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改善された心血管副作用プロフィールを呈する、ドーパミン受容体安定剤/調節剤のN−オキシド誘導体及び/又はジ−N−オキシド誘導体
説明

改善された心血管副作用プロフィールを呈する、ドーパミン受容体安定剤/調節剤のN−オキシド誘導体及び/又はジ−N−オキシド誘導体

本発明は、一般式(1)又は(2)を有するドーパミン受容体安定剤/調節剤のN−オキシド誘導体及び/又はジ−N−オキシド誘導体、並びに前記化合物を含有する医薬製剤に関する。さらに、本発明は、中枢神経系における障害の治療、及び特に、例えば運動障害、精神病、不安障害、神経発達障害、睡眠障害及び化学物質関連障害などのドーパミン媒介障害の治療ための、前記化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特にQT間隔の延長を引き起こす危険性を減少させること、及びそれによって多形性心室頻拍を引き起こす危険性も減少させることに関して、改善された治療可能性、改善された経口生物学的利用能、改善された副作用プロフィール、並びにより長い作用持続時間を有する「ドーパミン受容体安定剤/調節剤」(安定剤の例は、OSU6162及びACR16である)のN−オキシド誘導体及び/又はジ−N−オキシド誘導体、並びにこれらの化合物及び適当な医薬品担体を含む医薬組成物、該薬物を使用して哺乳動物における神経性及び/又は精神的疾患を治療する方法、及び該薬物を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
N−オキシド/ジ−N−オキシドについての背景技術
特定のモルフィナン誘導体のN−オキシドは従来技術において知られており、例えばTiffanyは、米国特許第2,813,097号で、3−ヒドロキシ−N−メチル−モルフィナンN−オキシド及び鎮痛薬としてのその有用性を開示している。Tiffanyは米国特許第2,813,098号で、3−メトキシ−N−メチルモルフィナンN−オキシド及び鎮咳薬としてのその有用性を開示している。これらのN−オキシドは対応する第3級アミンより高い治療指数を有することが提示されているが、3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナンのN−オキシドが、親化合物と比較して改善された経口生物学的利用能を有し得ることは示唆されていない。
【0003】
Bartels−Keithは、米国特許第3,299,072号で、テバイン誘導体を開示している。これらの化合物は、鎮静及び/又は麻薬性のアンタゴニスト活性を有する。該文献は、第3級アミン、N−オキシド、及び提示された式の様々な塩を、任意の方法でN−オキシドを区別することなく請求している。投与の経路が記載されていない。
【0004】
他の非モルフィナン鎮痛薬のN−オキシド誘導体が報告された。W.Grafのスイス特許第481,124号。
【0005】
K.Orzechowska、Arch.Immunol.Ther.Exp.15(2)、290(1967)並びにB.Bobranski及びJ.Pomorski、Arch.Immunol.Ther.Exp.14(1)、121(1966)は、特定の1−アルキル−4−フェニル−4−アシルオキシピペリジン化合物のN−オキシドの調製物を報告している。1−メチル−4−フェニル−4−プロピオンオキシピ−ペリジンHClのN−オキシドは、ドランチンHClの鎮静活性と同等の鎮静活性を示したが、より長い持続時間の鎮静活性は示さなかった。毒性も少なかった。
【0006】
とりわけM.Polonovskiら、Bull.Acad.Med.103、174(1930);N.H.Changら、J.Org.Chem.15、634(1950);B.Kelenteiら、Arzneimittel−Forsch.7、594(1957);K.Takagiら、薬学雑誌83、381(1963)(Chem.Abs.59:9224b);L.Lafon、米国特許第3,131,185号;M.R.Fennessy、Brit.J.Pharmacol.34、337(1968);M.R.Fennessy、Eur.J.Pharmacol.8、261(1969);及びM.R.Fennessy、J.Pharm.Pharmacol.21、668(1969)によって報告された、コデイン、ヒドロモルホン(ジヒドロモルヒノン)及びヒドロコドン(ジヒドロコデイノン)などのモルヒネ及び単純なモルヒネ誘導体のN−オキシドがよく知られている。モルヒネN−オキシドは、鎮痛薬として活性が少ない又は不活性のいずれかであるが有効な鎮咳剤であること、並びにモルヒネより幾分低い毒性を有することが様々に報告されている。しかし、これらのN−オキシドがこれまで経口的に投与された形跡もなく、これらが改善された経口生物学的利用能を示し得る示唆もない。
【0007】
Woodsは、英国特許第1,217,296号で、鎮静組成物としてモルヒネN−オキシドとアミフェナゾールとの組合せ剤の使用を開示している。該組合せ剤は、両化合物の副作用を減少させながらモルヒネN−オキシドの鎮静活性を高めると言われている。
【0008】
排出されるN−オキシドへの酸化的代謝は、様々な第3級アミンを投与された哺乳動物において同定された多数の代謝経路の1つである。J.D.Phillipsonら、Eur.J.Drug Metab.Pharmacokinetics 3、119(1978)に、モルヒネ及びコデインは、モルモット肝臓ミクロソーム調製物によって対応するN−オキシドに一部変換されること、並びにこれらの2種の薬物は、ラットに投与されるとN−オキシドへ部分的に代謝されることも報告されている。T.Ishidaら、Drug Metab.Dispos.7、162(1979)で、及びT.Ishidaら、J.Pharmacobio−Dyn.5、521(1982)に、オキシコドンN−オキシドは、オキシコドンを皮下に投与されたウサギの尿中に認められる多くの同定可能な代謝物の1つであることが報告されている。他の代謝物が、遊離形態及び抱合形態の両方において認められた一方で、オキシコドン−N−オキシドは、遊離の非抱合形態でしか認められなかった。オキシコドンの鎮静活性は、代謝物よりむしろ未変化薬物によるものと考えられている。S.Y.Yehら、J.Pharm.Sci.68、133(1979)に、モルヒネサルフェートを投与されたモルモットの尿からモルヒネN−オキシドを単離することも報告されている。
【0009】
特定の第3級アミンN−オキシドは、試験動物への投与の際に、第3級アミンへの還元によって部分的に代謝される。R.L.H.Heimansら、J.Pharm.Pharmacol.23、831(1971)に、モルヒネN−オキシドは、ラットへの投与後、モルヒネに部分的に還元されることが報告されている。T.Chyczewski、Pol.J.Pharmacol.Pharm.25、373(1973)に、1−メチル−4−フェニル−4−ピペリジノールプロピオネートのN−オキシドは、ウサギ、マウス及びラットへの投与に続いて、第3級アミンに部分的に還元されることが報告されている。P.Jennerら、Xenobiotica 3(6)、341(1973)に、ニコチン−1’−N−オキシドは、経口投与後ヒトにおいてニコチンに部分的に還元されるが、静脈内投与後では還元されないことが報告されている。ニコチン−1’−N−オキシドの経口投与により、経口ニコチンとともに見られる初回通過現象が実質的に回避される。下部消化管に起こるニコチンへの還元は、GI叢によるものであると考えられている。
【0010】
フェノチアジン統合失調症治療薬のN−10側鎖における脂肪族第3級アミン基(1つ又は複数)のN−酸化は、ヒトにおけるこれらの薬物の代謝の主な経路であることが、十分確立されている(Yeung、P.K.ら、J Pharm Sci、1987.76(10):p.803〜8;Marder、S.R.、ら、Psychopharmacol Bull、1989.25(3):p.479〜82;Aravagiri、M.、ら、Ther Drug Monit、1990.12(3):p.268〜76;Marder、S.R.、ら、Psychopharmacol Bull、1990.26(2):p.256〜9;Marder、S.R.、ら、Br J Psychiatry、1991.158:p.658〜65;Hubbard、J.W.、ら、Br J Psychiatry Suppl、1993(22):p.19〜24;Javorski、T.J.及びM.S.Sardessai、Journal of Pharmaceutical Sciences、1993.82(3):p.330〜333;Midha、K.K.、ら、Ther Drug Monit、1993.15(3):p.179〜89;Yeung、P.K.、ら、Eur J Clin Pharmacol、1993.45(6):p.563〜9;Aravagiri、M.、ら、Ther Drug Monit、1994.16(1):p.21〜9)。
【0011】
