説明

改良されたアポダイゼーション関数を用いた分光測定における信号処理方法及び装置

改良されたアポダイゼーション関数を用いた信号分光測定のための方法及び装置が開示されている。この方法及び装置は、(i)サンプル及び基準時間領域波形を取得するステップと、(ii)サンプル及び基準アポダイゼーション波形を、サンプル及び基準時間領域波形に適用し、実質的に同じウェイトがサンプル及び基準時間領域波形の実質的に同じ延長を有する範囲に適用されるようにするステップと、(iii)時間領域からのサンプル及び基準アポダイゼーションのなされた波形を周波数領域に変換するステップと、(iv)変換されたサンプル・スペクトルと基準周波数スペクトルとの比率から信号分析のための基準となるスペクトル分析波形を発生するステップと、を含んでおり、スペクトル分析波形は、アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形の対応する実質的に同じ延長を有する範囲と関連する周波数を実質的に除外している。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
分光測定(spectrometry)では、インターフェログラム(干渉図形)又は自由誘導減衰は、分光計の励起方法によって生じる異なる信号成分からの原信号(raw signal)を含む。そのような励起は、結果的に、時間に対する振幅の関数である発振信号を生じる。時間領域におけるインターフェログラムの異なる範囲(regions)は、信号対雑音比を増加させる又は周波数領域におけるその対応するスペクトルの隣接するピークの間での分解能を増加させることができる。しかし、一方の増加は、典型的には、結果的に、他方のトレードオフを生じさせる。
【0002】
インターフェログラムはある有限時間まで測定することができるだけであるので、すべての実験的なインターフェログラムは有限である。フーリエ変換などの手法を用いて有限時間ベースのインターフェログラムを周波数領域に変換すると、結果的に得られるスペクトルは観測可能な「リンギング」を含み、これはギッブズ(Gibbs)現象と呼ばれることがある。このリンギングは、打ち切り誤差(truncation error)としても説明されるが、回避するのが好ましいのであって、その理由は、信号成分のスペクトル分析の邪魔になるからである。分光測定では、アポダイゼーション関数をインターフェログラム信号に適用することによって、結果的に生じる周波数スペクトルにおける望まないサイドローブを除去すると共に、ギッブズ現象リンギングを減少させるのに役立つ。
【0003】
図1は、いくつかの標準的なアポダイゼーション関数とそれに対応する波形とを図解している。標準的なアポダイゼーション関数には、バートレット(Barlett、三角形)5a、ブラックマン(Blackman)5b、コンヌ(Connes)5c、余弦5d、ガウシアン(Gaussian)5e、ハミング(Hamming)5f、ハニング(Hanning)5g、ユニフォーム(ボックスカー)5h、ウェルチ(Welch)5i、台形型5j、ノートン・ビア(Norton-Beer、強、中、弱)、ハップ・ゲンゼル(Happ-Genzel)、指数的減衰、ガウシアン減衰、及び、この技術分野の当業者に知られている他のシングル・サイド又はダブル・サイド・アポダイゼーション関数が含まれる。
【0004】
アポダイゼーション関数は、周波数領域への変換の前に、ウェイト・プロファイルをインターフェログラムに適用するのに用いられる。インターフェログラムの異なるセクションが異なる発振周波数を有する信号に対応するので、アポダイゼーション関数によって生じる対応するウェイト・プロファイルの形状は、ある周波数の信号を強化し、それ以外を減少させることができる。
【0005】
低周波信号は、形状においてガウシアン(ガウス型)である幅の広いスペクトル・ピークを有するものとして特徴付けられるのが典型的である。赤外分光測定では、そのような幅の広いスペクトル・ピークは、幅において、数百又は数千波数(wavenumbers)である。分光計の特性とある固体材料の分光測定の結果として得られる光学応答信号とを表す装置関数(instrument function)は、低周波信号を表す。
【0006】
中間周波数信号は、典型的には、ローレンツ・ガウス(Lorentzian-Gaussian)混合物の線形状に類似する中間的な幅のスペクトル・ピークを有するものとして特徴付けられる。赤外分光測定の場合には、そのような中間的な幅のピークは、幅が数十波数である。ほとんどの固体、液体及びいくつかの気体の赤外分光測定の結果として得られる光学応答信号は、中間的な周波数信号を表す。中間的な周波数信号は、また、例えば、薄膜又はコーティング干渉から生じるアーチファクトの形態で分光計の特性を表す装置関数と関連付けることができる。
【0007】
高周波信号は、幅の狭いローレンツ型ピークを有するものとして特徴付けられるのが典型的である。赤外分光測定の場合には、そのような幅の狭いピークは、数波数の幅か又はそれよりも狭い。これらの高周波信号は、気体の赤外分光測定の結果として得られる光学応答信号と関連付けられるのが典型的である。高周波成分から構成されるインターフェログラムに寄与するそれ以外の要素は、ランダム・ノイズである。
【0008】
標準的なアポダイゼーション関数は、連続的に減衰するウェイト・プロファイルを適用するのが典型的である。この連続的に減衰するウェイト・プロファイルでは、高いウェイトは低周波信号(例えば、低いインターフェログラム・ポイント数)に対応するインターフェログラム・ポイントに適用され、あるアポダイゼーション関数に対してはゼロまでのより低いウェイトが、高周波信号に対応する後者のインターフェログラム・ポイントに適用される。変換の後では、結果的に得られるスペクトルにおける幅の狭い高周波ピークの周囲の「リンギング」は、著しく削減が可能であり、システムにおけるランダム・ノイズが抑制される。
【0009】
アポダイゼーション関数の選択は、一般的に、信号周波数の分解能と打ち切り誤差又はアーチファクト・リンギングとの間のトレードオフとなる。相互に非常に近接する周波数は、インターフェログラム発振がそれらの周波数が相互に分離し始めるまで連続することを許容される場合には、分解することが可能である。換言すると、高い分解能を得るためには、高周波側で信号を完全に抑制する(すなわち、後者のインターフェログラム・ポイント数)アポダイゼーション関数が、幅の狭いピークを分解する能力を減少させる。
【0010】
従って、最も高い分解能を保持するのに用いられるのが典型的であるアポダイゼーション関数は、ボックスカー型のアポダイゼーション関数である。この関数は、インターフェログラムと時間減衰のほとんどの範囲で1の値とを乗算し、インターフェログラムの端部又はその付近ではゼロとを乗算することに等しい。ボックスカー型のアポダイゼーション関数は、その特定のシステムに対する最良の分解能を提供するが、周波数領域においては最悪のリンギングを提供する。逆に、余弦(コサイン)アポダイゼーション関数のような、インターフェログラムの端部においてゼロになるまで滑らかに減衰するアポダイゼーション関数は、最悪の分解能を提供するが、周波数領域においてはリンギングのよりよい除去を与える。
【0011】
標準的なアポダイゼーション関数に関する更なる情報については、Peter R. Griffiths and James A. de Haseth, Fourier Transform Infrared Spectrometry, Wyley Interscience (1986)を参照のこと(以後、「グリフィス他」と称する)。この書籍はその全体をこの出願で援用する。
【発明の概要】
【0012】
アポダイゼーション関数は、赤外分光測定など、多くの時間変動的な分光技術において用いられてきた。アポダイゼーション関数が用いられる赤外分光測定の1つのタイプは、自己基準型(Auto-Referenced)のフーリエ変換赤外(AR-FTIR)分光測定と称される。例えば、自己基準型の赤外分光測定は、化学物質の分析に用いられ、その場合、サンプルの光学的吸収度又は反射度に対応する自己基準型の周波数スペクトルが発生され、組成物である化学成分の非常に低い成分濃度の数量化に用いられる。
【0013】
自己基準型の赤外分光測定では、典型的には、サンプルの元のインターフェログラムを用い、次に、より低い分解能の別のインターフェログラムに再分解され(deresolved)、更に、低周波信号の除去のために用いられる。化学分析の場合には、元のインターフェログラムは、分光計からのサンプルの光学的吸収度又は反射率を表す。元の再分解された時間領域のインターフェログラムは、次に、フーリエ変換などの方法を用いて、対応する周波数領域の単一のビーム・スペクトルに変換される。一般的な数量化目的のため、再分解されたインターフェログラムのこの単一のビーム・スペクトルは背景信号として用いられ、元の分解能の単一ビーム・スペクトルはサンプル信号として用いられる。サンプル及び背景の単一ビーム・スペクトルは、次に、元の単一ビームの範囲に対する再分解された単一ビームの比率のログによって、自己基準型の周波数スペクトルに変換される。結果的に得られる自己基準型のスペクトルは、ランダム・ノイズと共に、元のスペクトルの低周波信号といくつかの中間周波数信号とを除去するが高周波信号は保持し、よって、装置のスペクトル情報に対するサンプルからのスペクトル情報への感度が改善される。
【0014】
そのような自己基準型の方法では、アポダイゼーション関数は、元の及び再分解されたスペクトルを発生するサンプルと再分解された時間領域インターフェログラムとに重み付けするのに用いられ、よって、自己基準型のスペクトルの所望のプロファイルが得られる(すなわち、高周波信号を保持して、低周波信号を除去又は減少させる)。既知のアポダイゼーション関数は、典型的には、連続的に減衰するウェイト・プロファイルを適用するのであるが、その場合、低周波信号に対応するインターフェログラム・ポイントに高いウェイトが適用され(例えば、低いインターフェログラム・ポイント数)、アポダイゼーション関数によってはゼロまでのより低いウェイトが、高周波信号に対応する後半のインターフェログラム・ポイントに適用される。
【0015】
しかし、既知のアポダイゼーション関数は、例えば、自己基準型のスペクトルにおける装置関数に起因して、元の及び再分解されたインターフェログラム信号に効果的に重み付けしてアーチファクトを除去することはない。そのような低周波及び中間周波数のアーチファクトは、結果的に得られる自己基準型のスペクトルの分析で困難を生じさせる。中間周波数信号は、装置の効果又はサンプルである化学物質の効果のいずれかによって生じることがあり、特に、装置の効果に起因するものは、標準的なアポダイゼーションの形状(例えば、三角形、ノートン・ビア、余弦など)を用いても除去することができない。例えば、化学的サンプルから結果的に得られる自己基準型の吸収度・反射率スペクトルでは、中間周波数信号は、組成物である化学物質の光学的応答信号に対応するより小さなサンプル吸収ピークの数量化に関係する干渉を生じる。また、そのような信号は、理論的でノイズフリーの基準を用いることを困難にし、結果的に、それぞれの装置に対する基準、何らかの形式の校正、又は、装置関数変換の必要性を生じさせる。
