説明

改善された粘着性を有する、エポキシドを基剤とする構造用フォーム

以下のa)〜e)を含有する熱発泡性の熱硬化性配合物を開示する:
a)少なくとも1種のエポキシドプレポリマー、
b)該プレポリマー用の、少なくとも1種の熱活性化硬化剤、
c)少なくとも1種の発泡剤、
d)少なくとも1種の熱可塑性ポリウレタンまたはイソシアネート、
e)少なくとも1種のブロックコポリマー。
該熱発泡性の熱硬化性配合物は、補強部材または強化部材に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に金属中空構造体を強化する構造用フォームとして発泡および硬化状態で使用できる、発泡および硬化性エポキシ樹脂配合物に関する。該配合物は、未硬化の状態においては、加工性に関する特性プロファイルを最適化し、硬化後においては機械的特性のプロファイルを最適化する、熱可塑性ポリウレタンとブロックコポリマーの混合物を含有する。
【背景技術】
【0002】
一貫した寸法維持性と、高い剛性および構造強度を備え、連続生産に適する軽量部材が種々の用途において要求されている。特に、自動車工学の場合、軽量化が要求されているので、薄壁であるにもかかわらず、適度な剛性と構造強度を有する構造体から製造される軽量部材が大いに要求されている。構成材が可能な限りの最低重量を備え、高い剛性と構造強度を備えることを達成するための1方法は、比較的薄い金属板またはプラスチック板から製造される中空品を使用することである。しかしながら、金属薄板は容易に変形する傾向がある。したがって、中空構造体のキャビティを構造用フォームで充填することが知られている。このことは、これらの部品の変形を防ぐか最小限に抑える一方で、該部品の強度および剛性を向上させる。
【0003】
一般に、この種の発泡強化剤および剛化剤は、金属フォーム、または熱硬化性樹脂若しくはバインダー、例えば、エポキシ樹脂などを含有する金属フォームである。一般に、これらの組成物は、発泡剤、充填材および補強剤、例えばガラス製の中空微小球などを含有する。好ましくは、このようなフォームは、発泡および硬化した状態で0.3〜0.7g/cmの密度を有する。硬化させた後、これらのフォームは、少なくとも短時間、破損することなく、130℃よりも高い温度、好ましくは150℃よりも高い温度に耐性を示すことができはずである。一般に、発泡性であり熱硬化性のこの種の組成物は、更なる成分、例えば硬化剤、加工助剤、安定剤、染料または顔料など、適当な場合、UV吸収剤および接着性向上成分を含有する。
【0004】
国際特許出願公開第96/37400号明細書にはW型の強化構造体が開示され、該構造体は、熱発泡性の樹脂系材料を含有し、硬化前に、強化させる中空体内へ導入される。好ましくは、強化するポリマーマトリックスは、エポキシ樹脂を含有し、ペースト状の稠度を示す1成分系物質、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、充填材、高強度のガラス球、硬化剤および促進剤、ならびにアゾ化合物若しくはヒドラジド化合物に基づく発泡剤から構成される。
【0005】
国際特許出願公開第00/27920号明細書には、熱可塑性樹脂および/または複数種の熱可塑性樹脂と、エポキシ樹脂の混合物である、発泡性シーリングおよび減衰性組成物が開示されている。これらは、射出成形性を有し、軽量で高い圧縮強度を有するはずである。言及される熱可塑性樹脂の例には以下のものが含まれる:固形ゴム、例えばスチレン−ブタジエンゴムおよびニトリル−ブタジエンゴムなど、またはポリスチレンポリマー、例えばSBSブロックコポリマーなど。好ましくは、エポキシ樹脂は液体である。
【0006】
国際特許出願公開第01/92415号明細書には、改善された衝撃強さを有し、メチルメタクリレートを有するブロックコポリマーを含有する熱硬化性配合物が開示されている。コア−シェル構造を有する粒子を含有させることができる。しかしながら、この明細書において開示される配合物はあらゆる発泡剤を含有しない。すなわち、該配合物は構造用フォームとしての使用に適さない。
【0007】
独国特許出願公開第102006048739号明細書には、以下のものを含有する、発泡性で熱硬化性の成形体を製造するためのバインダーが開示されている:
少なくとも1種のエポキシ樹脂、
室温で固体の少なくとも1種のポリエステル、
少なくとも1種の発泡剤、
少なくとも1種の硬化剤、および
少なくとも1種の充填剤。
【0008】
更に、「軟化剤」を含有してもよい。例えば、固形ゴムが軟化剤として列挙されている。適当な固形ゴムの例には、以下のものが含まれる:ポリブタジエン、スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、EPDM、合成若しくは天然イソプレンゴム、ブチルゴム、またはポリウレタンゴム。イソプレン−アクリロニトリルコポリマーまたはブタジエン−アクリロニトリルポリマーに基づく、部分架橋固形ゴムが特に適当である。
【0009】
国際特許出願公開第2007/004184号明細書には、以下の成分を含有する熱発泡性材料が開示されている:
a)実質的に液体または半固体のエポキシ樹脂を含有しない固体のエポキシ樹脂、
b)耐衝撃性改良剤、
c)硬化剤、および
d)熱活性化可能な発泡剤。
【0010】
耐衝撃性改良剤は、熱可塑性物質であってもよい。例として、以下のものが挙げられている:1000〜10000g/モルの範囲に分子量を有するイソシアネートプレポリマー(例えば、イソシアネートで末端化されたポリエーテルポリオール)およびエポキシ−ポリウレタン混成物。更に、複数種のブロックコポリマーも該耐衝撃性改良剤として記載されている。これらは、コア−シェル構造を有し得る。
【0011】
国際特許出願公開第2007/025007号明細書には、以下の成分を有する組成物が開示されている:
a)少なくとも1種のエポキシ樹脂、
b)コア−シェル構造を有するゴム粒子
c)更なる耐衝撃性改良剤または靱性改良剤、および
d)熱活性化可能な潜在性硬化剤。
【0012】
さらに、該組成物は発泡剤を含有できるので、構造用フォームとして使用できる。ヒドロキシルで末端化されたポリオキシアルキレン、例えばポリプロピレングリコールまたはポリテトラヒドロフランジオールから誘導されるポリウレタンが、成分c)として列挙されている。これらの代わりまたはこれらに加えて、例えば、20℃未満、好ましくは0℃未満、−30℃未満または−50℃未満のガラス転移温度を有する少なくとも1種のポリマーブロック、例えばポリブタジエンブロック若しくはポリイソプレンブロックを含有するブロックコポリマーを存在させてもよい。ブロックコポリマーにおける少なくとも1種の別のブロックは、20℃よりも高い、好ましくは50℃よりも高い、または70℃よりも高いガラス転移温度を有する、例えばポリスチレンブロックまたはポリメチルメタクリレートブロックである。具体例には、以下のものが開示されている:スチレン-ブタジエン-メチルメタクリレートブロックコポリマー、メチルメタクリレート-ブタジエン-メチルメタクリレートブロックコポリマー、およびブタジエン-メチルメタクリレートブロックコポリマー。
【0013】
現在、構造用フォームから成型される立体成形品は、一般に、射出成型法により製造されている。30℃以上の温度でのこれらの物質の粘着性に起因して、出発原料は、射出成型法を用いて部品を製造するために粒状で使用できない。それにも拘わらず、射出成型法で部品を製造するために、射出成型機へ材料を供給するための系を、高価な方法で改良しなければならない。特別な供給系が必要であるので、任意の市販されている常套の射出成型機を用いて部品を製造することは不可能である。
