説明

支持可能な加圧式容器のための底部用カップ

【課題】薄い壁を有する容器、水平な表面上に置くことができる容器、底部用カップを使用して水平な表面上に置くことができる容器、接着取付けを必要としない底部用カップの使用を提供する上での問題を解決すること。
【解決手段】湾曲した底部(12)を有する容器(10)と、該容器を直立させる底部用カップ(20)。容器と底部用カップは、その一部を容器上及び底部用カップ上に有する機械的係合部(32)により互いに嵌合される。容器の機械的係合部は、容器の底部円錐部内に配置されている。底部用カップの機械的係合部は、底部用カップの底部から突出されている。このような構成により、容器の側壁と底部の縁との間の境界における応力が低減されて、より滑らかな遷移部、及びより良好な外観が提供される。またこの構成により、落下衝撃中の容器と底部用カップの分離に対する抵抗が提供される。容器の底部は湾曲していてもよく、内部にウェルを有して容器の内容物及びディップチューブを受容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不規則な底部を有する容器と、そのような容器のための底部用カップとに関
する。
【背景技術】
【0002】
加圧式容器は、当技術分野にて周知である。そのような容器は、多くの場合、例えばカ
ップ、髭剃りクリーム、消臭スプレー、洗浄剤、家具用艶出し剤等の消費者製品を保持及
び分配するために使用される。容器は高圧ガス、膨張可能な袋、動力ポンプ、例えば、圧
搾トリガー等の手動ポンプ等を使用して、大気圧よりも大きい圧力に加圧され得る。
【0003】
容器の内容物は、加圧された時に、容器の頂部に並置されたノズル又は他の開口部から
分配され得る。例えば、容器の頂部は、通常の清涼飲料水に生じるような、ねじ付きキャ
ップを伴うくびれを有してもよく、それにより内容物はキャップを除去した場合、簡単に
容器から注がれ得る。代替的に、容器の頂部にはノズルが設けられてもよく、それにより
内容物は、泡、ジェル、霧又はスプレーとして容器から分配される。様々な他のタイプの
分配機構が当該技術分野にて周知である。
【0004】
出荷、保管及び輸送中に所望の圧力を収容するために、容器の壁は、製造後、多様な温
度、配向、及び使用者による取扱いを通して該圧力に耐え、かつ該圧力を維持できる必要
がある。したがって、容器の壁は、圧力下での内容物の漏出、又は応力による亀裂を防止
するために十分厚いものである必要がある。このことは、より厚い壁を提供することによって達成されている。しかしながら、比較的厚い壁は、材料コストの問題をもたらし、ま
た環境に悪いと考えられている。
【0005】
この問題を解決する一つの手法は、比較的薄い側壁と、半球形又は別様に湾曲した底部を提供することであった。半球形底部は、平らな底部よりも圧力によく耐える。
【0006】
しかしながら、この手法は、湾曲した底部により、容器を棚又はテーブル等の水平な表
面上に直立して置くことができない不都合をもたらす。そのような底部は不規則であると
見なされ得る。不規則とは、そのような底部を有する直立容器が、水平な表面上に倒れず
に直立することができないことを意味する。
【0007】
この問題を克服するための当技術分野における一つの試みは、容器の半球形の底部上に
底部用カップを嵌合させることを含む。底部用カップは容器周囲の周りに嵌合し、かつ平らな底部を有する。平らな底部により、底部用カップ及び該底部用カップに取付けられた
容器を直立して置くことができる。
【0008】
容器の底部に底部用カップを取付けることには、尚、それ自体の問題が存在している。
取付けのための様々な溝/突起システムが提案されている。溝/突起システムは、一般に、容器の周りに周方向の溝及び相補的な突起を提供する。溝突起システムは、一般に、例
えば、容器の湾曲底部と側壁との間の接触点等の、容器の湾曲底部の近傍に配置されている。底部用カップは、容器の溝又は突起と係合する相補的な突起又は溝を有する。そのような係合は、通常の使用中、容器から底部用カップが分離することを防止する機械的嵌合を提供する。
【0009】
係合システムを有する容器は、取扱い及び出荷中の安全を保障するために、規制当局に
よる落下試験を通過する必要がある。係合システムは、容器と底部用カップとの間の静的
取付け及び動的取付けの両方を提供するよう十分に頑丈でなければならない。
【0010】
しかしながら、そのような係合システムには、それ自体の問題が存在する。突起と溝と
の間の境界は、常に滑らかな訳ではない。それにより、顕著な線又は隆起が生じ、これら
は外観が悪い。この効果は、容器の周りに収縮包装フィルム又は他のラベルが配置されて
いる場合に悪化する。外観が悪い線又は隆起は、それを隠そうとすると余計に目立ち得る。
【0011】
この問題は、容器が加圧された場合に悪化し得る。底部用と容器との間の線は、大気条
