説明

改良された再生デバイス

コンテンツを再生するための再生手段と、通信範囲内にある他のデバイスと通信するためのワイヤレス通信手段とを有する再生デバイスであって、前記他のデバイスから利用可能なコンテンツアイテムを識別し、前記他のデバイスが前記再生デバイスと通信している限り、前記識別されたコンテンツアイテムを、前記再生手段による再生に対して利用可能にし、前記他のデバイスは前記再生デバイスともはや通信していないことが検出された後、前記識別されたコンテンツアイテムに対するゴーストレファレンスを保持するためのコンテンツ管理手段を更に有する再生デバイスである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ピアツーピアインタネットアプリケーションは、ユーザが、中央(セントラル)サーバの補助なしにリソースを共有することを可能にする。
【背景技術】
【0002】
この種類の通信は、"自由な"リソースが何れかのユーザによってアクセス(接続)され得る大きなネットワークの生成を可能にするため近年大いに注目されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
同じ理由に対して、著作権保護に関与する人々によって激しく批判されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、(ディジタル)権利管理システム(ライトマネジメントシステム(right management system))の範囲内で(音楽トラックのような)ディジタルメディアコンテンツを交換する機構(メカニズム)を提案する。二つ又はそれより多くのユーザが(例えばWiFi、ブルートゥース(Bluetooth)を使用して)相対的に近いワイヤレス通信近傍にいる場合、当該ユーザは、自身のパーソナルデバイスに記憶されている互いの音楽を自由に聴くことができる。当該ユーザが通信範囲を超えて移動する('リンクを断つ(break the link)')とき、当該ユーザが聴いたコンテンツアイテム(内容項目)は、再生可能な部分を含めて、ネットワークを離れるデバイス上のゴーストレファレンス(基準信号)(ghost reference)として残存するであろう。メディアの適法処理に対して、転送されたメディアコンテンツは、'ゴースト'レファレンスと称される用途に限定されるであろう。ディジタルメディア権利管理によれば、使用量(usage)、すなわち利用可能なトライアウトタイム(試用時間)及び使用の数を制限することが可能である。また、(経過)時間に渡って、又は使用量を通じて、再生(プレイバック)の'音質'を低下させる機構も存在し得る。例えば、音楽トラックは、使用の初日に、高品質となることが可能であり、その後、音質は劣化する(例えばより低いサンプルレート)か、又は長さが(自由に公表することが許容される30秒まで)低減させられる。ユーザが'ゴースト'レファレンスを購入すると、当該ユーザはフルバージョンを得るであろう。このため、ゴーストレファレンスは、直接アイテムを活性化させるために使用され得る、オンラインショップにリンクする関連メタデータを有するであろう。
【0005】
'楽曲をブックマーキングする(bookmarking a song)'と称される概念が既に知られている。ユーザが、ほかの誰かのモバイルデバイスの音楽再生にチューニング(同調)し得るピアツーピア近接アプリケーションの部分になる(A. Bassoli氏, J. Moore氏、及び S. Agamanolis氏による記事:'tunA: ハンドヘルドデバイスにおける同期音楽共有(シェアリング)法(tunA: Synchronized Music-Sharing on Handheld Devices)'参照)。"ユーザは、当該ユーザがほかの誰かのプレーヤにチューニングする間に聴く楽曲をブックマークし、後にこれらのブックマークを評価するか、又は当該ユーザが自身で楽曲を購入し得るコンピュータにそれらをダウンロードする"。しかしながら、この概念において、一方のデバイスから他方のデバイスにコンテンツが利用可能になる。
【0006】
本発明は、メディア産業(音楽、映画等)のための新たな種類の分配チャネルを開拓する一方、ユーザが自由にディジタルメディアを交換することを許容する。ディジタルメディアの交換は、ディジタルメディア分配の速度を増加させる友人の社会(ソーシャル)ネットワークを通じて容易化される。'ワード・オブ・マウス(word of mouth)'コミュニティ対話を介して、新しくて'ホットな'音楽が広められるであろう。
