説明

支持ピンを有する電熱性ハニカム構成体

【課題】少ない数の支持ピンのみを用いて、高いレベルの構造上の安定性と、高いレベルの排出ガス浄化の有効性を実現する、加熱可能なハニカム体を有する構成体を提供する。
【解決手段】巻線状又はコイル状のスタックと、貫流可能な複数の管路3と、を有して形成される第1のハニカム体1を含み、スタックの第1の端部4は、電気端子5と接続し、第2の端部6は、電気的接地7と接続し、スタックは、相互に電気的に接続された、複数の少なくともある領域において構造化された金属箔を有する。ハニカム体1は、第2のハニカム体10と接続するための支持ピン9を有し、支持ピン9は、内部領域の外部に、少なくとも25mmの、スタックのプロファイルに沿った間隔を有する。支持ピン9をハニカム体1に挿入する方法、及び、ハニカム体1を受ける、及び/又は、支持ピン9を位置決めする装置は、支持ピン9をハニカム体1に取り付けることを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のハニカム体と第2のハニカム体との構成体であって、第1のハニカム体は、貫流可能な複数の管路を有するように、少なくとも部分的に構造化された金属箔(Blechfolie)から形成された、少なくとも一つの巻線状又はコイル状のスタック(束)を有し、第1のハニカム体は、下流に取り付けられた第2のハニカム体と接続するために設けられた支持ピンを有する、構成体に関する。本発明はまた、支持ピンをハニカム体に挿入する方法、及びかかる方法を実行する好適な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
国際出願第WO92/13636A1号公報には、お互いに支持し合う複数の円形体を有するハニカム構成体が開示されている。ここで、ハニカム構成体は、相互に離間し、排出ガスが順に貫流する、少なくとも二つの円形体を有する。円形体同士を接続するために、支持ピンが軸に近接して配置されている。
【0003】
国際出願公報第WO96/10127号には、支持ピンと、ハニカム体のケーシングに配設された支持部材との両方によって、下流に取り付けられた第2のハニカム体に支持された電熱性ハニカム体が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動力車の排出ガス浄化システムにおける加熱されたハニカム体の最新の適用では、特に、より大きな断面を有し、同時に、ますます薄い壁を有するハニカム体を利用するように変化してきた。加熱された触媒コンバータ支持体の貫流可能な断面を大きした結果、薄い壁は、高熱及び動的負荷に対して一層敏感になっている。
【0005】
電熱性ハニカム体を排気システムから熱的に絶縁して、加熱されたハニカム体の薄い管路壁を支持して安定させるため、特に比較的大きなハニカム体に対しては、比較的多数の支持ピンを使用すべきである。しかし、使用する支持ピンが多くなることは、ハニカム体の中の貫流可能な管路の数を削減することになると同時に、ハニカム体の管路又は壁が損傷する可能性を高めることになる。管路又は管は、特に、ハニカム体の製造時、又は支持ピンとの組立時に損傷することがある。同時に、支持ピンの数が増加すると、重量が増加し、製造時のみならず、かかる排出ガス構成部品の材料調達のためのコスト要因も著しく増加する。
【0006】
したがって、本発明は、上述の従来技術の課題を少なくとも部分的に解決する、特に、大きな直径であっても、少ない数の支持ピンのみを用いて、高いレベルの構造上の安定性と、高いレベルの排出ガス浄化の有効性を実現する、加熱可能なハニカム体を有する構成体を提供することを目的とする。同時に、このハニカム体は、軽量で製造コストも低いべきである。また、この種の支持ピンをハニカム体の端部側を介して挿入して、所望の位置に簡単で丁寧に配置することができる方法及び装置も提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的は、特許請求項1の特徴による構成体、特許請求項9の特徴による、支持ピンをハニカム体に挿入する方法、及び、特許請求項11の特徴による装置によって達成される。本発明のさらに有利な発展態様は、各々の従属特許請求項に記載されている。下位請求項に記載された個々に特徴は、技術的に意味のある所望の方法で、お互いに組み合わせて、本発明のさらなる発展形態を定義してもよいことに留意されたい。さらに、特許請求の範囲に記載の特徴については、本発明のさらに好ましい発展態様とともに、発明の詳細な説明でより正確かつ詳細に説明する。