件下では比較的目立たないと思われる。しかしながら、容器が加圧された場合、膨張が生
じ得る。そのような膨張は、容器と底部用カップとの噛み合う縁の間の境界にて更なる不
釣合いを生じ得る。
【0012】
この問題を解決する一つの試みは、底部用カップを容器に接着取付けすることであった。この手法は、接着剤の形成にて追加の材料コストが生じる不都合をもたらす。加えて、
容器の製造と、容器に対する底部用カップの取付けとの間に、余分な製造ステップが存在
する必要がある。接着剤は容器と底部用カップの一方又は両方に適用される必要があり、
更なる操作と余分な機械類を必要とする。
【0013】
更に、容器が内容物の分配にディップチューブを使用する場合、別の問題が存在する。
ディップチューブは容器の最も低い地点に配置されない場合があり、これは内容物の浪費
を招く。例えば、半球形底部を有する容器が、ある角度で保持される場合、ディップチュ
ーブの底部は、容器の内容物中に浸漬されない場合がある。この問題を解決する一つの手
法は、容器の底部内にウェルを配置することであった。しかしながら、この手法は、内圧
に耐えるよう設計された半球形底部を有する容器では実行不可能であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、薄い壁を有する容器、水平な表面上に置くことができる容器、底部用カッ
プを使用して水平な表面上に置くことができる容器、接着取付けを必要としない底部用カ
ップの使用、を提供する上での問題を解決する必要性、及び容器と底部用カップとの間の
境界にて外観の悪い線が出現することなく、容器に対して機械的に係合する底部用カップ
を有する必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0015】
一実施形態において、本発明は、機械的係合により底部用カップに取付けることができ
る容器を含み得る。容器は、頂部と、不規則な底部と、側壁と、容器の底部と側壁との間
の接触点を有する。容器は、内部を通る長手方向の軸線と、45°底部円錐部とを有し、
該円錐部は、長手方向の軸線上にて接触点に対応する位置に配置された頂点を有し、容器
の底部に向かって外側に発散している。容器を底部用カップに連結するための機械的係合
部は、前記容器の底部上にて底部円錐部内の少なくとも一部に配置されている。
【0016】
一実施形態において、本発明は、不規則な底部と、内部を通る長手方向の軸線とを有す
る容器を支持するための底部用カップを含み得る。底部用カップは、水平な表面上に静止
するため底部と、該底部から離隔した頂部と、底部用カップの頂部と底部とを連結する底
部用カップ側壁とを有する。内縁部は、底部用カップ側壁の内側に存在し、容器との係合
のための機械的係合部を提供する。機械的係合部は、基端から末端に半径方向内側へ延び、それにより前記底部用カップの底部から突出されている内側の係合可能な部分を含んで
もよい。
【0017】
一実施形態において、本発明は、容器と、該容器に取付けられる底部用カップとを含み
得る。容器は、不規則な底部と、容器が水平な表面上に配置された場合、見える側壁とを
有してもよい。底部用カップは、容器の底部の少なくとも一部の上に嵌合し、容器を水平
面に直立に座らせるようにする。機械的係合部は、底部用カップと前記容器とを連結する
。機械的係合部は、容器及び底部用カップ上に配置された相補的な係合可能な部分を含ん
でもよく、特に、機械的係合部は容器の底部上に存在するように配置され、それにより前
記容器の側壁は、底部用カップが容器に取付けられた場合、前記係合部から離れている。
【0018】
一実施形態において、本発明は、容器と、該容器に取付けられる底部用カップとを含み
得る。容器は、不規則な底部と、容器が水平な表面上に配置された場合、見える側壁とを
有してもよい。底部用カップは、容器の底部の少なくとも一部に嵌合し、容器を水平面に
直立に座らせるようにする。容器及び底部用カップは整合タブを有してもよく、該整合タ
ブは一緒に嵌合し、一方の構成要素の他方に対する反力を提供して、これらの構成要素が
係合された場合、該構成要素を適切な位置に維持する助けをする。
【0019】
一実施形態において、本発明は、容器と、該容器に取付けられる底部用カップとを含み
得る。容器は、不規則な底部と、容器が水平な表面上に配置された場合、見える側壁とを
有してもよい。底部用カップは、容器の底部の少なくとも一部の上に嵌合し、容器を水平
面に直立に座らせるようにする。容器の底部は湾曲していてもよく、特に半球形であって
もよい。ウェルは、容器の底部と並置されていてもよい。底部用カップは側壁を有し、該
側壁は接触点において容器を遮る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による容器及び底部用カップの分解斜視図。
