説明

支持体

【課題】プラスチックケースを使用することなく、被支持物の良好なディスプレイ性を発現し、被支持物の安定した自立を可能にする支持体を提供することである。
【解決手段】支持体10は、被支持物であるチューブ状容器100を包装する熱収縮性フィルム11と、熱収縮性フィルム11に包装されたチューブ状容器100を貼着保持する台紙本体13と、チューブ状容器100の前方の一部に当接し、台紙本体13との間でチューブ状容器100を挟持する保持部14とを備え、台紙本体13は、保持部14との間でチューブ状容器100を狭持する支持状態で、チューブ状容器100が当接する幅方向の中央部が後方に膨出し、両側端部が前方に向かって湾曲した形状を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体に関し、より詳しくは、前面に被支持物が貼着される台紙を備え、被支持物の自立を支持する支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
商品が外側から見えるように包装した所謂ブリスターパックは、例えば、乾電池、電球等の小型電気製品、歯ブラシ、カミソリ、化粧品類など様々な商品について多く使用されている。一般的に、ブリスターパックは、商品の大きさや形状に合わせて成形され後面側に開口を有するプラスチックシートの成形体(以下、プラスチックケースとする)と、当該成形体の後面開口をカバーする台紙とから構成されている。
【0003】
一般的に、ブリスターパックは、吊り下げ陳列されることが多いが、商品棚等に自立させて陳列可能な形態も幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、台紙と、塩化ビニル樹脂等を真空成形したプラスチックケースとを備え、プラスチックケースの下端面に、自立させて陳列することを可能にする陳列用脚部が2ヶ所に設けられたスライド式ブリスターパックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007‐137443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されたブリスターパックは、商品棚等に自立させて陳列することが可能である。しかしながら、従来のブリスターパックは、商品の形状、脚部の形状に合わせて予め成形されたプラスチックケースを備えるので、組み立てる前でも嵩高く、輸送性が悪いという問題が指摘されている。また、成形体としての剛性を確保するためにプラスチックケースの薄肉化が困難であり、材料コストや環境負荷の軽減等の観点から改良の余地がある。
【0006】
本発明の目的は、プラスチックケースを使用することなく、被支持物の良好なディスプレイ性を発現し、被支持物の安定した自立を可能にする支持体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る支持体は、前面に被支持物が保持される台紙を備え、被支持物の支持状態で、台紙の下端部が静置面に接触する支持体において、台紙の前面に設けられる保持部であって、被支持物の前方に当接し、台紙との間で被支持物を挟持する保持部を備え、台紙および保持部の少なくともいずれか一方が、被支持物を挟持することで曲げられることを特徴とする。
当該構成によれば、曲げられた台紙および保持部の少なくともいずれか一方の下端部が静置面に接触し、プラスチックケースを使用しなくても、被支持物を安定して自立させることが可能になる。例えば、台紙は、保持部との間で被支持物を挟持することにより、少なくとも幅方向の両側部が前方に向かって曲げられるため、その下端部が静置面に接触する前後方向の長さが長くなり、特に前後方向に対する安定性が高くなる。
また、保持部は、被支持物の前方の一部に当接して、被支持物の前方を広く覆わないように設計されることが好ましく、本発明に係る支持体は、プラスチックケースを使用したブリスターパックと同様の優れたディスプレイ性を備える。
なお、保持部は、複数設けられていてもよいが、少なくとも1つは、台紙の下半部に、台紙の幅方向に沿って設けられることが好ましい。また、台紙は、保持部との間で被支持物を狭持した支持状態で、好ましくは幅方向の中央部が後方に膨出し、両側部が前方に向かって延びるように湾曲した形状であることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る支持体において、台紙は、被支持物の支持状態で、下端部が被支持物の重心に対応する静置面上の位置より前方の静置面に接触することが好ましい。
当該構成によれば、より安定した自立形態を実現することができる。台紙は、特に支持体の後方から前方に向かって作用する力をより効果的に受容することができ、被支持物を支持した支持体が前方へ転倒することをより高度に防止することができる。
【0009】
また、本発明に係る支持体において、台紙は、前面に被支持物が保持され下端部が静置面に接触する台紙本体と、保持部と、から構成され、保持部は、台紙本体の両側部に所定幅を残して切り込まれた2本の切断線により形成される帯状体であり、台紙本体は、保持部との間で被支持物を挟持することにより、少なくとも幅方向の両側部が前方に向かって曲げられる構成とすることができる。
当該構成によれば、1枚の台紙に切断線を形成するという簡便な方法によって、台紙本体および保持部が構成されるので、支持体の生産性がより向上すると共に、被支持物の非支持状態で、台紙は平坦なシート形状であるから輸送性にも優れる。
なお、2本の切断線は、台紙の幅方向に対して交差する方向に形成することもできるが、台紙の幅方向に沿って形成されることが好ましく、互いに平行であることがより好ましい。
【0010】
