説明

改善された付着性及び/又は柔軟性を有するPOSS含有化粧品用組成物と改善された化粧品用組成物の製造方法

所定のかご型シルセスキオキサン(POSS)と非POSSシリコーン樹脂との組合せを含む皮膜形成及び化粧品用組成物を記載するもので、該組合せにより、従来のシリコーン樹脂含有組成物よりも、改善された付着性及び/又は柔軟性が得られる。典型的には、有利な組合せは、少なくとも一つの溶媒と、好ましくは顔料等の着色料を含む化粧品用組成物に処方される。当業者に既知の他の化粧品用成分を、所望の製品、例えばファンデーション、マスカラ、リップコート(リップスティック、リップグロス、リップペンシル等)、ネイルコート等に応じて、それと組合せうる。有利な性質を与えるPOSS及び非POSSシリコーン樹脂の組合せを含む化粧品用組成物の製造方法も記載する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(関連出願に対するクロスリファレンス)
この出願は、2004年9月13日に出願した米国仮特許出願第60/609482号の優先権を主張するものであり、その開示は出典明示によりここに援用する。
【0002】
(発明の背景)
化粧品、例えばファンデーション、コンシーラ、ほお紅、マスカラ、ネイルコート、リップコート、アイライナー、アイシャドウ等のデザインは、とりわけ化粧品が適用される基体、適用方法、そして一般に化粧品産業の当業者に知られている所望される性質の任意の一つを達成するための組成物の処方を考慮することを含む複雑なプロセスである。例えば外観、粘度、加工性、脆弱性、感触、付着性、UV保護性、耐移り性、通気性、除去容易性等のような一又は複数の性質を考慮する必要がある。
【0003】
これらの性質のうち、化粧品が、経時的にその色調、被覆性、テクスチャー及び/又はコンシステンシーを、如何に良好に保持しているかに関連する「付着性(wear)」は、多くの研究及び開発の主題となっている。皮膜形成化粧品に関しての他の有益な性質は、付着性、外観、テクスチャー及び感触に影響を及ぼす可能性のある皮膜の脆弱性に関連する「柔軟性(pliability)」である。化粧品産業においては、付着性及び柔軟性というこれらの特性の双方が改善された処方物が今だ必要とされている。
【0004】
化粧品用組成物に所望される性質の多くを改善するための可能な方法として多くの研究の主題となっている一つのクラスの化合物はシリコーン樹脂である。「シリコーン樹脂」は、少なくとも一つで4つまでの他のSi原子との酸素架橋を有する反復Siサブユニットにより特徴付けられる様々なポリマーを意味する。4つの可能なSi結合のうち、酸素架橋の代わりに、3つまでのR基が存在可能である。サブユニット及び置換基を変えることにより、極めて様々なポリマーをつくりだすことができる。
【0005】
シリコーン樹脂は、付着性及び/又は柔軟性が改善されていると推定される化粧品用処方物に関連して以前より開示されている。例えば2002年8月22日に公開されたKanjiらの米国特許出願公開第2002/0114773A1号には、一実施態様において、基体へ適用すると、柔軟かつ快適につけることができる耐移り性化粧品用組成物が開示されている。その組成物は、より詳細には、少なくとも一つの構造ポリマーと少なくとも一つのシリコーン樹脂を含有している。開示されているシリコーン樹脂は、例えばCHSiO3/2の重合繰り返しサブユニットから主として形成されているポリメチルシルセスキオキサン類である。米国特許出願公開第2002/0031488A1号、欧州特許第0624594号、及び米国特許第2465188号、同第5047492号、同第5246694号及び同第5439673号をまた参照のこと。
【0006】
プロピル及びフェニル基で置換されたシリコーン樹脂は、商標ベルシル(BELSIL)(登録商標)シリコーンSPR45が付されてワッカー社(Wacker)から販売されており、リップスティック及び手の保護用ローションに使用されている。ベルシル(登録商標)シリコーンSPR45は、T樹脂(主として3つの酸素架橋を有するSiサブユニットからなる)であり、ランダム構造を有し、以下のパラグラフで検討されるPOSS化合物のようなかご型形成には存在するとは考えられていない。
【0007】
他のクラスのシリコーン樹脂は、かご型シルセスキオキサン(Polyhedral Oligomeric Silsesquioxanes)、すなわち「POSS」である。これらの化合物はそれらの硬質の三次元かご様構造により、他のシリコーン樹脂とは区別される。
【0008】
ベルシル(登録商標)PMS MK、シリコンハルツ(Siliconharz)MK、あるいはより一般的には樹脂MKとして知られているPOSS含有シリコーン樹脂は、化粧品用処方物に関連して、Kanjiらにより、これまでに開示されている。樹脂MKは、全体的にメチル基で置換された8つのSiサブユニットの、「はしご型」(非POSSの三次元構造)及びかご型(POSS)立体配置を採るシリコーン化合物の混合物を含んでいると考えられている。さらに、これらの混合物は大部分の分子がはしご型、すなわち非POSS立体配置であると考えられている。
【0009】
また、POSSは、これまでに、例えばYangらの米国特許出願公開第2004/0120915号に記載されており、これを様々なPOSS分子の開示に関して出典明示により援用する。さらに、POSSは、2004年3月12日出願の「POSS CONTAINING COSMETICS AND PERSONAL CARE PRODUCTS」と題された同一出願人に係る米国特許出願第10/799281号、及び2004年3月12日出願の「EPOSS CONTAINING COSMETICS AND PERSONAL CARE PRODUCTS」と題された同第10/799280号に記載されており、POSS及び化粧品用処方物に関するそれらの開示は、出典明示によりここに援用する。さらには、米国特許第6127557号;同第5858544号;及び同第2465188号を参照のこと。数多くの分子がハイブリッド・プラスチックス社(Hybrid Plastics)から販売されている。
【0010】
(発明の要約)
本発明は、皮膜形成又は化粧品用組成物に使用すると、これまでに知られているシリコーン樹脂含有組成物よりも付着性及び/又は柔軟性を改善するPOSS及び非POSSシリコーン樹脂のある種の組合せを提供することによって、化粧品製剤の科学を進歩させるものである。当業者であれば、これらの有利な組合せを使用し、例えばファンデーション、マスカラ、アイライナー、コンシーラ、リップコート、ほお紅、ボディ用メークアップ用品、ネイルコート、及び適用後に長時間にわたって持続する他の化粧品を作製し、経時的に良好な外観、テクスチャー及び感触を有するようにし、及び/又はこれまでに開示されているシリコーン樹脂含有組成物よりも容易に加工されるようにすることができるであろう。
【0011】
本発明の一態様では、皮膜形成組成物は、POSS及び非POSSシリコーン樹脂の組合せを含んで提供され、ここで非POSSシリコーン樹脂はシロキシシリケート(シロキシケイ酸)か又はポリシロキサンのいずれかである。シロキシシリケート類は式[R-Si-O]x-(SiO4/2)yを有し、ここでx及びyは約50〜約80の範囲であり、ポリシロキサン類は式[R-Si-O]-(RSiO)x-[Si-R]を有し、ここでxは少なくとも2000である。R基は、例えばアルキル、ヒドロキシル、アルコキシシラン、アミン、クロロシラン、エポキシド、エステル、ハロゲン化物、メタクリレート、分子状シリカ、ニトリル、ノルボレン(norborene)、オレフィン、ホスフィン、シラン、シラノール、スチレンポリマー、又はポリオレフィンとすることができる。好ましくは、POSSはイソオクチル-POSSであり、ポリシロキサンはジメチコーンである。
【0012】
特に、上述した有利な性質は、POSS及び非POSSを特定の量で組合せることにより得ることができることが見出されている。一般的に、POSSよりも非POSS樹脂の方が多い。例えば、POSSと非POSSシリコーン樹脂の比率は、約1:4〜約1:1、より特定的には約1:3〜約9:11、さらに特定的には約3:7〜約2:3の範囲とすることができる。
【0013】
シロキシシリケート又はポリシロキサンとの組合せにおいて、POSSは特徴的な三次元かご型構造を有し、以下にさらに詳細に記載するように、少なくとも一つのM、D又はTサブユニットを有するであろう。M、D及びTサブユニットは、例えば、水素、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、イソオクチル、フェニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、-OSi(CH)-CH-CH-(CF)CF、-(CH)SH、N(CH)、O(CH)、-OH、-(CH)[ここでnは0〜30で、Xは対イオンである]、
【化1】

とすることができる少なくとも一つのR基を有する。
【0014】
本発明の他の実施態様では、複数のSiサブユニットから形成される三次元かご型構造を有し、サブユニットの少なくとも一つが一又は複数のR基を有するPOSSと、非POSSシリコーン樹脂の組合せを含む皮膜形成組成物が提供される。この実施態様では、シリコーン樹脂がポリメチルシルセスキオキサンである場合、POSSは8以外のSiサブユニットを有するか、又はPOSSのR基の少なくとも一つがメチル基以外であるか、又はPOSSが不完全なかご型構造を有しているかであろう。
【0015】
先の実施態様におけるように、POSSと非POSSシリコーン樹脂の比率は、約1:4〜約1:1、より特定的には約1:3〜約9:11、さらに特定的には約3:7〜約2:3の範囲である。
【0016】
皮膜形成組成物に加えて、化粧品用組成物もまた提供される。一実施態様では、複数のSiサブユニットから形成される三次元かご型構造を有し、サブユニットの少なくとも一つが一又は複数のR基を有するPOSSと、非POSSシリコーン樹脂の組合せを含む化粧品用組成物が提供される。これらの実施態様では、シリコーン樹脂がポリメチルシルセスキオキサンである場合、POSSは8以外のSiサブユニットを有するか、又はPOSSのR基の少なくとも一つがメチル基以外の何かであるか、又はPOSSが不完全なかご型構造を有しているかであろう。従来の多くの化粧品用組成物におけるように、組成物は、溶媒と、着色料と、場合によっては一又は複数の付加的な化粧品用成分を含有することができる。典型的には、POSS及び非POSSシリコーン樹脂の組合せ量は、全化粧品用組成物の約.5重量%〜約35重量%の範囲である。再び、POSSと非POSSシリコーン樹脂の比率は、約1:4〜約1:1、特に約1:3〜約9:11、さらには約3:7〜約2:3の範囲である。
【0017】
好ましい化粧品用組成物では、非POSSシリコーン樹脂はQ樹脂である。化粧品用組成物に関連した使用のための好ましいPOSSは、イソオクチル-POSSである。化粧品用組成物には、例えばファンデーション、マスカラ、アイライナー、コンシーラ、リップコート、ほお紅、ボディ用メークアップ用品、及びネイルコートを含めることができる。これらの化粧品の製造においては、付加的な化粧品用成分が通常は使用される。例えば、化粧品用組成物は、一又は複数の化粧品用成分、例えば吸収剤、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、抗座瘡剤、固化防止剤、消泡剤、抗菌剤、酸化防止剤、収斂剤、バインダー、脱色剤、バッファー、生物学的添加剤、充填剤、担体、キレート剤、カップリング剤、融和剤(compatibilizer)、コンディショナー、着色料、化粧品用収斂剤、化粧品用殺生物剤、変性剤、薬用収斂剤、洗浄剤、脱臭剤、分散剤、外用鎮痛剤、乳化剤、皮膜形成剤、起泡剤、香料、及び香料成分、湿潤剤、角質溶解剤、保湿剤、矯正剤(straightening agent)、酸化剤、無機及び有機粒子、プラスチック、ポリマー、不透明化剤、香水、pH調節剤、防腐剤、タンパク質、レチノイド、還元剤、捕捉剤、皮膚用脱色剤、皮膚用コンディショニング剤、皮膚用平滑剤、皮膚用鎮痛剤、皮膚用治療剤、柔軟剤、可溶化剤、界面活性剤、滑剤、増粘剤、浸透剤、浸透促進剤、鎮痛剤、抗炎症剤、抗生物質、麻酔剤、可塑剤、塩、溶媒、精油、サンスクリーン剤及びUV吸収剤、ビタミン、プロビタミン、植物抽出物、セラミド、及び疑似セラミドを含有することができる。化粧品用組成物は、例えば液体、固形物、クリーム、軟膏、溶液、ゲル、ムース、スティック、スプレー、パウダー、エマルション又は分散液として調製することができる。
【0018】
他の実施態様では、一又は複数の改善された性質を有する化粧品用組成物を製造する方法もまた提供される。本方法は、組成物に改善された付着性又は可撓性を付与するのに必要なPOSS及び非POSSシリコーン樹脂の量を予め決定することを含み、ここでPOSSは、複数のSiサブユニットから形成される三次元かご型構造を有し、該Siサブユニットの少なくとも一つが一又は複数のR基を有するものであり、非POSSシリコーン樹脂がポリメチルシルセスキオキサンを含むならば、POSSは8以外のSiサブユニットを有するか、又はPOSSのR基の少なくとも一つがメチル基以外であるか、又はPOSSが不完全なかご型構造を有しており;POSS及び非POSSシリコーン樹脂を他の化粧品用成分と組合せることを含む。
【0019】
他の実施態様では、POSS及び非POSS樹脂の量を予め決定する方法は、POSS及び非POSS樹脂から皮膜形成組成物を調製し、基体にその皮膜形成組成物を適用して皮膜を形成させ;その皮膜の脆弱性をテストすることを含む。
【0020】
本発明のさらなる実施態様は以下の通りである:
【0021】
一例では、皮膜形成組成物は少なくとも一つのPOSSと少なくとも一つの非POSSシリコーン樹脂を含有し、ここで非POSSシリコーン樹脂はシロキシシリケートである。
【0022】
さらに他の例では、シロキシシリケートは、式[R-Si-O]x-(SiO4/2)yのものであり、ここでx及びyは約50〜約80の範囲であり、Rは、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシシラン、アミン、クロロシラン、エポキシド、エステル、ハロゲン化物、メタクリレート、分子状シリカ、ニトリル、ノルボレン、オレフィン、ホスフィン、シラン、シラノール、スチレンポリマー、又はポリオレフィンである。
【0023】
別の例では、シロキシシリケートはトリメチルシロキシシリケートである。
【0024】
他の例では、POSSは、三次元かご型構造を形成する複数のサブユニットを含み、前記サブユニットの少なくとも一つは、少なくとも一つのR基を有するM、D又はTサブユニットである。
【0025】
他の例では、R基は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、イソオクチル、フェニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、-OSi(CH)-CH-CH-(CF)CF、-(CH)SH、N(CH)、O(CH)、-OH、-(CH)[ここでnは0〜30で、Xは対イオンである]、
【化2】

である。
【0026】
他の例では、少なくとも一つのPOSSはイソオクチル-POSSである。
【0027】
他の例では、POSSと前記非POSSシリコーン樹脂の比率は、約1:4〜約1:1を含む。
【0028】
他の例では、POSSと前記非POSSシリコーン樹脂の比率は、約1:3〜約9:11を含む。
【0029】
他の例では、POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約3:7〜約2:3を含む。
【0030】
他の例では、POSSは室温で液体である。
【0031】
さらに他の例では、皮膜形成組成物は少なくとも一つのPOSSと少なくとも一つの非POSSシリコーン樹脂を含有し、ここで該非POSSシリコーン樹脂はポリシロキサンである。
【0032】
他の例では、ポリシロキサンは式[R-Si-O]-(RSiO)x-[Si-R]のものであり、ここでxは少なくとも2000であり、Rは、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシシラン、アミン、クロロシラン、エポキシド、エステル、ハロゲン化物、メタクリレート、分子状シリカ、ニトリル、ノルボレン、オレフィン、ホスフィン、シラン、シラノール、スチレンポリマー、又はポリオレフィンである。
【0033】
他の例では、ポリシロキサンはジメチコーンである。
【0034】
他の例では、POSSは、複数の三次元かご型構造を形成するサブユニットを含み、前記サブユニットの少なくとも一つは、少なくとも一つのR基を有するM、D又はTサブユニットである。
【0035】
他の例では、R基は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、イソオクチル、フェニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、-OSi(CH)-CH-CH-(CF)CF、-(CH)SH、N(CH)、O(CH)、-OH、-(CH)[ここでnは0〜30で、Xは対イオンである]、
【化3】

