説明

改善された安定性を有する(Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−ブタ−2−エン酸−(4’−トリフルオロメチルフェニル)−アミド錠製剤

本発明は、(Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−ブタ−2−エン酸−(4'−トリフルオロメチルフェニル)−アミドを含んでなる医薬組成物、及びその製造方法、自己免疫疾患、特に全身性エリテマトーデス又は慢性移植片対宿主病、多発性硬化症又は関節リウマチを患っている被験者を治療するためのこのような組成物の使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にテリフルノミドとして知られている(Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−ブタ−2−エン酸−(4'−トリフルオロメチルフェニル)−アミドを含んでなる医薬組成物、及びその製造方法、自己免疫疾患、特に全身性エリテマトーデス又は慢性移植片対宿主病又は多発性硬化症又は関節リウマチを患っている被験者を治療するためのこのような組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−ブタ−2−エン酸−(4'−トリフルオロメチルフェニル)−アミド(テリフルノミド)は、式I:
【化1】

に示された構造を有する。
【0003】
慢性移植片対宿主病の治療における(Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−ブタ−2−エン酸−(4'−トリフルオロメチルフェニル)−アミド(テリフルノミド、式I)の使用は、1990年10月23日に発行された特許文献1に開示されている。1997年10月21日に発行された特許文献2、及び1997年10月21日に発行された特許文献3は、自己免疫疾患、特にエリテマトーデスの治療に有用な組成物を開示している。テリフルノミドは、多種多様な免疫細胞及び細胞株において抗増殖効果をもたらすことがわかっている(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。さらに、それは、ピリミジンの合成に必須の酵素、ジヒドロオロット酸デヒドロゲナーゼ酵素を阻害する(非特許文献4)。特許文献4は、多発性硬化症を治療する薬剤を製造するためのテリフルノミドの使用を開示しており、ここにおいて前記薬剤は、経口的に投与される。特許文献5は、改善された安定性を特徴とする有機又は無機酸を包含する固形医薬組成物を含有するレフルノミドを開示している。前記組成物は、市販のアラバ(Arava)(R)錠中よりもレフルノミドのテリフルノミドへの分解がより軽微であることを示す。テリフルノミドの量は、レフルノミド10mgを含有する錠剤当たり0.02mgから0.511mgまでの範囲であると記載されている。それは、150mgである錠剤の全質量に対して0.35%未満のテリフルノミドである。
【0004】
テリフルノミドの固形医薬製剤は、臨床研究に使用するために開発された。安定性研究中に見られた観察の1つは、1つの分解物が非常に増加したことであり、それは2−シアノ−N−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミドであり、そして式II:
【化2】