【図2A】長手方向の整合を有する図1の容器及び底部用カップの断片垂直断面図。図2Aは、底部に孔を有する底部用カップを示す。図2Bは、中実の底部を有する底部用カップを示す。
【図2B】長手方向の整合を有する図1の容器及び底部用カップの断片垂直断面図。図2Aは、底部に孔を有する底部用カップを示す。図2Bは、中実の底部を有する底部用カップを示す。
【図3A】各々、図2A及び図2Bの容器及び底部用カップの係合状況を示す垂直断面図。
【図3B】各々、図2A及び図2Bの容器及び底部用カップの係合状況を示す垂直断面図。
【図4】各々、長手方向及び半径方向に力を適用するための、長手方向の整合タブと、4つの分離した半径方向の整合タブとを有する代替的な底部用カップの頂面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照すると、本発明は、容器10、より詳細には、容器10の底部部分を含む。
容器10は、表面上に間接的に静止するための底部12、容器10の内容物を容器から分
配するための頂部16、及び底部12と頂部16とを連結する側壁14を有する。容器1
0は、底部12と頂部16とを通る長手方向の軸線を有し得る。長手方向の軸線は、容器
10が水平な表面上に配置された場合に、概ね鉛直であり得る。容器10は、相補的な底
部用カップ20に連結されて、表面上に静止することができる。
【0022】
図2A及び図2Bを参照し、構成要素をより詳細に考察すると、容器10の底部12は
、不規則であってもよく、容器10は水平な表面上に直立することができない。容器10
の底部12は、偏心の、傾斜した、テーパ形状の、湾曲した、より特には図示するような
半球形であってもよい。本明細書で使用されるように、不規則な底部12は、容器10の
長手方向の軸線と垂直な実質的な断面を有さず、容器10が水平な表面上に配置された場
合、容器10が底部12上にて直立できない任意の底部12である。テーパ形状の底部1
2は、側壁14から容器10の底部12に接近するにつれ、長手方向にて断面が減少する
底部12である。湾曲した底部12は、曲線をなすテーパ形状の底部12である。不規則
な底部12は、当技術分野にて周知のシャンパン底部又はペタロイド底部を含まない。
【0023】
容器10の頂部16は、頂部と並置された任意の分配開口部を有していてもよく、該開
口部は容器10の内容物を分配することができる。開口部は更に、容器10を内容物で満
たすことができ得る。開口部は、長手方向の軸線が鉛直の場合、特に容器10の最高点で
ある頂部16に配置され得る。代替的に、開口部は、容器10の底部12から好適な距離
の側壁14内に、又はその近傍に配置されてもよい。所望であれば、容器10の開口部は
、容器10の底部12に、又は底部12の近傍に配置されてもよい。この配置は、加圧し
ない場合であっても、内容物が排出され得る利益を提供する。加えて、そのような構成は
、通常の位置と反転されて美的外観を有することもできる。
【0024】
容器10の開口部は、例えば、ねじ蓋、スナップ蓋又は当該技術分野で周知の他の閉鎖
具等により閉鎖される単純な穴であってもよい。代替的に、開口部は、例えば液体内容物
を容器10から噴霧するのに使用されるようなノズルであってもよい。容器10から内容
物を加圧して噴霧し又は別様に分配することは、当該技術分野において周知のように、例
えばトリガー噴霧器、高圧ガス、ガス、加圧内部袋(pressurized internal bag)、電池
又はAC電力等のポンプにより提供することができる。勿論、開口部が単に露出された場
合、内容物は容器10から注ぐことにより分配することができる。
【0025】
容器10の側壁14は、容器10の頂部16と底部12を連結する任意の好適な断面を
提供し得る。側壁14は容器10の断面を画定してもよく、該断面は長手方向の軸線と垂
直であってもよい。所望であれば、容器10の側壁14は、長手方向に垂直な半径方向と
比較して長手方向において長い形状を提供してもよい。
【0026】
容器10は、図示されるように、一定の断面を有してもよい。更に、容器10は、図示
されるように円形の断面を有して、略円筒形の形状を提供してもよい。代替的に、矩形、
楕円形等を含む様々な他の断面を使用することができる。尚、他の変形において、容器1
0は、角錐状(pramoidal)に単調にテーパ付けされた好適な断面を含む様々な断面を有
していてもよい。容器10の側壁14と底部12は、特定の裂け目が識別できるよう接触
点46で接していてもよく、又は、側壁14と底部12は輪郭に沿った遷移部を有していてもよい。
【0027】
容器10は、当該技術分野において公知のように任意のポリオレフィン材料からブロー
成形されてもよく、又はPET、PVA、PEN、ナイロンを含むリサイクル及び/若しくは未使用の材料の積層構造から形成されてもよく、又はガラス若しくは金属若しくはそれらの任意の組み合わせから形成されてもよい。容器10は炭素、シリカ又は他の皮膜で
