説明

改良されたセキュリティ装置

吸光性(例えば磁気)材料をより効果的に隠しながら、一部がこの材料から形成された機械で検査可能なセキュリティ特徴部のために利用できる設計上の選択肢の数を増すセキュリティ装置が提供されている。本発明のセキュリティ装置は視覚的に検出可能な、または公開セキュリティ特徴部からこのセキュリティ特徴部を物理的に分離することにより、これらの結果を達成する。本発明により、本発明のセキュリティ装置を製造するための方法だけでなく、1つ以上のかかる装置を使用するセキュリティ文書も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は2003年6月10日に米国特許庁に出願された米国仮特許出願第60/477,693号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
(技術分野)
本発明は一般的には、吸光性セキュリティ特徴部をより効果的に隠しながら、これら吸光性セキュリティ特徴部のために利用できる設計の選択肢を増すように働くセキュリティ装置に関するものであり、更に本発明は、かかるセキュリティ装置を製造するための方法および1つ以上のかかるセキュリティ装置の少なくとも一部が埋め込まれるか、および/または取り付けられたセキュリティ文書に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)
文書の本体内に種々の形態のセキュリティ特徴部を設けることにより、機密文書または器具が偽造されにくいようにできることが判っている。実際に文書または器具のセキュリティ性または保全性は、これら文書または器具が使用する別個のセキュリティ特徴部の数と共に増加する。
【0004】
多くのセキュリティ書類およびその他の有価物品は文書上または文書内に配置されたセキュリティ装置、すなわち要素、例えばセキュリティスレッドを備える。このセキュリティ装置は、例えばセキュリティ書類を認証し、偽造を防止するか、または偽造しにくくするように働く1つ以上のセキュリティ特徴部、例えば金属、磁気および/または発光セキュリティ特徴部を一般に含む。
【0005】
共通するタイプのセキュリティスレッドとして、プラスチックの支持基板に配置された、金属で形成された文字またはインデックスを挙げることができる。金属、例えばアルミニウムの極めて薄い(例えば100〜500オングストローム)の膜でコーティングされ、次に金属除去されたかかるスレッドは、現在、米国通貨で使用されているような離散的な金属の文字、新しいユーロ通貨で現在使用されているようなネガ、すなわち反転画像文字、または米国特許第5,486,022号に記載されており、更にインドおよびベネズエラ通貨で使用されているようなネガ、すなわち反転画像文字を含む分離された金属ブロックの繰り返されたパターンのいずれかを呈する。これらスレッドの完全に埋め込まれた部分にある文字は、一般の人々により透過光内で視覚的に検出できる。更にこれらスレッドはスレッド上の導電性特徴部の存在または不存在を検出できる従来のスレッド検出器によっても検出できる。米国特許第5,486,022号に記載されており、インドおよびベネズエラ通貨で使用されているスレッドの繰り返されたパターンは、機械で読み取り可能であるだけでなく、機械でも検出可能である。
【0006】
視覚的に検出可能な、すなわち好適なセキュリティ特徴部は、必要であり、かつ望ましいが、機械で検査可能なセキュリティ特徴部を使用すると、際立ったレベルのセキュリティ性が提供できることが長い間認識されてきた。
【0007】
セキュリティスレッド内では、機械で検査可能なセキュリティ特徴部として磁気材料がこれまで使用されてきたが、不幸なことにこれら磁気材料はある程度の固有のカラーを有しており、これによってセキュリティ書類の表面を通して反射光内で視覚的に検出することが可能となる。これまでこれら材料を隠すための努力がなされてきた。
【0008】
商業的に確立された金属スレッドの外観に一致する改善されたセキュリティスレッドを製造しようとする試みにおいて、カウレ外に付与された米国特許第5,354,099号は、磁気インクを隠すための手段を提供している。特にこの参考文献は、磁気部とプラスチック支持膜上の、金属で形成されたネガのインデックス(すなわちネガの書き込み)とを組み合わせるように働くセキュリティスレッドを開示している。更に、カウレ外は、金属コーティングがその反射特性に起因し、ネガの書き込みの最も外側の層を構成することを教示している。ネガの書き込みを形成するための、上記米国特許に開示されている方法では、支持膜上に多数の層を形成し、その後、これらの層を除去し、「ネガの書き込み」を形成している。この要旨となる方法は一部は「ネガの書き込み」をより明瞭にするために、一部「機械的に作用する処理方法」に基づいている。発泡添加剤によりインクの容積を増し、よってスレッドの表面に膨れを形成し、この膨れが「機械的に作用する処理方法」に良好なアタックポイントとなる場合、発泡添加剤を使用すると、クリアでかつ顕著な「ネガの書き込み」を製造する方法の能力が高まる。上記米国特許の第5コラム、2〜7行を参照されたい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
不幸なことに、上記米国特許に記載されている方法は時間がかかり、かつ困難である。更に磁気部とネガの書き込みとを組み合わせることによって磁気セキュリティ特徴部に対して利用できる設計上の選択肢が制限される。
【0010】
コート外に付与された米国特許第6,549,131号は、磁気材料を隠すための改良された方法を提供している。この米国特許によれば、支持基板と、この支持基板上に配置された第1金属層と、この第1金属層に配置された磁気層と、この磁気層上に配置された第2金属層とを含む、ラミネートされたセキュリティ装置が提供される。一実施例では、これら層は集団としてネガまたはポジのいずれかのグラフィックインデックスを支持基板上に形成する。上記コート外のラミネートされたセキュリティ装置を製造する好ましい方法は、
