支持体
【課題】プラスチックケースを使用することなく、被支持物の良好なディスプレイ性を発現し、被支持物の安定した自立を可能にする支持体を提供することである。
【解決手段】支持体10は、被支持物であるチューブ状容器100を包装する熱収縮性フィルム11と、熱収縮性フィルム11に包装されたチューブ状容器100を貼着保持し、被支持物の支持状態で台紙本体下端部22がチューブ状容器100の重心対応位置P2よりも後方に位置する静置面200に接触する台紙本体13と、被支持物の支持状態で、台紙本体13の台紙下部から前方に向かって延び、重心対応位置P2より前方に位置する静置面200に接触する脚部片14を備える。そして、脚部片14は、その前面に熱収縮性フィルム11が接合される接合部27を有し、熱収縮性フィルム11の熱収縮により台紙本体13と平行に折り畳まれた状態から前方に向かって延びるように折り曲げられる。
【解決手段】支持体10は、被支持物であるチューブ状容器100を包装する熱収縮性フィルム11と、熱収縮性フィルム11に包装されたチューブ状容器100を貼着保持し、被支持物の支持状態で台紙本体下端部22がチューブ状容器100の重心対応位置P2よりも後方に位置する静置面200に接触する台紙本体13と、被支持物の支持状態で、台紙本体13の台紙下部から前方に向かって延び、重心対応位置P2より前方に位置する静置面200に接触する脚部片14を備える。そして、脚部片14は、その前面に熱収縮性フィルム11が接合される接合部27を有し、熱収縮性フィルム11の熱収縮により台紙本体13と平行に折り畳まれた状態から前方に向かって延びるように折り曲げられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体に関し、より詳しくは、前面に被支持物が貼着される台紙を備え、被支持物の自立を支持する支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
商品が外側から見えるように包装した所謂ブリスターパックは、例えば、乾電池、電球等の小型電気製品、歯ブラシ、カミソリ、化粧品類など様々な商品について多く使用されている。一般的に、ブリスターパックは、商品の大きさや形状に合わせて成形され後面側に開口を有するプラスチックシートの成形体(以下、プラスチックケースとする)と、当該成形体の後面開口をカバーする台紙とから構成されている。
【0003】
一般的に、ブリスターパックは、吊り下げ陳列されることが多いが、商品棚等に自立させて陳列可能な形態も幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、台紙と、塩化ビニル樹脂等を真空成形したプラスチックケースとを備え、プラスチックケースの下端面に、自立させて陳列することを可能にする陳列用脚部が2ヶ所に設けられたスライド式ブリスターパックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007‐137443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されたブリスターパックは、商品棚等に自立させて陳列することが可能である。しかしながら、従来のブリスターパックは、商品の形状、脚部の形状に合わせて予め成形されたプラスチックケースを備えるので、組み立てる前でも嵩高く、輸送性が悪いという問題が指摘されている。また、成形体としての剛性を確保するためにプラスチックケースの薄肉化が困難であり、材料コストや環境負荷の軽減等の観点から改良の余地がある。
【0006】
本発明の目的は、プラスチックケースを使用することなく、被支持物の良好なディスプレイ性を発現し、被支持物の安定した自立を可能にする支持体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る支持体は、前面に被支持物が保持される台紙を備え、被支持物の支持状態で、台紙の下端部が静置面に接触する支持体において、被支持物の支持状態で、被支持物の側方、後方、又は下方に位置して被支持物の前方を覆うことなく、台紙下部から前方に向かって延び静置面に接触する脚部片を備えることを特徴とする。
当該構成によれば、台紙の下端部および脚部片が静置面に接触し、プラスチックケースを使用しなくても、被支持物を安定して自立させることが可能になる。また、脚部片は、被支持物の支持状態で、被支持物の側方、後方、又は下方に位置して、被支持物の前方を覆わないので、本発明に係る支持体は、プラスチックケースを使用したブリスターパックと同様の優れたディスプレイ性を備える。
【0008】
また、本発明に係る支持体において、台紙の前面に固定される熱収縮性フィルムを備え、熱収縮性フィルムを介して、被支持物が台紙の前面に保持される構成とすることができる。
当該構成によれば、熱収縮性フィルムにより被支持物を支持体に容易に保持させることができる。また、熱収縮性フィルムにより被支持物を汚れや損傷から保護することができる。
【0009】
また、上記熱収縮性フィルムを備える構成において、脚部片は、その前面に熱収縮性フィルムが接合される接合部を有し、熱収縮性フィルムの熱収縮により台紙と平行に折り畳まれた状態から前方に向かって延びるように折り曲げられる構成とすることができる。
当該構成によれば、接合部を介して脚部片の前面に熱収縮性フィルムが接合されているので、熱収縮性フィルムの熱収縮を利用して、台紙と平行に折り畳まれた脚部片を前方に向かって延びるように折り曲げることができる。熱収縮性フィルムは、被支持物を保持するときに熱収縮処理されるので、当該包装工程において、被支持物の保持と共に前方に延びた脚部片を形成することができる。即ち、熱収縮性フィルムが熱収縮して台紙の前面に被支持物を保持しようとする熱収縮応力によって、熱収縮性フィルムに接合された脚部片が引っ張られて前方に折り曲げられる。ゆえに、脚部片を折り曲げる工程を独立して設ける必要がなく、良好な生産性を実現することができる。
【0010】
また、上記接合部を有する構成において、台紙は、熱収縮性フィルムを介して被支持物が保持される台紙本体と、脚部片とから構成され、台紙の下端部から上方に向かって形成される折り曲げ部と、折り曲げ部よりも側方に位置する台紙の下端部から上方に向かって形成されて、折り曲げ部につながり、台紙本体と脚部片とを分離する切断線と、を有し、熱収縮性フィルムの熱収縮により、折り曲げ部と切断線とに囲まれた脚部片が折り曲げ部で前方に折り曲げられる構成とすることが好ましい。
当該構成によれば、1枚の台紙に折り曲げ部および切断線を形成して、折り曲げ部と切断線とに囲まれた脚部片の前面に熱収縮性フィルムを接合するという簡便な方法によって、台紙本体、静置面に接触する台紙本体の下端部および静置面に接触する脚部片が構成されるので、支持体の生産性がより向上すると共に、輸送性にも優れる。
【0011】
また、本発明に係る支持体において、脚部片は、その先端部が被支持物の重心に対応する静置面上の位置より前方の静置面に接触することが好ましい。
当該構成によれば、より安定した自立形態を実現することができる。脚部片は、特に支持体の後方から前方に向かって作用する力をより効果的に受容することができ、被支持物を支持した支持体が前方へ転倒することをより高度に防止することができる。
【0012】
また、本発明に係る支持体において、脚部片は、少なくとも台紙と被支持物との間に位置する静置面に接触する接触面部と、接触面部の先端から上方に延びて被支持物の後方に当接する当接部と、を有する構成とすることができる。
当該構成によれば、脚部片の接触面部が静置面に接触するので、静置面に対する接触面積を増やすことができ、被支持物を安定して自立させることが可能になる。また、当接部が被支持物の後方に当接することによって、脚部片が被支持物に押さえられた状態となり、接触面部が静置面に接触する被支持物の支持状態を安定に維持することができる。
【0013】
また、上記接触面部および当接部を有する構成において、台紙は、当接部が被支持物の後方に当接することにより、少なくとも台紙下部が後方に向かって傾斜した形状を有する構成とすることが好ましい。さらに、当該構成では、被支持物を静置面に接触させた状態で支持することが好ましい。
当該構成によれば、当接部が被支持物の後方に当接して、少なくとも台紙下部が後方に向かって傾斜するので、台紙の下端部が接触する静置面の位置が後方にシフトする。ゆえに、支持体の前後方向の長さが延びて、前後方向に対する安定性が向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る支持体は、プラスチックケースを使用することなく、従来のブリスターパックと同様に良好なディスプレイ性を発現し、被支持物の安定した自立を可能にする。本発明に係る支持体によれば、プラスチックケースを使用しないため、被支持物を支持する前において嵩張らず、輸送性を向上させることができ、また、材料コストや環境負荷の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態である支持体を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図2】図1に示す支持体の側面図である。
【図3】図1に示す支持体の底面図である。
【図4】本発明の第1実施形態である支持体を示す平面図であって、折り畳み形態を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態である支持体において、被支持物の支持形態を作製する過程を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態である支持体の第1変形例を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態である支持体の第1変形例を示す平面図であって、折り畳み形態を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態である支持体の第2変形例を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図9】図8に示す支持体の底面図である。
【図10】本発明の第1実施形態である支持体の第2変形例を示す平面図であって、折り畳み形態を示す図である。
【図11】本発明の第1実施形態である支持体の第3変形例を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態である支持体を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図13】図12に示す支持体の側面図である。
【図14】本発明の第2実施形態である支持体を示す平面図であって、折り畳み形態を示す図である。
【図15】本発明の第2実施形態である支持体の変形例を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図16】図15に示す支持体の側面図である。
【図17】本発明の第2実施形態である支持体の変形例を示す平面図であって、折り畳み形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を用いて、本発明に係る支持体の実施形態について以下説明する。なお、図1〜図11は、第1実施形態である支持体10を、図12〜図17は、第2実施形態である支持体50を、それぞれ示す図である。
【0017】
また、以下の実施形態では、被支持物として、チューブ状容器100を例示するが、本発明に係る支持体の被支持物はこれに限定されない。図1に示すように、チューブ状容器100は、内容物が充填されている容器本体101と、注出部と、注出部に着脱自在に取り付け可能なキャップ部102とから構成されており、容器本体101およびキャップ部102に沿った方向(長手方向)に細長く、前後対称、左右対称の形状を有している。容器本体101は、柔軟性のある円筒中空状に形成され、その一端部に注出部が形成され、他端部は熱溶着により偏平状に閉塞されている。キャップ部102は、容器本体101よりも直径が小さく、先端側に向かって縮径した略円柱形状を有する。なお、支持体10において、チューブ状容器100は、キャップ部102を鉛直下方に向け、長手方向が鉛直方向に沿うように支持されている。
【0018】
また、以下の実施形態では、支持体は、チューブ状容器100を支持して、静置面200上に自立させるものとして説明する。即ち、静置面200とは、支持体に支持されるチューブ状容器100が自立する面を意味する。静置面200としては、例えば、店頭で商品が並べられる一般的な商品棚やテーブル等の平坦な面が例示できる。或いは、緩やかな曲面や多少の凹凸がある面であってもよい。なお、支持体に支持されるチューブ状容器100は、静置面200に接触していてもよいし、非接触であってもよい。
【0019】
なお、本明細書では、被支持物が保持される台紙の面を前面と定義し、当該前面を基準として前方、後方の用語を用いる。また、支持体等の前後に略沿った方向である前後方向、鉛直方向に略沿った方向である上下方向、上下方向に略直交する方向である幅方向又は横方向等の用語を用いる。また、上下方向および前後方向に沿った長さを単に長さと称し、幅方向又は横方向に沿った長さを幅と称することがある。但し、これらの方向を示す用語は、支持体の構成を説明するために用いるものであって、支持体の構成要素と、方向との関係を限定するものではない。例えば、本発明に係る支持体は、台紙の後面が商品棚等の前方に向いて陳列されることがあってもよい。
【0020】
<第1実施形態>
図1〜図5を用いて、第1実施形態である支持体10について以下説明する。まず初めに、図1〜図4を用いて、支持体10の構成を説明する。
【0021】
図1〜図3は、支持体10にチューブ状容器100が支持されて、支持体10によって静置面200上に自立している状態を示す図である。なお、同図に示す例では、チューブ状容器100が静置面200に接触しない状態で支持されている。
図1〜図3に示すように、支持体10は、チューブ状容器100を支持して静置面200上に自立させる機能を有し、チューブ状容器100を包装する熱収縮性フィルム11と、熱収縮性フィルム11が貼着された台紙12とから構成される。そして、台紙12は、前面19にチューブ状容器100を包装した熱収縮性フィルム11を貼着するための貼着部21を有する台紙本体13と、チューブ状容器100の前方を覆うことなく、台紙本体13の下部から前方に向かって延び、静置面200に接触する脚部片14とで構成されている。
【0022】
なお、詳しくは後述するが、台紙12には、脚部片14が折り曲げられる部分である折り曲げ罫線15と、台紙本体13と脚部片14とを分離する2本の切断線16と、が形成されている。そして、各線で囲まれた脚部片14が折り曲げ罫線15で前方に折り曲げられることで、図1〜図3に示す被支持物の支持状態が得られる。ここで、支持状態とは、チューブ状容器100を支持して、静置面200上に自立させる状態を意味し、当該状態における支持体10の形態を支持形態又は自立形態と称する。
【0023】
熱収縮性フィルム11は、台紙本体13の貼着部21に貼着され、熱収縮により被支持物であるチューブ状容器100を包装する部材である。さらに、熱収縮性フィルム11は、脚部片14の前面19に接合され、熱収縮により台紙本体13と平行に折り畳まれた状態(図5(a)参照)の脚部片14を前方に向かって延びるように折り曲げる。また、熱収縮性フィルム11は、上下両端が開口し、熱収縮前においてチューブ状容器100が挿入可能な筒状体として貼着部21に貼着されている。この熱収縮性フィルム11の筒状体は、チューブ状容器100と同等の長さを有し、熱収縮により先端および末端を除くチューブ状容器100の全体に密着する。勿論、チューブ状容器100の先端および末端に折れ込む長さにしてもよい。また、熱収縮性フィルム11の筒状体には、その上下方向に沿って図1〜図3では図示しないセンターシール部17(図4参照)と、ミシン目線18とが設けられている。
【0024】
熱収縮性フィルム11は、例えば、フィルムの両端をテトラヒドロフラン(THF)等の有機溶剤を用いて接合(センターシール)して筒状にされる。このとき形成される接合部がセンターシール部17であり、チューブ状容器100の後方に位置する部分に、筒状体の上下方向に沿って形成される。また、筒状体は、熱収縮性フィルム11の主延伸方向が周方向となるように形成される。
【0025】
なお、ミシン目線18は、熱収縮性フィルム11を切断するための切断補助線であって、熱収縮性フィルム11からチューブ状容器100を取り出そうとするときに切断される。一般的に、ミシン目線18は、列状に並んだ複数の微小な貫通孔から構成されており、例えば、チューブ状容器100の前方に位置する部分に形成することができる。図1に示す例では、筒状体の上部を残して筒状体の上下方向に沿って1本のミシン目線18が形成されているが、筒状体の全長にわたって形成されていてもよい。また、ミシン目線18は、複数条形成されていてもよい。また、ミシン目線18の形成位置は、商品デザイン等を阻害しないよう、チューブ状容器100の側方、後方に設けるのが好ましい。
【0026】
熱収縮性フィルム11を構成する樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系、ポリスチレン系(PS)、並びにポリ乳酸(PLA)、ポリアミド、およびポリ塩化ビニル等の樹脂からなるフィルムが挙げられる。これらのうち、適切な収縮応力と高い透明性を有することから、ポリエステル系、ポリオレフィン系、およびポリスチレン系のフィルムが好ましく、ポリエステル系フィルムが特に好ましい。また、これらの樹脂を2種以上混合した樹脂混合物を含むフィルムを用いることもできるし、2種以上のフィルムを積層した積層フィルムを用いることもできる。
【0027】