【0014】
比較的高い融点を有する配合物を使用して、約40℃まで軟化点を上昇させる場合、射出成型機内の構造用フォーム部材をより高温で処理して、金型を充填させなければならない。この場合、組成物の硬化反応を開始させ成型機の閉塞を生じさせてしまうので、100℃より高い温度で処理を行なうことができない。
【0015】
エポキシ樹脂の融点よりすぐ上の温度での高い粘度、および特に、液化したエポキシ樹脂の粘着性に起因して、射出成形品の成型には技術的な複雑さを極めて必要とし、さらに、得られた成形品は非常に不十分な態様で製造される。このことは、一般に、特別な加工装置の装備を必要とするので投資コストを上昇させる。
【0016】
溶融流延化合物の内在的な粘着性に起因して、射出成型機内および射出成形金型内における流動性は非常に悪化する。エポキシ樹脂に基づく熱射出成型化合物の粘着性は装置の汚染をもたらし得るので、保守費および清掃費が大きく増加する。対応策として離型剤が使用されるが、このことは、工具および機械の腐蝕をもたらし得るので、同様に保守要求を増加させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】国際特許出願公開第96/37400号明細書
【特許文献2】国際特許出願公開第00/27920号明細書
【特許文献3】国際特許出願公開第01/92415号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102006048739号明細書
【特許文献5】国際特許出願公開第2007/004184号明細書
【特許文献6】国際特許出願公開第2007/025007号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、上述の問題を全く生じさせないか、または該問題を極めて大きく低減させた状態で、エポキシ樹脂に基づく射出成型配合物を利用できるようにすることである。並びに、硬化させた材料の機械的特性、特に圧縮抵抗、圧縮強さ、圧縮破壊および圧縮弾性率を、0℃未満の温度条件下においても改善させることである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、以下のものを含有する熱発泡性の熱硬化性配合物に関する:
a)少なくとも1種のエポキシドプレポリマー、
b)該プレポリマー用の、少なくとも1種の熱活性化可能な硬化剤(heat-activatable hardener)、
c)少なくとも1種の発泡剤
d)少なくとも1種の熱可塑性ポリウレタンまたはイソシアネート
e)少なくとも1種のブロックコポリマー。
【0020】
さらに、本発明による配合物は、f)ゴム粒子を成分として含有してもよい。これらは、特に0℃未満の温度条件下における硬化配合物の衝撃強さの改善に貢献する。好ましくは、これらのゴム粒子はコア-シェル構造を有する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
0℃未満のガラス転移温度を有するポリマー物質製のコアと、25℃より高いガラスガラス転移温度を有するポリマー物質製のシェルを有するコア−シェル構造を有するゴム粒子が好ましい。コア-シェル構造を有する特に適当なゴム粒子は、ジエンホモポリマーおよびジエンコポリマーまたはポリシロキサンエラストマー製のコアと、および/またはアルキル(メタ)アクリレートホモポリマーまたはコポリマー製のシェルを有する。
【0022】
これらのコア−シェル粒子のコアは、例えば、ブタジエンまたはイソプレンのホモポリマー、ブタジエンまたはイソプレンと1または複数のエチレン性不飽和モノマー、例えばビニル芳香族モノマー、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリレート若しくは同様のモノマーとのコポリマーから選択される、ジエンホモポリマーまたはコポリマーであってもよい。シェルのポリマーまたはコポリマーは、例えば、(メタ)アクリレート、例えば特にメチルメタクリレートなど、ビニル芳香族モノマー(例えばスチレン)、ビニルシアニド(例えばアクリロニトリル)、不飽和酸または無水物(例えばアクリル酸)、(メタ)アクリルアミド、および適度に高いガラス転移温度を有するポリマーをもたらす同様のモノマーなどをモノマーとして含有できる。
【0023】
シェルのポリマーまたはコポリマーは、金属カルボン酸塩を生成することにより架橋し得る酸基、例えば二価の金属カチオンを用いて塩を生じることにより架橋し得る酸基を含有してもよい。更に、シェルのポリマーまたはコポリマーは、1分子当り2または2以上の二重結合を有するモノマーを使用することにより、共有結合的に架橋できる。
【0024】
他のゴム系ポリマー、例えばポリブチルアクリレート、またはポリシロキサンエラストマー、例えばポリジメチルシロキサン、例えば、特に、架橋させたポリジメチルシロキサンをコアとして使用できる。
【0025】
一般的に、これらのコア-シェル粒子は、コアがコア-シェル粒子の50〜95wt%を占め、シェルが該粒子の5〜50wt%を占めるように構成される。
【0026】
好ましくは、これらのゴム粒子は比較的小さい。例えば、平均粒径(例えば光散乱法を用いて決定される)は、約0.03μm〜約2μm、特に約0.05μm〜約1μmの範囲である。しかしながら、より小さなコア-シェル粒子、例えば、平均粒径が約500nm未満、特に約200nm未満の粒子も使用できる。例えば、平均粒径は約25nm〜約200nmの範囲であってもよい。
【0027】
このようなコア-シェル粒子の製造は、当該技術分野において既知であり、例えば国際特許出願公開第2007/025007号明細書の第6頁、第16〜21行に記載されている。このようなコア-シェル粒子の市販先は、この文献の第6頁の最終パラグラフから第7頁の第1パラグラフにかけて記載されている。該購入先の記載は該文献を参照されたい。さらに、このような粒子の製造方法に関する記載は、上述の文献の第7頁第2パラグラフから第8頁の第1パラグラフにかけて記載されている。適当なコア−シェル粒子に関するより詳細な情報は、上述した国際特許出願公開第2007/025007号明細書などにより開示され、該文献における詳細な記載は、第8頁第15行から第13頁第15行にかけて開示される。
【0028】
有機ポリマー製のシェルを有する無機粒子は、コア-シェル構造を有する上述のゴム粒子と同様の機能をもたらすことができる。従って、本発明による別の好ましい実施態様は、本発明による材料が有機ポリマー製のシェルを有する無機粒子g)を付加的な成分として含有することを特徴とする。
【0029】
この実施態様において、好ましくは、本発明における材料は、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマーから選択され、少なくとも30wt%のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルが重合してそれらを形成するような、有機ポリマー製のシェルを含む無機粒子を含有する。
【0030】
アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルは、好ましくはメチルエステルおよび/またはエチルエステルであり、特に好ましくは、エステルの少なくとも一部がメチルエステルとして存在する。さらに、該ポリマーは、無機粒子表面に対する有機ポリマーの結合性を改善できる非エステル化アクリル酸および/またはメタクリル酸を含有してもよい。従って、非エステル化アクリル酸および/またはメタクリル酸で構成されているモノマーユニットが、無機粒子の表面へ結合するポリマー鎖の末端に位置するまたは近接するような態様が特に好ましい。
