支援を受ける測位システムの向上
位置測定ユニットは、支援データ処理および中継モジュール(ソフトウェアクライアント)(1318)を有する。支援データ処理および中継モジュールは、全地球航法衛星システム(GNSS)支援データおよび/または非GNSS(たとえば無線測位システム)支援データといった局所化支援データを、支援を行うピア位置測定ユニットから得るとともに、支援を受けるピア位置測定ユニットに局所化支援データを中継する。中継は支援サーバを通じて行われてもよい。GPS受信機のような中継GNSS位置測定ユニットでは、チップ(1310)アーキテクチャは、多重周波数GNSSベースバンド(1311)、長距離通信のためのGSMまたはUMTSベースバンド(1312)、およびブルートゥース(登録商標)、Wi−Fi、またはUWBといった短距離ベースバンド(1313)を有する。支援データ生成モジュール(1316)は、中継GNSSユニットにて、GNSS R.F.フロントエンドおよび/またはGNSSベースバンドおよび/またはGNSSソリューションのソフトウェア部分を実行するマイクロコントローラから局所化支援データを生成する。支援データフィードモジュール(1317)は、GNSS位置測定ユニットのメインモジュールの任意の組合せに支援データを供給する。供給された支援データは、中継GNSSユニット自身または支援を行うGNSSユニットに由来し得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite Systems(GNSS))および無線測位システム(Wireless Positioning Systems(WPS))に存在するような位置測定ユニットのための支援データに関し、特に支援データの処理および通信に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
幅広い範囲の電子機器が測位情報を使用して新しいサービスをユーザに届けることが増えている。携帯電話、パーソナルナビゲーション装置、ラップトップ、ネットブック、車載テレマティックスなどを含む広い範囲の装置に位置情報を提供するよう衛星測位システム、慣性航法システム(Inertial Navigation Systems(INS))、Wi−Fi測位システム、送信機信号強度測定、およびモーションセンサといった技術がすべて別個にまたは組合されて用いられる。特に、位置情報サービス(Location Based Services(LBS))は今では、携帯機器上で利用可能な一般的な機能である。
【0003】
近年のもっともユビキタスな測位技術は、GPS(Global Positioning System(全地球測位システム))である。GPSは、元々軍用システムとして開発された米国の測位およびナビゲーションシステムであるが、測位、タイミング、ナビゲーション、および他の多くの目的のために地球上の民間人によって一般的に用いられている。GPSは、異なるプレーンにおいて地球の周りを巡回する多くの衛星を含む。これらの衛星は、補正した位置、タイミング情報、および他の有用なデータを送信する。当該システムに含まれるすべての衛星は、異なる識別性を異なる送信コードの形態で有する。当該システムは、空の視程が妨げられない場合、地表または地表から上のある距離にいるユーザ(この距離は衛星のプレーンの高さに限定される)が任意の時間に4つ以上の衛星を感知することが可能な態様で設計される。一意かつ明白にユーザ受信機の位置を求めるよう、受信機に到達する4つ以上の衛星信号同士の間の時間差および位相差の測定が用いられる。
【0004】
ユーザ受信機において、正確な位置を計算する能力は、衛星軌道位置(エフェメリス)における誤差、衛星およびユーザのクロック誤り、電離圏および対流圏の信号伝播効果、およびマルチパス信号受信および受信機の測定誤差による局所的な環境誤差といった多くの誤差源に影響される。
【0005】
誤差の主たる源の多くを最小限にするために差分補正技術が考案されている。位置が正確に分かっている固定基準受信機または受信機のネットワークが、感知可能な衛星から自身の擬似レンジを測定し、コモンモードの大気誤差、エフェメリスの誤差、および衛星クロック誤差の測定値を得る。これらの誤差測定値は、補正値の形態にあり、ローカルの地上ベースの通信リンクまたは静止衛星のいずれかを通じて、適切な領域にあるユーザ受信機に送信される。後者のシステムは、米国におけるWAAS(Wide Area Augmentation System(広域補強システム))およびヨーロッパにおけるEGNOS(European Geostationary Navigation Overlay Service(欧州静止衛星航法補強サービス))などを含むSBAS(Satellite Based Augmentation System(衛星用航法補強システム))である。
【0006】
都市圏、屋内、高層駐車場、および植物の林冠下にて非常によく起こる状況であるが、ユーザ受信機が4つ以上の衛星に対して直接的な見通し線を有さない場合、信号対雑音比が非常に低くなるため、位置およびナビゲーション決定位置が得られなくなる。これらの状況下でユーザを支援するために、アシスト型GPS(Assisted GPS(AGPS))と呼ばれる技術が開発されている。AGPSでは、衛星へのロックを得ることを支援するようエフェメリス、アルマナック、および場合によっては正確なタイミング情報のような有益な情報が携帯電話ネットワークを通じてユーザに送信される。AGPSには、多くの変形例および多くの専有技術があるが、それらのほとんどすべてでは、支援データを届けるために移動通信ネットワークサービスプロバイダへの何らかの種類の通信リンクまたはインターネットへのリンクが要求される。
【0007】
公知のAGPSでは、AGPSサービスプロバイダは、地球上の多くの固定基準GPS受信機のネットワークを有する。これらの固定基準局のすべては連続的にGPS衛星のすべてを追跡し、追跡情報はネットワーク支援サーバにフィードバックされ、ネットワーク支援サーバにおいて、エフェメリス、アルマナック、クロック補正、ドップラーオフセットなどといった支援データが得られる。これらのデータは次いで、要求時に移動体通信事業者に提供され、エンドユーザに送信される。この方法は、セキュアユーザプレーン(Secure User Plane(SUPL))AGPSとして規格化され、公知である。当該規格の幅広い採用の遅れ、データオーバヘッド、ローミング、および有効圏外になる問題により、依然としてSUPL AGPSがユビキタスなソリューションになるのが限定されている。
【0008】
リアルタイムキネマティック(Real Time Kinematic(RTK))衛星航法と呼ばれる別の技術では、GNSS信号の搬送波位相の測定値を用い、単一の固定基準局がリアルタイムの補正を行い、測位精度を向上させる。固定基準(または制御)局からGNSSローバ受信機への接続は、直接的な無線リンクを通じて行われ得る。固定基準局のネットワークとともに、仮想基準局(Virtual Reference Station(VRS))技術がRTKに加わる。
【0009】
第2世代AGPS後処理ソリューションはしばしば、予測または拡張エフェメリスと呼ばれ、サーバを用いて支援データを合成する。このGPS支援データは、一週間または将来は1ヶ月有効であり、AGPS携帯機器に前もってダウンロードされる。これらのソリューションは、2k〜200kバイトのサイズのエフェメリスの頻繁なダウンロード/更新を必要とし、処理オーバヘッドを伴い、かつ他のGPS支援情報、すなわち時間、概略的な位置予測、電離圏補正などから除外されている。
【0010】
GPSを使用可能な複数の装置が、これら装置の1つにしか存在しない衛星データを共有するよう通信し得ることも公知である。そのため、その付加的な情報を既に所有している他の装置から支援を受けることによって、共有しなければ位置を得るのに不十分な情報しか有さなかった装置においてGPSソリューションを補強することができる。この公知の技術では、GPSを使用可能な装置は、各々が同様の機能性を有し、たとえば携帯用ハンドセットの群であり、位置および支援データを共有するようネットワークを形成し得る。
【0011】
そのため、GPSを使用可能な同様の装置のネットワークは理論上、GPS支援データを共有することができ、したがって、それらのLBS能力を増強することができる。しかしながら、通常はピア・ツー・ピア接続は短距離通信リンク上でなされるので、現状技術を実際に使用した場合、通信レンジ内に十分で不可欠な数のユーザが存在しないことになる。それでは、他の装置との連結に成功する見込みが小さくなり、GPS支援情報を共有する利点が失われる。さらに、精度を向上させるとともにサービスの有効範囲を改善するよう、GPSを補完するものとして測位およびナビゲーションデータを提供する技術が用いられることが公知である。しかしながら、この付加的な位置データは、装置レベルで生成および消費され、より広いネットワークでは利用可能ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の局面に従うと、中継位置測定ユニットのための支援データ処理および中継モジュールが提供される。支援データ処理および中継モジュールは、支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを得るよう動作可能であり、さらに局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに中継するよう動作可能である。
【0013】
好ましくは、局所化支援データは非GNSS(全地球航法衛星システム)支援データを含む。
【0014】
好ましくは、非GNSS支援データは無線測位システム(WPS)支援データを含む。
好ましくは、局所化支援データはGNSS支援データを含む。
【0015】
好ましくは、局所化支援データは、支援を受けるピア位置測定ユニットの位置における、支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む。
【0016】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、支援を行うピア位置測定ユニットから局所無線通信リンクにより直接的に局所化支援データを得るよう動作可能である。
【0017】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、支援を行うピア位置測定ユニットから支援サーバを通じて、局所化支援データを得るよう動作可能である。
【0018】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、支援サーバを通じて局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに中継するように動作可能である。
【0019】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、第1のピア・ツー・ピアネットワークを別のピア位置測定ユニットとともに形成し、他のピア位置測定ユニットが局所化支援データを得るために他のピア位置測定ユニットに第2のピア・ツー・ピアネットワークを確立させる。
【0020】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは支援データを中継位置測定ユニットの測位、タイミングおよびナビゲーションエンジンに供給するよう動作可能な支援データフィードモジュールをさらに含む。
【0021】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、中継位置測定ユニットにて付加的な局所化支援データを生成するよう動作可能な支援データ生成モジュールをさらに含む。
【0022】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、生成された付加的な局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに送信するよう動作可能である。
【0023】
好ましくは、生成された付加的な局所化支援データは、中継位置測定ユニットが行う測定から得られるデータを含む。
【0024】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、生成された付加的な局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに局所無線通信リンクにより送信するよう動作可能である。
【0025】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、生成された付加的な局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに支援サーバを通じて送信するよう動作可能である。
【0026】
本発明の第2の局面に従うと、上記第1の局面の支援データ処理および中継モジュールを含む位置測定ユニットが提供される。
【0027】
好ましくは、位置測定ユニットは1つ以上のピアの位置測定ユニットとクラスタを形成するよう動作可能であって、クラスタにおいて、当該クラスタを形成する位置測定ユニット同士はクラスタ支援データを互いに交換する。
【0028】
好ましくは、位置測定ユニットは、クラスタ内で利用可能な好ましい支援データを選択するよう動作可能である。
【0029】
好ましくは、位置測定ユニットは、生成された付加的な局所化支援データをクラスタ支援データと比較して、クラスタ支援データが向上され得るかどうか判定するとともに、生成された付加的な局所化支援データに応答してクラスタ支援データの修正をするように動作可能である。
【0030】
好ましくは、位置測定ユニットは、クラスタ内において、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うようさらに動作可能である。
【0031】
好ましくは、特別の役割において、位置測定ユニットは支援サーバと支援データを通信する。
【0032】
好ましくは、位置測定ユニットは、局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして機能するようさらに動作可能である。
【0033】
本発明の第3の局面に従うと、中継位置測定ユニットにて支援データを処理する方法が提供される。当該方法は、支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを得るステップと、支援を受けるピア位置測定ユニットに局所化支援データを中継するステップとを含む。
【0034】
好ましくは、局所化支援データは非GNSS支援データを含む。
好ましくは、非GNSS支援データはWPS支援データを含む。
【0035】
好ましくは、局所化支援データはGNSS支援データを含む。
好ましくは、局所化支援データは、支援を受けるピア位置測定ユニットの位置における、支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む。
【0036】
好ましくは、局所化支援データは支援を行うピア位置測定ユニットから局所無線通信リンクにより直接的に得られる。
【0037】
好ましくは、局所化支援データは支援を行うピア位置測定ユニットから支援サーバを通じて得られる。
【0038】
好ましくは、局所化支援データは支援を受けるピア位置測定ユニットへ支援サーバを通じて中継される。
【0039】
好ましくは、上記方法は、中継位置測定ユニットにて付加的な局所化支援データを生成するステップをさらに含む。
【0040】
好ましくは、生成された付加的な局所化支援データは、中継位置測定ユニットが行う測定から得られるデータを含む。
【0041】
好ましくは、上記方法はさらに、生成された付加的な局所化支援データを中継位置測定ユニットから支援を受けるピア位置測定ユニットに送信するステップを含む。
【0042】
好ましくは、生成された付加的な局所化支援データを送信するステップは、中継位置測定ユニットから支援を受けるピア位置測定ユニットに局所無線通信ネットワークリンクによって送信するステップを含む。
【0043】
好ましくは、生成された付加的な局所化支援データを送信するステップは中継位置測定ユニットから支援を受けるピア位置測定ユニットへ支援サーバを通じて送信するステップを含む。
【0044】
本発明の第4の局面に従うと、支援データを交換する方法が提供される。上記方法は、複数のピア位置測定ユニットのクラスタを形成するステップと、第3の局面の方法に従って、クラスタを形成する位置測定ユニット同士の間でクラスタ支援データを交換するステップとを含む。
【0045】
好ましくは上記方法は、クラスタを形成する位置測定ユニットにとって好ましい、クラスタ内で利用可能な支援データを選択するステップをさらに含む。
【0046】
好ましくは上記方法は、クラスタを形成した位置測定ユニットによって生成された局所化支援データをクラスタ支援データと比較して、クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、生成された局所化支援データに応答してクラスタ支援データの修正を行うステップをさらに含む。
【0047】
好ましくは上記方法は、クラスタにおいて、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うよう位置測定ユニットを動作させるステップをさらに含む。
【0048】
好ましくは上記方法は、特別の役割で動作される位置測定ユニットが支援データを支援サーバと通信するステップをさらに含む。
【0049】
好ましくは上記方法は、位置測定ユニットを局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして動作させるステップをさらに含む。
【0050】
本発明の第5の局面に従うと、支援を受ける位置測定ユニットのための支援データ受信モジュールが提供される。支援データ受信モジュールは、支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを支援サーバを通じて得るよう動作可能である。
【0051】
好ましくは、局所化支援データは非GNSS支援データを含む。
好ましくは、非GNSS支援データはWPS支援データを含む。
【0052】
好ましくは、局所化支援データはGNSS支援データを含む。
好ましくは、局所化支援データは、支援を受ける位置測定ユニットの位置における、支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む。
【0053】
本発明の第6の局面に従うと、支援を行う位置測定ユニットための支援データ送信モジュールが提供される。支援データ送信モジュールは局所化支援データを生じさせ、局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに支援サーバを通じて送信する。
【0054】
好ましくは、局所化支援データは非GNSS支援データを含む。
好ましくは、非GNSS支援データはWPS支援データを含む。
【0055】
好ましくは、局所化支援データはGNSS支援データを含む。
好ましくは、局所化支援データは、支援を行う位置測定ユニットが行う測定から得られるデータを含む。
【0056】
本発明の第7の局面に従うと、サーバのためのサーバモジュールが提供される。サーバモジュールは、各々が第6の局面の支援データ送信モジュールを有する複数の携帯型の支援を行う位置測定ユニットから局所化支援データを受信するとともに、第5の局面の支援データ受信モジュールを有する支援を受ける位置測定ユニットに局所化支援データを送信するよう動作可能である。
【0057】
好ましくはサーバモジュールは、多数の支援を行う位置測定ユニットから同様の局所化支援データの受信がある場合、支援を受ける位置測定ユニットへの送信のために好適な局所化支援データを選択するよう動作可能である。
【0058】
好ましくはサーバモジュールは、受信した局所化支援データに応答して位置情報サービスを提供および/または可能にするよう動作可能である。
【0059】
本発明の第8の局面に従うと、第5の局面に従った支援データ受信モジュールと、第6の局面に従った支援データ送信モジュールとを含む位置測定ユニットが提供される。
【0060】
好ましくは、位置測定ユニットはGNSSロービング受信機である。
好ましくは、位置測定ユニットは個人の携帯機器である。
【0061】
好ましくは、位置測定ユニットは、1つ以上のピアの位置測定ユニットとクラスタを形成するよう動作可能であって、クラスタにおいて、当該クラスタを形成する位置測定ユニット同士はクラスタ支援データを互いに交換する。
【0062】
好ましくは位置測定ユニットは、クラスタ内で利用可能な好ましい支援データを選択するよう動作可能である。
【0063】
好ましくは位置測定ユニットは、生じさせた局所化支援データをクラスタ支援データと比較して、クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、生じさせた局所化支援データに応答してクラスタ支援データの修正を行うように動作可能である。
【0064】
好ましくは位置測定ユニットは、クラスタ内において、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うようさらに動作可能である。
【0065】
好ましくは、特別の役割において、位置測定ユニットは支援サーバと支援データを通信する。
【0066】
好ましくは、位置測定ユニットは、局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして機能するようさらに動作可能である。
【0067】
本発明の第9の局面に従うと、支援を受ける位置測定ユニットにて支援データを受信する方法が提供される。上記方法は、支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを支援サーバを通じて得るステップを含む。
【0068】
好ましくは、局所化支援データは非GNSS支援データを含む。
好ましくは、非GNSS支援データはWPS支援データを含む。
【0069】
好ましくは、局所化支援データはGNSS支援データを含む。
好ましくは、局所化支援データは、支援を受けるピア位置測定ユニットの位置における、支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む。
【0070】
本発明の第10の局面に従うと、送信を行う位置測定ユニットから支援データを提供する方法が提供される。上記方法は、局所化支援データを生じさせるステップと、送信を行う位置測定ユニットから局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに支援サーバを通じて送信するステップとを含む。
【0071】
好ましくは、局所化支援データは非GNSS支援データを含む。
好ましくは、非GNSS支援データはWPS支援データを含む。
【0072】
好ましくは、局所化支援データはGNSS支援データを含む。
好ましくは、局所化支援データは、送信を行う位置測定ユニットが行う測定から得られるデータを含む。
【0073】
本発明の第11の局面に従えば、支援データを交換する方法が提供される。上記方法は、複数のピア位置測定ユニットのクラスタを形成するステップと、第9または第10の局面の方法に従って、クラスタを形成する位置測定ユニット同士の間でクラスタ支援データを交換するステップとを含む。
【0074】
好ましくは上記方法は、クラスタを形成する位置測定ユニットにとって好ましい、クラスタ内で利用可能な支援データを選択するステップをさらに含む。
【0075】
好ましくは上記方法は、クラスタを形成する位置測定ユニットが生じさせた局所化支援データをクラスタ支援データと比較して、クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、局所化支援データに応答してクラスタ支援データの修正をするステップをさらに含む。
【0076】
好ましくは上記方法は、クラスタにおいて、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うよう位置測定ユニットを動作させるステップをさらに含む。
【0077】
好ましくは、上記方法は、特別の役割で動作される位置測定ユニットが支援データを支援サーバと通信するステップをさらに含む。
【0078】
好ましくは上記方法は、位置測定ユニットを局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして動作させるステップをさらに含む。
【0079】
本発明の第12の局面に従えば、中継位置測定ユニットにて支援データを処理するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトが提供される。命令は1つ以上のプロセッサが第3の局面の方法を行うようにされる。
【0080】
本発明の第13の局面に従うと、支援データを交換するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトが提供される。命令は1つ以上のプロセッサが第4の局面のいずれかに従った方法を行うようにされる。
【0081】
本発明の第14の局面に従うと、支援を受ける位置測定ユニットにて支援データを受信するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトが提供される。命令は1つ以上のプロセッサが第9の局面の方法を行うようにされる。
【0082】
本発明の第15の局面に従うと、送信を行う位置測定ユニットから支援データを提供するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトが提供される。命令は1つ以上のプロセッサが第10の方法を行うようにされる。
【0083】
本発明の第16の局面に従うと、支援データを交換するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトが提供される。命令は1つ以上のプロセッサが第11の方法を行うようにされる。
【0084】
本発明の第17の局面に従うと、支援を受けるGNSS受信機ユニットのためのGNSS支援データ受信モジュールが提供される。GNSS支援データ受信モジュールは、支援を行うピアGNSS受信機ユニットから局所化GNSS支援データを支援サーバを通じて得るよう動作可能である。
【0085】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、支援を受けるピアGNSS受信機ユニットの位置における、支援を行うピアGNSS受信機ユニットによる測定から得られるデータを含む。
【0086】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、SBAS衛星から得られるデータを含む。
本発明の第18の局面に従うと、GNSS受信機ユニットためのGNSS支援データ送信モジュールが提供される。GNSS支援データ送信モジュールは局所化GNSS支援データを生じさせ、局所化GNSS支援データを支援を受けるピアGNSS受信機ユニットに支援サーバを通じて送信する。
【0087】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、GNSS受信機ユニットによって行われる測定から得られるデータを含む。
【0088】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、SBAS衛星から得られるデータをさらに含む。
【0089】
好ましくは、局所化GNSS支援データは地理空間的データを含む。
好ましくは、局所化GNSS支援データは生データを含む。
【0090】
好ましくは、局所化GNSS支援データはパッケージングされたデータを含む。
本発明の第19の局面に従うと、第17の局面のGNSS支援データ受信モジュールと、第18の局面のGNSS支援データ送信モジュールとを含むGNSS受信機ユニットが提供される。