熱収縮性フィルム11は、優れた熱収縮特性を発現するために、少なくとも一方向に延伸された一軸延伸フィルムであって、筒状体の周方向に熱収縮するフィルムが好ましいが、筒状体の長さ方向にも熱収縮する二軸延伸フィルムであってもよい。熱収縮性フィルム11の熱収縮率としては、主延伸方向に対して、20〜80%(90℃の温水に10秒間浸漬)であることが好ましく、30〜80%であることが特に好ましい。
【0028】
熱収縮性フィルム11の厚みとしては、特に限定されないが、10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは15〜80μm、特に好ましくは20〜50μmである。また、熱収縮性フィルム11としては、チューブ状容器100に施された印刷が見えるように、無色透明の樹脂フィルムが用いられるが、着色された樹脂フィルム、或いは商品名やデザイン等を表示するための印刷層が形成された樹脂フィルムを用いることもできる。
【0029】
台紙12は、上記のように、台紙本体13と、脚部片14とで構成されるシート状の部材であって、熱収縮性フィルム11を介してチューブ状容器100を保持し、チューブ状容器100の自立を支持する部材である。図1に示す例では、折り曲げ罫線15と切断線16とが台紙12に形成されることで(図4参照)、1つの台紙12から台紙本体13と脚部片14とが構成されている。なお、脚部片14を折り曲げ易くするために、台紙本体13と脚部片14との境界位置に形成される折り曲げ部としては、折り曲げ罫線15だけでなく、ハーフカット線、ミシン目線等を用いることができる。また、切断線16としては、台紙本体13と脚部片14とを容易に分離することができれば特に限定されず、例えば、切込み、ハーフカット線、ミシン目線等を用いることができる。
【0030】
台紙12を構成するシートの具体例としては、特に限定されず、例えば、熱収縮性フィルム11と同様の樹脂等からなる樹脂製シートや紙材を主基材とするシートを用いることができる。一般的には、紙材を主基材とするシートが用いられる。紙材を主基材とするシートは、例えば、紙のみからなる厚紙や紙製シートに各種樹脂をコーティング又は樹脂製シートを張り合わせた合成紙等が挙げられる。なお、以下では、台紙12は、紙材を主基材とするシートから構成されるものとして説明する。
【0031】
台紙12の厚みとしては、剛性や加工性を考慮して設定されることが好ましく、少なくとも台紙本体13、脚部片14がチューブ状容器100の重量等により意図しない箇所で折れ曲がる、或いは湾曲するといったことがなく、チューブ状容器100を十分に支持できる程度の厚みに設定される。台紙12の厚みは、それを構成するシートによっても多少異なるが、例えば、0.2〜2mm程度の厚みが好ましく、0.5〜1.5mm程度の厚みがより好ましい。
【0032】
台紙本体13は、互いに平行な前面19および後面20を有する平坦なシートである。台紙本体13は、チューブ状容器100が貼着される部分であると共に、支持体10の後脚として機能する部分でもあり、チューブ状容器100を貼着するための貼着部21と、チューブ状容器100の後方に位置する静置面200に接触する台紙本体下端部22とを有する。また、台紙本体13には、上端部近傍の幅方向の中央部に、吊り下げ孔23が設けられている。この吊り下げ孔23は、店頭で吊り下げ陳列されるときに、ハンガー棒等が通される貫通孔である。
【0033】
台紙本体13の形状としては、例えば、平面形状が略矩形形状であって、チューブ状容器100のサイズよりも大きな上下方向および幅方向の長さを有し、チューブ状容器100の後方を完全に覆う形状とすることができる。また、台紙本体13は、被支持物の支持状態、即ち支持体10の支持形態で、下部の2箇所に三角形状の切れ込みが形成されている。この切れ込みは、前方に折り曲げられた脚部片14に対応するものであり、折り曲げ罫線15および切断線16によって、チューブ状容器100が位置する部分の両側に形成されている。
【0034】
貼着部21は、台紙本体13の前面19の一部に設けられている。図1に示す例では、貼着部21は、前面19の幅方向の中央部であって、脚部片14の上端よりやや上方の上下方向に長い領域に設けられており、被支持物の支持状態で、容器本体101の後方に位置する。貼着部21は、上記のように、チューブ状容器100が包装された熱収縮性フィルム11を貼着する機能を有し、例えば、前面19の形成予定位置に接着剤を塗布する、或いは両面粘着テープ等を貼着することで形成される。なお、以下では、貼着部21は、接着剤の塗布により形成されるものとして説明する。
【0035】
貼着部21を形成する接着剤は、熱収縮性フィルム11との接着強度が強く、チューブ状容器100等の荷重に耐えて、流通・陳列過程における長時間の接着状態を維持できる接着剤であれば種々の接着剤を使用することができる。接着剤の例示としては、エラストマー系接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤、およびホットメルト接着剤等が挙げられ、特に加熱塗工でき、常温で粘着性を有するホットメルト接着剤が好適である。なお、接着強度は、接着剤の種類だけでなく、接着剤の塗布面積や各種添加物等によっても調整することができ、被支持物の重量等に応じて適宜調整できる。
【0036】
台紙本体下端部22は、被支持物の支持状態で、台紙本体13の下端に位置する部分であって、前面19の貼着部21に貼着されたチューブ状容器100の後方に位置する静置面200に接触する部分である。台紙本体13の下部には、その幅方向の中央部の両側に、脚部片14に対応する上記切れ込みが形成されており、台紙本体下端部22は、その切れ込みに挟まれた部分、および切れ込みの両側に存在する。即ち、台紙本体下端部22は、被支持物の支持状態で、キャップ部102の後方に位置する台紙本体13の幅方向の中央部と、幅方向の両側部に位置する。また、台紙本体下端部22は、平坦な静置面200に隙間なく接触可能な凹凸のない平坦な形状(直線形状)を有している。なお、下端部22は、平坦な静置面200に対して、幅(W)×台紙本体13の厚み(T)に相当する接触面積を有し、W又はTを調整することで接触面積を適宜変更することができる。
【0037】
なお、図示しないが、台紙本体13の前面19および後面20には、一般的に、商品名(チューブ状容器100に充填された商品の名称)やデザイン、商品説明等を表示するための印刷が施される。
【0038】
脚部片14は、被支持物の支持状態で、台紙本体13の下部から前方に向かって延び静置面200に接触する部分であって、支持体10の前脚として機能する。ここで、台紙本体13の下部とは、例えば、台紙本体13の貼着部21よりも下方部分である。また、脚部片14は、上記のように、熱収縮性フィルム11の熱収縮により前方に向かって延びるように折り曲げられる。図1に示す例において、脚部片14は、平面形状が三角形状、より詳しくは根元部24から先端部25側に進むにつれて上下方向の長さが短くなる三角形状の片であって、脚部片下端部26と、図2および図3に示す接合部27とを有する。
【0039】
なお、根元部24は、被支持物の支持状態で、脚部片14の後方端に位置する付け根部分である。根元部24は、静置面200に接触する脚部片下端部26から上下方向に沿って真っ直ぐ延びており、容器本体101とキャップ部102との境界位置付近にその上端が位置する。一方、先端部25は、被支持物の支持状態で、脚部片14の前方端に位置する部分であり、チューブ状容器100よりも前方に位置している。
【0040】
また、脚部片14は、キャップ部102を挟持するように、チューブ状容器100の両側に設けられている。各脚部片14は、チューブ状容器100の側方に位置して、チューブ状容器100の前方を覆うことなく、図3に示すように、台紙本体13の前面19に対して直交する方向に沿ってチューブ状容器100よりも前方まで延びている。即ち、2つの脚部片14は、互いに平行であって、互いの間隔がキャップ部102の最大直径と同程度に設定されている。
【0041】
脚部片下端部26は、被支持物の支持状態で、脚部片14の下端に位置する部分であって、静置面200に接触する。脚部片下端部26は、台紙本体下端部22と同様に、平坦な静置面200に隙間なく接触可能な凹凸のない平坦な形状(直線形状)を有する。そして、根元部24から先端部25にわたって静置面200に接触している。図2および図3に示すように、根元部24付近に位置する脚部片下端部26は、チューブ状容器100よりも後方であって、その重心P1に対応する静置面200上の位置P2(以下、重心対応位置P2とする)よりも後方の静置面200に接触する。一方、先端部25付近に位置する脚部片下端部26は、チューブ状容器100よりも前方であって、重心対応位置P2よりも前方の静置面200に接触している。ここで例示する形態のように、脚部片14の根元部24から先端部25までの長さ(以下、単に脚部片14の長さとも称する)は、先端部25が重心対応位置P2よりも前方まで延びるように設定されることが好ましい。
【0042】
なお、チューブ状容器100の重心P1に対応する静置面200上の位置である重心対応位置P2とは、重心P1から鉛直方向に下ろした線と静置面200とが交わる位置を意味する。重心P1の位置は、被支持物によって異なり、重心対応位置P2も被支持物によって異なるので、脚部片14の長さは、被支持物にとって適切な長さに適宜変更することが好ましい。
【0043】
接合部27は、図2および図3に示すように、脚部片14の前面に設けられ、脚部片14と熱収縮性フィルム11とを接合する機能を有する。接合部27には、熱収縮性フィルム11の熱収縮により脚部片14が引っ張られても剥離せず、支持体10の流通・販売時等の長期わたって脚部片14と熱収縮性フィルム11との接合状態を維持することが要求される。具体的に、接合部27は、その形成予定位置に接着剤を塗布する、或いは両面粘着テープ等を貼着することで形成され、例えば、貼着部21と同様の接着剤を用いて形成することができる。なお、脚部片14の前面とは、脚部片14が折り畳まれて台紙本体13と平行になった状態で(図4参照)、台紙本体13の前面19と同じ方向を向く面を意味する。
【0044】
次に、図4を用いて、支持体10の構成をさらに説明する。
【0045】
図4は、支持体10の折り畳み形態(折り畳み状態)を示す平面図である。折り畳み形態とは、脚部片14が前方に折り曲げられておらず、台紙本体13と脚部片14とが同一平面上に配置され折り畳まれた形態を意味する。なお、図4において、熱収縮性フィルム11は、熱収縮前の状態であり、符号に( )を付して熱収縮後の状態と区別する。また、被支持物の支持状態で台紙本体下端部22および脚部片下端部26となる部分についても、符号に( )を付して支持形態と区別し、台紙本体下端部(22)および脚部片下端部(26)が位置する台紙12の端部を台紙12の下端部と称して説明する。
【0046】
図4に示すように、熱収縮性フィルム(11)は、センターシール部17を有し、チューブ状容器100が挿入可能な筒状体として、台紙本体13の前面19に設けられた貼着部21に貼着されている。熱収縮性フィルム(11)の筒状体は、その直径がチューブ状容器100の最大直径よりも大きく、また、その長さがチューブ状容器100の長さとほぼ同じであり、熱収縮により先端および末端を除くチューブ状容器100の全体を覆う。また、チューブ状容器100は、キャップ部102の先端が静置面200に接触しない状態で支持されるから、熱収縮性フィルム(11)の筒状体の下端が、台紙本体13の下端からやや上方の位置となるように、貼着部21に貼着されている。
【0047】
折り畳み形態の台紙12は、その平面形状が矩形形状であって、その下部に三角形状の片である2つの脚部片14を有する。台紙12には、その下端部から上下方向に沿って真っ直ぐ延びた折り曲げ罫線15と、折り曲げ罫線15よりも側方に位置する下端部から上方に延びて折り曲げ罫線15につながった切断線16とが形成される。ここで示す例では、切断線16は、直線形状であり、台紙12の上下方向に対して斜めに形成されている。そして、切断線16の上端と折り曲げ罫線15の上端とがつながり、折り曲げ罫線15および切断線16に囲まれた三角形状の脚部片14とそれ以外の部分である台紙本体13とが台紙12に形成される。即ち、切断線16が、台紙本体13と脚部片14とを分離する線であり、折り曲げ罫線15が、台紙本体13と脚部片14との境界位置を決める線である。
【0048】
折り曲げ罫線15および切断線16は、2つの脚部片14に対応して、それぞれ1本ずつ合計2本設けられている。各折り曲げ罫線15は、キャップ部102の直径に対応する幅だけ離間し、貼着部21を中心として左右に分かれて、等しい長さで形成される。また、各切断線16は、台紙本体13の左右両側に台紙本体下端部(22)を残した台紙12の下端位置、即ち対応する折り曲げ罫線15よりも側方に位置する下端位置から、対応する折り曲げ罫線15の上端まで斜め上方に向かって真っ直ぐ形成されている。なお、各切断線16において、その傾斜方向が互いに異なり、左側の切断線16は、右斜め上方に向かって形成され、右側の切断線16は、左斜め上方に向かって形成される。
【0049】
脚部片14は、折り曲げ罫線15および切断線16の長さ、形状、形成位置等を調整することによって、そのサイズや形状、台紙本体13に対する位置等を適宜変更できる。例えば、図4に示す例において、折り曲げ罫線15の長さを長くすれば、脚部片14の上下方向の長さが長くなり、切断線16の始点を台紙12の側端方向に移動させれば、脚部片14の支持形態における前後方向の長さが長くなる。なお、折り曲げ罫線15は、上下方向に沿った直線形状であることが好ましいが、被支持物の形状に応じて適宜設定可能であり(例えば、ハの字状)、切断線16は、L字形状(図8参照)や円弧形状に形成されてもよい。
【0050】
次に、図5を用いて、支持体10の支持形態を作製する手順を説明する。
【0051】
図5は、折り畳み形態から支持形態を作製する過程を示す側面図である。図5(a)は、折り畳み形態を、図5(c)は、支持形態を、それぞれ示す図である。
まず初めに、図5(a)に示す折り畳み形態において、台紙本体13の貼着部21に貼着された熱収縮性フィルム(11)の筒状体の内部に、開放された上端又は下端からチューブ状容器100を挿入する。このとき、キャップ部102が脚部片14側となるようにチューブ状容器100を挿入し、図5(b)に示す状態の支持体10を得る。
【0052】
なお、図5(b)に示す状態の支持体10では、チューブ状容器100の挿入により熱収縮性フィルム(11)の筒状体が前後方向に拡がり、拡がった熱収縮性フィルム(11)に引っ張られて脚部片14が前方に折れ曲がっている。しかし、脚部片14は、チューブ状容器100の前方まで延びておらず、2つの脚部片14は前方に向かってハの字状に拡がった状態である。
【0053】
続いて、熱収縮性フィルム(11)を熱収縮させ、チューブ状容器100を包装する。図4(c)に示すように、熱収縮性フィルム11は、先端および末端を除く全体を覆ってチューブ状容器100に密着し、台紙本体13の前面19に熱収縮性フィルム11を介してチューブ状容器100が貼着された状態の支持体10が得られる。なお、熱収縮性フィルム11の熱収縮処理は、例えば、所定温度に設定された熱風トンネルを用いて行うことができる。
【0054】
熱収縮性フィルム(11)でチューブ状容器100を包装する包装工程において、脚部片14が、熱収縮性フィルム(11)の熱収縮応力により引っ張られて、前方に向かって延びるように折り曲げられる。具体的には、当該包装工程において、ハの字状に拡がった脚部片14が、熱収縮性フィルム11を介してキャップ部102の側部に当接し、台紙本体13の前面19に対して直交する方向に沿って、チューブ状容器100よりも前方まで延びるように、折り曲げ罫線15で折り曲げられる。
【0055】
次に、上記構成を備える支持体10の作用効果について説明する。
【0056】
図1〜図3に示すように、支持体10は、熱収縮性フィルム11で包装されたチューブ状容器100を台紙本体13の貼着部21で貼着して支持する。そして、支持体10は、台紙本体13の台紙本体下端部22がチューブ状容器100の後方の静置面200に、脚部片14の脚部片下端部26がチューブ状容器100の後方から前方まで延びて静置面200にそれぞれ接触する。即ち、台紙本体13が支持体10の後脚、脚部片14が支持体10の前脚として、それぞれ機能し、チューブ状容器100が静置面200に接触していない形態であっても、その重量を分散して安定した自立状態を実現する。
【0057】
また、支持体10において、脚部片14の先端部25付近の脚部片下端部26は、チューブ状容器100の重心対応位置P2よりも前方の静置面200に接触し、且つ台紙本体13の台紙本体下端部22もチューブ状容器100の重心対応位置P2よりも後方の静置面200に接触する。さらに、先端部25付近の脚部片下端部26および台紙本体下端部22は、チューブ状容器100の前後において、チューブ状容器100の両側の静置面200に接触する。したがって、支持体10は、前後方向および横方向のいずれから力を受けても、その力を十分に受容することができ、支持体10の転倒を高度に防止することができる。
【0058】
また、脚部片14は、チューブ状容器100の側方に位置して、図3に示すように、台紙本体13の前面19に対して垂直な方向に延び、チューブ状容器100の前方を覆うことがないので、プラスチックケースを使用したブリスターパックと同様の優れたディスプレイ性を備える。
【0059】
さらに、脚部片14は、その前面に熱収縮性フィルム11が接合される接合部27を有するので、熱収縮性フィルム11の熱収縮を利用して、折り畳まれた脚部片14を前方に向かって延びるように折り曲げることができる。支持体10によれば、熱収縮性フィルム11を熱収縮させてチューブ状容器100を包装する工程において、熱収縮性フィルム11がチューブ状容器100に密着しようとする熱収縮応力により、熱収縮性フィルム11に接合された脚部片14を折り曲げ罫線15で前方に折り曲げることができる。ゆえに、脚部片14の折り曲げ工程を別途設けることなく、簡便に支持体10の支持形態を得ることが可能になる。
