説明

支承要素を備えたドリフトコンベヤ

少なくとも1つの支承フレーム(12)、少なくとも1つの搬送ローラ(14)及び少なくとも1つの支承要素(13)を有するドリフトコンベヤ(1)であって、支承要素(13)が、支承フレーム(12)の対応の凹部内に導入され、搬送ローラ(14)のローラアクスル(143)が、支承要素(13)のアクスル受け口(1310)内に受け入れられ、ローラプレート(15)が、第1の力蓄積手段(144)により支承要素(13)に押しつけられて支承要素(12)の第1の密封領域(1308)が、ローラプレート(15)のプレート密封領域(152)と接触関係をなし、支承要素(13)の回転ロック領域が、ローラプレート(15)のプレート回転ロック領域(153a)と接触関係をなし、支承要素(13)の第2の密封領域が、支承フレーム密封領域と接触関係をなすようになっており、支承要素(13)は、第1の側(1306)に、アクスル受け口(1310)、第1の密封領域(1308)及び第1の側(1306)に隣接して位置するローラプレート(15)に対する支承要素(13)の回転を阻止することができる回転ロック領域を有し、支承要素(13)は、第1の側と実質的に反対側に位置する支承要素(13)の第2の側(1311)に、支承要素(13)と支承フレーム(12)との間を密封する第2の密封領域を有する、ドリフトコンベヤ(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密封機能を備えていて、支承フレーム内に挿入されると共に支持されるべきローラアクスルを保持する支承要素、搬送ローラを端部側から覆うためのローラプレート、かかる搬送ローラ及びとりわけ支承フレーム、かかる搬送ローラ及びかかる支承要素を有するドリフトコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
コンベヤローラ中に挿入される異形フレームを有するドリフトコンベヤは、先行技術において既に見受けられる。これらコンベヤローラは、アクスルボルトを有し、アクスルボルト回りに回転可能であるように設けられている。アクスルボルトは、異形フレームに設けられた対応の穴の中に挿入される。この関係で、異形フレームの穴及びアクスルボルトの直径は、遊びが生じるように寸法決めされ、したがって、コンベヤローラを非拘束状態で設けることができる。
【0003】
異形フレームは、部分的に、閉鎖された異形材及びカバー付きの異形材で作られ、したがって、駆動装置及びセンサのための制御エレクトロニクスを異形材に設けられたキャビティ内に収納することができる。
【0004】
コンベヤシステムによって搬送されるべき物品に応じて、コンベヤシステムを部分的にクリーニングしなければならない。この関係で、クリーニング作業中、異形材の内部のエレクトロニクスを損傷させる場合のある水分が異形材の内部に入ることがないようにするための労力が払われている。これは、或る程度までは、穴が異形材に開けられず、これに代えて、アクスルマウントが外部から閉鎖状態の異形材に取り付けられることによって達成される。かかるアクスルマウントは、或る程度までは、溶接され又は螺着される。これにより、水分が異形材に侵入することができないようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、アクスルマウントが外部に取り付けられているかかる異形材の製造は、コスト高であり費用が高くつく。さらに、コンベヤシステムの公知の設計では、振動及び不快な騒音が、場合によっては作動中に生じ、その結果、公知のコンベヤシステムを低運搬速度でしか作動させることができなくなる。
【0006】
本発明の目的は、高い運搬速度で作動させることができ、作動中信頼性があり且つクリーニングしやすいドリフトコンベヤの有利な製造を可能にする手段を開発することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、独立形式の請求項に記載された装置によって達成される。有利な実施形態は、従属形式の請求項に開示されている。
【0008】
本発明の一観点は、密封機能を備えていて、支持されるべきローラアクスルを保持し、支承フレーム内に挿入可能な支承要素であって、支承要素は、第1の側に、アクスル受け口と、第1の密封領域と、回転ロック領域とを有し、回転ロック領域は、第1の側に、即ち、同様に本願の要旨であるローラプレートに対して、隣接して位置する部品に対する支承要素の回転を阻止することができるように構成されており、支承要素は、支承要素の第1の側と本質的に反対側に位置する第2の側に、支承要素と支承フレームとの間のシールとなる第2の密封領域を有することを特徴とする支承要素にある。この関係で、回転ロック領域は、好ましくは、確実ロック式係合領域として又は摩擦ロック領域として具体化でき、これについては、以下に詳細に説明する。かかる支承要素は、支承要素と支承フレームとの間及び支承要素とローラプレートとの間の両方にシールが形成されるという利点を有し、したがって、埃や流体が支承フレームの凹部を通って支承フレームの内部に入り込むことができなくなる。支承要素とローラプレートの回転ロックにより、これら2つの部品は、互いに対して回転することができないようになり、しかも、密封面の相対回転が生じた場合にシールを越えて内部に入り込む恐れのある水分は、異形材の内部に入るのが阻止される。加うるに、回転しないよう固定されたプレートを有する搬送ローラは、長い寿命を有する。さらに、支承要素は、支承要素の表面を保護するのに役立ち、したがって、支承要素の表面品質は、組み立て中、容易に損傷されることはない。用いられる「第1の側」及び「第2の側」という用語は、機能的に理解されるべきである。その意図は、支承要素の2つの側に2つの密封面が設けられるということにある。この関係で、これらの用語は、軸方向における2つの側又は半径方向における2つの側として理解できる。密封面が互いに軸方向反対側に位置する2つの側に設けられている場合、これは、シールを軸方向における力によって生じさせることができ、他方、確実ロック式係合は、円周方向面に施された構成によって、即ち、円周方向に生じる。これは、二重の嵌合方式を用いないで摩擦面を提供できるという利点を有する。しかしながら、支承要素の周囲に両方の機能面を設けることも又計画できる。支承要素は、好ましくは、一体品の状態で作られる。支承要素は、好ましくは、射出成形部品であり、即ち、射出成形法を用いて作られる。
【0009】
かかる支承要素は、好ましくは、第1の密封領域と回転ロック領域は、少なくとも部分的に一致し、したがって、回転ロック領域の第1の表面領域は、第1の密封領域の第1の密封面として同様に構成される。この実施形態の利点は、特に、密封を行う機能面が同時に、隣接の部品相互間の相対運動を阻止するのにも役立つということにある。これにより、極めて小さな全体的サイズを達成できる。
