説明

操作装置

【課題】センサの劣化を抑制できるようにした操作装置を提供する。
【解決手段】ユーザがタッチパネル4の操作面4cをタッチすると、支軸7の内側のタッチパネル4の中央側に力が加わる。タッチパネル4の角部4aは支軸7の作用によりユーザの押圧方向とは逆方向(図1の上方向)に力が作用する。すると、圧力センサ6に予め加えられた初期荷重が減少することになり、圧力センサ6がこの荷重の減少量を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサを基板に実装した操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、タッチパネルは抵抗膜式や静電容量式のパネルが主流となっているが、導電性の抵抗膜などを使用すると透過率が低下するという問題がある。さらにデザイン性を有する自由曲面にすることも難しい。これらの問題点を解決するため、歪みセンサ、圧力センサを用いたタッチパネルが注目されている。圧力、歪み検出式のセンサを情報表示パネル外の数か所に配置することで、タッチセンシングを実現する思想も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−215624号公報
【特許文献2】特開2005−3494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板実装型のセンサは一般に耐荷重が低い上、変位がほとんどない。また大荷重が印加された場合、そのストッパーを設置することも困難である。したがって、例えば図10(a)に示すように、基板100の上にセンサ101を載置し、このセンサ101の上にタッチパネル102を載置して構成した場合、ユーザがタッチパネル102を押圧するとセンサ101に荷重がかかるが、過度な荷重がかかると、図10(b)に示すように、センサが容易に劣化、最悪の場合破壊するという問題を生じる。
そこで、センサの劣化を抑制できるようにした操作装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明によれば、歪みまたは圧力検出用のセンサがタッチパネルの一部である係合部にてタッチパネルと係合することで、操作面への操作を係合部における歪みまたは圧力を検出する。支持部は、係合部よりも操作面の中央に近い位置に設けられており、タッチパネルの操作面に対して上方向または/および下方向に支持する。
【0006】
ユーザがタッチパネルの操作面を操作すると、当該操作面に押圧力が加わる。タッチパネルがセンサと係合する係合部は、支持部を支点としてユーザの押圧方向とは逆方向に作用する。係合部に前記逆方向の力が作用するとセンサに加わる荷重が減少することになり、センサによってこの荷重の減少量を検出できる。これにより、センサには過度な荷重が加えられる虞が少なくなり、センサが劣化する虞を極力抑制できる。
【0007】
請求項2記載の発明によれば、タッチパネルは、基板上に情報表示パネルを介して基板の中央側に配置されて操作面を備える。複数のセンサは、基板上に配置され、タッチパネルの角部に対応する位置にそれぞれ配置されることで操作面への操作を角部に対応する位置における歪みまたは圧力として検出する。支持部は、複数のセンサの配置位置よりも操作面の中央側に位置し、タッチパネルを操作面に対して上方向または/および下方向に支持する。
【0008】
ユーザがタッチパネルの操作面を操作すると、タッチパネルの中央側に押圧力が加わる。タッチパネルの角部は支持部を支点としてユーザの押圧方向とは逆方向に作用する。センサはタッチパネルの角部にそれぞれ配置されているが、タッチパネルの角部に前記逆方向の力が作用すると荷重が減少することになり、センサによってこの荷重の減少量を検出できる。これにより、センサには過度な荷重が加えられる虞が少なくなり、センサが劣化する虞を極力抑制できる。
【0009】
請求項3記載の発明のように、センサにタッチパネルから予め適度な初期荷重が加えられていると、初期荷重からの荷重減少量を検出できる。また請求項4記載の発明のように、支軸がタッチパネルおよび基板に挟持されていると良い。
【0010】
