説明

操作装置

【課題】非接触による確実な入力が可能な操作装置を実現すること。
【解決手段】電磁場を検出するセンサ25と、電磁場に感応するセンサから出力される検出信号に対してPLL同期した信号を発振させる第1PLL回路28Aと、センサから出力される検出信号に対してPLL同期した信号を発生させる第2PLL回路28Bと、第1PLL回路の出力信号と第2PLL回路の出力信号とをミキシングする第1ミキサ30と、第1ミキサの出力信号から所定周波数以上を遮断する第1ローパスフィルタ31と、を有し、出力装置は、第1PLL回路及び第2PLL回路の同期確立直前における位相雑音に起因する周波数変動に応じて、同期確立直前の状態であることを操作者に伝達する装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作者がある装置に対して、電源のオンオフなどの2値や、ボリュームなどの連続値の指令などを非接触で実行することができる操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の特定部位の位置、たとえば、指先の位置を測定する装置として、従来マウスやタッチパネルディスプレイなどの機器があるが、これらはいずれも人体との接触を必要とするものであり、非接触では位置を測定することができない。
【0003】
非接触で人体の特定位置を検出する装置としては、テルミンと呼ばれる楽器がよく知られている。テルミンは2本のアンテナを有し、アンテナはそれぞれ発振回路に接続されている。アンテナと人体との相対距離の違いによる静電容量の変化によって発振周波数を変化させ、2つの発振回路の周波数のうなりを音に変換する楽器である。
【0004】
このテルミンの原理を利用した位置測定装置として、特許文献1がある。特許文献1では、第1方向に沿って平行に配置された複数の第1アンテナと、第1方向に直交する第2方向に沿って平行に配置された複数の第2アンテナと、によって構成されたアンテナパネルを有したセンサ装置が示されている。センサ装置には、第1、2アンテナにそれぞれスイッチで切り換えられて接続する1つの発振回路が設けられており、人の指先がアンテナパネルに近づいた場合に、第1アンテナと発振回路とを接続して発振周波数の変化から第1方向の座標を決定し、第2アンテナと発振回路との接続に切り換えて発振周波数の変化から第2方向の座標を決定することで、アンテナパネル上部に位置する人の指先の位置を非接触で検出することができる。要するに、アンテナ素子の静電容量を発振回路の発振周波数を決定する容量とすることで、指先がアンテナ素子に接近すると静電容量が大きくなり、発振周波数が変化する。この発振周波数の変化の大きさにより、指とアンテナとの距離が分かる。また、各アンテナ素子を順次、2方向(x軸、y軸)に操作することで周波数が大きく変化している位置によりx,y座標を決定することができる。
【0005】
また、ハエの視覚系の信号処理回路を、視覚センサ(速度検出器)として用いた例が知られている(たとえば非特許文献1)。これは、Δx離れた左右2つの光センサを用い、2つの光センサによる光の強度をそれぞれ電気信号に変換して、一方の電気信号をΔt遅延させ、2つの電気信号の相関を取ることによって速度を検出するものである。
【0006】
さらに、上記非接触での人体位置測定技術とは別の技術として、人体表面に電磁場を伝搬させる技術が知られている(たとえば非特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−139280
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】R. Harrison,"A Biologically Inspired Analog IC for Visual Collosion Detection",IEEE Transactions on Circuits and Systems-1:Regular papers,Vol.52,NO.11,pp.2308-2318,2005
【非特許文献2】根日屋英之,”人体通信の最新技術”,電波技術協会報FORN−2010.1 No.272,pp.24−27
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の位置測定装置は、アンテナパネルに指先を遠方から接近させると共に、そのパネルの面上のx,y座標を指先で非接触で指示するものである。しかし、この場合には、アンテナパネルによりがx,y座標の読取が可能となる指先のアンテナパネルへの接近の程度を、操作者は知ることができない。このため、操作者は、指先を、アンテナパネルへどの程度接近させれば、指先によるx,y座標の位置の指定が可能かを知ることができない。そのため、誤操作が多いという問題がある。
【0010】
また、特定の人だけの手の位置を測定したい場合であっても、その特定の人と他の人との区別ができず、選択的に人の手の位置を測定するということができない。
【0011】
また、ハエの視覚系回路のように、光センサによって人体の位置を検出する装置を構成することが考えられる。しかし、光によるセンシングでは奥行き方向の検知精度の悪化や、ダイナミックレンジの問題、暗い場所では検知することが困難、レンズの汚れに弱い、など多数の問題があると考えられる。また、人体の電磁場の表面伝搬を利用して、非接触で操作指令を与える装置は知られていない。