クロルプロマジン、フルフェナジン及びトリフルオロペラジンに関して、N−オキシド代謝物の高い血漿中濃度がヒトにおいて見られた。しかし、臨床応答に対するこれらの代謝物の本当の貢献は、フルフェナジンの場合しか調査されていない。フルフェナジンN4−オキシドは、親薬物より強く副作用を伴った。クロルプロマジンN−オキシドは、逆に、抗ドーパミン作動性効果が欠けていた。しかし、クロルプロマジンN−オキシドはヒトにおいてクロルプロマジンに変換され、その代謝性プロフィールは、親薬物の代謝性プロフィールに非常に類似している。クロザピンN−オキシド(Chang、W.、ら、Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry、1998.22(5):p.723〜739)及びオランザピンN−オキシド(特許米国出願第6,352,984 B1号)は両方とも、それぞれクロザピン及びオランザピンの代謝物であることが知られている。これらの対応するN−オキシドは、それぞれクロザピン及びオランザピンを生成するプロドラッグであることも知られている。
【0012】
多くの薬物の経口投与は、通常、非経口的に投与された同用量と比較して、実質的により少ない応答を引き出す。効力におけるこの低減は、最も一般的には、薬物の消化管から全身循環へのその移行中における該薬物の広範な代謝によって起こる。例えば、経口的に投与された薬物が体循環に入る前に通過する腸粘膜及び肝臓は、酵素的に非常に活性であり、したがって、多くの方法で薬物を代謝することができる。
【0013】
経口的に投与された薬物が、全身循環に入る前に、胃腸管系又は肝臓によって不活性又は有意に少なくなった活性状態に急速に代謝される場合、その生物学的利用能は低い。特定の例において、この問題は、別の経路により薬物を投与することによって回避することができる。こうした代替経路の例として、経鼻(プロプラノロール)、舌下(ニトログリセリン)及び吸入(クロモリンナトリウム)が挙げられる。これらの経路によって投与された薬物は、体循環への途中で肝臓及び腸壁に代謝するのを回避する。
【0014】
一部の例において、経口的に投与された特定の薬物の前全身代謝は、胃腸系又は肝臓の代謝を受ける分子中での官能基の誘導体化によって克服することができる。この修正は、吸収過程中又は肝臓の初回通過中、代謝攻撃から該基を保護する。しかし、マスキング基は、該基がその最大効果を及ぼすことを可能にするため最終的に除去しなければならず、マスキング基は体内放出されるので比較的非毒でなければならない。この変換は、血中又は組織中で行うことができる。これらの種類のマスクされた薬物は、通常、プロドラッグと称される。
【0015】
ドーパミン作動の制御/調節についての背景技術
ドーパミンは脳内の神経伝達物質である。1950年に行われたこの発見以来、脳におけるドーパミンの機能が熱心に探究された。今日まで、運動機能、認知機能、感覚機能、情緒機能及び自律的(例えば、食欲、体温、睡眠の制御)機能を含めて、脳機能のいくつかの側面において、ドーパミンが不可欠であることが非常に確立されている。したがって、ドーパミン作動性機能の調節は、脳機能に影響を与える広範囲の障害の治療において有益であり得る。実際、神経性障害及び精神障害の両方が、脳内のドーパミン系及びドーパミン受容体との相互作用に基づいた薬物療法で治療されている。
【0016】
中枢ドーパミン受容体に直接的又は間接的に作用する薬物は、一般に、神経障害及び精神障害、例えばパーキンソン病及び統合失調症の治療に使用される。現在入手可能なドーパミン作動性医薬品は、統合失調症治療薬として使用されるドーパミン作動性アンタゴニストにおける錐体外路副作用及び遅発性ジスキネジー、並びに抗パーキンソン剤として使用されるドーパミン作動性アゴニストにおけるジスキネジー及び精神病などの重度の副作用を有する。治療効果は、多くの点で不満足である。ドーパミン作動性医薬品の有効性を向上し、副作用を減少するため、特定のドーパミン受容体サブタイプに対する選択性又は局所選択性を持つ新規なドーパミン受容体リガンドが求められている。この文脈において、部分的ドーパミン受容体アゴニスト、即ちドーパミン受容体に対して一部であって完全ではない固有活性を持つドーパミン受容体リガンドも、過剰なドーパミン受容体遮断又は過剰なドーパミン刺激を回避する、ドーパミン受容体に対する刺激の最適程度を達成するために開発されている。
【0017】
置換3−(フェニル−N−アルキル)ピペリジン、4−(フェニル−N−アルキル)ピペラジン及び置換4−(フェニル−N−アルキル)ピペリジンの種類に属する化合物が以前に報告されている(例えばOSU6162及びACR16)。これらの化合物の中で、一部はCNSにおいて不活性であり、一部はセロトニン作動性又は混合されたセロトニン作動性/ドーパミン作動性の薬理学的特性を呈する一方、一部はドーパミン受容体に対して高い親和性を持つ完全又は部分的ドーパミン受容体アンタゴニスト又はアゴニストである。
【0018】
多くの4−フェニルピペラジン及び4−フェニル−ピペリジン誘導体が知られており、及び記載されており、例えば、CostallらEuropean J.Pharm.31、94、(1975)、及びMewshawらBioorg.Med.Chem.Lett.、8、295、(1998)である。報告された化合物は置換4−フェニル−ピペラジンであり、これらの殆どは、2−、3−又は4−OHフェニル置換であり、DA自己受容体アゴニスト特性を呈している。
【0019】
Fuller R.W.ら、J.Pharmacol.Exp.Therapeut.218、636、(1981)には、報告によるとセロトニンアゴニストとして作用し、セロトニンの取込みを阻害する置換ピペラジン(例えば1−(m−トリフルオロメチルフェニル)ピ−ペラジン)が開示されており、Fuller R.W.ら、Res.、Commun.Chem.Pathol.Pharmacol.17、551、(1977)には、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸に対する比較効果が開示されており、Res.Commun.Chem.Pathol.Pharmacol.29、201、(1980)には、1−(p−クロロフェノール)−ピペラジンによる、ラット脳における5−ヒドロキシインドール酢酸の濃度に対する比較効果が開示されている。
【0020】
Boissier J.ら、Chem Abstr.61:10691cには、二置換ピペラジンが開示されている。該化合物は、報告によると、抗アドレナリン薬、降圧薬、バルビツレートの増強薬及び中枢神経系の抑制薬である。さらに、Akasakaら(欧州特許第0675118号)には、ドーパミンD2受容体拮抗作用及び/又は5−HT2受容体拮抗作用を呈するピペラジンのビフェニル誘導体が開示されている。
【0021】
多くの異なる置換ピペラジンは、5−HT1A受容体に対するリガンドとして公開されており、例えば、Glennon R.A.ら、J.Med.Chem.、31、1968、(1988)及びvan Steen B.J.、J.Med.Chem.、36、2751、(1993)、Dukat M.−L.、J.Med.Chem.、39、4017、(1996)である。Glennon R.A.は、国際特許出願公開第93/00313号及び第91/09594号において、様々なアミン類、それらの中でも置換ピペラジンをシグマ受容体リガンドとして開示している。統合失調症活性、又は任意の他のCNS障害における活性の証拠は、統合失調症患者におけるシグマ受容体リガンドの特性を調査している臨床研究で得られていない。最も広範囲に研究された選択的シグマ受容体アンタゴニストの2種であるBW234U(リムカゾール)及びBMY14802は両方とも、統合失調症患者における臨床研究で失敗した(Borisonら、1991、Psychopharmacol Bull 27(2):103〜106;Gewirtzら、1994、Neuropsychopharmacology 10:37〜40)。
【0022】
Donald L.Barbeau(US)による「非心中毒性医薬化合物」と称する最近の特許出願(公開番号/公開日:20060035863/16−Feb−2006 出願番号/出願日:11199866/9−Aug−2005、米国分類:514/89;546/21、国際分類:A61K 31/675;C07F 9/59、仮出願第60600699号、11−Aug−2004出願、仮出願第60673545号、21−Apr−2005出願)には、うつ病、アレルギー、精神病、癌及び胃腸障害の治療を含めて、様々な障害の治療において有用な新規の非心毒性化合物及び医薬組成物に関する。特に、その発明は、心毒性ヒドロキシル化代謝物の高い血漿中濃度が、それ自体非心毒性であるように設計された非心毒性プロドラッグの使用によって回避されるという事実に基づいた、多形性心室頻拍などの生命を危うくする不整脈を軽減する医薬組成物が記載されている。初回通過二次代謝を回避することによって、それらのヒドロキシル化代謝物は、有効成分自体を投与する場合よりずっと低い濃度においてしか形成されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
たとえN−オキシドがBarbeauの特許(上記を参照のこと)に挙げられていても、本発明は、OSU6162及びACR16に関連する特定分類のドーパミン受容体安定剤のN−オキシドを対象とする。驚くべきことに、請求化合物の一部は、還元性生物活性化経路を介してDA受容体を安定化させるこれらの能力に加えて、DA受容体に対するそれら自体の効果も有することが認められた。さらに驚くべきことに、これらのプロドラッグは、重篤な心血管副作用(例えばQTc及び多形性心室頻拍)の危険性を減少させる薬物動態学的プロフィールを有することが認められた。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、次の一般式を有する化合物、及び医薬として許容できるその塩
【化1】


