説明

支持装置および搬送装置

【課題】重荷重を搬送するための支持装置を提供する。
【解決手段】支持装置は、支持体と、支持体の周りを回転するローラ本体とを含む。ローラ本体は、一連の支持ローラ3および離間ローラ9を含む。離間ローラ9の直径は支持ローラ3より小さく、離間ローラ9はいずれの場合にも、連続する支持ローラ3を互いに離間させる。支持装置12は、支持領域に沿って移動する荷重を支持するために設けられ、ローラ本体は、少なくとも支持領域において、その幅全体に亘ってベルト6で覆われ、したがって支持ローラ3は、支持領域において支持体とベルト6との上を転がる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は搬送装置技術の分野に関し、特に請求項1の序文に係る重荷重を搬送するための支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
技術水準
物流システムにおいて重荷重を水平に搬送するために、たとえばローラ搬送装置が知られており、一連の個々に取付けられた静止ローラ上を荷重が転がる。ローラの軸受およびローラそのものが荷重の重量を支持し、搬送される荷重の重量に従って頑丈に設計されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明の説明
本発明の目的は、最初に言及した種類の、頑丈かつ安価な設計を有する、重荷重を搬送するための支持装置を提供することである。
【0004】
当該目的は、請求項1の特徴を有する支持装置によって実現される。
重荷重を搬送するための支持装置はしたがって支持体と、支持体の周りを回転するローラ本体とを含む。
・ローラ本体は、一連の支持ローラおよび離間ローラを含む。
・離間ローラの直径は支持ローラより小さく、離間ローラはいずれの場合にも、連続する支持ローラを互いに離間させる。
・支持装置は、支持領域に沿って移動する荷重を支持するために設けられ、ローラ本体は、少なくとも支持領域において、その幅全体に亘ってベルトで覆われ、したがって支持ローラは、支持領域において支持体とベルトとの上を転がる。
【0005】
したがってベルトは、少なくとも支持領域において、少なくとも部分的にローラ本体の周りを覆うかまたは巻付く。これによって、支持ローラが汚染から保護される。複数の支持ローラへの荷重の分散によって、軽量で安価な材料による設計が可能となる。好ましくはしたがって、支持ローラおよび/または離間ローラはプラスチックで製造される。摩擦損失が極めて低い非常に簡単な転がりおよび搬送が可能である。ローラ本体は、支持ローラおよび離間ローラの全体と、これらのローラとともに走行するいずれかの軸受要素または支持要素とを含む。
【0006】
ベルトは、可撓性材料もしくはバンドからなり得るか、または結合された部品からなる(チェーン)リンクベルト、たとえばリンク搬送装置ベルト、マットチェーン、ヒンジベルトチェーン、プレートベルトチェーン、フレックスベルト、チェーンベルトなどであり得る。
【0007】
本発明の好ましい実施例において、支持体は2本の周囲案内溝を含み、支持ローラは、ピボットスタブによって案内溝内を案内される。好ましくは、離間ローラもピボットスタブによって案内溝内を案内される。ピボットスタブは、それぞれのローラ上に一体として、またはローラに挿入される連続的なローラピボットの一部として設計され得る。
【0008】
(引張り力に対する)押力による荷重が大きすぎなければ、ピボットのさらなる取付けは不要である。これは、荷重を支持するための荷重が支持ローラによって支持体に直接伝達されるためである。ローラ本体内部、したがって支持ローラ同士の間の押力も伝達される場合、好ましくは支持ローラおよび/または離間ローラは、転がり軸受または滑り軸受によって載置される。好ましくはこれにより、支持ローラのピボットスタブまたは離間ローラのピボットスタブが軸受の内側部分に締結され、外側部分はそれぞれの案内溝内を転がる。本発明の別の実施例において、軸受は支持ローラおよび/または離間ローラ内に配置され、これによりローラピボットは、それぞれのローラに対して回転可能である。本発明の好ましい実施例において、軸受、特に転がり軸受が設けられるのは離間ローラだけである。
【0009】
したがって、離間ローラは、いずれの場合にも支持ローラの間に配置される。これにより、いずれの場合にも2つの隣接する支持ローラの間に1つまたは2つの離間ローラが配置され得る。第1の場合、離間ローラは、好ましくは同様に案内溝内に取付けられる。第2の場合、2つの支持ローラの間の支持領域において、いずれの場合にも、2つの支持ローラの回転軸によって規定される面の外側に回転軸がある状態で外側離間ローラが転がり、内側離間ローラはこの面内で転がる(「外側」および「内側」という用語は、支持ローラに関連すると理解される)。ローラ本体全体を見ると、これは、支持ローラが動く基準面を支持ローラの軸が規定し、外側群の離間ローラの軸が基準面の外側を通り、内側群の離間ローラの軸が基準面内部を通ることを意味する。
