理を実行させるための制御プログラムであって、タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示するステップと、第1の画面が表示されたタッチパネルへのタッチを検出するステップと、タッチパネルの、検出されたタッチの位置を含まない表示領域中に、第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面の表示位置を特定するステップと、特定された表示位置に第1の画面に重ねて第2の画面を表示するステップと、第2の画面が表示されたタッチパネルの、第2の画面以外の位置であって、第1の画面が表示された位置へのタッチを検出するステップと、第2の画面以外の位置であって、第1の画面が表示された位置へのタッチを、第1の画面に対する指示入力として受け付けるステップとを操作表示装置に実行させる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によると、操作表示装置において、操作性を確保しつつ、警告などの割り込み画面の内容を適切に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態にかかるMFP(Multi-Functional Peripheral)の構成の具体例を示す図である。
【図2】実施の形態にかかるMFPの操作パネルでの表示の具体例を示した図である。
【図3】実施の形態にかかるMFPの操作パネルでの表示の具体例を示した図である。
【図4】一般的なポップアップ表示の例を表わした図である。
【図5】実施の形態にかかるMFPの操作パネルでの、ポップアップ表示の例を表わした図である。
【図6】タッチ操作に基づく選択エリアの検出例を表わした図である。
【図7】タッチ操作に基づく選択エリアの検出例を表わした図である。
【図8】実施の形態にかかるMFPの操作パネルでの、ポップアップ表示の例を表わした図である。
【図9】実施の形態にかかるMFPの操作パネルでの、ポップアップ表示の例を表わした図である。
【図10】実施の形態にかかるMFPの操作パネルでの、ポップアップ表示の例を表わした図である。
【図11】実施の形態にかかるMFPの操作パネルでの、ポップアップ表示の例を表わした図である。
【図12】MFPの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図13】MFPでの、第1の表示動作の流れを表わすフローチャートである。
【図14】MFPでの、第2の表示動作の流れを表わすフローチャートである。
【図15】MFPでの、第3の表示動作の流れを表わすフローチャートである。
【図16】ポップアップ画面の表示位置を、ポップアップ画面の表示後に変更する様子を表わした図である。
【図17】ポップアップ画面のサイズを、ポップアップ画面の表示後に変更する様子を表わした図である。
【図18】ポップアップ画面の表示位置が、ポップアップ画面の表示後にユーザー操作に応じて自動的に変更される様子を表わした図である。
【図19】ポップアップ画面のサイズが、ポップアップ画面の表示後にユーザー操作に応じて自動的に変更される様子を表わした図である。
【図20】ポップアップ画面の透過率を、ポップアップ画面の表示後に変更する様子を表わした図である。
【図21】ポップアップ画面の透過率をポップアップ画面の表示後に変更させるための、MFPの動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図22】ポップアップ画面を透過状態で表示する場合の他の例を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0024】
<装置構成>
図1は、本実施の形態にかかる操作表示装置を有する画像形成装置としてのMFP(Multi-Functional Peripheral)100の構成の具体例を示す図である。
【0025】
図1を参照して、MFP100は、一例として、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、記憶装置としての不揮発性メモリー16と、画像データー等を保存するためのHDD(Hard Disk Drive)17と、USB(Universal Serial Bus)接続のためのインターフェースであるUSBI/F18と、図示しないネットワークを介して他の装置と通信するためのネットワークカード19と、ファクシミリ通信用のモデムであるファックスモデム20とを含む。
【0026】
操作パネル15に含まれるタッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0027】
従って、少なくとも操作パネル15および表示処理を行なうためのCPU10は、本実施の形態にかかる操作表示装置を構成する。
【0028】
図2〜図3は、操作パネル15での表示の具体例を示した図である。また、図4は、一般的なポップアップ表示の例を表わした図である。
【0029】
操作パネル15に含まれるタッチパネルにおいては、図2や図3に表わされたような文書やページを表わすアイコンをドラッグ操作や、タッチパネル上の2点に対するピンチイン、ピンチアウト操作などを受け付ける。
【0030】
CPU10は、ドラッグ操作に応じて操作対象の文書やページを移動させたり、ピンチイン、ピンチアウト操作に応じて表示している画像を縮小、拡大させたり回転させたりする処理を実行する。
【0031】
また、操作パネル15に含まれるタッチパネルには、図4に表わされたように、現在表示中の画面上にポップアップする形の別画面でユーザーヘの情報を表示する場合がある。以降の説明においては、この別画面を、ポップアップ画面とも称する。なお、このポップアップ画面は、MFP100での処理中に発生したエラーや、図4に表わされているように消耗品の不足等を報知するものであり、現在の操作パネル15の操作内容に関する内容を報知するものに限られない。