【0008】
ここで、上述の目的は、少なくとも一つの巻線状又はコイル状のスタックで形成され、貫流可能な複数の管路を有する第1のハニカム体を含み、前記スタックの第1の端部は電気端子と接続し、第2の端部は電気的接地と接続し、前記スタックは、相互に電気的に接続された、複数の少なくとも部分的に構造化された金属箔を有し、前記ハニカム体は、第2のハニカム体と接続するための支持ピンを有し、前記支持ピンは、内部領域の少なくとも外部に、少なくとも25mmの、スタックのプロファイル(Verlauf)に沿った間隔を有する、構成体によって達成される。
【0009】
当然のことながら、第2のハニカム体の代わりに、他の支持体を第1のハニカム体に支持ピンによって接続することもできる。
【0010】
ハニカム体の電気端子の可能な様々な構成については、特に、導入で参照した出願人の公報を参照してもよい。
【0011】
スタックのプロファイルに沿った支持ピン同士の間隔は、内部領域の少なくとも外部に、少なくとも30mm、又は少なくとも35mmが好ましい。ここで、スタックのプロファイルに沿った間隔として、一つのスタックの内部に相互に隣接する支持ピンの間隔のみを考える。スタックのプロファイルは、金属箔のプロファイルに従う。したがって、かかる間隔は、相互に隣接して配設されたコイル状のスタックの一つとした場合、少なくとも一つのスタックの境界を跨いで決定した支持ピンの間の間隔を意味するのではない。
【0012】
負荷試験は、ハニカム体を安定して取り付けるためには、特に、スタックのプロファイルに沿った、及び/又は金属箔プロファイルに沿った間隔が重要であることを示している。したがって、エンジンの近く配設される自動車排気システムで使用する場合であっても、恒久的に持続可能な、空間的なスタックの構成における好適な支持ピンの分散は、ハニカム体のコイルの方向又は巻線の方向を考慮して得ることができる。しかしながら、巻線の種類に応じて、内部中央領域では、少数の支持ピンを、必要な場合は、プロファイルに沿って相互により近くに配設するために、驚く程大きな間隔でも不十分となる場合がある。これには、特に、折り返し部、又は折り返し部の近傍に形成された屈曲部が該当する。ここで記載される間隔とは、特に、溝が形成された、又は穿孔された金属板、厚さが80マイクロメータより薄い、又は60マイクロメータより薄い金属板、長さが500ミリメートルより長い、又は1000ミリメートルより長い金属箔、幅が40ミリメートルより狭い、又は20ミリメートルより狭い金属箔の、少なくとも一つのパラメータを満たす金属箔に好適である。
【0013】
支持ピンの相互の間隔が比較的長い場合、ハニカム体の臨界共鳴振動数とはならないため、この態様からは、従来予想されるリスクはない。さらに、支持ピンの間隔が比較的大きいと、あるレベルの振動が発生する可能性が知られている。かかる振動によって、ハニカム体の内部、及び/又は、下流に配設された第2の支持体の内部で、スス粒子を分離することができる。スス粒子は、例えば、下流の粒子フィルタによって排出ガス流から除去することができる。これによって、排出ガス浄化の+効率性をより高め、及びハニカム体の平均耐用年数をより長くすることができる。
【0014】
構成体のさらなる発展態様によると、内部領域の外部の少なくとも支持ピンは、ハニカム体の断面領域にわたって、少なくとも25ミリメートルの距離で相互に離間して分散させることを提案する。この距離は、好ましくは、少なくとも30ミリメートル、特に有利には、少なくとも35ミリメートルである。かかる「距離」は、上述の支持ピン同士の「間隔」とは異なり、スタックの境界を超える場合も含む。したがって、「距離」は、例えば、(極めて高い)一つのスタックの中でも用いる。さらに、これによって、スタックのプロファイルに沿った「間隔」の基準を満たす場合、支持ピンの位置を、スタックの高さに応じて調整することもできる。これは特に、隣接する支持ピンの間で第1のハニカム体の安全性が、必要な場合、少なくとも一つの局所的な「内部」ブラケットによって(すなわち、第1のハニカム体のみに作用するブラケット)で十分に得られる場合に、適用される。
