説明

改良されたシステムを有する医療用再構成システム

本願は、組み込み形の可動の突き刺し用部材を有する形式の受容器と共に使用するための改良された注射器(100)を含む。注射器は、末端側端部(114d)と手元側端部(114p)とを有するバレル(114)を備える。バレル(114)の末端側端部(114d)の近くに少なくも1個の指部材(150)が設けられる。指部材(150)はバレル(114)に滑らないように取り付けられ、そして注射器(100)を末端方向に強制するように人の手の1本又は複数本の指によりかなりの力を加えることができるような形状にされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用器具及びシステムに関し、より特別には組み込み式の可動の突き刺し用部材を有する形式の受容器と共に使用するに特に適した改良された注入用注射器に関する。
【背景技術】
【0002】
二つの部分よりなる再構成形の医薬成分を患者に注入するために、安全かつ効率的に送出するための医療用再構成器具及びシステムが知られている。かかる器具及びシステムの一つの具体例10が図1及び2に示され、かつバイオドム・アメリカ、インク(Biodome America,Inc.)、プリンストン、ニュー・ジャージィ(Princeton,N.J.)に譲渡された2000年6月6日付けの特許文献1に詳細に説明される(その全体が参考文献としてここに組み入れられる)。これはマーク「バイオ・セット(BIO-SET(R))」の下で市販されている。図1に示されるように、かかる従来技術のシステム10は、注入用注射器12及び受容器20を備える。受容器20は、例えば粉末状又は粒子状の第1の成分30を収容しているバイアル22を備える。注射器12は例えば希釈液のような流動し得る形式の第2の成分40を収容しているバレル14を備える。システム10は、注射器12を使用して続いて患者内に注入するための希望の医療用構成物50を形成するために第1及び第2の成分30、40を混合し再結合させるために使用される。
【0003】
図1及び2に示されるように、受容器20は、バイアル22内に第1の成分30を収容しかつ保存するために、突き刺し可能な封鎖プラグ又はストッパー24により閉鎖されかつ密封されたバイアル22を備える。封鎖プラグ24は、例えば突き刺し可能な合成材料又はゴム材料で形成することができる。図1に示されるように、可動の突き刺し用部材25が上方に位置決めされかつ封鎖プラグ24と整列され、更に中央に位置決めされた突き刺し用部材の針26を備える。針26は、可動の突き刺し用部材25の上方端部に位置決めされた第1のルエル形コネクター27と連通している。無菌シールド28が、可動の突き刺し用部材25、針26、及び第1のコネクター27を実質的に取り囲む。図1においては、可動の突き刺し用部材及び針26は完全後退位置で示される。
【0004】
図1及び2に示されるように、注射器12は、バレル14、手元側指ブレース16、末端側端部部材18、及びプランジャー13を備えた通常の構造である。末端側端部部材18は、バレル14の内部と選択的に連通する第2のコネクター19を備える。第2のコネクター19は、受容器20上の第1のコネクター27と組み合ってこれと封鎖結合するような形状にされたルエル形コネクターである。第2のコネクター19は、例えば静脈内チューブ取付具又は注射器の針のような別の互換性のある医療器具と連結するような形状とすることもできる。注射器のバレル14は、典型的にガラスで構成され、そして手元側指ブレース16及び末端側端部部材18は、典型的に適切なポリマー材料で構成される。注射器12は、例えば希釈液のような第2の流動可能な成分40で予め満たされる。
【0005】
使用の際は、注射器12上の第2のコネクター19と受容器20上の第1のコネクター27とが図1に示されるように揃えられそして一緒に気密に組み合わせられる。図1において矢印F及びFにより示されるように注射器12の手元側指ブレース16に端末方向の軸方向荷重が加えられ、これにより注射器12と可動の突き刺し用部材25とを受容器20内の封鎖プラグ24に向かって端末方向に強制する。手元側指ブレース16に加えられた軸方向荷重が注射器12と可動の突き刺し用部材25とを強制して、突き刺し用部材の針26が図2に示されるように封鎖プラグ24を突き刺して貫通するまでこられを一緒に動かす。可動の突き刺し用部材25が図2に示されたような完全突き刺し位置にくる
