説明

支持台および測定装置

【課題】容器の下部などに付着している液体を容器から除去する機能を有する支持台を備える測定装置を提供する。
【解決手段】発泡性飲料の泡持ちを測定する測定装置は、容器10の底部を支持する支持板20と、支持板20の下方に空間35を形成する空間形成部材30と、空間35を減圧するポンプ40と、支持板20によって支持された容器10内の発泡性飲料の泡持ちを測定する測定部70とを備える。支持板20は、開口部22を有し、容器10から溢れた液体が開口部22を通して空間35に吸引される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を支持する支持台および該支持台を有する測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビールの泡持ち(泡の持続性)は、外観品質として重要であるばかりでなく、ビールと空気とを遮断してビールの味を維持する上でも重要である。泡持ちの測定法としては、NIBEM法が知られている。泡持ちの測定は、グラス(容器)にビールを注いで泡立てた後に、泡の崩壊を4端子の電極を使って測定する。測定装置は、例えば、Haffmans社から提供されている。
【特許文献1】特開2000−275238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ビールを泡立てた際にビールがグラスから溢れる。溢れたビールは、グラスの外面を伝って垂れてグラスの下部に溜まる。そこで、グラスの下部に溜まったビールを拭き取ってからグラスを測定装置にセットする必要があり、作業の効率が悪い。また、グラスの下部に溜まったビールを一旦拭き取っても、その後に更にグラスの外面を伝ってビールが垂れて再びグラスの下部に溜まることもある。このようなグラスの下部のビールは、表面張力でグラスを移動させてしまうことがある。グラスが移動すると、泡持ちの正確な測定ができず、測定ばらつきが生じうる。
【0004】
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、容器の下部などに付着している液体を容器から除去する機能を有する支持台、および、そのような支持台を備える測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の側面は、液体が注がれる容器を支持する支持台に係り、前記支持台は、前記容器の底部を支持する支持板と、前記支持板の下方に空間を形成する空間形成部材と、前記空間を減圧するポンプとを備え、前記支持板は、開口部を有し、前記容器から溢れた液体が前記開口部を通して前記空間に吸引される。
【0006】
本発明の第2の側面は、発泡性飲料の泡持ちを測定する測定装置に係り、前記測定装置は、発泡性飲料が注がれる容器の底部を支持する支持板と、前記支持板の下方に空間を形成する空間形成部材と、前記空間を減圧するポンプと、前記支持板によって支持された容器内の発泡性飲料の泡持ちを測定する測定部とを備え、前記支持板は、開口部を有し、前記容器から溢れた発泡性飲料が前記開口部を通して前記空間に吸引される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば、容器の下部などに付着している液体を容器から除去する機能を有する支持台、および、そのような支持台を備える測定装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【0009】
図1および図2は、本発明の好適な実施形態の測定装置の構成を模式的に示す図である。本発明の好適な実施形態の測定装置は、ビールや発泡酒等に代表される発泡性飲料の泡持ちの測定に使用されうる。
【0010】
測定装置100は、測定用のグラス(容器)10の底部を支持する支持板20と、支持板20の下方に空間35を形成する空間形成部材30と、空間35を減圧するポンプ40と、支持板20によって支持されたグラス10内の発泡性飲料の泡持ちを測定する測定部70とを備える。空間形成部30およびポンプ40は、例えば、ベース部材60の上に配置されうる。
【0011】
図1は、泡立てた状態の発泡性飲料を準備する様子を示している。泡立ては、典型的には、支持板20の上にグラス10を置き、サンプラーによって発泡性飲料を泡立てながらグラス10に注ぐことによって行われうる。グラス10には、液体部分12の上に泡部分14を有する発泡性飲料が準備される。グラス10からは泡状態或いは液体状態の発泡性飲料16が溢れうる。溢れた発泡性飲料16は、グラス10の外面を伝ってグラス10の下部に垂れ落ちる。
【0012】
支持板20は、開口部22を有し、グラス10から溢れて下部に垂れ落ちた発泡性飲料16は、開口部22を通して空間35に吸引される。開口部22は、例えば、支持板20に複数の貫通孔を形成することによって実現されうるが、例えば、支持板20を網状、格子状等の構造にすることによっても実現されうる。空間35に吸引された発泡性飲料16は、空間35の底部に溜まりうる。底部に溜まった発泡性飲料16は、バルブ50を開くことによって空間35から排出されうる。
【0013】
図2は、グラス10に準備された泡部分14を有する発泡性飲料を測定部70によって測定している様子を示している。測定部70は、例えば4本の電極を有するプローブ75を備えていて、これらの電極を泡部分14に挿入し、泡の崩壊によって泡部分14の高さが所定量だけ変化する時間を”泡持ち”として測定する。
【0014】
上記のような支持板20、空間形成部材30およびポンプ40を備えて構成される支持台は、上記のような測定装置100の一部としての他、種々の用途の支持台、例えば、発泡性飲料または非発泡性飲料等の液体のサーバーにおける支持台、または、発泡性飲料または非発泡性飲料等の液体が注がれた容器の仮置き用の支持台などとして使用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好適な実施形態の測定装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の測定装置の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0016】
10 グラス(容器)
12 発泡性飲料の液体部分
14 発泡性飲料の泡部分
16 発泡性飲料
20 支持板
22 開口部
30 空間形成部材
35 空間
40 ポンプ
50 バルブ
60 ベース部材
100 測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が注がれる容器を支持する支持台であって、
前記容器の底部を支持する支持板と、
前記支持板の下方に空間を形成する空間形成部材と、
前記空間を減圧するポンプとを備え、
前記支持板は、開口部を有し、前記容器から溢れた液体が前記開口部を通して前記空間に吸引される、
ことを特徴とする支持台。
【請求項2】
発泡性飲料の泡持ちを測定する測定装置であって、
発泡性飲料が注がれる容器の底部を支持する支持板と、
前記支持板の下方に空間を形成する空間形成部材と、
前記空間を減圧するポンプと、
前記支持板によって支持された容器内の発泡性飲料の泡持ちを測定する測定部とを備え、
前記支持板は、開口部を有し、前記容器から溢れた発泡性飲料が前記開口部を通して前記空間に吸引される、
ことを特徴とする測定装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−47492(P2009−47492A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−212357(P2007−212357)
【出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)