に示された構造を有する。
【0005】
室温保存で12ヵ月保存した後、固形医薬製剤中では2−シアノ−N−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミドレベルが、最大0.2%に達した[テリフルノミド7mg錠剤、Al/PVCブリスター、25±2℃及び相対湿度{RH}60%で保存]。さらなる分解物は、4−トリフルオロメチル−アニリンでありうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,965,276号
【特許文献2】米国特許第5,459,163号
【特許文献3】米国特許第5,679,709号
【特許文献4】欧州特許第1381356B1号
【特許文献5】国際出願第WO 2007/118684号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Cherwinski H. M., et al., J Pharmacol. Exp. Ther. 1995;272:460-8
【非特許文献2】Prkash A., et al., Drugs 1999;58(6):1137-66
【非特許文献3】Bartlett R. R. et al., Agent Action 1991;32(1-2):10-21
【非特許文献4】Bruneau J-M, et al., Biochem. J. 1998; 36:299-303
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、2−シアノ−N−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミド又は4−トリフルオロメチル−アニリン(4−TFMA)の濃度上昇の欠点がないテリフルノミドの固形医薬製剤を見出すことである。
【0009】
コロイド状二酸化ケイ素を含まないテリフルノミドのいくつかの固形医薬製剤では、2−シアノ−N−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミド形成の増大が限られており、そして4−TFMAの形成が限られており、記載された欠点を有しないことが見出された。
【0010】
さらに、前記のコロイド状二酸化ケイ素を含まないテリフルノミドの固形医薬製剤に酸性反応性化合物(acidic reacting compound)を加えることは有益であることが見出された。
【0011】
また、さらに、コロイド状二酸化ケイ素を含有するテリフルノミドの固形製剤に性反応性化合物を加えることは有益であることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、約1%〜30%(質量:質量)(w:w)のテリフルノミド、又はその薬学的に許容しうる塩基付加塩、約5%〜20%(質量:質量)の崩壊剤、約0%〜40%(質量:質量)の結合剤、約0.1%〜2%(質量:質量)の滑沢剤及び残りのパーセンテージを占める希釈剤を含んでなる固形医薬組成物であるが、但し、前記固形医薬組成物はコロイド状二酸化ケイ素を含有しない。
【0013】
本発明の第2の態様は、約1%〜20%(質量:質量)のテリフルノミド、又はその薬学的に許容しうる塩基付加塩、約5%〜20%(質量:質量)の崩壊剤、約0%〜30%(質量:質量)の結合剤、約0.1%〜2%(質量:質量)の滑沢剤、約1%〜20%(質量:質量)の酸性反応性化合物及び残りのパーセンテージを占める賦形剤
を含んでなる固形医薬組成物である。
【0014】
本発明の第3の態様は、約1%〜20%(質量:質量)のテリフルノミド、又はその薬学的に許容しうる塩基付加塩、約5%〜20%(質量:質量)の崩壊剤、約0%〜30%(質量:質量)の結合剤、約0.1%〜2%(質量:質量)の滑沢剤、約1%〜20%(質量:質量)の酸性反応性化合物、約0.1%〜0.5%(質量:質量)のコロイド状二酸化ケイ素及び残りのパーセンテージを占める賦形剤を含んでなる固形医薬組成物である。
従って、本発明による製剤は、
a)約1%〜30%(質量:質量)のテリフルノミド、又はその薬学的に許容しうる塩基付加塩、
b)約5%〜20%(質量:質量)の崩壊剤、
c)約0%〜40%(質量:質量)の結合剤、
d)約0.1%〜2%(質量:質量)の滑沢剤及び
e)残りのパーセンテージを占める賦形剤
を含んでなる固形医薬組成物であって、
但し、前記固形医薬組成物はコロイド状二酸化ケイ素を含有しない
前記組成物を提供する。
【0015】
本明細書に用いられる用語は、本明細書に定義された意味を有する。
【0016】
「コロイド状二酸化ケイ素」は、超顕微鏡的ヒュームドシリカ(submicroscopic fumed
silica)であり、焼成シリカ(pyrogenic silica)としても知られている。それは、非晶質、微粒子、低密度及び高表面積のシリカである。一次粒子径は5nmから50nmまでである。粒子は非多孔性であり、そして50m2/gから600m2/gまでの表面を有する。例えば、それはEvonik Industries [Evonik Degussa GmbH, Inorganic Materials,
Weissfrauenstrase 9, 60287 フランクフルト, ドイツ]から商品名Aeorsil 200 Pharmaの下で、又は米国マサチューセッツ州ボストンに本社があるキャボット社(Cabot Corporation)商品名CAB-O-SIL M-5P/5DPの下で入手することができる。
【0017】
「分解物」は、単位剤形を製造した後に生じるなんらかの薬物ベースの物質のことである。不純物及び分解物の分析は、当分野で知られているような抽出サンプルにおける逆相HPLC技術を用いて実施される。
【0018】
「薬学的に許容しうる塩基付加塩」は、テリフルノミド化合物のすべての非毒性の有機又は無機塩基付加塩である。適した塩を形成する具体的な無機塩基としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、L−リシン又は水酸化カルシウムが包含される。
【0019】
「患者」は、例えばラット、マウス、イヌ、ネコ、モルモットのような温純動物及びヒトのような霊長類を意味する。
【0020】
「治療する」又は「治療すること」とは、症状を緩和すること、一時的若しくは永続的基準のいずれかにおいて症状の原因を取り除くこと、又は列記された障害若しくは状態の症状の発現及び進行を予防する若しくは遅らせることを含むあらゆる治療を意味するが、それらに限定されるわけではない。
【0021】
「治療有効量」は、列記された障害又は状態の治療に有効な化合物の量を意味する。
【0022】
「立体異性体」は、空間における原子の配向においてのみ異なる個々の分子のすべての異性体についての一般用語である。それには、鏡像異性体(エナンチオマー)、幾何(シス/トランス)異性体、及び互いに鏡像でない1つを超えるキラル中心を有する化合物の異性体(ジアステレオ異性体)が包含される。
【0023】
「テリフルノミド」は、(Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−ブタ−2−エン酸−(4'−トリフルオロメチルフェニル)−アミド化合物の一般名である。テリフルノミドは、化学的に製造された形態で用いることができ、又は粒子の物理的性質を変化させる方法にかけることができる。例えば、物質は、当分野で知られたあらゆる方法によって粉砕することができる。このような方法の非排他的例としては、機械粉砕(mechanical milling)及びジェットミル(jet milling)が包含される。テリフルノミドの化学的製造方法から直接、又は粉砕操作後のいずれかで製造された粒子は、1μm〜100μmの範囲の平均粒子径を示すことが好ましい。特に約1%〜10%(質量:質量)のテリフルノミドの固形医薬組成物の製剤では、1μmから100μmまでの前記テリフルノミド粒子を用いることは好都合である。
【0024】
テリフルノミドの合成は開示されており、そして当業者によく知られた方法によって実施される。例えば、1999年11月23日に発行された米国特許第5,990,141号は、合成方法を開示している。
【0025】
さらなる実施態様において、本発明は、約2%〜15%(質量:質量)のテリフルノミド並びに上のb)〜e)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分崩壊剤、結合剤、滑沢剤及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0026】
さらなる実施態様において、本発明は、約7%〜15%(質量:質量)の崩壊剤並びに上のa)及びc)〜e)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分テリフルノミド、結合剤、滑沢剤及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0027】