【0012】
本発明は、非接触で操作指令を与える操作装置において、指令を与え得る状態を操作者に容易に伝達できるようにすることにより、操作指令を確実に実行できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の発明は、操作者により装置に対して非接触で操作指令を与える操作装置において、電磁場を検出するセンサと、電磁場に感応するセンサから出力される検出信号に対してPLL同期した信号を発振させる第1PLL回路と、第1PLL回路の出力信号から直流成分を復調する復調装置と、復調装置の出力信号を入力して、第1PLL回路の同期確立直前における位相雑音に起因する周波数変動に応じて、同期確立直前の状態であることを操作者に伝達する出力装置と、を有することを特徴とする操作装置である。
【0014】
上記発明において、電磁場は単一周波数の正弦波、余弦波であっても、これらの波を振幅、位相、周波数などの変調をした信号であっても良い。また、方形波であっても良い。センサは、アンテナや電極である。電磁波を検出するにはアンテナが、近接場を検出するには電極を用いることが望ましい。センサは後述するように、単一であっても、複数であっても良い。第1PLL回路は、センサにより検出された電磁場による信号に位相及び周波数同期した、同一周波数又は異なる周波数(通常は、検出された信号の周波数よりも高い、逓倍周波数である。)を発振させる回路である。この場合に、電磁場が変調信号であれば、一旦、ベースバンドに復調した信号に対して、周波数、位相が同期した同一周波数又は周波数逓倍の信号を発振するようにしても良い。復調装置は、第1PLL回路の出力信号を直流成分に復調する装置であれば、構成は任意である。たとえば、第1PLL回路の出力信号をコスタスループにより直交復調して同期検波することで、第1PLL回路の出力信号から直流成分を得ることができる。この場合には、操作指令はオンオフの2値となる。さらに、コスタスループによる復調によれば、フィードバックループの制御量が第1PLL回路の出力信号の位相に等しくなる。復調装置は、このように、第1PLL回路の出力信号の位相を検出する位相復調装置であっても良い。この場合には、第1PLL回路の出力信号の位相が、操作の指令量となり、指令量をアナログ量とすることができる。
【0015】
また、後述するように、復調装置で復調に用いる復調搬送波には、センサにより検出された電磁場による信号に同期した、同一周波数又は異なる周波数(通常は、検出された信号の周波数よりも高い、逓倍周波数である。)を発振させる第2PLL回路からの発振信号を用いても良い。この場合に、第1PLL回路と第2PLL回路との発振周波数を等しくすると、1段の復調で直流成分が得られる。また、第1PLL回路の発振周波数と、基準発振器又は第2PLL回路の発振周波数とが異なる場合には、それらの発振周波数の差を周波数とする中間周波に復調した後に、その中間周波を復調搬送波とするコスタスループなどの直交復調器、又は、その中間周波に同期させた第3PLL回路の発振信号を復調搬送波として復調することで直流成分や位相成分を得るようにしても良い。
【0016】
第1PLL回路は、センサの出力する検出信号に同期し、検出信号の周波数に等しいか逓倍(N倍、1を含む)の周波数の発振信号を出力する。この時、第1PLL回路は、センサにより検出される電磁場の大きさに依存して検出信号のレベルが高くなると、電圧可変発振器の発振周波数の1/Nが、検出信号と同期するよう電圧可変発振器の位相及び発振周波数がフィードバック制御される。完全なフィードバック制御による引込みが完了する前には、第1PLL回路の発振周波数は不安定な状態であり、位相雑音が多い状態となる。この同期確立直前の状態は、直流成分だけでなく、比較的低周波のうなり成分が復調装置から出力される。出力装置は、この低周波のうなり成分が検出された場合に、人の知覚、視覚、触覚に訴える現象を出力する装置である。人の知覚に訴える現象とは、たとえば、視覚、聴覚、触覚、平衡感覚、などに訴える現象であり、視覚に訴える現象としては表示装置などによる表示、聴覚に訴える現象としては音、触覚に訴える現象としては圧力、風、振動、温度、または電気刺激などである。操作者は、この同期確立直前の状態が検出された場合には、次に続く、同期確立状態、すなわち、復調装置の出力に位相雑音に起因する周波数変動がない安定した直流成分が得られる状態に至ることを知ることができる。したがって、この同期確立状態においては、復調装置の出力する直流成分や位相成分は、操作者の指先などの移動に伴って時間的に変化する。この直流成分や位相成分を装置に対する指令とすることができる。
【0017】