被覆されて、放散/浸透遮蔽物を提供してもよい。
【0028】
底部用カップ20は、容器10を水平な表面上に直立させるよう容器10に取付け可能
な、より詳細には容器10の底部12に取付け可能であり得る任意の部材からなる。底部
用カップ20は、容器10と別々に形成される任意の部材からなっていてもよく、容器1
0の不規則底部12と、その上に容器10が配置される表面との間の遷移部を提供する。
テーパ形状の底部12を有する容器10の特定のケースでは、底部用カップ20は、底部
12を囲んで該底部を視界から部分的に覆い隠すことができる。
【0029】
底部用カップ20は、底部22を有していてもよい。底部用カップ20の底部22は、
容器10の断面と平行であり、かつ長手方向の軸線と垂直であってもよい。底部用カップ
20の底部22は、図2A及び図2Bに示されるように、底部を貫通する孔を有し、又は
中実であってもよい。
【0030】
底部用カップの側壁24は、底部用カップ20の底部22から上方に延びていてもよい
。底部用カップの側壁24の長手方向寸法、又は底部用カップ20の断面寸法のいずれか
は、他方より大きくてもよい。
【0031】
底部用カップ20は、双方が円形の断面を有する場合、容器10と同心であってもよく、及び/又は、底部用カップ20又は容器10のいずれかに異なる断面が選択された場合、合同であってもよい。底部用カップ20と容器10は、それらの間の取付けが実行可能
である限り、同一又は異なる断面を有してもよい。
【0032】
容器10の側壁14及び/又は底部用カップ20の側壁24は、容器10がその内容物
で満たされた場合、及び/又は加圧された場合、圧力下で半径方向に膨張してもよい。本
発明の容器10及び底部用カップ20は、飲料産業において生じるような20,000〜
25,000ksmの範囲の圧力で使用可能である。容器10及び底部用カップ20は、
80,000、90,000又は100,000ksm、200,000、120,00
0又は110,000ksm迄の範囲のより高い圧力で有利に使用可能である。
【0033】
底部用カップ20と容器10、特に容器10の底部12とを連結するために、機械的係
合部30が提供され得る。機械的係合部30は、底部用カップ20と容器10上に相補的な係合可能な部分32を提供し得る。機械的係合部30は、底部用カップ20と容器10
との永久の又は取外し可能な取付けを提供し得る。この構成により、2部品システム、即
ち、接着剤等の更なる構成要素、又は容器10と底部用カップ20との間に取付けを提供
する他の第三の構成要素、又は容器10と底部用カップ20とを一緒に保持するのに必要
な別の方法を必要としないで、互いに取付け可能であり、意図される耐用年数及び使用の
間、互いに取付けられた状態を維持する容器10と底部用カップ20が提供される。
【0034】
図3A及び図3Bを参照すると、機械的係合部30は、摩擦嵌め、インターロック係合、スナップ嵌め、締り嵌め等を介して底部用カップ20と容器10の取付けを提供し得る。機械的係合部30は、底部用カップ20と容器10とを、容器10の意図される耐用年
数の間、意図される並列位置に維持する任意の好適な構造を含むことができる。好適な機
械的係合部30の一つは、容器10と底部用カップ20上の相補的な係合可能な部分32
を含む。好適な相補的な係合可能な部分32は、突起34と相補的な凹み35とを含む。
凹み35は、溝の形態であってもよい。溝又は突起34のいずれかが底部用カップ20又
は容器10上に配置されてもよく、又は逆も可能である。
【0035】
図示されるように、突起34は容器10に、及び凹み35は底部用カップ20に配置されていてもよく、又は逆も可能である。機械的係合部30は、長手方向の軸線の周囲の全
360°にわたっていてもよく、又はより短い孤にわたっていてもよい。複数の機械的係
合部30が連続的に使用されてもよく、即ち異なる長手方向位置を有していてもよく、平
行して、即ち異なる半径方向又は周囲方向位置を有していてもよく、又はその両方であっ
てもよい。
【0036】
機械的係合部30は、容器10の側壁に係合しない位置に配置され得る。この構成は、
加圧/減圧、落下衝撃、温度変化等を原因とする取付け点/線における動きを最小にする。しかしながら、側壁14を回避する全ての位置が、等しく良好に機能することは期待さ
れない。
【0037】
図2A及び図2Bに戻って参照すると、機械的係合部30は、容器10の底部円錐部4
0内に配置されてもよい。底部円錐部40は、その頂点42が容器10の長手方向の軸線
上に配置された直円錐部として定義され、円錐部の軸は容器10の長手方向の軸線と一致
する。円錐部の底部は、長手方向の軸線に垂直であり、かつ容器10の断面と平行な円で
ある。
【0038】