【0060】
なお、上記では、台紙本体13の前面19に熱収縮性フィルム11に包装されたチューブ状容器100を保持するために、貼着部21を例示したが、保持手段としてはこれに限定されず、例えば、台紙本体13に熱収縮性フィルム11を引っ掛ける切り込み部を形成してチューブ状容器100を保持することもできる。
【0061】
ここで、図6〜図11を用いて、支持体10の変形例(10x,10y,10z)を説明する。なお、以下では、支持体10と同一の構成要素については同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0062】
図6および図7を用いて、第1変形例の支持体10xについて説明する。図6は、支持体10xの支持形態を示す斜視図であり、図7は、支持体10xの折り畳み形態を示す平面図である。
図6に示すように、支持体10xにおいて、台紙12xの台紙本体13xは、幅方向の中央部に貼着部を有さず、幅方向の中央部を中心として左右両側に、貼着部21xが前面19xに形成された2つの保持片30を有する点で、支持体10の台紙本体13と異なる。なお、2つの保持片30の前面19に形成される各貼着部21xは、支持体10の貼着部21と同じ接着剤等を用いて形成することができる。
【0063】
保持片30は、被支持物の支持状態で、脚部片14と同様に前方に延び、その前面19xに形成された貼着部21xにより熱収縮性フィルム11を介してチューブ状容器100を貼着保持する部分である。具体的に、保持片30は、前方に折り曲げられてチューブ状容器100の容器本体101の側部に当接し、左右両側から容器本体101を挟持している。また、保持片30は、貼着部21xにより熱収縮性フィルム11と接合されているので、脚部片14xと同様に、折り畳まれた状態(図7参照)から熱収縮性フィルム11の熱収縮によって前方に折り曲げられる。
【0064】
図6に示す例において、保持片30は、台紙本体13xの一部から構成されており、熱収縮性フィルム11の熱収縮によって前方に折り曲げられると、保持片30の形状に対応する開口部33が形成される。また、保持片30は、脚部片14のように静置面200に接触しないので、チューブ状容器100よりも前方まで延びる必要はなく、その前後方向の長さは、ディスプレイ性向上の観点等から、チューブ状容器100を保持できる限り短い方が好ましい。また、平面形状が上下方向に沿って長い矩形形状を有する保持片30を例示するが、保持片30の形状は、他の多角形状(三角形状、六角形状)や半円形状等、被支持物の形状等に合わせて適宜変更することができる。
【0065】
図7に示すように、折り畳み形態の台紙12xは、その下部に三角形状の2つの脚部片14と、各脚部片14の上方に矩形形状の2つの保持片30を含む台紙本体13xとを有する。台紙本体13xには、脚部片14の折り曲げ罫線15よりも側方にシフトした位置に、上下方向に沿って真っ直ぐ延びた保持片用折り曲げ罫線31が形成され、さらに、保持片用折り曲げ罫線31の上端と下端とをつなぐコの字形状の保持片用切断線32が形成される。保持片用折り曲げ罫線31および保持片用切断線32に囲まれた部分が保持片30であって、その保持片30の前面19に貼着部21xが形成されている。なお、保持片30の貼着部21xと、対応する脚部片14の接合部27とは、上下方向に沿って列状に形成されていることが好ましい。即ち、左側の接合部27と、左側の貼着部21xとが上下方向に沿って列状に形成され、右側の接合部27と、右側の貼着部21xとが上下方向に沿って列状に形成される。
【0066】
上記構成を備える支持体10xによれば、被支持物の支持形態において、保持片用折り曲げ罫線31で前方に折り曲げられ、その前面19に貼着部21xが形成された保持片30が容器本体101の両側に設けられているので、チューブ状容器100を両側から挟んで貼着保持することができる。また、保持片30は、熱収縮性フィルム11の熱収縮を利用して前方に折り曲げられるので、折り曲げ工程を別途設けることなく、簡便に支持体10xの支持形態を得ることができる。また、各貼着部21xと、対応する脚部片14の接合部27とは、上下方向に沿って列状に形成されるので、例えば、貼着部21xおよび接合部27を形成するための接着剤の塗布装置を共用することができ、良好な連続生産性を実現できる。
【0067】
次に、図8〜図10を用いて、第2変形例の支持体10yについて説明する。図8は、支持体10yの支持形態を示す斜視図であり、図9は、図8の底面図であり、図10は、支持体10yの折り畳み形態を示す平面図である。
図8および図9に示すように、支持体10yにおいて、台紙12yは、支持体10の台紙12と比較して、貼着部21を有する台紙本体13yと、脚部片14yとから構成される点で共通するが、脚部片14yの上にチューブ状容器100が載った状態で保持される点で異なる。また、当該構成の相違により、熱収縮性フィルム11yは、チューブ状容器100のキャップ部102よりも下方に延びて、図9に示すように、その下端が脚部片14yの接合部27yに接合された構成を有する。
【0068】
脚部片14yは、被支持物の支持状態で、熱収縮性フィルム11の熱収縮によって100の重心対応位置P2よりも前方に延びるように折り曲げられ、脚部片下端部26yが静置面200に接触して、支持体10yの前脚として機能する点で、支持体10の脚部片14と共通する。一方、2つの脚部片14yは、それらの間にチューブ状容器100が存在せず、載置部34を有する点で、支持体10の脚部片14と異なる。
【0069】
載置部34は、被支持物の支持状態で、チューブ状容器100が載せられて、その底面(キャップ部102の先端)が接触する部分である。載置部34は、チューブ状容器100を載せやすいように、凹凸のない直線形状を有し、脚部片14yの平面形状も前後方向に長い矩形形状とすることができる。
【0070】
また、2つの脚部片14yは、図9に示すように、それぞれの根元部24yの間隔がキャップ部102の直径よりも小さくなるように設計される。各脚部片14yは、熱収縮性フィルム11の熱収縮により互いに接近するように前方に向かって折り曲げられ、被支持物の支持状態で、前方に向かって間隔が狭くなったハの字状の形態となる。なお、熱収縮性フィルム11の下端は、キャップ部102の先端から下方に延びているため熱収縮応力が強く作用し、キャップ部102の直径よりも小さく縮径した形状となる。
【0071】
図10に示すように、折り畳み形態の台紙12yは、その下部に矩形形状の2つの脚部片14yを有する。台紙12yには、その下端から上下方向に沿って真っ直ぐ延びた折り曲げ罫線15yが形成され、さらに、台紙本体13yの両側に台紙本体下端部22yを残して折り曲げ罫線15よりも側方に位置する下端位置から、脚部片14yが矩形形状となるようにL字状に切り込まれた切断線16yが形成される。折り曲げ罫線15yおよび切断線16yに囲まれた部分が脚部片14yであって、脚部片14yの前面に接合部27yが形成されている。
【0072】
上記構成を備える支持体10yによれば、支持体10と同様に、熱収縮性フィルム11yの熱収縮を利用して脚部片14yを前方に折り曲げることができると共に、チューブ状容器100を脚部片14yの載置部34上に載せた状態で支持することが可能になる。
【0073】
次に、図11を用いて、第3変形例の支持体10zについて説明する。図11は、支持体10zの支持形態を示す斜視図である。
図11に示すように、支持体10zは、チューブ状容器100の貼着部21を有する台紙12zと、脚部片14zを有する脚部台紙35とから構成される。即ち、貼着部21を有する台紙12zと、脚部片14zとが別の台紙から構成されている。なお、台紙12zは、被支持物の支持状態で、脚部片14に対応する切れ込み等を有さない平坦なシートであり、その前面19zの下方に、脚部台紙35が接合される点で、支持体10の台紙12と異なる。
【0074】
脚部台紙35は、被支持物の支持状態で、台紙12zの前面19zに対して直交する方向に沿ってチューブ状容器100よりも前方まで延びる2つの脚部片14zと、各脚部片14zを連結して、台紙12zの前面19zに接合される連結部36とを有する。そして、脚部台紙35は、脚部片14zの前面に、熱収縮性フィルム11に接合される接合部(図示せず)が設けられ、脚部片14zの根元部24zと連結部36との境界位置に、図示しない折り曲げ罫線が形成されて、支持体10の脚部片14と同様に、熱収縮性フィルム11の熱収縮により脚部片14zが前方に折り曲げられる構成を備える。
【0075】
なお、脚部台紙35は、連結部36が台紙12zに接合されていなくてもよく、脚部片14zの接合部によって、或いは連結部36の前面にも接合部を設けて、熱収縮性フィルム11のみに接合される構成であってもよい。
【0076】
<第2実施形態>
図12〜図14を用いて、第2実施形態である支持体50について以下説明する。
【0077】
図12および図13は、支持体50にチューブ状容器100が支持されて、静置面200上に自立している状態を示す図である。
図12および図13に示すように、支持体50は、チューブ状容器100を支持して静置面200上に安定に自立させる機能を有し、チューブ状容器100を包装する熱収縮性フィルム51と、熱収縮性フィルム51が貼着された台紙52とから構成される。そして、台紙52は、前面57にチューブ状容器100を包装した熱収縮性フィルム51を貼着するための貼着部59を有する台紙本体53と、被支持物であるチューブ状容器100の支持状態で、チューブ状容器100の前方を覆うことなく、台紙本体53の下部から前方に向かって延び、静置面200に接触する脚部片54とで構成されている。
【0078】
ここで、被支持物の支持状態とは、チューブ状容器100を支持して、静置面200上に自立させる状態を意味し、当該状態における支持体50の形態を支持形態又は自立形態と称する。
【0079】
熱収縮性フィルム51は、台紙本体53の貼着部59に貼着され、熱収縮により被支持物であるチューブ状容器100を包装する部材である。また、熱収縮性フィルム51は、上下両端が開口し、熱収縮前においてチューブ状容器100が挿入可能な筒状体として貼着部59に貼着されている。この熱収縮性フィルム51の筒状体は、チューブ状容器100と同等の長さを有し、熱収縮により先端および末端を除くチューブ状容器100の全体に密着する。勿論、チューブ状容器100の先端および末端に折れ込む長さにしてもよい。また、熱収縮性フィルム51の筒状体には、その上下方向に沿って図12および図13では図示しないセンターシール部55(図14参照)と、ミシン目線56とが設けられている。
【0080】
熱収縮性フィルム51は、例えば、フィルムの両端をテトラヒドロフラン(THF)等の有機溶剤を用いて接合(センターシール)して筒状にされる。このとき形成される接合部がセンターシール部55であり、チューブ状容器100の後方に位置する部分に、筒状体の上下方向に沿って形成される。また、筒状体は、熱収縮性フィルム51の主延伸方向が周方向となるように形成される。
【0081】
なお、ミシン目線56は、熱収縮性フィルム51を切断するための切断補助線であって、熱収縮性フィルム51からチューブ状容器100を取り出そうとするときに切断される。一般的に、ミシン目線56は、列状に並んだ複数の微小な貫通孔から構成されており、例えば、チューブ状容器100の前方に位置する部分に形成することができる。図12に示す例では、筒状体の上部を残して筒状体の上下方向に沿って1本のミシン目線56が形成されているが、筒状体の全長にわたって形成されていてもよい。また、ミシン目線56は、複数条形成されていてもよい。また、ミシン目線18の形成位置は、商品デザイン等を阻害しないよう、チューブ状容器100の側方、後方に設けるのが好ましい。
【0082】
熱収縮性フィルム51を構成する樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系、ポリスチレン系(PS)、並びにポリ乳酸(PLA)、ポリアミド、およびポリ塩化ビニル等の樹脂からなるフィルムが挙げられる。これらのうち、適切な収縮応力と高い透明性を有することから、ポリエステル系、ポリオレフィン系、およびポリスチレン系のフィルムが好ましく、ポリエステル系フィルムが特に好ましい。また、これらの樹脂を2種以上混合した樹脂混合物を含むフィルムを用いることもできるし、2種以上のフィルムを積層した積層フィルムを用いることもできる。
【0083】
熱収縮性フィルム51は、優れた熱収縮特性を発現するために、少なくとも一方向に延伸された一軸延伸フィルムであって、筒状体の周方向に熱収縮するフィルムが好ましいが、筒状体の長さ方向にも熱収縮する二軸延伸フィルムであってもよい。熱収縮性フィルム51の熱収縮率としては、主延伸方向に対して、20〜80%(90℃の温水に10秒間浸漬)であることが好ましく、30〜80%であることが特に好ましい。
【0084】
熱収縮性フィルム51の厚みとしては、特に限定されないが、10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは15〜80μm、特に好ましくは20〜50μmである。また、熱収縮性フィルム51としては、チューブ状容器100に施された印刷が見えるように、無色透明の樹脂フィルムが用いられるが、着色された樹脂フィルム、或いは商品名やデザイン等を表示するための印刷層が形成された樹脂フィルムを用いることもできる。
【0085】
台紙52は、上記のように、台紙本体53と、脚部片54とで構成されるシート状の部材であって、熱収縮性フィルム51を介してチューブ状容器100を保持し、チューブ状容器100の自立を支持する部材である。図12に示す例では、第1折り曲げ罫線64aが台紙52に形成されることで、1枚の台紙52から台紙本体53と脚部片54とが構成されている。なお、脚部片54を折り曲げ易くするために、台紙本体53と脚部片54との境界位置に形成される折り曲げ部としては、第1折り曲げ罫線64aだけでなく、ハーフカット線、ミシン目線等を用いることができる。
【0086】
台紙52を構成するシートの具体例としては、特に限定されず、例えば、熱収縮性フィルム51と同様の樹脂等からなる樹脂製シートや紙材を主基材とするシートを用いることができる。一般的には、紙材を主基材とするシートが用いられる。紙材を主基材とするシートは、例えば、紙のみからなる厚紙や紙製シートに各種樹脂をコーティング又は樹脂製シートを張り合わせた合成紙等が挙げられる。なお、以下では、台紙52は、紙材を主基材とするシートから構成されるものとして説明する。
【0087】
台紙52の厚みとしては、剛性や加工性を考慮して設定されることが好ましく、少なくとも台紙本体53、脚部片54がチューブ状容器100の重量等により意図しない箇所で折れ曲がる、或いは湾曲するといったことがなく、チューブ状容器100を十分に支持できる程度の厚みに設定される。台紙52の厚みは、それを構成するシートによっても多少異なるが、例えば、0.2〜2mm程度の厚みが好ましく、0.5〜1.5mm程度の厚みがより好ましい。
【0088】
台紙本体53は、互いに平行な前面57および後面58を有する平坦なシートである。台紙本体53は、チューブ状容器100が貼着される部分であると共に、支持体50の後脚として機能する部分でもあり、チューブ状容器100を貼着するための貼着部59と、チューブ状容器100の後方に位置する静置面200に接触する下端部60とを有する。また、台紙本体53には、上端部近傍の幅方向の中央部に、吊り下げ孔61が設けられている。この吊り下げ孔61は、店頭で吊り下げ陳列されるときに、ハンガー棒等が通される貫通孔である。
【0089】
また、台紙本体53は、例えば、平面形状が矩形形状であって、チューブ状容器100のサイズよりも大きな上下方向および幅方向の長さを有し、チューブ状容器100の後方を完全に覆う形状を有する。さらに、台紙本体53は、詳しくは後述するように、下端部60に向かって後方に傾斜した形状を有している。
【0090】
貼着部59は、台紙本体53の前面57の一部に設けられている。図12に示す例では、前面57の幅方向の中央部、且つ後述する当接部63の上端位置よりも上部において、上下方向に沿って設けられている。貼着部59は、上記のように、チューブ状容器100が包装された熱収縮性フィルム51を貼着する機能を有し、例えば、前面57の形成予定位置に接着剤を塗布する、或いは両面粘着テープ等を貼着することで形成される。なお、以下では、貼着部59は、接着剤の塗布により形成されるものとして説明する。
【0091】
貼着部59を形成する接着剤は、熱収縮性フィルム51との接着強度が強く、チューブ状容器100等の荷重に耐えて、流通・陳列過程における長時間の接着状態を維持できる接着剤であれば種々の接着剤を使用することができる。接着剤の例示としては、エラストマー系接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤、およびホットメルト接着剤等が挙げられ、特に加熱塗工でき、常温で粘着性を有するホットメルト接着剤が好適である。なお、接着強度は、接着剤の種類だけでなく、接着剤の塗布面積や各種添加物等によっても調整することができ、被支持物の重量等に応じて適宜調整できる。
【0092】
下端部60は、被支持物の支持状態で、台紙本体53の下端に位置する部分であって、前面57の貼着部59に貼着されたチューブ状容器100の後方に位置する静置面200に接触する部分である。図12に示す例では、下端部60は、平坦な静置面200に隙間なく接触可能な凹凸のない平坦な形状(直線形状)を有しているが、例えば、デザイン的観点等により台紙本体53に切れ込みを形成し、幅方向の両側および中央部のみに下端部60を設けてもよい。なお、下端部22は、平坦な静置面200に対して、幅(W)×厚み(T)に相当する接触面積を有し、W又はTを調整することで接触面積を適宜変更することができる。
【0093】
