説明

改善された放射活用を備えた赤外線センサー

本発明は、放射線を吸収して加熱される吸収器エレメント(19)と凹部(18)を有する支持体(17)とを備えた検出器チップ(2)からなり、例えば、非接触温度測定または赤外線ガス分光用の放射線センサーであって、吸収器エレメント(19)は、吸収器エレメント(19)の少なくとも一部が支持体(17)に接触せず、かつ、支持体(17)が支持基板(1)に実装されるように、凹部(18)上に配置されている前述の放射線センサーに関する。本発明によれば、放射線センサーは、放射線を吸収して加熱される吸収器エレメントと凹部を有する支持体とを備えた検出器、好ましくは検出器チップからなり、吸収器エレメントは、吸収器エレメントの少なくとも一部が支持体に接しないように、凹部上に配置され、支持体の凹部の少なくともベースまたはフロア表面が、少なくとも部分的に、検出のために放射線を反射する材料からなり、前述の放射線センサーを設けることができ、少なくともベースまたは凹部(18)のフロア表面が、検出のために放射線を反射し、かつ、その下方に支持基板(1)が配置される材料(7)を少なくとも部分的に有している。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、非接触温度測定または赤外線ガス分光のための放射線センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
温度を測定する公知の技術は多いが、それらは、物理的または化学的な材料特性が温度に依存する多くの特質を技術的に活用している。これらの方法の殆ど全てが、測定センサーに対する熱伝達に基づいている。いわゆる接触温度計では、この熱伝達は、熱の伝導と対流とを介して行われ、非接触温度計(放射温度計)の場合、熱放射によって行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
接触温度計が一般的に非常に信頼でき、最も単純で製造費用効果が高くても、それらの用途は依然として限られている。従って、例えば、測定センサーの材料特性による上限温度があり、それを越えると、測定センサーはもう動作できない。そのうえ、接触温度計は、高速で移動し、または、接近しにくい物体の温度の測定に適していない。
【0004】
従って、熱放射に基づく非接触温度計は、多くの用途で採用されている。温度がT>0Kである任意の表面は、電磁波、いわゆる熱放射線を放出する。表面から放出された放射線が別の表面に接すると、それは、部分的に反射、吸収または伝達される。従って、吸収エレメントの加熱が放出された赤外放射線の証拠として機能するので、吸収エレメントは、波長に関係なく、かつ、放射線(赤外放射線)の入射によって加熱される吸収能力を理想的に有する放射温度計に用いられる。
【0005】
放射温度計またはいわゆる放射高温計は、一般に、レンズと、吸収エレメントを備えた検出器エレメントだけでなく、レンズと検出器とを機械的および熱的に保護するハウジングをも有している。これらのセンサーの場合、被測定物体から放出された赤外放射線は、吸収面上に、適切な窓または光学部品を介し、しるされるので、この表面は、吸収により温度が上昇する。放射温度計は、検出器の温度より低い温度の測定にも使用できることが分かっている。しかし、この場合、吸収エレメントの自己放射による温度降下は、得られた放射線の吸収による温度上昇より大きいので、全体的には、吸収器エレメントの温度低下となる。
【0006】
温度の上昇(または低下)は異なる方式で測定できる。サーミスター・ボロメータの場合、それは、測定される電気抵抗の変化であり、サーモ・エレメントについては、二つの金属ワイヤ間の接触点における電圧であり、パイロ電気検出器の場合、特殊な絶縁クリスタルの温度に変化がある場合に生じる電荷の変位である。
【0007】
サーモ・エレメントは、温度上昇をもたらす所謂ゼーベック効果を用いている。二つの異なる熱電材料製の熱電対の接合点が吸収領域に接し、基準接点は一般的にセンサー・ハウジングの温度である。このようなサーモ・エレメントのセンサー出力電圧は非常に小さいので、しばしば、多くのこのようなサーモ・エレメントは直列に接続されている。このような多くのサーモ・エレメントの直列接続は、サーモ−カラムまたはサーモ−パイルとも呼ばれている。