さらなる実施態様において、本発明は、約15%〜35%(質量:質量)の結合剤並びにa)、b)、d)及びe)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分テリフルノミド、崩壊剤、滑沢剤及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0028】
さらなる実施態様において、本発明は、約0.1%〜1.0%(質量:質量)の滑沢剤並びに上のa)〜c)及びe)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分テリフルノミド、崩壊剤、結合剤及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0029】
崩壊剤の例は、カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、粉末セルロース、クロスカルメロースナトリウム、メチルセルロース、ポラクリリンカリウム、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム又は前記崩壊剤の1つ若しくはそれ以上の混合物である。
【0030】
結合剤の例は、アカシア、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、ゼラチン、グアーガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、デンプン、例えばバレイショデンプン、コーンスターチ若しくは穀類デンプン及びゼイン又は前記結合剤の1つ若しくはそれ以上の混合物である。
【0031】
滑沢剤の例は、ステアリン酸カルシウム、パルミトステアリン酸グリセリン、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸マグネシウム又は前記滑沢剤の1つ若しくはそれ以上の混合物である。
【0032】
賦形剤の例は、セルロース、酢酸セルロース、デキストレート、デキストリン、デキストロース、フルクトース、1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール、パルミトステアリン酸グリセリン、水素添加植物油、カオリン、ラクチトール、ラクトース、ラクトース一水和物、マルチトール、マンニトール、マルトデキストリン、マルトース、アルファー化デンプン、塩化ナトリウム、ソルビトール、デンプン、スクロース、タルク及びキシリトール又は前記賦形剤の1つ若しくはそれ以上の混合物である。
【0033】
さらなる実施態様において、本発明は、2%〜15%(質量:質量)のテリフルノミド、7%〜15%(質量:質量)の結晶セルロース又はデンプングリコール酸ナトリウムの1つ又はそれ以上から選ばれる崩壊剤、15%〜35%(質量:質量)のヒドロキシプロピルセルロース又はコーンスターチの1つ又はそれ以上から選ばれる結合剤、0.1%〜1.0%(質量:質量)のステアリン酸マグネシウムから選ばれる滑沢剤並びに残りのパーセンテージを占めるラクトース一水和物から選ばれる賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0034】
さらなる実施態様において、本発明は、
A)約1%〜20%(質量:質量)のテリフルノミド、又はその薬学的に許容しうる塩基付加塩、
B)約5%〜20%(質量:質量)の崩壊剤、
C)約0%〜30%(質量:質量)の結合剤、
D)約0.1%〜2%(質量:質量)の滑沢剤、
E)約1%〜20%(質量:質量)の酸性反応性化合物及び
F)残りのパーセンテージを占める賦形剤
を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0035】
さらなる実施態様において、本発明は、約2%〜15%(質量:質量)のテリフルノミド並びに上のB)〜F)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分崩壊剤、結合剤、滑沢剤、酸性反応性化合物及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0036】
さらなる実施態様において、本発明は、約7%〜15%(質量:質量)の崩壊剤並びに上のA)及びC)〜F)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分テリフルノミド、結合剤、滑沢剤、酸性反応性化合物及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0037】
さらなる実施態様において、本発明は、約15%〜30%(質量:質量)の結合剤並びに上のA)、B)及びD)〜F)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分テリフルノミド、崩壊剤、滑沢剤、酸性反応性化合物及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0038】
さらなる実施態様において、本発明は、約0.1%〜1.0%(質量:質量)の滑沢剤並びに上のA)〜C)、E及びF)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分テリフルノミド、崩壊剤、結合剤、酸性反応性化合物及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0039】
さらなる実施態様において、本発明は、約3%〜20%(質量:質量)の酸性反応性化合物並びに上のA)〜D)及びF)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分テリフルノミド、崩壊剤、結合剤、滑沢剤及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0040】
酸性反応性化合物の例は、クエン酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、p−トルエンスルホン酸並びにメタンスルホン酸及び2−ヒドロキシエタンスルホン酸のようなスルホン酸又は前記酸性反応性化合物の1つ若しくはそれ以上の混合物である。
【0041】
テリフルノミドを前記崩壊剤、結合剤、滑沢剤及び賦形剤成分と混合して最終混合物中のテリフルノミド及び本発明による前記のさらなる成分の濃度を得、そして最後に酸性反応性化合物と混合する。本発明のさらなる実施態様において、上に定義されたような成分A)〜F)を含んでなる固形医薬組成物は、医薬組成物に水が吸着されたとき、又は医薬組成物に少量の水が添加されたときにpH4.5〜2.0を示す。本発明のさらなる実施態様において、上に定義されたような成分A)〜F)を含んでなる固形医薬組成物は、pH約3〜pH約2のpHを示す。
【0042】
pH測定は、錠剤1錠を約1mlの精製水中に懸濁して実施する。上澄みのpHは、pH感受性プローブにより測定する。
【0043】
さらなる実施態様において、本発明は、
A)約1%〜20%(質量:質量)のテリフルノミド、又はその薬学的に許容しうる塩基付加塩、
B)約5%〜20%(質量:質量)の崩壊剤、
C)約0%〜30%(質量:質量)の結合剤、
D)約0.1%〜2%(質量:質量)の滑沢剤、
E)約1%〜20%(質量:質量)の酸性反応性化合物、
F)約0.1%〜0.5%(質量:質量)のコロイド状二酸化ケイ素及び
G)残りのパーセンテージを占める賦形剤
を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0044】
さらなる実施態様において、本発明は、約2%〜15%(質量:質量)のテリフルノミド並びに上のB)〜G)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分崩壊剤、結合剤、滑沢剤、酸性反応性化合物、コロイド状二酸化ケイ素及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0045】
さらなる実施態様において、本発明は、約7%〜15%(質量:質量)の崩壊剤並びに上のA)及びC)〜G)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分テリフルノミド、結合剤、滑沢剤、酸性反応性化合物、コロイド状二酸化ケイ素及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0046】
