説明

改良された処理組成物およびその形成方法

組成物を処理する方法、そのような方法によって得られる組成物、および使用方法が、実質的に透明な剥離可能で再生可能なコーティングを形成するために開示される。本発明の処理組成物は、場合によるが好ましいジシラザン誘導体が存在する状態で、高せん断条件下において、疎水性変性シリカ粒子の高度に濃縮された分散液を生成することによって生成される。これらの処理組成物は、場合により他の機能性材料を添加しながら、最終的な処理組成物にさらに希釈されることを意図する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によって本明細書に組み込まれている2003年12月18日に出願された同時係属米国特許公報第10/740346号の一部継続である。
【0002】
発明の背景
1.技術分野
本発明は、処理組成物(濃縮形態および希釈形態)、ならびにその形成方法(すなわち、処理)に関する。本発明の処理組成物(濃縮形態および希釈形態)は、複数の疎水性粒子を含む揮発性溶媒にコロイド状に分散した処置組成物を受容表面に適用し、揮発性溶媒が蒸発することを可能にし、それにより、汚れ忌避性およびはっ水性、自浄性、ならびに次回の清浄がより容易であるという利点を提供するコーティングを受容表面上に付着させる方法によって、本質的に透明で剥離可能の再生可能な保護コーティングを受容表面に形成することができる処置組成物を形成するのに有用である。
【0003】
2.背景技術
自浄性コーティングの原理は、文献において周知である。その効果は、一般に、2つの本質的な特徴を必要とし、第1は、疎水性表面または表面上の疎水性コーティングであり、第2は、通常の清浄剤を使用することを必要とせずに、容易にはっ水し、かつ接着した微粒子の泥を少量の水だけで落とすように作用する高い水接触角度を提示する、構造化「超疎水性」表面を生成するように組み合わされるある程度の表面の粗さである。
【0004】
疎水性表面を生成するために過フッ素化ポリマーなどの疎水性材料を使用することが既知である。これらの表面の他の開発は、表面をμm〜nmの範囲で構造化することである。米国特許第5599489号は、適切なサイズの粒子で衝突させ、続いて過フッ素化することによって、表面を特に忌避性にすることができる方法を開示する。
【0005】
構造と疎水性特性を適切に組み合わせることにより、表面上を移動する少量の水でも、接着したほこりの粒子を捉え、表面を清浄することが可能になる(たとえば、米国特許第6660363号および米国特許第3354022号参照)。
【0006】
EP−B−0933388の従来の技術は、これらの自浄性表面について、>1のアスペクト比および20mN/m未満の表面エネルギーを必要とする。アスペクト比は、ここでは構造の高さ対その幅の比である比率として定義される。上述の基準は、通常、ハスの葉などにおいて自然に見られる。植物の表面は、疎水性のろう様材料からなり、数μmだけ分離した隆起を有する。水滴は、隆起の頂点にのみ実質的に接触する。このタイプのはっ水性表面は、文献に多く記載されている。
【0007】
EP−A−0 909 747は、自浄性表面を生成する方法を教示する。表面は、高さが5〜200μmである疎水性の隆起を有する。このタイプの表面は、シロキサン溶液において微粉粒子および不活性材料の分散液を適用し、次いで硬化させることによって生成される。したがって、構造形成粒子は、補助媒質によって表面に固着される。
【0008】
米国特許公報第2005/0136217A1号は、物品の表面を人工的に自浄性にすることが技術的に可能であると結論付ける。隆起および陥凹からなるこの目的に必要な表面構造は、表面構造の隆起間に0.1〜200μmの範囲の分離を有し、かつ0.1〜100μmの範囲の隆起高さを有する。この目的について使用される材料は、疎水性ポリマーまたは、永続的に疎水化された材料からなる。担体マトリックスからの粒子の放出は、防止されなければならない。
【0009】
この原理は、自然から借用された。小さな接触表面が、低表面エネルギーで平坦表面に接着する役割を担うファン・デル・ワールス相互作用のレベルを下げる。たとえば、ハス植物の葉は、ろうからなる隆起を有し、これらは、水との接触面積を低減する。
【0010】
これらの構造化表面を生成する方法が、同様に既知である。射出形成またはエンボス加工の方法によって細部を充填してこれらの構造を成形するためにマスタ・テンプレートを使用することの他に、粒子を表面に適用することを使用する既知の方法も存在する。これは、たとえば、米国特許第5599489号において開示されている。
【0011】
最近、織物の上に自浄性表面を提供することが試行されている。自浄性表面は、微粒子SiO2(AEROSIL(登録商標))を織物に適用することによって生成することができることが判明している。この方法では、AEROSIL(登録商標)材料は、接着を実施するために繊維を部分的に溶解させる溶媒を使用して、織物繊維のポリマーマトリックスの中に結合される。
【0012】
米国特許公報第2004/0154106A1号は、自浄性表面を有するポリマー繊維を記載する。この従来の技術の開示では、自浄性表面は、ポリマー繊維の表面を溶媒和させる溶媒を使用して、構造形成粒子を含む溶媒に暴露し、構造形成粒子を溶媒和表面に接着させ、溶媒を除去することによって得られる。この方法の欠点は、ポリマー繊維の処理中(スピニング、ニッティングなど)、構造形成粒子、したがって表面を自浄性にする構造が、損傷され、または時には完全に失われることがあり、その結果、自浄効果も失われることである。
【0013】
米国特許公報第2005/0103457A1号は、少なくとも1つの合成および/または天然の織物基材Aと、接着剤、樹脂、またはコーティングを使用せずに、基材Aに固着して結合された粒子からなる隆起および陥凹を有する人工の少なくともある程度まで疎水性の表面とからなる、自浄性ではっ水性の表面を有する織物シートを記載する。疎水性表面は、不溶粒子を含む少なくとも1つの溶媒で基材Aを処理し、溶媒を除去することによって得られ、除去する際に、粒子の少なくともいくらかが基材Aの表面に固着して結合される。しかし、この従来の技術の方法の欠点は、織物表面の非常に複雑な仕上げである。さらに、この従来の技術の方法は、溶媒が織物の基材と精確に整合することを必要とする。しかし、衣類では、一般に、混紡織物が存在し、したがって、この整合は、より複雑になる。溶媒の整合が精確ではない場合、衣類の一部に対して修復不可能な損傷が起きることがある。したがって、織物の表面は、仕立てる前に処理されなければならない。
【0014】
米国特許第6800354号は、自浄性表面を有する基板、および自浄性の特性を提供する基板を永続的にコーティングする方法を記載する。この方法は、以下の(1)構造形成粒子および層形成材料を含む組成物で表面をコーティングするステップ、(2)構造形成粒子を表面に堅固に固定する溶融層を形成するステップ、次いで(3)構造化表面に堅固に接着する疎水化剤で構造化表面を疎水化するステップを含む。構造形成粒子は、好ましくは100nm未満、より好ましくは5〜50mmの範囲の平均直径を有する。一例では、透明な自浄性表面を有するフロートガラスが、100Tスクリーンを使用するスクリーン印刷方法により組成物でガラスをコーティングすることによって生成された。組成物は、水親和性媒質において0.5質量%のホウ酸および12nmの1次粒子の平均直径を有する4質量%の焼成シリカを含んでいた。乾燥後、コーティングは、660℃において4分間、衝撃点火された。構造化表面の疎水化は、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランのエタノール溶液を表面上にわたって導入し、高温において硬化させることによって実施された。記述の方法の欠点は、性質が複数ステップであり、かつ高温プロセスを必要とすることである。さらに、これにより、簡単な清浄手順によって容易に剥がすことができない永続的なコーティングが得られる。
【0015】
これらのコーティングのすべては、物品に永続的に適用されることを意図することを特徴とし、したがって、簡単に除去して、コーティング、表面、またはコーティングされた表面構造に対する擦過、変色、あるいはあらゆる他の損傷によって損なわれた場合に再び適用することができないという欠点を有する。このタイプの損傷が生じる場合、物品は、複雑な方法によって表面構造から解放されて再処理されなければならず、または、外見がもはや許容可能ではない場合、破棄されなければならない。
【0016】
米国特許公報第2005/0136217A1号は、汚れ忌避性およびはっ水性の特性を有する剥離可能コーティングを生成する方法を記載する。従来の技術のこれらのコーティングは、ノナコサン−10−オールなどの疎水性アルコール、またはノナコサン−5,10−ジオールなどのアルカンジオール、あるいはろうを噴霧で適用することによって生成される。米国特許公報第2005/0136217A1号は、擦過、ブラッシング、または高圧水処理など、強い機械力によって、あるいは、ある程度の構造形成剤を分散させる洗浄剤を含む水で処理することによって、物品から除去することができる。米国特許公報第2005/0136217A1号において開示された従来の技術のコーティングの欠点は、コーティングを機械的に除去するために強い力が必要なことである。コーティングを機械的に除去するために強い力を使用することは、コーティングが除去されるとき、物品自体の表面も損傷されるという危険を冒す。洗浄剤を含む水で処理することも、その性質に応じて、同様に物品を損傷することになる。
【0017】
米国特許公報第2004/0213904号は、剥離可能汚れ忌避性およびはっ水性表面コーティングを物品上に生成する方法を記載し、コーティングの処理中、疎水性粒子が、物品の表面に適用され、それにより、物品の表面上に汚れ忌避性およびはっ水性の特性を有する隆起を有する構造を生成し、方法は、高揮発性のシロキサンにおいてアルカリ変性シリコンろうの溶液に疎水性粒子を懸濁させ、この懸濁液を物品の少なくとも1つの表面に適用し、次いで、高揮発性のシロキサンを除去することを含む。この従来技術の文献では、それらの表面コーティングを生成する組成物の例が与えられ、それをどのように生成するかの手順も提供される。組成物は、デカメチルシクロペンタシロキサンに0.5質量%で存在するアルキル変性シリコンろうの溶液において、分散液の全質量の1〜2質量%で存在するヒュームドシリカ粒子の分散液である。これらの組成物は、アルキル変性シリコンろうをデカメチルシクロペンタシロキサンに溶解させ、次いで、激しく撹拌してヒュームドシリカをこの溶液に分散させることによって生成される。上述の応用分野において提供される剥離可能汚れ忌避性およびはっ水性表面コーティングを生成する方法は、当該分野の従来の状態から既知である方法と比較して、様々な表面上の水滴の流出性質および光沢値に関してより良好な結果を提供することが実証されたが、依然としていくつかの欠点を有する。特に、ガラス、ブラシで磨いた金属、およびワニス表面もしくは塗装表面などの高光沢表面上では、コーティングは、裸眼によって灰白色またはかすんだ層として容易に知覚可能であり、これは、多くの応用分野について許容可能ではない。
【0018】
従来の技術で使用される様々な手法は、ロータス効果を示すことができるコーティングを提供するのに十分な粗さを有するように対象表面を変性することを対象とし、一般に、特に光沢のある、輝きのある、および/または高反射性の表面上において、不十分な視覚的外見を難点とする不透明なコーティングおよび膜を生成する。さらに、向上した視覚的外見を有する保護コーティングを提供する手法は、処理済み表面上に材料を堅固に取り付け、および/または埋め込むために、固定剤に依存し、これには、それらを生成するために必要であり、かつ永続的で再生不可能な処理済み物品をもたらす化学的、物理的、および/または熱的プロセスが付随する。
【0019】
したがって、本発明の目的は、本質的に透明な保護表面コーティングを種々の材料の上に生成することができる、処理組成物において使用される処理組成物(濃縮形態および希釈形態)を生成する方法を提供することである。
【0020】
したがって、本発明の目的は、剥離可能で再生可能な汚れ忌避性およびはっ水性の表面コーティングを受容表面上に生成することができ、比較的耐久性のコーティングを与えるように物品を処理することもできるが、下にある基板に対して化学的または物理的な変性または変更を必要とせずに、簡単な手段で剥がすことができ、次いで、所望の場合、元の初期状態に容易に回復可能である、処理組成物において使用される処理組成物(濃縮形態および希釈形態)を生成する方法を提供することである。
【0021】
本発明の他の目的は、種々の材料および基板上において透明で剥離可能の再生可能な保護表面コーティングを有する受容表面を提供することができる、処置組成物において使用される処置組成物(濃縮形態および希釈形態)を生成する方法を提供することである。
【0022】
本発明の他の目的は、種々の材料および基板上において、透明で剥離可能の再生可能な保護表面コーティングを有する受容表面を提供することができ、簡単な手段によってコーティングを除去し、コーティングを再び適用することによって容易に再生することができる、処置組成物において使用される処理組成物(濃縮形態および希釈形態)を生成する方法を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる他の目的は、種々の材料において透明で剥離可能の再生可能な保護表面コーティングを有する受容表面を提供することができ、それにより、汚れ忌避性およびはっ水性、自浄性、ならびに次回の清浄がより容易である利点を示す、処置組成物において使用される処理組成物(濃縮形態および希釈形態)を生成する方法を提供することである。
【0024】
発明の概述
驚くべきことに、処置組成物を含む疎水性変性シリカ粒子を使用することによって、実質的に透明で剥離可能の再生可能な保護コーティングを受容表面に適用することができることが判明したが、前記処置組成物が、場合により他の機能性成分を添加している間、元の処理組成物を希釈することによって生成され、処理組成物は、高濃度のシリカにおいて、場合によるが好ましいジシラザン誘導体が存在下で、ならびに高せん断条件下において、生成されたことを条件とする。さらに驚くべきことに、これらの保護コーティングは、従来の耐久剤の非存在下でも、良好な耐久性を示すことができることが判明した。
【0025】
上述の驚くべき発見、ならびに上記の目的、および以下で述べられ、かつ明らかになる目的によれば、本発明の一態様は、汚れ忌避性およびはっ水性を提供する透明で剥離可能の再生可能な保護コーティングを受容表面上に適用することを意図する、処置組成物において使用される処理組成物を生成する方法であり、
(a)(i)一般式(I)または(II)の少なくとも1つの化合物であって、
(R123Si)2NR4 (I)
−(R12SiNR4m−(シクロ) (II)
式中、R1、R2、およびR3は、同一または異なってよく、水素、フッ素原子で場合により置換された1〜8の炭素原子の直線もしくは分枝、飽和もしくは不飽和のアルキル鎖基、またはフッ素原子で場合により置換された6〜12の炭素原子の芳香族基から独立して選択され、R4は、水素またはメチル基であり、mは、3〜8である、少なくとも1つの化合物と、