【0008】
近年、多くの努力が電気および電子の構成部品を小型化するために多くの技術分野で行われているが、同時に、公知の標準化可能なプロセスでコスト効率的にそれらを製造できるようにすべきである。更なる小型化は、放射センサーの場合、吸収器の表面を狭くするので、温度上昇が僅かになり、それと共に信号も小さくなり、分解能も小さくなる。
【0009】
従って、特に小型化された放射線センサーの場合、吸収器システムの赤外放射線の吸収をできるだけ高め、環境から吸収器の表面を断熱し、温度上昇をできるだけ高くし、センサー出力信号を大きくすることが重要である。
【0010】
チップ形状の検出器を有する赤外線センサーは既に公知であり、それは、放射線を吸収して加熱される吸収器エレメントと、凹部をもつ支持体とから成り、前記吸収器エレメントは凹部の上方に配置されているので、前記吸収器エレメントの少なくとも一部は支持体に接触しない。このため、しばしば、実質的に凹部をカバーするように配置された非常に低い熱伝導の膜があり、前記吸収器エレメントは膜上に配置されている。これは、吸収器エレメントが、できるだけ多く支持体から熱的に切り離されていることを保証する。
【0011】
公知の赤外線センサーは、主としてシリコン精密機械の手段によって製造され、標準的な電気工学ハウジングに組み込まれている。そこで、例えば、EP 0 599 364は、赤外放射線検出器について述べており、そこでは、異なるチップ、例えば、信号前処理用のASIC(用途特定集積回路)を備えたサーモパイル・アレイと記憶用ICとが、トランジスタ・アウトライン・ハウジング底部のベース・プレート上に実装されている。しかし、公知のTO−ハウジングには、しかし、接触用のグレーズ・ピンがあるので、貫通接続接点のPCBに実装できるだけである。したがって、最近のSMD(表面実装デバイス)組立技術は、使用できない。
【0012】
US−5,693,942に記載赤外線検出器は、貫通接続された接触機能を用いて、PCBに実装されなければならないTO−ハウジングに配置されている。そこに示されたデザイン形状には、センサー・チップの感知面の下方に、ハウジングの底部プレートに更なる凹部がある。前記凹部は、自然に反射しているが、吸収器エレメントとキャリア基板との間の距離を長くし、赤外線センサーの感度を高めるように作用する。
【0013】
市販のサーモパイル・センサーは、金属キャップを備えた金属ピン・ケーシングを用いている。光学的エレメント、例えば、前記キャップに設けたられた赤外線フィルタがある。赤外放射線の一部は、通常は金属製、したがって、反射するTO底部プレートである、センサー・エレメント近傍の領域にキャップの赤外線フィルタを介して落下する。これらの放射線成分は、ハウジング壁または金属キャップにおける多重反射のために、反射して吸収器に戻る。この多重反射は測定点を拡大する結果になり、その目的が空間的に限定された被測定物体の放射線または温度の測定である測定配置の場合に望まれない。これは、非接触温度測定の通常のケースである。金属ピン・ハウジングによる公知の解決方法は、次の配線レベルで貫通接続接触方式によって接触できるにすぎない。これは、例えば、ハンダ付けによって実施できる。SMD組立技術は、公知の解決方式において実施できない。
【その解決方法】
【0014】
最新の技術として、本発明の目的は、赤外放射線に対する感度が高く、それにもかかわらず、コスト効率的に製造できる、SMD組立技術に基本的に適している、放射線センサーを提供することにある。
【0015】
本発明では、この目標は、検出器を有する放射線センサーによって解決され、好ましくは検出器チップが放射線を吸収し、その結果として加熱される吸収器エレメントと、凹部を備えた支持体とから成り、吸収器エレメントは、吸収器エレメントの少なくとも一部が支持体に接触しないように凹部の上方に配置され、かつ、支持体の凹部の少なくともフロアまたはボトムが、検出すべき放射線を反射する材料で少なくとも部分的に構成されている。
【0016】