【0015】
構成体のさらなる発展態様によると、第1のハニカム体の直径は少なくとも100ミリメートルである。好ましくは、直径は少なくとも150ミリメートルであり、特に好ましくは、200ミリメートルである。第2のハニカム体又は支持体の直径は、少なくとも第1のハニカム体の直径と等しいことが好ましい。
【0016】
構成体の一発展態様によると、少なくとも一つの支持ピンが、管路に、支持ピンが管路を形成する周囲壁と、ハニカム体に存在する外周部の少なくとも50%を超えて接触するように位置して、管路を満たす寸法である構成を提案する。ここで、管路は、少なくとも一つの金属箔、金属箔、及び、金属箔、絶縁体のハウジング部などで形成してもよい。さらに、支持ピンも、ハニカム体の絶縁構造など、他と絶縁して、溝の中に位置してもよい。支持ピンは、管路壁によって囲繞されるため、製造時及び以降の使用時も確実に支持することができる。ここで、支持ピンの断面は、必要な場合、管路断面の平均よりわずかに大きい場合であっても、10%又は5%を越えないべきである。
【0017】
特に、少なくとも一つの支持ピンは、周囲壁と、ハニカム体に位置するその外周部の少なくとも75%、又は、その外周部の少なくとも95%を越えて接触する。
【0018】
支持ピンが第2のハニカム体に、最大8ミリメートルの深さまで係合する構成が特に有利である。支持ピンは、第2のハニカム体に最大で5ミリメートルの深さまで、特に好ましくは、最大で3ミリメートルの深さまで延在することが好ましい。ここで、特に、支持ピンの挿入によって第2のハニカム体の管路の中の二次構造が破損しないようにする。二次構造は、例えば、孔、溝、突起、横断方向のミクロ構造部、又は、例えば、排出ガス流の混合を改善するための流れ偏向部、補足的に、あるいは、重ねて、従来技術に一般的に使われている、金属箔の波形構造がある。
【0019】
構造体の特に好ましい発展態様によると、少なくとも一つの支持ピンは、支持ピンの中心軸に対して偏心して配設される少なくとも一つの先端部を有する。少なくとも一つの支持ピンが、支持ピンの外側面と一直線上に配設された、少なくとも一つの先端部を有することが特に有利である。
【0020】
さらなる発展態様によると、第1のハニカム体の少なくとも一つのスタックは、少なくとも10ミリメートルの高さを有する。スタックは、好ましくは、少なくとも20ミリメートル、特に好ましくは、少なくとも30ミリメートルの高さを有する。上述の支持ピンの間隔と距離の構成については、広い範囲の変更が可能であり、例えば、コストを大幅に減らすために有利であるように、特に、少ない数の支持ピンを使用することも可能である(特に極めて大型のハニカム体の場合)。ハニカム体の断面領域を見ることにより、スタックの高さを見ることができ、相互に巻かれた、あるいは、相互に電気的に絶縁された共通の金属箔のスタックの高さに関する。
【0021】
一つの有利な発展態様によると、第1のハニカム体の内部領域は、第1のハニカム体の断面領域の最大で20%を含む。特に有利な発展態様によると、内部領域は、断面領域の最大で10%までを含む。円筒形の形状でなく、例えば、円錐形の構成のハニカム体では、第2のハニカム体に対して通常、大きい方の断面領域を対向させるので、断面領域は最大とすることができる。既に説明したように、内部領域のサイズは、スタックのコイル状の種類による。このため、コイルの種類を所望の断面領域をほぼ満たすことができるように選択するため、内部領域は、好ましくは、断面領域の(外部)形状(及び配列)に略対応した(円形、鋭角、楕円形など)形状を有する。
【0022】