である。
【0036】
他の例では、少なくとも一つのPOSSはイソオクチル-POSSである。
【0037】
他の例では、POSSと前記非POSSシリコーン樹脂の比率は、約1:4〜約1:1を含む。
【0038】
他の例では、POSSと前記非POSSシリコーン樹脂の比率は、約1:3〜約9:11を含む。
【0039】
他の例では、POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約3:7〜約2:3を含む。
【0040】
他の例では、POSSは室温で液体である。
【0041】
さらなる他の例では、皮膜形成組成物は、複数のSiサブユニットから形成される三次元かご型構造を有し、前記Siサブユニットの少なくとも一つが一又は複数のR基を有している少なくとも一つのPOSS;POSS以外の少なくとも一つのシリコーン樹脂を含有し、シリコーン樹脂がポリメチルシルセスキオキサンを含むならば、POSSは8以外のSiサブユニットを有するか、又は前記POSSのR基の少なくとも一つがメチル基以外であるか、又は該POSSが不完全なかご型構造を有している。
【0042】
他の例では、POSS対前記シリコーン樹脂の比率は、約1:4〜約1:1を含む。
【0043】
他の例では、POSS対前記シリコーン樹脂の比率は、約1:3〜約9:11を含む。
【0044】
他の例では、POSS対前記シリコーン樹脂の比率は、約3:7〜約2:3を含む。
【0045】
他の例では、POSSは室温で液体である。
【0046】
さらなる他の例では、化粧品用組成物は、少なくとも一つのPOSSであって三次元かご型構造を形成する少なくとも6のSiサブユニットを含むPOSSと;少なくとも2のSi原子を有する少なくとも一つの非POSSシリコーン樹脂であって、該Si原子が該Si原子の少なくとも一つの他のものに少なくとも一つの酸素架橋により結合し、該Si原子の少なくとも一つがメチル基以外である一又は複数のR基を有する少なくとも一つの非POSSシリコーン樹脂と;溶媒と;着色料を含有する。
【0047】
他の例では、非POSSシリコーン樹脂はMQ樹脂である。
【0048】
他の例では、R基は、メチル以外のアルキル、アルコール、アルコキシシラン、アミン、クロロシラン、エポキシド、エステル、ハロゲン化物、メタクリレート、分子状シリカ、ニトリル、ノルボレン、オレフィン、ホスフィン、シラン、シラノール、スチレンポリマー、又はポリオレフィンである。
【0049】
他の例では、シリコーン樹脂は、メチル以外の複数のR基を有し、該R基は同一又は異なっており、ここで前記R基は、メチル以外のアルキル、アルコール、アルコキシシラン、アミン、クロロシラン、エポキシド、エステル、ハロゲン化物、メタクリレート、分子状シリカ、ニトリル、ノルボレン、オレフィン、ホスフィン、シラン、シラノール、スチレンポリマー、又はポリオレフィンである。
【0050】
他の例では、POSS及びシリコーン樹脂の全量は、前記化粧品用組成物の約.5重量%〜約35重量%を含む。
【0051】
他の例では、POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約1:4〜約1:1を含む。
【0052】
他の例では、POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約1:3〜約9:11を含む。
【0053】
他の例では、POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約3:7〜約2:3を含む。
【0054】
他の例では、組成物は、一又は複数の化粧品用成分をさらに含有する。
【0055】
さらなる他の例では、化粧品用成分には、吸収剤、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、抗座瘡剤、固化防止剤、消泡剤、抗菌剤、酸化防止剤、収斂剤、バインダー、脱色剤、バッファー、生物学的添加剤、充填剤、担体、キレート剤、カップリング剤、融和剤、コンディショナー、着色料、化粧品用収斂剤、化粧品用殺生物剤、変性剤、薬用収斂剤、洗浄剤、脱臭剤、分散剤、外用鎮痛剤、乳化剤、皮膜形成剤、起泡剤、香料、及び香料成分、湿潤剤、角質溶解剤、保湿剤、矯正剤、酸化剤、無機及び有機粒子、プラスチック、ポリマー、不透明化剤、香水、pH調節剤、防腐剤、タンパク質、レチノイド、還元剤、捕捉剤、皮膚用脱色剤、皮膚用コンディショニング剤、皮膚用平滑剤、皮膚用鎮痛剤、皮膚用治療剤、柔軟剤、可溶化剤、界面活性剤、滑剤、増粘剤、浸透剤、浸透促進剤、鎮痛剤、抗炎症剤、抗生物質、麻酔剤、可塑剤、塩、溶媒、精油、サンスクリーン剤及びUV吸収剤、ビタミン、プロビタミン、植物抽出物、セラミド、及び疑似セラミドが含まれる。
【0056】
他の例では、化粧品用組成物は、ファンデーション、マスカラ、アイライナー、コンシーラ、リップコート、瞼又は頬用の紅、ボディ用メークアップ用品、又はネイルコートを含む。
【0057】
他の例では、化粧品用組成物は、液体、固形物、クリーム、軟膏、溶液、ゲル、ムース、スティック、スプレー、パウダー、エマルション又は分散液の形態に調製される。
【0058】
さらなる他の例では、化粧品用組成物は、少なくとも一つのPOSSであって、三次元かご型構造を形成する8以外のSiサブユニットを有するPOSS;及びPOSS以外の少なくとも一つのシリコーン樹脂;溶媒;及び着色料を含有する。
【0059】
他の例では、POSSは8を越えるSiサブユニットを有する。
【0060】
他の例では、POSSは6又は7のSiサブユニットを有する。
【0061】
他の例では、少なくとも一つのサブユニットは、少なくとも一つのR基を有するM、D又はTサブユニットである。
【0062】
他の例では、R基は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、イソオクチル、フェニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、-OSi(CH)-CH-CH-(CF)CF、-(CH)SH、N(CH)、O(CH)、-OH、-(CH)[ここでnは0〜30で、Xは対イオンである]、
【化4】

である。
【0063】
他の例では、非POSSシリコーン樹脂はMQ樹脂である。
【0064】
他の例では、少なくとも一つのシリコーン樹脂は少なくとも2のSi原子を有し、該Si原子は、該シリコーン樹脂の該Si原子の少なくとも一つの他のものに、少なくとも一つの酸素架橋により結合しており、該Si原子の少なくとも一つは一又は複数のR基を有している。
【0065】
他の例では、前記シリコーン樹脂のR基は、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシシラン、アミン、クロロシラン、エポキシド、エステル、ハロゲン化物、メタクリレート、分子状シリカ、ニトリル、ノルボレン、オレフィン、ホスフィン、シラン、シラノール、スチレンポリマー、又はポリオレフィンである。
【0066】
他の例では、少なくとも一つのシリコーン樹脂はトリメチルシロキシシリケートである。
【0067】
他の例では、POSS及びシリコーン樹脂の全量は、前記化粧品用組成物の約.5重量%〜約35重量%を含む。
【0068】
他の例では、POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約1:4〜約1:1を含む。
【0069】
他の例では、POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約1:3〜約9:11である。
【0070】
他の例では、POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約3:7〜約2:3を含む。
【0071】
他の例では、組成物は、一又は複数の化粧品用成分をさらに含有する。
【0072】
さらなる他の例では、化粧品用成分には、吸収剤、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、抗座瘡剤、固化防止剤、消泡剤、抗菌剤、酸化防止剤、収斂剤、バインダー、脱色剤、バッファー、生物学的添加剤、充填剤、担体、キレート剤、カップリング剤、融和剤、コンディショナー、着色料、化粧品用収斂剤、化粧品用殺生物剤、変性剤、薬用収斂剤、洗浄剤、脱臭剤、分散剤、外用鎮痛剤、乳化剤、皮膜形成剤、起泡剤、香料、及び香料成分、湿潤剤、角質溶解剤、保湿剤、矯正剤、酸化剤、無機及び有機粒子、プラスチック、ポリマー、不透明化剤、香水、pH調節剤、防腐剤、タンパク質、レチノイド、還元剤、捕捉剤、皮膚用脱色剤、皮膚用コンディショニング剤、皮膚用平滑剤、皮膚用鎮痛剤、皮膚用治療剤、柔軟剤、可溶化剤、界面活性剤、滑剤、増粘剤、浸透剤、浸透促進剤、鎮痛剤、抗炎症剤、抗生物質、麻酔剤、可塑剤、塩、溶媒、精油、サンスクリーン剤及びUV吸収剤、ビタミン、プロビタミン、植物抽出物、セラミド、及び疑似セラミドが含まれる。
【0073】
他の例では、化粧品用組成物は、ファンデーション、マスカラ、アイライナー、コンシーラ、リップコート、瞼又は頬用の紅、ボディ用メークアップ用品、又はネイルコートを含む。
【0074】
他の例では、化粧品用組成物は、液体、固形物、クリーム、軟膏、溶液、ゲル、ムース、スティック、スプレー、パウダー、エマルション又は分散液の形態に調製される。
【0075】
さらなる他の例では、化粧品用組成物は、三次元かご型構造を有する少なくとも一つのPOSSであって、6以上のSiサブユニットを含み、該Siサブユニットの少なくとも一つがメチル基以外のR基を有しているPOSS;POSS以外のシリコーン樹脂;及び着色料を含有する。
【0076】
他の例では、R基は、水素、エチル、プロピル、イソブチル、イソオクチル、フェニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、-OSi(CH)-CH-CH-(CF)CF、-(CH)SH、N(CH)、O(CH)、-OH、-(CH)[ここでnは0〜30で、Xは対イオンである]、
【化5】

である。
【0077】
他の例では、POSSはイソオクチル-POSSである。
【0078】
他の例では、少なくとも一つのシリコーン樹脂は、少なくとも2のSi原子を有し、該Si原子は、該シリコーン樹脂の該Si原子の少なくとも一つに少なくとも一つの酸素架橋により結合しており、該Si原子の少なくとも一つは一又は複数のR基を有している。
【0079】
他の例では、前記シリコーン樹脂のR基は、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシシラン、アミン、クロロシラン、エポキシド、エステル、ハロゲン化物、メタクリレート、分子状シリカ、ニトリル、ノルボレン、オレフィン、ホスフィン、シラン、シラノール、スチレンポリマー、又はポリオレフィンである。
【0080】
他の例では、非POSSシリコーン樹脂はMQ樹脂である。
【0081】
他の例では、少なくとも一つのシリコーン樹脂はトリメチルシロキシシリケートである。
【0082】
他の例では、POSS及びシリコーン樹脂の全量は、前記化粧品用組成物の約.5重量%〜約35重量%を含む。
【0083】
他の例では、POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約1:4〜約1:1を含む。
【0084】
他の例では、POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約1:3〜約9:11を含む。
【0085】
他の例では、POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約3:7〜約2:3を含む。
【0086】
他の例では、組成物は、一又は複数の化粧品用成分をさらに含有する。
【0087】
さらなる他の例では、化粧品用成分には、吸収剤、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、抗座瘡剤、固化防止剤、消泡剤、抗菌剤、酸化防止剤、収斂剤、バインダー、脱色剤、バッファー、生物学的添加剤、充填剤、担体、キレート剤、カップリング剤、融和剤、コンディショナー、着色料、化粧品用収斂剤、化粧品用殺生物剤、変性剤、薬用収斂剤、洗浄剤、脱臭剤、分散剤、外用鎮痛剤、乳化剤、皮膜形成剤、起泡剤、香料、及び香料成分、湿潤剤、角質溶解剤、保湿剤、矯正剤、酸化剤、無機及び有機粒子、プラスチック、ポリマー、不透明化剤、香水、pH調節剤、防腐剤、タンパク質、レチノイド、還元剤、捕捉剤、皮膚用脱色剤、皮膚用コンディショニング剤、皮膚用平滑剤、皮膚用鎮痛剤、皮膚用治療剤、柔軟剤、可溶化剤、界面活性剤、滑剤、増粘剤、浸透剤、浸透促進剤、鎮痛剤、抗炎症剤、抗生物質、麻酔剤、可塑剤、塩、溶媒、精油、サンスクリーン剤及びUV吸収剤、ビタミン、プロビタミン、植物抽出物、セラミド、及び疑似セラミドが含まれる。
【0088】
他の例では、化粧品用組成物は、ファンデーション、マスカラ、アイライナー、コンシーラ、リップコート、瞼又は頬用の紅、ボディ用メークアップ用品、又はネイルコートを含む。
【0089】
他の例では、化粧品用組成物は、液体、固形物、クリーム、軟膏、溶液、ゲル、ムース、スティック、スプレー、パウダー、エマルション又は分散液の形態に調製される。
【0090】
さらなる他の例では、化粧品用組成物は、6以上のSiサブユニットから形成される不完全な三次元かご型構造を有する少なくとも一つのPOSS;POSS以外のシリコーン樹脂;溶媒;及び着色料を含有する。
【0091】
他の例では、少なくとも一つのサブユニットは少なくとも一つのR基を有し、該R基は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、イソオクチル、フェニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、-OSi(CH)-CH-CH-(CF)CF、-(CH)SH、N(CH)、O(CH)、-OH、-(CH)[ここでnは0〜30で、Xは対イオンである]、
【化6】