【0016】
図2は、化学的なサンプルに対して結果的に得られた自己基準型の吸収スペクトルに対する中間周波数の影響を図解している。この自己基準型の吸収スペクトル10は、高分解能の化学的ピークに重畳され数量化を妨げている中間周波数信号を含む。特に、中間周波数信号は3つの干渉フリンジ15a、15b、15cとして示されており、また、所望の化学的ピークが17において示されている。
【0017】
本発明は、信号処理において用い低周波及び中間周波数の装置背景及びアーチファクト信号を除去しないとしても実質的に削減する改善されたアポダイゼーション関数及び対応する波形である。特に、本発明によるアポダイゼーション関数の実施例の適用は、フーリエ変換赤外(FTIR)分光測定、FT近赤外(FTNIR)分光測定などを含む光学的吸収度データ分析などの信号分析のために自己基準型の方法を用いるときに、特に効果的である。
【0018】
そのような自己基準型の方法と組み合わせると、本発明の実施例では、生の元のスペクトルにおいてだけは高周波信号を保持しながら、元の及び再分解された周波数スペクトルを低周波及び中間周波数信号に対してより類似させるアポダイゼーション関数及び対応する波形を用いる。最終的な自己基準型の吸収スペクトルを計算するときには、再分解された信号ビーム背景スペクトルに対する高分解能単一ビーム・スペクトルの比率は、化学的に意味のある情報を主に保持し、この情報をより効率的に分析することを可能にする。
【0019】
このように、本発明の実施例は、特に超高純度ガスの場合に、また、赤外分光測定の場合に、低濃度成分の検出限度を延長し、組成物の分析の精度を向上させることができる。本発明の実施例は、また、装置の効果を全く含まずノイズのない理論的な基準のより効率的な利用を容易にすることができる。本発明の実施例は、また、装置に関係する信号が最終的なスペクトルの中に残っている場合に必要である装置に特有の更正転送方法に対する必要性を、全くゼロではないにしても、減少させることができる。
【0020】
特に自己基準型の方法の場合について数量化の問題が論じられるが、アポダイゼーション関数とその対応する波形の実施例は、データ取得の通常の方法に対しても適用可能である。特に、赤外分光測定は、自己基準型の背景が用いられるかどうかとか関係なく、このアポダイゼーション方法から利益を受ける。アポダイゼーション関数及び対応する波形の実施例は、リンギングと分解能との間のよいトレードオフを提供すると同時に、装置関数を除去して化学的数量化を向上させる。この方法は、また、核磁気共鳴(NMR)など他の時間的発振方法にも適用可能であり、特に、時間領域信号を信号対雑音比の分解能への引き替えを必要とする周波数領域信号に関連させるフーリエ変換などの方法を必要とするソリッドステートFT−NMRに適用可能である。アポダイゼーション関数及び対応する波形の実施例は、また、FT赤外分光測定に適用される通常の分析方法など数量化のためにフラットなベースラインに依存する他の分光法でも用いることができる。
【0021】
ある1つの実施例によると、分光測定(spectrometry)において用いられる信号処理方法であって、(i)サンプル信号のサンプル時間領域波形と基準信号の基準時間領域波形とを取得するステップと、(ii)前記サンプル時間領域波形に適用するサンプル・アポダイゼーション波形と前記基準時間領域波形に適用する基準アポダイゼーション波形とを提供するステップであって、前記アポダイゼーション波形はそれぞれが第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントと前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントとは実質的に同じ長さの延長を有し(coextensive in length)実質的に同じウェイト・プロファイルを有し、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形のそれぞれの前記第2のセグメントは減衰型のウェイト・プロファイルを有する、ステップと、(iii)前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形を前記サンプル及び基準時間領域波形に適用するステップであって、実質的に同じウェイトが前記アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントによって前記サンプル及び基準時間領域波形の対応する実質的に同じ延長を有する範囲(region)に適用され、結果的にアポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を生じる、ステップと、(iv)前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を対応するサンプル及び基準周波数領域スペクトル波形に変換するステップと、(v)基準となる(referenced)スペクトル分析波形を、前記基準スペクトル波形に対する前記サンプル・スペクトル波形の比率として発生するステップであって、前記スペクトル分析波形は、前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形の対応する同じ延長を有する範囲と関連する周波数を実質的に除外している、ステップと、を含む方法及び装置が開示される。
【0022】
特定の実施例によると、本発明の方法及び装置は、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントに、実質的に一定の大きさである同じウェイト・プロファイルを提供するステップを更に含む。
【0023】
特定の実施例によると、本発明の方法及び装置は、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントに、変化する大きさを有する同じウェイト・プロファイルを提供するステップを更に含む。
【0024】
特定の実施例によると、本発明による方法及び装置は、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントに、前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントの長さよりも短い長さを提供する及びその逆を提供するステップを更に含む。
【0025】
特定の実施例によると、本発明による方法及び装置は、前記アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントは、余弦、バーレット(Barlett)、ブラックマン(Blackman)、コンヌ(Connes)、ガウシアン(Gaussian)、ローレンシアン(Lorentzian)、ハミング(Hamming)、ノートン・ビア(Norton-Beer)、ハニング(Hanning)又はウェルチ(Welch)波形を含む。この技術分野の当業者に既知である他のアポダイゼーション波形も用いることができる。
【0026】
特定の実施例によると、本発明による方法及び装置は、(i)前記サンプル時間領域波形に適用されるときに、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントに、第1の減衰速度を有するウェイト・プロファイルを提供するステップと、(ii)前記基準時間領域波形に適用されるときに、前記基準アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントに、前記第1の減衰速度とは異なる第2の減衰速度を有するウェイト・プロファイルを提供するステップと、を更に含む。
【0027】
特定の実施例によると、本発明による方法及び装置は、(i)前記サンプル時間領域波形に適用されるときに、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントに、第1のウェイト・プロファイルを提供するステップと、(ii)前記基準時間領域波形に適用されるときに、前記基準アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントに、前記ウェイト・プロファイルとは異なる第2のウェイト・プロファイルを提供するステップと、を更に含む。
【0028】
特定の実施例によると、本発明による方法及び装置では、前記サンプル時間領域波形と前記基準時間領域波形とは1又は複数の化学物質の光学応答信号を表し、前記基準となるスペクトル分析波形は前記1又は複数の化学物質の吸光度(optical absorbance)又は反射スペクトルを表す。
【0029】
特定の実施例によると、本発明による方法及び装置では、前記サンプル及び基準時間領域波形の対応する同じ延長を有する範囲への実質的に同じウェイトの適用の結果として、スペクトル分析波形からの前記1又は複数の化学物質の光学的応答信号と実質的に無関係の周波数の除外が生じる。
【0030】
特定の実施例によると、本発明による方法及び装置では、フーリエ変換分光測定装置を用いて前記サンプル時間領域波形を取得するステップを更に含む。フーリエ変換分光測定装置は、フーリエ変換赤外分光測定(FTIR)装置でありうる。
【0031】
他の実施例によると、自己基準型の信号分光測定(auto referenced signal spectrometry)において用いられる信号処理方法及び装置であって、(i)サンプル信号のサンプル時間領域波形を取得するステップと、(ii)前記サンプル時間領域波形から基準時間領域波形を発生するステップと、(iii)前記サンプル時間領域波形に適用するサンプル・アポダイゼーション波形と前記基準時間領域波形に適用する基準アポダイゼーション波形とを提供するステップであって、前記アポダイゼーション波形はそれぞれが第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントと前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントとは実質的に同じ長さの延長を有し実質的に同じウェイト・プロファイルを有し、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形のそれぞれの前記第2のセグメントは減衰型のウェイト・プロファイルを有する、ステップと、(iv)前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形を前記サンプル及び基準時間領域波形に適用するステップであって、実質的に同じウェイトが前記アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントによって前記サンプル及び基準時間領域波形の対応する実質的に同じ延長を有する範囲に適用され、結果的にアポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を生じる、ステップと、(v)前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を対応するサンプル及び基準周波数領域スペクトル波形に変換するステップと、(vi)自己基準型のスペクトル分析波形を、前記基準スペクトル波形に対する前記サンプル・スペクトル波形の比率として発生するステップであって、前記自己基準型のスペクトル分析波形は、前記アポダイゼーションのなされたサンプル時間領域波形の前記第1の範囲から発生される周波数を実質的に除外している、ステップと、を含む方法及び装置が提供される。