また、第2の発明は 復調装置は、センサから出力される検出信号に対してPLL同期した信号を発生させる第2PLL回路と、第1PLL回路の出力信号と第2PLL回路の出力信号とをミキシングする第1ミキサと、第1ミキサの出力信号から所定周波数以上を遮断する第1ローパスフィルタと、を有し、出力装置は、第1PLL回路及び第2PLL回路の同期確立直前における位相雑音に起因する周波数変動に応じて、同期確立直前の状態であることを操作者に伝達する装置であることを特徴とする。この発明においては、第1の発明において、第1PLL回路の発振信号から直流成分や位相成分を復調するための復調搬送波として、センサから出力された検出信号に同期した信号を発振する第2PLL回路の発振信号を用いたものである。すなわち、第1PLL回路の発振信号と第2PLL回路の発振信号の周波数は完全に等しくなるため、これらの信号をミキシングするミキサの出力信号は直流成分(両PLL回路の発振信号の位相差の余弦)となる。また、第1ローパスフィルタの出力信号には、第1PLL回路と第2PLL回路とが、それぞれ、同期確立直前の状態では、PLL回路の位相雑音に起因する周波数変動が生じる。この周波数変動を同期確立直前として、操作者に伝達するようにしている。
【0018】
第3発明は、センサは、第1センサと、該第1センサと異なる位置に置かれた第2センサとから成り、第1PLL回路は第1センサから出力される検出信号を入力し、第2PLL回路は第2センサから出力される検出信号を入力することを特徴とする。この発明では、第1センサの出力する検出信号と第2センサの出力する検出信号とでは、瞬時の周波数は同期しており、各センサで電磁場を受信する遅延時間差による位相のみが異なる。したがって、復調装置の出力信号は、両検出信号の位相差の余弦をレベルとする直流成分となる。また、第2PLL回路の出力する発振信号をπ/2だけ遅延させて、第1PLL回路の出力する発振信号とミキシングすることにより、位相差の正弦をレベルとする直流成分となる。同様に、相互に、相手方の発振信号をπ/2だけ遅延させて、自己の発振信号とミキシングすれば、両検出信号の位相差の余弦と正弦とを得ることができる。このようにして得られた位相差は、第1センサと第2センサとの間の中点を原点とする操作者の指先の位置を示している。一般的には、この位相差は、第1センサと指先との距離、第2センサと指先との距離の差を示している。復調装置の出力信号から、操作者の指先の座標位置を指令値として装置に指令することができる。
【0019】
第4発明は、第1センサから出力される検出信号を分岐した信号を入力する第3PLL回路を有し、復調装置は、第1ローパスフィルタの出力信号と第3PLL回路の出力信号とを混合する第2ミキサと、第2ミキサの出力信号から所定周波数以上を遮断する第2ローパスフィルタとを有し、第2ローパスフィルタの出力信号を復調装置の出力信号とすることを特徴とする。
【0020】
第5発明は、出力装置は、復調装置の出力信号から得られる第1PLL回路の同期確立状態の信号に応じて、操作者の操作状態を指令として出力する装置であることを特徴とする。この状態での復調装置の出力信号を装置に対する指令値とすることができるのは上述した通りである。
また、第6発明は、出力装置は、復調装置の出力信号から得られる第1PLL回路及び第2PLL回路の同期確立状態の信号に応じて、操作者の操作状態を指令として出力する装置であることを特徴とする。
また、第7発明は、復調装置は、第1PLL回路の出力信号の位相を検出する位相検出装置であることを特徴とする。
【0021】
また、第8の発明は、操作者に対して、直接又は間接的に、電磁場を励振する励振器を有することを特徴とする。この場合には、励振器を操作者が携帯することで、電磁波が体、腕を伝搬し、たとえば、手足の指先からセンサに対して、電磁場を形成することができる。また、操作者が着座している椅子を励振すれば、操作者は間接的に励振されるので、上記のことが達成される。この場合には、本装置は、電磁場で励振されている操作者のみの操作に応答することになり、他人の操作を禁止することができる。
また、第9の発明は、出力装置からの出力信号に応じて、同期確立直前の状態の場合に、第1PLL回路に入力する信号を増幅する第1増幅器を有することを特徴とする。この場合には、第1PLL回路の同期確立を確実にすることができる。
また、第10の発明は、出力装置からの出力信号に応じて同期確立直前の状態の場合には、第1PLL回路に入力する信号を増幅する第1増幅器と第2PLL回路に入力する信号を増幅する第2増幅器とを有することを特徴とする。この場合には、第1PLL回路、第2PLL回路の同期確立を確実にすることができる。
また、第10発明は、センサは、一つ設けられていることを特徴とする。すなわち、センサは共通する一つのセンサであても良い。この場合には、2値指令、すなわち、例えば、装置の電源のオンオフの指令に用いることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、たとえば、操作者の指先がセンサに接近する過程において、指先がセンサから遠方に位置している間は、第1PLL回路の発振周波数は、その回路の発振器の周波数である。指先がセンサに接近して行くと、次第に、第1PLL回路は電圧制御発振器によりセンサによる検出信号に同期した信号が発振するようになる。しかし、同期確立直前状態では、第1PLL回路の発振周波数は安定せずに振動したものとなり、位相雑音が多く含まれた状態となる。この状態を、指先のセンサへの一定の接近状態として操作者に伝達することができる。操作者はその状態を知った後は、さらに、指先をセンサに近づけることで、第1PLL回路は、センサの出力する検出信号に完全に同期した同期確立状態となる。この状態を、装置への指令とすることができる。また、第2PLL回路が存在する場合も同様に、第1PLL回路及び第2PLL回路の同期確立直前状態を復調装置の出力信号から検出することができる。これにより、操作者は、たとえば、指先のにより、装置に対する指令値を与えることができるセンサに対する距離範囲を認識することができる。この結果、誤操作が確実に防止される。