【0010】
好ましくは、いずれの場合にも、2つの離間ローラは支持ローラ上に移動可能に締結され、ともにローラユニットを構成する。特に、このために、いずれの場合にも、少なくとも1つの軸受要素が支持ローラ上に配置される。支持ローラおよび2つの離間ローラは軸受要素に回転可能に載置され、2つの離間ローラが支持面上を転がる。軸受要素への支持ローラの載置は緩くてもよい。ローラが引離されたときに軸受本体が落下するのを防ぐためのものに過ぎないためである。たとえば、載置は、軸受要素とローラピボットとの間のスナップ接続によってもたらされ得る。
【0011】
本発明のさらなる好ましい実施例において、協動する軸受要素が存在するが、支持ローラではなく、2つの離間ローラのみがこの中に回転可能に載置される。好ましくは、軸受要素の形状は、ローラが引離されても、ベルトと支持面との間の中間領域に軸受要素が落下しないように設計される。離間ローラは、少なくとも1つの軸受要素とともに離間要素を構成する。
【0012】
離間ローラ対は、支持ローラに接続されていようといまいと、離間ローラが次の支持ローラに接触すると(基準面に対して)自動的に自己調心する。押力によって、したがって支持体を中心とする支持ローラの移動方向または回転方向において、これによって、ローラユニットが互いに押付けられ、安定化され、個々の中央離間ローラがこれにより上方または下方に押されることになる。したがって、離間ローラのこの対配置によって、(引張り力に対する)押力の伝達を向上させることができる。これはたとえば、2つの搬送される物体が支持装置と接触し、これらの物体の一方のみが追加的な駆動手段または手によって前方に押される場合に該当する。支持装置は、次いでこの駆動力を他方の物体に伝達することができ、したがって他方の物体は間接的に駆動されるかまたは協動し得る。作用する態様は、ローラの回転方向(右回りまたは左回り)とは無関係である。
【0013】
軸受要素は、互いに押付けられた支持ローラによって生じ、かつ離間ローラを押し離すことになる力を吸収する。これらの力は、ひいては軸受要素の離間ローラの軸受の摩擦損失に繋がり得る。この理由から、本発明のさらなる好ましい実施例において、離間ローラは、ローラ軸受によって少なくとも1つの軸受要素に載置されるか、または2つの離間ローラがベルトで巻付けられる。たとえば薄いスチールのベルトが、ローラ全体の周りに、またはローラもしくはローラピボットのより薄いセクションの周りにも巻付けられ得る。ベルトは、離間ローラを離すように駆動する力を吸収し、離間ローラの最大距離を決定する。これにより離間ローラの一方または両方が細長い穴に載置され得、2つの離間ローラの距離のある程度の変動が可能となる。
【0014】
本発明の別の好ましい実施例において、支持装置は駆動装置を含む。これはたとえば、ベルト上またはローラ本体上に係合する。これにより、搬送される物体の寸法に応じて、いくつかの直列の支持装置のすべてが駆動装置を有する必要はない。
【0015】
ローラユニットは好ましくは互いに接続されないため、荷重をかけられていない領域においては、回転中に引離され得るかまたは互いに離間し得る。再び互いに接近すると、離間ローラは、再び正確に次の支持ローラ上に載るものとする。これは、以下の条件が満たされるともたらされる。支持ローラおよび下方離間ローラを有するローラユニットが支持面上(より包括的に表現すれば、2つのローラに対する接線を形成する面上)にあり、かつ支持ローラの回転軸を通り支持面と平行な平行面を適用する場合、上方離間ローラの回転軸は、平行面より上になければならない。換言すると、支持ローラの回転軸を通り、支持ローラおよび離間ローラの一方に対する、外側からローラユニットに適用される接線と平行に延びる面が、2つの離間ローラの回転軸を通って延びるときに条件が満たされる。この場合であれば、支持面上を同様に転がるさらなる支持ローラに当接すると第2の離間ローラが持上げられる。2つのローラユニットを引離すと、したがって離間ローラは支持面に対して傾斜し、2つのローラユニットが集まると、離間ローラは再び垂直に設定される。次いでローラユニットは、再び基準面に対して調心される。
【0016】
本発明の別の好ましい実施例では、ローラユニットは存在しないが、離間ローラを案内するための支持体は、支持ローラ用の案内溝とは異なるさらなる案内溝を含む。離間ローラのピボットスタブは、この少なくとも1本のさらなる案内溝に載置される。さらなる案内溝は、これにより案内溝内および/または外側において、案内溝と平行に延びる。