【0032】
<動作概要>
(第1の表示動作)
ポップアップ画面を表示する場合、図4に表わされたように、通常は、ポップアップ画面がユーザー操作のために表示されている画面よりも上位画面となり、操作画面に重ねて表示される。そのため、当該操作画面を操作中のユーザーがあった場合、当該ユーザーは操作画面に対する操作が不可能となる。
【0033】
そこで、MFP100では、第1の表示動作として、図5に表わされたように、操作パネル15の、ユーザーの選択エリアを避けてポップアップ画面を表示する。
【0034】
選択エリアとは、ユーザーがタッチパネル上の1点をタッチしている場合には、当該1点が選択エリアに該当し、このタッチ位置を選択エリアとして検出する。
【0035】
ユーザーがタッチパネル上の2点を同時にタッチしている場合には、一例として、MFP100では、図6に表わされたように、タッチされている2点および当該2点を対角とする矩形内を選択エリアとして検出する。
【0036】
または、他の例として、図7に表わされたように、タッチされている2点および当該2点を結ぶ線分を直径とした円形内を選択エリアとして検出するようにしてもよい。
【0037】
(第2の表示動作)
また、ユーザーがタッチしている箇所を避けてポップアップ画面を表示しようとすると、ポップアップ画面を通常サイズの画面で表示できない場合がある。そこで、MFP100では、第2の表示動作として、ポップアップ画面が通常表示サイズでは表示部分の空き領域に表示しきれない場合には、通常より小さいサイズのポップアップ画面で表示する。
【0038】
この場合の一例として、図8に表わされたように、報知内容の一部、たとえば、警告タイトルのみ、タイトルと内容のみ、など、表示内容を制限して小サイズのポップアップ画面を表示する。
【0039】
また、他の例として、図9に表わされたように、通常サイズのポップアップ画面の一部分を小サイズのポップアップ画面にて表示し、ポップアップ画面のスクロールを受け付けることで通常サイズのポップアップ画面の内容を表示するようにしてもよい。
【0040】
(第3の表示動作)
ポップアップ画面を表示する時に、ユーザーがタッチ操作によって操作対象物を移動させているなど、ドラッグ操作途中である場合、ポップアップ画面がユーザーの移動の目的箇所に重なって表示される場合もあり得る。そこで、MFP100では、第3の表示動作として、ポップアップ画面を表示する時にユーザーのタッチ位置が移動中であることを検出した場合、タッチ位置の移動方向を検出し、図10に表わされたように、タッチ位置とその移動方向から予測される位置(移動先)とを避けてポップアップ画面を表示する。このようにすることで、操作中のユーザーの操作を妨げることがない。図10の例では、ユーザーがタッチしているアイコンを右方向へ移動させると移動先が予測された場合を表わしており、この場合には、予測される移動先の左側にポップアップ画面を表示する。
【0041】
第3の表示動作の他の例として、ポップアップ画面で表示する警告の中には非常に重要で緊急性の高いものもあるため、ユーザーに早急に認識してもらうことが必要な場合がある。そのため、他の例として、ポップアップ画面を表示する時にユーザーのタッチ位置が移動中であることを検出した場合、タッチ位置の移動方向を検出し、図11に表わされたように、タッチ位置を避けて、その移動方向から予測される位置(移動先)にポップアップ画面を表示する。このようにすることで、操作中のユーザーにポップアップ画面をあえて気付かせることができる。図11の例では、ユーザーがタッチしているアイコンを右方向へ移動させると移動先が予測された場合を表わしており、この場合、あえてその移動先である右側にポップアップ画面を表示する。
【0042】
さらに、第3の表示動作の場合、ポップアップ画面での表示内容に応じて、予測された移動先を避けた位置か、予測された移動先か、ポップアップ画面の表示位置を決定するようにしてもよい。これは、たとえば、表示内容に重要度等が関連付けられており、当該重要度に応じていずれとするかを判断することでなされてもよいし、予め表示内容に表示位置が関連付けられていてもよい。
【0043】
なお、上記第1〜第3の表示動作が組み合わされてもよい。
<機能構成>
図12は、上記第1〜第3の表示動作を行なうための、MFP100の機能構成の具体例を示すブロック図である。図12に表わされる各機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図1に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0044】
図12を参照して、操作パネル15に対する操作に応じた操作信号の入力を受け付けるための入力部101と、操作信号からタッチ位置を特定し、そのタッチ位置からユーザーの選択エリアを検出するための位置検出部102と、タッチ位置の変化に基づいてタッチ位置の移動方向を検出するための方向検出部103と、図示しないセンサーからのセンサー信号等に基づいてポップアップ画面を表示するタイミングと報知内容とを特定するための特定部104と、タッチ位置または選択エリアに基づいてポップアップ画面の表示可能なエリアを判断するための表示エリア判断部105と、表示可能なエリアに基づいてポップアップ画面の表示サイズを決定するためのサイズ決定部106と、ポップアップ画面の表示サイズとポップアップ画面での報知内容とに基づいてポップアップ画面に表示する内容を決定するための内容決定部107と、表示可能なエリアまたはタッチ位置および移動方向に基づいてポップアップ画面の表示位置を決定するための位置決定部108と、ポップアップ画面を操作パネル15に表示する処理を行なうための表示処理部109とを含む。
【0045】