【0023】
さらに、センサが複数存在する場合には、第1センサと第2センサからのたとえば、指先までの距離の差を検出することができる。特に、指先の位置により、第1センサと第2センサを結ぶ直線上の座標を検出することかできる。この座標を、装置に対する連続した指令値とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1の操作装置の構成を示した図。
【図2】実施例1のセンサである電極の構成を示した図。
【図3】実施例1の励振器20の構成を示した図。
【図4】実施例1の第1PLL回路の同期確立過程におけるスペクトルを示した配置図。
【図5.A】実施例1の第1PLL回路の同期確立直前の状態における発振信号のスペクトルを示した図。
【図5.B】実施例1の第1PLL回路の同期確立状態における発振信号のスペクトルを示した図。
【図6】実施例1の第1ローパスフィルタの出力信号を示した図。
【図7】実施例2の操作装置の構成を示した図。
【図8】実施例3の操作装置の構成を示した図。
【図9】実施例3の操作装置においてPLL回路が同期確立した状態での第1ローパスフィルタの出力信号を示した図。
【図10】実施例4の装置装置の構成を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の具体的な実施例について図面を用いて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
図1は、励振器20により発生される電磁場を検出する実施例1の操作装置1の構成について示した図である。励振器20は、発振器21と、バンドパスフィルタ22を介して発振器21に接続する励振素子24とによって構成されている。バンドパスフィルタ22は、発振器21の発振する電気信号の周波数帯のみを透過させるものである。バンドパスフィルタ22は必ずしも必要なものではないが、ノイズ等を除去して実施例1の操作装置1の感度等を向上させるためにはこれらを設けることが望ましい。バンドパスフィルタ22からの電気信号は、励振素子24に入力する。励振素子24は、操作者に対して直接、又は間接的に励振する素子である。たとえば、励振素子24は、操作者を直接励振するには、操作者の皮膚に取り付けられた電極や、操作者の皮膚に対して電磁波を放射する放射アンテナで構成することができる。また、励振素子24は、操作者を間接的に励振する場合には、操作者が着座している椅子を励振するために、椅子の支柱又は脚に取り付けた電極、又は、方端がアースされ、支柱や脚に巻かれたλ/4長さのコイルなどで構成することができる。図3は、椅子の支柱40にλ/4長さのコイル41を捲いて励振素子24を構成したものである。コイル41の一端41aが増幅器23の出力端に接続され、コイル41の他端41bがアースされている。この構成により、コイル41に定在波を励振することで、椅子は電磁場で励振され、その電磁場は操作者の人体を伝搬して、操作指令のための指先まで伝搬することになる。
【0027】
発振器21の発振周波数は、操作者を励振して、人体表面に電磁場を効率良く伝搬させることができる周波数であることが望ましい。ここでいう電磁場の伝搬は、電磁波として空間に放射されずに操作者の表面近傍にのみ伝搬している場合(準静電界が支配的なモード)である。操作者の体表面に準静電界が支配的なモードで電磁場を伝搬させるためには、発振器21の発振周波数は1〜100MHzとすることが望ましい。本実施例では、発振周波数は10.7MHzとした。
【0028】
操作装置1は、コイル41とは離れた位置に設けられ、電磁場のセンサである電極25を有する。電極25は、図2に示すように構成されている。樹脂基板45の上面に銅箔46が形成されている。その銅箔46は中心線48に接続されており、樹脂基板45の裏面は同軸ケーブルの外被導体に接続さたアース銅箔47が設けられている。銅箔46で受信される電磁場による信号は、同軸コネクタ49を介して、図示しない同軸ケーブルにより伝送される。
【0029】
電極25の出力は2分配されて、それぞれの分配端子が、それぞれ、バンドパスフィルタ26A、26Bに接続されている。バンドパスフィルタ26A、26Bは、発振器21の発振周波数帯のみを透過するものであり、第1増幅器27A、第2増幅器27Bの出力は、それぞれ、第1PLL回路(Phase−locked loop)28A、第2PLL回路28Bに接続されている。また、第1PLL回路28A、第2PLL回路28Bの出力は、それぞれ増幅器29A、29Bに接続されている。また、増幅器29A、29Bのそれぞれの出力信号がミキサ30に入力している。
【0030】