【0091】
好ましくは、GNSS受信機ユニットはGNSSロービング受信機である。
好ましくは、GNSS受信機ユニットは個人の携帯機器である。
【0092】
好ましくは、GNSS受信機ユニットは、1つ以上のピアのGNSS受信機ユニットとクラスタを形成するよう動作可能であって、クラスタにおいて、当該クラスタを形成するGNSS受信機ユニット同士はクラスタ支援データを互いに交換する。
【0093】
好ましくは、GNSS受信機ユニットはクラスタ内で利用可能な好ましい支援データを選択するよう動作可能である。
【0094】
好ましくは、GNSS受信機ユニットは、生じさせた局所化GNSS支援データをクラスタ支援データと比較して、クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、生じさせたGNSS局所化支援データに応答してクラスタ支援データの修正を行うように動作可能である。
【0095】
好ましくはGNSS受信機ユニットは、クラスタ内において、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うようさらに動作可能である。
【0096】
好ましくは、特別の役割において、GNSS受信機ユニットは支援データを支援サーバと通信する。
【0097】
好ましくは、GNSS受信機ユニットは、局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして機能するようさらに動作可能である。
【0098】
本発明の第20の局面に従うと、支援を受けるGNSS受信機ユニットにてGNSS支援データを受信する方法が提供される。上記方法は、支援を行うピアGNSS受信機ユニットから局所化GNSS支援データを支援サーバを通じて得るステップを含む。
【0099】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、支援を受けるピアGNSS受信機ユニットの位置における、支援を行うピアGNSS受信機ユニットによる測定から得られるデータを含む。
【0100】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、固定されたGNSS基準局から得られるデータをさらに含む。
【0101】
本発明の第21の局面に従うと、送信を行うGNSS受信機ユニットからGNSS支援データを提供する方法が提供される。上記方法は、局所化GNSS支援データを生じさせるステップと、送信を行うGNSS受信機ユニットから局所化GNSS支援データを支援を受けるピアGNSS受信機ユニットに支援サーバを通じて送信するステップとを含む。
【0102】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、送信を行うGNSS受信機ユニットが行う測定から得られるデータを含む。
【0103】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、固定されたGNSS基準局から得られるデータをさらに含む。
【0104】
好ましくは、局所化GNSS支援データは地理空間データを含む。
好ましくは、局所化GNSS支援データは生データを含む。
【0105】
好ましくは、局所化GNSS支援データはパッケージングされたデータを含む。
本発明の第22の局面に従うと、GNSS支援データを交換する方法が提供される。上記方法は、複数のピアGNSS受信機ユニットのクラスタを形成するステップと、第20および21の局面の方法に従って、クラスタを形成するGNSS受信機ユニット同士の間でクラスタ支援データを交換するステップとを含む。
【0106】
好ましくは、上記方法は、クラスタを形成するGNSS受信機ユニットにとって好ましい、クラスタ内で利用可能な支援データを選択するステップをさらに含む。
【0107】
好ましくは上記方法は、クラスタを形成するGNSS受信機ユニットが生じさせた局所化GNSS支援データをクラスタ支援データと比較して、クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、局所化GNSS支援データに応答してクラスタ支援データの修正をするステップをさらに含む。
【0108】
好ましくは、上記方法は、クラスタにおいて、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うようGNSS受信機ユニットを動作させるステップをさらに含む。
【0109】
好ましくは、上記方法は、特別の役割で動作されるGNSS受信機ユニットが支援データを支援サーバと通信するステップをさらに含む。
【0110】
好ましくは、上記方法は、GNSS受信機ユニットを局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして動作させるステップをさらに含む。
【0111】
本発明は添付の図面を参照して例示目的でのみ記載される。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明に従った位置測定ユニットのアーキテクチャを概略図にて示す図である。
【図2】本発明に従った受信機ユニットクラスタの形成を概略図にて示す図である。
【図3】本発明に従った、機能性および2人のユーザ同士の間のデータ交換を概略図にて示す図である。
【図4】本発明のある実施例に従った、クラスタにおける動作のフローチャートを示す図である。
【図5】本発明に従った、機能性および2人のユーザ同士の間のデータ交換を概略図にて示す図である。
【図6】本発明に従ったウェブサーバを概略図にて示す図である。
【図7】本発明のある実施例に従った、サーバを伴う動作のフローチャートを示す図である。
【図8】別のピア・ツー・ピアネットワークにおけるサーバからの支援データのインポートを示す図である。
【図9】別のピア・ツー・ピアネットワークにおける装置からの支援データのインポートを示す図である。
【図10】アドホック・ピア・ツー・ピア・ネットワークにおけるいくつかの装置から、支援データを要求することを示す図である。
【図11】アドホック・ピア・ツー・ピア・ネットワークにおいていくつかの装置からの支援データを要求する動作のフローチャートの図である。
【図12】アドホック・ピア・ツー・ピア・ネットワークにおけるいくつかの装置からの支援データを要求するとともに、他のピア・ツー・ピアネットワークを確立させる動作のフローチャートの図である。
【図13】本発明の局面に従った、GPS受信器ユニットのアーキテクチャを概略図にて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0113】
詳細な説明
本発明の局面の実施例は、ユーザ由来の支援データを生成および提供する方法に関する。当該支援データは、装置の測位、タイミング、ナビゲーションソリューションに与えられると、装置が適切な位置、時間、およびナビゲーション情報を得るプロセスを改善する、可能にする、もしくは高速化し、および/または支援データの可用性に基づき強化された機能をユーザに提供する。この発明は様々な態様で実施され得るが、1つの構成は、さまざまなネットワーク構成に一緒に接続される様々な装置に埋め込まれる新規なソフトウェアクライアントに焦点を当てている。
【0114】
ただ例示目的のために、本願明細書で言及されるGNSSシステムは主として米国の全地球測位システム(GPS)、およびWAAS、EGNOSなどといったSBASである。しかしながら、本発明は、GLONASS(GLObal’naya NAvigatsionnaya Sputnikovaya Sistema)およびGalileoといった他の現在および将来のGNSSを用いる受信機にも有効かつ適用可能であることは理解されるべきである。
【0115】
本発明のある構成は、位置情報を要求する装置のために支援データを提供する既存の方法の1つ以上の欠点、特に、上述した現在のAGPS技術の制限を解決する。
【0116】
この明細書では、支援データは「GPS支援データ」と「他の支援データ」との両方を指すよう用いられる。これらの用語は以下に定義される。
【0117】
ソフトウェアクライアント
図1を参照して、本発明に従った一構成では、任意のオペレーティングシステム(OS)12上で動作する位置測定ユニットまたは装置11上の支援データ処理および中継モジュールとして動作するか、装置に埋込まれるか、または両者の組合せであるソフトウェアクライアント10が提供される。
【0118】
当該装置はさらに、無線リンクおよび/または有線ネットワークシステム、すなわちネットワークアダプタなどを形成するよう、単数または複数の送受信機システム13を含んでもよい。これらの組合せは、したがって、任意の可能な無線規格/プロトコルおよび/または任意の可能な有線規格を用いて、任意の可能なトポロジを用いて任意の種類の可能な無線または有線ネットワークを形成する。ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、アドホックネットワークなどがある。無線規格/プロトコルとしては、GSM/UMTS、ブルートゥース(登録商標)、Wi−Fi、Wi−Max、UWB、ZigBee、TETRA、赤外線などがあるがこれらに限定されない。有線規格としてはイーサネット(登録商標)がある。トポロジとしては、リング、バス、スター、メッシュまたはハイブリッドなどがある。
【0119】
装置はさらに、GPSおよび/または任意の他の測位ならびにナビゲーション技術および/もしくはハイブリッド技術を用いる測位およびナビゲーションエンジン14を有してもよい。装置11はさらに、たとえばマイクロコントローラおよび他の周辺機器といった他のハードウェア15を含んでもよい。
【0120】
ネットワークにおいて各装置上に存在するソフトウェアクライアント10は、一般的なアルゴリズムを用いることに加えて、装置における他のコンポーネント/ユニットの可用性に依存して3つの異なる特別な機能の何らかの組合せを活用することができ、したがって形成されたネットワークにおいて異なる役割を果たし得る。当該ソフトウェアクライアントが存在するピア装置は、幅広い多様な相互通信装置プラットフォームタイプ上で実現され得る。
【0121】
ネットワーク取得位置および支援中継機能である機能1では、ソフトウェアクライアント10はローカルの装置の測位およびナビゲーションエンジン14へのアクセスを要求しない。そのため、このようなエンジンは装置11に存在する必要はない。この機能では、ソフトウェアクライアント10は、当該装置をネットワークにおけるゲートウェイまたはブリッジとして用い、他の2つのネットワークノード同士の間で支援データを中継する。このソフトウェアクライアント10はさらにネットワークを通じて送信中の支援データに直接的にアクセス可能であり、支援データの内容に依存するが如何なるローカルの測位エンジンとは独立して、測位、タイミング、およびナビゲーション情報を決定する。たとえば、GPS支援データは、支援データを提供している装置の時間および測位情報を含み得る。ソフトウェアクライアント10は、自身が同じネットワークにあり、したがって他の装置の既知の数の短距離通信ステップ内にあるということが分かった状態で、上記情報を用いて概略的な時間および位置推定値を得ることができる。この場合、精度はネットワークのスケールと、装置で用いられる送受信機のプロトコルとに依存することになる。
【0122】
GPS取得測位およびGPS支援生成機能である機能2では、ソフトウェアクライアントは、ローカルのGPS測位およびナビゲーションエンジンへの直接(埋込)または(APIを通じた)間接アクセスを有する。この機能は、支援データ生成モジュール16によって実行される。この機能により、ソフトウェアクライアントはGPS支援データを生成し、ネットワークに提供し得る。これにより、ローカルの装置が、ローカルの測位およびナビゲーションエンジンから取得されるローカルデータと、機能3からのデータと、機能1からのネットワーク供給データとの混合に基づき位置情報を取得し得る。これらのデータはすべて、どれがアクティブであるかに依存する。
【0123】
他の取得測位機能である機能3では、ソフトウェアクライアントは、ローカルの装置に存在しない別個の測位およびナビゲーションエンジン(図示せず)によって、GNSSを除く任意の他の測位、タイミング、およびナビゲーションソリューションへの直接(埋込)または(APIを通じて)間接アクセスを有する。ソフトウェアクライアントのこの機能により、他の支援データが生成され得るとともにネットワークに提供され得る。機能3によって、機能1からのローカルおよびネットワーク供給データと、機能2からのローカル情報との混合に基づき、これらがアクティブな場合には、ローカル装置が位置情報を得ることが可能になる。
【0124】
このソフトウェアクライアントは、これら3つの機能の1つ以上を同時に動作させることができる。機能1において動作する能力は、クライアントにおいて常に有効にされてもよい(必ずしも常にアクティブではない)。機能2および3は、ローカルの装置の測位能力に対して適切ならば、有効にされてもよい。当該クライアントは、用いる機能の最良の組合せを決定するよう、どの位置エンジンが任意の特定の装置に存在しているかを検知する手段を含んでもよい。
【0125】
以下、動作の機能のより詳細な説明を記載する。
どの機能が使用されているかから独立して、ソフトウェアクライアントは以下の基本的な機能性を有する。
【0126】
ソフトウェアクライアントは、直接的(すなわち埋込)および/または間接的(すなわち任意のOSを通じて)に、無線送受信機および/またはネットワークアダプタ13のうちのいずれかまたはすべてと通信および制御することができる。このソフトウェアクライアントは、支援データリクエストを他のネットワーク参加者に送信、および支援データリクエストを他のネットワーク参加者から受信する手段と、要求された支援データ(すなわちGPS支援データ、他の支援データ、または両方)を特定する手段と、利用可能な単一または複数のネットワークの別の参加者に支援データを送信、および当該別の参加者から支援データを受信する手段と、支援データをパッケージングおよび暗号化する手段と、支援データをデパッケージング(depackaging)および復号化する手段とを有してもよい。
【0127】
さらに、ソフトウェアクライアントは、アクティブな特定機能に依存する機能性を以下のように有する。
【0128】
機能2および3について、ソフトウェアクライアントは、直接的(すなわち埋込)および/または間接的(すなわち任意のOSを通じて)に、測位およびナビゲーションエンジンと通信および制御することができる。ソフトウェアクライアントは、支援データリクエストをローカルの測位およびナビゲーションエンジンに送信、および支援データリクエストを当該ローカルの測位およびナビゲーションエンジンから受信する手段と、要求された支援データ(すなわちGPS支援データ、他の支援データ、または両方)を特定する手段と、支援データを測位およびナビゲーションエンジンに提供する手段とを有してもよい。
【0129】
機能2では、ソフトウェアクライアントは、ローカルの装置の測位およびナビゲーションエンジンにおいてGPSソリューションの補助によりGPS支援データを生成する手段を有する。
【0130】
機能3では、ソフトウェアクライアントは、他の利用可能な、非GPS、測位、タイミングおよびナビゲーション技術の補助により他の支援データを生成する手段を有する。
【0131】
典型的に、当該装置はハンドヘルドまたはポータブルの携帯機器であるが、静止/固定され得る。
【0132】
サーバ
本発明の局面に従った別の構成では、サーバが提供される。当該サーバは、第1の構成において上述したようにソフトウェアクライアントを各々が有する単一または複数の装置により形成される任意の可能なネットワークのノードの1つとして参加する手段と、ネットワークの参加者および当該ネットワークに接続される別の資源に支援データ要求を送信、および当該参加者および別の資源から支援データ要求を受信する手段と、要求された支援データ(すなわちGPS支援データ、他の支援データ、または両方)を特定する手段と、第1の構成において記載した装置からのネットワークに支援データ、たとえばGPS支援データを送信、または当該装置から受信する手段と、多数の装置から類似したデータの受信があった場合、好適な支援データを選択/フィルタリングする手段と、支援データを処理し、サーバのデータベースに格納する手段と、ネットワークに接続される装置の初期位置を求める手段と、支援データの補助によりLBSを提供および/または有効にする手段と、支援データをパッケージングおよび暗号化する手段と、支援データをデパッケージングおよび復号化する手段とを有してもよい。
【0133】
典型的に、サーバは、ワイドエリアネットワーク(WAN)構成におけるウェブサーバである。
【0134】
代替的には、サーバはLANサーバ、MAN、PANサーバなどといった、ネットワークの有効範囲の大きさに依存する任意のサーバであり得る。
【0135】
本発明に従った別の構成によると、第1の構成で記載されたソフトウェアクライアントを有する1つ以上の装置と、第2の構成で記載されたようなサーバと、任意の可能な単一または複数の無線または有線ネットワークとを含む通信システムが提供される。当該ネットワークでは、任意の可能なトポロジを用いて、1つ以上の装置が任意の利用可能な規格によりサーバによってまたはサーバなしで接続される。当該利用可能な規格には、無線の場合、GSM/UMTS、ブルートゥース(登録商標)、Wi−Fi、Wi−max、UWB、ZigBee、TETRA、赤外線などがあり、有線の場合、イーサネット(登録商標)がある。トポロジとしては、リング、バス、スター、メッシュ、またはハイブリッドがある。ここで、任意の可能なネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、アドホック無線ネットワークなどであり得る。好ましくは、これらのネットワークは無線ネットワークである。代替的には、これらのネットワークはさらに、有線、または無線および有線の両方の組合せであり得る。
【0136】
支援データ
本発明の実施例は、ピアツーピアおよびアドホックネットワークのような異なる短距離有線および無線ネットワーク、さらには中央サーバを含む広い範囲の無線ネットワークにおいて、支援データを生成、中継、および受信することに関する。
【0137】
上述のネットワークにおける支援データの交換によって、ネットワークのノードの測位、タイミング、およびナビゲーション能力は個々に、かつ特に悪環境においては全体的に有効化および/または向上する。
【0138】
本発明の実施例では、支援データは「GPS支援データ」および/または「他の支援データ」の組合せである。
【0139】
「GPS支援データ」は、備え付けられたGNSSナビゲーション技術/ユニットが装置の測位、精度、および信頼性を向上させ、測位プロセスを高速化し、測位または前述の任意のものの組合せを有効化することを可能にするデータである。標準的なGPS支援データは、生測定値と、擬似レンジと、位置および速度推定値とを、それらの品質指標(すなわち標準偏差、さまざまなDOPなど)、衛星固有のエフェメリス、アルマナック、ナビゲーションメッセージおよびパラメータ、ドップラ推定、コード位相オフセット(時間同期される場合)、大気の補正、完全性指標、品質指標などとともに含んでもよい。それとともに、標準的なGPS支援データはさらに、正確な時間情報と推定されるユーザ受信機の位置とを含んでもよい。GPS支援データの質は、測位およびナビゲーションエンジンにおいて、当該データを生成する装置のGNSSソリューションの質および技術的能力に依存する。このようなデータは、GPSソリューションを用いて測位およびナビゲーションエンジンからソフトウェアクライアントによって生成され得る。他のGPS支援データは、さまざまなGNSS(GPS、SBASなど)衛星からのナビゲーションメッセージを復号化することによって生成され得る。さまざまな測位およびナビゲーションアルゴリズムを衛星からの受信信号に適用することにより生成され得るものもある。支援データは、SBASデータ、固定基準局から得たデータ、地理空間データ、生データ、およびパッケージデータのうち1つ以上を含んでもよい。GPS支援データは、いずれか1つの装置によって生成されると、本願明細書で記載するように送信されるとともに他の装置によって使用され得る。
【0140】
「他の支援データ」は、GNSS以外の他の既存の測位、タイミングおよび/またはナビゲーション技術/ユニットを主として補助し得る任意のデータであり得、これにより性能および位置情報の局所的な取得を向上、有効化、または高速化する、またはこれらの与えられた利点の組合せが得られる。したがって、装置の備え付けの位置およびナビゲーションエンジンの能力は、ネットワーク内の他のノードによって与えられる情報の取得により向上する。
【0141】
たとえば、これらのデータは、支援を受けるおよび/または支援を行うユーザに対する局所無線通信アクセスポイント位置情報のデー夕ベースであり得る。これは、信号強度測定およびユーザ位置推定値を得る三角測量のようなアルゴリズムと一緒に、Wi−Fi、WiMAXまたは任意の相対的な既存のまたは新たな無線プロトコルといったプロトコルを用いる無線測位システム(WPS)で用いられ得る。これらのデータはさらに、携帯電話ネットワークに基づく技術、磁気およびINSセンサからの高度情報、バロメータからの高度情報などから生成され得る装置の位置および時間推測値を含み得る。
【0142】
さらに、ネットワークにおけるすべてのノードは、それらの個々の情報を組み合わせて、ネットワーク内のすべてのノードに適用可能な測位およびタイミング情報を得るよう独自のソリューションを作り出すこともできる。本発明のある実施例では、この「他の」測位、タイミング、およびナビゲーション技術/ユニットは、WiFiおよび/またはWiMAXプロトコルを有する無線測位システム(WPS)であってもよい。「他の支援データ」は、無線ネットワークを取囲むエリアにおいて、携帯機器からのWiFi/WiMAXハードウェアからアクセスされ得るデータである。当該データとしては、信号強度測定値、アクセスポイントのMacアドレス、信号の質、信号対雑音比、SSID、スキャン時間、暗号、APのタイプ、モデム速度など、および利用可能な場合、装置の位置座標がある。位置座標は、GNSSを除く、携帯電話の電波塔に基づく三角測量、慣性航法システム、手動のユーザ入力など装置の測位、タイミングおよびナビゲーション技術/ユニットから得られ得る。さらなるタイプの技術およびデータは、携帯電話の電波塔の信号強度測定およびセルIdや、磁気センサ、INSセンサ、加速度計などといった携帯機器の異なるセンサの測定値であってもよい。
【0143】
いくつかの支援データは、GPS支援データと、装置の推定位置、UTC、または地域時間情報などといった他の支援データとの両方において共通であってもよい。通常、これらのデータは、測位およびナビゲーションシステムから独立し、装置固有であり、地理的であり、汎用であるか、またはこれらの組合せのいずれかである。
【0144】
GPS支援データおよび他の支援データタイプの支援データの両方が組み合わされて、両方のシステムの支援データのすべてまたは任意の組合せを含む共通の情報プールまたはデータベースを形成してもよい。この情報プールは、任意の時間またはある期間に亘って単一の装置の支援データを有し得るか、または任意の時間またはある期間に亘ってネットワークの複数の装置の支援データの集合を有し得る。この情報プールは、中央サーバを含むネットワークの単一または複数のノード上に存在し得る。
【0145】
組合わされた情報プールがローカルネットワークにおいてユーザの間で共有されるならば、WPSに基づく座標を得る(これは一般的な方法である)のに装置がインターネット接続をする必要がなくなる。組合わされた情報プールはさらに、建物内または外のノードの位置またはノードの地理的位置などといったネットワークのノードの周りの周辺領域をモデリングするのに用いられ得る。
【0146】
GPS支援データと他の支援データタイプの支援データとがさらに、互いに補完する。GPS性能を悪環境でも向上するよう、装置のWPS取得測位座標およびタイミングは残っているGPS支援データとともに用いられ得る。GPS取得座標は、WPSアクセスポイント(AP)のMACアドレスと、残りのWPSデータとともに用いられ得、これによりWPSに基づく測位に有用な情報プールを作成する。
【0147】
測位およびナビゲーションエンジンにおいて用いられるGPSシステムは、単一または複数の信号、完全なハードウェア、完全なソフトウェア、またはハイブリッドのソリューションであり得る。上記装置の3つのコンポーネント、すなわち、無線送受信機、測位およびナビゲーションエンジン、ならびにソフトウェアクライアントのすべてまたは任意のものが、任意の形態、すなわちハイブリッド、ハードウェア、もしくはソフトウェアの形態にある別個のエンティティ、またはチップソリューションについてシングルチップもしくはマルチチップシステムにおいて組み合わされるという可能性もある。
【0148】
ネットワークにおける支援データの送受信は、ユーザ、装置またはネットワークの要求、単一もしくは複数のネットワークおよび/もしくは装置および/もしくは構成の可用性、ならびにソフトウェアクライアントのアルゴリズムの要求にしたがってなされる。
【0149】
したがって、本発明はGNSSおよびその支援データに限定されないだけでなく、Galileo、GLONASS、Compassなどの他の現在および将来のGNSS測位システムと、WPS、INSなどのような代替的な既存または新たな測位およびナビゲーション技術から得られる測位データの増強にも適用可能である。INSシステムは、それらの初期座標を通知される必要があり、その後は記録時における各瞬間での進行方向に基づきこの始点から自身の位置を追跡する。誤差は蓄積され、システムをリセットする何らか出来事の際には、絶対位置の如何なる知見も失われる。ネットワークに加わることにより、装置は、なんらかの近似値内でそのローカルの絶対位置の情報を再取得でき、次いでその分かった位置から正確に追跡を続け得る。
【0150】
本願明細書では、装置、ユーザ、または受信機といった用語は、コンポーネント、すなわち第1の構成で記載される装置のソフトウェアクライアント、測位およびナビゲーションエンジン、GPSソリューション、および無線/有線通信ネットワークのすべてまたはいずれかの機能性を表す。
【0151】
ソフトウェアクライアントおよびその機能性はさらに、ハードウェア、ハイブリッドソリューション、または任意の論理的な態様で実現され得るということも理解される。
【0152】
支援データ交換の例
以下に、さまざまなネットワークにおける支援データの生成および交換を説明する。その技術/アルゴリズムは、「GPS支援データ」の生成および提供に関して記載されるが、既に述べたように、これらの技術/アルゴリズムは一般的に「他の支援データ」のために用いられ得る。GPS支援データおよび他の支援データの組合せも同様である。本願明細書において、「支援データ」という用語が用いられるが、当該用語は与えられる特定のGPS例におけるGPS支援データを意味するということが理解されるべきである。しかしながら、当該用語は、他の非GPS測位およびナビゲーションソリューションにまで一般化することができる。
【0153】
サーバに基づくユーザネットワーク支援技術では、上述したソフトウェアクライアントを有する1つ以上の装置が、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)などといった任意の可能なネットワークを用いてサーバに接続する。このネットワークは任意のプロトコルを用いる任意の無線または任意の有線ネットワークであり得る。当該任意のプロトコルは、無線の場合は、GSM/UMTS、ブルートゥース(登録商標)、Wi−Fi、Wi−Max、UWB、ZigBee、TETRA、赤外線などがある。有線ネットワークの場合は、イーサネット(登録商標)などがある。この例では、用いられるサーバは、ワールドワイドウェブサーバである。上述したソフトウェアクライアントを有する複数の装置と、ウェブサーバとは、携帯電話ネットワークを用いてWANを形成している。