である。
【0092】
他の例では、少なくとも一つのシリコーン樹脂は少なくとも2のSi原子を有し、該Si原子は、該シリコーン樹脂の該Si原子の少なくとも一つの他のものと少なくとも一つの酸素架橋により結合しており、該Si原子の少なくとも一つは一又は複数のR基を有している。
【0093】
他の例では、前記シリコーン樹脂のR基は、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシシラン、アミン、クロロシラン、エポキシド、エステル、ハロゲン化物、メタクリレート、分子状シリカ、ニトリル、ノルボレン、オレフィン、ホスフィン、シラン、シラノール、スチレンポリマー、又はポリオレフィンである。
【0094】
他の例では、非POSSシリコーン樹脂はMQ樹脂である。
【0095】
他の例では、少なくとも一つのシリコーン樹脂はトリメチルシロキシシリケートである。
【0096】
他の例では、前記POSS及びシリコーン樹脂の全量は、前記化粧品用組成物の約.5重量%〜約35重量%を含む。
【0097】
他の例では、前記POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約1:4〜約1:1を含む。
【0098】
他の例では、前記POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約1:3〜約9:11を含む。
【0099】
他の例では、前記POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約3:7〜約2:3を含む。
【0100】
他の例では、組成物は、一又は複数の化粧品用成分をさらに含有する。
【0101】
他の例では、化粧品用成分には、吸収剤、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、抗座瘡剤、固化防止剤、消泡剤、抗菌剤、酸化防止剤、収斂剤、バインダー、脱色剤、バッファー、生物学的添加剤、充填剤、担体、キレート剤、カップリング剤、融和剤、コンディショナー、着色料、化粧品用収斂剤、化粧品用殺生物剤、変性剤、薬用収斂剤、洗浄剤、脱臭剤、分散剤、外用鎮痛剤、乳化剤、皮膜形成剤、起泡剤、香料、及び香料成分、湿潤剤、角質溶解剤、保湿剤、矯正剤、酸化剤、無機及び有機粒子、プラスチック、ポリマー、不透明化剤、香水、pH調節剤、防腐剤、タンパク質、レチノイド、還元剤、捕捉剤、皮膚用脱色剤、皮膚用コンディショニング剤、皮膚用平滑剤、皮膚用鎮痛剤、皮膚用治療剤、柔軟剤、可溶化剤、界面活性剤、滑剤、増粘剤、浸透剤、浸透促進剤、鎮痛剤、抗炎症剤、抗生物質、麻酔剤、可塑剤、塩、溶媒、精油、サンスクリーン剤及びUV吸収剤、ビタミン、プロビタミン、植物抽出物、セラミド、及び疑似セラミドが含まれる。
【0102】
他の例では、化粧品用組成物は、ファンデーション、マスカラ、アイライナー、コンシーラ、リップコート、瞼又は頬用の紅、ボディ用メークアップ用品、又はネイルコートを含む。
【0103】
他の例では、化粧品用組成物は、液体、固形物、クリーム、軟膏、溶液、ゲル、ムース、スティック、スプレー、パウダー、エマルション又は分散液の形態に調製される。
【0104】
さらなる他の例では、改善された柔軟性を有する皮膜形成組成物は、複数のSiサブユニットから形成される三次元かご型構造を有し、該Siサブユニットの少なくとも一つが一又は複数のR基を有している少なくとも一つのPOSS;POSS以外の少なくとも一つのシリコーン樹脂を含有し、該シリコーン樹脂がポリメチルシルセスキオキサンを含むならば、該POSSは8以外のSiサブユニットを有するか、又は該POSSの該R基の少なくとも一つがメチル基以外であるか、又は該POSSが不完全なかご型構造を有しており、ここで該組成物は、ポリメチルシルセスキオキサンPOSS及び非POSSシリコーン樹脂の混合物を含有する皮膜形成組成物よりも改善された柔軟性を有する。
【0105】
他の例では、前記POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、1:4〜約1:1を含む。
【0106】
他の例では、前記POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約1:3〜約9:11を含む。
【0107】
他の例では、前記POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約3:7〜約2:3を含む。
【0108】
他の例では、POSSは室温で液体である。
【0109】
他の例では、化粧品用組成物は溶媒と着色料を含有し、ここでPOSS及びシリコーン樹脂の全量は、前記化粧品用組成物の約.5重量%〜約35重量%を含む。
【0110】
他の例では、化粧品用組成物は、ファンデーション、マスカラ、アイライナー、コンシーラ、リップコート、瞼又は頬用の紅、ボディ用メークアップ用品、又はネイルコートを含む。
【0111】
さらなる他の例では、改善された付着性を有する化粧品用組成物は、複数のSiサブユニットから形成される三次元かご型構造を有し、該Siサブユニットの少なくとも一つが一又は複数のR基を有している少なくとも一つのPOSS;POSS以外の少なくとも一つのシリコーン樹脂で、該シリコーン樹脂がポリメチルシルセスキオキサンを含むならば、該POSSは8以外のSiサブユニットを有するか、又は該POSSの該R基の少なくとも一つがメチル基以外であるか、又は該POSSが不完全なかご型構造を有しているもの;溶媒;及び着色料を含有しており、ここで該化粧品用組成物は、ポリメチルシルセスキオキサンPOSS及び非POSSシリコーン樹脂の混合物を含有する化粧品用組成物よりも改善された付着性を有する。
【0112】
他の例では、前記POSS及び非POSSシリコーン樹脂の全量は、前記化粧品用組成物の約.5重量%〜約35重量%を含む。
【0113】
他の例では、前記POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約1:4〜約1:1を含む。
【0114】
他の例では、前記POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約1:3〜約9:11を含む。
【0115】
他の例では、前記POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約3:7〜約2:3を含む。
【0116】
他の例では、化粧品用組成物は、ファンデーション、マスカラ、アイライナー、コンシーラ、リップコート、瞼又は頬用の紅、ボディ用メークアップ用品、又はネイルコートを含む。
【0117】
さらなる他の例では、化粧品用組成物の製造方法は、該組成物に改善された付着性又は可撓性を付与するための、少なくとも一つのPOSSと少なくとも一つの非POSSシリコーン樹脂の量を予め決定することを含み、ここで該POSSは、複数のSiサブユニットから形成される三次元かご型構造を有し、該Siサブユニットの少なくとも一つが一又は複数のR基を有するものであり、ここで該非POSSシリコーン樹脂がポリメチルシルセスキオキサンを含むならば、該POSSは8以外のSiサブユニットを有するか、又は該POSSの該R基の少なくとも一つがメチル基以外であるか、又は該POSSが不完全なかご型構造を有しており;及び前記量のPOSS、非POSSシリコーン樹脂、及び少なくとも一つの化粧品用成分を組合せることを含む。
【0118】
他の例では、前記量を予め決定するための工程は、前記少なくとも一つのPOSSと前記少なくとも一つの非POSSシリコーン樹脂から皮膜形成組成物を調製し、基体に該皮膜形成組成物を適用してそこに皮膜を形成させ;該皮膜の脆弱性をテストすることをさらに含む。
【0119】
他の例では、少なくとも一つの化粧品用成分は溶媒を含む。
【0120】
他の例では、前記POSSのR基は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、イソオクチル、フェニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、-OSi(CH)-CH-CH-(CF)CF、-(CH)SH、N(CH)、O(CH)、-OH、-(CH)[ここでnは0〜30で、Xは対イオンである]、
【化7】

である。
【0121】
他の例では、非POSSシリコーン樹脂はMQ樹脂である。
【0122】
他の例では、非POSSシリコーン樹脂は複数のSiサブユニットを有し、該シリコーン樹脂の該サブユニットの少なくとも一つが、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシシラン、アミン、クロロシラン、エポキシド、エステル、ハロゲン化物、メタクリレート、分子状シリカ、ニトリル、ノルボレン、オレフィン、ホスフィン、シラン、シラノール、スチレンポリマー、又はポリオレフィンであるR基を有する。
【0123】
他の例では、少なくとも一つのシリコーン樹脂はトリメチルシロキシシリケートである。
【0124】
他の例では、少なくとも一つのPOSSはイソオクチル-POSSである。
【0125】
他の例では、化粧品用成分には、溶媒、吸収剤、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、抗座瘡剤、固化防止剤、消泡剤、抗菌剤、酸化防止剤、収斂剤、バインダー、脱色剤、バッファー、生物学的添加剤、充填剤、担体、キレート剤、カップリング剤、融和剤、コンディショナー、着色料、化粧品用収斂剤、化粧品用殺生物剤、変性剤、薬用収斂剤、洗浄剤、脱臭剤、分散剤、外用鎮痛剤、乳化剤、皮膜形成剤、起泡剤、香料、及び香料成分、湿潤剤、角質溶解剤、保湿剤、矯正剤、酸化剤、無機及び有機粒子、プラスチック、ポリマー、不透明化剤、香水、pH調節剤、防腐剤、タンパク質、レチノイド、還元剤、捕捉剤、皮膚用脱色剤、皮膚用コンディショニング剤、皮膚用平滑剤、皮膚用鎮痛剤、皮膚用治療剤、柔軟剤、可溶化剤、界面活性剤、滑剤、増粘剤、浸透剤、浸透促進剤、鎮痛剤、抗炎症剤、抗生物質、麻酔剤、可塑剤、塩、溶媒、精油、サンスクリーン剤及びUV吸収剤、ビタミン、プロビタミン、植物抽出物、セラミド、及び疑似セラミドが含まれる。
【0126】
他の例では、化粧品用組成物は、ファンデーション、マスカラ、アイライナー、コンシーラ、リップコート、瞼又は頬用の紅、ボディ用メークアップ用品、又はネイルコートを含む。
【0127】
他の例では、化粧品用組成物は、液体、固形物、クリーム、軟膏、溶液、ゲル、ムース、スティック、スプレー、パウダー、エマルション又は分散液の形態に調製される。
【0128】
(詳細な説明)
本発明は、改善された付着性及び/又は柔軟性を有する皮膜形成組成物及び化粧品用組成物に関する。特に、所定のPOSS及び非POSSシリコーン樹脂を特定の量で組合せることにより、従来のシリコーン樹脂含有化粧品用組成物よりも改善された付着性及び/又は柔軟性を達成することができることが見出された。典型的には、この有利な組合せは、少なくとも一つの溶媒と、好ましくは着色料、例えば顔料を含有する化粧品用組成物に処方されるであろう。ファンデーション、マスカラ、リップコート(リップスティック、リップグロス、リップペンシル等)、ネイルコート等の所望する製品に応じて、当業者に知られている他の化粧品用成分をそれと組合せることもできる。
【0129】
シリコーン樹脂
シリコーン樹脂は、「MDTQ」命名法として当該分野で呼ばれているものに従って命名され、それによれば、シリコーン樹脂は、ポリマーを形成する種々のモノマーシロキサンサブユニット(「Siサブユニット」)に応じて記述される。「M」、「D」、「T」、「Q」の各文字は、異なるサブユニットを表す。「M」は一官能性ユニット(CH)SiO1/2を示す。このユニットは、ケイ素原子が鎖中の他のSi原子と唯一の酸素を共有しているため、一官能性と呼ばれる。「M」ユニットは、次の構造:
【化8】

によって表すことができる。
【0130】
メチル基の少なくとも一つは、Rがメチル基以外の置換基とすることができる式R(CH)SiO1/2によって示されるように、置き換えることができ、それは次の構造:
【化9】

により表される。
【0131】
実際、各メチル基は、同一でも異なっていてもよいR基により置き換えることができる。「D」なる文字は、二官能性サブユニット(CH)SiO2/2を示し、ここでケイ素原子からの2つの利用可能な結合は、ポリマー鎖の形成の際には酸素に結合する。「D」サブユニットは、次の式:
【化10】

により表すことができる。
【0132】
Mサブユニットに関連した場合と同様に、一又は複数のメチル基は、同一又は異なったR基で置き換えられてもよい。符号「T」は三官能性ユニット(CH)SiO3/2を示し、次の式:
【化11】

によって表すことができる。
【0133】
「M」サブユニットに関連して上に示したように、任意のメチル基は、他の官能基又はR基で、「T」サブユニットにおいて置き換えることができる。
【0134】
最後に、符号「Q」は、次の式:
【化12】

で表すことができる、四官能性サブユニットSiO4/2を示す。
【0135】
この記述から、サブユニット「M」、「D」、「T」及び「Q」の数及び種類を変えることにより、また官能基を変えることにより、非常に多くの組合せを作り出すことができることは明らかである。予想通り、各化合物の性質は、置換基の数及び種類、ポリマー鎖の大きさ、サブユニット間の架橋度合いに応じて、大きく変化させることができる。
【0136】
一実施態様では、本発明の非POSSシリコーン樹脂はQ樹脂である。Q樹脂なる用語は、樹脂が主としてQ型のSiサブユニットを含んでいるか、又は当業者が特定の樹脂を主としてQ樹脂であるとみなすことを意味する。また、MQ樹脂は「シロキシシリケート」、例えばx及びyが50〜80の範囲の値を有しうる次の式:[(CH)-Si-O]-(SiO4/2)(MQユニット)により表されるトリメチルシロキシシリケートと呼ばれる。さらなる実施態様では、非POSSシリコーン樹脂は、例えばx及びyが50〜80の範囲の値を有することができ、少なくとも一つのR基が炭化水素長鎖又はメチル以外のアルキル基から選択される、[(R)-Si-O]-(SiO4/2)等の、M及びQユニットの任意の組合せから選択されるシロキシシリケートである。例えば、Q樹脂は、ワッカー・シリコーン・コーポレーション(Wacker Silicone Corporation)から入手可能なワッカー(Wacker)803及び804樹脂、及びジェネラル・エレクトリック社(General Electric)から入手可能なG.E.1170-002から選択することができる。
【0137】
「シルセスキオキサン」なる用語は、T型のシリコーン樹脂(「T樹脂」)のクラスを意味する。一実施態様では、シリコーン樹脂は、xが数千までの値を有し、メチルがMサブユニットに対して上述した他のR基により置き換えられてもよい、次の式:(CHSiO3/2)(Tユニット)により表されるシルセスキオキサンから選択することができる。しかしながら、ポリメチルシルセスキオキサンが使用される場合、8のみが完全に飽和したSiサブユニット(RないしRメチル基の完全かご型)を有する種類のPOSSとは組合せられない。ポリメチルシルセスキオキサンは、各置換基(R基)がメチル基であるシルセスキオキサンである。
【0138】
本発明の他の実施態様では、非POSSシリコーン樹脂は、「ポリアルキルシロキサン」又はD樹脂である。再び、「D樹脂」なる用語は、樹脂が主としてD型のSiサブユニットを含んでいるか、又は当業者が特定の樹脂を主としてD樹脂であるとみなすことを意味する。一実施態様では、ポリシロキサンは式[R-Si-O]-(RSiO)-[Si-R]のものであり、ここでXは少なくとも2000であり、Rは、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシシラン、アミン、クロロシラン、エポキシド、エステル、ハロゲン化物、メタクリレート、分子状シリカ、ニトリル、ノルボレン、オレフィン、ホスフィン、シラン、シラノール、スチレンポリマー、又はポリオレフィンである。D樹脂はCTFA表示ジメチコーンを有するジメチルシロキサンを含む。これらのシロキサン類は、ビスカシル(Viscasil)シリーズとしてジェネラル・エレクトリック社、及びDC200シリーズとしてダウ・コーニング社(Dow Corning)から商業的に入手可能である。
【0139】
シリコーン樹脂の置換
上述したように、M、D及びTサブユニットは、一又は複数の置換基(R基)を有していてよい。非限定定例として、これらのR基には、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシシラン、アミン、クロロシラン、エポキシド、エステル、ハロゲン化物、メタクリレート、分子状シリカ、ニトリル、ノルボレン、オレフィン、ホスフィン、シラン、シラノール、スチレンポリマー、又はポリオレフィンが含まれ得る。
【0140】
一以上の置換をすることができ、ここで利用可能なメチル基の2以上が、同一又は異なったR基で置き換えられる。これらの基は、Si原子に直接結合可能であり、又はアゾ、ジアゾ、エポキシ又はハロゲン結合等の架橋分子を介して結合されうる。
【0141】
POSS
「POSS」なる用語は、かご型シルセスキオキサン(類)を表す。しかしながら、全てのかご型シルセスキオキサンが、本発明の目的とする「POSS」として適切なものであるのではない。一般的にPOSSは、例えば以下の式I−Vに例が示されているような、硬質の「かご」型立体配置で存在する化合物のみを意味する。
【0142】
POSS樹脂として、ある種の構造のみ、例えば非限定的例として、式I、III及びIVAに例示されているものは、ここでは「完全なかご型」と称しており、ここで三次元の構造の全ての側面が完全な側面であり、全てのSi原子は完全に飽和している。
【0143】
特に、本発明の組成物に含まれるPOSS分子は、例えば式VIのはしご型立体配置として存在することができる他のかご型シルセスキオキサンとは区別される。
【0144】
例えば、ミシガン州49221、エイドリアン、サットン通り3306のワッカー・ケミカル・コーポレーションから販売されている、樹脂MKとして知られている(シリコンハルツMK、及びベルシル(登録商標)PMS MKとしても知られている)のポリメチルシルセスキオキサンは、米国特許出願公開第2002/0114773A1号(2002年8月22日に公開)の化粧品用組成物に関連して以前に開示されている。そこに開示されているように、化合物は「かご型」(すなわち、R-RがCH-である式I)及び「はしご型」立体配置(式VI)の双方で存在していると考えられている。また、大部分のシリコーンポリマーははしご型立体配置(式VI)で存在していると考えられている。この組成物が「はしご型」立体配置を含んでいる限りは、それはPOSSではない。
【0145】
三次元かご型構造を形成するためには、本発明のPOSSは少なくとも6のSi分子を有していなければならない。本発明の好ましい実施態様では、POSSは8のSi原子を有する。また、POSSは8を越えるSi原子を有していてもよい。Si原子の数は9〜100、又は9〜30、さらには9〜20、最終的には9〜16の範囲とすることができる。少なくとも4のSi原子が酸素原子を介して少なくとも3の他のSi原子に結合している(ここでは「完全に飽和した」と呼ぶ)。全てのSi原子は酸素架橋を介して少なくとも一つの他のSi原子に結合している。式IないしVの例示的かつ非限定的構造に示されるように、POSSは、少なくとも2の完全な側面を有する硬質の三次元かご型構造を形成する。この硬質のかご型構造は、はしご型や3方向に保持されていない他の構造とは区別される。式VIを参照。Si原子のそれぞれが少なくとも一つのR基に結合し、一つ以下のSi原子が二つより多いR基に結合している。図IIIに例証されているPOSS分子は、6の飽和したSi原子と5の完全な側面を有する(2の側面は酸素架橋を介して連結した3のSi原子により結合しており、3の側面は酸素架橋を介して連結した4のSi原子により結合している)。式IIBは、4のこのような飽和したSi原子と2の完全な側面を有している(双方とも酸素架橋を介して連結した4のSi原子により結合している)。式IICは、6の飽和したSi原子と3の完全な側面を有しており、全ての側面は酸素架橋を介して連結した4のSi原子により結合している。
【0146】
上述したように、POSSは、2004年3月12日に出願された「POSS CONTAINING COSMETICS AND PERSONAL CARE PRODUCTS」;及び2004年3月12日に出願された「EPOSS CONTAINING COSMETICS AND PERSONAL CARE PRODUCTS」と題された同一出願人に係る米国特許出願における化粧品用処方物に関連して開示されている。そこで、POSSは8又はそれ以下のSi原子を有しているとして言及されているが、EPOSSは8を越えるSi原子を有するかご型構造を含む。本発明ではこのような区別はなく、かご型構造を形成する全てのシリコーン樹脂を、Si原子の数に関係なく「POSS」であると考える。
【0147】
本発明の一実施態様に係るPOSS分子は、以下の式I:
【化13】

