説明

操作装置、及びそれを備える画像処理装置

【課題】詳細な色調整を手動によって容易に行なうことができる操作装置を提供する。
【解決手段】操作部54において、表示パネル80は、画面を表示し、CPU70は、画像読取部55によって入力された画像データにおける変換対象色を確定し、表示画面生成部60は、表示パネル80に対し色立体画像を表示させ、表示パネル80は、色立体画像に対する入力操作を受付けることで、変換色の色相の指定を受付け、表示画面生成部60は、表示パネル80に対し、表示パネル80が受付けた色相に対応する等色相面画像を表示させ、表示パネル80は、等色相面画像に対する入力操作を受付けることで、変換色の明度及び彩度の指定を受付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置、及びそれを備える画像処理装置に関し、特には、画像データの色変換を行なう際に色を指定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多彩な機能を搭載するデジタルカラー複写機の普及が進んでいる。このようなデジタルカラー複写機では、カラーコピー機能を手軽に利用できるため、様々な書面及び書物が原稿画像として使用される。最近では特に、デジタルカメラによる撮影データ及び写真等を原稿画像としたカラーコピーの利用が増加している。
【0003】
原稿画像の種類の増加に対応して、様々な技術が提案されている。例えば、原稿画像の種類を選択するための構成を有するデジタルカラー複写機がある。このような複写機において、原稿画像のスキャン前に、ユーザによって原稿画像の種類として「写真」が選択された場合には、原稿画像の読取条件及び画像データに対する画像処理条件等が写真画像に最適となるように制御されて、画像形成が行なわれる。
【0004】
また原稿画像の種類の増加にともなって、より繊細な画像表現が求められるようになっている。さらなる高画質化を実現するために、より詳細な色調整を行なうための技術が提案されている。例えば、後掲の特許文献1には、背景色に応じて最適な表示色を自動的に設定することができるカラー表示制御装置が開示されている。このカラー表示制御装置は、画像を表示する領域の背景色がマンセル色立体上で存在する点Aを認識し、点Aに対して見やすい色であるとする色彩に関する経験則により見出される色の点Bを算出し、点Bを中心とする所定範囲内の色を画像の表示色として設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−142447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デジタルカラー複写機に搭載される操作画面は小型であるため、大型の操作画面を使用する場合と比較して操作性及び視認性に劣る。そのため、詳細な色調整を手動によって行なう場合には、色相、明度、再度、及びカラーバランス等をそれぞれ設定しなければならず、手間がかかる上に、色調整後のイメージが判りにくいという問題がある。特許文献1に開示される技術は、自動的に色調整を行なうものであるため、上記した問題を解決することはできない。
【0007】
本発明の目的は、詳細な色調整を手動によって容易に行なうことができる操作装置、及びそれを備える画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある局面に係る操作装置は、画像データを入力する入力手段と、入力手段によって入力された画像データにおける第1の色が第2の色となるように画像データに対する色変換を行なう色変換手段と、を含む画像処理装置に備えられる操作装置である。この操作装置は、画面を表示する表示手段と、入力手段によって入力された画像データにおける第1の色を確定する確定手段と、表示手段に対し、色立体画像を表示させる第1の表示制御手段と、色立体画像に対する入力操作を受付けることで、第2の色の上位の属性の指定を受付ける第1の受付手段と、表示手段に対し、第1の受付手段が受付けた上位の属性に対応する色立体画像の断面画像を表示させる第2の表示制御手段と、断面画像に対する入力操作を受付けることで、第2の色の下位の属性の指定を受付ける第2の受付手段と、を含む。
【0009】
このように、第2の色の上位の属性の指定を色立体画像に対する入力操作によって行ない、第2の色の下位の属性の指定を、指定された上位の属性に対応する色立体画像の断面画像に対する入力操作によって行なうので、ユーザは、少ない入力操作で多くの設定を行なうことができる。さらに、第2の色の属性の指定時に、明度及び彩度等におけるバランスを視覚的に把握できるので、色調整後のイメージを視覚的に把握しやすい。その結果、ユーザは、詳細な色調整を手動によって容易に行なうことができる。
【0010】
好ましくは、操作装置はさらに、表示手段に対し、入力手段によって入力された画像データに基づくプレビュー画像を表示させる第3の表示制御手段と、第2の受付手段が第2の色の下位の属性の指定を受付けたことに応答して、表示手段に対し、プレビュー画像における第1の色にて表示される部分が、第2の色にて表示されるように、プレビュー画像の表示を変更させる表示変更手段と、を含む。これによって、ユーザは、色調整後のイメージをより一層視覚的に把握しやすい。その結果、操作装置の視認性がより一層向上する。
【0011】
より好ましくは、色立体画像は、第1の色の色相が、画面上にて最も手前にくるように表示される。これによって、ユーザは、第1の色の色相を、色立体画像を見ることによって容易に確認することができる。その結果、操作装置の視認性がより一層向上する。
【0012】
さらに好ましくは、操作装置はさらに、表示手段に重ねて配置され、画面に対するユーザの操作を受付けるタッチパネルを含み、第1の表示制御手段は、タッチパネルが、色立体画像が表示されている画面における所定方向のフリック操作を検出したことに応答して、フリック操作の方向に従って色立体画像を回転させる回転表示手段を含み、第2の表示制御手段は、タッチパネルが、色立体画像が表示されている画面に対するピンチアウト操作を検出したことに応答して、表示手段に対し、断面画像を表示させる。これによって、ユーザは、直観的に詳細な色指定を行なうことができる。その結果、操作装置の操作性がより一層向上する。