【0031】
該有機ポリマーは少なくとも80wt%のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルから構成されることが好ましい。特に、該ポリマーはそれらを90wt%、95wt%含有するか、あるいは完全にそれらから構成されてもよい。有機ポリマーが、アクリル酸エステルモノマーおよび/またはメタクリル酸エステルモノマー、および/または非エステル化アクリル酸モノマーおよび/またはメタクリル酸モノマー以外のモノマーを含有する場合、好ましくは、それらは、エポキシ、ヒドロキシおよび/またはカルボキシル基を含有するコモノマーから選択される。
【0032】
好ましくは、シェルの有機ポリマーは、未架橋であるか、または鎖の5%未満のモノマー単位を他の鎖のモノマー単位と架橋させるような弱架橋であってもよい。無機粒子の表面に近接するポリマーは、シェルのより外方に位置するポリマーよりも比較的強く架橋することが有利である。特に、シェルは、少なくとも80%、特に少なくとも90%、特に好ましくは95%のポリマー鎖が、無機粒子の表面に対してその一端を結合させるような構造を有する。
【0033】
好ましくは、無機粒子は、有機ポリマー製のシェルを施す前に、1〜1000nm、特に5〜30nmの範囲で平均粒径を有する。該粒径は、光散乱法および電子顕微鏡法により測定できる。
【0034】
有機ポリマー製のシェルは、無機粒子自体の密度よりも低い密度を有する。好ましくは、有機ポリマー製のシェルは、有機ポリマー製のシェルに対する無機コアの重量比が2:1〜1:5、好ましくは3:2〜1:3の範囲となるような厚みを有する。このことは、無機粒子の上に有機ポリマー製のシェルを成長させる際の反応条件を選択することにより制御できる。
【0035】
一般に、無機粒子は金属、酸化物、水酸化物、カーボネート、スルフェートおよびホスフェートから選択できる。酸化物、水酸化物およびカーボネート混合形態、例えば塩基性カーボネートまたは塩基性酸化物も使用できる。金属製の無機粒子が選択される場合、鉄、コバルト、ニッケル、または少なくとも50wt%が該金属のうちの1種から構成される合金を使用することが好ましい。好ましくは、酸化物、水酸化物、またはこれらの混合物形態は、ケイ素、セリウム、コバルト、クロミウム、ニッケル、亜鉛、チタニウム、鉄、イットリウム、ジルコニウムおよび/またはアルミニウムから選択される。例えばアルミノシリケートまたはシリケートガラス製の粒子の混合形態も可能である。酸化亜鉛、酸化アルミニウム若しくは水酸化アルミニウム、およびSiOおよび/または「ケイ酸(英語表記でsilicic acid)」若しくは「シリカ(英語表記でsilica)」と称されるケイ素の酸化物形態が特に好ましい。さらに、無機粒子は、カーボネート、例えばカルシウムカーボネート、またはスルフェート、例えばバリウムスルフェートから製造されてもよい。もちろん、異なる組成物が隣接して存在する無機コアを有する粒子も可能である。
【0036】
有機ポリマー製のシェルを有する無機粒子の製造は、例えば、アルキレンエーテルカルボン酸でコートした酸化亜鉛を例として記載する国際特許出願公開第2004/111136A1号明細書の記載のようにして行うこともできる。この方法によると、未処理の無機粒子を無極性溶媒または弱極性溶媒中に懸濁させ、次いでシェルの単量体またはプレ重合性(prepolymeric)成分を添加し、溶媒を除去し、例えばフリーラジカル重合または光化学重合などの重合を開始させる。欧州特許出願公開第1469020号A1号明細書に記載される製造方法と同様のやり方でおこなうこともでき、該方法は、シェル材料のモノマーまたはプレポリマーを、粒子用の有機コーティング成分として使用する。さらに、「原子移動ラジカル重合」により被覆粒子を製造することも可能であり、ケイ酸ナノ粒子上にn-ブチルアクリレートを重合させる方法が、例えば以下の文献に記載されている:G.キャロット、S.ディアマンティ、M.マヌスザック、B.カールレックス、J-P.バイロンによる「シリカナノ粒子から、n-ブチルアクリレートの原子移動ラジカル重合」J.Polym.Sci.,第A部:ポリマー化学、第39巻、第4294頁〜第4301頁(2001年)。
【0037】
さらに、国際特許出願第2006/053640号明細書に記載されているような製造方法を用いてもよい。本発明に関連して、国際特許出願第2006/053640号明細書の第5頁第24行〜第7頁第15行に記載されている製造方法により得られるような無機粒子が選択される。これらのコアは、この文献の第10頁第22行〜第15頁の第7行に開示されるような方法で被覆される。この文献の記載(第15頁、第9行〜第24行)に従い、コア上にシェル部を重合させる前に無機コアを前処理に付すことも可能である。前述の文献における、この件に関する記載内容は以下のとおりである。
【0038】
「特に、無機コアを使用する場合、コア上にシェルを重合させる前に、シェルを結合させるための予備処理をコアに施すことも好ましい。通常、該処理は、無機粒子に関する極めて広範囲の文献において既知であるように、粒子表面を化学的官能化させることにより行われる。反応性の鎖末端として、被覆ポリマーをグラフト化させる表面に以下のような化学官能基を施すことが特に好ましい。一例として、特に、末端二重結合、エポキシ官能基、および重縮合性基が本明細書において記載できる。ポリマーと共にヒドロキシル基を有する表面を官能化することが、例えば欧州特許出願公開第337144号A明細書に記載されている。」
【0039】
エポキシプレポリマー(以下「エポキシ樹脂」とも称する)は、原則として飽和、不飽和、環状若しくは非環式、脂肪族、脂環式、芳香族、または複素環式のポリエポキシ化合物である。
【0040】
本発明の一部として適当なエポキシ樹脂には、例えば以下のものから選択されるエポキシ樹脂が好ましい:例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、ビスフェノールS型のエポキシ樹脂、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂、フェノールノボラック型のエポキシ樹脂、クレゾールノボラック型のエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンと種々のフェノールを反応させることにより得られる、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のエポキシ化生成物、2,2'6,6'-テトラメチルビフェノールのエポキシ化生成物、芳香族エポキシ樹脂、例えばナフタレン基本骨格を有するエポキシ樹脂およびフルオレン基本骨格を有するエポキシ樹脂など、脂肪族エポキシ樹脂、例えばネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルおよび1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルなど、脂環式のエポキシ樹脂、例えば3,4-エポキシ-シクロヘキシルメチル-3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートおよびビス(3,4-エポキシ-シクロヘキシル)アジペートなど、並びに複素環を有するエポキシ樹脂、例えば、トリグリシジルイソシアヌレートなど。特に、エポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの反応生成物、フェノールおよびホルムアルデヒド(ノボラック樹脂)とエピクロロヒドリン、グリシジルエステルの反応生成物、並びにエピクロロヒドリンとp-アミノフェノールの反応生成物が含まれる。