の完全なかご型構造を有する。
【0148】
また、連続するケイ素原子間の1又は2の酸素架橋は、破壊されているか又はない可能性もあり、この場合、「POSS」は「不完全な」かご型構造を有していると言う。非限定的例おいては、以下の式IIA-E:
【化14】











に例証されている硬質の三次元かご型構造が考えられる。
【0149】
式IVAにおいて、かご型のSi原子の数は10であり、式IVBにおいて、Si原子の数は10であり、式IVCにおいて、かご型のSi原子の数は12である。式IVD及びIVEにおいて、かご型又はコア部のSi原子の数は16である。連続するケイ素原子間の一又は複数の酸素架橋が破壊されているか又はない「不完全な」かご型構造のさらなる例を、式Vに例示する。
【化15】


【0150】
式IIIは完全なかご型であるが、6のSi原子から生じる。式VIのはしご型立体配置(本発明のPOSSではない)は、他の同様の構造と末端同士で結合したモノマーとすることができる。それは分子の各R-Si-O-Si-R軸の回りで折りたたむか又は撓むことができるため、この書面における意味の硬質ではない。(完全であろうと不完全であろうと)本発明の硬質な3-Dかご型構造では、そのような動きはあり得ない。よって、この式の分子はPOSSではない。
【0151】
POSS分子が式IIに従うか、式IIの構造を有するか、又は完全なかご型以外であると言う場合、「開放」、「不在」又は「破壊」として例証される側面は、例示のみのためである。式IIを参照する場合、任意の1又は2の側面、又は任意の1又は2の酸素架橋は、破壊されているか又はなくてもよいと理解される。POSS分子の構造は、各隅部にケイ素(Si)原子を有する形状のかご型又は箱形(式IIIの場合はプリズム型)であると大まかに考えることができる。各Si原子は、酸素原子への結合を介して(酸素架橋とも呼ぶ)、少なくとも一つの他のSi原子に連結している。好ましくは、POSS構造中のSi原子の少なくとも4つは「完全に飽和」している。最も好ましくは、式I、III及びIVAに示されるように、全てのSi原子が酸素原子を介してかご型の他の3のケイ素原子に結合しており、よって全てのSi原子が「完全に飽和」している。Si原子として式Iに例証されている場合、各隅部の基は同一でも異なっていてもよく、限定するものではないが、ケイ素、シラン、シロキサン、シリコーン又は有機金属基を含む一又は複数の原子又は基であってよい。また本発明のPOSSは、例えば式I−Vに例証されているように、硬質の三次元かご型構造で存在しており、かご型は少なくとも2の完全な側面Aを有する。各Siが少なくとも一つのR基に結合し、一つ以下のSi原子が2より多いR基に結合している。
一実施態様では、POSSは室温で液体である。
【0152】
POSSの置換
他のシリコーン樹脂と同様、POSSのM、D又はTサブユニットは、メチル以外の官能基でメチル基を置き換えることにより「誘導体化」することができる。非限定的例として、一又は複数のメチル基は、他のアルキル基、アルケン、アルキン、ヒドロキシル、チオール、エステル、酸、エーテルで置き換えられてもよい。一実施態様では、本発明の「R基」には、制限するものではないが、次のものの一又は複数である:メチル、エチル、プロピル、イソブチル、イソオクチル、フェニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、-OSi(CH)-CH-CH-(CF)CF、-(CH)SH、N(CH)、O-N(CH)、-OH、-(CH)[ここでnは0〜30で、Xは対イオンである]、
【化16】

