説明

操作装置及び操作方法

【課題】フリック操作により、ユーザの所望する画像を容易に表示させることが可能な操作部102を提供する。
【解決手段】ユーザにより、前記表示リスト画像805のリスト項目のマーク項目805aが押下されると、当該押下されたマーク項目805aにマーク画像705を付与するマーキング付与手段407と、ユーザによるフリック操作が検知されると、前記リスト画像700の全体のうち、前記マーク画像705が存在するか否かを判定するマーキング判定手段404と、前記マーク画像705が存在する場合に、前記表示リスト画像805の表示範囲を、当該マーク画像705が付与されたマーク項目704aのリスト項目704までスクロールするスクロール表示手段406とを備える操作部102を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置及び操作方法に関し、詳しくは、フリック操作により、ユーザの所望する画像を容易に表示させることが可能な操作装置及び操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像再生装置において、画像を拡大等したことにより、画像全体の一部領域を表示範囲として表示している状態で、操作部材やタッチパネル等の操作により表示範囲を移動させる方法が知られている。例えば、操作部材を押下した場合に、所定の移動幅で表示範囲を移動(スクロール)させて、全体画像に対する表示範囲を任意に変えることができる。
【0003】
一方、画像全体のサイズに対してスクロール量を一定にすると、画像を拡大した場合にスクロール量が大きくなってしまう。そこで、従来技術として、拡大率に応じて拡大するほど、画像全体に対するスクロール幅を小さく変えて移動するという技術が存在する。
【0004】
又、タッチパネル上で指をある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作を検出したことに応じて、そのタッチで指示されたディスプレイ上の表示アイテムを、指を離した後も減速しながら移動させるといった機能も提供されている。
【0005】
例えば、タッチパネル上の指の移動に追随して表示部に表示させたイメージをスクロールさせ、タッチパネルから指を離した時から、スクロール速度を徐々に減少させ、スクロールを停める技術が存在する。このような技術により、タッチパネル上に表示された表示アイテムを指ではじくように素早くなぞる操作(以下、フリックと称す)をすることにより、指示したアイテムをなぞった方向にはじき飛ばすような操作感を実現可能にしている。
【0006】
しかしながら、上述した技術では、画像全体のサイズと比較して表示範囲のサイズが小さい場合には、画像全体のサイズにわたって表示範囲を移動させるために多くの操作回数が必要となる。
【0007】
又、上述したように、表示範囲を移動するための1回の操作で表示範囲が移動する幅を、画像の拡大率に応じて変える技術では、当該拡大率が小さいほど移動幅を大きく、拡大率が大きいほど移動幅を小さくする。すると、この場合、画像全体に対する表示範囲が小さくなるほど、画像全体における所定の範囲から他の範囲へ表示範囲を移動するために必要な操作の回数が増加してしまうという問題がある。又、1回の操作での表示範囲の見た目の移動幅を固定した場合も、表示範囲を移動させるために必要な操作の回数が増加してしまうという問題がある。
【0008】
このような課題を解決する発明として、特開2011−34512号公報(特許文献1)には、画像全体の一部領域を表示部に表示する表示制御手段と、ユーザによる所定の操作を検知する検知手段と、前記検知手段による検知に応じて、前記表示部に表示された一部領域の表示範囲を移動させる表示範囲変更手段とを備えた表示制御装置が開示されている。前記表示制御装置は、前記画像全体に対する前記一部領域の表示範囲が小さくなるに従って、前記所定の操作における特定の操作量に対する前記一部領域の移動幅を大きくするように前記表示範囲変更手段を制御する制御手段を備える。これにより、画像全体に対する表示範囲をより小さくした場合であっても、表示範囲の移動に必要な操作回数の増加を抑えることが出来るとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−34512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記特許文献1に記載の発明では、ユーザの操作(例えば、フリック操作)により、手軽で且つ容易に表示範囲を移動させることが可能であるものの、この表示範囲の移動量(幅)は、主として、ユーザによるフリック操作の操作速度に基づいて決定される。そのため、前記フリック操作により移動された表示範囲が、必ずしもユーザの所望する位置の表示範囲であるとは限らない。つまり、ユーザが、自己の所望するフリック操作の操作速度を実現するのは難しいため、ユーザは、最終的に多くのフリック操作を行なって、自己の所望する表示範囲を表示させている実態がある。従って、前記特許文献1に記載の発明では、前記表示範囲が変更出来たとしても、ユーザの所望する表示範囲を表示させるために、多くの操作回数を要するという問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、フリック操作により、ユーザの所望する画像を容易に表示させることが可能な操作装置及び操作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る操作装置は、所定の画像の全体のうち、所定の表示範囲で指定された表示画像を表示するタッチパネル上でユーザのフリック操作を検知すると、当該フリック操作に対応する移動量で前記表示範囲をスクロールして新たな表示画像を表示する操作装置を前提とし、以下の構成を採用する。
【0013】
前記操作装置は、ユーザにより、前記表示画像内の特定の位置が押下されると、当該押下された特定の位置にマーク画像を付与するマーキング付与手段と、ユーザによるフリック操作が検知されると、前記画像の全体のうち、前記マーク画像が付与された特定の位置が存在するか否かを判定するマーキング判定手段とを備える。又、前記操作装置は、前記マーク画像が付与された特定の位置が存在する場合に、前記表示範囲を、当該マーク画像が付与された特定の位置までスクロールして、当該特定の位置を表示するスクロール表示手段を備える。