(ii)フッ素原子、塩素原子で場合により置換された、2〜14の炭素原子を有する直線または分枝、線形または環式の脂肪族または芳香族の炭化水素、1〜6の炭素原子を有する一価の線形または分枝のアルコール、1〜6の炭素原子を有するケトンまたはアルデヒド、2〜8の炭素原子を有するエーテルまたはエステル、あるいは、2〜10のジメチルシロキシ単位を有する線形または環式のポリジメチルシロキサンから選択された第1揮発性溶媒または溶媒混合物と、を含む溶液の中に、疎水性変性ヒュームドシリカ粒子を含むシリカ粒子の予備分散液を、前記シリカ粒子を撹拌することによって提供し、予備分散液における疎水性変性ヒュームドシリカ粒子の濃度により、予備分散液の全質量の10質量%〜約30質量%が得られ、化合物(I)および/または(II)のいずれか1つの濃度が、予備分散液の全質量の0.1〜10質量%であること、および
(b)分散剤と前記予備分散液とを混合して処理組成物を提供し、一方、前記シリカ粒子を100〜4000nmの範囲の中央粒子サイズに縮小することとを含む。
【0026】
上記の目的、および以下において述べられ、かつ明らかになる目的によれば、本発明の一態様は、一般式(I)および(II)の化合物が省略される処理組成物を形成する方法である。
【0027】
上記の目的、および以下において述べられ、かつ明らかになる目的によれば、本発明の一態様は、混合するステップ(b)の後に希釈するステップ(c)を含む、流動性でポンピング可能な希釈処理組成物を形成する方法であり、第1揮発性溶媒または溶媒混合物と同一または異なる溶媒または溶媒混合物である第2揮発性溶媒または溶媒混合物が、全処理組成物の最低5質量%の疎水性変性ヒュームドシリカ粒子の最終濃度を提供するために希釈剤として使用される。希釈はまた、耐久剤または耐久剤と第2揮発性溶媒もしくは溶媒混合物との組合せを使用して行うことも可能である。
【0028】
上記の目的、および以下において述べられ、かつ明らかになる目的によれば、本発明の一態様は、
100〜4000nmの範囲の中央粒子サイズを有する5〜30質量%の疎水性変性ヒュームドシリカ粒子と、
2〜14の炭素原子を有する直線または分枝、線形または環式の脂肪族または芳香族の炭化水素、1〜6の炭素原子を有する一価の線形または分枝のアルコール、1〜6の炭素原子を有するケトンまたはアルデヒド、2〜8の炭素原子を有するエーテルまたはエステル、あるいは、2〜10のジメチルシロキシ単位を有する線形または環式のポリジメチルシロキサンから選択された50〜95質量%の揮発性溶媒または溶媒混合物と、
一般式(I)または(II)の0.01〜10質量%の化合物であって、
(R123Si)2NR4 (I)
−(R12SiNR4m−(シクロ) (II)
式中、R1、R2、およびR3は、同一または異なってよく、1〜8の炭素原子の直線もしくは分枝、飽和もしくは不飽和のアルキル鎖基、または6〜12の炭素原子の芳香族基から独立して選択され、R4は、水素またはメチル基であり、mは、3〜8である、化合物とを含む処理組成物である。
【0029】
上記の目的、および以下において述べられ、かつ明らかになる目的によれば、本発明の一態様は、一般式(I)および(II)の化合物が省略される処理組成物である。本発明のいくつかの態様において、耐久剤はまた、本発明の処理組成物の希釈形態または濃縮形態のどちらかまたは両方で存在することもできる。
【0030】
本発明のさらなる特徴および利点が、添付の図面および請求項と共に考慮されるとき、以下の好ましい実施形態の詳細な記述を考慮すると、当業者には明らかになるであろう。
【0031】
図面の簡単な説明
以上の態様およびその他は、添付の図面と併せて読まれるとき、例示的な実施形態の以下の記述から当業者には容易に理解されるであろう。
【0032】
図1は、Dow Corning DC 245流体で活性シリカとして0.75質量%に希釈され(比較例21)、かつ以下において記述される試験方法によるPreVal Sprayerを使用して自動車試験パネルに適用された、比較方法例Hに対応する米国特許公報第2004/0213904号に記載された方法により得られた従来のロータス効果コーティング配合物の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
【0033】
図2は、以下において記述される本発明の方法により黒色自動車試験パネルに適用された、本発明の処置組成物例15による本発明の方法により処理された約0.5質量%の活性シリカを含む本発明の処置組成物の一実施形態のSEM画像である。
【0034】
図3は、本発明により適用された再生可能コーティングを担持する処理済み黒色塗料パネルの原子間力顕微鏡(AFM)局所画像である。
【0035】
図4は、元の未変性表面を示す処理前の未処理黒色塗料パネルのAFM局所画像である。
【0036】
図5は、それぞれヘキサメチルジシラザンで処理された、および処理されていない、本発明の処理組成物RおよびUの代表的な実施形態での分散液の流動学的プロファイルのプロットである。G’およびG’’は、例示的な組成物について方法の記述において示された条件下で測定された、ヘルツ(Hz)を単位とする発振周波数の関数としてパスカル(Pa)の単位で測定された複素流動学的応答曲線の粘性成分および弾性成分を指す。
【0037】
詳細な記述
本発明を詳細に説明する前に、本発明は、変更されることが当然可能である特定の例示されたシステムまたは方法・パラメータに限定されるものではないことを理解されたい。また、本明細書において使用される用語は、本発明の特定の実施形態を説明するためのみであり、本発明の範囲を限定することを全く意図するものではないことも理解されたい。
【0038】
本明細書において引用されるすべての刊行物、特許、および特許公報は、上記または下記に関係なく、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、参照によって組み込まれるために具体的かつ個々に示される場合と同程度まで、参照によって完全に本明細書に組み込まれる。
【0039】
本明細書および添付の請求項において使用される際、単数の形態、および「その、前記の、該」は、内容が明確に指示しない限り、複数の参照を含むことに留意されたい。したがって、たとえば、「界面活性剤」という言及は、2つ以上のそのような界面活性剤を含む。
【0040】
特に定義のない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において記述されるものと同様または同等な多くの方法および材料を本発明の実施において使用することができるが、好ましい材料および方法が、本明細書において記述される。
【0041】
本出願では、有効な量は、一般に、以下の記述において原材料の範囲またはレベルとして列挙される量である。特に定義のない限り、パーセンテージで列挙される量(「%」)は、記述される組成物または配合物全体の「質量%」(100質量%に基づく)として示された質量%を単位とする。
【0042】
本明細書において使用される際、「粒子」という用語は、任意の離散した粒子、1次粒子、1次粒子の凝集体および/または凝集集合体、凝集体の集塊体および/または集塊集合体、ならびに/あるいは微粒子材料のコロイド状の分散した粒子、凝集体、集塊体、および/またはゆるい組立て、ならびにその組合せを含むことを意図する。
【0043】
粒子サイズの決定は、アリコートの液体組成物の形態にある材料のサンプル、および/または表面上に適用された表面コーティングとしてその場に存在する材料のサンプルを測定することによって得られる選択分布の、一般に中央粒子サイズとして計算された平均粒子サイズを提供することに留意されたい。粒子サイズを決定する測定技法は、材料の性質に応じて異なり、測定された粒子サイズの分布、平均、中央、および平均の粒子サイズパラメータなどについてある程度のばらつきを提供する。したがって、測定された粒子サイズは、通常、測定システムに存在するすべての様々な微粒子構造の平均値および分布を示し、値が、存在するすべての1次、凝集、および/または集塊微粒子構造からのある程度比例する寄与を反映する平均粒子サイズを提供する。
【0044】
「D50」とも呼ばれる中央粒子サイズ(質量中央粒子径)は、度数分布を半分に分割する粒子径であり、質量の50パーセントは、より大きな直径の粒子を有し、質量の50パーセントは、より小さい直径の粒子を有する。この定義によれば、そのような中央粒子サイズは、粒子サイズ分布曲線が、単峰、2峰、または多峰であるかを規定しない。
【0045】
「比表面積」は、たとえばB.E.T.(Brunauer,Emmett,and Teller)方法によって決定されるように、粒子状固体の単位質量あたりの表面積を意味する。
【0046】
上述のように、本発明の一態様は、処理組成物およびそれを形成する方法に関する。本発明の希釈形態にあるまたはなくてもよい処理組成物は、はっ水性および汚れ忌避性を提供する剥離可能で再生可能な保護コーティングをそれぞれの表面上に形成する処置組成物に配合することができる。本発明によれば、剥離可能コーティングは、実質的に透明であり、コーティングの付着前と付着後に測定されたそれぞれの表面に対して3.0デルタE単位未満の変化をもたらす。希釈済み処理組成物は、流動性でポンピング可能であり、いくつかの応用分野では、本発明の未希釈処理組成物より望ましい分散液を提供することに留意されたい。
【0047】
本発明の処理組成物は、5〜30%、好ましくは5〜25%、さらにより好ましくは5〜15%、最も好ましくは5〜10質量%の疎水性変性ヒュームドシリカ粒子(以下においてより詳細に説明される)を含み、中央粒子サイズは、100〜4000nm、好ましくは100〜3000nm、さらにより好ましくは100〜1000nmの間にある。本発明の処理組成物はまた、50〜95%、好ましくは75〜95%、さらにより好ましくは90〜95質量%の揮発性溶媒または溶媒混合物(以下においてより詳細に説明される)を含む。本発明の処理組成物に存在する揮発性溶媒または溶媒混合物は、予備分散液の形成中に添加され(たとえば、第1揮発性溶媒または溶媒混合物)、処理組成物の形成後に希釈剤として部分的に添加されている(たとえば、第2揮発性溶媒または溶媒混合物)ことが可能である。以下において述べられる様々な揮発性溶媒または溶媒混合物の中で、一実施形態では、揮発性溶媒または溶媒混合物は、2〜10のジメチルシロキシ単位を有する線形ポリジメチルシロキサンを含むことが好ましい。他の実施形態では、本発明の処理組成物内の揮発性溶媒または溶媒混合物は、3〜6ジメチルシロキシ単位を有する環式ポリジメチルシロキサンを含むことが好ましい。本発明の処理組成物に存在する1つの高度に好ましい揮発性溶媒は、デカメチルシクロペンタシロキサンである。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態において、処理組成物は、0.01〜10%、好ましくは0.01〜5%、さらにより好ましくは0.01〜1質量%の一般式(I)または(II)の化合物を場合により含むことが可能であり、
(R123Si)2NR4 (I)
−(R12SiNR4m−(シクロ) (II)
式中、R1、R2、およびR3は、同一または異なってよく、水素、フッ素原子で場合により置換された1〜8の炭素原子の直線もしくは分枝、飽和もしくは不飽和のアルキル鎖基、またはフッ素原子で場合により置換された6〜12の炭素原子の芳香族基から独立して選択され、R4は、水素またはメチル基であり、mは、3〜8である。
【0049】
化学式(I)および(II)の化合物が存在する実施形態では、R4は、水素であり、R1およびR2は、メチルであり、R3は、フッ素原子で場合により置換された1〜8の炭素原子の水素、直線もしくは分枝、飽和もしくは不飽和のアルキル鎖基、フッ素原子で場合により置換された6〜12の炭素原子の芳香族基であり、R4は、水素またはメチル基であり、mは、3〜8である。より好ましくは、化学式(I)および(II)の化合物が本発明の処理組成物に存在するとき、R4は、水素であり、R1およびR2は、メチルであり、R3は、独立して、水素またはメチルである。R4が水素であり、R1、R2、およびR3がメチルである化学式(I)および(II)の化合物が場合により存在することができることが、さらにより好ましい。
【0050】
本発明の他の実施形態では、随意選択の耐久剤(以下においてより詳細に説明される)も、本発明の処理組成物に存在することができる。本発明は、耐久剤の使用を考慮するが、本出願の出願人は、驚くべきことに、ジシラザン誘導体を含む本発明の処理組成物(希釈済みまたは未希釈)由来の処置組成物を使用して得られた保護コーティングの耐久性は、耐久剤を含む従来の技術の組成物と実質的に異ならないことを発見したことに留意されたい。耐久剤が使用されるとき、予備分散液を提供する初期段階中、または混合後に添加されることが可能であることに留意されたい。存在する場合、耐久剤は、全処理組成物に基づいて、0.01〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%、さらにより好ましくは、0.01〜1質量%の濃度で本発明の処理組成物に存在する。
【0051】
上述の本発明の処理組成物は、シリカ粒子を
(i)一般式(I)または(II)の任意の少なくとも1つの化合物であって、
(R123Si)2NR4 (I)
−(R12SiNR4m−(シクロ) (II)
式中、R1、R2、R3、4およびmは上記のように定義される少なくとも1つの化合物と、
(ii)フッ素または塩素原子で場合により置換された2〜14の炭素原子を有する直線または分枝、線形または環式の脂肪族または芳香族の炭化水素、1〜6の炭素原子を有する一価の線形または分枝のアルコール、1〜6の炭素原子を有するケトンまたはアルデヒド、2〜8の炭素原子を有するエーテルまたはエステル、あるいは、2〜10のジメチルシロキシ単位を有する線形または環式のポリジメチルシロキサンから選択された第1揮発性溶媒または溶媒混合物であって、予備分散液における疎水性変性ヒュームドシリカ粒子の濃度により、予備分散液の全質量の10質量%〜約30質量%が得られる、第1揮発性溶媒または溶媒混合物と、を含む溶液の中に、疎水性変性ヒュームドシリカ粒子を含むシリカ粒子の予備分散液を、シリカ粒子を撹拌することによってまず提供することによって形成される。本発明によれば、化学式(I)および(II)の化合物が使用されるとき、化合物(I)および/または(II)のいずれか1つの濃度は、予備分散液の全質量の0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、さらにより好ましくは0.1〜約3質量%である。随意選択の耐久剤も、予備分散液の提供において使用することができる。シリカ粒子、随意選択のジシラザン誘導体、第1揮発性溶媒または溶媒混合物、および随意選択の耐久剤の量は、最終処理組成物内において上述の量の各化合物を提供する範囲内にある。撹拌は、当該分野において周知の従来の撹拌機器を使用することによって、本発明のこの時点において達成される。
【0052】
予備分散液の提供後、予備分散液は、次いで、本発明の処理組成物を提供するように分散剤と混合され、一方、100〜4000nm、より好ましくは100〜3000nm、さらにより好ましくは100〜1000nmの範囲の中央粒子サイズにシリカ粒子を縮小する。本発明のこのステップにおいて使用される条件および分散剤は、以下においてより詳細に説明される。
【0053】
