説明

改善されたPRRSワクチン

本発明は欧州遺伝子型の改善され、変性された生PRRSワクチン及びそのようなワクチンの製造のために使用できる新しいPRRSV菌株に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
1.技術分野
本発明は、感染症ワクチンの分野に属するものである。より詳細には、ブタに影響を与えるウイルス性疾患であるブタ生殖器呼吸器症候群(PRRS)ワクチンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2.背景情報
ブタ生殖器呼吸器症候群ウイルス(PRRSV)はアルテリウイルス(Arteriviridae)科に属する(+)鎖ssRNAウイルスである。このウイルスは、約50%の配列相同性を有し(Dea S et al. (2000). Arch Virol 145:659-88)、その免疫学的特性によって区別することができる「US」及び「欧州」型と呼ばれる2つの遺伝子型として存在する。種々の単離物についてのたいていの配列情報は構造タンパク質(すなわち、ウイルスゲノムのわずか約4%を占める外膜タンパク質GP5)に基づいているが、非構造タンパク質(nsp)についてはほとんど知られていない。
nsp2タンパク質は、欧州型プロトタイプレリスタットウイルス(LV)では、1078のアミノ酸を有し、PRRSV-USと32%の相同性を有するに過ぎない(Allende R et al. (1999). J Gen Virol 80:307-15)。これは自然感染の際の血清抗体を誘導し(Oleksiewicz MB et al. (2001a). J Virol 75:3277-90, Oleksiewicz MB et al. (2001b). Vet Microbiol 81:109-25)、ウイルス複製のために重要な役割を果たしているように見え(Snijder EJ et al. (2001). J Gen Virol 82:985-94, van der Meer Y et al. (1998). J Virol 72:6689-98)、種特異的機能を有すると考えられる(de Vries AAF et al. (1997). Seminars in Virology 8:33-47)。nsp2アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を配列番号2に示す。nsp2コード領域の長さの変異は、これまでUSで見つけられた1つのUS型単離物(Shen S et al. (2000). Arch Virol 145:871-83)及び欧州型菌株(Fang Y et al. Virus Res. 2004 Mar 15;100(2):229-35, Ropp SL et al. J Virol. 2004 Apr;78(7):3684-703)についてのみ記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
PRRSVの単離及びワクチンの製造はいくつかの刊行物に記載されている(国際公開第92/21375号パンフレット、第93/06211号パンフレット、第93/03760号パンフレット、第93/07898号パンフレット及び第96/36356号パンフレット、並びに欧州特許出願公開第0 676 467号明細書、第0 732 340号明細書及び第0 835 930号明細書)。それでもなお、改善された特性(特に、効力及び安全性に関して)を有するワクチンを提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要約)
本発明は、欧州遺伝子型の改善された変性生PRRSワクチン及びそのようなワクチンの製造のために使用できる新しいPRRSV菌株に関するものである。特に、本発明は、欧州細胞バンク(ECACC)によって受入番号ECACC 04102703、ECACC 04102702及びECACC 04102704で寄託された改善されたPRRSウイルス菌株、又は前記菌株の1つの子孫若しくは後代を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
(発明の詳細な説明)