と、突き刺し用部材の針26及び組み合わせられたコネクター19、27を経るバイアル22と注射器バレル14との間の連通路が確立される。この完全突き刺し位置において、注射器12内の流動可能な第2の成分40を、末端方向へのプランジャー13の前進によりバイアル22内に注入することができる。注射器12からの流動可能な第2の成分40はバイアル22内の第1の成分30と混合し、所望の再構成された構成物50を形成する。すっかり混合されると、再構成された構成物50は、プランジャー13を手元側方向に引くことにより、注射器内に引き込まれる。このとき、注射器12は、再構成された構成物50を患者内に注入するために互換性のある注射針(図示せず)による使用に対する準備完了状態となる。
【特許文献1】米国特許第6,070,623号 明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述されたような医療用再構成システム10は、第1及び第2の構成成分を患者に注入するための医療用構成物に再構成するための便利かつ効果的なシステムを提供するが、かかるシステム10は少なくも一つの欠点を持つ。或る場合には、可動の突き指し用部材25を受容器20に向けて押すように注射器12を使用したときに、具合悪く(図1の矢印Fで示されたような)横断方向又は偏心の荷重が、注射器12の手元側端部又はその付近に加わることがある。注射器12の長さのため、かかる偏心荷重Fは、注射器の末端側端部の組み合わせられたコネクター19、27におけるかなりの曲げモーメントを作ることがある。かかる偏心荷重「F」は、注射器のバレル14におけるかなりの曲げモーメントも作ることがある。合成された曲げモーメントが十分に大きい場合は、システム10の少なくも一部分が歪み、損傷を受け又は破損することが有り得る。厳しい場合は、注射器の先端19又はガラスのバレル14が発生した曲げ応力の下で破損し、これにより使用者はかなり厳しい安全上の危険に晒される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、上述のような公知システムの利点は含むが公知の医療用再構成システムの使用中の損傷又は破損の可能性の少ない改良された医療用再構成システムに対する要求がある。
【0008】
本発明は、皮下注射、静脈注射、又は筋肉注射用の注射器を含む。注射器は、末端側端部と手元側端部とを有するバレルを備える。バレルの末端側端部の近くに少なくも1個の指部材が設けられる。指部材はバレルに確実に取り付けられ、そして注射器を末端方向に強制するような実質的な力を、人の1本又は複数本の指で加えることができるような形状にされる。本明細書及び特許請求の範囲においては、用語「末端」は注射器の排出端部の位置又はこれに向かう方向を言い、用語「手元側」は注射器の排出端部から遠い位置又はこれに向かう方向を言う。
【0009】
本発明は、第1及び第2の混合可能な成分からなる複合物のための医療用再構成システムも含む。このシステムは第1の成分を収容する受容器を備える。受容器は、突き刺し得るシールを有する容器を備える。突き刺し用部材は、突き刺し可能なシールを選択的に突き刺すように構成される。突き刺し用部材は、後退位置と完全突き刺し位置との間で作動可能である。受容器は、突き刺し用部材に連結されかつこれと連通する第1のコネクター、及びシールと突き刺し用部材とを実質的に囲んでいる無菌シールドを備える。システムは、第2の成分を収容している注射器も備える。注射器は、末端側端部、手元側端部を有するバレル、及び末端側端部上の第2のコネクターを備える。第2のコネクターは、受容器の第1のコネクターと組み合い、そしてこれとの実質的に気密な連結を提供するように構成される。バレルの末端側端部の近くに少なくも1個の指部材が設けられる。この指部材は、注射器を末端方向に強制するような力を、人の1本又は複数本の指で加えることが
できるような形状にされる。突き刺し用部材が後退位置にありかつ第1及び第2のコネクターが互いに気密に組み合っているとき、指部材を受容器に向かって末端方向に推し進めることにより、突き刺し用部材を完全突き刺し位置に進めることができる。