<動作フロー>
図13は、上記第1の表示動作の流れを表わすフローチャートである。この動作は、パネル操作に応じた動作中に割り込んで実行されるものである。図13のフローチャートに表わされる動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図12の各機能を発揮させることで実現される。
【0046】
図13を参照して、CPU10は、パネル操作を受け付けている最中にエラーや消耗品切れなどのポップアップ画面を表示させる事象が発生したことを検出し、ポップアップ画面を表示させるタイミングであると特定すると(ステップS101でYES)、第1の表示動作を開始する。
【0047】
その後にパネルタッチを受け付けると(ステップS103でYES)、そのタッチ位置に基づいて選択エリアを検出する(S105)。
【0048】
ステップS105では、1点のタッチが検出された場合には、当該1点を選択エリアと検出し、2点のタッチが検出された場合には、一例として、図6に表わされたようなタッチされている2点および当該2点を対角とする矩形内を選択エリアしたり、図7に表わされたようなタッチされている2点および当該2点を結ぶ線分を直径とした円形内を選択エリアとして検出したりする。
【0049】
そして、この場合、ステップS107でCPU10は、上記ステップS105で検出された選択エリア以外の領域をポップアップ画面の表示可能なエリアと判断し、当該エリア内にポップアップ画面の表示位置を決定する。表示可能なエリア内でのポップアップ画面の表示位置としては、たとえば中央等、予め規定されていてよい。
【0050】
一方、パネルタッチがなかった場合には(S103でNO)、ステップS109でCPU10は、操作パネル15上で通常の表示位置として予め規定されている位置をポップアップ画面の位置として決定する。
【0051】
そして、ステップS111でCPU10は、決定した位置にポップアップ画面を表示し、以降、パネル操作を受け付けてその操作に従う動作を継続する。
【0052】
図14は、上記第2の表示動作の流れを表わすフローチャートである。この動作もまた、パネル操作に応じた動作中に割り込んで実行されるものである。図14のフローチャートに表わされる動作もまた、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図12の各機能を発揮させることで実現される。
【0053】
図14を参照して、CPU10は、第1の表示動作の上記ステップS101〜S105と同様の動作を行なって、タッチ位置に基づいてユーザーの選択エリアを検出する。
【0054】
CPU10は、予め操作パネル15の表示領域を記憶しており、ステップS201で、当該表示領域と上記ステップS105で算出された選択エリアとから、ポップアップ画面を表示可能なエリアを算出する。
【0055】
CPU10は、算出された表示可能なエリアと予め規定されているポップアップ画面の表示サイズとを比較することで、当該表示可能なエリアにポップアップ画面が表示可能であるか否かを判断する。その結果、上記算出された表示可能なエリアにポップアップ画面のサイズが収まると判断されると(ステップS203でYES)、CPU10は、予め規定されているサイズをポップアップ画面のサイズとして採用する。
【0056】
一方、上記算出された表示可能なエリアにはポップアップ画面のサイズが収まらないと判断されると(ステップS203でNO)、ステップS205でCPU10、上記算出された表示可能なエリアのサイズから、ポップアップ画面の表示サイズを決定する。ここでは、予め表示可能なエリアのサイズとポップアップ画面の表示サイズとの対応関係が記憶されており、当該対応関係に基づいて決定するものであってもよいし、予め表示可能なエリアに対するポップアップ画面の表示サイズの割合が記憶されており、当該割合を用いて算出するものであってもよい。また、その他の方法で決定してもよい。
【0057】
さらに、この場合、CPU10は、上記ステップS205で決定されたポップアップ画面のサイズと、上記ステップS101で表示すべきと判断されたポップアップ画面にて報知する内容とを比較して、その内容が当該画面サイズにて表示可能であるか否かを判断する。
【0058】
その結果、表示されない部分が発生すると判断された場合には(ステップS207でNO)、ステップS209でCPU10は、報知内容のうち、ポップアップ画面に表示すべき内容を決定する。ここでは、たとえば、予めタイトルのみなどと表示内容が規定され、当該規定に従って表示内容を決定するようにしてもよい。または、報知内容の項目ごとに優先度が付されている場合には、優先度の高いものから、決定されたポップアップ画面のサイズに収まるまでの内容を表示内容として決定するようにしてもよい。
【0059】
なお、図9に表わされたように、スクロールして全体表示可能にポップアップ画面を表示する場合には、上記ステップS209での処理を行なわず、報知内容の先頭からポップアップ画面に表示させてもよい。
【0060】
そして、第2の表示動作では、ステップS211でCPU10は、上記ステップS201で算出されたポップアップ画面を表示可能なエリア内にポップアップ画面の表示位置を決定する。表示可能なエリア内でのポップアップ画面の表示位置としては、たとえば中央等、予め規定されていてよい。
【0061】
以降、第1の表示動作と同様に、決定された位置にポップアップ画面を表示し(ステップS111)、パネル操作に従う動作に戻る。
【0062】
図15は、上記第3の表示動作の流れを表わすフローチャートである。この動作もまた、パネル操作に応じた動作中に割り込んで実行されるものである。図15のフローチャートに表わされる動作もまた、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図12の各機能を発揮させることで実現される。