(式中、Aは、
【化2】


からなる群から選択され、一般式(1)
【化3】


の化合物及び一般式(2)
【化4】


の化合物をそれぞれ形成し、
は、CF、OSOCF、OSOCH、SOR、SO、COR、CN、OR、NO、CONHR、3−チオフェン、2−チオフェン、3−フラン、2−フラン、F、Cl、Br及びIからなる群から選択されるメンバーであり、ここでRは下記で定義した通りであり、
は、フェニルの2位、4位、5位又は6位における、H、F、Cl、Br、I、CN、CF、CH、OCH、OH、NH、SOCF、O(CHCF、SON(R、CH=NOR、COCOOR、COCOON(R、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、CHOR、CH(R、NRSOCF、NOからなる群から選択されるメンバーであり、ここでx及びRは下記で定義した通りであり、
は、水素、CF、CHCF、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキルメチル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、3,3,3−トリ−フルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、CHSCH、CHCHOCH、CHCHCHF、CHCF、フェニルエチル、2−チオフェンエチル及び3−チオフェンエチルからなる群から選択されるメンバーであり、
は、CF、CHCF、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル−メチル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、2−テトラヒドロフラン及び3−テトラヒドロフランからなる群から選択されるメンバーであり、
Xは、N及びsp−ハイブリッドCからなる群から選択され、
Yは、O、及びRがHを表す場合OHからなる群から選択され、
Zは、Xがsp−ハイブリッドCである場合、H及びOHからなる群から選択され、又はZは、XがNである場合、O若しくは孤立電子対を表し、
点線は、Xがsp−ハイブリッドCである場合、結合を表し、又はXがNである場合は存在しない。
mは、整数1又は2であり、
nは整数1〜3であり、
ただし、式1におけるnは2であり、RはSOCHであり、RはHであり、Rはn−プロピルを表さない)
を有する、ドーパミン受容体安定剤/調節剤のN−オキシド誘導体及び/又はジ−N−オキシド誘導体に関する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】時間の経過による(カウント/秒で表した)該薬物及び前駆体の濃度を示すグラフである。
【図2】時間の経過による(カウント/秒で表した)該薬物及び前駆体の濃度を示すグラフである。
【0026】
本発明による化合物の特定の実施形態は、従属する請求項2から8までにおいて説明されている。
【0027】
別の態様によると、本発明は、請求項9から18までにおいて説明されている通り、本発明による化合物又は医薬として許容できるその塩を活性成分として含む医薬製剤に関する。
【0028】
さらなる態様によると、本発明は、請求項19から28までにおいて説明されている通り、中枢神経系における障害の治療用医薬組成物の製造のための、本発明による化合物又は医薬として許容できるその塩の使用に関する。
【0029】
またさらなる態様によると、本発明は、患者の中枢神経系における障害を治療する方法であって、請求項29から39までにおいて説明されている通り、本発明による化合物又は医薬として許容できるその塩の医薬として活性な量が前記患者に投与される方法に関する。
【0030】
この発明による化合物は、直接及び/又は間接的に、ドーパミンを安定/調節する特性を所有し、精神症状及び神経症状の両方を含めて、多数の中枢神経系障害を治療するのに有用である。ドーパミン作動系に対して安定効果/調整効果を持つ化合物が動作緩慢及びうつ病の防止及び精神機能の改善に有益であり得る疾患は、加齢に関連した障害である。それらは、気分障害の症状を寛解させるのに使用することもできる。それらは、食欲低下剤として肥満に、及び他の摂食障害に使用することができる。それらは、神経変性疾患における認知機能及び関連情緒障害を改善するために、並びに血管侵襲又は外傷性侵襲によって誘発された脳損傷の後に使用することができる。同様に、乳児期、小児期又は青年期に現れる発達障害に伴う認知及び運動機能障害が改善し得る。統合失調症及び統合失調症様障害の全症状を改善し、進行中の症状を改善し、並びに新しい精神病エピソードの出現を防止するためにそれらを使用することができる。統合失調症の特徴がない他の精神病性障害、統合失調感情性症候群、並びに他の薬物によって誘発された精神病性症状、妄想及び幻覚も改善し得る。注意欠陥多動性障害(ADHD)、行為障害及び反抗挑戦性障害などの破壊的行動障害も改善し得る。それらは、ジルドゥラトゥレット症候群などのチック障害及び他のチック障害に使用することもできる。また、吃音などの会話障害を改善する。それらは、食品、コーヒー、茶、タバコ、アルコール及び依存性薬物摂取の病的障害の制御用、並びに幻覚、禁断症状、妄想、気分障害、性的障害及び認知障害を含めて、(アルコールを含めた)精神活性物質乱用に伴う精神障害の改善用でもあり得る。
【0031】
不安障害、強迫性障害及び他の衝動制御障害、外傷後ストレス症候群、人格障害、及び転換ヒステリーも、本発明における化合物で治療することができる。他の適応症として、睡眠障害、「時差ボケ」及び性的機能の障害が挙げられる。
【0032】
神経性の適応症として、ハンチントン病、他の舞踏病を含めたジスキネジーなどの運動障害、並びに一次性、二次性及び発作性ジストニア、遅発性ジスキネジー及び遅発性筋緊張異常などの遅発性運動障害、並びに他の薬物誘発運動障害の治療が挙げられる。下肢静止不能、周期性四肢運動及びナルコレプシーも、本発明に含まれる化合物で治療することができる。パーキンソン病における、並びに多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、びまん性レビー小体病障害及び血管パーキンソニズムなどの関連パーキンソン症候群における精神機能及び運動機能も改善する。それらは、異なる起源の振戦を寛解させるのにも使用することができる。本発明における化合物は、急性及び予防的治療の両方として、片頭痛及び群発頭痛などの血管性頭痛の治療に使用することもできる。それらは、以下の血管又は外傷性脳傷害に続くリハビリテーションを向上させることができる。さらに、それらは、増加した筋緊張を特徴とする状態における疼痛を軽減するのに使用することができる。
【0033】
本発明による化合物は、中枢神経系における障害の治療、及び特にドーパミン媒介障害の治療に特に適当である。それらは、例えば、食欲低下剤として肥満における及び他の摂食障害における気分障害の症状を寛解させるため、認知機能及び関連情緒障害を改善するため、発達障害に伴う認知及び運動機能障害を改善するため、統合失調症及び統合失調症様障害を含めた精神病の全症状を改善するため、進行中の症状を改善するため、並びに新しい精神病エピソードの出現を予防するため、食品、コーヒー、茶、タバコ、アルコール及び依存性薬物等の摂取による病的障害を制御するために使用することができる。
【0034】