【0007】
通常、誰かが楽曲又はアルバムを好むとき、彼はそれを聴くためにミュージックショップに行くか、又はそれのプレビューを得るためにオンラインウェブサイトを訪れなければならない。この面倒はこのシナリオにおいてなくなり、オンラインサービスとのこの種の交換がモバイルデバイス上で結合されるとき、衝動買いさえ促され得る(メディア産業のためにより多くの収入がもたらされる)。代わりに、ユーザは、購入するものを選択し、アイテムを直接選択することによってオンラインストアにおいてプレビュー情報ページを訪れるため、PC又は他のエンタテイメントセンタデバイス上で(モバイルデバイスから)集められた'ゴースト'レファレンスを調べ得る。
【0008】
本発明は、(将来ますますメディア機能を有するであろう)モバイルメディアプレーヤ及びモバイル電話だけでなく、車内においても適用され得る。'ゴースト'レファレンスの更新(アップグレード)は、PC、メディアセンタPC、ストリ−ミウム又はエンタテイメントハブ上で動作し得るメディアマネージャ/ブラウザアプリケーションにおいて提供される機能の部分になり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、再生デバイス100を示す図1において概略的に記載されている。デバイス100は、音楽、ビデオ、オーディオブック、テキスト、ポッドキャスト、ゲーム、及びコンピュータプログラム等のようなコンテンツを再生する再生モジュール110及び111を有する。デバイス100は、通信範囲内にある他のデバイス200と通信するためのワイヤレス通信モジュール120及び121を更に有する。更に、デバイス100は、コンテンツが、後の再生のために記憶され得るハードディスク又はフラッシュメモリのような内部記憶媒体130を有する。記憶媒体130がデバイス100に対して外部になり得ること、例えばネットワークに渡って利用可能になり得るか、又はデバイス100から分離若しくは取り外し可能になり得ることも注意されるべきである。デバイス100は、以下議論されるコンテンツ管理(マネジメント)モジュール140を更に有する。
【0010】
他のデバイス200が、範囲内に存在するものとして検出されるとき、ユーザの要求(リクエスト)又は自動的に他のデバイス200との通信セッションがセットアップされ得る。通信セッションが規定される前に他のデバイス200が範囲内に存在するものとして検出されるとき、通知がもたらされてもよく、又は確認が問い合わされてもよい。
【0011】
通信セッションがセットアップされているとき、コンテンツ管理モジュール140は、他のデバイス200から利用可能な一つ又はそれより多くのコンテンツアイテムを識別する。このために、他のデバイス200が、自動的に、又は要求時に、利用可能なコンテンツアイテムのリストを送信してもよい。代わりに、コンテンツ管理モジュール140が、(例えば手でタイプされるか、又はデバイス100上のリストから選択される)ユーザからの一つ又はそれより多くのコンテンツアイテムのセレクションを受信すると共にこのセレクションを他のデバイス200に供給してもよく、一つ又は複数の選択コンテンツアイテムの利用可能状況(ステータス)で応答し得る。
【0012】
その後、他のデバイス200上にもたらされる一つ又はそれより多くのコンテンツアイテムは、他のデバイスが再生デバイスと通信している限り、再生モジュール110及び111による再生に対してコンテンツ管理モジュール140によって利用可能になる。コンテンツは、記憶デバイス130に複製され得るか、又はストリーミングされ得る。
【0013】
著作権法及び規制に従って、コンテンツアイテムは、当該コンテンツアイテムの音質を制限するように、記憶される前に処理され得る。例えば、
−再生されるか、又は複製され得る回数を制限する。
−コンテンツアイテムは特定の時間('トライアウトタイム')に対してのみ使用され得る。
−音質は下げられる。例えば元の音質が無線音質又はより低いビットレートに変換される。
−コンテンツアイテム持続期間が制限される(例えば30秒)。
−口頭のコマーシャルメッセージを挿入する(例えば'このトラックは...によって提供されます')。