a.支持基板を設けるステップと、
b.前記支持基板の表面の少なくとも一部に金属層を張り付けるステップと、
c.磁気化学レジストが金属層上にグラフィックインデックスのパターンを形成する場合、金属層の少なくとも一部に熱および/または圧力で附勢可能な接着剤を含む、磁気化学レジストを塗布するステップと、
d.前記金属層の突出した部分を除くよう、前記金属層を化学的にエッチングするステップとを備え、この場合、磁気化学的レジストおよびこの磁気化学的レジストの下にある金属層の一部が共に支持基板上にグラフィックインデックスのパターンを形成するように、磁気化学レジストにより化学的エッチングが阻止され、更に、
e.レリースコーティングされた支持膜上に設けられたフォイル膜を熱および圧力の下で支持基板上のグラフィックインデックスパターンに塗布し、フォイル膜がグラフィックインデックスパターンの磁気領域を接着させ、カバーするか、または隠すようにするステップとを備える。
【0011】
上記コート外のラミネートされたセキュリティ装置を製造する方法は、良好なプロセス上の経済性を提供するが、金属と磁気部を単一のグラフィックデザインに一体化することによって、磁気セキュリティ特徴部のために利用できる設計上の選択肢が制限される。
【0012】
新しいユーロ通貨で使用されているセキュリティスレッドの設計は、例えば真空蒸着される金属を使用する代わりに、これらスレッドが磁気材料を隠すために銀のインクを使用している点で、上記従来の文献の内容と多少異なる。不幸なことに、反射光の下でこれらセキュリティ書類の重なった表面を通して、これら磁気材料をまだ見ることができる。
【0013】
従って、これら従来のセキュリティスレッドの欠点を克服したセキュリティ装置に対するニーズが存在している。
【0014】
従って、本発明の目的は、かかるセキュリティ装置を提供することにある。
【0015】
本発明のより特定の目的は、かかる吸光性セキュリティ特徴部のための設計上の選択肢を増加したセキュリティ装置を提供することにある。
【0016】
本発明の別の、より特定の目的は、吸光性セキュリティ特徴部をより効果的に隠し、よってこのセキュリティ装置を使用するセキュリティ文書の光学的品質を改善したセキュリティ装置を提供することにある。
【0017】
本発明の更に別の、より特定の目的は、ホログラフィおよび/または回折セキュリティ特徴部のような追加セキュリティ特徴部または要素を使用できるようにする第2の支持基板を利用するセキュリティ装置を提供することにある。
【0018】
本発明の更に別の、より特定の目的は、1回の工程で見当合わせを不要にすることにより、製造上の要求を低減し、装置を構成する層の厚みを薄くできるようにすることにより、方法の経済性を改善したセキュリティ装置を製造するための方法を提供することにある。
【0019】
本発明の更に別の特定の目的は、セキュリティ装置が完全に埋め込まれている領域において、セキュリティ文書の光学的な品質が改善された、1つ以上のかかるセキュリティ装置が内部に少なくとも部分的に埋め込まれ、および/または上部に取り付けられたセキュリティ文書を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
(発明の概要)
従って、本発明は、上部にインデックスの第1の任意に繰り返されたパターンを有する第1光透過性支持基板と、
上部にインデックスの第2の任意に繰り返されたパターンを有する第2の光透過性支持基板とを備え、
前記第1支持基板が前記第2の透過性支持基板に固定可能に取り付けられており、
前記インデックスの第2の任意に繰り返されたパターンの一部が機械で検査可能な吸光性材料から形成されており、
本セキュリティ装置をいずれかの対向する平面状表面から見たとき、インデックスの前記第1のパターンとインデックスの前記第2のパターンとを区別できない、対向する平面状の表面を有するセキュリティ装置を提供するものである。
【0021】
本発明は、化学的レジストを使って金属被覆された支持基板にインデックスのパターンをプリントすることによって、インデックスの少なくとも1つの任意に繰り返されたパターンを形成するステップと、金属被覆されプリントされた支持基板を化学的にエッチングし、前記化学的レジストによって保護されていない金属を除去するステップとを備えた、かかるセキュリティ装置を作製するための方法も更に提供するものである。
【0022】
本発明は、前記インデックスの第1の任意に繰り返されたパターンが金属性層と、磁気層とを備え、
a.磁気化学的レジストを使って金属被覆された支持基板にインデックスのパターンをプリントするステップと、
b.金属被覆され、プリントされた支持基板を化学的にエッチングし、前記磁気化学的レジストによって保護されていない金属を除去するステップとを備えた方法により、前記インデックスの第1の任意に繰り返されたパターンを作製する、上記のようなセキュリティ装置も更に提供するものである。
【0023】
本発明は少なくとも一部が内部に埋め込まれているか、および/または上部に取り付けられた、上記のような1つ以上のセキュリティ装置も提供するものである。
【0024】
次の詳細な説明および添付図面から、当業者には本発明のその他の特徴および利点が明らかとなろう。
【0025】
特に明記しない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属す技術の当業者により共通に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書で引用するすべての刊行物、特許出願、特許およびその他の参考文献はそれら全体を参考例として援用する。内容が相反する場合、定義を含む本明細書を対象とする。更に、資料、方法および例は単に説明のためのものであって、発明を限定するものではない。