本発明による化合物は、したがって、例えば:緊張性、混乱性、妄想性、残留性又は分化型統合失調症など、統合失調症及び他の精神病性障害;統合失調症様障害;統合失調感情障害;妄想性障害;短期精神病性障害;共有精神病性障害;妄想及び/又は幻覚がある一般的病状による精神病性障害;うつ病性障害などの気分障害、例えば気分変調性障害又は大うつ病性障害;双極性障害、例えば双極I型障害、双極II型障害、及び循環病;うつ病及び/又は躁病的特徴がある一般的病状による気分障害;及び物質誘発気分障害;急性ストレス障害、パニック障害の経歴がない広場恐怖症、一般的病状による不安障害、全般性不安障害、強迫性障害、広場恐怖症があるパニック障害、広場恐怖症がないパニック障害、心的外傷後ストレス症候群、特定恐怖症、社会恐怖症及び物質誘発不安障害などの不安障害;神経性拒食症、神経性過食症及び肥満などの摂食障害;睡眠異常などの睡眠障害、例えば呼吸関連睡眠障害、概日リズム睡眠障害、過眠症、不眠症、ナルコレプシー及び「時差ボケ」;間欠性爆発性障害、窃盗癖、病的ギャンブル、放火癖、及び抜毛癖など、他の何処にも分類されない衝動制御障害;妄想性、統合失調質又は統合失調型障害などの人格障害;反社会性、境界性、演技性及び自己愛性障害;及び回避性、依存性、強迫性障害;神経遮断薬誘発パーキンソニズム、神経遮断薬性悪性症候群、神経遮断薬誘発の急性及び遅発性筋緊張異常、神経遮断薬誘発アカシジア、神経遮断薬誘発遅発性ジスキネジー、薬物療法誘発する振戦及び薬物療法誘発ジスキネジーなどの薬物療法誘発運動障害;濫用、依存症、不安障害、中毒症、中毒性精神錯乱、精神病性障害、妄想がある精神病性障害、気分障害、持続性健忘症、持続性認知症、持続性知覚障害、性機能不全、睡眠障害、禁断症状、及びアルコール、アンフェタミン(又はアンフェタミン様物質)、カフェイン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン(又はフェンシクリジン様物質)、鎮静物質、睡眠物質及び/又は抗不安物質の使用若しくは誤用による禁断譫妄などの化学物質関連障害;精神遅滞など、通常最初に乳児期、小児期又は青年期に診断された障害;学習障害;運動能力障害、例えば協調運動発達障害;コミュニケーション障害、例えば表出性言語障害、音韻障害、受容−表出性言語障害及び吃音;広汎性発達障害、例えばアスペルガー障害、自閉症性障害、小児期崩壊性障害、及びレット障害;注意欠陥及び破壊的行動障害、例えば注意欠陥/多動性障害、行為障害、及び反抗挑戦性障害;乳児期又は早期小児期の栄養補給及び摂食障害、例えば乳児期又は早期小児期の栄養補給障害、異食症、反芻障害;チック障害、例えば慢性の運動又は音声チック障害及びトゥレット障害;乳児期、小児期又は青年期の他の障害、例えば選択性緘黙及び常同性運動障害;譫妄、認知症、アルツハイマー型などの健忘症及び他の認知障害、クロイツフェルトヤコブ病、致死外傷、ハンチントン病、HIV疾患、ピック病及びびまん性レビー小体病認知症;転換ヒステリー;運動機能及び精神機能における障害など、正常老化に関係する状態;パーキンソン病、及び多系統萎縮症などの関連疾患、例えば線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、及びシャイドレーガー症候群;進行性核上性麻痺;大脳皮質基底核変性症;及び血管パーキンソニズム;本態性、起立性、静止時、小脳性及び二次的振戦などの振戦;片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛及び発作性頭痛などの頭痛;ジスキネジーなどの運動障害、例えば外傷又は血管障害に続発する一般医学状態、片側バリズム、アテトーシス、シデナム舞踏病及び発作性のジストニア;エクボム症候群(下肢静止不能);ウィルソン病;ハレルフォルデンスパッツ病;例えば血管又は外傷性の脳傷害後のリハビリテーションを向上させるためのリハビリテーション医療;線維筋痛症、筋筋膜症候群、筋緊張異常及びパーキンソニズムなど、増加する筋緊張を特徴とする状態における疼痛;並びにより大きな分類内にあるが、それらの分類内のいずれの特定障害の基準にも満たない、上記に関連する状態における症状を治療するのに使用することができる。
【0035】
この発明の誘導体として、医薬として許容できるこの酸付加塩が挙げられる。「医薬として許容できる酸付加塩」という用語によって、哺乳動物において望ましい薬理的特性を有する、上記した化合物の任意の非毒性の医薬として適当な塩を意味する。こうした塩の調製は、薬学の技術者によく知られている。上記化合物の医薬として許容できる酸付加塩として、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、乳酸塩、リン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酢酸塩及びパモ酸塩が挙げられる。
【0036】
適当な溶媒中で前駆体を適当な酸化剤と反応させることを含む、適当な前駆体をそのN−オキシドの薬物/プロドラッグに変換するための方法も提供する。
【0037】
化学的性質
N−酸化のための出発原料として使用される中間体(N−オキシドがない式1及び式2の化合物)の合成は、特許国際出願第92/18475号及び米国特許出願第2003/0004169 A1号に記載されている。
【0038】
第3級アミンから第3級アミンN−オキシドに変換するのに使用できる酸化剤が数多くある。メタクロロ過安息香酸は、一般に、急速に反応してN−オキシドを生成するので都合がよい。しかし、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過トリフルオロ酢酸、過マレイン酸及び過フタル酸などの他の有機過酸も使用することができる。別法として、酸化剤は、ギ酸、酢酸又はトリフルオロ酢酸、などの酸中に第3級アミンを溶解すること、及び3%〜50%濃度、好ましくは30%から50%濃度の水性過酸化水素を添加することによってその場で生成することができる。塩化メチレン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタンなどの非プロトン性溶媒、又はCF3COOH、メタノール、エタノール、プロパノール若しくは第3級ブタノールなどのプロトン性溶媒は、反応媒体として使用することが可能であり、或いは酸化剤がその場で生成される場合、該酸を、任意選択によって反応媒体として使用することができる。
【0039】
上記した通りの有機過酸を使用する代わりに、過酸化水素などの過酸化物を使用することができる。水性過酸化水素は、3%から50%の濃度にて単独で使用することが可能であり、又は上記に列挙した溶媒などの溶媒中で使用することもできる。使用することができる他の酸化剤として、オゾン、第三ブチルヒドロペルオキシド及びクメンヒドロペルオキシドを挙げることができる。
【0040】
一般に、酸化剤は、0℃と溶媒の沸点との間、より詳細には室温と溶媒の沸点との間の温度、及び数分と3日の間、より詳細には1時間と24時間との間の時間で用いられる。過酸化物は、アミン1当量に対して過酸化物1当量の割合で使用することが可能であり、又は過剰な過酸化物は、10%と100%超以上との間で使用することもできる。ジ−N−オキシドを調製するため、少なくとも2当量が必要である。反応の最後に過剰な過酸化物が存在する場合(最も容易には、ヨウ化デンプン紙で検出される)、それは、亜硫酸水素ナトリウム若しくは亜硫酸ナトリウムなどの無機還元剤、炭素若しくはアルミナ上の5%白金若しくはパラジウムなどの金属触媒、又は硫化ジメチル若しくはCSなどの有機還元剤を添加することによって破壊することができる。
【0041】
第3級アミンオキシドの調製に使用することができる他の酸化剤は、クロロホルム、塩化メチレン、フレオン又はメタノールなどの溶媒中のオゾン;シリカゲル上に吸収されたオゾン;及び任意選択によりバナジウム化合物などの触媒の存在下における、第3ブチルヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシドである。
【0042】
例えば工業規模の調製において、コストが重要である場合、好ましい試薬は、溶媒として第3級ブタノール中の30%〜50%水性過酸化水素である。
【0043】
この発明の多くの化合物を調製するための方法を以下の実施例において実証するが、実施例は本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0044】
実験の項
一般
IRスペクトルは、ATI−マットソン、ジェネシスシリーズFTIR分光計で得た。NMRスペクトルは、バリアンのジェミニ300分光計で得た。化学シフトは、δ値(ppm)で報告している。質量スペクトル(ES)は、PEサイエックスAPI 3000LCMS/MSシステム質量分析計で記録した。質量スペクトル(EI)は、島津のGC−17A GCMS−QP50000 CP−Sil 5−CB 低ブリード/MS 15m/0.25mm ID/0.10μm GC−MSシステム、オートサンプラー/インジェクター AOS−20で記録した。ガスクロマトグラフィーは、HP 5890シリーズII CP−Sil 5−CBクロムパック 15m/0.25mm ID/0.10μmのガスクロマトグラフで行った。水素ガス圧力での接触還元は、ゲルハルトのParr装置で行った。旋光度は、パーキンエルマーの241旋光計で行った。HPLCは、ウォーターズのキラルPAK ADカラムで行った。
【0045】
4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン−4−オール(1)
【化5】