本発明は改善されたPRRSワクチンに関するものである。特に、本発明は変性生ワクチン(MLV)に関するものである。変性生ワクチンは、ブタにおいて複製できるが、PRRSの臨床症状を示さない、又はわずかに及び中程度に疾病の症状を示す、生きたウイルスを含むことを特徴とする。さらに、投与により、一般に病原性PRRSウイルスによるその後の感染に対して非常に広範囲の保護をもたらす、ブタにおける免疫応答を誘導する。そのような特徴を示すウイルスは通常いわゆる弱毒化ウイルスと呼ばれる。一般に、弱毒化ウイルスは、所望の性質を示すまで適切な宿主細胞にて継代を繰り返すことによって病原性ウイルス単離物から生成されてもよい(国際公開第92/21375号パンフレット、第93/06211号パンフレット、第93/03760号パンフレット、第93/07898号パンフレット及び第96/36356号パンフレット、並びに欧州特許出願公開第0 676 467号明細書、第0 732 340号明細書及び第0 835 930号明細書)。あるいは、感染性クローン(通常、ウイルスゲノムの全長相補的DNA転写物)を使用する再度の遺伝子操作により生成されてもよい(国際公開第98/18933号パンフレット、欧州特許出願公開第1 018 557号明細書、国際公開第03/062407号パンフレット、Nielsen et al, J Virol 2003, 77:3702-3711)。好ましい実施態様では、本発明は欧州遺伝型の弱毒化PRRSウイルスを含むMLVに関するものである。
【0006】
本発明は、ワクチンで使用されるウイルスがnsp2配列におけるある特定の欠失を示さないことに注意が払われる場合、PRRS MLVの安全性及び効力を改善できるという予期せぬ知見に基づいている。より詳細には、本発明のウイルスは、全又は部分的nsp2コード配列の一部として配列番号1のヌクレオチド配列、又は1、2、3、4又は5個のヌクレオチドが配列番号1と異なっている(置換、欠失又は挿入のいずれでもよい)ヌクレオチド配列を含む必要がある。すなわち、配列番号1のヌクレオチド番号145〜163に相当するヌクレオチドは前記ウイルスにおいて欠失されるべきでない。
本発明のワクチンで使用してもよい弱毒化ウイルス菌株は、2004年10月27日にブダペスト条約に従ってベーリンガーインゲルハイムフェトメディカ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング(Boehringer Ingelheim Vetmedica GmbH)によって欧州細胞バンク(ECACC)(ポートンダウン、ソールズベリー、ウィルトシア、SP4 0JG、グレートブリテン)に受入番号04102703(PRRSV bs104-P27)、04102702(PRRSV bs104-P31)及び04102704(PRRSV bs104-P36)で寄託されている。本発明のワクチンは、しかしながら、同日に同じ条件下で受入番号04102701(PRRSV bs104-P45)でECAACCに寄託されたウイルス菌株を含むべきではない。寄託された菌株は、実施例に記載されているように、市販のウワクチン製品(Porcilis(商標)PRRS、Intervet Deutschland GmbH、Unterschleibheim)からプラーク精製により得られた。前記製品が4つのサブクローンを含み、これらのクローンの3つ(ECACC04102703、ECACC04102702又はECACC 04102704)は本発明に従って所望の性質を有し、改善されたワクチン製剤の成分として適したものとするが、4番目のクローン(ECACC04102701)が望ましくないnsp2欠失を有することは、予想外の結果であった。
【0007】
1つの態様では、本発明は、2004年10月27日に欧州細胞バンク(ECACC)(ポートンダウン、ソールズベリー、ウィルトシア、SP4 0JG、グレートブリテン)に受入番号ECACC 04102703、ECACC 04102702及びECACC 04102704で寄託されたPRRSウイルス菌株の任意の1つであるPPRSウイルス菌株、又は前記菌株の1つの任意の子孫若しくは後代である。本発明は、したがって、同一形又は分岐形における伝播又は増殖によって寄託菌株に由来するPRRSウイルス菌株、特に寄託菌株の必須の特性を有する子孫に及ぶ。連続伝播により、前記菌株は、そのほとんどがこれらの菌株の性質を明らかに変えない変異を獲得してもよい。
本発明の菌株がさらに所望の性質を与えるように変性されてもよいことは当業者にとって明らかである。これは、弱毒化表現型を拡張するのに適した宿主細胞における連続伝播のように、古典的伝播及び選択技術によって達成されてもよい。これは、さらに、適した遺伝子操作技術によるこれらの菌株のゲノムの核酸配列の直接変異によって達成されてもよい。上述のように、このような技術は、通常、次いでDNA組換え及び操作方法(部位特異的変異誘発などのような)によって変性されてもよいウイルスゲノムの全長相補的DNA複製物(感染性クローン)の構成を利用する。このように、例えばウイルスタンパク質の抗原性部位又は酵素的性質は変性されてもよい。欧州及び北米遺伝子型のPRRSウイルス菌株の感染性クローンは文献で報告されている(上記引用文献を参照のこと)。
【0008】
本発明のワクチンに適したPRRSウイルス菌株は技術的に公知の方法によって、例えば実施例に記載されているようなサルの細胞系MA-104、ベロ細胞又はブタ肺胞マクロファージのような適した宿主細胞において伝播することによって成長及び回収することができる。