【0013】
さらに好ましくは、第2の表示制御手段は、タッチパネルが、断面画像が表示されている画面における所定方向のフリック操作を検出したことに応答して、表示手段に対し、フリック操作の方向及び色立体画像における色の属性の配置順に従って、表示されている断面画像とは異なる断面画像を表示させる。これによって、ユーザは、より一層容易に詳細な色指定を行なうことができる。その結果、操作装置の操作性がさらに向上する。
【0014】
さらに好ましくは、上位の属性は色相であり、下位の属性は、明度及び彩度である。これによって、ユーザは、少ない入力操作で第2の色の色相、明度、及び彩度の指定を行なうことができる。その結果、操作装置の操作性がさらに向上する。
【0015】
本発明の別の局面に係る画像処理装置は、画像データを入力する入力手段と、上記した操作装置と、上記した操作装置にて確定された第1の色及び上記した操作装置にて指定された第2の色に基づいて、入力手段によって入力された画像データにおける第1の色が第2の色となるように、画像データに対する色変換を行なう色変換手段と、を含む。このように、画像処理装置は上記した操作装置を含むので、ユーザが所望する色変換を容易に行なうことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第2の色の上位の属性の指定を色立体画像に対する入力操作によって行ない、第2の色の下位の属性の指定を、指定された上位の属性に対応する色立体画像の断面画像に対する入力操作によって行なうので、ユーザは、少ない入力操作で多くの設定を行なうことができる。さらに、第2の色の属性の指定時に、明度及び彩度等におけるバランスを視覚的に把握できるので、色調整後のイメージを視覚的に把握しやすい。その結果、ユーザは、詳細な色調整を手動によって容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】操作部の構成及びコピーモードの初期画面の一例を示す図である。
【図3】マンセル色立体画像を示す図である。
【図4】黄色の等色相面を示す図である。
【図5】色変換処理を実現するためのコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図6】コピーモードの初期画面において、プレビュー画像が表示されるときの様子を示す図である。
【図7】変換対象色を指定するときの操作の様子を示す図である。
【図8】色変換設定画面の一例を示す図である。
【図9】変換色を指定するときの操作の様子を示す図である。
【図10】変換色を指定するときの操作の様子を示す図である。
【図11】等色相面の表示の切替えの様子を示す図である。
【図12】変換色が指定されたときの様子を示す図である。
【図13】色変換実行後のコピーモードの初期画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明及び図面においては、同一の部品には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0019】
[画像形成装置10]
本発明の一実施の形態に係る画像形成装置10は、スキャナ機能、コピー機能、及びプリンタ機能等を備えるMFP(Multifunction Printer)である。
【0020】
〈ハードウェア構成〉
図1を参照して、画像形成装置10は、制御部50、HDD(Hard Disk Drive)52、操作部54、画像読取部55、画像処理部56、プリンタ部を構成する画像メモリ57及び画像形成部58、表示画面生成部60、通信部61、並びに、電源制御部62を含む。
【0021】
制御部50は、実質的にコンピュータであって、CPU(Central Processing Unit)70、ROM(Read Only Memory)72、及び、RAM(Random Access Memory)74を含む。CPU70にはバスライン76が接続されており、このバスライン76には、ROM72、及び、RAM74が電気的に接続される。CPU70は、操作部54等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、画像形成装置10の各部の動作及び外部装置との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM72又はHDD52に記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM72又はHDD52から読出されてRAM74に転送される。CPU70は、CPU70内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、RAM74内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU70はまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、RAM74、HDD52及びCPU70内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
【0022】
バスライン76にはさらに、HDD52、操作部54、画像読取部55、画像処理部56、画像メモリ57、画像形成部58、通信部61、及び、電源制御部62が電気的に接続される。
【0023】
HDD52は、磁気記憶媒体を備え、画像データ等の各種データ及び画像形成装置10の一般的な動作を実現するためのコンピュータプログラムとともに、後述する色変換処理を実現するためのコンピュータプログラムを記憶する。
【0024】