【0063】
図15を参照して、CPU10は、第1の表示動作の上記ステップS101〜S103と同様の動作を行なってパネルタッチの有無を判断する。そして、ポップアップ画面を表示させるタイミングとなった後にパネルタッチがあった場合(ステップS101でYES、かつステップS103でYES)、さらに、そのタッチ位置が移動するか否かを判断する。
【0064】
タッチ位置が移動していると判断されると(ステップS301でYES)、ステップS303でCPU10は、その位置の変化に基づいて移動方向を検出し、ステップS305で移動先を予測する。ここでは、タッチ開始から右方向に移動している場合には、画面の右側を移動先として予測する、などを行なう。
【0065】
なお、タッチ位置が移動していないと判断された場合には(ステップS301でNO)、以降、図14のステップS105以降と同様の動作を行なうものとする。
【0066】
タッチ位置が移動していると判断された場合、次に、CPU10は、上記ステップS101で表示するタイミングと判断されたポップアップ画面について、当該ポップアップ画面にて報知する内容が緊急警告であるか否かを判断する。これは、たとえば、予め緊急度や優先度が報知内容に対応付けられており、その緊急度や優先度を参照することで判断可能であってもよい。また、他の例として、予め緊急度の高い単語や表現をキーワードとして記憶しておき、その単語や表現が含まれているか否か、またはその出現頻度などによって緊急度を判断するようにしてもよい。
【0067】
そして、報知内容が緊急度の高い警告であると判断されると(ステップS307でYES)、CPU10は、ポップアップ画面の表示位置を、上記ステップS305で予測されたタッチ位置の移動先と決定する(ステップS309)。そうでない場合、CPU10は、ポップアップ画面の表示位置を、たとえば上記ステップS305で予測されたタッチ位置の移動先の反対方向など、予測された移動先とは異なる位置と決定する(ステップS311)。
【0068】
以降、第1の表示動作と同様に、決定された位置にポップアップ画面を表示し(ステップS111)、パネル操作に従う動作に戻る。
【0069】
<実施の形態の効果>
以上の動作が行なわれることで、MFP100においてユーザーが操作している操作パネル15の画面においてポップアップ画面にて何らかの報知を行なう場合に、そのポップアップ画面が操作パネル15の操作を妨げない位置に表示されることになる。たとえば報知対象とされるユーザーが操作中のユーザーとは異なる場合や、報知への対処の緊急度が低い場合など、操作パネル15での操作が継続されることになる。そういった場合であっても、このように表示位置が決定されることで、操作パネル15の操作が妨げられることなく、操作性を向上させることができる。
【0070】
さらに、MFP100では、その報知内容が緊急警告などの緊急度が高い場合には、あえてタッチの移動先に表示させる。これにより、報知が見過ごされることなく、早急な対処を促すことができる。
【0071】
従って、MFP100では、ユーザーの操作パネル15の操作性を確保しつつ、警告等のポップアップ画面での報知を適切に行なうことが可能となる。
【0072】
<変形例1>
なお、上のようにポップアップ画面の表示位置を決定した場合であっても、ユーザーの操作によっては、その表示位置が操作の妨げとなる可能性もないとは言い切れない。たとえば、タッチ位置の移動方向が移動途中に変更された場合や、予測以上の移動量があった場合などが挙げられる。
【0073】
そこで、ポップアップ画面表示後に操作性を担保する方法の例として、ポップアップ画面表示後にその表示位置や表示範囲を変化させる方法について第1の変形例として説明する。
【0074】
図16は、ポップアップ画面の表示位置を、ポップアップ画面の表示後に変更する様子を表わした図である。図16に示されるように、ポップアップ画面上をタッチしたままタッチ位置を移動させることで、それに伴ってポップアップ画面が移動する。
【0075】
図16の例では、ポップアップ画面の一部にタッチしてそのまま左方向にタッチ位置を移動させることで、ポップアップ画面が左方向に移動している様子が表わされている。
【0076】
また、図17は、ポップアップ画面のサイズを、ポップアップ画面の表示後に変更する様子を表わした図である。図17に表わされるように、ポップアップ画面のたとえば角部分や辺付近等をタッチしたままタッチ位置を移動させることで、それに伴ってポップアップ画面のサイズが変更される。
【0077】
図17の例では、ポップアップ画面の左下角にタッチしてそのまま右上方向にタッチ位置を移動させることで、ポップアップ画面のサイズが、タッチ位置を左下角とするように相似形で変形(縮小)している様子が表わされている。
【0078】
これは、CPU10がポップアップ画面表示後にパネルタッチを検出したときに、そのタッチ位置がポップアップ画面の表示範囲内である場合に、当該ポップアップ画面の表示の変更を指示するものと判断して、そのタッチ位置の移動に従ってポップアップ画面を変形させることで実現される。
【0079】
すなわち、一例として、予めポップアップ画面の角や辺から所定範囲内をサイズ変更を指示する領域、その他のポップアップ画面内の領域を表示位置変更を指示する領域として記憶しておき、CPU10は、ポップアップ画面に対するタッチを検出すると、そのタッチ位置とポップアップ画面の表示領域とを比較することで、指示内容を特定する。そして、表示位置を変更する指示である場合には、タッチ位置の移動の後にタッチが解消された位置を、変更後の表示位置と特定して、ポップアップ画面を当該位置に再表示させる。サイズを変更する指示である場合には、タッチ位置の移動開始時のタッチ位置とその後のタッチが解消された位置とからサイズの変更量および表示領域を特定し、そのサイズおよびその領域にポップアップ画面を再表示させる。