なお、図示しないが、台紙本体53の前面57および後面58には、一般的に、商品名(チューブ状容器100に充填された商品の名称)やデザイン、商品説明等を表示するための印刷が施される。
【0094】
脚部片54は、被支持物の支持状態で、台紙本体53の下部から前方に向かって延び静置面200に接触する部分であり、支持体50の幅方向の中央部に、貼着部59と上下方向に沿って並んで設けられている。ここで、台紙本体53の下部とは、例えば、台紙本体53の貼着部59よりも下方部分であり、少なくとも下端部60を含む部分である。脚部片54は、台紙本体53の下部から前方に延びて、前方に延びた部分が上方に折れ曲がった片であり、接触面部62と、当接部63とを有する。
【0095】
また、脚部片54は、支持体10の脚部片14と異なってチューブ状容器100前方まで延びず、チューブ状容器100の後方に位置している。図12に示す例では、チューブ状容器100のキャップ部102が静置面200に接触した状態で支持され、キャップ部102が脚部片54よりも前方に位置する静置面200に接触している。即ち、支持体50は、キャップ部102を前脚として利用した構成である。
【0096】
接触面部62は、被支持物の支持状態で、台紙本体53とチューブ状容器100との間に位置する静置面200に接触する部分である。接触面部62は、台紙本体53との接続部分(境界位置)である根元から当接部63との接続部分(境界位置)である先端にわたって静置面200に接触し、支持体50の静置面200に対する接触面積を増加させる。即ち、接触面部62は、チューブ状容器100の後方に位置する静置面200に接触する平坦な面を有する部分である。
【0097】
図12に示す例では、接触面部62は、キャップ部102の直径と同等の幅を有し、その平面形状が幅方向にやや長い矩形形状を有している。接触面部62の幅および長さは、適宜変更することができ、例えば、その長さを長くすれば、静置面200に対する接触面積が増えると共に、詳しくは後述するように、台紙本体53の傾斜角度が大きくなる。また、接触面部62の形状としては、矩形形状に限られず、前方又は後方に向かってテーパーを有する台形形状やキャップ部102の直径よりも大きな幅を有する幅広の形状など、種々の形状とすることができる。
【0098】
当接部63は、被支持物の支持状態で、接触面部62の先端から上方に延びて、チューブ状容器100の後方に当接する部分であって、接触面部62が静置面200に接触する被支持物の支持形態を安定に維持する機能を有する。また、当接部63は、熱収縮性フィルム51とチューブ状容器100との間に挿入され、特に熱収縮性フィルム51の熱収縮によりチューブ状容器100の後方に押し付けられるように当接する。
【0099】
図12に示す例では、当接部63は、接触面部62との接続部分であり被支持物の支持状態で下端となる根元部分と、被支持物の支持状態で上端となる先端部分とが、それぞれキャップ部102と、容器本体101とに当接し、その平面形状が上下方向に長い矩形形状を有している。当接部63の長さは、適宜変更することができ、例えば、その長さが長ければ、チューブ状容器100に対する当接面積が増えて脚部片54の支持形態を維持し易くなる。当接部63の幅も、熱収縮性フィルム51の筒状体に挿入できる範囲で適宜変更できるが、意匠性等の観点からキャップ部102の直径よりも短くキャップ部102の後方に隠れる(例えば、当接部63がキャップ部102と容器本体101との境界位置(段差を有する位置)に設けられる)ことが好ましい。また、当接部63の形状としては、矩形形状に限られず、上方又は下方に向かってテーパーを有する台形形状や半円形状、三角形状など、種々の形状とすることができる。
【0100】
ここで、特に図13を参照して、台紙本体53が下端部60に向かって後方に傾斜した形状について説明する。
図13に示すように、台紙本体53は、中途部で湾曲したり折れ曲がったりすることなく、平坦なシート形状を有しており、全体が下端部60に向かって後方に傾斜した形状を有している。ゆえに、台紙本体53の下端部60は、鉛直方向に沿って真っ直ぐに延びる形状と比較して後方にシフトし、支持体50の後端に位置する下端部60からキャップ部102の前方までの長さが延びた形状となる。
【0101】
台紙本体53の傾斜形状は、脚部片54の当接部63がチューブ状容器100の後方に当接する構造に起因して形成される。即ち、チューブ状容器100により当接部63が後方に向かって押され、この力が、前後方向に沿って延びる接触面部62を介して台紙本体53に伝わり、台紙本体53の下端部60が後方にシフトするように傾斜する仕組みである。また、ここで例示する支持体50の支持形態では、容器本体101の後方部分が上方に向かって湾曲して次第に縮径しているので、台紙本体53は、その上部が容器本体101に沿って傾斜し、全体が平坦な状態を維持した傾斜形状となっている。
【0102】
次に、図14を用いて、支持体10の構成をさらに説明する。
【0103】
図14は、支持体50の折り畳み形態(折り畳み状態)を示す平面図である。折り畳み形態とは、脚部片54が前方に折り曲げられておらず、台紙本体53と脚部片54とが同一平面上に配置され折り畳まれた形態を意味する。なお、図14において、熱収縮性フィルム51は、熱収縮前の状態であり、符号に( )を付して熱収縮後の状態と区別する。
【0104】
図14に示すように、熱収縮性フィルム(51)は、センターシール部55を有し、チューブ状容器100が挿入可能な筒状体として、台紙本体53の前面57に設けられた貼着部59に貼着されている。熱収縮性フィルム(51)の筒状体は、その直径がチューブ状容器100の最大直径よりも大きく、また、その長さがチューブ状容器100の長さとほぼ同じであり、熱収縮により先端および末端を除くチューブ状容器100の全体を覆う。また、熱収縮性フィルム(51)の筒状体の下端が、台紙本体53の下端と一致するように、貼着部59に貼着されている。
【0105】
台紙52は、その平面形状が略矩形形状であって、長手方向に沿った矩形形状の一方端の中央部から長手方向に沿って延出した延出部が形成された形状を有している。この延出部が脚部片54であって、延出部を除く矩形形状部が台紙本体53である。そして、脚部片54である延出部が形成される一方端が、支持形態において静置面200に接触する下端部60である。
【0106】
脚部片54には、その根元部である台紙本体53との境界位置および脚部片54の中途部に、脚部片第1折り曲げ罫線64aおよび脚部片第2折り曲げ罫線64bがそれぞれ形成されている。脚部片第1折り曲げ罫線64aと脚部片第2折り曲げ罫線64bに挟まれた部分が接触面部62であり、脚部片第2折り曲げ罫線64bより先端側が当接部63である。そして、脚部片54は、被支持物の支持状態において、脚部片第1折り曲げ罫線64aで全体が前方に折り曲げられ、脚部片第2折り曲げ罫線64bで当接部63が上方に折り曲げられる。なお、脚部片第1折り曲げ罫線64aは、台紙本体53の下端部(60)に沿って形成され、脚部片第2折り曲げ罫線64bは、脚部片第1折り曲げ罫線64aと平行に形成されている。接触面部62の長さ、又は接触面部62と当接部63との長さの比率は、脚部片第2折り曲げ罫線64bの形成位置を調整することで適宜変更することができる。
【0107】
次に、支持体50の支持形態を作製する手順を例示する。
【0108】
まず初めに、台紙本体53の貼着部59に貼着された熱収縮性フィルム(59)の筒状体の内部に、脚部片第1折り曲げ罫線64aおよび脚部片第2折り曲げ罫線64bで前方に折り曲げられた脚部片54を挿入する。なお、脚部片54の接触面部62と台紙本体53とのなす角度、および接触面部62と当接部63とのなす角度は、それぞれ直角又は直角よりも小さな角度となるように折り曲げられる。次いで、筒状体の開放された上端又は下端からキャップ部102が脚部片14側となるようにチューブ状容器100を挿入する。このとき、脚部片54の当接部63がチューブ状容器100の後方に当接した状態となる。なお、熱収縮性フィルム(51)の熱収縮により当接部63がチューブ状容器100の後方に当接するものであってもよい。
【0109】
続いて、熱収縮性フィルム(51)を熱収縮させ、チューブ状容器100を包装する。熱収縮性フィルム51は、先端および末端を除く全体を覆ってチューブ状容器100に密着し、台紙本体53の前面57に熱収縮性フィルム57を介してチューブ状容器100が貼着された状態の支持体50が得られる。なお、熱収縮性フィルム11の熱収縮処理は、例えば、所定温度に設定された熱風トンネルを用いて行うことができる。
【0110】
次に、上記構成を備える支持体50の作用効果について説明する。
【0111】
図12および図13に示すように、支持体50は、熱収縮性フィルム51で包装されたチューブ状容器100を台紙本体53の貼着部59で貼着して保持することができる。そして、支持体50では、台紙本体53の下端部60および脚部片54の接触面部62が静置面200に接触して、チューブ状容器100の安定した自立を可能にする。即ち、脚部片54の接触面部62が静置面200に接触することで、静置面200に対する接触面積を増やすことができる。なお、ここで示す例では、チューブ状容器100のキャップ部102が静置面200に接触した状態で支持体50に支持されている。
【0112】
また、支持体50では、当接部63が被支持物であるチューブ状容器100の後方に当接することによって、脚部片54が被支持物に押さえられた状態となり、脚部片54がチューブ状容器100の後方から抜けることなく接触面部62が静置面200に接触する支持状態を安定に維持することができる。さらに、当接部63がチューブ状容器100の後方に当接することによって、台紙本体53がチューブ状容器100により後方に押された状態となり、下端部60が接触する静置面200の位置が後方にシフトするように、台紙本体53が後方に傾斜する。ゆえに、支持体50の後端に位置する下端部60からキャップ部102の前方までの長さが延びて、前後方向に対する安定性が向上する。
【0113】
また、支持体50では、脚部片14がチューブ状容器100の後方に位置して、チューブ状容器100の前方を覆うことないので、プラスチックケースを使用したブリスターパックと同様の優れたディスプレイ性を備える。
【0114】
ここで、図15〜図17を用いて、支持体50の変形例である支持体50xについて説明する。なお、以下では、支持体50と同一の構成要素については同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0115】
図15および図16は、支持体50xにチューブ状容器100が支持されて、静置面200上に自立している状態を示す図であり、図17は、支持体50xの折り畳み形態(折り畳み状態)を示す平面図である。
図15および図16に示すように、支持体50xにおいて、台紙52xは、支持体50の台紙52と同様に、貼着部59を有する台紙本体53xと、被支持物の支持状態で、台紙本体53とチューブ状容器100との間に位置する静置面200に接触する接触面部62xおよび接触面部62xから上方に延びてチューブ状容器100の後方に当接する当接部63xとを有する脚部片54xとから構成されている。
【0116】
一方、台紙本体53xは、下部のみが後方に傾斜した形状であって、具体的には、貼着部59の下方に幅方向に沿って形成された台紙本体折り曲げ罫線67で、当該罫線よりも下方部分が後方に折り曲げられた形状を有している。即ち、台紙本体53xは、台紙本体折り曲げ罫線67より上部である鉛直方向に沿った台紙本体上部65と、台紙本体折り曲げ罫線67よりも下部である後方に傾斜した台紙本体下部66とを有する。
【0117】
台紙本体上部65は、図16に示すように、貼着部59が形成された部分に形成された舌片68を有している。舌片68は、熱収縮性フィルム51の熱収縮により前方に湾曲又は折れ曲がる部分であって、台紙本体上部65の全体が前方に引っ張られて前傾することを防止する機能を有する。
【0118】
台紙本体下部66は、当接部63xがチューブ状容器100の後方に当接することで、台紙本体折り曲げ罫線67で後方に折れ曲がり、静置面200に接触する下端部60xが鉛直方向に沿って真っ直ぐに延びる形状よりも後方にシフトした形状を有している。また、ここで例示する形態では、中途部で湾曲したり折れ曲がったりすることなく、平坦なシート形状を有しているが、台紙本体下部66は、複数個所で折れ曲がった形状、或いは全体が湾曲した形状であってもよい。
【0119】
また、脚部片54xは、台紙52xの下部全体を前方に折り曲げて形成され、チューブ状容器100の前後左右に位置する静置面200の広い範囲に接触する接触面部62xを有する点で、支持体50の脚部片54と異なる。なお、当接部63xは、当接部63と同様に、貼着部59と上下方向に沿って並んで設けられ、その平面形状が矩形形状を有している。具体的に、接触面部62xは、台紙本体53xと同じ幅およびチューブ状容器100よりも前方まで延びる長さを有し、当接部63xに対応する矩形形状の切り込みが形成されたコの字形状を有している。また、当接部63xの幅は、チューブ状容器100のキャップ部102の直径よりも小さく、上記切り込みの幅もキャップ部102の直径よりも小さいから、支持体50xにおいて、チューブ状容器100は、接触面部62xの上に載った状態で支持されている。
【0120】
図17に示すように、台紙52xは、平面形状が矩形形状であって、長手方向の上方から順に、台紙本体折り曲げ罫線67、脚部片第1折り曲げ罫線64a、および脚部片第2折り曲げ罫線64bが、幅方向に沿って形成されている。台紙52xにおいて、台紙本体53xと、脚部片54xとの境界位置は、脚部片第1折り曲げ罫線64aが形成された位置であって、脚部片第1折り曲げ罫線64aより上部が台紙本体53x、脚部片第1折り曲げ罫線64aより下部が脚部片54xである。即ち、台紙52xを脚部片第1折り曲げ罫線64aで前方に折り曲げることで脚部片54xが形成されると共に、脚部片第1折り曲げ罫線64aの形成位置が台紙本体53xの下端部60xとなる。
【0121】
また、台紙本体上部65には、舌片用切断線69が、脚部片54xには、当接部用切断部70が、それぞれ形成されている。舌片用切断線69は、台紙本体上部65の幅方向の中央部に上下方向に沿って形成された貼着部59の周囲を囲み、貼着部59の下方に形成された台紙本体折り曲げ罫線67に交わるように形成されている。当接部用切断部70は、脚部片第2折り曲げ罫線64bに向かって台紙52xの下端から形成され、具体的には、脚部片第2折り曲げ罫線64bの両端に交わる互いに平行な2本が当接部用切断部70形成されている。
【0122】
なお、本発明に係る支持体は、上記第1実施形態、第2実施形態、およびそれらの変形例を適宜組み合わせた形態とすることが可能である。例えば、第1実施形態の台紙本体13(図2参照)に、第2実施形態の舌片68を適用してもよい。
【0123】
また、上記では、熱収縮性フィルムの筒状体は、上下両端が開放されているものとして説明したが、幅方向に沿って筒状体の上端に形成され、上端開口を塞ぐためのエンドシール部を有する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0124】
<第1実施形態>
10 支持体、11 熱収縮性フィルム、12 台紙、13 台紙本体、14 脚部片、15 折り曲げ罫線、16 切断線、17 センターシール部、18 ミシン目線、19 前面、20 後面、21 貼着部、22 台紙本体下端部、23 吊り下げ孔、24 根元部、25 先端部、26 脚部片下端部、27 接合部、30 保持片、31 保持片用折り曲げ罫線、32 保持片用切断線、33 開口部、34 載置部、35 脚部台紙、36 連結部、100 チューブ状容器、101 容器本体、102 キャップ部、200 静置面、P1 重心、P2 重心対応位置。
【0125】
<第2実施形態>
50 支持体、51 熱収縮性フィルム、52 台紙、53 台紙本体、54 脚部片、55 センターシール部、56 ミシン目線、57 前面、58 後面、59 貼着部、60 下端部、61 吊り下げ孔、62 接触面部、63 当接部、64a 第1折り曲げ罫線、64b 第2折り曲げ罫線、65 台紙本体上部、66 台紙本体下部、67 台紙本体折り曲げ罫線、68 舌片、69 舌片用切断線、70 当接部用切断線、100 チューブ状容器、101 容器本体、102 キャップ部、200 静置面、P1 重心、P2 重心対応位置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体に関し、より詳しくは、前面に被支持物が貼着される台紙を備え、被支持物の自立を支持する支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
商品が外側から見えるように包装した所謂ブリスターパックは、例えば、乾電池、電球等の小型電気製品、歯ブラシ、カミソリ、化粧品類など様々な商品について多く使用されている。一般的に、ブリスターパックは、商品の大きさや形状に合わせて成形され後面側に開口を有するプラスチックシートの成形体(以下、プラスチックケースとする)と、当該成形体の後面開口をカバーする台紙とから構成されている。
【0003】
一般的に、ブリスターパックは、吊り下げ陳列されることが多いが、商品棚等に自立させて陳列可能な形態も幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、台紙と、塩化ビニル樹脂等を真空成形したプラスチックケースとを備え、プラスチックケースの下端面に、自立させて陳列することを可能にする陳列用脚部が2ヶ所に設けられたスライド式ブリスターパックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007‐137443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されたブリスターパックは、商品棚等に自立させて陳列することが可能である。しかしながら、従来のブリスターパックは、商品の形状、脚部の形状に合わせて予め成形されたプラスチックケースを備えるので、組み立てる前でも嵩高く、輸送性が悪いという問題が指摘されている。また、成形体としての剛性を確保するためにプラスチックケースの薄肉化が困難であり、材料コストや環境負荷の軽減等の観点から改良の余地がある。