【0041】
エピクロロヒドリン(またはエピブロモヒドリン)との反応により適当なエポキシ樹脂プレポリマーを生成する別のポリフェノールには、レソルシノール、1,2-ジヒドロキシベンゼン、ヒドロキノン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-イソブタン、4,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-エタン、および1,5-ヒドロキシナフタレンが含まれる。
【0042】
別の適当なエポキシプレポリマーには、ポリアルコールまたはジアミンのポリグリシジルエーテルが含まれる。この種のポリグリシジルエーテルは、ポリアルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールまたはトリメチロールプロパンから誘導される。
【0043】
市販されている別の好ましいエポキシ樹脂には、特に、オクタデシレンオキシド、エピクロロヒドリン、スチレンオキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド、グリシドール、メタクリル酸グリシジル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル[例えば、商品名「Epon 828」、「Epon 825」、「Epon 1004」および「Epon 1010」(ヘキソン・スペシャリティー・ケミカルス社製)、「DER−331」、「DER−332」、「DER−334」、「DER−732」および「DER−736」(ダウケミカル社製)のもとで入手可能]、ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキセンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ポリプロピレングリコールで変性させた脂肪族エポキシ、ジペンテンジオキシド、エポキシ化ポリブタジエン(例えば、サートマー社製のクラソール(Krasol)製品)、エポキシド官能基を含有するシリコーン樹脂、難燃性エポキシ樹脂(例えば、「DER−580」、ダウケミカル社から入手可能な、ビスフェノール型の臭素化エポキシ樹脂)、フェノール-ホルムアルデヒド-ノボラックの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(例えば、ダウケミカル社製の「DEN−431」および「DEN−438」)、ならびに、レゾルシノールジグリシジルエーテル(例えば、コッパーズ社製の「Kopoxite」、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)-シクロヘキサンメタジオキサン、ビニルシクロヘキセンモノキシド、1,2−エポキシヘキサデカン、アルキルグリシジルエーテル、例えば、C−C10アルキルグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー7」)、C12−C14-アルキルグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー8」)、ブチルグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー61」)、クレシルグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー62」)、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー65」)、多官能グリシジルエーテル、例えば、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー67」)、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー68」)、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー107」)、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー44」)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー48」)、脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー84」)、ポリグリコールジエポキシド(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー32」)、ビスフェノールFエポキシド(例えば、フンツマン社製の「EPN−1138」または「GY−281」)、9,9−ビス−4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニルフルオレノン(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「Epon1079」)が含まれる。
【0044】
別の好ましい商業的に入手可能な化合物は、以下のものから選択される:例えば、フンツマン社製の、アラルダイト(登録商標)6010、アラルダイト(登録商標)GY-281、アラルダイト(登録商標)ECN-1273、アラルダイト(登録商標)ECN-1280、アラルダイト(登録商標)(登録商標)MY-720、RD-2、ダウケミカル社製のDEN(登録商標) 432、DEN(登録商標) 438、DEN(登録商標) 485、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製のEpon(登録商標) 812、826、830、834、836、871、872、1001、1031など、およびヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製のHPT(登録商標) 1071、HPT(登録商標) 1079、また、ノボラック樹脂として、例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製のEpi−Rez(登録商標) 5132、住友化学社製のESCN−001、ダウケミカル社製のQuatrex5010、日本化薬社製のRE 305S、大日本インキ化学工業社製のEpiclon(登録商標) N673、またはヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製のEpicote(登録商標)152が挙げられる。
【0045】
さらに、以下のポリエポキシドを少なくとも比例的に使用してもよい:ポリカルボン酸のポリグリシジルエステル、例えば、グリシドール若しくはエピクロロヒドリンと、脂肪族若しくは芳香族ポリカルボン酸、例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸または脂肪酸二量体などとの反応生成物。
【0046】