【0010】
かかる支承要素では、第1の表面領域は、好ましくは、保持されるべきローラアクスルを中心とする同心円筒面と本質的に一致すると共に第1の表面領域を通って延びる断面平面の展開図で見て、曲線が、表面プロフィールに沿って、本質的にジグザグ形又は波形の曲線、特に正弦波曲線に沿って延びるように構成されており、したがって、回転ロック領域は、第1の確実ロック式係合領域として具体化される。これは、部品の回転を確実に阻止する。したがって、隣り合う部品相互間の接触圧力について、接触力を結果的に十分な摩擦力が得られるように隣り合う部品の摩擦係数の値の関数として設定しなければならない摩擦ロックの場合よりも、小さい値を選択することができる。また、これにより、2つの互いに合同関係にある面を隣り合う部品に利用することができ、これら部品が取り付けられた場合、これら部品が数度だけ互いに対して回転した状態で取り付けられるに過ぎない場合では摩擦面のシール形成係合状態が保証されるようになる。したがって、取り付け中、これら部品の相互の正確な向きについて注意を払う必要がない。
【0011】
第1の表面領域は、好ましくは、ジグザグ形又は波形の曲線上の点の中の少なくとも幾つかの軌跡曲線が、基準軸線から表面プロフィールに沿う本質的に半径方向で外方に延びるよう構成される。この構成には、対応の部品の製造のための形状を容易に作ることができるという利点がある。
【0012】
有利な一実施形態によれば、かかる支承要素は、第1の密封領域を包囲していて、ラビリンスシールの第1の部分として具体化された表面形態を有する。別のラビリンスシールは、汚れ又は液体が第1の密封領域まで侵入するには非常な困難が伴うという利点がある。
【0013】
かかる支承要素は、有利には、キャップ要素及びステム要素を備えたきのこのような形を有し、第1の密封領域は、ステム要素から遠ざかる方向に向いたキャップ要素の側に設けられている。きのこのような形状は、構成が平らであって、種々の密封面をキャップ状要素に設けることができるという利点を有する。
【0014】
さらに、支承要素は、キャップ要素及びステム要素を備えたきのこのような形を有し、第2の密封領域は、ステム要素に向いたキャップ要素の側に設けられるのが有利である。第2の密封領域を支承フレーム側に設けたことにより、捨てる要素を例えば支承フレームに設けられていて、密封するのが困難な多角形凹部に相当する確実ロック式係合領域として提供でき、他方、支承フレームを包囲した領域が、平らであり且つ滑らかであり、しかも密封面として満足のゆく程度に役立ち得るという利点が得られる。
【0015】
支承要素の別の有利な実施形態によれば、第2の密封領域は、キャップ要素の縁領域に設けられた密封リップ及び(又は)本質的にステム要素に隣接して配置されたキャップ要素の中央密封領域で形成されており、支承要素が支承フレーム内に挿入されていない状態では、密封リップは、好ましくは、支承フレーム側の方向に中央密封領域を越えて突き出ている。これは、支承フレームが凸凹の表面を有しており又は曲げられている場合であっても、密封リップが支承フレームの表面に容易に適合でき、しかも、密封リップが支承フレーム内に挿入されたときに、密封リップが弾性変形し、又、隣接の部品を介する対応の接触圧力がゼロの場合であってもシールを保証するという利点を有している。
【0016】
かかる支承要素は、有利には、好ましくはステム要素の付近で第2の側に第2の確実ロック式係合領域を有し、第2の確実ロック式係合領域は、第2の側に隣接して位置する第2の部品に対する支承要素の回転が阻止されるように構成される。また、これは、第2の密封領域において、汚れ又は水分が支承要素と支承フレームとの相対回転によって支承フレームの内部に運び込まれるのを阻止する。
【0017】
かかる支承要素では、第2の確実ロック式係合領域は、好ましくは、少なくとも部分的に、ステム要素の多角形断面領域、好ましくは六角形断面領域で形成される。かかる六角形断面領域は、支承要素と支承フレームの対応の凹部の両方に関して製作するのが容易である。
【0018】
別の有利な実施形態によれば、かかる支承要素では、少なくとも1つの保持要素が設けられ、少なくとも1つの保持要素は、支承要素が支承フレーム内に挿入されている状態では、支承要素が支承フレームの対応の保持領域の後ろに係合して、支承要素が落下し又は滑って支承フレームから離脱しないように固定されるよう構成されており、支承要素の中央密封領域と支承要素の保持要素との間の距離は、支承要素の保持領域と中央密封領域と一致した支承フレーム密封領域との間の距離に本質的に等しく又はこれよりも幾分小さい。これは、支承要素を支承フレーム内に挿入したときに、支承要素内に張力が生じ、それにより、第2の密封領域が対応の支承フレーム密封領域に引き寄せられるという利点を有する。
【0019】
かかる支承要素では、アクスル受け口は、止まり穴として具体化されている。これは、ローラアクスルをアクスル受け口内に挿入する前であっても且つ隣接の部品が第1の密封面に相当する密封面を備える前であっても、かかる支承要素がシール形成機能を既に備えているという利点を有する。
【0020】
かかる支承要素では、アクスル受け口は、特に有利には、貫通穴として具体化される。この変形例は、止まり穴よりも形成するのが容易であり且つ安価である。さらに、貫通穴を通ってスプラング(曲がっている)ローラアクスルをローラの内部に押し込むことができ、したがって、搬送ローラを容易に取り外すことができる。
【0021】
また、かかる支承要素の場合、アクスル受け口は、受け入れられるべきローラアクスルに対して、ローラアクスルとアクスル受け口との間に嵌合状態が生じるように寸法決めされ、嵌合状態が、ローラアクスルと支承要素との相対回転を妨げ又は阻止するようになっていれば有利である。特に、非駆動ローラの場合、かかる嵌合状態(圧力嵌め)は、生じるトルクを伝達するのに十分であり、かかる嵌合状態は、追加の確実ロック式係合領域よりも都合良く形成することができる。さらに、かかる嵌合状態は、追加の密封機能を有する。
【0022】
かかる支承要素では、アクスル受け口は、好ましくは、ローラアクスルのアクスル領域と一致し、ローラアクスルと支承要素の相対回転を妨げ又は阻止するよう構成された第3の確実ロック式係合領域を有する。この形態では、比較的大きなトルクであってもこれをローラアクスルも又回転しない状態で伝達できるという利点を有する。
【0023】
また、支承要素は、制振特性及び(又は)防音特性及び(又は)導電性を有する材料で作られ、この材料は、好ましくは、ポリプロピレン又はポリアミドであることが好ましい。導電性を備えたポリアミドが、材料として特に好ましい。かかる支承要素により、搬送ローラを振動に関して支承フレームから絶縁することができ、しかも、衝撃及び振動を押さえることができる。騒音が減少し、ドリフトコンベヤを高速で作動させることができる。搬送ローラの帯電は、好ましい導電性により支承フレームを介して達成できる。