また、本発明に係る支持体において、台紙は、前面に被支持物が保持され下端部が静置面に接触する台紙本体と、保持部と、から構成され、台紙本体は、切断線が切り込まれて被支持物が挿入可能な挿入開口が形成された台紙本体前面部と、台紙本体前面部に重ね合わされた台紙本体後面部と、を含み、台紙本体前面部の挿入開口の下方に位置する部分が保持部となり、挿入開口に挿入される被支持物に当接する構成とすることができる。
また、当該構成において、挿入開口の上縁に設けられた舌片部を備え、当該舌片部は、その前面上に被支持物を保持すると共に、台紙本体後面部の前面に接合された構成とすることができる。
【0011】
また、本発明に係る支持体において、保持部は、台紙の前面に両端部が固定された熱収縮性帯状体であり、台紙の前面と熱収縮性帯状体の後面との間に被支持物が挟持された状態で、熱収縮性帯状体を熱収縮させることによって、台紙の少なくとも幅方向の両側部が前方に向かって曲げられた構成とすることができる。
当該構成によれば、熱収縮性フィルムの熱収縮を利用して、台紙が曲げられた形状を形成することができる。即ち、熱収性フィルムの熱収縮応力によって、熱収縮性フィルムの両端部が固定された台紙が引っ張られて曲げられる。ゆえに、熱収縮性フィルムの熱収縮前において、支持体は、保持部と台紙との間に被支持物を挿入するための余裕を有するので、保持部と台紙との間に被支持物を挿入し易くなり良好な生産性を実現することができる。
【0012】
また、本発明に係る支持体において、台紙の前面に固定され、熱収縮により被支持物を包装する熱収縮性フィルムを備える構成とすることができる。
当該構成によれば、熱収縮性フィルムにより被支持物を汚れや損傷から保護することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る支持体は、プラスチックケースを使用することなく、従来のブリスターパックと同様に良好なディスプレイ性を発現し、被支持物の安定した自立を可能にする。本発明に係る支持体によれば、プラスチックケースを使用しないため、被支持物を支持する前において嵩張らず、輸送性を向上させることができ、また、材料コストや環境負荷の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態である支持体を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図2】図1に示す支持体の側面図である。
【図3】図1に示す支持体の底面図である。
【図4】本発明の実施形態である支持体を示す平面図であって、非支持形態を示す図である。
【図5】本発明の実施形態である支持体の第1変形例を示す平面図であって、非支持形態を示す図である。
【図6】本発明の実施形態である支持体の第2変形例を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図7】本発明の実施形態である支持体の第3変形例を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図8】図7に示す支持体の側面図である。
【図9】図7に示す支持体の底面図である。
【図10】本発明の実施形態である支持体の第3変形例を示す平面図であって、非支持形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を用いて、本発明に係る支持体の実施形態について以下説明する。
【0016】
なお、以下の実施形態では、被支持物として、チューブ状容器100を例示するが、本発明に係る支持体の被支持物はこれに限定されない。図1に示すように、チューブ状容器100は、内容物が充填されている容器本体101と、注出部と、注出部に着脱自在に取り付け可能なキャップ部102とから構成されており、容器本体101およびキャップ部102に沿った方向(長手方向)に細長く、前後対称、左右対称の形状を有している。容器本体101は、柔軟性のある円筒中空状に形成され、その一端部に注出部が形成され、他端部は熱溶着により偏平状に閉塞されている。キャップ部102は、容器本体101よりも直径が小さく、先端側に向かって縮径した略円柱形状を有する。なお、支持体10において、チューブ状容器100は、キャップ部102を鉛直下方に向け、長手方向が鉛直方向に沿うように支持されている。
【0017】
また、以下の実施形態では、支持体は、チューブ状容器100を支持して、静置面200上に自立させるものとして説明する。即ち、静置面200とは、支持体に支持されるチューブ状容器100が自立する面を意味する。静置面200としては、例えば、店頭で商品が並べられる一般的な商品棚やテーブル等の平坦な面が例示できる。或いは、緩やかな曲面や多少の凹凸がある面であってもよい。なお、支持体に支持されるチューブ状容器100は、静置面200に接触していてもよいし、非接触であってもよい。
【0018】
また、以下の実施形態では、支持体は、被支持物であるチューブ状容器100を包装する熱収縮性フィルムを備え、熱収縮性フィルムが台紙の前面に貼着されるものとして説明するが、熱収縮性フィルムを台紙の前面に保持する手段としてはこれに限定されず、台紙本体13に熱収縮性フィルム11を引っ掛ける切り込み部を形成して保持することもできる。或いは、熱収縮性フィルムが台紙の前面に保持されない構成であってもよく、熱収縮性フィルムを備えない構成であってもよい。
【0019】
また、本明細書では、被支持物が貼着保持される台紙の面を前面と定義し、当該前面を基準として前方、後方の用語を用いる。また、支持体等の前後に略沿った方向である前後方向、鉛直方向に略沿った方向である上下方向、上下方向に略直交する方向である幅方向又は横方向等の用語を用いる。また、上下方向および前後方向に沿った長さを単に長さと称し、幅方向又は横方向に沿った長さを幅と称することがある。但し、これらの方向を示す用語は、支持体の構成を説明するために用いるものであって、支持体の構成要素と、方向との関係を限定するものではない。例えば、本発明に係る支持体は、台紙の後面が商品棚等の前方に向いて陳列されることがあってもよい。
