説明

改変可能な織物構造を組み込んだ衣料製品

【課題】物理的刺激により変化する少なくとも1つの性質を有する織物を含む衣料製品を開示する。
【解決手段】この織物は、物理的刺激にさらされたときに寸法変化を示す、一つ以上の糸から形成された改変可能な構造を持つ。この糸は物理的刺激にさらされていないときの第一の寸法セットを有するとともに、物理的刺激にさらされたときの第二の寸法セットを有する。この織物の構造は、物理的刺激に織物をさらすことにより、糸が第一の寸法セットから第二の寸法セットに変化して、織物の性質を変えるように改変される。補強構造、切開部、部分的切開部、およびコーティングもまた織物構造の改善に利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣料品に関する。より詳細には、本発明は織物の性質を変えるために、変化する構造がある、または温度変化もしくは水の存在のような物理的刺激により改変される構造がある織物を組み込んだ衣料製品に関する。本発明は、例えば競技活動中の着用を意図した衣料製品に向けた用途がある。
【背景技術】
【0002】
この非仮米国特許出願は、米国特許出願第10/805,681号に基づく優先権を主張する、その一部継続出願である。その先行米国特許出願は2004年3月19日に米国特許商標庁に出願され、「改変可能な織物構造を組み込んだ衣料製品」という名称であり、引用により完全に本願に組み込まれる。
競技活動中の着用のために設計した衣料製品は、一般的に個人(着用者)の快適性や機能改善の特性を示す。例えば、衣料品は比較的ぴったりした装着感を提供する弾性織物を組み込み、それにより風の抵抗を最小にするロー・プロファイル(縮小輪郭)を着用者に付与することが可能である。また、衣料品は皮膚の近くに溜まる汗の量を減らすために、着用者から湿気を逃がす織物で作ることができる。さらに、衣料品は特定の環境所条件のために特別に選定された材料を組み込むことができる。衣料製品の様々なタイプの例として、シャツ、被り物、コート、ジャケット、ズボン、下着、手袋、靴下、および履物が挙げられる。
【0003】
衣料品に組み込まれる織物の特性は、通例、その衣料品の使用が意図されている特定の活動に基づいて選択される。例えば、風の抵抗を最小にする織物はスピードを主要関心事とする活動に適しているであろう。同様に、皮膚の近くに溜まる汗の量を減らす織物は、比較的高度な運動を一般的に伴う競技活動に最も適切であろう。したがって、織物は特定の競技活動に従事している着用者の機能や快適性を高めるために選択される。
【0004】
織物は、ファイバー(繊維)、フィラメント、または糸から製造されるあらゆる物として定義され、柔軟性、目の細かさ、および厚さに対する長さの比が高いという特徴がある。織物は通例、2つの区分(種類)に分類される。第一の区分として、ファイバーまたはフィラメントのウェブ(網)から結合、融解、絡め合いにより直接的に製造されて不織布およびフェルトを形成する織物が挙げられる。第二の区分として、糸の機械的操作で形成され、それにより織られた織物(ファブリック)を製造する織物が挙げられる。
【0005】
糸は第二区分の織物を形成するために利用される原材料であり、少なくとも1本のフィラメントまたは複数のファイバーから形成され、十分な長さおよび比較的小さい断面積を持つ集合体として定義される。ファイバーは長さが比較的短く、織物に使用するための適度な長さの糸を生産するため、紡糸または撚糸の工程を必要とする。ファイバーの一般的な例は木綿およびウールである。しかし、フィラメントの長さは無限で、織物に使用するのに適した糸を生産するためにその他のフィラメントと単に組み合わせることができる。最新のフィラメントとして、主要な天然存在の絹を例外として、レイヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリルなど複数の合成材料が挙げられる。糸は単一フィラメントまたは複数の個々のフィラメントを一まとめにしたもので形成することができる。また、糸は、別々の材料で作った別個のフィラメントを含むことができ、または各々2種以上の別個の材料から作った複数のフィラメントを含むこともできる。この構成はファイバーから形成された糸にも当てはまる。したがって、通例糸には上記の定義に従う多様な構成がある。
【0006】
糸を機械的操作で織物にする様々な技術として、織り合わせ、絡み合わせ、撚り合わせ、編み合わせ(インタールーピング)が挙げられる。織り合わせは、互いに実質的に直角に交わり織り合わさる2本の糸の交差である。織り合わせに使われる糸を通常縦糸および横糸と呼ぶ。絡み合わせおよび撚り合わせには、糸が互いに絡み合って織物を形成する編組および結び合わせ(ノッティング)のような方法が包含される。インタールーピングは複数の絡み合ったループの列の形成を伴い、ニッティング(編み)は最も一般的なインタールーピングの方法である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は物理的刺激にさらされたときに変化する性質を少なくとも一つ持った織物(布地、テキスタイル)からなる衣料製品に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
その織物は、物理的刺激にさらされたときに寸法変化を示す糸で作った改変構造を持つ。その糸は物理的刺激にさらされていないとき、第一の寸法セットを有し、その糸が物理的刺激にさらされたとき、第二の寸法セットを有する。織物の構造は、糸が第一の寸法セットから第二の寸法セットに変形し織物の性質を変えるような、物理的刺激にさらされることにより改変される。その糸は水にさらされたときに寸法変化を示す材料から形成されることができる。したがって、物理的刺激は水であってもよい。いくつかの実施形態において、物理的刺激は、例えば、織物の温度変化、光、または移動している空気であってもよい。
【0009】
織物は、糸が織物中の開口部(目開き)を区画する、織り合わせ方法により形成されてもよい。開口部は、糸が物理的刺激にさらされていないときに第一面積を示し、糸が物理的刺激にさらされたときに第二面積を示す。開口部の面積は、例えば織物の通過性を決定する。したがって、第一面積が第二面積よりも大きいと、織物の通過性は物理的刺激にさらされることで減少する。さらには、第一面積が第二面積よりも小さいと、織物の通過性は物理的刺激にさらされることで増加する。いくつかの実施形態において、糸は物理的刺激にさらされることで通過性が増加する波形状を示すことができる。
【0010】
織物の実質的部分は糸から構成されていてもよい。あるいは、糸の第一部分は物理的刺激にさらされることで寸法変化をしてもよく、糸の第二の部分が物理的刺激にさらされたとき寸法が一定したままであってもよい。
織物は、同様にインターループを形成できる。いくつかの実施形態において、糸は織物の開口部を区画する。開口部は、糸が物理的刺激にさらされていないときに第一面積を示し、糸が物理的刺激にさらされたときに第二面積を示し、それにより織物の通過性に影響を与えることができる。その他の実施形態では、織物の構造は物理的刺激にさらされていないときに第一の肌理を示し、物理的刺激にさらされたときに第二の肌理を示すことができる。第一の肌理は、例えば第二の肌理よりも滑らかであり、第二の肌理は織物の表面から外側に延びる複数の節点を含んでいてもよい。
【0011】
本発明により形成される織物では、織物の性質を変更するために物理的刺激により改変される構造を示す。これらの、またはその他の織物構造は、例えば耐伸縮性を付与するため織物構造に対して材料を接合すること、織物構造に切開部または部分切開部を形成すること、または物理的刺激の影響を阻止するためコーティングを塗布すること、によって変更できる。
【0012】
本発明を特徴付ける利点および新規な特徴は、添付の特許請求の範囲の中で特に示される。しかし、利点および新規な特徴をよく理解するために、様々な実施形態および発明に関連する概念を記述し例示する記載および添付図面を参照する。
添付図面を関連付けて読むと、前記の発明が解決しようとする課題、および課題を解決するための手段、ならびに下記の発明を実施するための最良の形態が良好に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下の資料は、織物および織物を組み込んだ衣料品の性質を変えるために、物理的刺激によって構造が改変する様々な織物を開示する。複数の例示的な織物構造の議論に続いて、織物の全体的性質を高めたり、または変化させたりするために、これらのまたはその他の織物構造が変更される様々な態様が議論される。
I.織物構造例
衣料製品10が、通例の半袖シャツの一般的構成を持っているとして図1に示されている。しかし、当業者は、以下の資料に開示した様々な織物は、例えば長袖シャツ、被り物、コート、ジャケット、ズボン、下着、手袋、靴下、および履物を含む様々な形状を示す衣料製品に組み込むことができることを認識するであろう。したがって、衣料品10に関する以下の議論および添付の図面に開示する様々な概念は、色々な衣料構成に関して利用することができる。
【0014】
衣料品10の主要な要素として、胴部分11と、2つの腕部分12aおよび12bとがある。胴部分11は着用者の胴に対応し、したがって着用したときに胴を覆う。同様に、腕部12aおよび12bは着用者の右腕および左腕に対応し、着用したときに腕を覆う。衣料品10は、したがって、通例の長袖シャツの一般的構造を示す。しかし、通例の長袖シャツの構造と対照的に、衣料品10は物理的刺激により改変され、それにより織物の性質が変化する構造の織物で、少なくとも部分的に形成されている。例えば、織物の通過性または肌理は、水、温度の上昇、または移動している空気(すなわち、風)にさらされることにより変化する。したがって、織物構造を、衣料品10に異なった性質を与えるために改変できる。以下に、織物または衣料品10の性質を変えるために、物理的刺激により改変される構造を持つ様々な織物を開示する。
第一織物構造
衣料品10に適した織物20の部分を図2および3に示す。織物20は複数の横糸21および複数の縦糸22を含む、織り合わせ材料の構造を持つ。したがって、織物20は、糸21と糸22とが互いに実質的に直角に交差し織り合わされることを含む、織り合わせ工程を経て、糸22および22の機械的操作によって形成されてもよい。糸21と糸22とを互いに実質的に直角に交差し織り合わせる工程により、様々な糸21と糸22との間にある多数の分離した開口部が形成される。
【0015】