請求項5記載の発明のように、支持部はタッチパネルおよび基板に挟持され複数のセンサの配置位置よりも操作面中央側に位置してタッチパネルの辺部に対して斜状に支点を備えることが望ましい。
【0011】
請求項6記載の発明によれば、支軸がセンサの操作面中央側に配置されているため、荷重がセンサに加えられにくくなり、センサを過度な荷重から容易に保護できる。
請求項7記載の発明によれば、押圧部がタッチパネル上にタッチパネルを下方に押圧するものであり、タッチパネルの操作面の外方で且つ支軸の直上から操作面中央側に配置されているため、タッチパネルの係合部、角部に加わる前記逆方向の力が押圧部によって押さえ付けられることがなくなり、タッチパネルの係合部、角部が自在に変位でき、センサの検出精度を向上できる。
【0012】
特に、請求項8記載の発明のように、押圧部が支軸の直上に配置されていれば、タッチパネルが支軸と押圧部により上下方向に把持されることになるため、当該把持位置におけるタッチパネルが上下方向に安定化する。
【0013】
請求項9記載の発明によれば、支持部が情報表示パネルの角部に接する接線に沿って設けられているので、情報表示パネルの情報表示領域を見通し良くしながら支持部を配置できる。しかも、支持部がタッチパネルの係合部、角部から遠い位置に設置されるため、センサ上におけるタッチパネルの係合部、角部の変位量を増すことができ、センサによる検出精度を向上できる。
【0014】
請求項10記載の発明のように、支持部は矩形状のタッチパネルの辺部に対し30〜60度の範囲で傾斜した直線状に配置されていると良く、請求項11記載の発明のように、特に45度に傾斜した直線状に配置されていることが望ましい。すると、押圧力を正確にセンサに伝えることができる。また、請求項12記載の発明のように、支軸は、その断面が半円型、楔型、角型の何れかの形状に形成されていると良い。
【0015】
請求項13記載の発明のように、タッチパネルを上側から吸着または接着することで上方向に支持するように支持部を構成しても良い。また、繊細なセンサに対する負担が軽減されるため、請求項14記載の発明のように、過度な振動に耐える必要がある車載用途にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態を示す要部の縦断面図(図3のA−A線に沿って示す縦断面図)
【図2】操作装置の構造を各要素に分解して示す分解斜視図
【図3】操作装置を構成する各部品の平面配置関係を示す平面図
【図4】ナビゲーション装置に係る要部の電気的構成を示すブロック図
【図5】(a)は解析モデルを示す斜視図、(b)解析モデルにおいて基板に対する各部品の配置関係を示す平面図
【図6】支点の最適設置範囲を示す平面図
【図7】支点の設置位置のバリエーションを示す平面図
【図8】支軸の断面形状のバリエーションを示す縦断面図
【図9】押圧部の配設位置範囲の説明図
【図10】従来例の不具合を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図1ないし図9を参照しながら説明する。図2は、操作装置の要部の構造を分解斜視図で示しており、図3は、操作装置の要部の構造を平面図により示している。図1は、各種部品組立後の図3のA−A線に沿う縦断面図を示している。
【0018】
操作装置1は、車両用ナビゲーション装置用に構成されており、図2に示すように基板(プリント配線基板)2上に搭載されている。以下、この操作装置1の特徴部分を中心に説明する。図2に示すように、基板2上の中央側にはLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置:情報表示パネルに相当)3が半田付けにより実装される。また、LCD3上には平状のタッチパネル4が搭載され、これらのLCD3およびタッチパネル4を覆うように矩形枠状のエスカッション(化粧板)5が搭載されている。ここでタッチパネル4は例えばアクリル製の板状部材が用いられている。タッチパネル4は可撓性部材であればどのような板状部材を適用しても良いし、シート状部材を適用しても良い。
【0019】
図2および図3に示すように、LCD3、タッチパネル4は、それぞれ平面的に矩形状(正方形状も含む)をなし、これらのタッチパネル4の外形寸法(幅、長さ)は、LCD3の外形寸法(幅、長さ)よりも広い。圧力センサ(センサに相当)6は、基板2の周縁の4隅にそれぞれ搭載されており、平面的にはタッチパネル4の角部4a(4隅)に対応した位置にそれぞれ半田付けによって基板2に実装されている。