適当なポリエポキシドのエポキシ当量は、150〜50000、好ましくは170〜5000の間で変動できる。例えば、エピクロロヒドリン−ビスフェノールAに基づくエポキシ樹脂は、475〜550g/当量のエポキシ当量を有するか、1820〜2110mmol/gの範囲にエポキシ基含量を有することが適当である。RPM108-Cに従い決定される軟化点は、75〜85℃の範囲である。
【0047】
熱発泡性の熱硬化性配合物は、室温(22℃)で液体である少なくとも1種のエポキシプレポリマー(a)を含有する。このことは、射出成型により配合物を加工することを容易にする。室温で液体であるエポキシプレポリマーの存在は、通常、所望ではない粘着性をもたらす。しかしながら、これは、本発明において存在する熱可塑性ポリウレタンd)によって、射出成型法で該配合物を容易に加工できる十分な粘度まで低減される。
【0048】
エピクロルヒドリンとビスフェノールAまたはビスフェノールFとの反応生成物が、室温で液体のエポキシプレポリマーとして好ましく使用される。これらのプレポリマーは、一般的に約150〜約480の範囲でエポキシ当量を有する。
【0049】
エポキシ樹脂バインダー系用の熱活性化可能または熱潜在的な硬化剤が、硬化剤として使用される。これらは、以下の化合物から選択できる:グアニジン、置換グアニジン、置換尿素、メラミン樹脂、グアナミン誘導体、環状第三アミン、芳香族アミンおよび/またはそれらの混合物。硬化剤は、硬化反応において化学量論的に取り込まれてもよいが、触媒活性であってもよい。置換グアニジンの例には以下のものが含まれる:メチルグアニジン、ジメチルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、メチルイソビグアニジン、ジメチルイソビグアニジン、テトラメチルイソビグアニジン、ヘキサメチルイソビグアニジン、ヘプタメチルイソビグアニジン、および就中特に、シアノグアニジン(ジシアノジアミド)。適当なグアナミン誘導体の代表例には、アルキル化ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂またはメトシキメチルエトシキ−メチルベンゾグアナミンが含まれる。ジシアノジアミドが特に好ましい
【0050】
上述した硬化剤に加えてまたはその代わりに、触媒活性置換尿素を使用できる。これらには、特に、p−クロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(モニュロン)、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素(フェヌロン)、または3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(ジウロン)が含まれる。原理的には、触媒活性な第三アクリルアミンまたはアルキルアミン、例えばベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノ)フェノール、ピペリジンまたはピペリジン誘導体なども使用できる。更に、種々のイミダゾール誘導体(好ましくは固体)を触媒活性促進剤として使用できる。代表例には、2−エチル−2−メチルイミダゾール、N−ブチルイミダゾール、ベンズイミダゾール、およびN−C〜−C12アルキルイミダゾールまたはN−アリールイミダゾールが含まれる。更に、エポキシ樹脂へのアミノ化合物の付加物も、上述の硬化剤に対する促進剤として適当である。適当なアミノ化合物には、第3脂肪族、芳香族または環状アミンが含まれる。適当なエポキシ化合物には、例えば、ビスフェノールA若しくはビスフェノールFまたはレゾルシノールのグリシジルエーテルに基づくポリエポキシドが含まれる。このような付加物の具体例には、ビスフェノールA若しくはビスフェノールFまたはレゾルシノールのジ-またはポリグリシジルエーテルへの、第3級アミン、例えば2-ジメチルアミノエタノール、N-置換ピペラジン、N-置換ホモピペラジン、N-置換アミノフェノールなどの付加物が含まれる。
【0051】
原理上は、任意の既知な発泡剤、例えば、分解により気体を放出する「化学的発泡剤」、または「物理的発泡剤」すなわち、膨張性中空球などが発泡剤として適当である。前者の型の発泡剤の例には、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、ジ−ニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4'-オキシビス(ベンゼンスルホン酸ヒドラジド)、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホヒドラジド、ベンゼン-1,3ジスルホヒドラジド、p-トルエンスルホニル-セミカルバジドが含まれる。ポリビニリデンクロリドコポリマーまたはアクリロニトリル-(メタ)アクリレートコポリマーに基づく発泡性のプラスチック中空微小球が特に好ましい。これらは、例えばピアース・アンド・スティーブンズ社およびキャスコ・ノーベル社から市販されている「Dualite(登録商標)」および「Expancel(登録商標)」である。
【0052】
発泡剤の量は、活性化温度(または発泡温度)まで加熱する際に、配合物の体積が少なくとも10%、好ましくは20%、特に少なくとも50%不可逆的に増加するような量で好ましく選択される。このことは、一般的な可逆性熱膨張に加えて、活性化温度まで加熱した際に、物質の体積が室温(22℃)での開始体積に比べて不可逆的に増加することにより、室温まで冷却した後の該体積が少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも50%増加することを意味する。従って、記載された発泡度は、加熱前の室温での体積と、活性化温度まで一時的に加熱した後の室温における体積に基づく。膨張率、即ち不可逆的な体積増加の上限は、膨張率が300%未満、特に200%未満となるように、発泡剤の量を選択することにより調整できる。
【0053】
活性温度は、好ましくは120〜220℃の範囲である。好ましくは、この温度が10〜150分間維持されることが好ましい。
【0054】
本発明による材料は、成分d)として熱可塑性ポリウレタンまたはイソシアネートを含有する。「熱可塑性ポリウレタン」という用語は、TPUと簡潔に記載される場合がある。この用語は、本発明に係る技術分野における当業者によく知られている。TPUは、少なくとも本質的に直鎖状のポリマーであり、以下の3種の出発物質の重合反応により調製される:
1. ジイソシアネート、
2. 一般式(OH−R-OH)で表される短鎖ジオール(「連鎖延長剤」と称される場合もある)、式中、Rは1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基を示す、
3. 一般式(OH-Z-OH)で表される長鎖ジオール、式中、Z基は、得られるポリウレタンの所謂ソフトセグメントをもたらすポリマー鎖を示す。例えば、Z基はポリエーテル鎖またはポリエステル鎖を構成する。ポリエーテル鎖は、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの開環重合により調製されるか、または酸素を含有する飽和複素環、例えばテトラヒドロフランの対応する反応により調製できる。ポリエステル鎖は、二価アルコールと二塩基カルボン酸との反応により調製される。好ましいポリエステル鎖は、ポリカプロラクトンポリエステルから構成される。
【0055】