【0032】
別の実施例によると、分光測定において用いられる信号処理方法及び装置であって、(i)サンプル信号からサンプル時間領域波形を取得するステップと、(ii)前記サンプル時間領域波形に適用するアポダイゼーション波形を提供するステップであって、前記アポダイゼーション波形は第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記第1のセグメントは実質的に一定のウェイト・プロファイルを有し、前記第2のセグメントは実質的に非線形の減衰型ウェイト・プロファイルを有する、ステップと、(iii)前記アポダイゼーション波形を前記サンプル時間領域波形に適用し、結果的にアポダイゼーションのなされた時間領域波形を生じる、ステップと、(iv)前記アポダイゼーションのなされたサンプル時間領域波形を対応する周波数領域スペクトル波形に変換するステップと、(v)前記サンプル時間領域波形からのランダム・ノイズと打ち切り誤差とに関連する周波数とアーチファクトとを実質的に除外するスペクトル分析波形を発生するステップと、を含む方法及び装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の上述した及びそれ以外の目的、特徴及び効果は、添付の図面に図解されている本発明の好適実施例のより特定の説明から明らかになるはずである。なお、添付の図面では、同じ構成要素に対しては異なる図面においても同一の参照符号が付されている。これらの図面は必ずしも寸法通りではなく、その代わりに、本発明の原理を図解することに重点がおかれている。
【0034】
プロセッサ又はそれ以外の計算装置によって実行され、赤外分光測定などの信号処理において用いられるアポダイゼーション波形を発生することができる改良されたアポダイゼーション関数が提供される。本発明によると、このアポダイゼーション波形は、複数の連続したセグメントを含み、それぞれのセグメントは異なるウェイト・プロファイルに対応する。ある1つの実施例によると、このアポダイゼーション関数は、連続した2以上の構成要素であるアポダイゼーション関数の和であって、波形のそれぞれのセグメントが構成要素であるアポダイゼーション関数の中の1つのウェイト・プロファイルを有するようなアポダイゼーション波形を生じることができる。これらの2以上の構成要素であるアポダイゼーション関数は、特定の応用例に応じて選択が可能である。
【0035】
例えば、図3Aは、ある1つの実施例によるアポダイゼーション関数に対応するアポダイゼーション波形を図解している。この実施例では、アポダイゼーション関数は、単位乗算器とアポダイゼーション波形20を発生する余弦関数との直列和である。アポダイゼーション波形20は、一定の大きさ(例えば、大きさ=1)を有する一様(uniform)セグメント22と非線形減衰セグメント24とを含む。一様セグメント22は、低いインターフェログラム・ポイント数26の範囲にわたって適用されるのであるが、ダンプニング(減衰)なしで拡大された周期の間のインターフェログラム信号の発振を可能にする。従って、アポダイゼーションされたインターフェログラムを周波数領域に変換する際には、結果的に得られるスペクトルは、より高品質の分解能を有することになる。対照的に、より高いインターフェログラム・ポイント数28の範囲で適用される非線形減衰セグメント24は、インターフェログラム信号をゼロに向かってダンプさせ、結果的に、周波数領域における打ち切り誤差とアーチファクト・リンギングとを減少させる。このように、本発明によるアポダイゼーション関数と対応する波形とのこのような実施例は、分解能とリンギングとのトレードオフを改善させる。
【0036】
図3Bは、ある1つの実施例によるダブルサイド型のインターフェログラムと共に用いられるアポダイゼーション関数に対応するアポダイゼーション波形を図解している。この実施例では、アポダイゼーション波形30は、一様セグメント32と、一様セグメント32の両端から下向きに延長する減衰セグメント34a及び34bとを含む。
【0037】
別の実施例では、アポダイゼーション波形の第2のセグメントは、図1に図解されている又はこの技術分野の当業者に既知である他のアポダイゼーション波形など、既知のアポダイゼーション波形の任意のものに対応する減衰ウェイト・プロファイルを有することができる。
【0038】
アポダイゼーション関数及び対応する波形の実施例は、多くの他の時間変動型分光手法において用いることができる。このような手法は、限定を意味しないが、フーリエ変換赤外(FTIR)分光測定や、自己基準型(auto-referenced)のフーリエ変換赤外(AR−FTIR)分光測定を含む。
【0039】
自己基準型のフーリエ変換赤外(AR−FTIR)分光測定は、サンプル・インターフェログラムと当該サンプル・インターフェログラムから導かれた再分解インターフェログラムとが用いられ自己基準型の周波数スペクトルを発生する信号分析方法である。この自己基準型の周波数スペクトルでは、再分解されたスペクトルとサンプル・スペクトルとに共通する低周波信号が効率的に除去されており、分析に関係する周波数だけが実質的に残るようになっている。
【0040】
本発明は、このようなAR−FTIR方法の精度を向上させる。例えば、特定の実施例では、アポダイゼーション関数及び対応する波形によって、実質的に同じウェイト・プロファイルが、元の及び再分解された吸収スペクトルの低周波及び中間周波数信号を発生する元のサンプル・インターフェログラムと再分解されたインターフェログラムとの範囲に適用されることが可能になる。従って、これらの希望しない信号を、結果的に得られる自己基準型のスペクトルから効率的に除去することができ、高周波信号の数量化をより容易にしている。
【0041】
換言すると、自己基準型のスペクトルからの低周波及び中間周波数信号の除去は、(i)アポダイゼーション関数からの実質的に同じウェイトを、除去されるべき信号を含む元のインターフェログラムと再分解されたインターフェログラムとの範囲に適用し(すなわち、当初のインターフェログラム・ポイントは装置関数信号を含むのが典型的である)、(ii)分析に関係する信号を表すのが典型的である高周波信号を含むインターフェログラムの範囲に、異なるウェイトを適用することによって、生じる。
【0042】
図4は、ある1つの実施例によるアポダイゼーション波形を用いる自己基準型の分光測定において用いられる信号分析の方法を図解している流れ図である。ステップ40では、元のインターフェログラムと所定の量に従って再分解された同じインターフェログラムとが得られる。元のインターフェログラムは、例えばフーリエ変換赤外(FTIR)分光計から得られたサンプルとなる時間領域波形の形式を有する元の測定された信号である。元のインターフェログラムは、また、理論的なサンプルに対するインターフェログラムの計算を通じても発生可能である。基準として機能する再分解されたインターフェログラムは、元のインターフェログラムのコピーされた又は打ち切られた範囲を含み、所定の再分解された値に対応する第1のインターフェログラム・ポイントのわずかなパーセンテージだけを保持する(例えば、再分解は、元の分解能の値の4から16倍であるのが典型的である)。
【0043】
ステップ45では、サンプル・アポダイゼーション波形が元のインターフェログラムに適用され、基準アポダイゼーション波形が再分解されたインターフェログラムに適用される。ある1つの実施例によると、アポダイゼーション波形のそれぞれは第1のセグメントと第2のセグメントとを含む。サンプル・アポダイゼーション波形の第1のセグメントは、基準アポダイゼーション波形の第1のセグメントと長さが実質的に同じ延長を有し、実質的に同じウェイト・プロファイルを有する。しかし、サンプル・アポダイゼーション波形よりも長さが短い基準アポダイゼーション波形の第1のセグメントを、及びその逆のものを、提供するすることに意味がある場合もありうる。
【0044】
アポダイゼーション波形のそれぞれの第2のセグメントは、減衰ウェイト・プロファイルを有する。おそらくは、サンプル・アポダイゼーション波形の第2のセグメントは、基準アポダイゼーション波形の第2のセグメントの減衰速度とは異なる減衰速度を有している。
【0045】
サンプル及び基準アポダイゼーション波形はそれぞれのインターフェログラムに適用され、実質的に同じウェイトが、アポダイゼーション波形の第1のセグメントによって、サンプル及び再分解されたインターフェログラムの対応する同じ延長を有する範囲に提供される。異なるウェイトがこれらの波形の第2の範囲に適用され、その結果として、元の及び再分解されアポダイゼーションがなされた波形が生じる。
【0046】
好ましくは、アポダイゼーション波形は、実質的に同じウェイトを、低周波及び中間的な周波数の信号を含む元の及び再分解されたインターフェログラムの範囲に提供する(すなわち、より早期のインターフェログラム・ポイント)。典型的には、これらの範囲は、インターフェログラムの低いポイント数を含む。従って、低周波及び中間的な周波数の信号は、自己基準型スペクトルにおいて著しく削減され、高周波のサンプルに関係する信号だけが残ることになる。
【0047】
第1のセグメントの長さは、不所望の信号の除去を最適化するように、そして、可能性のある最高の分解能を保持するように調整することができる。例えば、第1のセグメントの長さは、除去されるべきアプローチ信号の周波数と数量化されるべき化学的信号の周波数及び最終分解能とに依存する。典型的な値は、全体的なインターフェログラムの長さの数パーセントであり、これは、ベースラインを除去するのに必要な再分解(deresolution)の範囲と原信号からの他の装置アプローチとに応じて、打ち切られたインターフェログラムの長さのパーセントの数十倍に対応する。
【0048】
特定の実施例によると、アポダイゼーション波形の第1のセグメントのウェイト・プロファイルは、一定の大きさである必要はない。むしろ、アポダイゼーションの第1のセグメントは、変動する大きさを有しながら同様に機能することが可能である。
【0049】