糸21および22は特定の物理的刺激にさらされることで寸法変化を受ける1本以上のフィラメントまたはファイバーで形成されている。言い換えれば、糸21および22の寸法(すなわち、例えば長さおよび厚さ)は、織物20が物理的刺激の存在下にある場合に変化する。糸21および22の寸法変化は織物20の構造に影響を及ぼす。より詳細には、糸21および22の寸法変化により織物20の構造が改変され、それにより織物20の性質が変化する。したがって、織物20を物理的刺激にさらすことは、織物20の性質を変える効果があり、それにより衣料品10の性質が変化する。
【0016】
ここで、織物20の性質に影響を及ぼす物理的刺激に織物20をさらす方法について論じる。図2を参照して、織物20は、その中の糸21および22が物理的刺激を受けていない未暴露状態で描かれている。しかし図3を参照して、織物20は糸21および22が物理的刺激を受けた暴露状態で描かれている。未暴露状態では、糸21および22は比較的小さい太さの寸法を示し、それにより、各々の開口部23の面積は比較的大きい。しかし、暴露状態では糸21および22は、より大きな太さを示し、それにより各々の開口部23の面積は減少する。すなわち、糸21および22を物理的刺激にさらすと、糸21および22の太さが増加し、それにより各々の開口部23の面積が減少し、織物の構造20を変える。
【0017】
織物20の構造における改変(すなわち、各々の開口部23の面積を減少させること)により、織物20の性質が変わる。未暴露状態において、各々の開口部23は比較的大きい。しかし、暴露状態では各々の開口部23の面積は減じられ、それにより、例えば水、光、および移動している空気に対する織物20の全体的通過性が減少する。すなわち、暴露状態での各々の開口部20の小さい面積により、水、光、および移動している空気が通過できること、または織物20を通って広がることに対する容易度が減少する。したがって、織物20を物理的刺激にさらすと、織物20の通過性が変化し、それにより衣料品10の通過性が変化する。
【0018】
例えば、水(液状またはガス状のどちらかで)の存在、温度の増加、または移動している空気を含む様々な物理的刺激により糸21および22の寸法変化が引き起こされてもよい。水に関しては、多くの材料が水を吸収し膨潤(膨張)するか、または寸法変化する傾向を示す。寸法変化は、水に対する浸漬または接触により比較的急速に発生する。加えて、寸法変化は、例えば75%より高い相対湿度の空気に長期間さらされることで、比較的ゆっくりと発生することもある。織物20、および特に糸21および22は、水のような物理的刺激の存在下で寸法変化の傾向を示す、1つ以上のこれらの材料で形成することができる。さらに、糸21および22は温度上昇または移動している空気により寸法変化する材料で形成することができる。
【0019】
上で論じたように、糸21および22は水の存在下で寸法変化する様々な材料で形成することができる。例えば、糸21および22中のフィラメントまたはファイバーの少なくとも一部を、例えば日本の帝人ファイバー株式会社で製造されている種々の吸湿性ポリエステル材料の様な、吸湿性ポリエステルで形成できる。いくつかの実施形態において、糸21および22は、75デニール、72フィラメント半暗色織り加工のポリエステル糸が使用可能であり、そして糸21および22のファイバーまたはフィラメント含有物に対する適切な配合には(i)70%が一般的非吸湿性ポリエステルで、30%が吸湿性ポリエステル、(ii)76%が一般的非吸湿性ポリエステルで、24%が吸湿性ポリエステル、(iii)80%が一般的非吸湿性ポリエステルで、20%が吸湿性ポリエステル、または(iv)84%が同様に一般的非吸湿性のカチオン可染性ポリエステルで、16%が吸湿性ポリエステル、が挙げられる。したがって、吸湿性ポリエステルで形成されるフィラメントまたはファイバーの割合は本発明の範囲内でかなり変更可能であり、いくつかの実施形態においては、その割合は5%から100%におよぶこともある。前記例の各々において、非吸湿性または寸法安定性のポリエステルファイバーまたはフィラメントは吸湿性のファイバーまたはフィラメントと組み合わされている。同様に、例えばレイヨン、ナイロンおよびポリアクリルのような、その他の非吸湿性のポリマーファイバーまたはフィラメントが利用できる。加えて、絹、木綿、またはウールが、糸21および22において利用できる。したがって、広範囲の材料が様々な糸21および22に適している。
【0020】
衣料製品10中に組み込まれた場合、織物20は特定の環境条件から着用者を保護するか、または隔離するために利用できる。前述のように、糸21および22において寸法変化を引き起こす1つの物理的刺激は、例えば雨のような、水である。雨または水のその他の発生源(すなわち、物理的刺激)が存在しない場合、織物20は未暴露状態にあり、衣料品10に空気が自由に出入りすることを許容する比較的高い通過性(通気度)を示し、これにより着用者を冷却する。かなりの量の水が衣料品10に接触し、それにより、織物20を暴露状態に置いた場合、織物20は織物20を通過する水の移動を抑制する比較的低い通過性を示す。より詳細には、衣料品10と接触する雨という形態の水により開口部23の面積が減少し、衣料品10に入る水の量が制限される。糸21および22が、熱の存在下で寸法変化する材料で形成される場合、日光、またはその他の熱源により開口部23の面積が減少し、衣料品10に入る日射量が制限される。風という形態の移動している空気により開口部23の面積が減少し、衣料品10を通過する空気の量が制限されてもよい。したがって、織物20を1つ以上の物理的刺激の存在下で寸法変化する糸21および22で形成することが、例えば雨、日光、または風のような特定の環境条件から着用者を効果的に隔離するために利用できる。
【0021】
前記の議論に基づいて、織物20は物理的刺激の存在下で寸法変化する様々な糸21および22で形成できる。糸21および22の寸法変化により、織物20の構造が改変され、それにより、織物20の性質の変化が引き起こされる。衣料品10の中に組み込まれた場合、物理的刺激にさらされたときの織物20の性質の変化は、例えば雨、日光または風のような特定の環境条件から着用者を隔離するために利用できる。したがって、織物20は、衣料品10を着用する着用者の快適性を高めるために、変化する環境条件に効果的に適応する。
第二織物構造
織物20に関して、糸21および22は、物理的刺激の存在下で寸法変化する材料で、少なくとも部分的に形成される。しかし、いくつかの実施形態において、物理的刺激の存在下でかなりの程度まで寸法変化しない材料で、様々な糸をそっくり形成してもよい。すなわち、衣料品10の織物を形成するいくつかの糸は、物理的刺激に大きく影響されない、寸法安定性を有する糸で形成されていてもよい。
【0022】
様々な開口部を規定する、複数の横糸31a、複数のその他の横糸31b、複数の縦糸32a、および複数のその他の縦糸32bを含む織物30が、図4および図5に描かれている。糸31aおよび32aは物理的刺激の存在下で寸法変化する材料で形成されているが、糸31bおよび32bは物理的刺激により大きく影響されない、寸法安定性を有する糸で形成されている。
【0023】
ここで、織物30の性質に影響を及ぼす物理的刺激に織物30をさらす方法を論じる。図4を参照して、織物30は未暴露状態で描かれ、その中の糸31a、31b、32aおよび32bは物理的刺激を受けない。しかし、図5を参照して、織物30は暴露状態で描かれ、その中の糸31a、31b、32aおよび32bは物理的刺激にさらされる。未暴露状態では、各々の糸31a、31b、32aおよび32bは、比較的限定された太さの寸法を示し、各々の開口部33の面積は比較的大きい。しかし、暴露状態では、糸31aおよび32aはより大きな太さを示し、それにより各々の開口部33の面積が減少する。すなわち、糸31aおよび32aを物理的刺激にさらすと、糸31aおよび32aの太さが増加し、各々の開口部33の面積が減少しそして織物30の構造が改変される。前述のように、糸31bおよび32bは物理的刺激により大きく影響されない、寸法安定性を有する糸で形成される。したがって、31bおよび32bは物理的刺激にさらされた場合、寸法変化が無い。
【0024】
織物30の構造における改変(すなわち、開口部33の面積減少)により織物30の性質が変化する。未暴露状態で、各々の開口部33は比較的大きい。しかし、暴露状態では、各々の開口部33の面積は減少し、それにより例えば、水、光、および移動している空気に対する織物30の全体的通過性が減少される。すなわち、暴露状態における各々の開口部33のより小さい面積により、水、光、および移動している空気が織物30を通過することの容易性が減少される。したがって、織物30を物理的刺激にさらすことは、織物30の通過性を変化させる。織物30で衣料品10中の織物20を置き換えることができる場合、織物30を物理的刺激にさらすことが衣料品10の通過性を効果的に変えるために利用できる。
【0025】
物理的刺激により大きく影響されない、寸法安定性を有する糸で糸31bおよび32bを形成することの利点は、織物30の寸法安定性に関係する。糸31bおよび32bにより、物理的刺激にさらした場合に寸法を大きく変えない織物30においてウェブが形成されている。糸31aおよび32aは寸法変化するが、一方、糸31bおよび32bは寸法が安定したままである(すなわち、元の寸法のままである)。したがって、糸31bおよび32bは、糸31aおよび32aの寸法変化にも拘らず、織物30の形状および寸法がそのままに保持されることを確実にするために利用できる。
第三織物構造
衣料品10の少なくとも一部を形成する織物に対して別の可能な構成が、図6および図7に開示されており、その中では複数の横糸41および複数の縦糸42により開口部43が区画されている。横糸41が物理的刺激の存在下で寸法変化する材料で形成され、一方縦糸42は物理的刺激により大きく影響されない寸法安定性を有する糸で形成されている。したがって、横糸は物理的刺激に対してさらされた場合、実質的に寸法は変化しない。
【0026】
織物40を物理的刺激にさらすと、それにより織物40の性質が影響を受ける。図6を参照して、織物40が未暴露状態で描かれ、糸41および42は物理的刺激にさらされていない。しかし、図7を参照して、織物40が暴露状態で描かれ、糸41および42は物理的刺激にさらされている。織物20および30のように、糸41および42を物理的刺激にさらすことにより、糸41の太さが増加し、それにより各々の開口部43の面積が減少し、織物40の構造が改変される。織物40の構造における改変(すなわち、開口部43の面積の減少)は、織物40の性質を変える。未暴露状態では、各々の開口部33は比較的大きい。しかし、暴露状態では、各々の開口部33の面積は減少し、それにより、織物30の例えば水、光、および移動している空気に対する全体的通過性が減少する。衣料品10において、織物20が織物40で置き換えられると、衣料品10の通過性に関する性質を効果的に変えるために、織物40を物理的刺激にさらすことが利用できる。織物30と同様に、物理的刺激によって大きく影響されない寸法安定性を有する糸で縦糸42を形成することにより、横糸41の寸法変化にも拘わらず、織物40の形状および寸法をそのまま確実に保持する。