HDD52はさらに、画像処理部56が画像データ(RGBデータ)の色空間変換を行なう際に使用するLUT(Look Up Table)を記憶する。このLUTは、RGBデータとL表色系のデータ(以下「Labデータ」と記す場合がある。)との対応関係を示すテーブルであって、所定の変換式に基づいて予め作成される。ここで、L表色系とは、CIE(国際照明委員会)1976表色系のことである。L表色系において、Lは明度を示し、a及びbは色度を示し、√{(a+(b}は、彩度を示す。
【0025】
操作部54は、操作パネル78を含む。図2を参照して、操作パネル78は、表示灯82、並びに、電源キー84、省エネルギーキー(以下「省エネキー」と記す。)86、及びホームキー88等の各種ハードウェアキーを含む。表示灯82は、例えばLED(Light Emitting Diode)を備え、画像形成装置10が電源オンであるときに点灯する。電源キー84は、電源のオン・オフを指示するためのキーである。省エネキー86は、通常モードから省エネモードへの移行指示又は省エネモードから通常モードへの移行指示を行なうためのキーである。ここで、通常モードとは、電源がオンの状態であって、全ての動作モードが実行可能な状態を示す。省エネモードとは、電源がオンの状態であって、一部の動作モードのみが実行可能な状態を示す。ホームキー88は、画像形成装置10の動作モードを選択し設定するためのホーム画面(図示せず。)の表示を指示するためのキーである。
【0026】
操作部54はさらに、3次元(3D)液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))とタッチパネルとを重ねて構成される表示パネル80を含む。表示パネル80は、ユーザに対して対話的な操作インターフェイスを提供する。また、表示パネル80は、2次元(2D)画像と3次元(3D)画像との表示切替えが可能である。操作部54は、操作パネル78の各種ハードキー又は表示パネル80のタッチパネルに対する入力操作に基づくユーザの指示を受付けて、その指示の内容を表示パネル80のLCDに表示するとともに、その指示に応じた制御信号を制御部50又は画像処理部56のMPU(Micro Processing Unit、図示せず。)等に対して出力する。
【0027】
本実施の形態において、ユーザによって、操作パネル78のホームキー88が押下されると、表示パネル80には、上記したホーム画面(図示せず。)が表示される。このホーム画面に対するユーザの入力操作によって、画像形成装置10の動作モードがコピーモードに設定されると、表示パネル80には、コピーモードの初期画面100(図2参照)が表示される。図2を参照して、コピーモードの初期画面100には、カラーモードとモノクロモードとを切替えるためのカラーキー102、使用する記録用紙(給紙トレイ)を変更するための用紙キー104、コピー倍率を変更するための倍率キー106、色変換モードを開始するための色変換キー108、設定内容をキャンセルして初期状態に戻すためのキャンセルキー110、及び、コピー処理の開始を要求するためのコピーキー112が表示される。カラーキー102、用紙キー104、及び倍率キー106は、初期画面100の左側領域に表示される。色変換キー108、キャンセルキー110、及びコピーキー112は、初期画面100の右側領域に表示される。
【0028】
色変換キー108を押下することによって開始される色変換モードは、画像データにおける特定色に対する色変換を行なうためのモードである。本実施の形態において、画像データの色変換は、後述するマンセルの色立体画像及び等色相面を使用して、マンセル表色系にしたがって行なわれる。マンセル表色系とは、日本工業規格JISZ8721によって規格化される表色系であって、色相、明度、及び彩度によって物体色を表わすものである。
【0029】
色相は、マンセルの色相環によって表現できる。マンセルの色相環とは、赤(R)、黄(Y)、緑(G)、青(B)、及び紫(P)の基本となる5色と、これらの中間色相である黄赤(YR)、黄緑(GY)、青緑(BG)、青紫(PB)、及び赤紫(PR)の5色とからなる10色相のそれぞれをさらに10分割して得られる100色相を、知覚的に等間隔になるように順番に円形に並べたものである。色相を表現する数値としては、基本となる5色には5が割当てられ、中間色相の5色には10が割当てられる。10色相のそれぞれをさらに10分割したものには、それぞれ、1〜4、及び6〜9の各数値が割当てられる。色相は、上記した数値を色名に付加して表現される。例えば、緑色であれば5G、青色であれば5B、青緑であれば10GBとして表現される。
【0030】
明度は、色の明るさを示す指標である。明度を表現する数値は、色を持たない無彩色を基準にして割当てられる。すなわち、理想的な黒色(無彩色)を0とし、理想的な白色(無彩色)を10として、その中間の明るさ(すなわち、灰色)には、その明るさの度合いに応じて知覚的に等間隔になるように、1〜9の各数値が割当てられる。本来、白色は光の全反射をするもの、黒色は全吸収をするものとして物理的に定義されるが、現実的にはそれらを表現することは不可能であるため、実際には、白色を9.5とし、黒色0として色票化されている。
【0031】
彩度は、色の鮮やかさを示す指標である。彩度を表現する数値は、無彩色を0として、有彩色には、色の鮮やかさの度合い応じて知覚的に等間隔になるように、最大14程度までの各数値が割当てられる。最高彩度の値は、各色相によって異なる。
【0032】
各色は、上記した色の3属性を用いて表わすことができる。すなわち、有彩色は、「色相 明度/彩度」にて表わす。例えば、色相が1YR、明度が6、彩度が4であれば、「1YR 6/4」と表わす。無彩色は、「N+明度(例えば、N3等)」にて表わす。
【0033】
図3を参照して、マンセルの色立体画像202は、上記した色の3属性の色の差が、それぞれ等間隔に見えるように図形化されたものである。色立体画像202において、中心の垂直軸は、明度を表わす無彩色軸203である。軸203の鉛直方向最上部は白色を示し、最下部は黒色を示し、その中間部は灰色を示す。軸203の周りは、軸203を中心とする色相環で表わされ、色相は、軸203を中心として、周囲360度における方向によって表わされる。彩度は、無彩色軸203からの距離によって示され、無彩色軸203に対して外方に向かうほど、彩度の値が大きくなる。なお、図3において、色立体画像202は、無彩色で表わされているが、実際には、無彩色ではなく、赤色、青色、及び黄色等の有彩色にて表わされる。