【0006】
本発明の目的は、プラスチックケースを使用することなく、被支持物の良好なディスプレイ性を発現し、被支持物の安定した自立を可能にする支持体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る支持体は、前面に被支持物が保持される台紙を備え、被支持物の支持状態で、台紙の下端部が静置面に接触する支持体において、被支持物の支持状態で、被支持物の側方、後方、又は下方に位置して被支持物の前方を覆うことなく、台紙下部から前方に向かって延び静置面に接触する脚部片を備えることを特徴とする。
当該構成によれば、台紙の下端部および脚部片が静置面に接触し、プラスチックケースを使用しなくても、被支持物を安定して自立させることが可能になる。また、脚部片は、被支持物の支持状態で、被支持物の側方、後方、又は下方に位置して、被支持物の前方を覆わないので、本発明に係る支持体は、プラスチックケースを使用したブリスターパックと同様の優れたディスプレイ性を備える。
【0008】
また、本発明に係る支持体において、台紙の前面に固定される熱収縮性フィルムを備え、熱収縮性フィルムを介して、被支持物が台紙の前面に保持される構成とすることができる。
当該構成によれば、熱収縮性フィルムにより被支持物を支持体に容易に保持させることができる。また、熱収縮性フィルムにより被支持物を汚れや損傷から保護することができる。
【0009】
また、上記熱収縮性フィルムを備える構成において、脚部片は、その前面に熱収縮性フィルムが接合される接合部を有し、熱収縮性フィルムの熱収縮により台紙と平行に折り畳まれた状態から前方に向かって延びるように折り曲げられる構成とすることができる。
当該構成によれば、接合部を介して脚部片の前面に熱収縮性フィルムが接合されているので、熱収縮性フィルムの熱収縮を利用して、台紙と平行に折り畳まれた脚部片を前方に向かって延びるように折り曲げることができる。熱収縮性フィルムは、被支持物を保持するときに熱収縮処理されるので、当該包装工程において、被支持物の保持と共に前方に延びた脚部片を形成することができる。即ち、熱収縮性フィルムが熱収縮して台紙の前面に被支持物を保持しようとする熱収縮応力によって、熱収縮性フィルムに接合された脚部片が引っ張られて前方に折り曲げられる。ゆえに、脚部片を折り曲げる工程を独立して設ける必要がなく、良好な生産性を実現することができる。
【0010】
また、上記接合部を有する構成において、台紙は、熱収縮性フィルムを介して被支持物が保持される台紙本体と、脚部片とから構成され、台紙の下端部から上方に向かって形成される折り曲げ部と、折り曲げ部よりも側方に位置する台紙の下端部から上方に向かって形成されて、折り曲げ部につながり、台紙本体と脚部片とを分離する切断線と、を有し、熱収縮性フィルムの熱収縮により、折り曲げ部と切断線とに囲まれた脚部片が折り曲げ部で前方に折り曲げられる構成とすることが好ましい。
当該構成によれば、1枚の台紙に折り曲げ部および切断線を形成して、折り曲げ部と切断線とに囲まれた脚部片の前面に熱収縮性フィルムを接合するという簡便な方法によって、台紙本体、静置面に接触する台紙本体の下端部および静置面に接触する脚部片が構成されるので、支持体の生産性がより向上すると共に、輸送性にも優れる。
【0011】
また、本発明に係る支持体において、脚部片は、その先端部が被支持物の重心に対応する静置面上の位置より前方の静置面に接触することが好ましい。
当該構成によれば、より安定した自立形態を実現することができる。脚部片は、特に支持体の後方から前方に向かって作用する力をより効果的に受容することができ、被支持物を支持した支持体が前方へ転倒することをより高度に防止することができる。
【0012】
また、本発明に係る支持体において、脚部片は、少なくとも台紙と被支持物との間に位置する静置面に接触する接触面部と、接触面部の先端から上方に延びて被支持物の後方に当接する当接部と、を有する構成とすることができる。
当該構成によれば、脚部片の接触面部が静置面に接触するので、静置面に対する接触面積を増やすことができ、被支持物を安定して自立させることが可能になる。また、当接部が被支持物の後方に当接することによって、脚部片が被支持物に押さえられた状態となり、接触面部が静置面に接触する被支持物の支持状態を安定に維持することができる。
【0013】
また、上記接触面部および当接部を有する構成において、台紙は、当接部が被支持物の後方に当接することにより、少なくとも台紙下部が後方に向かって傾斜した形状を有する構成とすることが好ましい。さらに、当該構成では、被支持物を静置面に接触させた状態で支持することが好ましい。
当該構成によれば、当接部が被支持物の後方に当接して、少なくとも台紙下部が後方に向かって傾斜するので、台紙の下端部が接触する静置面の位置が後方にシフトする。ゆえに、支持体の前後方向の長さが延びて、前後方向に対する安定性が向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る支持体は、プラスチックケースを使用することなく、従来のブリスターパックと同様に良好なディスプレイ性を発現し、被支持物の安定した自立を可能にする。本発明に係る支持体によれば、プラスチックケースを使用しないため、被支持物を支持する前において嵩張らず、輸送性を向上させることができ、また、材料コストや環境負荷の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態である支持体を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図2】図1に示す支持体の側面図である。
【図3】図1に示す支持体の底面図である。
【図4】本発明の第1実施形態である支持体を示す平面図であって、折り畳み形態を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態である支持体において、被支持物の支持形態を作製する過程を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態である支持体の第1変形例を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態である支持体の第1変形例を示す平面図であって、折り畳み形態を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態である支持体の第2変形例を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図9】図8に示す支持体の底面図である。
【図10】本発明の第1実施形態である支持体の第2変形例を示す平面図であって、折り畳み形態を示す図である。
【図11】本発明の第1実施形態である支持体の第3変形例を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態である支持体を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図13】図12に示す支持体の側面図である。
【図14】本発明の第2実施形態である支持体を示す平面図であって、折り畳み形態を示す図である。
【図15】本発明の第2実施形態である支持体の変形例を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図16】図15に示す支持体の側面図である。
【図17】本発明の第2実施形態である支持体の変形例を示す平面図であって、折り畳み形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を用いて、本発明に係る支持体の実施形態について以下説明する。なお、図1〜図11は、第1実施形態である支持体10を、図12〜図17は、第2実施形態である支持体50を、それぞれ示す図である。
【0017】
また、以下の実施形態では、被支持物として、チューブ状容器100を例示するが、本発明に係る支持体の被支持物はこれに限定されない。図1に示すように、チューブ状容器100は、内容物が充填されている容器本体101と、注出部と、注出部に着脱自在に取り付け可能なキャップ部102とから構成されており、容器本体101およびキャップ部102に沿った方向(長手方向)に細長く、前後対称、左右対称の形状を有している。容器本体101は、柔軟性のある円筒中空状に形成され、その一端部に注出部が形成され、他端部は熱溶着により偏平状に閉塞されている。キャップ部102は、容器本体101よりも直径が小さく、先端側に向かって縮径した略円柱形状を有する。なお、支持体10において、チューブ状容器100は、キャップ部102を鉛直下方に向け、長手方向が鉛直方向に沿うように支持されている。
【0018】
また、以下の実施形態では、支持体は、チューブ状容器100を支持して、静置面200上に自立させるものとして説明する。即ち、静置面200とは、支持体に支持されるチューブ状容器100が自立する面を意味する。静置面200としては、例えば、店頭で商品が並べられる一般的な商品棚やテーブル等の平坦な面が例示できる。或いは、緩やかな曲面や多少の凹凸がある面であってもよい。なお、支持体に支持されるチューブ状容器100は、静置面200に接触していてもよいし、非接触であってもよい。
【0019】
なお、本明細書では、被支持物が保持される台紙の面を前面と定義し、当該前面を基準として前方、後方の用語を用いる。また、支持体等の前後に略沿った方向である前後方向、鉛直方向に略沿った方向である上下方向、上下方向に略直交する方向である幅方向又は横方向等の用語を用いる。また、上下方向および前後方向に沿った長さを単に長さと称し、幅方向又は横方向に沿った長さを幅と称することがある。但し、これらの方向を示す用語は、支持体の構成を説明するために用いるものであって、支持体の構成要素と、方向との関係を限定するものではない。例えば、本発明に係る支持体は、台紙の後面が商品棚等の前方に向いて陳列されることがあってもよい。
【0020】
<第1実施形態>
図1〜図5を用いて、第1実施形態である支持体10について以下説明する。まず初めに、図1〜図4を用いて、支持体10の構成を説明する。
【0021】
図1〜図3は、支持体10にチューブ状容器100が支持されて、支持体10によって静置面200上に自立している状態を示す図である。なお、同図に示す例では、チューブ状容器100が静置面200に接触しない状態で支持されている。
図1〜図3に示すように、支持体10は、チューブ状容器100を支持して静置面200上に自立させる機能を有し、チューブ状容器100を包装する熱収縮性フィルム11と、熱収縮性フィルム11が貼着された台紙12とから構成される。そして、台紙12は、前面19にチューブ状容器100を包装した熱収縮性フィルム11を貼着するための貼着部21を有する台紙本体13と、チューブ状容器100の前方を覆うことなく、台紙本体13の下部から前方に向かって延び、静置面200に接触する脚部片14とで構成されている。
【0022】
なお、詳しくは後述するが、台紙12には、脚部片14が折り曲げられる部分である折り曲げ罫線15と、台紙本体13と脚部片14とを分離する2本の切断線16と、が形成されている。そして、各線で囲まれた脚部片14が折り曲げ罫線15で前方に折り曲げられることで、図1〜図3に示す被支持物の支持状態が得られる。ここで、支持状態とは、チューブ状容器100を支持して、静置面200上に自立させる状態を意味し、当該状態における支持体10の形態を支持形態又は自立形態と称する。
【0023】
熱収縮性フィルム11は、台紙本体13の貼着部21に貼着され、熱収縮により被支持物であるチューブ状容器100を包装する部材である。さらに、熱収縮性フィルム11は、脚部片14の前面19に接合され、熱収縮により台紙本体13と平行に折り畳まれた状態(図5(a)参照)の脚部片14を前方に向かって延びるように折り曲げる。また、熱収縮性フィルム11は、上下両端が開口し、熱収縮前においてチューブ状容器100が挿入可能な筒状体として貼着部21に貼着されている。この熱収縮性フィルム11の筒状体は、チューブ状容器100と同等の長さを有し、熱収縮により先端および末端を除くチューブ状容器100の全体に密着する。勿論、チューブ状容器100の先端および末端に折れ込む長さにしてもよい。また、熱収縮性フィルム11の筒状体には、その上下方向に沿って図1〜図3では図示しないセンターシール部17(図4参照)と、ミシン目線18とが設けられている。
【0024】
熱収縮性フィルム11は、例えば、フィルムの両端をテトラヒドロフラン(THF)等の有機溶剤を用いて接合(センターシール)して筒状にされる。このとき形成される接合部がセンターシール部17であり、チューブ状容器100の後方に位置する部分に、筒状体の上下方向に沿って形成される。また、筒状体は、熱収縮性フィルム11の主延伸方向が周方向となるように形成される。
【0025】
なお、ミシン目線18は、熱収縮性フィルム11を切断するための切断補助線であって、熱収縮性フィルム11からチューブ状容器100を取り出そうとするときに切断される。一般的に、ミシン目線18は、列状に並んだ複数の微小な貫通孔から構成されており、例えば、チューブ状容器100の前方に位置する部分に形成することができる。図1に示す例では、筒状体の上部を残して筒状体の上下方向に沿って1本のミシン目線18が形成されているが、筒状体の全長にわたって形成されていてもよい。また、ミシン目線18は、複数条形成されていてもよい。また、ミシン目線18の形成位置は、商品デザイン等を阻害しないよう、チューブ状容器100の側方、後方に設けるのが好ましい。
【0026】
熱収縮性フィルム11を構成する樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系、ポリスチレン系(PS)、並びにポリ乳酸(PLA)、ポリアミド、およびポリ塩化ビニル等の樹脂からなるフィルムが挙げられる。これらのうち、適切な収縮応力と高い透明性を有することから、ポリエステル系、ポリオレフィン系、およびポリスチレン系のフィルムが好ましく、ポリエステル系フィルムが特に好ましい。また、これらの樹脂を2種以上混合した樹脂混合物を含むフィルムを用いることもできるし、2種以上のフィルムを積層した積層フィルムを用いることもできる。
【0027】
熱収縮性フィルム11は、優れた熱収縮特性を発現するために、少なくとも一方向に延伸された一軸延伸フィルムであって、筒状体の周方向に熱収縮するフィルムが好ましいが、筒状体の長さ方向にも熱収縮する二軸延伸フィルムであってもよい。熱収縮性フィルム11の熱収縮率としては、主延伸方向に対して、20〜80%(90℃の温水に10秒間浸漬)であることが好ましく、30〜80%であることが特に好ましい。
【0028】
熱収縮性フィルム11の厚みとしては、特に限定されないが、10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは15〜80μm、特に好ましくは20〜50μmである。また、熱収縮性フィルム11としては、チューブ状容器100に施された印刷が見えるように、無色透明の樹脂フィルムが用いられるが、着色された樹脂フィルム、或いは商品名やデザイン等を表示するための印刷層が形成された樹脂フィルムを用いることもできる。
【0029】
台紙12は、上記のように、台紙本体13と、脚部片14とで構成されるシート状の部材であって、熱収縮性フィルム11を介してチューブ状容器100を保持し、チューブ状容器100の自立を支持する部材である。図1に示す例では、折り曲げ罫線15と切断線16とが台紙12に形成されることで(図4参照)、1つの台紙12から台紙本体13と脚部片14とが構成されている。なお、脚部片14を折り曲げ易くするために、台紙本体13と脚部片14との境界位置に形成される折り曲げ部としては、折り曲げ罫線15だけでなく、ハーフカット線、ミシン目線等を用いることができる。また、切断線16としては、台紙本体13と脚部片14とを容易に分離することができれば特に限定されず、例えば、切込み、ハーフカット線、ミシン目線等を用いることができる。
【0030】
台紙12を構成するシートの具体例としては、特に限定されず、例えば、熱収縮性フィルム11と同様の樹脂等からなる樹脂製シートや紙材を主基材とするシートを用いることができる。一般的には、紙材を主基材とするシートが用いられる。紙材を主基材とするシートは、例えば、紙のみからなる厚紙や紙製シートに各種樹脂をコーティング又は樹脂製シートを張り合わせた合成紙等が挙げられる。なお、以下では、台紙12は、紙材を主基材とするシートから構成されるものとして説明する。
【0031】
台紙12の厚みとしては、剛性や加工性を考慮して設定されることが好ましく、少なくとも台紙本体13、脚部片14がチューブ状容器100の重量等により意図しない箇所で折れ曲がる、或いは湾曲するといったことがなく、チューブ状容器100を十分に支持できる程度の厚みに設定される。台紙12の厚みは、それを構成するシートによっても多少異なるが、例えば、0.2〜2mm程度の厚みが好ましく、0.5〜1.5mm程度の厚みがより好ましい。
【0032】
台紙本体13は、互いに平行な前面19および後面20を有する平坦なシートである。台紙本体13は、チューブ状容器100が貼着される部分であると共に、支持体10の後脚として機能する部分でもあり、チューブ状容器100を貼着するための貼着部21と、チューブ状容器100の後方に位置する静置面200に接触する台紙本体下端部22とを有する。また、台紙本体13には、上端部近傍の幅方向の中央部に、吊り下げ孔23が設けられている。この吊り下げ孔23は、店頭で吊り下げ陳列されるときに、ハンガー棒等が通される貫通孔である。
【0033】