ステップ50では、元の及び再分解されアポダイゼーションのなされた波形は、時間領域から周波数領域に変換され、結果的に、サンプル・スペクトル波形と再分解されたスペクトル波形とを生じる。例えば、インターフェログラムにおける適切な数のポイントを用いて(すなわち、2の整数乗)、高速フーリエ変換(FFT)を元の波形と再分解されアポダイゼーションのなされた波形との両方に適用して、サンプル及び再分解された単一ビーム・スペクトルが取得される。単一ビーム・スペクトルは、波数による周波数の関数としてのする検出器信号である。高速フーリエ変換分析に関する更なる情報については、グリフィス他による書籍を参照のこと。
【0050】
ステップ55では、信号分析のための自己基準型スペクトル波形が、再分解されたスペクトル波形に対するサンプル・スペクトル波形の比率を計算することによって、発生される。特に、自己基準型吸収スペクトルは、元の分解能で取得された単一ビーム・スペクトルと背景スペクトルとして用いられたより低い分解能に再分解された同じスペクトルとの比率を取り、逆の比率の対数を取ることによって、計算される。
【0051】
結果として得られる自己基準型吸収スペクトルは、ほぼすべての高周波信号(元のスペクトルに存在するが、再分解さた背景スペクトルでは完全に除去されているから)を含み、低周波又は中間的な周波数の信号は実質的に含まない(両方のスペクトルに含まれていたが、効果的に除去されたから)。結果的に、装置関数は、典型的には低周波及び中間的な周波数の信号であるのだが、効果的に除去することができ、他方で、高い分解能の化学的信号は維持される。用いられるアポダイゼーション関数がインターフェログラムの後半部分における信号を抑制するので、ランダムノイズ信号もまた抑制される。このアプローチによって、非常に小さな吸収ピークの測定が可能になり、結果的に、ある特定の実施例における非常に低い気体濃度が実現される。
【0052】
標準的なフーリエ変換赤外分光測定(FTIR)はAR−FTIRと実質的に同一であるが、ただし、背景又は基準信号は元のインターフェログラムのサンプル信号と同一ではない。例えば、化学的分析のためのFTIR分光測定の場合には、元のインターフェログラムは分析対象であるサンプルの光学的な吸収/反射信号を含み、他方で、基準インターフェログラムは分析対象であるサンプルとは異なる構成化学組成を有する所定の既知のサンプル(例えば、窒素)の光学的な吸収/反射信号を含む。
【0053】
図5は、ある1つの実施例による光学的気体吸収分析のための分析器を含むシステムの図解である。このシステムの特定の実施例は、米国マサチューセッツ州ウィルミントン(Wilmington)所在のMKSインスツルメンツ(MKS Instruments)社から市販されているマルチガス純度アナライザ(MultiGasTM Purity Analyzer)のまだ発表されていないバージョンに含まれており、このアナライザ(分析器)は、NH、NF及び水素など高純度気体におけるPPB(part par billion)汚染レベルでのリアルタイム・トレース不純物検出を提供する。
【0054】
この実施例では、このシステムは、フーリエ変換赤外(FTIR)分光計72を含む。この分光計は、IR光源74からの赤外(IR)ビームと気体源76からの分析対象である気体とを入力として受け取る。IR検出器78が、時間領域における気体のIR吸収特性を表すインターフェログラム(図示せず)を検出し出力する。特に、このインターフェログラムを含むデータが、図4の方法を実現するプロセッサ82を含む分析器80に送られる。この分析器及び/又はプロセッサは、FTIRシステムに内蔵されている場合も外部にある場合もありうる。
【0055】
図6Aは、ある1つの実施例による元のインターフェログラムの図である。特に、この図は、0から3000までの低いポイント数における元のインターフェログラム100の詳細な図解である。実際のインターフェログラムは、実際には、所望の限度を表す任意の数まで延長する可能性がある。中央バースト(すなわち、最大の信号の位置)は、この例ではほぼポイント数1000の位置にあり、装置関数(instrument function)を含むたたみ込まれた(convoluted)信号のすべての最大信号を表す時間減衰インターフェログラムの始点に対応する。低周波信号は最も速く減衰し、中間的及び高周波信号は中央バーストの両側において更に延長している。この例は特に赤外分光計に属するインターフェログラムのためのものであるが、全体的な情報は、FTIRの例において説明されるものなどダブルサイド型のインターフェログラムを含まない他の時間変動型の実験にも適用される。シングルサイド型のインターフェログラムよりもいくぶん多く収集する分光計からのインターフェログラムの一般的な分析は、上述したグリフス他による書籍に詳細に説明されている。
【0056】
再分解された(deresolved)インターフェログラム120は、基準又は背景時間領域波形として機能するのであるが、元のインターフェログラムを打ち切りより低い分解能のスペクトルを得ることによって取得される。例えば、元のインターフェログラムがn個のシングルサイド型のポイント(すなわち、中央バースト110の右側のポイント)を有するのであれば、再分解されたインターフェログラムは、元のインターフェログラムの(x/n)個の第1のデータポイントを含む。なお、ここで、xは一般的に、元の信号よりも4倍から16倍だけ分解能の低い数である。
【0057】
図6Bは、ある1つの実施例に従って、図3のアポダイゼーション波形を元の及び再分解されたインターフェログラムに適用した様子を示す図である。この実施例では、アポダイゼーション波形120a及び120bは、一定の大きさと余弦の形状を有する減衰セグメント124a及び124bとを有する一様セグメント122で構成される形状を有する。打ち切られ再分解されたインターフェログラムが元のインターフェログラムよりも長さが短い場合でも、一様のセグメント122は、全く同一のウェイトを、これらの時間領域波形の低いポイント数の範囲に適用する。
【0058】
このように、これらのアポダイゼーションのなされた波形が周波数領域に変換されると、結果的に、自己基準型の吸収スペクトルからそれ以後は除去される低周波及び中間周波数信号を捕捉する元の及び再分解されたインターフェログラムに対応する吸収スペクトルが生じるが、これは、元の及び再分解された単一ビーム・スペクトルの比率から計算される。
【0059】
アポダイゼーションの減衰セグメント124a及び124bは、異なるウェイトを、元の及び再分解された時間領域波形の後半の範囲に適用し、これらの波形は、高周波信号を含む。特に、アポダイゼーション波形124aの減衰セグメントは、一様セグメントの一定の大きさからゼロまで減衰するウェイトを適用する(又は、他のアポダイゼーション関数の形状を用いるときには他の値を適用する可能性もある)。逆に、減衰セグメント124bは、後半の範囲には延長せず、従ってゼロのウェイトを適用する。このようにして、これらのアポダイゼーションのなされた波形が周波数領域に変換されるときには、結果的に得られる吸収スペクトルは高周波信号を捕捉する元のインターフェログラムに対応するが、再分解され変換されたスペクトルはそのようなことはない。従って、自己基準型のスペクトルは、低周波及び中間的周波数の信号からの干渉なしに高周波信号に対応するデータを含む。
【0060】
アポダイゼーション関数に加えて、メルツ(Mertz)関数など他のフィルタ又は重み付け関数を、追加的にインターフェログラムに適用することができる。すべてのアポダイゼーション及びそれ以外のフィルタ及び関数の正味の影響が考慮されており、この技術分野の当業者であればアポダイゼーション関数に先行する又はその後でのフィルタの適用がここでの議論の範囲内にあることを理解するはずである。
【0061】
対照的に、図7は、元の及び打ち切られたインターフェログラムに適用された既知の三角形のアポダイゼーション波形を図解している図面である。同じアポダイゼーション関数の形状130及び132が、元のインターフェログラム100と打ち切られたインターフェログラム120との両方に適用される。しかし、両方のインターフェログラムは異なる長さを有しているので、異なる有効ウェイトが実際には同じインターフェログラム・ポイント数に適用される。このアポダイゼーションのなされた波形は、低周波及び中間的周波数の信号を含むインターフェログラムの範囲に同じウェイトを適用することはなく、従って、最終的な自己基準型の吸収スペクトルから中間的周波数信号を効果的に除去することはない。
【0062】
図6C及び6Dは、ある1つの実施例により、周波数領域に変換された元の及び再分解されたアポダイゼーションのなされたインターフェログラムに対応する単一ビーム信号を図解している。単一ビーム信号は、高速フーリエ変換(FFT)を用いてアポダイゼーションのなされたインターフェログラムを処理した後で得られる波数に対する強度又はエネルギを表す。低周波又は幅の広い信号は装置関数であり、中間的周波数で中間的な幅のピークは装置信号からの化学的信号又はアーチファクト(例えば、薄膜干渉)であり、高周波又は幅の狭いピークは化学的信号である。打ち切られたインターフェログラム(図6C)から得られた再分解された単一ビーム・スペクトルは、元の単一ビーム・スペクトル(図6D)よりも「滑らか」であり、低周波及び中間的周波数の信号を含むが、高周波信号は含まない。
【0063】
特に、元の及び再分解された単一ビーム・スペクトル140及び142は、それぞれが、分光計の装置関数に起因する幅の広い全体的形状を有する低周波信号144を含む。元の及び再分解されたスペクトルは、また、化学的信号か又は薄膜干渉に起因するアーチファクト装置信号かのいずれかである中間的周波数の信号146を含む。対照的に、元の単一ビーム・スペクトル140は、追加的に、高周波信号148又は化学的信号に対応する幅の狭いピークを含む。
【0064】
図6Eは、ある1つの実施例による、元の及び再分解された単一ビーム・スペクトルの重複部分の詳細を図解している図面である。この図は、再分解された単一ビーム・スペクトル142の低周波及び高周波信号144及び146は元の吸収スペクトル140の低周波及び中間的周波数の信号144及び146に類似していることを図解している。従って、2つの単一ビーム・スペクトルの比率を考慮すると、結果的に、自己基準型のスペクトルにおける低周波及び中間的周波数の信号の除去が生じるが、図6Fに示されているように、吸収度に変換された高周波信号は維持される。
【0065】
図6Fは、ある1つの実施例による、最終的な自己基準型の吸収スペクトル(波数に対する吸収度)の例を図解している。示されているように、高周波で幅の狭い吸収ピーク150だけが、スペクトルに残っている。
【0066】
図6G−6Iは、実験的な自己基準型の吸収スペクトルに関する最適化されたアポダイゼーション関数の実施例の有効性の例を図解している。図6Gの自己基準型スペクトルは、標準アポダイゼーション関数を用いて発生される。示されているように、装置に関係するアーチファクト媒体周波数信号(すなわち、干渉フリンジ160a、160b、160c)は幅の狭い高周波の化学的信号ピーク165とのたたみ込みがなされ、従って、分析を困難にする。
【0067】