【0020】
図1〜図4を用いて、本発明の実施形態である支持体10について以下説明する。
【0021】
図1〜図3は、支持体10にチューブ状容器100が支持されて、支持体10によって静置面200上に自立している状態を示す図である。なお、同図に示す例では、チューブ状容器100が静置面200に接触しない状態で支持されている。
図1〜図3に示すように、支持体10は、チューブ状容器100を支持して静置面200上に自立させる機能を有し、チューブ状容器100を包装する熱収縮性フィルム11と、熱収縮性フィルム11が貼着された台紙12とから構成される。そして、台紙12は、前面19にチューブ状容器100を包装した熱収縮性フィルム11を貼着するための貼着部21を有する台紙本体13と、台紙本体13との間でチューブ状容器100を狭持する保持部14とで構成されている。
【0022】
なお、詳しくは後述するが、台紙12には、台紙本体13と保持部14とを分離する2本の切断線15が形成されている。そして、各線で挟まれた帯状の保持部14と、それ以外の部分である台紙本体13との間に、チューブ状容器100のキャップ部102を狭持して図1〜図3に示す被支持物の支持状態が得られる。ここで、支持状態とは、台紙本体13と保持部14との間にチューブ状容器100を挟持して支持し、静置面200上に自立させる状態を意味する。本明細書では、当該状態における支持体10の形態を支持形態又は自立形態と称する。
【0023】
熱収縮性フィルム11は、台紙本体13の貼着部21に貼着され、熱収縮により被支持物であるチューブ状容器100を包装する部材である。また、熱収縮性フィルム11は、上下両端が開口し、熱収縮前においてチューブ状容器100が挿入可能な筒状体として貼着部21に貼着されている。この熱収縮性フィルム11の筒状体は、チューブ状容器100と同等の長さを有し、熱収縮により先端および末端を除くチューブ状容器100の全体に密着する。勿論、チューブ状容器100の先端および末端に折れ込む長さにしてもよい。また、図1〜図3では図示しないが、熱収縮性フィルム11の筒状体には、その上下方向に沿ってセンターシール部17とミシン目線18とが設けられている(図4参照)。
【0024】
熱収縮性フィルム11は、例えば、フィルムの両端をテトラヒドロフラン(THF)等の有機溶剤を用いて接合(センターシール)して筒状にされる。このとき形成される接合部がセンターシール部17であり、チューブ状容器100の後方に位置する部分に、筒状体の上下方向に沿って形成される。また、筒状体は、熱収縮性フィルム11の主延伸方向が周方向となるように形成される。
【0025】
なお、ミシン目線18は、熱収縮性フィルム11を切断するための切断補助線であって、熱収縮性フィルム11からチューブ状容器100を取り出そうとするときに切断される。一般的に、ミシン目線18は、列状に並んだ複数の微小な貫通孔から構成されており、例えば、チューブ状容器100の前方に位置する部分に形成することができる。図1に示す例では、筒状体の上部を残して筒状体の上下方向に沿って1本のミシン目線18が形成されているが、筒状体の全長にわたって形成されていてもよい。また、ミシン目線18は、複数条形成されていてもよい。また、ミシン目線18の形成位置は、商品デザイン等を阻害しないよう、チューブ状容器100の側方、後方に設けるのが好ましい。
【0026】
熱収縮性フィルム11を構成する樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系、ポリスチレン系(PS)、並びにポリ乳酸(PLA)、ポリアミド、およびポリ塩化ビニル等の樹脂からなるフィルムが挙げられる。これらのうち、適切な収縮応力と高い透明性を有することから、ポリエステル系、ポリオレフィン系、およびポリスチレン系のフィルムが好ましく、ポリエステル系フィルムが特に好ましい。また、これらの樹脂を2種以上混合した樹脂混合物を含むフィルムを用いることもできるし、2種以上のフィルムを積層した積層フィルムを用いることもできる。
【0027】
熱収縮性フィルム11は、優れた熱収縮特性を発現するために、少なくとも一方向に延伸された一軸延伸フィルムであって、筒状体の周方向に熱収縮するフィルムが好ましいが、筒状体の長さ方向にも熱収縮する二軸延伸フィルムであってもよい。熱収縮性フィルム11の熱収縮率としては、主延伸方向に対して、20〜80%(90℃の温水に10秒間浸漬)であることが好ましく、30〜80%であることが特に好ましい。
【0028】
熱収縮性フィルム11の厚みとしては、特に限定されないが、10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは15〜80μm、特に好ましくは20〜50μmである。また、熱収縮性フィルム11としては、チューブ状容器100に施された印刷が見えるように、無色透明の樹脂フィルムが用いられるが、着色された樹脂フィルム、或いは商品名やデザイン等を表示するための印刷層が形成された樹脂フィルムを用いることもできる。
【0029】
台紙12は、上記のように、台紙本体13と、保持部14とで構成されるシート状の部材であって、熱収縮性フィルム11を介してチューブ状容器100を保持し、チューブ状容器100の自立を支持する部材である。図1に示す例では、2本の切断線15が台紙12に形成されることで(図4参照)、1つの台紙12から台紙本体13と保持部14とが構成されている。なお、切断線15としては、台紙本体13と保持部14とを容易に分離することができれば特に限定されず、例えば、切り込み、ハーフカット線、ミシン目線又はこれらの組み合わせ等を用いることができる。
【0030】
