説明

改変トランスフェリン−抗体の融合タンパク質

増大した血清半減期または血清安定性を有する、トランスフェリンおよび治療タンパク質または治療ペプチド(好ましくは抗体可変領域)の改変された融合タンパク質が開示されている。好ましい融合タンパク質には、トランスフェリン成分が、全くグリコシル化されないかグリコシル化が低下している、鉄に対して全く結合しないか結合が低下している、トランスフェリン受容体に対して全く結合しないか結合が低下している、の少なくともいずれかであるように改変された融合タンパク質が含まれる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの抗体可変領域に融合されたトランスフェリン(Tf)タンパク質を含む融合タンパク質であって、上記Tfタンパク質が野生型Tfタンパク質に対して低下したグリコシル化を示す融合タンパク質。
【請求項2】
抗体可変領域が、V領域、V領域またはCDR領域を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
少なくとも2つの抗体可変領域を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
領域およびV領域、V領域およびV領域、またはV領域およびV領域を少なくとも含む、請求項3に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
少なくとも2つの異なる抗体可変領域を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
異なる抗体可変領域が異なる抗原と特異的に結合する、請求項5に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
抗体可変領域が接近して存在するように操作されている、請求項3に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
抗体可変領域が、2つの隣接するTfループの中に挿入される、請求項7に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
1つの抗体可変領域がTfのC末端に融合され、1つの抗体可変領域が隣接するTfループの中に挿入される、請求項8に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
1つの抗体可変領域がTfのN末端に融合され、1つの抗体可変領域が隣接するTfループの中に挿入される、請求項8に記載の融合タンパク質。
【請求項11】
TfのC末端プロリン残基が欠失されるか、別のアミノ酸で置換される、請求項9に記載の融合タンパク質。
【請求項12】
TfのC末端システインループが欠失される、請求項9に記載の融合タンパク質。
【請求項13】
抗体可変領域がTfのN末端およびC末端に融合される、請求項8に記載の融合タンパク質。
【請求項14】
抗体可変領域が少なくとも1つのCDRペプチドを含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項15】
CDRペプチドが抗原と特異的に結合する、請求項14に記載の融合タンパク質。
【請求項16】
CDRペプチドが抗体に由来する、請求項14に記載の融合タンパク質。
【請求項17】
CDRペプチドがペプチドライブラリーに由来する、請求項14に記載の融合タンパク質。
【請求項18】
抗体可変領域が腫瘍壊死因子α(TNFα)に特異的に結合する、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項19】
CDRがTNFに特異的に結合する、請求項14に記載の融合タンパク質。
【請求項20】
少なくとも1つの抗体可変領域が、抗体のV領域またはV領域のアミノ末端ドメインを含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項21】
アミノ末端ドメインが少なくとも1つのCDRを含む、請求項20に記載の融合タンパク質。
【請求項22】
アミノ末端ドメインが3つのCDRを含む、請求項21に記載の融合タンパク質。
【請求項23】
抗体可変領域がTfのC末端に融合される、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項24】
抗体可変領域がTfのN末端に融合される、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項25】
抗体可変領域がTfの少なくとも1つのループの中に挿入される、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項26】
Tfタンパク質がトランスフェリン受容体(TfR)に対する低下した親和性を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項27】
Tfタンパク質がラクトトランスフェリン(ラクトフェリン)である、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項28】
Tfタンパク質がTfRと結合しない、請求項26に記載の融合タンパク質。
【請求項29】
Tfタンパク質が鉄イオンに対する低下した親和性を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項30】
Tfタンパク質が鉄イオンと結合しない、請求項29に記載の融合タンパク質。
【請求項31】
Tfタンパク質がグリコシル化を妨げる変異を少なくとも1つ含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項32】
Tfタンパク質がラクトトランスフェリン(ラクトフェリン)である、請求項31に記載の融合タンパク質。
【請求項33】
グリコシル化を阻害する化合物の存在下で発現させられる、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項34】
Tfタンパク質が、Tfタンパク質のNドメインの一部、架橋ペプチド、およびTfタンパク質のCドメインの一部を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項35】
架橋ペプチドにより抗体可変領域がTfに連結される、請求項34に記載の融合タンパク質。
【請求項36】
抗体可変領域がTfタンパク質のNドメインとCドメインとの間に挿入される、請求項34に記載の融合タンパク質。