【0014】
これにより、ユーザが、前記画像の全体のうち、特定の位置に前記マーク画像を予め付与しておけば、一回のフリック操作により、当該マーク画像が付与された特定の位置を容易にスクロール表示させることが可能となる。そのため、ユーザによるフリック操作回数を減らすとともに、所望する特定の位置を容易に見つけ出すことが出来て、検索性能を向上させることが可能となる。
【0015】
又、前記マーキング付与手段は、前記表示画像内の特定の位置が押下されると、前記マーク画像が付与された特定の位置と、当該マーク画像が付与された順番とをマーキングテーブルに関連付けて記憶させる。又、前記マーキング判定手段は、前記マーキングテーブルの特定の位置のうち、前記順番の順位が高く、且つ、当該マーキングテーブルから未だに表示していない特定の位置が存在する場合に、前記マーク画像が付与された特定の位置が存在すると判定する。そして、前記スクロール表示手段は、前記順位が高い順番に対応して、前記表示範囲を、前記マーク画像が付与された特定の位置までスクロールするよう構成することが出来る。
【0016】
又、前記スクロール表示手段は、前記マーク画像が付与された特定の位置が存在しない場合に、前記フリック操作に対応する移動量で前記表示範囲をスクロールするよう構成することが出来る。
【0017】
又、前記所定の画像は、リスト画像であり、前記特定の位置は、リスト画像を構成するリスト項目のマーク項目であるよう構成することが出来る。
【0018】
又、前記操作装置は、画像形成装置に適用することが出来る。
【0019】
尚、本発明は、所定の画像の全体のうち、所定の表示範囲で指定された表示画像を表示するタッチパネル上でユーザのフリック操作を検知すると、当該フリック操作に対応する移動量で前記表示範囲をスクロールして新たな表示画像を表示する操作装置の操作方法として提供することが出来る。
【0020】
即ち、前記操作方法は、ユーザにより、前記表示画像内の特定の位置が押下されると、当該押下された特定の位置にマーク画像を付与するマーキング付与ステップと、ユーザによるフリック操作が検知されると、前記画像の全体のうち、前記マーク画像が付与された特定の位置が存在するか否かを判定するマーキング判定ステップとを備える。又、前記マーク画像が付与された特定の位置が存在する場合に、前記表示範囲を、当該マーク画像が付与された特定の位置までスクロールして、当該特定の位置を表示するスクロール表示ステップを備える。このような構成であっても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
【0021】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することができる。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の操作装置及び操作方法によれば、フリック操作により、ユーザの所望する画像を容易に表示させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【図3】本発明に係る複合機及び操作部の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における複合機及び操作部の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の実行手順を示すための第一のフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態の実行手順を示すための第二のフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態のリスト画像の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示されたファックスボックス画面の一例を示す第一の図(図8(A))と、本発明の実施形態のタッチパネル上に表示されたファックスボックス画面の一例を示す第二の図(図8(B))とである。
【図9】本発明の実施形態のマーキングテーブルの一例を示す図(図9(A))と、本発明の実施形態のタッチパネル上に表示されたファックスボックス画面の一例を示す第三の図(図9(B))である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、添付図面を参照して、本発明の操作装置を備えた画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0025】
<画像形成装置及び操作装置>
以下に、本発明の実施形態に係る操作装置を備えた画像形成装置について説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略模式図である。但し、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。尚、本発明の画像形成装置は、例えば、プリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当し、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等を備えた画像形成装置として機能する。以下に、例えば、コピー機能を利用する場合の複合機100(MFP:Multi Function Peripheral)の動作を簡単に説明する。
【0027】
先ず、ユーザが複合機100を利用する場合、原稿Pを複合機100の上面に備えられている原稿台101に載置し、コピー機能の設定を操作部102から入力する。当該操作部102には、複合機100が提供するコピー機能に関連する操作画面(初期画面など)が表示され、コピー機能に関連する複数の設定項目キーが選択可能に表示されている。又、前記操作画面には、各機能毎に機能項目キーがタブ形式で選択可能に表示される。ユーザは、前記操作画面を介して、コピー機能に関する設定条件の入力を行う。