【0014】
コンテンツ管理モジュール140が、他のデバイスはもはや再生デバイス100と通信していないことを検出した後、識別されたコンテンツアイテムに対するゴーストレファレンスは、記憶媒体130上に保持される。ゴーストレファレンスと共に、サンプルバージョンが保持されてもよい。サンプルバージョンは、例えば自動的に生成されたサマリ若しくはバージョン、又はコンテンツアイテムの30秒フラグメント(断片)をデバイス100によって生成され得る。サンプルバージョンも他のデバイス200から受信され得る。
【0015】
代わりに、完全(フル)コンテンツアイテムの低減された音質バージョンが保持され得る。低減された音質バージョンは、例えばより低いサンプルレートバージョン、元のステレオバージョンのモノバージョン、又は雑音若しくは他の妨害を含むバージョンになり得る。
【0016】
音質は時間が経つにつれて更に低減されてもよい。例えば、音質が、第一の期間、すなわち一日に渡って完全な音質になってもよく、第二の期間、すなわち一週に渡ってより低い音質(例えば無線音質)になってもよく、その後、ずっとより低い音質バージョン又は小さな部分のみが保持される。
【0017】
更に、ゴーストレファレンスがアクセスされると、コンテンツ管理モジュール140が、識別されたコンテンツアイテムの購入を開始するために構成される。ゴーストレファレンスは、好ましくは、オンラインショップにリンクする関連メタデータを有しており、アイテムを直接活性化させるために使用され得る。好ましくは、メタデータは、識別されたコンテンツアイテムが最初に購入された同じオンラインショップにリンクする。このように、このショップは繰り返しのビジネスが保証される。代わりに、デバイス100は、購入を開始させるために常に同じオンラインショップにアクセスするようにプログラムされ得る。
【0018】
より一般的なレファレンスも可能である。多くの種類のコンテンツに対して、ショップにおいてコンテンツの識別を可能にするスタンダード化された方式が存在する。ゴーストレファレンスが、例えば、コンテンツアイテムが得られてもよいウェブサイト又は他のインタネットサーバを示すユニフォームリソースロケータ(Uniform Resource Locator (URL))又は他のユニフォームコンテンツ識別子(Uniform Content Identifier (URI))を含んでいてもよい。ゴーストレファレンスは、ISBN又は電子商取引(e-コマース)システムにおいてコンテンツアイテムを識別する他の数のようなコード(符号)にもなり得る。ゴーストレファレンスは、コンテンツアイテムの単にタイトルにもなり得る。
【0019】
ゴーストレファレンスは、コンテンツアイテムに対して指紋又はロバストハッシュ(robust hash)を計算することによっても得られ得る。このようなロバストハッシュを計算するアルゴリズムの例は、当該出願人と同一の出願人によって国際特許出願WO 2002/065782号公報(代理人整理番号PHNL010110)に開示されている。ゴーストレファレンスは、コンテンツアイテムに埋め込まれるディジタルウォータマークにおいても含まれ得る。
【0020】
購入は、デバイス100上か、又はより豊かな態様なことに家庭のPC若しくはメディアセンタ上で直接なされることが可能であり、そこで、ゴーストレファレンスはオンラインショップにおけるコンテンツアイテムを示すオンラインショップアプリケーションに入るために使用される。後者の場合、ゴーストレファレンスはPC若しくはメディアセンタに転送される。
【0021】
購入を開始するステップは例えば、オンラインショップへのワイヤレスインタネット接続又は他のワイヤレス送信でなされ得る。例えば、デバイス100がモバイル電話である場合、コンテンツアイテムの購入を開始するためにSMS若しくはMMS又は同じメッセージが使用され得る。
【0022】
代わりに、デバイス100がPC若しくは他のデバイスにコンタクト(接触)するとき、ゴーストレファレンスはPC若しくは他のデバイスに転送され得る。それから購入はPCから開始されることが可能であり、通常、ポータブル、それ故にデバイス100のような小さなデバイスからの購入よりも便利である。
【0023】
後続する追加は以下の項目が考えられる。
【0024】
