説明

操作部ユニットの取付構造及び画像形成装置

【課題】キーのがたつきを抑制して操作感覚を向上させることが可能で、且つ、配線処理が容易で組み立て易い操作部ユニットの取付構造を提供する。
【解決手段】本発明に係る操作部ユニットの取付構造は、ユーザーによって操作されるキー20a〜20cを有する操作部ユニット16と、操作部ユニット16が取り付けられる本体と、操作部ユニット16を覆うように本体に装着される外装カバー6と、を備え、操作部ユニット16は、外装カバー6の本体への装着方向と交差する方向にスライド可能な状態で本体に取り付けられ、操作部ユニット16が本体に取り付けられた状態で外装カバー6を本体に装着すると、操作部ユニット16のスライドが規制され、操作部ユニット16が固定されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーを有する操作部ユニットを本体に取り付けるための取付構造及びこの取付構造を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば画像形成装置等の電子機器には、キーを有する操作部ユニットが本体に取り付けられており、上記したキーをユーザーが操作することで、電子機器の各種機能が実現されるようになっている。
【0003】
また、上記した操作部ユニットは、通常、キーと対応する位置にキー穴が設けられた外装カバーによって覆われており、上記したキー穴を介して、操作部ユニットのうちのキーのみが外部に露出するようになっている(特許文献1の「外装パネル10」と「押しボタン部材20」参照)。
【0004】
このような電子機器の組立てに関しては、操作部ユニットを本体に取り付けてから外装カバーを本体に装着する構造(以下、「第1の構造」と称する。)と、操作部ユニットを外装カバーに取り付けてから外装カバーを本体に装着する構造(以下、「第2の構造」と称する。)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−217327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記第1の構造を採用した場合、操作部ユニットと外装カバーが本体を介して間接的に接続されることになり、外装カバーに対するキーの位置精度を出しにくくなる。そのため、キー穴の周囲の外装カバーとキーとの間隔を大きめに設定しておく必要が生じ、これに伴って、キーにがたつきが生じて操作感覚の劣化を招いていた。
【0007】
これに対して、前記第2の構造を採用すれば、操作部ユニットが外装カバーに直接取り付けられるため、外装カバーに対するキーの位置精度を出しやすくなる。しかしながら、第2の構造では、操作部ユニットと本体側の電装部品の結線等の配線処理は、組立ての都合上、操作部ユニットを取り付けた外装カバーを本体に装着した後に行われることになる。そのため、配線箇所が外装カバーによって覆われてしまうような場合には、配線処理が極めて困難になっていた。
【0008】
そこで、本発明は上記事情を考慮し、キーのがたつきを抑制して操作感覚を向上させることが可能で、且つ、配線処理が容易で組み立て易い操作部ユニットの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る操作部ユニットの取付構造は、ユーザーによって操作されるキーを有する操作部ユニットと、該操作部ユニットが取り付けられる本体と、前記操作部ユニットを覆うように前記本体に装着される外装カバーと、を備えた操作部ユニットの取付構造であって、前記操作部ユニットは、前記外装カバーの前記本体への装着方向と交差する方向にスライド可能な状態で前記本体に取り付けられ、前記操作部ユニットが前記本体に取り付けられた状態で前記外装カバーを前記本体に装着すると、前記操作部ユニットのスライドが規制され、該操作部ユニットが固定されることを特徴とする。
【0010】
このように、操作部ユニットを本体に取り付けてから外装カバーを本体に装着することで、操作部ユニットと本体側の電装部品の結線等の配線処理を行ってから外装カバーを本体に装着するような組付け手順を採用することが可能となる。そのため、上記の配線処理が外装カバーによって阻害されるのを防止することが可能となり、配線処理及び組立ての容易化を図ることが可能となる。
【0011】
また、外装カバーを本体に装着する際に、操作部ユニットが外装カバーに対して直接的に位置決めされるため、外装カバーに対する操作部ユニットの位置精度を向上させることが可能となる。これに伴って、キーのがたつきを抑制して操作感覚の向上を図ることが可能となる。
【0012】