さらなる実施態様において、本発明は、約15%〜30%(質量:質量)の結合剤並びに上のA)、B)及びD)〜G)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分テリフルノミド、崩壊剤、滑沢剤、酸性反応性化合物、コロイド状二酸化ケイ素及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0047】
さらなる実施態様において、本発明は、0.1%〜1.0%(質量:質量)の滑沢剤並びに上のA)〜C)、E)及びG)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分テリフルノミド、崩壊剤、結合剤、酸性反応性化合物、コロイド状二酸化ケイ素及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0048】
さらなる実施態様において、本発明は、約3%〜20%(質量:質量)の酸性反応性化合物並びに上のA)〜D)及びF)及びG)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分テリフルノミド、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コロイド状二酸化ケイ素及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0049】
さらなる実施態様において、本発明は、約0.2%〜0.4%(質量:質量)のコロイド状二酸化ケイ素並びに上のA)〜E)及びG)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分テリフルノミド、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、酸性反応性化合物及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0050】
さらなる実施態様において、本発明は、約0.3%(質量:質量)からのコロイド状二酸化ケイ素並びに上のA)〜E)及びG)の下で定義されたのと同じ量を示す他の成分テリフルノミド、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、酸性反応性化合物及び賦形剤を含んでなる固形医薬組成物に関する。
【0051】
テリフルノミドを、前記の崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コロイド状二酸化ケイ素及び賦形剤成分と混合して最終混合物中のテリフルノミド及び本発明による前記のさらなる成分の濃度を得、そして最後に酸性反応性化合物と混合する。
【0052】
本発明のさらなる実施態様において、上に定義されたような成分A)〜G)を含んでなる固形医薬組成物は、医薬組成物に水が吸着されたとき又は医薬組成物に少量の水が添加されたときにpH2.0〜4.5を示す。本発明のさらなる実施態様において、上に定義されたような成分A)〜G)を含んでなる固形医薬組成物は、pH約3〜pH約2のpHを示す。
【0053】
単位投薬形態に適した形でテリフルノミド製剤を提供するには、テリフルノミド及び本発明による固形医薬組成物のさらなる成分を粉末として混合することができる。この混合は、当分野で知られているあらゆる混合技術を用いて実施することができる。混合は、好ましくは高剪断ミキサー、V型混合機(V-blender)(又は他の双子円筒型混合機(twin-shell blender))、ビン型混合機(bin blender)ターブラー撹拌・振盪機(Turbula mixer-shaker)を用いて実施される。混合は、典型的に、最初に滑沢剤を添加することなく、確実に完全混合するのに十分な時間、実施される。典型的に、その時点で、滑沢剤を加え、続いてさらに短時間(約1〜10分)混合する。混合物ができたら、当分野で知られている方法によって単位剤形を製造する。好ましくは、単位剤形は、ロータリー式錠剤成形機(rotary tablet presses)又はカプセル充填装置(capsule filling machines)で作られる。次いで、このようにして製造された剤形を場合により飲み込みやすさ、独自の又は識別的な外観及び/又は剤形の保護を提供するべく設計された膜でコーティングすることできる。
【0054】
別法として、テリフルノミド及び固形医薬組成物のさらなる成分の湿式造粒の好ましい製造方法は、以下の工程を含む:
(a)テリフルノミドと賦形剤及び場合により最終組成物に必要な残りの賦形剤のいくつか又はすべてとを混合する。これらの他の賦形剤には、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、酸性反応性化合物及びコロイド状シリカが包含されうる;
(b)工程(a)からの物質を剪断下に置きながら造粒溶媒を加える。好ましい造粒溶媒としては、水、エタノール、イソプロパノール及びその組み合わせが包含される。他の成分を当分野で知られている造粒溶媒に加えることができる。このような添加剤の例は、結合剤、酸性反応性化合物、湿潤剤、安定剤及び緩衝剤である。溶媒は、当分野で知られているあらゆる技術によって適用することができる。剪断を与えながら溶媒を適用する好ましい方法としては、高剪断造粒、低剪断造粒、流動層造粒及び押出造粒が含まれる;
(c)場合により、工程(b)からの物質を粉砕する、中砕する(ground)又はふるいにかけることができる。次いで、この湿潤物質を、好ましくは空気乾燥、流動層乾燥、オーブン乾燥又は高周波乾燥を用いて乾燥する。乾燥温度が約60℃を超えないように、乾燥を実施することが好ましい;
(d)場合により、この物質を、次いで粉砕する又はふるいにかける;
(e)次いで、物質をさらなる賦形剤と混合する;及び
(f)組成物を、場合により単位剤形、好ましくは錠剤又はカプセル剤に成形加工する。
【0055】
次いで、このようにして製造された剤形を飲み込み易さ、独自の又は識別的な外観及び/又は剤形の保護を提供するべく設計された膜で場合によりコーティングすることができる。
【0056】
次いで、当分野で知られている方法を用いて最終的な剤形を包装する。本発明では、包装は、ホイル−ホイル冷間成形ブリスター(foil-foil cold form blisters)、プラスチックブリスター又は乾燥剤入りの若しくはなしの密閉ビンの形態であることが好ましい。ブリスター包装は、0.25g/m2/日より低い水蒸気透過性を有する材料が好ましい。
【0057】
本発明による固形医薬組成物は、経口的、舌下、口腔、経皮的、鼻腔内、直腸内、局所的などを包含する、化合物を治療有効量で生物学的に利用可能にするいずれかの形態又は方法で投与することができる。製剤を製造する当業者は、治療する特定の特徴的疾患、疾患の段階、患者の状態及び他の関連状況に応じて適当な投与形態及び投与方法を決定することができる。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, Mack Publishing Co. (1990)を参照のこと。
【0058】
本発明による固形医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤、カプセル剤、オブラート、チューインガムなどの形態で経口的に投与してもよい。
【0059】
他の投与単位形態は、投与単位の物理的形態を改良する他の種々な物質、例えばコーティングを含有することができる。従って、錠剤又は丸剤は、ヒプロメロースベースのコーテング、砂糖、セラック、又は他の腸溶コーティング剤のような非機能性コーティングでコーティングすることができる。
【0060】
テリフルノミドが治療作用するその能力を示す用量範囲は、その重症度、患者、患者が患っている他の基礎疾患状態、及び患者に同時に投与されうる他の薬物に応じて変化することがある。一般に、テリフルノミドは、約0.001mg/kg患者体重/日〜約100mg/kg患者体重/日の用量でその治療活性を示す。
【0061】
本発明による固形医薬組成物は、例えば、急性の免疫学的事象、例えば敗血症、アレルギー、移植片対宿主反応及び宿主対移植片反応、自己免疫疾患、例えば関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、又は多発性硬化症、乾癬、喘息、じんま疹、鼻炎及びブドウ膜炎、がん疾患、例えば肺がん、白血病、卵巣がん、肉腫、カポジ肉腫、髄膜腫、腸がん、リンパ節がん、脳腫瘍、乳がん、膵臓がん、前立腺がん又は皮膚がんの治療に適している。
【0062】
以下の非限定的な実施例は、本発明の医薬組成物を製造する及び使用するための発明者の好ましい方法を説明する。
【実施例】
【0063】
実施例1製造方法
造粒液:
ヒドロキシプロピルセルロース7.5mPa*s(HPC)及びクエン酸一水和物を精製水219.3g中に溶解し、そして少なくとも30分間撹拌した。最終的な溶液中のHPCの濃度は、添加したクエン酸の量にかかわりなく、水の質量に対して6.4%である(表1)。
【0064】
【表1】