現実的に自己吸収がなく、かつ、殆ど伝搬しないように適切に選択されたこの材料は、吸収器エレメントを横切った放射線の一部が反射し、そこに戻すので、吸収器エレメントを介して伝搬し、反射した放射線成分が吸収器エレメントの温度上昇にも寄与することを保証する。幾つかの試験で、驚くべきことであるが、底部プレートまたはキャリア基板に更なる凹部を設ける必要がないことがわかった。
【0017】
反射層または反射材料は、代わりに、凹部の底部またはベース表面上に直接置くことができる。凹部が支持体を連続して突き抜けると効果的であるので、吸収器エレメントが支持体の下方に置かれた材料の上方に直接配置される。
【0018】
特に好ましいデザイン形状では、凹部の少なくともベースまたはフロア表面が、金属材料、好ましくは金で少なくとも部分的に構成されている。2μm未満の厚みの層として検出される放射線を反射する層をもつと効果的である。
【0019】
特に有用なデザイン形状では、放射線センサーは、開口部を備えたキャップとキャリア基板とから成るハウジングを有し、検出すべき放射線が開口部を介して入射できるようにデザインされ、検出器チップは、開口部を介して入射する放射線が吸収器エレメントに少なくとも部分的にヒットするようにハウジングに配置されている。
【0020】
これは、放射線センサーを単純に実現することを可能にする。特に好ましいデザイン形状では、キャリア基板が非導電性のベース材料から成る。特に、この特徴は、放射線センサーをSMD(表面実装デバイス)とすることを可能にする。
【0021】
キャリア基板に於ける温度分布をできるだけ均一にするため、それは、別の特に好ましいデザイン形状の金属層を有している。この層は、キャップがキャリア基板と接触する領域まで少なくとも、キャリア基板を横断し、または、キャリア基板内にケースに応じて延在している。金属層は、キャップ内に配置されたキャリア基板表面の大部分をカバーしている。この方式により、更に、キャリア基板とのキャップの良好な熱結合が可能になる。
【0022】
キャリア基板が、セラミック・ベース材料、好ましくは酸化物セラミックまたはAINセラミックから成ると効果的であることが分かった。好ましくは、銀−パラジウムまたは銀−プラチナから成るプリントされた導通性の断熱性トラックで金属層を形成すると効果的である。
【0023】
代わりに、キャリア基板は、有機材料、例えば、エポキシ、ペルチナクス(pertinax)またはポリイミド、好ましくはFR2、FR3またはFR4からでも製作できる。この場合、金属層は、理想的には、好ましくは約20〜150μmの厚みで積層または添加して被覆した金属層とし、金属層は銅製であることが好ましい。更に、キャリア基板が、支持体の周囲の最上部層に、放射線吸収層を有していて、前記放射線吸収層が、例えば、有機性ラッカー、フォトレジストまたはハンダ・レジスト・ラッカーである場合に、特に効果的であることが分かった。この方式により、吸収器エレメントに入射しない放射線の成分は反射しないので、測定点は広がらない。代わりに、金属層も吸収を増大するようにラフである。
【0024】
放射線センサーの自動取付を促進するため、別の特に好ましいデザイン形状は、キャリア基板がキャップ外部に配置されたマークを有し、このマークは、自動位置決めシステムがマークの支援により、センサーの方向設定および/または位置決めを実行できるようにデザインされている。マークが金属層の内部にあると効果的であることが分かった。言い換えれば、放射線吸収層は、もし存在する場合に、キャリア基板全体を横断して延在せず、しかしキャップ外側に延在し、少なくとも部分的に被覆されない金属層を残すので、マークを金属層に設置できる。
【0025】
本発明の放射線センサーのSMDアセンブリするために、別の優れたデザイン形状では、ハウジングから検出器信号を送るための端子接点が、キャリア基板の下側に、すなわち、キャップから離れている側面上に配置されている。検出器エレメントは、キャリア基板を経由して、金属メッキしたスルーホール、いわゆるビアを介し、端子接点に最良の状態で接続され、端子接点は適切なハンダ・ランプとして製造されている。これは、周知のSMD技術を用いて放射線センサーを自動的に配置することを可能にする。
【0026】
更に、金属層および/または放射線吸収層が存在する場合に、それらがスルーホールの近傍に連続していると、効果的であることが分かった。これは、検出器チップと端子接点との間に所定の接触状態をつくる。