プリペイド転送。コンテンツアイテムを持つユーザは、コンテンツアイテムが他に対して利用可能になるように前もって支払うことができる。
【0025】
コンテンツアイテムを受信した人が、フル音質バージョンを買う場合、その人は、(例えばフリーディジタルメディアダウンロードのための)追加の特別手当を得る。
【0026】
本発明は、関心(インタレスト)プロファイリングと結合され得る。一つのデバイス上に記憶される関心プロファイル(interest profile)(若しくは活性化(アクティブ)再生リスト又はサブプロファイル)は、リンクを有する第二のデバイス上にコンテンツをフィルタリングするために使用される。プロファイル又は現在のセレクションに適合する、関連するコンテンツアイテムのみが転送される。
【0027】
将来の対話スタイルは、例えば可能なことに近距離通信規格(Near Field Communication (NFC))を使用する、極近接した検出を使用することにあるであろう。コンテンツアイテムの劣化又は制限された複製を得る原理は、NFCとの全ての処理に拡張され得る。例えば、(クレジットカードマイクロ処理を介して)NFCを使用して映画のチケットがもたらされるとき、電話は、映画、ゲームデモ、又は映画のビデオリリース版をより安価で買う専用の権利も受け得る。
【0028】
更なる利点は、'ゴースト'レファレンスが、通常の楽曲のような個人のメディアコレクションに追加され得ることにある。ユーザは、いかなるときも許容可能な音響音質に楽曲を'更新(アップグレード)'(購入)することが可能であり、それらを再生/再生リストにおいて常用(レギュラ)のコンテンツアイテムと混合することが可能である。また、メディアプレーヤは、ゴーストレファレンスが多く再生されるとき、ゴーストレファレンスを購入/更新することをユーザに気付かせることも可能である。
【0029】
更なる利点は、この場合、本発明を使用している'アーロン(Aaron)'という名前の虚構のユーザを含む話によって更に説明されるであろう。この話は、アーロンが、朝食中その場で、音楽をブラウズして再生リストを作成するときに始まる。図2(a)に示されているように、アーロンは、TVスクリーン上に彼の'ライフスタイルブラウザ'を引き上げるために彼のリモートコントロール(RC)を使用する。彼は、彼の音楽コレクションを通じて'チューニングする'ように選択し、全ての彼の音楽の単一の空間概要(スペーシャルオーバビュー)にアクセスする。リモートコントロールを使用して、彼はすぐに、彼が好むトラックを所望すると共に発見するジャンルにチューニングする。彼がこのトラックを'クリック'すると、彼の音楽チューニングフィールドは、(似た音楽に合わせることによって)彼のセレクションについてすぐに再構成される。少し後になって、彼は、わずかに異なるジャンルにおいて他の二つのトラックを選択する。現在のセレクションで都合のよいことに、彼は、スタンダード'再生リスト'表示(ビュー)モードに切り換える(スイッチする)。
【0030】
アーロンは急いで家を離れるが、彼の再生リストは依然再生している。図2(b)に示されているように、彼は、活性化再生リストを、TVに当該リストを'タグ付けする(タギング)(tagging)'ことによって、彼のモバイルデバイス(MD)に転送する。
【0031】
アーロンは、彼の友人とマウンテンバイクでトラックレースに行くと仮定する。彼は、彼がほとんど遅れそうであり、急いで家を離れる必要があるが、彼の音楽を持っていきたいことを理解している。アーロンは、スマート(高性能)同期(smart synchronization)を開始するために、彼のモバイルハブで、TVスクリーン(ホームメディアセンタ)の明確にマークされた部分にただ'タグを付ける'('タッチリンクする')だけであり、活性化再生リストは、彼のホームハブから彼のモバイルハブに転送される。スクリーンは、再生リストを主要な活性化再生リストとして示しているため、活性化再生リストは、スクリーンからモバイルに転送されるが、彼のモバイルデバイスは、活性化アプリケーションなしでニュートラルモードになる。音楽は、この場合、両方のデバイス上で再生されている。アーロンは、ホームメディアをスイッチオフし、家を離れる。彼の音楽は、この場合、スポーツイヤホンを通じて再生されている。
【0032】