【0024】
本発明の別の観点は、ドリフトコンベヤの搬送ローラを端部側から覆うためのローラプレートであって、ローラプレートは、ローラアクスルを受け入れるアクスル穴と、プレート密封領域と、隣接の部品に対する、特に上述したような支承要素に対するローラプレートの回転を阻止することができるように構成されているプレート回転ロック領域とを有することを特徴とするローラプレートに関する。
【0025】
かかるローラプレートでは、プレート密封領域とプレート回転ロック領域は、有利には、少なくとも部分的に互いに一致し、したがって、第1のプレート回転ロック領域のプレート表面領域は、同一程度まで、第1のプレート密封領域のプレート密封面として具体化される。かかる構成の利点は、支承要素に関して説明した利点と同じである。
【0026】
同様に、かかるローラプレートが好ましく、この場合、プレート表面領域は、収納されるべきローラアクスルを中心とする同心円筒面と本質的に一致すると共にプレート表面領域を通って延びる断面平面の展開図で見て、曲線が、プレート表面プロフィールに沿って、本質的にジグザグ形又は波形の曲線、特に正弦波曲線に沿って延びるように構成されている。かかる構成の利点は、支承要素に関して説明した利点と同じである。
【0027】
同様に、かかるローラプレートが好ましく、この場合、プレート表面領域は、ジグザグ形又は波形の曲線上の点の中の少なくとも幾つかの軌跡曲線が、基準軸線からプレート表面プロフィールに沿う本質的に半径方向で外方に延びるよう構成されている。かかる構成の利点は、支承要素に関して説明した利点と同じである。
【0028】
かかるローラプレートでは、ローラプレートが、プレート密封領域を包囲していて、ラビリンスシールの第2の部分として具体化された表面形態を有すると有利である。かかる構成の利点は、支承要素に関して説明した利点と同じである。
【0029】
さらに、かかるローラプレートでは、アクスル穴は、少なくとも1つのローラアクスル支承面を有し、ローラアクスル支承面は、ローラプレートが、対応のローラアクスルの外周部と協働して、ローラプレートをそれほど遊びのない状態で軸方向に変位させることができるような仕方でローラプレートをローラアクスルに取り付けることができる嵌合状態を形成するように構成されていれば有利である。その結果、ローラプレートを密封機能を生じさせるために支承要素に押し付けるのが良い。
【0030】
同様に、かかるローラプレートが有利であり、この場合、アクスル穴は、少なくとも1つの力蓄積手段停止部を有し、力蓄積手段停止部は、ローラプレートをローラアクスル上でこれに沿って軸方向に変位させるために第1の力蓄積手段が力蓄積手段停止部に作用することができるように構成されており、力蓄積手段停止部は、好ましくは、第1又は第2のローラアクスル支承面を有する。これにより、ローラプレートを支承要素に連続的に押し付けて密封機能が連続して保証されるようにする。加うるに、搬送ローラと支承フレームとの間の軸方向遊びを補償することができ、異形材相互間に類似性がないということを補償することができる。
【0031】
好ましい一実施形態では、かかるローラプレートでは、アクスル穴は、ローラプレートのアクスル穴連続部を貫通して延び、アクスル穴連続部は、外部に、ローラ支承面を有し、ローラ支承面は、ローラプレートが、対応のローラアクスルの内周部と協働して、ローラプレートをそれほど遊びのない状態で軸方向に変位させることができるような仕方でローラプレートをローラアクスルに取り付けることができる嵌合状態を形成するように構成されている。この関係で、ローラ軸受の支承面の肌は、ローラプレートが傾くのを阻止する一方でローラプレートの変位性が維持されるので有利である。
【0032】
また、かかるローラプレートでは、かかるローラプレートでは、アクスル穴は、ローラアクスルのアクスル領域に一致した第4の確実ロック式係合領域を有し、第4の確実ロック式係合領域は、ローラアクスルと支承要素の相対回転を阻止するように構成されており、ローラプレートに対するローラアクスルの変位は、軸方向において可能なままであることが好ましい。
【0033】
本発明のもう1つの観点は、少なくとも1つのローラ外側管と、上述したような少なくとも1つのローラプレートと、少なくとも1つのローラ軸受と、少なくとも1つのローラアクスルと、少なくとも1つの第1の力蓄積手段とを有する搬送ローラであって、第1の力蓄積手段は、この第1の力蓄積手段が、ローラプレートをローラ外側管に対してローラアクスル上でこれに沿って変位させるのに適した力をローラプレートに与えるように構成されると共に配置されていることを特徴とする搬送ローラにある。
【0034】
かかる搬送ローラでは、少なくとも1つのローラアクスルは、好ましくは、ローラ外側管に対して変位可能であるように配置されると共に第2の力蓄積手段によって、ローラアクスルをローラ外側管に対して外方に押すのに適した力を受ける。
【0035】
搬送ローラは、2つのローラプレート及び2つのローラアクスルを有し、ローラプレートのうちの一方及びローラアクスルのうちの一方だけが、それぞれ変位可能であり、力を受けると有利である。この実施形態は、2つのローラプレート及び2つのローラアクスルがばねで取り付けられる場合よりも製作するのに費用が安くてすむ。それにもかかわらず、搬送ローラの両側でローラプレートと支承要素との間に確実ロック式係合領域及びシールが保証される。
【0036】
本発明のもう1つの観点は、少なくとも1つの支承フレームと、上述したような少なくとも1つの搬送ローラと、少なくとも1つの支承要素とを有するドリフトコンベヤであって、支承要素は、支承フレームに設けられた対応の凹部内に挿入され、搬送ローラのローラアクスルは、支承要素のアクスル受け口内に保持され、ローラプレートは、支承要素の第1の密封領域は、ローラプレートのプレート密封領域と接触関係をなし、支承要素の回転ロック領域が、ローラプレートのプレート回転ロック領域と接触関係をなし、支承要素の第2の密封領域が、支承フレーム密封領域と接触関係をなすように第1の力蓄積手段によって支承要素に押し付けられていることを特徴とするドリフトコンベヤにある。
【0037】
本発明の個々の特に好ましい実施形態を例示として以下に説明する。この関係で、開示される個々の実施形態は、本発明を実施するのに必要不可欠ではないが、全体として好ましいと考えられる特徴を或る程度まで備える。例えば、以下に説明する実施形態の特徴の全てを備えてはいない実施形態は、かかる実施形態が本発明の教示の範囲内に含まれるように開示されたものとして考えられるであろう。また、互いに異なる実施形態に関して説明した特徴を互いに選択的に組み合わせることも又、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1a】図1b及び図1cに示す支承要素の実施形態の平面図である。