【0020】
圧力センサ6の内側(中央側)には支軸7が基板2上に固着されている。この支軸7は例えばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、ポリカーボネートなどの熱可塑性プラスチックにより構成され、断面半円型に成形され、その半円外周面を上にして例えば螺子(図示せず)により基板2に固着されている。
【0021】
図3に示すように、タッチパネル4はその角部4a(この例の場合四隅周端部)が圧力センサ6および支軸7上に載置されるが、支軸7の軸方向はタッチパネル4の辺部4bと交差する角度θが鋭角(例えば30〜60度:望ましくは45度)とされており、これにより、支軸7はタッチパネル4の辺部4bに対して斜状(例えば傾斜した直線状)に設置されている。
【0022】
図1に示すように、基板2上には、内側(基板2の中央側)から外側にかけてLCD3、支軸7、圧力センサ6の順で配置されている。支軸7および圧力センサ6にはタッチパネル4が載置され、基板2とタッチパネル4により圧力センサ6および支軸7が挟持されている。タッチパネル4が圧力センサ6のセンシング部に係合(接触)しており、この係合部(接触部)は当該タッチパネル4の角部4a(の下面)となっている。
【0023】
他方、LCD3は、基板2に実装されており、タッチパネル4と基板2の間に設置されているが、タッチパネル4との間に隙間(クリアランス)が設けられている。この隙間を設けると、ユーザが操作面4cを操作したときにタッチパネル4が下側に撓み、タッチパネル4の角部4aが上方向に自在に変位しやすくなる。エスカッション5は、LCD3,タッチパネル4,支軸7,圧力センサ6の外方に位置して螺子(図示せず)によって基板2に固定されている。このエスカッション5は、図1に示す断面ではタッチパネル4の辺部4bの外側方に位置して基板2の上方に向けて延設すると共に、この延設上端から当該タッチパネル4の上方内側(基板2の中央側)に向けて延設され、この延設端部から下方に延伸して構成されるもので、当該延伸端部5aはタッチパネル4の周縁部上方に位置する。
【0024】
図1に示すように、エスカッション5の端部5aの下部にはクッション材8が固着されている。このクッション材8には例えば圧縮率40%、3mm厚の不織布が用いられ、タッチパネル4上に係合するよう実装されている。図1に示す例では、クッション材8は、支軸7とタッチパネル4の接触領域の直上に配置されている。
【0025】
クッション材8は、タッチパネル4の上面に接触し、当該タッチパネル4を下方に押さえ付ける押圧部として作用し、支軸7とクッション材8によって把持されたタッチパネル4の位置を上下方向に安定化させている。クッション材8は押圧力が0.1MPa以上になるように材質の選定、圧縮率の設定を行うと良い。本実施形態において、クッション材8と支軸7は支持部を構成する。
【0026】
タッチパネル4の角部4a上には、エスカッション5、クッション材8などが配置されていないため、圧力センサ6上におけるタッチパネル4の角部4aは上方向に変位自在とされている。タッチパネル4は、各圧力センサ6および支軸7との係合具合が予め製造時などに調整されることによって、各圧力センサ6に対する荷重が予め所定範囲の初期荷重量となるよう調整されている。したがって、各圧力センサ6のセンシング部には適度な初期荷重が予め加えられた状態で、タッチパネル4が各圧力センサ6上および支軸7上に載置されている。
【0027】
図4は、車両用ナビゲーション装置の電気的構成例を概略的なブロック図により示している。制御装置9は、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されるもので、表示装置となるLCD3、圧力センサ6、位置検出器10、地図データ入力器11、音処理装置12などを電気的に接続して構成されている。
【0028】