【0046】
3−ブロモチオアニソール(960mg、4.73mmol)を、Na上で乾燥させたジエチルエーテル10mL中に溶解した。1−プロピル−4−ピペリドンを乾燥ジエチルエーテル8mL中に溶解した。3−ブロモチオアニソールの乾燥ジエチルエーテル溶液のおよそ10%を、窒素雰囲気中で、乾燥させた250mL三つ口フラスコ中のマグネシウム(344mg、14.15mmol)及び数個のヨウ素結晶に添加した。褐色混合物が無色に変わった時、3−ブロモチオアニソールの乾燥ジエチルエーテル残留溶液を、窒素雰囲気中にて温水浴上で還流しながら滴下により添加した。全ての溶液を添加した時、反応混合物を放置して20分間還流させた。次いで、蒸発のため、乾燥ジエチルエーテル10mLを添加した。これを放置して30分間還流させた。反応混合物は黄色に変わり、次いで緑色に変わった。ガス形成が還流前でも認められた。次いで、反応混合物を室温に放置冷却した。1−プロピル−4−ピペリドンの乾燥ジエチルエーテル溶液を、反応混合物に滴下により添加した。反応混合物は、この時、ダーク油、白色沈殿物及び一部の澄明な液から成っていた。反応混合物を飽和NHCl溶液(30mL)で後処理した。有機層を分離した。水層をジエチルエーテルで2回抽出した。有機層を回収し、ブラインで洗浄し、夜中MgSO上で乾燥させた。溶液をろ過し、溶媒を真空中にてロタベーパー上で蒸発させた。さらなる精製なし。収量:460mg(56%)。
【化6】

【0047】
4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−1−プロピル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(2)
【化7】

【0048】
4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン−4−オール(1)(100mg、0.38mmol)を、50mLフラスコ中のトリフルオロ酢酸(TFA)2mL中に、撹拌しながら窒素雰囲気中で溶解した。反応混合物をイソマントル上で加熱還流した。15分後、反応混合物を室温に冷却した。TFAを蒸留によって減圧下で除去した。残留茶色オイルをジエチルエーテル中に溶解し、水で3回及びブラインで1回洗浄した。水層及びブライン層を回収し、NaCOで塩基性化し、ジエチルエーテルで2回抽出した。有機層を回収し、MgSO上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を、ロタベーパーを使用して減圧下で蒸発させた。収量:103mg(111%)。
【化8】

【0049】
4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン(3)
【化9】

【0050】
4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−1−プロピル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(2)(290mg、1.17mmol)を、窒素雰囲気中で、エタノール(100%)10mLとともにParrフラスコ中に入れた。Pd/C 100mg及びHCl(37%)0.5mLを添加した。フラスコをParr還元装置に取り付け、Hガスを3バールの圧力に添加した。これを1時間、振盪したままで放置した。次いで、混合物をセライト上でろ過し、フラスコ中に戻し、別のPd/C 100mg及びHCl(37%)1mLを添加した後、フラスコをParr装置に再び取り付け、今度は75分の別のセッションを開始した。該手順を、105分のセッション時間で1夜及び2時間、別々に3回繰り返した。最終的に、混合物をろ過し、溶媒をロタベーパー上にて真空中で蒸発させた。NaHCO 10% 10mLを添加した(pH8)。次いで、水30mL及びジエチルエーテル40mLを添加及び振盪した。水層をジエチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、ろ過し、溶媒をロタベーパー上で蒸発させた。淡黄色油をCHCl中に溶かし、勾配カラムクロマトグラフィー(Al、CHCl、CHCl:MeOH 10:1)によって精製した。画分9〜20が、所望の生成物を含有していた。画分を回収し、溶媒を減圧下で蒸発させた。収量:335mg(115%)。該反応を、薄層クロマトグラフィー(NHで洗い流したSiO、CHCl:MeOH 20:1及びAl、CHCL:MeOH 40:1)上で続けた。
【化10】

【0051】
4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン−1−オキシド(4,ACR16−N−オキシド)
【化11】

【0052】
4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン(3)(240mg、0.96mmol)、3−クロロペルオキシ安息香酸(672mg、3.88mmol)及びTFA 2mLを、撹拌及び氷水上で冷却しながらCHCl 30mLに添加した。撹拌を1時間続けた。溶媒をロタベーパー上にて真空中で蒸発させた。使用しない間は、残留油を冷蔵した。白色固体を、10% NaHCO溶液で処理し、混合物をCHClで3回抽出した。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥し、ろ過した。溶媒をロタベーパー上にて真空中で蒸発させた。これを勾配カラムクロマトグラフィー(酸性のAl、CHCl、CHCl:MeOH 20:1)によって精製した。画分19〜36が、純粋ではないが所望の生成物を含有していた。画分19〜36は純粋であり、画分14〜18を勾配カラムクロマトグラフィー(Al、CHCl、CHCl:MeOH 20:1)によって再び精製した。画分10〜30が、純粋ではないが所望の生成物を含有していた。画分10〜12は純粋であり、画分13〜30を勾配カラムクロマトグラフィー(Al、CHCl、CHCl:MeOH 40:1)によって再び精製した。画分11及び画分12は、純粋な所望の生成物を含有していた。収量:109mg(39%)。
【化12】

【0053】
4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン−4−オール−1−オキシド(5)
【化13】