【0010】
本発明は、更に、注射用の2成分構成物を調製する方法も提供する。この方法は、突き刺し得るシールを有する受容器内に第1の成分を準備すること、及び後退位置と完全突き刺し位置との間を動き得る突き刺し用部材を有することを含む。受容器は、突き刺し用部材と連通している第1のコネクターを備える。本方法は、注射器の末端側端部の近くに少なくも1個の指部材を有する注入用注射器内に第2の成分を提供することも含む。注射器は、注射器の末端側端部の第2のコネクターも備える。本方法は、次に、突き刺し用部材が後退位置にある間に第1及び第2のコネクターを連結すること、及び末端の指部材を受容器に向かって押すことにより突き刺し用部材を後退位置から完全突き刺し位置に動かし、これにより突き刺し用部材をシールに突き刺すことを含む。更に、本方法は、第1及び第2のコネクター及び突き刺し用部材を通して第2の成分を注射器から受容器内に注入し、そして第1及び第2の成分を、受容器内で一緒に混合させ構成物を形成することを含む。最後に、本方法は、突き刺し用部材及び第1及び第2のコネクターを通して構成物を受容器から注射器内に引くことを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明による改良された注入用注射器100が図3−5に示される。図3に示されるように、注射器は、バレル114、手元側指ブレース116、及び第1のコネクター162を有する末端側端部部材又は封鎖用キャップ160を備える。以下の説明において、用語「末端」は、注射器100の注入端部の位置又はこれに向かう方向を呼ぶために使用され、そして用語「手元側」は、注射器100の注入端部又は末端から遠い方の位置又はこれに向かう方向を呼ぶために使用される。注射器100は、更に注射器100の末端側端部の近くに置かれた末端の指部材又は末端の指ブレース150を備える。言い換えると、末端の指部材又はブレース150は、バレル114の反対側の手元側端部114pよりも注射器バレル114の末端側端部114dの近くに位置決めされる。末端の指部材150は、人の手の1本又は複数本の指により注射器100に末端向きの軸方向の力を加え得るような形状にされる。図3に示された実施例100においては、末端の指部材150は、外向きに突き出ている第1のタブ部分154、及び反対側の外向きに突き出ている第2のタブ部分156を備える。
【0012】
図4及び5を参照すれば、注射器100は、内部にプランジャー113が配置された長いバレル114を備える。バレルの末端側端部は、取り囲んでいるノッチ又は溝132を有するテーパー付きのニップル130を備える。事前充填式の注射器100においては、流動可能な成分40がバレル114内に配置される。注射器100内の流動可能な成分40を封鎖しかつ保護するために、示されるように溝132により注射器ニップル130上に不正変更表示のための封鎖キャップ160を固定することができる。本発明による注射器100と共に使用し得るかかる封鎖用キャップ160の一つは、例えばベッター・ファルマ・タルム・インク(Vetter Pharma-Turm Inc.)より入手可能な互換性V−OVS(R)クロージャーである。図4及び5に示されるように、封鎖用キャップ160は、保持されたキャップ状の部分162及び取り外し可能な封鎖用部分166を備える。保持されたキャップ状部分162は、溝132内に受け入れられるカラー部分161を備え、これによりキャップ状部分162はニップル130及びバレル114上に確実に保持される。封鎖用部分166は、図4に示されるように封鎖用キャップ160が開かれないとき、注射器ニップル130の開口した先端と組み合ってこれを封鎖する。封鎖用キャップ160の封鎖用部分166が図5に示されるように保持された部分162から外されたとき、注射器ニップル130の封鎖は解除され、注射器100から流動可能な成分40を分配することができる。
【0013】