【0065】
錠剤:
1.テリフルノミド、ラクトース又はマンニトール(0C及び0D)、コーンスターチ及び必要に応じてクエン酸一水和物(1D及び1J)を流動層造粒機中で5分間混合した(UNI-Glatt、フラップ25%、入口空気温度約23℃、振盪間隔30秒、振盪5秒)。
2.生成した混合物を流動層造粒機(UNI Glatt、フラップ25〜30%、入口空気温度60℃、振盪間隔60秒、振盪5秒、噴霧速度約12.5g/分、霧化空気圧1bar、ノズル直径0.8mm)中、HPC溶液及び必要に応じてクエン酸で造粒した。時間約25分。
3.顆粒を流動層造粒機中で約20分間乾燥した(UNI Glatt、フラップ25〜30%、入口空気温度60℃、振盪間隔60秒、振盪5秒)。
4.顆粒を1mmのふるいによって調整し、そしてターブラー混合機[2Lガラス容器]中、結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム及び必要に応じてコロイド状二酸化ケイ素(実施例1F〜1J)を5分間滑沢剤として加えた(lubricated)。
5.ステアリン酸マグネシウムを添加した後、混合物をターブラー混合機[2Lガラス容器]中でさらに1分混合した。
【0066】
最終的な混合物をKorsch EK0シングルパンチプレス(single punch press)において錠剤に圧縮した。製造した固形医薬組成物の組成を表1、2及び3に記載する。
【0067】
【表2】