【0154】
図5では、装置502および503は、空の視程が明瞭であり、さまざまな指標とともに上述した支援データを生成するのに十分な時間、衛星を追跡している。
【0155】
支援データはウェブサーバに送られる。これらのデータは、サーバの要求と、ソフトウェアクライアントにおけるデータの可用性と、ソフトウェアクライアントの構成と、周期的にまたはネットワークの可用性が得られた際と、またはこれらの基準の何らかの組合せのいずれかが得られた際には、サーバに送られ得る。
【0156】
支援データは、図6に示されるように、IGS、JPL、インターネットSBASサービスなどの他の資源によってサーバに送られ得る。
【0157】
サーバは、複数の装置および/または他の資源から同様の支援データを受信する場合、正確/好適なデータを特定するよう、前述した支援データのさまざまな品質指標をさまざまなクライアントフラグとともにチェックする。これらのデータはフィルタリングされ、処理され、特徴的すなわち地理的に、ユーザ固有に、衛星固有に、一般的になどにマッピングされ得るとともにサーバデータベースに格納され得る。
【0158】
本例では、装置501は、空の視程が不良であり信号対雑音の低い環境にあり、したがって、自身の位置を決定するために必要な衛星を捕捉できない。
【0159】
ネットワークの形成後の支援プロセスは、以下のステップに要約され得る。
1.信号対雑音の低い環境にある装置501におけるソフトウェアクライアントが支援要求信号を支援(ウェブ)サーバに送る。
【0160】
2.支援サーバは、要求を送ったユーザの位置を、たとえばモバイル測位技術(セルID)またはホットスポット識別により概略的に推測する。
【0161】
3.支援サーバは当該推測位置を用いて好適な支援データをその記憶装置から抽出し、要求した装置に送信する。
【0162】
4.支援データの補助により、装置の測位およびナビゲーションユニットは衛星を捕捉および追跡する。
【0163】
5.装置は支援データメッセージを用い、誤差修正を適用し、測位およびナビゲーションソリューションを得ることで観察記録を形成する。
【0164】
装置501、502、および503は、数キロメートルの距離だけ隔てられ、そのいずれもが互いの短距離送受信距離の範囲にない。しかしながら、これら装置はすべて、移動通信ネットワークまたはWi−Fiホットスポットのいずれかのための電波塔である電波塔504または505の範囲内にはある。これらの電波塔は、これら装置のすべてにインターネット機能をそれぞれリンク514、512および515、513により提供する。したがって、装置501、502、および503は、事前に指定される共通のウェブサーバ511に電波塔504または505を通じて接続される。
【0165】
周囲の建物が高いため衛星への直接的な見通し線が欠如することによって受信機501が衛星をロックすることが困難な間、装置502および503は支援データをサーバに送信している。この場合、装置501は、直接的な見通し線に必ずしも存在しない電波塔505を通じて共通のウェブサーバとの接続を有する。装置501は、支援要求をウェブサーバに送り、ウェブサーバはその概略的な位置をモバイル測位技術またはWi−Fiスポット識別により特定する。要求した装置の概略位置を突き止めると、ウェブサーバは、支援メッセージを作成するよう情報データベースから必要な関連する情報を得る。このメッセージは、装置501に送信され、装置501が衛星のロックを得る事を可能にし、これによりそのGPS位置を得る。装置に送信される情報は、既知のAGPS基準局とユーザとの間に存在するより大きな距離による空間的な変動から自由である。サーバに基づく支援の場合、一時的な変動はより厳しい限界内に保たれ、これによりさらに正確な結果を生み出す。
【0166】
図6は、支援および他のLBS(Location Based Services(位置情報サービス))を向上させる支援サーバと追加機能とを示す。ウェブサーバ61は、現状技術の、計算能力測位部62と、ナビゲーションおよび誤差修正アルゴリズム63と、フィルタおよび大きなデータベース64とを主に含む。データベース64において、得られる支援情報はその地理的位置でマッピングされる。図5に示されるように、受信機501、502、および503はすべて、ウェブサーバに接続され、支援データをサーバに送信し得る。これらの支援データは、装置の測位およびナビゲーションソリューションの性能に依存して、上述したメッセージの任意の組合せであり得る。地理的位置とともにこれらすべてのデータは、情報データベース64に格納される。支援データを入力する装置の位置は、装置自身によって入力され得るか、または供給された生データ測定値および高度化したフィルタリングアルゴリズムを用いてサーバにより計算され得る。後者の利点は、装置の計算負荷を低減し、位置を有効および/または改善するよう現状技術のアルゴリズムを適用し得ることである。上記の支援に加えて、ウェブサーバは、マッピング65、インターネットを介するSBAS補正66、正確な気象情報67、および他のLBSサービス68をサポートするさらなる機構とインターフェイス接続し得る。これによりユーザにユーザネットワークの最良の利点を与える。正確な気象情報は、非常に正確な大気誤差パラメータを予測するよう用いられ得、これによりユーザの測位精度が改善される。マッピングおよび他のLBSはたとえば、インテリジェントGNSS受信機クラスタに、自動車のナビゲーションソリューションにおける交通情報のために用いられる更新を提供するようユーザネットワークと組合され得る。
【0167】
図7を参照して、支援を行うピアGPS装置ユニット701、および支援を受けるGPS装置ユニット702の動作をフローチャートにて示す。支援を行うピアGPS装置ユニットは支援データを生成する(703)。次いで、支援データをパッケージングする(704)。これには、支援データを位置タグ付けするステップ(705)が含まれる。次いで、支援サーバに接続し、支援データをサーバに送信する(707)。
【0168】
一方、支援を受けるGPS装置ユニットは支援サーバに接続している(708)。次いで、支援データを要求し(709)、支援データを受信および復号化する(710)。
【0169】
支援を受けるGPS装置ユニットは次いで、自身の初期位置の計算(711)、ウォームスタートの実行(712)、および衛星の捕捉および追跡(713)の1つ以上のために支援データを用いる。衛星の捕捉および追跡(713)の後、支援を受けるGPS装置ユニットは、誤差修正を適用し(714)、正確な位置およびナビゲーションソリューションを得てもよい(715)。
【0170】
クラスタに基づく支援構成では、上述したソフトウェアクライアントを有する1つ以上の装置と、上述したサーバと、任意の可能な単一または複数の無線または有線ネットワークとが用いられる。当該ネットワークでは、1つ以上の装置が任意の利用可能な規格によりサーバを用いてまたは用いることなく、任意の可能なトポロジを用いて接続する。任意の利用可能な規格としては、無線の場合、GSM/UMTS、ブルートゥース(登録商標)、Wi−Fi、Wi−Max、UWB、ZigBee、TETRA、赤外線などがある。有線の場合は、イーサネット(登録商標)がある。トポロジとしては、リング、バス、スター、メッシュ、またはハイブリッドがある。ここで、任意の可能なネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、アドホック無線ネットワークなどであり得る。典型的に、これらのネットワークは無線ネットワークである。代替的には、これらのネットワークは有線、または無線と有線の組合せであり得る。
【0171】
ネットワークは、参加者、すなわちサーバまたは請求項1に記載される任意のネットワーク装置によって、支援データ要件、データ可用性、ソフトウェアクライアント構成、または上記の組合せのいずれかに基づき始動され得る。残りの装置および/またはサーバは、上述した同様の基準に基づき、かつネットワークに加わる能力に依存してネットワークに参加する。
【0172】
支援データは、上述した参加している装置の1つまたは上述した参加しているサーバのいずれかにおいて生成され得る。支援データはさらに、単一または複数の装置および/またはサーバが現在のネットワークを含む1つより多いネットワークを共有している場合、他のネットワークから現在のネットワークにインポートされ得る。
【0173】
図2は、上記の第1の構成に記載される多くの装置によるクラスタの形成と、都市環境におけるGPSユーザが現在直面する共通の問題とを例示するが、この例示は他の地理空間的環境における多様な受信条件に等しく適用可能である。
【0174】
図2は、多様なユーザタイプと、測位および位置エンジンにおける現在のGPSソリューションを用いる装置に関連する多くの問題とを示す。項目21、22、および26は、非常に減衰を起こす構造、たとえば建物である。項目23は、道または鉄道リンクといった高速交通経路であり、項目24はトンネルのようなGPS信号を完全にブロックする構造である。装置A、B、C、G、H、J、およびKは、少なくとも4つの衛星の良好な屋外視程を有する。装置A、B、J、およびKは、良好な決定位置を有するのに十分な衛星にロックされる一方、装置Cは決定位置を達成する過程にある。装置Dは、ビルの谷間にあり、感知可能な衛星に部分的にのみロックする。装置Eは、低い信号対雑音比によりロックを達成できない。装置Fは、時間1では良好なロックを有するが、減衰を起こす条件に移動すると、時間2でロックを失い、その後、時間3に建物内の新しい位置に移動する(それぞれF1、F2、F3とラベル付けされる)。装置Gは、位置G1(時間1)から位置G3(時間3)まで高速に通過する。装置Hは、位置H1から位置H3まで低速で通過する。装置Iは時間1では、トンネルに入る前の位置I1において良好な決定位置を有する。時間2では、装置Iはトンネルの内部にあり、位置I2では衛星信号が存在しない。装置Iは時間3では、位置I3にありトンネルを出る。Zは固定基準の特別な装置である。
【0175】
これらの異なる装置条件は、GPS測位および位置エンジンの装置が経験する現在の問題の多くを示している。特に、装置Cはコールドスタート手順においてかなりの電池電力を用いている一方、位置を決定し得る前に、利用可能な衛星上の様々なデータが集められる。装置DおよびEは、適切に4つの衛星を追跡することが困難なため、位置を決定できない。装置Fは、時間1で決定位置を有するが、建物に移動すると当該決定位置を失い、経路を変更しても位置情報を維持することができない。装置GおよびHは、通信接続業者へのアクセスに支払いをしていない場合には、その位置に特定的なAGPSなしで地理的位置を高速に移動する。装置Iは、トンネル内にいる間は機能性を有さず、トンネルから再び出ると衛星を再捕捉するようウォームスタート位置決定を行わなければならない。
【0176】
支援を要求する装置Dは、ネットワーク形成プロセスにおいて述べられる可能なネットワークのいずれかを始動する。図に示される残りの装置は、このネットワークに加わり、同意したネットワーク形成プロセスを着実に実行する。
【0177】
装置同士は、ユーザ、装置、もしくはネットワークの要件ならびに/またはソフトウェアクライアントの構成およびアルゴリズム的要件によって、イベント駆動または同期ベースで、そのクラスタに関連するデータを互いに交換する。このデータは最低限、前述したようなGPS支援データを含むが、クラスタの現在の物理的位置に関する他の地理的空間データも含んでもよい。当該装置はさらに、クラスタに対して自身の特性に関する情報を提供するデータを供給する随意の能力を有する。クラスタにおける支援データの質は、クラスタグループにおけるピアGPS測位およびナビゲーションエンジンの質および技術的能力に依存する。装置は、クラスタデータを取得および解釈することができ、その現在のクラスタデータセットに従って、自身の機能性を適応させることができる。当該機能性の適応には、衛星を捕捉および追跡する能力を向上させること、その予測ナビゲーション能力を向上させること、および向上した出力をユーザに提供する能力を含むがこれらに限定されない。
【0178】
当該装置は、新しいデータを取得し、クラスタデータとこのデータを比較し、クラスタデータが向上され得るかどうか計算し、その後で、この修正データをクラスタの他のメンバーおよび/もしくは固定の特別な装置、ならびに/またはより長距離の通信リンクにわたる遠く離れる装置に中継する能力を有する。
【0179】
支援データをクラスタから取得した後、装置は、クラスタデータからのユーザ固有の位置座標を用い、かつ支援を行う装置から自身が短距離無線通信リンクの距離内にあるという事実を知ることによって自身の位置を概算することができる。この場合の最大の位置誤差は、用いられる無線リンクの最大送信範囲であろう。この位置誤差は、位置を推定するようクラスタデータから用いられるユーザ固有の座標の数に反比例し、クラスタにおけるユーザ受信機と他のユーザとの間のベクトルの相対配置に依存する。この位置推定は、クラスタにおけるユーザ受信機と支援を行う受信機との間の距離が無線リンク信号処理技術および三角測量または任意の他の方法を用いて計測され得る場合、向上され得る。
【0180】
特別な装置は、クラスタ内の基準位置として働き、クラスタデータセットへの変更の際に仲裁する特別のプライオリティを有する。特別な装置は、クラスタからの距離に基づき、サーバに基づく支援方法において述べたように、データを伝達し、中央の支援サーバと交換してもよい。
【0181】
再び図2を参照して、項目25は、装置のグループによって形成されているアドホッククラスタの境界を示す。装置JおよびKは、このクラスタの外に存在し、クラスタを形成する装置のいくつかの短い無線リンクの範囲内に別のクラスタを形成する。装置AおよびBは、クラスタ内のすべての他のユーザに送信するクラスタデータセットを少なくともすでに確立している。
【0182】
クラスタ(ネットワーク)を形成することと、2つのユーザ受信機AとDとの間のデータ交換の基本的な概念を図3を参照して詳細に説明する。
【0183】
図3は、機能性と、あるクラスタにおける2人のユーザ同士の間のデータ交換とを示す。受信機Aは、衛星34、35、36、および37から信号を受信し、その測位およびナビゲーションパラメータを計算することができる。衛星番号38は、大気のエフェメリスおよび衛星クロック誤差の補正を送信して受信機の測位の精度を改善するSBAS衛星として示される。しかしながら、ユーザ受信機Dは、受信機の近くにある高い建物33が衛星34、35、および38からの直接的な見通し線をブロックしているので、信号のすべてを受信するには不十分である。この条件では、受信機Dは自身の位置を決定し得ない。なぜならば、衛星34、35へのロックを得ることができない、またはSBAS衛星38を感知することができず、位置を得るのに最低限必要とされる4つの衛星のうち2つにしかロックしない可能性があるからである。
【0184】
前述したように、装置AおよびDはすでにクラスタ(図2における505)を形成しており、クラスタに関係する支援データを作っている。位置を得るために必要な衛星を追跡できない場合、装置Dは、前述した短距離通信プロトコルおよび無線リンク(31)のいずれかを通じて、クラスタにおいて支援を求め、これにより衛星34、35および/または38上に決定位置を得る。装置Dは、すべての感知可能な衛星について現在のエフェメリス、正確な時間、ドプラ周波数および位相オフセットの推測値、ナビゲーションメッセージといった、付加的に要求される衛星または支援を行う装置に固有の支援情報のすべてを直接的に装置Aから受け取る。このデータの補助により、装置Dは、信号対雑音の低い環境でも必要な衛星のすべてを追跡でき、位置の推定を行う。装置Dはさらに、クラスタデータにより中継されたSBAS衛星によって送信された誤差修正および完全性データ39を受信し、これによりさらに位置の精度が向上する。装置Aは、多周波数GNSS機能性を有する場合、非常に正確な地理的位置固有の電離圏の補正データをクラスタに提供し得る。
【0185】
図2を再び参照して、装置Cはさらに、ウォームスタートを行うようクラスタから支援データを得ることができる。支援データは、感知可能な衛星のエフェメリス、推定されるドプラ周波数、ユーザ位置の初期推定、時間、衛星誤差修正、および他の有用なデータを装置Cに与える。これにより、装置Cを最初に位置決定する時間が著しく低減され、計算出力が非常に低減され、したがってそうでなければ消費されるはずであった電池電力が低減される。さらに、支援データの質(装置AおよびBの測位およびナビゲーションエンジンの技術的能力)に依存して、装置Cはさらに測位精度を向上させるよう局所的に関係する大気の補正を受ける。装置Eはさらに、支援データ、特にアプリオリナビゲーションメッセージビットを用いて、必要な決定位置を得る。これにより、装置Eが特定のDSPアルゴリズムを適用して非常に減衰した屋内のGNSS信号の信号対雑音比を増加させる助けになる。装置Fはさらに、適切に更新された屋内の位置を、受信した支援データを用いて得るようにする。装置Iは、GNSS信号がトンネル内で完全にブロックされるため、如何なるGNSS衛星にもロックできない。しかしながら、上述したように、装置Iは、短距離無線通信リンクを通じて支援データを受信でき、したがってクラスタデータからの装置固有の位置座標を用い、自身が支援を行う装置からの短距離無線通信リンク距離内に存在するという事実を認識することによって自身を特定することができる。装置Gは、時間2において短い間クラスタに加わり、自身のコアクラスタデータセットを迅速に更新し、これにより現在のスタンドアロンのナビゲーション能力と比較して精度を向上する。随意であるが、装置Gは、交通情報のような付随的な局所情報、または他の局所的な地理空間的に関係するデータを取得する。
【0186】
図4を参照して、クラスタに基づく方策において、支援を行うピアGPS装置ユニット401と支援を受けるGPS装置ユニット402との動作をフローチャートにて示す。
【0187】
この支援を行うピアGPS装置ユニットは、クラスタを形成し(403)、支援データを生じさせる(404)。次いで、支援データをパッケージングする(405)。これには随意で、支援データを位置タグ付けするステップが含まれる(406)。次いで、支援データをクラスタに送信する(407)。
【0188】
一方、支援を受けるGPS装置ユニットは、クラスタを形成することを協働し(408)、支援データを探し(409)、最良の支援データを選択する(410)。次いで、支援データを要求し(411)、支援を行うGPS装置ユニットによってステップ407において送られた支援データを受信および復号化する(412)。
【0189】
支援を受けるGPS装置ユニットは次いで、自身の概略的な位置の計算(413)、ウォームスタートの実行(414)、および衛星の捕捉および追跡(415)の1つ以上のために支援データを用いる。衛星の捕捉および追跡(415)の後、支援を受けるGPS装置ユニットは、誤差修正を適用し(416)、正確な位置およびナビゲーションソリューションを得てもよい(417)。
【0190】
ピア・ツー・ピア・アドホックネットワーク
装置の間にピア・ツー・ピア・アドホックネットワークを形成するのが望ましい場合、および/または形成するのが効率的な場合、および/または形成するしかできない場合がある。前述の方法のすべてと同様、このネットワークは、任意の利用可能な無線または有線プロトコルを用いて形成される。複数のピア・ツー・ピア・ネットワークが、上述した任意のネットワークトポロジを用いて、ある領域において形成され得る。
【0191】
上述したように、支援データは、装置自身において局所的に生成され得るか、または図8に示されるようにネットワークの1つにおけるノードがサーバである場合、装置にインポートされるか、もしくは、図9に示されるように当該装置が複数のピア・ツー・ピア・ネットワークのメンバーの場合、別のピア・ツー・ピアネットワークからインポートされ得る。
【0192】
図8、9、および10では、装置A、B、C、およびDは、1つ以上のピア・ツー・ピア・アドホックネットワークのメンバーノードである。当該1つ以上のピア・ツー・ピア・アドホックネットワークは必ずしもすべてが示されているわけではない。示されるピア・ツー・ピア・アドホックネットワークとは別に、各ノードは、示される各他の装置とは完全に独立した他の大きなネットワークの一部であるか、またはこれらのより大きなネットワークを互いに共有している。これらのより大きなネットワークは、上述したまたはそうでなければ公知であるような任意の可能なトポロジを形成する、任意のプロトコルを用いる任意の有線または無線ネットワークであり得る。
【0193】
さまざまなアルゴリズムがピア・ツー・ピア・アドホックネットワーク支援を可能にするソフトウェアクライアントにおいて実現され得、以下に3つが記載される。
【0194】
1.要求時の支援(Assistance on Request(AOR)):マルチノード・シングルホップ
図10では、装置Aは、3つのアドホックネットワークを有する。ネットワーク1は装置Bを用いて形成される。ネットワーク2は装置Cを用いて形成される。ネットワーク3は装置Cを用いて形成される。すべての4つの装置は有効な支援データを有さないと示される。
【0195】
図11に示されるように、クライアントは、内部の測位および位置エンジンから支援要求を受け取る。トリガされると(1101)、当該クライアントは、データ有効性フラグをチェックし(1102)、内部支援データが有効かどうか感知する。有効であると分かった場合(1103)、これらのデータは測位およびナビゲーションエンジンに送られる。無効であると分かった場合、クライアントは上で論じた可能なネットワークのいずれか1つを確立することを試みる(1104)。ネットワーク接続が確立されない場合、クライアントのプロセスは終了し(1105)、測位およびナビゲーションエンジンは上記終了を通知される。成功した場合、クライアントはピア装置の支援データフラグの有効性をチェックする(1106)。ピア・ツー・ピアネットワークにおける装置の1つが有効な支援データを有すると分かった場合、支援データが当該装置から受信され(1107)、測位および位置エンジンに送られる。有効フラグが複数の場合、クライアントは、さまざまなデータ品質指標のチェックを実行する(1108)とともに、フィルタリングアルゴリズムを実行し、これにより、形成されたピア・ツー・ピアネットワークから利用可能な最良の支援データを受け取る(1109)ことを保証する。フラグのすべてが無効であると分かった場合、装置の技術的能力に依存してWLAN測位などの他の測位アルゴリズムが実行される(1110)。
【0196】
2.要求時の支援(Assistance on Request(AOR)):マルチノード・マルチホップ
このアルゴリズムは、図11に関連して上述したアルゴリズムに非常に類似しており、図9に示したネットワークをさらに参照するが、その機能性を他のピア・ツー・ピアネットワークに拡張する。図12を参照して、ステップ1201〜1209は、図11に関連して記載されたステップ1101〜1109にそれぞれ対応する。このアルゴリズムでは、ネットワークを確立した後、すべての支援データフラグが無効であると分かった場合、WLAN測位(図11における1110)を行うのではなく、支援を要求するクライアントが他のピア装置クライアントを強要して(1210)個別のピア・ツー・ピアネットワークを確立させて(1211)規定されたタイムリミット内で支援データを得る。支援の強要は、セットされたタイムリミットもしくはネットワーク制限および/またはクライアントの構成可能性内で可能な限り多くのホップの形成を促す。
【0197】
マルチホップアルゴリズムを用いた後でも、クライアントが必要な支援データを得られない場合、装置の技術的能力に依って、クライアントはWLAN測位のような他の測位アルゴリズムを用い得る(1212)。
【0198】
3.連続的な/周期的な支援:
周期的な支援では、支援クライアントは、装置がオンである限りは稼動中であるが、低電力/スリープモードにある。このクライアントは、周期的に支援を得るか、またはネイティブのGPSエンジンから内部支援データを更新するか、もしくはローカルまたはワイドエリアを形成することで内部支援データを更新するよう構成され得る。この周期割合は、ユーザにより構成可能であるとともに、支援データ有効期間に依存し得る。たとえば、衛星エフェメリスは4時間有効であり、そのため再取得割合は各4時間に設定され得る。この周期的な支援は、ローカルまたはワイドエリア接続の可用性および支援提供についても設定され得る。この場合、クライアントは、ネットワーク接続が利用可能になった場合、ネイティブの支援情報を取得または更新することになる。これは、ローカルおよびワイドエリア接続の両方が利用不可能な場合、支援クライアントが状況に従って妥当な支援データを提供し得るので有用である。シングルホップおよびマルチホップネットワーク支援方法はともに、支援クライアントを通じて周期的/連続的な支援データを得るよう構成され得る。
【0199】
ここで記載される構成は、移動するまたは移動しないユーザの位置およびナビゲーションパラメータをGPS衛星システムおよびピアユーザの両方によって送信される信号から計算することに関する。より正確には、当該構成は、支援データを好ましくない環境にあるGPSユーザに提供して、衛星への直接的な見通し線が制限されるおよび/または信号強度が低い条件においてロックするのが困難であった信号を当該GPSユーザが取得および追跡するのを可能にするとともに、衛星のロックがなくても位置およびナビゲーション支援情報を提供する代替的な手段を提供する。さらに、これらの構成は、よりよい精度と、第1の位置決定へのよりよい時間と、低い実装コストでのより早い最新の支援データとを提供するよう公知の支援技術を向上させる。
【0200】
したがって、支援データは、ピアユーザによって形成され、支援を要求するユーザに直接的に短距離通信リンクを通じて送信されるか、または代替的にはGSM/UMTSもしくはWi−Fiを通じてサーバに送られ、支援を要求するユーザに再度GSM/UMTSもしくはWi−Fiを通じて送られる。この構成により、地球上にわたってGPS基準局のネットワークを有する必要性がなくなる。公知のAGPSネットワークにおける基準局の数が限定的であることにより、大気の補正、コードフェーズ推定などといった空間的に変動する支援データ(地理とともに変動するデータ)をユーザに送信することができない。この欠点は、本構成において、基準局として動作するピアユーザのGNSSユニットが高密度に存在することにより克服される。
【0201】
さらに、クラスタに基づく支援によって、サーバへの通信リンクの必要性が取除かれる。これにより、支援データをサーバからおよびサーバへ送る時間およびコストが節約される。時間遅延の低減の利点は暫時の支援データ(時間とともに変動する)をユーザに送るために活用可能であり、かつ一般的に応答時間の低減によりユーザ体験が向上することに活用可能である。提示される構成はさらに、位置情報サービスの機能性の拡張のために局所化地理空間データの単純な交換を提供する。
【0202】
本発明に従った特定の構成、すなわちユーザネットワーク支援GNSSは、支援データをピアGNSSユーザ受信機に異なった形態で提供し、これにより第1の位置決定までの時間を低減し、測位精度を向上し、信号対雑音の低い環境において衛星を捕捉および追跡できるようにし、消費電力を向上させ、LBSデータを提供する。
【0203】
ユーザネットワーク支援GNSSはさらに、ユーザ受信機の周りのピアユーザの距離と、無線リンクの範囲とに依って2つの構成に分けられる。これらは本願明細書ではそれぞれ、ローカルエリアユーザネットワーク支援GNSS(Local Area User Network Assisted GNSS(LAUNAG))および広域ユーザネットワーク支援GNSS(Wide Area User Network Assisted GNSS(WAUNAG))と呼ばれる。
【0204】