【0028】
ユーザが、設定条件の入力を完了すると、操作部102に設けられたスタートキー205を押下して、複合機100にコピー機能の処理を開始させる。
【0029】
複合機100がコピー機能の処理を開始すると、画像読取部103において、光源104から照射された光が、前記原稿台101に置かれた原稿に反射される。反射された光は、ミラー105、106、107によって撮像素子108に導かれる。導かれた光は前記撮像素子108により光電変換されて、基本的な補正処理、画質処理、圧縮処理等を施され、前記原稿に対応する画像データが生成される。
【0030】
尚、前記生成された画像データは、前記操作部102からの指示に応じて、前記撮像素子108に接続された通信部20に送信される。前記通信部20は、前記操作部102から入力された宛先(例えば、ファクシミリ番号、電子メールアドレスなど)と前記画像データとを用い、ネットワーク30を介して前記宛先に前記画像データを送信する。
【0031】
さて、前記画像データをトナー像として転写する駆動部が画像形成部109である。前記画像形成部109には感光体ドラム110が備えられている。前記感光体ドラム110は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器111、露光ユニット112、現像器113、転写器114、クリーニングユニット115などが配置されている。
【0032】
前記帯電器111は、前記感光体ドラム110の表面を一様に帯電させる。前記露光ユニット112は、帯電された前記感光体ドラム110の表面に、前記画像データに基づいてレーザーを照射し、静電潜像を形成する。前記現像器113は、搬送された静電潜像に、トナーを付着させてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、前記転写器114により、記録媒体(例えば、シート)に転写される。前記クリーニングユニット115は、前記感光体ドラム110の表面に残された余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、前記感光体ドラム110が回転することにより実行される。
【0033】
前記シートは、前記複合機100に備えられた複数の給紙カセット116から搬送される。搬送される時は、前記シートはピックアップローラ117により何れか1つの前記給紙カセット116から搬送路へ引き出される。前記各給紙カセット116には、それぞれ異なる紙種のシートが収容されており、前記出力条件に関する設定に基づいてシートが給紙される。
【0034】
搬送路に引き出された前記シートは、搬送ローラ118やレジストローラ119により感光体ドラム110と転写器114の間に送り込まれる。送り込まれると、前記シートは前記転写器114により前記トナー像が転写され、定着装置120に搬送される。
【0035】
前記トナー像が転写されたシートが前記定着装置120に備えられた加熱ローラ121と加圧ローラ122の間を通過すると、前記トナー像に熱と圧力が印加されて、可視像がシートに定着される。前記加熱ローラ121の熱量は紙種に応じて最適に設定され、前記定着が適切に行われる。前記可視像がシートに定着されて画像形成が終了し、可視像が定着されたシートは、定着装置120を経て排紙トレイ123へ排紙され、積載、収容される。
【0036】
前記手順により、複合機100はコピー機能をユーザに提供する。
【0037】
尚、所定の宛先に所定の画像データを送信する機能、例えば、ファクシミリ送信機能や電子メール送信機能は、上述した通信部20によりユーザに提供される。
【0038】
図2は、本発明の実施形態に係る操作部の全体構成を示す概念図である。ユーザは、前記操作部102を用いて、上述のような画像形成についての設定条件を入力したり、入力された設定条件を確認したりする。前記設定条件が入力される場合、前記操作部102に備えられたタッチパネル201(操作パネル)、タッチペン202、操作キー203が用いられる。
【0039】
前記タッチパネル201には、設定条件を入力する機能と当該設定条件を表示する機能が兼ね備えられている。即ち、タッチパネル201上に表示された画面内の項目キーを押下することによって、押下された項目キーに対応する設定条件が入力される。
【0040】
タッチパネル201の背面には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部(図示せず)が設けられており、当該表示部が、例えば、前記初期画面等の操作画面を表示する。タッチパネル201の近傍には、タッチペン202が備えられており、ユーザがそのタッチペン202の先をタッチパネル201に接触させると、タッチパネル201下に設けられたセンサーが接触先を検知する。
【0041】
更に、タッチパネル201近傍には、所定数の操作キー203が設けられ、例えば、テンキー204、スタートキー205、クリアキー206、ストップキー207、リセットキー208、電源キー209が備えられている。
【0042】
次に、図3を用いて、複合機100及び操作部102の制御系ハードウェアの構成を説明する。図3は、本発明に係る複合機100及び操作部102の制御系ハードウェアの構成を示す図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0043】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305、通信インターフェイス306を内部バス307によって接続している。前記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、前記ROM302、HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305と前記操作部102からのデータや指示を授受し、前記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、前記CPU301は、前記操作部102から入力された宛先のデータに基づいて、前記通信インターフェイス306を介してネットワーク30上の宛先の端末装置(例えば、PCや複合機等)を特定し、所定のデータ(画像データ等)を送信したりする。前記駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU301がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。