台紙12を構成するシートの具体例としては、特に限定されず、例えば、熱収縮性フィルム11と同様の樹脂等からなる樹脂製シートや紙材を主基材とするシートを用いることができる。また、台紙12を構成するシートとしては、例えば、粘着剤等を介して複数枚のシートを積層してなるシート、又は1枚のシートを1回以上折り返して構成してなるシート等が挙げられ、このような構成とすることで、台紙12の表示面積をより拡大することができる。一般的には、紙材を主基材とするシートが用いられる。紙材を主基材とするシートは、例えば、紙のみからなる厚紙や紙製シートに各種樹脂をコーティング又は樹脂製シートを張り合わせた合成紙等が挙げられる。なお、以下では、台紙12は、紙材を主基材とするシートから構成されるものとして説明する。
【0031】
台紙12の厚みとしては、剛性や加工性を考慮して設定されることが好ましく、少なくともチューブ状容器100を十分に支持できる程度の厚みに設定される。台紙12の厚みは、それを構成するシートによっても多少異なるが、例えば、0.2〜2mm程度の厚みが好ましく、0.5〜1.5mm程度の厚みがより好ましい。
【0032】
台紙本体13は、被支持物の支持状態で、幅方向の両側部が前方に向かって湾曲した形状を有する。図1に示す例では、互いに平行な前面19および後面20を有するシートが全体的に湾曲し、チューブ状容器100が当接している部分である幅方向の中央部、即ち貼着部21が設けられる部分が後方に膨出して、両側部がチューブ状容器100よりも前方まで延びている。即ち、台紙本体13は、保持部14との間でチューブ状容器100を挟持することにより、幅方向の両側部が前方に向かって湾曲する。また、台紙本体13は、チューブ状容器100が貼着される部分であると共に、支持体10の脚として機能する部分でもあり、チューブ状容器100を貼着するための貼着部21と、静置面200に接触する下端部22とを有する。
【0033】
台紙本体13の形状としては、上記のように、幅方向の中央部がチューブ状容器100に押されて後方に膨出し両側端部が前方に向かって延びた湾曲形状であって、チューブ状容器100のサイズよりも大きな上下方向および幅方向の長さを有し、チューブ状容器100の後方を完全に覆う形状とすることができる。また、台紙本体13には、被支持物の支持状態、即ち支持体10の支持形態で、幅方向に沿った開口部16が形成されている。なお、この開口部16は、チューブ状容器100に押されて前方に膨出した保持部14に対応するものである。
【0034】
貼着部21は、台紙本体13の前面19の一部に設けられている。図1に示す例では、貼着部21は、前面19の幅方向の中央部であって、保持部14より上方の上下方向に長い領域に設けられており、被支持物の支持状態で容器本体101の後方に位置する。貼着部21は、上記のように、チューブ状容器100が包装された熱収縮性フィルム11を貼着する機能を有し、例えば、前面19の形成予定位置に接着剤を塗布する、或いは両面粘着テープ等を貼着することで形成される。貼着部21は、上記に限らず、必要に応じて、複数(例えば、2つ)の上下方向領域に設けてもよいし、複数の幅方向領域に設けてもよい。以下では、貼着部21は、接着剤の塗布により形成されるものとして説明する。
【0035】
貼着部21を形成する接着剤は、熱収縮性フィルム11との接着強度が強く、チューブ状容器100等の荷重に耐えて、流通・陳列過程における長時間の接着状態を維持できる接着剤であれば種々の接着剤を使用することができる。接着剤の例示としては、エラストマー系接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤、およびホットメルト接着剤等が挙げられ、特に加熱塗工でき、常温で粘着性を有するホットメルト接着剤が好適である。なお、接着強度は、接着剤の種類だけでなく、接着剤の塗布面積や各種添加物等によっても調整することができ、被支持物の重量等に応じて適宜調整できる。
【0036】
下端部22は、被支持物の支持状態で、台紙本体13の下端に位置する部分であって、静置面200に接触する部分である。図2に示すように、台紙本体13の幅方向の中央部付近に位置する下端部22は、チューブ状容器100よりも後方であって、その重心P1に対応する静置面200上の位置P2(以下、重心対応位置P2とする)よりも後方の静置面200に接触する。一方、台紙本体13の両側端部付近に位置する下端部22は、チューブ状容器100よりも前方であって、重心対応位置P2よりも前方の静置面200に接触している。ここで例示する形態のように、台紙本体13の幅は、台紙本体13と保持部14との間にチューブ状容器100を支持して台紙本体13が湾曲したときに、その両側端部が重心対応位置P2よりも前方まで延びる幅に設定されることが好ましい。
【0037】
なお、チューブ状容器100の重心P1に対応する静置面200上の位置である重心対応位置P2とは、重心P1から鉛直方向に下ろした線と静置面200とが交わる位置を意味する。重心P1の位置は、被支持物によって異なり、重心対応位置P2も被支持物によって異なるので、台紙本体13の幅は、被支持物にとって適切な幅に適宜変更することが好ましい。
【0038】
また、下端部22は、平坦な静置面200に隙間なく接触可能な凹凸のない平坦な直線形状を有している。即ち、台紙本体13は、その全幅にわたって、その下端部22がチューブ状容器100の後方、前方、および側方の静置面200に接触する。下端部22は、平坦な静置面200に対して、台紙本体13の幅(W)×厚み(T)に相当する接触面積を有し、W又はTを調整することで接触面積を適宜変更することができる。
【0039】
なお、図示しないが、台紙本体13の前面19および後面20には、一般的に、商品名(チューブ状容器100に充填された商品の名称)やデザイン、商品説明等を表示するための印刷が施される。また、保持部14の前面にも、商品名やデザイン、商品説明等を表示するための印刷を施すことができる。
【0040】