上述のステップは、濃縮される、すなわち希釈されない本発明の処理組成物を提供する。本発明の処理組成物の希釈は、第2揮発性溶媒もしくは溶媒混合物および/または耐久剤を処理組成物において撹拌しながら添加することによって実施することができる。第2揮発性溶媒または溶媒混合物は、予備分散液の形成に使用されたものと同一または異なる揮発性溶媒または溶媒混合物を含むことができる。以下において提供される揮発性溶媒の説明を含むセクションは、第1および第2揮発性溶媒の両方を含むことを意図することに留意されたい。5質量%の最低の最終濃度まで、処理組成物を含む疎水性変性ヒュームドシリカ粒子の希釈をすることができる。これは、本発明の処理組成物の濃縮形態より一般に流動性でポンピング可能である、すなわちより容易に処理可能である処理組成物を提供する。
【0054】
疎水性変性シリカ
本発明において使用されることが可能である適切な疎水性変性ヒュームドシリカ粒子には、当該分野において既知の任意の手段によって疎水化されたシリカ粒子がある。本発明のいくつかの実施形態では、使用される二酸化ケイ素は、コロイド状二酸化ケイ素である。コロイド状二酸化ケイ素は、一般に、粒子のサイズを低減し、かつ表面の特性を変性させるために、適切な方法によって調製されたヒュームドシリカである。表面の特性を変性させる当該分野において一般的な方法は、たとえば、シリコンジメチルクロライドなどの表面変性ケイ素化合物で高温の気相加水分解の条件下でシリカ材料を生成することによって、ヒュームドシリカを生成するものである。そのような生成物は、Cabot Corporation[イリノイ州タスコラ](商品名CAB−O−SIL)、およびDegussa,Inc.[ニュージャージー州ピスカタウェイ](商品名AEROSIL)を含む、多数の源から市販されている。
【0055】
適切な疎水性変性ヒュームドシリカ粒子には、RシリーズのAEROSIL(登録商標)およびAEROXIDE(登録商標)LEの商品名で呼ばれるDegussa Corporation[ニュージャージー州パーシーパニー]から市販されているものがあるが、これらに限定されない。異なるAEROSIL(登録商標)RおよびAEROXIDE(登録商標)LEのタイプは、疎水性コーティング、BET表面積、平均1次粒子サイズ、および炭素含有量が異なる。疎水性の特性は、有機シラン、アルキルシラン、フッ化シラン、および/またはジシラザンの群の少なくとも1つの化合物での処理など、適切な疎水化処理の結果である。市販の例には、AEROSIL(登録商標)R 202、AEROSIL(登録商標)R 805、AEROSIL(登録商標)R 812、AEROSIL(登録商標)R 812S、AEROSIL(登録商標)R 972、AEROSIL(登録商標)R 974、AEROSIL(登録商標)R 8200、AEROXIDE(登録商標)LE−1、およびAEROXIDE(登録商標)LE−2がある。
【0056】
他のシリカ材料も、シリカ粒子の表面を適切に疎水化することができる疎水化材料の使用によって疎水性に変性される場合、適切である。適切な疎水化材料には、表面を適切に疎水化するためにシリカ材料と共に使用するのに適合的な当該分野において一般的なすべての材料がある。適切な例には、有機シラン、アルキルシラン、フッ化シラン、および/またはジシラザンがあるが、これらに限定されない。適切な有機シランには、アルキルクロロシラン;アルコキシシラン、たとえば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ポリトリエトキシシラン;トリアルコキシアリールシラン;イソオクチルトリメトキシ−シラン;N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート;N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート;たとえばポリジメチルシロキサンを含むポリジアルキルシロキサン;たとえば置換および非置換のアリールシランを含むアリールシラン;たとえばメトキシおよびヒドロキシ置換アルキルシランを含むたとえば置換および非置換アルキルシランを含むアルキルシラン;ならびにその組合せがあるが、これらに限定されない。いくつかの適切なアルキルクロロシランには、たとえば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、オクチルメチルジクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシラン、およびオクタデシルトリクロロシランがある。他の適切な材料には、たとえば、メメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、およびトリメチルメトキシシランなどのチルメトキシシラン;メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、およびトリメチルエトキシシランなどのメチルエトキシシラン;メチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、およびトリメチルアセトキシシランなどのメチルアセトキシシラン;ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、およびビニルジメチルエトキシシランなどのビニルシランがある。
【0057】
処理補助剤として本発明において使用することができるジシラザンが、当該分野では周知である。適切なジシラザンには、たとえば、ヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、およびビス(3,3−トリフルオロプロピル)テトラメチルジシラザンがあるが、これらに限定されない。シクロシラザンも適切であり、たとえば、オクタメチルシクロテトラシラザンがある。上述のジシラザンおよびシクロシラザンは、通常、上述の基本的な化学式(I)および(II)を有することに留意されたい。したがって、これらのジシラザンおよびシクロシラザンは、ヒュームドシリカ粒子を疎水性に変性するための疎水化材料として、および上述の予備分散液の形成において処理補助剤として、どちらかまたは両方として使用することができる。
【0058】
適切なフッ化シランには、フッ化アルキル−、アルコキシ−、アリール−、および/またはアルキルアリール−シラン、ならびに完全過フッ素化アルキル−、アルコキシ−、アリール−、および/またはアルキルアリール−シランがある。フルオロアルキルシランの例には、Dynasylanの商品名でDegussaによって市販されているものがあるが、これらに限定されない。適切なフッ化アルコキシ−シランの例は、パーフルオロオクチルトリメトキシシランである。
【0059】
処理機器
本発明の疎水性変性ヒュームドシリカ粒子を有効に分散させるのに適切な機器には、十分に大きなせん断力を濃縮微粒子スラリーに加えることができ、したがってスラリー内の粒子の平均粒子サイズ分布を100〜4,000ナノメートルまで減少させるのに有効であるあらゆる種類のデバイスがあり、この場合、本発明の方法によれば、約1000〜1,000,000ナノメートルの初期粒子サイズ範囲を使用することができる。適切な例には、Silverson Machines(英国チェスハムバックス、ウォーターサイド)から入手可能なL4RTタイプなど、回転子固定子の原理に基づく混合器および/または分散器があるが、これらに限定されない。他の適切な例は、Dispermat(BYK−Gardner[ドイツ、Geretsried])から入手可能なCVタイプおよび/またはHeynau Getriebe[ドイツ、ランツフート]から入手可能なH−Trieb4REB/Lモデルなど、溶解器または分配器のブレードを使用する混合器がある。有効な分散液は、水平ミルで達成することもでき、1つの適切な例は、OKK USA Company(イリノイ州グレンデールハイツ)のMH2Pタイプである。
【0060】
耐久剤
耐久剤が、本発明の処理組成物および/または処置組成物に場合により含まれることが可能である。含まれるとき、1つの可能な実施形態は、処理工程中に耐久剤を含むものである。適切な耐久剤は、一般式(III)のアルコキシシランの群から選択されることが可能であり、
5aSi(OR64-a (III)
式中、R5は、フッ素原子、水酸基、アミノ基、メルカプト基、またはエポキシ基で場合により置換された1〜16の炭素原子の直線または分枝、飽和または不飽和のアルキル鎖基であり、R6は、1〜2の炭素原子のアルキル鎖であり、aは、1または2であり;あるいは、一般式(IV)および(V)のアルキル−変性線形または環式ポリジメチルシロキサンの群から選択されることが可能であり、
(CH33SiO[(CH32SiO]n[(CH3)R7SiO]oSi(CH33 (IV)
−[(CH32SiO]p[(CH3)R7SiO]q−(シクロ) (V)
式中、R7は、6〜24炭素原子のアルキル鎖基であり、nは、1〜100であり、oは、1〜40であり、和(p+q)が少なくとも3であることを条件として、pは、0〜7であり、qは、1〜7である。本明細書において使用されるのに適切な追加の耐久剤には、米国特許公報第2004/0213904A1号において以前に開示されたものがある。
【0061】
本明細書において使用される耐久剤のレベルは、通常、組成物の全質量の0.1〜10質量%である。
【0062】
揮発性溶媒
揮発性溶媒が、機能性保護コーティングを表面上に形成することができる方式で処置組成物を受容表面に送達して有効に適用する方法の液体担体の役割で、本発明の処理組成物および/または処置組成物において使用される。
【0063】
適切な揮発性溶媒は、フッ素原子または塩素原子で場合により置換された2〜14の炭素原子を有する芳香族、分枝、環式、および/または線形の炭化水素、一価線形または分枝のアルコール、1〜6の炭素原子を有するアルデヒドまたはケトン、2〜8炭素原子を有するエーテルまたはエステル、2〜10のジメチルシロキシ単位を有する線形または環式のポリジメチルシロキサン、あるいはその混合物の群から選択される。適切な揮発性溶媒の例には、n−プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、シクロ−ペンタン、n−ヘキサン、シクロ−ヘキサン、n−ヘプタン、イソドデカン、ケロセン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、石油エーテルおよび酢酸エチル、商品名Dow Coming 200 Fluid 1cstで販売されているオクタメチルトリシロキサン、商品名Dow Coming 245(Dow Chemical社から入手可能)で販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、TEGO(登録商標)Polish Additiv 5(Degussa社から入手可能)、過フッ素化溶媒があり、これらに限定されないが、塩素化溶媒などの他のハロゲン化材料も、使用が適切であれば、適切に使用される。
【0064】
使用されることが可能である追加の溶媒には、ある程度の水可溶性および/または水混和性を有し、かつ、処理、実装により、および適用する最中、存在する可能性がある、または本発明の処理組成物に組み込まれる可能性がある水または水分と結合する少なくともある程度の能力を有する有機溶媒がある。これらは、一般に、より揮発性の溶媒に添加されるが、単独で、ならびに処理、実装、貯蔵、および使用中に疎水性変性シリカ粒子の分散液を安定させることができる任意の適切な組合せまたは混合物において使用されることが可能である。
【0065】
適切な有機溶媒には、C1-6アルカノール、C1-6ジオール、アルキレングリコールのC1-10アルキルエーテル、C3-24アルキレングリコールエーテル、ポリアルキレングリコール、短鎖カルボン酸、短鎖エステル、イソパラフィン炭化水素、石油スピリット、アルキル芳香族、テルペン、テルペン誘導体、テルペノイド、テルペノイド誘導体、ホルムアルデヒド、およびピロリドンがあるが、これらに限定されない。アルカノールには、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、およびヘキサノール、ならびにその異性体があるが、これらに限定されない。ジオールには、メチレン、エチレン、プロピレン、およびブチレングリコールがあるが、これらに限定されない。アルキレングリコールエーテルには、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、ジ−またはトリ−ポリプロピレングリコールメチルまたはエチルまたはプロピルまたはブチルエーテル、グリコールエーテルの酢酸エステルおよびプロピオン酸エステルがあるが、これらに限定されない。短鎖カルボン酸には、酢酸、グリコール酸、乳酸、およびプロピオン酸があるがこれらに限定されない。短鎖エステルには、酢酸グリコール、および環式または線形の揮発性メチルシロキサンがあるが、これらに限定されない。
【0066】
蒸発率を変更するために、より揮発性ではない有機溶媒をより揮発性の溶媒と組み合わせて場合により含むことができる。より揮発性ではない有機溶媒の適切な例は、より低い蒸気圧を有するものであり、たとえば、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールブチルエーテル(すべてARCO Chemical Companyから入手可能)を含むが、これらに限定されない0.1mmHg(20℃)未満の蒸気圧を有するものである。
【0067】
揮発性溶媒は、通常、本発明の処理組成物において50〜90質量%のレベルで存在する。
【0068】
上述のように、本発明の処理組成物は、本発明の処理組成物の他に、以下でより詳細に説明される懸濁剤、機能補助剤、および噴射剤を含む、追加の添加剤を含むことが可能である処置組成物に配合することができる。
【0069】
噴射剤
本発明の処置組成物と併せて場合により使用されることが可能である噴射剤は、当該分野において周知で慣例的なものであり、たとえば、n−プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、およびその混合物などの1〜10の炭素原子の炭化水素;ジメチルエーテルおよびその混和物、ならびに個々のクロロ−、クロロフルオロ−、および/またはフルオロ炭化水素−、ならびに/またはヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)あるいはその混合物がある。有用な市販の組成物には、A−70(DiversifiedおよびAeropressなどの会社から入手可能な70p.s.i.g.の蒸気圧を有するAerosol(登録商標)組成物)、ならびにDymel(登録商標)152a(DuPont社製の1,1−ジフルオロエタン)がある。また、噴射剤として、二酸化炭素、圧縮空気、窒素などの圧縮気体も適切であり、可能であれば、高密度流体または超臨界流体も、単独でもしくは組み合わせて、および代替として他の噴射剤のタイプと組み合わせて、使用できる。
【0070】