【0027】
スルーホールをガス充填状態で封止すること、好ましくは、それらをシールパテで密封することも効果的である。
【0028】
本発明の他の長所、特徴、および、用途は、関連する図面だけでなく、好ましいデザイン形状に関する次の説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1および2は、本発明に係る温度センサーの基本構造を示す。ここに、サーモパイル・エレメントと、シリコン回路3と、周囲温度を測定するための温度基準要素4とを有する検出器チップ2が、酸化物セラミックあるいはAINセラミックのようなセラミック、または、有機PCB材料のいずれかから成る、キャリア基板1上に良好な熱接触を伴って固定されている。温度基準要素4は、必要に応じて、シリコン回路3にも一体化でき、例えば、増幅器と補償接続部とを備えたアプリケーション・スペシフィク集積回路、いわゆるASICとして設計できることが分かる。この回路は、信号処理のための第一のステップを意味している。そのうえ、検出器チップは、例えば、行またはマトリクス状に、幾つかのエレメントをも含むことができる。キャリア基板1への個々の構成部品2、3、4の実装は、導通性接着剤、例えば、銀含有エポキシ樹脂接合用接着剤で行うことが好ましい。
【0030】
しかし、代わりに、スズ鉛ハンダ、または、非鉛ハンダを用いてチップ構成部品をハンダ付けできる。
【0031】
検出器チップ2と、温度基準要素4と、シリコン回路3とは、キャリア基板1の接続用接続面6に細い結合ワイヤ5を介して電気的導通方法で接続されている。
【0032】
キャリア基板1は、金属メッキ(層)11を有している。検出器チップ2は、凹部18を有する支持体17に実装されている。検出器チップ2の吸収器エレメント19は、吸収器エレメント19が少なくとも特定の領域で支持体17と接触しないように、支持体17の凹部18上方に配置されている。吸収器エレメント19の下方に、金属メッキ11は、例えば、薄く、ガルバニック的(galvanically)あるいは化学的に処理した金の層である、高反射性皮膜7を備えている。このようなメッキ処理は、PCBを製造する標準プロセスに属するので、コスト効率的に適用可能である。
【0033】
キャリア基板1が、有機キャリア基板材料、例えば、FR2、FR3、FR4またはポリイミドで製造されている場合、約20〜150μmの好ましい厚みに積層または添加して被覆した金属層11が、検出器チップ2の下方、温度基準要素4の下方、または、シリコン回路3の下方で、キャップ静止面まで配置されている。PCBに通常、使用される銅の層を金属層として使用できる。
【0034】
セラミック基板をキャリア基板1として使用する場合、プリントした導体トラック、例えば、銀−パラジウムまたは銀−プラチナで金属層11を製造すると都合が良い。
【0035】
金属層11は、キャップ組立のための円形セグメント領域および接続面6の周囲だけでなく、チップ・エレメント2、3、4の周囲に吸収層8によって被覆されている。吸収層8は、例えば、有機基板材料の場合には好ましいハンダ・レジスト・ラッカー、また、セラミック基板の場合には好ましいプリント絶縁層で製造できる。これは、吸収器エレメント19近傍の基板表面に入射する好ましくない放射線成分が、反射せずに、吸収層8によって吸収されることを保証する。これは、測定点のサイズを広げる手段として機能する。
【0036】
図2から分かるように、例えば、鉄、ニッケル、真鍮または銅製の金属キャップ9が、ガス封止状態でキャリア基板1上に実装されている。金属キャップ9は、適切に光学的に調節された赤外線を送るフィルタでカバーされている、開口部21を備えている。
【0037】
フィルタ10は、例えば、接着処理、ハンダ処理、または拡散溶接によってキャップ9に装着できる。一方側のキャップ9と他方側のキャリア基板1との間の接続部12は、ハンダ処理また接着処理によって最良の状態で行うことができる。キャップ9とキャリア基板1との間の接続媒体12は、電気的接触、従って、キャップ9と金属層11との間の好ましい熱接続が達成されるか、または、電気的に絶縁された組立構造が実現されるように、用途に応じて適切に選択されている。第一のケースでは、金属性軟質ハンダを用いると効果的であり、第二のケースでは、誘電的に充填したエポキシ樹脂接着剤を用いると効果的である。