図5に示されるように、露出されたニップル130と封鎖用キャップ160の確実に保持された部分162とが組み合って、本技術で知られる雄のルエルコネクターを形成する。テーパー付きニップル130は、バイエル又はその他の医療器具上の互換性の雌のルエルコネクターにより受け入れられるような寸法及び形状にされる。キャップ160の保持された部分162のネジ164は、互換性の雌のルエル形コネクターと固く組み合うような形状にされ、これによりコネクター間の漏洩なしの封鎖を形成する。
【0014】
本発明による注射器100と共に使用する末端の指部材150の一実施例が図4−11に示される。この実施例においては、末端の指部材150は、図3−5に示されるような事前充填された注射器100の末端側端部上に確実に嵌まるような形状にされる。末端の指部材150は、第1のタブ部分154及び反対側の第2のタブ部分156を備える。タブ部分154、156は、各が注射器100に末端向きの力を加えるために少なくも1本の指の先端を受け入れるような形状にされる。図6−8及び10に示されるように、端末の指部材150は、注射器バレル114の末端側端部114dの少なくも一部分を内部に受け入れるための中心丸穴を有している実質的にU字形の凹所158を備える。実質的に円筒状の壁159が、凹所158の少なくも一部分を取り巻く。図6−9及び11に示されるように、壁159は、組み合っている注射器バレル114の外径と等しいか又はこれより僅かに小さい直径を有する内側丸穴を備えることが好ましい。円筒状の壁159は、注射器バレル114上に組み合わせられたとき、バレル114上の末端の指部材150と揃いかつこれを少なくも部分的に確保するようにバレルを掴む。
【0015】
図7−11に示されるように、実質的にU字形のリップ152もU字形の凹所158を取り巻きかつこれと実質的に同じ長さである。U字形のリップ152の両側の縁は、組み合っている注射器バレル114の外径より僅かに小さい距離だけ間隔を空けられ、かつこの間隔は組み合っている注射器バレル114上のニップル130の最大直径より少なくも僅かに大きい。図4及び5に示されるように、リップ152の厚さは、注射器バレル114の末端側端部114dと封鎖用キャップ160の保持された部分162との間の間隔又は間隙内にリップ152が受け入れられるように選定される。リップ152は、指部材150がバレル114上で末端方向又は手元側方向のいずれに滑ることも実質的に防止するため及び実質的に末端方向に向けられた力を末端の指部材150から組み合わせられたコネクター162を経て注射器ニップル130に伝達するために、注射器100の末端側端部114d上に末端の指部材150を置くように機能する。コネクター162のカラー161とニップル130の溝132との間に確実な組み合いにより、末端の指部材150及び注射器100に大きな末端向きの力が加えられたときのニップル130からのコネクター162の結合の解除が防止される。
【0016】
末端の指部材150は、部材150が注射器バレル114の末端側端部114d上に嵌め込まれるとき弾性変形しそして回復するように弾性材料で構成されることが好ましい。例えば、末端の指部材150は、これを成型されたポリプロピレン又はその他の適切なポリマー材料で形成することができる。
【0017】
末端の指部材150は、人の手の1本又は複数本の指により注射器の末端側端部又はその付近で注射器の末端側端部に実質的に軸方向の力を末端方向に加えることのできる適宜適切な形状を持つことができる。例えば、末端の指部材150は、注射器バレルの末端側端部を実質的に囲みこれと確実に組み合った外向きに突き出た円盤、或いはその他の適切な形状を含むことができる。
【0018】
注射器100の好ましい実施例においては、バレル114は、注射器の内容物40を実質的に妨げることなく観察し得る実施知的に透明なガラス管である。手元側指ブレース1
16及びプランジャー113は、本技術において知られるように、適切なポリマー材料又は同等材料のような適宜適切な材料で構成することができる。
【0019】
上述の注射器100は、上述されかつ図12及び13に示されたように可動の突き刺し用部材25を有する受容器20と共に使用することに特に適している。バイアル22内の粉末の又は凍結乾燥された第1の成分30と注射器100内の流動可能な第2の成分40とを再構成するために、注射器100が受容器20と整列され、そして第1及び第2の成分162、27が封鎖された状態で互いに組み合わせられる。特に、人は、一方の手で受容器20を(平らな水平面にあるように)支持しながら、他方の手の1本又は複数本の指で末端の指部材150に末端方向の力又は圧力を加えることができる。末端の指部材150に加えられる力又は圧力の末端方向が、図12において矢印P及びPで示される。