加熱可能なハニカム体、又は第2のハニカム体を有する加熱可能な第1のハニカム体の構成体、又は、支持体の自動化生産を背景として、発明はまた、支持ピンを第1のハニカム体の管路又は溝に貫通させる方法であって、該方法は、支持ピンを保持部によって位置決めするステップと、第1のハニカム体の供給移動と保持部とを相対的に横断的に励起させる手段(mittels Anregung)によって、支持ピンを管路又は溝に係合させるステップと、を含む方法も提案する。ここで、溝とは、例えば、板状の金属製スタックを相互に絶縁する領域である。「横断的励起」とは、特に、例えば、供給移動に対して垂直な、ある種の振動を意味する。横断的励起は、一定の周波数と振幅で実行することが好ましいが、必須ではない。供給移動は、特に、第2のハニカム体の管路の位置と同一の方向であり、好ましくは平行である。
【0023】
本発明の発展態様によると、支持ピンは、続けて、第1のハニカム体とともに第2のハニカム体に、二つのハニカム体を離間させる隙間が形成され、支持ピンがハニカム体を半田付け処理によって固定されて配設される、隙間は、数ミリメートルのサイズ、例えば、5〜10ミリメートルが好ましい。半田付け処理は、高温真空ロウ付け処理を含むことが好ましい。
【0024】
かかる方法は、後述するが、特に、本発明の構成体、又はハニカム体の製造に組み込むことができる。
【0025】
このため、支持ピンは、個別に、又はグループに、マニピュレータによって独立して把持することができるように分けられ、次に支持ピンは、保持部又は構成体マトリクスに供給されて挿入され、保持部又は構成体マトリックス内の、特に測定システムによって位置決めされる。かかる保持装置は、特に、支持ピンを把持して締め付けることができる、1以上の正確な所定の位置決め機能を有する。さらに、ハニカム体は、かかる保持部の前方に位置決めをして、ハニカム体の保持部とは反対の側に衝突板を配設し、衝突板を介してハニカム体を固定する、又は、把持し、搬送することができるようにしている。
【0026】
ハニカム体の供給移動に対する横断方向(斜め、又は略垂直方向)の励起は、励起可能な衝突板、又は、支持ピン用の励起可能な保持部を介して生成するようにしてもよい。ここでは、衝突部分がさらなる製造ステップにおいて、特に、第1のハニカム体と第2のハニカム体の組立時に装置の一部として残るため、ハニカム板を固定する衝突板を励起可能とすることが好ましい。ハニカム体と保持部のとの相互の間の実際の供給移動に対して支持ピンを横断方向に励起させるため、振動、振幅などの生成される横断方向の運動により、支持ピン先端部とハニカム体の金属箔との衝突は、回避、又は、緩和される。このため、ハニカム体の構造部へのその挿入を、問題なく、ハニカム体の管路壁を損傷させることなく行うことができる。
【0027】
保持部とハニカム体は相互に、必要な場合、支持ピンが衝突板と当接して、支持ピンが第1のハニカム体を完全に貫通して延在し、最大取り付け状態(maximale Fxierung)となるまで、移動させる。保持部を支持ピンから取り外し、さらなる支持体又は第2のハニカム体を第1のハニカム体の前方に位置決めすることができる。ここで、第2のハニカム体又は第1のハニカム体を衝突板により励起させて、支持ピンを第2のハニカム体又は支持体に所定の深さまで貫通させることもできる。
【0028】
このように、励起させることにより、ハニカム体の極めてフィリグリーな構造への支持ピンの挿入を改善できるので、複雑でコストのかかる、手作業による支持ピンをハニカム体に取り付ける作業を不要にすることができる。したがって、特に、排出ガス浄化構成体の自動化生産を実現することができる。
【0029】
支持ピンは、続けて、あるいは、第1のハニカム体に固定した後、ハニカム体又は支持体の管路に半田付け処理によって固定してもよい。
【0030】
本発明がさらに網羅する本発明の装置は、第1のハニカム体を保持する、又は、支持ピンを位置決めする装置であって、該装置は、装置が、第1のハニカム体の管路又は溝の延在方向、又は、支持ピンの中心軸に対して、略横断して移動できるように励起可能である。
【0031】
また、本発明の装置は、第1のハニカム体、支持ピン用の保持部、又は第2のハニカム体の何れか保持及び励起してもよい。
【0032】