噴射剤を使用する分配の応用分野では、本発明の処置組成物は、エアロゾルタイプ容器のアクチュエータノズルを、処理を必要とする領域の上に作動させることによって分配され、本明細書において記述される塗布方式により、領域は、本発明の処理組成物が表面上に付着され、本発明の処理組成物が処理されている表面に当たる際に本発明の処置組成物に依然として関連付けられている噴射剤残留物が最小限であるように、噴射剤が分配ステップ中に正常に散逸するとき、処理される。噴射剤が極めて迅速に散逸することによって霧化する性質は、均一な噴霧パターンの生成を補助し、かつ本発明の液体処置組成物の一様で一貫した膜を表面上に付着させることを可能にする本発明の処置組成物の極めて微細な液滴を生成すると考えられるが、代替の噴射剤の補助がない送達手段も適切に使用できる。
【0071】
噴射剤が使用される場合、一般に、エアロゾル配合物の約1質量%〜約75質量%の量である。一般に、使用される特定の噴射剤の量は、本発明の処置組成物の良好な霧化および送達を提供するために、70°Fにおいて約20〜約150p.s.i.g.の内圧を提供するべきである。
【0072】
懸濁剤
懸濁剤が、本発明の組成物の懸濁および/または分散の特性を向上させるために、本発明の処置組成物に場合により含まれることが可能である。懸濁剤は、使用されるとき、疎水性変性ヒュームドシリカ粒子、他の固体微粒子添加剤、ならびに処置組成物に含まれる他の随意選択の薬剤および機能補助剤の懸濁および分散の特性を向上させるように機能することが可能である。懸濁剤は、一般に、安定化に十分なレベルにおいて、かつ、存在するとき、使用レベルが、懸濁剤を含む本発明の処置組成物を使用することによって提供される膜の好適な透明の特性に悪影響を与えないように使用される。
【0073】
適切な懸濁剤には、ポリマーおよび界面活性剤、ならびにその組合せがある。
【0074】
ポリマータイプの懸濁剤には、陰イオン性ポリマー、陽イオン性ポリマーおよび非イオン性ポリマーがある。例として、CTFA名称Carbomerを有する架橋アクリル酸ポリマーなどのビニルポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、硫酸ナトリウムセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、結晶セルロース、セルロース粉末などのセルロース誘導体および変性セルロースポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアルガム、ヒドロキシプロピルグアルガム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガカント、ガラクタン、カロブガム、グアルガム、カラヤガム、カラギーン、ペクチン、アガー、マルメロの種(Cydonia oblonga Mill)、デンプン(米、とうもろこし、ジャガイモ、麦)、藻類コロイド(藻類抽出物)、デキストラン、スクシノグルカン、プレランなどの微生物学的ポリマー、カルボキシメチルスターチなどのデンプン系ポリマー、メチルヒドロキシプロピルデンプン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどのアルギン酸系ポリマー、ナトリウムポリアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、およびポリエチレンイミンなどのアクリレートポリマーがあるが、これらに限定されない。
【0075】
他の随意選択の懸濁液には、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、両向性、および双極性の界面活性剤がある。アクリル誘導体として分類することができる粒子懸濁剤として有用な界面活性剤の例には、長鎖アミンオキシドおよびその混合物がある。このタイプの例示的な懸濁剤が、米国特許第4741855号に記載されている。追加の適切な懸濁剤には、好ましくは約16〜約22の炭素原子を有する脂肪酸のエチレングリコールエステルがある。また、モノステアリン酸塩およびジステアリン酸塩の両方のステアリン酸エチレングリコール;ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノイソプロパノールアミド、およびステアリン酸モノエタノールアミドステアリン酸塩など、脂肪酸のアルカノールアミド;ステアリン酸ステアリルおよびパルミチン酸セチルなど、長鎖脂肪酸の長鎖エステルを含む長鎖アクリル誘導体;ステラアミドジエタノールアミドジステアレート、ステアラミドモノエタノールアミドステアレートなど、長鎖アルカノールアミドの長鎖エステル;ならびに、グリセリルジステアレート、商用例がRheox,Inc.から入手可能なThixin(登録商標)であるがトリヒドロキシステアリンなど、グリセリルエステルも適切である。また、長鎖アクリル誘導体、長鎖カルボン酸のエチレングリコールエステル、長鎖アミンオキシド、および長鎖カルボン酸のアルカノールアミドも適切である。
【0076】
懸濁剤として使用するのに適切な他の長鎖アクリル誘導体には、N,N−ヒジドロカルビルアミド安息香酸、およびたとえばナトリウム塩およびカリウム塩を含むその可溶性塩;N,N−ジ(水素化)C16、C18、およびStepan Company[米国ノースフィールドIII]から市販されているこのファミリーの獣脂アミド安息香酸種がある。
【0077】
懸濁剤として使用するのに適切な長鎖アミンオキシドの例には、より長い鎖のアルキルジメチルアミンオキシド、たとえばステアリルジメチルアミンオキシドがある。
【0078】
他の適切な懸濁剤には、例にパルミタミンまたはステアラミンがある、約12以上の炭素原子を有する脂肪アルキル成分を有する1次アミン、および例にジパルミトイルアミンまたはジ(水素化獣脂)アミンがある、それぞれが少なくとも約12の炭素原子を有する2つの脂肪アルキル成分を有する2次アミンがある。他の適切な懸濁液には、ジ(水素化獣脂)フタル酸アミドおよび架橋マレイン無水物−メチルビニルエーテルコポリマーがある。
【0079】
さらに、当該分野において既知の他のポリマーおよび界面活性剤材料は、受容表面に適用されるとき、保護膜の性能に悪影響を与えないということを条件として、本発明の処置組成物において適切に使用されることも可能である。
【0080】
含まれるとき、懸濁液は、通常、最終的な処置組成物の約0.001〜5質量%のレベルにおいて、または本発明を使用することによって提供される膜の望ましい好適な随意選択の特性に影響を与えないレベルにおいて使用される。
【0081】
機能補助剤
本発明の処置組成物、方法、および処置キットは、1つまたは複数の機能補助剤を場合によりさらに含むことが可能である。機能補助剤は、本発明の処置組成物と組み合わされる、濃縮プロセス材料または処理組成物の処理中に組み合わされる、あるいは代替として、後で添加される、または本明細書において記述される方法および処置キットにより本発明の処置組成物を分配して適用する最中に同時に送達されることが可能である。
【0082】
機能補助剤は、少なくとも1つの追加の好適な特性、機能上のおよび/または付随する利点、あるいは審美眼的向上を処置組成物、または処置組成物もしくは処置組成物を使用するキットを使用することによって提供される結果として得られる保護コーティングを提供するために場合により含まれる。機能特性は、貯蔵安定性の向上により生成物特性の向上を提供するものとすることができ、したがって、たとえば、実装されるときに処置組成物の貯蔵特性を向上させるための組合せを含む、相安定剤、腐食保護剤、分散剤などを組み込むが、これらに限定されない。さらに、適用するステップを改良するための組合せを含む、流動剤、霧化助剤、湿潤剤、拡散剤、蒸発変性剤、溶媒結合剤、乾燥助剤、共沸共溶媒、液滴サイズ変更剤などを含む向上した分配特性を提供する機能補助剤があり、処置組成物は、本明細書において記述される本発明の保護特性を提供するために、対象表面に分配されて適用される。
【0083】
本発明の処置組成物を使用することによって処理される受容表面上に存在する保護膜に、向上した保護の利点および/または付随する利点を提供する他の機能補助剤が含まれることが可能である。そのような向上した保護の利点および/または付随する利点を提供する適切な機能補助剤は、紫外光吸収剤、赤外光遮断剤、遊離基スカベンジャー、蛍光白色化剤、着色剤、染料、顔料、光活性粒子、変色染料、退色染料、漂白剤、固定剤、香料、芳香剤、臭い制御剤、静電気防止剤、およびその組合せから選択できる。
【0084】
含まれるとき、機能補助剤は、通常、完成処置組成物の約0.001〜5質量%のレベルにおいて、または本発明を使用することによって提供される膜の望ましい好適な光学特性に影響を与えないレベルにおいて使用される。
【0085】

本明細書において記述される本発明の処置組成物は、一般に、非水溶性であるので、水は、一般に、組成物から排除され、随意選択の機能補助剤を含めて、過剰な水および/または水分のない使用材料が選択される。本明細書において説明される本発明の処置組成物および適用する方法は、特に、水混和性、水可溶性、および/または部分的に水可溶性の溶媒もしくはその組合せから選択された結合溶媒が、処置組成物において随意選択の機能補助剤として使用される場合、ある程度の水を許容することが可能である。水が存在する場合、脱イオン化された産業用軟水、または特定の応用分野について任意の適切な等級の水とすることが可能である。
【0086】
非水溶性処置組成物では、水は、5質量%または容積未満、より好ましくは2質量%または容積未満、最も好ましくは1質量%または容積未満のレベルに限定されることが好ましい。結合溶媒が使用されるとき、水は、著しく高いレベルで存在することが可能であり、水および任意の必要な結合剤のレベルが、コーティングが適用されるそれぞれの受容表面上に透明で再生可能な耐久性の表面保護コーティングを形成する本発明の処理組成物の能力を妨害しないことを条件として、任意のレベルが適切である。
【0087】
使用分野
本発明の処置組成物および本発明による方法を使用する方法、処置組成物、ならびに処置キットは、基板、材料、物品、および/または物体の受容表面を処理するために使用されることが可能であり、それぞれの表面は、処理に対して受容であり、かつ表面上のシリカ粒子集塊物の形態で疎水性変性ヒュームドシリカ粒子を含む耐久性で非永続的な付着膜を擁することができる。
【0088】
本発明の処置組成物は、自動車材料および家庭用材料を含む非多孔性および多孔性の表面、ならびにそのそれぞれの表面を含む、無生物物品の様々な受容表面を処理するために使用することができる。適切な自動車表面および物品の例には、ホイール、ホイールトリム、ホイールカバー、剥離可能ホイールカバー、はねよけ、カーパネルおよび塗装表面、クリアコーティングされたカー表面、金属、塗装金属固定具、クロム処理物品、バンパー、バンパステッカー、虫除け装置、雨除け装置、カーブート、ホイールカバー、改造可能トップ、キャンパ日よけ、日よけ、車両カバー、ナンバープレート、プラスチック物品、レンズカバー、信号光レンズカバー、ブレーキ光レンズカバー、ヘッドランプおよびフォグ光レンズカバーを含むビニル材料などがあるが、これらに限定されない。適切な内部自動車表面の例には、ビニルおよび室内装飾用品表面、ダッシュボード、ダッシュ機器レンズカバー、シート、カーペット、床ランナ、スピーカカバーなどがあるが、これらに限定されない。
【0089】
本発明の処置組成物は、たとえば台所および浴室の領域、リビング領域、内部表面および外部表面を含む、家の内外で見られる物品および表面について使用することができる。適切な表面には、多孔性および非多孔性の両方の表面、材料、および基板がある。非多孔性表面の比限定的な例には、金属、金属酸化物、アルミニウム、陽極処理アルミニウム、塗装基板、ステンレス鋼、クロム、クリアコーティング済み自動車表面、エラストマ、ビニル、プラスチック、ポリマー、封止木材、積層板、複合物などがある。多孔性表面の非限定的な例には、繊維、織物、不織布、織布材料、気泡基板、布、衣類、皮、室内装飾用品、カーペット、カーテン、大理石、御影石、グラウト、モルタル、コンクリート、スパックリング、漆喰、日干し煉瓦、化粧漆喰、レンガ、素焼きタイル、タイル、素焼き磁器、磁器、粘土、壁紙、厚紙、紙、木材などがある。
【0090】
住居においておよび住居の周辺において見られる適切な表面および物品の例には、天井、壁、壁紙、床、カウンタ甲板、シンク、汚れ除け、キャビネット、木の羽目板、積層板、石、御影石、大理石、石灰岩、タイル、磁器、プラスチック、ポリマー、コーティング済み材料、コーキング、グラウト、スパックリング、シャワー壁、シャワー囲い、布、プラスチック、および積層板を含むシャワーカーテン、トイレ、ビデなどがあるが、これらに限定されない。本発明により処理されることが可能である適切な物品および材料には、さらに、カーペット、家具、厚手のカーテン、カーテン、ブラインド、ビニル・ブラインド、プルシェード、ラグ、装飾品目などがある。
【0091】
本発明が使用されることが可能である家屋外の表面および材料には、外壁、トリム、ドア、排水溝、窓、スクリーン、および窓覆いなどがある。処理に適切な構築材料には、木材、塗装表面、金属表面、ビニル、受容ガラス、プラスチック材料を含む高分子基材、ならびに外部環境に配置される日干し煉瓦、粘土、コンクリート、石、レンガ、モルタル、漆喰、羽目板などの多孔性材料がある。
【0092】
高分子基材
本明細書において説明される本発明の方法および組成物により処理された物品は、水が未処理の表面に適用されるとき、汚れおよび/または水玉を集める傾向を示すという点で、疎水性表面の特性を通常示す高分子基材を含む構築物の物品から選択されることが可能である。物品には、高分子の基板、膜、またはコーティングで完全に構築された物品、積層板された物品、および/またはコーティングされた物品がある。
【0093】
高分子基材には、少なくとも1つの処理可能表面または受容表面を有する構築物の材料にされる濃縮ポリマーがある。これらの高分子基材は、たとえば、パネル、成形形態、気泡、シート、固体表面、2次基板上の積層板膜およびコーティングなど、任意の物理的形態にあることができるが、これらに限定されない。高分子基材は、ほぼ弾性、非弾性、柔軟性、圧縮性、または本質的に剛性、およびこの組合せである形態など、任意の所望の物理的特性を有することが可能であるが、これらに限定されない。
【0094】
本発明の適切な物品には、たとえば、床、タイル、パネル、壁、ドア、天井、浴槽、シャワー室、シンク、キャビネット、カウンタトップ、固定具などの構築に使用されるプラスチック、エラストマ、および積層板を含む、疎水性高分子基材を含む少なくとも1つの処理可能表面を装備する、家屋においておよび家屋の周辺において、ならびに商業的環境において通常見られる構築物および構築物品があるが、これらに限定されない。
【0095】
適切な高分子基材およびそれで構築された物品には、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアリルエーテルケトン、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンシクロヘキサンジカルボキシレート)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)グリコール、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリ(エチレンテレフタレート)グリコール、ポリケトン、ポリ(オキシメチレン)、ポリホルムアルデヒド、ポリ(フェニレンエーテル)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(フェニレンスルホン)、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリ(フッ素化ビニリデン)、ポリアミド、ポリアミド熱可塑性エラストマ、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリアクリレート、ポリ(メチル)メタクリレート(PMMA)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、およびその組合せがあるが、これらに限定されない。