【0044】
又、制御回路の内部バス307には、内部インターフェイス308も接続されており、当該内部インターフェイス308は、前記操作部102の制御回路等と複合機100の制御回路とを接続する。
【0045】
又、操作部102の制御回路には、CPU309、ROM310、RAM311、LCD312、操作キー313(203)、タッチパネル314(201)、内部インターフェイス315を内部バス316によって接続している。操作キー313やタッチパネル314をユーザが操作すると、CPU309は、内部インターフェイス315を介して、当該操作に基づく命令信号を複合機100の制御回路に送信する。又、CPU309、ROM310、RAM311の機能も上記と同様であり、後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU309がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。前記ROM310には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【0046】
<本発明の実施形態>
次に、図4−図6を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図4は、本発明の複合機及び操作部の機能ブロック図である。図5及び図6は、本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。
【0047】
まず、ユーザが、複合機100の電源を投入すると、複合機100及び操作部102が起動し、起動した操作部102の画面表示手段401が、所定の機能(例えば、コピー機能)の設定条件を入力するために予め設定された初期画面をタッチパネル201上に表示する(図5:S101)。
【0048】
ここで、前記初期画面には、コピー機能の設定条件を入力するための設定項目キー以外に、他の機能に対応する画面を表示させるための複数のタブキーが表示される。前記タブキーは、例えば、ファクシミリ送受信機能により送受信された画像データを閲覧するための「ファックスボックス」キーなどが該当する。
【0049】
ユーザは、前記初期画面を見ながら、前記「ファックスボックス」キーを押下すると(図5:S102YES)、前記タッチパネル201に対応する操作検知手段402が、当該「ファックスボックス」キーの押下を受け付けて、その旨を前記画面表示手段401に通知する。当該通知を受けた画面表示手段401は、リスト画像記憶手段403に予め記憶されたリスト画像を参照する。
【0050】
前記リスト画像700には、図7に示すように、前記画像データを識別するための複数のリスト項目701がリスト状に上下にわたって配置されている。
【0051】
前記リスト項目701は、ユーザが所定のマーク画像を付与することが可能なマーク項目と、前記ファクシミリ送受信機能を受け付けた番号を示す受付番号と、日付と、ジョブ受付時間と、ジョブ種類と、名称と、宛先とから構成される。
【0052】
前記リスト項目701は、前記複合機100の通信部20によりファクシミリ送受信機能が実行され、所定の画像データが送信又は受信される(ジョブが実行される)と、当該画像データに基づいて生成され、前記リスト画像700の最下段に順次配置される。
【0053】
さて、前記リスト画像700を参照した画面表示手段401は、当該リスト画像700の全体のうち、予め設定された所定の表示範囲で所定のリスト画像を表示リスト画像として指定(特定)する(図5:S103)。例えば、前記画面表示手段401が、図7に示すように、最上段のリスト項目から下方5つ目のリスト項目までの表示リスト画像702を指定する。この指定された表示リスト画像702が、後述するファックスボックス画面に表示されることになる。又、前記表示リスト画像が指定される場合には、一のリスト項目701の単位で指定される。
【0054】
そして、前記画面表示手段401は、前記タッチパネル201上の初期画面から、前記指定した表示リスト画像702を含むファックスボックス画面に切り替え表示する(図5:S104)。
【0055】
前記ファックスボックス画面800には、図8(A)に示すように、前記表示リスト画像801(702)が表示され、当該表示リスト画像801を構成する所定数(5つ)のリスト項目802と、前記複数のタブキー803とが押下可能に表示される。
【0056】
ここで、ユーザは、前記ファックスボックス画面800を見ながら、前記タッチパネル201の表示リスト画像801を指でタッチして、所定の方向(例えば、下方向)に所定の距離だけ所定の速度で素早く動かし、そのまま離す操作(フリック操作)を行なう。すると、前記操作検知手段402が、ユーザによるフリック操作を検知して(図5:S105YES)、その旨をマーキング判定手段404に通知する。当該通知を受けたマーキング判定手段404は、前記リスト画像700の全体のうち、所定のマーク画像が付与されたマーク項目のリスト項目701が存在するか否かを判定する(図5:S106)。
【0057】
具体的には、前記マーキング判定手段404が、マーキング記憶手段405に記憶されたマーキングテーブル(後述する)を参照して、当該マーキングテーブルに所定のリスト項目が記憶されているか否かを判定する。
【0058】
前記判定の結果、前記リスト項目が記憶されてない場合に(図5:S106NO)、前記マーキング判定手段404は、前記マーク画像が付与された特定のマーク項目のリスト項目が存在しないと判定し、その旨を前記操作検知手段402に通知する。当該通知を受けた操作検知手段402は、先ほど検知したフリック操作に対応する移動量を算出する(図5:S107)。