【0068】
【表3】

【0069】
【表4】

【0070】
実施例2
2−シアノ−N−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミドの形成
錠剤の製造
実施例1に記載された製造方法に従って錠剤を製造した。錠剤の組成を表1、2及び3に示す。
【0071】
錠剤の保存
誘導シールした(induction sealed)HDPEビン中、25℃/60%RH、30℃/65%RH、40℃/75%RH[広口ビン、45mL、白色、誘導シール及び小児用安全スクリューキャップを施した]で、そして開放ガラスビン中、40℃/75%RHで最長6ヵ月間サンプルを保存した。ビンは立てて保存した。
サンプルの分析
HPLCにより錠剤を含量について分析した。クエン酸で酸性化され、コロイド状二酸化ケイ素を含む又は含まない錠剤中の2−シアノ−N−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミドの含量を表4に示す。
【0072】
【表5】

【0073】
【表6】

【0074】
「RSD」は、相対標準偏差((アレイXの標準偏差)×100/(アレイXの平均)=相対標準偏差)を意味する。
【0075】
「RH」は、相対湿度を意味する;空気−水混合物の相対湿度は、所定の温度での水の飽和蒸気圧に対する混合物中の水蒸気分圧の比率として定義される。
【0076】
各バッチでは、4つのサンプルを開始時(0ヵ月)、1、3及び6ヵ月後に測定した。試験サンプルの平均及びRSDのみを示した。
【0077】
クエン酸で酸性化され、コロイド状二酸化ケイ素を含む錠剤中の2−シアノ−N−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミドの含量を表5に示す。
【0078】
【表7】

【0079】
【表8】

【0080】
各バッチでは、4つのサンプルを開始時(0ヵ月)、1、3及び6ヵ月後に測定した。試験サンプルの平均及びRSDのみを示した。
【0081】
HDPEビン中、上記の保存条件で3又は6ヵ月の保存した後、コロイド状二酸化ケイ素を用いて潤滑にした又はしなかったクエン酸25mgを含有するテリフルノミド錠[実施例1C、D、I、J]及びクエン酸を含有せず、そしてコロイド状二酸化ケイ素で潤滑にしなかったテリフルノミド錠(実施例0A)は、コロイド状二酸化ケイ素を含有するテリフルノミド錠(実施例0B)と比較して2−シアノ−N−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミドの有意に低下された形成を示した。
【0082】
誘導シールしたHDPEビン中、クエン酸の安定化効果は、コロイド状二酸化ケイ素の存在下でより顕著であった。テリフルノミド、2−シアノ−N−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミド及び4−TFMAの測定は、勾配高速液体クロマトグラフシステム(HPLC)によって以下のように実施した:
固定相: Purospher STAR RP18e(3μm)
カラム材料: ステンレス鋼
カラム長さ: 125mm
カラム内径: 4.0mm
カラムの平衡化: 移動相Bを用いて1.0mL/分の流速で少なくとも15分間カラムをすすがれなければならない。
【0083】
移動相用に酢酸ナトリウム50mmol(4.2g)、塩化ナトリウム50mmol(2.9g)をガラスビン中に移し、そして水1000mLを添加して移動相緩衝液を調製した。pH計を用いて氷酢酸によりpHを6.5に調整した。
【0084】
【表9】