【0034】
色立体画像202を、軸203を通り、かつ軸203に平行な面によって切断すると、補色の関係にある等色相面が左右に並んで現れる。図4に、黄色に対応する等色相面300を示す。図4を参照して、等色相面300は、同一色相の各色を配置したものであって、横軸に彩度の各段階が表わされ、縦軸に明度の各段階が表わされる。
【0035】
本実施の形態において、ユーザは、表示パネル80に表示される色立体画像202における所望の色相にて示される部分をタッチすることで、所望の色相を指定することができる。ユーザはまた、表示パネル80に表示される等色相面における所望の明度及び彩度にて示される部分をタッチすることで、所望の色を指定することができる。色立体画像202及び等色相面を用いた色の指定方法の詳細については、後述する。
【0036】
画像読取部55は、光源を含む原稿走査ユニット、反射ミラー、光学レンズ及びCCD(Charge−Coupled Device)ラインセンサ(以上いずれも図示せず。)を含む。原稿走査ユニットは、ユーザによって手動で、又は、自動原稿搬送装置(図示せず。)によって、原稿載置台(図示せず。)上に載置された原稿の画像表面に対し光源から光を照射することによって反射光像を得る。反射ミラー及び光学レンズは、得られる反射光像をCCDラインセンサ上に結像させる。CCDラインセンサは、結像された反射光像を順次光電変換して画像データ(以下「スキャンデータ」と記す場合がある。)を生成する。
【0037】
画像処理部56は、MPU(図示せず。)を含む。画像処理部56は、画像読取部55から出力されるスキャンデータ(RGBデータ)に対して、色空間変換処理及びラスタライズ処理等の所定の画像処理を施して所定の階調の画像データを作成し、画像メモリ57に対して出力する。上記した色空間変換処理は、HDD52に予め記憶されるLUTに基づいて行なわれる。
【0038】
画像メモリ57は、RAMを含み、画像データをページ単位で一時的に記憶する。画像メモリ57は、制御部50等からの指示に応じて、画像形成部58に送信するための、画像処理部56から入力される画像データ、又は、外部装置から送信される画像データをページ単位で一時的に記憶し、記憶した画像データを画像形成部58による画像形成に同期して、画像形成部58に出力する。
【0039】
画像形成部58は、感光体ドラム、帯電器、LSU(Laser Scanning Unit)、現像装置、転写装置、クリーニング装置及び定着装置(以上いずれも図示せず。)、並びに、画像形成装置10に着脱自在に装着されるトナーカートリッジを含む。画像形成部58はさらに、画像形成装置10に着脱自在に装着される、手差し給紙トレイ、第1給紙トレイ、第2給紙トレイ及び第3給紙トレイ(以上いずれも図示せず。)を含む。これらの給紙トレイは、この順で上下に並ぶように設置され、記録用紙を保持し、用紙搬送部(図示せず。)に記録用紙を送給する。手差し給紙トレイは、ユーザが手動により所望の記録用紙を設置するためのトレイであり、第1給紙トレイ〜第3給紙トレイは、異なる大きさの記録用紙を保持するためのトレイである。これらの給紙トレイには、例えば、B5サイズ、A4サイズ、B4サイズ、及び、A3サイズの記録用紙がそれぞれ設置される。画像形成部58は、制御部50等からの指示に応じて、上記給紙トレイのいずれかから用紙搬送部を介して搬送される記録用紙上に、画像メモリ57から送信される画像データに基づく画像を印刷する。
【0040】
表示画面生成部60は、制御部50等からの指示に応じて、表示パネル80に表示させるための表示用の画像データを生成する。表示画面生成部60は、生成した画像データに基づいて、表示パネル80に対し、例えば、コピーモードの初期画面100(図2参照)、及び色変換設定画面200(図8参照)等の各種画面を表示させる。
【0041】
通信部61は、LAN(Local Area Network)回線等からなるネットワーク20とのインターフェイスをとるLANインターフェイス(LAN I/F)である。画像形成装置10は、この通信部61を介して、ネットワーク20上の外部装置と、所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を行なう。
【0042】
電源制御部62は、外部電源63と電気的に接続される。電源制御部62は、画像形成装置10の各部の動作に必要な電力を外部電源63から取得し、取得した電力を画像形成装置10の各部に供給する。
【0043】
画像形成装置10は、上述した各部を動作させることによって、操作部54に対する入力操作に基づくユーザの指示又は外部装置からの指示に応じて、原稿画像を読取り記録用紙に印刷するコピーモード、外部装置から送信される画像データを受信して記録用紙に印刷するプリンタモード、原稿画像を読取り外部装置に送信するスキャナモード等の各種のモードのうちのいずれかを実行する。
【0044】
〈ソフトウェア構成〉
色変換処理を実現するためのコンピュータプログラムは、画像形成装置10の動作モードとしてコピーモードが設定され、表示パネル80に、コピーモードの初期画面100(図2参照)が表示されることによって、起動される。
【0045】
図5を参照して、色変換処理を実現するためのコンピュータプログラムは、画像データが入力されたか否かを判定するステップS101と、ステップS101にて、画像データが入力されていないと判定された場合(NOの場合)に実行され、表示画面生成部60が、表示パネル80に対し、画像データの入力を要求するメッセージを表示させるステップS102と、を含む。ステップS102の処理後、制御はステップS101に戻る。
【0046】