本発明に係る操作部ユニットの取付構造は、前記操作部ユニットには、前記キーを装着可能な操作部フレームが設けられ、該操作部フレームには操作部側係合部が設けられ、前記外装カバーには、前記操作部側係合部と対応する位置にカバー側係合部が設けられ、前記操作部ユニットが前記本体に取り付けられた状態で前記外装カバーを前記本体に装着すると、前記操作部側係合部と前記カバー側係合部が係合して、前記操作部ユニットのスライドが規制されても良い。
【0013】
このような構成を採用することで、操作部側係合部をキーに設けるような場合と比較して、操作部側係合部の安定性を高めることが可能となり、操作部側係合部にカバー側係合部を確実に係合させることが可能となる。
【0014】
本発明に係る操作部ユニットの取付構造は、前記キーには、操作部側係合部が設けられ、前記外装カバーには、前記操作部側係合部と対応する位置にカバー側係合部が設けられ、前記操作部ユニットが前記本体に取り付けられた状態で前記外装カバーを前記本体に装着すると、前記操作部側係合部と前記カバー側係合部が係合して、前記操作部ユニットのスライドが規制されても良い。
【0015】
このような構成を採用することで、外装カバーに対してキーが直接位置決めされることになり、外装カバーに対するキーの位置精度を出しやすくなる。
【0016】
本発明に係る操作部ユニットの取付構造は、前記キーは、前記操作部ユニットに複数個並設され、該複数個のキーのうちの両端のキーの周りに、前記操作部側係合部が設けられていても良い。
【0017】
このような構成を採用することで、操作部ユニットと外装カバーの位置ずれを確実に防止することが可能となる。
【0018】
本発明に係る操作部ユニットの取付構造は、前記外装カバーには、前記キーを遊挿可能なカバー側キー穴が設けられ、前記操作部ユニットには、前記キーを遊挿可能な操作部側キー穴が設けられ、前記カバー側キー穴に遊挿された前記キーの周囲の隙間よりも前記操作部側キー穴に遊挿された前記キーの周囲の隙間が広くなるように形成されていても良い。
【0019】
このような構成を採用することにより、外装カバーとキーとの隙間が外側から目立ちにくくなり、外観の向上を図ることが可能となる。また、カバー側キー穴に遊挿されたキーの周囲の隙間よりも操作部側キー穴に遊挿されたキーの周囲の隙間を広くすることで、これらの隙間を同一とする場合と比較して、キーの動作不良等の不具合が生じにくくなる。
【0020】
本発明に係る操作部ユニットの取付構造は、前記操作部ユニットは、前記本体に収納される電装部品と電線を介して接続され、該電線は、前記外装カバーによって覆われる位置に設けられていても良い。
【0021】
このように、外装カバーによって電線を覆う構成とすることで、電線が外部から視認されるのを簡易な構成によって防止することが可能となり、外観の向上を図ることができる。一方で、このように外装カバーによって電線が覆われる場合には、外装カバーを本体に装着した後に配線処理を行うことが極めて困難になる。しかしながら、前記のように本発明は、配線処理を行ってから外装カバーを本体に装着するような組付け手順を採用することが可能であるから、外装カバーによって電線が覆われてしまっても差し支えない。
【0022】
本発明に係る画像形成装置は、上記いずれかの操作部ユニットの取付構造を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、キーのがたつきを抑制して操作感覚を向上させることが可能で、且つ、配線処理が容易で組み立て易い操作部ユニットの取付構造を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリンターの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るプリンターにおいて、上カバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るプリンターにおいて、上カバーを示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るプリンターにおいて、上カバーの右前部付近を示す下側からの斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るプリンターにおいて、操作部ユニットを示す斜視図である。
【図6】図5のA−A部分における上カバーと操作部ユニットの断面図である。
【図7】図5のB−B部分における上カバーと操作部ユニットの断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るプリンターにおいて、操作部ユニットとフラットケーブルを示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るプリンターにおいて、操作部ユニットを取り付けた本体フレームを示す下側からの斜視図である。