【0026】
以下、添付図面を参照し、ここに開示する発明の特定の特徴について説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(発明を実施するための最良の形態)
以下、本明細書では、本発明のセキュリティ装置を主に紙幣に関連して使用されるセキュリティストリップ、すなわちスレッドとして説明するが、本発明はこのセキュリティストリップまたはスレッドだけに限定されるものではない。本発明のセキュリティ装置は認証目的のための文書または識別手段を有する種々の異なる形態で利用できる。
【0028】
本発明のセキュリティ装置によれば、インデックスの第2の任意に繰り返されたパターン(すなわち視覚的に検査可能、または公開セキュリティ特徴部)から、このセキュリティ特徴部を物理的に分離することにより、機械で検査可能な吸光性材料から一部が形成されたインデックスの第1の任意に繰り返されたパターン(例えば機械で検査可能なセキュリティ特徴部)のための設計選択肢を増加できる。本発明のセキュリティ装置は吸光性(例えば磁気)セキュリティ特徴部をより効果的に隠すことにより、新ユーロ通貨で使用されているセキュリティスレッド固有の欠点も克服できる。
【0029】
次に、添付図面について詳細に参照する。本発明のセキュリティ装置の好ましい実施例を一般的に示すために、参照番号10を使用する。このセキュリティ装置10は基本的にはインデックスの第1の任意に繰り返されたパターン14が上部に形成された第1支持基板12を備え、この第1支持基板12はインデックスの第2の任意に繰り返されたパターン18が上部に形成された第2の支持基板16に固定可能に取り付けられている。インデックスの第1の任意に繰り返されたパターン14とインデックスの第2の任意に繰り返されたパターン18とは、正確に見当合わせされた配置にできるが、かかる配置は必要でもなければ、好ましいものでもない。
【0030】
第1の支持基板12および第2の支持基板16は、約4〜約26ミクロン(好ましくは約4〜約12ミクロン)の範囲の厚みを有する光透過性支持基板である。
【0031】
好ましい実施例では、各支持基板はポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートおよびそれらの混合物の群から選択された1つ以上の基本的には無色のポリマーを使用することにより形成されている。より好ましい実施例では、各支持基板はポリエステルフィルムである。
【0032】
別の好ましい実施例では、支持基板12、16は着色されており、および/または発光性であり、更に別の実施例では、少なくとも1つの支持基板は回折格子および/またはホログラム構造のような光学的マークを含む。
【0033】
上記とは別に、1つの支持基板はセキュリティ装置10をセキュリティ文書、例えば紙内またはその上に接着するための接着特性を提供することが好ましい。
【0034】
インデックスの第1の任意に繰り返されたパターンは、機械で検出可能な情報およびオプションとしての機械で読み取り可能な情報を具現化した、機械で検査可能なセキュリティ特徴部である。インデックス14の第1パターンは、
a.反射光内でセキュリティ書類の上部表面または下部表面を通して区別できる、機械で検査可能な吸光性材料の、少なくとも1つの層20と、
b.第1支持基板12と吸光性材料の層20との間に位置するカモフラージュまたはマスキング材料の少なくとも1つの層22とを備える。
【0035】
本明細書で使用されるような「吸光性」なる用語は、セキュリティ書類の上部層を通して反射光で視覚的に検出可能な、本質的にはカラー材料を意味する。かかる材料は一般に入射光の約95%より多い光を吸収する。
【0036】
機械で検査可能な固有のカラーの材料の例として、磁気材料および電子的に共振する材料を挙げることができるが、これらの材料だけに限定されるわけではない。
【0037】
磁気材料は「硬」磁性材料または「軟」磁性材料を含み、これらの材料はライトシルバーグレイからダークまたはブラックまでの範囲の、種々の程度の固有の色を有する。
【0038】
比較的高い保磁力(例えば10キロアンペア/メートルより大)を有する酸化鉄のような硬磁性材料は、磁界に露出された後の残留磁化により検出される。この磁界は製造時または検出直前に印加する。
【0039】
保磁力が比較的小さいニッケルコバルトのような軟磁性材料は、これら材料の透磁性、保磁力、B−H(磁化/減磁)ループ、非線形および/または磁化特性を利用して検出できる。
【0040】
純粋な鉄のような軟磁性材料は、ライトシルバー−グレイ顔料として製造できる。これら顔料は透磁性が大きく、鉄含有量が多い(一般に99.5%)ことに起因し、これら顔料は飽和磁化特性が極めて高い。
【0041】
本明細書で使用する「カモフラージュまたはマスキング材料」なる用語は、セキュリティ文書の表面を通して反射光内で裸眼には吸光性材料を実質的に検出できないようにし、よってこのセキュリティ装置を使用するセキュリティ文書の光学的品質を改善できるようにする任意の材料を有するものである。かかる材料は一般に、入射光の約95%よりも多い光を反射する。
【0042】
好ましいカモフラージュまたはマスキング材料として、金属または金属性材料を挙げることができるが、これら材料だけに限定されるわけではない。
【0043】
本発明で使用するのに適した金属または金属性材料の例として、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、銅(Cu)、金(Au)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)またはこれら材料のうちの2つ以上の合金を挙げることができるが、これら材料だけに限定されるわけではない。より好ましい金属または合金はアルミニウムである。