【0059】
具体的には、前記操作検知手段402が、前記フリック操作の速度(フリック速度)に、予め設定された移動時間(数十msec)を乗算した値を移動量として算出する。
【0060】
ここで、前記フリック速度とは、ユーザのフリック操作による指の移動速度であり、例えば、当該指が接触した前記タッチパネル201上の画像の画素数(dot)を、当該指が前記タッチパネル201上に接触していた時間(msec)で除算した値(dot/msec)である。
【0061】
そして、前記操作検知手段402は、前記算出した移動量と、前記フリック操作の移動方向(下方向)とをスクロール表示手段406に通知する。当該通知を受けたスクロール表示手段406は、前記リスト画像記憶手段403のリスト画像700を参照し、図7に示すように、現時点で指定された表示リスト画像702(801)の表示範囲を、前記移動方向に前記移動量だけスクロールし、当該スクロールした場合の表示範囲で指定される表示リスト画像703を表示する(図5:S108)。
【0062】
前記ファックスボックス画面804には、図8(B)に示すように、前記フリック操作の移動量でスクロールされた表示リスト画像805(703)がスクロール表示される。これにより、ユーザは、前記フリック操作により、未だに表示されていないリスト画像を所定の表示範囲内で表示させることが可能となる。
【0063】
ここで、ユーザは、前記ファックスボックス画面804の表示リスト画像805を見ながら、当該表示リスト画像805の内のリスト項目(例えば、受付番号「14」のリスト項目)の特定のマーク項目805aを押下すると(図5:S110YES)、前記操作受付手段402が、当該特定のマーク項目805aの押下を受け付けて、その旨をマーキング付与手段407に通知する。当該通知を受けたマーキング付与手段407は、前記リスト画像記憶手段403のリスト画像700を参照し、当該参照したリスト画像700のうち、前記押下されたリスト項目704(受付番号「14」のリスト項目)のマーク項目704aに、マークされたことを示すマーク画像705(「●」)を付与する(図6:S201)。これにより、ユーザによるリスト項目のマーキングがなされる。尚、前記リスト画像700(テーブル画像)であれば、前記表示リスト画像805の内の特定のマーク項目805aが、特定の位置に対応する。
【0064】
次に、前記マーキング付与手段407は、前記マーキング記憶手段405のマーキングテーブルに、前記マーク画像705(「●」)が付与された特定のマーク項目704aのリスト項目704と、当該マーク画像705が付与された順番(例えば、「1番」)とを関連付けて記憶させる(図6:S202)。
【0065】
前記マーキングテーブル900には、図9(A)に示すように、前記マーク画像が付与された特定のマーク項目のリスト項目901(つまり、受付番号「14」のリスト項目)と、当該マーク画像が付与された順番902(「1番」)とが関連付けて記憶される。
【0066】
そして、前記マーキング付与手段407が、前記マーキングテーブル900への記憶を完了すると、その旨を前記画面表示手段401に通知し、当該通知を受けた画面表示手段401は、前記表示リスト画像805の所定のリスト項目の特定のマーク項目805aに前記マーク画像705(「●」)を表示して(図6:S203)、S110に移行する。これにより、ユーザは、特定のマーク項目704aがマーキングされたことを認識することが可能となる。
【0067】
さて、S110において、ユーザが、前記ファックスボックス画面804を見ながら、前記表示リスト画像805の所定のリスト項目を押下することなく(図5:S110NO)、再度、フリック操作を実行すると(図5:S105YES)、前記操作検知手段402が、当該フリック操作を検知して、その旨を前記マーキング判定手段404に通知する。当該通知を受けたマーキング判定手段404は、前記マーキングテーブル900を参照して、当該マーキングテーブル900に所定のリスト項目901が記憶されているか否かを判定する(図5:S106)。
【0068】
ここで、前記マーキングテーブル900には、所定のリスト項目901が記憶されているため(図5:S106YES)、前記マーキング判定手段404は、前記マーク画像705が付与された特定のマーク項目704aのリスト項目704が存在すると判定する。そして、前記マーキング判定手段404は、前記マーキングテーブル900に記憶されたリスト項目901のうち、前記順番902の順位が高く、且つ、当該マーキングテーブル900から未だに取得していないリスト項目901が存在するか否かを判定する(図6:S204)。
【0069】
前記判定の結果、前記マーキングテーブル900のリスト項目901のうち、前記順番902の順位が高く、且つ、当該マーキングテーブル900から未だに取得していないリスト項目901は、図9に示すように、順番902が「1番」で受付番号「14」のリスト項目901(つまり、先ほど記憶されたリスト項目)となる。そのため、前記マーキング判定手段404は、前記順番902の順位が高く、且つ、当該マーキングテーブル900から未だに取得していないリスト項目901が存在すると判定し(図6:S204YES)、前記受付番号「14」のリスト項目901を取得して(図6:S205)、その旨を前記スクロール表示手段406に通知する。当該通知を受けたスクロール表示手段406は、S108に移行して、前記リスト画像記憶手段403のリスト画像700を参照し、図7に示すように、現時点で指定された表示リスト画像703の表示範囲を、前記取得した特定のマーク項目704aを含むリスト項目704までスクロールして、当該スクロールした場合の表示範囲で指定される表示リスト画像706、つまり、特定のマーク項目704aを含むリスト項目704を最上段とし、下方5つめのリスト項目までの表示リスト画像706を表示する(図5:S108)。
【0070】
前記ファックスボックス画面903には、図9(B)に示すように、前記マーク画像705の付与された所定のリスト項目904(704)(受付番号「14」のリスト項目)を最上段に配置した表示リスト画像905(706)が表示される。これにより、ユーザは、一回のフリック操作により、自己が予めマーキングしたリスト項目904を容易に表示させることが可能となる。