ソフトセグメントおよびハードセグメントを交互に含むポリウレタンは、これら3種の成分を反応させることにより得られる。ソフトセグメントは、Z基により形成される。ハードセグメントは、ジイソシアネートおよび短鎖ジオールから調製される。
【0056】
ハードセグメントの極性は、それらの間に強い引力をもたらし、同様に、高い凝集度をもたらすと共にポリマー固相をもたらす。したがって、ソフトセグメントの軟質で柔軟なマトリックス内に組み込まれる、結晶領域または擬結晶領域が形成される。ハードセグメントの結晶領域および疑結晶領域は、TPUに高い弾性をもたらす物理的結合として機能する。ソフトセグメントの屈曲性鎖はポリマーの伸長挙動に貢献する。
【0057】
好ましくは、熱可塑性ポリウレタンまたはイソシアネートd)は、ポリエステル鎖を含有し、反応性基、特にイソシアネート基を有さないポリウレタンから選択される。
【0058】
室温(22℃)で固体であり、−20℃未満、好ましくは−30℃未満のガラス転移温度を有する熱可塑性ポリウレタンが好ましい。さらに、室温で好ましくは固体である熱可塑性ポリウレタンd)は、100℃より高い、好ましくは115℃より高い軟化範囲または溶融範囲を有する(コフラー法による)。
【0059】
室温で好ましくは固体である適当なポリウレタンd)は、純物質として少なくとも300%、好ましくは少なくとも400%の破断伸びを有することによって、更に特徴づけられる。
【0060】
ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される、適当なポリウレタンd)の数平均分子量は、好ましくは40000g/モル〜120000g/モル、特に50000g/モル〜90000g/モルの範囲である。
【0061】
上述の特性を有する、ポリエステルを基剤とする熱可塑性ポリウレタンは、特に、本発明による材料に所望の低い粘着性をもたらすと共に、射出成形による加工をより簡単にすることに適しており、さらに、硬化させた材料において所望の機械的安定性をもたらす。硬化状態で少なくとも900MPaの弾性率を有し、少なくとも15MPaの圧縮抵抗を有する配合物が適当であり、その一方で、該値を下回る値を有する配合物は、本発明の目的に対してあまり適当でない。圧縮破壊、すなわち、加圧条件下において破壊するまでの変形性は、少なくとも20%である。
【0062】
特に、ポリカプロラクトンポリエステル鎖を含有する熱可塑性ポリウレタンd)は、上述の特性を有する熱可塑性ポリウレタンd)として適当である。
【0063】
上述の基準を満たす適当な熱可塑性ポリウレタンは、市販されており、例えば、Merquinsa社(スペイン)またはDanquinsa社(ドイツ)から、これらの仕様書に基づいて入手できる。
【0064】
本発明によると、配合物は、少なくとも1種のブロックコポリマーe)を更なる成分として含有する。好ましくは、該コポリマーは、15℃未満、特に0℃未満のガラス転移温度を有する第1ポリマーブロックと、25℃より高い、好ましくは50℃より高いガラス転移温度を有する第2ポリマーブロックとを有するものから選択される。さらに、適当なブロックコポリマーは、第1ポリマーブロックがポリブタジエンブロックまたはポリイソプレンブロックから選択され、第2ポリマーブロックがポリスチレンブロックまたはポリメチルメタクリレートブロックから選択されるコポリマーから選択される
【0065】
例えば、ブロックコポリマーは、以下のブロック構造を有するコポリマーから選択される:スチレン-ブタジエン-(メタ)アクリレート、スチレン-ブタジエン-(メタ)アクリル酸エステル、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-グリシジル(メタ)アクリル酸エステル、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸エステルブチルアクリレート-(メタ)アクリル酸エステル、好ましくはメチルメタクリレート-ブチルアクリレート-メチルメタクリレート。
【0066】
上述のブロックコポリマーは、国際特許出願公開第2007/025007号明細書の冒頭に記載の範囲内で使用されるブロックコポリマーにも対応する。この観点の詳細と、本発明の範囲に含まれる適当な更なるブロックコポリマーは、この明細書の第25頁、第21行〜第26頁、第9行に記載されている。このようなブロックコポリマーの生成物を記載する相互参照文献も、該明細書に開示されている。
【0067】
これらのブロックコポリマーの組成は、各ブロックに関するモノマーユニットが記載されたことにより上で定義される。このことは、各ブロックコポリマーが、記載された具体的なモノマーのポリマーブロックを含有することを意味する。個々のポリマーブロックにおいて、上述のモノマーの最大20%を、他のコモノマーに置き換えることができる。このことは、特に、ポリメチルメタクリレートのブロックに当てはまる。
【0068】
上述のブロックコポリマーは、特に0℃より高い温度において、本発明による硬化物質の衝撃強さを向上させる。
【0069】
一般に、本発明に使用できる物質混合物は、実質的に既知の充填剤、例えば、種々の粉砕白亜または沈殿白亜、カーボンブラック、カルシウム-マグネシウムカーボネート、タルク、重晶石、および特に、アルミニウム-マグネシウム-カルシウムシリケート型のケイ酸塩フィラー、例えば、珪灰石、緑泥石。マイカを含有する充填剤も使用でき、重金属含量が低い石英および白雲母マイカの所謂2成分充填剤が最も好ましい。
【0070】
重量を低減させるために、上述の「標準的な」充填剤に加えて、物質混合物は、いわゆる軽量充填剤を含有してもよい。これらは、以下のものからなる群から選択できる:中空金属ビーズ、例えば中空スチールビーズ、中空カラスビーズ、フライアッシュ(フィライト)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂またはポリエステルに基づく中空プラスチックビーズ、(メタ)アクリル酸エステルコポリマー、ポリスチレン、スチレン-(メタ)アクリレートコポリマー、および特に、ポリビニリデンクロリド、並びにビニリデンクロリドとアクリロニトリルおよび/または(メタ)アクリル酸エステルとのコポリマー製の壁材を有する発泡中空マイクロビーズ、中空セラミックビーズ、または天然起源の軽量有機充填剤、例えば粉砕ナッツ殻、例えばカシューナッツ殻、ココナッツ殻、またはピーナッツ殻、およびコルク粉若しくはコルク粉末。硬化させた成型体マトリックス中に存在し、該成型体の高い圧縮強さをもたらす中空マイクロビーズに基づく軽量充填剤が特に好ましい。
【0071】
特に好ましい実施態様において、熱硬化性の配合物は、例えばアラミド繊維、炭素繊維、金属繊維、例えばアルミニウム製の繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維またはポリエステル繊維に基づく繊維を更に含有し、この場合、これらの繊維は、0.5〜6mmの間の繊維長と、5〜20μmの直径を有する、好ましくはパルプ繊維またはステープルファイバーである。アラミド繊維型のポリアミド繊維またはポリエステル繊維が特に好ましい。
【0072】
更に、本発明による硬化性配合物は、他の助剤またはおよび添加剤、例えば可塑剤、レオロジー助剤、湿潤剤、粘着メディエーター、老化防止剤、安定剤および/または着色顔料を含有してもよい。個々の成分の量比は、処理特性、柔軟性、必要とされる強化効果または基材への粘着性に関する要求プロファイルに基づき、比較的広範囲に変化させることができる。
【0073】