【0038】
接続用接続面6は、図2から明らかなように、キャリア基板1においてビアとも呼ばれるスルーホール13を介し、ハンダ・ランプとして、ここに形成されている端子接点14に接続されている。スルーホール13は、壁面が金属メッキされ、例えば、組立の完了後に下方側からハンダ・スポットでハンダ・ロックし、または、接着剤15を滴下することにより、ガス充填状態で封止されている。この封止は、センサー、従って、検出器エレメント2が、湿気やアグレッシブなガスなどの環境要因から保護されることを保証する。
【0039】
特に好ましい設計形状では、この封止は、内部スペースにおいて所定のガスと湿度との比率を保証するため、所定のガス雰囲気、例えば、乾燥窒素雰囲気または不活性ガス雰囲気の中で行われる。
【0040】
キャリア基板1の下方側のハンダ・ランプ14により、次の配線レベル、または、中間配線として機能するフレキシブルなPCBあるいはプラグ・コネクタとのセンサー・エレメントの容易な接触が実現する。
【0041】
このために、スルーホール13のメッキ処理はプリントしたハンダ・ランプ14まで行われる。
【0042】
最終結果として、表面実装可能な構成部品(SMD)が実現する。それは、ボール・グリッド・アレイ(BGA)とも呼ばれる。PCB材料、例えば、キャリア基板としてFR4、FR3、FR2またはポリイミドを用いる場合、このような構成部品は、プラスチック・ボール・グリッド・アレイ(PBGA)とも呼ばれる。
【0043】
大半の用途において、できる限り耐久性がなければならない、PCBから成る、次の配線レベルとセンサー・エレメントとの間の接触は、ハンダ・ランプの新たな溶融処理、すなわち、いわゆるリフロー・ハンダ処理によって、BGAを備えたPCBの自動配置後に実現できる。もちろん、ボール・グリッド・アレイ・ベースは、センサー試験のため、または、最終組立のための接続にも使用できる。
【0044】
図1から明らかに分かることは、例えば、金属メッキ11を用いて得られる非対称マーク16である。この非対称マーク16により、市販されて普及している自動ピック・アンド・プレイス試験マシンでセンサーの自動検出と位置決めとが可能になる。原理的に、マークは、キャリア基板1の下面側だけでなく、上面側、すなわち、キャリア基板のキャップ側の両方に設定できるが、キャリア基板1の上面側にマークを設けることが特に好ましい。
【0045】
全体的に、本発明に係るセンサー・エレメントは、SMD構成部品上に設定された全ての要求事項を満足する。
【0046】
特に、標準的なPCBがキャリア基板1として選択された場合に、他の外部構成部品を、キャリア基板1の正面側または背面側に設けることができる。これは、特に、追加の電気構成部品が赤外線センサー・チップに熱的な影響を及ぼす結果となる大きな電気的な損失要因を有するときに有効である。
【0047】
代わりに、PCBの形状のキャリア基板1は、次の配線レベルで他の接触が可能になるように設計することもできる。下記の設計形状が挙げられる。
キャリア基板1は、ダイレクト・プラグ・コネクタ22に接点23を設けたPCBでもよい(図3を参照)。
キャリア基板1は、キャリア基板の上面側または下面側に配置できる、プラグ・コネクタ24を設けたPCBであってもよい(図4を参照)。
キャリア基板1は、フレックスまたは堅固でフレックスなPCBとして設計されたPCBであってもよく、前記PCBの一端はダイレクト・プラグ−ソケット・コネクタ接点を備えたダイレクト・プラグ・コネクタ22であってもよい(図5を参照)。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、非接触温度測定または赤外線ガス分光のための放射線センサー以外の放射センサーにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は本発明に係る放射線センサーのキャップを取り外した平面図である。
【図2】図2は、図1の放射線センサーの断面図である。
【図3】図3は、本発明に係る放射線センサーの代替デザイン形状を示し、キャリア基板がダイレクト・プラグ・コネクタとしてデザインされている。