対照的に、図6Hの自己基準型スペクトルはアポダイゼーション波形を用いて発生されるのであるが、このアポダイゼーション波形は一様セグメントと余弦セグメントとの組合せである。図6Hに示されているように、干渉フリンジは、結果的に得られる自己基準型の吸収スペクトルから除去され、高周波で幅の狭い化学的ピーク167を数量化する際の精度向上が可能になる。従って、すべての装置アーチファクト信号は、改良されたアポダイゼーションのためにより効果的に減少され、化学的な信号の減少は最小限であり、サンプルの分析はより低い検出限度を生じることができ、よりよい精度を有し、装置に特有の較正や方法変換を必要とせずに、理論的でノイズフリーの基準を用いて実行することができる。
【0068】
検出限度と精度とサンプルの第1のセグメントの長さとを最適化するため、基準又は両方のアポダイゼーション波形を調整することができる。
【0069】
特定の実施例によると、第1のセグメント(例えば、一様セグメント)の長さは、以下の基準の中の1又は複数を組合せに応じて自動的に調整することができる。すなわち、(i)分析される対象となる化学的不純物の識別(同定)と、(ii)用いられている分光計に関連する装置関数及び周波数と、(iii)対象となる化学的不純物の光学的応答信号と無関係の周波数の識別と、である。例えば、アポダイゼーション波形の第1のセグメントの長さは、装置関数と関連する周波数及び無関係の周波数と対応する信号を含むサンプル及び基準インターフェログラムの範囲に延長するように発生させることができる。そのような自動的調整は、例えばルックアップテーブル又はそれ以外のI/O関数を用いて実行することができる。
【0070】
特定の実施例によると、一様セグメントの長さは、また、分析器82へのユーザ・インターフェース(図示せず)又は分析器のソフトウェア実装を介して手動で行うこともできる。この分析器では、アポダイゼーション波形の第1のセグメントの長さをエンド・ユーザが特定する。手動の設定では、ユーザは、様々な設定を実験することにより、アポダイゼーション波形を発生させる。このアポダイゼーション波形は、結果的に得られる基準となるスペクトルにおいて最強の化学的ピークを提供し、対象となる信号と無関係な周波数及びアーチファクトからの干渉は制限されている。
【0071】
例えば、図6Iは、アポダイゼーション波形の第1のセグメントの長さの変動が基準となるスペクトルにどのような影響を与えるかを反映させる5つの例を図解する信号ダイアグラムである。これらの例では、それぞれのアポダイゼーション波形は、一定の大きさを有する第1のセグメントと、減衰する余弦波形の形状を有する第2のセグメントとを有する。それぞれのアポダイゼーション波形の間の唯一の差異は、第1のセグメントの長さである。特に、長さが最短である第1のセグメントを有するアポダイゼーション波形は、化学的な信号ピーク212が最強であるがより多くの干渉を含む結果的に得られる基準となるスペクトル210に対応する。逆に、最大の長さを有する第1のセグメントを有するアポダイゼーション波形は、化学的な信号ピーク252はより弱いが干渉がより少ない結果的に得られる基準となるスペクトル250に対応する。2つの上述した例の間の長さを有する第1のセグメントを有するアポダイゼーション波形は、化学的信号ピーク242は強く干渉の量が効果的に削減されている、より最適な基準スペクトル240を提供する。他の実施例では、図5のシステムは、液体、固体、気体及びそれ以外の中間的な相を有する材料に対する光学的吸収分析のための自己基準型スペクトルを発生する分析器を含むことがありうる。この実施例では、低周波及び中間的な周波数の信号に対する影響が、サンプル関数への感度が失われないように、調整される。更に別の実施例では、FTIRの代わりに、限定を意味しないが、核磁気共鳴、FT近赤外分光計、FTラマン分光計など、それ以外の時間変動型の装置を用いる。
【0072】
上述の手法は、デジタル電子回路、コンピュータ・ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せにおいて実装することができる。この実装は、電子的性質を有さないが同じフィルタリングの結果を生じる別の形態でも可能である。この実装は、コンピュータ・プログラム製品でもありうる。すなわち、情報媒体において有体物として実現されたコンピュータ・プログラムである。情報媒体とは、例えば、機械可読の記憶装置や伝送信号であり、これは、プログラマブルなプロセッサやコンピュータや複数のコンピュータであるデータ処理装置によって実行され、又は、その動作を制御される。
【0073】
コンピュータ・プログラムは、任意の形態のプログラミング言語で書くことが可能であり、コンパイルされた又は解釈された言語を含み、スタンドアロンのプログラムや、モジュール、コンポーネント、サブルーチン又は計算環境において用いられるのに適した他のユニットを含む任意の形態でもかまわない。コンピュータ・プログラムは、1つの場所又は複数の場所に存在し通信ネットワークによって相互接続された分散形態での1つ又は複数のコンピュータで実行することが可能である。
【0074】
方法のステップは、入力データに対して動作し出力を発生することによってコンピュータ・プログラムを実行して本発明の機能を実現することで実行することができる。方法ステップは、更に、例えばFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)やASIC(アプリケーション・スペシフィック集積回路)など特定用途向けの論理回路によって実行可能である。装置をそのような論理回路として実現することも可能である。モジュールは、その機能を実現するコンピュータ及び/又はプロセッサ/特別の回路の一部に相当することができる。
【0075】
コンピュータ・プログラムの実行に適したプロセッサは、例えば、汎用の及び専用のマイクロプロセッサと、任意の種類のデジタル・コンピュータの任意の1又は複数のプロセッサとを含む。一般的に、プロセッサは、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受け取る。コンピュータの本質的な要素は、命令を実行するプロセッサと、命令及びデータを記憶する1又は複数のメモリ装置とである。一般的に、コンピュータは、磁気、磁気光学ディスク又は光学ディスクなどデータを記憶する1又は複数の大容量記憶装置を含む。あるいは、それらの大容量記憶装置との間でデータの送受信をするように結合されている。
【0076】
コンピュータ・プログラムの命令及びデータを実現するのに適した情報媒体には、例えばEPROM、EEPROM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、内蔵ハードディスクや取外し可能なディスクなどの磁気ディスク、CDROMやDVDROMディスクなどの磁気光学ディスクを含むあらゆる不揮発性メモリの形態を取りうる。プロセッサ及びメモリは、特定用途向けの論理回路によって補助されることがあるし、そのような論理回路の中に組み込まれていることもありうる。
【0077】
この出願で用いられている「モジュール」及び「関数」の用語は、限定を意味するのではないが、あるタスクを実行するソフトウェア又はハードウェア・コンポーネントを意味する。モジュールは、アドレシング可能な記憶媒体に常駐するように構成することが可能であるし、1又は複数のプロセッサを実行するように構成することも可能である。モジュールは、汎用の集積回路、FPGA又はASICを用いて全体を又は部分的に実行することもできる。従って、モジュールは、例えば、コンポーネント、ソフトウェア・コンポーネント、オブジェクト指向ソフトウェア・コンポーネント、クラス・コンポーネント及びタスク・コンポーネント、プロセス、関数、アトリビュート、プロシージャ、サブルーチン、プログラム・コードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、変数などを含む。コンポーネント及びモジュールにおいて提供される機能は、より数の少ないコンポーネント及びモジュールの中に組み合わせることが可能であり、追加的なコンポーネント及びモジュールの中に分離することも可能である。
【0078】
以上で本発明を好適実施例を参照して説明してきたが、この技術分野の当業者であれば、冒頭の特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において様々な変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1A及び図1Bの位置関係を示す図である。
【図1A】標準的なアポダイゼーション関数及び対応する波形の図解である。
【図1B】標準的なアポダイゼーション関数及び対応する波形の図解の続きである。
【図2】結果的に得られる自己基準型吸収スペクトルへの中間的分解能信号の影響を図解している。
【図3A】ある実施例によるアポダイゼーション関数に対応するアポダイゼーション波形の図解である。
【図3B】ある実施例によるダブルサイド型のインターフェログラムと共に用いられるアポダイゼーション関数に対応するアポダイゼーション波形の図解である。
【図4】ある実施例による自己基準型分光測定において用いられる信号分析方法を図解する流れ図である。
【図5】ある実施例による光学的気体吸収度分析のための分析器を含むシステムの図解である。
【図6A】ある実施例による元のインターフェログラムの図である。
【図6B】ある実施例による元のインターフェログラムと再分解された又は打ち切られたインターフェログラムとに図3のアポダイゼーション波形を適用した場合の図解である。
【図6C】ある実施例による、周波数領域に変換された元のインターフェログラムと再分解されアポダイゼーションがなされたインターフェログラムとに対応する単一ビーム信号の図解である。
【図6D】ある実施例による、周波数領域に変換された元のインターフェログラムと再分解されアポダイゼーションがなされたインターフェログラムとに対応する単一ビーム信号の図解である。
【図6E】ある実施例による元の及び再分解された単一ビーム・スペクトルの重複する部分に関する詳細な図解である。
【図6F】ある実施例による最終的な自己基準型吸収度スペクトル(波数に対する吸収度)の例の図解である。
【図6G】実験的な自己基準型吸収度スペクトルに対する最適化されたアポダイゼーション関数の実施例の有効性に関する例の図解である。
【図6H】実験的な自己基準型吸収度スペクトルに対する最適化されたアポダイゼーション関数の実施例の有効性に関する例の図解である。
【図6I】実験的な自己基準型吸収度スペクトルに対する最適化されたアポダイゼーション関数の実施例の有効性に関する例の図解である。
【図7】元のインターフェログラムと打ち切られたインターフェログラムとに適用されている既知の三角形のアポダイゼーション波形の図解である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分光測定(spectrometry)において用いられる信号処理方法であって、