【0017】
本発明のさらなる実施例において、軸受要素のまたは軸受の肩部は、いずれの場合にも隣接する支持ローラを包囲する円筒へと径方向に突出し、これによってローラ軸の方向に沿った支持ローラの移動を制限する。支持ローラの両側の肩部は、したがって支持ローラを軸方向に包囲し、先導する。本発明の好ましい実施例において、案内するための支持ローラは、ローラピボットもしくはピボットスタブなどのさらなる突出した軸受要素を有しておらず、単に離間ローラの軸受要素または軸受の肩部によって案内され、整列される。
【0018】
搬送装置は、互いに前後して直列に配置された2つ以上の支持装置を含む。いずれの場合にも、少なくとも1つの移動可能な支持要素を有する中間要素が支持装置の間に配置される。これにより支持要素は、2つの支持装置の間の移行領域において、搬送される物体を支持する。支持要素は、たとえば1つまたは2つまたはそれ以上の中間ローラ、すなわち従来型のローラからなる。支持装置および中間要素は、好ましくはモジュラ構造システムを構成し、支持装置および中間要素は、搬送装置を構成するために、無限に互いに一列に並べられ得る。本発明のさらなる実施例において、中間要素は指示装置内にあり、一体化された中間要素を有する支持装置は、好ましくは押込み式嵌合によって互いに一列に並べられ得る。
【0019】
好ましくはこれにより、支持装置および中間要素は、搬送方向に押込み式嵌合によって互いに一列に並べられ得る。これらはしたがって、端面における支持装置の外側輪郭が中間要素の外側輪郭に対して相補的な形状を有するように成形される。好ましくは、支持装置および中間要素は、対応して成形される接続要素もさらに有する。これらにより、たとえば、支持装置および中間要素を互いに付着させるか、または互いの上に張出させることが可能となる。
【0020】
また、さらなる好ましい実施例において、いずれの場合にもいくつかの支持装置および中間要素を有する数本の列が、搬送装置において互いに平行に配置される。これによってより幅広い荷重を支持し、搬送し得る。このため、支持装置の列は、搬送方向の法線方向に互いに離間してもよいし、特に押込み式嵌合によって互いに接続してもよい。これによりたとえば、いずれの場合にも、互いに隣り合う列の支持装置は、長手方向において互いにずらされる。これにより、搬送される製品の種類に応じて、中間要素を利用せずに済ませてもよい。
【0021】
基本的に、支持装置はベルトなしでも実現され得る。しかし、これは重荷重搬送装置としての作動時間中に、装置の汚染が予期されるという欠点を有する。
【0022】
当該装置は設備の床領域に固定された態様のアセンブリであってもよく、したがって単位荷重、パレット、アセンブリキャリヤ、機械ユニット、搬送装置ベルトステーションのための材料キャリヤなどが、それによって搬送される製品として運ばれ得る。当該装置は、若干傾斜した態様で配置されてもよく、したがって搬送される製品は、重力によって、またはわずかな力で手によって搬送され得る。傾斜した搬送装置は材料緩衝器において補助するために使用され得、単位荷重またはキャリヤが処理ステーションに先導され、いずれの場合にも次の単位荷重またはキャリヤが、取り出し後、重力によって後搬送される。好ましくは搬送装置は、少なくとも部分的に3°〜20°の角度で、好ましくは約10°の角度で水平に対して傾斜される。
【0023】
基本的に、1つ以上の支持装置を車輪の代わりにキャリヤに締結し、キャリヤが床上を転がるようにすることも可能である。
【0024】
本発明の好ましい実施例において、支持面の少なくとも1つの窪みが支持領域に存在し、窪みの領域に位置するローラを窪みに移動させてもよい。
【0025】
搬送装置を作動させるための方法によれば、搬送装置の支持装置の支持領域においてローラが転がると、以下のステップが実行される。
・たとえば上記の窪みの支持領域の部分領域に入ると、ローラを解放するステップ、
・解放されたローラを整列させるステップ、および
・支持領域の部分領域を離れると、ローラの荷重を再開するステップ。
【0026】
これによって、ローラに作用する荷重力が窪みの領域において減少する。好ましくは、窪みでは荷重力がローラに全く作用しない。ローラはしたがって、いずれの場合にも少なくとも1つの窪みの領域において、搬送される物体たとえば搬送手段と本質的に緩く接触する。ローラはこれによって解放され、したがってローラの軸方向(回転軸)がより簡単に修正され得る。これによって、ローラが傾斜していても、つまりその回転軸の方向が転がり方向または搬送方向に垂直ではなくても、再び搬送方向に垂直に整列され得る。ローラの回転軸は、たとえば、円柱状または樽状の態様で成形されたローラによって規定される。これ以降「転がり方向」という用語は、転がりローラの重力中心の並進移動成分を示す。