このプログラムはさらに、ステップS101にて、画像データが入力されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、表示画面生成部60が、表示パネル80に対し、入力された画像データに基づくプレビュー画像を表示させるステップS103と、色変換モードの開始が要求されたか否かを判定するステップS104と、を含む。ステップS104にて、色変換モードの開始が要求されていないと判定された場合(NOの場合)には、本制御は終了する。
【0047】
このプログラムはさらに、ステップS104にて、色変換モードの開始が要求されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、プレビュー画像における、画像データにおける変換の対象となる色(以下「変換対象色」と記す。)を確定するための部分がタッチされたか否かを判定するステップS105を含む。
【0048】
このプログラムはさらに、ステップS105にて、変換対象色を確定するための部分がタッチされたと判定された場合(YESの場合)に実行され、タッチされた部分の表示色に基づいて、画像データにおける変換対象色を確定するステップS106と、表示画面生成部60が、表示パネル80に対し、後述する色変換設定画面を表示させるステップS107と、を含む。
【0049】
このプログラムはさらに、色変換後の色(以下「変換色」と記す。)が指定されるまで待機するステップS108と、ステップS108にて、変換色が指定されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、表示画面生成部60が、表示パネル80に対し、確定された変換対象色にて表示される部分が、指定された変換色にて表示されるように、プレビュー画像の表示を変更させるステップS109と、を含む。ステップS109の処理後、制御はステップS105に戻る。
【0050】
このプログラムはさらに、ステップS105にて、変換対象色を確定するための部分がタッチされていないと判定された場合(NOの場合)に実行され、色変換設定画面に表示されるキャンセルキーが押下されたか否かを判定するステップS110と、ステップS110にて、キャンセルキーが押下されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、色変換モードを解除するステップS111と、を含む。
【0051】
このプログラムはさらに、ステップS110にて、キャンセルキーが押下されていないと判定された場合(NOの場合)に実行され、色変換設定画面に表示されるOKキーが押下されたか否かを判定するステップS112と、ステップS112にて、OKキーが押下されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、入力された画像データにおける確定された変換対象色が、指定された変換色となるように、画像データに対する色変換を実行するステップS113と、を含む。ステップS112にて、OKキーが押下されていないと判定された場合(NOの場合)には、制御は、ステップS105に戻る。ステップS111の処理後、又は、ステップS113の処理後には、本制御は終了する。
【0052】
〈動作〉
図1〜図13を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10は、以下のように動作する。以下の動作を除く、画像形成装置10の動作は、従来の画像形成装置の動作と同じである。以下の動作において、画像形成装置10の電源は投入されているものとする。
【0053】
ユーザは、操作パネル78のホームキー88を押下する。ホームキー88が押下されると、表示パネル80には、ホーム画面(図示せず。)が表示される。ユーザは、ホーム画面に対する入力操作によって、画像形成装置10の動作モードをコピーモードに設定する。コピーモードが設定されると、表示パネル80には、コピーモードの初期画面100(図2参照)が表示される。
【0054】
初期画面100が表示されると、CPU70は、画像データが入力されていないと判定する(ステップS101にてNO)。CPU70によって上記判定がなされると、表示画面生成部60は、表示パネル80に対し、例えば「原稿をスキャンして下さい」等の、画像データの入力を要求するメッセージを表示させる(ステップS102)。このメッセージは、例えば、初期画面100の前面又は中央部に表示される。
【0055】
ユーザは、表示されたメッセージを確認し、緑色にて彩色された画像を一部に含む所望の原稿(図示せず。)を画像形成装置10の原稿載置台(図示せず。)に載置するとともに、操作部54に対する入力操作によって、スキャン処理の開始を要求する指示を出す。スキャン処理の開始が要求されると、画像読取部55は、原稿載置台に載置される原稿の画像を読取るとともに、読取った画像情報に基づいてスキャンデータを生成する。
【0056】
スキャンデータが生成されると、CPU70は、画像データが入力されたと判定し(ステップS101にてYES)、表示画面生成部60は、表示パネル80に対し、入力された画像データ(この場合、スキャンデータ)に基づくプレビュー画像を表示させる(ステップS103)。このとき、プレビュー画像の表示に同期して、画像データの入力を要求するメッセージの表示は終了される。図6を参照して、表示パネル80において、初期画面100の中央部には、プレビュー画像114が表示される。プレビュー画像114において、原稿に含まれる緑色にて彩色された画像に対応する領域116は、緑色にて表示される。
【0057】
ユーザは、領域116の色変換を所望し、色変換キー108を押下する。色変換キー108が押下されると、CPU70は、色変換モードの開始が要求されたと判定し(ステップS104にてYES)、色変換モードを開始する。図7を参照して、ユーザは、色変換キー108の押下後、領域116をタッチする。領域116がタッチされると、CPU70は、プレビュー画像114における変換対象色を確定するための部分がタッチされたと判定し(ステップS105にてYES)、タッチされた部分の表示色に基づいて、画像データにおける変換対象色を確定する(ステップS106)。この場合、タッチされた領域116は緑色にて表示されるので、緑色が変換対象色として確定される。変換対象色が確定されると、表示画面生成部60は、表示パネル80に対し、色変換設定画面200を表示させる(ステップS107)。