LAUNAGでは、空の視程不良の位置にある、したがってGNSS衛星集合へのアクセスがないまたは限られた単一または複数のGNSS受信機は、位置およびナビゲーション決定位置を得ることができないか、またはわずかにしか得ることができない。しかしながら、これらの不十分な受信しかしていない受信機には、短距離無線送受信可能能力があり、その結果、同時に近傍の同様の技術的能力を有する1つ以上の受信機から受信データを受信し得る。無線有効範囲の範囲内にあるこれらの付加的な受信機のいくつかが良好な空の視界(すなわち衛星の視程)を有するとともに既に衛星を追跡して自身の位置および/またはナビゲーション決定位置を計算している場合、位置決定された受信機は、支援データを直接的に上記不十分な受信状態の受信機に送信し得、これにより上記不十分な受信状態の受信機が自身の位置および/またはナビゲーション決定位置を得ることを助ける。
【0205】
このようなLAUNAG構成の基本的な機能性は以下のようであってもよい。
1.特定の範囲内のGNSS受信機がクラスタを形成する。良好な位置決定をした受信器がデータをクラスタに提供し始める。
【0206】
2.信号対雑音の低い環境にある受信器が、関連するクラスタに存在する支援データを探索する。
【0207】
3.ユーザGNSS受信機は多くの支援データのインスタンスからもっとも好適な支援データを特定し、選択された支援データを復号する。
【0208】
4.支援により、ユーザGNSS受信機は衛星を捕捉および追跡する。
5.ユーザGNSS受信機は、支援データを用いて誤差修正を適用し、測位およびナビゲーションソリューションを得る。
【0209】
WAUNAGでは、GSM/UMTSまたはWi−Fi機能およびインターネット有効範囲を有する受信機は、測定値およびデータを共通のウェブサーバに送る。当該測定値およびデータには自身の位置およびナビゲーション決定位置と、関連する精度指数および他の支援データとが含まれる。ウェブサーバは、支援情報のデータベースを作成し、地理的にマッピングする。GNSS受信機は、視程不良および信号強度の低い環境における不十分な条件下で動作しており、短距離無線有効範囲内のLAUNAG支援を有していないが、GSM/UMTSのような長距離無線機能とそれに関連するインターネット接続とを有する場合は、ウェブ支援サーバから支援データを要求することができ、これにより当該GNSS受信機が位置およびナビゲーション決定位置を得ることが可能になる。ウェブ支援サーバは、セルIDのようなモバイル測位技術を通じてこれらの受信機の位置を大まかに特定し、関連する支援データをデータベースから提供する。
【0210】
このようなWAUNAG構成の基本的な機能性は以下のようであってもよい。
1.良好な信号対雑音比の環境にあるGNSSユーザは、支援サーバへの接続を確立し、支援データを品質指標とともに支援サーバに送信する。
【0211】
2.支援サーバは、この支援データを用い、処理し、LBS(位置情報サービス)データを加え、地理的にタグ付けされる支援データを形成し、その結果を格納する。
【0212】
3.信号対雑音の低い環境にあるGNSSユーザは、支援要求信号を支援サーバに送る。
【0213】
4.支援サーバは、たとえばモバイル測位またはホットスポット識別を通じて、要求をしているユーザの位置を大まかに推定する。
【0214】
5.支援サーバは当該推定位置を用いて自身の記憶装置から好適な支援データを抽出し、要求をしているGNSSユーザに当該支援データを送信する。
【0215】
6.支援データの補助により、ユーザのGNSS受信機ユニットは衛星を捕捉および追跡する。
【0216】
7.GNSSユーザは、支援データメッセージを復号し、誤差修正を適用し、測位およびナビゲーションソリューションを得ることによって観測記録を形成する。
【0217】
図13は、最適なパフォーマンスのために用いられる中継GPS受信機のアーキテクチャを示す。しかしながら、付加的なチップ、回路、アドオンコンポーネントまたはソフトウェアモジュールを有するように、この発明に従って用いられ得るようアーキテクチャまたはインテグレーションにおいていくつかの修正をすれば、商業的に利用可能な受信機も用いられ得る。この中継GPS受信機は中継位置測定ユニットである。ここで、支援データ処理および中継モジュール1318(ソフトウェアクライアント)の機能性は、GPSソリューションのソフトウェア部分に密接に統合されるマイクロコントローラ1315において実現される。
【0218】
ここで示されるGNSSチップ1310のアーキテクチャはシングルチップまたはマルチチップソリューションであり得、LAUNAGおよびWAUNAGの両方を実現する。完全なアーキテクチャは、多重周波数GNSSベースバンド1311、WAUNAGにおける長距離通信リンクのためのGSMまたはUMTSベースバンド1312、およびLAUNAG機能を提供する短距離ベースバンド1313からなる。この短距離ベースバンドは、ブルートゥース(登録商標)、Wi−Fi、UWB、または短距離通信に好適な任意の将来もしくは現在の実施可能な技術のベースバンドであり得る。このアーキテクチャはさらに、別個またはハイブリッドのアンテナ1319と、すべての上述したベースバンドの別個のまたはハイブリッドのR.F.フロントエンド1314とを、好適なマイクロコントローラおよびメモリ1315とともに組込む。GNSS支援データ生成モジュール1316およびGNSS支援データフィードモジュール1317が、支援データ処理および中継モジュール1318内に示される。支援データ生成モジュール1316は、GPS測位、タイミング、およびナビゲーションユニットのメインモジュールであるGNSS R.F.フロントエンドおよび/またはGNSSベースバンドおよび/またはGNSSソリューションのソフトウェア部分を実行しているマイクロコントローラから、局所化支援データをGPS受信器にて生成する。当該支援データ処理および中継モジュール1318はさらに、生成されたデータを支援を受けるピア位置測定ユニットに送信し得る。支援データフィードモジュール1317は支援データを中継GPS測位、タイミングおよびナビゲーションユニットの前述したメインモジュールの任意の組合せに供給する。当該供給された支援データは、GPS受信機または中継GPS受信機自身を支援することに由来する。
【0219】
長距離通信ブロックを省略し、したがってLAUNAG機能性のみを提供する部分的なアーキテクチャも可能である。
【0220】
さらなる修正例および改善例が、添付の特許請求の範囲によって記載される本発明の範囲内に加えられてもよい。
【技術分野】
【0001】
この発明は、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite Systems(GNSS))および無線測位システム(Wireless Positioning Systems(WPS))に存在するような位置測定ユニットのための支援データに関し、特に支援データの処理および通信に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
幅広い範囲の電子機器が測位情報を使用して新しいサービスをユーザに届けることが増えている。携帯電話、パーソナルナビゲーション装置、ラップトップ、ネットブック、車載テレマティックスなどを含む広い範囲の装置に位置情報を提供するよう衛星測位システム、慣性航法システム(Inertial Navigation Systems(INS))、Wi−Fi測位システム、送信機信号強度測定、およびモーションセンサといった技術がすべて別個にまたは組合されて用いられる。特に、位置情報サービス(Location Based Services(LBS))は今では、携帯機器上で利用可能な一般的な機能である。
【0003】
近年のもっともユビキタスな測位技術は、GPS(Global Positioning System(全地球測位システム))である。GPSは、元々軍用システムとして開発された米国の測位およびナビゲーションシステムであるが、測位、タイミング、ナビゲーション、および他の多くの目的のために地球上の民間人によって一般的に用いられている。GPSは、異なるプレーンにおいて地球の周りを巡回する多くの衛星を含む。これらの衛星は、補正した位置、タイミング情報、および他の有用なデータを送信する。当該システムに含まれるすべての衛星は、異なる識別性を異なる送信コードの形態で有する。当該システムは、空の視程が妨げられない場合、地表または地表から上のある距離にいるユーザ(この距離は衛星のプレーンの高さに限定される)が任意の時間に4つ以上の衛星を感知することが可能な態様で設計される。一意かつ明白にユーザ受信機の位置を求めるよう、受信機に到達する4つ以上の衛星信号同士の間の時間差および位相差の測定が用いられる。
【0004】
ユーザ受信機において、正確な位置を計算する能力は、衛星軌道位置(エフェメリス)における誤差、衛星およびユーザのクロック誤り、電離圏および対流圏の信号伝播効果、およびマルチパス信号受信および受信機の測定誤差による局所的な環境誤差といった多くの誤差源に影響される。
【0005】
誤差の主たる源の多くを最小限にするために差分補正技術が考案されている。位置が正確に分かっている固定基準受信機または受信機のネットワークが、感知可能な衛星から自身の擬似レンジを測定し、コモンモードの大気誤差、エフェメリスの誤差、および衛星クロック誤差の測定値を得る。これらの誤差測定値は、補正値の形態にあり、ローカルの地上ベースの通信リンクまたは静止衛星のいずれかを通じて、適切な領域にあるユーザ受信機に送信される。後者のシステムは、米国におけるWAAS(Wide Area Augmentation System(広域補強システム))およびヨーロッパにおけるEGNOS(European Geostationary Navigation Overlay Service(欧州静止衛星航法補強サービス))などを含むSBAS(Satellite Based Augmentation System(衛星用航法補強システム))である。
【0006】
都市圏、屋内、高層駐車場、および植物の林冠下にて非常によく起こる状況であるが、ユーザ受信機が4つ以上の衛星に対して直接的な見通し線を有さない場合、信号対雑音比が非常に低くなるため、位置およびナビゲーション決定位置が得られなくなる。これらの状況下でユーザを支援するために、アシスト型GPS(Assisted GPS(AGPS))と呼ばれる技術が開発されている。AGPSでは、衛星へのロックを得ることを支援するようエフェメリス、アルマナック、および場合によっては正確なタイミング情報のような有益な情報が携帯電話ネットワークを通じてユーザに送信される。AGPSには、多くの変形例および多くの専有技術があるが、それらのほとんどすべてでは、支援データを届けるために移動通信ネットワークサービスプロバイダへの何らかの種類の通信リンクまたはインターネットへのリンクが要求される。
【0007】
公知のAGPSでは、AGPSサービスプロバイダは、地球上の多くの固定基準GPS受信機のネットワークを有する。これらの固定基準局のすべては連続的にGPS衛星のすべてを追跡し、追跡情報はネットワーク支援サーバにフィードバックされ、ネットワーク支援サーバにおいて、エフェメリス、アルマナック、クロック補正、ドップラーオフセットなどといった支援データが得られる。これらのデータは次いで、要求時に移動体通信事業者に提供され、エンドユーザに送信される。この方法は、セキュアユーザプレーン(Secure User Plane(SUPL))AGPSとして規格化され、公知である。当該規格の幅広い採用の遅れ、データオーバヘッド、ローミング、および有効圏外になる問題により、依然としてSUPL AGPSがユビキタスなソリューションになるのが限定されている。
【0008】
リアルタイムキネマティック(Real Time Kinematic(RTK))衛星航法と呼ばれる別の技術では、GNSS信号の搬送波位相の測定値を用い、単一の固定基準局がリアルタイムの補正を行い、測位精度を向上させる。固定基準(または制御)局からGNSSローバ受信機への接続は、直接的な無線リンクを通じて行われ得る。固定基準局のネットワークとともに、仮想基準局(Virtual Reference Station(VRS))技術がRTKに加わる。
【0009】
第2世代AGPS後処理ソリューションはしばしば、予測または拡張エフェメリスと呼ばれ、サーバを用いて支援データを合成する。このGPS支援データは、一週間または将来は1ヶ月有効であり、AGPS携帯機器に前もってダウンロードされる。これらのソリューションは、2k〜200kバイトのサイズのエフェメリスの頻繁なダウンロード/更新を必要とし、処理オーバヘッドを伴い、かつ他のGPS支援情報、すなわち時間、概略的な位置予測、電離圏補正などから除外されている。
【0010】
GPSを使用可能な複数の装置が、これら装置の1つにしか存在しない衛星データを共有するよう通信し得ることも公知である。そのため、その付加的な情報を既に所有している他の装置から支援を受けることによって、共有しなければ位置を得るのに不十分な情報しか有さなかった装置においてGPSソリューションを補強することができる。この公知の技術では、GPSを使用可能な装置は、各々が同様の機能性を有し、たとえば携帯用ハンドセットの群であり、位置および支援データを共有するようネットワークを形成し得る。
【0011】
そのため、GPSを使用可能な同様の装置のネットワークは理論上、GPS支援データを共有することができ、したがって、それらのLBS能力を増強することができる。しかしながら、通常はピア・ツー・ピア接続は短距離通信リンク上でなされるので、現状技術を実際に使用した場合、通信レンジ内に十分で不可欠な数のユーザが存在しないことになる。それでは、他の装置との連結に成功する見込みが小さくなり、GPS支援情報を共有する利点が失われる。さらに、精度を向上させるとともにサービスの有効範囲を改善するよう、GPSを補完するものとして測位およびナビゲーションデータを提供する技術が用いられることが公知である。しかしながら、この付加的な位置データは、装置レベルで生成および消費され、より広いネットワークでは利用可能ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の局面に従うと、中継位置測定ユニットのための支援データ処理および中継モジュールが提供される。支援データ処理および中継モジュールは、支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを得るよう動作可能であり、さらに局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに中継するよう動作可能である。
【0013】
好ましくは、局所化支援データは非GNSS(全地球航法衛星システム)支援データを含む。
【0014】
好ましくは、非GNSS支援データは無線測位システム(WPS)支援データを含む。
好ましくは、局所化支援データはGNSS支援データを含む。
【0015】
好ましくは、局所化支援データは、支援を受けるピア位置測定ユニットの位置における、支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む。
【0016】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、支援を行うピア位置測定ユニットから局所無線通信リンクにより直接的に局所化支援データを得るよう動作可能である。
【0017】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、支援を行うピア位置測定ユニットから支援サーバを通じて、局所化支援データを得るよう動作可能である。
【0018】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、支援サーバを通じて局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに中継するように動作可能である。
【0019】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、第1のピア・ツー・ピアネットワークを別のピア位置測定ユニットとともに形成し、他のピア位置測定ユニットが局所化支援データを得るために他のピア位置測定ユニットに第2のピア・ツー・ピアネットワークを確立させる。
【0020】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは支援データを中継位置測定ユニットの測位、タイミングおよびナビゲーションエンジンに供給するよう動作可能な支援データフィードモジュールをさらに含む。
【0021】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、中継位置測定ユニットにて付加的な局所化支援データを生成するよう動作可能な支援データ生成モジュールをさらに含む。
【0022】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、生成された付加的な局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに送信するよう動作可能である。
【0023】
好ましくは、生成された付加的な局所化支援データは、中継位置測定ユニットが行う測定から得られるデータを含む。
【0024】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、生成された付加的な局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに局所無線通信リンクにより送信するよう動作可能である。
【0025】
好ましくは、支援データ処理および中継モジュールは、生成された付加的な局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに支援サーバを通じて送信するよう動作可能である。
【0026】
本発明の第2の局面に従うと、上記第1の局面の支援データ処理および中継モジュールを含む位置測定ユニットが提供される。
【0027】
好ましくは、位置測定ユニットは1つ以上のピアの位置測定ユニットとクラスタを形成するよう動作可能であって、クラスタにおいて、当該クラスタを形成する位置測定ユニット同士はクラスタ支援データを互いに交換する。
【0028】
好ましくは、位置測定ユニットは、クラスタ内で利用可能な好ましい支援データを選択するよう動作可能である。
【0029】
好ましくは、位置測定ユニットは、生成された付加的な局所化支援データをクラスタ支援データと比較して、クラスタ支援データが向上され得るかどうか判定するとともに、生成された付加的な局所化支援データに応答してクラスタ支援データの修正をするように動作可能である。
【0030】
好ましくは、位置測定ユニットは、クラスタ内において、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うようさらに動作可能である。
【0031】
好ましくは、特別の役割において、位置測定ユニットは支援サーバと支援データを通信する。
【0032】
好ましくは、位置測定ユニットは、局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして機能するようさらに動作可能である。
【0033】
本発明の第3の局面に従うと、中継位置測定ユニットにて支援データを処理する方法が提供される。当該方法は、支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを得るステップと、支援を受けるピア位置測定ユニットに局所化支援データを中継するステップとを含む。
【0034】
好ましくは、局所化支援データは非GNSS支援データを含む。
好ましくは、非GNSS支援データはWPS支援データを含む。
【0035】
好ましくは、局所化支援データはGNSS支援データを含む。
好ましくは、局所化支援データは、支援を受けるピア位置測定ユニットの位置における、支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む。
【0036】
好ましくは、局所化支援データは支援を行うピア位置測定ユニットから局所無線通信リンクにより直接的に得られる。
【0037】
好ましくは、局所化支援データは支援を行うピア位置測定ユニットから支援サーバを通じて得られる。
【0038】
好ましくは、局所化支援データは支援を受けるピア位置測定ユニットへ支援サーバを通じて中継される。
【0039】
好ましくは、上記方法は、中継位置測定ユニットにて付加的な局所化支援データを生成するステップをさらに含む。
【0040】
好ましくは、生成された付加的な局所化支援データは、中継位置測定ユニットが行う測定から得られるデータを含む。
【0041】
好ましくは、上記方法はさらに、生成された付加的な局所化支援データを中継位置測定ユニットから支援を受けるピア位置測定ユニットに送信するステップを含む。
【0042】
好ましくは、生成された付加的な局所化支援データを送信するステップは、中継位置測定ユニットから支援を受けるピア位置測定ユニットに局所無線通信ネットワークリンクによって送信するステップを含む。
【0043】
好ましくは、生成された付加的な局所化支援データを送信するステップは中継位置測定ユニットから支援を受けるピア位置測定ユニットへ支援サーバを通じて送信するステップを含む。
【0044】
本発明の第4の局面に従うと、支援データを交換する方法が提供される。上記方法は、複数のピア位置測定ユニットのクラスタを形成するステップと、第3の局面の方法に従って、クラスタを形成する位置測定ユニット同士の間でクラスタ支援データを交換するステップとを含む。
【0045】
好ましくは上記方法は、クラスタを形成する位置測定ユニットにとって好ましい、クラスタ内で利用可能な支援データを選択するステップをさらに含む。
【0046】
好ましくは上記方法は、クラスタを形成した位置測定ユニットによって生成された局所化支援データをクラスタ支援データと比較して、クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、生成された局所化支援データに応答してクラスタ支援データの修正を行うステップをさらに含む。
【0047】
好ましくは上記方法は、クラスタにおいて、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うよう位置測定ユニットを動作させるステップをさらに含む。
【0048】
好ましくは上記方法は、特別の役割で動作される位置測定ユニットが支援データを支援サーバと通信するステップをさらに含む。
【0049】
好ましくは上記方法は、位置測定ユニットを局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして動作させるステップをさらに含む。
【0050】
本発明の第5の局面に従うと、支援を受ける位置測定ユニットのための支援データ受信モジュールが提供される。支援データ受信モジュールは、支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを支援サーバを通じて得るよう動作可能である。
【0051】
好ましくは、局所化支援データは非GNSS支援データを含む。
好ましくは、非GNSS支援データはWPS支援データを含む。
【0052】
好ましくは、局所化支援データはGNSS支援データを含む。
好ましくは、局所化支援データは、支援を受ける位置測定ユニットの位置における、支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む。
【0053】
本発明の第6の局面に従うと、支援を行う位置測定ユニットための支援データ送信モジュールが提供される。支援データ送信モジュールは局所化支援データを生じさせ、局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに支援サーバを通じて送信する。
【0054】
好ましくは、局所化支援データは非GNSS支援データを含む。
好ましくは、非GNSS支援データはWPS支援データを含む。
【0055】
好ましくは、局所化支援データはGNSS支援データを含む。
好ましくは、局所化支援データは、支援を行う位置測定ユニットが行う測定から得られるデータを含む。
【0056】
本発明の第7の局面に従うと、サーバのためのサーバモジュールが提供される。サーバモジュールは、各々が第6の局面の支援データ送信モジュールを有する複数の携帯型の支援を行う位置測定ユニットから局所化支援データを受信するとともに、第5の局面の支援データ受信モジュールを有する支援を受ける位置測定ユニットに局所化支援データを送信するよう動作可能である。
【0057】
好ましくはサーバモジュールは、多数の支援を行う位置測定ユニットから同様の局所化支援データの受信がある場合、支援を受ける位置測定ユニットへの送信のために好適な局所化支援データを選択するよう動作可能である。
【0058】
好ましくはサーバモジュールは、受信した局所化支援データに応答して位置情報サービスを提供および/または可能にするよう動作可能である。
【0059】
本発明の第8の局面に従うと、第5の局面に従った支援データ受信モジュールと、第6の局面に従った支援データ送信モジュールとを含む位置測定ユニットが提供される。
【0060】
好ましくは、位置測定ユニットはGNSSロービング受信機である。
好ましくは、位置測定ユニットは個人の携帯機器である。
【0061】
好ましくは、位置測定ユニットは、1つ以上のピアの位置測定ユニットとクラスタを形成するよう動作可能であって、クラスタにおいて、当該クラスタを形成する位置測定ユニット同士はクラスタ支援データを互いに交換する。
【0062】
好ましくは位置測定ユニットは、クラスタ内で利用可能な好ましい支援データを選択するよう動作可能である。
【0063】
好ましくは位置測定ユニットは、生じさせた局所化支援データをクラスタ支援データと比較して、クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、生じさせた局所化支援データに応答してクラスタ支援データの修正を行うように動作可能である。
【0064】
好ましくは位置測定ユニットは、クラスタ内において、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うようさらに動作可能である。
【0065】
好ましくは、特別の役割において、位置測定ユニットは支援サーバと支援データを通信する。
【0066】
好ましくは、位置測定ユニットは、局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして機能するようさらに動作可能である。
【0067】
本発明の第9の局面に従うと、支援を受ける位置測定ユニットにて支援データを受信する方法が提供される。上記方法は、支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを支援サーバを通じて得るステップを含む。
【0068】
好ましくは、局所化支援データは非GNSS支援データを含む。
好ましくは、非GNSS支援データはWPS支援データを含む。
【0069】
好ましくは、局所化支援データはGNSS支援データを含む。
好ましくは、局所化支援データは、支援を受けるピア位置測定ユニットの位置における、支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む。
【0070】
本発明の第10の局面に従うと、送信を行う位置測定ユニットから支援データを提供する方法が提供される。上記方法は、局所化支援データを生じさせるステップと、送信を行う位置測定ユニットから局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに支援サーバを通じて送信するステップとを含む。
【0071】
好ましくは、局所化支援データは非GNSS支援データを含む。
好ましくは、非GNSS支援データはWPS支援データを含む。
【0072】
好ましくは、局所化支援データはGNSS支援データを含む。
