説明

改良されたガードを有する髭剃りカミソリ及び刃ユニット

【課題】使用時に肌を均一に伸ばすことで快適な肌係合が可能なガードを有する髭剃りカミソリ及び刃ユニットを提供する。
【解決手段】髭剃りカミソリの刃ユニットは、複数の刃と、前記刃の切断縁に全体的に平行に配置された2群の細長い弾性フィンの列30、32を含むガード20とを備える。当該ガードに形成された第1群のフィン30は、切断縁を通る平面に対して高さが増大する先端36を有する少なくとも5列の細長いフィンであり、第2群のフィン32は、前記平面に対して全体に均一の先端高さを有する少なくとも6列の細長いフィンである。さらに、フィンの先端角度は14度よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、そのための改良されたガードを有する髭剃りカミソリ及び刃ユニットに関する。
【0002】
髭剃りカミソリは、しばしば、ハンドルと、交換可能なカートリッジと、からなり、交換可能なカートリッジ内では、1以上の刃がプラスチックハウジング内に取り付けられている。米国特許第5918369号は、ハンドルに順に接続される相互接続部材に回動可能に接続される刃ユニットを有する交換可能なカートリッジを含む髭剃りカミソリを開示している。当該刃ユニットは、肌面と係合する刃の前方に弾力フィンを有すると共に刃の後方に潤滑ストリップを有するガードを含んでいる。
【0003】
一つの特徴において、本発明は、全体に、複数の刃と、当該刃の切断縁に全体に平行に配置された細長の弾性フィンの2群の列を含む一つのガードと、を有する髭剃りカミソリ刃ユニットを特徴とする。フィンの第1群は、切断縁を貫通する平面に対して増大する高さを有する先端部を有しており、フィンの第2群は、当該平面に対して全体に均一な位置の先端部を有しており
別の特徴において、本発明は、全体に、複数の刃と、当該刃の切断縁に全体に平行に配置された細長の弾性フィンの少なくとも6列を含む一つのガードと、を有する髭剃りカミソリ刃ユニットを特徴とする。
【0004】
別の特徴において、本発明は、全体に、複数の刃と、当該刃の切断縁に全体に平行に配置されると共に、当該刃から離れたフィンから当該刃に近いフィンまで当該刃の切断縁を貫通する平面に対して高さにおいて増大する細長の弾性フィンの少なくとも5列を含む一つのガードと、を有する髭剃りカミソリ刃ユニットを特徴とする。
【0005】
別の特徴において、本発明は、全体に、複数の刃と、切断縁に全体に平行に配置された細長の弾性フィンの複数の列を含む一つのガードと、を有する髭剃りカミソリ刃ユニットを特徴とする。フィンは、ベース部から先端部まで、14度よりも小さい先端角度(included angle)で、収束している。
【0006】
本発明の特別な実施の形態が、1以上の以下の特徴を含み得る。2群のフィンを伴う実施の形態において、各群は、好適には少なくとも3つのフィンを含み、最も好適には約5個のフィンを含む。フィンの幾つかは、切断縁を通過する平面の上方に先端を有し、フィンの幾つかは、当該平面の下方に先端を有する。好ましくは、ガード上に少なくとも6列のフィン、より好ましくは約8列のフィン、最も好ましくは約10列のフィン、が存在する。先端は、好適には、0.4mmと0.8mmとの間の高さを有しており、最も好ましくは、0.6mmと0.7mmとの間である。フィンは、14度よりも小さい、最も好適には約12度の、先端角度(included angle)を有している。最初のフィンから最後のフィンまでの距離は、好適には、2.0mmと3.5mmとの間である。刃は、好適には、前記ハウジングに対して可動に取り付けられており、刃ユニットは、刃がハンドルに対して回動することを許容するように、回動構造に接続されている。フィンは、30と60との間(好適には40と50との間)のショアA硬度を有する材料で作られている。
【0007】
他の特徴において、本発明は、ハンドルと、ハンドルに接続された前述のような刃ユニットと、を含む髭剃りカミソリを特徴とする。
【0008】
本発明の実施の形態は、以下の利点の1以上を含み得る。フィンは、刃の前方で肌を刺激して広げる傾向があり、毛の切断のための肌の快適さ及び適切な位置決めを改良する結果となる。最初の刃による係合前の最後の肌接触部材として弾力構造を与えるフィンは、肌を広げることを改良するように、及び、快適さを改良するように作用する。フィンの増大する高さ(elevation )は、肌の接触を徐々に増大する結果となり、その先端を髭剃り中の肌の流れに対して順応させる。狭い先端角度のプロフィルは、フィンの柔軟性を改良する。そのことは、肌を広げることを助け、それによって改良された切断のために毛を準備させる。多数のフィンを使用することは、肌との係合を改良する。
【0009】
本発明の他の利点及び特徴は、その好適な実施の形態の以下の記述から明らかである。
【0010】
図1は、髭剃りカミソリの斜視図である。
【0011】
図2は、図1のカミソリの交換可能なカートリッジの斜視図である。
【0012】
図3は、図2の交換可能なカートリッジの刃ユニットの縦断面図である。
【0013】
図4は、図3の刃ユニットのガードの縦断面図である。
【0014】