【0027】
これは、荷重に応じて、かつローラの形状、ローラおよび支持面の載置の非理想性に応じて、ある程度の伸張後に荷重を受けて傾斜するローラが、再び整列され得るという利点を有する。これにより、傾斜したローラがそれらの案内部においてそれらのピボットおよび/または外周表面および/またはそれらの端面と擦れ合い、過度な摩耗を引起すことが防がれる。その結果、これによって、安価で軽量な材料でローラおよび案内部を製造することが可能となる。
【0028】
荷重が支持装置としたがってローラを介して支持面とに作用する方向は、一般的に重力の方向である。以下においては、記載を簡略化するため、説明は特にこの意味に関するものとする。しかし本発明は、この意味において他の方向の荷重にも適用され得る。
【0029】
ローラピボットの整列は、以下の効果の1つによって、またはこれらの効果の組合せによってもたらされ得る。
・ローラが窪み内に転がるかまたは摺動することによって、ローラは解放され、窪みと平行に整列する。窪みへの移動は、重力によって、および/またはローラの案内によって引起され得る。
・窪みから再び上方に移動すると、ローラは上方に延びる支持面に対して押付けられるかまたは引張られ、これにより窪みと平行に整列される。
・ローラの端部側に係合し、ローラを側方に所定の位置に(好ましくはローラ経路の中央に)押しやり、これによりローラの軸方向も整列させる側方経路狭窄部による。好ましくはこれにより、ローラの端部側が経路狭窄部の表面と平行になる。
【0030】
窪みの形状は、窪みの断面において、搬送方向またはローラの転がり方向に垂直な断面において、ローラの外周輪郭に本質的に対応することが好ましい。本発明の好ましい実施例において、窪みは、ローラの端部の領域したがってローラ経路の中央線の両側の領域においての方が若干顕著である、すなわち中央部よりも若干深い。これによって、ローラの軸方向に回転することがより簡単となる。
【0031】
さらなる好ましい実施例は、従属請求項に対応する。
本発明の主題は、添付の図面に表される好ましい実施例によって、以下に詳細に説明される。図面は、いずれの場合にも概略的に示される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1a】支持装置の図である。
【図1b】この支持装置の断面図である。
【図1c】この支持装置の断面図である。
【図1d】この支持装置の断面図である。
【図2a】支持装置の図である。
【図2b】さらなる実施例の支持装置の断面図である。
【図2c】さらなる実施例の支持装置の断面図である。
【図3】いくつかの支持装置からなる搬送装置の使用を示す図である。
【図4a】中間要素を示す図である。
【図4b】中間要素を示す図である。
【図5】ローラ軸受を有する支持装置の断面図である。
【図6】本発明のさらなる実施例における支持装置の断面図である。
【図7】ローラユニットの図である。
【図8】互いに前後して配置された2つのローラユニットの平面図である。
【図9】離間ローラのピボットを解放するための保持ベルトを有するローラユニットの図である。
【図10】離間ローラのピボットを解放するための保持ベルトを有するローラユニットの図である。
【図11】離間ローラのピボットを解放するための保持ベルトを有するローラユニットの図である。
【図12】離間ローラのピボットを解放するための保持ベルトを有するローラユニットの図である。
【図13】支持ローラ上に締結されていない軸受要素および離間ローラの図である。
【図14】支持ローラ上に締結されていない軸受要素および離間ローラの図である。
【図15】支持ローラ上に締結されていない軸受要素および離間ローラの図である。
【図16】支持ローラ上に締結されていない軸受要素および離間ローラの図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面において使用される参照符号およびそれらの意味は、参照符号のリストに確定的に列挙される。基本的に、図面において同じ部分には同じ参照符号を付す。
【0034】
発明を実行する方法