【0080】
上の例は、ポップアップ画面の表示位置、サイズをポップアップ画面に対するユーザー指示に従って変更するものであるが、操作パネル15に表示されている操作画面に対するユーザー操作に従って、自動的に変更するようにしてもよい。
【0081】
図18は、ポップアップ画面の表示位置が、ポップアップ画面の表示後にユーザー操作に応じて自動的に変更される様子を表わした図である。
【0082】
図18の例では、操作パネル15に表示された操作画面に対するタッチ位置が右に移動して表示されているポップアップ画面に近づくと、自動的に、当該ポップアップ画面が操作画面の左側に移動する様子が表わされている。
【0083】
また、図19は、ポップアップ画面のサイズが、ポップアップ画面の表示後にユーザー操作に応じて自動的に変更される様子を表わした図である。
【0084】
図19の例では、操作パネル15に表示された操作画面に対するタッチ位置が右に移動して表示されているポップアップ画面に近づくと、自動的に、当該ポップアップ画面が縮小されて、元のポップアップ画面の左側部分の表示がなくなっている様子が表わされている。
【0085】
これは、CPU10が、ポップアップ画面表示後にパネルタッチを検出したときに、そのタッチ位置が、ポップアップ画面の表示範囲から予め規定されている所定範囲内である場合に、当該ポップアップ画面の表示位置の変更やサイズの変更を行なうものと判断してポップアップ画面を変形させることで実現される。
【0086】
一例として、CPU10は、上記範囲内に達したタッチ位置のポップアップ画面の表示領域との位置関係に応じて予め移動位置を記憶しておき、記憶されている移動位置にポップアップ画面を再表示させるようにしてもよい。図18の例は、ポップアップ画面の左側の所定範囲内にタッチ位置があるときには現在の表示位置よりも左側に再表示させると移動位置が記憶されている場合に該当する。
【0087】
また、他の例として、CPU10は、上記範囲内に到達するよりも以前のタッチ位置の移動方向に基づいて、その方向と逆の方向の位置をポップアップ画面の移動先として特定するようにしてもよい。
【0088】
同様に、CPU10は、上記範囲内に達したタッチ位置のポップアップ画面の表示領域との位置関係に応じて予め変形方法を記憶しておき、記憶されている変形方法でポップアップ画面のサイズを変更させるようにしてもよい。図19の例は、ポップアップ画面の左側の所定範囲内にタッチ位置があるときにはポップアップ画面の左側部分の表示をなくすようにサイズを縮小させると変更方法が記憶されている場合に該当する。
【0089】
また、上記と同様に、CPU10は、上記範囲内に到達するよりも以前のタッチ位置の移動方向に基づいて、その方向にポップアップ画面のサイズを縮小するようにしてもよい。
【0090】
さらに、他の例として、CPU10は、ポップアップ画面のサイズの変更と表示位置の変更とを組み合わせてもよい。すなわち、一例として、タッチ位置に応じてポップアップ画面のサイズを縮小させ、さらに縮小後のポップアップ画面から予め規定された所定範囲に再度タッチ位置が達した場合には、表示位置を移動させるようにしてもよい。
【0091】
このようにすることで、ポップアップ画面の表示後であっても、操作パネル15に表示された操作画面の操作性を確保することができ、より操作性を向上させることができる。
【0092】
<変形例2>
ポップアップ画面表示後に操作性を担保する方法の他の例として、ポップアップ画面の表示後にその透過率を変化させる方法について第2の変形例として説明する。
【0093】
図20は、ポップアップ画面の透過率を、ポップアップ画面の表示後に変更する様子を表わした図である。図20に示されるように、タッチ位置がポップアップ画面の表示に近づくと、ポップアップ画面が透過状態となり、その下の操作画面が表示されるようになる。そのため、ポップアップ画面下の操作画面の操作が可能となる。
【0094】
図21は、この場合の動作の流れの一例を表わすフローチャートであって、上記表示動作によってポップアップ画面が表示された後に行なわれる動作を表わしている。
【0095】
図21を参照して、この場合、CPU10は、パネルタッチを検出すると(ステップS401でYES)、その位置を検出して(ステップS403)、ポップアップ画面の表示領域内であるか否かを判断する。このとき、ポップアップ画面の表示領域から予め規定された範囲内であるか否かを判断するようにしてもよい。そして、領域内または上記範囲内と判断されると(ステップS405でYES)、表示されているポップアップ画面を透過状態に変化させる(ステップS407)。
【0096】
同様にして、タッチ位置がポップアップ画面の表示領域内または上記範囲内から脱したと判断されると、透過状態とされたポップアップ画面の表示を元の状態に戻すようにしてもよい。
【0097】
なお、この場合、ポップアップ画面の表示位置をタッチ位置に応じて決定する必要がなく、図22に表わされたように、通常の表示位置に表示させるようにしてもよい。そして、図21に表わされた動作を行なって、タッチ位置がポップアップ画面の表示領域内に達した、または表示領域から所定範囲内に達したと判断された場合に、その画面を透過状態とすればよい。
【0098】
このようにすることでも、ポップアップ画面の表示後であっても、操作パネル15に表示された操作画面の操作性を確保することができ、より操作性を向上させることができる。
【0099】
<変形例3>
なお、上述の表示動作によって、通常とは異なる位置や異なるサイズでポップアップ画面が表示された後、操作パネル15に表示された操作画面に対するユーザー操作が終了すると、当該表示を通常のポップアップ画面の表示としてもよい。
【0100】