第四織物構造
織物20、30、および40の構成は、着用者を特定の環境条件から保護するか、または隔離するために利用できる。前述のように、様々な糸の寸法変化により、糸間の開口部の面積減少が引き起こされる。面積の減少により織物20、30、および40の通過性が減少し、それにより衣料品10に侵入する雨、日光、または風の量がより少なくなる。しかし、場合によっては、衣料品10を形成する織物の通過性の増加が望ましいであろう。例えば、通過性を増加することは、衣料品10を形成する織物を通過して流れる空気を増加させるために利用でき、それにより着用者からの汗の蒸散が増加する。
【0027】
図8および図9に、複数の横糸51、複数の縦糸52a、および複数の縦糸52bを含む、織り合わせ材料の構造を有する織物50が描かれている。したがって、織物50は、織り合わせ工程により糸51、52a、および52bを機械的に操作することで形成することができ、それは横糸51を糸52aおよび52bと実質的に直角に交差させ織り合わせることを含む。横糸51を糸52aおよび52bと実質的に直角に交差させ織り合わせる処理により、多数の分離した開口部53が形成される。
【0028】
糸52aは物理的刺激の存在下で寸法変化する材料で形成されているが、一方、糸51、および52bは物理的刺激に大きく影響されない寸法安定性を有する糸で形成されている。加えて、縦糸52aは波または起伏の形状を示し、一方、糸51および52bは比較的直線形である。
ここで、織物50の性質に影響する物理的刺激に対して織物50をさらす方法を論じる。図8を参照して、織物50が未暴露状態で描かれ、糸51、52aおよび52bは物理的刺激にさらされていない。しかし、図9を参照すると、織物50が暴露状態で描かれ、糸51、52aおよび52bは物理的刺激にさらされている。未暴露状態では、糸51,52aおよび52bは比較的太さが小さく、各々の開口部53の面積は、比較的小さい。しかし、暴露状態では、縦糸52aはより大きな太さおよびより大きな波打ち度合いを示し、それは各々の開口部53の面積を増加させる。すなわち、糸51、52aおよび52bを物理的刺激にさらすと、太さおよび波打ち度合いが増加し、それにより各々の開口部53の面積が増大し、織物50の構造を改変させる。
【0029】
織物50の構造における改変(すなわち、開口部53の面積増加)により、織物50の性質が変化する。未暴露状態では、各々の開口部53は比較的小さい。しかし、暴露状態では、各々の開口部53の面積が増加し、それにより例えば織物50の水、光、および移動している空気に対する全体的通過性が増加する。したがって、織物50を物理的刺激にさらすことは、織物50の通過性を増加し、それにより衣料品10の通過性が増加する。
【0030】
織物50は、衣料製品10に組み込まれると、例えば着用者の冷却および着用者からの汗の除去のために利用できる。したがって、前記の議論に基づいて、織物50は、物理的刺激の存在下で寸法変化しおよび波打ち度合いが変化する様々な縦糸で形成できる。縦糸52aの寸法変化により織物50の構造が改変され、それにより織物50の性質変化が引き起こされる。衣料品10に組み込まれると、物理的刺激にさらされたときの織物50の性質変化は、着用者の冷却および着用者からの汗の除去のために利用できる。したがって、織物50は、衣料品10を着用している着用者の快適性を増すために、着用者の発汗レベルの変化に効果的に適応する。
第五織物構造
織物20、30、40、および50の各々は、織り合わせ工程によって形成され、それは横糸および縦糸を互いに実質的に直角に交差させ織り合わせることを伴う。例えば、着用者の快適性を高めるため、着用者の発汗レベルの変化に適応する織物は、同様に糸を機械的に操作するその他の方法によって形成されてもよい。図10および図11を参照すると、インターループ工程によって形成される織物60が開示されている。インターループには、最も一般的なインターループ法であるニッティング(編み)があり、複数のかみ合ったループの縦列形成が含まれる。織物60には、糸61で作った、複数のコース(すなわち、ニッティングサイクル中、隣接する針で作られた針ループの横列)および複数のウェール(すなわち、連続したニッティングサイクルの際に、一般的に同じ針で編み目が作られた針ループをかみ合わせた縦列)が含まれる。
【0031】
糸61は、物理的刺激の存在下で寸法変化する材料で形成されている。より詳細には、糸61の寸法(すなわち、例えば長さおよび太さ)が物理的刺激の存在下で増加できる。物理的刺激にさらされると、糸61には長さと太さの両方で寸法変化がある。太さの増加は、各々の開口部62の面積を減少するように見えるけれども、付随する長さの増加により、より大きな度合いで糸61の様々な部分が分離され、実際に各々の開口部63の面積が増加する。すなわち、長さの増加は、開口部63の面積に対して太さの増加よりもより大きな効果をもたらし、それにより各々の開口部63の全体的面積が増加する。したがって、物理的刺激にさらされると、織物60の通過性は増加する。
【0032】
ここで、織物60の性質に影響がある物理的刺激に織物60をさらす方法を、より詳細に論じる。図10を参照して、未暴露状態にある織物60が描かれ、糸61は物理的刺激にさらされていない。しかし、図11を参照すると、織物60は暴露状態にあり、糸61は物理的刺激にさらされている。未暴露状態では、各々の開口部63の面積は比較的小さい。しかし、暴露状態では、糸61は太さを増し、長くなる。前述のように、各々の開口部63の全体的面積を増加するために、長さの増加が太さの増加を左右する。すなわち、糸60を物理的刺激にさらすことは、糸60に長さの増加を引き起こし、それは各々の開口部63の面積を増加し織物60の構造を改変する。
【0033】
織物60の構造における改変(すなわち、開口部63の面積増加)により、織物60の性質が変わる。未暴露状態では、各々の開口部63は比較的小さい。しかし、暴露状態では、各々の開口部63の面積は増加され、それは例えば、水、光、および移動している空気に対する織物60の全体的通過性を増加させる。すなわち、暴露状態にある各々の開口部63のより大きくなった面積により、水、光および移動している空気の織物60を通過することの容易性が増加する。したがって、物理的刺激に織物60をさらすことにより、織物60の通過性に関する性質が増加し、それにより衣料品10の通過性が増加する。
【0034】
衣料品10の中に組み込むと、織物60は、例えば着用者を冷やし、着用者から汗を取り除くために利用できる。したがって、前記の議論に基づいて、織物60を物理的刺激の存在下で寸法変化し、波打ちの度合いが変化する糸61で形成できる。糸61の寸法変化により織物60の構造が改変され、それにより織物60の性質変化が引き起こされる。衣料品10の中に組み込むと、物理的刺激にさらされたときの織物60の性質の変化は、着用者を冷やし、着用者から汗を取り除くために利用できる。したがって、織物60は衣料品10を着用している着用者の快適性を高めるために、着用者の発汗レベルの変化に効果的に適応する。
第六織物構造
織物を形成する様々な糸の間の開口部面積を増加または減少することは、織物の性質(すなわち、通過性)を変えるために織物の構造を改変できる1つの方法である。いくつかの実施形態において、織物の性質を変えるために織物の肌理もまた改変できる。図12ないし図15を参照すると、織物70が開示されている。織物70はインターループ工程によって糸71および糸72で形成される。以下により詳細に記載されるように、織物70の肌理は比較的滑らかな状態から、織物70と着用者との間を分離する複数の節点73がある状態まで変わる。節点73により、織物70が着用者から効果的に離れて保持され、着用者と織物70との間に空気が流れることを可能にし、それにより汗の除去が増加する。織物70を形成するために、糸71および72は丸編み工程によって機械的に操作され、例えば、ジャージー・ニットまたはダブルニット・ピケの構造を有する織物70を形成する。いくつかの実施形態において、3本以上の糸が織物70を形成するために利用でき、ジャージー・ニットおよびダブルニット・ピケの構造に加えて、その他の様々なニット構造が利用できる。
【0035】
糸71が物理的刺激の存在下で寸法変化する材料で形成され、一方で糸72は物理的刺激により大きく影響を受けない寸法安定性を有する糸で形成される。したがって、物理的刺激にさらされると糸71は実質的に寸法変化する。糸71は、糸72で作った構造を通って延び、主として織物70の一方の側面に位置決めされる。すなわち、糸71の位置は織物70の一方の側面に集中される。物理的刺激にさらされると、糸71は寸法変化し、一方糸72は寸法が安定したままである。物理的刺激にさらされると糸71の寸法は増加し、織物70の一方の側面に複数の節点73を形成する。すなわち、物理的刺激にさらされたとき糸71が集中している領域が膨張して節点73を形成する。
【0036】
図12および図13を参照して、織物70は未暴露状態で描かれ、糸71および72は物理的刺激にさらされていない。しかし図14および図15を参照すると、織物70は暴露状態で描かれ、糸71および72は物理的刺激にさらされている。未暴露状態では、織物70は比較的滑らかな肌理である。しかし、暴露状態では、織物70は複数の節点73の存在のためにより粗い肌理を示す。すなわち、糸71を物理的刺激にさらすことは、織物70の一方の側面に節点73を形成し、織物70の肌理を粗くし、それにより織物70の構造を改変する。
【0037】
織物70の構造における改変により、織物70の性質が変わる。未暴露状態では、織物70は比較的滑らかであり、着用者とかなり接触する。しかし、暴露状態では、節点73の形成によって織物70の肌理は粗くなり、それによりは織物70と着用者との間が分離する。すなわち、節点73により織物70が着用者から効果的に離れて保持され、着用者と織物70との間に空気が流れることを可能にし、それにより、汗が取り除かれる速度が増加される。織物70を物理的刺激にさらすことは、織物70の肌理を粗くし、それにより衣料品10の肌理の性質を粗くする。したがって、織物70は、衣料品10を着用した着用者の快適性を高めるために、着用者の発汗レベルの変化に効果的に適応する。
第七の織物構造