【0044】
インデックスの第1の任意に繰り返されたパターン14、すなわち機械で検査可能なセキュリティ特徴部は、このセキュリティ特徴部がインデックスの第2の任意に繰り返されたパターン18によって実質的にカバーまたは隠されていることを条件に、記号、デザイン、形状またはその他のグラフィックインデックスの任意のタイプおよびそれらの組み合わせを含む任意の形態または表示を採用できる。
【0045】
インデックスの第1の任意に繰り返されたパターン14の厚みは、約1.0〜約20.0ミクロンの範囲、好ましくは約3.0〜約12.0ミクロンの範囲である。
【0046】
インデックスの第1の任意に繰り返されたパターン14は、本明細書で参考例として援用する米国特許第6,255,948号に記載されているような従来の技術を使って製造できる。
【0047】
好ましい実施例では機械で検査可能な吸光性材料および組成物を金属反応性溶剤に対して抵抗力を与えるための化学的レジストを含む組成物を使用して、金属被覆されたプラスチックウェブまたはシートに直接(グラビアまたはスクリーン印刷方法のような従来の印刷技術により)プリントすることによって形成される。次に金属被覆され、プリントされたプラスチックウェブを金属反応性溶剤に曝し、プラスチックウェブ上のプリントされていない金属領域を化学的にエッチングまたは溶解する。
【0048】
化学的レジストの例として、溶剤をベースとするか、水または固体をベースとする、紫外線(UV)または電子ビーム(EB)で重合された樹脂系(例えばポリエステル樹脂系)およびその他従来の化学的レジスト樹脂を挙げることができるが、これらだけに限定されるものではない。
【0049】
化学的エッチングは適当なエッチング剤、例えば水酸化ナトリウム、塩化鉄、または弗化水素素酸と硝酸との混合物および化学的レジスト樹脂によって保護されていない領域内のデポジットされた金属層を充分な深さまでエッチングするように働く技術を使って実行される。
【0050】
より好ましい実施例では、機械で検査可能な吸光性材料は磁気粒子であり、印刷組成物は約50〜約95重量%の磁気粒子、および約50〜約5重量%のエッチング剤抵抗性樹脂を含む。
【0051】
インデックスの第2の任意に繰り返されたパターン18、または公衆セキュリティ特徴部は、透過光内で見たときに視覚的に認識可能な情報の形態(例えば文字、数字、記号)と、オプションとしての機械で検出可能で、オプションとして機械で読み取り可能な情報の形態をとり、金属または金属性材料24の少なくとも1つの層を備える。
【0052】
インデックスの第2の任意に繰り返されたパターン18も従来技術を使って製造できる。
【0053】
好ましい実施例では、金属反応性溶剤に抵抗力のある透明な化学的レジストを使用してプリントすることにより、金属被覆されたプラスチックウェブまたはシートに直接、インデックスの第2の任意に繰り返されたパターン18を形成する。次に、金属被覆され、プリントされたプラスチックウェブを金属反応性溶剤に曝し、プラスチックウェブ上のプリントされていない金属領域を溶解する。2B図に最良のものとして示すように形成されたパターン18は第1の金属層24及び第2の透明化学レジスト層26を構成する。
【0054】
適当な透明な化学的レジストとして、溶剤をベースとするか、水をベースとするか、または固体をベースとする、紫外線(UV)または電子ビーム(EB)で重合された樹脂系(例えばポリエステル樹脂系)を挙げることができるが、これらだけに限定されるものではない。
【0055】
第1支持基板12は光透過接着剤を使って第2支持基板16に固定可能に接着またはラミネートできる。
【0056】
本発明を実施する際に使用するのに適した光透過性ラミネート接着剤は、支持基板の間の良好な接合強度を保証し、光に対して安定であり、経年変化に対する抵抗力があり、微細な沈殿物がなく、ほとんど発泡しないものでなければならない。かかる光透過性ラミネート接着剤の例として、アクリルポリマーおよびコーポリマー、変性アクリルポリマーおよびコーポリマー、ならびにポリエステルを挙げることができるが、これらだけに限定されるものではない。好ましい実施例では、光透過性ラミネート接着剤は溶剤をベースとする樹脂溶液である。
【0057】
第2支持基板16によって物理的に分離されているインデックスの第1および第2パターン14、18は、例えば紙幣に埋め込まれると、透過照明下では単一のグラフィック構造の外観となり、偽造が困難となり、実際にどれだけ多くのセキュリティ特徴部が存在するかを確認できるようになる。従って、本発明のセキュリティ装置10を使用する文書に対して際立ったレベルのセキュリティ性が得られる。図1Aおよび1C、ならびに図2Aおよび2Cを見ると明らかとなるように、セキュリティ装置10は表面と裏面とが実質的に同じように見えるという別の利点も有するので、セキュリティペーパーまたは紙幣内にこれらセキュリティ装置10を組み込む必要はなくなる。
【0058】
透過光の照明下で単一のグラフィックデザインの外観を保証するために、インデックスの第1の任意に繰り返されたパターン14の吸光性材料の上部の露出した面を、インデックスの第2の任意に繰り返されたパターン18によって実質的に隠さなければならない。例えば図1B、図2Bおよび図3に最良に示されるように、インデックスの第1のパターン14が幾何学的な形状の繰り返されたパターンであるとき、インデックスの第2の任意に繰り返されたパターン18のベタ金属部分または金属性部分28の下方に、各幾何学形状を設けなければならず、更に部分28よりも小さい寸法とするか、またはこの部分に見当合わせしなければならない。
【0059】
当業者であれば容易に理解できるように、インデックスの第1の任意に繰り返されたパターン14を、インデックスの第2の任意に繰り返されたパターン18とを同一の範囲にする必要はないということにより、この機械で検査可能なセキュリティ特徴部に対する無限の数の設計上の選択肢が可能となる。