【0071】
特に、前記リスト画像700を構成するリスト項目701は、通常、数千以上の数に及ぶため、例えば、ユーザが、上述のように所望のリスト項目904のみを確認したい場合に、従来技術では、一回のフリック操作では、到底、当該リスト項目904を探し出すことは出来ず、複数回のフリック操作により、漸く、当該リスト項目904を見つけ出すことになる。つまり、所望のリスト項目904を探し出すために、非常に手間と時間が掛かる。
【0072】
本発明では、所望のリスト項目904に前記マーク画像705を予め付与さえしておけば、一回のフリック操作で、当該マーク画像705が付与された所望のリスト項目904を簡単にスクロール表示させることが可能となるため、前記手間と時間とを削減することが可能となる。
【0073】
尚、前記スクロール表示手段406が、前記マーク画像705を含む表示リスト画像905をスクロール表示させる場合には、ユーザのフリック操作の移動方向とは無関係にスクロール表示させることになる。
【0074】
ところで、前記マーキングテーブル900のリスト項目901のうち、前記順番902の順位が高く、且つ、当該マーキングテーブル900から未だに取得していないリスト項目901が存在しない場合は、以下のようになる。
【0075】
例えば、ユーザが、図9(B)に示すように、一回のフリック操作で、所望のリスト項目904(受付番号「14」のリスト項目)を含む表示リスト画像905をスクロール表示させたにも関わらず、再度、フリック操作をした場合(図5:S105YES)、前記マーキング判定手段404が、前記マーキングテーブル900に所定のリスト項目901が記憶されていると判定し(図5:S106YES)、当該マーキングテーブル900に記憶されたリスト項目901のうち、前記順番902の順位が高く、且つ、当該マーキングテーブル900から未だに取得していないリスト項目901が存在するか否かを判定する(図6:S204)。
【0076】
ここで、前記マーキングテーブル900には、前記受付番号「14」のリスト項目901しか記憶されておらず、当該リスト項目901は既に一度取得されている。そのため、前記マーキング判定手段404は、前記マーキングテーブル900に、前記順番902の順位が高く、且つ、当該マーキングテーブル900から未だに取得していないリスト項目901は存在しないと判定する(図6:S204NO)。
【0077】
そして、前記マーキング判定手段404は、その旨を前記操作検知手段402に通知し、当該通知を受けた操作検知手段402は、S107に移行して、先ほど検知したフリック操作に対応する移動量を算出する(図5:S107)。
【0078】
次に、前記スクロール表示手段406は、前記操作検知手段402から前記移動量と前記フリックの移動方向とを受けて、前記リスト画像700を参照し、現時点で表示されている表示リスト画像905の表示範囲を、前記フリック操作の移動方向に前記移動量だけスクロールして、当該スクロールした場合の表示範囲が指定する表示リスト画像を表示する(図5:S108)。
【0079】
これにより、ユーザが、所望のリスト項目704に前記マーク画像705を付与したとしても、前記フリック操作を繰り返し実行することで、当該マーク画像705が付与されたリスト項目以外のリスト項目を意図してスクロール表示させることが可能となる。
【0080】
さて、ユーザが、前記ファックスボックス画面903を見ながら、前記表示リスト画像905のリスト項目のマーク項目を押下することなく(図5:S109NO)、所望のリスト項目904(例えば、受付番号など)を押下すると(図5:S110YES)、前記操作検知手段402が、当該リスト項目904の押下を検知して、その旨を前記画面表示手段401に通知する。当該通知を受けた画面表示手段401は、前記複合機100に備えられた画像データ記憶手段408が記憶する画像データの中から、前記押下されたリスト項目904に対応する画像データを取得し、当該取得した画像データが反映された画像データ表示画面(図示せず)をタッチパネル201上に表示する(図5:S111)。これにより、ユーザは、閲覧を所望するリスト項目904の画像データを確認することが可能となる。
【0081】
このように、本発明の操作部102は、ユーザにより、前記表示リスト画像805のリスト項目の特定のマーク項目805aが押下されると、当該押下された特定のマーク項目805aにマーク画像705を付与するマーキング付与手段407と、ユーザによるフリック操作が検知されると、前記リスト画像700の全体のうち、前記マーク画像705が付与された特定のマーク項目704aのリスト項目704が存在するか否かを判定するマーキング判定手段404とを備える。又、前記操作部102は、前記マーク画像705が付与された特定のマーク項目704aのリスト項目704が存在する場合に、前記表示リスト画像805の表示範囲を、当該マーク画像705が付与された特定のマーク項目704aのリスト項目704までスクロールして、当該特定のマーク項目704aのリスト項目704を含む表示リスト画像706を表示するスクロール表示手段406を備える。
【0082】
これにより、ユーザが、前記リスト画像700の全体のうち、所定のリスト項目704の特定のマーク項目704aに前記マーク画像705を予め付与しておけば、一回のフリック操作により、当該マーク画像705を含む特定のマーク項目704aのリスト項目704を容易にスクロール表示させることが可能となる。そのため、ユーザによるフリック操作回数を減らすとともに、所望するリスト項目704を容易に見つけ出すことが出来て、検索性能を向上させることが可能となる。
【0083】
尚、本発明の実施形態では、マーキングテーブル900に一のリスト項目901と順番902のみが関連付けて記憶された場合について説明したが、当該マーキングテーブル900に複数のリスト項目と順番がそれぞれ関連付けて記憶された場合であっても、同様である。
【0084】