図1及び図2を参照して、髭剃りカミソリ10は、ハンドル12と交換可能な髭剃りカートリッジ14とを含んでいる。図2に示すように、カートリッジ14は、ハンドル12から取り外し可能である。カートリッジ14は、ハウジング16を含んでおり、それは3つの可動の刃18、ガード20及びキャップ22を保持している。カートリッジ14はまた、相互接続部材24を含んでおり、ハウジング16は、その上に回動軸回りに回動可能に取り付けられている。相互接続部材24は、ハンドル12に接続されるベース27を含んでいる。ベース27は、その2つの側部でハウジング16を回動可能に支持する2つのアーム28を有している。
【0015】
図3及び図4を参照して、ガード20は、弾性部材21と後方ストッパ23とを含んでいることが理解される。弾性部材21は、弾力フィン34の2群30、32を有しており、ショアA硬度30乃至60(好適には40乃至50、最も好適には約49)を有する材料で作られている。値が当該範囲を上回って増大される時、性能が低下する傾向にある。値が当該範囲を下回って減少される時、製造上の問題が存在し得る。フィンの各群は、好適には、少なくとも3つのフィン、最も好適には約5つのフィンを含んでいる。第1群のフィンの先端36は、当該先端を通る線が平面40に対して19度の角度をなすよう、高さ(elevation )において増大している。当該平面は、刃18の切断縁を貫通する。群30の各先端36は、その前方の先端よりも0.1mmだけ高い。あるいは、群30の先端36は、当該先端を通る線が平面40に対して15度と25度との間の角度をなすように、配置され得る。第2群のフィン32の先端38は、平面40に対して均一な高さを有している。第1群のフィン30の先端36は、平面40の下方にある幾つかの先端と、平面40の上方にある幾つかの先端と、を含んでいる。第2群のフィン32の先端38は、全て平面40の上方にある。フィン34は、0.4mm乃至0.8mm(より好適には0.6mmと0.7mmとの間、最も好適には約0.66mm)の先端−ベース高さ「h」を有し、14度より小さい、好適には約12度の先端角度を有している。フィン34は、中心から中心まで0.29mmのピッチで配置され、それらのベースで0.19の厚みである。第1フィン34の前方から最終フィン34の後方までのベースにおける距離は、2.92mmである。あるいは、当該距離は、2.0mm乃至3.5mmであり得る。後方ストッパ部23は、平面40上方の0.07mmにある。フィン32の先端36は、後方ストッパ部23の上方0.22mmにある。
【0016】
使用中、フィン30及び32は、刃の前方で肌を刺激して伸ばすことになり、快適さ及び毛の切断のための肌の適切な位置決めを改善する。フィン30の増大する高さが、徐々に肌接触を増大させる。増大する高さは、また、その先端を髭剃り中の肌の流れに対して順応させる。フィン32の均一な高さが、一定の肌接触を提供する。狭い12度のプロフィル(横輪郭)が、フィンの柔軟性を改良する。そのことは、肌を広げることを助け、それによって改良された切断のために毛を準備させる。多数(例えば6より大きい、好適には約10)のフィンの使用が、肌係合を改善する。
【0017】
本発明の他の利点は、添付の請求の範囲の範囲内である。
【0018】
例えば、フィン34は、最初のフィンから最後のフィンまで、高さにおいて徐々に増大し得る。高さにおける増大は、最初のフィンから最後のフィンまで均一であり得る、あるいは、フィンの先端の集合は、単純に、先端が刃に近づくにつれて高さにおいて増大するという傾向を示し得る。例えば、少なくとも、水平位置に対する先端高さのプロットの平方回帰(squares regression)が、増大する高さの正の勾配を有する線に帰結する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】髭剃りカミソリの斜視図である。
【図2】図1のカミソリの交換可能なカートリッジの斜視図である。
【図3】図2の交換可能なカートリッジの刃ユニットの縦断面図である。
【図4】図3の刃ユニットのガードの縦断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
ハウジングの前方のガードと、
ハウジングの後方のキャップと、
ガードとキャップとの間でハウジングに支持され、それぞれ切断縁を有する複数の平行な刃と、
を備え、
前記ガードは、前記切断縁に全体的に平行に配置された第1群及び第2群の細長い弾性フィンの列を含み、
前記第2群は、前記第1群よりも前記刃に近く、
前記第1群は、前記切断縁を貫通する平面に対して増大する高さを有する先端を有し、
前記第2群は、前記平面に対して全体に均一な位置の先端を有する
ことを特徴とする髭剃りカミソリの刃ユニット。
【請求項2】
ハウジングと、
ハウジングの前方のガードと、
ハウジングの後方のキャップと、
ガードとキャップとの間でハウジングに支持され、それぞれ切断縁を有する複数の平行な刃と、
を備え、
前記ガードは、前記切断縁に全体的に平行に配置された少なくとも6列の細長い弾性フィンを含んでいる
ことを特徴とする髭剃りカミソリの刃ユニット。
【請求項3】
ハウジングと、
ハウジングの前方のガードと、
ハウジングの後方のキャップと、
ガードとキャップとの間でハウジングに支持され、それぞれ切断縁を有する複数の平行な刃と、
を備え、