発明の背景の節で論じたように、一般的に織物は2つの区分に分類される。第一の区分には、不織布のファブリックおよびフェルトを構築するために結合、融合、またはインターロックしたファイバーまたはフィラメントのウェブから直接作製された織物が挙げられる。第二の区分には糸の機械的操作によって作った織物が挙げられる。織物20、30、40、50、60、および70は、それぞれ糸の機械的操作によって形成されており、したがって、第二の区分に入る。しかし、本発明に関連する概念は不織布にもあてはまる。
【0038】
図16を参照して、複数のフィラメント81および複数のフィラメント82を包含し、不織布の形態を有する織物80が開示されている。不織布は、一般に1つ以上のポリマーフィラメントを移動コンベヤの上に堆積させ、それにより概して一様な厚さがある不織布が形成され製造される。織物80には2つの層があり、ひとつは複数のフィラメント81から形成され、そしてもう一方は複数のフィラメント82から形成されている。
【0039】
フィラメント81は物理的刺激の存在下で寸法変化する材料で形成され、一方フィラメント82は物理的刺激に大きく影響されない寸法安定性を有する材料で形成されている。したがって、フィラメント81は、物理的刺激にさらされると著しく寸法が変わる。フィラメント81は織物80の層の1つを形成し、主として織物80の一方の側面に位置している。すなわち、フィラメント81の位置は織物80の一方側に集中している。物理的刺激にさらされると、フィラメント81は寸法変化し、一方フィラメント82は寸法が安定(一定)したままである。異なった側に異なった糸が集中している織物70についてもまた、物理的刺激にさらされたときにフィラメント81の寸法は増加し、織物80の一方側に複数の節点を形成できる。すなわち、物理的刺激にさらされたとき、フィラメント81の集中した領域は膨張し、節点73と類似した節点を形成できる。
【0040】
織物80は、フィラメント81およびフィラメント82で作った、二つの不織布層を持つものとして描かれている。本発明のいくつかの実施形態において、フィラメント82で作った層は糸の機械的操作によって作った織物と置き換えられる。すなわち、フィラメント82で作った層は、前記の第二の区分の織物で形成できる。この構造を示すよう形成される場合、フィラメント81の層は、例えばその他の織物層に結合されるかまたは縫い付けされる。他の実施形態において、フィラメント81により形成された層は、例えば織物60または前記の他の織物に置き換えられてもよい。さらに、織物はフィラメント81の層だけを含むように形成できる。さらなる実施形態において、織物は、フィラメント81および82が織物の厚さの全体にわたって均一に分配された構成を示すこともできる。したがって、様々な不織布構造を、物理的刺激の存在下で寸法変化があるフィラメントで形成できる。
第八の織物構造
織物70および80の各々は、寸法が安定した材料(すなわち、糸72およびフィラメント82)が、一方表面に隣接して集中していて、物理的刺激の存在下で寸法変化する材料(すなわち、糸71およびフィラメント81)が反対表面に隣接して集中している構成を示す。この概略構成が実現できる別の方法が図17に開示されており、この中で織物90には、スペーサメッシュ材料の一方表面の中に編み組みされる糸91が含まれる。より詳細には、スペーサメッシュ材料には、離れて配置され、複数の接続糸94で接続されている第一層92および第二層93が含まれる。物理的刺激の存在下で寸法変化がある糸91は第一層92の中に織り込まれるか、または編み組みされる。糸91は物理的刺激の存在下で寸法変化する材料で形成され、一方、第一層92、第二層93および接続糸94の各々は寸法安定性を有する材料で形成できる。
【0041】
織物90の製造において、ダブルニードルバー・ラッシェル・ニッティング法(ダブルダッシュ編み)が、寸法安定性を有する材料で第一層92、第二層93、および接続糸94を形成するために利用できる。次いで、糸91が第一層92に他の方法で編み組されるか、または他の方法で組み込まれる。本発明のさらなる実施形態において、第一層92の全部を物理的刺激の存在下で寸法変化する材料で形成することができる。代わりに、第一層92、第二層93および接続糸94を物理的刺激の存在下で寸法変化する材料で形成することができ、そして糸91を寸法安定性を有する材料で形成できる。したがって、寸法安定性を有する材料が一方表面に隣接して集中し、かつ、物理的刺激の存在下で寸法変化する材料が反対表面に隣接して集中している構成を提供するために、スペーサメッシュ材料に関連して様々な構成を利用できる。しかし、いくつかの実施形態において、スペーサメッシュ材料の全てまたは実質的部分を寸法安定性を有する材料で形成できる。
第九の織物構造
上で論じられた様々な織物構造において、織物に組み込まれたファイバー、フィラメント、または糸は、物理的刺激の存在下で寸法変化する構成を持つ。ファイバー、フィラメントまたは糸の上のコーティングは、物理的刺激の存在下で寸法変化する材料として利用できる。図18を参照して、糸101および糸102を含む織物100が開示されている。糸101および糸102は寸法安定性を有する材料で形成されている。しかし、糸102と対照的に、糸101には物理的刺激の存在下で寸法変化があるコーティング103が含まれる。図18および図19に、未暴露状態にある(すなわち、糸101およびコーティング103は物理的刺激にさらされない)糸101およびコーティング103を描いている。未暴露状態では、糸102、および糸101とコーティング103との組み合わせは同じような直径を持つ。図20に、暴露状態にある糸101およびコーティング103が描かれ、コーティング103の全体的直径は著しく増加する。したがって、織物100を物理的刺激にさらすことにより、糸101とコーティング103との組み合わせに寸法変化が引き起こされる。
【0042】
いくつかの実施形態において、糸101の直径は、物理的刺激にさらされてもさらされなくても実質的に一定に留まり、コーティング103は物理的刺激の存在下で膨張するか、またはその他の方法で寸法変化する。他の実施形態において、コーティング103が物理的刺激にさらされることで糸101を圧縮することがある。しかし、いずれにしても、糸101とコーティング103との組み合わせの全体的直径は、物理的刺激にさらされると増加する。糸101は物理的刺激の存在下で寸法が安定している材料で形成できるが、糸101は、また物理的刺激の存在下で寸法変化する材料でも形成できる。
【0043】
コーティング103は、織物100を形成するに先立って糸101に付加できる。この処理の利点は、織物100の内部にある特定の糸がコーティング103を含んでいることである。他の実施形態において、コーティング103は織物100の形成の後に織物100に付加できる。すなわち、印刷法(例えば、スクリーン印刷法)が、織物100の定められた領域に渡ってコーティング103を塗布するために利用できる。図18に描かれた構成と対照的に、印刷法の使用により、織物100の内部にある個々の糸よりもむしろ織物100の面積にコーティング103が塗布される。
織物構造の要約
前記の議論に基づいて、様々な織物が物理的刺激の存在下で寸法変化するファイバー、フィラメントまたは糸で形成できる。糸の寸法変化により、織物の構造が改変され、それにより織物の性質の変化が誘起される。糸に選択される材料に依存して、例えば、水または織物の温度変化が物理的刺激として利用できる。衣料製品の中に組み込まれた場合、物理的刺激にさらされたときの織物の性質の変化は、例えば、特定の環境条件から着用者を隔離するため、または着用者の発汗レベルの変化に適応させるために利用できる。したがって、本発明は衣料品を着用した個人の快適性を高めるために効果的に適応する織物に関する。
II.改変された織物構造の例
前記資料では、織物の性質を変えるために物理的刺激により改変する構造がある様々な織物が開示された。ここで、これらのまたはその他の織物の構造を改変できる様々な方法を論じる。例えば、耐伸縮性を付与するための材料が織物構造に結合でき、切開部または部分的切開部を織物構造に形成でき、コーティングを物理的刺激の影響を阻止するために塗布できる。
第一の改変織物構造
前記の織物構造の各々は、主として様々なフィラメント、ファイバーまたは糸で形成されている。フィラメント、ファイバーまたは糸を形成する特定の材料によって、上に開示した様々な織物がかなりの伸張特性を示すようにすることができる。すなわち、織物は引っ張り力を受けたときに大きく変形できる。織物における伸張を制限するために、より大きな耐伸縮性がある様々な材料を織物に結合でき、または固定できる。
【0044】
図21を参照して、別の衣料製品、特に、アッパー11’および履物底(ソール)構造12’を有する履物10’が開示されている。従来の履物製品と対照的に、アッパー11’には図22および図23に描いたように、ベース層111および補強構造112を有する織物110が組み込まれる。ベース層111は上に開示した様々な織物のどれであってもよい。すなわち、ベース層111は織物20、30、40、50、60、70、80、90、または100のどれであってもよい。したがって、ベース層111には、織物110の全体的性質を変えるために、物理的刺激により改変される構造がある。
【0045】
補強構造112は、例えば、垂直区画分を横断する水平区画分を備えた格子の構成を規定する、複数の、大略的に正方形の開口部を有する、ポリマーシートである。ベース層111は引っ張り力を受けたときに大きく伸びることができるが、一方、補強構造112は同じ引っ張り力を受けたときに、より少ない度合いで伸張する。この構成において、補強構造112の耐伸縮性により織物110全体に耐伸縮性が付与される。したがって、補強構造112により、織物110が伸張する全体的な度合いが制限される。
【0046】
履物10’のような履物製品は、ウオーキング、ランニング、または他の歩行活動に使用される場合、大きな力を受ける。より詳細には、足により、運動中、アッパーに大きな力が加わる。これらの力により、アッパー11’が伸張される傾向があり、またはアッパー11’の材料が引っ張られた状態に置かれる。アッパー11’における比較的小さい伸張度合いは、履物10’の全体的快適性を高めるかもしれないが、大きな伸張は有益ではない。したがって、補強構造112により織物110が伸張する全体的度合いが制限され、それによりベース層111における固有の伸張が無効にされる。
【0047】