【図4】図4は、本発明に係る放射線センサーの他の代替デザイン形状を示し、プラグ・コネクタがキャリア基板の上面側に配置されている。
【図5】図5は、本発明に係る別の代替放射線センサーを示し、キャリア基板がフレックスPCBまたは堅固なフレックスPCBとしてデザインされており、前記PCBの末端がダイレクト・プラグ・コネクタ接点を備えたダイレクト・プラグ・コネクタとして形成されている。
【符号の説明】
【0050】
1 キャリア基板
2 検出器チップ
3 シリコン回路
4 温度基準要素
5 結合ワイヤ
6 端子接続面
7 反射材料
8 放射線吸収層
9 キャップ
10 フィルタ
11 金属ケーブル/層
12 キャップとキャリア基板との接続部
13 スルーホール
14 端子接点/ハンダ・ランプ
15 シール剤
16 マーク
17 支持体
18 凹部
19 吸収器エレメント
20 キャップ静止面
21 キャップ開口部
22 ダイレクト・プラグ・コネクタ
23 ダイレクト・プラグ−ソケット・コネクタ接点
24 プラグ−ソケット・コネクタ
25 プラグ・コネクタ接続ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を吸収し、結果として加熱される吸収器エレメント(19)と凹部(18)とを備えた支持体(17)から成る検出器チップ(2)を有する、例えば、非接触温度測定または赤外線ガス分光用の放射線センサーであって、吸収器エレメント(19)が凹部(18)の上方に配置され、吸収器エレメント(19)の少なくとも一部が支持体(17)に接触せず、かつ、前記支持体がキャリア基板(1)に実装されているので、前記凹部(18)の少なくとも底面またはベース表面が、少なくとも部分的に、検出すべき放射線を反射するとともに、下方にキャリア基板(1)が配置されている材料(7)で製造されていることを特徴とする前記の放射線センサー。
【請求項2】
凹部(18)の少なくとも底面またはベース表面が、少なくとも部分的に、金属材料(7)、好ましくは金で製造され、前記材料は好ましくは層の形状であり、かつ、好ましくは1μm未満の厚みを有していることを特徴とする請求項1に記載の放射線センサー。
【請求項3】
検出すべき放射線が開口部(21)を介して入射できるように設計されている開口部(21)を備えたキャップ(9)と、キャリア基板(1)とから成るハウジング(1、9)が設けられ、検出器(2)が、開口部(21)を介して入射する放射線が吸収器エレメント(19)を少なくとも部分的にヒットするようにハウジング(1、9)内に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線センサー。
【請求項4】
キャリア基板(1)が導電体でないベース材料から成ることを特徴とする請求項3に記載の放射線センサー。
【請求項5】
キャリア基板(1)が、少なくともセクション(17)までキャリア基板(11)上を延在する金属ワイヤまたは層(11)を有し、その上で、キャップ(9)がキャリア基板(1)に接するとともに、前記キャップ(9)内に配置されているキャリア基板の表面領域の大部分を被覆することを特徴とする請求項3または4に記載の放射線センサー。
【請求項6】
キャリア基板(1)が、セラミックベース材料、好ましくは酸化物セラミックまたはAINセラミックであることを特徴とする請求項4または5に記載の放射線センサー。
【請求項7】
金属ワイヤまたは金属層(11)が、プリントされた導電性の絶縁性トラックで形成され、好ましくは銀−パラジウムまたは銀−プラチナ製であることを特徴とし、請求項5に基づき、かつ、請求項6に記載の放射線センサー。
【請求項8】
キャリア基板(1)が、有機材料、好ましくはエポキシド、ペルチナクス(pertinax)、またはポリイミド、特に好ましくはFR2、FR3、またはFR4から成ることを特徴とする、請求項4または5に記載の放射線センサー。
【請求項9】
金属層(11)が、好ましくは約20〜150μmの範囲の厚みで、積層または添加して加えられた金属層であり、前記金属層(11)が好ましくは銅であることを特徴とし、請求項7に基づき、かつ、請求項8に記載の放射線センサー。
【請求項10】
