説明

改良された側面開口部設計を有する血液透析カテーテル

【課題】血液透析カテーテルの中に入る血流の流れダイナミックスを改良して血栓の形成を最小にするように構成される側面開口部を有するカテーテルを提供すること。
【解決手段】血液透析カテーテルであって、該血液透析カテーテルは、カテーテル本体を備えており、該カテーテル本体は、静脈管腔および動脈管腔を画定する側壁および隔壁を有し、該静脈管腔および該動脈管腔は、遠位開口部と、該カテーテル本体の該側壁を貫いて形成された側面開口部とを含み、側面開口部は、側壁の外部表面から内部表面へ貫通し、各遠位開口部および側面開口部は、それぞれの静脈管腔または動脈管腔と連通し、案内構造が、動脈管腔と連通する側面開口部の遠位端に隣接して位置決めされ、該案内構造は、血流を該動脈管腔側面開口部を通して該動脈管腔の中に方向転換させるように構成されている、血液透析カテーテル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、血液透析カテーテルに関し、特に、改良された側面開口部を備えた血液透析カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
カテーテルは、体腔、管路、および血管に出し入れする流体の導入および取り出しにおいて使用する可撓性の医療用器具である。カテーテルは、液体治療薬の投与および試験、監視、または処分のための体液の取り出しを含む人体内での多くの様々な用途に対して使用される。カテーテルは、血液透析処置において特定の用途を有し、血液透析処置においては、血液が血管から取り出され、透析または浄化のために血液透析ユニットの方に導かれ、そして次に血管に戻される。
【0003】
通常、透析カテーテルは、静脈管腔と動脈管腔とを含む少なくとも2つの管腔を画定する。動脈管腔は、患者から血液を取り出し、透析器に血液を送達する。静脈管腔は、透析器から浄化された血液を受け取り、その血液を患者に戻す。静脈管腔および動脈管腔は、カテーテルの先端に隣接した遠位開口部を含み得る。さらに、静脈管腔および動脈管腔は、カテーテルの先端に対して近位側面開口部も含み得、これら側面開口部は、動脈管腔および静脈管腔に出入りする余分の流路を提供する。
【0004】
公知の透析カテーテルに関する1つの問題は、カテーテルの開口部内において血栓が形成されやすいことである。血栓は、カテーテルの管腔において形成される線維素、血小板、赤血球および白血球から成る凝血である。カテーテルの側面開口部の近くで血栓が形成されると、カテーテルの側面開口部の閉塞を生じ得、カテーテルに出入りする血流を部分的に、または完全に妨げ得る。血栓形成の可能性は、血液に対して高い剪断応力を引き起こす分裂性の血流により増加する。
【0005】
血液透析カテーテルの中に入る血流の流れダイナミックスを改良して血栓の形成を最小にするように構成される側面開口部を有するカテーテルを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示による血液透析カテーテルは、カテーテル本体を含み、このカテーテル本体は、近位端および遠位端を有し、静脈管腔および動脈管腔を画定する。静脈管腔および動脈管腔は各々、遠位開口部と、カテーテル本体の側壁を貫いて形成された側面開口部とを含み得る。各遠位開口部および側面開口部は、それぞれの静脈管腔または動脈管腔と連通する。一実施形態において、血液透析カテーテルは案内構造を含み、この案内構造は、動脈管腔と連通する側面開口部の遠位側に隣接して位置決めされる。案内構造は、血流を動脈管腔側面開口部を通して動脈管腔の中に円滑に方向転換させるように構成される。
【0007】
一実施形態において、案内構造は、側面開口部の遠位側に隣接して位置決めされた隆起した壁を含む。隆起した壁は、側面開口部の遠位端を少なくとも部分的に覆って延びるスクープを画定し得る。スクープは、丸みを付けられた近位表面を含み得、該丸みを付けられた近位表面は、血流をカテーテルの動脈管腔の中に円滑に方向転換させるように構成される。
【0008】
一実施形態において、スクープの高さ「h」は、約「t」と約3tとの間で、カテーテルの側壁の外部表面の上に延び、ここで、「t」は、カテーテルの側壁の厚さである。一実施形態において、hは、約1.5tである。