保持部14は、台紙本体13の前面19の一部に設けられ、被支持物の支持状態で、チューブ状容器100の前方の一部に当接し、台紙本体13との間でチューブ状容器100を挟持する部分である。保持部14は、貼着部21よりも下方に台紙本体13の幅方向に沿って設けられており、図3に示すように、その後面がキャップ部102の前方に当接している。また、保持部14は、被支持物の支持状態で、全体が湾曲した帯状形状であって、その幅方向の中央部が前方に膨出した形状を有している。なお、保持部14の後面とは、支持体10の非支持形態(図4参照)において、台紙本体13の後面20と同一平面を構成する面である。
【0041】
保持部14の形状としては、上記のように、その幅方向の中央部が前方に膨出した湾曲形状であって、台紙本体13よりも短く、チューブ状容器100(キャップ部102)の直径よりも長い幅を有する。保持部14の幅は、台紙本体13および保持部14自身の湾曲形状に大きく影響する。例えば、保持部14が、キャップ部102の直径よりも長く台紙本体13と保持部14との間にキャップ部102が挿入可能な幅を有する範囲で、その幅を短くすれば、通常、湾曲の度合いが大きくなる。また、保持部14の上下方向の長さは、チューブ状容器100を流通・販売時の長期にわたって支持することができれば、ディスプレイ性等の観点から、ここで例示する形態のように短い方が好ましい。
【0042】
なお、保持部14は、複数設けられてもよいが、少なくとも1つは、台紙本体13の下端部22が湾曲し易いように、また、ディスプレイ性を向上させるために、ここで例示する形態のように、台紙本体13の下半部に設けられていることが好ましい。また、保持部14としては、台紙12から構成されるものだけでなく、各種樹脂部材や樹脂フィルム、ゴムバンド等の別体を用いてもよい。例えば、剛性の高い部材(樹脂製プレート等)を用いることで、被支持物の支持状態でも、保持部14は湾曲せず、台紙12のみが湾曲する形態としてもよい。
【0043】
次に、図4を用いて、支持体10の構成をさらに説明する。
【0044】
図4は、支持体10の非支持形態(非支持状態)を示す平面図である。非支持形態とは、被支持物を支持していない状態の形態であって、台紙本体13および保持部14が湾曲しておらず、台紙本体13と保持部14とが同一平面上に配置された形態を意味する。なお、図4において、熱収縮性フィルム11は、熱収縮前の状態であり、符号に( )を付して熱収縮後の状態と区別する。
【0045】
図4に示すように、熱収縮性フィルム(11)は、センターシール部17を有し、チューブ状容器100が挿入可能な筒状体として、台紙本体13の前面19に設けられた貼着部21に貼着されている。熱収縮性フィルム(11)の筒状体は、その直径がチューブ状容器100の最大直径よりも大きく、また、その長さがチューブ状容器100の長さとほぼ同じであり、熱収縮により先端および末端を除くチューブ状容器100の全体を覆う。また、チューブ状容器100は、キャップ部102の先端が静置面200に接触しない状態で支持されるから、熱収縮性フィルム(11)の筒状体の下端が、台紙本体13の下端からやや上方の位置となるように、貼着部21に貼着されている。
【0046】
なお、熱収縮性フィルム(11)の筒状体は、その下部が、台紙本体13の前面19と、保持部14の後面との間に挟まれた状態で貼着されている。そして、この位置関係を維持したまま、後述するように、チューブ状容器100が熱収縮性フィルム(11)の筒状体に挿入される。
【0047】
非支持形態の台紙12は、その平面形状が矩形形状であって、その下部に幅方向に沿った保持部14を有する。台紙12には、2本の互いに平行な切断線15が形成されている。ここで示す例では、各切断線15は、同一長さを有する直線形状であり、その両側に所定幅を残して幅方向に切り込まれており、切断線15に挟まれた帯状の保持部14とそれ以外の部分である台紙本体13とが台紙12に形成される。即ち、切断線15が、台紙本体13と保持部14とを分離する線である。
【0048】
保持部14は、その平面形状が幅方向に長い矩形形状である。保持部14は、切断線15の長さ、形状、形成位置等を調整することによって、そのサイズや形状、台紙本体13に対する位置等を適宜変更できる。例えば、図4に示す例において、切断線15の長さを長くすれば、保持部14の幅が長くなり、各切断線15の間隔を大きくすれば、保持部14が太くなり、上下方向の長さが長くなる。なお、切断線15は、波形状や円弧形状等に形成されてもよく、また、各切断線15が互いに平行でなくてもよい。
【0049】
次に、支持体10の支持形態を作製する手順を説明する。
【0050】
まず初めに、図4に示す非支持形態において、台紙本体13の貼着部21に貼着された熱収縮性フィルム(11)の筒状体の内部に、開放された上端又は下端からチューブ状容器100を挿入する。このとき、キャップ部102が下端部22側となるようにチューブ状容器100を挿入する。また、熱収縮性フィルム(11)の筒状体の下部が、台紙本体13の前面19と、保持部14の後面との間に挟まれた状態を維持したままチューブ状容器100が挿入される。
【0051】
なお、チューブ状容器100が熱収縮性フィルム(11)の筒状体に挿入されることで、台紙本体13は、チューブ状容器100の容器本体101が当接する幅方向の中央部が後方に膨出し、両側部が前方に向かって湾曲した形状となる。即ち、台紙本体13は、保持部14との間でチューブ状容器100を挟持することにより、幅方向の両側部が前方に向かって湾曲する。台紙本体13と同様に、保持部14は、チューブ状容器100のキャップ部102の前面が当接する幅方向の中央部が前方に膨出し、湾曲した形状となる。
【0052】
続いて、熱収縮性フィルム(11)を熱収縮させ、チューブ状容器100を包装する。図1に示すように、熱収縮性フィルム11は、先端および末端を除く全体を覆ってチューブ状容器100に密着し、台紙本体13の前面19に熱収縮性フィルム11を介してチューブ状容器100が貼着された状態の支持体10が得られる。なお、熱収縮性フィルム11の熱収縮処理は、例えば、所定温度に設定された熱風トンネルを用いて行うことができる。