PRRSV菌株ECACC 04102703、ECACC 04102702又はECACC 04102704のいずれか1つ、同様にこれらの菌株又はその子孫(ただし、PRRSV菌株ECACC 04102701ではない)の任意の組合せを含むワクチンは、したがって、本発明の好ましい実施態様である。好ましくは、本発明のワクチンは適した担体において生きているこれらの菌株の1つ又は2つ以上を含む変異生ワクチンであるが、不活性化ウイルスは死菌ワクチン(KV)を調製するために使用してもよい。MLVは、典型的には1回分の用量当たり101〜107ウイルス粒子、好ましくは103〜105粒子、より好ましくは104〜105粒子(4.0〜5.0 log10 TCID50)の投与を可能にするように配合される。KVは1回分の用量当たり103〜1010ウイルス粒子のプレインキュベーションタイターに基づいて配合されてもよい。前記ワクチンは薬剤的に容認できる担体、例えば生理的食塩水を含んでもよい。前記ワクチンはアジュバントを含んでもよく、又は含まなくてもよい。適したアジュバントの例としては、商品名Diluvac Forte(商標)で得られる酢酸a-トコフェロールが挙げられる。あるいは、例えば明礬ベースアジュバントを使用してもよい。
【0009】
本発明のワクチンは生きているウイルスの凍結乾燥製剤の形態で調製されてもよく、溶媒で再構成され、注射用溶液を得る。溶媒は、例えば水、生理食塩水又は緩衝剤、又は補助溶媒であってもよい。溶媒はアジュバント、例えば酢酸a-トコフェロールを含んでもよい。再構成ワクチンは、次いでブタに、例えば筋肉内又は皮内注射として首に注射してもよい。筋肉内注射については、2mlの容量を適用してもよく、皮内注射については、それは典型的には0.2mlである。別の態様では、本発明は、したがってワクチン製品であり、別々の容器にウイルスの凍結乾燥組成物及び再構成のための溶媒を含み、さらに使用上の注意を含むパンフレット又はラベルを含んでもよい。
本発明のワクチンは前記菌株の1つ又は2つ以上を含んでもよいだけでなく、PRRS若しくはその他のブタウイルス又は細菌性疾患(ブタサーコウイルス又はブタコレラウイルスのような)に対して活性な別の成分を含んでもよい。したがって、本発明は、さらに記載したワクチンに関するものであり、PRRSではないブタ疾患に対して活性な少なくとも1つの別の抗原を含むことを特徴とする。
【実施例】
【0010】
(実施例)
1.材料及び方法
1.1.Porcilis(商標)PRRSによる妊娠した雌ブタの実験的感染
研究計画
この研究で、確立されたPRRSVネガティブ群から14匹の健康な妊娠した雌ブタ(ウイルス学的及び血清学的に試験した)を用いた。雌ブタは第1又は第2出産に直面し、妊娠期間の94(+/-3)日目のワクチン接種/病原体接種感染のときに妊娠していることを確認した。それらを3つの治療群に分けた(表1)。第1群を、妊娠期間の94(+/-3)日目に、少なくとも104.0TCID50を含む2mlの市販の用量のPorcilis(商標)PRRSの筋肉内注射により処置した。病原体接種コントロール群(群2)は、2mlの病原性欧州フィールド単離物92045の細胞培養媒体中104.72TCID50の用量を鼻腔内で受け取った。群3を、受精の7日前に、104.0TCID50を含む2mlの市販の用量のIngelvac PRRS MLVの筋肉内注射でワクチン接種し、欧州フィールド単離物92045(2mlの細胞培養媒体中104.72TCID50の鼻腔内投与)で妊娠期間の(+/-3)94日目に病原体接種した。
群1の動物を分娩後5日目までモニターした。群2及び3の動物を分娩後28日目までモニターした。
【0011】
動物フェーズ
すべての雌ブタはワクチン接種の1週間前に動物設備になれていた。雌ブタ及び子ブタは毎日研究者によってその一般的な健康状態について観察された。死んだ又は安楽死させたすべての動物を検死解剖の対象とし、続いて実験分析の対象とした。
超音波検査により妊娠を確認した。PCR及びELISA実験のために研究の0日目、7日目、14日目及び分娩時に、雌ブタの血清を得た。流産に関連するあらゆる材料を実験研究の対象とした。
すべての死産の子ブタについてルーチン的なグロス病理学を実施した。すべての肺葉の肺組織サンプルを死産の子ブタ及びミイラ(mummies)から回収した。PCR試験用サンプルを-70℃で保存した。誕生の日に各子ブタの2mlの初乳前の血液を回収した。血清を調製し、アリコットを-70℃で保存した。ウイルス血症の試験のために血清を用い、経胎盤感染を評価した。5日目まで生き延びた群1のすべての子ブタを5日齢で安楽死させた。
【0012】
臨床及び生殖特性パラメータ
以下の主要な基準(優先順位)を調べた:一度に生まれた中で生きて生まれた子ブタの数、一度に生まれた中で死産の子ブタの数、一度に生まれた中で子ブタミイラ変性の数及び5日齢又は28日齢まで生き残った子ブタの数。初乳前の血清を用いて、ウイルス血症で生まれた子ブタの数を決定した。雌ブタ及び/又は子ブタ由来のPCRポジティブ血液及び組織サンプルの頻度を調べ、疫学及び感染過程を評価した。
【0013】
1.2.フィールドサンプル