サンプル信号のサンプル時間領域波形と基準信号の基準時間領域波形とを取得するステップと、
前記サンプル時間領域波形に適用するサンプル・アポダイゼーション波形と前記基準時間領域波形に適用する基準アポダイゼーション波形とを提供するステップであって、前記アポダイゼーション波形はそれぞれが第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントと前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントとは実質的に同じ長さの延長を有し(coextensive in length)実質的に同じウェイト・プロファイルを有し、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形のそれぞれの前記第2のセグメントは減衰型のウェイト・プロファイルを有する、ステップと、
前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形を前記サンプル及び基準時間領域波形に適用するステップであって、実質的に同じウェイトが前記アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントによって前記サンプル及び基準時間領域波形の対応する実質的に同じ延長を有する範囲に適用され、結果的にアポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を生じる、ステップと、
前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を対応するサンプル及び基準周波数領域スペクトル波形に変換するステップと、
基準となる(referenced)スペクトル分析波形を、前記基準スペクトル波形に対する前記サンプル・スペクトル波形の比率として発生するステップであって、前記スペクトル分析波形は、前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形の対応する同じ延長を有する範囲と関連する周波数を実質的に除外している、ステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントに、実質的に一定の大きさである同じウェイト・プロファイルを提供するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、
前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントに、変化する大きさを有する同じウェイト・プロファイルを提供するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、
前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントに、前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントの長さよりも短い長さを提供するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法において、
前記サンプル時間領域波形に適用されるときに、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントに、第1のウェイト・プロファイルを提供するステップと、
前記基準時間領域波形に適用されるときに、前記基準アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントに、前記第1のウェイト・プロファイルとは異なる第2のウェイト・プロファイルを提供するステップと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、
前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントに、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントの長さよりも短い長さを提供するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、
前記サンプル時間領域波形に適用されるときに、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントに、第1のウェイト・プロファイルを提供するステップと、
前記基準時間領域波形に適用されるときに、前記基準アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントに、前記第1のウェイト・プロファイルとは異なる第2のウェイト・プロファイルを提供するステップと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法において、前記アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントは、余弦、バーレット(Barlett)、ブラックマン(Blackman)、コンヌ(Connes)、ガウシアン(Gaussian)、ローレンシアン(Lorentzian)、ハミング(Hamming)、ノートン・ビア(Norton-Beer)、ハニング(Hanning)又はウェルチ(Welch)波形を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法において、
前記サンプル時間領域波形に適用されるときに、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントに、第1の減衰速度を有するウェイト・プロファイルを提供するステップと、
前記基準時間領域波形に適用されるときに、前記基準アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントに、前記第1の減衰速度とは異なる第2の減衰速度を有するウェイト・プロファイルを提供するステップと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法において、
前記サンプル時間領域波形に適用されるときに、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントに、第1のウェイト・プロファイルを提供するステップと、
前記基準時間領域波形に適用されるときに、前記基準アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントに、前記ウェイト・プロファイルとは異なる第2のウェイト・プロファイルを提供するステップと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1記載の方法において、前記サンプル時間領域波形と前記基準時間領域波形とは1又は複数の化学物質の光学応答信号を表し、前記基準となるスペクトル分析波形は前記1又は複数の化学物質の吸光度(optical absorbance)又は反射スペクトルを表すことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法において、前記サンプル及び基準時間領域波形の対応する同じ延長を有する範囲への実質的に同じウェイトの適用の結果として、スペクトル分析波形からの前記1又は複数の化学物質の光学的応答信号と実質的に無関係の周波数の除外が生じることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項11記載の方法において、前記1又は複数の化学物質は固体、液体、気体又はそれらの中間的な段階であることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1記載の方法において、
フーリエ変換分光測定装置を用いて前記サンプル時間領域波形を取得するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法において、前記フーリエ変換分光測定装置はフーリエ変換赤外分光測定(FTIR)装置であることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1記載の方法において、前記サンプル信号と前記基準信号とは同一であり、この方法は、
前記サンプル時間領域波形をコピーすることによって前記基準時間領域波形を発生するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1記載の方法において、前記サンプル信号と前記基準信号とは同一であり、この方法は、
前記サンプル時間領域波形の範囲を打ち切ることによって前記基準時間領域波形を発生するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項1記載の方法において、前記サンプル時間領域波形は、実験的測定又は理論的計算を通じて取得されることを特徴とする方法。
【請求項19】
自己基準型の信号分光測定(auto referenced signal spectrometry)において用いられる信号処理方法であって、
サンプル信号のサンプル時間領域波形を取得するステップと、
前記サンプル時間領域波形から基準時間領域波形を発生するステップと、
前記サンプル時間領域波形に適用するサンプル・アポダイゼーション波形と前記基準時間領域波形に適用する基準アポダイゼーション波形とを提供するステップであって、前記アポダイゼーション波形はそれぞれが第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントと前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントとは実質的に同じ長さの延長を有し実質的に同じウェイト・プロファイルを有し、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形のそれぞれの前記第2のセグメントは減衰型のウェイト・プロファイルを有する、ステップと、
前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形を前記サンプル及び基準時間領域波形に適用するステップであって、実質的に同じウェイトが前記アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントによって前記サンプル及び基準時間領域波形の対応する実質的に同じ延長を有する範囲に適用され、結果的にアポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を生じる、ステップと、
前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を対応するサンプル及び基準周波数領域スペクトル波形に変換するステップと、