【0096】
適切な高分子基材およびそれで構築された物品には、さらに、アクリレート、アクリロニトリル、ブタジエン、エチレン、ホルムアルデヒド、マレイン無水物、メラミン、メタクリレート、メチルメタクリレート、フェノール、プロピレン、スチレン、ウレタン、および酢酸ビニルから選択された1つまたは複数のモノマーで生成されたコポリマー材料がある。これらのコポリマー材料の具体的な例(およびそれらの一般的な産業用頭字語)には、アクリロニトリル:ブタジエン:スチレン(ABS)、アクリロニトリル:スチレン:アクリレート(ASA)、エチレン:プロピレン(E/P)、エチレン:酢酸ビニル(EVAC)、メチルメタクリレート:アクリロニトリル:ブタジエン:スチレン(MABS)、メタクリレート:ブタジエン:スチレン(MBS)、メラミン:ホルムアルデヒド(MF)、メラミン:フェノール:ホルムアルデヒド(MPF)、フェノール:ホルムアルデヒド(PF)、スチレン:ブタジエン(SB)、スチレン:マレイン無水物(SMAH)、スチレン:アクリロニトリル(SAN)、スチレン:ブタジエン(SBC)、酢酸ビニル:エチレンコポリマー(VAE)、およびその組合せがある。
【0097】
また、コポリエステル熱可塑性エラストマ(TPC)、オレフィン熱可塑性エラストマ(TPO)、スチレン熱可塑性エラストマ(TPS)、ウレタン熱可塑性エラストマ(TPU)、熱可塑性加硫ゴム(TPV)、ネオプレン、ビニル、シリコンエラストマ、およびその組合せを含む、熱可塑性エラストマで構築された高分子基材および物品も適切であるが、これらに限定されない。
【0098】
使用法
本発明の処置組成物は、一般に、揮発性溶媒においてコロイド状分散疎水性変性ヒュームドシリカ粒子を含む液体の微細液滴を受容表面上に連続コーティングとして付着させ、それにより、液滴が表面を完全に覆い、有効に融合して、最初に付着する際に薄い連続液体膜を形成するような方式で適用される。この第1の適用する方式は、一般に、単一処置の応用分野について好ましい。代替として、液体処置組成物は、高密度に構成された微細液滴のアレイとしてほぼ完全な程度まで表面領域を一様に覆うが、連続液体膜を形成しないように微細に分離される方式で適用することができる。この後者の適用する方法では、所望の表面保護の程度に応じて、所望レベルの表面の覆いを生成するために、本発明の処置組成物を1回適用する、または複数回繰り返して適用することを適用することができる。
【0099】
液体処置組成物を表面に適用するこの適用するステップに続いて、揮発性溶媒は、方法の第2ステップにおいて蒸発させられ、本質的に透明なシリカ粒子集塊物の形態で粒子の付着膜を有効に残す。揮発性溶媒の蒸発により、薄く、巨視的には一様で、本質的に透明な膜を受容表面上に得る。膜は、剥離可能で再生可能であり、かつ表面に入る水を玉にするのに十分な高い水接触角度のために優れた汚れ忌避性およびまたはっ水性を示し、それにより、付着した膜は、汚れ忌避性およびはっ水性、ならびに汚れた表面が自浄性であり、かつ水を適用するだけで容易に清浄可能である能力を提示し、提供する。
【0100】
理論によって制約されずに、本発明の揮発性溶媒が蒸発することにより、著しい塊りあるいは粒子間および/または集塊物間の会合を有さずに、適用することに続いて処理済み表面の領域にわたる粒子の相対的な順序付けおよび分離が提供されると考えられ、これにより、そうではない場合に集塊物が不利にクラスタ化することによる有意な散乱中心がないことにより、好適な光学特性を有する付着粒子の単層が得られる可能性が高い。したがって、本発明の処理組成物は、表面の欠陥または当該分野の他のコーティングが容易に認識可能である特に光沢のある、または高反射性の表面に適用されるときでも、ヒトの目にはほぼ見えない本質的に透明な膜を処理済み表面上に形成するのに役立つ。理論によって制約されずに、揮発性溶媒は、蒸発中に、粒子が、最大表面接触で最低のエネルギー的に好適な結合状態において表面上に沈降することを可能にすることによって、より弱い非共有結合力によって受容表面上に粒子を可逆的に付着させるように作用するとさらに考えられる。極めて小さい粒子サイズ、および粒子集塊物が溶媒の蒸発中に最も好適な位置を取る能力により、疎水性−疎水性相互作用およびファン・デア・ワールス力による結合力は、疎水性変性シリカ粒子が、流動する水および/または空気の下でも、変位に対して有効に抵抗するように適切な受容表面に十分緊密に結合するが、穏当な手段によって望ましいときに容易に除去することを可能にするのに十分である。
【0101】
したがって、本発明の処置組成物および方法によって生成される膜は、剥離可能であり、粒子の比較的弱い結合エネルギーを克服し、かつ粒子を表面から変位させるために、ある適切な物理的器具または掃引物品を使用して磨耗させる、こする、または拭くことなどによる物理的手段によって、ならびに/あるいは界面活性剤、分散剤、および/または溶媒を使用することなどによる化学的手段によって、あるいはこれらのいくつかの適切な組合せによって、容易に除去されることが可能である。雨水、はね水、および家庭園芸用ホースを使用した穏やかな水噴霧、さらには著しい泥負荷および汚染物質が存在する水など、通常の温度および圧力下の水だけでは、本発明の膜を変位させるのに有効ではなく、したがって、剥離可能であるが、汚れを好適にはじく耐久性の保護コーティングとして、膜が受容基板上において作用することを可能にすることにより、その疎水性および高い水接触角度のために、はっ水性であり、かつあらゆる接着した泥または汚れを水だけで清浄することができることに留意されたい。処理済み表面はまた、ブレーキ・ダストおよび家庭の埃など、乾燥した泥および微粒子物質の接着をはじいて抵抗する驚くべき能力をも提示し、本発明による保護膜を担持する表面は、微粒子の泥を変位させるために、穏やかな気流のみを使用して、または垂直表面の場合は穏やかに叩く、揺する、もしくはわずかに打つ動きを使用して、清浄することができる。したがって、本発明の方法および処置組成物により処理された受容材料は、汚れ忌避性を提示し、自浄性であり、その好適なはじく特性は、水のみを使用する容易な清浄を提供する。さらに、処理済み材料は、膜に接着する可能性がある除去不可能なおよび/または過剰な泥負荷が、支持構造の表面に関連付けられることが防止され、したがって、膜の性質が剥離性であり、それにより、泥が接着して積み重なることから処理済み表面を保護することについて除去可能な犠牲障壁として作用し、一方、依然として自浄性を表面に提供するということにより、界面活性剤溶液などの清浄剤を使用する清浄ステップ中に表面からより容易に除去されるという点で、清浄がより容易であり、かつ次回の清浄がより容易であるということを提示する。以前に適用された保護膜を除去するためにそのように清浄された表面は、次いで、自浄性およびより容易な次回清浄の利点を回復するために、本発明の処理組成物を新たに適用することによって、再び保護されることが可能である。したがって、表面の処理および結果的な保護の利点は、表面が、元の表面を損傷または劣化させずに、周期的に、または任意の所望の間隔で、後で再処理されることが可能であるという点で、無限に再生可能なことである。
【0102】
さらに、以前に処理された表面上の本発明の保護コーティングは、コーティングが部分的に擦り切れている、または損傷されている場合でも、保護コーティングを事前に除去せずに、本発明の処置組成物を繰り返して適用することによって再生されることが可能である。一般的には、具体的に、表面が損傷されている場合、および/または処理と処理の間に過度に汚れている場合、以前のコーティングを除去することが望ましいが、これは必要ではない。理論によって制約されずに、本発明の処置組成物を以前に処理された表面に再び適用することにより、溶媒担体および疎水性シリカ集塊物の追加の新規なアリコートが再び導入されるために、保護コーティングを本質的に再生し、一方、本発明の処理組成物によって提示される優れた光学的特性をそうでなければ損なう過剰な沈着を防止する方式で、表面にわたって本発明の材料を十分に再懸濁および再分布させることになると考えられる。
【0103】
適用する手段
本発明の処置組成物を受容表面に適用することは、微細液滴の微細な分布を生成し、かつ処理される表面に液滴を向けることができる当該分野で既知の任意の適切な手段を使用する適用するデバイスを使用することによって達成されることが可能である。適用するデバイスは、エアロゾル・デバイスまたは非エアロゾル・デバイスとすることができる。処置組成物は、任意の適切なタイプの噴霧器を使用して噴霧することができる。1つの適切なタイプの噴霧器は、噴射剤を使用するエアロゾル加圧パッケージである。エアロゾル噴霧器が使用される場合、これは、任意の適切なタイプの噴射剤を使用することができる。噴射剤は、炭化水素噴射剤、または非炭化水素噴射剤を含むことができる。非炭化水素噴射剤は、圧縮気体および/または液化気体を含むことが可能であるが、これらに限定されない。適切な圧縮気体には、圧縮空気、窒素、不活性気体、二酸化炭素などがあり、適切な液化可能揮発性材料には、プロパン、ブタン、ペンタン、ならびに炭化水素、フッ化炭素、過フッ素化炭素、クロロフッ化炭素、およびその混合物から選択された材料があるが、これらに限定されない。
【0104】
一実施形態では、液体処置組成物を複数の微細液滴の形態で適切に分配することができる分配バルブと組み合わせて、加圧エアロゾル・パッケージが使用され、適切な加圧気体、圧縮可能液体および/もしくは液体噴射剤、ならびに/または気体噴射剤、あるいはその混合物を使用することによって場合により加圧された、本発明の液体処置組成物を使用する。
【0105】
適切なエアロゾル送達には、Truspray(登録商標)システム(Boehringer Ingeiheim−Steag microParts[ドイツ、ドルトムント]から入手可能)があり、これは、噴射剤および溶媒のレベルを低減して微細な霧化を送達するために、毛細管霧化技術を使用し、本発明によるより濃縮されたコロイド状分散および/または濃化された処理組成物が適切に分配されることを可能にする。
【0106】
また、加圧手段および/または噴射剤手段を使用することを必要としない適用するデバイスおよび/または分配デバイスも適切である。
【0107】
米国特許第6708852号において開示されている1つの適切な例は、化学的に加圧されたエアロゾル・ディスペンサに対する代替を提供する機械的に加圧された分配システムを記載する。このシステムは、液体生成物を保持する標準的な容器の上にわたって装備され、液体を分配ヘッド・アセンブリの中に引き込むディップ管アセンブリを含み、分配ヘッド・アセンブリにおいて、内容物は、ノズルおよび弁を介して分配ヘッド・アセンブリを通って放出される。ねじ込みキャップをひねることにより、ピストンが上昇し、それにより、分配ヘッド・アセンブリ内の装填室が開放される。これにより、真空が創出され、結果として生じる吸引により、生成物は、装填室を充填するようにディップ管を経て引き上げられる。反対方向にキャップをひねることにより、ピストンは下方ストロークにおいて下がり、これにより、装填室は閉鎖し、生成物は膨張可能弾性リザーバの中に強制され、そこでノズルを経て放出される。
【0108】
また、容器が、容器内の噴射剤によって囲まれ、かつ内部封止パウチを囲むフォイルバッグまたはフォイルなしバッグである別のパウチに存在する液体処置組成物を封入するアプリケータデバイスも適切である。例には、再充填可能容器を記載する米国特許第6196275号、米国特許第4308973号、および米国特許第5730326号に記載されているものがある。米国特許公報第2003/0102328号は、戻りばねおよび生成物ディップ管がないエアロゾル容器を記載する。いくつかの応用分野では、ディップ管は、以前として適切である可能性がある。弁は、複数の生成物送達開口を有することが可能である。容器は、生成物を分配するために、噴射剤駆動ピストンを使用することが可能であり、または、生成物は、折りたたみ可能な柔軟バッグにあることが可能である。
【0109】
米国特許第5111971号は、エアロゾル弁と共にはめ込むことができ、かつ噴射剤を必要としない加圧ライナ・スリーブ・アセンブリを記載する。
【0110】
化学噴射剤を排除することにより、温室効果ガスの放出を減少させるために立案された様々な州および連邦政府の規制に準拠することを可能にするように、揮発性有機内容物(VOC)を低減または排除することができる。化学的加圧分配器の代替には、化学噴射剤を使用せずに装填物を貯蔵することによって延長噴霧時間を得る様々な機械加圧モデルがある。そのような「貯蔵装填物」分配器には、組立ての時点で機械的に加圧されるタイプ、ならびに使用時にオペレータによって機械的に加圧されることが可能であるタイプがある。組立ての時点で機械的に加圧される貯蔵装填物分配器は、しばしば、生成物と共にくみ上げられるブラダを含む。例には、米国特許第4387833号および第4423829号に記載されているものがある。
【0111】
使用時にオペレータによって機械的に加圧される貯蔵装填物分配器は、通常、室内に含まれている生成物を加圧するのに機械的な利点を提供するねじ山、カム、レバー、ラッチ、ギア、および他の構築物によって装填される装填室を含む。このタイプの分配器は、一般に、「装填室分配器」と呼ばれる。多くの独創的な装填分配器が生成された。例には、参照によって明らかに本明細書に組み込まれている米国特許第4872595号、米国特許第4222500号、米国特許第4174052号、米国特許第4167941号、および米国特許第5183185号に記載されたものがある。
【0112】
米国特許公報第2005/0035213号は、噴霧形成ヘッドを有する超音波変換器、空気および液体供給通路を有する統合流体送達デバイス、支持ブラケット、ならびに超音波電力生成装置を備える超音波噴霧コーティング・システムを記載する。超音波変換器は、高周波数電気エネルギーを高周波数機械エネルギーに転換する超音波転換器からなる。転換器は、共振周波数を有する。噴霧形成ヘッドは、転換器に結合され、転換器と同じ共振周波数において共振する。噴霧形成ヘッドは、噴霧形成先端を有し、噴霧形成先端において転換器の振動を集中させる。空気および液体を供給する別々の通路により、処置組成物が、使用されるまで、潜在的な汚染物質から分離されていることが可能になる。超音波変換器は、変換器が調節される際に、微細なミストまたは噴霧を生成することができる。追加の超音波噴霧デバイスが、米国特許公報第2004/0256482号および米国特許第6651650号に記載されており、これは、超音波ポンプによって液体容器から液体をくみ上げ、複数の微小な穴を有するように形成されたメッシュ・プレートを経て液体を通過させることによって液体を霧化する超音波噴霧器を記載する。デバイスは、自動、手動、または断続的動作について制御することができる。
【0113】