同軸方向に延在する管路を有しないが、円錐形でコイル状である、又は、貫流可能な巻線状の管路を有するハニカム体は、かかる種類の装置によって、又はかかる種類の方法によって、製造することもできる。かかる組立装置の励起は、特に、支持ピンを既存の管路の開口部に最初に挿入する時のみに役立つ。当然のことながら、対応して、支持ピン又は支持ピンの保持部を、ハニカム体又はさらなる支持体をともに押圧できるように構成することも必要である。
【0033】
本発明及び技術分野について、図面を参照してより詳細に説明する。図面は特に、本発明の好ましい実施の形態を示しているが、本発明はこれに限定されないことに留意されたい。図面は何れも概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の代表的な実施の形態の電熱性ハニカム体の断面図である。
【図2】本発明のさらなる代表的な実施の形態の、下流に配置された支持体の前方の加熱可能なハニカム体の構成体の側面図であるである。
【図3】排出ガス浄化装置の一部としての構成体を示す図である。
【図4】支持ピンを示す図である。
【図5】本発明による構成体のさらなる変形態様の側面図である。
【図6】管路の中の支持ピンを示す図である。
【図7】支持ピンを有するハニカム体の製造工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、図示の代表的な実施の形態に限定されない。実際、本発明には、特許請求の範囲の超えない限りにおいて、様々な修正を加えることができる。例えば、図示の円筒形のハニカム体の代わりに、円錐形のハニカム体を使用してもよい。さらに、本発明は、直線的に延在する管路に限定されず、巻線状の管路、又は縦方向の軸に対して斜めに延在する管路も好適である。同様に、ハニカム体は、巻線状のスタックから形成する必要はなく、一つのコイル状のスタックから生成したものであってもよい。
【0036】
図1に、一つのスタック2から形成され、部分的に構造化された金属箔8から形成され、支持ピン9が配設された管路3を有する、ハウジング31のハニカム体1の断面を示す。溝29は、スタックの巻線同士を絶縁する働きをする。さらに、ハニカム体1は、断面領域12と、スタック2の第1の端部4に電気端子5と、第2の端部6に電気的接地7とを備えて、加熱された場合にハニカム体1を貫流する電流が生成される。さらに、スタック2は、高さ23を有し、ハニカム体1は、内部領域11を有する。間隔13は、内部領域11の外側の断面12を介して分散した支持ピンの距離14(周囲)に対する、内部領域11の外側のスタック2のプロファイルに沿った支持ピン同士の間隔の差を示す。
【0037】
図2に、ハウジング31の内部の第2のハニカム体10を有する第1のハニカム体1の構成体28の側面概略図を示す。ここで、断面領域12を有するハニカム体1は、第2のハニカム体10、またはさらなる支持体の内部領域11と、支持ピン9によって、二つのハニカム体1、10の間で隙間10が保たれるように支持されている。第1のハニカム体1は、スタック2の第1の端部4においてスタック2の電気端子5と接触し、スタック2の第2の端部6において電気的接地7と接触している。流出ガス流は流れ方向37に、最初に第1のハニカム体1の管路3を介して流れ、必要に応じてここで加熱され、下流に配設された第2のハニカム体、またはさらなる支持体10を介して流れる。
【0038】
図3に、動力車32の排気システム36の一部として構成された本発明の構成体28の概略図を示す。排出ガス流は、内燃機関34から流れ方向37に、ハニカム体1、10(好ましくは、少なくとも部分的に触媒で被膜された)を含む構成体28を貫流し、さらなる排出ガス浄化部19、例えば、粒子フィルタを介して、大気へと流れる。ここで、排気システム36は、加熱可能な第1のハニカム体1とともに制御ユニット33と接続したセンサ35を有し、制御ユニット33は、エンジンの特性値とセンサのデータの関数に従って、第1のハニカム体1の加熱を制御するようにしてもよい。
【0039】
図4に支持ピン9の側面図を示す。支持ピン9は、中心軸21と、少なくとも一つの先端部20を有し、先端部20が、支持ピン9の外周部16に対して中央に、あるいは、支持ピン9の外側面22に対して偏心、特に、一直線上に配置されるようにしてもよい。先端部20は、特に、組立時に支持ピン9が前面に当たり、管路3又は管路壁17を損傷することなく、支持ピン9をハニカム体の管路3に挿入又は位置決めをできるようにする働きをする。また図示のように、先端部の対向部位は、電気的に絶縁されており(ハッチングで示す)、特に、第1のハニカム体1と相互に作用する、支持ピン9の最大の外周部16を画定している。