【0053】
次に、上記構成を備える支持体10の作用効果について説明する。
【0054】
図1〜図3に示すように、支持体10は、熱収縮性フィルム11で包装されたチューブ状容器100を、台紙本体13の貼着部21で貼着し、台紙本体13と保持部14との間で挟持して支持する。そして、台紙本体13の下端部22が静置面200に接触し、支持体10の脚として機能する。より詳しくは、支持体10の台紙本体13は、保持部14との間でチューブ状容器100を狭持する支持状態で、チューブ状容器100が当接する幅方向の中央部、即ち貼着部21が設けられる部分が後方に膨出し、両側端部が前方に向かって湾曲した形状を有する。ゆえに、台紙本体13の下端部22が静置面200に接触する前後方向の長さが長くなって、特に前後方向に対する安定性が高くなり、チューブ状容器100が静置面200に接触していない形態であっても、その重量を分散して安定した自立状態を実現する。
【0055】
また、支持体10において、湾曲した台紙本体13は、その幅方向の中央部付近に位置する下端部22が、チューブ状容器100の重心対応位置P2よりも後方の静置面200に接触し、その両側端部付近に位置する下端部22が、チューブ状容器100の重心対応位置P2よりも前方の静置面200に接触する。したがって、支持体10は、前後方向および横方向のいずれから力を受けても、その力を十分に受容することができ、支持体10の転倒を高度に防止することができる。
【0056】
また、湾曲した台紙本体13は、チューブ状容器100の後方又は側方に位置して、図3に示すように、チューブ状容器100の前方を覆わない。さらに、保持部14は、キャップ部102の前方のみを覆い、チューブ状容器100の前方を広く覆わないので、プラスチックケースを使用したブリスターパックと同様の優れたディスプレイ性を備える。
【0057】
さらに、支持体10は、台紙12の幅方向に沿って2本の互いに平行な切断線15を形成し、台紙本体13と、2本の切断線15に挟まれた帯状の保持部14との間に、チューブ状容器100を挿入するという簡便な方法によって、台紙本体13を湾曲させ、チューブ状容器100の安定した自立を可能にする。
【0058】
ここで、図5〜図10を用いて、支持体10の変形例(10x,10y,10z)を説明する。なお、以下では、支持体10と同一の構成要素については同一の符号を用いて、その説明を省略する(追加の構成要素には、新たな符号を付する)。
【0059】
図5を用いて、第1変形例の支持体10xについて説明する。なお、図5は、支持体10xの非支持形態を示す平面図である。
図5に示すように、支持体10xにおいて、台紙12xの台紙本体13xは、その下端が切り込まれて凹部が形成され、幅方向の中央部および両側端部の3箇所が静置面200に接触する下端部22a、22b、22cとなる点で、支持体10の台紙12と異なる。また、台紙12xには、保持部14xの端部に2本の切断線15の端部同士をつなぐ折り曲げ罫線23が形成されている点で、台紙12と異なる。なお、折り曲げ罫線23の代わりに、ハーフカット線、ミシン目線等を用いることもできる。
【0060】
台紙本体13xは、被支持物の支持状態で、台紙本体13と同様に湾曲して、下端部22aが被支持物であるチューブ状容器100の後方に、下端部22bおよび下端部22cがチューブ状容器100の左右前方に、それぞれ位置する静置面200に接触する。より詳しくは、湾曲した台紙本体13xは、その幅方向の中央部付近に位置する下端部22aが、チューブ状容器100の重心対応位置P2よりも後方の静置面200に接触し、その両側端部付近に位置する下端部22bおよび下端部22cが、チューブ状容器100の重心対応位置P2よりも前方の静置面200に接触する。
【0061】
上記構成を備える支持体10xによれば、支持体10と同様に、前後方向および横方向のいずれから力を受けても、その力を十分に受容することができる。即ち、チューブ状容器100の重心対応位置P2を囲む後方位置、および左右前方位置の3点で、台紙本体13が静置面200に接触すれば、接触面積が小さくても安定した自立状態を実現することができる。また、折り曲げ罫線23が形成されることによって、保持部14xの端部が折れ曲がり易く保持部14xが湾曲し易くなる。
【0062】
次に、図6を用いて、第2変形例の支持体10yについて説明する。なお、図6は、支持体10yの支持形態を示す斜視図である。
図6に示すように、支持体10yにおいて、台紙12yは、切断線15を有さず、その前面19yに別部材からなる保持部14yが設けられる点で、支持体10の台紙12と異なる。また、保持部14yは、台紙12yと同じ紙基材から構成されず、例えば、チューブ状容器100を包装する熱収縮性フィルム11と同様の熱収縮性フィルムからなる熱収縮性帯状体である点で、支持体10の保持部14と異なる。
【0063】
台紙12yは、台紙12の台紙本体13と同様に、被支持物の支持状態で、互いに平行な前面19yおよび後面20yを有するシートの全体が湾曲し、幅方向の中央部である貼着部21が設けられる部分が後方に膨出して、両側端部がチューブ状容器100よりも前方まで延びる。一方、台紙12yは、保持部に対応する開口部を有さず、代わりに、保持部14yの両端部が接合される接合部24が前面19yに設けられる。なお、接合部24は、例えば、貼着部21と同様の接着剤を用いて同様の方法で形成することができる。
【0064】
保持部14yは、保持部14と同様に、台紙12yとの間でチューブ状容器100を挟持する機能を有する。一方、保持部14yは、透明な熱収縮性フィルムからなる熱収縮性帯状体であり、保持部14yを通して後方のチューブ状容器100を見ることができる。また、保持部14yは、熱収縮性帯状体の両端部が接合部24で台紙12の前面19yに接合され、熱収縮性帯状体が熱収縮することによって、台紙12yを湾曲させてチューブ状容器100の保持機能を得る。