【0058】
図8を参照して、色変換設定画面200の中央部には、変換色の色相を指定するための色立体画像202が3次元(3D)表示される。色変換設定画面200において、色立体画像202に対して右側の領域には、色変換モードを解除するためのキャンセルキー206、及び、画像データに対する色変換を実行させるためのOKキー208が表示される。色立体画像202に対して左側の領域には、プレビュー画像114が縮小されて表示される。このとき、色立体画像202は、確定された変換対象色の色相(この場合、緑色)が、画面上にて最も手前にくるように表示される。色立体画像202は、色立体画像202上における画面左右方向のフリック操作によって、軸203を中心として回転可能に表示される。フリック操作とは、表示部分を所定方向に向けて指で軽く払う操作を示す。
【0059】
ユーザは、色立体画像202上を画面左右方向にフリックすることで、所望の色相(この場合、青色)が画面上に表示されるように、色立体画像202を回転させる。所望の色相が画面上に表示されると、ユーザは、色立体画像202において所望の色相(青色)にて示される部分をタッチする。この操作によって、ユーザは、変換色の色相を指定することができる。
【0060】
図9を参照して、変換色の色相の指定後、ユーザは、色立体画像202の近傍を、ピンチアウトする。ピンチアウトとは、画面上の対象部分を広げるように2本の指(親指及び人指し指)を離していく操作のことである。図10を参照して、ピンチアウトがなされると、色変換設定画面200の中央部には、色立体画像202を、指定された色相にて示される部分で画面左右方向に開いた状態を表わす断面画像が2次元(2D)表示される。すなわち、色変換設定画面200の中央部には、指定された色相(青色)に対応する等色相面301と、色立体画像202において指定された色相の左側に隣接して配置される色相(例えば、青紫色)に対応する等色相面302と、が左右に並んで表示される。なお、ユーザは、等色相面301,302の近傍をピンチインすることによって、表示された断面画像を閉じて、色立体画像202を再度表示させることができる。ピンチインとは、画面上の対象部分を狭めるように2本の指(親指及び人指し指)を近づけていく操作のことである。
【0061】
図11を参照して、ユーザは、等色相面301,302の近傍をフリックすることよって、表示される等色相面の組合せを変更することができる。すなわち、ユーザによって、等色相面301,302の近傍が画面左方向にフリックされると、色立体画像202において、等色相面501の色相(青色)の右側に隣接して配置される色相(例えば、青緑色)の等色相面303と、その色相の右側に隣接して配置される色相(例えば、緑色)の等色相面304との組合せが、等色相面301,302に代えて表示される。ユーザによって、等色相面301,302の近傍が画面右方向にフリックされると、色立体画像202において、等色相面502の色相(青紫色)の左側に隣接して配置される色相(例えば、紫色)の等色相面305と、その色相の左側に隣接して配置される色相(例えば、赤紫色)の等色相面306との組合せが、等色相面301,302に代えて表示される。このように、フリック操作の方向及び色立体画像202における色相の配置順に従って、表示される等色相面の組合せが変更される。
【0062】
再び図10を参照して、ユーザは、青色の等色相面301において所望の明度及び彩度にて示される部分をタッチする。この操作によって、ユーザは、変換色を指定することができる。等色相面301における上記した部分がタッチされると、CPU70は、変換色が指定されたと判定する(ステップS108にてYES)。図12を参照して、CPU70によって上記判定がなされると、表示画面生成部60は、表示パネル80に対し、確定された変換対象色(この場合、緑色)にて表示される部分が、指定された変換色(この場合、青色)にて表示されるように、プレビュー画像114の表示を変更させる(ステップS109)。これによって、領域116の色は、緑色から青色に変更されて表示される。
【0063】
ユーザは、表示が変更されたプレビュー画像114を確認し、問題がなければ、OKキー208を押下する。OKキー208が押下されると(ステップS112にてYES)、CPU70は、入力された画像データ(この場合、スキャンデータ)における確定された変換対象色が、指定された変換色となるように、画像データに対する色変換を実行する(ステップS113)。画像データに対する色変換が実行されると、表示画面生成部60は、表示パネル80に対し、コピーモードの初期画面100を再度表示させる。図13を参照して、初期画面100の中央部には、色変換設定画面200において縮小表示されていたプレビュー画像114が元の大きさに拡大されて表示される。このプレビュー画像114において、領域116は、青色にて表示される。
【0064】
ユーザは、カラーキー102、用紙キー104、及び倍率キー106に対する入力操作によって所望の各種設定を行なった後、コピーキー112を押下する。コピーキー112が押下されると、色変換後のスキャンデータは、画像処理部56によって各種画像処理が施される。このとき、色変換後のスキャンデータ(RGBデータ)は、HDD52に予め記憶されるLUTに基づいて色空間変換処理が施され、Labデータに変換される。色変換後のスキャンデータは、各種画像処理が施された後、画像メモリ57に入力され、一時的に記憶される。画像メモリ57は、記憶した画像データを画像形成部58による画像形成に同期して、画像形成部58に出力する。画像形成部58は、給紙トレイのいずれかから用紙搬送部を介して搬送される記録用紙上に、画像メモリ57から出力される画像データに基づく画像を印刷する。出力画像において、領域116に対応する画像は、青色で印刷される。
【0065】