【0040】
支持ピン9の偏心して配設された先端部20は、ハニカム体1、10又はさらなる支持体の管路3の対応するミクロ構造部又は二次構造部に対して、案内羽根(Leitschaufel)又は類似の二次構造によって、かかる構造部の損傷、特に、支持ピン9が管路3から、隣接する管路3に滑り外れることを防止するようにしてもよい。この場合、先端部20は、滑らかな管路壁17にぴったりと収まり、傾斜した先端部20によって、いかなる既存の二次構造又はミクロ構造であっても、予想される経路から押し出されることなく移動していく。このため、必要な場合、支持ピン9を、先端部20の構成と合わせるように、特に、ハニカム体1、10のその位置に合わせて一直線となるようにする必要がある。同様に、管路3の二次構造又はミクロ構造を、支持ピン9の先端部20が二次構造又はミクロ構造と絡み合うことなく、単に移動するように、ハニカム体1、10のそれぞれの位置に合わせて並ぶように構成することを必須としてもよい。
【0041】
図5は、共通のハウジング31の中に第2のハニカム体10を有する第1のハニカム体1の構成体28の概略側面図である。ここで、直径15を有するハニカム体1は、かかる第2のハニカム体、又はさらなる支持体に、深さ18までの、第2のハニカム体10又はさらなる支持体の管路3に配設された支持ピン9によって支持されている。排出ガス流はハニカム体1に、端部面39を介して流入し、ハニカム体1によって加熱され、さらに、縦方向の軸38に沿って下流に配設された第2のハニカム体10を貫流する。
【0042】
図6に、金属箔8によって形成してもよい、あるいは、ハニカム体1のハウジング31と金属箔8によって形成してもよい管路3の中の、又は、他とともにハニカム体1の絶縁構造体を形成する溝29の中の支持ピン9を示す。ここで、支持ピン9は、その外周部16で壁17と接触し、まず、摩擦接触によって、次に、支持ピン9の挿入により管路3及び/又は溝29が広がることによって生じる締め付け作用によって固定されるようになる。したがって、支持ピン9は、対応する管路3及び/又は溝29の広がりの径よりも大きい直径を有するようにしてもよい。支持ピン9は、ハニカム体1の製造工程時、及び/又は、ハニカム体1と第2のハニカム体10からなる排出ガス浄化構成体の製造時に、半田付けによって固定してもよい。
【0043】
図7に、ハニカム体1、10と、支持ピン9との組立方法の概要を示す。ここで、支持ピン9は、保持部24に保持され、供給移動25によりハニカム体1に運ばれる。ここで、ハニカム体1は、装置26によって固定される。図6によると、保持部24は、ハニカム体1の構造及び/又は金属箔8を損傷せずに、ハニカム体1の管路3に支持ピン9を挿入できるように、供給移動25に対して横断的に励起される。かかる部材24、1、10の供給工程は、さらなるセンサによって監視され、制御されるようにしてもよい。さらに、保持部24はまた、(代替として、あるいは追加的に)横断的に運動(振動)するようにしてもよいことは明かである。
【符号の説明】
【0044】
1 第1のハニカム体
2 スタック
3 管路
4 第1の端部
5 電気端子
6 第2の端部
7 電気的接地
8 金属箔
9 支持ピン
10 第2のハニカム体
11 内部領域
12 断面領域
13 間隔
14 距離
15 直径
16 外周部
17 壁
18 深さ
19 排出ガス浄化部
20 先端部
21 中心軸
22 外側面
23 高さ
24 保持部
25 供給移動
26 装置
27 延在方向
28 構成体
29 溝
30 隙間
31 ハウジング
32 動力車
33 制御ユニット
34 内燃機関
35 センサ
36 排気システム
37 流れ方向
38 縦方向の軸
39 端部面
40 絶縁体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの巻線状又はコイル状のスタック(2)で形成され、貫流可能な複数の管路(3)を有する第1のハニカム体(1)を含み、