上で詳細に論じたように、様々な織物構造の各々は、織物構造の全体的性質を変えるために、物理的刺激により改変される。例えば、織物の部分は、熱せられた空気または汗を逃がす開口部を形成するために、熱または水の存在下で寸法変化してもよい。同様に、織物の部分が、熱せられた空気、または汗が履物10’に侵入することを制限する開口部を閉じるために、熱または水の存在下で寸法変化してもよい。上で論じた織物構造のどれかに補強構造112を付加することにより、織物構造の全体の性質、および履物またはその他の運動装備用途に対する織物構造の適応性が強化される。換言すれば、ベース層111および補強構造112の組み合わせにより、履物10’の全体的性質を変えるために物理的刺激により改変される織物が提供され、そして所望する程度の耐伸張性を備えた織物が提供される。
【0048】
耐伸縮性は、補強構造112の付加により得られるただ1つの利点ではない。例えば、補強構造112または類似の構造は耐摩耗性を付与することもでき、それにより織物110の耐久性を強化する。また、織物110を組み込んだ製品の美的な訴求力を高めることができる。さらには、補強構造112により、製品に織物110を固定するか、または組み込むための耐久性がある部位を提供してもよい。
【0049】
補強構造112は、大略的に正方形の開口部を区画する格子構造を有するものとして、上で論じられた。補強構造112は、それぞれ図24Aおよび図24Bに描いたように台形のまたは円形の開口部、またはその他の実用的などんな形状でも規定できる。特定の方向において耐伸縮性が所望される場合、補強構造112の直線状または曲線状の細長片を、それぞれ図24Cおよび図24Dに描いたように、ベース層111と組み合わせることができる。加えて、織物の特定面積だけに耐伸縮性が所望される場合には、補強構造112を織物110のある部分だけに設置できる。したがって、補強構造112の特別な構成は、織物110の特別な用途または要求に応じて著しく変わってもよい。
【0050】
補強構造112は、ポリマーシートとして上で論じられたが、本発明の範囲内でその他の様々な材料であってもよい。例えば、補強構造112は、ベース層111に固定される、異なった織物、スペーサメッシュ材、皮革、合成皮革、またはフィルムであってもよい。補強構造112は、ベース層111の構造に含浸するポリマーであってもよい。すなわち、溶融ポリマー材料が、補強構造112を形成するようにベース層111上に射出されることも可能である。いくつかの実施形態において、補強構造112は、ベース層111よりも伸張性の少ない糸またはフィラメントであって、ベース層111の中に織り合わされたものであってもよい。したがって補強構造112に適用できる特定の材料は、本発明の範囲内で著しく変わり得る。
第二の改変織物構造
上に開示した織物構造のどれかを改変する別の方法は、切開部の形成に関する。図25に、上に開示したような実質的に織物70で形成した衣料製品10’’が描かれている。複数の半円形切開部74が織物74を通って延び、したがって、糸71および72の各々を通って延びている。図26を参照して、切開部74がある織物70の部分が未暴露状態で描かれ、糸71および72は物理的刺激にさらされていない。しかし、図27を参照して、織物70は暴露状態で描かれ、糸71および72は物理的刺激にさらされている。未暴露状態では、織物70は比較的平坦になっていて、切開部74で形成されたフラップは閉じた構成になっている。しかし、暴露状態では、切開部74で形成されたフラップは上向きにカールし、織物70の中に開口部を形成し、それにより織物70の構造および性質が改変される。
【0051】
織物70の構造における改変(例えば、切開部74の形成)は、織物70の性質を変える。未暴露状態では、織物70は平坦になっていて、切開部74は開口部を形成しない。しかし、暴露状態では、切開部74により形成さるフラップが巻き上げられて、織物70に開口部が形成され、それにより衣料品10’’の内側および外側の間の空気の流れが増加する。織物70を物理的刺激にさらすと、上で論じたように織物70の肌理が粗くなるだけでなく、織物70の空気流動性もまた高まる。
【0052】
織物70は、糸71が一方の表面に集中し、糸72が反対表面に集中するような構造である。例えば、水または温度変化のような物理的刺激にさらされると、糸71は寸法変化し、サイズが大きくなる。糸71のサイズの増大による織物70のサイズの増大は、比較的寸法が安定している糸72により抑制される。したがって、糸71の膨張は、切開部74で形成されたフラップが上向きに、糸72が集中している表面側にカールする原因となる。織物70は、物理的刺激にさらされたときに、このような仕方で反応する織物構造だけではない。織物80および90の各々も、一方の表面に寸法変化する材料が集中し、反対表面に寸法が安定した材料が集中しているために、同様の性質を示すことができる。
【0053】
切開部74は、上で論じた半円形状を示すことができるけれども、様々なその他の形状もまた切開部74に適しているであろう。例えば、切開部74は、それぞれ図28A,および図28Bに描いたように、より円い円弧形状または角ばった形状を示すことができる。切開部74は、それぞれ図24Aおよび図24Dに描いたように、V字形状、またはS字形状を示すこともできる。いくつかの実施形態において、切開部74は、上で論じた非直線状形状から離れて、図28Eに描いたように直線状であってもよい。
【0054】
ダイカッティングまたはレーザーカッティングを含んだ様々な技術が、切開部74を形成するために利用できる。いくつかの状況において、切開部74は織物70の編み工程によって形成できる。すなわち、糸71および72は切開部74を形成する方法で機械的に操作される。
第三の改変織物構造
織物70、80、および90の各々は、物理的刺激にさらされたときに寸法変化する材料が織物構造の一方の表面に集中されている構成を示す。切開部74に類似の切開部は上で論じた織物構造のどれにおいても形成できる。切開部74を形成するためにカットするとき、織物70は物理的刺激にさらされるまで平坦な構成にとどまる。しかしいくつかの織物構造は、カットしかつ物理的刺激にさらさない場合でも、カールする場合がある。
【0055】
図29を参照して、未暴露状態における織物120を描いている。織物120は複数の切開部124を含んでいる。織物120は様々な糸で機械的操作により作られ、糸を形成する材料は、カットし物理的刺激にさらされていない場合に、切開部124の縁部がカールするように選択される。しかし、物理的刺激にさらされた場合、その縁部は図30に描いたように、糸の寸法変化によりまっすぐになる。すなわち、物理的刺激にさらされた場合、切開部124により形成された開口部が閉じる。
【0056】
例えば、衣料品に組み込まれると、織物120は着用者を降雨から防護するために利用できる。水が存在しない場合、切開部124は衣料品の内側と外側との間で空気流出を促進する開口部を形成する。しかし降雨があると、切開部124により形成された開口部は閉じて、降雨が衣料品に入り込む度合いを制限する。したがって、衣料品は変化する環境条件に適応可能である。
第四の改変織物構造
切開部74および124は、それぞれ織物70および120全体に延びている。しかし、いくつかの状況においては、織物構造に部分的にだけ延びる切開部が有益であろう。図31に、織物130に部分的にだけ延びる複数の部分的切開部134を含む織物130を描いている。図32Aを参照して、織物130が、部分的切開部134が延びている層131および別の層132を含んでいるとして模式的に描かれている。層131および層132は、織物70、80、および90の大略的構成を模式的に表わしており、物理的刺激の存在下で寸法変化する材料が1つの表面に隣接して集中され、反対の表面に隣接して寸法安定性を有する材料が集中している。
【0057】
図32Aにおいて、部分的切開部134が、層131全体に延びており、したがって、層131はこの領域に存在しない。例えば、層131は物理的刺激の存在下で寸法変化する材料の大部分を組み込むことができる。部分的切開部134を形成することは、これらの材料を効果的に非活性化する。したがって、部分的切開部134の形成は、物理的刺激の存在による、織物130の特定範囲の性質の変化を防止したり、制限したりする方法である。部分的切開部134は、直線状の構造であるとして描かれているが、部分的切開部134は織物130の領域を覆うことができる。
【0058】
部分的切開部134は、層131が存在しない領域を表わすことができるけれども、部分的切開部134は、層131が融解した、または部分的に存在しない領域を形成してもよい。図32Bおよび図32Cを参照して、部分的切開部134は、層131の中に窪みを形成する。窪みを形成する1つの方法は層131の材料を融解することであり、それによりこの材料が層131の下部領域に集中される。したがって、事実上、部分的切開部134は層131の融解した領域を表わすことができる。その融解されて部分的切開部134に存在する材料は物理的刺激の存在下で寸法変化を示す同じ材料であってもよいが、部分的切開部134に、より多く材料が集中することにより、物理的刺激にさらされた場合の織物130の性質変化が制限されるであろう。すなわち、層131の融解部分により、物理的刺激の存在下で寸法変化する材料が効果的に非活性化される。部分的切開部134を形成する適切な方法として、例えばレーザーカッティングまたは加熱金型が挙げられる。
【0059】
部分的切開部134は物理的刺激の存在下で寸法変化する材料まで延びることができるけれども、部分的切開部134は、また寸法安定性を有する材料まで延びることもできる。すなわち、部分的切開部134は、層131よりもむしろ層132を通って延びることができる。いくつかの実施形態において、部分的切開部は、例えば織物20、30、および40などのような、1つの層を含む材料に部分的に延びることができる。
【0060】
部分的切開部134を形成する目的で層131または132のどちらかを形成する材料を融解することもまた、補強構造112と類似の構造を形成するために使用できる。上で論じたように、補強構造112は織物に対して耐伸縮性または耐磨耗性を付与できる。層131または132の部分を融解することにより、層131および132を形成する材料が効果的に集中し、織物130に耐伸縮性または耐磨耗性を付与することもできる。したがって、部分切開部134の形成は補強構造112を形成する別の方法である。
第五の改変織物構造
織物における部分的切開部の形成は、物理的刺激の存在下で織物の寸法変化を阻止するかまたは非活性化する1つの方法である。ファイバー、フィラメント、または糸のコーティングもまた、物理的刺激による材料の寸法変化の誘起を阻止するために利用できる。図33を参照して、糸141および142を含む織物140が開示されている。糸141および142は物理的刺激の存在下で寸法変化する材料で形成される。しかし、糸141と対照的に、糸142は、糸142を物理的刺激から遮断するコーティング143を含む。図34には未暴露状態にある糸141および142が描かれ、糸141および142は類似した直径を持つ。図35には、暴露状態にある糸141および142が描かれ、糸141の全体的直径は糸142の直径よりも著しく大きい。したがって、織物140を物理的刺激にさらすと、糸141に寸法変化を誘起するが、コーティング143により糸142の寸法変化が防止されるか、または制限される。