通常のポップアップ画面の表示に戻すタイミングとしては、パネルタッチが所定時間以上なされないことが検出されたタイミングとしてもよいし、操作対象とするジョブ処理の終了が検出されたタイミングであってもよいし、たとえばスタートキーや編集完了キーなどのジョブの最終処理を指示する操作が検出されたタイミングであってもよい。
【0101】
さらに、通常のポップアップ画面の表示に戻すタイミングをユーザーが設定したり変更したり可能であってもよい。
【0102】
または、表示されるポップアップ画面での報知内容の重要性、優先度に応じて通常のポップアップ画面の表示に戻すタイミングが規定されていてもよい。
【0103】
このようにすることで、操作パネル15に表示された操作画面の操作性を確保しつつ、警告等のポップアップ画面での報知を適切に行なうことが可能となる。
【0104】
さらに、上述の動作をMFP100のCPU10に実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0105】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0106】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0107】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0108】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0109】
10 CPU、11 ROM、12 RAM、13 スキャナー、14 プリンター、15 操作パネル、16 不揮発性メモリー、17 HDD、18 USBインターフェース、19 ネットワークカード、20 ファックスモデム、100 MFP、101 入力部、102 位置検出部、103 方向検出部、104 特定部、105 表示エリア判断部、106 サイズ決定部、107 内容決定部、108 位置決定部、109 表示処理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、
前記タッチパネルでの表示を制御するための制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示する第1の表示処理と、
前記第1の表示処理の後に、前記第1の画面に重ねて、前記第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面を表示する第2の表示処理とを実行し、
前記第2の表示処理は、
前記タッチパネルへのタッチを検出するステップと、
前記タッチパネルの、前記検出されたタッチの位置を含まない表示領域中に、前記第2の画面の表示位置を特定するステップと、
前記特定された表示位置に前記第2の画面を表示するステップとを含み、
前記制御装置は、前記第2の画面が表示された前記タッチパネルの、前記第2の画面以外の位置であって、前記第1の画面が表示された位置へのタッチを受け付けると、前記タッチを、前記第1の画面に対する指示入力として受け付ける、操作表示装置。
【請求項2】
前記第2の表示処理は、
前記検出されたタッチの位置の、タッチ状態を維持したままの移動を検出するステップと、
前記タッチの位置の移動方向を特定するステップとをさらに含み、
前記第2の表示処理の前記第2の画面の表示位置を特定するステップでは、前記検出されたタッチの位置を含まない表示領域中であって、前記検出されたタッチの位置の、前記移動方向の前方を含まない表示領域中に、前記第2の画面の表示位置を特定する、請求項1に記載の操作表示装置。
【請求項3】
前記第2の表示処理は、
前記検出されたタッチの位置の、タッチ状態を維持したままの移動を検出するステップと、
前記タッチの位置の移動方向を特定するステップとをさらに含み、
前記第2の表示処理の前記第2の画面の表示位置を特定するステップでは、前記検出されたタッチの位置を含まない表示領域中であって、前記検出されたタッチの位置の、前記移動方向の前方を含む表示領域中に、前記第2の画面の表示位置を特定する、請求項1に記載の操作表示装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第2の表示処理を実行して前記第2の画面を前記タッチパネルに表示した後に、前記第2の画面に対するタッチを検出すると、前記タッチに従って前記第2の画面の表示領域を変化させる処理をさらに実行する、請求項1〜3のいずれかに記載の操作表示装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第2の表示処理を実行して前記第2の画面を前記タッチパネルに表示した後に、前記第2の画面以外の位置であって、前記第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、前記検出されたタッチ位置と前記第2の画面の表示領域との関係に応じて前記第2の画面の表示位置を変更する処理をさらに実行する、請求項1〜4のいずれかに記載の操作表示装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記第2の表示処理を実行して前記第2の画面を前記タッチパネルに表示した後に、前記第2の画面以外の位置であって、前記第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、前記検出されたタッチ位置と前記第2の画面の表示領域との関係に応じて前記第2の画面の表示サイズを変更する処理をさらに実行する、請求項1〜4のいずれかに記載の操作表示装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記第2の表示処理を実行して前記第2の画面を前記タッチパネルに表示した後に、前記第2の画面以外の位置であって、前記第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、前記第2の画面の透過率を、前記第1の画面の前記第2の画面の重なった部分が視認可能な透過率に変更する処理をさらに実行し、