【0153】
好ましくは、R基はイソオクチル基である。これらの置換基は、かご型構造に直接結合してもよく、又はアゾ、ジアゾ、エポキシ又はハロゲン含有物質等の架橋分子を介して結合してもよい。
【0154】
例えば式I、III及びIVAの各ケイ素の残った一方の結合は、「R」基(R-R)(式IIIでは(R-R))として特定される種々の置換基又は基に結合可能である。式II、IVB及びVに例証されている隣接するケイ素分子間の1又は2の酸素架橋が除去されているPOSS分子のいくつかの実施態様では、多くのR基が可能である。8のSi原子を有するPOSSが使用される場合、2を越えないこれらのケイ素間連結(酸素架橋)が除去されることが好ましい。しかしながら、3ものこのような架橋を除去することもできる(式IIE)。より好ましくは、一のみの酸素架橋が除去される(式IIA)。上述したように、完全に結合していないSi分子は、さらなる置換基が結合するのに有用な一又は複数の付加的な位置を有し得る。不在側面が一つである場合、POSS分子は、R−RのR基と同一でも異なっていてもよい付加的なR基、R及びR10を有していてもよい。2又は3の架橋が不在である場合、POSS分子は、全て同一でも異なっていてもよく、またR−Rとして特定された基と同一であってよい付加的なR基、R、R10、R11及びR12(適切であるならば)を有してもよい。
【0155】
種々のR基を有するPOSS化合物は、文献においてよく知られている。それらは、限定するものではないが、1991年9月10日に発行されたWeidnerらの米国特許第5047492号;1995年2月14日に発行されたSojkaの米国特許第5389726号;1996年1月16日に発行されたLichtenhanらの米国特許第5484867号;1996年12月31日に発行されたLichtenhanらの米国特許第5589562号;1998年5月12日に発行されたCrockerらの米国特許第5750741号;1999年1月12日に発行されたBanaszak Hollらの米国特許第5858544号;1999年8月17日に発行されたLichtenhanらの米国特許第5939576号;1999年8月24日に発行されたLichtenhanらの米国特許第5942638号;2000年8月8日に発行されたLichtenhanらの米国特許第6100417号;2000年10月3日に発行されたVan Santenらの米国特許第6127557号;2001年3月27日に発行されたTakamukiらの米国特許第6207364号;2001年6月26日に発行されたZankらの米国特許第6252030号;2001年8月7日に発行されたNguyenの米国特許第6270561号;2001年8月21日に発行されたMehlらの米国特許第6277451号;2002年3月26日に発行されたLichtenhanらの米国特許第6362279号;及び2002年11月26日に発行されたBarbeeらの米国特許第6486254号を含む多くの特許に記載されている。これらの特許には、基本的なPOSSかご型構造、及びPOSSベースのポリマーを含むその種々の誘導体の、様々な製造方法の詳細が記載されている。これらの特許が、式I−Vの構造を有する種々のPOSS分子、それらの誘導体及びポリマーを特定し、記載している範囲で、それらを出典明示により援用する。これらの特許のそれぞれに記載されているこのクラスの化合物を製造し誘導体化するための技術の検討も出典明示によりここに援用する。
【0156】
一般に、R基(例えば図に示すようなR、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12、及び適切な任意の他のR基)は同一でも異なっていてもよく、反応性又は非反応性基であってよい。それらはメチル又はHの代わりに、例えばヒドロキシ(-OH)、アルキル基(メチル以外)としても知られているアルカン誘導体(水素がない)、通常、POSS又はいくつかの他の分子において、それらがSiに結合している箇所のHがなく、アルカン類の誘導体(一又は複数の二重結合を有する)とも呼ばれるアルケニル基、通常、POSS又はいくつかの他の分子において、それらがSiに結合している箇所のHがなく、アルキン類の誘導体(一又は複数の三重結合を有する)とも呼ばれるアルキニル基、通常、POSS又はいくつかの他の分子において、それらがSiに結合している箇所のHがなく、アレン類の誘導体(一又は複数の二重結合を有する)とも呼ばれるアリール基(ベンゼンの6炭素環、又はナフタレン等の他の芳香族誘導体の縮合6炭素環)、アシル基(CHCO-又はCCO-等のOH基を有さない有機酸)、アルコキシ基(酸素により、分子の残りの部分に結合したアルキル基)、例えばメトキシ、エステル基、酸基、アシラート基、アルキルアクリレート基、ヒドロキシ基、ハロゲン、アミノ基、アルキルアミノ基、アミノアルキル基、一又は複数の第3級又は第4級窒素を有する基、シリコーン含有基、硫黄含有基、エポキシド類、アゾ基、ジアゾ基、ハロゲン類、環状化合物で、開環重合又は開環メタセシス重合を受ける可能性のあるものであってよい。またR基はモノマー又はポリマーであってよく、POSSはポリマーのペンダント置換基として使用されるであろう。一実施態様では、コンディショニング性を付与するカチオン性ポリマー及びアクリレートが提供される。
【0157】
適切な場合、任意のこれらのR基はそれら自身が、置換又は未置換、飽和又は不飽和で、直鎖状又は分枝状であってよい。可能な置換基には、C−C30アルキル基、C−C30アルケニル基、C−C30アルキニル基、C−C18アリール基、アシル基、アルコキシ基、カルボキシ基、エステル基、アクリレート基、アクリル酸アルキル基、トリヒドロキシ基、アミノ基、モノ及びジアルキルアミノ基、モノ及びジヒドロキシアルキルアミノ基を含むアルキルアミノ基、シアノ基、アミノアルキル基、一又は複数の第3級又は第4級窒素を有する基、シリコーン含有基、硫黄及び/又はリン含有基、SOX、SOXでXがH、メチル又はエチルであるもの、エポキシド類、アゾ基、ジアゾ基、ハロゲン類、環状化合物で、開環重合又は開環メタセシス重合を被る可能性のあるものが含まれる。実際、POSS分子の隅部に結合可能な任意の基を使用することができる。
【0158】
これらのR基が炭素含有脂肪酸又は脂肪アルコール、芳香族又は環状基である場合、それらは一般的に、6〜50の炭素原子を有してよく、与えられた基に対して適切であるならば、飽和又は不飽和であり、上述したように置換されているか又は未置換であり、直鎖状又は分枝状であってよい。
【0159】
より詳細には、可能なR基には、限定するものではないが、モノ又はポリヒドロキシ基を含むヒドロキシ基、フェノール類、アルコキシ、ヒドロキシアルキル類、シラン類、アミノ、特に第4級のもの(quats)、ハロシラン類、エポキシド類、アルキルカルボニル類、アルカン類、ハロアルキル類、ハロゲン類、アクリレート類、メタクリレート類、チオール類、ニトリル類、ノルボルネニル類、分枝状アルキル基、ポリマー類、シラン類、シラノール類、スチリル類及びチオール類が含まれる。式Iの単一のPOSS分子においては、RはH、Rは-OH、Rは-NH、Rは-CHCHCH(OCHCH)CHCHCH、Rは-CHCHCHOCH(エポキシド)、Rは-OC(CH)、Rは-OOC(CH)16CH、及びRはClとすることができる。これは、例えばそれぞれのR基を別々に誘導体化することもできることを単に例証し、多種多様な可能な置換を強調するための仮想の例である。
【0160】
一実施態様では、これらのPOSS分子は同じR基(例えばR−R、R−R、R−R10及びR−R12(及び与えられたPOSS分子においてSi原子と利用可能な結合が与えられた場合に、適切な、任意の他のR基)がメチル、イソブチル又はフェニルではない)で完全には置換されていない。これは、式Iの構造を有するPOSS分子にとって特に好ましい。さらに、式Iに表されたような8のSiサブユニットを有するPOSS分子が使用される場合、R基の少なくとも一つは、メチル以外の基であり、特に非POSSシリコーン樹脂がT樹脂、さらにより特定的には樹脂MKである場合である。
【0161】
POSSなる用語でまた考えられるものは、カルフォルニア州92708-6117、ファウンテンバレイ、マウントボールデーサークル(Mount baldy circle)18237のハイブリッド・プラスチックス社、及びミシガン州48178-0087、サウスリヨン、私書箱87のマヤテリアル・インク(Mayaterials, Inc.)から入手可能な市販化合物のファミリーである。製造者によれば、これらの市販の物質はいくつかの一般的なカテゴリーに分類される。
【0162】
POSS分子状シリカTM
POSS分子状シリカTMは、無機コア部を有機マトリックスと融和性のあるものとする非反応性有機基(R1−R8)で囲まれた強固なSi-Oコア部を有する。これにより、POSS分子状シリカTMを、完全な分子レベルの分散性を有する真のナノコンポジットを生じる標準的ポリマーに配合することができる。分子レベルで分散させられるPOSS分子状シリカTMの独特の能力は、ポリマーセグメント及びコイルを強化し、重要な性質を高めるための鍵である。
【0163】
POSSシラノール類
POSSシラノール類は、1〜4の安定したシラノール(Si-OH)基を含むハイブリッド無機-有機三次元構造を有する。
【0164】
POSS官能化モノマー
POSS官能化モノマーは、1〜8の反応性有機官能基を含むハイブリッド無機-有機三次元構造を有する。大部分のPOSS官能化モノマーは、7の非反応性有機基と、一つの特有な官能基を有する。現在有用な特有な官能基には、限定するものではないが、アミン類、エステル、エポキシド類、メタクリレート類、オレフィン類、シラン類、スチリル基、及びチオール類が含まれる。官能基及び7つの非反応性有機基を変えることにより、殆ど全ての必要性を満たすために多数のPOSS官能化モノマーを調製することができる。一官能性POSSモノマーは、共重合又はグラフト化により導入され得るが、多官能性POSSモノマーは効果的な架橋剤として利用することができる。POSS官能化モノマーは、重合、グラフト化及び架橋反応において、標準的な有機モノマーと同様に反応する。それらは単純な有機モノマーのように反応するが、ポリマー物質に導入されると、POSS官能化モノマーは、伝統的なプラスチックの熱的、機械的及びガス分離性を有意に改善する。
【0165】
POSSポリマー及び樹脂
POSSポリマー及び樹脂は、ハイブリッド無機-有機組成を有し、熱可塑性又は熱硬化性物質のいずれであってもよい。物質の一クラスとして、POSSポリマー及び樹脂は、(1)POSS官能化モノマーがポリマー鎖にグラフトしているか又は共重合しているポリマー、又は(2)いくつかのかご型構造を有するシルセスキオキサン樹脂から構成される。POSSポリマー及び樹脂は伝統的な物質に単独で置き換わるものとして使用することもできるし、又は基本となる樹脂の性質を高めるために、伝統的なポリマー物質に配合されるか溶液混合される。現在入手可能なPOSSポリマー及び樹脂の種類には、限定するものではないが、シリコーン類、スチレン類、アクリル類、及びノルボルネン類が含まれる。
【0166】
ハイブリッド・プラスチックス社から入手可能なPOSS分子には、限定するものではないが、式I−IVに基づくものが含まれ、アルコール類及びフェノール類、例えば(TMPジオールシクロペンチル-POSS、TMPジオールイソブチル-POSS、トランス-シクロヘキサンジオールシクロヘキシル-POSS、トランス-シクロヘキサンジオールイソブチル-POSS、1,2-プロパンジオールシクロヘキシル-POSS、1,2-プロパンジオールイソブチル-POSS、及びオクタヒドロキシプロピルジメチルシリル-POSS)、アルコキシシラン類、例えば(ジエトキシメチルシリルエチルシクロヘキシル-POSS、ジエトキシメチルシリルエチルイソブチル-POSS、ジエトキシメチルシリルプロピルシクロヘキシル-POSS、ジエトキシメチルシリルプロピルイソブチル-POSS、エトキシジメチルシリルエチルシクロヘキシル-POSS、エトキシジメチルシリルエチルイソブチル-POSS、エトキシジメチルシリルプロピルシクロヘキシル-POSS(いくつかのβ-異性体を含んでもよい)、エトキシジメチルシリルプロピルイソブチル-POSS(いくつかのβ-異性体を含んでもよい)、トリエトキシシリルエチルシクロヘキシル-POSS、トリエトキシシリルエチルイソブチル-POSS、トリエトキシシリルプロピルシクロヘキシル-POSS(いくつかのβ-異性体を含んでもよい)、及びトリエトキシシリルプロピルイソブチル-POSS(いくつかのβ-異性体を含んでもよい)、アミン類、例えば(アミノプロピルシクロヘキシル-POSS、アミノプロピルイソブチル-POSS、アミノプロピルイソオクチル-POSS、アミノエチルアミノプロピルシクロヘキシル-POSS、アミノエチルアミノプロピルイソブチル-POSS、オクタアミノフェニル-POSS、及びオクタアンモニウム-POSS)、クロロシラン類、例えば(モノクロロシクロヘキシル-POSS、モノクロロシクロペンチル-POSS、モノクロロイソブチル-POSS、クロロジメチルシリルエチルシクロヘキシル-POSS、クロロジメチルシリルエチルイソブチル-POSS、クロロジメチルシリルプロピルシクロヘキシル-POSS(いくつかのβ-異性体を含んでもよい)、クロロジメチルシリルプロピルイソブチル-POSS(いくつかのβ-異性体を含んでもよい)、ジクロロメチルシリルエチルシクロヘキシル-POSS、ジクロロメチルシリルエチルイソブチル-POSS、ジクロロメチルシリルプロピルシクロヘキシル-POSS(いくつかのβ-異性体を含んでもよい)、ジクロロメチルシリルプロピルイソブチル-POSS(いくつかのβ-異性体を含んでもよい)、トリクロロシリルエチルシクロヘキシル-POSS、トリクロロシリルエチルイソブチル-POSS、トリクロロシリルプロピルシクロヘキシル-POSS(いくつかのβ-異性体を含んでもよい)、トリクロロシリルプロピルイソブチル-POSS(いくつかのβ-異性体を含んでもよい)、オクタ(クロロシリルエチル)-POSS(いくつかのβ-異性体を含んでもよい)、オクタ(ジクロロシリルエチル)-POSS(いくつかのβ-異性体を含んでもよい)、及びオクタ(トリクロロシリルエチル)-POSS(いくつかのβ-異性体を含んでもよい)、エポキシド類、例えば(エポキシシクロヘキシルシクロヘキシル-POSS、エポキシシクロヘキシルシクロペンチル-POSS、エポキシシクロヘキシルイソブチル-POSS、エポキシシクロヘキシルジシラノールイソブチル-POSS、エポキシシクロヘキシル-POSS、かご型混合物、例えばエポキシプロピルシクロペンチル-POSS、エポキシプロピルイソブチル-POSS、グリシジルシクロヘキシル-POSS、グリシジルシクロペンチル-POSS、グリシジルエチル-POSS、グリシジルイソブチル-POSS、グリシジルイソオクチル-POSS、グリシジルフェニル-POSS、オクタエポキシシクロヘキシルジメチルシリル-POSS、オクタグリシジルメチルシリル-POSS、トリスグリシジルシクロヘキシル-POSS、トリスグリシジルシクロペンチル-POSS、トリスグリシジルエチル-POSS、及びトリスグリシジルイソブチル-POSS)、エステル、例えば(エチルウンデカノアートシクロヘキシル-POSS、エチルウンデカノアートシクロペンチル-POSS、エチルウンデカノアートイソブチル-POSS、メチルプロピオナートシクロヘキシル-POSS、メチルプロピオナートシクロペンチル-POSS、及びメチルプロピオナートイソブチル-POSS)、フルオロアルキル類、例えば(フルオロ(3)ジシラノールシクロペンチル-POSS、フルオロ(13)ジシラノールシクロペンチル-POSS、フルオロ(13)ジシラノールイソブチル-POSS、メタクリルフルオロ(3)シクロペンチル-POSSの異性体の混合物、メタクリルフルオロ(13)シクロペンチル-POSSの異性体の混合物、メタクリルフルオロ(3)イソブチル-POSSの異性体の混合物、ドデカトリフルオロプロピル-POSS、トリフルオロシクロヘキシル-POSS、トリフルオロシクロペンチル-POSS、トリフルオロイソブチル-POSS、トリフルオロプロピルイソブチル-POSS、トリスフルオロ(3)シクロペンチル-POSS、及びトリスフルオロ(13)シブロ(cyvlo)ペンチル-POSS)、ハロゲン化物、例えば(クロロベンジルシクロヘキシル-POSS、クロロベンジルシクロペンチル-POSS、クロロベンジルイソブチル-POSS、クロロベンジルエチルシクロヘキシル-POSS、クロロベンジルエチルシクロペンチル-POSS、クロロベンジルエチルイソブチル-POSS、クロロフェニルシクロヘキシル-POSS、クロロフェニルシクロペンチル-POSS、クロロフェニルイソブチル-POSS、クロロフェニルフェニル-POSS、クロロプロピルシクロヘキシル-POSS、クロロプロピルシクロペンチル-POSS、及びクロロプロピルイソブチル-POSS)、イソシアナート類、例えば(イソシアナートプロピルジメチルシリルシクロヘキシル-POSS、及びイソシアナートプロピルジメチルシリルイソブチル-POSS)、メタクリレート類及びアクリレート類、例えば(アクリロシクロヘキシル-POSS、アクリロシクロペンチル-POSS、アクリロイソブチル-POSS、メタクリルシクロヘキシル-POSS、メタクリルシクロペンチル-POSS、メタクリルエチル-POSS、メタクリルイソブチル-POSS、メタクリルイソオクチル-POSS、90%、メタクリルフェニル-POSS、メタクリルジシラノールシクロヘキシル-POSS、メタクリルジシラノールシクロペンチル-POSS、メタクリルジシラノールイソブチル-POSS、メタクリルフルオロ(3)シクロペンチル-POSS、メタクリルフルオロ(13)シクロペンチル-POSS、メタクリルトリメチルシロキシシクロペンチル-POSS、メタクリルトリメチルシロキシイソブチル-POSS、メタクリル-POSSかご型混合物、オクタメタクリルジメチルシリル-POSS、トリスメタクリルシクロヘキシル-POSS、及びトリスメタクリルイソブチル-POSS)、分子状シリカ、例えば(ドデカフェニル-POSS、ドデカフェニル-POSS、85%、イソオクチル-POSSかご型混合物、95%、オクタシクロヘキシル-POSS、オクタシクロペンチル-POSS、オクタイソブチル-POSS、オクタメチル-POSS、オクタフェニル-POSS、オクタTMA-POSS、ドデカトリフルオロプロピル-POSS、オクタトリメチルシロキシ-POSS、フェネチル-POSSかご型混合物、及びフェネチルイソブチル-POSS)、ニトリル類、例えば(シアノエチルシクロヘキシル-POSS、シアノエチルシクロペンチル-POSS、シアノエチルイソブチル-POSS、シアノプロピルシクロヘキシル-POSS、シアノプロピルシクロペンチル-POSS、及びシアノプロピルイソブチル-POSS)、ノルボルネニル類(norbornenyls)、例えば(ノルボルネニルエチルシクロヘキシル-POSS、ノルボルネニルエチルイソブチル-POSS、ノルボルネニルエチルジシラノールシクロヘキシル-POSS、ノルボルネニルエチルジシラノールシクロペンチル-POSS、ノルボルネニルエチルジシラノールイソブチル-POSS、トリスノルボルネニルシクロヘキシル-POSS、トリスノルボルネニルシクロペンチル-POSS、及びトリスノルボルネニルイソブチル-POSS)、オレフィン類、例えば(アリルシクロヘキシル-POSS、アリルシクロペンチル-POSS、アリルイソブチル-POSS、アリルジメチルシリルシクロペンチル-POSS、シクロヘキセニルエチルシクロペンチル-POSS、ジメチルビニルシクロペンチル-POSS、ジフェニルビニルシクロペンチル-POSS、モノビニルシクロヘキシル-POSS、モノビニルシクロペンチル-POSS、モノビニルイソブチル-POSS、フェニルメチルビニルシクロペンチル-POSS、トリス(ジメチルビニル)イソブチル-POSS、トリビニルシリルシクロペンチル-POSS、オクタシクロヘキセニルジメチルシリル-POSS、オクタビニルジメチルシリル-POSS、オクタビニル-POSS、及びビニル-POSSかご型混合物)、ホスフィン類、例えば(ジフェニルホスフィノエチルシクロペンチル-POSS、及びジフェニルホスフィノプロピルシクロペンチル-POSS)、ポリマー類、例えば(ポリ(ジメチル-コ-メチルヒドロ-コ-メチルプロピルPOSS)シロキサン、ポリ(ジメチル-コ-メチルビニル-コ-メチルエチルシロキシPOSS)シロキサン、オクタメチル-POSSナノ強化(Nanoreinforced)TMポリプロピレン、10重量%、未硬化ポリ(エチルシルセスキオキサン)、未硬化ポリ(メチルシルセスキオキサン)、未硬化ポリ(フェニルシルセスキオキサン)、ポリ(プロピルメタクリルPOSS-コ-メチルメタクリレート)、ポリ(プロピルメタクリルPOSS-コ-スチレン)、ポリ(スチリルPOSS-コ-スチレン)、未硬化ポリ(ビニルシルセスキオキサン)、及びポリ(ビニルシルセスキオキサン)完全に硬化したファイヤークエンチ(FireQuench)TM)、シラン類、例えば(ジメチルシランシクロヘキシル-POSS、ジメチルシランシクロペンチル-POSS シュワーブ(Schwab)ハイブリッド、ジメチルシランイソブチル-POSS、モノシランシクロヘキシル-POSS、モノシランイソブチル-POSS、オクタシラン-POSS、トリス(ジメチルシラン)シクロヘキシル-POSS、トリス(ジメチルシラン)シクロペンチル-POSS、及びトリス(ジメチルシラン)シクロイソブチル-POSS)、シラノール類、例えば(シクロヘキセニルジメチルシリジシラノールイソブチル-POSS、ジメチルフェニルジシラノールシクロペンチル-POSS、ジメチルビニルジシラノールシクロヘキシル-POSS、ジメチルビニルジシラノールシクロペンチル-POSS、ジメチルビニルジシラノールイソブチル-POSS、ジシラノールシクロペンチル-POSS、ジシラノールイソブチル-POSS、エポキシシクロヘキシルジシラノールイソブチル-POSS、フルオロ(3)ジシラノールシクロペンチル-POSS、フルオロ(13)ジシラノールシクロペンチル-POSS、フルオロ(13)ジシラノールイソブチル-POSS、メタクリルジシラノールシクロヘキシル-POSS、メタクリルジシラノールシクロペンチル-POSS、メタクリルジシラノールイソブチル-POSS、モノシラノールシクロヘキシル-POSS、モノシラノールシクロペンチル-POSS シュワビノール(Schwabinol)、モノシラノールイソブチル、ノルボルネニルエチルジシラノールシクロヘキシル-POSS、ノルボルネニルエチルジシラノールシクロペンチル-POSS、ノルボルネニルエチルジシラノールイソブチル-POSS、TMS ジシラノールシクロヘキシル-POSS、TMS ジシラノールイソブチル-POSS、トリシラノールシクロヘキシル-POSS、トリシラノールシクロペンチル-POSS、トリシラノールエチル-POSS、トリシラノールイソブチル-POSS、トリシラノールイソオクチル-POSS、及びトリシラノールフェニル-POSS)、スチレン類、例えば(スチレニルイソブチル-POSS、スチリルシクロヘキシル-POSS、スチリルシクロペンチル-POSS、及びスチリルイソ
ブチル-POSS)、及びチオール類、例えば(メルカプトプロピルシクロヘキシル-POSS、メルカプトプロピルイソブチル-POSS、及びメルカプトプロピルイソオクチル-POSS、90%)から選択される。他のPOSS製品はアルドリッチ社(ALDRICH)から購入してもよい。さらに他には、1991年9月10日に発行されたWeidnerらの米国特許第5047492号に記載されており、その明細書の特に第1欄第22行から第2欄第48行にかけて記載されているPOSS分子は出典明示によりここに援用され、またさらには1948年3月27日に発行されたBarryらの米国特許第2465188号にも記載されており、その明細書も出典明示によりここに援用される。また、1989年1月12日に発行されたBanaszak Hollらの米国特許第5858544号も参照でき、その明細書も出典明示により援用される。