【0009】
別の実施形態において、案内構造は、側面開口部を画定する角度の付いた遠位内壁を含む。角度の付いた遠位内壁は、カテーテルの側壁の外部表面に隣接して鋭角βを画定する。
【0010】
一実施形態において、βは、約15度と約75度との間である。別の実施形態において、βは約45度である。
【0011】
一実施形態において、案内構造は、静脈管腔と連通する側面開口部の遠位端に隣接して形成される。
【0012】
一実施形態において、血液透析カテーテルは可逆性であり、静脈管腔と連通する側面開口部の遠位端に隣接して形成された案内構造は、カテーテルの側壁の外部表面に対して鋭角βを画定し、ここで、βは、約15度と75度との間である。別の実施形態において、βは約45度である。
【0013】
一実施形態において、静脈管腔と連通する側面開口部は、カテーテルの外部表面に対して実質的に垂直である壁によって画定される。
【0014】
一実施形態において、血液透析カテーテルは非可逆性であり、静脈管腔と連通する側面開口部の遠位端に隣接して形成された案内構造は、カテーテルの内部表面に対して鋭角βを画定する角度の付いた遠位内壁を含む。
【0015】
一実施形態において、患者から流体を取り出すためのカテーテルは、第1の管腔を画定するカテーテル本体を含み、第1の管腔は、第1の管腔と連通するカテーテル本体の遠位端から離された側面開口部を有する。カテーテル本体は案内構造を含み、該案内構造は、流体の流れを側面開口部を通して第1の管腔の中に円滑に方向転換させるように構成された側面開口部の遠位端に隣接して位置決めされる。
【0016】
一実施形態において、案内構造は、側面開口部の遠位端に隣接して位置決めされた隆起した壁を含む。隆起した壁はスクープを画定し得、該スクープは、丸みを付けられた近位方向を向く表面を含む。
【0017】
別の実施形態において、案内構造は、側面開口部を画定する角度の付いた遠位内壁を含み、該角度の付いた遠位内壁は、カテーテル本体の外部表面に対して角度βを画定し、ここで、βは、約15度と約75度との間である。別の実施形態において、βは、約30度と約60度との間である。
【0018】
例えば、本発明は、以下を提供する。
(項目1)
血液透析カテーテルであって、該血液透析カテーテルは、カテーテル本体を備えており、該カテーテル本体は、静脈管腔および動脈管腔を画定する側壁および隔壁を有し、該静脈管腔および該動脈管腔は、遠位開口部と、該カテーテル本体の該側壁を貫いて形成された側面開口部とを含み、側面開口部は、側壁の外部表面から内部表面へ貫通し、各遠位開口部および側面開口部は、それぞれの静脈管腔または動脈管腔と連通し、案内構造が、動脈管腔と連通する側面開口部の遠位端に隣接して位置決めされ、該案内構造は、血流を該動脈管腔側面開口部を通して該動脈管腔の中に方向転換させるように構成されている、血液透析カテーテル。
(項目2)
上記案内構造は、上記側面開口部の遠位端に隣接して位置決めされた隆起した壁を含む、上記項目のいずれか一項に記載の血液透析カテーテル。
(項目3)
上記隆起した壁は、上記側面開口部の遠位端を少なくとも部分的に覆って延びる第1のスクープを画定する、上記項目のいずれか一項に記載の血液透析カテーテル。
(項目4)
上記第1のスクープは、丸みを付けられた近位方向を向く表面を含み、該丸みを付けられた近位方向を向く表面は、上記側壁の外部表面から延び、血流を上記カテーテルの上記動脈管腔の中に方向転換させるように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の血液透析カテーテル。
(項目5)
上記案内構造は、第2のスクープをさらに含み、該第2のスクープは、上記静脈管腔と連通する上記側面開口部の近位端に隣接する上記側壁の上記内部表面から延びる丸みを付けられた遠位方向を向く表面を含み、上記第1のスクープおよび該第2のスクープは、上記カテーテルの上記静脈管腔の外に血流を方向転換させるように構成され、および、該カテーテルの上記動脈管腔の中に血流を方向転換させるように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の血液透析カテーテル。
(項目6)