アーロン及び彼の二人の友人は、レースのためのグループ再生リストを前もって作成するために彼らの最新トラックのうちのいくつかを共有することを決定する。図2(c)に示されているように、彼らは、近接さ(NFC)に基づいて臨時の共有コミュニティを形成するために、彼らのプレーヤ/モバイルデバイスにタッチリンクする。これにより、WiFiを使用して、レースの間、彼らは共に楽しむことのできる共有再生リストを彼らが形成することは可能になる。アーロンは、彼の心拍モニタ(heart-rate monitor)を活性化させ、彼のモバイルをバックパックにしまい、彼らは共にバイクに乗り始める。彼らが範囲内にとどまる限り、彼らは彼らの共通'チャネル'を聴くことができる。彼らは、彼らが競争する音楽のトップについて互いに話すために音声(ボイス)リンク及びイヤピースを使用することができる。
【0033】
図2(d)に示されているように、彼らが、(bluetooth)範囲から出て分かれた後、近接リンクは切断され、各人は、共通再生リストからの他のトラックのプレビューバージョンで保たれる。プレビューは、制限された回数に対してのみ聴かれることが可能であり、複製され得ないが、当該トラックのオンライン購入を可能にするリンクを含んでいる。
【0034】
図2(e)に示されているように、アーロンは家に帰り、彼のモバイルデバイスを、ホームメディアセンタ/スクリーンのマークされた領域上に置き、スマート同期を開始させる。彼のシステムは、彼が新たなパフォーマンスデータを有するようにするため、ライフスタイルブラウザは、彼のレースダイアリを開くための選択肢を示す。アーロンは確認し、新たなパフォーマンスデータが自動的に同期させられる。アーロンは、この場合、それを彼の最後のいくつかのパフォーマンスデータと比較し、彼の進捗の視覚化データを見る。満足すると、彼はダイアリを閉じる。彼のライフスタイルブラウザは、彼が(より早く共有再生リストから)いくつかの新たなプレビュートラックを有することも指摘する。彼は、オンライン音楽小売(リテール)サイトへのリンクに後続して、プレビュートラックのうちの一つをクリックする。豊かなショッピング体験のために彼のリビングルームスクリーン及びスピーカを使用すると、彼は、トラックビデオクリップをブラウズすると共に、関連する音楽及びアルバムをブラウズする。彼は、彼の音楽体験の娯楽が妨害されることなく、彼のRC及び認証(許可)されたドメインIDを使用して、いくつかのトラック及びクリップを買う。
【0035】
要するに、本発明は、(ディジタル)権利管理システムの範囲内でディジタルメディアコンテンツを適法に交換する機構を提案する。二つ又はそれより多くのユーザが、近いワイヤレス通信近傍にいる場合、当該ユーザは、自身のパーソナルデバイスに記憶されている互いの音楽を自由に聴くことができる。当該ユーザが通信範囲を超えて移動するとき、当該ユーザが聴いたコンテンツアイテムは、再生可能な部分を含めて、ネットワークを離れるデバイス上のゴーストレファレンスファイルとして残存するであろう。メディアの適法処理に対して、複製されたメディアコンテンツは、使用が制限されるであろう。ディジタルメディア権利管理によれば、使用量、すなわち利用可能なトライアウトタイム及び使用の数を制限することが可能である。また、時間が経つにつれて、又は使用量を通じて、再生の'音質'を低下させる機構も存在し得る。例えば、音楽トラックは、使用の初日に、高品質となることが可能であり、その後、音質は劣化する(例えばより低いサンプルレート)か、又は長さが(例えば30秒まで)低減させられる。ユーザが、低減された'音質'アイテムを購入すると、当該ユーザはフルバージョンを得るであろう。このため、ゴーストレファレンスは、直接アイテムを活性化させるために使用され得る、オンラインショップにリンクする関連メタデータを有するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による再生デバイスを示す。
【図2a】TVスクリーン上にライフスタイルブラウザを引き上げるためのリモートコントロールを示す。
【図2b】TVに活性化再生リストをタグ付けすることによって、モバイルデバイス(MD)に転送する態様を示す。
【図2c】近接さ(NFC)に基づいて臨時の共有コミュニティを形成するために、プレーヤ/モバイルデバイスにタッチリンクする態様を示す。