【0054】
3−クロロペルオキシ安息香酸70〜75% 5当量(2115mg、9.45mmol)を、CHCl(15mL)中に溶解した。4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン−4−オール(1)(507mg、1.89mmol)を、100mLフラスコ中のCHCl(20mL)中に溶解した。3−クロロペルオキシ安息香酸溶液12mLを、撹拌しながら該フラスコに添加した。反応混合物を、撹拌したまま2時間放置した。次いで、別の3−クロロペルオキシ安息香酸溶液3mLを、撹拌しながら添加した。2時間後、撹拌を停止させ、反応混合物を室温で終夜そのまま放置した。溶液から数mL取り出した。いくらかの冷やしたCHClを添加することによって、ロタベーパー上で一部の溶媒を蒸発させた後、結晶化を行った。ろ過し、濯ぎ、デシケーター中で乾燥した後、白色結晶5mgを回収した。残留反応混合物は、勾配カラムクロマトグラフィー(Al、CHCl:MeOH 40:1、CHCl:MeOH 20:1)によって精製した。所望の生成物を含有していた画分で、これをあと2回行った。第3カラムの画分19〜23は所望の生成物を含有していたが、純粋ではなかった。結晶化を、EtOH及びジエチルエーテルで行った。回収した結晶を溶解し、この試料の純度をHPLC上で調べた。純度を、80%と90%の間と概算した。次いで、イオン対剤の3,5−ジ−tert−Bu−2−OH−フェニル−スルホン酸を、粗生成物の混合物、約1のpHを維持する水及びCH2Cl2に添加し、抽出を行った。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥し、ろ過した。溶媒をロタベーパー上で蒸発させた。残留油中の所望の生成物を、カラムクロマトグラフィー(Al、CHCl:MeOH 20:1)によって精製した。画分14〜22が所望の生成物を含有しており、溶液中で結晶化した。結晶を、遠心分離によってジエチルエーテル中で回収した。収量:(イオン対剤を除いて)104mg(19%)。
【化14】

【0055】
3−(3−メトキシ−フェニル)−1−ベンジルピペリジン(6)
3−ブロモアニソール(14.824g、79.26mmol)を、Na上で乾燥させたジエチルエーテル160mLに溶解した。3−ブロモアニソールの乾燥ジエチルエーテル溶液のおよそ10%を、乾燥した500mL三つ口フラスコ中のマグネシウム(1.927g、79.27mmol)及び数個のヨウ素結晶に、撹拌しながら窒素雰囲気中で添加した。ほぼ瞬時に、Hガスが見られた。褐色混合物が無色に変わった。3−ブロモアニソールの乾燥ジエチルエーテル残留溶液を、滴下により添加した。この間及びこの後で、ガス形成が認められた。1時間後、多量の白色沈殿物が認められた。1−ベンジル−3−ピペリドン(5.000g、26.42mmol)を、乾燥ジエチルエーテル120mL中に溶解し、反応混合物に30℃で滴下により添加した。きれいな白色/黄色の沈殿物が、より粗くなり茶色がかった。撹拌を室温で1時間続けた。次いで、懸濁液を三角フラスコ中に注ぎ、飽和NHCl溶液150mLを添加した。酢酸エチル約50mLを添加して、三つ口フラスコを洗浄した。懸濁液を5分間撹拌した。有機層を分離し、水層をジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を回収し、ブラインで洗浄し、終夜NaSO上で乾燥した。溶液をろ過し、溶媒を蒸発させた。残渣(約12.000g)をエーテルで1回抽出し、溶媒を蒸発させた。収量:7.6g(32%)。
【化15】

【0056】
3−(3−メトキシ−フェニル)−1−ベンジル−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン(7)
3−ベンジル−1−(3−メトキシ−フェニル)−シクロヘキサノール(8)(7.640g、25.72mmol)を、50mLフラスコ中のTFA 20mL中に、撹拌しながら窒素雰囲気中で溶解した。3時間、反応混合物を撹拌した。次いで、反応混合物を終夜加熱還流した。その後、反応を停止させ、TFAを除去した。残留油を、50%に希釈した飽和NaHCO溶液で塩基性化し、CHClで2回抽出した。有機層を回収し、NaSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。ダーク油を、勾配カラムクロマトグラフィー(SiO、CHCl、CHCl:MeOH 1:1)によって精製した。画分23〜27が所望の生成物を含有していた。収量:4.9g(64%)。
【化16】

【0057】
3−(3−メトキシ−フェニル)−1−ベンジルピペリジン(R−及びS−8)1−ベンジル−5−(3−メトキシ−フェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン(7)の分解能
(4580mg、16.42mmol)を、窒素雰囲気中で、エタノール100mL及びPd/C 300mgとともにParrフラスコに入れた。該フラスコをParr還元装置に取り付け、1と3/4時間3バールのH圧力で振盪したままにした。反応混合物を次いでろ過し、溶媒をロタベーパー上にて真空中で蒸発させた。次いで、(−)−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物(5750mg、15.28mmol)及びメタノール60mLを添加した。反応混合物を、1/2時間撹拌しながら還流した。一部のメタノールを加熱することによって蒸発させ、ジエチルエーテル数mLを添加した。反応混合物を放置冷却し、5夜にわたって放置した。白色結晶が橙色溶液中に現れた。懸濁液をデカントした。結晶を、氷上の冷やしたメタノール中で撹拌した。懸濁液をろ過し、乾燥させた。残留橙色溶液を、(+)−ジベンゾイル−D−酒石酸一水和物(5370mg、14.99mmol)を使用してもう一度結晶化した。現れた白色析出物を、そのエナンチオマーと同じ方法で処理した。収量(+):2.8g(60%)。収量(−):2.7g(59%)。α=−44;
【化17】

【0058】
S−3−(3−メトキシ−フェニル)−ピペリジン(S−9)1−ベンジル−3−(3−メトキシ−フェニル)−ピペリジン(S−8)(306mg、1.09mmol)を、Pd/C(250mg)、ギ酸アンモニウム(270mg、62.06mmol)及びメタノール125mLに添加した。反応混合物を、撹拌しながら窒素雰囲気中で1時間還流にかけた。次いで、反応混合物を室温に放置冷却した。反応混合物をろ過した。ろ液に、いくらかのメタノールを添加し、簡単に還流した。再び、これをろ過した。両方のメタノール画分を合わせ、溶媒を蒸発させた。収量:196mg(94%)。
【化18】

【0059】
S−3−(3−メトキシ−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン(S−10)3−(3−メトキシ−フェニル)−ピペリジン(S−9)(180mg、0.94mmol)及び(n)−ヨウ化プロピル(240mg、1.41mmol)及びセシウムカーボネート(614mg、1.88mmol)を、アセトニトリル50mLに、撹拌しながら窒素雰囲気中で添加した。これを終夜放置した。TLCにより一部の出発原料がまだ存在しているのが示され、セシウムカーボネート(305mg、0.94mmol)をアセトニトリル数mL中に添加した。また、(n)−ヨウ化プロピル(170mg、1.00mmol)をアセトニトリル数mL中に添加した。反応混合物を4時間還流した。反応混合物を室温に放置冷却し、淡黄色であった。反応混合物をろ過し、溶媒を蒸発させた。次いで、これをCHCl中に溶解した。一部のセシウムカーボネートがまだ存在していた。反応混合物を水で3回及びブラインで1回洗浄し、次いで、MgSO上で乾燥し、ろ過し、溶媒を次いで蒸発させた。残留油をCHCl中に溶かし、カラムクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH 20:1)によって精製した。画分18〜42が所望の生成物を含有していた。収量:121mg(55%)。
【化19】

【0060】
S−3−(1−プロピル−ピペリジン−3−イル)−フェノール(S−3−PPP;S−11)S−3−(3−メトキシ−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン(S−10)(130mg、0.56mmol)を、HBr(48%)10mLに、撹拌しながら窒素雰囲気中で添加し、1/2時間還流した。溶媒を反応混合物から真空で留出させ、これを放置乾燥する。3倍のエタノール(100%)を添加し、反応混合物から真空で留出させ、これを再び放置乾燥する。次いで、10% NaHCO溶液数mLを添加した。混合物をCHClで3回抽出した。有機層を合わせ、ブラインで1回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、ろ過した。溶媒を蒸発させた。収量:125mg(102%)。
【化20】