底部円錐部40のテーパは、容器10の底部12及び/または底部用カップ20に向かって外側へ末広がりしている。テーパの角度は、長手方向の軸線と円錐部の側部との間で
45°であってもよく(円錐部の反対側間の角度を含むと90°)、この角度は、テーパの40°、35°、30°及び25°の各角度を包含する。
【0039】
底部円錐部40の頂点42は、接触点46の高さに、及び該接触点46に対応して配置
され、該接触点において容器10の側壁は底部12へ広がり、またはテーパ付けされている。底部円錐部40の底部は、底部用カップ20が容器10に取付けられた場合、底部用
カップ20の底部22と対応する。容器10/底部12が複数の接触点を有する場合、最
上の、最下の、または任意の中間の接触点が考慮され得る。最下接触点を考慮することに
よって、底部用カップ20を容器10の底部12に係合させるのに必要である嵌合が複雑でなくなる場合があるという利益が発生する。
【0040】
機械的係合部30を底部円錐部40内に配置することによって、底部用カップ20上で
の落下衝撃中に容器10と底部用カップ20とを一緒に保持する力と、容器10の側壁と
底部用カップ20との間の境界における半径方向の膨張差の原因となる力の競合する両方
の力が収容されると思われる。先行技術において力は競合すると考えられ、これは半径方
向の膨張が生じるにつれ機械的係合部30はより堅固となるが、落下衝撃中に伝達される
力は半径方向の膨張方向に伝達され、離脱を招くためである。
【0041】
機械的係合部30は、突起34を有する容器10と一体的にブロー成形されてもよく、
突起34の壁厚は、容器10の底部12の壁厚よりも大きい。この厚さの相違は、製造中
に突起34から不足する材料があれば、この場合に対処する利益を提供する。
【0042】
所望であれば、ウェル70は容器10の底部12と並置されてもよい。ウェル70は、
内部にディップチューブの末端部を受容してもよい。ウェル70は、一般に、分配される
容器10の一定量の内容物を保持する。そのような内容物は、容器10が鉛直から僅かな
角度で傾斜された場合でも、ウェル70内に配置され得る。ウェル70内にディップチューブの末端部と容器の内容物との両方を受容することにより、高圧ガスが涸渇した場合、
残留する内容物が減少し、分配は容器10がある角度に傾斜された場合継続し得る。
【0043】
ウェル70は湾曲した底部12内の分裂部であり、単に湾曲の最も低い点を表している
わけではないことを認識するべきである。代わりに、ウェル70は、湾曲が連続的で途切
れない場合には存在しない追加の容積を表す。所望であれば、ウェル70は、容器10の
底部12から離間した該底部と合同な湾曲を有してもよい。
【0044】
再度、図3A及び図3Bを参照すると、突起34及び凹み35は、スナップ嵌めにて互いに嵌合してもよく、該スナップ嵌めは、係合を可能とするが、後の離脱または分離を可
能としない。代替的に、突起34及び凹み35は互いに嵌合し、かつ相補的な係合可能な
部分32を互いに嵌合させた工程の逆の動きにより離脱可能であってもよい。
【0045】
突起34及び/または凹み35のいずれかは、360°にわたり得る。この構成は、応
力を機械的係合部の周囲全体に最大に分配する利益を提供する。
【0046】
図4を参照すると、代替的に、突起34及び、または凹み35は、120°にて配置された3つのタブ、90°にて配置された4つのタブ等を含んでいてもよい。この構成は、タブの形成に使用される材料が低下する利益を提供する。
【0047】
図2A〜図2Bに戻って参照すると、凹み35は、図示されるように、非貫通孔または
貫通孔を含んでいてもよい。非貫通孔は、底部用カップ20の底部22に屑が入り込み捕
捉された状態となることを防止する利益を提供する。容器10が洗浄剤で生じ得るように
台所で使用される場合、屑は、後に腐り得る食物粒子を含む可能性がある。貫通孔は、凹
み35及び底部用カップ20の形成に必要な材料が低下される利益を提供する。また貫通
孔は、底部用カップ20または容器10のいずれかに幾分か偏心が存在する場合、より許
容性が高いと思われる。
【0048】
より詳細には、底部用カップ20を参照すると、凹み35は底部用カップ20の内縁部
28により画定され得る。底部用カップ20の係合可能な部分32は、底部用カップ20
の内縁部28から半径方向内側へ延びていてもよい。より詳細には、係合可能な部分32
は、内縁部28における基端から突出されて内側に延びていてもよく、即ち、基端から離
間した末端へ長手方向の軸線に向かって延びていてもよい。係合可能な部分32の末端は
凹み35を画定し、容器10の底部12の係合可能な部分32(例えば、突起34等)と
係合することができる。
【0049】
図3A及び図3Bを参照すると、底部用カップ20の係合可能な部分32は、底部用カ
ップ20の底部22から突出されていてもよい。この構成は、容器10との係合により発