【0020】
注射器100の末端の指部材150に末端方向の力又は圧力が加えられると、可動の突き刺し用部材25が図13に示されるように完全に突き刺した位置にくるまで、受容器20の可動の突き刺し用部材25が下方に押される。この完全突き刺し位置において、注射器100のバレル114と受容器20のバイアル22との間の流体通路が確立される。図13に示されたようなシステム200の実施例においては、可動の突き刺し用部材25が完全突き刺し位置に達したとき、末端の指部材150の少なくも一部分が受容器20の少なくも一部分と出会い又は接触する。例えば、図13に示された実施例においては、注射器100の末端の指部材150の底部のストップ151、153が、受容器20の無菌シールド28の上の縁と接触し、これにより、隠された可動の突き刺し用部材が完全突き刺された位置にあることの確実な合図を使用者に提供する。
【0021】
注射器100の末端側端部の付近の位置において末端方向の力又は圧力が末端の指部材に加えられるので、偏心又は横断方向の荷重がこの末端位置で注射器に加えられた場合でも、組み合わせられたコネクター162、27又は注射器バレル114において発生したいかなる曲げモーメントも、同じ横断方向の荷重が注射器100の手元側端部又はその付近に加えられた場合に生ずるであろう曲げモーメントと比較して小さい。従って、この改良された注射器100及び医療用再構成システム200は、上述された従来技術の器具及び方法のような公知の医療用再構成器具よりも損傷又は破損の危険がかなり小さい。
【0022】
上述の改良された注射器100及び改良された医療用再構成システム200は、血友病患者のようなかかるシステムを頻繁に使う使用者にとり特に重要である。このような人は、血液の凝固障害を改善するために抗血友病因子を自分自身で規則的に注射しなければならない。このような人は、自宅でこのような注射を自己管理することが普通である。かかる抗血友病因子の一つは、バイエル・ヘルスケヤ エルエルシー(Bayer HealthCare LLC.)製造の再結合コゲネート(R)エフエス(KOGENATE(R)FS)である。かかる2部分再結合形の血友病因子は、乾燥させた活性成分とこれに適合する希釈液とよりなる。上述のシステム100と似た従来技術の医療用再構成システムは、コゲネート(R)エフエスのような再結合抗血友病因子を再構成する針なしのシステム及び方法を提供するが、上述のこの改良されたシステム200及び方法は、従来のシステム10の長所の全てに加えて、再構成中における注射器100又は受容器20の予期しない損傷又は破損の可能性を減らすという更なる利点を提供する。改良されたシステム200の或る種の実施例は、システムが完全に作動状態にされたとき、例えばストップ151及び153が例えば無菌シールド28のような再構成システムの構成要素と完全に接触したとき又は近接したとき、使用者に視覚による明らかな表示を提供することもできる(図13参照)。従って、本発明は、現存のシステムより簡単、便利、かつ安全な再構成システムを提供する。
【0023】
上述された本発明の種々の実施例は、本発明の種々の特徴及び態様を説明する目的で提供され、これらは本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本技術の通常の
技術者は、本発明の範囲から離れることなく、説明された実施例に幾つかの変更をなし得ることを認めるであろう。例えば、注射器100の実施例は、組み合っている注射器バレル114から分離して外すことのできる末端の指部材150を有するとして上に説明されたが、指部材及び注射器バレルを適切な材料で一体に形成することができる。或いは、別の突き出ている指タブを適切な接着剤又は同等により注射器バレルの外壁に取り付けることができる。かかる変更の全ては請求範囲内であることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来技術の医療用再構成器具の長手方向断面図である。