前記制御装置は、前記透過率が変更された前記第2の画面が表示された位置へのタッチを受け付けると、前記タッチを、前記第2の画面から透過して視認可能である前記第1の画面に対する指示入力として受け付ける、請求項1〜4のいずれかに記載の操作表示装置。
【請求項8】
タッチパネルと、
前記タッチパネルでの表示を制御するための制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示する処理と、
前記第1の画面を表示する処理の後に、前記第1の画面に重ねて、前記第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面を表示する処理と、
前記第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、前記第2の画面の透過率を、前記第1の画面の前記第2の画面の重なった部分が視認可能な透過率に変更する処理とを実行し、
前記制御装置は、前記透過率が変更された前記第2の画面が表示された位置へのタッチを受け付けると、前記タッチを、前記第2の画面から透過して視認可能である前記第1の画面に対する指示入力として受け付ける、操作表示装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の操作表示装置を備えた、画像形成装置。
【請求項10】
タッチパネルを有する操作表示装置の制御方法であって、
前記タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示するステップと、
前記第1の画面が表示された前記タッチパネルへのタッチを検出するステップと、
前記タッチパネルの、前記検出されたタッチの位置を含まない表示領域中に、前記第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面の表示位置を特定するステップと、
前記特定された表示位置に前記第1の画面に重ねて前記第2の画面を表示するステップと、
前記第2の画面が表示された前記タッチパネルの、前記第2の画面以外の位置であって、前記第1の画面が表示された位置へのタッチを検出するステップと、
前記第2の画面以外の位置であって、前記第1の画面が表示された位置への前記タッチを、前記第1の画面に対する指示入力として受け付けるステップとを備える、制御方法。
【請求項11】
タッチパネルを有する操作表示装置に、前記タッチパネルへのタッチに応じた処理を実行させるための制御プログラムであって、
前記タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示するステップと、
前記第1の画面が表示された前記タッチパネルへのタッチを検出するステップと、
前記タッチパネルの、前記検出されたタッチの位置を含まない表示領域中に、前記第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面の表示位置を特定するステップと、
前記特定された表示位置に前記第1の画面に重ねて前記第2の画面を表示するステップと、
前記第2の画面が表示された前記タッチパネルの、前記第2の画面以外の位置であって、前記第1の画面が表示された位置へのタッチを検出するステップと、
前記第2の画面以外の位置であって、前記第1の画面が表示された位置への前記タッチを、前記第1の画面に対する指示入力として受け付けるステップとを前記操作表示装置に実行させる、制御プログラム。
【請求項1】
タッチパネルと、
前記タッチパネルでの表示を制御するための制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示する第1の表示処理と、
前記第1の表示処理の後に、前記第1の画面に重ねて、前記第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面を表示する第2の表示処理とを実行し、
前記第2の表示処理は、
前記タッチパネルへのタッチを検出するステップと、
前記タッチパネルの、前記検出されたタッチの位置を含まない表示領域中に、前記第2の画面の表示位置を特定するステップと、
前記特定された表示位置に前記第2の画面を表示するステップとを含み、
前記制御装置は、前記第2の画面が表示された前記タッチパネルの、前記第2の画面以外の位置であって、前記第1の画面が表示された位置へのタッチを受け付けると、前記タッチを、前記第1の画面に対する指示入力として受け付ける、操作表示装置。
【請求項2】
前記第2の表示処理は、
前記検出されたタッチの位置の、タッチ状態を維持したままの移動を検出するステップと、
前記タッチの位置の移動方向を特定するステップとをさらに含み、
前記第2の表示処理の前記第2の画面の表示位置を特定するステップでは、前記検出されたタッチの位置を含まない表示領域中であって、前記検出されたタッチの位置の、前記移動方向の前方を含まない表示領域中に、前記第2の画面の表示位置を特定する、請求項1に記載の操作表示装置。
【請求項3】
前記第2の表示処理は、
前記検出されたタッチの位置の、タッチ状態を維持したままの移動を検出するステップと、
前記タッチの位置の移動方向を特定するステップとをさらに含み、