【図2d】(bluetooth)範囲から出て分かれた後、近接リンクは切断され、各人は、共通再生リストからの他のトラックのプレビューバージョンで保たれる態様を示す。
【図2e】モバイルデバイスを、ホームメディアセンタ/スクリーンのマークされた領域上に置き、スマート同期を開始させる態様を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを再生するための再生手段と、通信範囲内にある他のデバイスと通信するためのワイヤレス通信手段とを有する再生デバイスであって、前記他のデバイスから利用可能なコンテンツアイテムを識別し、前記他のデバイスが前記再生デバイスと通信している限り、前記識別されたコンテンツアイテムを、前記再生手段による再生に対して利用可能にし、前記他のデバイスは前記再生デバイスともはや通信していないことが検出された後、前記識別されたコンテンツアイテムに対するゴーストレファレンスを保持するためのコンテンツ管理手段を更に有する再生デバイス。
【請求項2】
前記コンテンツ管理手段が、前記識別されたコンテンツアイテムは、前記他のデバイスから、前記再生デバイスが有する記憶媒体に複製されるようにすることによって、前記識別されたコンテンツアイテムを利用可能にするように構成される請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記コンテンツ管理手段は、前記他のデバイスが前記再生デバイスともはや通信していないことが検出された後、前記識別されたコンテンツアイテムのサンプル部分を保持するように構成され、前記サンプル部分は、前記ゴーストレファレンスと共に保持される請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記サンプル部分は、前記識別されたコンテンツアイテムと共に受信されている請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記コンテンツ管理手段は、前記識別されたコンテンツアイテムの前記サンプル部分の転送と共に、前記他のデバイスから前記識別されたコンテンツアイテムのストリーミング転送をもたらすように構成される請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記サンプル部分は、前記識別されたコンテンツアイテムの最初のn秒として扱われ、前記nは所定の量の時間になる請求項3に記載のデバイス。
【請求項7】
前記識別されたコンテンツアイテムから前記サンプル部分を引き出すための集計手段を有する請求項3に記載のデバイス。
【請求項8】
前記コンテンツ管理手段は、前記他のデバイスが前記再生デバイスともはや通信していないことが検出された後、前記識別されたコンテンツアイテムの低減された音質バージョンを保持するように構成される請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記低減された音質バージョンは、より低いサンプルレートバージョン、元のステレオバージョンのモノバージョン、及び雑音若しくは他の妨害を含むバージョンを有する請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記コンテンツ管理手段は、前記低減された音質バージョンの各々の再生時に、及び/又は時間が経つにつれて、前記低減された音質バージョンの前記音質を更に低減するように構成される請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
前記コンテンツ管理手段は、前記ゴーストレファレンスがアクセスされたとき、前記識別されたコンテンツアイテムの購入を開始するように構成される請求項1に記載のデバイス。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【公表番号】特表2008−546070(P2008−546070A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512981(P2008−512981)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051536
【国際公開番号】WO2006/126138
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】