【0061】
S−3−トリフルオロ−メタンスルホニルオキシ−(1−n−プロピル−フェニル)ピペリジン(S−12)S−3−(3−ヒドロキシフェニル)−N−n−プロピルピペリジン(S−3−PPP;S−11)(102.1mg、0.40mmol)及びN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(195mg、0.55mmol)を、(Al上の)乾燥CHCl(40mL)中に溶解した。混合物を−60℃に冷却した。トリエチルアミン(500μL、3.60mmol)を、45分の時間で滴下により添加した。温度を−50℃で、もう10分間保持した。次いで、反応混合物をゆっくり室温(11℃)にした。反応混合物を終夜そのまま放置した。次いで、N−フェニルトリフルオロ−メタンスルホンイミド(80mg、0.22mmol)を、−60℃で添加した。その後、温度をゆっくり10℃にした。反応混合物をもう一度終夜そのまま放置した。次いで、反応混合物を、水(10mL)で3回及び最後にブラインで1回抽出した。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥し、ろ過した。溶媒を蒸発させた。残留物質を、カラムクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH 20:1)によって精製した。収量:280mg(96%)。
【化21】

【0062】
S−トリフルオロメタンスルホン酸3−(1−プロピル−ピペリジン−3−イル)−フェニルエステル−1−オキシド(S−3−PPP−OTf−N−ox;S−13)
【化22】

【0063】
SonessonらによってJournal of Medicinal Chemistry、1994、Vol.37、No.17に化合物6として記載されたS−トリフルオロ−メタンスルホン酸3−(1−プロピル−ピペリジン−3−イル)−フェニルエステル(Mw 351、100mg、285μmol)を、約5mLの塩化メチレン中に溶解した。この溶液に、(室温で)m−クロロ過安息香酸(MCPBA、Mw 173、200mg、1160μmol)を添加した。TLC(塩化メチレン/メタノール 20/1で溶出するアルミナ)を約1時間後に行ったところ、出発原料が示されず、プレート上約半分に新しいスポットが示された。同じ溶出液を、パスツールペット(アルミナ)でのクロマトグラフィーの場合に使用した。約1mLの画分を回収し、生成物を単離し、溶媒を蒸発によって除去して固体(50mg)を残し、これをAPI MS(M+1=368)によって同定した。
【0064】
4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−N−オキシド(14,ACR16−エン−N−オキシド)
3−メチルスルファニルブロモベンゼンのグリニャール試薬を少量(約50mg)生成し、n−プロピル−3−ピペリドンと反応させ、4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン−4−オールを形成し、これを還流しているTFA中で脱水し、その後mCPBAで酸化した。約10mLのCH2Cl2、10mLのCH2Cl2:MeOH(40:1)及び最後に10mLのCH2Cl2:MeOH(20:1)で溶出する、中性Al2O3を充填したパスツールピペットの先端部に、反応混合物を塗った。ほぼ純粋な(>90%)4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−N−オキシドを含有する画分(14,MS API直接注入)は、M+1=296を示した。
【0065】
薬理
ラット線条体標準微小透析実験における微小透析を、自由に行動しているラットにおいてオンラインで行った。線条体をリンゲル液及びドーパミンで灌流し、DOPAC及び5−HIAAを電気化学的検出HPLCによって定量化した。
【0066】
驚くべきことに、例えば化合物3−OTf−PPPのN−オキシドに対する作用の非常に長い持続時間を持つ顕著な薬理効果(下記のグラフを参照のこと)が記録された。さらに、また驚くべきことに、N−オキシド化合物の一部の注入により、リンゲル液内の異なる濃度で微小透析ラットの線条体中に注入した場合、対照と比較して変化した生化学的応答を呈することが判明した。これは、これらのN−オキシドが、受容体に対して又はドーパミン神経細胞の別の濃度に対して、それ自体非活性でないことを示している。この活性は、対応する塩基性アミン類似体によって呈される活性とは異なり、N−オキシドのプロドラッグに付加価値を与えることができ、これらの新規化合物の治療可能性に有益である。
【0067】
4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン−1−オキシド(4,ACR16−N−オキシド)
最初に、50μmol/kgを経口投与した結果、約45分後にドーパミン(DA)濃度がかなり上昇し、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DO−PAC)濃度が僅かに上昇した。180分(3時間)100μmol/kg ACR16 N−オキシドを経口投与した。ほとんど直後に、ドーパミンの濃度が、240分(4時間)後に対照の250%より高い最大高さでピークまで上昇する。3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)濃度も上がる。
【0068】
S−3−トリフルオロ−メタンスルホニルオキシ−(1−n−プロピル−フェニルピペリジン(S−3−PPP トリフレート;S−12)
対照化合物の試験結果
(−)−3−PPP トリフレートをここに示す:経口投与した(−)−3−PPP トリフレートは100μmol/kgであった。ほとんど直後に、ドーパミン(DA)及び3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)濃度の上昇が、約150分(2.5時間)後、最大約175%まで認められる。5−ヒドロキシインドール酢酸(HIAA)の濃度は約100%であった。約195分(3.25時間)後に、ドーパミン及び3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)の両濃度が減少する。
【0069】
約240分(4時間)後、対照の350%までのドーパミン濃度の驚くべき上昇とともに、両濃度の突然の上昇が再び認められる。
【0070】
S−3−トリフルオロ−メタンスルホニルオキシ−(1−n−プロピル−フェニルピペリジンN−オキシド(S−3−PPP トリフレート−N−オキシド;S−13)
S−3−PPP トリフレート−N−オキシドの試験結果をここに示す:経口投与したS−3−PPP トリフレート−N−オキシドは100μmol/kgであった。ほとんど直後に、ドーパミン(DA)及び3,4−ジヒドロキシフェニル−酢酸(DOPAC)濃度の上昇が、それぞれ約120分(2時間)後、最大約230%及び150%まで認められる。これらの濃度は、実験(6時間)全体にわたり一定であった。5−ヒドロキシインドール酢酸(HIAA)の濃度は約100%であった。
【0071】
化合物4−(3−メタンスルホニルフェニル)−1−プロピル−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−N−オキシド(化合物14)を用いる微小透析。
【化23】

【0072】
10μL HOAc及び水1mL中に溶解したACR16−エン−N−ox 9.2mg(9200/295μmol=31μmol)の、ラット(340g===>31/0.340=91μmol/kg)における経口投与後の結果として、DA及びDOPACの放出が対照の約300%まで増加した。これらの効果の持続は、>4時間であった。
【0073】
薬物動態
この特定ラットの線条体から薬物試料を回収できるように、ホスパルの膜プローブと比較して、「反対側の」線条体中に挿入した「中空繊維」膜の微小透析プローブもラットに与えた(上記を参照のこと)。
【0074】
手術1日後、ラット(上記薬物動態を参照のこと)に化合物S−3−OTf−3−PPP−N−ox(13;100μmol/kg、p.o.)及び薬剤を与えて、前駆体の濃度(カウント/秒(cps)で表される;1時間毎に回収したサンプル体積は95μLであった)を、他の線条体から1時間毎にモニターした。3−OTf−3−PPP−N−oxを、Rt=11.68分にて368/235の+MRMで測定した。前駆体3−OTf−3−PPPを、Rt=11.50分にて352/219の+MRMで測定した。
【0075】
分析をHPLC/MS/MSの勾配(CH3CN/30分の全サイクルでCH3CNに対して15%から95%の水)系で行い、以下の結果となったが、驚くべきことに、0時間と6時間の間で化合物12の線条体の濃度の連続的上昇を示している(図1及び図2を参照のこと)。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式を有する化合物、及び医薬として許容できるその塩
【化1】