この研究で調べるフィールドサンプルは、ルーチン的なPRRSV診断学から選ばれ、異なる欧州の国々の血液、血清及び種々の器官材料(主に、肺及びリンパ節)からなる。前記サンプルをRNA調製の前に-20℃で最大3日間保存し、残留物を続いて長期保存のために-70℃にした。RNA及びRT-PCR産物を-20℃で保存した。
【0014】
1.3.細胞培養
Ma104細胞(クローンCL2621)を10%FCS及び抗生物質で補充されたMEM(ダルベッコ、ドイツ)で成長させた。
Wensvoort et al.(Wensvoort, G. et al. Vet. Quat. 1991, 13:121-130)によって記載された方法を用いて、ブタの肺胞マクロファージを回収し、以下のように変性した:各肺葉に50-100mlのPBSを注入し、続いて3〜5分間マッサージした。次いで、前記葉から流体を回収し、ガーゼ(gaze)フィルターを通過させた。洗浄液が透明になるまで、この手順を繰り返した。溜めた洗浄液を500gで15分間室温で遠心分離した。ペレットをPBSで洗浄し、50%RPMI 1640(バイオクロム)、40%FCS及び10%DMSO中1×107細胞のアリコットを-196℃で凍結させた。さらに使用のために、PAMを、10%FCS及び抗生物質で補充されたRPMI 1640培地で培養した。
【0015】
1.4.細胞培養におけるウイルス単離のための器官材料の調製
約0.5cm3の組織材料を、1.8mlの滅菌PBS中に1つのスチールホモジナイザーバレット(ballet)を含むチューブに移した。器官材料が均質化されるまで、このチューブを10分間攪拌した。2分間450g及び室温での遠心分離により、細胞残屑をペレット化した。上澄みを0.45μmの細孔滅菌フィルターを通過させ、-70℃で保存した。30μlのアリコットを使用して、24ウエルマイクロタイタープレートを用いる1つの半コンフルエントな細胞培養単層を摂取した。
【0016】
1.5.RNA単離
製造業者の推奨に従って、それぞれ各製剤のために、約100mgの器官材料及び140μlの液体材料を用いて、器官材料由来のRNAをRNeasy Mini Kitで抽出し、血清、血漿、細胞培養上澄み及びワクチン溶液由来のRNAをQIAamp Viral RNA Mini Kit(ともにキアゲン)で抽出した。製造業者の推奨の通りに65μlのバッファー中に、前記RNAを最終的に抽出した。
【0017】
1.6.ウイルスのプラーク精製
48時間前に播種した10cmφの細胞培養皿のMa104細胞のコンフルエントな単層を、10-1〜10-4の10倍希釈でそれぞれのウイルスで感染させた。前記細胞を、その後取り除かれるウイルス希釈物とともに1時間インキュベートし、前記細胞を5%のメチルセルロース(シグマ)を含む30mlのMa104培地で覆った。5〜7日後にプラークを採取し、24ウエルプレートのMa104単層に移した。これらのプレートのウイルスを約50%のCPEで回収し、さらに分析した。
【0018】
1.7.免疫蛍光アッセイ
細胞を、-20℃で15分間氷のように冷たいアセトン:メタノール(1:1)を用いて固定し、その後風乾した。PBSで再水和後、細胞を、1:1000に希釈したPRRSV特異的モノクローナル抗体SDOW17(Rural Technologies Inc.、USA)とともにPBS中で1時間インキュベートした。PBSで3回洗浄した後、細胞をヤギの抗マウスFITC共役第二抗体(Dianova、フンブルク、ドイツ)(PBS中1:150)とさらに1時間インキュベートした。PBSで3回洗浄した後、細胞をグリセリン:PBS溶液(1:1)で被覆し、免疫蛍光顕微鏡観察の対象とした。
【0019】
1.8.診断的なnRT-PCR及びnsp2 PCR
診断的なRT-nPCRを行って、PRRSV-EUウイルスの存在についてサンプルを調べた。次いで、ポジティブサンプルをnsp2断片増幅の対象とした。プライマー配列を表2に列記する。
診断的なRT-nPCRをTitan One Tube Kit(ロッシュモレキュラーバイオケミカルズ)により次の通りに行った[5μlの全RNA製剤、1*RT-PCRバッファー、0.4mMのdNTP、20pmolのプリマーPLS及びPLR、5mMのジチオスレイトール、1mMのMgCl2、2.5〜5UのRNasin(プロメガ)、1〜2.5Uの酵素混合物、DEPC処置蒸留水で25μlの最終容量に調整]。サイクル条件は次の通りである:45℃1時間、94℃2分間及び30サイクルの94℃30分間、58℃45秒間及び68℃45分間、68℃5分間の最終伸長工程。ネステッドPCR反応をQiagen Taq(キアゲンAG)により次の通りに行った:[1μlのRT-PCR産物、1*PCRバッファー、10μlのQ-solution、3.5mMのMgCl2、0.3mMのdNTP、20pmolの各EU-7-n-s及びEU-7-n-asプライマー、2.5UのTaqポリメラーゼ、蒸留水で50μlの最終容量に調整]。サイクル条件は次の通りである:7サイクルの94℃1分間、58℃1分間及び72℃1分間、続いて30サイクルの94℃1分間及び70℃1.5分間(アニーリング工程なし)、70℃5分間の最終伸長工程。