前記第2の表示処理の前記第2の画面の表示位置を特定するステップでは、前記検出されたタッチの位置を含まない表示領域中であって、前記検出されたタッチの位置の、前記移動方向の前方を含む表示領域中に、前記第2の画面の表示位置を特定する、請求項1に記載の操作表示装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第2の表示処理を実行して前記第2の画面を前記タッチパネルに表示した後に、前記第2の画面に対するタッチを検出すると、前記タッチに従って前記第2の画面の表示領域を変化させる処理をさらに実行する、請求項1〜3のいずれかに記載の操作表示装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第2の表示処理を実行して前記第2の画面を前記タッチパネルに表示した後に、前記第2の画面以外の位置であって、前記第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、前記検出されたタッチ位置と前記第2の画面の表示領域との関係に応じて前記第2の画面の表示位置を変更する処理をさらに実行する、請求項1〜4のいずれかに記載の操作表示装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記第2の表示処理を実行して前記第2の画面を前記タッチパネルに表示した後に、前記第2の画面以外の位置であって、前記第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、前記検出されたタッチ位置と前記第2の画面の表示領域との関係に応じて前記第2の画面の表示サイズを変更する処理をさらに実行する、請求項1〜4のいずれかに記載の操作表示装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記第2の表示処理を実行して前記第2の画面を前記タッチパネルに表示した後に、前記第2の画面以外の位置であって、前記第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、前記第2の画面の透過率を、前記第1の画面の前記第2の画面の重なった部分が視認可能な透過率に変更する処理をさらに実行し、
前記制御装置は、前記透過率が変更された前記第2の画面が表示された位置へのタッチを受け付けると、前記タッチを、前記第2の画面から透過して視認可能である前記第1の画面に対する指示入力として受け付ける、請求項1〜4のいずれかに記載の操作表示装置。
【請求項8】
タッチパネルと、
前記タッチパネルでの表示を制御するための制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示する処理と、
前記第1の画面を表示する処理の後に、前記第1の画面に重ねて、前記第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面を表示する処理と、
前記第2の画面の表示領域から所定領域内へのタッチを検出すると、前記第2の画面の透過率を、前記第1の画面の前記第2の画面の重なった部分が視認可能な透過率に変更する処理とを実行し、
前記制御装置は、前記透過率が変更された前記第2の画面が表示された位置へのタッチを受け付けると、前記タッチを、前記第2の画面から透過して視認可能である前記第1の画面に対する指示入力として受け付ける、操作表示装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の操作表示装置を備えた、画像形成装置。
【請求項10】
タッチパネルを有する操作表示装置の制御方法であって、
前記タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示するステップと、
前記第1の画面が表示された前記タッチパネルへのタッチを検出するステップと、
前記タッチパネルの、前記検出されたタッチの位置を含まない表示領域中に、前記第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面の表示位置を特定するステップと、
前記特定された表示位置に前記第1の画面に重ねて前記第2の画面を表示するステップと、
前記第2の画面が表示された前記タッチパネルの、前記第2の画面以外の位置であって、前記第1の画面が表示された位置へのタッチを検出するステップと、
前記第2の画面以外の位置であって、前記第1の画面が表示された位置への前記タッチを、前記第1の画面に対する指示入力として受け付けるステップとを備える、制御方法。
【請求項11】
タッチパネルを有する操作表示装置に、前記タッチパネルへのタッチに応じた処理を実行させるための制御プログラムであって、
前記タッチパネルに、操作画面である第1の画面を表示するステップと、
前記第1の画面が表示された前記タッチパネルへのタッチを検出するステップと、
前記タッチパネルの、前記検出されたタッチの位置を含まない表示領域中に、前記第1の画面よりも小さな、報知画面である第2の画面の表示位置を特定するステップと、
前記特定された表示位置に前記第1の画面に重ねて前記第2の画面を表示するステップと、
前記第2の画面が表示された前記タッチパネルの、前記第2の画面以外の位置であって、前記第1の画面が表示された位置へのタッチを検出するステップと、
前記第2の画面以外の位置であって、前記第1の画面が表示された位置への前記タッチを、前記第1の画面に対する指示入力として受け付けるステップとを前記操作表示装置に実行させる、制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図17】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−105182(P2013−105182A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246213(P2011−246213)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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