【図1b】連続アクスル受け口を備えた本発明の支承要素の好ましい一実施形態の断面図である。
【図1c】止まり穴状アクスル受け口を備えた本発明の支承要素の好ましい別の実施形態の断面図である。
【図1d】図1b及び図1cに示す支承要素の実施形態の側面図である。
【図1e】図1b及び図1cに示す支承要素の実施形態の等角図である。
【図2】本発明のドリフトコンベヤ(部分的に断面で示されている)の図である。
【図3a】本発明の搬送ローラのの図である。
【図3b】本発明の搬送ローラの別の図である。
【図3c】本発明の搬送ローラの別の図である。
【図3d】図3cに円でマーク付けされたローラプレートの拡大詳細図である。
【図4】本発明のローラプレートの一実施形態を示す図である。
【図5a】支承要素の別の実施形態の図である。
【図5b】支承要素の別の実施形態の断面図である。
【図5c】支承要素の別の実施形態の部分断面図である。
【図5d】支承要素の別の実施形態の斜視図である。
【図6a】ローラプレートの別の実施形態の図である。
【図6b】ローラプレートの別の実施形態の断面図である。
【図6c】ローラプレートの別の実施形態の部分断面図である。
【図6d】ローラプレートの別の実施形態の斜視図である。
【図7a】図5aに示す支承要素及び図6aに示すローラプレートをシール形成接触状態で示す図である。
【図7b】図5bに示す支承要素及び図6bに示すローラプレートをシール形成接触状態で示す図である。
【図7c】図5cに示す支承要素及び図6cに示すローラプレートをシール形成接触状態で示す図である。
【図7d】図5dに示す支承要素及び図6dに示すローラプレートをシール形成接触状態で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図2は、部分的に断面で示された本発明のドリフトコンベヤ1を示している。ドリフトコンベヤ1は、この図の左側に示された支承フレーム12及び図の右側に示された支承フレーム12を有している。支承フレーム12は、図面においてL字形プロフィールのものとして示されている。しかしながら、この支承要素は、一方の側部にカバーを有するU字形のプロフィールとして具体化されていても良く、その結果、支承フレームは、閉鎖プロフィールを有することになる。また、他のプロフィール断面を用いることが想定できる。
【0040】
さらに、ドリフトコンベヤ1は、搬送ローラ14を有し、この搬送ローラは、ローラ外側管141、転がり軸受142、ローラアクスル143、第1の力蓄積手段144及び第2の力蓄積手段(図示せず)を有する。一方において、次々に配置され、搬送されるべき品物が直接載る複数個の搬送ローラ14をドリフトコンベヤ1に設けるのが良い。また、ベルトを搬送ローラ上でこれに沿って案内することも又想定できる。
【0041】
転がり軸受142は、図示の実施形態では、転がり軸受として具体化されている。他の軸受、例えば滑り軸受も又想定できる。
【0042】
ローラアクスル143は、搬送ローラの幅全体にわたって延び、搬送ローラ14の両側でこれから突き出た一体型ローラアクスルとして具体化されても良い。しかしながら、2つのローラアクスル143を設けることが好ましい。このようにすると、両方のローラアクスル、しかしながら好ましくは、一方のローラアクスル143だけを変位可能に取り付けるのが良く、その結果、ローラアクスルを搬送ローラの内部の方向で第2の力蓄積手段に押し付けることができ、この第2の力蓄積手段は、好ましくは、コイルばねで作られており、図面には示されていない。この設計例では、かかる搬送ローラ14は、支承フレーム12内に容易に挿入したりこれから取り出したりすることができる。というのは、スプラングローラアクスル143を搬送ローラ14の内部に押し込めるだけで良く、このスプラングローラアクスルは、ドリフトコンベヤ内への挿入後、支承要素13のアクスル受け口1310内に跳ね返ることができる。
【0043】
図2で明らかなように、ドリフトコンベヤ1は、2つのローラプレート15を更に有しており、これらローラプレートは、搬送ローラ14の左側と右側に配置されている。左側に示されているローラープレート15は、ローラアクスル143に変位可能に取り付けられており、力が第1の力蓄積手段144を介してローラアクスルに加えられ、この第1の力蓄積手段は、図示の実施形態ではコイルばねによって形成されている。その結果、ローラアクスル143上のローラプレート15は、図2において左側に示されている支承要素13の方向に押される。第1の力蓄積手段144は、コイルばねではなく、板ばね、円板ばね、ゴム緩衝器及び(又は)任意所望の他の力蓄積手段によって形成されても良い。
【0044】
力が第1の力蓄積手段144によってローラプレート15に伝達され、かかる力により、ローラプレート15をこれ又図2に示されている支承要素13に左に向かって押し付けることにより、支承要素13及びローラプレート15の対応の領域が互いに接触する。加うるに、支承要素13は、支承フレーム12に押し付けられる。
【0045】
同じことは、図2に示されている右側のローラプレート15についても当てはまる。しかしながら、一般に、搬送ローラ14の場合、力が2つのローラプレートのうちの一方にだけ加えられても十分である。というのは、この力は、両方向に作用し、その結果、右側のローラプレート15も又、右側の支承要素13と接触関係をなし、右側の支承要素13も又、右側のローラプレート15によって右側の支承フレーム12に押し付けられるからである。
【0046】
支承要素13とローラプレート15との間並びに支承要素13と支承フレーム12との間の上述したような接触により、要素相互間にシールが作られる。シールは、一方において、設けられた密封面が互いに係合状態にあり、他方において、部品相互間の相対回転が阻止されることによって生じ、その結果、水分又は埃は、相対回転の結果として密封面に沿って侵入することができない。
【0047】
支承フレーム12の支承要素13及びローラプレート15の対応の密封領域及び確実ロック式係合領域について以下に詳細に説明する。
【0048】
支承要素13は、図1a〜図1eに詳細に示されている。図1aは、支承要素13を等角図で示している。この図で明らかなように、支承要素13は、好ましくは、キャップ要素1310及びステム要素1304を備えたきのこの形をしている。図1aで明白なように、支承要素13のこの好ましい実施形態は、六角形のステム要素1304を有している。したがって、この好ましい実施形態では、ステム要素1304は、ステム要素のこの六角形の形態により形成された第2の確実ロック式係合領域1312を有している。ステム要素を支承要素13に設けられた対応の六角形の凹部内に挿入することができ、したがって、支承要素13は、支承フレーム12内で回転することができない。
【0049】