制御装置9は、地図データ入力器11を用いてユーザ所望の地域の地図表示処理をLCD3に行い、音処理装置12を通じて各種報知情報を報知したり外部音情報を入力したりする。また、制御装置9は、位置検出器10を用いて現在位置の特定処理を行い、前記の地図表示画面上に表示処理を行い各種経路案内処理する。タッチパネル式の操作装置1は、ユーザがLCD3の情報表示領域に表示された各種情報を確認しながら、ユーザ所望の指示入力(例えば経由地、目的地などの情報入力)を行うためのユーザインタフェースとして設けられている。
【0029】
上記構成の作用について説明する。
本実施形態に係る操作装置1は、所謂圧力パネル方式と称されるタッチセンサ技術を基礎的な技術としている。ユーザはタッチパネル4の中央側の操作面4cを操作すると、タッチパネル4の中央側に押圧力が加わり下方向に撓む。図1に示すように、支軸7はタッチパネル4の角部4aの内側下面を支えているため、タッチパネル4の角部4aが支軸7の上端を支点7aとしてユーザの押圧方向とは逆方向(図1では上方向)に力が作用し、タッチパネル4の角部4aが図1の上方向に変位する。
【0030】
前述したように、各圧力センサ6には図1の下方向に予め初期荷重が加えられているため、タッチパネル4の角部4aが図1の上方向に変位すると、各圧力センサ6に加えられた荷重量が減少する。すると圧力センサ6は初期荷重の減少量を検出できる。各圧力センサ6の検出荷重量の情報は制御装置9に与えられているため、制御装置9は各圧力センサ6の検出荷重量情報に基づいてユーザのタッチパネル4の操作面4cのタッチ位置を検出できる。このタッチ位置の特定方法は従来方法とほぼ同様であるためその詳細説明を省略する。また、タッチパネル4の角部4aの図1の上方向変位量を検出できるため、タッチパネル4のタッチ位置のみならず、ユーザの押圧力も検出できる。
【0031】
<シミュレーション解析結果>
発明者らは8インチディスプレイ装置の最適構造モデルを作成し、応力解析シミュレーションを行った。解析モデルは、図5(a)に示すように、平板状の基板2の四隅の角部2a上にそれぞれ矩形状の圧力センサ6を搭載し、この角部2aの内側の上面上に平面斜状に支軸7を設けたモデルを採用した。支軸7には断面半円形のモデルを用いた。
【0032】
図5(b)に示すように、基板2の外形寸法をL1×W1=270mm×200mmとし、基板2の角部2aと支軸7の中心との距離をL2=W2=25mmとし、支軸7の断面半円の直径をφ=10mmとした。また、基板2の辺部2b(タッチパネル4の辺部4bの側面と面一)に対する支軸7の軸方向の傾斜角度θを45度とした。
【0033】
この構造において、(1)支軸7を設けていない場合、(2)支軸7を設けた場合、に分けて応力解析シミュレーションを行った。応力解析における押圧条件は、実使用上、タッチパネル4の中央部をユーザの手指で押圧可能な力を加えることを想定した。この想定下においてタッチパネル4の中央部を50Nの力で押下するという押圧条件で解析シミュレーションを行った。
【0034】
(1)支軸7を設けていない場合には、タッチパネル4の中央部が50Nの力で押下されると、圧力センサ6には67.9MPaの応力がかかることがシミュレーションにより明らかとなった。(2)支軸7を設けている場合には、タッチパネル4の中央部を50Nの力で押圧した場合、最大応力は押圧部付近でありこの応力値は22.2MPaとなった。また、支軸7の支点7a上では最大応力は2.6MPaとなった。これは、支点7aが基板2の角部2aの内側に線状に散らばっているため、加えられる圧力が支軸7の全体に分散するためと考えられる。
【0035】
タッチパネル4の材質をアクリル樹脂としこのアクリル曲げ強度を110MPaとし、圧力センサ6の破壊強度を45MPaとすると、(1)支軸7を設けていない場合には、圧力センサ6の破壊強度を超えているのに対し、(2)支軸7を設けている場合には圧力センサ6の破壊強度を充分に下回る応力値となっており、圧力を分散しつつタッチパネル4を配置できる構造であることがわかる。
【0036】
<支軸7の支点の最適設置範囲について>
図6は、支点の最適設置範囲を平面的に示している。この図6に示すように、LCD3の四つの角部3aにそれぞれθ=45度となる接線を引き、その接線から基板2の角部2a側を支点7aの設置最適範囲Rとしている。この設置最適範囲R内に支点7aをθ=45度に斜状に設けるように支軸7を配置すると良い。すると、押圧力を正確に圧力センサ6に伝えることができる。