【図2】(突き刺し用部材の作動後として示された)図1の従来技術の医療用構成器具の別の長手方向断面図である。
【図3】本発明による注入用注射器の実施例の斜視図である。
【図4】部分的に除去可能な封鎖用キャップを備えた図3の注射器の長手方向断面図である。
【図5】封鎖用キャップの除去可能な部分が除去された状態の図4の注射器の長手方向断面図である。
【図6】本発明による注射器用の末端の指部材の1実施例の頂部から見た斜視図である。
【図7】図6の末端の指部材の底部から見た斜視図である。
【図8】図6及び7に示された末端の指部材の頂部を示す平面図である。
【図9】図8の線9−9に沿って得られた図6−8に示された末端の指部材の断面図である。
【図10】図6−9に示された末端の指部材の底部を示す平面図である。
【図11】図10の線11−11に沿って得られた図6−10に示された末端の指部材の断面図である。
【図12】可動の突き刺し用部材が完全後退位置にある状態の本発明による医療用再構成システムの長手方向断面図である。
【図13】可動の突き刺し用部材が完全突き刺し位置にある状態の図12による医療用再構成システムの長手方向断面図である。
【図1−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)末端側端部及び手元側端部を有するバレル、及び
(b)バレルの末端部分に滑らないように取り付けられた少なくも1個の指部材であっ
て、注射器が末端方向に強制されるように人の手の1本又は複数本の指により実
質的な力を加え得るような形状にされた指部材
を備える注入注射器。
【請求項2】
指部材が、更に
(a)バレルの第1の側の第1の指タブ、及び
(b)バレルの第2の側の第2の指タブ
を添える請求項1による注射器。
【請求項3】
バレルの第1及び第2の側が互いに実質的に反対側である請求項2による注射器。
【請求項4】
バレルがガラスよりなる請求項1による注射器。
【請求項5】
指部材がポリマー材料よりなる請求項1による注射器。
【請求項6】
バレルの末端側端部上に第1のコネクターを更に備え、第1のコネクターが医療用器具上の第2のコネクターと合致して組み合うような形状にされている請求項1による注射器。
【請求項7】
第1のコネクターが成分受容器上の第2のコネクターと合致して組み合うような形状にされている請求項6による注射器。
【請求項8】
バレル内に調合薬成分を更に備える請求項1による注射器。
【請求項9】
指部材がバレルの末端部分に取り外し可能に取り付けられる請求項1による注射器。
【請求項10】
混合可能な第1及び第2の成分よりなる構成物のための医療用再構成システムであって、
(a)第1の成分を収容している受容器であって、
(i)突き刺し得るシールを有する容器;
(ii)突き刺し得るシールを選択的に突き刺すような形状にされた突き刺し用部
材であって、後退位置と完全突き刺し位置との間で作動し得る突き刺し用
部材、
(iii) 突き刺し用部材に連結されかつこれと連通している第1のコネクター、
(iv)シール及び突き刺し用部材を実質的に囲んでいる無菌シールド
を備えた受容器、及び
(b)第2の成分を収容している注射器であって、
(i)末端側端部、手元側端部、及び末端側端部上の第2のコネクターを有する
バレルであって、第2のコネクターが受容器の第1のコネクターと組合っ
てこれとの間に実質的に液漏れのない連結を提供するような形状にされて
いるバレル、
(ii)バレルの末端部分に滑らないように取り付けられた少なくも1個の指部材
であって、注射器が末端方向に強制されるように人の手の1本又は複数本
の指により力を加え得るような形状にされた指部材
を備えた注射器
を具備し、
(c)突き刺し用部材が後退位置にありかつ第1及び第2のコネクターが互いに気密に
組み合わせられたとき、指部材を受容器に向かって末端方向に押して移動させる
ことにより、突き刺し用部材を完全突き刺し位置に前進させることができる
医療用再構成システム。
【請求項11】
第1の成分が抗血友病因子よりなり、第2の成分がその希釈剤よりなる請求項10によるシステム。
【請求項12】