自己基準型のスペクトル分析波形を、前記基準スペクトル波形に対する前記サンプル・スペクトル波形の比率として発生するステップであって、前記自己基準型のスペクトル分析波形は、前記アポダイゼーションのなされたサンプル時間領域波形の前記第1の範囲から発生される周波数を実質的に除外している、ステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法において、前記サンプル時間領域波形の範囲を打ち切ることによって前記サンプル時間領域波形から前記基準時間領域波形を発生するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
分光測定において用いられる信号処理方法であって、
サンプル信号からサンプル時間領域波形を取得するステップと、
前記サンプル時間領域波形に適用するアポダイゼーション波形を提供するステップであって、前記アポダイゼーション波形は第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記第1のセグメントは実質的に一定のウェイト・プロファイルを有し、前記第2のセグメントは実質的に非線形の減衰型ウェイト・プロファイルを有する、ステップと、
前記アポダイゼーション波形を前記サンプル時間領域波形に適用し、結果的にアポダイゼーションのなされた時間領域波形を生じる、ステップと、
前記アポダイゼーションのなされたサンプル時間領域波形を対応する周波数領域スペクトル波形に変換するステップと、
前記サンプル時間領域波形からのランダム・ノイズと打ち切り誤差とに関連する周波数とアーチファクトとを実質的に除外するスペクトル分析波形を発生するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
分光測定において用いられる信号処理装置であって、
サンプル信号のサンプル時間領域波形と基準信号の基準時間領域波形とを取得する手段と、
前記サンプル時間領域波形に適用するサンプル・アポダイゼーション波形と前記基準時間領域波形に適用する基準アポダイゼーション波形とを提供する手段であって、前記アポダイゼーション波形はそれぞれが第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントと前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントとは実質的に同じ長さの延長を有し実質的に同じウェイト・プロファイルを有し、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形のそれぞれの前記第2のセグメントは減衰型のウェイト・プロファイルを有する、手段と、
前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形を前記サンプル及び基準時間領域波形に適用する手段であって、実質的に同じウェイトが前記アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントによって前記サンプル及び基準時間領域波形の対応する実質的に同じ延長を有する範囲に適用され、結果的にアポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を生じる、手段と、
前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を対応するサンプル及び基準周波数領域スペクトル波形に変換する手段と、
基準となるスペクトル分析波形を、前記基準スペクトル波形に対する前記サンプル・スペクトル波形の比率として発生する手段であって、前記スペクトル分析波形は、前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形の対応する同じ延長を有する範囲と関連する周波数を実質的に除外している、手段と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項23】
自己基準型の信号分光測定において用いられる信号処理装置であって、
サンプル信号のサンプル時間領域波形を取得する手段と、
前記サンプル時間領域波形から基準時間領域波形を発生する手段と、
前記サンプル時間領域波形に適用するサンプル・アポダイゼーション波形と前記基準時間領域波形に適用する基準アポダイゼーション波形とを提供する手段であって、前記アポダイゼーション波形はそれぞれが第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントと前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントとは実質的に同じ長さの延長を有し実質的に同じウェイト・プロファイルを有し、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形のそれぞれの前記第2のセグメントは減衰型のウェイト・プロファイルを有する、手段と、
前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形を前記サンプル及び基準時間領域波形に適用する手段であって、実質的に同じウェイトが前記アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントによって前記サンプル及び基準時間領域波形の対応する実質的に同じ延長を有する範囲に適用され、結果的にアポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を生じる、手段と、
前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を対応するサンプル及び基準周波数領域スペクトル波形に変換する手段と、
自己基準型のスペクトル分析波形を、前記基準スペクトル波形に対する前記サンプル・スペクトル波形の比率として発生する手段であって、前記自己基準型のスペクトル分析波形は、前記アポダイゼーションのなされたサンプル時間領域波形の前記第1の範囲から発生される周波数を実質的に除外している、手段と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項24】
自己基準型の信号分光測定において用いられる信号処理装置であって、
サンプル信号のサンプル時間領域波形を取得するプロセッサを含んでおり、
前記プロセッサは、前記サンプル時間領域波形から基準時間領域波形を発生し、
前記プロセッサは、前記サンプル時間領域波形に適用するサンプル・アポダイゼーション波形と前記基準時間領域波形に適用する基準アポダイゼーション波形とを提供し、前記アポダイゼーション波形はそれぞれが第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントと前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントとは実質的に同じ長さの延長を有し実質的に同じウェイト・プロファイルを有し、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形のそれぞれの前記第2のセグメントは減衰型のウェイト・プロファイルを有し、
前記プロセッサは、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形を前記サンプル及び基準時間領域波形に適用し、実質的に同じウェイトが前記アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントによって前記サンプル及び基準時間領域波形の対応する実質的に同じ延長を有する範囲に適用され、結果的にアポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を生じ、
前記プロセッサは、前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を対応するサンプル及び基準周波数領域スペクトル波形に変換し、
前記プロセッサは、自己基準型のスペクトル分析波形を、前記基準スペクトル波形に対する前記サンプル・スペクトル波形の比率として発生し、前記自己基準型のスペクトル分析波形は、前記アポダイゼーションのなされたサンプル時間領域波形の前記第1の範囲から発生される周波数を実質的に除外することを特徴とする装置。
【請求項25】
分光測定において用いられる信号処理装置であって、
サンプル信号からサンプル時間領域波形を取得する手段と、
前記サンプル時間領域波形に適用するアポダイゼーション波形を提供する手段であって、前記アポダイゼーション波形は第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記第1のセグメントは実質的に一定のウェイト・プロファイルを有し、前記第2のセグメントは実質的に非線形の減衰型ウェイト・プロファイルを有する、手段と、
前記アポダイゼーション波形を前記サンプル時間領域波形に適用し、結果的にアポダイゼーションのなされた時間領域波形を生じる、手段と、
前記アポダイゼーションのなされたサンプル時間領域波形を対応する周波数領域スペクトル波形に変換する手段と、
前記サンプル時間領域波形からのランダム・ノイズと打ち切り誤差とに関連する周波数とアーチファクトとを実質的に除外するスペクトル分析波形を発生する手段と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項26】
情報媒体において有体物として実現されており、信号分光測定において用いられるコンピュータ・プログラム製品であって、データ処理装置に、
サンプル信号のサンプル時間領域波形と基準信号の基準時間領域波形とを取得する動作と、
前記サンプル時間領域波形に適用するサンプル・アポダイゼーション波形と前記基準時間領域波形に適用する基準アポダイゼーション波形とを提供する動作であって、前記アポダイゼーション波形はそれぞれが第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントと前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントとは実質的に同じ長さの延長を有し実質的に同じウェイト・プロファイルを有し、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形のそれぞれの前記第2のセグメントは減衰型のウェイト・プロファイルを有する、動作と、
前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形を前記サンプル及び基準時間領域波形に適用する動作であって、実質的に同じウェイトが前記アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントによって前記サンプル及び基準時間領域波形の対応する実質的に同じ延長を有する範囲に適用され、結果的にアポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を生じる、動作と、