【0167】
本発明の化粧品用組成物を生産するのに有用な特に好ましいPOSS分子には、トリスフルオロ(13)シクロペンチル-POSS(カタログ番号FL0590;C65H93F39O12Si10;MW:2088.24g/モル);メルカプトプロピルイソブチル-POSS(カタログ番号TH1550;C31H70O12Si8;MW:891.63g/モル);メルカプトプロピルイソオクチル-POSS(カタログ番号TH1555;C59H126O12Si8;MW:1284.37g/モル);ポリ(メタクリルプロピルイソオクチル-POSS-コ-メチルメタクリレート)60重量%(カタログ番号PM1275.4-60;(R7O14Si8)60-コ-(C5H8O2)40);ポリ(メタクリルプロピルイソオクチル-POSS-コ-メチルメタクリレート)80重量%(カタログ番号PM1275.4-80;(R7O14Si8)80-コ-(C5H8O2)20);オクタイソブチル-POSS(カタログ番号MS0825;C32H72O12Si8;MW:873.60g/モル);オクタフェニル-POSS(カタログ番号MS0840;C48H40O12Si8;MW:1033.53g/モル);イソオクチル-POSSかご型混合物、95%(カタログ番号MS0805;[Me3CCH2CH(Me)CH2]nTnでn=8;C64H136O12Si8;MW:n=8に基づき1322.46g/モル);エポキシシクロヘキシルシクロヘキシル-POSS(カタログ番号EP0399;C50H90O13Si8;MW:1123.93g/モル);エポキシシクロヘキシルイソブチル-POSS(カタログ番号EP0402;C36H76O13Si8;MW:941.66g/モル);グリシジルシクロヘキシル-POSS(カタログ番号EP0415;C48H88O14Si8;MW:1113.89g/モル);グリシジルイソブチル-POSS(カタログ番号EP0418);C34H74O14Si8;MW:931.63g/モル);トリスグリシジルシクロヘキシル-POSS(カタログ番号EP0421;C66H128O18Si10;MW:1490.57g/モル);及びオクタエポキシシクロヘキシルジメチルシリル-POSS(カタログ番号EP0430;C80H152O28Si16;MW:2011.41g/モル);オクタアミノフェニル-POSS(カタログ番号AM0280;C48H48N8O12Si8;MW:1153.63g/モル);オクタアミノフェニル-POSS(カタログ番号AM0285;C24H72CL8N8O12Si8;MW:1173.18g/モル);及びオクタTMA-POSS(カタログ番号MS0860;C32H96O20Si8.〜60H2O;MW:2218.75g/モル)が含まれる。これらのPOSS分子は、米国カルフォルニア州92708-6117、ファウンテンバレイ、マウントボールデーサークル18237のハイブリッド・プラスチックス社、マヤ・マテリアルズ(Maya Materials)から購入することができる。
【0168】
上述したように、また出典明示によりこれまでに援用された特許及び文献に表されているように、多くの既知のPOSS分子、及びそれらからPOSS化合物及び種々の誘導体及びポリマーを製造するための多くの既知の方法が存在している。しかしながら、一般的に、POSSを製造するための一方法は、次の工程:a)OAが-OH、-OSb(CH)、-OS(CH)、又は-OT1であり、Rがアルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ基、又はここに記載されている他のR基である式Si(OA)の三官能性かご型シルセスキオキサンを提供し;b)式M-Zの化合物と、前記三官能性多面体シルセスキオキサンを反応させて、前記三官能性多面体シルセスキオキサンの隅部をキャッピングし、式Si12(Z)を含有するかご型シルセスキオキサンを形成させることを含む。Mはシラン、シロキサン又は有機金属基あり、Zは塩化物、臭化物又はヨウ化物からなる群から選択される反応性基である。本方法は、含水アセトンにかご型シルセスキオキサンが入った溶液に過塩素酸銀を添加することによって、反応性基Zをアルコールに転換させる工程を含む。米国特許第5484867号を参照のこと。また、POSS分子は、ゲレスト・インク(Gelest, Inc.)から入手可能な、米国カルフォルニア州92697-2025、アーバイン、カルフォルニア大学化学学部、Frank J. Feherの、「Polyhedral Oligosilsesquioxanes and Heterosilsesquioxanes」と題された論文に記載されているようにして製造することもでき、該論文の内容は出典明示によりここに援用される。
【0169】
皮膜形成及び化粧品用組成物
一側面では、本発明は、少なくとも一つのPOSSと少なくとも一つの非POSSシリコーン樹脂を、このように組合されていないシリコーン樹脂を含有する従来の組成物よりも改善された付着性及び/又は柔軟性を提供することが見出された量で含有する組成物に関する。本発明のこの側面の一実施態様では、非POSSシリコーン樹脂はQ又はMQ樹脂である。この側面の他の実施態様では、非POSSシリコーン樹脂はQ又はMQ樹脂であり、POSSはメチル基以外の少なくとも一つの置換基を有する誘導体化されたPOSSであり、特にPOSSはイソオクチル-POSSである。
【0170】
一実施態様では、処方物は、単に、少なくとも一つのPOSSと少なくとも一つの非POSSシリコーン樹脂の組合せを含有する皮膜形成組成物であってもよい。しかしながら、ほとんどの場合、組成物は、化粧品用組成物、例えばリップコート(特にリップスティック又はリップバルム)、ライナー、マスカラ、コンシーラ、瞼又は頬用の紅、ファンデーション、ルージュ又はネイルコート(例えば、ネイルポリッシュ(nail polish)、ネイルエナメル(nail enamel)、ネイルラッカー(nail varnish)、ネイルコンディショナー、爪用染料)で、一又は複数の化粧品用成分を含有する。
【0171】
ここで使用される場合、「付着性(wear)」とは、通常の観察者が裸眼で見た場合、物質のコンシステンシー、被覆性、テクスチャー、及び/又は色調が、適用時と比較して、長時間にわたってさほど変わらないことを意味する。付着性は、ヒトのケラチン物質、例えば皮膚(唇を含む)に組成物を適用し、長時間の後に、組成物のコンシステンシー、テクスチャー及び色調を評価するテストにより評価される。例えば、唇用組成物のコンシステンシー、テクスチャー及び/又は色調を適用直後に評価し、ついでこれらの特徴について、個人が所定時間、唇用組成物を帯着させた後と比較して再評価してもよい。これらの特徴については、他の組成物、例えば商業的に入手可能な組成物、対照体及び標準体に関しても評価してよい。実際、POSS及び非POSS樹脂の組合せを含有しない同一の処方物に対して、改善性が測定され得る。
【0172】
また、皮膜形成組成物用としての本発明の組成物は、驚く程に改善された「柔軟性」を示す。「柔軟性」とは、ここでは「可撓性」と同義語として定義され、破壊や剥離することなく圧力が加えられることに対する皮膜の能力を意味する。柔軟性は、多くの場合、皮膜が形成される基体に組成物を適用することにより評価される。ついで、皮膜に種々の圧力をかけ、標準体又は他の皮膜形成組成物と比較して観察するものである。
【0173】
最終製品がこのようなテストに適していない場合、特定の製品については、組成物の皮膜形成成分のみをテストすることによって、柔軟性の測定がなされることがしばしばある。従って、化粧品用組成物に対して、改善された可撓性は皮膜形成成分だけをテストすることにより測定されうるが、その組成物は、付着性、外観、テクスチャー及び感触等の、組成物の他の側面に影響がありうる「改善された柔軟性」を有すると考えられるであろう。
【0174】
従って、POSS及び非POSSシリコーン樹脂の適切な量を決定すれば、その組合せを付加的な化粧品用成分(以下に論議する)と共に化粧品用組成物に添加することで、「改善された柔軟性」を含有する化粧品用組成物が生成されることが理解されるであろう。
【0175】
「改善された」なる用語は、組成物が、POSS、非POSSシリコーン樹脂、又はそれらの組合せを含有する他の組成物に関して、従来見出されているものよりも、より長時間にわたる付着性及び/又は良好な柔軟性を有しているということを意味する。
【0176】
所望の結果を達成するために、POSS及び非POSSシリコーン樹脂の組合せ量は、全化粧品用組成物の約0.5重量%〜約35重量%とするべきである。さらに、非POSSシリコーン樹脂の量は、常に、処方物に存在するPOSSの量以上にすべきである。例えば、前記POSSと前記シリコーン樹脂の比率は、約1:4〜約1:1とすることができる。特に、比率は約1:3〜約9:11、さらには約3:7〜約2:3である。しかしながら、POSSの量はPOSS/非POSS組合せ物の約20%以下とすべきではなく、これは、殆どの組成物に所望されない粘着質過ぎる混合物に至るためである。
【0177】
上で言及されたパーセンテージ及び比率は、選択されるシリコーン樹脂に応じて変化しうることは、当業者には分かるであろう。先に示したように、これらの化合物の性質は、サブユニットの数や種類、及び選択される官能基に応じて、大きく変化させることができる。さらに、パーセンテージ及び比率は、所望される化粧品、及びそこに含まれる付加的な化粧品用成分に応じて変化する。
【0178】
いくつかの例では、複数のPOSS化合物及び/又は複数の非POSSシリコーン樹脂を、全組成物に含有させることができる。このような例では、単一のPOSSが存在する場合とほぼ同じパーセンテージ及び同じ比率で組合せた量のPOSSを使用することができる。同様に、単一の非POSSシリコーン樹脂が存在する場合とほぼ同じパーセンテージ及び同じ比率で組合せた量のシリコーン樹脂を存在させることができる。もちろん、所望された程度の付着性及び/又は柔軟性が得られる必要がある。
【0179】
化粧品/化粧品用成分
本発明の化粧品用組成物は、しばしば、一又は複数の「化粧品用成分」を含む。これには、単一の付加的な成分、例えば溶媒、界面活性剤、着色料等が含まれる。しかしながら、最も頻繁には、化粧品は、これらの製品に伝統的に見出される化粧品用成分の混合物である。例えば、マスカラの場合、これらの化粧品成分には、水、ミツロウ、オゾケライト、シェラック、ステアリン酸グリセリル、トリエタノールアミン、プロピレングリコール、ステアリン酸、セスキオレイン酸ソルビタン、メチルパラベン、クアテルニウム-15、クアテルニウム-22、シメチコーン、ブチルパラベン、及び酸化鉄、酸化チタン及びウルトラマリンを含む、メイベリン(Maybelline)グレートラッシュ(登録商標)ベリーブラックマスカラの一又は複数の成分が含まれる。これらの化粧品用成分はそれらの常套的な量で使用され、一般的には本発明の化粧品のバランス量を含む。
【0180】
化粧品用成分の量は、化粧品の種類、ここで使用される他の成分の種類や量、使用されるPOSS及び非POSSシリコーン樹脂の量や種類、及び当業者によく知られている他の要因によって、広範囲に変わるであろう。しかしながら一般的には、本発明で有用な化粧品成分の量は、化粧品(POSS/非POSSシリコーン樹脂の組合せ以外全てのもの)のバランス量である。本発明の化粧品用成分の量は、一般的には、全処方物の約65%〜約99.5%である。
【0181】
当業者であれば、付着性及び/又は柔軟性を含む、組成物の所望する性質を損なわないように留意して、化粧品用成分及びそれらの量を選択するであろう。
【0182】
本発明の化粧品用成分には、限定するものではないが、一又は複数の吸収剤、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、抗座瘡剤、制汗剤、固化防止剤、消泡剤、抗菌剤、酸化防止剤、抗フケ剤、収斂剤、バインダー、バッファー、生物学的添加剤、充填剤、担体、キレート剤、カップリング剤、融和剤、コンディショナー、着色料、化粧品用収斂剤、化粧品用殺生物剤、変性剤、薬用収斂剤、洗浄剤、脱臭剤、分散剤、外用鎮痛剤、乳化剤、皮膜形成剤、起泡剤、香料、及び香料成分、毛髪用スタイリング成分、毛髪用保持成分(ムース、スプレー等)、毛髪用コンディショナー、毛髪用着色料、毛髪用成長促進剤、湿潤剤、角質溶解剤、保湿剤、矯正剤、酸化剤、無機及び有機粒子、プラスチック、ポリマー、パーマ用剤、不透明化剤、香水、pH調節剤、顔料、防腐剤、タンパク質、レチノイド、還元剤、捕捉剤、皮膚用脱色剤、皮膚用コンディショニング剤、皮膚用平滑剤、皮膚用鎮痛剤、皮膚用治療剤、柔軟剤、可溶化剤、溶媒、界面活性剤、滑剤、増粘剤、浸透剤、浸透促進剤、鎮痛剤、抗炎症剤、抗生物質、麻酔剤、可塑剤、塩、溶媒、精油、サンスクリーン剤及びUV吸収剤、ビタミン、プロビタミン、植物抽出物、セラミド、及び疑似セラミドが含まれる。使用される個人の手入れ用成分の性質及びそれらの量は、全組成物、ならびにその形態、機能、及びその適用を目的とするケラチン物質に依存するであろう。当然のことながら、製品が液体、軟膏、ローション、スプレー、ゲル、クリーム、リポソーム、マイクロカプセル、エマルション、フォーム、ペースト、パウダー、顆粒、結晶、微小結晶又は他の固形物であるかどうかに応じて、成分は変わるであろう。また成分は、処方物が水性又は非水性、もしくは分散液又は溶液に配されるかにも依存するであろう。
【0183】
また化粧品用成分には、例えばケラチン及びその誘導体、メラニン、コラーゲン、シスチン、キトサン及びその誘導体、ビオチン、少数元素、タンパク質加水分解物、及びリン脂質がさらに含まれる。挙げることができる化粧品用成分の他の例は、脂肪アルコール類、脂肪アルコール類の脂肪酸エステル、アルキル化タンパク質、第4級化タンパク質、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性の界面活性剤、シリコーン類、揮発性シリコーン類、シリコーン油、シリコーンガム、アミノシリコーン類、第4級化シリコーン類、アルキル化シリコーン類、グラフト化シリコーン類、シリコーンエマルション、鉱物性及び植物性油、又は植物性ロウである。化粧品用成分の他の例には、限定するものではないが、パラ-アミノ安息香酸(PABA)、ベンゾフェノン-1、ベンゾフェノン-2、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-6、ベンゾフェノン-8、ベンゾフェノン-12、メトキシシンナマート、エチル-ジヒドロキシプロピル-PABA、グリセリルPABA、ホモサラート、アントラニル酸メチル、オクトクリレン、オクチルジメチルPABA、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、PABA、2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸、トリエタノールアミンサリチラート、3-(4-メチルベンジリデン)ショウノウ、アヴォベンゾン、及び2,6-ジカルボキシナフタレン酸が含まれる。化粧品用成分として使用可能な他の有機化合物には、Candauの米国特許第6509008号に記載されているものが含まれ、その文章の第3欄第54行から第12欄第37行が出典明示によりここに援用される。多くの化粧品用成分は、例えば窒素含有種に結合させることができ、また第4級化させることができ、例えば先に検討されたエピクロロヒドリンを使用し、いくつかの付加的な架橋基を介して、又は直接、POSS又は非POSSシリコーン樹脂に結合させることもできる。
【0184】
本発明の化粧品は、一又は複数の化粧品用成分から構成される「化粧品的に許容可能な媒体」を使用して製造することができる。一般的に、これらは、POSS/非POSS混合物により付与される改善された付着性及び可撓性に干渉しない量の、脂肪相、場合によっては有機溶媒、及び場合によっては水、又は他の溶媒から構成される。
【0185】
脂肪相は、室温(一般的には25℃)で液状の脂肪物質、及び/又は室温で固体状の脂肪物質、例えばロウ、ガム及びペースト状脂肪物質、及びそれらの混合物から調製されうる。
【0186】
本発明で使用され、多くの場合は油と呼ばれる室温で液状の脂肪物質として、シリコーン油、鉱物性、動物性、植物性又は合成由来の炭化水素ベース油の単独物又は混合物を挙げることができ、それらは均質で安定した混合物の形態をしており、意図した使用に適合性がある。
【0187】
化粧品的に許容可能な媒体は、好ましくは揮発性及び/又は非揮発性シリコーン油を含有する。
【0188】
挙げることのできる非揮発性シリコーン油は、フェニル化されていてもよいポリジメチルシロキサン(PDMSs)、例えばフェニルトリメチコーン類、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン類、ジフェニルメチルジメチルトリシロキサン類、ジフェニルジメチコーン類、フェニルジメチコーン類、及びポリメチルフェニルシロキサン類で、脂肪族及び/又は芳香族基で置換されていてもよく、又はフッ化していてもよいもの;脂肪酸、脂肪アルコール類、又はポリオキシアルキレン類で変性したポリシロキサン類、フルオロシリコーン類、及びペルフルオロシリコーン油、及びそれらの混合物である。
【0189】
有用な非揮発性シリコーン油としては、ポリジメチルシロキサン類、ポリメチルフェニルシロキサン類、ポリオキシアルキレンブロック又はグラフト、特にポリオキシエチレン又はコポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)ブロック又はグラフトを有するシリコーン類、例えばジメチコーンコポリオール類、疎水性炭化水素ベース基(例えば、C-C30アルキル基)とポリオキシエチレン化又はコポリ(オキシエチレン化/オキシプロピレン化)ブロック又はグラフトの双方を担持するシリコーン類、例えばアルキルジメチコーンコポリオール類、フルオロ又はペルフルオロ基を担持するシリコーン類、例えばペルフルオロアルキルポリジメチルシロキサン類、及びペルフルオロアルキルポリメチルフェニルシロキサン類、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0190】
室温で揮発性の一又は複数の油を使用してもよい。これらの揮発性油により、皮膚、唇及び体表面成長部への適用が容易になる。
【0191】
「揮発性油」なる用語は、皮膚又は唇の温度で蒸発可能であり、室温、大気圧で0ではない蒸気圧、特に0.13〜4.0x10Pa(10−3〜300mmHg)の範囲、さらには40Pa(0.3mmHg)を越える蒸気圧を有する油を意味する。
【0192】
これらの油は、シリコーン鎖の末端に、又はペンダントして、アルキル又はアルコキシ基を場合によっては有するシリコーン油であってよい。
【0193】
本発明で使用され得る揮発性シリコーン油としては、室温、大気圧で8mm/s(8cSt)未満の粘度を有し、特に2〜7のケイ素原子を有する直鎖状又は環状のシリコーン類を挙げることができる。特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、及びヘプタメチルオクチルトリシロキサン、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0194】
好ましくは、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、及びデカメチルテトラシロキサン、及びそれらの混合物から特に選択される、少なくとも一つの揮発性シリコーン油が使用されてもよい。
【0195】
化粧品的に許容可能な媒体は、例えば炭化水素ベース油等の、一又は複数の非シリコーン性の油をさらに含有していてもよい。
【0196】
「炭化水素ベース油」なる用語は、主として炭素及び水素原子、特にアルキル又はアルケニル鎖、例えばアルカン類又はアルケン類を有する油、並びに水素及び炭素原子ばかりでなく、エーテル、エステル、アルコール又はカルボン酸官能基の形態で酸素原子も有する油を意味する。
【0197】
炭化水素ベース油としては、例えば流動パラフィン又は流動ワセリン、ミンク油、タートル油、大豆油、ペルヒドロスクワレン、スイートアルモンド油、美葉油(beauty-leaf oil)、パーム油、グレープピップ油、ゴマ油、コーン油、パーリーム油(parleam oil)、アララ油(arara oil)、菜種油、ヒマワリ油、綿実油、アプリコット油、ヒマシ油、アボカド油、ホホバ油、オリブ油、又は穀物胚芽油;ラノリン酸、オレイン酸、ラウリン酸又はステアリン酸のエステル;脂肪エステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、2-エチルヘキシルパルミタート、2-ヘキシルデシルラウラート、2-オクチルデシルパルミタート、2-オクチルドデシルミリスタート又はラクタート、ビス(2-エチルヘキシル)スクシナート、リンゴ酸ジイソステアリル、及びトリイソステアリン酸グリセリル又はジグリセリル;少なくとも12の炭素原子を有する高級脂肪アルコール類、例えばステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、イソステアリルアルコール又はオクチルドデカノールを挙げることができる。
【0198】
本発明の目的において、ロウは、室温(約25℃)で固体状であり、可逆的な固体/液体の状態変化を受け、約40℃を超え、200℃までであってよい融点を有し、固体状態で異方性結晶組織を有する親油性化合物である。一般的に、ロウ結晶の大きさは、結晶が光を散乱及び/又は拡散し、それらを含有する組成物に不透明で曇った外観を付与する程度である。ロウをその融点にすることにより、油と混和し、顕微鏡的に均質な混合物を形成させることができるが、混合物の温度を室温まで戻すと、混合物の油中のロウが再結晶化して、顕微鏡的にも肉眼でも検出されるようになる(乳白色)。
【0199】
本発明で使用され得るロウの例としては、動物由来のロウ、例えばミツロウ、鯨ロウ、ラノリンロウ、及びラノリン誘導体;植物性ロウ、例えばカルナウバロウ、キャンデリラロウ、オーリクリーロウ、モクロウ、ココアバター、コルク繊維ロウ、及びサトウキビロウ;鉱物性ロウ、例えばパラフィンロウ、ワセリンロウ、亜炭ワックス、マイクロクリスタリンワックス、又はオゾケライト;ポリエチレンロウ、ポリテトラフルオロエチレンロウ、及びフィッシャートロプシュ合成法により得られるロウを含む合成ロウ、又はシリコーンロウ、25℃で固体状の水素化油、例えば硬化ヒマシ油、水素化ホホバ油、水素化パーム油、水素化獣脂、及び水素化ココナツ油、及び25℃で固体状の脂肪エステル、例えばコスター・コイネン社(Koster Keunen)からケスター(Kester)ロウK82Hの商品名で販売されているステアリン酸C20-C40アルキルを挙げることができる。
【0200】
ガム類は、一般的に高分子量のポリジメチルシロキサン類(PDMSs)であり、ペースト状物質は一般的に炭化水素ベース化合物、例えばラノリン類及びそれらの誘導体、又はPDMSsである。
【0201】
本発明の化粧品用組成物は、一又は複数の化粧品的に許容可能な(許容可能な耐性、毒性及び感触の)有機溶媒を含有してよい。これらの有機溶媒は、親水性の有機溶媒、脂質親和性の有機溶媒、及び両親媒性の溶媒、及びそれらの混合物から選択されてよい。
【0202】