好ましくは、局所化支援データは、送信を行う位置測定ユニットが行う測定から得られるデータを含む。
【0073】
本発明の第11の局面に従えば、支援データを交換する方法が提供される。上記方法は、複数のピア位置測定ユニットのクラスタを形成するステップと、第9または第10の局面の方法に従って、クラスタを形成する位置測定ユニット同士の間でクラスタ支援データを交換するステップとを含む。
【0074】
好ましくは上記方法は、クラスタを形成する位置測定ユニットにとって好ましい、クラスタ内で利用可能な支援データを選択するステップをさらに含む。
【0075】
好ましくは上記方法は、クラスタを形成する位置測定ユニットが生じさせた局所化支援データをクラスタ支援データと比較して、クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、局所化支援データに応答してクラスタ支援データの修正をするステップをさらに含む。
【0076】
好ましくは上記方法は、クラスタにおいて、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うよう位置測定ユニットを動作させるステップをさらに含む。
【0077】
好ましくは、上記方法は、特別の役割で動作される位置測定ユニットが支援データを支援サーバと通信するステップをさらに含む。
【0078】
好ましくは上記方法は、位置測定ユニットを局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして動作させるステップをさらに含む。
【0079】
本発明の第12の局面に従えば、中継位置測定ユニットにて支援データを処理するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトが提供される。命令は1つ以上のプロセッサが第3の局面の方法を行うようにされる。
【0080】
本発明の第13の局面に従うと、支援データを交換するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトが提供される。命令は1つ以上のプロセッサが第4の局面のいずれかに従った方法を行うようにされる。
【0081】
本発明の第14の局面に従うと、支援を受ける位置測定ユニットにて支援データを受信するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトが提供される。命令は1つ以上のプロセッサが第9の局面の方法を行うようにされる。
【0082】
本発明の第15の局面に従うと、送信を行う位置測定ユニットから支援データを提供するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトが提供される。命令は1つ以上のプロセッサが第10の方法を行うようにされる。
【0083】
本発明の第16の局面に従うと、支援データを交換するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトが提供される。命令は1つ以上のプロセッサが第11の方法を行うようにされる。
【0084】
本発明の第17の局面に従うと、支援を受けるGNSS受信機ユニットのためのGNSS支援データ受信モジュールが提供される。GNSS支援データ受信モジュールは、支援を行うピアGNSS受信機ユニットから局所化GNSS支援データを支援サーバを通じて得るよう動作可能である。
【0085】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、支援を受けるピアGNSS受信機ユニットの位置における、支援を行うピアGNSS受信機ユニットによる測定から得られるデータを含む。
【0086】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、SBAS衛星から得られるデータを含む。
本発明の第18の局面に従うと、GNSS受信機ユニットためのGNSS支援データ送信モジュールが提供される。GNSS支援データ送信モジュールは局所化GNSS支援データを生じさせ、局所化GNSS支援データを支援を受けるピアGNSS受信機ユニットに支援サーバを通じて送信する。
【0087】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、GNSS受信機ユニットによって行われる測定から得られるデータを含む。
【0088】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、SBAS衛星から得られるデータをさらに含む。
【0089】
好ましくは、局所化GNSS支援データは地理空間的データを含む。
好ましくは、局所化GNSS支援データは生データを含む。
【0090】
好ましくは、局所化GNSS支援データはパッケージングされたデータを含む。
本発明の第19の局面に従うと、第17の局面のGNSS支援データ受信モジュールと、第18の局面のGNSS支援データ送信モジュールとを含むGNSS受信機ユニットが提供される。
【0091】
好ましくは、GNSS受信機ユニットはGNSSロービング受信機である。
好ましくは、GNSS受信機ユニットは個人の携帯機器である。
【0092】
好ましくは、GNSS受信機ユニットは、1つ以上のピアのGNSS受信機ユニットとクラスタを形成するよう動作可能であって、クラスタにおいて、当該クラスタを形成するGNSS受信機ユニット同士はクラスタ支援データを互いに交換する。
【0093】
好ましくは、GNSS受信機ユニットはクラスタ内で利用可能な好ましい支援データを選択するよう動作可能である。
【0094】
好ましくは、GNSS受信機ユニットは、生じさせた局所化GNSS支援データをクラスタ支援データと比較して、クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、生じさせたGNSS局所化支援データに応答してクラスタ支援データの修正を行うように動作可能である。
【0095】
好ましくはGNSS受信機ユニットは、クラスタ内において、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うようさらに動作可能である。
【0096】
好ましくは、特別の役割において、GNSS受信機ユニットは支援データを支援サーバと通信する。
【0097】
好ましくは、GNSS受信機ユニットは、局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして機能するようさらに動作可能である。
【0098】
本発明の第20の局面に従うと、支援を受けるGNSS受信機ユニットにてGNSS支援データを受信する方法が提供される。上記方法は、支援を行うピアGNSS受信機ユニットから局所化GNSS支援データを支援サーバを通じて得るステップを含む。
【0099】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、支援を受けるピアGNSS受信機ユニットの位置における、支援を行うピアGNSS受信機ユニットによる測定から得られるデータを含む。
【0100】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、固定されたGNSS基準局から得られるデータをさらに含む。
【0101】
本発明の第21の局面に従うと、送信を行うGNSS受信機ユニットからGNSS支援データを提供する方法が提供される。上記方法は、局所化GNSS支援データを生じさせるステップと、送信を行うGNSS受信機ユニットから局所化GNSS支援データを支援を受けるピアGNSS受信機ユニットに支援サーバを通じて送信するステップとを含む。
【0102】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、送信を行うGNSS受信機ユニットが行う測定から得られるデータを含む。
【0103】
好ましくは、局所化GNSS支援データは、固定されたGNSS基準局から得られるデータをさらに含む。
【0104】
好ましくは、局所化GNSS支援データは地理空間データを含む。
好ましくは、局所化GNSS支援データは生データを含む。
【0105】
好ましくは、局所化GNSS支援データはパッケージングされたデータを含む。
本発明の第22の局面に従うと、GNSS支援データを交換する方法が提供される。上記方法は、複数のピアGNSS受信機ユニットのクラスタを形成するステップと、第20および21の局面の方法に従って、クラスタを形成するGNSS受信機ユニット同士の間でクラスタ支援データを交換するステップとを含む。
【0106】
好ましくは、上記方法は、クラスタを形成するGNSS受信機ユニットにとって好ましい、クラスタ内で利用可能な支援データを選択するステップをさらに含む。
【0107】
好ましくは上記方法は、クラスタを形成するGNSS受信機ユニットが生じさせた局所化GNSS支援データをクラスタ支援データと比較して、クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、局所化GNSS支援データに応答してクラスタ支援データの修正をするステップをさらに含む。
【0108】
好ましくは、上記方法は、クラスタにおいて、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うようGNSS受信機ユニットを動作させるステップをさらに含む。
【0109】
好ましくは、上記方法は、特別の役割で動作されるGNSS受信機ユニットが支援データを支援サーバと通信するステップをさらに含む。
【0110】
好ましくは、上記方法は、GNSS受信機ユニットを局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして動作させるステップをさらに含む。
【0111】
本発明は添付の図面を参照して例示目的でのみ記載される。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明に従った位置測定ユニットのアーキテクチャを概略図にて示す図である。
【図2】本発明に従った受信機ユニットクラスタの形成を概略図にて示す図である。
【図3】本発明に従った、機能性および2人のユーザ同士の間のデータ交換を概略図にて示す図である。
【図4】本発明のある実施例に従った、クラスタにおける動作のフローチャートを示す図である。
【図5】本発明に従った、機能性および2人のユーザ同士の間のデータ交換を概略図にて示す図である。
【図6】本発明に従ったウェブサーバを概略図にて示す図である。
【図7】本発明のある実施例に従った、サーバを伴う動作のフローチャートを示す図である。
【図8】別のピア・ツー・ピアネットワークにおけるサーバからの支援データのインポートを示す図である。
【図9】別のピア・ツー・ピアネットワークにおける装置からの支援データのインポートを示す図である。
【図10】アドホック・ピア・ツー・ピア・ネットワークにおけるいくつかの装置から、支援データを要求することを示す図である。
【図11】アドホック・ピア・ツー・ピア・ネットワークにおいていくつかの装置からの支援データを要求する動作のフローチャートの図である。
【図12】アドホック・ピア・ツー・ピア・ネットワークにおけるいくつかの装置からの支援データを要求するとともに、他のピア・ツー・ピアネットワークを確立させる動作のフローチャートの図である。
【図13】本発明の局面に従った、GPS受信器ユニットのアーキテクチャを概略図にて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0113】
詳細な説明
本発明の局面の実施例は、ユーザ由来の支援データを生成および提供する方法に関する。当該支援データは、装置の測位、タイミング、ナビゲーションソリューションに与えられると、装置が適切な位置、時間、およびナビゲーション情報を得るプロセスを改善する、可能にする、もしくは高速化し、および/または支援データの可用性に基づき強化された機能をユーザに提供する。この発明は様々な態様で実施され得るが、1つの構成は、さまざまなネットワーク構成に一緒に接続される様々な装置に埋め込まれる新規なソフトウェアクライアントに焦点を当てている。
【0114】
ただ例示目的のために、本願明細書で言及されるGNSSシステムは主として米国の全地球測位システム(GPS)、およびWAAS、EGNOSなどといったSBASである。しかしながら、本発明は、GLONASS(GLObal’naya NAvigatsionnaya Sputnikovaya Sistema)およびGalileoといった他の現在および将来のGNSSを用いる受信機にも有効かつ適用可能であることは理解されるべきである。
【0115】
本発明のある構成は、位置情報を要求する装置のために支援データを提供する既存の方法の1つ以上の欠点、特に、上述した現在のAGPS技術の制限を解決する。
【0116】
この明細書では、支援データは「GPS支援データ」と「他の支援データ」との両方を指すよう用いられる。これらの用語は以下に定義される。
【0117】
ソフトウェアクライアント
図1を参照して、本発明に従った一構成では、任意のオペレーティングシステム(OS)12上で動作する位置測定ユニットまたは装置11上の支援データ処理および中継モジュールとして動作するか、装置に埋込まれるか、または両者の組合せであるソフトウェアクライアント10が提供される。
【0118】
当該装置はさらに、無線リンクおよび/または有線ネットワークシステム、すなわちネットワークアダプタなどを形成するよう、単数または複数の送受信機システム13を含んでもよい。これらの組合せは、したがって、任意の可能な無線規格/プロトコルおよび/または任意の可能な有線規格を用いて、任意の可能なトポロジを用いて任意の種類の可能な無線または有線ネットワークを形成する。ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、アドホックネットワークなどがある。無線規格/プロトコルとしては、GSM/UMTS、ブルートゥース(登録商標)、Wi−Fi、Wi−Max、UWB、ZigBee、TETRA、赤外線などがあるがこれらに限定されない。有線規格としてはイーサネット(登録商標)がある。トポロジとしては、リング、バス、スター、メッシュまたはハイブリッドなどがある。
【0119】
装置はさらに、GPSおよび/または任意の他の測位ならびにナビゲーション技術および/もしくはハイブリッド技術を用いる測位およびナビゲーションエンジン14を有してもよい。装置11はさらに、たとえばマイクロコントローラおよび他の周辺機器といった他のハードウェア15を含んでもよい。
【0120】
ネットワークにおいて各装置上に存在するソフトウェアクライアント10は、一般的なアルゴリズムを用いることに加えて、装置における他のコンポーネント/ユニットの可用性に依存して3つの異なる特別な機能の何らかの組合せを活用することができ、したがって形成されたネットワークにおいて異なる役割を果たし得る。当該ソフトウェアクライアントが存在するピア装置は、幅広い多様な相互通信装置プラットフォームタイプ上で実現され得る。
【0121】
ネットワーク取得位置および支援中継機能である機能1では、ソフトウェアクライアント10はローカルの装置の測位およびナビゲーションエンジン14へのアクセスを要求しない。そのため、このようなエンジンは装置11に存在する必要はない。この機能では、ソフトウェアクライアント10は、当該装置をネットワークにおけるゲートウェイまたはブリッジとして用い、他の2つのネットワークノード同士の間で支援データを中継する。このソフトウェアクライアント10はさらにネットワークを通じて送信中の支援データに直接的にアクセス可能であり、支援データの内容に依存するが如何なるローカルの測位エンジンとは独立して、測位、タイミング、およびナビゲーション情報を決定する。たとえば、GPS支援データは、支援データを提供している装置の時間および測位情報を含み得る。ソフトウェアクライアント10は、自身が同じネットワークにあり、したがって他の装置の既知の数の短距離通信ステップ内にあるということが分かった状態で、上記情報を用いて概略的な時間および位置推定値を得ることができる。この場合、精度はネットワークのスケールと、装置で用いられる送受信機のプロトコルとに依存することになる。
【0122】
GPS取得測位およびGPS支援生成機能である機能2では、ソフトウェアクライアントは、ローカルのGPS測位およびナビゲーションエンジンへの直接(埋込)または(APIを通じた)間接アクセスを有する。この機能は、支援データ生成モジュール16によって実行される。この機能により、ソフトウェアクライアントはGPS支援データを生成し、ネットワークに提供し得る。これにより、ローカルの装置が、ローカルの測位およびナビゲーションエンジンから取得されるローカルデータと、機能3からのデータと、機能1からのネットワーク供給データとの混合に基づき位置情報を取得し得る。これらのデータはすべて、どれがアクティブであるかに依存する。
【0123】
他の取得測位機能である機能3では、ソフトウェアクライアントは、ローカルの装置に存在しない別個の測位およびナビゲーションエンジン(図示せず)によって、GNSSを除く任意の他の測位、タイミング、およびナビゲーションソリューションへの直接(埋込)または(APIを通じて)間接アクセスを有する。ソフトウェアクライアントのこの機能により、他の支援データが生成され得るとともにネットワークに提供され得る。機能3によって、機能1からのローカルおよびネットワーク供給データと、機能2からのローカル情報との混合に基づき、これらがアクティブな場合には、ローカル装置が位置情報を得ることが可能になる。
【0124】
このソフトウェアクライアントは、これら3つの機能の1つ以上を同時に動作させることができる。機能1において動作する能力は、クライアントにおいて常に有効にされてもよい(必ずしも常にアクティブではない)。機能2および3は、ローカルの装置の測位能力に対して適切ならば、有効にされてもよい。当該クライアントは、用いる機能の最良の組合せを決定するよう、どの位置エンジンが任意の特定の装置に存在しているかを検知する手段を含んでもよい。
【0125】
以下、動作の機能のより詳細な説明を記載する。
どの機能が使用されているかから独立して、ソフトウェアクライアントは以下の基本的な機能性を有する。
【0126】
ソフトウェアクライアントは、直接的(すなわち埋込)および/または間接的(すなわち任意のOSを通じて)に、無線送受信機および/またはネットワークアダプタ13のうちのいずれかまたはすべてと通信および制御することができる。このソフトウェアクライアントは、支援データリクエストを他のネットワーク参加者に送信、および支援データリクエストを他のネットワーク参加者から受信する手段と、要求された支援データ(すなわちGPS支援データ、他の支援データ、または両方)を特定する手段と、利用可能な単一または複数のネットワークの別の参加者に支援データを送信、および当該別の参加者から支援データを受信する手段と、支援データをパッケージングおよび暗号化する手段と、支援データをデパッケージング(depackaging)および復号化する手段とを有してもよい。
【0127】
さらに、ソフトウェアクライアントは、アクティブな特定機能に依存する機能性を以下のように有する。
【0128】
機能2および3について、ソフトウェアクライアントは、直接的(すなわち埋込)および/または間接的(すなわち任意のOSを通じて)に、測位およびナビゲーションエンジンと通信および制御することができる。ソフトウェアクライアントは、支援データリクエストをローカルの測位およびナビゲーションエンジンに送信、および支援データリクエストを当該ローカルの測位およびナビゲーションエンジンから受信する手段と、要求された支援データ(すなわちGPS支援データ、他の支援データ、または両方)を特定する手段と、支援データを測位およびナビゲーションエンジンに提供する手段とを有してもよい。
【0129】
機能2では、ソフトウェアクライアントは、ローカルの装置の測位およびナビゲーションエンジンにおいてGPSソリューションの補助によりGPS支援データを生成する手段を有する。
【0130】
機能3では、ソフトウェアクライアントは、他の利用可能な、非GPS、測位、タイミングおよびナビゲーション技術の補助により他の支援データを生成する手段を有する。
【0131】
典型的に、当該装置はハンドヘルドまたはポータブルの携帯機器であるが、静止/固定され得る。
【0132】
サーバ
本発明の局面に従った別の構成では、サーバが提供される。当該サーバは、第1の構成において上述したようにソフトウェアクライアントを各々が有する単一または複数の装置により形成される任意の可能なネットワークのノードの1つとして参加する手段と、ネットワークの参加者および当該ネットワークに接続される別の資源に支援データ要求を送信、および当該参加者および別の資源から支援データ要求を受信する手段と、要求された支援データ(すなわちGPS支援データ、他の支援データ、または両方)を特定する手段と、第1の構成において記載した装置からのネットワークに支援データ、たとえばGPS支援データを送信、または当該装置から受信する手段と、多数の装置から類似したデータの受信があった場合、好適な支援データを選択/フィルタリングする手段と、支援データを処理し、サーバのデータベースに格納する手段と、ネットワークに接続される装置の初期位置を求める手段と、支援データの補助によりLBSを提供および/または有効にする手段と、支援データをパッケージングおよび暗号化する手段と、支援データをデパッケージングおよび復号化する手段とを有してもよい。
【0133】
典型的に、サーバは、ワイドエリアネットワーク(WAN)構成におけるウェブサーバである。
【0134】
代替的には、サーバはLANサーバ、MAN、PANサーバなどといった、ネットワークの有効範囲の大きさに依存する任意のサーバであり得る。
【0135】
本発明に従った別の構成によると、第1の構成で記載されたソフトウェアクライアントを有する1つ以上の装置と、第2の構成で記載されたようなサーバと、任意の可能な単一または複数の無線または有線ネットワークとを含む通信システムが提供される。当該ネットワークでは、任意の可能なトポロジを用いて、1つ以上の装置が任意の利用可能な規格によりサーバによってまたはサーバなしで接続される。当該利用可能な規格には、無線の場合、GSM/UMTS、ブルートゥース(登録商標)、Wi−Fi、Wi−max、UWB、ZigBee、TETRA、赤外線などがあり、有線の場合、イーサネット(登録商標)がある。トポロジとしては、リング、バス、スター、メッシュ、またはハイブリッドがある。ここで、任意の可能なネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、アドホック無線ネットワークなどであり得る。好ましくは、これらのネットワークは無線ネットワークである。代替的には、これらのネットワークはさらに、有線、または無線および有線の両方の組合せであり得る。
【0136】
支援データ
本発明の実施例は、ピアツーピアおよびアドホックネットワークのような異なる短距離有線および無線ネットワーク、さらには中央サーバを含む広い範囲の無線ネットワークにおいて、支援データを生成、中継、および受信することに関する。
【0137】
上述のネットワークにおける支援データの交換によって、ネットワークのノードの測位、タイミング、およびナビゲーション能力は個々に、かつ特に悪環境においては全体的に有効化および/または向上する。
【0138】
本発明の実施例では、支援データは「GPS支援データ」および/または「他の支援データ」の組合せである。
【0139】
「GPS支援データ」は、備え付けられたGNSSナビゲーション技術/ユニットが装置の測位、精度、および信頼性を向上させ、測位プロセスを高速化し、測位または前述の任意のものの組合せを有効化することを可能にするデータである。標準的なGPS支援データは、生測定値と、擬似レンジと、位置および速度推定値とを、それらの品質指標(すなわち標準偏差、さまざまなDOPなど)、衛星固有のエフェメリス、アルマナック、ナビゲーションメッセージおよびパラメータ、ドップラ推定、コード位相オフセット(時間同期される場合)、大気の補正、完全性指標、品質指標などとともに含んでもよい。それとともに、標準的なGPS支援データはさらに、正確な時間情報と推定されるユーザ受信機の位置とを含んでもよい。GPS支援データの質は、測位およびナビゲーションエンジンにおいて、当該データを生成する装置のGNSSソリューションの質および技術的能力に依存する。このようなデータは、GPSソリューションを用いて測位およびナビゲーションエンジンからソフトウェアクライアントによって生成され得る。他のGPS支援データは、さまざまなGNSS(GPS、SBASなど)衛星からのナビゲーションメッセージを復号化することによって生成され得る。さまざまな測位およびナビゲーションアルゴリズムを衛星からの受信信号に適用することにより生成され得るものもある。支援データは、SBASデータ、固定基準局から得たデータ、地理空間データ、生データ、およびパッケージデータのうち1つ以上を含んでもよい。GPS支援データは、いずれか1つの装置によって生成されると、本願明細書で記載するように送信されるとともに他の装置によって使用され得る。
【0140】
「他の支援データ」は、GNSS以外の他の既存の測位、タイミングおよび/またはナビゲーション技術/ユニットを主として補助し得る任意のデータであり得、これにより性能および位置情報の局所的な取得を向上、有効化、または高速化する、またはこれらの与えられた利点の組合せが得られる。したがって、装置の備え付けの位置およびナビゲーションエンジンの能力は、ネットワーク内の他のノードによって与えられる情報の取得により向上する。
【0141】
たとえば、これらのデータは、支援を受けるおよび/または支援を行うユーザに対する局所無線通信アクセスポイント位置情報のデー夕ベースであり得る。これは、信号強度測定およびユーザ位置推定値を得る三角測量のようなアルゴリズムと一緒に、Wi−Fi、WiMAXまたは任意の相対的な既存のまたは新たな無線プロトコルといったプロトコルを用いる無線測位システム(WPS)で用いられ得る。これらのデータはさらに、携帯電話ネットワークに基づく技術、磁気およびINSセンサからの高度情報、バロメータからの高度情報などから生成され得る装置の位置および時間推測値を含み得る。
【0142】
さらに、ネットワークにおけるすべてのノードは、それらの個々の情報を組み合わせて、ネットワーク内のすべてのノードに適用可能な測位およびタイミング情報を得るよう独自のソリューションを作り出すこともできる。本発明のある実施例では、この「他の」測位、タイミング、およびナビゲーション技術/ユニットは、WiFiおよび/またはWiMAXプロトコルを有する無線測位システム(WPS)であってもよい。「他の支援データ」は、無線ネットワークを取囲むエリアにおいて、携帯機器からのWiFi/WiMAXハードウェアからアクセスされ得るデータである。当該データとしては、信号強度測定値、アクセスポイントのMacアドレス、信号の質、信号対雑音比、SSID、スキャン時間、暗号、APのタイプ、モデム速度など、および利用可能な場合、装置の位置座標がある。位置座標は、GNSSを除く、携帯電話の電波塔に基づく三角測量、慣性航法システム、手動のユーザ入力など装置の測位、タイミングおよびナビゲーション技術/ユニットから得られ得る。さらなるタイプの技術およびデータは、携帯電話の電波塔の信号強度測定およびセルIdや、磁気センサ、INSセンサ、加速度計などといった携帯機器の異なるセンサの測定値であってもよい。
【0143】
いくつかの支援データは、GPS支援データと、装置の推定位置、UTC、または地域時間情報などといった他の支援データとの両方において共通であってもよい。通常、これらのデータは、測位およびナビゲーションシステムから独立し、装置固有であり、地理的であり、汎用であるか、またはこれらの組合せのいずれかである。
【0144】