加うるに、支承要素13は、ステム要素1304に設けられた保持要素1305を有し、これら保持要素は、支承要素13を支承フレーム12内に挿入すると、支承フレームの対応の保持領域121の後ろに係合することができ、その結果、支承要素13は、落下し又は滑って支承フレーム12から離脱することがないよう固定される。また、保持要素1305により、第2の密封領域1313も又、以下に詳細に説明するように、支承フレーム12とシール形成係合状態に保持される。
【0050】
ステム要素から遠ざかる方向に向いたキャップ要素1301の側には、波形の状態で延びる密封領域1308及び確実ロック式係合領域1307aが設けられている。したがって、図示の実施形態では、第1の密封領域1308は、有利には、第1の確実ロック式係合領域1307aと一致する。このようにして形成された平面領域は、図3d及び図4に示されているローラプレート15の合わせプレート密封領域152及び合わせプレート確実ロック式係合領域153aに対応している。
【0051】
対応の領域は、接触が部品相互間で生じる場合、これら領域が平面の状態で互いに当接するよう構成されている。第1の力蓄積手段144を介して利用できる対応の接触圧力によって、存在する場合のある表面の最小限の凸凹は、滑らかに押し延ばされ、その結果、流体は、密封面を通過することができない。
【0052】
密封領域及び確実ロック式係合領域は、互いに一致する必要はないが、別々の設計のものでない方が良い。これにより、製造中、維持されなければならない厳密な公差が幾つもあるわけではないという利点が得られる。密封面を一平面内に設けるのが良く、その結果、図示の実施形態の場合のように曲率を備えた平面よりも製造するのが容易になる。しかしながら、図示の実施形態を省スペースの状態に具体化することができ、かかる実施形態では、二重嵌合は不要であり、かかる二重嵌合は、別々の密封領域及び別々の確実にロックする係合領域の場合には必要な場合がある。
【0053】
図2に示されているように、密封領域及び確実ロック式係合領域は、ラビリンスシール2によって包囲されている。このラビリンスシール2は、一方の側が支承要素13の対応の部品及び他方の側がローラプレート15の対応の部品の2つで形成されている。ラビリンスシール2のこれら2つの部品は、図1b及び図1cでは参照符号1309で、図3d及び図4では参照符号154で示されている。このラビリンスシールは、水分や埃が密封領域及び確実ロック式係合領域内に入り込むのを阻止する。
【0054】
支承要素13の第2の側1311には、第2の密封領域1313が設けられており、この第2の密封領域は、図示の実施形態では、密封リップ1302及び中央密封領域1303で形成されている。密封リップ1302は、好ましくは、中央密封領域1303よりも弾性の高い設計のものであり、その結果、密封リップ1303は、支承要素13を支承フレーム12の合わせ凹部内に挿入し、力蓄積手段144を介してローラプレート15によって支承フレーム12に押し付けたとき、支承フレーム12の対応の密封領域にぴったりと嵌着する。これとは対照的に、中央密封領域は、力蓄積手段144の加えた力に起因して生じる接触圧力に耐えることができ、そして接触圧力により締まり具合の向上に寄与することができる。
【0055】
保持要素1305により、対応の密封効果が力蓄積手段44を介して力を密封要素13に伝えなくても既に得られている。この場合、支承要素13のステム要素1304が或る程度の固有の弾性を有することが好ましく、その結果、一方において保持要素1305と中央密封領域1303との間で対応して選択された寸法及び支承フレーム12の対応の材料厚さによって支承要素13に張力が生じる。この張力により、密封リップ1302及び(又は)中央密封領域1303は、搬送ローラ14が支承フレーム12内にまだ挿入されていない場合であっても支承フレーム12にぴったりと嵌着する。
【0056】
この場合、支承要素13が、止まり穴状アクスル受け口1310を有することが特に好ましい。というのは、この場合、支承フレーム12によって形成されたプロフィールは、ローラアクスル又は搬送ローラ14が挿入されていない場合でも密封されるからである。
【0057】
他方、連続アクスル受け口1310を有する支承要素13は、搬送ローラ14が取り外されたとき、例えばスプラングローラアクスル143を後ろから支承要素13中に押し込むことができ、したがって容易に取り外すことができるという利点を有する。
【0058】
支承要素13の別の好ましい観点は、支承要素13の制振特性に関する。支承要素は、好ましくは、ポリプロピレン、より好ましくはポリアミドで作られている。この材料特性により、ローラアクスル143と支承フレーム12との間の鋼相互間接触を回避することが可能である。支承要素13のこの形態により、振動を抑えることができ、したがって部品に加わる荷重が減少する。これにより、部品の寿命が長くなる。さらに、騒音が回避される。ベルトコンベヤ1に載せて運搬されるべき傷つきやすい品物も又、対応の支持要素を備えていないドリフトコンベヤの場合よりも高い速度で運搬することができる。
【0059】
図4は、ローラプレート15を断面で示している。アクスル穴151内のローラプレートのローラアクスル支承面は、参照符号155で示されている。ローラプレート15は、これらローラアクスル支承面155によってローラアクスル143に取り付けられている。この関係で、ローラプレート15とローラアクスル143との間の対応の嵌合により、好ましくは、搬送ローラ14のローラ外側管141が、好ましくは、遊びなく、転がり軸受142によってアクスルに且つローラプレート15よって対応の中間に連結された部品に取り付けられるようになる。
【0060】
したがって、ローラプレート15とローラアクスル143との間の嵌合は、好ましくは、一方において搬送ローラ14の遊びの無い支承が保証され、他方において、ローラプレート15がローラアクスル143上で変位可能であり、力蓄積手段144から支承要素13及び支承フレーム12まで変位可能であるように寸法決めされる。
【0061】
同じことは、転がり軸受の支承面158と転がり軸受142との間の嵌合について当てはまる。遊びの無い支承は、これら2つの部品相互間についても好ましくは保証され、転がり軸受142とローラプレート12が相互に変位できることも又、この場合有利である。
【0062】
ローラプレート15は、図4では、追加の力蓄積手段停止部156を備えた状態で示されている。力蓄積手段停止部156は、一方において、第1の力蓄積手段144のための係合面を提供し、この係合面により、ローラプレート15を支承要素13に押し付けることができる。他方、図示の実施形態では、力蓄積手段停止部156は、別のローラアクスル支承面155を有している。第2のローラアクスル支承面155は、ローラプレート15がローラアクスル143上で傾くのを阻止する。ローラプレート15は、図示の実施形態では、図面の左側及び右側にそれぞれ位置する2つのローラアクスル支承面155相互間にアンダーカットを有しているので、射出成形法を用いてかかるローラプレート15を作ることができるものの困難を伴う。したがって、連続ローラアクスル支承面155を備えたかかるローラプレート15を具体化することが同様に想定できる。しかしながら、ローラアクスル支承面155を1つだけ左側に設けることが好ましい。この場合、力蓄積手段144は、図では左側に示されている停止面に作用する。ローラアクスル143上でのローラプレート15の傾斜は、この場合、ローラプレート15と転がり軸受142との間の嵌合によって阻止される。