【0060】
本発明のセキュリティ装置10は追加層またはコーティングを含むことができるが、このことは、かかる追加層またはコーティングがインデックスの第1および第2パターン14、18によって伝えられる情報および/または認証検査装置によって見られる信号を視覚的に認識することを妨害しないことを条件とする。使用する追加層またはコーティングは外側保護層と、セキュリティ文書内への、またはその上部へのセキュリティ装置の組み込みを容易にするセキュリティ装置10の両側に設けられた光透過性接着層と、エオシン、フルオレセン、蛍石、フクシン、キニンの硫酸塩、硫化カルシウム、サリチル酸ネオジミウム、グルコン酸サマリウム、サリチル酸イットリウムおよび同等物から構成された蛍光性コーティングとを含む。
【0061】
図3に最良に示されるように、好ましい実施例では、セキュリティ装置10は外側保護層30を使用している。この外側保護層30は光透過性保護層であり、約3.0〜約12.0ミクロン(好ましくは約3.0〜約6.0ミクロン)までの範囲の厚みを有する保護膜、または約1.0〜約6.0ミクロンの範囲の厚みをを有するプリントされたコーティングの形態をとり得る。
【0062】
より好ましい実施例では、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチンレン、ポリエチレンテレフタレートおよびそれらの混合物の群から選択された1つ以上の基本的には無色のポリマーを使って形成される。最も好ましい実施例では、この保護層はラミネートされたポリエステルフィルムである。
【0063】
別のより好ましい実施例では、保護層30はカラーおよび/または発光性であり、更に別のより好ましい実施例では、保護増は書類内、書類上にセキュリティ装置10を接着するための接着性を提供する。
【0064】
上記光透過性接着剤を使用することにより、インデックスの第2パターン18および第2支持基板16に外側保護層30をラミネートできる。
【0065】
本発明の最も好ましい実施例では、インデックスの第1の任意に繰り返されたパターン14は、アルミニウム金属の層と、機械で検査可能な強磁性材料の層とを備え、インデックスの第2の任意に繰り返されたパターン18はアルミニウム金属の層と、透明な化学的レジストの層とを備え、セキュリティ装置10は、
a.強磁性化学的レジストを使用し、第1の金属被覆された支持基板上にインデックスの任意に繰り返されたパターンをプリントし、この金属被覆され、プリントされた支持基板を化学的にエッチングし、前記強磁性化学的レジストによって保護されていない金属を除去するステップを備えたプロセスにより、インデックスの第1の任意に繰り返されたパターン14を作製するステップと、
b.溶媒をベースとする接着剤を使用し、第1の支持基板12に金属被覆された第2の支持基板をラミネートするステップと、
c.透明な化学的レジストを使用し、金属被覆された第1の支持基板にインデックスのパターンをプリントし、該金属被覆され、プリントされた支持基板をエッチングし、透明な化学的レジストによって保護されていない金属を除去するプロセスにより、インデックスの第2の任意に繰り返されたパターン18を作製するステップとを備えたプロセスによって作製される。
【0066】
本発明の方法は第1の支持基板上で磁気インデックスのパターンと金属インデックスのパターンを見当合わせすることを不要にするので、製造上の要求を低減し、プロセスの経済性を改善できる。本発明の方法は、コート外に付与された米国特許第6,549,131号に記載されているように、現在の構造から層を移動させる必要がない場合、より薄い層を使用できるようにもする。本発明に固有のその他の魅力ある特徴として、この方法を高速プリントおよびエッチング方法に適用でき、第1の支持基板と第2の支持基板との組み合わせを同じように高速ラミネーションにも適用できるということを挙げることができる。
【0067】
本発明のセキュリティ文書は好ましくはセキュリティ書類であり、好ましくはセキュリティスレッドの形態をしたセキュリティ装置10は全体または一部を書類内に埋め込んだり、および/または書類の上に取り付けられる。
【0068】
一部が埋め込まれたセキュリティ装置10では、その一部がセキュリティ文書の片面または両面に露出する。かかる一実施例では、セキュリティスレッドの形態をしたセキュリティ装置10の一部は、文書内のウィンドーまたは開口部にて、スレッドの長手方向に沿って離間した間隔で文書の片面に露出する。
【0069】
別のかかる実施例では、セキュリティ文書には1つ以上のウィンドー状の貫通開口部が設けられ、この場合、セキュリティ装置10はこれら開口部にてセキュリティ文書の両側にて同じ位置に露出する。セキュリティ文書には文書の片面だけで装置10を露出するように働く1つ以上のウィンドー状の非貫通開口部を設けてもよい。セキュリティスレッドの形態であることが好ましいが、装置10のサイズ及び形状はすべての側面で貫通開口部および非貫通開口部を越えて貫通する程度にしか限定されないことに留意すべきである。
【0070】
好ましい実施例では一部が埋め込まれたセキュリティ装置10は、ウィンドー状の貫通開口部の領域にて透明である。より好ましい実施例では、セキュリティ装置10には追加セキュリティ特徴部、例えば回折構造(すなわち光回折効果または光屈折効果を有する構造)および偏光フィルタが設けられる。例えばセキュリティ装置10にはウィンドー状の貫通開口部の領域にて偏光フィルタを設けることができ、セキュリティ文書にはその一方の表面に変形光学的画像を設けることができる。この変形光学的画像は文書自身を折りたたみ、偏光フィルタを通して見ると、隠されたメッセージを現す。
【0071】
ウィンドー状の貫通開口部および非貫通開口部の数、サイズ、形状および位置は限定されない。実際にこれら特徴部の1つ以上を変えることにより、セキュリティ文書の変形を行うことが可能となる。