【請求項37】
Tfタンパク質が、Tfヒンジ領域において、少なくとも1つのアミノ酸の置換、欠失または付加を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項38】
ヒンジ領域が、配列番号3の残基94付近〜残基96付近、配列番号3の残基245付近〜残基247付近、配列番号3の残基316付近〜残基318付近、配列番号3の残基425付近〜残基427付近、配列番号3の残基581付近〜残基582付近、および配列番号3の残基652付近〜残基658付近からなる群から選択される、請求項37に記載の融合タンパク質。
【請求項39】
Tfタンパク質が、Asp63、Gly65、Tyr95、Tyr188、Lys206、His207、His249、Asp392、Tyr426、Tyr514、Tyr517、His585、Thr120、Arg124、Ala126、Gly127、Thr452、Arg456、Ala458およびGly459からなる群から選択される配列番号3内の位置において、少なくとも1つのアミノ酸の置換、欠失または付加を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項40】
抗体可変領域によりTfの少なくとも1つのループが置換される、請求項25に記載の融合タンパク質。
【請求項41】
グリコシル化部位がアミノ酸N413およびアミノ酸N611に対応するアミノ酸残基からなる群から選択される、請求項31に記載の融合タンパク質。
【請求項42】
Tfが、Asp63、Gly65、Tyr95、Tyr188、Lys206、His207、His249、Asp392、Tyr426、Tyr514、Tyr517、His585、Thr120、Arg124、Ala126、Gly127、Thr452、Arg456、Ala458およびGly459からなる群から選択される配列番号3のアミノ酸に対応するアミノ酸残基において、少なくとも1つのアミノ酸の置換、欠失または付加を含む、請求項26または28に記載の融合タンパク質。
【請求項43】
少なくとも1つの抗体可変領域に融合された、トランスフェリン受容体(TfR)に対する低下した親和性を示すトランスフェリン(Tf)タンパク質を含む融合タンパク質。
【請求項44】
少なくとも2つの抗体可変領域を含む、請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項45】
領域およびV領域、V領域およびV領域、またはV領域およびV領域を少なくとも含む、請求項44に記載の融合タンパク質。
【請求項46】
少なくとも2つの異なる抗体可変領域を含む、請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項47】
異なる抗体可変領域が異なる抗原と特異的に結合する、請求項46に記載の融合タンパク質。
【請求項48】
抗体可変領域が接近して存在するように操作される、請求項44に記載の融合タンパク質。
【請求項49】
抗体可変領域が2つの隣接するTfループの中に挿入される、請求項48に記載の融合タンパク質。
【請求項50】
1つの抗体可変領域がTfのC末端に融合され、1つの抗体可変領域が隣接するTfループの中に挿入される、請求項49に記載の融合タンパク質。
【請求項51】
1つの抗体可変領域がTfのN末端に融合され、1つの抗体可変領域が隣接するTfループの中に挿入される、請求項49に記載の融合タンパク質。
【請求項52】
TfのC末端プロリン残基が欠失される、請求項50に記載の融合タンパク質。
【請求項53】
TfのC末端システインループが欠失される、請求項50に記載の融合タンパク質。
【請求項54】
抗体可変領域がTfのN末端およびC末端に融合される、請求項49に記載の融合タンパク質。
【請求項55】
抗体可変領域が少なくとも1つのCDRペプチドを含む、請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項56】
CDRペプチドが抗原と特異的に結合する、請求項55に記載の融合タンパク質。
【請求項57】
CDRペプチドが抗体に由来する、請求項55に記載の融合タンパク質。
【請求項58】
CDRペプチドがペプチドライブラリーに由来する、請求項55に記載の融合タンパク質。
【請求項59】
抗体可変領域が腫瘍壊死因子(TNF)に特異的に結合する、請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項60】
CDRがTNFαに特異的に結合する、請求項55に記載の融合タンパク質。
【請求項61】
抗体可変領域が抗体のV領域またはV領域のアミノ末端ドメインを含む、請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項62】
アミノ末端ドメインが少なくとも1つのCDRを含む、請求項61に記載の融合タンパク質。
【請求項63】
アミノ末端ドメインが3つのCDRを含む、請求項62に記載の融合タンパク質。
【請求項64】
抗体可変領域の血清半減期が非融合状態の抗体可変領域の血清半減期よりも増大している、請求項1または43に記載の融合タンパク質。
【請求項65】
治療タンパク質または治療ペプチドがTfのC末端に融合される、請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項66】
治療タンパク質または治療ペプチドがTfのN末端に融合される、請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項67】
治療タンパク質または治療ペプチドがTfの少なくとも1つのループの中に挿入される、請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項68】
Tfタンパク質がTfRと結合しない、請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項69】
Tfタンパク質が鉄に対する低下した親和性を有する、請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項70】
Tfタンパク質が鉄と結合しない、請求項69に記載の融合タンパク質。
【請求項71】
Tfタンパク質が、低下したグリコシル化を示すか、またはグリコシル化を示さない、請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項72】