【0063】
本発明の別の実施形態が、図5〜図7に示されており、かかる実施形態について以下に説明する。
【0064】
この実施形態は、上述の実施形態と非常に良く似ている。したがって、不必要な繰り返しを避けるために、既に説明した実施形態と比較して新たな観点を提供する特徴についてのみ言及する。本質的に同一の特徴を示す参照符号は、保持されている。
【0065】
この実施形態では、支承要素13の回転ロック領域は、摩擦ロック領域1307bとして具体化されている。この実施形態では、支承要素13の第1の側136には、確実ロック式係合手段が設けられていない。隣接のローラプレート15に対する支承要素の回転は、図7a及び図7cで明白なように、それぞれの部品相互間の接触圧力により、該当する場合には、更に、これら相互間に設けられたOリング3によって阻止される。Oリングが、ローラプレート15に設けられた溝の中に配置されている。回転ロック領域は、理解できるように、溝の好ましくは凹状のベース内に設けられた摩擦ロック領域1307bとして設けられている。
【0066】
溝は、図示のように、好ましくは部分円に本質的に一致し、Oリング3の断面直径よりも僅かに大径の断面形状を有している。ローラアクスルに向いた溝の側では、溝の縁部は、Oリングの方向に幾分突き出ており、したがって、僅かなアンダーカットが形成され、かくして、Oリングは、非組み立て状態では滑って溝から離脱することができないようになっており、したがって、Oリングは、この溝の中に確実に保持される。変形例として、溝は、支承要素13に設けられても良い。
【0067】
伝達されるべきトルクに応じて、第1の力蓄積手段144を介してローラプレート15に伝えられる接触圧力は、ローラプレート15の材料の摩擦係数と支承要素13の摩擦係数を考慮して、対応の摩擦力が円周方向に生じるよう定められる。
【0068】
特に図7b及び図7cで明らかなように、この実施形態では、ローラプレート15と支承要素13は、互いに直接的な接触状態にはない。したがって、接触圧力は、ローラプレート15及び支承要素13よりも弾性が高いOリングをローラプレート15と支承要素13が互いに接触する程度まで圧縮するほど高くはない。
【0069】
しかしながら、上述の部品の寸法形状及び接触圧力を、ローラプレートと支承要素が互いに接触する程度までOリングを圧縮するよう選択することが想定される。かかる接触面は、ローラプレート15と支承要素13との間の別の密封面として働くことができる。加うるに、Oリングを丸ごと省き、摩擦ロック領域1307b及びプレート摩擦ロック領域153bが互いに直接的な接触関係をなすようにすることも想定される。加うるに、最初に説明した実施形態では、確実ロック式係合領域1307a又は上述のプレート確実ロック式係合領域153aに加えて、大量の溝を部品のうちの1つに設けた状態で上述のOリングを設けることが想到される。
【0070】
図5a〜図5dに示されているように、保持要素1305は、図示の実施形態では、弾性クリップの形態で具体化されており、この弾性クリップは、支承要素13を支承フレーム12内に挿入したときに、外側の方向に最初に撓むことができ、次いで、支承フレームの保持領域121の後ろに係合するために弾性的にスプリングバックする。保持要素1305のかかる実施形態を最初に説明した実施形態にも設けることができる。
【0071】
図7bで明らかなように、部品の組み立て状態では、接触圧力は、ローラプレート15からOリング3を介して支承要素13に伝えられる。図示の好ましい実施形態では、Oリング3は、支承要素13の摩擦ロック領域1307bに圧接し、この支承要素の後部には、この領域の直ぐ後ろに環状中央密封領域1303が形成されており、この環状中央密封領域1303は、ステム要素1305から幾分間隔を置いて位置している。この理由で、接触圧力は、この中央密封領域1303に満足のゆくほど伝えられ、それにより、良好な密封効果が生じる。
【符号の説明】
【0072】
1 ドリフトコンベヤ
12 支承フレーム
121 支承要素の保持領域
13 支承要素
1301 キャップ要素
1302 密封リップ
1303 中央密封領域
1304 ステム要素
1305 保持要素
1306 支承要素の第1の側
1307a 第1の確実ロック式係合領域
1307b 摩擦ロック領域
1308 第2の密封領域
1309 ラビリンスシールの第1の部分
1310 アクスル受け口
1311 支承要素の第2の側
1312 第2の確実ロック式係合領域
1313 第2の密封領域
14 搬送ローラ
141 ローラ外側管
142 転がり軸受
143 ローラアクスル
144 第1の力蓄積手段(ローラプレート)
15 ローラプレート
151 ローラアクスルを受け入れるアクスル穴
152 プレート密封領域
153a プレート確実ロック式係合領域
153b プレート摩擦ロック領域
154 ラビリンスシールの第2の部分
155 アクスル穴のローラアクスル支承面
156 力蓄積手段停止部
157 ローラプレートのアクスル穴突出部
158 転がり軸受の支承面
2 ラビリンスシール
3 Oリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密封機能を備えていて、支持されるべきローラアクスル(143)を保持し、支承フレーム(12)内に挿入可能な支承要素(13)であって、前記支承要素は、第1の側(1306)に、アクスル受け口(1314)と、第1の密封領域(1308)と、回転ロック領域(1307a;1307b)とを有し、前記回転ロック領域(1307a;1307b)は、前記第1の側に隣接して位置する部品に対する前記支承要素(13)の回転を阻止することができるように構成されており、前記支承要素は、前記支承要素(13)の前記第1の側(1306)と本質的に反対側に位置する第2の側(1311)に、前記支承要素(13)と前記支承フレーム(12)との間のシールとなる第2の密封領域(1313)を有する、支承要素(13)。
【請求項2】
前記第1の密封領域(1308)と前記回転ロック領域(1307a;1307b)は、少なくとも部分的に一致し、したがって、前記回転ロック領域(1307a;1307b)の第1の表面領域は、前記第1の密封領域(1308)の第1の密封面として同様に構成されている、請求項1記載の支承要素(13)。