生する反作用が、底部用カップ側壁24の形状を変え、または該壁面を移動させない利益
を提供する。したがって、底部用カップ側壁24は、周方向応力及び他の応力から比較的
離れている。応力から比較的離れていることにより、底部用カップ側壁24は容器10の
側壁との境界にてより滑らかな遷移部を有することができる。より滑らかな遷移部は、特
に容器10及び底部用カップ20にラベルが付けられた場合、より審美的に心地よい外観
の利益を提供する。
【0050】
係合可能な部分32は、図示されるように、底部用カップ20の底部22から対角線上
に内側に延び、次に上方に延びていてもよい。この形状は、より大きい断面係数と、それ
による長手方向、特に長手方向の圧縮方向におけるより高い剛性との利益を提供する。代
替的に、係合可能な部分32は、底部用カップ20の底部22から対角線上内側に、かつ
上方に延びていてもよい。この形状は、より短い係合可能な部分32が生じ、係合可能な
部分32の形成に使用される材料が低下する利益を提供する。
【0051】
凹み35内に挿入される突起34は、長手方向の寸法と、該寸法に直交する半径方向の寸法とを有し得る。半径方向の寸法は、長手方向の寸法よりも大きくてもよい。これは比
較的長手方向にコンパクトな構造の利益を提供する。このような構造は、底部用カップ2
0の頂部26に存在する境界と、容器10の側壁とを底部用カップ20の底部22により
接近させて配置し、この境界の審美的影響を潜在的に低減する。
【0052】
所望であれば、底部用カップ20はモジュール構造を有してもよい。モジュール構造に
おいて、底部用カップ20の底部22は、底部用カップ側壁24とは異なる一種またはそ
れ以上の材料から形成されてもよい。このモジュール構造は、底部22がより安価な材料
から形成され得る利益を提供し、これは一般に使用中または商品棚上で包装が見られてい
る間は底部22が見えないためである。加えて、底部22は、比較的頑丈な材料から形成
されてもよく、その期待耐用年数を通してその係合可能な部分32を維持するに好適であ
る。底部22には、対応する容器10の係合可能な部分32に相補的であるように、様々
な寸法の突起34または凹み35を設けることができる。
【0053】
底部用カップ20の側壁24は、異なる美しさを提供するために、または異なる寸法を
有する容器10の底部12を収容するために、様々な色、質感、寸法等にて形成されることができる。底部20の側壁24と底部22とは、当技術分野にて周知のように、接着剤、音波または超音波溶着、摩擦溶着、スナップ嵌め等により連結することができる。
【0054】
底部用カップ20は、射出成形されてもよい。射出成形される場合、射出成形工程中、
材料供給に使用されるゲートの一定の配置を避けることが望ましいと思われる。例えば、
係合可能な部分32、特に底部用カップ20の係合可能な部分32の末端上にゲートを配
置することにより、係合可能な部分32の早期亀裂が生じ得る。この現象は、そのような
ゲートの配置に関連した冷却の違いを原因とすると思われる。容器10及び/または底部
用カップ20のいずれかまたは両方は、透明、半透明または不透明であってもよい。
【0055】
図4を参照すると、底部用カップ20は、ポリエチレン等のポリオレフィン材料を含んでいてもよい。代替的に、底部用カップ20は、金属、木または堅い紙から形成されていてもよい。
【0056】
底部用カップ20は、整合タブ60を有してもよい。整合タブ60は底部に配置され、
または底部に対抗して作用して、機械的係合部30上に力を付与する任意の部材である。
力は、容器10と底部用カップ20が係合された場合、半径方向及び/または長手方向に
適用され得る。整合タブ60は、弾性的にまたは塑性的に変形可能であってもよい。そのような変形は、組み立て中、及び容器10と底部用カップ20との取付け中に生じ得る。
【0057】
整合タブ60は、底部用カップ20と容器10の底部12との間に、しっかり固定した
嵌合を提供する。整合タブ60は、これらの構成要素間に力を付与して、ガタつき及び緩い嵌合を防止する。このことは、包装物がより高い品質のものであると知覚される利益を
提供する。
【0058】
弾性的に変形可能な整合タブ60が選択された場合、整合タブ60は機械的係合部30
を構成する突起34と凹み35の壁よりも高い可撓性を有し得る。このような可撓性は、
機械的係合部30を形成する材料と比較して高いコンプライアンスを有する材料を使用することにより、及び/または比較的薄い壁部分を使用してそのような整合タブ60の断面
係数を低減することにより提供され得る。整合タブ60の好適な材料は、TPEを含む。
【0059】
整合タブ60は、底部用カップ20、特に底部用カップ20の底部22から突出されて
いてもよい。整合タブ60は、基端から末端へ軸線に沿ってテーパ形状になっていてもよ