前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を対応するサンプル及び基準周波数領域スペクトル波形に変換する動作と、
基準となるスペクトル分析波形を、前記基準スペクトル波形に対する前記サンプル・スペクトル波形の比率として発生する動作であって、前記スペクトル分析波形は、前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形の対応する同じ延長を有する範囲と関連する周波数を実質的に除外している、動作と、
を実行させる命令を含むことを特徴とするコンピュータ・プログラム製品。
【請求項27】
情報媒体において有体物として実現されており、自己基準型の信号分光測定において用いられるコンピュータ・プログラム製品であって、データ処理装置に、
サンプル信号のサンプル時間領域波形を取得する動作と、
前記サンプル時間領域波形から基準時間領域波形を発生する動作と、
前記サンプル時間領域波形に適用するサンプル・アポダイゼーション波形と前記基準時間領域波形に適用する基準アポダイゼーション波形とを提供する動作であって、前記アポダイゼーション波形はそれぞれが第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントと前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントとは実質的に同じ長さの延長を有し実質的に同じウェイト・プロファイルを有し、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形のそれぞれの前記第2のセグメントは減衰型のウェイト・プロファイルを有する、動作と、
前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形を前記サンプル及び基準時間領域波形に適用する動作であって、実質的に同じウェイトが前記アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントによって前記サンプル及び基準時間領域波形の対応する実質的に同じ延長を有する範囲に適用され、結果的にアポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を生じる、動作と、
前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を対応するサンプル及び基準周波数領域スペクトル波形に変換する動作と、
自己基準型のスペクトル分析波形を、前記基準スペクトル波形に対する前記サンプル・スペクトル波形の比率として発生する動作であって、前記自己基準型のスペクトル分析波形は、前記アポダイゼーションのなされたサンプル時間領域波形の前記第1の範囲から発生される周波数を実質的に除外している、動作と、
を実行させる命令を含むことを特徴とするコンピュータ・プログラム製品。
【請求項28】
情報媒体において有体物として実現されており、信号分光測定において用いられるコンピュータ・プログラム製品であって、データ処理装置に、
サンプル信号からサンプル時間領域波形を取得する動作と、
前記サンプル時間領域波形に適用するアポダイゼーション波形を提供する動作であって、前記アポダイゼーション波形は第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記第1のセグメントは実質的に一定のウェイト・プロファイルを有し、前記第2のセグメントは実質的に非線形の減衰型ウェイト・プロファイルを有する、動作と、
前記アポダイゼーション波形を前記サンプル時間領域波形に適用し、結果的にアポダイゼーションのなされた時間領域波形を生じる、動作と、
前記アポダイゼーションのなされたサンプル時間領域波形を対応する周波数領域スペクトル波形に変換する動作と、
前記サンプル時間領域波形からのランダム・ノイズと打ち切り誤差とに関連する周波数とアーチファクトとを実質的に除外するスペクトル分析波形を発生する動作と、
を実行させる命令を含むことを特徴とするコンピュータ・プログラム製品。
【請求項29】
自己基準型のフーリエ変換赤外(FTIR)分光測定において用いられる信号処理方法であって、
サンプル信号のサンプル時間領域波形を取得するステップと、
前記サンプル時間領域波形から基準時間領域波形を発生するステップと、
前記サンプル時間領域波形に適用するサンプル・アポダイゼーション波形と前記基準時間領域波形に適用する基準アポダイゼーション波形とを提供するステップであって、前記アポダイゼーション波形はそれぞれが第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントと前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントとは実質的に同じ長さの延長を有し実質的に同じウェイト・プロファイルを有し、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントのウェイト・プロファイルは実質的に一定の大きさであり、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形のそれぞれの前記第2のセグメントは減衰型のウェイト・プロファイルを有する、ステップと、
前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形を前記サンプル及び基準時間領域波形に適用するステップであって、実質的に同じウェイトが前記アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントによって前記サンプル及び基準時間領域波形の対応する実質的に同じ延長を有する範囲に適用され、結果的にアポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を生じる、ステップと、
前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を対応するサンプル及び基準周波数領域スペクトル波形に変換するステップと、
自己基準型のスペクトル分析波形を、前記基準スペクトル波形に対する前記サンプル・スペクトル波形の比率として発生するステップであって、前記自己基準型のスペクトル分析波形は、前記アポダイゼーションのなされたサンプル時間領域波形の前記第1の範囲から発生される周波数を実質的に除外している、ステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項29記載の方法において、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントは、余弦又はノートン・ビア波形を含むことを特徴とする方法。
【請求項31】
自己基準型のフーリエ変換赤外(FTIR)分光測定において用いられる信号処理装置であって、
サンプル信号のサンプル時間領域波形を取得する手段と、
前記サンプル時間領域波形から基準時間領域波形を発生する手段と、
前記サンプル時間領域波形に適用するサンプル・アポダイゼーション波形と前記基準時間領域波形に適用する基準アポダイゼーション波形とを提供する手段であって、前記アポダイゼーション波形はそれぞれが第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントと前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントとは実質的に同じ長さの延長を有し実質的に同じウェイト・プロファイルを有し、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントのウェイト・プロファイルは実質的に一定の大きさであり、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形のそれぞれの前記第2のセグメントは減衰型のウェイト・プロファイルを有する、手段と、
前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形を前記サンプル及び基準時間領域波形に適用する手段であって、実質的に同じウェイトが前記アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントによって前記サンプル及び基準時間領域波形の対応する実質的に同じ延長を有する範囲に適用され、結果的にアポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を生じる、手段と、
前記アポダイゼーションのなされたサンプル及び基準時間領域波形を対応するサンプル及び基準周波数領域スペクトル波形に変換する手段と、
自己基準型のスペクトル分析波形を、前記基準スペクトル波形に対する前記サンプル・スペクトル波形の比率として発生する手段であって、前記自己基準型のスペクトル分析波形は、前記アポダイゼーションのなされたサンプル時間領域波形の前記第1の範囲から発生される周波数を実質的に除外している、手段と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項32】
請求項31記載の装置において、前記サンプル及び基準アポダイゼーション波形の前記第2のセグメントは、余弦又はノートン・ビア波形を含むことを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項1記載の方法において、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントの長さと前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントの長さとは調整が可能であることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項22記載の装置において、前記サンプル・アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントの長さと前記基準アポダイゼーション波形の前記第1のセグメントの長さとは調整が可能であることを特徴とする装置。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−532052(P2008−532052A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500773(P2008−500773)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/007652
【国際公開番号】WO2006/096530
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】