図1a〜図1dは、支持装置12の図とこの支持装置12の3つの断面とを示す。支持装置12は、側方要素74を有する支持体7と、支持体7において回転しかつベルト6によって巻付けられるローラ本体5とを含む。中心体73の周りの回転経路に沿ったすべてのローラ3が描かれているわけではなく、実際にはローラ3は本質的に回転経路全体に沿って存在する。図示の例では、ローラ本体5はその周囲全体にわたってベルト6で巻付けられているが、部分的にのみ巻付けられるか覆われてもよい。支持領域11に沿った上部のベルト6は、好ましくはローラ本体5の幅全体を覆い、したがってローラ本体5が汚染から保護される。図1bの長手方向断面図ならびに図1cおよび図1dの断面図に見られるように、ローラ本体5は交互に大小のローラを有し、大きいローラは、搬送または支持される物体(図示せず)からの、ベルト6および支持ローラ3に作用する荷重力を、支持体7の中心体73に伝達する支持ローラ3として機能する。中心体73は、その結果、側方要素74によって床上にまたは設備内に支持される。支持ローラ3は、以下離間ローラ9と称する小さいローラによって互いに離間される。支持ローラ3および離間ローラ9は互いの上を転がり、案内溝71内を案内される。案内溝71は側方要素74に形成され、中心体73を中心とするローラの回転経路に沿って延びる。この案内は、支持ローラ3の軸方向に突出するピボットスタブ35と案内溝71に突出する離間ローラ9のピボットスタブ95とによってもたらされ、したがってローラ3および9が回転経路から離れるのを防ぐ。ピボットスタブ35および95は、ローラ3および9上に一体として設計される(図1c)かまたは、連続したローラピボット36としてローラ3および9に挿入される(図1d)。支持装置12の上方領域すなわち支持領域11では、ベルト6は支持ローラ3上にあり、下方領域すなわち戻りセクションでは、ローラ本体5から若干離間され得る(図1b〜図1d)。
【0035】
図2a〜図2cは、支持装置の図と、中心体73の支持面72の窪み82を有するさらなる実施例の支持装置の2つの断面図とを示す。ここでも、中心体73を中心とする回転経路に沿ってすべてのローラ3が描かれているわけではない。図2aは、中間要素61が間に配置された、一連の互いに一列に並べられた2つの支持装置12もさらに示す。このように互いに一列に並べることは、図1a〜図1dに係る支持装置12でも当然可能である。
【0036】
図2cは、側方要素74が取外された状態の窪み82の領域の側面図であり、図2bは、窪み82の領域の断面図である。窪み82は、ローラ3がベルト6と支持面72との間で転がっている間に傾斜した場合に、ローラ3を解放しかつ整列させるように機能する。この傾斜は、たとえば支持ローラ3が案内部に対して側方に走行し、端面またはエッジが案内部を擦ることによって、支持装置12の摩耗を増大させる。例示的な窪み82は別個の解放要素8内に設計されるが、中心体73または側方要素74から窪ませてもよい。
【0037】
支持面72は、支持領域11においてローラ3を支持し、したがって直接的にまたはベルト6を介して搬送手段もしくは搬送される製品(図示せず)も支持する。窪み82の領域では、そこに位置するそれぞれのローラ43は荷重を受けない。ローラ3は、そこでは重力によって、および/またはローラ3の側方への案内によって、ベルト6から若干離れて下方に移動する。これによって移動がより簡単となり、耐荷重領域においてそれらの回転軸が斜めの姿勢になった場合には再び整列し得、それによってそれらの回転軸はローラ3の転がり方向に垂直に延びる。
【0038】
図2aには解放要素8が1つしか描かれていないが、いくつかの解放要素8も支持領域11に沿って配置され得る。
【0039】
図1a〜図1dおよび図2a〜図2cに係る支持装置12は、無限に循環するローラ3を含む。同様に、前後に動くローラを有する、したがって循環しないローラを有するかまたは単純に直線的に移動するローラのみを有する支持装置も当然存在し、任意に窪み82が設けられ得る。これにより窪みの対称性は、移動方向と無関係に生じる効果によって、移動方向(前方または後方)において同じ効果を有する。
【0040】
図2a〜図2cでは、窪み82を別個の要素または解放要素8として示す。しかし本発明の他の実施例においては、支持面72上および側方要素74上にも形成され得る。したがって、窪み82を形成するのに別個の構成要素は必要とされない。
【0041】
図3は、いくつかの支持装置12の搬送装置の利用を示す。したがって、いずれの場合にも搬送される製造物10を載置するための中間要素61が支持装置12の間にある状態で、いくつかの支持装置12が直列に配置される。他方で、いくつかのこのような一連の支持装置12は、搬送される幅広い製造物10を支持し搬送することができるように、互いに平行に配置される。
【0042】
図4a〜図4bは、たとえば1つの中間ローラ62を有する中間要素61を示す。中間ローラ62は、滑り軸受として例示される軸受64によってピボット63を中心に回転し得る。本発明の他の実施例では、軸受は、中間要素61の静止部分における、または中間ローラ62における転がり軸受である。(搬送方向に見た)中間要素61の側方部分の外側形状は、支持装置12の側方要素74の外側形状に対応し、それによって押込み式嵌合によって互いに結合され得る。接続のために、さらなる押込み式嵌合要素(図示せず)および/またはねじ接続用のフランジが設けられ得る。