い。このテーパ形状は、長手方向の軸線全体においてテーパ形状に垂直となる方向に変動
するばね定数を提供し、該ばね定数は、基端に接近するにつれ増大する。そのような変動
するばね定数は、嵌合及び整合における差異を収容し得る利益を提供する。
【0060】
長手方向の整合タブ62は、長手方向の軸線と平行なベクトル成分を伴って延びていて
もよい。退歩したケースでは、長手方向の整合タブ62は、長手方向の軸線と平行であっ
てもよい。半径方向の整合タブ64は、長手方向の軸線に向かって内側に延びていてもよ
い。勿論、当業者は整合タブ60によって力が半径方向または長手方向に平行ではなく、
代わりに半径方向または長手方向に対して斜めの方向である他の方向へも付与されること
を認識するであろう。
【0061】
整合タブ60の基端は、底部用カップ20の底部22または側壁24と連結されていて
もよい。半径方向の整合タブ64の末端は、突起34、特に突起34内の任意の内部角部
若しくは環状溝と係合しまたは遮ってもよい。このことは、整合タブ60の末端が、出荷
及び取扱い中に外れた状態となる可能性を低下させる。
【0062】
長手方向の整合タブ62の末端は、容器10の底部12を遮り得る。これは容器10の
底部12に垂直な力を提供し、半球形底部12を有する容器10の場合、半径方向内側の
力も付与する。長手方向の整合タブ62(または半径方向の整合タブ64)が機械的係合
部30を囲んでいる場合、半径方向に対向する同等の力が適用されて、同心の維持を補助
する。したがって、整合タブ60は部品間の製作公差と不釣り合いを収容し得る利益を提
供する。
【0063】
整合タブ60が弾性的に変形可能な場合、整合タブはばねとして作用して、比較的一定
の力を機械的係合部30に適用することができる。整合タブ60が組み立て中に可塑的に
変形する場合、整合タブは機械的係合部30内に固有の間隙空間を満たし、変形しない場
合に間隙空間内で構成要素間に生じる動きが低減される。
【0064】
当業者は、整合タブ60が、突起34からまたは容器10の底部12の他の箇所から突
出されてもよいことを認識するであろう。この構成において、整合タブ60の末端は、底
部用カップ側壁24の内側、及び/または底部用カップ20の底部22を遮るであろう。
更に、整合タブ60は長手方向の軸線の周囲にて等間隔で及び/または異なる間隔で離間
されてもよく、また連続または不連続、即ち分離していてもよい。更に、長手方向の整合
タブ62及び半径方向の整合タブ64は、同等の力を適用しても、または他よりも大きい
、若しくは小さい力を適用してもよい。
【0065】
底部用カップ20を容器10に対して組み立てた後、底部用カップ20及び/または容
器10のいずれかまたは両方が、様々なラベル、図画、宣伝、使用説明書及び他のしるし
で装飾され得る。この装飾は、印刷、接着取付けされたラベル、収縮包装フィルムのラベ
ル等により達成され得る。しるしが容器10と底部用カップ20との間で長手方向(鉛直
)寸法を架橋する場合、しるしは容器10と底部用カップ20の両方の外部に配置され得
る。この配置は、包装物が商品棚上に存在する時、図画がより大きく見え得る利益を提供
する。代替的に、しるしは容器10の外部に配置され、底部用カップ20の内部にしまい
込まれてもよい。この配置は、しるしの底部が正確に切り整えられていない場合、しるし
が底部により覆われる利益を提供する。加えて、特定の色の底部用カップ20を有することが所望される場合、そのような底部用カップ20は、しるしにより覆われないであろう。
【0066】
容器10は、任意の好適な内容物を保持、保管及び分配するよう使用されてもよい。内
容物は、消費者製品としてまたは別様に有用であり得る。例えば、内容物は洗浄製品、消
臭スプレー、消毒剤、皮膚に対する局所適用剤、家具用艶出し剤等として使用され得る。
内容物が家具用艶出し剤として木表面に使用される場合、容器10は艶出しアルミニウム、または艶出しアルミニウムの外観を有する他の材料から形成されてもよい。そのような
容器10は、内部の家具用艶出し剤の意図される用途を示すよう上部に木のしるしを有し
てもよい。この組み合わせは、上部に暖かく見える木のしるしを有する現代調の容器10
の利益を有利に提供する。
【0067】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものと
して理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法
は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。
例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0068】
「発明を実施するための形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書