【0061】
様々な材料がコーティング143に適しているであろう。例えば、糸141および142を形成する材料が水の存在下で寸法変化するならば、どんな耐水性コーティングも利用できる。物理的刺激が光、または熱である場合、不透明なまたは断熱性のコーティングが利用できる。コーティング143は、織物140を形成するに先立って糸142に付加できる。この処理の利点は、織物140中の特定の糸がコーティング143を包んでいることである。その他の実施形態においては、コーティング143は、織物140の形成に続いて織物140に付加できる。すなわち、印刷処理(例えば、スクリーン印刷処理)が、織物140の規定の領域にコーティング143を塗布するために利用できる。図33に描かれた構成と対照的に、印刷処理の使用は、織物140の中の個々の糸よりも、むしろ織物140の領域にコーティング143をコーティングする。
改変織物構造の要約
補強構造、切開部、部分的切開部、およびコーティングは、上に開示したいずれの織物構造の改変および改善にも利用できる。補強構造、切開部、部分的切開部およびコーティングの様々な組み合わせもまた、上に開示したいずれの織物構造の改変および改善にも利用できる。例えば、切開部または部分的切開部が、補強構造によって規定された開口部の中に形成できる。加えて、コーティングが切開部のある領域の反応に影響を与えるために利用できる。
【0062】
本発明は、様々な実施形態を参照し、上記記載および添付図面によって開示されている。しかし、開示がはたす目的は本発明にかかわる様々な特徴および概念の例を提供することであって、発明の範囲を限定することではない。当業者は、上述の実施形態に対して、添付の特許請求の範囲に規定された、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変形および修正を加えることができると気付くであろう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明による第一の織物構造を組み込んだ衣料製品の平面図である。
【図2】未暴露状態にある第一の織物構造の部分の平面図である。
【図3】暴露状態にある第一の織物構造の部分の平面図である。
【図4】未暴露状態にある第二の織物構造の部分の平面図である。
【図5】暴露状態にある第二の織物構造の部分の平面図である。
【図6】未暴露状態にある第三の織物構造の部分の平面図である。
【図7】暴露状態にある第三の織物構造の部分の平面図である。
【図8】未暴露状態にある第四の織物構造の部分の平面図である。
【図9】暴露状態にある第四の織物構造の部分の平面図である。
【図10】未暴露状態にある第五の織物構造の部分の平面図である。
【図11】暴露状態にある第五の織物構造の部分の平面図である。
【図12】未暴露状態にある第六の織物構造の部分の平面図である。
【図13】未暴露状態にある、第六の織物構造のより大きな部分の模式的平面図である。
【図14】暴露状態にある第六の織物構造の部分の平面図である。
【図15】暴露状態にある、第六の織物構造のより大きな部分の模式的平面図である。
【図16】第七の織物構造の部分の斜視図である。
【図17】第八の織物構造の部分の斜視図である。
【図18】第九の織物構造の部分の平面図である。
【図19】未暴露状態にある第九の織物構造のコーティングされた糸の模式的斜視図である。
【図20】暴露状態にある第九の織物構造のコーティングされた糸の模式的斜視図である。
【図21】本発明による第一の改変された織物構造を組み込んだ履物製品の側面図である。
【図22】第一の改変された織物構造の部分の斜視図である。
【図23】第一の改変された織物構造の部分の分解斜視図である。
【図24A】第一の改変された織物構造の代替構成物の平面図である。
【図24B】第一の改変された織物構造の代替構成物の平面図である。
【図24C】第一の改変された織物構造の代替構成物の平面図である。
【図24D】第一の改変された織物構造の代替構成物の平面図である。
【図24E】第一の改変された織物構造の代替構成物の平面図である。
【図25】本発明による第二の改変された織物構造を組み込んだ衣料製品の平面図である。
【図26】未暴露状態にある第二の改変された織物構造の部分の斜視図である。
【図27】暴露状態にある第二の改変された織物構造の部分の斜視図である。
【図28A】第二の改変された織物構造の代替構成物の平面図である。
【図28B】第二の改変された織物構造の代替構成物の平面図である。
【図28C】第二の改変された織物構造の代替構成物の平面図である。
【図28D】第二の改変された織物構造の代替構成物の平面図である。
【図28E】第二の改変された織物構造の代替構成物の平面図である。
【図29】未暴露状態にある第三の改変された織物構造の部分の斜視図である。
【図30】暴露状態にある第三の改変された織物構造の部分の斜視図である。
【図31】第四の改変された織物構造の部分の斜視図である。
【図32A】図31の切断線32−32に沿う、第四の改変された織物構造の模式的断面図である。
【図32B】図31の切断線32−32に沿う、第四の改変された織物構造の模式的断面図である。
【図32C】図31の切断線32−32に沿う、第四の改変された織物構造の模式的断面図である。
【図33】第五の改変された織物構造の部分の平面図である。
【図34】各々が未暴露状態にある第五の改変された織物構造のコーティングされた糸およびコーティングされていない糸の模式的斜視図である。
【図35】各々が暴露状態にある第五の改変された織物構造のコーティングされた糸およびコーティングされていない糸の模式的斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理的刺激にさらされたときに寸法変化をして、織物の性質を変える第一の材料と、
当該織物の少なくとも一部において、前記性質の前記変化を抑制する第二の材料と
を含む織物。
【請求項2】
前記物理的刺激が水である、請求項1に記載の織物。
【請求項3】
前記第一の材料が、吸水性のフィラメントおよびファイバーのうちの少なくとも1つである、請求項2に記載の織物。
【請求項4】
前記第一の材料が吸水性の糸である、請求項2に記載の織物。
【請求項5】
前記物理的刺激が、当該織物の温度変化である、請求項1に記載の織物。
【請求項6】
前記第一の材料が当該織物の第一の表面に集中しており、前記第二の材料が当該織物の第二の表面に集中しており、前記第一の表面が前記第二の表面の反対側にある、請求項1に記載の織物。
【請求項7】
前記第一の表面から前記第二の表面に延びる複数の切開部が、当該織物を通って形成されている、請求項6に記載の織物。
【請求項8】
前記切開部の少なくとも一部が非直線状である、請求項7に記載の織物。
【請求項9】
前記切開部がレーザーカッティング処理により形成されている、請求項7に記載の織物。
【請求項10】
前記切開部が編み処理により形成されている、請求項7に記載の織物。
【請求項11】
当該織物の第一の表面から当該織物の第二の表面に延びる複数の切開部が、当該織物を通って形成されている、請求項1に記載の織物。
【請求項12】
前記第一の材料および前記第二の材料が、機械的に操作されて当該織物を形成する糸である、請求項1に記載の織物。
【請求項13】
前記第二の材料が、前記物理的刺激にさらされたときに実質的に寸法が一定している糸である、請求項1に記載の織物。
【請求項14】
前記第二の材料は前記第一の材料よりも伸張性が少ない、請求項1に記載の織物。
【請求項15】
前記第二の材料が前記第一の材料に固定されている、請求項14に記載の織物。
【請求項16】
前記第二の材料が、前記第一の材料に結合されている少なくとも1個のシート材料である、請求項14に記載の織物。
【請求項17】
前記第二の材料が、前記第一の材料の少なくとも一部の周囲に延びるコーティングであって、前記物理的刺激に前記第一の材料がさらされることを制限するコーティングである、請求項1に記載の織物。
【請求項18】
当該織物が、前記第一の材料および前記第二の材料の複数のフィラメントを含む不織布である、請求項1に記載の織物。
【請求項19】
当該織物が、前記第一の材料から形成された第一の層と、前記第二の材料から形成された第二の層とを有する不織布である、請求項1に記載の織物。
【請求項20】
前記第二の材料がスペーサメッシュであり、前記第一の材料が前記スペーサメッシュの表面に編組みされている、請求項1に記載の織物。
【請求項21】
当該織物が、衣料製品の中に組み込まれたものである、請求項1に記載の織物。
【請求項22】
織物の第一の表面に集中し、物理的刺激にさらされたときに寸法変化をする第一の糸と、
当該織物の前記第一の表面と反対側にある第二の表面に集中し、前記物理的刺激にさらされたときに実質的に寸法が安定している第二の糸と
を含む織物。
【請求項23】
前記物理的刺激が水である、請求項22に記載の織物。
【請求項24】
前記第一の材料が、吸水性のフィラメントおよびファイバーのうちの少なくとも1つである、請求項23に記載の織物。
【請求項25】
前記第一の材料が吸水性の糸である、請求項23に記載の織物。
【請求項26】
前記物理的刺激が当該織物の温度変化である、請求項22に記載の織物。
【請求項27】
前記第一の表面から前記第二の表面に延びる複数の切開部が、当該織物を通って形成されている、請求項22に記載の織物。
【請求項28】
前記切開部の少なくとも一部が非直線状である、請求項27に記載の織物。
【請求項29】
前記切開部がレーザーカッティング処理により形成されている、請求項27に記載の織物。
【請求項30】
前記切開部が編み処理により形成されている、請求項27に記載の織物。
【請求項31】
前記第二の材料が、前記第一の材料の少なくとも一部の周囲に延びるコーティングであって、前記物理的刺激に前記第一の材料がさらされることを制限するコーティングである、請求項22に記載の織物。
【請求項32】
当該織物が、前記第一の材料および前記第二の材料の複数のフィラメントを含む不織布である、請求項22に記載の織物。
【請求項33】
当該織物が、前記第一の材料から形成された第一の層と、前記第二の材料から形成された第二の層とを有する不織材料であって、前記第一の層が前記第一の表面に隣接し、前記第二の層が前記第二の表面に隣接している、請求項22に記載の織物。
【請求項34】
前記第二の材料は、前記第一の材料よりも伸張性が少ない、請求項22に記載の織物。