【請求項3】
前記第1の表面領域は、保持されるべき前記ローラアクスル(143)を中心とする同心円筒面と本質的に一致すると共に前記第1の表面領域を通って延びる断面平面の展開図で見て、曲線が、表面プロフィールに沿って、本質的にジグザグ形又は波形の曲線、特に正弦波曲線に沿って延びるように構成されており、したがって、前記回転ロック領域(1307a;1307b)は、第1の確実ロック式係合領域(1307a)として具体化されている、請求項2記載の支承要素(13)。
【請求項4】
前記第1の表面領域は、前記ジグザグ形又は波形の曲線上の点の中の少なくとも幾つかの軌跡曲線が、基準軸線から前記表面プロフィールに沿う本質的に半径方向で外方に延びるよう構成されている、請求項3記載の支承要素(13)。
【請求項5】
前記支承要素は、前記第1の密封領域(1308)を包囲していて、ラビリンスシールの第1の部分(1309)として具体化された表面形態を有する、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の支承要素(13)。
【請求項6】
前記支承要素は、キャップ要素(1301)及びステム要素(1304)を備えたきのこのような形を有し、前記第1の密封領域(1308)は、前記ステム要素(1304)から遠ざかる方向に向いた前記キャップ要素(1301)の側に設けられている、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の支承要素(13)。
【請求項7】
前記支承要素は、キャップ要素(1301)及びステム要素(1304)を備えたきのこのような形を有し、前記第2の密封領域(1313)は、前記ステム要素(1304)に向いた前記キャップ要素(1301)の側に設けられている、請求項1〜6のうちいずれか一に記載の支承要素(13)。
【請求項8】
前記第2の密封領域(1313)は、前記キャップ要素(1301)の縁領域に設けられた密封リップ(1302)及び(又は)本質的に前記ステム要素(1304)に隣接して配置された前記キャップ要素(1301)の中央密封領域(1303)で形成されており、前記支承要素が前記支承フレーム内に挿入されていない状態では、前記密封リップ(1302)は、好ましくは、前記支承フレーム側の方向に前記中央密封領域(1303)を越えて突き出ている、請求項7記載の支承要素(13)。
【請求項9】
前記支承要素は、好ましくは前記ステム要素(1304)の付近で前記第2の側に第2の確実ロック式係合領域(1312)を有し、前記第2の確実ロック式係合領域(1312)は、前記第2の側に隣接して位置する第2の部品に対する前記支承要素(13)の回転が阻止されるように構成されている、請求項1〜8のうちいずれか一に記載の支承要素(13)。
【請求項10】
前記第2の確実ロック式係合領域(1312)は、少なくとも部分的に、前記ステム要素(1304)の多角形断面領域、好ましくは六角形断面領域で形成されている、請求項9記載の支承要素(13)。
【請求項11】
少なくとも1つの保持要素(1305)が設けられ、前記少なくとも1つの保持要素は、前記支承要素が前記支承フレーム(12)内に挿入されている状態では、前記支承要素が前記支承フレーム(12)の対応の保持領域(121)の後ろに係合して、前記支承要素(13)が落下し又は滑って前記支承フレーム(12)から離脱しないように固定されるよう構成されており、前記支承要素(13)の前記中央密封領域(1303)と前記支承要素(13)の前記保持要素(1305)との間の距離は、前記支承要素(13)の前記保持領域(121)と前記中央密封領域(1303)と一致した支承フレーム密封領域との間の距離に本質的に等しく又はこれよりも幾分小さい、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の支承要素(13)。
【請求項12】
前記アクスル受け口(1310)は、止まり穴として具体化されている、請求項1〜11のうちいずれか一に記載の支承要素(13)。
【請求項13】
前記アクスル受け口(1310)は、貫通穴として具体化されている、請求項1〜11のうちいずれか一に記載の支承要素(13)。
【請求項14】
前記アクスル受け口(1310)は、受け入れられるべきローラアクスル(143)に対して、前記ローラアクスル(143)と前記アクスル受け口(1310)との間に嵌合状態が生じるように寸法決めされ、前記嵌合状態は、前記ローラアクスル(143)と前記支承要素(13)との相対回転を妨げ又は阻止する、請求項1〜13のうちいずれか一に記載の支承要素(13)。
【請求項15】
前記アクスル受け口(1310)は、前記ローラアクスル(143)のアクスル領域と一致し、前記ローラアクスル(143)と前記支承要素(13)の相対回転を妨げ又は阻止するよう構成された第3の確実ロック式係合領域を有する、請求項1〜14のうちいずれか一に記載の支承要素(13)。
【請求項16】
前記支承要素は、制振特性及び(又は)防音特性及び(又は)導電性を有する材料で作られ、前記材料は、好ましくは、ポリプロピレン又はポリアミドである、請求項1〜15のうちいずれか一に記載の支承要素(13)。
【請求項17】
ドリフトコンベヤ(1)の搬送ローラ(14)を端部側から覆うためのローラプレート(15)であって、前記ローラプレート(15)は、ローラアクスル(143)を受け入れるアクスル穴(151)と、プレート密封領域(152)と、隣接の部品に対する、特に請求項1〜16のうちいずれか一に記載の支承要素(13)に対する前記ローラプレート(15)の回転を阻止することができるように構成されているプレート回転ロック領域(153a;153b)とを有する、ローラプレート(15)。
【請求項18】
前記プレート密封領域(152)と前記プレート回転ロック領域(153a;153b)は、少なくとも部分的に互いに一致し、したがって、前記第1のプレート回転ロック領域(153a;153b)のプレート表面領域は、同一程度まで、前記第1のプレート密封領域のプレート密封面として具体化されている、請求項17記載のローラプレート(15)。
【請求項19】
前記プレート表面領域は、収納されるべき前記ローラアクスル(143)を中心とする同心円筒面と本質的に一致すると共に前記プレート表面領域を通って延びる断面平面の展開図で見て、曲線が、プレート表面プロフィールに沿って、本質的にジグザグ形又は波形の曲線、特に正弦波曲線に沿って延びるように構成されており、したがって、前記プレート回転ロック領域(153a;153b)は、第1の確実ロック式係合領域(153a)として具体化されている、請求項18記載のローラプレート(15)。
【請求項20】
前記プレート表面領域は、前記ジグザグ形又は波形の曲線上の点の中の少なくとも幾つかの軌跡曲線が、基準軸線から前記プレート表面プロフィールに沿う本質的に半径方向で外方に延びるよう構成されている、請求項19記載のローラプレート(15)。