前記ガードは、前記切断縁に全体的に平行に配置されると共に、前記刃から離れたフィンから前記刃に近いフィンまで前記切断縁を貫通する平面に対して全体的に増大する高さを有する細長の弾性フィンの少なくとも5列を含んでいる
ことを特徴とする髭剃りカミソリの刃ユニット。
【請求項4】
ハウジングと、
ハウジングの前方のガードと、
ハウジングの後方のキャップと、
ガードとキャップとの間でハウジングに支持され、それぞれ切断縁を有する複数の平行な刃と、
を備え、
前記ガードは、前記切断縁に全体的に平行に配置された細長の弾性フィンの複数の列を含んでおり、
前記フィンは、ベース部から先端部まで、14度よりも小さい先端角度(included angle)で収束している
ことを特徴とする髭剃りカミソリの刃ユニット。
【請求項5】
前記群の各々は、少なくとも3つのフィンを含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の刃ユニット。
【請求項6】
前記群の各々は、約5個のフィンを含んでいる
ことを特徴とする請求項5に記載の刃ユニット。
【請求項7】
前記フィンの幾つかは、前記平面の上方に先端を有しており、
前記フィンの幾つかは、前記平面の下方に先端を有している
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の刃ユニット。
【請求項8】
前記第2群のフィンは、前記平面の上方に先端を有しており、
前記第1群の前記フィンの幾つかは、前記平面の上方に先端を有しており、幾つかは、前記平面の下方に先端を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の刃ユニット。
【請求項9】
前記先端は、0.4mmと0.8mmとの間の高さを有している
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の刃ユニット。
【請求項10】
前記先端は、0.6mmと0.7mmとの間の高さを有している
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の刃ユニット。
【請求項11】
前記フィンは、14度よりも小さい先端角度を有している
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の刃ユニット。
【請求項12】
前記フィンは、約12度の先端角度を有している
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の刃ユニット。
【請求項13】
第1群の第1フィンから第2群の最終フィンまでの距離は、2.0mmと3.5mmとの間である
ことを特徴とする請求項1に記載の刃ユニット。
【請求項14】
第1フィンから最終フィンまでの距離は、2.0mmと3.5mmとの間である
ことを特徴とする請求項1に記載の刃ユニット。
【請求項15】
前記刃は、前記ハウジングに対して可動に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の刃ユニット。
【請求項16】
前記刃ユニットは、前記刃がハンドルに対して回動することを許容する回動構造に接続されている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の刃ユニット。
【請求項17】
少なくとも8列の細長い弾性フィンが存在する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の刃ユニット。
【請求項18】
少なくとも6列の細長い弾性フィンが存在する
ことを特徴とする請求項3に記載の刃ユニット。
【請求項19】
少なくとも10列のフィンが存在する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の刃ユニット。
【請求項20】
前記フィンは、30と60との間のショアA硬度を有する材料で作られている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の刃ユニット。
【請求項21】
ハンドルと、前記ハンドルに接続された請求項1の刃ユニットと、を備えた髭剃りカミソリ。
【請求項22】
ハンドルと、前記ハンドルに接続された請求項2の刃ユニットと、を備えた髭剃りカミソリ。
【請求項23】
ハンドルと、前記ハンドルに接続された請求項3の刃ユニットと、を備えた髭剃りカミソリ。
【請求項24】
ハンドルと、前記ハンドルに接続された請求項4の刃ユニットと、を備えた髭剃りカミソリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−71168(P2012−71168A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−268211(P2011−268211)
【出願日】平成23年12月7日(2011.12.7)
【分割の表示】特願2001−563288(P2001−563288)の分割
【原出願日】平成13年2月27日(2001.2.27)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)