【0072】
セキュリティ装置10は製紙業界で一般に使用されている技術により、製造中にセキュリティ紙内に少なくとも一部を組み込むことができる。例えばセキュリティスレッド状をした本発明の装置10をシリンダモールド製紙装置、シリンダバット装置または公知のタイプの同様な装置に送ると、その結果、仕上がった紙の本体内にスレッドの全体または一部を埋め込むことができる。かかる1つの製造技術では、1つ以上のウィンドー状の貫通開口部を有する紙の2つの層が1つにされている。これら層を1つにする作業中、各層内の少なくとも1つのウィンドーが互いに、かつスレッドと見当合わせされた関係に一致し、その結果生じる紙ウェブの両側でウェブ上の同じ位置に露出するようにセキュリティスレッドを導入する。
【0073】
上記の外に、本発明のセキュリティ装置10をセキュリティ文書(例えばセキュリティ紙)の表面に実装できる。かかる実施例では、セキュリティ文書には1つ以上のウェブ状貫通開口部が設けられ、これら開口部のうちの少なくとも1つはセキュリティ装置10によってカバーされる。セキュリティ装置10はすべての側面上の開口部を超えて突出し、(全表面積にわたり)セキュリティ文書の表面に固定される。上記のように、装置10のサイズおよび形状はこの装置がすべての側面において貫通開口部を超えて延びる程度だけに限定される。
【0074】
開口部の領域において、セキュリティ装置10は透明であり、回折構造および偏光フィルタのような別のセキュリティ特徴部を設けることができる。
【0075】
1つの可能な実施例では、ウェブ状貫通開口部に載った領域において、セキュリティ装置10に偏光フィルタが設けられ、セキュリティ文書の表面に変形光学的画像が設けられる。文書を折りたたみ、偏光フィルタを通して画像を見ると、変形された光学的画像が隠されていたメッセージを現す。
【0076】
例えばパンチング作業または切断(例えばレーザー切断)作業により、製造中、またはその後の変換プロセス中にウィンドー状貫通開口部を形成してもよい。
【0077】
セキュリティ文書の表面または文書表面内に形成された凹部に装置10を取り付けることは、装置10の表面に感圧接着剤を塗布し、装置10を文書の任意に凹状表面に押圧する技術、および装置10の表面に熱活性された接着剤を塗布し、熱転写技術を使って装置10を文書の任意に凹状表面に押圧する技術を含む、公知の任意の数の技術によって達成できる。
【0078】
インデックスの第1の任意に繰り返されたパターン14、および可能な場合にはインデックスの第2の任意に繰り返されたパターン18と共に使用可能な検出方式として、簡単な認識/認証方式およびデータ/識別/デノミネーション検出方式が挙げられる。
【0079】
インデックスパターン14、18を形成する材料の種々の特性を使用して、簡単な認識/認証方式を実施できる。特に金属性および磁気材料を使用するインデックスパターン14は、例えばセキュリティ装置10に1つ以上の金属性および/または磁気特性が存在するかどうかを検出することによって認証できる。
【0080】
金属または金属性セキュリティ特徴部の検出は、容量およびマイクロウェーブ共鳴のような固有の金属特性に基づく検出器によって実施できる。かかる検出器およびこれら検出器が依存する検出手段または機構は、本明細書で参考例として援用する米国特許第4,980,569号、同第5,279,403号、同第5,308,992号、同第5,394,969号、同第5,417,316号、同第5,419,424号および同第5,810,146号に図示され、記載されている。
【0081】
10キロアンペア/メートルよりも大きい高保磁性を有する硬磁性材料は、高磁界に露出した後に、それらの残留磁化によって検出できる。製造時または検出直前のいずれにおいても、磁界を加えることができる。
【0082】
軟磁性材料の検出可能な磁気特性としては、透磁性、保持力、B−H(磁化/減磁)ループ、非線形および磁化特性を挙げることができる。磁界を加えることにより、磁気特性の中間範囲(すなわち検出器のヘッドと磁気特徴部との間が1〜2mm)の検査によって検出を行うことができる。かかる検出方式は本明細書で参考例として援用する米国特許第5,614,824号に記載されている。
【0083】
データ/識別/デノミネーション検出方式は、支持基板にデータ(すなわちアナログまたはデジタル)をコード化する目的のために、1つ以上の材料の特性(例えば1つ以上の金属性および/または磁気特性)を使用する。セキュリティ文書の上、またはその内部でセキュリティ装置を使用すると、データを検出し、読み取り、デコードすることができ、セキュリティ文書を認証し、識別できる。
【0084】
(1つ以上の硬磁性材料または1つ以上の軟磁性材料の形態をした)金属性材料および/または磁気材料をパターン化または使用して、多数の方法で支持基板にデータをコード化することができる。
【0085】
本明細書で参考例として援用する米国特許第6,549,131号には、磁気材料および/または金属または金属性材料を使用するパターン化方式またはコード化方式が記載されている。
【0086】
以上で本発明の種々の実施例について説明したが、これら実施例は単なる例として示したものであり、発明を限定するものではないと理解すべきである。従って、本発明の範囲がこれまで説明した実施例のいずれによっても限定すべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1A】インデックスの第2パターンを単一層材料から形成した、本発明のセキュリティ装置の好ましい実施例の平面図である。
【図1B】ライン1Bに沿った、図1Aに示されたセキュリティ装置の横断面図である。
【図1C】図1Aに示されたセキュリティ装置の底部平面図である。
【図2A】インデックスの第2パターンを異なる材料の2つの層から形成した、本発明のセキュリティ装置の好ましい別の実施例の上部平面図である。