台紙本体13の形状としては、例えば、平面形状が略矩形形状であって、チューブ状容器100のサイズよりも大きな上下方向および幅方向の長さを有し、チューブ状容器100の後方を完全に覆う形状とすることができる。また、台紙本体13は、被支持物の支持状態、即ち支持体10の支持形態で、下部の2箇所に三角形状の切れ込みが形成されている。この切れ込みは、前方に折り曲げられた脚部片14に対応するものであり、折り曲げ罫線15および切断線16によって、チューブ状容器100が位置する部分の両側に形成されている。
【0034】
貼着部21は、台紙本体13の前面19の一部に設けられている。図1に示す例では、貼着部21は、前面19の幅方向の中央部であって、脚部片14の上端よりやや上方の上下方向に長い領域に設けられており、被支持物の支持状態で、容器本体101の後方に位置する。貼着部21は、上記のように、チューブ状容器100が包装された熱収縮性フィルム11を貼着する機能を有し、例えば、前面19の形成予定位置に接着剤を塗布する、或いは両面粘着テープ等を貼着することで形成される。なお、以下では、貼着部21は、接着剤の塗布により形成されるものとして説明する。
【0035】
貼着部21を形成する接着剤は、熱収縮性フィルム11との接着強度が強く、チューブ状容器100等の荷重に耐えて、流通・陳列過程における長時間の接着状態を維持できる接着剤であれば種々の接着剤を使用することができる。接着剤の例示としては、エラストマー系接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤、およびホットメルト接着剤等が挙げられ、特に加熱塗工でき、常温で粘着性を有するホットメルト接着剤が好適である。なお、接着強度は、接着剤の種類だけでなく、接着剤の塗布面積や各種添加物等によっても調整することができ、被支持物の重量等に応じて適宜調整できる。
【0036】
台紙本体下端部22は、被支持物の支持状態で、台紙本体13の下端に位置する部分であって、前面19の貼着部21に貼着されたチューブ状容器100の後方に位置する静置面200に接触する部分である。台紙本体13の下部には、その幅方向の中央部の両側に、脚部片14に対応する上記切れ込みが形成されており、台紙本体下端部22は、その切れ込みに挟まれた部分、および切れ込みの両側に存在する。即ち、台紙本体下端部22は、被支持物の支持状態で、キャップ部102の後方に位置する台紙本体13の幅方向の中央部と、幅方向の両側部に位置する。また、台紙本体下端部22は、平坦な静置面200に隙間なく接触可能な凹凸のない平坦な形状(直線形状)を有している。なお、下端部22は、平坦な静置面200に対して、幅(W)×台紙本体13の厚み(T)に相当する接触面積を有し、W又はTを調整することで接触面積を適宜変更することができる。
【0037】
なお、図示しないが、台紙本体13の前面19および後面20には、一般的に、商品名(チューブ状容器100に充填された商品の名称)やデザイン、商品説明等を表示するための印刷が施される。
【0038】
脚部片14は、被支持物の支持状態で、台紙本体13の下部から前方に向かって延び静置面200に接触する部分であって、支持体10の前脚として機能する。ここで、台紙本体13の下部とは、例えば、台紙本体13の貼着部21よりも下方部分である。また、脚部片14は、上記のように、熱収縮性フィルム11の熱収縮により前方に向かって延びるように折り曲げられる。図1に示す例において、脚部片14は、平面形状が三角形状、より詳しくは根元部24から先端部25側に進むにつれて上下方向の長さが短くなる三角形状の片であって、脚部片下端部26と、図2および図3に示す接合部27とを有する。
【0039】
なお、根元部24は、被支持物の支持状態で、脚部片14の後方端に位置する付け根部分である。根元部24は、静置面200に接触する脚部片下端部26から上下方向に沿って真っ直ぐ延びており、容器本体101とキャップ部102との境界位置付近にその上端が位置する。一方、先端部25は、被支持物の支持状態で、脚部片14の前方端に位置する部分であり、チューブ状容器100よりも前方に位置している。
【0040】
また、脚部片14は、キャップ部102を挟持するように、チューブ状容器100の両側に設けられている。各脚部片14は、チューブ状容器100の側方に位置して、チューブ状容器100の前方を覆うことなく、図3に示すように、台紙本体13の前面19に対して直交する方向に沿ってチューブ状容器100よりも前方まで延びている。即ち、2つの脚部片14は、互いに平行であって、互いの間隔がキャップ部102の最大直径と同程度に設定されている。
【0041】
脚部片下端部26は、被支持物の支持状態で、脚部片14の下端に位置する部分であって、静置面200に接触する。脚部片下端部26は、台紙本体下端部22と同様に、平坦な静置面200に隙間なく接触可能な凹凸のない平坦な形状(直線形状)を有する。そして、根元部24から先端部25にわたって静置面200に接触している。図2および図3に示すように、根元部24付近に位置する脚部片下端部26は、チューブ状容器100よりも後方であって、その重心P1に対応する静置面200上の位置P2(以下、重心対応位置P2とする)よりも後方の静置面200に接触する。一方、先端部25付近に位置する脚部片下端部26は、チューブ状容器100よりも前方であって、重心対応位置P2よりも前方の静置面200に接触している。ここで例示する形態のように、脚部片14の根元部24から先端部25までの長さ(以下、単に脚部片14の長さとも称する)は、先端部25が重心対応位置P2よりも前方まで延びるように設定されることが好ましい。
【0042】
なお、チューブ状容器100の重心P1に対応する静置面200上の位置である重心対応位置P2とは、重心P1から鉛直方向に下ろした線と静置面200とが交わる位置を意味する。重心P1の位置は、被支持物によって異なり、重心対応位置P2も被支持物によって異なるので、脚部片14の長さは、被支持物にとって適切な長さに適宜変更することが好ましい。
【0043】
接合部27は、図2および図3に示すように、脚部片14の前面に設けられ、脚部片14と熱収縮性フィルム11とを接合する機能を有する。接合部27には、熱収縮性フィルム11の熱収縮により脚部片14が引っ張られても剥離せず、支持体10の流通・販売時等の長期わたって脚部片14と熱収縮性フィルム11との接合状態を維持することが要求される。具体的に、接合部27は、その形成予定位置に接着剤を塗布する、或いは両面粘着テープ等を貼着することで形成され、例えば、貼着部21と同様の接着剤を用いて形成することができる。なお、脚部片14の前面とは、脚部片14が折り畳まれて台紙本体13と平行になった状態で(図4参照)、台紙本体13の前面19と同じ方向を向く面を意味する。
【0044】
次に、図4を用いて、支持体10の構成をさらに説明する。
【0045】
図4は、支持体10の折り畳み形態(折り畳み状態)を示す平面図である。折り畳み形態とは、脚部片14が前方に折り曲げられておらず、台紙本体13と脚部片14とが同一平面上に配置され折り畳まれた形態を意味する。なお、図4において、熱収縮性フィルム11は、熱収縮前の状態であり、符号に( )を付して熱収縮後の状態と区別する。また、被支持物の支持状態で台紙本体下端部22および脚部片下端部26となる部分についても、符号に( )を付して支持形態と区別し、台紙本体下端部(22)および脚部片下端部(26)が位置する台紙12の端部を台紙12の下端部と称して説明する。
【0046】
図4に示すように、熱収縮性フィルム(11)は、センターシール部17を有し、チューブ状容器100が挿入可能な筒状体として、台紙本体13の前面19に設けられた貼着部21に貼着されている。熱収縮性フィルム(11)の筒状体は、その直径がチューブ状容器100の最大直径よりも大きく、また、その長さがチューブ状容器100の長さとほぼ同じであり、熱収縮により先端および末端を除くチューブ状容器100の全体を覆う。また、チューブ状容器100は、キャップ部102の先端が静置面200に接触しない状態で支持されるから、熱収縮性フィルム(11)の筒状体の下端が、台紙本体13の下端からやや上方の位置となるように、貼着部21に貼着されている。
【0047】
折り畳み形態の台紙12は、その平面形状が矩形形状であって、その下部に三角形状の片である2つの脚部片14を有する。台紙12には、その下端部から上下方向に沿って真っ直ぐ延びた折り曲げ罫線15と、折り曲げ罫線15よりも側方に位置する下端部から上方に延びて折り曲げ罫線15につながった切断線16とが形成される。ここで示す例では、切断線16は、直線形状であり、台紙12の上下方向に対して斜めに形成されている。そして、切断線16の上端と折り曲げ罫線15の上端とがつながり、折り曲げ罫線15および切断線16に囲まれた三角形状の脚部片14とそれ以外の部分である台紙本体13とが台紙12に形成される。即ち、切断線16が、台紙本体13と脚部片14とを分離する線であり、折り曲げ罫線15が、台紙本体13と脚部片14との境界位置を決める線である。
【0048】
折り曲げ罫線15および切断線16は、2つの脚部片14に対応して、それぞれ1本ずつ合計2本設けられている。各折り曲げ罫線15は、キャップ部102の直径に対応する幅だけ離間し、貼着部21を中心として左右に分かれて、等しい長さで形成される。また、各切断線16は、台紙本体13の左右両側に台紙本体下端部(22)を残した台紙12の下端位置、即ち対応する折り曲げ罫線15よりも側方に位置する下端位置から、対応する折り曲げ罫線15の上端まで斜め上方に向かって真っ直ぐ形成されている。なお、各切断線16において、その傾斜方向が互いに異なり、左側の切断線16は、右斜め上方に向かって形成され、右側の切断線16は、左斜め上方に向かって形成される。
【0049】
脚部片14は、折り曲げ罫線15および切断線16の長さ、形状、形成位置等を調整することによって、そのサイズや形状、台紙本体13に対する位置等を適宜変更できる。例えば、図4に示す例において、折り曲げ罫線15の長さを長くすれば、脚部片14の上下方向の長さが長くなり、切断線16の始点を台紙12の側端方向に移動させれば、脚部片14の支持形態における前後方向の長さが長くなる。なお、折り曲げ罫線15は、上下方向に沿った直線形状であることが好ましいが、被支持物の形状に応じて適宜設定可能であり(例えば、ハの字状)、切断線16は、L字形状(図8参照)や円弧形状に形成されてもよい。
【0050】
次に、図5を用いて、支持体10の支持形態を作製する手順を説明する。
【0051】
図5は、折り畳み形態から支持形態を作製する過程を示す側面図である。図5(a)は、折り畳み形態を、図5(c)は、支持形態を、それぞれ示す図である。
まず初めに、図5(a)に示す折り畳み形態において、台紙本体13の貼着部21に貼着された熱収縮性フィルム(11)の筒状体の内部に、開放された上端又は下端からチューブ状容器100を挿入する。このとき、キャップ部102が脚部片14側となるようにチューブ状容器100を挿入し、図5(b)に示す状態の支持体10を得る。
【0052】
なお、図5(b)に示す状態の支持体10では、チューブ状容器100の挿入により熱収縮性フィルム(11)の筒状体が前後方向に拡がり、拡がった熱収縮性フィルム(11)に引っ張られて脚部片14が前方に折れ曲がっている。しかし、脚部片14は、チューブ状容器100の前方まで延びておらず、2つの脚部片14は前方に向かってハの字状に拡がった状態である。
【0053】
続いて、熱収縮性フィルム(11)を熱収縮させ、チューブ状容器100を包装する。図4(c)に示すように、熱収縮性フィルム11は、先端および末端を除く全体を覆ってチューブ状容器100に密着し、台紙本体13の前面19に熱収縮性フィルム11を介してチューブ状容器100が貼着された状態の支持体10が得られる。なお、熱収縮性フィルム11の熱収縮処理は、例えば、所定温度に設定された熱風トンネルを用いて行うことができる。
【0054】
熱収縮性フィルム(11)でチューブ状容器100を包装する包装工程において、脚部片14が、熱収縮性フィルム(11)の熱収縮応力により引っ張られて、前方に向かって延びるように折り曲げられる。具体的には、当該包装工程において、ハの字状に拡がった脚部片14が、熱収縮性フィルム11を介してキャップ部102の側部に当接し、台紙本体13の前面19に対して直交する方向に沿って、チューブ状容器100よりも前方まで延びるように、折り曲げ罫線15で折り曲げられる。
【0055】
次に、上記構成を備える支持体10の作用効果について説明する。
【0056】
図1〜図3に示すように、支持体10は、熱収縮性フィルム11で包装されたチューブ状容器100を台紙本体13の貼着部21で貼着して支持する。そして、支持体10は、台紙本体13の台紙本体下端部22がチューブ状容器100の後方の静置面200に、脚部片14の脚部片下端部26がチューブ状容器100の後方から前方まで延びて静置面200にそれぞれ接触する。即ち、台紙本体13が支持体10の後脚、脚部片14が支持体10の前脚として、それぞれ機能し、チューブ状容器100が静置面200に接触していない形態であっても、その重量を分散して安定した自立状態を実現する。
【0057】
また、支持体10において、脚部片14の先端部25付近の脚部片下端部26は、チューブ状容器100の重心対応位置P2よりも前方の静置面200に接触し、且つ台紙本体13の台紙本体下端部22もチューブ状容器100の重心対応位置P2よりも後方の静置面200に接触する。さらに、先端部25付近の脚部片下端部26および台紙本体下端部22は、チューブ状容器100の前後において、チューブ状容器100の両側の静置面200に接触する。したがって、支持体10は、前後方向および横方向のいずれから力を受けても、その力を十分に受容することができ、支持体10の転倒を高度に防止することができる。
【0058】
また、脚部片14は、チューブ状容器100の側方に位置して、図3に示すように、台紙本体13の前面19に対して垂直な方向に延び、チューブ状容器100の前方を覆うことがないので、プラスチックケースを使用したブリスターパックと同様の優れたディスプレイ性を備える。
【0059】
さらに、脚部片14は、その前面に熱収縮性フィルム11が接合される接合部27を有するので、熱収縮性フィルム11の熱収縮を利用して、折り畳まれた脚部片14を前方に向かって延びるように折り曲げることができる。支持体10によれば、熱収縮性フィルム11を熱収縮させてチューブ状容器100を包装する工程において、熱収縮性フィルム11がチューブ状容器100に密着しようとする熱収縮応力により、熱収縮性フィルム11に接合された脚部片14を折り曲げ罫線15で前方に折り曲げることができる。ゆえに、脚部片14の折り曲げ工程を別途設けることなく、簡便に支持体10の支持形態を得ることが可能になる。
【0060】
なお、上記では、台紙本体13の前面19に熱収縮性フィルム11に包装されたチューブ状容器100を保持するために、貼着部21を例示したが、保持手段としてはこれに限定されず、例えば、台紙本体13に熱収縮性フィルム11を引っ掛ける切り込み部を形成してチューブ状容器100を保持することもできる。
【0061】
ここで、図6〜図11を用いて、支持体10の変形例(10x,10y,10z)を説明する。なお、以下では、支持体10と同一の構成要素については同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0062】
図6および図7を用いて、第1変形例の支持体10xについて説明する。図6は、支持体10xの支持形態を示す斜視図であり、図7は、支持体10xの折り畳み形態を示す平面図である。
図6に示すように、支持体10xにおいて、台紙12xの台紙本体13xは、幅方向の中央部に貼着部を有さず、幅方向の中央部を中心として左右両側に、貼着部21xが前面19xに形成された2つの保持片30を有する点で、支持体10の台紙本体13と異なる。なお、2つの保持片30の前面19に形成される各貼着部21xは、支持体10の貼着部21と同じ接着剤等を用いて形成することができる。
【0063】
保持片30は、被支持物の支持状態で、脚部片14と同様に前方に延び、その前面19xに形成された貼着部21xにより熱収縮性フィルム11を介してチューブ状容器100を貼着保持する部分である。具体的に、保持片30は、前方に折り曲げられてチューブ状容器100の容器本体101の側部に当接し、左右両側から容器本体101を挟持している。また、保持片30は、貼着部21xにより熱収縮性フィルム11と接合されているので、脚部片14xと同様に、折り畳まれた状態(図7参照)から熱収縮性フィルム11の熱収縮によって前方に折り曲げられる。
【0064】
図6に示す例において、保持片30は、台紙本体13xの一部から構成されており、熱収縮性フィルム11の熱収縮によって前方に折り曲げられると、保持片30の形状に対応する開口部33が形成される。また、保持片30は、脚部片14のように静置面200に接触しないので、チューブ状容器100よりも前方まで延びる必要はなく、その前後方向の長さは、ディスプレイ性向上の観点等から、チューブ状容器100を保持できる限り短い方が好ましい。また、平面形状が上下方向に沿って長い矩形形状を有する保持片30を例示するが、保持片30の形状は、他の多角形状(三角形状、六角形状)や半円形状等、被支持物の形状等に合わせて適宜変更することができる。
【0065】
図7に示すように、折り畳み形態の台紙12xは、その下部に三角形状の2つの脚部片14と、各脚部片14の上方に矩形形状の2つの保持片30を含む台紙本体13xとを有する。台紙本体13xには、脚部片14の折り曲げ罫線15よりも側方にシフトした位置に、上下方向に沿って真っ直ぐ延びた保持片用折り曲げ罫線31が形成され、さらに、保持片用折り曲げ罫線31の上端と下端とをつなぐコの字形状の保持片用切断線32が形成される。保持片用折り曲げ罫線31および保持片用切断線32に囲まれた部分が保持片30であって、その保持片30の前面19に貼着部21xが形成されている。なお、保持片30の貼着部21xと、対応する脚部片14の接合部27とは、上下方向に沿って列状に形成されていることが好ましい。即ち、左側の接合部27と、左側の貼着部21xとが上下方向に沿って列状に形成され、右側の接合部27と、右側の貼着部21xとが上下方向に沿って列状に形成される。