他の非限定的な例は、TrueSpray(商標)(TTP Group、The Technology Partnership)およびTouchSpray(商標)(TTP、Bespak PLC、およびPART GmbHのODEM系列会社[ドイツ])の霧化デバイスであり、両方とも、穿孔膜に基づく微細液滴生成システムを使用し、穿孔膜は、膜の一側面上の霧化液体組成物の連続流を反対側面から出る液滴の微細噴霧に変換するために、選択周波数において振動する。このシステムは、液体の流れおよび分配率、ならびに液滴のサイズ、分布、速度、および霧化率を制御するために、電池または他の電子電源および回路を使用する電気的手段を使用して、膜の振動の振動周波数、振幅、および所要時間を制御する。この適用する手段の好適な特性は、直径が10〜100ミクロンの大きさのより小さい液滴を生成し、大部分の液滴が、平均液滴サイズのいくつかの標準偏差の範囲内のサイズであり、したがって、一様なサイズの微細液滴の均一な分布を生成し、これにより、本発明の処理組成物を受容表面上に付着させるために使用されるとき、適用された材料のより一様な表面を形成することができる、というシステムの傾向である。
【0114】
また、静電アプリケータも適切であり、これは、任意の適切な霧化手段と、所望の条件および対象基板に応じて正味の正または正味の負であるように選択されることが可能である単極電荷を分配液滴の上に付与することができる分配器とを組み合わせる送達手段として使用されることが可能である。単極電荷を分配液滴に付与することは、霧化中に液滴を分散させるように作用するが、その理由は、同様に帯電した液滴は互いに反発する傾向があり、それにより、複数の液滴の噴霧パターンの凝集が、液滴が飛行している間に維持されるからである。適切に選択された単極電荷はまた、付着効率を有効に向上させ、過剰噴霧および対象表面からの液滴にはね返りをさらに減少させ、ならびにより一様な膜を表面上に生成するために、帯電した液滴を加速する、引き付ける、および/または中性、分極性、または反対に帯電した表面の上に付着させるように作用することも可能である。
【0115】
処置キット
受容表面に直接適用されるように分配および/またはアプリケータ手段において適切に実装された本発明の処置組成物は、処置キットの形態で組み合わせることが可能である。処置キットは、処理されることが可能である適切な表面および基板のリスト、組成物を表面に適用する使用および最も適切な手段を示す適用する技法および適用する指示、事前清浄指示、乾燥指示、ならびに事後清浄指示などを含めて、本発明の処置組成物を使用する指示をさらに含むことが可能である。
【0116】
一般的には、第1保護コーティングを清浄済み受容表面上に形成するように以前に清浄された表面を処理することが望ましい。これは、通常、ほとんどの表面について、洗浄剤、硬表面クリーナ、石けん、またはいくつかの同様の清浄剤によって洗浄し、続いて水ですすいで乾燥することを可能にする、もしくは直接拭いて乾燥する、または水ですすいだ後に拭いて乾燥することによって、実施される。一般的には、処理する前に、水、清浄剤、および他の接着材料のすべての痕跡残留物を除去することが望ましい。本発明の処置組成物は、湿った、またはわずかに濡れた表面に適用されることが可能であるが、一般的には、付着した水滴がないものなど、本発明の処置組成物が適用されるほぼ乾燥した表面が、最も審美的に魅力的な表面処理を提供する。したがって、本発明による処置キットは、場合により、たとえば、吸収剤材料、乾燥助剤、および/またはその組合せなど、乾燥物品を含むことが可能であるが、これらに限定されない。乾燥物品として使用されることが可能である適切な吸収剤材料の例には、本発明の処理組成物を適用する前に濡れた表面から水を有効に吸収および/または除去することができる織布、不織布、スポンジ、高分子気泡、ミクロファイバ、紙タオル、紙パッド、ティッシュ、または他の同様の吸収剤物品もしくは拭取り物品があるが、これらに限定されない。他の代替乾燥物品には、乾燥助剤がある。適切な乾燥助剤の例には、たとえば、圧縮気体源、赤外線熱生成デバイス、強力ファンなどの強制空気デバイス、その組合せなどがあるが、これらに限定されない。
【0117】
処置組成物の調製
本発明による処置組成物は、所望の量および規模に応じて、当該分野において周知の様々な方法によって調製されることが可能である。試験および評価のために小さいバッチを調製することについて一貫しているために、処理組成物、すなわち本明細書において記述の本発明の方法により生成され、次いで、100〜5,000グラムの量の完成または使用調製完了処理組成物を得るのに適切な以下で説明される以下の方式でさらに処理される、示された濃縮疎水性変性ヒュームドシリカ分散液を使用して、本発明の処理組成物を調整した。まず、大部分のアリコートまたは全所望レベルの揮発性溶媒をプラスチック容器中で計量し、場合により、所望であれば、残りの小部分のアリコートの揮発性溶媒は、後に混合容器の壁をすすぐために保持される。次いで、揮発性溶媒をはねさせずに滑らかな渦を創出するのに十分な約300〜400r.p.mの速度で動作する適切なサイズの機械撹拌ロッドを使用する従来の電動ミキサを使用して、撹拌を開始する。随意選択の分散剤の添加、および/または随意選択の耐久剤の添加が、存在するとすれば、それぞれを順次別々にゆっくり添加し、一般に約5〜10分の混合所要時間後に、揮発性溶媒において薬剤の一様な溶液および/または懸濁液を達成するように十分に混合することによって実施される。次いで、処理組成物を溶液にゆっくり添加し、添加を完了した後、機械撹拌ロッドおよび/または混合容器の側面上のあらゆる付着粒子をバルク液体の中にすすぎ出すために、揮発性溶媒のあらゆる残留アリコートを添加する。混合速度は、一般に、400r.p.mに維持されるが、場合により、所望であれば、約1000r.p.mに増大させることが可能であり、撹拌は、1分程度に短い、または追加の材料が添加される場合はより長い時間とすることができる均一な粒子分散液を生成するのに十分な時間、続行される。代替として、随意選択の分散剤、および/または随意選択の耐久剤が、最終的な処置組成物を生成するために、この混合段階において添加されることが可能である。
【0118】
この手法は、本発明による疎水性変性ヒュームドシリカ粒子のコロイド状分散の適切な処置組成物を揮発性溶媒において生成し、これは、次いで、対象表面上への適切な分配を提供するために適切な適用する手段と組み合わされることが可能である。たとえば、一実施形態では、処置組成物は、処置キットの形態で組み合わされた適用する手段として適切なエアロゾル容器(すなわち、ピン・ホール・ノズルを有する従来の加圧噴霧カン)の中に実装され、場合により、霧化による適切な分配を提供するように噴射剤または圧縮性気体と組み合わされることが可能である。
【0119】
他の実施形態では、処理組成物は、追加の揮発性溶媒、および/または追加の随意選択の懸濁剤、および/または追加の随意選択の機能補助剤、および/または随意選択の噴射剤を実装または使用前に添加することで、ならびに/あるいはそれらで希釈することで、さらに処理されることが可能である。他の代替実施形態では、疎水性変性ヒュームドシリカ粒子のコロイド状分散は、直接の加圧および/または噴射剤の使用を必要としない適切な手段によって分配するために実装される、または非エアロゾル・アプリケータと関連付けられることが可能である。
【0120】
揮発性溶媒において疎水性変性ヒュームドシリカ粒子の分散液を含む本明細書において記述の処理組成物から調製された処置組成物を、試験目的としてPrecision Valve(ニューヨーク州ニューヨーク)から市販されているPreVal(商標)システムを使用して適用した。
【0121】
粒子サイズ分析のサンプルの調製
表面上に本来の場所に存在する粒子の粒子サイズ、分布、およびカバレージを撮像および分析するために、走査電子顕微鏡(SEM)を使用することによって、疎水性変性ヒュームドシリカ粒子の粒子サイズの分析を、処理表面に適用したことに続いて実施した。使用前に無水イソプロパノールで慎重に清浄して乾燥させた約1’’×1’’サイズの平坦なプラスチックおよびアルミニウムの試験パネルをそれぞれ使用することによって、プラスチックおよび金属の表面を含めて、代表的な基板を試験した。まず、パネルの半分(約1/2’’×1’’の部分)を、試験配合物を適用することにより濡れない、またはその最中に過剰噴霧しない重いストック紙または適切な障壁でコーティングすることによって、コーティング済み試験パネルを調製し、次いで、噴霧中に滑らかな断続しない直線運動を使用して処置組成物を試験パネル表面に一様に噴霧することによって、噴霧塗料を表面に適用するのに使用されるのと本質的に同じ方式で手動で噴霧した。ノズルは、表面から約6’’に位置し、噴霧行為は、一様なコーティングを生成するために、試験パネルの1つの縁に到達する少し前に開始され、試験パネルの第2縁を通過した少し後まで続く。処理されたパネルは、部分カバー紙を添付して乾燥することが可能であり、次いで、両面粘着テープを使用することによってより厚い紙ストックなどの担体シートの上に取り付けられ、サンプルは、処理表面を保存するために、撮像の前にダスト・カバーの下で貯蔵される。
【0122】
2キロボルト(KV)の加速電圧において動作するHitachi S−4300SE SEM(Hitachi USA)を使用して、本発明の処置組成物でコーティングされた試験パネルの表面モルホロジを調査した。調査の前に、試験パネルを室温において乾燥させ、追加のコーティングを実施しなかった。
【0123】
SEM撮像の結果を添付の図1および2に示す。図1では、本明細書において参照される比較例21に対応して、米国特許公報第2004/0213904に記載されている方法により調製した従来のロータス効果コーティング配合物で黒色試験パネルを処理した。眼では、比較材料によって処理されたパネルは、視覚的にかすんで見え、SEM画像は、より大きなシリカ集塊物および/または集塊材料のクランプであると想定される小さい粒子によって覆われた全体的に不均一(不均質)な表面を示す。図2では、本発明の方法による適用する手段を使用して本発明の処置組成物で黒色試験パネルを処理したが(例15)、それ以外については第1試験パネルと同一の方式で調製、処理、および評価した。眼では、パネルは、極めて光沢があり、かつ反射性であり、顕著な膜またはかすみは、通常の照明条件下では表面上に見られなかった。図2のSEM画像は、非常に等方性で均質な表面モルホロジの証拠である、微粒子材料の極めて滑らかで一様な膜をパネルの表面上において明らかにする。両方のSEM画像のスケールは、約200μmであり、約250×の有効倍率に対応する。
【0124】
原子間力顕微鏡
本発明の材料、処置組成物、および適用する方法により再生可能な表面変性効果の程度および性質を決定するために、原子間力顕微鏡(AFM)を使用した。AFMの技法により、適用された付着材料のものにかなり匹敵するスケールにおいて表面を実質的に撮像することが可能になり、それにより、表面トポグラフィを高い精度で確認することができる。Olympus Tapping Etched Silicon Problem Aluminumコーティング(OTESPA)検出チップを有するDigital Instruments Nanoscope III を非接触モードで使用して、AFM画像を得た。パネルの各1インチ平方セグメントの中心から画像を獲得した。位相データを同時に獲得したが、トポグラフィについて著しい位相差は検出されず、したがって、この因子を含まずに、画像を生成した。AFMデータ生成画像の顕微鏡写真が本明細書において提示され、適切な垂直の高さスケールが、顕微鏡写真に付随するキー・インサートにおいて示された相対垂直高さ範囲に関して相対的に黒(0)から白(1)までスケーリングされた指示座標における画像の相対強度によって示され、水平長さのスケール長は、マイクロメートル(μm)の単位で境界上に示される。図3は、未処理の黒塗料パネルの図4と比較して、本発明により適用された処理組成物で処理した後の処理済み黒塗料パネル上に得られた典型的な局所画像を示す。
【0125】
コーティング済み塗料パネルの調製
クリア・コーティング仕上げR10CG060Z UreClearのために例外的に高い光沢の表面を有するAPR41841、Batch 50505412と命名されたACT Laboratories Co.[ミシガン州ヒルズデール]から得たクリア・コーティング黒塗装金属矩形試験パネルを含めて、制御条件下において試験するのに好都合であるように選択された代表的な材料を使用して、試験および評価のために本発明の処置組成物を様々な表面に適用した。まず、試験パネルをイソプロピルアルコール(IPA)で完全に清浄し、石けんとの水溶液で洗浄し、最後にIPAですすぎ、脱イオン水ですすぎ、乾いた柔らかい紙タオルで拭いて乾燥させた。清浄度を保証するために各パネルの視覚検査を実施し、指紋が表面を傷つけるのを防止するために、縁によってパネルを取り扱った。制御および処理領域を生成するために、パネルの選択部分をマスクし、過剰噴霧を防止するために噴霧されるときに試験パネルの中央を覆う折りたたんだ紙または一時的な障壁を使用することによって、中央の約1/3の領域セクションをマスクした。垂直配向にある間にサンプルに噴霧することができるように、サンプルをホルダに配置した。マスクした後、PreVaI(商標)噴霧器システムを使用して、パネル表面より約8〜10インチ上に保持し、約3秒の噴霧時間で、パネルの上部から下部に移動する一貫した重複噴霧パターンにおいて、3セットのパネルおよび評価されている処置組成物につきセットあたり4つの複製を通常含むセットの各パネルについて一貫して繰り返して、試験配合物を噴霧することによって、暴露された右および左の側方セクションを処理した。噴霧に続いて、試験パネルを80℃において15分乾燥し(加速乾燥)、少なくとも5分冷却時間が続き、あるいは、室温もしくは約70°Fにおいて一晩、または外見が乾燥するまで(通常、表面に応じて5〜30分、およびいくつかの非多孔性表面上に厚く適用することについては最高で1〜2時間)、乾燥することを可能にした。
【0126】
はっ水性に関する疎水性表面変性の評価(「ロール・オフ試験」)、ヘーズ・メータ機器(「クロム試験」)および光沢計機器での外見評価、ならびに反復水すすぎ条件下での耐久性試験(「耐久性試験」)について、第1セットのパネルを使用した。訓練された評価者を使用する視覚ランク付けによる定性的、および/または光沢計と比色計を組み合わせた機器を使用する定量的の両方で測定された自浄防汚特性を評価するために、第2セットのパネルを使用した。
【0127】
ロール・オフ試験
処理済み表面がはっ水する能力を測定するために、水滴の行動の接触角度測定および視覚評価を実施した。水道水の単一の滴(約0.05mL)を、水平位置に保持された試験パネル表面に適用した。N.R.L.Model C.A.100−00角度計(Rame−Hart[ニュージャージー州マウンテンレイク])を使用して、接触角度を測定した。
【0128】
パネルが移動している間、および手でほぼ水平位置に保持しながら穏やかに揺らしている間、水滴の表面行動を観測し、以下に記述される水滴の行動に基づいて、等級スコアを処理済みパネルに割り当てた。
【0129】
等級 視覚行動の記述
1 「表面上において大理石」−水滴は容易に回転する
2 容易に回転するが、時折付着する
3 自由に回転するが、時々付着する
4 自由に回転するが、よりしばしば付着する
5 ほとんど動かずに、たいてい定位置に留まる
6 水滴は、定位置に固定されている(未処理表面)