【図2B】ライン2Bに沿った、図2Aに示されたセキュリティ装置の横断面図である。
【図2C】図2Aに示されたセキュリティ装置の底部平面図である。
【図3】外側保護層を使用する、本発明のセキュリティ装置の好ましい別の実施例の横断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部にインデックスの第1の任意に繰り返されたパターンを有する第1光透過性支持基板と、
上部にインデックスの第2の任意に繰り返されたパターンを有する第2の光透過性支持基板とを備え、
前記第1支持基板が前記第2の透過性支持基板に固定可能に取り付けられており、
前記インデックスの第2の任意に繰り返されたパターンの一部が機械で検査可能な吸光性材料から形成されており、
本セキュリティ装置をいずれかの対向する平面状表面から見たとき、インデックスの前記第1のパターンとインデックスの前記第2のパターンとを区別できない、対向する平面状の表面を有するセキュリティ装置。
【請求項2】
前記インデックスの第1の任意に繰り返されたパターンが、
a.機械で検査可能な吸光性材料の少なくとも1つの層と、
b.前記第1キャリア基板と前記吸光性材料の層との間に位置する、カモフラージュまたはマスキング材料の少なくとも1つの層とを備えた、請求項1記載のセキュリティ装置。
【請求項3】
前記機械で検査可能な吸光性材料が、磁気材料と、電子共鳴材料とを備えた群から選択されたものである、請求項2記載のセキュリティ装置。
【請求項4】
前記カモフラージュまたはマスキング材料が金属材料または金属性材料である、請求項2記載のセキュリティ装置。
【請求項5】
前記金属材料または金属性材料がアルミニウム、クロム、コバルト、銅、金、鉄、ニッケル、銀、2つ以上の金属材料または金属性材料の合金およびそれらの組み合わせを含む群から選択されたものである、請求項4記載のセキュリティ装置。
【請求項6】
前記インデックスの第1の任意に繰り返されたパターンが磁気化学的レジスト層と、金属性層とを含む、請求項2記載のセキュリティ装置。
【請求項7】
前記インデックスの第2の任意に繰り返されたパターンが金属材料または金属性材料の少なくとも1つの層を含む、請求項1記載のセキュリティ装置。
【請求項8】
前記インデックスの第2の任意に繰り返されたパターンが金属層またはは金属性層と透明な化学的レジスト層とを含む、請求項7記載のセキュリティ装置。
【請求項9】
前記第1支持基板が光透過性接着剤を使用して第2の支持基板に固定可能に取り付けられている、請求項1記載のセキュリティ装置。
【請求項10】
光透過性接着剤がアクリルポリマーおよびコーポリマーと、変性アクリルポリマーおよびコーポリマーと、ポリエステルとを含む群から選択されたものである、請求項9記載のセキュリティ装置。
【請求項11】
光透過性外側保護層を更に備えた、請求項1記載のセキュリティ装置。
【請求項12】
ポリエステルと、ポリプロピレンと、ポリエチレンと、ポリエチレンテレフタレートと、これらの混合物とを含む群から選択された1つ以上の本質的には無色のポリマーを使って前記外側保護層が形成されている、請求項11記載のセキュリティ装置。
【請求項13】
化学的レジストを使って金属被覆された支持基板にインデックスのパターンをプリントすることにより、インデックスの少なくとも1つの任意に繰り返されたパターンを形成するステップと、金属被覆され、プリントされた支持基板を化学的にエッチングし、化学的レジストによって保護されていない金属を除去するステップとを備えた方法によって作製する、請求項1記載のセキュリティ装置。
【請求項14】
前記インデックスの第1の任意に繰り返されたパターンが、金属層と、磁気化学的レジスト層とを備え、インデックスの第1の任意に繰り返されたパターンが、
a.磁気化学的レジストを使って金属被覆された支持基板にインデックスのパターンをプリントするステップと、
b.金属被覆されプリントされた支持基板を化学的にエッチングし、前記磁気化学的レジストによって保護されていない金属を除去するステップとを備えた方法によって、前記インデックスの第1の任意に繰り返されたパターンを作製する、請求項13記載のセキュリティ装置。
【請求項15】
前記インデックスの第2の任意に繰り返されたパターンが金属性層と、透明な化学的レジスト層とを備え、
a.透明な化学的レジストを使って金属被覆された支持基板にインデックスのパターンをプリントするステップと、
b.金属被覆され、プリントされた支持基板を化学的にエッチングし、前記透明な化学的レジストによって保護されていない金属を除去するステップとを備えた方法により、前記インデックスの第2の任意に繰り返されたパターンを作製する、請求項13記載のセキュリティ装置。
【請求項16】
前記インデックスの第1の任意に繰り返されたパターンがアルミニウム金属の層と、機械で検査可能な強磁性化学的レジストの層とを備え、インデックスの前記第2の任意に繰り返されたパターンがアルミニウム金属の層と、透明な化学的レジストの層とを備え、
a.強磁性化学的レジストを使ってアルミニウムコーティングされた第1の支持基板にインデックスの任意に繰り返されたパターンをプリントし、前記アルミニウムコーティングされ、プリントされた支持基板を化学的にエッチングし、強磁性化学的レジストによって保護されていない金属を除去するステップと、
b.アルミニウムコーティングされた第2の支持基板を前記第1の支持基板にラミネートするステップと、
c.透明な化学的レジストを使ってアルミニウムコーティングされた第2の支持基板にインデックスのパターンをプリントし、アルミニウムコーティングされ、プリントされた支持基板をエッチングし、透明な化学的レジストによって保護されていない金属を除去するプロセスによってインデックスの前記第2の任意に繰り返されたパターンを作製するステップとを備えた方法により作製される、請求項1記載のセキュリティ装置。
【請求項17】