【0020】
次いで、プライマーEU-1a-2058-s及びEU-1a-2683-asで、Qiagen One Step RT-PCR Kit(キアゲン)で、1工程逆転写PCRを用いて、ポジティブサンプルを次の通りにnsp2断片増幅の対象とした:[2μlのRNA製剤、5μlのRT-PCRバッファー、5μlのQ-solution、0.4mMのdNTP、20pmolの各プライマー、2.5〜5UのRNasin(プロメガ)、1μlの1工程酵素混合物、DEPC処置蒸留水で25μlの最終容量に調整]。サイクル条件は次の通りである:50℃1時間、95℃15分間及び40サイクルの94℃60秒間、60℃5秒間、50℃5秒間及び72℃2分間、72℃10分間の最終伸長工程。
ネステッドPCR反応をTaqポリメラーゼ(キアゲン)及びプライマー対EU-1a-2061-s + EU-1a-2574-asにより次の通りに行った:[1μlのRT-PCR産物、1*PCRバッファー、10μlのQ-solution、3.5mMのMgCl2、0.6mMのdNTP、20pmolの各プライマー、2.5UのTaqポリメラーゼ、蒸留水で50μlの最終容量に調整]。サイクル条件は次の通りである:8サイクルの94℃1分間、60℃5秒間、50℃5秒間及び68℃45秒間、続いて50サイクルの94℃1分間及び70℃1分間(アニーリング工程なし)、70℃5分間の最終伸長工程。ネステッドPCRプライマーをM13タグで伸長して、PCR産物の直接ヌクレオチドシークエンシングを促進した。
【0021】
1.9.ヌクレオチドシークエンシング
ヌクレオチドシークエンシングを、M13タグを含むプライマーによって生成されたネステッドPCR産物(PCR反応から直接得られるもの又はアガロースゲルから抽出し、JETsorbゲル抽出キット(Genomed)で精製したPCR産物から直接得られるもの)について行った。自動シークエンサーLI-COR DNA Analyzer GENE READIR 4200(商標)(LI-COR Inc.、リンカン、ネブラスカ、USA)を用いて、シークエンシングを行った。AlignIR(商標)、vs1.1(LI-COR Inc.、リンカン、ネブラスカ、USA)及びDNASIS(商標)2.6ソフトウエアパッケージ(Hitachi Software Genetic Systems Inc.、サンフランシスコ、USA)を用いて、ヌクレオチド及び推定アミノ酸配列を分析した。
【0022】
2.結果
2.1.Porcilis(商標)PRRSワクチンから生成したnsp2断片のPCR分析
10用量の凍結乾燥Porcilis(商標)PRRSの変性生ワクチンを含むバイアルを20mlの滅菌PBSで再構成した。RNAをこの溶液から調製し、記載されるようにRT-nPCRによってnsp2断片の増幅の対象とした。公知のヌクレオチド配列の別の欧州レリスタット様PRRSV菌株由来のRNAを、同じ実験でポジティブコントロールとして増幅した。この断片について、569bpの増幅産物が予想され、コントロール菌株について得られた。しかしながら、Porcilis(商標)PRRSサンプルはそのような産物を生じなかった。その代わりに、通常の2%アガロースゲルにおいてダブルバンドを示し、1つのバンドは約430bpであり、他のバンドは約350bpであった(図1参照)。
両バンドをゲルから別個に精製し、次いでヌクレオチドシークエンシングの対象とした。レリスタットウイルスのヌクレオチド配列と比較して、両PCR産物が欠失を有することが明らかとなったが、得られた配列は若干不明瞭であり、前記欠失の正確な範囲を決定することはできなかった。したがって、前記不明瞭さが非相同ワクチン菌株によることを除外するために、ワクチンをプラーク精製することを決めた。
【0023】
2.2.Porcilis(商標)PRRSワクチンウイルスから得たプラークの特性
再度、10用量の凍結乾燥Porcilis(商標)PRRSワクチンを含むバイアルを20mlの滅菌PBSで再構成した。再構成したワクチン溶液をコンフルエントなMa104単層とともに異なる希釈度でMaterials and Methodsに記載されるようにインキュベートし、次いでメチルセルロース含有培地で覆った。インキュベーションの5〜7日後にプラークを選び出し、約50%のCPEを示すまで、24ウエルプレート中Ma104で成長させた。細胞培養上澄みを次いで回収し、-70℃で保存した。
47プラークを更なる研究の対象とした。このために、24ウエルプレートの第1継代の上澄みからRNAを調製し、nsp2断片のRT-nPCR増幅のために使用した。得られるPCR産物を2%アガロースゲルで分析した。結果を表3にまとめる。おそらく重なり合ったプラークによる混合集団以外に、4つの特異的な集団を見つけた(それぞれ、約569bp、434bp、416bp及び347bpのサイズ範囲)。いくつかの代表的なプラークのPCR産物を図2に示す。