例えば、前記マーキングテーブル900に、前記受付番号「14」のリスト項目及び順番「1番」と、前記受付番号「8」のリスト項目及び順番「2番」とがそれぞれ関連付けて記憶されている場合は、以下のようになる。
【0085】
前記マーキングテーブル900のリスト項目901が前記マーキング判定手段404に取得されていない状態で、ユーザが、フリック操作を実行すると(図5:S105YES)、前記マーキング判定手段404が、前記マーク画像705が存在すると判定し(図5:S106YES)、前記マーキングテーブル900に記憶されたリスト項目901のうち、前記順番902の順位が高く、且つ、当該マーキングテーブル900から未だに取得していないリスト項目901が存在するか否かを判定する(図6:S204)
ここで、前記順番902の順位が高く、且つ、前記マーキングテーブル900から未だに取得していないリスト項目901は、先ず、順番「1番」の受付番号「14」のリスト項目に対応するから、前記マーキング判定手段404は、最初に、当該順番「1番」の受付番号「14」のリスト項目を取得し(図6:S204YES→S205)、前記スクロール表示手段406は、現時点の表示範囲を、当該リスト項目を含む表示リスト画像までスクロールして、当該表示リスト画像を表示する(図5:S108)。
【0086】
更に、ユーザが、フリック操作を実行すると(図5:S105YES)、上述のように、S204まで移行し、前記マーキング判定手段404が、前記順番902の順位が高く、且つ、前記マーキングテーブル900から未だに取得していないリスト項目901として、次に、順番「2番」の受付番号「6」のリスト項目を取得し(図6:S204YES→S205)、前記スクロール表示手段406は、先ほどのスクロールした表示範囲を、更に、前記受付番号「6」のリスト項目を含む表示リスト画像までスクロールして、当該表示リスト画像を表示することになる(図5:S108)。
【0087】
このように、ユーザが、複数のリスト項目のマーク項目にそれぞれ前記マーク画像を予め付与しておき、複数のフリック操作を連続して実行すれば、前記スクロール表示手段406は、前記マーク画像が付与された順番に対応して、当該マーク画像が付与されたリスト項目を含む表示リスト画像を順次スクロール表示する。
【0088】
これにより、ユーザは、所望のリスト項目が複数存在する場合であっても、フリック操作を複数回実行するだけで、当該リスト項目を含む表示リスト画像のみを順次スクロール表示させ、所望のリスト項目のみを順次確認することが可能となる。
【0089】
尚、前記表示リスト画像のスクロール表示は、上述したように、前記フリック操作の移動方向に関係無く実行されるため、上述した場合であれば、最初に受付番号「1番」のリスト項目よりも下方に位置する受付番号「14」のリスト項目が表示され、次に当該受付番号「14」のリスト項目よりも上方に位置する受付番号「6」のリスト項目が表示されることになる。
【0090】
又、前記マーキングリスト900に複数のリスト項目901と順番902とが関連付けて記憶されている場合であっても、前記マーキング判定手段404が、全てのリスト項目901を既に取得した際には(図6:S204NO)、通常のフリック操作によるスクロール表示に戻るため、ユーザに対する操作性を損なうことは無い。
【0091】
又、前記マーキングテーブル900に複数のリスト項目と順番とがそれぞれ関連付けて記憶された場合で、例えば、ユーザが、複数の指(2本の指)を前記タッチパネル201にタッチしながら、フリック操作した場合、前記マーキング判定手段404が、前記リスト項目を前記順番に対応して複数取得し、前記スクロール表示手段406が、前記表示範囲を、前記取得した各リスト項目をそれぞれ含む複数の表示リスト画像まで、複数の段階でスクロールし、最後に取得したリスト項目を含む表示リスト画像を表示するよう構成してもよい。これにより、ユーザによる複数のフリック操作に対応して、所望の表示リスト画像を一度に多段で表示させることが可能となる。
【0092】
又、本発明の実施形態では、ユーザによるマーク画像の付与のみについて説明したが、当該マーク画像の消去については、例えば、以下のようになる。
【0093】
即ち、ユーザが、前記ファックスボックス画面の表示リスト画像のリスト項目のうち、前記マーク画像が付与されたリスト項目のマーク項目を、再び押下すると、前記操作受付手段402が、当該マーク画像付与後のマーク項目の押下を受け付けて、その旨をマーキング付与手段407に通知する。当該通知を受けたマーキング付与手段407は、前記リスト画像700のうち、前記押下されたリスト項目のマーク項目に付与されたマーク画像を消去する。そして、前記マーキング付与手段407は、前記マーキングテーブル900のうち、前記消去されたマーク画像のリスト項目901と、当該リスト項目901に対応する順番902とを消去する。更に、前記画面表示手段401は、前記ファックスボックス画面の表示リスト画像のリスト項目のうち、消去されたリスト項目のマーク項目に表示されたマーク画像(つまり、前記押下されたマーク画像)を消去する。これにより、前記マーク画像の消去が完了する。
【0094】
又、本発明の実施形態では、前記フリック操作によりスクロール表示される画像として、リスト画像を想定したが、当該リスト画像のみならず、文書画像、風景画像、写真画像などの通常の画像であっても採用することが出来る。つまり、前記画像のうち、所定の表示範囲で指定される表示画像で、ユーザにより、当該表示画像の特定の位置に前記マーク画像を付与することが出来れば(マーキング出来れば)、ユーザによるフリック操作により、前記マーキング判定手段404が、前記画像の全体のうち、前記マーク画像が付与された特定の位置が存在するか否かを判定し、前記スクロール表示手段406が、前記表示画像を指定する表示範囲を、当該マーク画像が付与された特定の位置までスクロールする。このように構成としても、上述した作用効果を奏することは、言うまでもない。尚、この場合は、前記特定の位置は、前記リスト画像700であれば、特定のマーク項目となり、写真画像や絵画画像などであれば、特定の人物や建物となる。
【0095】