上記案内構造は、上記動脈管腔の上記側面開口部を画定する角度の付いた遠位内壁を含み、該角度の付いた遠位内壁は、上記カテーテルの上記側壁の外部表面に対して鋭角βを画定する、上記項目のいずれか一項に記載の血液透析カテーテル。
(項目7)
上記静脈管腔と連通する上記側面開口部の遠位端に隣接して形成された案内構造をさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の血液透析カテーテル。
(項目8)
上記血液透析カテーテルは可逆性であり、上記静脈管腔と連通する上記側面開口部の遠位端に隣接して形成された上記案内構造は、該静脈管腔の該側面開口部を画定する角度の付いた遠位内壁を含み、該角度の付いた遠位内壁は、該カテーテルの上記側壁の外部表面に対して鋭角βを画定する、上記項目のいずれか一項に記載の血液透析カテーテル。
(項目9)
上記静脈管腔と連通する上記側面開口部は、上記カテーテルの外部表面および内部表面に対して実質的に垂直である壁によって画定される、上記項目のいずれか一項に記載の血液透析カテーテル。
(項目10)
上記血液透析カテーテルは非可逆性であり、上記静脈管腔と連通する上記側面開口部の遠位端に隣接して形成された上記案内構造は、該静脈管腔の該側面開口部を画定する角度の付いた遠位内壁を含み、該角度の付いた遠位内壁は、該カテーテルの内部表面に対して鋭角βを画定する、上記項目のいずれか一項に記載の血液透析カテーテル。
【0019】
(摘要)
カテーテル本体を含む血液透析カテーテルが提供され、該カテーテル本体は、近位端および遠位端を有し、少なくとも1つの管腔を画定する。該少なくとも1つの管腔は、遠位開口部と、該カテーテル本体の側壁を貫いて形成された側面開口部とを含む。該側面開口部は、該少なくとも1つの管腔と連通しており、そして、案内構造を含み、該案内構造は、該少なくとも1つの管腔の中に血流を円滑に方向転換させるように構成された該側面開口部の遠位側に隣接して位置決めされる。該案内構造は、隆起した壁によって画定され得るか、あるいは代替においては、該側面開口部の角度の付いた遠位壁によって画定され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本開示の血液透析カテーテルの一実施形態の遠位端の側面斜視図である。
【図2】図2は、図1に示された詳細なエリアの拡大図である。
【図3】図3は、図2の断面ライン3−3に沿う断面図である。
【図4】図4は、図2の断面ライン4−4に沿う断面図である。
【図4A】図4Aは、本開示の血液透析カテーテルの別の実施形態の断面図である。
【図5】図5は、本開示の血液透析カテーテルの別の実施形態の遠位端の側面斜視図である。
【図6】図6は、図5の断面ライン6−6に沿う断面図である。
【図6A】図6Aは、図6に示された詳細なエリアの拡大図である。
【図7】図7は、本開示の血液透析カテーテルの代替の実施形態の側面断面図である。
【図7A】図7Aは、図7に示された詳細なエリアの拡大図である。
【図8】図8は、本開示の血液透析カテーテルの別の代替の実施形態の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態の詳細な説明)
本開示の血液透析カテーテルの様々な例示的実施形態が本明細書において論議される。本開示の原理は、長期間および短期間両方に対する、例えば心臓、腹部、泌尿器、および腸管カテーテルのようなある範囲の他の公知のカテーテルの使用に対しても等しく適用可能であることが想定されている。
【0022】
以下の論議において、用語「近位」および「後部(trailing)」は、互換的に使用され得、正しい使用中、臨床医の方により近い構造の部分を指すものとして理解されるべきである。用語「遠位」および「前部(leading)」も、互換的に使用され得、正しい使用中、臨床医からより遠い構造の部分を指すものとして理解されるべきである。本明細書で使用される場合、用語「患者」は、ヒト患者または他の動物を指すものとして理解されるべきであり、用語「臨床医」は、医師、看護師、または他の介護提供者を指すものとして理解されるべきであり、支援職員を含み得る。
【0023】