【図10】他の異なる実施形態に係るプリンターにおいて、上カバーと操作部ユニットを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのプリンター1について、図1〜図9を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るプリンターの斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係るプリンターにおいて、上カバーを取り外した状態を示す斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係るプリンターにおいて、上カバーを示す斜視図である。図4は、本発明の一実施形態に係るプリンターにおいて、上カバーの右前部付近を示す下側からの斜視図である。図5は、本発明の一実施形態に係るプリンターにおいて、操作部ユニットを示す斜視図である。図6は、図5のA−A部分における上カバーと操作部ユニットの断面図である。図7は、図5のB−B部分における上カバーと操作部ユニットの断面図である。図8は、本発明の一実施形態に係るプリンターにおいて、操作部ユニットとフラットケーブルを示す斜視図である。図9は、本発明の一実施形態に係るプリンターにおいて、操作部ユニットを取り付けた本体フレームを示す下側からの斜視図である。以下、説明の便宜上、図1における左下側をプリンター1の正面側(前側)とする。
【0026】
図1に示されるように、プリンター1は、直方体形状のプリンター本体2を備えている。プリンター本体2の左右両面には、それぞれ左カバー3と右カバー4(以下、「左右カバー3、4」とする。)が装着され、プリンター本体2の上面には、外装カバーとしての上カバー6が装着されている。
【0027】
左右カバー3、4の上縁部には、それぞれ差込片5(図2参照)が設けられている。そして、左右カバー3、4をプリンター本体2の左右両面に装着した状態で、上カバー6を上方からプリンター本体2に装着することで、左右カバー3、4の差込片5が上カバー6の下縁部の内側に差し込まれて、左右カバー3、4のプリンター本体2に対する着脱が規制されるようになっている。
【0028】
上カバー6は、左右一対のビス(図示略)によってプリンター本体2の上部に取り付けられており、これにより、上カバー6のプリンター本体2に対する着脱が規制されている。
【0029】
上カバー6の上面には、後下方に傾斜する排紙トレイ8が設けられ、排紙トレイ8の後方には排紙ユニット10がプリンター本体2に設けられている。そして、プリンター本体2の内部でトナー像を転写及び定着された用紙が、排紙ユニット10を介して排紙トレイ8上に排出されるように構成されている。
【0030】
図3に最も良く示されるように、上カバー6には、排紙トレイ8の左右両側に突片11が設けられている。右側の突片11の上面の前部には、前後方向に長い挿通部12が設けられ、挿通部12には、3個のカバー側キー穴13a〜13cが上下方向に穿設されている。カバー側キー穴13a〜13cは、所定の間隔をおいて前後に並設されている。前端のカバー側キー穴13aと前後方向中央のカバー側キー穴13bは、平面視円形状を成し、後端のカバー側キー穴13cは、平面視矩形状を成している。図4に示されるように、挿通部12の下面14には、前端のカバー側キー穴13aの周囲にカバー側係合部としての円環状の嵌合突起15aが設けられ、前後方向中央のカバー側キー穴13bの周囲に円環状の突起15bが設けられ、後端のカバー側キー穴13cの周囲にカバー側係合部としての方形枠状の嵌合突起15cが設けられている。
【0031】
図2に示されるように、プリンター本体2の右上端部の前部には、上カバー6の右側の突片11に覆われる位置に、操作部ユニット16が設けられている。図5〜図7に示されるように、操作部ユニット16は、操作部フレーム17と、操作部フレーム17の下面を覆う基板18と、操作部フレーム17に装着される3個のキー20a〜20cと、を備えている。
【0032】
図8に示されるように、操作部フレーム17の右前端部と後部には、下方に向かってフック(操作部側取付部)21a、21bが設けられている。右前端部のフック21aは前側を向いており、後部のフック21bは後側を向いている。図9に示されるように、各フック21a、21bは、プリンター本体2の一部を成す本体フレーム22に設けられた係合穴23a、23b(本体側取付部)に係合している。各係合穴23a、23bの前後幅及び左右幅は、各フック21a、21bの前後幅及び左右幅よりも大きく設定されている。
【0033】