GPS支援データおよび他の支援データタイプの支援データの両方が組み合わされて、両方のシステムの支援データのすべてまたは任意の組合せを含む共通の情報プールまたはデータベースを形成してもよい。この情報プールは、任意の時間またはある期間に亘って単一の装置の支援データを有し得るか、または任意の時間またはある期間に亘ってネットワークの複数の装置の支援データの集合を有し得る。この情報プールは、中央サーバを含むネットワークの単一または複数のノード上に存在し得る。
【0145】
組合わされた情報プールがローカルネットワークにおいてユーザの間で共有されるならば、WPSに基づく座標を得る(これは一般的な方法である)のに装置がインターネット接続をする必要がなくなる。組合わされた情報プールはさらに、建物内または外のノードの位置またはノードの地理的位置などといったネットワークのノードの周りの周辺領域をモデリングするのに用いられ得る。
【0146】
GPS支援データと他の支援データタイプの支援データとがさらに、互いに補完する。GPS性能を悪環境でも向上するよう、装置のWPS取得測位座標およびタイミングは残っているGPS支援データとともに用いられ得る。GPS取得座標は、WPSアクセスポイント(AP)のMACアドレスと、残りのWPSデータとともに用いられ得、これによりWPSに基づく測位に有用な情報プールを作成する。
【0147】
測位およびナビゲーションエンジンにおいて用いられるGPSシステムは、単一または複数の信号、完全なハードウェア、完全なソフトウェア、またはハイブリッドのソリューションであり得る。上記装置の3つのコンポーネント、すなわち、無線送受信機、測位およびナビゲーションエンジン、ならびにソフトウェアクライアントのすべてまたは任意のものが、任意の形態、すなわちハイブリッド、ハードウェア、もしくはソフトウェアの形態にある別個のエンティティ、またはチップソリューションについてシングルチップもしくはマルチチップシステムにおいて組み合わされるという可能性もある。
【0148】
ネットワークにおける支援データの送受信は、ユーザ、装置またはネットワークの要求、単一もしくは複数のネットワークおよび/もしくは装置および/もしくは構成の可用性、ならびにソフトウェアクライアントのアルゴリズムの要求にしたがってなされる。
【0149】
したがって、本発明はGNSSおよびその支援データに限定されないだけでなく、Galileo、GLONASS、Compassなどの他の現在および将来のGNSS測位システムと、WPS、INSなどのような代替的な既存または新たな測位およびナビゲーション技術から得られる測位データの増強にも適用可能である。INSシステムは、それらの初期座標を通知される必要があり、その後は記録時における各瞬間での進行方向に基づきこの始点から自身の位置を追跡する。誤差は蓄積され、システムをリセットする何らか出来事の際には、絶対位置の如何なる知見も失われる。ネットワークに加わることにより、装置は、なんらかの近似値内でそのローカルの絶対位置の情報を再取得でき、次いでその分かった位置から正確に追跡を続け得る。
【0150】
本願明細書では、装置、ユーザ、または受信機といった用語は、コンポーネント、すなわち第1の構成で記載される装置のソフトウェアクライアント、測位およびナビゲーションエンジン、GPSソリューション、および無線/有線通信ネットワークのすべてまたはいずれかの機能性を表す。
【0151】
ソフトウェアクライアントおよびその機能性はさらに、ハードウェア、ハイブリッドソリューション、または任意の論理的な態様で実現され得るということも理解される。
【0152】
支援データ交換の例
以下に、さまざまなネットワークにおける支援データの生成および交換を説明する。その技術/アルゴリズムは、「GPS支援データ」の生成および提供に関して記載されるが、既に述べたように、これらの技術/アルゴリズムは一般的に「他の支援データ」のために用いられ得る。GPS支援データおよび他の支援データの組合せも同様である。本願明細書において、「支援データ」という用語が用いられるが、当該用語は与えられる特定のGPS例におけるGPS支援データを意味するということが理解されるべきである。しかしながら、当該用語は、他の非GPS測位およびナビゲーションソリューションにまで一般化することができる。
【0153】
サーバに基づくユーザネットワーク支援技術では、上述したソフトウェアクライアントを有する1つ以上の装置が、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)などといった任意の可能なネットワークを用いてサーバに接続する。このネットワークは任意のプロトコルを用いる任意の無線または任意の有線ネットワークであり得る。当該任意のプロトコルは、無線の場合は、GSM/UMTS、ブルートゥース(登録商標)、Wi−Fi、Wi−Max、UWB、ZigBee、TETRA、赤外線などがある。有線ネットワークの場合は、イーサネット(登録商標)などがある。この例では、用いられるサーバは、ワールドワイドウェブサーバである。上述したソフトウェアクライアントを有する複数の装置と、ウェブサーバとは、携帯電話ネットワークを用いてWANを形成している。
【0154】
図5では、装置502および503は、空の視程が明瞭であり、さまざまな指標とともに上述した支援データを生成するのに十分な時間、衛星を追跡している。
【0155】
支援データはウェブサーバに送られる。これらのデータは、サーバの要求と、ソフトウェアクライアントにおけるデータの可用性と、ソフトウェアクライアントの構成と、周期的にまたはネットワークの可用性が得られた際と、またはこれらの基準の何らかの組合せのいずれかが得られた際には、サーバに送られ得る。
【0156】
支援データは、図6に示されるように、IGS、JPL、インターネットSBASサービスなどの他の資源によってサーバに送られ得る。
【0157】
サーバは、複数の装置および/または他の資源から同様の支援データを受信する場合、正確/好適なデータを特定するよう、前述した支援データのさまざまな品質指標をさまざまなクライアントフラグとともにチェックする。これらのデータはフィルタリングされ、処理され、特徴的すなわち地理的に、ユーザ固有に、衛星固有に、一般的になどにマッピングされ得るとともにサーバデータベースに格納され得る。
【0158】
本例では、装置501は、空の視程が不良であり信号対雑音の低い環境にあり、したがって、自身の位置を決定するために必要な衛星を捕捉できない。
【0159】
ネットワークの形成後の支援プロセスは、以下のステップに要約され得る。
1.信号対雑音の低い環境にある装置501におけるソフトウェアクライアントが支援要求信号を支援(ウェブ)サーバに送る。
【0160】
2.支援サーバは、要求を送ったユーザの位置を、たとえばモバイル測位技術(セルID)またはホットスポット識別により概略的に推測する。
【0161】
3.支援サーバは当該推測位置を用いて好適な支援データをその記憶装置から抽出し、要求した装置に送信する。
【0162】
4.支援データの補助により、装置の測位およびナビゲーションユニットは衛星を捕捉および追跡する。
【0163】
5.装置は支援データメッセージを用い、誤差修正を適用し、測位およびナビゲーションソリューションを得ることで観察記録を形成する。
【0164】
装置501、502、および503は、数キロメートルの距離だけ隔てられ、そのいずれもが互いの短距離送受信距離の範囲にない。しかしながら、これら装置はすべて、移動通信ネットワークまたはWi−Fiホットスポットのいずれかのための電波塔である電波塔504または505の範囲内にはある。これらの電波塔は、これら装置のすべてにインターネット機能をそれぞれリンク514、512および515、513により提供する。したがって、装置501、502、および503は、事前に指定される共通のウェブサーバ511に電波塔504または505を通じて接続される。
【0165】
周囲の建物が高いため衛星への直接的な見通し線が欠如することによって受信機501が衛星をロックすることが困難な間、装置502および503は支援データをサーバに送信している。この場合、装置501は、直接的な見通し線に必ずしも存在しない電波塔505を通じて共通のウェブサーバとの接続を有する。装置501は、支援要求をウェブサーバに送り、ウェブサーバはその概略的な位置をモバイル測位技術またはWi−Fiスポット識別により特定する。要求した装置の概略位置を突き止めると、ウェブサーバは、支援メッセージを作成するよう情報データベースから必要な関連する情報を得る。このメッセージは、装置501に送信され、装置501が衛星のロックを得る事を可能にし、これによりそのGPS位置を得る。装置に送信される情報は、既知のAGPS基準局とユーザとの間に存在するより大きな距離による空間的な変動から自由である。サーバに基づく支援の場合、一時的な変動はより厳しい限界内に保たれ、これによりさらに正確な結果を生み出す。
【0166】
図6は、支援および他のLBS(Location Based Services(位置情報サービス))を向上させる支援サーバと追加機能とを示す。ウェブサーバ61は、現状技術の、計算能力測位部62と、ナビゲーションおよび誤差修正アルゴリズム63と、フィルタおよび大きなデータベース64とを主に含む。データベース64において、得られる支援情報はその地理的位置でマッピングされる。図5に示されるように、受信機501、502、および503はすべて、ウェブサーバに接続され、支援データをサーバに送信し得る。これらの支援データは、装置の測位およびナビゲーションソリューションの性能に依存して、上述したメッセージの任意の組合せであり得る。地理的位置とともにこれらすべてのデータは、情報データベース64に格納される。支援データを入力する装置の位置は、装置自身によって入力され得るか、または供給された生データ測定値および高度化したフィルタリングアルゴリズムを用いてサーバにより計算され得る。後者の利点は、装置の計算負荷を低減し、位置を有効および/または改善するよう現状技術のアルゴリズムを適用し得ることである。上記の支援に加えて、ウェブサーバは、マッピング65、インターネットを介するSBAS補正66、正確な気象情報67、および他のLBSサービス68をサポートするさらなる機構とインターフェイス接続し得る。これによりユーザにユーザネットワークの最良の利点を与える。正確な気象情報は、非常に正確な大気誤差パラメータを予測するよう用いられ得、これによりユーザの測位精度が改善される。マッピングおよび他のLBSはたとえば、インテリジェントGNSS受信機クラスタに、自動車のナビゲーションソリューションにおける交通情報のために用いられる更新を提供するようユーザネットワークと組合され得る。
【0167】
図7を参照して、支援を行うピアGPS装置ユニット701、および支援を受けるGPS装置ユニット702の動作をフローチャートにて示す。支援を行うピアGPS装置ユニットは支援データを生成する(703)。次いで、支援データをパッケージングする(704)。これには、支援データを位置タグ付けするステップ(705)が含まれる。次いで、支援サーバに接続し、支援データをサーバに送信する(707)。
【0168】
一方、支援を受けるGPS装置ユニットは支援サーバに接続している(708)。次いで、支援データを要求し(709)、支援データを受信および復号化する(710)。
【0169】
支援を受けるGPS装置ユニットは次いで、自身の初期位置の計算(711)、ウォームスタートの実行(712)、および衛星の捕捉および追跡(713)の1つ以上のために支援データを用いる。衛星の捕捉および追跡(713)の後、支援を受けるGPS装置ユニットは、誤差修正を適用し(714)、正確な位置およびナビゲーションソリューションを得てもよい(715)。
【0170】
クラスタに基づく支援構成では、上述したソフトウェアクライアントを有する1つ以上の装置と、上述したサーバと、任意の可能な単一または複数の無線または有線ネットワークとが用いられる。当該ネットワークでは、1つ以上の装置が任意の利用可能な規格によりサーバを用いてまたは用いることなく、任意の可能なトポロジを用いて接続する。任意の利用可能な規格としては、無線の場合、GSM/UMTS、ブルートゥース(登録商標)、Wi−Fi、Wi−Max、UWB、ZigBee、TETRA、赤外線などがある。有線の場合は、イーサネット(登録商標)がある。トポロジとしては、リング、バス、スター、メッシュ、またはハイブリッドがある。ここで、任意の可能なネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、アドホック無線ネットワークなどであり得る。典型的に、これらのネットワークは無線ネットワークである。代替的には、これらのネットワークは有線、または無線と有線の組合せであり得る。
【0171】
ネットワークは、参加者、すなわちサーバまたは請求項1に記載される任意のネットワーク装置によって、支援データ要件、データ可用性、ソフトウェアクライアント構成、または上記の組合せのいずれかに基づき始動され得る。残りの装置および/またはサーバは、上述した同様の基準に基づき、かつネットワークに加わる能力に依存してネットワークに参加する。
【0172】
支援データは、上述した参加している装置の1つまたは上述した参加しているサーバのいずれかにおいて生成され得る。支援データはさらに、単一または複数の装置および/またはサーバが現在のネットワークを含む1つより多いネットワークを共有している場合、他のネットワークから現在のネットワークにインポートされ得る。
【0173】
図2は、上記の第1の構成に記載される多くの装置によるクラスタの形成と、都市環境におけるGPSユーザが現在直面する共通の問題とを例示するが、この例示は他の地理空間的環境における多様な受信条件に等しく適用可能である。
【0174】
図2は、多様なユーザタイプと、測位および位置エンジンにおける現在のGPSソリューションを用いる装置に関連する多くの問題とを示す。項目21、22、および26は、非常に減衰を起こす構造、たとえば建物である。項目23は、道または鉄道リンクといった高速交通経路であり、項目24はトンネルのようなGPS信号を完全にブロックする構造である。装置A、B、C、G、H、J、およびKは、少なくとも4つの衛星の良好な屋外視程を有する。装置A、B、J、およびKは、良好な決定位置を有するのに十分な衛星にロックされる一方、装置Cは決定位置を達成する過程にある。装置Dは、ビルの谷間にあり、感知可能な衛星に部分的にのみロックする。装置Eは、低い信号対雑音比によりロックを達成できない。装置Fは、時間1では良好なロックを有するが、減衰を起こす条件に移動すると、時間2でロックを失い、その後、時間3に建物内の新しい位置に移動する(それぞれF1、F2、F3とラベル付けされる)。装置Gは、位置G1(時間1)から位置G3(時間3)まで高速に通過する。装置Hは、位置H1から位置H3まで低速で通過する。装置Iは時間1では、トンネルに入る前の位置I1において良好な決定位置を有する。時間2では、装置Iはトンネルの内部にあり、位置I2では衛星信号が存在しない。装置Iは時間3では、位置I3にありトンネルを出る。Zは固定基準の特別な装置である。
【0175】
これらの異なる装置条件は、GPS測位および位置エンジンの装置が経験する現在の問題の多くを示している。特に、装置Cはコールドスタート手順においてかなりの電池電力を用いている一方、位置を決定し得る前に、利用可能な衛星上の様々なデータが集められる。装置DおよびEは、適切に4つの衛星を追跡することが困難なため、位置を決定できない。装置Fは、時間1で決定位置を有するが、建物に移動すると当該決定位置を失い、経路を変更しても位置情報を維持することができない。装置GおよびHは、通信接続業者へのアクセスに支払いをしていない場合には、その位置に特定的なAGPSなしで地理的位置を高速に移動する。装置Iは、トンネル内にいる間は機能性を有さず、トンネルから再び出ると衛星を再捕捉するようウォームスタート位置決定を行わなければならない。
【0176】
支援を要求する装置Dは、ネットワーク形成プロセスにおいて述べられる可能なネットワークのいずれかを始動する。図に示される残りの装置は、このネットワークに加わり、同意したネットワーク形成プロセスを着実に実行する。
【0177】
装置同士は、ユーザ、装置、もしくはネットワークの要件ならびに/またはソフトウェアクライアントの構成およびアルゴリズム的要件によって、イベント駆動または同期ベースで、そのクラスタに関連するデータを互いに交換する。このデータは最低限、前述したようなGPS支援データを含むが、クラスタの現在の物理的位置に関する他の地理的空間データも含んでもよい。当該装置はさらに、クラスタに対して自身の特性に関する情報を提供するデータを供給する随意の能力を有する。クラスタにおける支援データの質は、クラスタグループにおけるピアGPS測位およびナビゲーションエンジンの質および技術的能力に依存する。装置は、クラスタデータを取得および解釈することができ、その現在のクラスタデータセットに従って、自身の機能性を適応させることができる。当該機能性の適応には、衛星を捕捉および追跡する能力を向上させること、その予測ナビゲーション能力を向上させること、および向上した出力をユーザに提供する能力を含むがこれらに限定されない。
【0178】
当該装置は、新しいデータを取得し、クラスタデータとこのデータを比較し、クラスタデータが向上され得るかどうか計算し、その後で、この修正データをクラスタの他のメンバーおよび/もしくは固定の特別な装置、ならびに/またはより長距離の通信リンクにわたる遠く離れる装置に中継する能力を有する。
【0179】
支援データをクラスタから取得した後、装置は、クラスタデータからのユーザ固有の位置座標を用い、かつ支援を行う装置から自身が短距離無線通信リンクの距離内にあるという事実を知ることによって自身の位置を概算することができる。この場合の最大の位置誤差は、用いられる無線リンクの最大送信範囲であろう。この位置誤差は、位置を推定するようクラスタデータから用いられるユーザ固有の座標の数に反比例し、クラスタにおけるユーザ受信機と他のユーザとの間のベクトルの相対配置に依存する。この位置推定は、クラスタにおけるユーザ受信機と支援を行う受信機との間の距離が無線リンク信号処理技術および三角測量または任意の他の方法を用いて計測され得る場合、向上され得る。
【0180】
特別な装置は、クラスタ内の基準位置として働き、クラスタデータセットへの変更の際に仲裁する特別のプライオリティを有する。特別な装置は、クラスタからの距離に基づき、サーバに基づく支援方法において述べたように、データを伝達し、中央の支援サーバと交換してもよい。
【0181】
再び図2を参照して、項目25は、装置のグループによって形成されているアドホッククラスタの境界を示す。装置JおよびKは、このクラスタの外に存在し、クラスタを形成する装置のいくつかの短い無線リンクの範囲内に別のクラスタを形成する。装置AおよびBは、クラスタ内のすべての他のユーザに送信するクラスタデータセットを少なくともすでに確立している。
【0182】
クラスタ(ネットワーク)を形成することと、2つのユーザ受信機AとDとの間のデータ交換の基本的な概念を図3を参照して詳細に説明する。
【0183】
図3は、機能性と、あるクラスタにおける2人のユーザ同士の間のデータ交換とを示す。受信機Aは、衛星34、35、36、および37から信号を受信し、その測位およびナビゲーションパラメータを計算することができる。衛星番号38は、大気のエフェメリスおよび衛星クロック誤差の補正を送信して受信機の測位の精度を改善するSBAS衛星として示される。しかしながら、ユーザ受信機Dは、受信機の近くにある高い建物33が衛星34、35、および38からの直接的な見通し線をブロックしているので、信号のすべてを受信するには不十分である。この条件では、受信機Dは自身の位置を決定し得ない。なぜならば、衛星34、35へのロックを得ることができない、またはSBAS衛星38を感知することができず、位置を得るのに最低限必要とされる4つの衛星のうち2つにしかロックしない可能性があるからである。
【0184】
前述したように、装置AおよびDはすでにクラスタ(図2における505)を形成しており、クラスタに関係する支援データを作っている。位置を得るために必要な衛星を追跡できない場合、装置Dは、前述した短距離通信プロトコルおよび無線リンク(31)のいずれかを通じて、クラスタにおいて支援を求め、これにより衛星34、35および/または38上に決定位置を得る。装置Dは、すべての感知可能な衛星について現在のエフェメリス、正確な時間、ドプラ周波数および位相オフセットの推測値、ナビゲーションメッセージといった、付加的に要求される衛星または支援を行う装置に固有の支援情報のすべてを直接的に装置Aから受け取る。このデータの補助により、装置Dは、信号対雑音の低い環境でも必要な衛星のすべてを追跡でき、位置の推定を行う。装置Dはさらに、クラスタデータにより中継されたSBAS衛星によって送信された誤差修正および完全性データ39を受信し、これによりさらに位置の精度が向上する。装置Aは、多周波数GNSS機能性を有する場合、非常に正確な地理的位置固有の電離圏の補正データをクラスタに提供し得る。
【0185】
図2を再び参照して、装置Cはさらに、ウォームスタートを行うようクラスタから支援データを得ることができる。支援データは、感知可能な衛星のエフェメリス、推定されるドプラ周波数、ユーザ位置の初期推定、時間、衛星誤差修正、および他の有用なデータを装置Cに与える。これにより、装置Cを最初に位置決定する時間が著しく低減され、計算出力が非常に低減され、したがってそうでなければ消費されるはずであった電池電力が低減される。さらに、支援データの質(装置AおよびBの測位およびナビゲーションエンジンの技術的能力)に依存して、装置Cはさらに測位精度を向上させるよう局所的に関係する大気の補正を受ける。装置Eはさらに、支援データ、特にアプリオリナビゲーションメッセージビットを用いて、必要な決定位置を得る。これにより、装置Eが特定のDSPアルゴリズムを適用して非常に減衰した屋内のGNSS信号の信号対雑音比を増加させる助けになる。装置Fはさらに、適切に更新された屋内の位置を、受信した支援データを用いて得るようにする。装置Iは、GNSS信号がトンネル内で完全にブロックされるため、如何なるGNSS衛星にもロックできない。しかしながら、上述したように、装置Iは、短距離無線通信リンクを通じて支援データを受信でき、したがってクラスタデータからの装置固有の位置座標を用い、自身が支援を行う装置からの短距離無線通信リンク距離内に存在するという事実を認識することによって自身を特定することができる。装置Gは、時間2において短い間クラスタに加わり、自身のコアクラスタデータセットを迅速に更新し、これにより現在のスタンドアロンのナビゲーション能力と比較して精度を向上する。随意であるが、装置Gは、交通情報のような付随的な局所情報、または他の局所的な地理空間的に関係するデータを取得する。
【0186】
図4を参照して、クラスタに基づく方策において、支援を行うピアGPS装置ユニット401と支援を受けるGPS装置ユニット402との動作をフローチャートにて示す。
【0187】
この支援を行うピアGPS装置ユニットは、クラスタを形成し(403)、支援データを生じさせる(404)。次いで、支援データをパッケージングする(405)。これには随意で、支援データを位置タグ付けするステップが含まれる(406)。次いで、支援データをクラスタに送信する(407)。
【0188】
一方、支援を受けるGPS装置ユニットは、クラスタを形成することを協働し(408)、支援データを探し(409)、最良の支援データを選択する(410)。次いで、支援データを要求し(411)、支援を行うGPS装置ユニットによってステップ407において送られた支援データを受信および復号化する(412)。
【0189】
支援を受けるGPS装置ユニットは次いで、自身の概略的な位置の計算(413)、ウォームスタートの実行(414)、および衛星の捕捉および追跡(415)の1つ以上のために支援データを用いる。衛星の捕捉および追跡(415)の後、支援を受けるGPS装置ユニットは、誤差修正を適用し(416)、正確な位置およびナビゲーションソリューションを得てもよい(417)。
【0190】
ピア・ツー・ピア・アドホックネットワーク
装置の間にピア・ツー・ピア・アドホックネットワークを形成するのが望ましい場合、および/または形成するのが効率的な場合、および/または形成するしかできない場合がある。前述の方法のすべてと同様、このネットワークは、任意の利用可能な無線または有線プロトコルを用いて形成される。複数のピア・ツー・ピア・ネットワークが、上述した任意のネットワークトポロジを用いて、ある領域において形成され得る。
【0191】
上述したように、支援データは、装置自身において局所的に生成され得るか、または図8に示されるようにネットワークの1つにおけるノードがサーバである場合、装置にインポートされるか、もしくは、図9に示されるように当該装置が複数のピア・ツー・ピア・ネットワークのメンバーの場合、別のピア・ツー・ピアネットワークからインポートされ得る。
【0192】
図8、9、および10では、装置A、B、C、およびDは、1つ以上のピア・ツー・ピア・アドホックネットワークのメンバーノードである。当該1つ以上のピア・ツー・ピア・アドホックネットワークは必ずしもすべてが示されているわけではない。示されるピア・ツー・ピア・アドホックネットワークとは別に、各ノードは、示される各他の装置とは完全に独立した他の大きなネットワークの一部であるか、またはこれらのより大きなネットワークを互いに共有している。これらのより大きなネットワークは、上述したまたはそうでなければ公知であるような任意の可能なトポロジを形成する、任意のプロトコルを用いる任意の有線または無線ネットワークであり得る。
【0193】
さまざまなアルゴリズムがピア・ツー・ピア・アドホックネットワーク支援を可能にするソフトウェアクライアントにおいて実現され得、以下に3つが記載される。
【0194】
1.要求時の支援(Assistance on Request(AOR)):マルチノード・シングルホップ
図10では、装置Aは、3つのアドホックネットワークを有する。ネットワーク1は装置Bを用いて形成される。ネットワーク2は装置Cを用いて形成される。ネットワーク3は装置Cを用いて形成される。すべての4つの装置は有効な支援データを有さないと示される。
【0195】
図11に示されるように、クライアントは、内部の測位および位置エンジンから支援要求を受け取る。トリガされると(1101)、当該クライアントは、データ有効性フラグをチェックし(1102)、内部支援データが有効かどうか感知する。有効であると分かった場合(1103)、これらのデータは測位およびナビゲーションエンジンに送られる。無効であると分かった場合、クライアントは上で論じた可能なネットワークのいずれか1つを確立することを試みる(1104)。ネットワーク接続が確立されない場合、クライアントのプロセスは終了し(1105)、測位およびナビゲーションエンジンは上記終了を通知される。成功した場合、クライアントはピア装置の支援データフラグの有効性をチェックする(1106)。ピア・ツー・ピアネットワークにおける装置の1つが有効な支援データを有すると分かった場合、支援データが当該装置から受信され(1107)、測位および位置エンジンに送られる。有効フラグが複数の場合、クライアントは、さまざまなデータ品質指標のチェックを実行する(1108)とともに、フィルタリングアルゴリズムを実行し、これにより、形成されたピア・ツー・ピアネットワークから利用可能な最良の支援データを受け取る(1109)ことを保証する。フラグのすべてが無効であると分かった場合、装置の技術的能力に依存してWLAN測位などの他の測位アルゴリズムが実行される(1110)。
【0196】
2.要求時の支援(Assistance on Request(AOR)):マルチノード・マルチホップ
このアルゴリズムは、図11に関連して上述したアルゴリズムに非常に類似しており、図9に示したネットワークをさらに参照するが、その機能性を他のピア・ツー・ピアネットワークに拡張する。図12を参照して、ステップ1201〜1209は、図11に関連して記載されたステップ1101〜1109にそれぞれ対応する。このアルゴリズムでは、ネットワークを確立した後、すべての支援データフラグが無効であると分かった場合、WLAN測位(図11における1110)を行うのではなく、支援を要求するクライアントが他のピア装置クライアントを強要して(1210)個別のピア・ツー・ピアネットワークを確立させて(1211)規定されたタイムリミット内で支援データを得る。支援の強要は、セットされたタイムリミットもしくはネットワーク制限および/またはクライアントの構成可能性内で可能な限り多くのホップの形成を促す。