【0085】
方法
流速: 1.0mL/分
予想される圧力降下: 220bar
注射体積: 10μL
オートサンプラー温度: オートサンプラー温度を+15℃に設定した。
カラム温度: オーブン温度を+20℃に設定した。
検出: 249nm(UV)
典型的な記録時間: 25分
典型的な全実行時間: 30分
保持時間:
テリフルノミド 約15.0分
2−シアノ−N−(4−トリ
フルオロメチル−フェニル)
−アセトアミド 約19.3分
4−TFMA 約19.8分
【0086】
実施例3
錠剤のpH測定
錠剤1錠を精製水約1ml中に懸濁することによってpH測定を実施した。錠剤が崩壊して固形分が沈降した後、上澄みのpHをpH感受性プローブで測定した。2個の錠剤の平均結果を錠剤のpHとして報告した(表2及び3参照)。
【0087】
実施例4
コロイド状二酸化ケイ素を含む及び含まないテリフルノミド錠中の2−シアノ−N−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミド及び4−TFMAの形成
錠剤の製造
実施例1に記載された製造方法に従って錠剤を製造した。錠剤の組成を表1に示す。
錠剤の保存
さらなる安定性研究において、誘導シールしたHDPEビン[広口ビン、60mL、白色、誘導シール及び小児安全スクリューキャップを施した]中、40℃/75%RHでサンプルを6ヵ月間保存した。ビンは立てて保存した。
サンプルの分析
HPLC(上記の方法を用いる)によって関連した不純物について錠剤を分析した。コロイド状二酸化ケイ素を含む又は含まない錠剤中、40℃/75%RHで6ヵ月保存した後の2−シアノ−N−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミドの及び4−TFMAの含量を表6に示す。
【0088】
【表10】