第1PLL回路28A、第2PLL回路28Bは、良く知られたように、電圧制御発振器の出力信号の周波数を1/Nに分周し、その分周した信号と、入力信号(電極25により検出された検出信号)との位相差が零となるように電圧制御発振器の周波数制御電圧を変化させて、電圧制御発振器の発振信号の周波数を検出信号の周波数のN倍に制御か、且つ位相を同期させるフィードバック回路である。本実施例では、検出信号に同期確立した状態での第1PLL回路28A、第2PLL回路28Bの出力する発振信号は、900MHzとした。
【0031】
ミキサ30は、増幅器29A、29Bの出力信号の積を実行する回路である。ミキサ30の出力は第1ローパスフィルタ31に接続されている。第1ローパスフィルタ31は、第1PLL回路28Aの発振信号と第2PLL回路28Bの発振信号との積の下側帯波、すなわち、差の周波数成分を出力する。したがって、第1PLL回路28Aの発振信号と第2PLL回路28Bの発振信号の周波数が完全に一致していれば、第1ローパスフィルタ31の出力信号は、両発振信号の位相差の余弦に等しい直流成分となる。
【0032】
第1ローパスフィルタ31の出力はコンデンサ32を介して増幅器33に接続され、増幅器33の出力はスピーカ34に接続されている。コンデンサ32は、第1ローパスフィルタ31の出力信号から直流成分を遮断するためのものである。また、第1ローパスフィルタ31の出力信号はコンパレータ35に入力している。コンパレータ35は第1ローパスフィルタ31の出力信号を基準レベルと比較する回路であり、第1ローパスフィルタ31の出力信号が基準レベルを越えている場合に、コンパレータ35からHレベルの信号が出力される。コンパレータ35からHレベルの信号が出力された場合には、操作者の指先が電極25に所定距離まで接近したことを意味しており、たとえば、ある装置に対する電源オンやオフの指令とすることができる。
【0033】
また、第1PLL回路28Aの発振信号と第2PLL回路28Bの発振信号とが、それぞれ、検出信号に対して同期確立直前状態となる場合(図4の状態2、状態3)には、第1ローパスフィルタ31の出力信号は、位相雑音による低周波の周波数変動のある信号となる。この周波数変動による信号を増幅器33で増幅されてスピーカ34に出力される。この結果、スピーカ34から低音のうなり音を出力させることができる。操作者は、この音を聞くことで、指が電極25に対して所定の距離まで接近して、電源のオンオフの指令ができる状態になったことを知ることができる。なお、スピーカ34に代えて、ランプを用いて、指が所定の距離まで接近した時に、そのランプを点灯させるようにしても良い。
【0034】
なお、指が電極25から遠く離れている場合には、第1PLL回路28Aの発振信号と第2PLL回路28Bの発振信号の周波数は、共に、検出信号に対して同期確立していないので(図4の状態1)、それぞれの独自の発振器による発振周波数となる。このため、ミキサ31の出力する信号の周波数も、それらの発振周波数の差の周波数となり、第1ローパスフィルタ31の遮断周波数(たとえば、50Hz)よりも高い周波数となる。したがって、第1ローパスフィルタ31の出力信号のレベルは零となり、スピーカ34からは発音されない。
【0035】
また、指先が電極25に対して感知可能範囲内までに接近した場合には、第1PLL回路28Aの発振信号と第2PLL回路28Bの発振信号は電極25の出力する検出信号と完全に同期する(図4の状態4)。したがって、第1ローパスフィルタ31の出力信号には周波数変動がなく、直流成分だけとなり、その直流成分は、コンデンサ32により遮断されるで、スピーカ34からは発音されない。結局、指先が電極25に対して所定距離まで接近して、第1PLL回路28Aの発振信号と第2PLL回路28Bの発振信号は電極25の出力する検出信号に対して完全に同期する直前状態となった場合(図4の状態2、状態3にのみ)、スピーカ34から低周波の音が発音される。
【0036】
第1PLL回路28Aの発振信号のスペクトルを図5.A、図5.Bに示す。図5.Aは、操作者の指先を電極25に対して5cmの高さまで接近させた時の第1PLL回路28Aの発振信号のスペクトルを表している。図4の状態3に示す同期確立直前の状態である。発振信号は、中心周波数を中心としてブロードなスペクトルを有し、しかも、スペクトルが変動していることが分かる。すなわち、位相雑音が大きい。図5.Bは、操作者の指先を電極25に対して4mmまで接近させた時の第1PLL回路28Aの発振信号のスペクトルを表している。図4の状態4に示す同期確立状態を示している。同期確立した場合には、中心周波数を中心として狭いスペクトルとなり、レベル変動も小さい。すなわち、位相雑音が小さい。
【0037】
図6は、操作者の指先を電極25に接近させたり遠ざけたりして、電極25に対する距離を周期的に変動させた場合の第1ローパスフィルタ31の出力信号の時間波形である。第1PLL回路28Aと第2PLL回路28Bの発振信号において位相雑音が大きい状態で、両発振信号をミキサ30でミキシングした場合には、位相雑音成分がダウンコンバートされて低周波成分となる。図6のAで示すように、第1ローパスフィルタ31の出力信号は、低周波の振幅の小さいな波形となる。図6のBで示す大きな変動波形は、指先と電極25との距離を表している。すなわち、指先が電極25に接近すると、第1PLL回路28Aと第2PLL回路28Bは、それぞれ、同期確立状態となり、両PLL回路の出力する発振信号は同位相となる。すなわち、位相差Δθ=0となるので、第1ローパスフィルタ31の出力信号のレベルHcos(Δθ)は最大値Hとなる。