各群の1つの代表的なプラークのヌクレオチド配列を次いでnsp2 RT-nPCR産物の直接シークエンシングによって決定し、次の結果が得られた:プラークNo.36:nsp2において欠失なし;プラークNo.27:135ntの欠失;プラークNo.31:153ntの欠失;及びプラークNo.45:222ntの欠失。これらのプラークのヌクレオチド配列を図3に示す。
【0024】
2.3.Porcilis(商標)PRRSワクチンによる妊娠した雌ブタの実験的感染
生殖パラメータ
出産時に、妊娠期間の90日目にPorcilis(商標)PRRSワクチンで予防接種された雌ブタ7062及び6677は、中程度から激しい生殖不全を示した(表4参照)。死産及び弱く生まれた動物の割合は同腹子7062で62.5%であり、同腹子6677で44.4%であった。さらに、出産後5日までに、雌ブタ7062から生きて生まれた4匹の子ブタ及び雌ブタ6677から弱く生きて生まれた子ブタのすべてが死んだ。臨床観察結果を表5に示す。結論として、出産の5日目に両同腹子のうち子ブタの29.4%(5匹の子ブタ)のみが生き残った。
群2の6匹の雌ブタはPRRSフィールドウイルス単離物92045に感染後出産した。子ブタの25.3%及び26.4%は、それぞれ死産及びミイラ変性であった。生きて生まれた42匹の子ブタのうち、24匹(27.6%)の子ブタは弱く生まれ、18匹(20.7%)の子ブタのみが正常に生まれた。妊娠期間の94(+/-3)日目にPorcilis (商標)PRRSでワクチン接種した雌ブタからの同腹子と同様に、生まれた子ブタの29.9%のみが生き残った。
Ingelvac PRRS(商標)MLVでワクチン接種した雌ブタ及び群2と同様に病原体接種感染させた雌ブタは、72.9%の正常で健康な子ブタを出産した。前記子ブタの16.7%及び6.2%は、それぞれ死産及びミイラ変性であった。雌ブタ6930は28日齢までにすべての子ブタを失ったが、他の同腹子からの2匹の子ブタのみがその期間に死んだ。このように、Ingelvac PRRS(商標)MLVでワクチン接種したブタ及び高い病原性のPRRSフィールドウイルス単離物92045で病原体接種感染させたブタの60.4%は、28日齢まで生き残った。
【0025】
臨床サンプルのウイルス学的研究
雌ブタ及び子ブタの血清並びに群1の子ブタの肺組織及び体液をPRRSVの存在について試験した。PCRポジティブサンプルをオープンリーディングフレーム5及び7、並びにnsp2断片のヌクレオチドシークエンシングの対象とした。PCRによって得られる結果及びウイルス単離物を表6に示す。
生殖不全の2匹の雌ブタ6677及び7062では、すべてのPCRポジティブサンプルはPorcilis(商標)PRRSと同一のORF5及び7配列を示し、他のPRRSV菌株がこれらの動物で検出されなかったことを意味する。PRRSVは、雌ブタ7062からのすべての死産の子ブタで見られたが、雌ブタ6677からのただ1匹の死産の子ブタ(50%)はポジティブに反応した。雌ブタ7062から弱く生まれた子ブタ並びに雌ブタ6677から弱く生まれた子ブタの67%及び健康に正常に生まれた子ブタの50%は、初乳取り込み前に採取されたサンプルからでさえ配列分析によってPorcilis(商標)PRRSと確認されたポジティブPCR結果を示した。このように、17匹の子ブタのうち4匹(23.5%)のみがPorcilis(商標)PRRSについてネガティブであることが分かった。Nsp2断片について、すべてのサンプルは、Porcilis(商標)PRRSワクチンから増幅できる、とりうるnsp2断片の最も短い変異体に相当する約347bpに強いバンドを示した(図4)。また、たいていのサンプルは約434bpに非常に弱いバンドを有し、子ブタ7062/4310のみが強いダブルバンドを有した。
鑑別診断のために、PRRSVのUS遺伝子型及びPPV、BVD、CSFV、BDV、PrV、PCV2、SIV、PEV/PTV、swParamyxoV、EMCV、swHEV及びレプトスピラ(Leptospira spp.)、クラミドフィラ(Chlamydophila spp.)及びクラミジア(Chlamydia spp.)について、器官材料及び血清を研究した。これらのすべての研究はネガティブな結果を生じた。
【0026】
Ma104及びブタ肺胞マクロファージにおけるウイルス単離
各雌ブタの5匹の子ブタ由来の肺材料をMa104細胞及びブタ肺胞マクロファージにおけるウイルス単離物試験の対象とし、各雌ブタから2匹の死産の子ブタ及び3匹の生きて生まれた子ブタを選んだ(表6参照)。30μlの均質化及び滅菌濾過器官懸濁液のアリコットを、それぞれMa104細胞及びPAM細胞の1つのウエルのインキュベーションで使用した。細胞を37℃及び5%のCO2で5日間インキュベートし、次いでPRRSV特異的モノクローナル抗体SDOW17によって免疫蛍光アッセイで染色した。10個の器官懸濁液のうち、4つで細胞変性(cythopathic)効果を生じ、Ma104細胞及びPAM細胞の両方でポジティブ染色結果を生じた。残りの6個のサンプルは両細胞タイプでネガティブな結果を生じた。