【請求項21】
前記ローラプレートは、前記プレート密封領域(152)を包囲していて、ラビリンスシール(2)の第2の部分(154)として具体化された表面形態を有する、請求項17〜20のうちいずれか一に記載のローラプレート(15)。
【請求項22】
前記アクスル穴(151)は、少なくとも1つのローラアクスル支承面(155)を有し、前記ローラアクスル支承面は、前記ローラプレート(15)が、対応のローラアクスル(143)の外周部と協働して、前記ローラプレートをそれほど遊びのない状態で軸方向に変位させることができるような仕方で前記ローラプレートを前記ローラアクスル(143)に取り付けることができる嵌合状態を形成するように構成されている、請求項17〜20のうちいずれか一に記載のローラプレート(15)。
【請求項23】
前記アクスル穴(151)は、少なくとも1つの力蓄積手段停止部(156)を有し、前記力蓄積手段停止部は、前記ローラプレート(15)をローラアクスル(143)上でこれに沿って軸方向に変位させるために第1の力蓄積手段が前記力蓄積手段停止部(156)に作用することができるように構成されており、前記力蓄積手段停止部(156)は、好ましくは、ローラアクスル停止面(155)を有する、請求項17〜22のうちいずれか一に記載のローラプレート(15)。
【請求項24】
前記アクスル穴(151)は、前記ローラプレート(15)のアクスル穴連続部(157)を貫通して延び、前記アクスル穴連続部(157)は、外部に、ローラ支承面(158)を有し、前記ローラ支承面は、前記ローラプレート(15)が、対応のローラアクスル(143)の内周部と協働して、前記ローラプレートをそれほど遊びのない状態で軸方向に変位させることができるような仕方で前記ローラプレートを前記ローラアクスル(143)に取り付けることができる嵌合状態を形成するように構成されている、請求項17〜23のうちいずれか一に記載のローラプレート(15)。
【請求項25】
前記アクスル穴(151)は、前記ローラアクスル(143)のアクスル領域に一致した第4の確実ロック式係合領域を有し、前記第4の確実ロック式係合領域は、前記ローラアクスル(143)と前記支承要素(13)の相対回転を阻止するように構成されており、前記ローラプレート(15)に対する前記ローラアクスル(143)の変位は、前記軸方向において可能なままである、請求項17〜24のうちいずれか一に記載のローラプレート(15)。
【請求項26】
前記ローラプレートは、環状溝及び前記環状溝内に設けられたOリング(3)を更に有し、前記プレート密封領域(152)及び(又は)前記プレート回転ロック領域(153a;153b)は、前記Oリングにより利用可能である、請求項17〜25のうちいずれか一に記載のローラプレート(15)。
【請求項27】
前記溝は、前記支承要素に向いた前記ローラプレートの側で端側部に設けられている、請求項26記載のローラプレート(15)。
【請求項28】
前記溝は、本質的に部分円に一致すると共に前記Oリング(3)の断面直径よりも幾分大径の断面形状を有し、前記溝の縁部は、前記ローラアクスルに向いた前記溝の側で前記Oリング(3)の方向に幾分突き出ており、したがって、前記Oリング(3)が非組み立て状態で前記溝から滑り出ることができるのを阻止するアンダーカットが形成され、したがって、前記Oリング(3)は、前記溝内に確実に保持される、請求項26又は27記載のローラプレート(15)。
【請求項29】
少なくとも1つのローラ外側管(141)と、請求項17〜28のうちいずれか一に記載の少なくとも1つのローラプレート(15)と、少なくとも1つのローラ軸受(142)と、少なくとも1つのローラアクスル(143)と、少なくとも1つの第1の力蓄積手段(144)とを有する搬送ローラ(14)であって、前記第1の力蓄積手段(144)は、この第1の力蓄積手段が、前記ローラプレート(15)を前記ローラ外側管(141)に対して前記ローラアクスル(143)上でこれに沿って変位させるのに適した力を前記ローラプレート(15)に与えるように構成されると共に配置されている、搬送ローラ(14)。
【請求項30】
前記少なくとも1つのローラアクスル(143)は、前記ローラ外側管(141)に対して変位可能であるように配置されると共に第2の力蓄積手段によって、前記ローラアクスル(143)を前記ローラ外側管(141)に対して外方に押すのに適した力を受ける、請求項29記載の搬送ローラ(14)。
【請求項31】
前記搬送ローラは、2つのローラプレート(15)及び2つのローラアクスルを有し、前記ローラプレート(15)のうちの一方及び前記ローラアクスルのうちの一方だけが、それぞれ変位可能であり、力を受ける、請求項29又は30記載の搬送ローラ(14)。
【請求項32】
少なくとも1つの支承フレーム(12)と、請求項29〜31のうちいずれか一に記載の少なくとも1つの搬送ローラ(14)と、少なくとも1つの支承要素(13)とを有するドリフトコンベヤ(1)であって、前記支承要素(13)は、前記支承フレーム(12)に設けられた対応の凹部内に挿入され、前記搬送ローラ(14)の前記ローラアクスル(143)は、前記支承要素(13)の前記アクスル受け口(1310)内に保持され、前記ローラプレート(15)は、前記支承要素(13)の前記第1の密封領域(1308)は、前記ローラプレート(15)の前記プレート密封領域(152)と接触関係をなし、前記支承要素(13)の前記回転ロック領域(1307a;1307b)が、前記ローラプレート(15)の前記プレート回転ロック領域(153a;153b)と接触関係をなし、前記支承要素(13)の前記第2の密封領域(1313)が、前記支承フレーム密封領域と接触関係をなすように前記第1の力蓄積手段(144)によって前記支承要素(13)に押し付けられている、ドリフトコンベヤ(1)。
【請求項33】
前記回転ロック領域は、摩擦ロック領域(1307b)として具体化され、前記支承要素(13)と前記ローラプレート(15)との間にOリング(3)が設けられている、請求項32記載のドリフトコンベヤ(1)。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【公表番号】特表2010−500259(P2010−500259A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523197(P2009−523197)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006979
【国際公開番号】WO2008/017460
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(508314836)インテロール ホールディング アクチェンゲゼルシャフト (2)
【Fターム(参考)】