本発明による配合物は、流動作用を調整するために反応性希釈剤を所望により含有してもよい。本発明における反応性希釈剤は、脂肪族構造または芳香族構造を有する、エポキシ基含有の低粘度物質(グリシジルエーテルまたはグリシジルエステル)である。反応性希釈剤の典型例には、以下のものが含まれる:C〜C14モノアルコールまたはアルキルフェノールのモノ-、ジ-またはトリグリシジルエーテル、およびカシューナッツ殻オイルのモノグリシジルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ならびにC〜C24カルボン酸のグリシジルエステルまたはこれらの混合物。
【0074】
物質総重量に基づきwt%で表される、本質的な成分に関する典型的な含有範囲を以下に示す:
a)エポキシプレポリマー:10%〜65%、好ましくは20%〜60%、
b)該プレポリマー用の熱活性化可能な硬化剤:1%〜10%、好ましくは2%〜8%、
c)発泡剤:0.5%〜10%、好ましくは1%〜5%、
d)熱可塑性ポリウレタンまたはイソシアネート:1%〜50%、好ましくは5%〜35%、特に10%〜20%、
e)ブロックコポリマー:1〜50%、好ましくは5%〜30%、
f)ゴム粒子:0〜40%、好ましくは少なくとも5%および最大25%、
g)有機ポリマー製のシェルを有する無機粒子:0〜40%、好ましくは少なくとも5%および最大25%、
h)充填剤:0〜50%、好ましくは少なくとも5%および最大30%、
ただし、全成分の合計量は100wt%となる。
【0075】
本発明による配合物は、粒状形態で容易に製造できるので、常套の容器、大型の袋、樽、または輸送袋で、一時的な貯蔵を容易におこなうことができ、運搬できる。更に、それらは、特別な貯蔵装置、調合装置、および運搬装置を用いることなく、常套の射出成型システムで加工できる。これらの配合物から製造できる構造用フォームは、従来既知のエポキシに基づく配合物の圧縮強さまたは曲げ強さと品質的に匹敵する良好な特性を有する。
【0076】
驚くべきことに、本発明による配合物は、車両製造におけるボディシェルの製造過程において、射出成型機中での良好な流動作用を有するにもかかわらず、65℃の洗浄バスおよび前処理バス中で流出または洗い出されることなく、同時に流動応力を示す。更に、45℃未満の温度で、成型体または粒状物が粘着性を示さない。
【0077】
好ましくは、金属部材の補強および/または強化に使用できる熱発泡性の成型体は、低圧および低温の条件下、射出成型法により、発泡性で熱硬化性の組成物から調製される。
【0078】
例えば、物質混合物は、50℃〜100℃の範囲の温度で、押出機を用いてダイを通過させることにより押出され、次いで50℃未満の温度へ冷却した後、細かく裁断される。強化されるキャビティの形態に適合した成型体は、適当な形態のダイを通過させる押出しにより製造でき、所望の長さに切断することにより得ることができる。例えば、このようにして得られるものは、120℃〜220℃の範囲の温度で少なくとも20%が発泡できる反応性で架橋性の配合物から成る成型体である。
【0079】
上述したような物質混合物から成型体を製造する方法の別の案は、物質混合物を、押出機を用いて50℃〜100℃の範囲の温度で射出成型機内へ導入し、次いで、50℃未満の温度まで冷却させた後に離型するような方法が選択される。
【0080】
押出工程は、予備混合されているが未成型の配合物として押出機内へ供給される物質混合物から開始することができ、または、個々の原料物質自体を押出機内で最初に混合させて得られる混合物質から開始することができる。しかしながら、上述したような粒状形態で物質混合物を使用することもできる。該粒状物を押出機内へ導入する前に溶融させて、該状態で射出成型機内に圧入するか、あるいは、好ましくは、該粒状物を押出機内で溶融させた後、該状態で射出成型機内に圧入する。
【0081】
この方法の変形例は、以下の本質的な工程により特徴づけられる:
a)上述の組成物の成分を、100℃未満、好ましくは80℃〜95℃の温度で混合し、
b)100℃未満、好ましくは80℃〜95℃の温度で該組成物を押出し、所望により冷却した金属ベルト上で、粒状物を形成させ、
c)このようにして形成した粒状物を冷却し、
d)適当な場合、好ましくは容器、大型の袋、樽、または輸送袋内に、該粒状物を一時的に貯蔵し、
e)該粒状物を射出成型機内へ搬送し、
f)該粒状物を100℃未満の温度で溶融させ、該溶融物を、射出成型機の所定の金型内へ射出し、
g)成型した成型体を冷却し、該金型から成型体を取り出す。
【0082】
熱可塑性ポリウレタンまたはイソシアネートd)を含有することに起因して、押出工程または射出成型工程において使用される離型剤を必要としない程度にまで、エポキシ樹脂を含有する配合物の粘着性が低減される。
【0083】
さらに、本発明は、前述した熱発泡性の熱硬化性配合物から製造される押出成型体または射出成型体を含む。
【0084】
本発明による成型体の主な用途は、構成材、特に家庭用品向けの構成材、または自動車工学における車体部品、例えばボディフレーム、ドア、トランクの蓋、エンジンフードおよび/またはルーフ部品の構成材を補強および強化することである。したがって、本発明は、押出成型または射出成型により得られる上述の成型体のうちの少なくとも1つを使用して補強若しくは強化された車両構成材または金属部材も含む。
【0085】
本発明は、特に、中空部品を強化、絶縁、減衰および/または封止する方法を含む。本発明により得られた成型体を、中空部品を完成させる前に該中空部品の内壁に固定し、次いで、該中空部品を閉じ、120℃〜220℃の温度範囲で、好ましくは10〜150分間かけて加熱することにより、このような中空部品がもたらされる。
【0086】
自動車工学において、細長い中空構造物を製造する一般的な方法はこの方法が使用され、例えば客室を囲むフレームに適用できる。一般に、これらの中空構造物は、金属製の適当な形状のハーフシェルを2つ製造し、これらのハーフシェルが中空フレーム構造および/またはその一部を形成するように連結させることにより製造される。このような中空構造物または中空キャリアは、例えば、車両のA、BまたはCピラーに含まれてもよく、屋根構造を支持してもよく、ルーフレール、ロッカーパネルおよびホイールウェルまたはエンジン支持材であってもよい。先行技術において、中空構造物中にいわゆるピラー充填材またはバッフルを使用する際の慣例のように、本発明により得られた成型体は、ハーフシェルが他のハーフシェルに接合されて中空構造物を形成する前に、後に空洞部の内壁となるハーフシェルの一表面へ、締結素子を用いて取り付けられるか、または粘着性の表面部分を用いて取り付けられる。
【0087】
好ましくは、本発明により得られる成型体は、長手方向の軸に対して垂直な方向を示す断面形態が空洞の断面形状に一致するような方法で成型される。しかしながら、成型体は、発泡前において、1または少数の位置でのみ中空部内壁と接触するような寸法で形成される。これらの配置とは別に、約1〜約10mm、好ましくは約2〜約4mmの幅を有する流れギャップが、成型体の長手方向軸に対して平行に位置する境界面と中空部品の内壁との間に生じる。この流れギャップは、未処理の本体を処理する種々のプロセス流体が該空洞の内壁の全域を湿潤させることを確実にする。該流れギャップは、成型体の熱発泡によってのみ閉鎖され、その結果、該成型要素は、中空部品を強化、絶縁、減衰および/または封止する目的を果たす。成型体上のスペーサーは、該成型体の発泡前にこの流れギャップを確実に生じさせると共に、発泡までの間、該流れギャップの維持を確実に行う。
【実施例1】