(式中、Aは、
【化2】


からなる群から選択され、一般式(1)
【化3】


の化合物及び一般式(2)
【化4】


の化合物をそれぞれ形成し、
は、CF、OSOCF、OSOCH、SOR、SO、COR、CN、OR、NO、CONHR、3−チオフェン、2−チオフェン、3−フラン、2−フラン、F、Cl、Br及びIからなる群から選択されるメンバーであり、ここでRは下記で定義した通りであり、
は、フェニルの2位、4位、5位又は6位における、H、F、Cl、Br、I、CN、CF、CH、OCH、OH、NH、SOCF、O(CHCF、SON(R、CH=NOR、COCOOR、COCOON(R、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、CHOR、CH(R、NRSOCF、NOからなる群から選択されるメンバーであり、ここでx及びRは下記で定義した通りであり、
は、水素、CF、CHCF、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキルメチル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、3,3,3−トリ−フルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、CHSCH、CHCHOCH、CHCHCHF、CHCF、フェニルエチル、2−チオフェンエチル及び3−チオフェンエチルからなる群から選択されるメンバーであり、
は、CF、CHCF、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル−メチル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、2−テトラヒドロフラン及び3−テトラヒドロフランからなる群から選択されるメンバーであり、
Xは、N及びsp−ハイブリッドCからなる群から選択され、
Yは、O、及びRがHを表す場合OHからなる群から選択され、
Zは、Xがsp−ハイブリッドCである場合H及びOHからなる群から選択され、又はZは、XがNである場合O若しくは孤立電子対を表し、
点線は、Xがsp−ハイブリッドCである場合結合を表し、又はXがNである場合存在せず、
mは、整数1又は2であり、
nは整数1〜3であり、
ただし、式1におけるnは2であり、RはSOCHであり、RはHであり、Rはn−プロピルを表さない)。
【請求項2】
が、CN、SOCH又はOSOCFを表す、請求項1に記載の式(1)の化合物。
【請求項3】
ZがOを表す、請求項2に記載の式(1)の化合物。
【請求項4】
Xがsp−ハイブリッドCである、請求項1に記載の式(2)の化合物。
【請求項5】
がSOCHである、請求項1又は請求項4に記載の式(2)の化合物。
【請求項6】
YがOを表す、請求項5に記載の式(2)の化合物。
【請求項7】
が、CH、F及びClからなる群から選択される、請求項1又は4から6までのいずれか一項に記載の式(2)の化合物。
【請求項8】
がn−プロピル及びエチルからなる群から選択される、請求項1及び4から7までのいずれか一項に記載の式(2)の化合物。
【請求項9】
活性成分として、請求項1から8までのいずれか一項において定義した通りの化合物又は医薬として許容できるその塩を、医薬として許容できる担体又は希釈剤と一緒に含む医薬製剤。
【請求項10】
中枢神経系における障害の治療における使用のための、請求項9に記載の医薬製剤。
【請求項11】
ドーパミン媒介障害の治療における使用のための、請求項9又は10に記載の医薬製剤。
【請求項12】
医原性及び非医原性のパーキンソニズム、ジスキネジー及びジストニア、チック、振戦、トゥレット病、吃音並びに他の会話障害などの運動障害からなる群から選択される状態の治療における使用のための、請求項9に記載の医薬製剤。
【請求項13】
統合失調症及び統合失調症様障害を含む、医原性及び非医原性の精神病及び幻覚症からなる群から選択される状態の治療における使用のための、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項14】
マノうつ病、うつ病及び強迫疾患を含む、気分障害及び不安障害からなる群から選択される状態の治療における使用のための、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項15】
注意欠陥障害、自閉障害、動作緩慢及び思考緩慢、並びに認知機能障害を含む、神経発達障害及び加齢性障害からなる群から選択される状態の治療における使用のための、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項16】
睡眠障害、性的障害、摂食障害、肥満、並びに頭痛及び他の疼痛からなる群から選択される状態の治療における使用のための、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項17】
神経変性障害及び発達障害における運動機能、認知機能及び関連情緒障害の改善における、並びに外傷性、中毒性、炎症性、感染性、腫瘍性、血管、低酸素性又は代謝性原因によって誘発される脳傷害後の統合失調症及び統合失調症様障害からなる群から選択される状態の治療における使用のための、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項18】
化学物質関連障害の治療における使用のための、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項19】
中枢神経系における障害の治療用医薬組成物の製造のための、請求項1から8までのいずれか一項において定義した通りの式(1)若しくは式(2)の化合物又は医薬として許容できるその塩の使用。
【請求項20】
前記医薬組成物がドーパミン媒介障害の治療用である、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
前記医薬組成物が、医原性及び非医原性のパーキンソニズム、ジスキネジー及びジストニア、チック、振戦、トゥレット症候群、吃音並びに他の会話障害などの運動障害からなる群から選択される状態の治療用である、請求項19又は請求項20に記載の使用。
【請求項22】
前記医薬組成物が、統合失調症及び統合失調症様障害を含む、医原性及び非医原性の精神病及び幻覚症からなる群から選択される状態の治療用である、請求項19又は請求項20に記載の使用。
【請求項23】
前記医薬組成物が、マノうつ病、うつ病及び強迫疾患を含む、気分障害及び不安障害からなる群から選択される状態の治療用である、請求項19又は請求項20に記載の使用。
【請求項24】
前記医薬組成物が、注意欠陥障害、自閉障害、動作緩慢及び思考緩慢、並びに認知機能障害を含む、神経発達障害及び加齢性障害からなる群から選択される状態の治療用である、請求項19又は請求項20に記載の使用。
【請求項25】
前記医薬組成物が、睡眠障害、性的障害、摂食障害、肥満、並びに頭痛、及び他の疼痛からなる群から選択される状態の治療用である、請求項19又は請求項20に記載の使用。
【請求項26】
前記医薬組成物が、神経変性障害及び発達障害における運動機能、認知機能及び関連情緒障害の改善用、並びに外傷性、中毒性、炎症性、感染性、腫瘍性、血管、低酸素性又は代謝性原因によって誘発される脳傷害後の統合失調症及び統合失調症様障害からなる群から選択される状態の治療用である、請求項19又は請求項20に記載の使用。
【請求項27】
前記医薬組成物が化学物質関連障害の治療用である、請求項19に記載の使用。
【請求項28】
前記化合物が、RがSOCHを表し、RがHを表し、Rがnプロピルを表し、及びnが2を表す、請求項1において定義した通りの式(1)の化合物である、請求項19又は請求項20に記載の使用。
【請求項29】
患者の中枢神経系における障害を治療する方法であって、請求項1から8までのいずれか一項に記載の化合物又は医薬として許容できるその塩の医薬として活性な量が前記患者に投与される方法。
【請求項30】
ドーパミン媒介障害の治療のための、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
医原性及び非医原性のパーキンソニズム、ジスキネジー及びジストニア、チック、振戦、トゥレット症候群、吃音並びに他の会話障害などの運動障害からなる群から選択される状態の治療のための、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項32】
統合失調症及び統合失調症様障害を含む、医原性及び非医原性の精神病及び幻覚症からなる群から選択される状態の治療のための、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項33】
マノうつ病、うつ病及び強迫疾患を含む、気分障害及び不安障害からなる群から選択される状態の治療のための、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項34】
注意欠陥障害、自閉障害、動作緩慢及び思考緩慢、並びに認知機能障害を含む、神経発達障害及び加齢性障害からなる群から選択される状態の治療のための、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項35】
睡眠障害、性的障害、摂食障害、肥満、並びに頭痛及び他の疼痛からなる群から選択される状態の治療のための、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項36】
神経変性障害及び発達障害における運動機能、認知機能及び関連情緒障害の改善のための、並びに外傷性、中毒性、炎症性、感染性、腫瘍性、血管、低酸素性又は代謝性原因によって誘発される脳傷害後の統合失調症及び統合失調症様障害からなる群から選択される状態の治療のための、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項37】
化学物質関連障害の治療のための、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項38】
前記化合物が、経口で50〜500mg/70kg、又は非経口で0.5から50mg/70kgの治療有効量で患者に投与される、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項39】
前記化合物が、RがSOCHを表し、RがHを表し、Rがn−プロピルを表し、及びnが2を表す、請求項1に記載の式(1)の化合物である、請求項29又は請求項30に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−523651(P2010−523651A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502976(P2010−502976)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【国際出願番号】PCT/SE2008/050414
【国際公開番号】WO2008/127188
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(508356445)エヌエスエイビー、フィリアル アヴ ノイロサーチ スウェーデン エービー、スヴェーリエ (10)
【Fターム(参考)】