【0065】
保持部14yは、例えば、熱収縮性帯状体が熱収縮する前において、台紙12yを湾曲させなくても、台紙12yとの間にチューブ状容器100が挿入可能な幅を有することができる。また、保持部14yには、幅方向に熱収縮する熱収縮性フィルムが用いられる。そして、保持部14yの熱収縮性フィルムが熱収縮することにより、その幅が縮まって、台紙12yを湾曲させる。
【0066】
なお、図6に示す例では、2本の保持部14yが設けられているが、保持部14yは、3本以上であってもよく、1本であってもよい。また、保持部14yは、台紙12yの下半部に設けられているが、上半部に設けられていてもよい。また、熱収縮性帯状体からなる保持部14yと、台紙12の一部から構成される保持部14とを設けることもできる。
【0067】
上記構成を備える支持体10yによれば、保持部14yが熱収縮することによって台紙12yを湾曲させるので、保持部14yが熱収縮する前において、台紙12yを湾曲させることなく台紙12yと保持部14yとの間にチューブ状容器100を挿入することができる。ゆえに、台紙12yと保持部14yとの間にチューブ状容器100を挿入し易くなり良好な生産性を実現することができる。
【0068】
次に、図7〜図10を用いて、第3変形例の支持体10zについて説明する。なお、図7〜図9は、それぞれ、支持体10zの支持形態を示す斜視図、側面図、底面図である。図10は、支持体10zの非支持形態を示す平面図である。
【0069】
図7〜図10に示すように、支持体10zにおいて、台紙本体13zは、開口部16zが形成された台紙本体前面部13Azと、台紙本体前面部13Azに重ね合わされた台紙本体後面部13Bzとを含んで構成される。そして、台紙本体前面部13Azの開口部16zの下方に位置する部分が、チューブ状容器100に当接する保持部14zとなる。支持体10zは、例えば、1つの台紙12zを折り曲げて重ね合わせ、互いに接合することにより形成された、台紙本体前面部13Azおよび台紙本体後面部13Bzを含む積層構造を有する。
【0070】
保持部14zは、その一部が開口部16zの下縁を構成し、且つ静置面200に接触する下端部22zを有する。保持部14zは、帯状を呈しており、台紙本体前面部13Azの幅方向両側をつなぐように設けられる。保持部14zは、支持体10の保持部14と同様に、被支持物の支持状態で、全体が湾曲して、その幅方向の中央部が前方に膨出した形状となる。一方、台紙本体後面部13Bzには、その幅方向両側近傍に、折り曲げ罫線31が形成される。台紙本体後面部13Bzは、被支持物の支持状態において、折り曲げ罫線31で折れ曲がった形状となる。
【0071】
開口部16zは、チューブ状容器100が挿入される挿入開口である。開口部16zは、台紙本体前面部13Azに切断線15zが切り込まれて、チューブ状容器100の少なくとも一部が挿入可能なサイズを有する。支持体10zでは、チューブ状容器100を開口部16zに挿入した状態で支持する。即ち、チューブ状容器100は、台紙本体前面部13Azと台紙本体後面部13Bzとの間に挿入される。
【0072】
台紙本体13zには、両側端部に折り曲げ部26が形成されている。折り曲げ部26は、チューブ状容器100を開口部16zに挿入した支持状態において、下端部22z側が前方に傾斜している(図8参照)。
【0073】
台紙本体13zには、台紙本体前面部13Azと台紙本体後面部13Bzとを接合する接合部27が形成される(図9参照)。接合部27は、各面部の全体を互いに接合するのではなく、少なくとも台紙本体13zの下半部が筒状となるように各面部を互いに接合する。このため、台紙本体前面部13Azと台紙本体後面部13Bzとが離間可能であり、開口部16zに被支持物を挿入することが可能となる。
【0074】
支持体10zには、開口部16zの上縁に舌片部28が設けられる。舌片部28は、台紙本体前面部13Azに切り込まれた、非環状の切断線15zにより形成される。ここでは、舌片部28と開口部16zとが同一形状、同一サイズの形態を例示する。舌片部28は、台紙本体後面部13Bzの前面19zに接合(接合部29)される。このため、被支持物の支持状態において、舌片部28と台紙本体後面部13Bzとが離間せず積層形態を維持する。ここで、台紙本体前面部13Azおよび台紙本体後面部13Bzでは、支持体10zの前方に向いた面が前面19zであり、後方に向いた面が後面20zである。舌片部28には、その前面19z上に貼着部21が設けられる。
【0075】
支持体10zには、突起部30を設けることができる。突起部30は、台紙本体13zの側端部から幅方向に沿って突出している。図7に例示する形態では、なだらかな2つのこぶ状を呈する。突起部30により、台紙本体13zの側端部に凹凸形状を設けることができ、支持体の意匠性が向上する。突起部30は、折り曲げ部26の一部に切り込みを形成することで得られる。
【0076】
熱収縮性フィルム11zの筒状体には、その軸方向の一端にフィルムを開封するときに指先等で摘まれる摘み部25を設けることができる。ミシン目線18zは、摘み部25の端部から該筒状体の軸方向の全長にわたって形成できる。
【0077】
上記構成を備えた支持体10zは、保持部14zと台紙本体後面部13Bzとの間で、開口部16zに挿入されて舌片部28の貼着部21に貼着保持されたチューブ状容器100を挟持する。このとき、特に下端部22zの近傍で台紙本体前面部13Azと台紙本体後面部13Bzとが互いに大きく離間する。そして、保持部14zが前方に膨らんで湾曲し、台紙本体後面部13Bzの幅方向両側が前方に折れ曲がった形状となる。保持部14zの下端部22zは、チューブ状容器100の重心対応位置P2よりも前方の静置面200に接触し、台紙本体後面部13Bzの下端部22zは、重心対応位置P2よりも後方の静置面200に接触する。