図5等に示されるように、操作部フレーム17には、操作部側キー穴24a〜24cが上下方向に穿設されている。各操作部側キー穴24a〜24cは、所定の間隔をおいて前後に並設されている。前端の操作部側キー穴24aと前後方向中央の操作部側キー穴24bは平面視円形状を成し、後端の操作部側キー穴24cは平面視矩形状を成している。操作部フレーム17の上面には、前端の操作部側キー穴24aの周囲に操作部側係合部としての円環状の嵌合突起25aが設けられ、後端の操作部側キー穴24cの左右両側に操作部側係合部としての直線状の嵌合突起25cが前後方向に設けられている。なお、前後方向中央の操作部側キー穴24bの周囲には、嵌合突起が設けられていない。
【0034】
図6に示されるように、基板18の上面には、スイッチ26a〜26cが突設されている。スイッチ26a〜26cは、所定の間隔をおいて前後に並設されている。前端のスイッチ26aと前後方向中央のスイッチ26bは、基板18の左右方向略中央に設けられている。図7に示されるように、後端のスイッチ26cは基板18の左部に設けられており、後端のスイッチ26cの右側には、基板18の左右方向略中央にLED27が設けられている。
【0035】
基板18は、電線としてのフラットケーブル30(図8参照)及びコネクター(図示せず)を介して、プリンター本体2に収納された電装部品(例えば、電源基板)と接続されている。フラットケーブル30は、上カバー6によって覆われる位置に設けられている(図1、図2参照)。
【0036】
各キー20a〜20cは、いずれも押ボタン型であり、所定の間隔をおいて前後に並設されている。前端のキーであるスタートキー20aは、例えば、メンテナンス後にプリンター1を再スタートする場合に用いられるものであり、平面視円形状を成している。前後方向中央のキーであるキャンセルキー20bは、例えば、印刷を中止する場合に用いられるものであり、平面視円形状を成している。後端のキーである省エネモードキー20cは、例えば、低速印刷(省エネ印刷)を行う場合に用いられるものであり、平面視矩形状を成している。本実施形態では、省エネモードキー20cがONになると、LED27が点灯するように構成されている。
【0037】
図6、図7に示されるように、各キー20a〜20cの下端部には脚31a〜31cが設けられており、各キー20a〜20cが押圧されると、脚31a〜31cが基板18の上面に当接して、各キー20a〜20cが過度に押圧されるのを防止できるようになっている。各キー20a〜20cには、基板18の各スイッチ26a〜26cと対応する位置に押圧部32a〜32cが設けられており、各キー20a〜20cが押圧されると、これに伴って押圧部32a〜32cが各スイッチ26a〜26cを押圧し、各スイッチ26a〜26cがONするように構成されている。
【0038】
各キー20a〜20cは、操作部フレーム17の各操作部側キー穴24a〜24cに遊挿されており、これにより、嵌合突起25aがスタートキー20aの周囲に配置され、嵌合突起25cが省エネモードキー20cの左右両側に配置されている(図5等参照)。各キー20a〜20cは、上カバー6の各カバー側キー穴13a〜13cに遊挿されており、各カバー側キー穴13a〜13cを介して上カバー6の上面に露出している(図1参照)。これにより、上カバー6をプリンター本体2に装着した状態において、ユーザーが各キー20a〜20cを押圧操作することが可能となっている。本実施形態では、カバー側キー穴13a〜13cに遊挿された各キー20a〜20cの周囲の隙間(図6の矢印α参照)よりも操作部側キー穴24a〜24cに遊挿された各キー20a〜20cの周囲の隙間(図6の矢印β参照)が広くなるように設定されている。
【0039】
上記の如く構成されたプリンター1の組立て手順の一例について説明する。
【0040】
まず、図9に示されるように、フック21a、21bを係合穴23a、23bに係合させて操作部ユニット16をプリンター本体2に取り付ける。前記のように、各係合穴23a、23bの前後幅及び左右幅は、各フック21a、21bの前後幅及び左右幅よりも大きく設定されているため、このようにフック21a、21bを係合穴23a、23bに係合させても、操作部ユニット16はプリンター本体2に対して前後方向及び左右方向に一定の幅だけスライド可能であり、完全に位置決めされてない。つまり、操作部ユニット16は、上カバー6のプリンター本体2への装着方向(本実施形態では上下方向)と交差する方向にスライド可能な状態で、プリンター本体2に取り付けられる。この状態で、操作部ユニット16とプリンター本体2内の電装部品の結線等の配線処理を行う。
【0041】