【0197】
マルチホップアルゴリズムを用いた後でも、クライアントが必要な支援データを得られない場合、装置の技術的能力に依って、クライアントはWLAN測位のような他の測位アルゴリズムを用い得る(1212)。
【0198】
3.連続的な/周期的な支援:
周期的な支援では、支援クライアントは、装置がオンである限りは稼動中であるが、低電力/スリープモードにある。このクライアントは、周期的に支援を得るか、またはネイティブのGPSエンジンから内部支援データを更新するか、もしくはローカルまたはワイドエリアを形成することで内部支援データを更新するよう構成され得る。この周期割合は、ユーザにより構成可能であるとともに、支援データ有効期間に依存し得る。たとえば、衛星エフェメリスは4時間有効であり、そのため再取得割合は各4時間に設定され得る。この周期的な支援は、ローカルまたはワイドエリア接続の可用性および支援提供についても設定され得る。この場合、クライアントは、ネットワーク接続が利用可能になった場合、ネイティブの支援情報を取得または更新することになる。これは、ローカルおよびワイドエリア接続の両方が利用不可能な場合、支援クライアントが状況に従って妥当な支援データを提供し得るので有用である。シングルホップおよびマルチホップネットワーク支援方法はともに、支援クライアントを通じて周期的/連続的な支援データを得るよう構成され得る。
【0199】
ここで記載される構成は、移動するまたは移動しないユーザの位置およびナビゲーションパラメータをGPS衛星システムおよびピアユーザの両方によって送信される信号から計算することに関する。より正確には、当該構成は、支援データを好ましくない環境にあるGPSユーザに提供して、衛星への直接的な見通し線が制限されるおよび/または信号強度が低い条件においてロックするのが困難であった信号を当該GPSユーザが取得および追跡するのを可能にするとともに、衛星のロックがなくても位置およびナビゲーション支援情報を提供する代替的な手段を提供する。さらに、これらの構成は、よりよい精度と、第1の位置決定へのよりよい時間と、低い実装コストでのより早い最新の支援データとを提供するよう公知の支援技術を向上させる。
【0200】
したがって、支援データは、ピアユーザによって形成され、支援を要求するユーザに直接的に短距離通信リンクを通じて送信されるか、または代替的にはGSM/UMTSもしくはWi−Fiを通じてサーバに送られ、支援を要求するユーザに再度GSM/UMTSもしくはWi−Fiを通じて送られる。この構成により、地球上にわたってGPS基準局のネットワークを有する必要性がなくなる。公知のAGPSネットワークにおける基準局の数が限定的であることにより、大気の補正、コードフェーズ推定などといった空間的に変動する支援データ(地理とともに変動するデータ)をユーザに送信することができない。この欠点は、本構成において、基準局として動作するピアユーザのGNSSユニットが高密度に存在することにより克服される。
【0201】
さらに、クラスタに基づく支援によって、サーバへの通信リンクの必要性が取除かれる。これにより、支援データをサーバからおよびサーバへ送る時間およびコストが節約される。時間遅延の低減の利点は暫時の支援データ(時間とともに変動する)をユーザに送るために活用可能であり、かつ一般的に応答時間の低減によりユーザ体験が向上することに活用可能である。提示される構成はさらに、位置情報サービスの機能性の拡張のために局所化地理空間データの単純な交換を提供する。
【0202】
本発明に従った特定の構成、すなわちユーザネットワーク支援GNSSは、支援データをピアGNSSユーザ受信機に異なった形態で提供し、これにより第1の位置決定までの時間を低減し、測位精度を向上し、信号対雑音の低い環境において衛星を捕捉および追跡できるようにし、消費電力を向上させ、LBSデータを提供する。
【0203】
ユーザネットワーク支援GNSSはさらに、ユーザ受信機の周りのピアユーザの距離と、無線リンクの範囲とに依って2つの構成に分けられる。これらは本願明細書ではそれぞれ、ローカルエリアユーザネットワーク支援GNSS(Local Area User Network Assisted GNSS(LAUNAG))および広域ユーザネットワーク支援GNSS(Wide Area User Network Assisted GNSS(WAUNAG))と呼ばれる。
【0204】
LAUNAGでは、空の視程不良の位置にある、したがってGNSS衛星集合へのアクセスがないまたは限られた単一または複数のGNSS受信機は、位置およびナビゲーション決定位置を得ることができないか、またはわずかにしか得ることができない。しかしながら、これらの不十分な受信しかしていない受信機には、短距離無線送受信可能能力があり、その結果、同時に近傍の同様の技術的能力を有する1つ以上の受信機から受信データを受信し得る。無線有効範囲の範囲内にあるこれらの付加的な受信機のいくつかが良好な空の視界(すなわち衛星の視程)を有するとともに既に衛星を追跡して自身の位置および/またはナビゲーション決定位置を計算している場合、位置決定された受信機は、支援データを直接的に上記不十分な受信状態の受信機に送信し得、これにより上記不十分な受信状態の受信機が自身の位置および/またはナビゲーション決定位置を得ることを助ける。
【0205】
このようなLAUNAG構成の基本的な機能性は以下のようであってもよい。
1.特定の範囲内のGNSS受信機がクラスタを形成する。良好な位置決定をした受信器がデータをクラスタに提供し始める。
【0206】
2.信号対雑音の低い環境にある受信器が、関連するクラスタに存在する支援データを探索する。
【0207】
3.ユーザGNSS受信機は多くの支援データのインスタンスからもっとも好適な支援データを特定し、選択された支援データを復号する。
【0208】
4.支援により、ユーザGNSS受信機は衛星を捕捉および追跡する。
5.ユーザGNSS受信機は、支援データを用いて誤差修正を適用し、測位およびナビゲーションソリューションを得る。
【0209】
WAUNAGでは、GSM/UMTSまたはWi−Fi機能およびインターネット有効範囲を有する受信機は、測定値およびデータを共通のウェブサーバに送る。当該測定値およびデータには自身の位置およびナビゲーション決定位置と、関連する精度指数および他の支援データとが含まれる。ウェブサーバは、支援情報のデータベースを作成し、地理的にマッピングする。GNSS受信機は、視程不良および信号強度の低い環境における不十分な条件下で動作しており、短距離無線有効範囲内のLAUNAG支援を有していないが、GSM/UMTSのような長距離無線機能とそれに関連するインターネット接続とを有する場合は、ウェブ支援サーバから支援データを要求することができ、これにより当該GNSS受信機が位置およびナビゲーション決定位置を得ることが可能になる。ウェブ支援サーバは、セルIDのようなモバイル測位技術を通じてこれらの受信機の位置を大まかに特定し、関連する支援データをデータベースから提供する。
【0210】
このようなWAUNAG構成の基本的な機能性は以下のようであってもよい。
1.良好な信号対雑音比の環境にあるGNSSユーザは、支援サーバへの接続を確立し、支援データを品質指標とともに支援サーバに送信する。
【0211】
2.支援サーバは、この支援データを用い、処理し、LBS(位置情報サービス)データを加え、地理的にタグ付けされる支援データを形成し、その結果を格納する。
【0212】
3.信号対雑音の低い環境にあるGNSSユーザは、支援要求信号を支援サーバに送る。
【0213】
4.支援サーバは、たとえばモバイル測位またはホットスポット識別を通じて、要求をしているユーザの位置を大まかに推定する。
【0214】
5.支援サーバは当該推定位置を用いて自身の記憶装置から好適な支援データを抽出し、要求をしているGNSSユーザに当該支援データを送信する。
【0215】
6.支援データの補助により、ユーザのGNSS受信機ユニットは衛星を捕捉および追跡する。
【0216】
7.GNSSユーザは、支援データメッセージを復号し、誤差修正を適用し、測位およびナビゲーションソリューションを得ることによって観測記録を形成する。
【0217】
図13は、最適なパフォーマンスのために用いられる中継GPS受信機のアーキテクチャを示す。しかしながら、付加的なチップ、回路、アドオンコンポーネントまたはソフトウェアモジュールを有するように、この発明に従って用いられ得るようアーキテクチャまたはインテグレーションにおいていくつかの修正をすれば、商業的に利用可能な受信機も用いられ得る。この中継GPS受信機は中継位置測定ユニットである。ここで、支援データ処理および中継モジュール1318(ソフトウェアクライアント)の機能性は、GPSソリューションのソフトウェア部分に密接に統合されるマイクロコントローラ1315において実現される。
【0218】
ここで示されるGNSSチップ1310のアーキテクチャはシングルチップまたはマルチチップソリューションであり得、LAUNAGおよびWAUNAGの両方を実現する。完全なアーキテクチャは、多重周波数GNSSベースバンド1311、WAUNAGにおける長距離通信リンクのためのGSMまたはUMTSベースバンド1312、およびLAUNAG機能を提供する短距離ベースバンド1313からなる。この短距離ベースバンドは、ブルートゥース(登録商標)、Wi−Fi、UWB、または短距離通信に好適な任意の将来もしくは現在の実施可能な技術のベースバンドであり得る。このアーキテクチャはさらに、別個またはハイブリッドのアンテナ1319と、すべての上述したベースバンドの別個のまたはハイブリッドのR.F.フロントエンド1314とを、好適なマイクロコントローラおよびメモリ1315とともに組込む。GNSS支援データ生成モジュール1316およびGNSS支援データフィードモジュール1317が、支援データ処理および中継モジュール1318内に示される。支援データ生成モジュール1316は、GPS測位、タイミング、およびナビゲーションユニットのメインモジュールであるGNSS R.F.フロントエンドおよび/またはGNSSベースバンドおよび/またはGNSSソリューションのソフトウェア部分を実行しているマイクロコントローラから、局所化支援データをGPS受信器にて生成する。当該支援データ処理および中継モジュール1318はさらに、生成されたデータを支援を受けるピア位置測定ユニットに送信し得る。支援データフィードモジュール1317は支援データを中継GPS測位、タイミングおよびナビゲーションユニットの前述したメインモジュールの任意の組合せに供給する。当該供給された支援データは、GPS受信機または中継GPS受信機自身を支援することに由来する。
【0219】
長距離通信ブロックを省略し、したがってLAUNAG機能性のみを提供する部分的なアーキテクチャも可能である。
【0220】
さらなる修正例および改善例が、添付の特許請求の範囲によって記載される本発明の範囲内に加えられてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継位置測定ユニットのための支援データ処理および中継モジュールであって、前記支援データ処理および中継モジュールは、支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを得るよう動作可能であり、さらに前記局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに中継するよう動作可能である、支援データ処理および中継モジュール。
【請求項2】
前記局所化支援データは非GNSS(全地球航法衛星システム)支援データを含む、請求項1に記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項3】
前記非GNSS支援データは無線測位システム(WPS)支援データを含む、請求項2に記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項4】
前記局所化支援データはGNSS支援データを含む、請求項1から3のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項5】
前記局所化支援データは、支援を受けるピア位置測定ユニットの位置における、前記支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む、先行する請求項のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項6】
前記支援データ処理および中継モジュールは、前記支援を行うピア位置測定ユニットから局所無線通信リンクにより直接的に前記局所化支援データを得るよう動作可能である、先行する請求項のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項7】
前記支援データ処理および中継モジュールは、前記支援を行うピア位置測定ユニットから支援サーバを通じて、前記局所化支援データを得るよう動作可能である、先行する請求項のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項8】
前記支援データ処理および中継モジュールは、支援サーバを通じて前記局所化支援データを前記支援を受けるピア位置測定ユニットに中継するように動作可能である、先行する請求項のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項9】
第1のピア・ツー・ピアネットワークを別のピア位置測定ユニットとともに形成し、前記別のピア位置測定ユニットが前記局所化支援データを得るために前記別のピア位置測定ユニットに第2のピア・ツー・ピアネットワークを確立させる、先行する請求項のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項10】
支援データを前記中継位置測定ユニットの測位、タイミングおよびナビゲーションエンジンに供給するよう動作可能な支援データフィードモジュールをさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項11】
前記中継位置測定ユニットにて付加的な局所化支援データを生成するよう動作可能な支援データ生成モジュールをさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項12】
生成された付加的な局所化支援データを前記支援を受けるピア位置測定ユニットに送信するよう動作可能である、請求項11に記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項13】
生成された付加的な局所化支援データは、前記中継位置測定ユニットによって行われる測定から得られるデータを含む、請求項11または請求項12に記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項14】
生成された付加的な局所化支援データを前記支援を受けるピア位置測定ユニットに局所無線通信リンクにより送信するよう動作可能である、請求項11から13のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項15】
生成された付加的な局所化支援データを前記支援を受けるピア位置測定ユニットに支援サーバを通じて送信するよう動作可能である、請求項11から14のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュールを含む、位置測定ユニット。
【請求項17】
1つ以上のピアの位置測定ユニットとクラスタを形成するよう動作可能であって、前記クラスタにおいて、当該クラスタを形成する位置測定ユニット同士はクラスタ支援データを互いに交換する、請求項16に記載の位置測定ユニット。
【請求項18】
クラスタ内で利用可能な好ましい支援データを選択するよう動作可能である、請求項17に記載の位置測定ユニット。
【請求項19】
請求項11から15のいずれかに従属する場合、生成された付加的な局所化支援データをクラスタ支援データと比較して、前記クラスタ支援データが向上され得るかどうか判定するとともに、生成された付加的な局所化支援データに応答して前記クラスタ支援データの修正をするように動作可能である、請求項17または請求項18に記載の位置測定ユニット。
【請求項20】
前記クラスタ内において、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うようさらに動作可能である、請求項17から19のいずれかに記載の位置測定ユニット。
【請求項21】
前記特別の役割において、前記位置測定ユニットは支援サーバと支援データを通信する、請求項20に記載の位置測定ユニット。
【請求項22】
局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして機能するようさらに動作可能である、請求項20または請求項21に記載の位置測定ユニット。
【請求項23】
中継位置測定ユニットにて支援データを処理する方法であって、支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを得るステップと、支援を受けるピア位置測定ユニットに前記局所化支援データを中継するステップとを含む、方法。
【請求項24】
前記局所化支援データは非GNSS支援データを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記非GNSS支援データはWPS支援データを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記局所化支援データはGNSS支援データを含む、請求項23から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記局所化支援データは、支援を受けるピア位置測定ユニットの位置における、前記支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む、請求項23から26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記局所化支援データは支援を行うピア位置測定ユニットから局所無線通信リンクにより直接的に得られる、請求項23から27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記局所化支援データは前記支援を行うピア位置測定ユニットから支援サーバを通じて得られる、請求項23から28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記局所化支援データは支援を受けるピア位置測定ユニットへ支援サーバを通じて中継される、請求項23から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記中継位置測定ユニットにて付加的な局所化支援データを生成するステップをさらに含む、請求項23から30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
生成された付加的な局所化支援データは、前記中継位置測定ユニットが行う測定から得られるデータを含む、請求項31の方法。
【請求項33】
生成された付加的な局所化支援データを前記中継位置測定ユニットから前記支援を受けるピア位置測定ユニットに送信するステップをさらに含む、請求項31または請求項32の方法。
【請求項34】
前記生成された付加的な局所化支援データを送信するステップは、前記中継位置測定ユニットから前記支援を受けるピア位置測定ユニットに局所無線通信ネットワークリンクによって送信するステップを含む、請求項33の方法。
【請求項35】
生成された付加的な局所化支援データを送信するステップは前記中継位置測定ユニットから前記支援を受けるピア位置測定ユニットへ支援サーバを通じて送信するステップを含む、請求項33または請求項34の方法。
【請求項36】
複数のピア位置測定ユニットのクラスタを形成するステップと、請求項23から35のいずれかに記載の方法に従う、前記クラスタを形成する位置測定ユニット同士の間でクラスタ支援データを交換するステップとを含む、支援データを交換する方法。
【請求項37】
クラスタを形成する位置測定ユニットにとって好ましい、クラスタ内で利用可能な支援データを選択するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
クラスタを形成した位置測定ユニットによって生成された局所化支援データをクラスタ支援データと比較して、前記クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、生成された局所化支援データに応答して前記クラスタ支援データの修正を行うステップをさらに含む、請求項36または請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記クラスタにおいて、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うよう位置測定ユニットを動作させるステップをさらに含む、請求項36から38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
前記特別の役割で動作される前記位置測定ユニットが支援サーバと支援データを通信するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記位置測定ユニットを局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして動作させるステップをさらに含む、請求項39または請求項40に記載の方法。
【請求項42】
支援を受ける位置測定ユニットのための支援データ受信モジュールであって、前記支援データ受信モジュールは、支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを支援サーバを通じて得るよう動作可能である、支援データ受信モジュール。
【請求項43】
前記局所化支援データは非GNSS支援データを含む、請求項42に記載の支援データ受信モジュール。
【請求項44】
前記非GNSS支援データはWPS支援データを含む、請求項43に記載の支援データ受信モジュール。
【請求項45】
前記局所化支援データはGNSS支援データを含む、請求項42から44のいずれかに記載の支援データ受信モジュール。
【請求項46】
前記局所化支援データは、前記支援を受ける位置測定ユニットの位置における、支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む、請求項42から45のいずれかに記載の支援データ受信モジュール。
【請求項47】
支援を行う位置測定ユニットための支援データ送信モジュールであって、前記支援データ送信モジュールは局所化支援データを生じさせ、前記局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに支援サーバを通じて送信する、支援データ送信モジュール。
【請求項48】
前記局所化支援データは非GNSS支援データを含む、請求項47に記載の支援データ送信モジュール。
【請求項49】
前記非GNSS支援データはWPS支援データを含む、請求項48に記載の支援データ送信モジュール。
【請求項50】
前記局所化支援データはGNSS支援データを含む、請求項47から49のいずれかに記載の支援データ送信モジュール。
【請求項51】
前記局所化支援データは前記支援を行う位置測定ユニットによって行われる測定から得られるデータを含む、請求項47から50のいずれかに記載の支援データ送信モジュール。
【請求項52】
サーバのためのサーバモジュールであって、前記サーバモジュールは、各々が請求項47から51のいずれかに記載の支援データ送信モジュールを有する複数の携帯型の支援を行う位置測定ユニットから局所化支援データを受信するとともに、請求項42から46のいずれかに記載の支援データ受信モジュールを有する支援を受ける位置測定ユニットに前記局所化支援データを送信するよう動作可能である、サーバモジュール。
【請求項53】
多数の支援を行う位置測定ユニットから同様の局所化支援データの受信がある場合、前記支援を受ける位置測定ユニットへの送信のために好適な局所化支援データを選択するよう動作可能である、請求項52に記載のサーバモジュール。
【請求項54】
受信した局所化支援データに応答して位置情報サービスを提供および/または可能にするよう動作可能である、請求項52または請求項53に記載のサーバモジュール。
【請求項55】
請求項42から46のいずれかに記載の支援データ受信モジュールと、請求項47から51のいずれかに記載の支援データ送信モジュールとを含む、位置測定ユニット。
【請求項56】
前記位置測定ユニットはGNSSロービング受信機である、請求項55に記載の位置測定ユニット。
【請求項57】
前記位置測定ユニットは個人の携帯機器である、請求項55に記載の位置測定ユニット。
【請求項58】
1つ以上のピアの位置測定ユニットとともにクラスタを形成するよう動作可能であり、前記クラスタにおいて、前記クラスタを形成する位置測定ユニット同士がクラスタ支援データを互いに交換する、請求項55から57のいずれかに記載の位置測定ユニット。
【請求項59】
前記クラスタ内で利用可能な好ましい支援データを選択するよう動作可能である、請求項58に記載の位置測定ユニット。
【請求項60】
生じさせた局所化支援データをクラスタ支援データと比較して、前記クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、生じさせた局所化支援データに応答して前記クラスタ支援データの修正を行うように動作可能である、請求項58または請求項59に記載の位置測定ユニット。
【請求項61】
前記クラスタにおいて、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うようさらに動作可能である、請求項58から60のいずれかに記載の位置測定ユニット。
【請求項62】
前記特別の役割において、前記位置測定ユニットは支援データを支援サーバと通信する、請求項61に記載の位置測定ユニット。
【請求項63】
局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして機能するようさらに動作可能である、請求項61または請求項62に記載の位置測定ユニット。
【請求項64】
支援を受ける位置測定ユニットにて支援データを受信する方法であって、支援サーバを通じて支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを得るステップを含む、方法。
【請求項65】
前記局所化支援データは非GNSS支援データを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記非GNSS支援データはWPS支援データを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記局所化支援データはGNSS支援データを含む、請求項64から66のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
前記局所化支援データは、前記支援を受けるピア位置測定ユニットの位置における、支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む、請求項64から67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