【0037】
また、図7に示すように、支点7aが設置最適範囲Rを一部逸脱するように設けても良く、支点7aが操作面4cの外側に設けられていれば良い。また、支点7aが傾斜角度θ=30度〜60度の範囲となるように支軸7を配置するとよいことが、圧力センサ6によるセンシング感度が良好となることが確認されている。
【0038】
<支軸7の断面形状について>
図8(a)〜図8(c)は、支軸の断面形状のバリエーションを示している。これらの図8(a)〜図8(c)に示すように、支軸7は、その上面が湾曲した半円型(例えば図8(a))、先が尖った楔型(尖頭型:例えば断面三角形状の図8(b))、断面に複数の支点7aを備える角型(例えば図8(c)の四角型)の何れの形状、または、これらを組み合わせた他の形状に成形されていても良い。
【0039】
<クッション材8(押圧部)の位置について>
図9は、クッション材の配設位置の適切な範囲を示している。この図9に示すように、LCD3の側端部(操作面4cの側端部)から支点7aまでの範囲Rzに押圧部となるクッション材8が配置されていると良い。
【0040】
<本実施形態のまとめ>
本実施形態によれば、支軸7はタッチパネル4および基板2に挟持された状態でタッチパネル4の辺部4bに対し斜状に支点7aを備えており、圧力センサ6の内側に配置されている。圧力センサ6はタッチパネル4の角部4aに対応する位置にそれぞれ配置されているが、この圧力センサ6に適度な初期荷重が予め加えられた状態で設置されている。
【0041】
ユーザがタッチパネル4の操作面4cをタッチすると、支軸7の内側のタッチパネル4の中央側に力が加わる。タッチパネル4の角部4aは支軸7の作用によりユーザの押圧方向とは逆方向(図1の上方向)に力が作用する。すると、圧力センサ6に予め加えられた初期荷重量が減少することになり、圧力センサ6によりこの荷重の減少量を検出できる。これにより、圧力センサ6には初期荷重を超える過度な荷重が加えられる虞が少なくなり、圧力センサ6が劣化する虞を極力抑制できる。
【0042】
また、支軸7が操作面4cの中央側に配置されているため、荷重が圧力センサ6に加えられにくくなり、圧力センサ6を過度な荷重から容易に保護できる。
また、クッション材8はタッチパネル4を上から押さえ付けるが、このクッション材8はタッチパネル4の操作面4cの外方で且つ支軸7の直上から内側(中央側)に配置されているため、タッチパネル4の角部4aに加わる力がクッション材8によって押さえ付けられることがなくなり、タッチパネル4の角部4aが自在に変位でき、圧力センサ6の検出精度を向上できる。
【0043】
また、クッション材8が支軸7の直上に配置されている場合には、タッチパネル4が支軸7とクッション材8によって上下方向に把持されることになるため、当該把持位置におけるタッチパネル4が上下方向に安定化する。
【0044】
支点7aがLCD3の角部3aに接する接線に沿って設けられていると、LCD3の情報表示領域を見通し良くしながら支軸7を配置できる。この場合、支軸7がタッチパネル4の角部4aから遠い位置に設置されることになるため、圧力センサ6上におけるタッチパネル4の角部4aの変位量を増すことができ、圧力センサ6による検出精度を向上できる。
【0045】
クッション材8に代えて、当該クッション材8の設置位置に、タッチパネル4を吸着または接着することにより上方向に支持する支持部を備えて構成しても良い。この場合、支持部が吸着または接着によって上方向に支持するため、タッチパネル4の下側には支軸7を設ける必要がなくなる。
【0046】
このような操作装置1は、振動、荷重が過度となることが予想される車載装置に好適であり、操作装置1の耐用強度を向上できる。圧力センサ6を適用した実施形態を用いたが、これに代えて各種の歪みセンサを用いても良い。圧力センサ6の設置個数は限られない。
【符号の説明】
【0047】
図面中、1は操作装置、2は基板、3はLCD(情報表示パネル)、4はタッチパネル、4aはタッチパネルの角部(係合部)、4bは辺部、4cは操作面、6は圧力センサ(センサ)、7は支軸、8はクッション材(押圧部)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に配置され、操作面を備えたタッチパネルと、