ロール・オフ高さ試験
ロール・オフ行動を視覚的に評価することに加えて、表面処理の評価に続いて、水がパネルから転がり離れるのに必要な傾斜の高さを決定するために、「ロール・オフ高さ」測定を実施した。本明細書の先行するロール・オフ試験において記述の手法と同じ手法を使用して、パネルを調製した。
【0130】
次いで、水平位置にある平坦または隆起平坦表面の上に評価されるパネルを配置し、形状が矩形であればこれは矩形パネルの短い辺の1つであるパネルの1辺が、平坦または隆起平坦表面に対して垂直に配置された垂直に位置する目盛り付き定規に近接して配置され、それにより、選択された縁の高さを、水平位置から変位する際に縁を目盛りの印と比較することによって、容易に測定することができる。
【0131】
パネルが初期水平位置にある状態で、選択された縁にほぼ平行に位置し、かつ選択された縁から約1インチに位置するほぼ直線のパネル上に、約3〜5の別個の水滴(それぞれ約0.1mL)を穏やかにピペットで取る。次いで、すべての水滴が「表面から離れる」および/またはパネルの傾斜表面を下方に移動もしくは回転し始めるまで、あらゆる望ましくない動きを防止するために、パネルの選択された縁を上方垂直方向にゆっくりかつ滑らかに持ち上げるように、パネルを上昇させる。「ロール・オフ高さ」である水滴が転がり離れ始める高さを目盛りから得て、一般にセンチメートル(cm)で表す。
【0132】
水滴が転がり離れた後のあらゆる残留液体(しみになっている、または滴っている)に留意されたい。試験パネルを180°回転させ、試験を再び繰り返すことによって、ロール・オフ高さの追加の反復実験または測定を得る。
【0133】
クロム試験
同一条件下でのすべての外見測定を処理前および処理後に行い、または、試験パネルの処理済みセクションおよび未処理(マスクされた)セクションから取り、使用された処理または汚れ試験の結果としての変化を決定するために、これらの測定間の差を計算した。比色、光沢、およびヘーズ測定機器および技法を使用して、本発明の処理組成物を使用することによって受容表面上に形成された表面保護膜およびコーティングの驚くべきほど透明な性質を実証することができる。
【0134】
Konica Minolta Photo Imaging Inc.Instruments Systems Division[ニュージャージー州マーワー]から得られるMinolta分光計、Model CM−508D、製品番号15711032を使用して、比色計測定を実施し、照明/ビューイング・ジオメトリは、鏡面反射SCE(鏡面成分排除)を補償するように選択された。
【0135】
処理するまたは汚れる前および後の測定を上述のように行ったが、試験は、好都合であるように様々な試験方法に対して順次試験することを可能にするために、異なる順序で実施することができる。すべての測定は、一般に、後に平均される2回または追加の試行の反復試験であり、処理前と処理後の差が、デルタEにおいて報告され、これは、サンプルと基準サンプルの間、または代替として、初期の未処理のサンプルと処理が施された後の最終的な処理後のサンプルとの間の全体的な色の差で適合させた。デルタE値への主な寄与を決定するために、デルタLならびに比色「a」および「b」パラメータを調査し、デルタLは、処理済み材料の視覚的外見の変化を最適に表し、かつそれに最も感受性があることが判明したが、その理由は、おそらくは、比色「L」パラメータが、あらゆる色の寄与がない状態で、純粋な黒(L=0)から純粋な白(L=100)までの中間シェード値全体を追跡するパラメータであるためである。比較泥除去を測定する手法を提供するために、やはり同様の測定を使用して、汚れを加えて除去することに続いてデルタEおよびデルタLに対する相対的な影響を測定した。光源(適切な例は、垂直頭上の蛍光室内照明、白熱灯、および室外太陽光である)に対して反射角度に保持された表面の視覚評価も、「非均一」および/または「縞状」、「かすんだ」、「くもっている」および/または「鈍い」、「真珠光沢」および/または「レインボー効果」、ならびに「クリア」および/または「光沢のある」を含めて、処理済み表面、特に共通の視覚記述子に関連付けられた外見の審美的特徴を判断するために実施した。この場合、「真珠光沢」および「レインボー効果」の両方は、薄い透明な膜が、その厚さ、厚さの規則性、および適用される基板に応じて、複数の着色パターンおよび着色帯域として知覚される入射白色光の反射に対する干渉効果および回折効果をそれぞれ生成する傾向を指す。
【0136】
H’(20°)=463に対応するヘーズ設定点値を提供するヘーズ光沢標準基準No.195829312で較正されたBYK Gardner[米国メリーランド州シルバースプリング]から入手可能なHaze Gloss Meter、Model No.4606を使用して、ヘーズ測定を実施した。得られたヘーズ単位測定は、較正後に決定された未補償(「nc」として示される)値であった。デルタ・ヘーズ単位は、クロム処理したパネルの処理前および処理後に得られたヘーズ値を減算することによって得られた測定ヘーズの差、または、示されたように、未処理制御パネルと処理済みパネルとの差、あるいは同じパネルの未処理部分と処理済み部分との差に対応した。一般的に、処理前と処理後に同じパネルを使用するデルタ・ヘーズ単位測定、および本明細書において記述される他の試験手順が、向上した精度のために好ましく、表面にわたって取られた複数の複製読取りにより、平均値を計算することが可能になる。
【0137】
通常の室内照明の下で見た処理済み基板の表面の外見の顕著に知覚可能な視覚的変化を認識するヒトの眼の通常能力と、関連するヘーズのレベルとを相関させるために、デルタ・ヘーズ単位測定を処理済み表面について実施した。本処置組成物を使用することによって提供される表面保護膜の有利な光学特性を試験および実証する目的について、高度に研摩された鏡仕上げ反射クロム処理試験パネルを好ましい表面として選択したが、その理由は、クロム表面が、表面の外見および測定ヘーズ・パラメータの変化に対して高度な感受性を示したからである。サイズが4’’×8’’のクロム試験パネルは、Metaspec,Inc.[テキサス州サンアントニオ]から入手可能なChrome Plated Steelである、懸濁用の1/8’’の穴を有するSAE−1010 CRを指定する。したがって、処理済みクロムに対するデルタ・ヘーズ単位測定を提供するために実施されたクロム試験は、本発明の処置組成物によって生成される驚くほど改良された透明保護膜を測定する好都合な手段を提供する。
【0138】
一般的には、本発明の処置組成物は、研摩されたクロム試験パネルに適用されるとき、本明細書において記述の好適な保護特性を実証する透明でほぼ見えない表面コーティングを生成した。ヘーズ測定は、上述のクロム試験方法により測定された約250より小さいヘーズ測定単位値が、本発明の組成物を使用することによって容易に達成可能であることを確認した。これらのデルタ・ヘーズ単位値は、測定されたヘーズ値の変化に対応し、表面上に生成されたヘーズのレベルは、ヒトの目には、見えるとしても、かろうじて知覚可能である。
【0139】
持続性および耐久性の試験
処理済み表面が処理に続いて好適な特性を維持する能力、ならびに泥、汚れ、水、機械的磨耗、および清浄溶液の作用による難題に続く好適な特性の耐久性を決定するために、持続性試験も実施した。これらの持続性および耐久性の試験は、処理された内部および外部表面、ならびに様々な通常の環境上の難題に暴露される可能性が高い材料について、本発明の処理組成物の有用性の尺度を提供する。
【0140】
ロール・オフ試験について以前に使用されたパネル、または新しく調製されたパネルが使用されることが可能であり、ほぼ垂直の位置に配置され、保持される。持続性試験では、正規の水道水を充填した電気噴霧器(the Procter and Fable Company[オハイオ州シンシナチ]によって配布されたFebreze Power Sprayer、使用前に水で慎重に清浄し、すすぐ)を使用して、タイマを使用して測定した15秒の連続噴霧の間、約3’’×6’’の領域にわたってパネルに噴霧する。
【0141】
噴霧に続いて、未処理の制御パネルと比較して、水滴が表面上に残存する傾向を決定するために、パネルの表面を視覚的に評価し、この傾向は、保護の利点の損失を表す。以下のスケールをガイダンスとして使用して、0〜10の整数であり、中間を割り当てることが可能である視覚持続性等級スコアを、すすいだ後の水滴の数およびパネルの表面外見に集団的に割り当てる。
【0142】
等級 視覚行動の記述(水の接着)
10 水滴は観測されない
7 少数の水滴
5 いくつかの水滴
3 多くの水滴
1 未処理対照と同様の外見
0 未処理対照より劣る外見
耐久性試験
上述の持続性試験と同様の方式で、耐久性試験を実施し、サイクル数が耐久性試験スコアとして記録される時点である約5の視覚等級スコアが観測されるまで、持続性試験の手順を複数回(サイクル)繰り返す。この耐久性試験スコアは、保護の利点がわたって観測されることが可能である水ですすぐ回数を本質的に表し、より多くのサイクル数は、許容可能な性能レベル(持続性視覚等級スケールでは約5)における持続性(効果)および表面保護の利点の効果の持続(所要時間)の増大の両方を表す。少なくとも1の耐久性試験スコアが、本発明の処置組成物が適用される保護表面から、偶発的な泥、汚れ、および垢を除去するために水を使用する少なくとも1回のすすぐ事象に続いて、耐久性を提供する犠牲表面保護コーティングに適切である。より高い耐久性スコアが、水を使用して複数のすすぎ清浄サイクルを提供することができる、剥離可能であるが、より耐久性の表面コーティングにより適している。耐久性持続時間値(秒の単位)も、耐久性試験により決定された総サイクル数(耐久性試験スコア)に、本明細書において記述の方法による処理済み表面上に存在する本発明の膜について耐久性持続時間を決定するために使用された個々の噴霧時間(試験方法では噴霧あたり15秒)を乗算することによって計算することができる。
【0143】
自浄性試験(定性的
水のみによって単に機械的に叩くまたはすすぐことに続いて、接着する泥、埃、垢などを処理済みパネルから清浄する能力を決定するために、自浄性能試験(「SCL試験」と呼ばれる)を実施する(防汚および自浄性能、ならびにより容易な清浄性能)。泥を敷いた環境に処理済みパネルをまず暴露し、またはそのような暴露を模倣するように以下の方式で人工的に汚すことが可能である:処理済みパネルおよび対照パネルを、モデルとする表面に応じて平坦表面または傾斜表面上に配置し、あるいは最悪の場合は水平配向に配置する。選択した粉末の泥をパネルの上に振り掛けて、薄い一様なコーティングを生成し、過剰な(接着していない)泥が落ちるように、パネルを垂直位置に再度配向させる。試験用の泥としてブレーキ・ダストをシミュレーションするために、以下で記述される置換ブレーキ・パッドから得たブレーキ細粒を組み合わせて、乾燥した自由に流動する微細粉末ダストを得た。そのようにして得たブレーキ・ダストを、上部に微細な穴を有する大きなチーズ・シェーカ・カンの中に配置し、手によって反転し、試験パネル表面にわたって一様に適用した。
【0144】
Honda Accord前部新規パッド#45022−S84−A02、Honda Accord後部新規パッド#43022−SY8−A01、VW Jetta前部新規パッド#1 SATZ 1−J0698 151J、VW Jetta 後部新規パッド#1SATZ 1J0698 451 D、Ford Taurus前部新規パッド# 2F1Z−2001−AA、およびFord Taurus後部新規パッド#F8DZ−2200−AAに対応して、米国中に支店を有する国内小売店であるGrand Autoから得た上位3つの購入ブランドのブレーキ・パッドを微細にすりつぶすことによって、ブレーキ・ダスト試験用泥を調製した。すべてのパッドを個々に微細ダストにすりつぶし、次いで、微細ダストを従来のRotap(商標)機械上で325メッシュ・スクリーンを通して振るい、メッシュのサイズより小さい細粒のみを収集した。最終ブレーキ・ダスト試験用泥の約30グラムの部分について、それぞれが後部ブレーキ・パッド微粉である約3グラム、およびそれぞれが前部ブレーキ・パッド微粉である約3グラム(前部パッドは、通常の使用中により早く磨耗する)を組み合わせて、通常動作中に生成される実際の車両ホイール上において観測されるものと密に類似している代表的な試験用泥を生成した。
【0145】
汚れたパネルを調製した後、以下で提示される視覚行動スケールの記述を使用して等級付けし、次いで、傾斜位置または垂直位置において取り付ける。乾燥泥耐性試験では、パネルを1度軽く叩き、外見を評価して、乾燥土忌避性/抵抗性を決定する。湿潤泥抵抗性試験では、全表面にわたって約15秒動作する電子噴霧器において水道水を使用して、持続性試験方法において上述の方式でパネルに水を噴霧する。どちらの試験でも、2重複製パネルを同一の方式で処理し、後の比較のために対照として確保する。試験パネルを処理した後、上記の手順によりすすいだ処理済みであるが汚れていないパネル(汚れていない対照)に関して、または未処理であるが汚れているパネルに関して、以下のスケールをガイダンスとして使用してパネルの視覚表面外見に自浄性性能スコアを割り当てる。使用される視覚スケールは、以下の通りである。
【0146】
等級 視覚行為の記述(乾燥または水すすぎ試験)
−3 ほとんど/すべての泥が除去されている(汚れていない対照と同様である)
−1 わずかにより少ない泥が付着または残存している
0 変化なし(未処理の汚れていないパネル対照)
+1 わずかにより多くの泥が残存している
+3 ほとんど/すべての泥が残存している
自浄性試験(定量的)
「SCL試験」手順において上述のように使用されたパネルについてヘーズ試験測定を実施することによって、自浄性性能の定量的測定を実施することが可能である。Haze−Gloss BYK Gardner Model 4606機器を使用して20°においてヘーズを測定し、試験パネルあたり4つの読み、または少なくとも3つの複製パネルに関する2重の読みを平均することによって、未処理パネル、処理済みパネル、試験後に叩いた泥処理済みパネル、および泥処理済みすすぎ済みパネル、ならびにすすぎ済み処理済みパネルのヘーズ測定を得る。
【0147】
一様性外見等級(定性的)
鏡または高光沢クロム処理金属基板など、光沢があり反射性の表面に適用された処理を測定することによって、表面外見一様性ランク付け(「クロム試験」と呼ばれる)を実施する。上述の処理および乾燥時間の後、高反射性の基板を眼によって見て、約3.5’’×4’’サイズの処理領域にわたる表面の全体的な外見および一様性に基づいて、定性的視覚スコアを割り当てる。
【0148】
等級 視覚行動の記述
6 白色ヘーズ−著しく曇っているおよび/または鈍い外見
5 いくらかかすんだ外見
4 非均一な外見および/または縞が観測される
3 いくらかゆがんでいるが、ほとんどクリアで、高光沢の外見を有する
2 わずかにゆがんでおり、全体的にクリアで光沢のある外見を有する
1 ゆがみまたは視覚的な変化はない(未処理の表面と同様である)
パネルを見て、等級付けするときに考慮すべきこれらの実際のテキスト記述を判断に使用して、上記のスケールおよび留意された視覚行動の記述に最も近い外見により、等級を割り当てる。
【0149】
本発明の処理組成物の一般的な構成要素