次に、上カバー6をプリンター本体2に上方から被せるように装着する。この装着に伴って、図6に示されるように、上カバー6の前端の嵌合突起15aが操作部ユニット16の前端の嵌合突起25aの内側に嵌合する。また、図7に示されるように、上カバー6の後端の嵌合突起15cが、操作部ユニット16の後端の嵌合突起25cの内側に嵌合する。この上カバー6の各嵌合突起15a、15cと操作部ユニット16の各嵌合突起25a、25cの嵌合により、操作部ユニット16の前後方向及び左右方向のスライドが規制され、操作部ユニット16が固定される。これにより、操作部ユニット16が位置決めされ、プリンター1の組み立てが完了する。
【0042】
本実施形態では上記のように、操作部ユニット16をプリンター本体2に取り付けてから上カバー6をプリンター本体2に装着することで、操作部ユニット16とプリンター本体2内の電装部品の結線等の配線処理を行ってから上カバー6をプリンター本体2に装着することが可能となっている。そのため、上記の配線処理が上カバー6によって阻害されるのを防止することが可能となり、配線処理及び組立ての容易化を図ることが可能となる。
【0043】
また、嵌合突起15a、15cと嵌合突起25a、25cの嵌合位置に応じて操作部ユニット16が上カバー6に対して直接的に位置決めされるため、上カバー6に対する操作部ユニット16の位置精度を向上させることが可能となる。これに伴って、キー20a〜20cのがたつきを抑制して操作感覚の向上を図ることが可能となる。
【0044】
また、操作部ユニット16とプリンター本体2内の電装部品の結線等の配線処理を行ってから上カバー6をプリンター本体2に装着することで、配線処理に必要とされるフラットケーブル30等の電線の長さを最小限に止めることが可能となり、製造コストの低廉化を図ることが可能となる。
【0045】
また、本実施形態では、操作部フレーム17に操作部側係合部としての嵌合突起25a、25cを設けているため、操作部側係合部を各キー20a〜20cに設けるような場合と比較して、操作部側係合部の安定性を高めることが可能となる。そのため、操作部ユニット16の嵌合突起25a、25cに上カバー6の嵌合突起15a、15cを確実に嵌合させることが可能となる。
【0046】
また、本実施形態では、カバー側キー穴13a〜13cに遊挿された各キー20a〜20cの周囲の隙間よりも操作部側キー穴24a〜24cに遊挿された各キー20a〜20cの周囲の隙間が広くなるように形成されているため、上カバー6と各キー20a〜20cの隙間が外側から目立ちにくくなり、外観の向上を図ることが可能となる。また、カバー側キー穴13a〜13cに遊挿された各キー20a〜20cの周囲の隙間と操作部側キー穴24a〜24cに遊挿された各キー20a〜20cの周囲の隙間を同一とする場合と比較して、各キー20a〜20cの動作不良等の不具合が生じにくくなる。
【0047】
また、本実施形態では、フラットケーブル30が上カバー6によって覆われる位置に設けられているため、フラットケーブル30が外部から視認されるのを簡易な構成によって防止することが可能となり、外観の向上を図ることができる。一方で、このように上カバー6によってフラットケーブル30が覆われる場合には、上カバー6をプリンター本体2に装着した後に配線処理を行うことが極めて困難になる。しかしながら、前記のように本実施形態では、配線処理を行ってから上カバー6をプリンター本体2に装着するような組付け手順を採用しているから、上カバー6によってフラットケーブル30が覆われてしまっても差し支えない。
【0048】
また、本実施形態では、3個のキー20a〜20cのうちの前後両端のキー20a、20cの周りに、嵌合突起25a、25cが配置されている。このような構成を採用することにより、嵌合突起15aと嵌合突起25aの嵌合位置と嵌合突起15cと嵌合突起25cの嵌合位置を最大限離間させることが可能となり、操作部ユニット16と上カバー6の位置ずれを確実に防止することが可能となる。
【0049】
本実施形態では上記のように、操作部フレーム17に操作部側係合部としての嵌合突起25a、25cを設ける場合について説明したが、他の異なる実施形態では、図10に示されるように、スタートキー20a等のキー自体に操作部側係合部としての嵌合突起33を設けても良い。このような構成を採用することで、上カバー6に対してキーが直接位置決めされることになり、上カバー6に対するキーの位置精度を出しやすくなる。
【0050】
本実施形態では、押圧操作される押ボタン型のキー20a〜20cを用いる場合について説明したが、他の異なる実施形態では、傾倒操作されるレバー型のキーや回転操作されるダイヤル型のキー等、他の異なるタイプのキーを用いても良い。
【0051】
本実施形態では、スタートキー20a、キャンセルキー20b、省エネモードキー20cの3個を操作部ユニット16に設ける場合について説明したが、他の異なる実施形態では、電子機器によって実現される機能に応じて、キーの数を増減させても良い。