又、本発明の実施形態では、前記操作検知手段402が、所定のリスト項目の押下と、前記フリック操作とを検知するよう構成したが、タッチパネル201上での他の操作について検知するよう構成してもよい。例えば、前記タッチパネル201を指でタッチして、所定の方向(例えば、下方向)に所定の距離だけ、速度を付けずに動かして、そのまま離す操作(ドラッグ操作)を検知するよう構成してもよい。この場合は、前記操作検知手段402が、前記ドラッグ操作に対応する所定の距離を前記画面表示手段401に通知し、当該通知を受けた画面表示手段401が、当該所定距離に対応する移動量で前記画像を移動表示させることになる。
【0096】
又、本発明の実施形態に係る操作部102では、複合機100のファクシミリ送受信機能により蓄積された画像データのリスト画像(リスト項目)に関して採用したが、前記フリック操作によりスクロール表示させる所定の画像であれば、どのような画像であっても採用することが出来る。例えば、前記コピー機能、スキャン機能、ファクシミリ送受信機能、プリント機能等に用いられる画像データのプレビュー画像に関して採用してもよいし、他の画像、例えば、設定条件入力項目の画像等に採用しても構わない。更に、本発明の実施形態では、操作部102を複合機100に適用した場合について説明したが、タッチパネル201を有する操作部102(操作装置)を備えた各種画像形成装置、各種画像処理装置、各種画像加工装置、各種画像表示装置等に適用しても、同一の作用効果を奏する。
【0097】
又、本発明の実施形態では、操作部102が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを操作部102或いは複合機100に読み出させ、その操作部102或いは複合機100が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上のように、本発明に係る操作装置及び操作方法は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、フリック操作により、ユーザの所望する画像を容易に表示させることが可能な操作装置及び操作方法として有効である。
【符号の説明】
【0099】
100 複合機
102 操作部
401 画面表示手段
402 操作検知手段
403 リスト画像記憶手段
404 マーキング判定手段
405 マーキング記憶手段
406 スクロール表示手段
407 マーキング付与手段
408 画像データ記憶手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の画像の全体のうち、所定の表示範囲で指定された表示画像を表示するタッチパネル上でユーザのフリック操作を検知すると、当該フリック操作に対応する移動量で前記表示範囲をスクロールして新たな表示画像を表示する操作装置において、
ユーザにより、前記表示画像内の特定の位置が押下されると、当該押下された特定の位置にマーク画像を付与するマーキング付与手段と、
ユーザによるフリック操作が検知されると、前記画像の全体のうち、前記マーク画像が付与された特定の位置が存在するか否かを判定するマーキング判定手段と、
前記マーク画像が付与された特定の位置が存在する場合に、前記表示範囲を、当該マーク画像が付与された特定の位置までスクロールして、当該特定の位置を表示するスクロール表示手段と
を備えることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記マーキング付与手段は、前記表示画像内の特定の位置が押下されると、前記マーク画像が付与された特定の位置と、当該マーク画像が付与された順番とをマーキングテーブルに関連付けて記憶させ、
前記マーキング判定手段は、前記マーキングテーブルの特定の位置のうち、前記順番の順位が高く、且つ、当該マーキングテーブルから未だに表示していない特定の位置が存在する場合に、前記マーク画像が付与された特定の位置が存在すると判定し、
前記スクロール表示手段は、前記順位が高い順番に対応して、前記表示範囲を、前記マーク画像が付与された特定の位置までスクロールする
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記スクロール表示手段は、前記マーク画像が付与された特定の位置が存在しない場合に、前記フリック操作に対応する移動量で前記表示範囲をスクロールする
請求項1又は2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記所定の画像は、リスト画像であり、
前記特定の位置は、リスト画像を構成するリスト項目のマーク項目である
請求項1−3のいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項5】
請求項1−4のいずれか一項に記載の操作装置を備えた画像形成装置。
【請求項6】
所定の画像の全体のうち、所定の表示範囲で指定された表示画像を表示するタッチパネル上でユーザのフリック操作を検知すると、当該フリック操作に対応する移動量で前記表示範囲をスクロールして新たな表示画像を表示する操作装置の操作方法において、
ユーザにより、前記表示画像内の特定の位置が押下されると、当該押下された特定の位置にマーク画像を付与するマーキング付与ステップと、
ユーザによるフリック操作が検知されると、前記画像の全体のうち、前記マーク画像が付与された特定の位置が存在するか否かを判定するマーキング判定ステップと、
前記マーク画像が付与された特定の位置が存在する場合に、前記表示範囲を、当該マーク画像が付与された特定の位置までスクロールして、当該特定の位置を表示するスクロール表示ステップと
を備えることを特徴とする操作方法。
【請求項7】
請求項6に記載の操作方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−114338(P2013−114338A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257938(P2011−257938)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】