【請求項35】
前記第二の材料が、前記第一の材料に結合された少なくとも1個のシート材料である、請求項34に記載の織物。
【請求項36】
前記第二の材料がスペーサメッシュであり、前記第一の材料が前記スペーサメッシュの表面に編組みされている、請求項22に記載の織物。
【請求項37】
当該織物が衣料製品の中に組み込まれたものである、請求項22に記載の織物。
【請求項38】
物理的刺激にさらされたときに寸法変化をする材料であって、前記物理的刺激にさらされていないときの第一の寸法セットと、前記物理的刺激にさらされたときの第二の寸法セットとを有し、織物を前記物理的刺激にさらすことにより当該織物の構造が、前記第一の寸法セットから前記第二の寸法セットに変化するように改変される材料と、
当該織物の少なくとも一部の前記性質の変化を抑制するように当該織物の中に組み込まれた抑制構造と
を含む織物。
【請求項39】
前記物理的刺激が水である、請求項38に記載の織物。
【請求項40】
前記第一の材料が、吸水性のフィラメントおよびファイバーのうちの少なくとも1つである、請求項39に記載の織物。
【請求項41】
前記第一の材料が吸水性の糸である、請求項39に記載の織物。
【請求項42】
前記物理的刺激が当該織物の温度変化である、請求項38に記載の織物。
【請求項43】
前記第一の材料が当該織物の第一の表面に集中し、前記抑制構造が当該織物の第二の表面に集中し、前記第一の表面が前記第二の表面の反対側にある、請求項38に記載の織物。
【請求項44】
前記第一の表面から前記第二の表面に延びる複数の切開部が、当該織物を通って形成されている、請求項43に記載の織物。
【請求項45】
前記切開部の少なくとも一部が非直線状である、請求項44に記載の織物。
【請求項46】
前記切開部がレーザーカッティング処理および編み処理のうちの1つにより形成されている、請求項44に記載の織物。
【請求項47】
当該織物の第一の表面から当該織物の第二の表面に延びる複数の切開部が、当該織物を通って形成されている、請求項38に記載の織物。
【請求項48】
当該織物が、前記材料の複数のフィラメントおよび前記抑制構造を含む不織布である、請求項38に記載の織物。
【請求項49】
当該織物が、前記材料で形成された第一の層と、前記抑制構造で形成された第二の層とを含む不繊材料である、請求項38に記載の織物。
【請求項50】
前記第二の材料は前記第一の材料よりも伸張性が少ない、請求項38に記載の織物。
【請求項51】
前記第二の材料が、前記第一の材料に結合された少なくとも1個のシート材料である、請求項50に記載の織物。
【請求項52】
当該織物が衣料製品の中に組み込まれたものである、請求項38に記載の織物。
【請求項53】
水にさらされたときに寸法変化をする糸であって、織物の第一の表面に集中している糸と、
当該織物の第二の表面の少なくとも一部を形成する抑制構造であって、前記第二の表面が前記第一の表面の反対側にあり、前記物理的刺激にさらされたときに実質的に寸法が一定している抑制構造と
を含む織物。
【請求項54】
前記抑制構造が前記糸に結合されたシート材料である、請求項53に記載の織物。
【請求項55】
前記第一の表面から前記第二の表面に延びる複数の切開部が、当該織物を通って形成されている、請求項54に記載の織物。
【請求項56】
前記切開部の少なくとも一部が非直線状である、請求項55に記載の織物。
【請求項57】
当該織物が、前記材料の複数のフィラメントおよび前記抑制構造を含む不織布である、請求項55に記載の織物。
【請求項58】
当該織物が衣料製品の中に組み込まれたものである、請求項53に記載の織物。
【請求項59】
物理的刺激にさらされたときに寸法変化をする第一の材料であって、織物の第一の表面に集中している第一の材料と、
当該織物の第二の表面に集中している第二の材料であって、前記第二の表面が前記第一の表面の反対側にある第二の材料と、
少なくとも部分的に前記第一の材料を通って当該織物の中に延びている切開部と
を含む織物。
【請求項60】
前記物理的刺激が水である、請求項59に記載の織物。
【請求項61】
前記第一の材料が、吸水性のフィラメントまたはファイバーのうちの少なくとも1つである、請求項60に記載の織物。
【請求項62】
前記第一の材料が吸水性の糸である、請求項60に記載の織物。
【請求項63】
前記物理的刺激が当該織物の温度変化である、請求項59に記載の織物。
【請求項64】
前記切開部の少なくとも一部分が非直線状である、請求項59に記載の織物。
【請求項65】
前記切開部がレーザーカッティング処理により形成されている、請求項59に記載の織物。
【請求項66】
前記切開部が編み処理により形成されている、請求項59に記載の織物。
【請求項67】
当該織物が、前記第一の材料および前記第二の材料の複数のフィラメントを含む不織布である、請求項59に記載の織物。
【請求項68】
当該織物が、前記第一の材料から形成された第一の層と、前記第二の材料から形成された第二の層とを有する不織材料であって、前記第一の層が前記第一の表面に隣接し、前記第二の層が前記第二の表面に隣接している、請求項59に記載の織物。
【請求項69】
当該織物が衣料製品の中に組み込まれたものである、請求項59に記載の織物。
【請求項70】
物理的刺激にさらされたときに寸法変化をする第一材料であって、織物の第一の表面に集中している第一材料と、
当該織物の前記第一の表面の反対側にある第二の表面に集中している第二の材料と、
当該織物を通り、前記第一方表面から前記第二の表面に延びている切開部と
を含む織物。
【請求項71】
前記物理的刺激が水である、請求項70に記載の織物。
【請求項72】
前記第一の材料が、吸水性のフィラメントおよびファイバーのうちの少なくとも1つである、請求項71に記載の織物。
【請求項73】
前記第一の材料が吸水性の糸である、請求項71に記載の織物。
【請求項74】
前記物理的刺激が当該織物の温度変化である、請求項70に記載の織物。
【請求項75】
前記第二の材料が、当該織物の面に対して実質的に平行な方向における前記性質の変化を抑制する、請求項70に記載の織物。
【請求項76】
前記切開部の少なくとも一部が非直線状である、請求項70に記載の織物。
【請求項77】
前記切開部が、レーザーカッティング処理および編み処理のうちの1つにより形成されている、請求項70に記載の織物。
【請求項78】
当該織物が、前記第一の材料および前記第二の材料の複数のフィラメントを含む不織布である、請求項70に記載の織物。
【請求項79】
当該織物が、前記第一の材料から形成された第一の層と、前記第二の材料から形成された第二の層とを有する不織材料であって、前記第一の層が前記第一の表面に隣接し、前記第二の層が前記第二の表面に隣接している、請求項70に記載の織物。
【請求項80】
当該織物が衣料製品に組み込まれたものである、請求項70に記載の織物。
【請求項81】
水にさらされたときに第一度合いの寸法変化をする第一の材料であって、水にさらされていないときに第一の寸法セットを有し、水にさらされたときに第二の寸法セットを有し、織物の第一の表面に集中している第一の材料と、
水にさらされたときに第二度合いの寸法変化をする第二の材料であって、寸法変化の前記第二度合いは寸法変化の前記第一度合いよりも小さく、当該織物の第二の表面に集中している第二の材料と、
当該織物を通って、前記第一方表面から前記第二表面に延びる複数の切開部と
を含む織物であって、
その中において、切開部に隣接した当該織物の部分が、水にさらされたときに開口部を形成する織物。
【請求項82】
前記第一の材料が、吸水性のフィラメントおよびファイバーのうちの少なくとも1つである、請求項81に記載の織物。
【請求項83】
前記第一の材料が吸水性の糸である、請求項81に記載の織物。
【請求項84】
前記切開部の少なくとも一部が非直線状である、請求項81に記載の織物。
【請求項85】
前記切開部が、レーザーカッティング処理および編み処理のうちの1つにより形成されている、請求項81に記載の織物。
【請求項86】
前記第二の材料が、前記第一の材料の少なくとも一部の周囲に延びるコーティングであって、前記物理的刺激に前記第一の材料をさらすことを制限するコーティングである、請求項81に記載の織物。
【請求項87】
当該織物が、前記第一の材料および前記第二の材料の複数のフィラメントを含む不織布である、請求項81に記載の織物。
【請求項88】
当該織物が、前記第一の材料から形成された第一の層と、前記第二の材料から形成された第二の層とを有する不織材料であって、前記第一の層が前記第一の表面に隣接し、前記第二の層が前記第二の表面に隣接している、請求項81に記載の織物。
【請求項89】
当該織物が衣料製品に組み込まれたものである、請求項81に記載の織物。
【請求項90】
水にさらされたときに膨張する吸水性材料で形成された第一の糸と、
前記第一の糸と共に機械的に操作される第二の糸であって、前記第一の糸が織物の第一の表面に集中し、当該第二の糸が当該織物の第二の表面に集中し、前記第一の表面は前記第二の表面の反対側にあり、水にさらされたときに実質的に寸法が一定している第二の糸と、
当該織物を通り、前記第一方表面から前記第二表面に延びる複数の非直線状の切開部と
を含む織物であって、
水にさらされたときの前記第一の糸の膨張により、前記切開部に隣接した当該織物の部分が曲線状構造を示して、当該織物の中に開口部が形成される織物。
【請求項91】
当該織物が衣料製品に組み込まれたものである、請求項90に記載の織物。
【請求項92】
物理的刺激にさらされたときに寸法変化をする糸から、少なくとも部分的に形成された材料と、
織物を通して延びる複数の切開部であって、前記切開部の各々は一対の隣接する縁部を規定し、前記縁部は、前記物理的刺激にさらされていないときに当該織物に開口部を形成する曲線状構造を有し、前記縁部は、前記物理的刺激にさらされたときに当該織物の前記開口部のサイズを減少させる実質的に平面状の構造を有する、切開部と
を含む織物。
【請求項93】
前記物理的刺激が、水、および当該織物の温度変化のうちの1つである、請求項92に記載の織物。
【請求項94】
前記切開部の少なくとも一部が非直線状である、請求項92に記載の織物。
【請求項95】
前記切開部がレーザーカッティング処理および編み処理のうちの1つにより形成されている、請求項92に記載の織物。
【請求項96】
当該織物が衣料製品に組み込まれたものである、請求項92に記載の織物。
【請求項97】
織物の第一の表面に集中し、物理的刺激にさらされたときに寸法変化をする第一の材料と、
当該織物の前記第一の表面の反対側にある前記第二の表面に集中している第二の材料と
を含む織物であって、
前記第二の材料が所定領域において前記第一の表面を通してさらされるように、前記第一材料の一部が当該織物の前記所定領域に存在しない織物。