前記セキュリティ装置が、対向する平面状の表面を有し、更に上部に形成されたインデックスの第1の任意に繰り返されたパターンを有する第1支持基板を備え、前記第1支持基板が上部に形成されたインデックスの第2の任意に繰り返されたパターンを有する第2の支持基板に固定可能に取り付けられており、
前記インデックスの第1の任意に繰り返されたパターンが、
a.機械で検査可能な吸光性材料の少なくとも1つの層と、
b.前記第1支持基板と前記吸光性材料の層との間に位置する、カモフラージュまたはマスキング材料の少なくとも1つの層とを備え、
いずれかの反対の平面状表面から本セキュリティ装置を見ると、前記インデックスの第1パターンと前記インデックスの第2パターンとを区別できなく、
更に前記方法が、
i.機械で検査可能な吸光性材料を含む、化学的レジストを使って金属被覆された第1の支持基板にインデックスの任意に繰り返されたパターンをプリントし、金属被覆され、プリントされた支持基板を化学的にエッチングシ、化学的レジストによって保護されていない金属を除去する方法により、前記インデックスの第1の任意に繰り返されたパターンを作製するステップと、
ii.金属被覆された第2の支持基板を前記第1の支持基板にラミネートするステップと、
iii.透明な化学的レジストを使って前記第2の金属被覆された支持基板にインデックスのパターンをプリントし、金属被覆され、プリントされた支持基板をエッチングし、透明な化学的レジストを使って保護されていない金属を除去する方法により、前記インデックスの第2の任意に繰り返されたパターンを作製するステップとを備えた、セキュリティ装置を作製するための方法。
【請求項18】
前記機械で検査可能な吸光性材料が磁気材料である、請求項17記載のセキュリティ装置を作製するための方法。
【請求項19】
少なくとも一部が内部に埋め込まれているか、上部に取り付けられた1つ以上のセキュリティ装置を有するセキュリティ文書であって、少なくとも1つのセキュリティ装置が対向する平面状の表面を有すると共に、
上部にインデックスの第1の任意に繰り返されたパターンを有する第1光透過性支持基板と、
上部にインデックスの第2の任意に繰り返されたパターンを有する第2の光透過性支持基板とを備え、
前記第1支持基板が前記第2透過性支持基板に固定可能に取り付けられており、
前記インデックスの第2任意に繰り返されたパターンの一部が機械で検査可能な吸光性材料から形成されており、
本セキュリティ装置をいずれかの対向する平面状表面から見たとき、インデックスの前記第1パターンとインデックスの前記第2パターンとを区別できないようになっているセキュリティ文書。
【請求項20】
前記セキュリティ装置に前記インデックスの第1の任意に繰り返されたパターンが、
a.機械で検査可能な吸光性材料の少なくとも1つの層と、
b.前記第1支持基板と前記吸光性材料の層との間に位置する、カモフラージュまたはマスキング材料の少なくとも1つの層とを備えた、請求項19記載のセキュリティ文書。
【請求項21】
1つ以上のウィンドー状の貫通開口部が設けられており、前記セキュリティ文書の表面に前記セキュリティ装置が取り付けられ、少なくとも1つのかかる貫通開口部をカバーし、前記貫通開口部に重なる領域において前記セキュリティ装置が透明となっている、請求項19記載のセキュリティ文書。
【請求項22】
前記セキュリティ装置が更に前記貫通開口部に重なる領域において少なくとも1つの追加セキュリティ特徴部を備えている、請求項21記載のセキュリティ文書。
【請求項23】
前記少なくとも1つの追加セキュリティ特徴部が偏光フィルタであり、前記セキュリティ文書の表面には変形された光学的画像が設けられており、文書を折りたたみ、偏光フィルタを通して画像を見ると、該変形された光学画像が隠されたメッセージを現す、請求項22記載のセキュリティ文書。
【請求項24】
1つ以上のウィンドー状の貫通開口部が設けられており、本文書内に前記セキュリティ装置が部分的に埋め込まれており、前記貫通開口部において文書の両側の同じ位置に前記セキュリティ装置が露出している、請求項19記載のセキュリティ文書。
【請求項25】
1つ以上のウィンドー状の非貫通開口部が設けられており、該非貫通開口部において、前記セキュリティ装置も露出している、請求項24記載のセキュリティ文書。
【請求項26】
前記貫通開口部の領域において、前記セキュリティ装置が透明となっている、請求項24記載のセキュリティ文書。
【請求項27】
前記セキュリティ装置が前記貫通開口部の領域において、少なくとも1つの追加セキュリティ特徴部を更に含む、請求項26記載のセキュリティ文書。
【請求項28】
前記少なくとも1つの追加セキュリティ特徴部が偏光フィルタであり、前記セキュリティ文書の表面には変形された光学的画像が設けられており、文書を折りたたみ、偏光フィルタを通して画像を見ると、該変形された光学画像が隠されたメッセージを現す、請求項27記載のセキュリティ文書。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−518593(P2007−518593A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533734(P2006−533734)
【出願日】平成16年6月9日(2004.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/018634
【国際公開番号】WO2005/001756
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(503457611)クレイン アンド カンパニー インコーポレーテッド (8)
【出願人】(506018086)テクニカル グラフイックス インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】