に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術で
あることを容認するものと解釈されるべきではない。本書における用語のいずれかの意味
または定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味または
定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味または定義が適
用されるものとする。
【0069】
以上、本発明の特定の実施形態を図示、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行うことが可能である点は当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求
の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不規則な底部と、内部を通る長手方向の軸線とを有する容器(10)を支持するための
円筒形の底部用カップ(20)であって、水平面上に静止するための環状の底部(22)と、該底部から離隔した頂部と、前記長手方向の軸線から底部用カップ側壁の内側まで比較的均一な第1の半径の底部用カップ側壁(24)であって、前記底部用カップ(20)の前記頂部と前記底部(22)とを連結する底部用カップ側壁(24)と、該底部用カップ側壁(24)の内側に配置され、基端から末端まで半径方向内側へ延びる内側の係合可能な部分(32)を含む機械的係合部(30)を画成する内縁部とを有し、
前記係合可能な部分(32)が、前記底部用カップ(20)の底部(22)から第2の半径で突出され、
前記第2の半径は、前記第1の半径未満であって第1の半径の少なくとも半分であり、
前記係合可能な部分(32)は、前記長手方向の軸線と一致せず、周囲方向に互いに離間した少なくとも3つの分離したタブ(60)を含む底部用カップ(20)。
【請求項2】
不規則な底部と、内部を通る長手方向の軸線とを有する容器(10)を支持するための
底部用カップ(20)であって、水平面上に静止するための底部(22)と、該底部から
離隔した頂部と、前記底部用カップ(20)の前記頂部と前記底部(22)とを連結する
底部用カップ側壁(24)と、前記底部用カップ側壁(24)の内側に配置され、基端か
ら末端まで半径方向内側へ延びる内側の係合可能な部分(32)を含む機械的係合部(3
0)を画成する内縁部とを有し、
前記係合可能な部分(32)が、前記底部用カップ(20)の底部(22)から突出され、
前記底部用カップ(20)は、環状の据え付け部を有する円形断面を有し、該環状の据え付け部は、内縁部と半径方向に離隔した外縁部とを有し、
前記係合可能な部分(32)が、該内縁部と一致する基端から突出されている底部用カップ(20)。
【請求項3】
前記係合可能な部分(32)は、上方に延びるとともに前記円形断面の中心に向かう請求項2記載の底部用カップ(20)。
【請求項4】
不規則な底部と、内部を通る長手方向の軸線とを有する容器(10)を支持するための
円筒形の底部用カップ(20)であって、水平面上に静止するための環状の底部(22)と、該底部から離隔した頂部と、前記長手方向の軸線から底部用カップ側壁の内側まで比較的均一な第1の半径の底部用カップ側壁(24)であって、前記底部用カップ(20)の前記頂部と前記底部(22)とを連結する底部用カップ側壁(24)と、該底部用カップ側壁(24)の内側に配置され、基端から末端まで半径方向内側へ延びる内側の係合可能な部分(32)を含む機械的係合部(30)を画成する内縁部とを有し、
前記係合可能な部分(32)が、前記底部用カップ(20)の底部(22)から第2の半径で突出され、
前記第2の半径は、前記第1の半径未満であって第1の半径の少なくとも半分であり、
前記係合可能な部分(32)は、前記長手方向の軸線と一致せず、前記底部用カップ(20)は、該係合可能な部分(32)に配される環状部分を有する底部用カップ(20)。
【請求項5】
前記係合可能な部分(32)の末端は、下向きであって前記底部用カップ(20)の中央に向けられる請求項4記載の底部用カップ(20)。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−60237(P2013−60237A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−640(P2013−640)
【出願日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【分割の表示】特願2010−521512(P2010−521512)の分割
【原出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】