図1〜図4は、概して10として示される本開示のカテーテルの一例示的な実施形態を示す。カテーテル10は、第1の管腔14および第2の管腔16(図4)を画定するカテーテル本体12を含む。図示されるように、第1の管腔14および第2の管腔16は実質的にD型である。あるいは、管腔14および管腔16は、円形、卵形、その他を含む様々な構成を有し得ることが想定されている。隔壁18は、本体10の近位端から本体10の遠位端へ延びる。一実施形態において、隔壁18は、本体10の外周を画定する側壁20の遠位端から遠位方向に延びる。
【0024】
カテーテル本体12は、一対の遠位開口部22および遠位開口部22の近位方向に離された一対の直径方向に正反対の側面開口部24を画定する。一実施形態において、各遠位開口部22は、隔壁18と側壁20の遠位螺旋構成の側壁延長部26との間に画定される。同様に構成された遠位側壁延長部26を含むカテーテルは、その全容が参考として本明細書に援用されている米国特許第7,776,005号に開示されている。あるいは、カテーテル10の遠位端は、当該技術分野において公知の様々な構成を取り得ることが想定されている。
【0025】
側面開口部24は、遠位開口部22の近位方向に離された位置においてカテーテル本体12の側壁20を貫通するように形成される。各開口部24は、第1の管腔14および第2の管腔16のうちの一方と連通する。図示されるように、開口部24は、本体10上において、直径方向に正反対の位置に位置決めされる。しかしながら、開口部24は、管腔14および管腔16上の任意の位置に位置決めされ得ることが想定され、より多くの複数の管腔も想定されている。位置決めされ得ることが想定されている。開口部24は、卵形構成を有するとして示されているが、多角形、長方形、正方形、台形、円形を含む他の構成ならびに他の規則的および不規則的形状の開口部が想定されている。
【0026】
図1〜図4に示されるように、各側面開口部24の遠位壁は、カテーテル10の管腔14および管腔16の中に血流を円滑に方向転換させるための案内構造を含む。一実施形態において、この構造は、隆起したスクープ32を含み、隆起したスクープ32は、各側面開口部24の遠位端に沿って形成される。スクープ32は、近位表面を含み、この近位表面は、図3において矢印「b」によって特定される流体の流れをカテーテル10の管腔14の中に円滑に方向転換させるように構成される。より詳細には、スクープ32の近位壁は、流体の流れがカテーテル10の中へ円滑に方向転換するために丸みが付けられている。例示された実施形態において、スクープ32は、各側面開口部24の遠位端の上に延びる。代替として、他のスクープ構成が想定されている。
【0027】
一実施形態において、スクープ32は、側壁20(図3)の厚さ「t」と少なくとも同じ大きさの高さ「h」まで側壁20の外側表面から外向きに延びる。他の実施形態においては、スクープ32の高さ「h」は、約「t」と約3tとの間であり、約1.5tであり得る。
【0028】
図4Aに示されるように、スクープ32’はまた、側面開口部の近位側でカテーテル10’内に位置決めされ得る。より詳細には、遠位方向を向く案内表面を有する内向きに延びるスクープ32’は、管腔14を出る流体を円滑に方向転換させるように管腔14において位置決めされ得る。
【0029】
上に論議されたように、二重管腔血液透析カテーテル10は、患者の静脈から血液を取り出すための動脈管腔と、患者の静脈へ浄化された血液を戻すための静脈管腔とを含む。二重管腔カテーテルのいずれの管腔も動脈管腔および静脈管腔として機能することができるように構成された場合、そのカテーテルは可逆性管腔カテーテルとして分類される。カテーテルを通る血流の位置的な閉塞を解決する能力のような可逆性管腔カテーテルの利点は、当該技術分野において公知であり、本明細書において詳細には論議されない。しかしながら、側面開口部に隣接する隆起したスクープ32はまた、血管壁から離れた側壁20によって位置的な閉塞を軽減することを助け得る。
【0030】
図示されるように、カテーテル10は、可逆性管腔カテーテルであり、可逆性管腔カテーテルとして、各側面開口部24の遠位端に隣接して位置決めされたスクープ32を含む。スクープ32は、可逆性管腔カテーテルだけでなく非可逆性管腔カテーテルの中にも組み込まれ得ることが想定されている。非可逆性管腔カテーテルとして、スクープ32は、動脈管腔14と連通する側面開口部24の遠位端に隣接して位置決めされることのみが必要であることも想定されている。従って、カテーテルは、単一のスクープ32だけしか含まないことがあり得る。