なお、ユーザは、色変換モード時において、色変換設定画面200に表示されるキャンセルキー206を押下することによって(ステップS110にてYES)、色変換モードを解除することができる(ステップS111)。色変換モードが解除されると、表示パネル80には、コピーモードの初期画面100が、色変換モード開始前の状態で表示される。
【0066】
また上記実施の形態において、CPU70は、スキャンデータが生成されたことに応答して、画像データが入力されたと判定したが(ステップS101にてYES)、本実施の形態はこのような構成に限定されない。CPU70は、通信部61が外部装置から送信される画像データを受信したことに応答して、上記判定を行なう場合もある。この場合には、通信部61が受信した画像データに基づくプレビュー画像が、表示パネル80に表示される(ステップS103)。
【0067】
〈作用・効果〉
上記実施の形態によれば、操作部54は、画像データを入力する画像読取部55又は通信部61と、画像読取部55又は通信部61によって入力された画像データにおける変換対象色が変換色となるように画像データに対する色変換を行なうCPU70と、を含む画像形成装置10に備えられる。この操作部54において、表示パネル80は、画面を表示し、CPU70は、画像読取部55又は通信部61によって入力された画像データにおける変換対象色を確定し、表示画面生成部60は、表示パネル80に対し色立体画像202を表示させ、表示パネル80は、色立体画像202に対する入力操作を受付けることで、変換色の上位の属性(色相)の指定を受付け、表示画面生成部60は、表示パネル80に対し、表示パネル80が受付けた上位の属性(色相)に対応する色立体画像202の断面画像(等色相面301)を表示させ、表示パネル80は、断面画像(等色相面301)に対する入力操作を受付けることで、変換色の下位の属性(明度及び彩度)の指定を受付ける。
【0068】
このように、変換色の上位の属性の指定を色立体画像202に対する入力操作によって行ない、変換色の下位の属性の指定を、指定された上位の属性に対応する色立体画像202の断面画像に対する入力操作によって行なうので、ユーザは、少ない入力操作で多くの設定を行なうことができる。さらに、変換色の属性の指定時に、明度及び彩度等におけるバランスを視覚的に把握できるので、色調整後のイメージを視覚的に把握しやすい。その結果、ユーザは、詳細な色調整を手動によって容易に行なうことができる。
【0069】
また上記実施の形態によれば、表示画面生成部60は、表示パネル80に対し、画像読取部55又は通信部61によって入力された画像データに基づくプレビュー画像114を表示させるとともに、表示パネル80が変換色の下位の属性(明度及び彩度)の指定を受付けたことに応答して、表示パネル80に対し、プレビュー画像114における変換対象色にて表示される部分が、変換色にて表示されるように、プレビュー画像114の表示を変更させる。これによって、ユーザは、色調整後のイメージをより一層視覚的に把握しやすい。その結果、操作部54の視認性がより一層向上する。
【0070】
また上記実施の形態によれば、色立体画像202は、変換対象色の色相が、画面上にて最も手前にくるように表示される。これによって、ユーザは、変換対象色の色相を、色立体画像202を見ることによって容易に確認することができる。その結果、操作部54の視認性がより一層向上する。
【0071】
また上記実施の形態によれば、表示パネル80は、LCDに重ねて配置され、画面に対するユーザの操作を受付けるタッチパネルを含み、表示画面生成部60は、タッチパネルが、色立体画像202が表示されている画面における画面左右方向のフリック操作を検出したことに応答して、フリック操作の方向に従って色立体画像202を回転させるとともに、タッチパネルが、色立体画像202が表示されている画面に対するピンチアウト操作を検出したことに応答して、表示パネル80に対し、色立体画像202の断面画像(等色相面301)を表示させる。これによって、ユーザは、直観的に詳細な色指定を行なうことができる。その結果、操作部54の操作性がより一層向上する。
【0072】
また上記実施の形態によれば、表示画面生成部60は、タッチパネルが、断面画像(等色相面301)が表示されている画面における画面左右方向のフリック操作を検出したことに応答して、表示パネル80に対し、フリック操作の方向及び色立体画像202における色の属性(色相)の配置順に従って、表示されている断面画像(等色相面301)とは異なる断面画像(等色相面303〜306)を表示させる。これによって、ユーザは、より一層容易に詳細な色指定を行なうことができる。その結果、操作部54の操作性がさらに向上する。
【0073】
また上記実施の形態によれば、上位の属性は色相であり、下位の属性は、明度及び彩度であるので、ユーザは、少ない入力操作で変換色の色相、明度、及び彩度の指定を行なうことができる。その結果、操作部54の操作性がさらに向上する。
【0074】
なお、上記実施の形態によれば、色立体画像202の断面画像は、色立体画像202を、指定された色相にて示される部分で画面左右方向に開いた状態を表わす画像であったが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、ユーザによってタッチされた部分(すなわち、指定された明度にて示される部分)を通り、かつ軸203に対して垂直な面で、色立体画像202を切断することで得られる画像であってもよい。このとき、表示パネル80には、彩度の異なる複数の色相環(図示せず。)が同心円状に表示される。ユーザはこの色相環において、所望の色相及び彩度にて示される部分をタッチすることで変換色を指定することができる。また、上記した複数の色相環が表示されている画面における画面上下方向のフリック操作を検出すると、表示パネル80は、フリック操作の方向及び色立体画像202における色の属性(明度)の配置順に従って、表示されている断面画像(複数の色相環)とは異なる断面画像を表示させる。
【0075】