【0038】
また、同期確立が完全ではない状態では、第1PLL回路28Aと第2PLL回路28Bとの発振信号には位相差Δθがあるので、第1ローパスフィルタ31の出力信号のレベルHcos(Δθ)は、正領域から負領域まで、位相差Δθの大きさに応じて変動することになる。なお、指先の位置に応じて変動する成分に、低周波雑音が重畳しているが、この低周波雑音は、PLL回路の同期確立が不安定(同期したり外れたりする状態)や、同期確立が不完全であるために生じたものである。
【0039】
一方、図6においてCで示す0.5V付近の安定したレベルは、第1ローパスフィルタ31の出力信号がない状態を示している。すなわち、指先が電極25に対して遠い位置にあるために、電極25の出力する検出信号のレベルが低い。このため、第1PLL回路28Aと第2PLL回路28Bは、それぞれ、検出信号に対して同期していない状態、すなわち、位相と周波数に関するフィードバック制御が行われていない状態にある。この状態では、第1PLL回路28Aと第2PLL回路28Bは、それぞれが有する基準発振器の発振周波数の発振信号を出力している状態にある。このため、ミキサ30の出力信号は、第1PLL回路28Aと第2PLL回路28Bのそれぞれの発振信号の周波数差Δωによるcos(Δωt)となる。通常、Δωは、100π(50Hz)以上の領域で変動する。第1ローパスフィルタ31の高域遮断周波数は50Hzに設定されているので、第1ローパスフィルタ31の出力は零となる。これが、図6のCで示す信号レベルがフラットとなる理由である。
【0040】
第1ローパスフィルタ31の出力信号をコンデンサ32で直流成分を遮断して、増幅器33で増幅した後にスピーカ34で発音すると、図6のAで示す低周波の振幅の細かな位相雑音による成分により、「ゴー」という地鳴りのような音が出力される。第1PLL回路28Aと第2PLL回路28Bとの発振信号が検出信号に完全に同期確立すると、この位相雑音成分は小さくなり、スピーカ34からは音が出力されなくなる。操作者は、スピーカ34からの発音の後に静寂状態に入ったことにより、指先が電極25に接近して、意図した指令を本操作装置1に付与できる状態になったことを知ることができる。これにより、操作者は、誤操作することなく、操作装置1に指令を与えることができる。
【実施例2】
【0041】
図7は、実施例2に係る操作装置2の構成を示している。実施例1と同一機能を果たす部分には同一符号が付されている。本実施例では、実施例1の単一の電極25に代えて、第1電極25A、第2電極25Bの2つの電極を設けたものである。第1電極25Aの出力する第1検出信号を第1PLL回路28Aに入力させて、第1検出信号に同期した逓倍周波数の第1発振信号を発生させている。また、第2電極25Bの出力する第2検出信号を第2PLL回路28Bに入力させて、第2検出信号に同期した逓倍周波数の第2発振信号を発生させている。ミキサ30には、第1発振信号と第2発振信号が入力しており、その出力のうち低周波成分は、Hcos(Δθ)となる。すなわち、第1電極25Aと第2電極25Bで検知される電磁場の周波数は発振器21の発振周波数である。したがって、第1発振信号と第2発振信号の周波数は等しくなるので、ミキサ30から出力される信号の低周波成分は、両信号の位相差Δθの余弦となる。
【0042】
指先と第1電極25Aとの距離と、指先と第2電極25Bとの距離とが等しい場合には、第1検出信号の位相と第2検出信号の位相とは等しい。このため位相差Δθは零となり、第1ローパスフィルタ31の出力信号は、直流の最大値Hとなる。また、指先が第1電極25Aの直上に位置する場合には、位相差Δθは、第1電極25Aと第2電極25Bとの距離Lに比例した値となる。すなわち、Δθ=2πLf/cとなる。ただし、fは、発振器21の発振周波数、cは光速度である。また、指先が第2電極25Bの直上に位置する場合には、Δθ=−2πLf/cとなる。すなわち、第1電極25Aと第2電極25Bの中点から第1電極25A又は第2電極25Bまでの区間における指先の位置を検出することができる。
【0043】
なお、ミキサ30に入力する信号を、第2PLL回路28Bから入力する信号を第2発振信号のcos(ωt−θ2)とし、第1PLL回路28Aから入力する信号を、第1発振信号をπ/2だけ遅延させたsin(ωt−θ1)とすれば、第1ローパスフィルタ31の出力信号はHsin(θ2−θ1)となる。ただし、θ1、θ2は、遅れ位相を正としている。すなわち、この信号は、第1電極28Aと第2電極28B間の中点(θ1=θ2)に指先が位置する場合に零となり、指先が中点から第1電極28Aに向けて移動すると、θ1は減少し、θ2は増加するので、第1ローパスフィルタ31の出力信号Hsin(θ2−θ1)は零から正の領域で増加する。また、逆に、指先が中点から第2電極28Bに向けて移動すると、θ2は減少し、θ1は増加するので、第1ローパスフィルタ31の出力信号Hsin(θ2−θ1)は零から負の領域で絶対値が増加する。結局、第1電極28Aと第2電極28Bとの間において、指先の位置を検出することができる。このようにして、第1ローパスフィルタ31の出力信号をA/D変換器36によりディジタル値に変換すれば、指先の位置を装置に対する連続した指令値として出力することができる。