前記スタック(2)の第1の端部(4)は電気端子(5)と接続し、第2の端部(6)は電気的接地(7)と接続し、
前記スタック(2)は、相互に電気的に接続された、複数の少なくとも部分的に構造化された金属箔(8)を有し、
前記ハニカム体(1)は、第2のハニカム体(10)と接続するための支持ピン(9)を有し、
前記支持ピン(9)は、内部領域(11)の少なくとも外部において、相互に、少なくとも25mmの、スタック(2)のプロファイルに沿った間隔(13)を有する、構成体(28)。
【請求項2】
内部領域(11)の外部の少なくとも一つの支持ピン(9)は、前記ハニカム体(1)の断面領域(12)にわたって、少なくとも25mmの距離(14)をもって相互に離間するように、分散している、請求項1記載の構成体(28)。
【請求項3】
前記第1のハニカム体(1)の直径(15)が少なくとも100mmである、請求項1又は2に記載の構成体(28)。
【請求項4】
少なくとも一つの支持ピン(9)が前記管路(3)に、前記支持ピン(9)が前記管路(3)を形成する周囲壁(17)と、ハニカム体(1)に存在する外周部(16)の少なくとも50%を超えて接触するように位置して、前記管路(3)を満たす寸法である、請求項1から3迄の何れかに記載の構成体(28)。
【請求項5】
前記支持ピン(9)が前記第2のハニカム体(10)に、最大8mmの深さ(18)まで係合する、請求項1から4迄の何れかに記載の構成体(28)。
【請求項6】
少なくとも一つの支持ピン(9)が、前記支持ピン(9)の中心軸(21)に対して偏心して配設された少なくとも一つの先端部(20)を有する、請求項1から5迄の何れかに記載の構成体(28)。
【請求項7】
前記第1のハニカム体(1)の少なくも一つのスタック(2)が、少なくとも10mmの高さ(23)を有する、請求項1から6迄の何れかに記載の構成体(28)。
【請求項8】
前記内部領域(11)が、前記第1のハニカム体(1)の断面領域(12)の最大で20%を含む、請求項1から7迄の何れかに記載の構成体。
【請求項9】
支持ピン(9)を第1のハニカム体(1)の管路(3)又は溝(29)に貫通させる方法であって、該方法は、
支持ピン(9)を保持部(24)によって位置決めするステップと、
前記第1のハニカム体(1)と前記保持部(24)との相互の供給移動(25)に対して横断的に励起させる手段(mittels Anregung)によって、前記支持ピン(9)を前記管路(3)又は溝(29)に係合させるステップと、を含む方法。
【請求項10】
前記支持ピン(9)が前記代1のハニカム体(1)とともに、第2のハニカム体(10)に、二つのハニカム体を離間させる隙間(30)が形成されるように、前記支持ピン(9)が前記ハニカム体を半田付け処理によって固定されて配設される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
第1のハニカム体(1)を保持する、又は、支持ピン(9)を位置決めするための装置(26)であって、
該装置(26)は、該装置(26)が、前記第1のハニカム体(1)の管路(3)又は溝(9)の延在方向(27)、又は、前記支持ピン(9)の中心軸(21)に対して、略横断して移動できるように励起可能(anregbar)である、装置(26)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−36468(P2013−36468A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−206213(P2012−206213)
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【分割の表示】特願2010−509786(P2010−509786)の分割
【原出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(500038927)エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング (156)
【Fターム(参考)】