【0031】
上に論議されたように、血流を静脈からカテーテル10の動脈管腔14の中に円滑に方向転換させるためのスクープ32または同様の構造を提供することによって、流れの分裂が低減され、そして、血液が露出時間に高い剪断応力に晒されることを防止する。血流が高い剪断応力に晒されることを最小にすることによって、血小板の活性化が最小化され、結果として血栓の形成の可能性が低減される。
【0032】
図5および図6は、概して100として示される本開示の血液透析カテーテルの代替の実施形態を示す。カテーテル100は実質的にカテーテル10と同じであるが、しかし、カテーテル100は、スクープまたは複数のスクープ32を含むよりもむしろ、カテーテル100の動脈管腔114の中に血流を円滑に方向転換させるための側面開口部124aを画定する遠位内壁上に形成された案内構造を含む。より詳細には、図6に示されるように、カテーテル100は、側面開口部124aを含み、側面開口部124aは、角度の付いた内壁140によって画定される。側面開口部124aを画定する遠位内壁140a(図6A)は、側壁120の外部表面142に隣接する鋭角βを画定し、βは、約15度と約75度との間である。一実施形態において、角度βは、約30度と約60度との間である。さらに別の実施形態においては、角度βは、約45度である。
【0033】
図6に示されるように、カテーテル100は、側面開口部124aと同様な方法で構成される直径方向に正反対の側面開口部124bを含む。従って、側面開口部124aおよび124bの各々は遠位内壁140aを含み、遠位内壁140aは、約15度と約75度との間のカテーテル100の側壁120の外部表面142に隣接した鋭角βを画定する。カテーテル100の側壁120の外部表面142に隣接した鋭角βを画定する遠位内壁140aを有する側壁開口部124aおよび124bを提供することによって、血流は、側面開口部124aおよび124bのいずれの中にも円滑に導かれることができる。従って、管腔114または管腔116のいずれかが、最小の流れ分裂、最小の血小板活性化、および低減された血栓の状態で、動脈管腔として機能することができる。
【0034】
図7は、概して200として示された本開示の血液透析カテーテルの代替の実施形態を示す。カテーテル200は、非可逆性として構成される。非可逆性として、側面開口部224bは、側面開口部124aおよび124b(図6A)を参照して上に説明されたように、血流を動脈管腔214の中に円滑に導くように構成される。それとは対照的に、側面開口部224aは、静脈管腔216の外に血流を円滑に導くように構成される。従って、側面開口部224aの遠位内壁240aは、約15度と約75度との間の側壁220の内部表面244に隣接した鋭角βを画定する。
【0035】
図8は、概して300として示された本開示の血液透析カテーテルのさらに別の代替の実施形態を示す。カテーテル300は、側面開口部324aが側面開口部124aと同一である点でカテーテル100と実質的に同一である。しかしながら、側面開口部324bは、垂直側壁340によって画定される。
【0036】
カテーテル100、200および300の各々において、それぞれの側面開口部を画定する近位内壁は、遠位内壁の角度と対応する角度を有し得る。あるいは、近位内壁は、様々な角度の構成を有し得る。カテーテル100、200および300の各々は、卵形の側面開口部を含むように図示されているが、側面開口部は、円形、長方形、正方形、または任意の他の多角形、規則的もしくは不規則的形状を含む様々な構成を有し得ることが想定されている。
【0037】
当業者は、本明細書において詳細に説明され、そして、添付の図面に図示されたデバイスおよび方法は、非限定的な例示的実施形態であることを理解する。一例示的実施形態に関連して図示または説明された要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく別の例示的実施形態の要素および特徴と組み合わされ得ることが想定されている。さらに、当業者は、上述された実施形態に基づいて本開示のさらなる特徴および利点を理解する。従って、本開示は、添付の請求項によって指示される場合を除いて、詳細に示され、説明されたものよって限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0038】