【0044】
この場合においても、指先が第1電極28Aと第2電極28Bに対してある程度近づいた状態の場合に、第1PLL回路28Aと第2PLL回路28Bは、共に同期確立直前状態となるので、スピーカ34から低音のうなり音が発音され、操作者は、指先が、位置指令が可能な領域に入ったことを知ることができる。さらに、指先を第1電極28Aと第2電極28Bに接近させて、スピーカ34からの発音が停止された状態になった時に、指の位置を固定することで、その位置を操作装置に対する指令値とすることができる。
【実施例3】
【0045】
図8に、実施例3の操作装置3の構成を示す。実施例2と同一機能を有する部分には、同一符号が付されている。本実施例では、第1ローパスフィルタ31の出力する電力を検出する第1電力検出器38A、第2電力検出器38Bを設け、それらの出力により第1増幅器27A、第2増幅器27Bの利得を制御するものである。上記したように、指先が、第1電極25A、第2電極25Bから遠い位置にある場合には、第1ローパスフィルタ31の出力は零であるので、第1増幅器27A、第2増幅器27Bの利得は、ある最低値に固定されている。指先が、第1電極25A、第2電極25Bに対して接近して、両PLL回路が同期直前状態となると、第1ローパスフィルタ31からは低周波の位相雑音成分が出力されるので、この電力を検出して、第1増幅器27A、第2増幅器27Bの利得を増加させる。それにより、第1PLL回路28Aと第2PLL回路28Bに入力する検出信号のレベルが増加するので、両PLL回路の同期確立が進行し、両PLL回路は完全な同期状態となる。両PLL回路28A、28Bが完全な同期状態となると第1ローパスフィルタ31から直流成分が出力されるので、第1増幅器27A、第2増幅器27Bの利得は大きな値に制御されて、PLLの同期確立が継続される。
【0046】
この状態で、指先を、第1電極26Aと第2電極26B間で振動させた場合に、第1ローパスフィルタ31の出力信号は図9のようになり、指先の位置の変動に応じたレベルの信号が得られていることが分かる。
【実施例4】
【0047】
次に、図10に、実施例4に係る操作装置4の構成を示す。前述の全実施例では、第1PLL回路28Aの線路と第2PLL回路28Bの線路が接近していると、両者の発振周波数は等しいので、第1PLL回路28A、第2PLL回路28Bが、それぞれ相手方の線路を伝搬する信号に同期することが起こる。この結果、相互に相手方の信号で同期が進行するために、発振信号の周波数と位相が不安定となるという問題がある。そこで、本実施例では、第1PLL回路28Aと第2PLL回路28Bの発振周波数を異ならせている。第1PLL回路28A、第2PLL回路28B、第1増幅器29A、第2増幅器29B、ミキサ30、第1ローパスフィルタ31の接続関係については、実施例2と同一である。ただし、第1PLL回路28Aの発振周波数は856MHz、第2PLL回路28Bの発振周波数は749MHzとして、両者の発振周波数を異なる周波数とした。
【0048】
実施例4では、第1電極25Aで受信された検出信号を増幅した後、分岐して、分岐された検出信号を増幅器を介して、第3PLL回路28Cに入力させている。この第3PLL回路28Cの発振信号の発振周波数は、第1PLL回路28Aの発振周波数f1と第2PLL回路28Bの発振周波数f2との差Δf=f1−f2である107MHzである。そして、第1ローパスフィルタ31の出力と、第3PLL回路28Cの出力とを第2ミキサ50に入力している。したがって、第2ミキサ50の出力の低周波成分は直流となる。この直流成分を、第2ローパスフィルタ51により取り出す。第2ローパスフィルタ51の出力信号を増幅器52で増幅した後に、実施例1と同様にコンデンサ32を介して、スピーカ34に出力する。
【0049】
第1PLL回路28A、第2PLL回路28A、第3PLL回路28Cが、それぞれ入力信号である検出信号に全く同期していない場合には、上記したように、第2ローパスフィルタ51の出力は零であり、スピーカ34からは発音されない。次に、指先が第1電極25A、第2電極25Bに接近すると、各PLL回路は同期確立直前状態となる。全てのPLL回路が同期確立状態となると、検出信号の高周波成分はキャンセルされて、各位相雑音成分の50Hz以下の帯域へ変換された位相雑音成分が第2ローパスフィルタ51から出力されることになる。これにより、スピーカ34からは、指先が電極25により検知可能な範囲に入ったことを示す低音のうなり音が出力される。操作者はさらに指先を第1電極25Aと第2電極25Bとの間に位置に接近させると、全PLL回路は完全に同期確立状態となり、スピーカ34からの発音は停止される。その後、指先を第1電極25Aと第2電極25Bとの間で静止させれば、その時に、第2ローパスフィルタ51から出力される信号をA/D変換器36によりディジタル値に変換することで、連続量として指令値を操作装置4には与えることができる。
【0050】
なお、出力装置は、上記の全実施例において、コンデンサ32、増幅器33、スピーカ34、コンパレータ35、A/D変換器36で構成されている。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の操作装置は、非接触による入力可能な範囲が操作者に知らされるので、確実の操作入力を実現することができる。