注射器の第2のコネクターに気密接触するような形状にされた注射針を更に備える請求項10によるシステム。
【請求項13】
突き刺し用部材が完全突き刺し位置に前進されたとき、注射器の指部材の少なくも一部分が無菌シールドの一部分に接触する請求項10によるシステム。
【請求項14】
注射器のバレルがガラスよるなる請求項10によるシステム。
【請求項15】
注射器がバレル内に配置されたプランジャーを更に備える請求項10によるシステム。
【請求項16】
第1及び第2のコネクターが互換性のあるルエルロックコネクターである請求項10によるシステム。
【請求項17】
注射用の多成分構成物の給送方法であって、
(a)突き刺し可能なシール、後退位置と完全突き刺し位置との間を動き得る突き刺し
用部材、及び突き刺し用部材と連通している第1のコネクターを有する受容器内
に第1の成分を提供し、
(b)注射器の末端側端部の近くに少なくも1個の指部材を有し、かつ注射器の末端側
端部に第2のコネクターを有する注入注射器内に第2の成分を提供し、
(c)突き刺し用部材が後退位置にある間に第1及び第2のコネクターを連結し、
(d)末端の指部材を受容器に向けて押すことにより突き刺し用部材を後退位置から完
全突き刺し位置に移動させ、これにより突き刺し用部材にシールを突き刺させ、
(e)第1及び第2のコネクター及び突き刺し用部材を通して注射器から受容器内に第
2の成分を注入し、
(f)構成物を形成するために受容器内で第1及び第2の成分を一緒に混合させ、
(g)突き刺し用部材を通しかつ第1及び第2のコネクターを通して構成物を受容器か
ら注射器内に引く
ことを含む方法。
【請求項18】
注射器が受容器と完全に組み合わせられたことの視覚表示を使用者に提供するために、突き刺し用部材が完全突き刺し位置にあるとき、注射器の指部材の少なくも一部分が受容器の一部分と接する請求項17による方法。
【請求項19】
第1及び第2の成分並びに受容器及び注射器内のその混合物を実質的に見ることができるように、注射器及び受容器が実質的に透明である請求項17による方法。
【請求項20】
第1の成分が抗血友病因子であり、第2の成分がその融和性希釈剤である請求項17による方法。
【請求項21】
手元側端部と末端側端部とがあるバレルを有する皮下注射器用の末端の指ブレースであって、
(a)バレルの末端側端部に近い注射器バレルの少なくも一部分を受け入れるような寸
法及び形状にされた中央丸穴、
(b)バレルの末端側端部と確実に組み合うような形状にされたリップ、
(b)外向きに伸びている少なくも1個の指タブ
を備えた末端の指ブレース。
【請求項22】
ブレースがバレルの側方から注射器バレル上に組み合わせられることを許すU字形凹所を更に備える請求項21による末端の指ブレース。
【請求項23】
中央丸穴を少なくも部分的に取り囲む少なくも1個の上向きに伸びている壁を更に備える請求項21による末端の指ブレース。
【請求項24】
少なくも1個の下方に伸びているストップを更に備える請求項21による末端の指ブレース。
【請求項25】
更に弾性ポリマー材料からなる請求項21による末端の指ブレース。

【図3】
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【図4−5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−11】
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【図12−13】
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【公表番号】特表2008−507366(P2008−507366A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522842(P2007−522842)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/026298
【国際公開番号】WO2006/012611
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)
【Fターム(参考)】