また上記実施の形態によれば、画像形成装置10は、画像データを入力する画像読取部55又は通信部61と、上記した操作部54と、操作部54にて確定された変換対象色及び操作部54にて指定された変換色に基づいて、画像読取部55又は通信部61によって入力された画像データにおける変換対象色が変換色となるように、画像データに対する色変換を行なうCPU70と、を含む。このように、画像形成装置10は上記した操作部54を含むので、ユーザが所望する色変換を容易に行なうことができる。
【0076】
なお、上記実施の形態において、画像処理部56は、LUTを用いて色空間変換処理を行なったが、本発明はそのような実施の形態に限定されず、所定の変換式に基づく演算を実行することで行なってもよい。また、色空間変換処理は、L表色系に限らず他の表色系を用いて行なってもよい。
【0077】
また上記実施の形態では、色変換後の画像データに対してコピー処理が実行されたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、色変換後の画像データを電子メールに添付して送信する処理、又は、色変換後の画像データを所定の記憶装置(例えば、HDD52)に格納する処理等が行なわれてもよい。この場合には、各処理に対応する動作モードの初期画面が、上記コピーモードの初期画面100と類似の態様で表示されるとともに、コピーキー112に代えて、電子メール送信処理を実行するための送信キー又は画像データ記憶処理を実行するための保存キー(いずれも図示せず。)等が、表示される。
【0078】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、この発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。この発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0079】
10 画像形成装置
54 操作部
55 画像読取部
60 表示画面生成部
61 通信部
70 CPU
80 表示パネル
114 プレビュー画像
202 色立体画像
300〜306 等色相面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された画像データにおける第1の色が第2の色となるように前記画像データに対する色変換を行なう色変換手段と、を含む画像処理装置に備えられる操作装置であって、
画面を表示する表示手段と、
前記入力手段によって入力された画像データにおける第1の色を確定する確定手段と、
前記表示手段に対し、色立体画像を表示させる第1の表示制御手段と、
前記色立体画像に対する入力操作を受付けることで、前記第2の色の上位の属性の指定を受付ける第1の受付手段と、
前記表示手段に対し、前記第1の受付手段が受付けた前記上位の属性に対応する前記色立体画像の断面画像を表示させる第2の表示制御手段と、
前記断面画像に対する入力操作を受付けることで、前記第2の色の下位の属性の指定を受付ける第2の受付手段と、を含む、操作装置。
【請求項2】
前記操作装置はさらに、
前記表示手段に対し、前記入力手段によって入力された画像データに基づくプレビュー画像を表示させる第3の表示制御手段と、
前記第2の受付手段が前記第2の色の下位の属性の指定を受付けたことに応答して、前記表示手段に対し、前記プレビュー画像における前記第1の色にて表示される部分が、前記第2の色にて表示されるように、前記プレビュー画像の表示を変更させる表示変更手段と、を含む、請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記色立体画像は、前記第1の色の色相が、前記画面上にて最も手前にくるように表示される、請求項1又は請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記操作装置はさらに、前記表示手段に重ねて配置され、前記画面に対するユーザの操作を受付けるタッチパネルを含み、
前記第1の表示制御手段は、前記タッチパネルが、前記色立体画像が表示されている画面における所定方向のフリック操作を検出したことに応答して、前記フリック操作の方向に従って前記色立体画像を回転させる回転表示手段を含み、
前記第2の表示制御手段は、前記タッチパネルが、前記色立体画像が表示されている画面に対するピンチアウト操作を検出したことに応答して、前記表示手段に対し、前記断面画像を表示させる、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の操作装置。
【請求項5】
前記第2の表示制御手段は、前記タッチパネルが、前記断面画像が表示されている画面における所定方向のフリック操作を検出したことに応答して、前記表示手段に対し、前記フリック操作の方向及び前記色立体画像における色の属性の配置順に従って、前記表示されている断面画像とは異なる断面画像を表示させる、請求項4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記上位の属性は色相であり、前記下位の属性は、明度及び彩度である、請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の操作装置。
【請求項7】
画像データを入力する入力手段と、
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の操作装置と、
前記操作装置にて確定された第1の色及び前記操作装置にて指定された第2の色に基づいて、前記入力手段によって入力された画像データにおける前記第1の色が前記第2の色となるように、前記画像データに対する色変換を行なう色変換手段と、を含む画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−227810(P2012−227810A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94965(P2011−94965)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】