【0052】
本実施形態では、スタートキー20a及びキャンセルキー20bを平面視円形状とし、省エネモードキー20cを平面視矩形状としたが、これらはキーの形状の一例であって、例えば、すべてのキーを平面視円形状としたり、すべてのキーを平面視矩形状等の多角形状としたりしても良い。
【0053】
本実施形態では、上カバー6によって操作部ユニット16を覆う場合について説明したが、他の異なる実施形態では、左右カバー3、4等の上カバー6以外の外装カバーによって操作部ユニット16を覆っても良い。
【0054】
本実施形態では、画像形成装置としてのプリンター1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、複写機、ファクシミリ、複合機等の他の異なる画像形成装置に本発明の構成を適用しても良い。また、例えばDVDレコーダー等の画像形成装置以外の電子機器に本発明の構成を適用しても良い。
【符号の説明】
【0055】
1 プリンター(画像形成装置)
2 本体
6 上カバー(外装カバー)
13a〜13c カバー側キー穴
15a、15c 嵌合突起(カバー側係合部)
16 操作部ユニット
17 操作部フレーム
20a〜20c キー
24a〜24c 操作部側キー穴
25a、25c 嵌合突起(操作部側係合部)
30 フラットケーブル(電線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーによって操作されるキーを有する操作部ユニットと、該操作部ユニットが取り付けられる本体と、前記操作部ユニットを覆うように前記本体に装着される外装カバーと、を備えた操作部ユニットの取付構造であって、
前記操作部ユニットは、前記外装カバーの前記本体への装着方向と交差する方向にスライド可能な状態で前記本体に取り付けられ、前記操作部ユニットが前記本体に取り付けられた状態で前記外装カバーを前記本体に装着すると、前記操作部ユニットのスライドが規制され、該操作部ユニットが固定されることを特徴とする操作部ユニットの取付構造。
【請求項2】
前記操作部ユニットには、前記キーを装着可能な操作部フレームが設けられ、該操作部フレームには操作部側係合部が設けられ、
前記外装カバーには、前記操作部側係合部と対応する位置にカバー側係合部が設けられ、
前記操作部ユニットが前記本体に取り付けられた状態で前記外装カバーを前記本体に装着すると、前記操作部側係合部と前記カバー側係合部が係合して、前記操作部ユニットのスライドが規制されることを特徴とする請求項1に記載の操作部ユニットの取付構造。
【請求項3】
前記キーには、操作部側係合部が設けられ、
前記外装カバーには、前記操作部側係合部と対応する位置にカバー側係合部が設けられ、
前記操作部ユニットが前記本体に取り付けられた状態で前記外装カバーを前記本体に装着すると、前記操作部側係合部と前記カバー側係合部が係合して、前記操作部ユニットのスライドが規制されることを特徴とする請求項1に記載の操作部ユニットの取付構造。
【請求項4】
前記キーは、前記操作部ユニットに複数個並設され、該複数個のキーのうちの両端のキーの周りに、前記操作部側係合部が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の操作部ユニットの取付構造。
【請求項5】
前記外装カバーには、前記キーを遊挿可能なカバー側キー穴が設けられ、
前記操作部ユニットには、前記キーを遊挿可能な操作部側キー穴が設けられ、
前記カバー側キー穴に遊挿された前記キーの周囲の隙間よりも前記操作部側キー穴に遊挿された前記キーの周囲の隙間が広くなるように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の操作部ユニットの取付構造。
【請求項6】
前記操作部ユニットは、前記本体に収納される電装部品と電線を介して接続され、該電線は、前記外装カバーによって覆われる位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の操作部ユニットの取付構造。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の操作部ユニットの取付構造を備えていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−92731(P2013−92731A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236093(P2011−236093)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】