キャリア基板(1)が、放射線吸収層(8)をキャリア基板(17)の周囲の最上層に有し、前記放射線吸収層(8)が有機性ラッカー、フォトレジスト、または、ハンダ・レジスタンス・ラッカーであることを特徴とする請求項3ないし9のいずれか1項に記載の放射線センサー。
【請求項11】
キャリア基板(1)が、キャップ(9)の外側に設置された少なくとも一つのマーク(16)を有し、前記マーク(16)は、自動位置決めシステムが、マーク(16)の支援により、センサーの方向設定および/または位置決めを実行できるように設けられていることを特徴とする請求項3ないし10のいずれか1項に記載の放射線センサー。
【請求項12】
マーク(16)が金属層(11)に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の放射線センサー。
【請求項13】
温度基準要素(4)が検出器(2)から離して設けられていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の放射線センサー。
【請求項14】
一つの回路(8)、好ましくはシリコン回路が、検出器信号を処理するために設けられていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の放射線センサー。
【請求項15】
端子接点(14)が、キャリア基板(1)の下面側に、ハウジング(2、9)から検出器信号を送るために設けられていることを特徴とする請求項3ないし14のいずれか1項に記載の放射線センサー。
【請求項16】
検出器エレメントがキャリア基板(1)を経由し、金属メッキしたスルーホール13を介して端子接点(14)に接続され、前記端子接点(14)が好ましくはハンダ・ランプとして設計されていることを特徴とする請求項15に記載の放射線センサー。
【請求項17】
金属層(11)がスルーホール(13)の近傍で中断されていることを特徴とし、請求項5に基づき、かつ、請求項15または16に記載の放射線センサー。
【請求項18】
放射線吸収層(8)がスルーホール(13)の近傍で中断されることを特徴とし、請求項10に基づき、かつ、請求項15ないし17のいずれか1項に記載の放射線センサー。
【請求項19】
スルーホール(13)がガス充填状態で密封され、好ましくはシール剤(15)で封止されていることを特徴とする請求項15ないし18のいずれか1項に記載の放射線センサー。
【請求項20】
キャリア基板(1)がダイレクト・プラグ・コネクタ(22)として設計されていることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1項に記載の放射線センサー。
【請求項21】
キャリア基板(1)の上面側または下面側に、プラグ・コネクタ(24)が、好ましくはハンダ処理または接着処理で固定されていることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1項に記載の放射線センサー。
【請求項22】
キャリア基板(1)がフレキシブルなPCBとしてまたは堅固でフレックスPCBとして設計され、前記PCBがその一端にダイレクト・プラグ・コネクタ構造(22)を有することを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1項に記載の放射線センサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−503586(P2007−503586A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529594(P2006−529594)
【出願日】平成16年5月10日(2004.5.10)
【国際出願番号】PCT/DE2004/000971
【国際公開番号】WO2004/102139
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(505421401)ハイマン・センサー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (2)
【氏名又は名称原語表記】Heimann Sensor GmbH
【Fターム(参考)】