【0078】
支持体10zによれば、支持体10と同様に、チューブ状容器100が静置面200に接触していない形態であっても、その重量を分散して安定した自立状態を実現する。保持部14zは、キャップ部102の前方のみを覆い、チューブ状容器100の前方を広く覆わない。このため、優れたディスプレイ性を有する。
【0079】
なお、開口部16zや舌片部28、突起部30等の形状やサイズは、適宜変更できる。例えば、舌片部28は開口部16zより小さく、互いに異なった形状であってもよい。また、舌片部28の、台紙本体後面部13Bzの折り曲げ罫線31に対応する位置には、折り曲げ罫線を設けていてもよい。環状の切断線により開口部16zを形成して、舌片部28を有さない形態としてもよい。
【0080】
なお、本発明に係る支持体は、上記実施形態およびそれらの変形例を適宜組み合わせた形態とすることが可能である。例えば、支持体10において、保持部14に代えて、支持体10yの熱収縮性フィルムからなる保持部14xを適用することもできる。
【0081】
また、上記では、熱収縮性フィルムの筒状体は、上下両端が開放されているものとして説明したが、幅方向に沿って筒状体の上端に形成され、上端開口を塞ぐためのエンドシール部を有する構成としてもよい。
【0082】
また、台紙本体には、上端部近傍の幅方向の中央部に、店頭で吊り下げ陳列される場合を考慮してハンガー棒等が通される吊り下げ孔を設けることもできる。
【0083】
また、上記では、台紙或いは台紙本体は、保持部との間で被支持物を挟持することにより、湾曲するものとして説明したが、被支持物の挟持により、折れ曲がる(屈曲する)ものであってもよく、又は湾曲する部分(湾曲部)および折れ曲がる部分(屈曲部)の両方が形成されるものであってもよい。例えば、台紙は、幅方向の中央部に上下方向に沿って折り曲げ罫線が形成され、保持部との間で被支持物を挟持することで、幅方向の両側部が前方に向かって折れ曲がるように構成されていてもよい。
【0084】
また、台紙本体および保持部のいずれか一方のみが、被支持物の支持状態で湾曲又は屈曲する形態であってもよい。即ち、台紙本体および保持部のいずれか一方は、被支持物の支持状態においても曲がらず、平坦な形状を維持する。
【符号の説明】
【0085】
10 支持体、11 熱収縮性フィルム、12 台紙、13 台紙本体、14 保持部、15 切断線、16 開口部、17 センターシール部、18 ミシン目線、19 前面、20 後面、21 貼着部、22 下端部、100 チューブ状容器、101 容器本体、102 キャップ部、200 静置面、P1 重心、P2 重心対応位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に被支持物が保持される台紙を備え、
被支持物の支持状態で、台紙の下端部が静置面に接触する支持体において、
台紙の前面に設けられる保持部であって、被支持物に当接し、台紙との間で被支持物を挟持する保持部を備え、
台紙および保持部の少なくともいずれか一方が、被支持物を挟持することで曲げられることを特徴とする支持体。
【請求項2】
請求項1に記載の支持体において、
台紙は、被支持物の支持状態で、下端部が被支持物の重心に対応する静置面上の位置より前方の静置面に接触することを特徴とする支持体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の支持体において、
台紙は、前面に被支持物が保持され下端部が静置面に接触する台紙本体と、保持部と、から構成され、
保持部は、台紙本体の両側部に所定幅を残して切り込まれた2本の切断線により形成される帯状体であり、
台紙本体は、保持部との間で被支持物を挟持することにより、少なくとも幅方向の両側部が前方に向かって曲げられることを特徴とする支持体。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の支持体において、
台紙は、前面に被支持物が保持され下端部が静置面に接触する台紙本体と、保持部と、から構成され、
台紙本体は、
切断線が切り込まれて被支持物が挿入可能な挿入開口が形成された台紙本体前面部と、
台紙本体前面部に重ね合わされた台紙本体後面部と、
を含み、
台紙本体前面部の挿入開口の下方に位置する部分が保持部となり、挿入開口に挿入される被支持物に当接する支持体。
【請求項5】
請求項4に記載の支持体において、
挿入開口の上縁に設けられた舌片部を備え、
当該舌片部は、その前面上に被支持物を保持すると共に、台紙本体後面部の前面に接合された支持体。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の支持体において、
保持部は、台紙の前面に両端部が固定された熱収縮性帯状体であり、
台紙の前面と熱収縮性帯状体の後面との間に被支持物が挟持された状態で、熱収縮性帯状体を熱収縮させることによって、台紙の少なくとも幅方向の両側部が前方に向かって曲げられることを特徴とする支持体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1に記載の支持体において、
台紙の前面に固定され、熱収縮により被支持物を包装する熱収縮性フィルムを備えることを特徴とする支持体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−56634(P2012−56634A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153923(P2011−153923)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】