各ポジティブサンプルから、PAM及びMa104のそれぞれの細胞培養上澄みのRNAを調製した。RNAをORF5及び7並びにnsp2断片についてRT-nPCRの対象とした。ORF5及び7のPCR産物のヌクレオチドシークエンシングにより前記ウイルスがPorcilis(商標)PRRSであることを確認した。Nsp2 PCR産物は、明らかに222ヌクレオチドの最も大きな欠失を有するPorcilis(商標)PRRS配列を生じた。
これらの実験の結果、プラーク45によって表され、ECACC04102701で寄託された変異体が、観測された経胎盤性感染及び生殖性能減少の原因であることが結論付けられる。
【0027】
2.4.Porcilis(商標)PRRSワクチンで予め予防接種されたブタのフィールドサンプルから得られるnsp2増幅産物の分析
a)Porcilis PRRSでワクチン接種された農場のサンプル
定期的にPorcilis(商標)PRRSで6週齢で子ブタにワクチン接種したPRRSVフィールドウイルスネガティブ群をPRRSV-EUについて研究した。10の各サンプルを、それぞれ4、7、9.5及び13.5週齢の子ブタから採取した。9.5週群では、3匹の子ブタが離乳後多臓器性発育不良症候群(PMWS)(しばしばブタサーコウイルス2及びPRRS同時感染と関連がある(Ellis et al, Vet Microbiol 2004, 98:159-163))となった。PRRSV-EU特異的RT-nPCR産物をワクチン接種前の1/10、7/10、9/10及び7/10の動物について、ワクチン接種後1、3.5及び7.5週で得た。PRRSVポジティブサンプル由来のnsp2コード領域のRT-PCR増幅により、Porcilis(商標)PRRSタイプPCR産物のみ得られた:8サンプルは約347bpの産物のみを生じ、4サンプルは約434bp産物のみを生じ、4サンプルは434及び347bpのダブルバンドを生じた。レリスタット様産物を与えるサンプルはなかった(図5参照)。nsp2領域は4匹のPMWS疾患子ブタのうちの3匹で増幅でき、そのうちの2匹は434bp産物を示し、1匹は347bp産物を示した。
【0028】
b)ルーチン的な診断からのフィールドサンプルにおけるNsp2長さ変異体
PRRSの疑いのある群の診断で提出され、ルーチン的なRT-nPCRでPRRSVポジティブであった514血液及び組織サンプル全体をnsp2断片増幅の対象とした。514サンプルのうちの41.4%で、増幅産物を得た。分析したサンプルの30.7%で、長さを変える欠失が見られた(フィールドにおいて、少なくとも12.7%のnsp2欠失変異体の合計頻度を示す)。たいていの場合、見られるバンドはPorcilis(商標)PRRSワクチンで見られるパターンと同じパターンを示し、通常の2%アガロースゲルで容易に区別される434及び416bpの(ダブル)バンド又は347bpのバンドのからなる。サンプルの選択は、したがって、これらのPCR産物を実際にPorcilis(商標)PRRSワクチンウイルスから誘導されるか否かをチェックするためにヌクレオチドシークエンシングの対象とした。結果を図6AからCに示す。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

ネステッドPCRプライマーについて、M13tagsをイタリックで表し、プライマーのPRRSV特異的配列には下線を付した。
【0031】
【表3】

【表4】

【0032】
【表5】

1 子ブタ4305は採血時のアクシデント(blood taking accident)により1日目に死んだ。
2 子ブタ4307及び4308は無乳症により死んだ。
3 子ブタ4310は肺炎の激しい兆候を示した。
【0033】
【表6】

nd: 行っていない
*: ルーチン的に行った診断的PCRのPCR断片を配列決定した。
**: MA104及びPAMsから得られるすべての再単離物をORF5及びORF7で配列決定し、これらはPorcilis(商標)PRRSと同一であった。
【0034】
【表7】

【0035】
【表8】

【0036】
【表9】

【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】レリスタット様単離物のnsp2領域(位置2068〜2713)(レーン1)、Porcilis(商標)PRRS(レーン2)及びネガティブコントロール(レーン3)から得られたRT-PCR産物のアガロースゲル(2%アガロース、臭化エチジウム染色)。レーン4:100bpラダー。Porcilis(商標)PRRS由来の産物(434及び416bpのダブルバンドと347bpのバンド)はLV様産物(569bp)よりも小さい。