グリコシル化を妨げる変異を少なくとも1つ含む、請求項71に記載の融合タンパク質。
【請求項73】
Tfタンパク質が、Tfタンパク質のNドメインの一部、架橋ペプチド、およびTfタンパク質のCドメインの一部を含む、請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項74】
架橋ペプチドにより治療タンパク質または治療ペプチドがTfに連結される、請求項73に記載の融合タンパク質。
【請求項75】
治療タンパク質、治療ペプチドまたは治療ポリペプチドが、Tfタンパク質のNドメインとCドメインとの間に挿入される、請求項73に記載の融合タンパク質。
【請求項76】
Tfタンパク質が、Tfヒンジ領域において、少なくとも1つのアミノ酸の置換、欠失または付加を有する、請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項77】
ヒンジ領域が、残基94付近〜残基96付近、残基245付近〜残基247付近、残基316付近〜残基318付近、残基425付近〜残基427付近、残基581付近〜残基582付近、および残基652付近〜残基658付近からなる群から選択される、請求項76に記載の融合タンパク質。
【請求項78】
Tfタンパク質が、Asp63、Gly65、Tyr95、Tyr188、Lys206、His207、His249、Asp392、Tyr426、Tyr514、Tyr517、His585、Thr120、Arg124、Ala126、Gly127、Thr452、Arg456、Ala458およびGly459からなる群から選択される位置において、少なくとも1つのアミノ酸の置換、欠失または付加を有する、請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項79】
治療タンパク質または治療ペプチドにより少なくとも1つのループが置換される、請求項67に記載の融合タンパク質。
【請求項80】
グリコシル化部位が、アミノ酸N413およびアミノ酸N611に対応するアミノ酸残基からなる群から選択される、請求項71に記載の融合タンパク質。
【請求項81】
請求項1または43のいずれかに記載される融合タンパク質をコードする核酸分子。
【請求項82】
請求項81に記載される核酸分子を含むベクター。
【請求項83】
請求項82に記載されるベクターを含む宿主細胞。
【請求項84】
請求項81に記載される核酸分子を含む宿主細胞。
【請求項85】
コードされた融合タンパク質を発現させる条件のもとで請求項83に記載の宿主を培養することを含む、Tf融合タンパク質を発現させる方法。
【請求項86】
コードされた融合タンパク質を発現させる条件のもとで請求項84に記載の宿主を培養することを含む、Tf融合タンパク質を発現させる方法。
【請求項87】
原核生物または真核生物である、請求項83に記載の宿主細胞。
【請求項88】
原核生物または真核生物である、請求項84に記載の宿主細胞。
【請求項89】
酵母細胞である、請求項87に記載の宿主細胞。
【請求項90】
酵母細胞である、請求項88に記載の宿主細胞。
【請求項91】
請求項81に記載される核酸分子を含む遺伝子組換え動物。
【請求項92】
請求項91に記載される遺伝子組換え動物から融合タンパク質を単離することを含むTf融合タンパク質の製造方法。
【請求項93】
Tf融合タンパク質がラクトフェリンを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
融合タンパク質が遺伝子組換え動物から得られる生物学的液体から単離される、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
液体が血清または乳汁である、請求項93に記載の方法。
【請求項96】
請求項1または請求項43に記載される融合タンパク質を投与するステップを含む、患者の疾患または疾患症状を治療する方法。
【請求項97】
Tfタンパク質がタンパク質のそれぞれの端部にN末端ドメインを有する、請求項1または請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項98】
抗体可変領域がTfタンパク質のそれぞれのN末端ドメインに融合される、請求項97に記載の融合タンパク質。
【請求項99】
抗体可変領域が毒素と特異的に結合する、請求項1または請求項43に記載の融合タンパク質。
【請求項100】
抗体可変領域がTNFに結合する、請求項96に記載の方法。
【請求項101】
疾患が、敗血症ショック;エンドトキシンショック;細菌感染、ウイルス感染、寄生虫感染、新生物疾患に関連する悪液質症候群;自己免疫疾患、炎症性疾患、関節炎、および移植片拒絶の予防のための治療に関連した有害作用からなる群から選択される、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
Tfタンパク質がNドメインを1つだけ含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項103】
Tfにおけるシステインが1つ以上置換されている、請求項9に記載の融合タンパク質。
【請求項104】
1つ以上のシステインがセリンで置換される、請求項103に記載の融合タンパク質。
【請求項105】
前記化合物がツニカマイシンである、請求項33に記載の融合タンパク質。
【請求項106】
炭水化物の一部またはすべてを脱グリコシル化するために酵素で処理されている、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項107】
抗体可変領域により、Tfループの一部およびそのTfループに隣接する一部が置換される、請求項25に記載の融合タンパク質。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−506053(P2006−506053A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−531506(P2004−531506)
【出願日】平成15年8月28日(2003.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2003/026744
【国際公開番号】WO2004/020404
【国際公開日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願人】(504062430)バイオレクシス ファーマシューティカル コーポレイション (4)
【Fターム(参考)】