【0043】
図5は、ローラ軸受37を有する支持装置の断面を示す。例示として、ローラ軸受が支持ローラ3のローラピボット36上にどのように配置されるかが示される。離間ローラ9も案内溝71に同様に載置され得る。本発明のこの実施例によって、ローラ本体5が押力によって移動方向に荷重をかけられるときに生じる摩擦力および摩耗がさらに減少し、これによってローラ軸36が案内溝71の面に垂直な方向に押離される。
【0044】
図6は、本発明のさらなる実施例の支持装置の断面を示す。ここでは、いずれの場合にも2つの離間ローラ9が2つの支持ローラ3の間に配置される。離間ローラ9は支持ローラ3上を転がる。離間ローラ9は、いずれの場合にも、それらの軸が、支持ローラ3(窪み82の領域で下げられた支持ローラ3を除く)の軸を通る(支持面72と平行な)面より上および下にある状態で支持領域11に存在する。いずれの場合にも、2つの離間ローラ9は、縦方向したがって支持面72の法線方向に互いに保持され、それによって押力は支持ローラ3の間に伝達され得る。ローラおよびローラユニットが(引張力に対する)押力を伝達し得ることによって、支持装置12上に押付けられた搬送物体が、同じ支持装置12上に同様に位置する他の物体を、荷重(ベルト)セクションのローラ本体によって間接的に駆動し、それらをさらに搬送することが可能となる。
【0045】
図6に示される解放要素8またはそれらの窪みは、図2a〜図2cによって説明したのと同様に作用する。しかし図6の支持装置12は、解放要素8なしに実現され得る。
【0046】
図7はローラユニット4を示し、図8は互いに前後して配置された2つのローラユニット4の平面図である。ローラユニットにおいて、いずれの場合にも支持ローラ3および2つの離間ローラ9(ここでは個々に9aおよび9bとして示す)は互いに移動可能に接続される。すなわち3つすべてが軸受要素91に載置される。軸受要素91は、基本的にローラ軸36の端部付近に配置され、それにより一部品からなる支持ローラ3および2つの離間ローラ9が軸受要素91の間に存在する。しかし図示した例では、軸受要素91は端部に対して離間され、それにより支持ローラ3は、ローラ軸36によって互いに接続された同じ直径の少なくとも3つの同軸セクション3a、3bおよび3cを有する。いずれの場合にも、これらのセクションのうち2つの間において、軸受要素91がローラピボット36上に回転可能に配置され、ローラセクションを越えて径方向に突出する。2つの離間要素9は、2つの軸受要素の間に載置される(支持ローラであっても離間ローラであっても、互いに同軸に配置されかつともに移動するローラのいくつかのセクションは、いずれの場合にも1つのローラと考えられる)。
【0047】
図9〜図12は、離間ローラのピボットを解放するための保持ベルト92を有するローラユニットを示す。図9および図10は、図7および図8と同様のローラユニット4を示すが、2つの離間ローラ9aおよび9bの周りに巻付けられた保持ベルト92を有する。離間ローラ9aおよび9bの少なくとも一方、ここでは例えば下方のローラの軸受位置は、細長い穴93として設計される。荷重がかけられていない状態では、下方のローラは下方にスリップする。荷重がかけられた状態では、図10に示すように、離間ローラ9aおよび9bは、支持ローラ3によって、またはこれらの中央セクション3bによって(上および下に)押し離されるが、保持ベルト92によって互いに保持されている。保持ベルト92は、支持ローラ3と離間ローラ9との間を、部分的に離間ローラ9に沿って走行する。図10において、軸受要素91と支持ローラ3のローラセクションの軸63との間にスナップ接続94を破線で示す。これにより、ローラユニット4の簡単な組立てが可能となる。
【0048】
図11および図12は、離間ローラ9そのものの周りではなく、離間ローラ9のピボット延長部96の周りを走行する保持ベルト93を有するさらなる実施例を示す。したがってここでも、保持ベルト93は、所与の量を越えてピボットが互いに離間しないようにすることによって、離間ローラ9のピボット軸受を解放する。ここでも、離間ローラは軸受要素91に載置され、好ましくは支持ローラセクション3a、3bおよび3cに接続される。
【0049】
図13〜図16は、支持ローラ3上に締結されていない軸受要素91および離間ローラ9を示す。軸受要素91は、離間ローラ9とともに離間要素2を構成する。離間要素2は、支持ローラ3に対して緩く移動可能であり、ローラ本体5は、ローラの回転経路に沿って引離され得る。図13〜図16において、軸受要素91のまたは軸受97の肩部98、99は支持ローラ3を包囲する円筒へと径方向に突出し、これによって、ローラ軸36の方向に沿った支持ローラ3の移動を制限する。肩部98、99のない変形例に対し、肩部98、99と支持ローラ3との間には回転動作のみが生じる。肩部98、99がなければ、支持ローラ3は、並進移動によって側方要素74上を擦る可能性もある。