【図2】Ma104細胞培養で1継代後のプラークの選択から得られたnsp2 PCR産物である。
【図3】プロトタイプ菌株レリスタットウイルス(LV)のヌクレオチド配列と比較した各長さ変異体の1つの代表的なプラークのヌクレオチド配列である。
【図4】Porcilis(商標)PRRSワクチン接種後繁殖不全を示す2匹の雌ブタ及びその子孫の異なるサンプルから得たnsp2 PCR産物である。
【図5】6週齢のときにPorcilis(商標)PRRSでワクチン接種された子ブタの臨床サンプルから得られたsnp2 PCR産物である。円はPMWSの病気にかかったブタのサンプルを示す。
【図6A】Porcilis誘導プラーク36の全長(レリスタット様)配列と比較した、Porcilis PRRSワクチンボトルから誘導されるプラーク(例えば、プラークP45)の1つの群と同じ222ヌクレオチドの欠失を示す異なるフィールドサンプルから得られたnsp2 PCR産物のヌクレオチド配列である。
【図6B】Porcilis誘導プラーク36の全長(レリスタット様)配列と比較した、Porcilis PRRSワクチンボトルから誘導されるプラーク(例えば、プラークP27)の1つの群と同じ135ヌクレオチドの欠失を示す異なるフィールドサンプルから得られたnsp2 PCR産物のヌクレオチド配列である。
【図6C】Porcilis誘導プラーク36の全長(レリスタット様)配列と比較した、Porcilis PRRSワクチンボトルから誘導されるプラーク(例えば、プラーク31)の1つの群と同じ153ヌクレオチドの欠失を示す異なるフィールドサンプルから得られたnsp2 PCR産物のヌクレオチド配列である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブタ生殖器呼吸器症候群(PRRS)ワクチンであって、生きたPRRSウイルスを含み、2004年10月27日に欧州細胞バンク(ECACC)(ポートンダウン、ソールズベリー、ウィルトシア、SP4 0JG、グレートブリテン)に受入番号ECACC 04102703、ECACC 04102702及びECACC 04102704で寄託されたPRRSウイルス菌株の1つ以上を、又は前記菌株の1つ以上の子孫を含み、薬剤として許容される担体を一緒に含んでもよいが、受入番号ECACC 04102701で寄託された菌株を含まない前記ワクチン。
【請求項2】
受入番号ECACC 04102703、ECACC 04102702及びECACC 04102704で寄託されたPRRSウイルス菌株を含む請求項1に記載のワクチン。
【請求項3】
さらにアジュバントを含む請求項1又は2に記載のワクチン。
【請求項4】
アジュバントが酢酸α-トコフェロールである、請求項3に記載のワクチン。
【請求項5】
前記ウイルスの凍結乾燥組成物を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のワクチン。
【請求項6】
2004年10月27日に欧州細胞バンク(ECACC)(ポートンダウン、ソールズベリー、ウィルトシア、SP4 0JG、グレートブリテン)によって受入番号ECACC 04102703、ECACC 04102702及びECACC 04102704で寄託されたPRRSウイルス菌株のいずれか1つ、又は前記菌株のいずれか1つの子孫であるPPRSウイルス菌株。
【請求項7】
請求項6に記載のPRRSウイルス菌株の1つ以上を薬剤として許容される担体と混合することを含むワクチンの製造方法。
【請求項8】
ワクチンの製造のための請求項に6記載のPRRSウイルスの使用。
【請求項9】
請求項5に記載の凍結乾燥組成物及び再構成のための溶媒を別個の容器に含み、さらに使用上の注意を含むパンフレット又はラベルを含んでもよいワクチン製品。
【請求項10】
前記溶媒がアジュバントを含む、請求項9に記載のワクチン製品。
【請求項11】
請求項1〜5、7、9又は10のいずれか1項に記載のワクチン又はワクチン製品をブタに投与することを含むブタのワクチン接種方法。
【請求項12】
PRRSでないブタの疾患に対して有効な少なくとも1つの抗原をさらに含む請求項1〜11のいずれか1項記載のワクチン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−526921(P2008−526921A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−550784(P2007−550784)
【出願日】平成18年1月9日(2006.1.9)
【国際出願番号】PCT/EP2006/050098
【国際公開番号】WO2006/074986
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(504225895)ベーリンガー インゲルハイム フェトメディカ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (34)
【Fターム(参考)】