【0088】
【表1】

【0089】
*TPU-1=ポリエステルを基剤とするポリウレタン、数平均分子量62150±100、コフラー法に従う溶融範囲155℃〜165℃、DIN53504に従う引張り強さ35MPa、DIN53504に従う破断伸び420%、ガラス転移温度(DSC、10℃/分)−22℃。
*TPU-2=ポリエステルを基剤とするポリウレタン、コフラー法に従う溶融範囲135℃〜145℃、DIN53504に従う引張り強さ30MPa、DIN53504に従う破断伸び500%、ガラス転移温度(DSC、10℃/分)−27℃。
【0090】
これらの成分を、以下の方法で相互に混合する:プラネタリーミキサーで最初に混合させた成分1〜5内へ、成分6および成分7を120℃で導入した。次いで、混合物を80℃まで冷却し、成分8、9、13および14を添加し、30分間かけて混合させた。次に、成分10〜12を添加し、10分間かけて混合させた。最後に、混合物を5分間かけて排気した。
【0091】
若干の粘着性を有するか、粘着性を有さない射出成型部品を、以下の加工パラメータを使用して、本発明に係る混合物から製造した。温度20℃〜80℃、吐出速度15m/分、背圧5bar、吐出体積8cm、射出圧350bar。
【0092】
150℃で発泡および硬化させた後、配合物は以下の特性を有する:
【0093】
【表2】

【0094】
*引張りせん断強さは、油を塗布した冷延鋼板(1.5mm)上で測定した。フォーム厚2mm、室温にて10mm/分の速度で行った。
**圧縮強さおよび圧縮弾性率は、シリンダー(直径33mm、長さ66mm)を用いて測定し、室温にて12mm/分の速度で行った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分a)〜e)を含有する熱発泡性の熱硬化性配合物:
a)少なくとも1種のエポキシドプレポリマー、
b)該プレポリマー用の、少なくとも1種の熱活性化可能な硬化剤、
c)少なくとも1種の発泡剤、
d)少なくとも1種の熱可塑性ポリウレタンまたはイソシアネート、
e)少なくとも1種のブロックコポリマー。
【請求項2】
ゴム粒子を更に含有する請求項1に記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項3】
ゴム粒子がコア-シェル構造を有する請求項2に記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項4】
有機ポリマー製のシェルを有する無機粒子をさらに含有する請求項1に記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項5】
ポリエステル鎖を有するポリウレタンから選択される熱可塑性で非反応性のポリウレタンが、成分d)として使用される請求項1〜4のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項6】
熱可塑性ポリウレタンd)が、22℃で固体であり、−20℃未満、好ましくは−30℃未満のガラス転移温度を有する請求項5に記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項7】
熱可塑性ポリウレタンd)が、22℃で固体であり、100℃より高い温度、好ましくは115℃より高い温度で始まる、コフラー法に従う軟化範囲または溶融範囲を有する請求項5または6に記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項8】
熱可塑性ポリウレタンd)が、22℃で固体であり、純物質として、少なくとも300%、好ましくは少なくとも400%の破断伸びを有する請求項5〜7のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項9】
熱可塑性ポリウレタンd)が、50000g/モル〜120000g/モルの範囲の数平均分子量を有する請求項5〜8のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項10】
ブロックコポリマー(e)が、15℃未満のガラス転移温度を有する第1ポリマーブロックと、25℃より高いガラス転移温度を有する第2ポリマーブロックとを有するブロックコポリマーから選択される請求項1〜9のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項11】
ブロックコポリマー(e)は、第1ポリマーブロックがポリブタジエンブロックまたはポリイソプレンブロックから選択され、第2ポリマーブロックがポリスチレンブロックまたはポリメチルメタクリレートブロックから選択されるブロックコポリマーから選択される請求項10に記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項12】
ブロックコポリマー(e)が、以下のブロック構造を有するコポリマーから選択される請求項1〜10のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物:
スチレン-ブタジエン-(メタ)アクリレート、スチレン-ブタジエン-(メタ)アクリル酸エステル、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-グリシジル(メタ)アクリル酸エステル、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸、メチルメタクリレート-ブチルアクリレート-メチルメタクリレート。
【請求項13】
繊維、無機充填剤、軽量充填剤を含有する群から選択される1種または複数種の充填剤を更に含有する請求項1〜12のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項14】
全配合物の重量に基づきwt%で表される以下の量で、下記の成分を含有する請求項1〜13のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物:
a)エポキシドプレポリマー:10%〜65%、好ましくは20%〜60%、
b)プレポリマー用の熱活性化可能な硬化剤:1%〜10%、好ましくは2%〜8%、
c)発泡剤:0.5%〜10%、好ましくは1%〜5%、
d)熱可塑性ポリウレタンまたはイソシアネート:1%〜50%、好ましくは5%〜35%、
e)ブロックコポリマー:1〜50%、好ましくは5%〜30%、
f)ゴム粒子:0〜40%、好ましくは少なくとも5%で最大25%、
g)有機ポリマー製のシェルを有する無機粒子:0〜40%、好ましくは少なくとも5%で最大25%、
h)充填剤:0〜50%、好ましくは少なくとも5%で最大30%。
【請求項15】
建築部材を補強または強化するための請求項1〜14のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物の使用。

【公表番号】特表2012−506918(P2012−506918A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532558(P2011−532558)
【出願日】平成21年9月23日(2009.9.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/062310
【国際公開番号】WO2010/049220
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】