【0050】
図13および図14は、支持ローラ3および離間要素2の図を示し、いずれの場合にも離間要素2の軸受要素91は、支持ローラ3を軸方向に取囲む2つの肩部99を含む。肩部は、支持ローラ3のローラ軸36に方向付けられた凸形セクションを含む。ここでも、離間ローラ9またはそれらのピボットの周りに保持ベルトを使用してもよい。離間ローラ9は、軸受要素91のエッジをわずかに越えて、支持面72に垂直な方向に突出する。ローラ本体が搬送方向に解放された場合、離間要素2は支持面72上に下方に摺動し、この位置でも支持面72に沿って転がり、軸受要素91の一部によってスリップする。搬送方向の荷重を受けて、支持ローラ3が再び互いに押付けられると、支持ローラ3のローラピボット36が、または支持ローラ3のローラ軸受37(もしくは図示しない滑り軸受)も軸受要素91の凸形セクションにスリップし、離間ローラ9がローラ軸36を通る面に対称となるまで、軸受要素91を再び持上げる。
【0051】
図15および図16は、支持ローラ3および離間要素2の図を示し、離間要素2はいずれの場合にも、軸受、特に滑り軸受97を有する個々の離間ローラ9を含む。滑り軸受97はいずれの場合にも、軸方向に支持ローラ3を取囲み、かつそれらを案内する外周肩部98を含む。図示した例では、支持ローラ3は、離間ローラ9の滑り軸受97と同じ案内溝71内を転がるかまたは摺動する滑り軸受38も含む。本発明の他の実施例は滑り軸受によっても実現され得、図15および図16のこの実施例はローラ軸受によっても実現され得る。本発明のさらなる実施例では、離間ローラは軸受を有さず、肩部99は離間ローラ9上に形成され、したがって離間ローラ9とともに回転する。
【0052】
特に、高荷重用の軽量搬送装置のプラスチックローラを有する設計による支持ローラ3の直径は、たとえば10mm〜30mm、好ましくはおよそ20mmであり、離間ローラ9の直径は5mm〜15mmである。個々の支持装置12の長さは、たとえば300mm〜500mm以上であり、無限の距離を架橋するために、いくつかの支持装置12が互いに使用され得る。
【符号の説明】
【0053】
参照符号のリスト
1 搬送装置、11 支持領域、12 支持装置、2 離間要素、3 支持ローラ、3a,3b,3c ローラセクション、35 支持ローラのピボットスタブ、36 ローラ軸、37 ローラ軸受、38 滑り軸受、4 ローラユニット、5 ローラ本体、6 ベルト、61 中間要素、62 中間ローラ、63 ピボット、64 軸受、7 支持体、71 案内溝、72 支持面、73 中心体、74 側方要素、8 解放要素、81 案内溝の下降、82 支持面の窪み、83 経路狭窄部、9,9a,9b 離間ローラ、91 軸受要素、92 保持ベルト、93 細長い穴、94 スナップ接続、95 離間ローラのピボットスタブ、96 ピボット延長部、97 滑り軸受、98,99 肩部、10 搬送される製品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重荷重を搬送するための支持装置(12)であって、支持体(7)と、前記支持体(7)の周りを回転するローラ本体(5)とを備え、
前記ローラ本体(5)は、一連の支持ローラ(3)および離間ローラ(9)を含み、
前記離間ローラ(9)の直径は前記支持ローラ(3)より小さく、前記離間ローラ(9)はいずれの場合にも、連続する支持ローラ(3)を互いに離間させ、
前記支持装置(12)は、支持領域(11)に沿って移動する荷重を支持するために設けられ、前記ローラ本体(5)は、少なくとも前記支持領域(11)において、その幅全体に亘ってベルト(6)で覆われ、したがって前記支持ローラ(3)は、前記支持領域(11)において前記支持体(7)と前記ベルト(6)との上を転がる、支持装置(12)。
【請求項2】
いずれの場合にも、2つの離間ローラ(9)は2つの連続した支持ローラ(3)の間に配置される、請求項1に記載の支持装置(12)。
【請求項3】
前記支持ローラ(3)のピボットはそれらが移動する基準面を規定し、外側群の離間ローラ(9)のピボットは基準面の外側を通り、内側群の離間ローラ(9)のピボットは基準面内を通る、請求項2に記載の支持装置(12)。
【請求項4】
いずれの場合にも、2つの離間ローラ(9)は、少なくとも1つの協動する軸受要素(91)上に回転可能に載置される、請求項2または3に記載の支持装置(12)。
【請求項5】
いずれの場合にも2つの離間ローラ(9)から離れて、支持ローラ(3)はいずれの場合にも、少なくとも1つの協動する軸受要素(91)上に移動可能に締結され、これらのローラはともにローラユニット(4)を構成する、請求項4に記載の支持装置(12)。