10 カテーテル
12 カテーテル本体
14 第1の管腔
16 第2の管腔
18 隔壁
20 側壁
22 遠位開口部
24 側面開口部
26 側壁延長部
32 隆起したスクープ
124a、124b 側面開口部
140 角度の付いた内壁
140a 遠位内壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液透析カテーテルであって、該血液透析カテーテルは、カテーテル本体を備えており、該カテーテル本体は、静脈管腔および動脈管腔を画定する側壁および隔壁を有し、該静脈管腔および該動脈管腔は、遠位開口部と、該カテーテル本体の該側壁を貫いて形成された側面開口部とを含み、側面開口部は、側壁の外部表面から内部表面へ貫通し、各遠位開口部および側面開口部は、それぞれの静脈管腔または動脈管腔と連通し、案内構造が、動脈管腔と連通する側面開口部の遠位端に隣接して位置決めされ、該案内構造は、血流を該動脈管腔側面開口部を通して該動脈管腔の中に方向転換させるように構成されている、血液透析カテーテル。
【請求項2】
前記案内構造は、前記側面開口部の遠位端に隣接して位置決めされた隆起した壁を含む、請求項1に記載の血液透析カテーテル。
【請求項3】
前記隆起した壁は、前記側面開口部の遠位端を少なくとも部分的に覆って延びる第1のスクープを画定する、請求項2に記載の血液透析カテーテル。
【請求項4】
前記第1のスクープは、丸みを付けられた近位方向を向く表面を含み、該丸みを付けられた近位方向を向く表面は、前記側壁の外部表面から延び、血流を前記カテーテルの前記動脈管腔の中に方向転換させるように構成されている、請求項3に記載の血液透析カテーテル。
【請求項5】
前記案内構造は、第2のスクープをさらに含み、該第2のスクープは、前記静脈管腔と連通する前記側面開口部の近位端に隣接する前記側壁の前記内部表面から延びる丸みを付けられた遠位方向を向く表面を含み、前記第1のスクープおよび該第2のスクープは、前記カテーテルの前記静脈管腔の外に血流を方向転換させるように構成され、および、該カテーテルの前記動脈管腔の中に血流を方向転換させるように構成されている、請求項3〜請求項4のうちの任意の一項に記載の血液透析カテーテル。
【請求項6】
前記案内構造は、前記動脈管腔の前記側面開口部を画定する角度の付いた遠位内壁を含み、該角度の付いた遠位内壁は、前記カテーテルの前記側壁の外部表面に対して鋭角βを画定する、請求項1に記載の血液透析カテーテル。
【請求項7】
前記静脈管腔と連通する前記側面開口部の遠位端に隣接して形成された案内構造をさらに含む、請求項6に記載の血液透析カテーテル。
【請求項8】
前記血液透析カテーテルは可逆性であり、前記静脈管腔と連通する前記側面開口部の遠位端に隣接して形成された前記案内構造は、該静脈管腔の該側面開口部を画定する角度の付いた遠位内壁を含み、該角度の付いた遠位内壁は、該カテーテルの前記側壁の外部表面に対して鋭角βを画定する、請求項7に記載の血液透析カテーテル。
【請求項9】
前記静脈管腔と連通する前記側面開口部は、前記カテーテルの外部表面および内部表面に対して実質的に垂直である壁によって画定される、請求項6または請求項7に記載の血液透析カテーテル。
【請求項10】
前記血液透析カテーテルは非可逆性であり、前記静脈管腔と連通する前記側面開口部の遠位端に隣接して形成された前記案内構造は、該静脈管腔の該側面開口部を画定する角度の付いた遠位内壁を含み、該角度の付いた遠位内壁は、該カテーテルの内部表面に対して鋭角βを画定する、請求項6または請求項7に記載の血液透析カテーテル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図7A】
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【図8】
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