【符号の説明】
【0052】
20:励振器
1、2、3、4:操作装置
25A:第1電極
25B:第2電極
28A:第1PLL回路
28B:第2PLL回路
28C:第3PLL回路
30:ミキサ
50:第2ミキサ
31:第1ローパスフィルタ
51:第2ローパスフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者により装置に対して非接触で操作指令を与える操作装置において、
電磁場を検出するセンサと、
前記電磁場に感応するセンサから出力される検出信号に対してPLL同期した信号を発振させる第1PLL回路と、
前記第1PLL回路の出力信号から直流成分を復調する復調装置と、
前記復調装置の出力信号を入力して、前記第1PLL回路の同期確立直前における位相雑音に起因する周波数変動に応じて、同期確立直前の状態であることを前記操作者に伝達する出力装置と、
を有することを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記復調装置は、
前記センサから出力される検出信号に対してPLL同期した信号を発生させる第2PLL回路と、
前記第1PLL回路の出力信号と前記第2PLL回路の出力信号とをミキシングする第1ミキサと、
前記第1ミキサの出力信号から所定周波数以上を遮断する第1ローパスフィルタと、 を有し、
前記出力装置は、前記第1PLL回路及び前記第2PLL回路の同期確立直前における位相雑音に起因する周波数変動に応じて、同期確立直前の状態であることを前記操作者に伝達する装置である
ことを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記センサは、第1センサと、該第1センサと異なる位置に置かれた第2センサとから成り、前記第1PLL回路は前記第1センサから出力される検出信号を入力し、前記第2PLL回路は前記第2センサから出力される検出信号を入力することを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記第1センサから出力される検出信号を分岐した信号を入力する第3PLL回路を有し、
前記復調装置は、前記第1ローパスフィルタの出力信号と前記第3PLL回路の出力信号とを混合する第2ミキサと、前記第2ミキサの出力信号から所定周波数以上を遮断する第2ローパスフィルタとを有し、
前記第2ローパスフィルタの出力信号を前記復調装置の出力信号とすることを特徴とする請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記出力装置は、前記復調装置の出力信号から得られる前記第1PLL回路の同期確立状態の信号に応じて、前記操作者の操作状態を指令として出力する装置であることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項6】
前記出力装置は、前記復調装置の出力信号から得られる前記第1PLL回路及び前記第2PLL回路の同期確立状態の信号に応じて、前記操作者の操作状態を指令として出力する装置であることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の操作装置。
【請求項7】
前記復調装置は、前記第1PLL回路の出力信号の位相を検出する位相検出装置であることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項8】
前記操作者に対して、直接又は間接的に、電磁場を励振する励振器を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の操作装置。
【請求項9】
前記出力装置からの出力信号に応じて、同期確立直前の状態の場合に、前記第1PLL回路に入力する信号を増幅する第1増幅器を有することを特徴とする請求項1又は請求項7に記載の操作装置。
【請求項10】
前記出力装置からの出力信号に応じて同期確立直前の状態の場合には、前記第1PLL回路に入力する信号を増幅する第1増幅器と前記第2PLL回路に入力する信号を増幅する第2増幅器とを有することを特徴とする請求項2乃至請求項8の何れか1項に記載の操作装置。
【請求項11】
前記センサは、一つ設けられていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項7又は請求項9に記載の操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5.A】
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【図5.B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−105300(P2013−105300A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248447(P2011−248447)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】