【0089】
HDPEビン中、上に定義された保存条件で6ヵ月の保存した後、コロイド状二酸化ケイ素で潤滑にしなかったテリフルノミド錠(実施例0A及び0D)は、コロイド状二酸化ケイ素を含有するテリフルノミド錠(実施例0B及び0C)と比較して2−シアノ−N−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミドの有意に低下された形成を示した。さらに、コロイド状二酸化ケイ素で潤滑にした錠剤(実施例0B及び0C)と比較してコロイド状二酸化ケイ素を含有しない錠剤(実施例0A及び0D)では4−TFMAの形成がより強力に低下した。
【0090】
テリフルノミド及び2−シアノ−N−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミド及び4−TFMAの測定は、実施例2に記載したように勾配高速液体クロマトグラフシステム(HPLC)によって実施した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)1%〜30%(質量:質量)のテリフルノミド、又はその薬学的に許容しうる塩基付加塩、
b)5%〜20%(質量:質量)の崩壊剤、
c)0%〜40%(質量:質量)の結合剤、
d)0.1%〜2%(質量:質量)の滑沢剤及び
e)残りのパーセンテージを占める賦形剤
を含んでなる固形医薬組成物
(但し、該固形医薬組成物はコロイド状二酸化ケイ素を含有しない)。
【請求項2】
前記崩壊剤が、カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、粉末セルロース、クロスカルメロースナトリウム、メチルセルロース、ポラクリリンカリウム、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム又は該崩壊剤の1つ若しくはそれ以上の混合物からなる群より選ばれる、請求項1に記載の固形医薬組成物。
【請求項3】
前記崩壊剤が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、粉末セルロース、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム又は該崩壊剤の1つ若しくはそれ以上の混合物からなる群より選ばれる、請求項2に記載の固形医薬組成物。
【請求項4】
前記結合剤が、アカシア、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、ゼラチン、グアーガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、バレイショデンプン、コーンスターチ若しくは穀類デンプン及びゼイン又は該結合剤の1つ若しくはそれ以上の混合物からなる群より選ばれる、請求項1に記載の固形医薬組成物。
【請求項5】
前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルファー化デンプン、バレイショデンプン、コーンスターチ若しくは穀類デンプンのようなデンプン又は前記結合剤の1つ若しくはそれ以上の混合物からなる群より選ばれる、請求項4に記載の固形医薬組成物。
【請求項6】
前記滑沢剤が、ステアリン酸カルシウム、パルミトステアリン酸グリセリン、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸マグネシウム又は該滑沢剤の1つ若しくはそれ以上の混合物からなる群より選ばれる、請求項1に記載の固形医薬組成物。
【請求項7】
前記滑沢剤が、フマル酸ステアリルナトリウム及びステアリン酸マグネシウム又は該滑沢剤の1つ若しくはそれ以上の混合物からなる群より選ばれる、請求項6に記載の固形医薬組成物。
【請求項8】
前記賦形剤が、セルロース、酢酸セルロース、デキストレート、デキストリン、デキストロース、フルクトース、1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール、パルミトステアリン酸グリセリン、水素添加植物油、カオリン、ラクチトール、ラクトース、ラクトース一水和物、マルチトール、マンニトール、マルトデキストリン、マルトース、アルファー化デンプン、塩化ナトリウム、ソルビトール、デンプン、スクロース、タルク及びキシリトール又は該賦形剤の1つ若しくはそれ以上の混合物からなる群より選ばれる、請求項1に記載の固形医薬組成物。
【請求項9】
前記賦形剤が、ラクトース、ラクトース一水和物、マンニトール及びデンプン又は該賦形剤の1つ若しくはそれ以上の混合物からなる群より選ばれる、請求項8に記載の固形医薬組成物。
【請求項10】
A)1%〜20%(質量:質量)のテリフルノミド、又はその薬学的に許容しうる塩基付加塩、
B)5%〜20%(質量:質量)の崩壊剤、
C)0%〜30%(質量:質量)の結合剤、
D)0.1%〜2%(質量:質量)の滑沢剤、
E)1%〜20%(質量:質量)の酸性反応性化合物であって、ここにおいてクエン酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、スルホン酸、メタンスルホン酸及び2−ヒドロキシエタンスルホン酸又は該酸性反応性化合物の1つ若しくはそれ以上の混合物からなる群より選ばれる、酸性反応性化合物、及び
F)残りのパーセンテージを占める賦形剤
を含んでなる固形医薬組成物。
【請求項11】
前記崩壊剤が、カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、粉末セルロース、クロスカルメロースナトリウム、メチルセルロース、ポラクリリンカリウム、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム又は該崩壊剤の1つ若しくはそれ以上の混合物からなる群より選ばれる、請求項10に記載の固形医薬組成物。
【請求項12】
前記結合剤が、アカシア、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、ゼラチン、グアーガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、メチルセルロース、アルファー化デンプン、アルギン酸ナトリウム、バレイショデンプン、コーンスターチ若しくは穀類デンプンのようなデンプン及びゼイン又は該結合剤の1つ若しくはそれ以上の混合物からなる群より選ばれる、請求項10に記載の固形医薬組成物。
【請求項13】
前記滑沢剤が、ステアリン酸カルシウム、パルミトステアリン酸グリセリン、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸マグネシウム又は該滑沢剤の1つ若しくはそれ以上の混合物からなる群より選ばれる、請求項10に記載の固形医薬組成物。
【請求項14】
前記賦形剤が、セルロース、酢酸セルロース、デキストレート、デキストリン、デキストロース、フルクトース、1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール、パルミトステアリン酸グリセリン、水素添加植物油、カオリン、ラクチトール、ラクトース、マルチトール、マンニトール、マルトデキストリン、マルトース、アルファー化デンプン、塩化ナトリウム、ソルビトール、デンプン、スクロース、タルク及びキシリトール又は該賦形剤の1つ若しくはそれ以上の混合物からなる群より選ばれる、請求項10に記載の固形医薬組成物。
【請求項15】
約0.1%〜0.5%(質量:質量)のコロイド状二酸化ケイ素を含む、請求項10に記載の固形医薬組成物。
【請求項16】
医薬組成物に水が吸着されたとき、又は医薬組成物に水が添加されたときにpH4.5〜2.0となる、請求項10〜15のいずれか1項に記載の固形医薬組成物。
【請求項17】
敗血症、アレルギー、移植片対宿主反応及び宿主対移植片反応、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、乾癬、喘息、じんま疹、鼻炎、ブドウ膜炎、肺がん、白血病、卵巣がん、肉腫、カポジ肉腫、髄膜腫、腸がん、リンパ節がん、脳腫瘍、乳がん、膵臓がん、前立腺がん又は皮膚がんの治療に使用するための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の固形医薬組成物。

【公表番号】特表2013−505213(P2013−505213A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529234(P2012−529234)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063439
【国際公開番号】WO2011/032929
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】