【請求項98】
前記物理的刺激が水である、請求項97に記載の織物。
【請求項99】
前記第一の材料が、吸水性のフィラメントおよびファイバーのうちの少なくとも1つである、請求項98に記載の織物。
【請求項100】
前記第一の材料が吸水性の糸である、請求項98に記載の織物。
【請求項101】
前記物理的刺激が当該織物の温度変化である、請求項97に記載の織物。
【請求項102】
当該織物が、前記第一の材料および前記第二の材料の複数のフィラメントを含む不織布である、請求項97に記載の織物。
【請求項103】
当該織物が、前記第一の材料から形成された第一の層と、前記第二の材料から形成された第二の層とを有する不織材料であって、前記第一の層が前記第一の表面に隣接し、前記第二の層が前記第二の表面に隣接している、請求項97に記載の織物。
【請求項104】
当該織物が衣料製品に組み込まれたものである、請求項97に記載の織物。
【請求項105】
物理的刺激にさらされたときに寸法変化をする、実質的に分離した複数のフィラメントで形成された第一の領域と、
前記物理的刺激にさらされたときに寸法安定性を提供する複数の融解結合したフィラメントから少なくとも一部を形成された第二の領域であって、前記分離したフィラメントおよび前記融解結合したフィラメントは共通の材料からなる第二の領域と
を含む、織物。
【請求項106】
前記物理的刺激が、水、および当該織物の温度変化のうちの1つである、請求項105に記載の織物。
【請求項107】
当該織物が、前記第一の材料および前記第二の材料の複数のフィラメントを含む不織布である、請求項105に記載の織物。
【請求項108】
当該織物が、前記第一の材料から形成された第一の層と、前記第二の材料から形成された第二の層とを有する不織材料であって、前記第一の層が前記第一の表面に隣接し、前記第二の層が前記第二の表面に隣接している、請求項105に記載の織物。
【請求項109】
前記融解結合したフィラメントがレーザーカッティング処理により形成されている、請求項105に記載の織物。
【請求項110】
当該織物が衣料製品に組み込まれたものである、請求項105に記載の織物。
【請求項111】
織物の第一の表面に集中し、物理的刺激にさらされたときに寸法変化をする第一の材料と、
当該織物の前記第一の表面の反対側にある前記第二の表面に集中している第二の材料と
を含む織物であって、
前記物理的刺激にさらされたときの第一の材料の寸法変化を制限するようにエンボス加工された織物。
【請求項112】
前記物理的刺激が、水、および当該織物の温度変化のうちのひとつである、請求項111に記載の織物。
【請求項113】
当該織物が、前記第一の材料および前記第二の材料の複数のフィラメントを含む不織布である、請求項111に記載の織物。
【請求項114】
当該織物が、前記第一の材料から形成された第一の層と、前記第二の材料から形成された第二の層とを有する不織材料であって、前記第一の層が前記第一の表面に隣接し、前記第二の層が前記第二の表面に隣接している、請求項111に記載の織物。
【請求項115】
当該織物が衣料製品に組み込まれたものである、請求項111に記載の織物。
【請求項116】
物理的刺激にさらされたときに寸法変化をする糸と、
前記物理的刺激に前記第一の糸をさらすことを制限するために、前記糸の少なくとも一部の周囲に延びるコーティングと
を含む織物。
【請求項117】
前記物理的刺激が、水、および当該織物の温度変化のうちの少なくとも1つである、請求項116に記載の織物。
【請求項118】
当該織物が衣料製品に組み込まれたものである、請求項116に記載の織物。
【請求項119】
糸と、
物理的刺激にさらされたときに寸法変化をし、前記糸の少なくとも一部の周囲に延びるコーティングと
を含む織物。
【請求項120】
前記物理的刺激が、水、および当該織物の温度変化のうちの少なくとも1つである、請求項119に記載の織物。
【請求項121】
当該織物が衣料製品に組み込まれたものである、請求項119に記載の織物。
【請求項122】
織物の製造方法であって、
水にさらされたときの寸法変化の第一の度合いを有する第一の材料を選択するステップと、
水にさらされたときの寸法変化の第二の度合いであって、寸法変化の前記第一の度合いが寸法変化の当該第二の度合いより大きい第二の度合いを有する第二の材料を選択するステップと、
前記第一の材料が前記織物の第一の表面に集中し、前記第二の材料が前記織物の反対側の第二の表面に集中するように、前記織物に前記第一の材料および前記第二の材料を組み込むステップと
を含む方法。
【請求項123】
前記織物を衣料製品の中に組み込むステップをさらに含む、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記織物を通って、前記第一の表面から前記第二の表面に延びる複数の切開部を形成するステップをさらに含む、請求項122に記載の方法。
【請求項125】
前記複数の切開部を形成するステップが、前記切開部の少なくとも一部を非直線状に形成することを含む、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記複数の切開部を形成するステップが、前記切開部の少なくとも一部をレーザーカッティング処理および編み処理のうちの1つで形成することを含む、請求項124に記載の方法。
【請求項127】
前記第一の材料を選択するステップが、前記第一の材料を吸水性のフィラメントおよびファイバーのうちの少なくとも1つであるように選択することを含む、請求項122に記載の方法。
【請求項128】
前記第一の材料を選択するステップが、前記第一の材料を吸水性の糸であるように選択することを含む、請求項122に記載の方法。
【請求項129】
前記組み込むステップが、前記第一の材料および前記第二の材料の複数のフィラメントを含む不織布である前記織物を形成することを含む、請求項122に記載の方法。
【請求項130】
前記組み込むステップが、前記第一の材料から前記織物の第一の層を形成することと、前記第二の材料から前記織物の第二の層を形成することとを含み、前記第一の層が前記第一の表面に隣接し、前記第二の層が前記第二の表面に隣接する、請求項122に記載の方法。
【請求項131】
織物の製造方法であって、
水にさらされたときの寸法変化の第一度合いを有する第一の糸を選択するステップと、
水にさらされたときの寸法変化の第二度合いを有する第二の糸を選択するステップと、
第一の材料が前記織物の第一の表面に集中し、第二の材料が前記織物の反対側の第二の表面に集中するように前記織物を形成するために、前記第一の糸および前記第二の糸を機械的に操作するステップと、
前記織物を通って、前記第一の表面から前記第二の表面に延びる複数の切開部を形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項132】
前記織物を衣料製品の中に組み込むステップをさらに含む、請求項131に記載の造方法。
【請求項133】
前記複数の切開部を形成するステップが、前記切開部の少なくとも一部を非直線状に形成することを含む、請求項131に記載の方法。
【請求項134】
前記複数の切開部を形成するステップが、前記切開部の少なくとも一部をレーザーカッティング処理で形成することを含む、請求項131に記載の方法。
【請求項135】
織物の製造方法であって、
物理的刺激にさらされたときに寸法変化をする材料で織物の第一の層を設けるステップと、
前記物理的刺激にさらされたときに実質的に寸法が一定している第二の層を、前記第一の層に固定するステップと
を含む、方法。
【請求項136】
前記物理的刺激を、水、および織物の温度変化のうちの1つであるように選択するステップをさらに含む、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記織物を通る複数の切開部を形成するステップをさらに含む、請求項135に記載の方法。
【請求項138】
前記複数の切開部を形成するステップが、前記切開部を非直線状に形成することを含む、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記第一の層および前記第二の層を、不織布材料であるように選択するステップをさらに含む、請求項135に記載の方法。
【請求項140】
織物の製造方法であって、
物理的刺激にさらされたときに寸法変化を示す材料を提供するステップと、
前記物理的刺激にさらされたときに実質的に寸法が一定している領域を形成するために、前記材料の一部を融解するステップと
を含む、方法。
【請求項141】
前記物理的刺激を、水、および前記織物の温度変化のうちの1つであるように選択するステップをさらに含む、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記第一の層および前記第二の層を不織材料であるように選択するステップをさらに含む、請求項140に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図24D】
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【図24E】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図28D】
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【図28E】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32A】
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【図32B】
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【図32C】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公表番号】特表2008−517183(P2008−517183A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537908(P2007−537908)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/035831
【国際公開番号】WO2006/044210
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(592228398)ナイキ・インコーポレーテッド (43)
【氏名又は名称原語表記】Nike Inc
【Fターム(参考)】