送信を行う位置測定ユニットから支援データを提供する方法であって、局所化支援データを生じさせるステップと、前記送信を行う位置測定ユニットから前記局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに支援サーバを通じて送信するステップとを含む、方法。
【請求項70】
前記局所化支援データは非GNSS支援データを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記非GNSS支援データはWPS支援データを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記局所化支援データはGNSS支援データを含む、請求項69から71のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
前記局所化支援データは前記送信を行う位置測定ユニットによって行われる測定から得られるデータを含む、請求項69から72のいずれかに記載の方法。
【請求項74】
複数のピア位置測定ユニットのクラスタを形成するステップと、請求項64から73のいずれかに記載の方法に従う、前記クラスタを形成する位置測定ユニット同士の間でクラスタ支援データを交換するステップとを含む、支援データを交換する方法。
【請求項75】
クラスタを形成する位置測定ユニットにとって好ましい、クラスタ内で利用可能な支援データを選択するステップをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
クラスタを形成する位置測定ユニットが生じさせた局所化支援データを前記クラスタ支援データと比較して、前記クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、前記局所化支援データに応答して前記クラスタ支援データの修正をするステップをさらに含む、請求項74または請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記クラスタにおいて、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うよう位置測定ユニットを動作させるステップをさらに含む、請求項74から76のいずれかに記載の方法。
【請求項78】
前記特別の役割で動作される前記位置測定ユニットが支援データを支援サーバと通信するステップをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
位置測定ユニットを局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして動作させるステップをさらに含む、請求項77または請求項78に記載の方法。
【請求項80】
中継位置測定ユニットにて支援データを処理するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトであって、前記命令は1つ以上のプロセッサが請求項23から35のいずれかに記載の方法を行うように適合されている、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項81】
支援データを交換するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトであって、前記命令は1つ以上のプロセッサが請求項36から41のいずれかに記載の方法を行うように適合されている、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項82】
支援を受ける位置測定ユニットにて支援データを受信するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトであって、前記命令は1つ以上のプロセッサが請求項64から68のいずれかに記載の方法を行うように適合されている、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項83】
送信を行う位置測定ユニットから支援データを提供するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトであって、前記命令は1つ以上のプロセッサが請求項69から73のいずれかに記載の方法を行うように適合されている、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項84】
支援データを交換するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトであって、前記命令は1つ以上のプロセッサが請求項74から79のいずれかに記載の方法を行うように適合されている、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項1】
中継位置測定ユニットのための支援データ処理および中継モジュールであって、前記支援データ処理および中継モジュールは、支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを得るよう動作可能であり、さらに前記局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに中継するよう動作可能である、支援データ処理および中継モジュール。
【請求項2】
前記局所化支援データは非GNSS(全地球航法衛星システム)支援データを含む、請求項1に記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項3】
前記非GNSS支援データは無線測位システム(WPS)支援データを含む、請求項2に記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項4】
前記局所化支援データはGNSS支援データを含む、請求項1から3のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項5】
前記局所化支援データは、支援を受けるピア位置測定ユニットの位置における、前記支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む、先行する請求項のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項6】
前記支援データ処理および中継モジュールは、前記支援を行うピア位置測定ユニットから局所無線通信リンクにより直接的に前記局所化支援データを得るよう動作可能である、先行する請求項のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項7】
前記支援データ処理および中継モジュールは、前記支援を行うピア位置測定ユニットから支援サーバを通じて、前記局所化支援データを得るよう動作可能である、先行する請求項のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項8】
前記支援データ処理および中継モジュールは、支援サーバを通じて前記局所化支援データを前記支援を受けるピア位置測定ユニットに中継するように動作可能である、先行する請求項のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項9】
第1のピア・ツー・ピアネットワークを別のピア位置測定ユニットとともに形成し、前記別のピア位置測定ユニットが前記局所化支援データを得るために前記別のピア位置測定ユニットに第2のピア・ツー・ピアネットワークを確立させる、先行する請求項のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項10】
支援データを前記中継位置測定ユニットの測位、タイミングおよびナビゲーションエンジンに供給するよう動作可能な支援データフィードモジュールをさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項11】
前記中継位置測定ユニットにて付加的な局所化支援データを生成するよう動作可能な支援データ生成モジュールをさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項12】
生成された付加的な局所化支援データを前記支援を受けるピア位置測定ユニットに送信するよう動作可能である、請求項11に記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項13】
生成された付加的な局所化支援データは、前記中継位置測定ユニットによって行われる測定から得られるデータを含む、請求項11または請求項12に記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項14】
生成された付加的な局所化支援データを前記支援を受けるピア位置測定ユニットに局所無線通信リンクにより送信するよう動作可能である、請求項11から13のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項15】
生成された付加的な局所化支援データを前記支援を受けるピア位置測定ユニットに支援サーバを通じて送信するよう動作可能である、請求項11から14のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュール。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の支援データ処理および中継モジュールを含む、位置測定ユニット。
【請求項17】
1つ以上のピアの位置測定ユニットとクラスタを形成するよう動作可能であって、前記クラスタにおいて、当該クラスタを形成する位置測定ユニット同士はクラスタ支援データを互いに交換する、請求項16に記載の位置測定ユニット。
【請求項18】
クラスタ内で利用可能な好ましい支援データを選択するよう動作可能である、請求項17に記載の位置測定ユニット。
【請求項19】
請求項11から15のいずれかに従属する場合、生成された付加的な局所化支援データをクラスタ支援データと比較して、前記クラスタ支援データが向上され得るかどうか判定するとともに、生成された付加的な局所化支援データに応答して前記クラスタ支援データの修正をするように動作可能である、請求項17または請求項18に記載の位置測定ユニット。
【請求項20】
前記クラスタ内において、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うようさらに動作可能である、請求項17から19のいずれかに記載の位置測定ユニット。
【請求項21】
前記特別の役割において、前記位置測定ユニットは支援サーバと支援データを通信する、請求項20に記載の位置測定ユニット。
【請求項22】
局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして機能するようさらに動作可能である、請求項20または請求項21に記載の位置測定ユニット。
【請求項23】
中継位置測定ユニットにて支援データを処理する方法であって、支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを得るステップと、支援を受けるピア位置測定ユニットに前記局所化支援データを中継するステップとを含む、方法。
【請求項24】
前記局所化支援データは非GNSS支援データを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記非GNSS支援データはWPS支援データを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記局所化支援データはGNSS支援データを含む、請求項23から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記局所化支援データは、支援を受けるピア位置測定ユニットの位置における、前記支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む、請求項23から26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記局所化支援データは支援を行うピア位置測定ユニットから局所無線通信リンクにより直接的に得られる、請求項23から27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記局所化支援データは前記支援を行うピア位置測定ユニットから支援サーバを通じて得られる、請求項23から28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記局所化支援データは支援を受けるピア位置測定ユニットへ支援サーバを通じて中継される、請求項23から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記中継位置測定ユニットにて付加的な局所化支援データを生成するステップをさらに含む、請求項23から30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
生成された付加的な局所化支援データは、前記中継位置測定ユニットが行う測定から得られるデータを含む、請求項31の方法。
【請求項33】
生成された付加的な局所化支援データを前記中継位置測定ユニットから前記支援を受けるピア位置測定ユニットに送信するステップをさらに含む、請求項31または請求項32の方法。
【請求項34】
前記生成された付加的な局所化支援データを送信するステップは、前記中継位置測定ユニットから前記支援を受けるピア位置測定ユニットに局所無線通信ネットワークリンクによって送信するステップを含む、請求項33の方法。
【請求項35】
生成された付加的な局所化支援データを送信するステップは前記中継位置測定ユニットから前記支援を受けるピア位置測定ユニットへ支援サーバを通じて送信するステップを含む、請求項33または請求項34の方法。
【請求項36】
複数のピア位置測定ユニットのクラスタを形成するステップと、請求項23から35のいずれかに記載の方法に従う、前記クラスタを形成する位置測定ユニット同士の間でクラスタ支援データを交換するステップとを含む、支援データを交換する方法。
【請求項37】
クラスタを形成する位置測定ユニットにとって好ましい、クラスタ内で利用可能な支援データを選択するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
クラスタを形成した位置測定ユニットによって生成された局所化支援データをクラスタ支援データと比較して、前記クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、生成された局所化支援データに応答して前記クラスタ支援データの修正を行うステップをさらに含む、請求項36または請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記クラスタにおいて、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うよう位置測定ユニットを動作させるステップをさらに含む、請求項36から38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
前記特別の役割で動作される前記位置測定ユニットが支援サーバと支援データを通信するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記位置測定ユニットを局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして動作させるステップをさらに含む、請求項39または請求項40に記載の方法。
【請求項42】
支援を受ける位置測定ユニットのための支援データ受信モジュールであって、前記支援データ受信モジュールは、支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを支援サーバを通じて得るよう動作可能である、支援データ受信モジュール。
【請求項43】
前記局所化支援データは非GNSS支援データを含む、請求項42に記載の支援データ受信モジュール。
【請求項44】
前記非GNSS支援データはWPS支援データを含む、請求項43に記載の支援データ受信モジュール。
【請求項45】
前記局所化支援データはGNSS支援データを含む、請求項42から44のいずれかに記載の支援データ受信モジュール。
【請求項46】
前記局所化支援データは、前記支援を受ける位置測定ユニットの位置における、支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む、請求項42から45のいずれかに記載の支援データ受信モジュール。
【請求項47】
支援を行う位置測定ユニットための支援データ送信モジュールであって、前記支援データ送信モジュールは局所化支援データを生じさせ、前記局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに支援サーバを通じて送信する、支援データ送信モジュール。
【請求項48】
前記局所化支援データは非GNSS支援データを含む、請求項47に記載の支援データ送信モジュール。
【請求項49】
前記非GNSS支援データはWPS支援データを含む、請求項48に記載の支援データ送信モジュール。
【請求項50】
前記局所化支援データはGNSS支援データを含む、請求項47から49のいずれかに記載の支援データ送信モジュール。
【請求項51】
前記局所化支援データは前記支援を行う位置測定ユニットによって行われる測定から得られるデータを含む、請求項47から50のいずれかに記載の支援データ送信モジュール。
【請求項52】
サーバのためのサーバモジュールであって、前記サーバモジュールは、各々が請求項47から51のいずれかに記載の支援データ送信モジュールを有する複数の携帯型の支援を行う位置測定ユニットから局所化支援データを受信するとともに、請求項42から46のいずれかに記載の支援データ受信モジュールを有する支援を受ける位置測定ユニットに前記局所化支援データを送信するよう動作可能である、サーバモジュール。
【請求項53】
多数の支援を行う位置測定ユニットから同様の局所化支援データの受信がある場合、前記支援を受ける位置測定ユニットへの送信のために好適な局所化支援データを選択するよう動作可能である、請求項52に記載のサーバモジュール。
【請求項54】
受信した局所化支援データに応答して位置情報サービスを提供および/または可能にするよう動作可能である、請求項52または請求項53に記載のサーバモジュール。
【請求項55】
請求項42から46のいずれかに記載の支援データ受信モジュールと、請求項47から51のいずれかに記載の支援データ送信モジュールとを含む、位置測定ユニット。
【請求項56】
前記位置測定ユニットはGNSSロービング受信機である、請求項55に記載の位置測定ユニット。
【請求項57】
前記位置測定ユニットは個人の携帯機器である、請求項55に記載の位置測定ユニット。
【請求項58】
1つ以上のピアの位置測定ユニットとともにクラスタを形成するよう動作可能であり、前記クラスタにおいて、前記クラスタを形成する位置測定ユニット同士がクラスタ支援データを互いに交換する、請求項55から57のいずれかに記載の位置測定ユニット。
【請求項59】
前記クラスタ内で利用可能な好ましい支援データを選択するよう動作可能である、請求項58に記載の位置測定ユニット。
【請求項60】
生じさせた局所化支援データをクラスタ支援データと比較して、前記クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、生じさせた局所化支援データに応答して前記クラスタ支援データの修正を行うように動作可能である、請求項58または請求項59に記載の位置測定ユニット。
【請求項61】
前記クラスタにおいて、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うようさらに動作可能である、請求項58から60のいずれかに記載の位置測定ユニット。
【請求項62】
前記特別の役割において、前記位置測定ユニットは支援データを支援サーバと通信する、請求項61に記載の位置測定ユニット。
【請求項63】
局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして機能するようさらに動作可能である、請求項61または請求項62に記載の位置測定ユニット。
【請求項64】
支援を受ける位置測定ユニットにて支援データを受信する方法であって、支援サーバを通じて支援を行うピア位置測定ユニットから局所化支援データを得るステップを含む、方法。
【請求項65】
前記局所化支援データは非GNSS支援データを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記非GNSS支援データはWPS支援データを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記局所化支援データはGNSS支援データを含む、請求項64から66のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
前記局所化支援データは、前記支援を受けるピア位置測定ユニットの位置における、支援を行うピア位置測定ユニットによる測定から得られるデータを含む、請求項64から67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
送信を行う位置測定ユニットから支援データを提供する方法であって、局所化支援データを生じさせるステップと、前記送信を行う位置測定ユニットから前記局所化支援データを支援を受けるピア位置測定ユニットに支援サーバを通じて送信するステップとを含む、方法。
【請求項70】
前記局所化支援データは非GNSS支援データを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記非GNSS支援データはWPS支援データを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記局所化支援データはGNSS支援データを含む、請求項69から71のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
前記局所化支援データは前記送信を行う位置測定ユニットによって行われる測定から得られるデータを含む、請求項69から72のいずれかに記載の方法。
【請求項74】
複数のピア位置測定ユニットのクラスタを形成するステップと、請求項64から73のいずれかに記載の方法に従う、前記クラスタを形成する位置測定ユニット同士の間でクラスタ支援データを交換するステップとを含む、支援データを交換する方法。
【請求項75】
クラスタを形成する位置測定ユニットにとって好ましい、クラスタ内で利用可能な支援データを選択するステップをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
クラスタを形成する位置測定ユニットが生じさせた局所化支援データを前記クラスタ支援データと比較して、前記クラスタ支援データが向上され得るかどうか判断するとともに、前記局所化支援データに応答して前記クラスタ支援データの修正をするステップをさらに含む、請求項74または請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記クラスタにおいて、クラスタ支援データへの変更を仲裁する特別な役割を担うよう位置測定ユニットを動作させるステップをさらに含む、請求項74から76のいずれかに記載の方法。
【請求項78】
前記特別の役割で動作される前記位置測定ユニットが支援データを支援サーバと通信するステップをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
位置測定ユニットを局所的な地理空間関連データのためのリポジトリとして動作させるステップをさらに含む、請求項77または請求項78に記載の方法。
【請求項80】
中継位置測定ユニットにて支援データを処理するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトであって、前記命令は1つ以上のプロセッサが請求項23から35のいずれかに記載の方法を行うように適合されている、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項81】
支援データを交換するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトであって、前記命令は1つ以上のプロセッサが請求項36から41のいずれかに記載の方法を行うように適合されている、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項82】
支援を受ける位置測定ユニットにて支援データを受信するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトであって、前記命令は1つ以上のプロセッサが請求項64から68のいずれかに記載の方法を行うように適合されている、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項83】
送信を行う位置測定ユニットから支援データを提供するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトであって、前記命令は1つ以上のプロセッサが請求項69から73のいずれかに記載の方法を行うように適合されている、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項84】
支援データを交換するための機械読取り可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムプロダクトであって、前記命令は1つ以上のプロセッサが請求項74から79のいずれかに記載の方法を行うように適合されている、コンピュータプログラムプロダクト。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2012−507700(P2012−507700A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533835(P2011−533835)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【国際出願番号】PCT/GB2009/051484
【国際公開番号】WO2010/052496
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.INS
2.ZIGBEE
【出願人】(500219618)ザ・ユニバーシティ・コート・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・エディンバラ (21)
【氏名又は名称原語表記】The University Court of the University of Edinburgh
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【国際出願番号】PCT/GB2009/051484
【国際公開番号】WO2010/052496
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.INS
2.ZIGBEE
【出願人】(500219618)ザ・ユニバーシティ・コート・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・エディンバラ (21)
【氏名又は名称原語表記】The University Court of the University of Edinburgh
【Fターム(参考)】
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