前記基板上に配置され、また前記タッチパネルの一部である係合部にて前記タッチパネルと係合することで、前記操作面への操作を当該係合部における歪みまたは圧力として検出する歪みまたは圧力検出用のセンサと、
前記係合部よりも前記操作面の中央に近い位置に設けられ、前記タッチパネルを前記操作面に対して上方向または/および下方向に支持する支持部と、を具備し、
前記操作により前記タッチパネルの操作面が押圧されると、前記支持部を支点として当該押圧方向とは逆方向の力を前記係合部に対して作用させるよう構成したこと、を特徴とする操作装置。
【請求項2】
基板上に情報表示パネルを介して前記基板の中央側に配置され、操作面を備えたタッチパネルと、
前記基板上に配置され、前記タッチパネルの角部に対応する位置にそれぞれ配置されることで前記操作面への操作を当該角部に対応する位置における歪みまたは圧力として検出する歪みまたは圧力検出用の複数のセンサと、
前記複数のセンサの配置位置よりも前記操作面の中央側に位置し、前記タッチパネルを前記操作面に対して上方向または/および下方向に支持する支持部と、を備え、
前記操作により前記タッチパネルの操作面が押圧されると、前記支持部を支点として当該押圧方向とは逆方向の力を、前記タッチパネルの角部に作用させるよう構成したこと、を特徴とする操作装置。
【請求項3】
前記センサは、前記タッチパネルから適度な初期荷重が予め加えられた状態で設置されていることを特徴とする請求項1または2記載の操作装置。
【請求項4】
前記支持部は、少なくとも前記タッチパネルおよび前記基板に挟持された支軸を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の操作装置。
【請求項5】
前記支持部は、前記タッチパネルおよび前記基板に挟持され前記複数のセンサの配置位置よりも前記操作面中央側に位置して前記タッチパネルの辺部に対して斜状に支点を有する支軸を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の操作装置。
【請求項6】
前記支軸は、前記センサの操作面中央側に配置されていることを特徴とする請求項4または5記載の操作装置。
【請求項7】
前記支持部はさらに、前記タッチパネル上に当該タッチパネルを下方に押圧する押圧部を備え、
前記押圧部は、前記タッチパネルの操作面の外方で且つ前記支軸の直上から操作面中央側に配置されていることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の操作装置。
【請求項8】
前記押圧部は、前記支軸の直上に配置されていることを特徴とする請求項7記載の操作装置。
【請求項9】
前記支持部は、前記情報表示パネルの角部に接する接線に沿って配置されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の操作装置。
【請求項10】
前記タッチパネルは矩形状に成形され、
前記支持部は、前記矩形状のタッチパネルの辺部に対し30〜60度の範囲で傾斜した直線状に配置されていることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の操作装置。
【請求項11】
前記支持部は、前記矩形状のタッチパネルの辺部に対し45度で傾斜した直線状に配置されていることを特徴とする請求項10記載の操作装置。
【請求項12】
前記支軸は、その断面が半円型、楔型、角型の何れかの形状に形成されていることを特徴とする請求項3〜11の何れかに記載の操作装置。
【請求項13】
前記支持部は、前記タッチパネルを上側から吸着または接着することで上方向に支持することを特徴とする請求項1〜6、9〜12の何れかに記載の操作装置。
【請求項14】
車載用に適用したことを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−114463(P2013−114463A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260210(P2011−260210)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】