挙げることのできる親水性有機溶媒は、例えば直鎖状又は分枝状で1〜8の炭素原子を有する低級モノアルコール類、特にエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール;アセトン;6〜80のエチレンオキシ単位を有するポリエチレングリコール;ポリオール類、例えばプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール又はソルビトール;エステル、例えばエチルアセタート及びメチルアセタート、モノ-又はジアルキルイソソルバイト類で、アルキル基が1〜5の炭素原子を有するもの、例えばジメチルイソソルバイト;例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル又はモノエチルエーテル及びプロピレングリコールエーテル、例えばジプロピレングリコールメチルエーテルである。
【0203】
挙げることのできる他の有機溶媒には、ポリオール類、例えばポリプロピレングリコール(PPG)誘導体、特に脂肪酸のポリプロピレングリコールエステル、及び脂肪アルコール類のPPGエーテル、特にPPG-36オレアート及びPPG-23オレイルエーテルが含まれる。
【0204】
挙げることのできる脂質親和性有機溶媒には、例えば炭化水素、特にヘキサン、ヘプタン、及びオクタン;脂肪エステル、例えばアジピン酸ジイソプロピル及びアジピン酸ジオクチル;安息香酸アルキル;及びリンゴ酸ジオクチルが含まれる。
【0205】
さらにフィラーを使用してもよく、これらには、無機及び有機で、ラメラ状又は球形のフィラーが含まれる。タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ナイロン(登録商標)(アトケム社(Atochem)のオルガゾール(Orgasol)(登録商標))パウダー、ポリアラニンパウダー、及びポリエチレンパウダー、テフロン(登録商標)、ラウロイルリジン、デンプン、窒化ホウ素、中空のミクロスフェア、例えばエクスパンセル(Expancel(登録商標))(ノーベルインダストリー社(Nobel Industry))、ポリトラップ(登録商標)(ダウ・コーニング社)及びシリコーン樹脂のマイクロビーズ(例えば東芝(Toshiba)のトスパール(Tospearls(登録商標))、沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカのミクロスフィア(マプレコス社(Maprecos)のシリカビーズ)、ガラス又はセラミックのマイクロカプセル、8〜22の炭素原子、好ましくは12〜18の炭素原子を有する有機カルボン酸から誘導される金属石鹸、例えば亜鉛、マグネシウム又はリチウムのステアラート、ラウリン酸亜鉛又はミリスチン酸マグネシウムを挙げることができる。
【0206】
本発明の化粧品用組成物に有用な「着色料」又は「着色剤」には、例えば、真珠光沢顔料を含む顔料、固体状粒子(例えば光沢片)及び脂溶性着色料が含まれる。顔料は、白色又は有色で、無機物及び/又は有機物であってよい。挙げることのできる無機顔料は、表面処理されていてもよい二酸化チタン、酸化ジルコニウム、又は酸化セリウム、及び酸化鉄又は酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、水和クロム、及びフェリックブルーである。挙げることのできる有機顔料は、カーボンブラック、D&C型の顔料、コチニールカルミン、又はバリウム、ストロンチウム、カルシウム又はアルミニウムをベースにしたレーキ類である。
【0207】
真珠光沢顔料を使用してもよく、白色の真珠光沢顔料、例えば酸化チタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、有色の真珠光沢顔料、例えば酸化鉄を有するチタンマイカ、特にフェリックブルー又は酸化クロムを有するチタンマイカ、上述したタイプの有機顔料を有するチタンマイカ、及びオキシ塩化ビスマスをベースにした真珠光沢顔料から選択されてよい。
【0208】
脂溶性着色料を使用してもよく、例えばスーダンレッド(Sudan Red)、DCレッド17、DCグリーン6、β-カロテン、DCイエロー11、又はDCバイオレット2が含まれる。それらは組成物の重量に対して、0.01%〜20%、好ましくは0.1%〜6%であってよい。
【0209】
本発明の化粧品用組成物の一例はネイルラッカーである。ネイルラッカーはニトロセルロース、セルロースアセトプロピオナート類、及びセルロースエステルを含んでいてよい。アセトプロピオナート類は、組成物に存在するセルロースエステル及びニトロセルロースの全重量に対して、10重量%〜80重量%の範囲の量で存在してよい。本発明の他の実施態様では、セルロースアセトプロピオナート類は、組成物に存在するセルロースエステル及びニトロセルロースの全重量に対して、12.5重量%〜75重量%の範囲の量で、ネイルラッカー組成物に存在可能である。
【0210】
ニトロセルロースは、組成物の全重量に対して1.5〜35重量%の範囲の量で、ネイルラッカー組成物に存在可能である。他の実施態様において、ニトロセルロースは、組成物の全重量に対して8重量%〜20重量%の範囲の量で組成物に存在可能である。本発明で有用なニトロセルロース及びセルロースエステルは、Raminの米国特許第6333025号において特定されており、その明細書は出典明示によりここに援用する。
【0211】
本発明の他の実施態様では、ネイルラッカー皮膜の化粧品的又は物理化学的性質を少なくとも改善させるため、ニトロセルロース及びセルロースエステルに加えて少なくとも一つの皮膜形成ポリマーを、組成物に含有せしめる。
【0212】
本発明のさらなる他の実施態様では、付加的な皮膜形成ポリマーは、ニトロセルロース及びセルロースエステルの全重量に対して、50重量%までの量でネイルラッカー組成物に存在可能であり、好ましくは40重量%未満の量で存在する。本発明のさらなる他の実施態様において、付加的な皮膜形成ポリマーの量は、ニトロセルロース及びセルロースエステルの全重量に対して、1重量%〜15重量%の範囲である。これらの皮膜形成ポリマーは、POSS及び非POSSシリコーン樹脂の混合物に加えられる。
【0213】
ネイルラッカー組成物のための溶媒は、少なくとも一つの有機溶媒を含有可能で、具体例には:
室温で液状のケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン及びアセトン;
室温で液状のアルコール類、例えばエタノール、イソプロパノール、ジアセトンアルコール、2-ブトキシエタノール、及びシクロヘキサノール;
室温で液状のグリコール類、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、及びグリセロール;
室温で液状のプロピレングリコールエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、及びジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル;
短鎖エステル(全体で3〜8の炭素原子を有する)、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、n-ブチルアセタート、及び酢酸イソペンチル;
室温で液状のエーテル、例えばジエチルエーテル、ジメチルエーテル、及びジクロロジエチルエーテル;
室温で液状のアルカン類、例えばデカン、ヘプタン、ドデカン及びシクロヘキサン;
室温で液状の芳香族環状化合物、例えばトルエン及びキシレン;
室温で液状のアルデヒド類、例えばベンズアルデヒド及びアセトアルデヒド、及びそれらの混合物;
が含まれる。
【0214】
本発明のネイルラッカー組成物は、組成物の全重量に対して90重量%までの範囲の量で、水分をさらに含有可能である。
【0215】
本発明のネイルラッカー組成物は、少なくとも一つの可塑剤をさらに含有していてもよい。本発明での使用に適した可塑剤の例には、単独で又は混合物として:
グリコール類及びその誘導体、例えばジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールヘキシルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、及びエチレングリコールヘキシルエーテル;
グリセロールエステル;
プロピレングリコール誘導体、特にプロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールジアセタート、ジプロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールブチルエーテル;
酸エステル、特にカルボン酸エステル、例えばシタラート、フタラート、アジパート、カルボナート、タータラート、ホスファート、及びセバサート;
オキシエチレン化誘導体、特にオキシエチレン化油、例えばヒマシ油等の植物性油;
及びそれらの混合物;
が含まれる。
【0216】
ネイルラッカーは、化粧品的に許容可能な性質を有する組成物を得るために、当業者が自身の知識に基づいて選択可能な、所定量の可塑剤をさらに含有することができる。組成物に存在する可塑剤の量は、組成物の全重量に対して、例えば0.5重量%〜20重量%の範囲とすることができる。本発明の一実施態様では、可塑剤の量は、組成物の全重量に対して2重量%〜10重量%の範囲である。
【0217】
組成物に存在する着色料、例えば染料は、粉状化合物、及び組成物の溶媒体に溶解する染料から選択され、その量は、400〜800nmの範囲の可視光線の色調にバーニッシュを着色するのに十分な量とされ、例えば組成物の全重量に対して0.001重量%〜10重量%の範囲の含有量である。微粉化合物は、ネイルラッカーに通常使用されている顔料、真珠母、及び光沢片から選択可能である。
【0218】
光沢片は、アクリル、ポリエステル及びポリエチレンテレフタラート、及びアルミニウムから作製されたものから選択することができる。
【0219】
染料は、例えばスーダンレッド、DCレッド17、DCグリーン6、α-カロテン、大豆油、スーダンブラウン(Sudan Brown)、DCイエロー11、DCバイオレット2、DCオレンジ5、及びカネローニイエローとすることができる。
【0220】
本発明のネイルラッカー組成物は、例えばニトロセルロース、よって組成物の黄変効果を低減させるために、場合によっては蛍光増白剤をさらに含有することが可能であり、本発明の目的において、この増白剤は染料とは見なされない。使用可能な一増白剤はアリズロールパープル(alizurol purple)の一ナトリウム塩であり;この増白剤は組成物の全重量に対して10−7重量%〜10−4重量%の範囲の量で本発明の組成物に存在可能である。
【0221】
本発明のネイルラッカー組成物は、染色用組成物に導入可能であり、当業者に公知の任意の化粧品用成分をさらに含有することができる。このような成分には、増粘剤、展着剤、湿潤剤、分散剤、消泡剤、保存剤、UV遮蔽剤、活性剤、界面活性剤、保湿剤、香料、中和剤、安定剤、及び酸化防止剤が含まれる。言うまでもなく、当業者であれば、POSS/非POSS組成の有利な性質が、添加される成分によって悪影響を受けないか、又は実質的に受けないように留意して、一又は複数の任意の化粧品用成分及び/又はその量を選択するであろう。本発明の一実施態様において、組成物はシリコーン乾燥剤を含有しないか、実質的に含有しない。さらに、その文章が参照として導入される、米国特許第6372201号、Leuridanらを参照。任意のネイルポリッシュに使用されるPOSSの量は変えてもよい。しかしながら、好ましくは、前記量は、約0.005〜約40%w/wの範囲である。より好ましくは約0.05〜約25%(w/w)である。さらに好ましくは、約0.1〜約20%(w/w)である。これらと同量を、ポリッシュ又はエナメル等の他の爪用製品、実際に最も多くは個人的な手入れ用製品に使用してもよい。
【0222】
実際、POSS/非POSS混合物は、米国特許第6333025号のネイルラッカー組成物、及び任意の他の公知のネイルポリッシュ、ラッカー又はエナメルに含有されている。本発明で使用され得るネイルエナメルには、米国特許第6555096号に開示されているものが含まれる。
【0223】
本発明の化粧品用組成物の他の例はネイルエナメルである。ネイルエナメルは、典型的には、有機溶媒又は該溶媒の混合物に、皮膜形成成分、可塑成分及び着色料を含有せしめてなる。もちろん、皮膜形成成分はPOSS/非POSSシリコーン樹脂とすることができ、付加的な物質を有さない。一般的に、爪への良好な展伸性を可能にするため、組成物を増粘させるように作用し得るチキソトロピー剤をさらに含有する。チキソトロピー剤は、着色料を懸濁させるようにも作用し得る。
【0224】
従来技術で使用されている典型的なチキソトロピー剤はベントナイトクレーである。特に芳香族有機溶媒により、これらのクレーが膨張し、よって良好なチキソトロピー性を有するゲルが提供される、すなわち、単に攪拌することにより、ゲル化した状態から液体の状態にさせることが可能で、そのままにしておくと、液体からゲルになることが可能な組成物が提供される。よって、このようなゲルを含有する組成物は、長時間経過しても、沈殿や分離を生じることなく、比較的良好な分散安定性を示す。さらに、このような組成物は、多くの場合、長期の保管後に他の組成物では必要とされる激しい振揺の必要がない。変性ウレタン類から作製される尿素変性したチキソトロピー剤は、その内容が出典明示によりここに援用されるCarrionの米国特許第6555096号に開示されている。
【0225】
ネイルエナメル組成物は、ジアセトンアルコール、及びC-C酢酸アルキル及びC-Cアルキルアルコール類から選択される少なくとも一つの付加的な溶媒を含む化粧品的に許容可能な溶媒系;少なくとも一つの皮膜形成物質;及び少なくとも一つのチキソトロピー剤を、好ましくは含有する。本発明のネイルエナメル組成物は、バーニッシュで記載したような、可塑剤、及び場合によっては着色剤をさらに含有してよい。
【0226】
本発明のネイルエナメル組成物は、少なくとも一つの尿素変性したチキソトロピー剤と共に使用される、少なくとも一つの付加的なチキソトロピー剤を含有してよい。このような付加的なチキソトロピー剤が存在する場合、組成物は、組成物の重量に対して約0.10〜約0.30%の少なくとも一つの尿素変性したチキソトロピー剤、及び約1.0%までの付加的なチキソトロピー剤を含有してよい。付加的なチキソトロピー剤(類)は、従来からのシリカ、及びベントナイトクレー剤から選択され得る。所望するならば、尿素変性した薬剤の代わりに、これらの付加的なチキソトロピー剤を使用することもできる。
【0227】
本発明で有用な皮膜形成物質(POSS/非POSS樹脂以外)には、限定するものではないが、ニトロセルロース、他のセルロース誘導体、例えば酢酸セルロース、セルロースアセタートブチラート、及びエチルセルロース;ポリエステル;樹脂、例えばポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、及びポリビニル樹脂、例えばポリビニルアセタート、ポリビニルクロリド、ポリビニルブチラート;(メタ)アクリル酸及びビニルコポリマー、例えばスチレン/ブタジエンコポリマー、アクリレート/酢酸ビニルコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、及びエチレン/酢酸ビニルコポリマーが含まれる。
【0228】
一実施態様では、第1の皮膜形成剤は、摩擦に対して耐性があり、硬度を付与することが知られているニトロセルロースであってよい。第2の皮膜形成物質が存在する場合、この第2の皮膜形成物質は、例えばセルロースアセタートブチラート及びアクリレートから選択され得る。一実施態様では、皮膜形成物質は、組成物の重量に対して約5重量%〜約20重量%、例えば約10重量%〜約14重量%の量で存在してよい。第1の皮膜形成剤に適した改良剤には、アリールスルホンアミド樹脂、例えばアリールスルホンアミドホルムアルデヒド又はエポキシ樹脂が含まれる。
【0229】
POSS/非POSS組成を含有する本明細書のネイルエナメル組成物は、少なくとも一つの可塑剤をさらに含有していてもよい。本明細書のネイルエナメル組成物に有用な可塑剤には、ネイルラッカー組成物に通常使用されている可塑剤が含まれる。これらの可塑剤には、限定するものではないが、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸トリクレシル、フタル酸ブチル、ジブトキシエチルフタラート、ジアミルフタラート、トシルアミド、N-エチル-トシルアミド、スクロースアセタートイソブチラート、ショウノウ、ヒマシ油、クエン酸エステル、グリセリルジエステル、グリセリルトリエステル、リン酸トリブチル、トリ-フェニルホスファート、グリコール酸ブチル、安息香酸ベンジル、ブチルアセチルリシノレアート、ステアリン酸ブチル、及び酒石酸ジブチルが含まれる。一実施態様において、本発明で使用される可塑剤は、アセチルトリブチルシタラートとN-エチルトシルアミドの混合物であってよい。可塑剤は、組成物の重量に対して、例えば約3重量%〜約12重量%の量で存在していてよい。
【0230】
本発明のネイルエナメル用の溶媒には、ジアセトンアルコール、及びC-C酢酸アルキル及びC-Cアルキルアルコール類から選択される少なくとも一つの付加的な溶媒が含まれる。一実施態様において、C-C酢酸アルキルは、酢酸エチル、酢酸プロピル、及び酢酸ブチルから選択される。他の実施態様において、C-Cアルキルアルコール類は、エタノール、イソプロパノール、及びブタノールから選択される。本発明の溶媒系と共に使用可能な他の化粧品的に許容可能な有機溶媒には、限定するものではないが、トルエン;キシレン;ケトン類、例えばアセトン又はメチルエチルケトン;グリコールエーテル;アルカン類、例えばヘキサン又はヘプタン;-メチルピロリドン;及び乳酸アルキルが含まれる。任意の付加的な溶媒を含む本発明の溶媒系は、組成物の重量に対して、一実施態様では約40重量%〜約80重量%、他の実施態様では約65重量%〜約78重量%の量で存在し得る。
【0231】
本発明のネイルエナメル組成物は、少なくとも一つの着色剤をさらに含有してよい。従来からの着色剤を使用することができ、具体例には、無機顔料、例えば二酸化チタン、酸化鉄、チタン酸マイカ、酸化鉄で被覆されたマイカ、ウルトラマリン、酸化クロム、水酸化クロム、マンガンバイオレット、オキシ塩化ビスマス、グアニン、及びアルミニウム;真珠光沢物質;及び有機着色剤、例えばフェリックアンモニウムフェロシアニド(ferric ammonium ferrocyanide)、及びD&Cレッド6、7、34;ブルー1;バイオレット2;及びイエロー5が含まれる。
【0232】
着色料には一又は複数の顔料が含まれる。これらの顔料は、白色又は有色で、無機物又は有機物であってよい。無機顔料の具体例には、表面処理されていてもよい二酸化チタン、酸化ジルコニウム、及び酸化セリウム、並びに酸化鉄及び酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、水和クロム、及びフェリックブルー、及びメタリック顔料、例えばアルミニウム及びブロンズが含まれる。有機顔料の例には、カーボンブラック、D&C型の顔料、及びグアニン、アルミニウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、コチニールカルミンをベースにしたレーキ類が含まれる。
【0233】
真珠光沢顔料は、白色の真珠光沢顔料、例えばチタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、有色の真珠光沢顔料、例えば酸化鉄、フェリックブルー、酸化クロム、又は上述したタイプの有機顔料を有するチタンマイカ、並びにオキシ塩化ビスマスをベースにした真珠光沢顔料から選択することができる。
【0234】
無機顔料は、移動又は条線形成を防止するため、慣習的に表面処理されていてもよい。シリコーン類及びポリエチレン類は、多くの場合、無機顔料用のコーティング剤として使用され、よって本発明でも使用されてよい。また着色物質は、ネイル組成物において、マイカ又はダイアモンドのパウダー又はチップを含んでもよい。有用なのは、2トーン色調効果を生じさせる特殊物質、例えば液晶シリコーン、又は多層金属微粒子であり、広範囲のきらびやかな色調のスペクトルを得、視感反射率を高めるために、一般的に顔料又は染料と混合することができる。このような物質は、例えば米国特許第3438796号;同第4410570号;同第4434010号;同第4838648号;同第4930866号;同第5171363号;同第5364467号;同第5569535号;同第5607904号;同第5624486号;同第5658976号;同第5688494号;同第5766335号;N. Hatberleら, 「Right and Left Circular Polarizing Colorfilter made from Crosslinkable Cholesteric LC-Silicones」、1991年ディスプレイ研究国際会議(International Display Research Conference(IEEE))の会議記録、57-59頁;R. Maurerら, 「Polarizing Color Filters made from Cholesteric LC-Silicones」、SID 90ダイジェスト(1990)、110-113頁;H. -J. Eberleら, 「Inverse Angle Dependence of the Reflection Colours of Cholesteric Polymeric Liquid Crystals Mixed with Pigments」、Liquid Crystals、5(3)、(1989)、907-916頁;J. Pinslら, 「Liquid Crystalline Polysiloxanes for Optical Once-Write Storage」、J. Molec. Electr. Vol. 3(1987)、9-13頁;及びD. Makow, 「Reflection and Transmission of Polymer Liquid-Crystal Coatings and their Application to Decorative Arts and Stained Glass」、Color Res. Applic. Vol.11、No.3、(1986)、205-208頁に記載されており、その全てが出典明示によりここに援用される。
【0235】
一実施態様では、着色料は、組成物の全重量に対して約5重量%までの量で、ネイルエナメル組成物に存在してよい。他の実施態様では、着色料は2重量%〜3重量%の量で存在している。
【0236】
ネイルケア用製品のための組成物に特に有用なPOSS分子には、限定するものではないが:
メルカプトプロピルイソオクチル-POSS(TH1555)
エポキシドPOSS:
エポキシシクロヘキシルシクロヘキシル-POSS(EP0399)
エポキシシクロヘキシルシクロペンチル-POSS(EP0400)
エポキシシクロヘキシルイソブチル-POSS(EP0402)
エポキシシクロヘキシル-POSSかご型混合物(EP0408)
グリシジルイソオクチル-POSS(EP0419)
オクタグリシジルジメチルシリル-POSS(EP0435)、等
が含まれる。
【0237】
付着性及び/又は柔軟性において所望の改善性を生じさせ得る、多くの特定の処方物が存在する。これらの処方物の例には、限定するものではないが次のものが含まれる。
【実施例】
【0238】
実施例1
リップペイントスティックベースコート
リップペイントスティックベースコートである実施例A、B及びCを、次の成分を混合することにより調製した:
【表1】