【0066】
上記構成を備える支持体10xによれば、被支持物の支持形態において、保持片用折り曲げ罫線31で前方に折り曲げられ、その前面19に貼着部21xが形成された保持片30が容器本体101の両側に設けられているので、チューブ状容器100を両側から挟んで貼着保持することができる。また、保持片30は、熱収縮性フィルム11の熱収縮を利用して前方に折り曲げられるので、折り曲げ工程を別途設けることなく、簡便に支持体10xの支持形態を得ることができる。また、各貼着部21xと、対応する脚部片14の接合部27とは、上下方向に沿って列状に形成されるので、例えば、貼着部21xおよび接合部27を形成するための接着剤の塗布装置を共用することができ、良好な連続生産性を実現できる。
【0067】
次に、図8〜図10を用いて、第2変形例の支持体10yについて説明する。図8は、支持体10yの支持形態を示す斜視図であり、図9は、図8の底面図であり、図10は、支持体10yの折り畳み形態を示す平面図である。
図8および図9に示すように、支持体10yにおいて、台紙12yは、支持体10の台紙12と比較して、貼着部21を有する台紙本体13yと、脚部片14yとから構成される点で共通するが、脚部片14yの上にチューブ状容器100が載った状態で保持される点で異なる。また、当該構成の相違により、熱収縮性フィルム11yは、チューブ状容器100のキャップ部102よりも下方に延びて、図9に示すように、その下端が脚部片14yの接合部27yに接合された構成を有する。
【0068】
脚部片14yは、被支持物の支持状態で、熱収縮性フィルム11の熱収縮によって100の重心対応位置P2よりも前方に延びるように折り曲げられ、脚部片下端部26yが静置面200に接触して、支持体10yの前脚として機能する点で、支持体10の脚部片14と共通する。一方、2つの脚部片14yは、それらの間にチューブ状容器100が存在せず、載置部34を有する点で、支持体10の脚部片14と異なる。
【0069】
載置部34は、被支持物の支持状態で、チューブ状容器100が載せられて、その底面(キャップ部102の先端)が接触する部分である。載置部34は、チューブ状容器100を載せやすいように、凹凸のない直線形状を有し、脚部片14yの平面形状も前後方向に長い矩形形状とすることができる。
【0070】
また、2つの脚部片14yは、図9に示すように、それぞれの根元部24yの間隔がキャップ部102の直径よりも小さくなるように設計される。各脚部片14yは、熱収縮性フィルム11の熱収縮により互いに接近するように前方に向かって折り曲げられ、被支持物の支持状態で、前方に向かって間隔が狭くなったハの字状の形態となる。なお、熱収縮性フィルム11の下端は、キャップ部102の先端から下方に延びているため熱収縮応力が強く作用し、キャップ部102の直径よりも小さく縮径した形状となる。
【0071】
図10に示すように、折り畳み形態の台紙12yは、その下部に矩形形状の2つの脚部片14yを有する。台紙12yには、その下端から上下方向に沿って真っ直ぐ延びた折り曲げ罫線15yが形成され、さらに、台紙本体13yの両側に台紙本体下端部22yを残して折り曲げ罫線15よりも側方に位置する下端位置から、脚部片14yが矩形形状となるようにL字状に切り込まれた切断線16yが形成される。折り曲げ罫線15yおよび切断線16yに囲まれた部分が脚部片14yであって、脚部片14yの前面に接合部27yが形成されている。
【0072】
上記構成を備える支持体10yによれば、支持体10と同様に、熱収縮性フィルム11yの熱収縮を利用して脚部片14yを前方に折り曲げることができると共に、チューブ状容器100を脚部片14yの載置部34上に載せた状態で支持することが可能になる。
【0073】
次に、図11を用いて、第3変形例の支持体10zについて説明する。図11は、支持体10zの支持形態を示す斜視図である。
図11に示すように、支持体10zは、チューブ状容器100の貼着部21を有する台紙12zと、脚部片14zを有する脚部台紙35とから構成される。即ち、貼着部21を有する台紙12zと、脚部片14zとが別の台紙から構成されている。なお、台紙12zは、被支持物の支持状態で、脚部片14に対応する切れ込み等を有さない平坦なシートであり、その前面19zの下方に、脚部台紙35が接合される点で、支持体10の台紙12と異なる。
【0074】
脚部台紙35は、被支持物の支持状態で、台紙12zの前面19zに対して直交する方向に沿ってチューブ状容器100よりも前方まで延びる2つの脚部片14zと、各脚部片14zを連結して、台紙12zの前面19zに接合される連結部36とを有する。そして、脚部台紙35は、脚部片14zの前面に、熱収縮性フィルム11に接合される接合部(図示せず)が設けられ、脚部片14zの根元部24zと連結部36との境界位置に、図示しない折り曲げ罫線が形成されて、支持体10の脚部片14と同様に、熱収縮性フィルム11の熱収縮により脚部片14zが前方に折り曲げられる構成を備える。
【0075】
なお、脚部台紙35は、連結部36が台紙12zに接合されていなくてもよく、脚部片14zの接合部によって、或いは連結部36の前面にも接合部を設けて、熱収縮性フィルム11のみに接合される構成であってもよい。
【0076】
<第2実施形態>
図12〜図14を用いて、第2実施形態である支持体50について以下説明する。
【0077】
図12および図13は、支持体50にチューブ状容器100が支持されて、静置面200上に自立している状態を示す図である。
図12および図13に示すように、支持体50は、チューブ状容器100を支持して静置面200上に安定に自立させる機能を有し、チューブ状容器100を包装する熱収縮性フィルム51と、熱収縮性フィルム51が貼着された台紙52とから構成される。そして、台紙52は、前面57にチューブ状容器100を包装した熱収縮性フィルム51を貼着するための貼着部59を有する台紙本体53と、被支持物であるチューブ状容器100の支持状態で、チューブ状容器100の前方を覆うことなく、台紙本体53の下部から前方に向かって延び、静置面200に接触する脚部片54とで構成されている。
【0078】
ここで、被支持物の支持状態とは、チューブ状容器100を支持して、静置面200上に自立させる状態を意味し、当該状態における支持体50の形態を支持形態又は自立形態と称する。
【0079】
熱収縮性フィルム51は、台紙本体53の貼着部59に貼着され、熱収縮により被支持物であるチューブ状容器100を包装する部材である。また、熱収縮性フィルム51は、上下両端が開口し、熱収縮前においてチューブ状容器100が挿入可能な筒状体として貼着部59に貼着されている。この熱収縮性フィルム51の筒状体は、チューブ状容器100と同等の長さを有し、熱収縮により先端および末端を除くチューブ状容器100の全体に密着する。勿論、チューブ状容器100の先端および末端に折れ込む長さにしてもよい。また、熱収縮性フィルム51の筒状体には、その上下方向に沿って図12および図13では図示しないセンターシール部55(図14参照)と、ミシン目線56とが設けられている。
【0080】
熱収縮性フィルム51は、例えば、フィルムの両端をテトラヒドロフラン(THF)等の有機溶剤を用いて接合(センターシール)して筒状にされる。このとき形成される接合部がセンターシール部55であり、チューブ状容器100の後方に位置する部分に、筒状体の上下方向に沿って形成される。また、筒状体は、熱収縮性フィルム51の主延伸方向が周方向となるように形成される。
【0081】
なお、ミシン目線56は、熱収縮性フィルム51を切断するための切断補助線であって、熱収縮性フィルム51からチューブ状容器100を取り出そうとするときに切断される。一般的に、ミシン目線56は、列状に並んだ複数の微小な貫通孔から構成されており、例えば、チューブ状容器100の前方に位置する部分に形成することができる。図12に示す例では、筒状体の上部を残して筒状体の上下方向に沿って1本のミシン目線56が形成されているが、筒状体の全長にわたって形成されていてもよい。また、ミシン目線56は、複数条形成されていてもよい。また、ミシン目線18の形成位置は、商品デザイン等を阻害しないよう、チューブ状容器100の側方、後方に設けるのが好ましい。
【0082】
熱収縮性フィルム51を構成する樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系、ポリスチレン系(PS)、並びにポリ乳酸(PLA)、ポリアミド、およびポリ塩化ビニル等の樹脂からなるフィルムが挙げられる。これらのうち、適切な収縮応力と高い透明性を有することから、ポリエステル系、ポリオレフィン系、およびポリスチレン系のフィルムが好ましく、ポリエステル系フィルムが特に好ましい。また、これらの樹脂を2種以上混合した樹脂混合物を含むフィルムを用いることもできるし、2種以上のフィルムを積層した積層フィルムを用いることもできる。
【0083】
熱収縮性フィルム51は、優れた熱収縮特性を発現するために、少なくとも一方向に延伸された一軸延伸フィルムであって、筒状体の周方向に熱収縮するフィルムが好ましいが、筒状体の長さ方向にも熱収縮する二軸延伸フィルムであってもよい。熱収縮性フィルム51の熱収縮率としては、主延伸方向に対して、20〜80%(90℃の温水に10秒間浸漬)であることが好ましく、30〜80%であることが特に好ましい。
【0084】
熱収縮性フィルム51の厚みとしては、特に限定されないが、10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは15〜80μm、特に好ましくは20〜50μmである。また、熱収縮性フィルム51としては、チューブ状容器100に施された印刷が見えるように、無色透明の樹脂フィルムが用いられるが、着色された樹脂フィルム、或いは商品名やデザイン等を表示するための印刷層が形成された樹脂フィルムを用いることもできる。
【0085】
台紙52は、上記のように、台紙本体53と、脚部片54とで構成されるシート状の部材であって、熱収縮性フィルム51を介してチューブ状容器100を保持し、チューブ状容器100の自立を支持する部材である。図12に示す例では、第1折り曲げ罫線64aが台紙52に形成されることで、1枚の台紙52から台紙本体53と脚部片54とが構成されている。なお、脚部片54を折り曲げ易くするために、台紙本体53と脚部片54との境界位置に形成される折り曲げ部としては、第1折り曲げ罫線64aだけでなく、ハーフカット線、ミシン目線等を用いることができる。
【0086】
台紙52を構成するシートの具体例としては、特に限定されず、例えば、熱収縮性フィルム51と同様の樹脂等からなる樹脂製シートや紙材を主基材とするシートを用いることができる。一般的には、紙材を主基材とするシートが用いられる。紙材を主基材とするシートは、例えば、紙のみからなる厚紙や紙製シートに各種樹脂をコーティング又は樹脂製シートを張り合わせた合成紙等が挙げられる。なお、以下では、台紙52は、紙材を主基材とするシートから構成されるものとして説明する。
【0087】
台紙52の厚みとしては、剛性や加工性を考慮して設定されることが好ましく、少なくとも台紙本体53、脚部片54がチューブ状容器100の重量等により意図しない箇所で折れ曲がる、或いは湾曲するといったことがなく、チューブ状容器100を十分に支持できる程度の厚みに設定される。台紙52の厚みは、それを構成するシートによっても多少異なるが、例えば、0.2〜2mm程度の厚みが好ましく、0.5〜1.5mm程度の厚みがより好ましい。
【0088】
台紙本体53は、互いに平行な前面57および後面58を有する平坦なシートである。台紙本体53は、チューブ状容器100が貼着される部分であると共に、支持体50の後脚として機能する部分でもあり、チューブ状容器100を貼着するための貼着部59と、チューブ状容器100の後方に位置する静置面200に接触する下端部60とを有する。また、台紙本体53には、上端部近傍の幅方向の中央部に、吊り下げ孔61が設けられている。この吊り下げ孔61は、店頭で吊り下げ陳列されるときに、ハンガー棒等が通される貫通孔である。
【0089】
また、台紙本体53は、例えば、平面形状が矩形形状であって、チューブ状容器100のサイズよりも大きな上下方向および幅方向の長さを有し、チューブ状容器100の後方を完全に覆う形状を有する。さらに、台紙本体53は、詳しくは後述するように、下端部60に向かって後方に傾斜した形状を有している。
【0090】
貼着部59は、台紙本体53の前面57の一部に設けられている。図12に示す例では、前面57の幅方向の中央部、且つ後述する当接部63の上端位置よりも上部において、上下方向に沿って設けられている。貼着部59は、上記のように、チューブ状容器100が包装された熱収縮性フィルム51を貼着する機能を有し、例えば、前面57の形成予定位置に接着剤を塗布する、或いは両面粘着テープ等を貼着することで形成される。なお、以下では、貼着部59は、接着剤の塗布により形成されるものとして説明する。
【0091】
貼着部59を形成する接着剤は、熱収縮性フィルム51との接着強度が強く、チューブ状容器100等の荷重に耐えて、流通・陳列過程における長時間の接着状態を維持できる接着剤であれば種々の接着剤を使用することができる。接着剤の例示としては、エラストマー系接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤、およびホットメルト接着剤等が挙げられ、特に加熱塗工でき、常温で粘着性を有するホットメルト接着剤が好適である。なお、接着強度は、接着剤の種類だけでなく、接着剤の塗布面積や各種添加物等によっても調整することができ、被支持物の重量等に応じて適宜調整できる。
【0092】
下端部60は、被支持物の支持状態で、台紙本体53の下端に位置する部分であって、前面57の貼着部59に貼着されたチューブ状容器100の後方に位置する静置面200に接触する部分である。図12に示す例では、下端部60は、平坦な静置面200に隙間なく接触可能な凹凸のない平坦な形状(直線形状)を有しているが、例えば、デザイン的観点等により台紙本体53に切れ込みを形成し、幅方向の両側および中央部のみに下端部60を設けてもよい。なお、下端部22は、平坦な静置面200に対して、幅(W)×厚み(T)に相当する接触面積を有し、W又はTを調整することで接触面積を適宜変更することができる。
【0093】
なお、図示しないが、台紙本体53の前面57および後面58には、一般的に、商品名(チューブ状容器100に充填された商品の名称)やデザイン、商品説明等を表示するための印刷が施される。
【0094】
脚部片54は、被支持物の支持状態で、台紙本体53の下部から前方に向かって延び静置面200に接触する部分であり、支持体50の幅方向の中央部に、貼着部59と上下方向に沿って並んで設けられている。ここで、台紙本体53の下部とは、例えば、台紙本体53の貼着部59よりも下方部分であり、少なくとも下端部60を含む部分である。脚部片54は、台紙本体53の下部から前方に延びて、前方に延びた部分が上方に折れ曲がった片であり、接触面部62と、当接部63とを有する。
【0095】
また、脚部片54は、支持体10の脚部片14と異なってチューブ状容器100前方まで延びず、チューブ状容器100の後方に位置している。図12に示す例では、チューブ状容器100のキャップ部102が静置面200に接触した状態で支持され、キャップ部102が脚部片54よりも前方に位置する静置面200に接触している。即ち、支持体50は、キャップ部102を前脚として利用した構成である。
【0096】
接触面部62は、被支持物の支持状態で、台紙本体53とチューブ状容器100との間に位置する静置面200に接触する部分である。接触面部62は、台紙本体53との接続部分(境界位置)である根元から当接部63との接続部分(境界位置)である先端にわたって静置面200に接触し、支持体50の静置面200に対する接触面積を増加させる。即ち、接触面部62は、チューブ状容器100の後方に位置する静置面200に接触する平坦な面を有する部分である。
【0097】
図12に示す例では、接触面部62は、キャップ部102の直径と同等の幅を有し、その平面形状が幅方向にやや長い矩形形状を有している。接触面部62の幅および長さは、適宜変更することができ、例えば、その長さを長くすれば、静置面200に対する接触面積が増えると共に、詳しくは後述するように、台紙本体53の傾斜角度が大きくなる。また、接触面部62の形状としては、矩形形状に限られず、前方又は後方に向かってテーパーを有する台形形状やキャップ部102の直径よりも大きな幅を有する幅広の形状など、種々の形状とすることができる。
【0098】
当接部63は、被支持物の支持状態で、接触面部62の先端から上方に延びて、チューブ状容器100の後方に当接する部分であって、接触面部62が静置面200に接触する被支持物の支持形態を安定に維持する機能を有する。また、当接部63は、熱収縮性フィルム51とチューブ状容器100との間に挿入され、特に熱収縮性フィルム51の熱収縮によりチューブ状容器100の後方に押し付けられるように当接する。
【0099】
図12に示す例では、当接部63は、接触面部62との接続部分であり被支持物の支持状態で下端となる根元部分と、被支持物の支持状態で上端となる先端部分とが、それぞれキャップ部102と、容器本体101とに当接し、その平面形状が上下方向に長い矩形形状を有している。当接部63の長さは、適宜変更することができ、例えば、その長さが長ければ、チューブ状容器100に対する当接面積が増えて脚部片54の支持形態を維持し易くなる。当接部63の幅も、熱収縮性フィルム51の筒状体に挿入できる範囲で適宜変更できるが、意匠性等の観点からキャップ部102の直径よりも短くキャップ部102の後方に隠れる(例えば、当接部63がキャップ部102と容器本体101との境界位置(段差を有する位置)に設けられる)ことが好ましい。また、当接部63の形状としては、矩形形状に限られず、上方又は下方に向かってテーパーを有する台形形状や半円形状、三角形状など、種々の形状とすることができる。