【請求項6】
いずれの場合にも、保持ベルト(92)が、互いに割当てられた2つの離間ローラ(9)の周りまたはこれらの離間ローラ(9)のピボットの周りに巻付く、請求項2〜5のうちいずれか1項に記載の支持装置(12)。
【請求項7】
ローラユニット(4)の前記支持ローラ(3)および下方の離間ローラ(9)が両方とも支持面(72)上にある場合、上方の離間ローラ(9)の回転軸は、前記支持ローラ(3)の回転軸を通り、かつ前記支持面(72)と平行な面より上にある、請求項5または請求項5に従属する請求項6に記載の支持装置(12)。
【請求項8】
2つの支持ローラ(3)またはローラユニット(4)が引離されると前記離間ローラ(8)が支持面(72)に対してスリップまたは傾斜し、前記ローラユニット(4)が衝突すると前記離間ローラ(9)が再び持上げられるかまたは調整される、請求項4〜7のうちいずれか1項に記載の支持装置(12)。
【請求項9】
ローラユニット(4)において、前記支持ローラ(3)は、ローラピボット(36)によって互いに接続された少なくとも3つの同軸セクション(3a,3b,3c)を含み、軸受要素(91)は、いずれの場合にもこれらのセクションのうちの2つの間において前記ローラピボット(36)上に回転可能に配置され、2つの離間ローラ(9)は2つの軸受要素(91)の間に載置される、請求項5〜8のうちいずれか1項に記載の支持装置(12)。
【請求項10】
前記支持体(7)は2本の外周案内溝(71)を含み、前記支持ローラ(3)は、ピボットスタブ(35)によって前記案内溝(71)内を案内され、好ましくは前記離間ローラ(9)も、前記案内溝71内を、またはピボットスタブ(95)によってさらなる案内溝内を案内される、請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の支持装置(12)。
【請求項11】
前記支持ローラ(3)および/または前記離間ローラ(9)は、ローラ軸受(37)によって、または滑り軸受(38,97)によって前記案内溝に載置される、請求項10に記載の支持装置(12)。
【請求項12】
いずれの場合にも、正確に1つの離間ローラ(9)が2つの連続した支持ローラ(3)の間に配置される、請求項1に記載の支持装置(12)。
【請求項13】
軸受要素(91)のまたは軸受(97)の肩部(98,99)は、前記支持ローラ(3)を包囲する円筒へと径方向に突出し、これによってローラ軸(36)の方向に沿った前記支持ローラ(3)の移動を制限する、請求項1〜12のうちいずれか1項に記載の支持装置(12)。
【請求項14】
請求項1〜11のうちいずれか1項に記載の2つ以上の支持装置(12)を備える搬送装置(1)であって、前記支持装置(12)は互いに前後して直列に配置され、少なくとも1つの移動可能な支持要素、特に中間ローラ(62)を有する中間要素(61)が前記支持装置(12)の間に配置される、搬送装置(1)。
【請求項15】
支持装置(12)および中間要素(61)はモジュラ構造システムを構成し、支持装置(12)および中間要素(61)は、前記搬送装置(1)を構成するために、無限の数だけ互いに一列に並べられ得る、請求項14に記載の搬送装置(1)。
【請求項16】
前記支持装置(12)および前記中間要素(61)は、押込み式嵌合によって互いに一列に並べられ得る、請求項14または15に記載の搬送装置(1)。
【請求項17】
前記中間要素(61)は前記支持装置(12)に一体化され、一体化された中間要素(61)を有する前記支持装置(12)は、好ましくは押込み式嵌合によって互いに一列に並べられ得る、請求項14〜16のうちいずれか1項に記載の搬送装置(1)。
【請求項18】
いずれの場合にもいくつかの支持装置(12)および中間要素(61)を有する数本の列が、前記搬送装置(1)において互いに平行に配置される、請求項14〜17のうちいずれか1項に記載の搬送装置(1)。
【請求項19】
前記搬送装置(1)は少なくとも部分的に傾斜される、請求項14〜17のうちいずれか1項に記載の搬送装置(1)。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−42504(P2011−42504A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184883(P2010−184883)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(506314379)ベー・エル・ハー・バルター・ライスト・ホウルディング・アクチェンゲゼルシャフト (11)
【氏名又は名称原語表記】WRH WALTER REIST HOLDING AG
【Fターム(参考)】