【0239】
実施例2
シリコーンタイプのリップスティックであるA−Fを、次の処方に従い調製した:
【表2】

【0240】
実施例3
上述した実施例2の処方物AとBの比較:処方物Aを唇に適用した後のリップスティックの皮膜は脆弱で容易に剥離したが、処方物Bを唇に適用した後のリップスティックの皮膜は、可撓性があり、8時間にわたって持続した。
【0241】
実施例4
長時間持続するファンデーション
【表3】

【0242】
実施例5
長時間持続するマスカラ
【表4】

【0243】
実施例6
長時間持続する液状アイライナー
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
かご型シルセスキオキサンと非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂とを含有し、前記非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂が、シロキシシリケート又はポリシロキサンからなる群から選択され、かご型シルセスキオキサンと非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂の比率が、約1:4〜約1:1の範囲とすることができる皮膜形成組成物。
【請求項2】
前記シロキシシリケートが式[R-Si-O]x-(SiO4/2)yを有し、ここでx及びyは約50〜80の範囲であり、前記ポリシロキサンが式[R-Si-O]-(RSiO)x-[Si-R]を有し、ここでxは少なくとも2000であり、シロキシシリケート及びポリシロキサンに対して、前記R基が、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシシラン、アミン、クロロシラン、エポキシド、エステル、ハロゲン化物、メタクリレート、分子状シリカ、ニトリル、ノルボレン、オレフィン、ホスフィン、シラン、シラノール、スチレンポリマー、又はポリオレフィン基である、請求項1に記載の皮膜形成組成物。
【請求項3】
かご型シルセスキオキサンと非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂の比率が、約1:3〜約9:11の範囲とすることができる、請求項1に記載の皮膜形成組成物。
【請求項4】
前記かご型シルセスキオキサンがイソオクチルかご型シルセスキオキサンであり、前記非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂がジメチコーンである、請求項1に記載の皮膜形成組成物。
【請求項5】
前記かご型シルセスキオキサンが、水素、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、イソオクチル、フェニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、-OSi(CH)-CH-CH-(CF)CF、-(CH)SH、N(CH)、O(CH)、-OH、-(CH)[ここでnが0〜30であり、Xが対イオンである]、
【化1】

からなる群から選択される少なくとも一つのR基を有する少なくとも一つのM、D又はTサブユニットを含む、請求項1に記載の皮膜形成組成物。
【請求項6】
複数のSiサブユニットから形成される三次元かご型構造を有し、該サブユニットの少なくとも一つが少なくとも一つのR基を有するかご型シルセスキオキサンと、非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂の組合せを含み、但し、前記非かご型シルセスキオキサンがポリメチルシルセスキオキサンであるならば、前記かご型シルセスキオキサンは、8以外のSiサブユニットを有するか、又はかご型シルセスキオキサンのR基の少なくとも一つがメチル基以外であるか、又は前記かご型シルセスキオキサンが不完全なかご型構造を有する、皮膜形成組成物。
【請求項7】
かご型シルセスキオキサンと非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂の比率が、約1:4〜約1:1の範囲である、請求項6に記載の皮膜形成組成物。
【請求項8】
かご型シルセスキオキサンと非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂の比率が、約1:3〜約9:11の範囲である、請求項6に記載の皮膜形成組成物。
【請求項9】
複数のSiサブユニットから形成され、該サブユニットの少なくとも一つが一又は複数のR基を有するかご型シルセスキオキサン、非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂、溶媒、着色料、及び少なくとも一つの付加的な化粧品用成分を含有し、かご型シルセスキオキサンと非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂の組合せ量が、化粧品用組成物の約.5重量%〜約35重量%の範囲である化粧品用組成物。
【請求項10】
前記シリコーン樹脂がポリメチルシルセスキオキサンであるならば、前記かご型シルセスキオキサンは、8以外のSiサブユニットを有するか、又は前記R基の少なくとも一つがメチル基以外であるか、又は前記かご型シルセスキオキサンが不完全なかご型構造を有する、請求項9に記載の化粧品用組成物。
【請求項11】
かご型シルセスキオキサンと非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂の比率が、約1:4〜約1:1の範囲である、請求項9に記載の化粧品用組成物。
【請求項12】
かご型シルセスキオキサンと非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂の比率が、約1:3〜約9:11の範囲である、請求項11に記載の化粧品用組成物。
【請求項13】
前記非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂がQ樹脂である、請求項9又は10に記載の化粧品用組成物。
【請求項14】
前記非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂が、シロキシシリケート又はポリシロキサンからなる群から選択され、前記シロキシシリケートが式[R-Si-O]x-(SiO4/2)yを有し、ここでx及びyは約50〜80の範囲であり、前記ポリシロキサンが式[R-Si-O]-(RSiO)x-[Si-R]を有し、ここでxは少なくとも2000であり、シロキシシリケート及びポリシロキサンに対して、前記R及びRは、同一でも異なっていてもよく、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシシラン、アミン、クロロシラン、エポキシド、エステル、ハロゲン化物、メタクリレート、分子状シリカ、ニトリル、ノルボレン、オレフィン、ホスフィン、シラン、シラノール、スチレンポリマー、又はポリオレフィン基である、請求項13に記載の化粧品用組成物。
【請求項15】
前記非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂がジメチコーンである、請求項13に記載の化粧品用組成物。
【請求項16】
前記非かご型シルセスキオキサンシリコーン樹脂がトリメチルシロキシシリケートである、請求項13に記載の化粧品用組成物。
【請求項17】
前記かご型シルセスキオキサンがイソオクチルかご型シルセスキオキサンである、請求項13に記載の化粧品用組成物。
【請求項18】
ファンデーション、マスカラ、アイライナー、コンシーラ、リップコート、ほお紅、ボディ用メークアップ用品、及びネイルコートである、請求項13に記載の化粧品用組成物。
【請求項19】
前記付加的な化粧品用成分が、吸収剤、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、抗座瘡剤、固化防止剤、消泡剤、抗菌剤、酸化防止剤、収斂剤、バインダー、脱色剤、バッファー、生物学的添加剤、充填剤、担体、キレート剤、カップリング剤、融和剤、コンディショナー、着色料、化粧品用収斂剤、化粧品用殺生物剤、変性剤、薬用収斂剤、洗浄剤、脱臭剤、分散剤、外用鎮痛剤、乳化剤、皮膜形成剤、起泡剤、香料、及び香料成分、湿潤剤、角質溶解剤、保湿剤、矯正剤、酸化剤、無機及び有機粒子、プラスチック、ポリマー、不透明化剤、香水、pH調節剤、防腐剤、タンパク質、レチノイド、還元剤、捕捉剤、皮膚用脱色剤、皮膚用コンディショニング剤、皮膚用平滑剤、皮膚用鎮痛剤、皮膚用治療剤、柔軟剤、可溶化剤、界面活性剤、滑剤、増粘剤、浸透剤、浸透促進剤、鎮痛剤、抗炎症剤、抗生物質、麻酔剤、可塑剤、塩、溶媒、精油、サンスクリーン剤及びUV吸収剤、ビタミン、プロビタミン、植物抽出物、セラミド、又は疑似セラミドである、請求項13に記載の化粧品用組成物。
【請求項20】
液体、固形物、クリーム、軟膏、溶液、ゲル、ムース、スティック、スプレー、パウダー、エマルション又は分散液の形態で提供される、請求項13に記載の化粧品用組成物。
【請求項21】
イソオクチルかご型シルセスキオキサンとシロキシシリケートと溶媒と及び着色料を含有し、前記イソオクチルかご型シルセスキオキサンと前記シロキシシリケートの比率が約1:3〜約9:11を含み、前記イソオクチルかご型シルセスキオキサンと前記シロキシシリケートの組合せ量が、化粧品用組成物の約.5重量%〜約35重量%を占める化粧品用組成物。

【公表番号】特表2008−512498(P2008−512498A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531443(P2007−531443)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/032502
【国際公開番号】WO2006/031781
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】