【0100】
ここで、特に図13を参照して、台紙本体53が下端部60に向かって後方に傾斜した形状について説明する。
図13に示すように、台紙本体53は、中途部で湾曲したり折れ曲がったりすることなく、平坦なシート形状を有しており、全体が下端部60に向かって後方に傾斜した形状を有している。ゆえに、台紙本体53の下端部60は、鉛直方向に沿って真っ直ぐに延びる形状と比較して後方にシフトし、支持体50の後端に位置する下端部60からキャップ部102の前方までの長さが延びた形状となる。
【0101】
台紙本体53の傾斜形状は、脚部片54の当接部63がチューブ状容器100の後方に当接する構造に起因して形成される。即ち、チューブ状容器100により当接部63が後方に向かって押され、この力が、前後方向に沿って延びる接触面部62を介して台紙本体53に伝わり、台紙本体53の下端部60が後方にシフトするように傾斜する仕組みである。また、ここで例示する支持体50の支持形態では、容器本体101の後方部分が上方に向かって湾曲して次第に縮径しているので、台紙本体53は、その上部が容器本体101に沿って傾斜し、全体が平坦な状態を維持した傾斜形状となっている。
【0102】
次に、図14を用いて、支持体10の構成をさらに説明する。
【0103】
図14は、支持体50の折り畳み形態(折り畳み状態)を示す平面図である。折り畳み形態とは、脚部片54が前方に折り曲げられておらず、台紙本体53と脚部片54とが同一平面上に配置され折り畳まれた形態を意味する。なお、図14において、熱収縮性フィルム51は、熱収縮前の状態であり、符号に( )を付して熱収縮後の状態と区別する。
【0104】
図14に示すように、熱収縮性フィルム(51)は、センターシール部55を有し、チューブ状容器100が挿入可能な筒状体として、台紙本体53の前面57に設けられた貼着部59に貼着されている。熱収縮性フィルム(51)の筒状体は、その直径がチューブ状容器100の最大直径よりも大きく、また、その長さがチューブ状容器100の長さとほぼ同じであり、熱収縮により先端および末端を除くチューブ状容器100の全体を覆う。また、熱収縮性フィルム(51)の筒状体の下端が、台紙本体53の下端と一致するように、貼着部59に貼着されている。
【0105】
台紙52は、その平面形状が略矩形形状であって、長手方向に沿った矩形形状の一方端の中央部から長手方向に沿って延出した延出部が形成された形状を有している。この延出部が脚部片54であって、延出部を除く矩形形状部が台紙本体53である。そして、脚部片54である延出部が形成される一方端が、支持形態において静置面200に接触する下端部60である。
【0106】
脚部片54には、その根元部である台紙本体53との境界位置および脚部片54の中途部に、脚部片第1折り曲げ罫線64aおよび脚部片第2折り曲げ罫線64bがそれぞれ形成されている。脚部片第1折り曲げ罫線64aと脚部片第2折り曲げ罫線64bに挟まれた部分が接触面部62であり、脚部片第2折り曲げ罫線64bより先端側が当接部63である。そして、脚部片54は、被支持物の支持状態において、脚部片第1折り曲げ罫線64aで全体が前方に折り曲げられ、脚部片第2折り曲げ罫線64bで当接部63が上方に折り曲げられる。なお、脚部片第1折り曲げ罫線64aは、台紙本体53の下端部(60)に沿って形成され、脚部片第2折り曲げ罫線64bは、脚部片第1折り曲げ罫線64aと平行に形成されている。接触面部62の長さ、又は接触面部62と当接部63との長さの比率は、脚部片第2折り曲げ罫線64bの形成位置を調整することで適宜変更することができる。
【0107】
次に、支持体50の支持形態を作製する手順を例示する。
【0108】
まず初めに、台紙本体53の貼着部59に貼着された熱収縮性フィルム(59)の筒状体の内部に、脚部片第1折り曲げ罫線64aおよび脚部片第2折り曲げ罫線64bで前方に折り曲げられた脚部片54を挿入する。なお、脚部片54の接触面部62と台紙本体53とのなす角度、および接触面部62と当接部63とのなす角度は、それぞれ直角又は直角よりも小さな角度となるように折り曲げられる。次いで、筒状体の開放された上端又は下端からキャップ部102が脚部片14側となるようにチューブ状容器100を挿入する。このとき、脚部片54の当接部63がチューブ状容器100の後方に当接した状態となる。なお、熱収縮性フィルム(51)の熱収縮により当接部63がチューブ状容器100の後方に当接するものであってもよい。
【0109】
続いて、熱収縮性フィルム(51)を熱収縮させ、チューブ状容器100を包装する。熱収縮性フィルム51は、先端および末端を除く全体を覆ってチューブ状容器100に密着し、台紙本体53の前面57に熱収縮性フィルム57を介してチューブ状容器100が貼着された状態の支持体50が得られる。なお、熱収縮性フィルム11の熱収縮処理は、例えば、所定温度に設定された熱風トンネルを用いて行うことができる。
【0110】
次に、上記構成を備える支持体50の作用効果について説明する。
【0111】
図12および図13に示すように、支持体50は、熱収縮性フィルム51で包装されたチューブ状容器100を台紙本体53の貼着部59で貼着して保持することができる。そして、支持体50では、台紙本体53の下端部60および脚部片54の接触面部62が静置面200に接触して、チューブ状容器100の安定した自立を可能にする。即ち、脚部片54の接触面部62が静置面200に接触することで、静置面200に対する接触面積を増やすことができる。なお、ここで示す例では、チューブ状容器100のキャップ部102が静置面200に接触した状態で支持体50に支持されている。
【0112】
また、支持体50では、当接部63が被支持物であるチューブ状容器100の後方に当接することによって、脚部片54が被支持物に押さえられた状態となり、脚部片54がチューブ状容器100の後方から抜けることなく接触面部62が静置面200に接触する支持状態を安定に維持することができる。さらに、当接部63がチューブ状容器100の後方に当接することによって、台紙本体53がチューブ状容器100により後方に押された状態となり、下端部60が接触する静置面200の位置が後方にシフトするように、台紙本体53が後方に傾斜する。ゆえに、支持体50の後端に位置する下端部60からキャップ部102の前方までの長さが延びて、前後方向に対する安定性が向上する。
【0113】
また、支持体50では、脚部片14がチューブ状容器100の後方に位置して、チューブ状容器100の前方を覆うことないので、プラスチックケースを使用したブリスターパックと同様の優れたディスプレイ性を備える。
【0114】
ここで、図15〜図17を用いて、支持体50の変形例である支持体50xについて説明する。なお、以下では、支持体50と同一の構成要素については同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0115】
図15および図16は、支持体50xにチューブ状容器100が支持されて、静置面200上に自立している状態を示す図であり、図17は、支持体50xの折り畳み形態(折り畳み状態)を示す平面図である。
図15および図16に示すように、支持体50xにおいて、台紙52xは、支持体50の台紙52と同様に、貼着部59を有する台紙本体53xと、被支持物の支持状態で、台紙本体53とチューブ状容器100との間に位置する静置面200に接触する接触面部62xおよび接触面部62xから上方に延びてチューブ状容器100の後方に当接する当接部63xとを有する脚部片54xとから構成されている。
【0116】
一方、台紙本体53xは、下部のみが後方に傾斜した形状であって、具体的には、貼着部59の下方に幅方向に沿って形成された台紙本体折り曲げ罫線67で、当該罫線よりも下方部分が後方に折り曲げられた形状を有している。即ち、台紙本体53xは、台紙本体折り曲げ罫線67より上部である鉛直方向に沿った台紙本体上部65と、台紙本体折り曲げ罫線67よりも下部である後方に傾斜した台紙本体下部66とを有する。
【0117】
台紙本体上部65は、図16に示すように、貼着部59が形成された部分に形成された舌片68を有している。舌片68は、熱収縮性フィルム51の熱収縮により前方に湾曲又は折れ曲がる部分であって、台紙本体上部65の全体が前方に引っ張られて前傾することを防止する機能を有する。
【0118】
台紙本体下部66は、当接部63xがチューブ状容器100の後方に当接することで、台紙本体折り曲げ罫線67で後方に折れ曲がり、静置面200に接触する下端部60xが鉛直方向に沿って真っ直ぐに延びる形状よりも後方にシフトした形状を有している。また、ここで例示する形態では、中途部で湾曲したり折れ曲がったりすることなく、平坦なシート形状を有しているが、台紙本体下部66は、複数個所で折れ曲がった形状、或いは全体が湾曲した形状であってもよい。
【0119】
また、脚部片54xは、台紙52xの下部全体を前方に折り曲げて形成され、チューブ状容器100の前後左右に位置する静置面200の広い範囲に接触する接触面部62xを有する点で、支持体50の脚部片54と異なる。なお、当接部63xは、当接部63と同様に、貼着部59と上下方向に沿って並んで設けられ、その平面形状が矩形形状を有している。具体的に、接触面部62xは、台紙本体53xと同じ幅およびチューブ状容器100よりも前方まで延びる長さを有し、当接部63xに対応する矩形形状の切り込みが形成されたコの字形状を有している。また、当接部63xの幅は、チューブ状容器100のキャップ部102の直径よりも小さく、上記切り込みの幅もキャップ部102の直径よりも小さいから、支持体50xにおいて、チューブ状容器100は、接触面部62xの上に載った状態で支持されている。
【0120】
図17に示すように、台紙52xは、平面形状が矩形形状であって、長手方向の上方から順に、台紙本体折り曲げ罫線67、脚部片第1折り曲げ罫線64a、および脚部片第2折り曲げ罫線64bが、幅方向に沿って形成されている。台紙52xにおいて、台紙本体53xと、脚部片54xとの境界位置は、脚部片第1折り曲げ罫線64aが形成された位置であって、脚部片第1折り曲げ罫線64aより上部が台紙本体53x、脚部片第1折り曲げ罫線64aより下部が脚部片54xである。即ち、台紙52xを脚部片第1折り曲げ罫線64aで前方に折り曲げることで脚部片54xが形成されると共に、脚部片第1折り曲げ罫線64aの形成位置が台紙本体53xの下端部60xとなる。
【0121】
また、台紙本体上部65には、舌片用切断線69が、脚部片54xには、当接部用切断部70が、それぞれ形成されている。舌片用切断線69は、台紙本体上部65の幅方向の中央部に上下方向に沿って形成された貼着部59の周囲を囲み、貼着部59の下方に形成された台紙本体折り曲げ罫線67に交わるように形成されている。当接部用切断部70は、脚部片第2折り曲げ罫線64bに向かって台紙52xの下端から形成され、具体的には、脚部片第2折り曲げ罫線64bの両端に交わる互いに平行な2本が当接部用切断部70形成されている。
【0122】
なお、本発明に係る支持体は、上記第1実施形態、第2実施形態、およびそれらの変形例を適宜組み合わせた形態とすることが可能である。例えば、第1実施形態の台紙本体13(図2参照)に、第2実施形態の舌片68を適用してもよい。
【0123】
また、上記では、熱収縮性フィルムの筒状体は、上下両端が開放されているものとして説明したが、幅方向に沿って筒状体の上端に形成され、上端開口を塞ぐためのエンドシール部を有する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0124】
<第1実施形態>
10 支持体、11 熱収縮性フィルム、12 台紙、13 台紙本体、14 脚部片、15 折り曲げ罫線、16 切断線、17 センターシール部、18 ミシン目線、19 前面、20 後面、21 貼着部、22 台紙本体下端部、23 吊り下げ孔、24 根元部、25 先端部、26 脚部片下端部、27 接合部、30 保持片、31 保持片用折り曲げ罫線、32 保持片用切断線、33 開口部、34 載置部、35 脚部台紙、36 連結部、100 チューブ状容器、101 容器本体、102 キャップ部、200 静置面、P1 重心、P2 重心対応位置。
【0125】
<第2実施形態>
50 支持体、51 熱収縮性フィルム、52 台紙、53 台紙本体、54 脚部片、55 センターシール部、56 ミシン目線、57 前面、58 後面、59 貼着部、60 下端部、61 吊り下げ孔、62 接触面部、63 当接部、64a 第1折り曲げ罫線、64b 第2折り曲げ罫線、65 台紙本体上部、66 台紙本体下部、67 台紙本体折り曲げ罫線、68 舌片、69 舌片用切断線、70 当接部用切断線、100 チューブ状容器、101 容器本体、102 キャップ部、200 静置面、P1 重心、P2 重心対応位置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に被支持物が保持される台紙を備え、
被支持物の支持状態で、台紙の下端部が静置面に接触する支持体において、
被支持物の支持状態で、被支持物の側方、後方、又は下方に位置して被支持物の前方を覆うことなく、台紙下部から前方に向かって延び静置面に接触する脚部片を備えることを特徴とする支持体。
【請求項2】
請求項1に記載の支持体において、
台紙の前面に固定される熱収縮性フィルムを備え、
熱収縮性フィルムを介して、被支持物が台紙の前面に保持されることを特徴とする支持体。
【請求項3】
請求項2に記載の支持体において、
脚部片は、その前面に熱収縮性フィルムが接合される接合部を有し、熱収縮性フィルムの熱収縮により台紙と平行に折り畳まれた状態から前方に向かって延びるように折り曲げられることを特徴とする支持体。
【請求項4】
請求項3に記載の支持体において、
台紙は、
熱収縮性フィルムを介して被支持物が保持される台紙本体と、脚部片とから構成され、
台紙の下端部から上方に向かって形成される折り曲げ部と、
折り曲げ部よりも側方に位置する台紙の下端部から上方に向かって形成されて、折り曲げ部につながり、台紙本体と脚部片とを分離する切断線と、
を有し、熱収縮性フィルムの熱収縮により、折り曲げ部と切断線とに囲まれた脚部片が折り曲げ部で前方に折り曲げられることを特徴とする支持体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1に記載の支持体において、
脚部片は、その先端部が被支持物の重心に対応する静置面上の位置より前方の静置面に接触することを特徴とする支持体。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の支持体において、
脚部片は、
少なくとも台紙と被支持物との間に位置する静置面に接触する接触面部と、
接触面部の先端から上方に延びて被支持物の後方に当接する当接部と、
を有することを特徴とする支持体。
【請求項7】
請求項6に記載の支持体において、
台紙は、当接部が被支持物の後方に当接することにより、少なくとも台紙下部が後方に向かって傾斜した形状を有することを特徴とする支持体。
【請求項1】
前面に被支持物が保持される台紙を備え、
被支持物の支持状態で、台紙の下端部が静置面に接触する支持体において、
被支持物の支持状態で、被支持物の側方、後方、又は下方に位置して被支持物の前方を覆うことなく、台紙下部から前方に向かって延び静置面に接触する脚部片を備えることを特徴とする支持体。
【請求項2】
請求項1に記載の支持体において、
台紙の前面に固定される熱収縮性フィルムを備え、
熱収縮性フィルムを介して、被支持物が台紙の前面に保持されることを特徴とする支持体。
【請求項3】
請求項2に記載の支持体において、
脚部片は、その前面に熱収縮性フィルムが接合される接合部を有し、熱収縮性フィルムの熱収縮により台紙と平行に折り畳まれた状態から前方に向かって延びるように折り曲げられることを特徴とする支持体。
【請求項4】
請求項3に記載の支持体において、
台紙は、
熱収縮性フィルムを介して被支持物が保持される台紙本体と、脚部片とから構成され、
台紙の下端部から上方に向かって形成される折り曲げ部と、
折り曲げ部よりも側方に位置する台紙の下端部から上方に向かって形成されて、折り曲げ部につながり、台紙本体と脚部片とを分離する切断線と、
を有し、熱収縮性フィルムの熱収縮により、折り曲げ部と切断線とに囲まれた脚部片が折り曲げ部で前方に折り曲げられることを特徴とする支持体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1に記載の支持体において、
脚部片は、その先端部が被支持物の重心に対応する静置面上の位置より前方の静置面に接触することを特徴とする支持体。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の支持体において、
脚部片は、
少なくとも台紙と被支持物との間に位置する静置面に接触する接触面部と、
接触面部の先端から上方に延びて被支持物の後方に当接する当接部と、
を有することを特徴とする支持体。
【請求項7】
請求項6に記載の支持体において、
台紙は、当接部が被支持物の後方に当接することにより、少なくとも台紙下部が後方に向かって傾斜した形状を有することを特徴とする支持体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−25483(P2012−25483A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168964(P2010−168964)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]