本出願人は、本発明の組成物(様々な範囲のシリカ含有量およびジシラザンにおける)ならびに従来の技術の組成物のせん断速度依存粘性を決定した。この研究から、ジシラザンの量は、0.5〜3.0%の濃度範囲の流れ行動に影響を有さないことが明らかであった。これは、ジシラザンの量が、達成された中央粒子サイズに対して些少な影響のみを有していたという以下に提示される第1表の所見を支持する。
【0150】
本出願人は、シリカの量(5〜15%)を増大することが、粘性に対して劇的な影響を有していたことにさらに留意する。5%〜10%に濃度を2倍にすることにより、約1桁の大きさだけ粘性が上昇する。濃度を15%シリカに増大させることにより、粘性はさらに1桁の半分の大きさだけ上昇する。
【0151】
さらに、全体的な流れ行動は、シリカの量によって劇的に影響を受ける。5%の粒子装填は、非常に低濃度とみなすことができるが、その理由は、流れ行動が理想的な(すなわち、ニュートン)液体のものであるからである。しかし、15%シリカの濃度において、増大するせん断率を有する減少する粘性を観測することができ、これは、より高いせん断率において再び増大する(ダイラタント・ピーク)。これらの結果は、シリカの量が、達成された中間粒子サイズに対して劇的な影響を有していたという、以下において提示される第1表の所見を支持する。
【0152】
実施例
処理組成物
第1表の例AからOOは、本発明の方法による処理組成物の形態で調製された材料の代表的な実施形態である。例Hは、本発明の範囲外の方式で調製された比較例である。
【0153】
例A
10.0gの量のヘキサメチルジシラザン(DYNASYLAN(登録商標)HMDS)を140gのデカメチルシクロペンタシロキサン(TEGO(登録商標)研摩添加剤5、シロキサン「D5」とも呼ばれる)に溶解させた。220m2/gのBET表面積を有する50.0gの市販の疎水化ヒュームドシリカ(AEROSIL(登録商標)R 812 S)を、2,000r.p.m.において穏やかに撹拌しながらこの溶液にゆっくり分散させた。すべてのヒュームドシリカを添加した後、Dispermat(単一回転シャフト、ブレードが容器の直径の半分である混合容器に比例してのこぎり歯ブレードを装備)の混合速度を10,000r.p.m.に増大させ、この速度での動作を15分維持した。
【0154】
例B−QQ
例BからQQの調製は、例Aと同じ手順に従うが、以下の第1表に示されるパラメータを使用する点が異なる。
【0155】
【表1】

【0156】
(1)Horiba LA910(1.0ミクロンのポリスチレン分散液を較正標準として使用、イソプロピルアルコールで希釈したサンプル分散液の測定、相対屈折率=1.10)。この機器は、レーザ回折を使用して、液体に懸濁した粒子のサイズおよび分布を測定する。
【0157】
(2)例F、G、H、およびOOは、10,000r.p.m.において処理することができなかった。
【0158】
(3)例Hは、2質量%のTEGOPREN(登録商標)6814、アルキル変性ポリジメチルシロキサンを耐久剤としてさらに含み、したがって、米国特許公報第2004/0213904A1号において開示された方法に従うことによって得られる処理組成物の代表的な例である。
【0159】
例IからPPは、TEGO(登録商標)研摩添加剤5で第1表の処理組成物のいくつかをさらに希釈することによって得られる処理組成物の例である。
【0160】
【表2】

【0161】
(1)すべての希釈された処理組成物は、5質量%の活性シリカ・レベルを有する。
【0162】
第14表のデルタ・ヘーズ値と、対応する処理組成物の粒子サイズとの比較することによって、約4,000nm以下の粒子サイズが、本発明のコーティングに関して、上述の方法による高度に研摩されたクロム試験基板上においてヒトの眼によって見える膜として知覚され始めるヘーズ値であることが判明した250以下のデルタ・ヘーズ値を達成するために必要であると結論付けることができる。第1表は、異なる重みのいくつかのパラメータが、4000nm以下の対象粒子サイズを達成するために、役割を果たすことを示す。第1表から、処理組成物におけるシリカ(AEROSIL(登録商標))の濃度は、格段に重要な因子であり、10質量%の濃度が実際上の下限のようであると結論付けることができる。たとえば5質量%では(比較例H)、10倍以上大きい中央粒子サイズが得られる。また、混合中の処理組成物の粘性が決定的であり、確定範囲内にあることが必要であることも明らかになった(「本発明の処理組成物の一般的な構成要素」に関する上記の章も参照)。一方、処理液体は、粒子のサイズを対象中央範囲に有効に低減するのに必要な必須せん断力を生成ために、バルク溶液にわたって十分にエネルギーを伝達させるように十分高い粘性を有することが必要である。他方、処理液体は、混合機器において依然として処理可能であるように、過度に粘性であってはならない。
【0163】
驚くべきことに、処理中のこれらの相殺効果は、ジシラザン誘導体を使用することによって均衡させることができることが判明した。本発明による1つの代表的な実施形態として、高度に濃縮されたシリカ分散液の流動学的行動に対するヘキサメチルジシラザンの影響を図5に示す。図5は、25質量%シリカを有し、かつヘキサメチルジシラザン(処理組成物U)を有さない分散液が、固体様の行動を示すことを意味するG’>G’’によって示される歩留まり点を提示することを示し、一方、25質量%のシリカを有し、かつ5質量%のヘキサメチルジシラザン(処理組成物R)を有する分散液は、歩留まり点を有さない。処理組成物Uは、ジシラザン誘導体を有さない25質量%のシリカの分散液を処理することは基本的に可能であったが、溶媒に組み込まれたこの量のシリカを得るために、はるかに多くの努力が必要であり、粘性は、適切に処理するには高過ぎたことを実証する。ジシラザン誘導体は、好都合な処理についてプロセス粘性を実用レベルに維持するように作用するだけでなく、溶媒においてシリカをより容易に湿潤させて分散させるようにも作用する。シリカの濃度の他に、撹拌器の速度および混合所要時間などの混合プロセス・パラメータが、シリカの濃度と同程度には重要ではないにしても、粒子サイズの結果に対して同様に著しい影響を有する。明らかに、ジシラン誘導体が存在するか否かは、処理の容易さに関して大きな相違となるが、存在する絶対量は、より重要ではないようである。さらに、ジシラザン誘導体を有して処理されたサンプルは、ジシラザン誘導体を有さずに処理されたサンプルと比較して、シリカ粒子の遅延沈降を示すことが観測された。要するに、驚くべきことに、高いシリカ濃度と十分に高い混合速度または混合電力との組合せが、本発明の所望の中央粒子サイズ範囲への所望の低減を達成するために決定的であり、かつ処理助剤としてのジシラザン誘導体の存在が、処理を劇的に容易にすることが判明した。
【0164】
以下の例OおよびPは、本発明の方法による処理組成物の形態で調製された材料のさらなる代表的な実施形態である。
【0165】
例O
5kgの量のヘキサメチルジシラザン(DYNASYLAN(登録商標)HMDS)を70kgのデカメチルシクロペンタシロキサン(TEGO(登録商標)研摩添加剤5、D 5)に溶解させた。220m2/gのBET表面積を有する25kgの市販の疎水化ヒュームドシリカ(AEROSIL(登録商標)R 812 S)を添加し、所望の粒子サイズが達成されるまで、水平ミルを繰り返し通過させた。
【0166】
例Pの調製は、例Oと同じ手順に従うが、以下の第3表に示された別に指定されたパラメータを使用する点が異なる。
【0167】
【表3】

【0168】
(1)粒子サイズ分布の分析をHoriba LA 910(1.0ミクロンのポリスチレン分散液を較正標準として使用、イソプロピルアルコールで希釈したサンプル分散液の測定、相対屈折率=1.10)で実施した。この機器は、レーザ回折を使用して、液体に懸濁した粒子のサイズおよび分布を測定する。
【0169】
例Qは、処理組成物OをTEGO(登録商標)研摩添加剤5でさらに希釈することによって得られた希釈済み処理組成物の例である。
【0170】
【表4】

【0171】
(1)5質量%の活性シリカ・レベルに対応する
以下の例RからVは、本発明の方法により調製された処理組成物の代表的な例である。例RからVの調製は、以下の表で別に指定されたパラメータを除いて、例Aについてと同じ手順に従う。例AおよびRは、同一方法・パラメータ下において達成可能な中央粒子サイズの分散を示す。
【0172】
【表5】

【0173】
(1)粒子サイズ分布の分析をHoriba LA 910(1.0ミクロンのポリスチレン分散液を較正標準として使用、イソプロピルアルコールで希釈したサンプル分散液の測定、相対屈折率=1.10)で実施した。この機器は、レーザ回折を使用して、液体に懸濁した粒子のサイズおよび分布を測定する。
【0174】
(2)AEROSIL(登録商標)をTEGO(登録商標)研摩添加剤5の中に撹拌するのは、極めて困難であった。
【0175】
(3)例Vでは、デカメチルシクロペンタシロキサンの代わりに、イソドデカンを溶媒として使用した。
【0176】
例WからBBは、TEGO(登録商標)研摩添加剤5を有する第5表のいくつかの処理組成物をさらに希釈することによって得られた希釈済み処理組成物の例である。
【0177】
【表6】

【0178】
(1)すべての希釈済み処理組成物は、5質量%の活性シリカ・レベルを有する。
【0179】
(2)トリエトキシオクチルシラン
例CCからHHは、本発明の方法による処理組成物の形態で調製された材料の他の代表的な実施形態である。これらは、例Aについてと同じ手順に従って調製された。
【0180】
【表7】

【0181】
例IIからNNは、第7表の処理組成物をさらに希釈することによって得られた希釈済み処理組成物の例である。
【0182】
【表8】

【0183】
(1)処理組成物II−KKは、7.5質量%の活性シリカ・レベルを有し、LL−NNは、5質量%の活性シリカ・レベルを有する。
【0184】
処置組成物
非多孔性表面の変性
非多孔性表面および基板を含めて、受容表面の変性に使用するのに適切な本発明の処置組成物の実施形態の例が、第9表に提供される。これらの例の処置組成物は、様々な基板の表面を変性するために処置組成物を適用することができる適切な送達手段と共に使用され、ならびに自動車、家庭、および織物の表面上において一般的に使用される希釈シリカ分散液の形態で調製される。
【0185】
【表9】

【0186】
(1)処置組成物1の0.05質量%の活性シリカ・レベルに対応する
(2)処置組成物2の0.5質量%の活性シリカ・レベルに対応する
(3)処置組成物3の1.0質量%の活性シリカ・レベルに対応する
(4)処置組成物4の3.0質量%の活性シリカ・レベルに対応する
(4)処置組成物5の4.95質量%の活性シリカ・レベルに対応する
表面の変性に使用される適切な本発明の処置組成物の例の追加の実施形態が、第10表において提供され、追加の利点を処置組成物に提供し、かつ対象表面上に適用する改良された方法を提供するために、いくつかの随意選択の機能補助剤をさらに含む。例9および10は、使用調製完了噴射剤ベースエアロゾル処置組成物として配合される代表的な実施形態である。
【0187】
【表10】

【0188】
(1)処置組成物6の0.5質量%の活性シリカ・レベルに対応する
(2)処置組成物7の0.5質量%の活性シリカ・レベルに対応する
(3)処置組成物8の2.5質量%の活性シリカ・レベルに対応する
(4)処置組成物9の0.5質量%の活性シリカ・レベルに対応する
(5)処置組成物10の1.0質量%の活性シリカ・レベルに対応する
(6)リコセンポリプロピレン1302メタロセン誘導ポリマー粒子、3000の平均MW、100〜275nmの粒子サイズを有する、Clariant Corporation[ノースカロライナ州シャーロット]から入手可能
(7)臭いのない石油スピリット、Ashland Corporation[オハイオ州ダブリン]から入手可能
(8)エアロゾル容器に実装されたとき、標準的な条件および温度下で約50p.s.i.gを生成することができる所有権噴射剤混合物獲得形態(ATI Corporation)
第11表に示される機能材料および随意選択の材料の成分レベルを変化させる実験モデルの設計を使用して、組成のばらつきに対する保護コーティングの特性の依存性を決定するために調製された本発明の処置組成物の他の実施形態を調査した。すべての処置組成物は、噴霧の適用中に安定であり、PreVal噴霧器を使用して適用した。
【0189】
【表11】

【0190】
(1)すべての処置組成物が、0.75質量%の活性シリカを含む比較組成物21を除いて、0.5質量%の活性シリカ・レベルを有する。
【0191】
例の実施形態の測定を、試験データを第12表に提示した高光沢黒色クリアコーティング自動試験パネル、および高光沢鏡クロム・パネルに対して、上述の試験手順を使用して実施した。結果は、清浄で未処理の黒色パネルが、クリアコート仕上げの性質のためにかなり疎水性であり、かつ約79.6°の水滴接触角度を提示することを示す。例示的な処置組成物2、7、11、14、17、18、および22で上記で開示された方法によりパネルを噴霧することにより、はっ水するのに十分な高い接触角度をすべてが示す処理済み試験パネルを提供した。本発明の処置組成物2、7、17、18、および22をクロム・パネルに適用した後、パネルの処理済みセクションは、本発明の処理組成物の付着を防止するために噴霧処理の前に予めマスクされたパネルの未処理セクションまたは対照セクションと外見がほぼ同一であることが判明した。6人のグループが、パネルを視覚的に評価し(「クロム試験」外見等級付けによる処置組成物2、7、17、18、および22での処理に対応する)、偏向を防ぐために2重盲検パネル・セクションに関するスコアを割り当て、第12表に示す平均スコアを得た。結果は、本発明の方法による処理が、パネルの観測された輝きを損なわず、かつヒトの眼には容易に認識可能ではない本質的にクリアな表面コーティングを提供し、わずかなゆがみまたは最悪の場合でもある程度のゆがみを生成するが、全体的にクリアで光沢のある外見を維持したことを示す。
【0192】
処理済み黒色パネルがはっ水する能力を、ロール・オフ高さ試験を使用して測定し、センチメートルで表した水滴が移動し始める平坦水平位置からの傾斜パネルの高さは、第12表に示す通りである。結果は、未処理のパネルが水滴を適所において「留める」傾向が、その中程度の疎水性特性にもかかわらず、水滴が移動し始めるためにかなり大きな傾斜角度(この場合は45°を超える)、および20cmを超えるロール・オフ高さを必要としたことを示す。対照的に、処理済みパネルは、水滴を玉にし、かつ、水平から10°未満の傾斜角度に対応する1cm未満から約1.5cmの高さにパネルが傾斜される際、ごくわずかな角度で水滴が表面から完全にはじかれることを本質的に可能にする能力を示した。
【0193】
処理済みパネルの比色計試験測定も、本発明の処理組成物で処理する前および後の差を示す成分寄与デルタEおよびデルタLとして第12表に示される。対照パネル測定値(A)の変化は、機器の不安定性および試験の再現性を単に反映する。上記で議論されたように、デルタEの測定は、処理前と処理後のパネル間の全体的な色の差を反映し、一方、デルタLの測定は、処理後のパネル上に見られるヘーズに寄与可能な任意の白味がかった膜の表示である白色から黒色へのパネルの「白さ」スケールの変化を最適に表す。したがって、より高いまたは正のデルタL値は、パネル表面上においてより多大な観測された視覚ヘーズに対応し、対照的に、より低いまたは負のデルタL数は、サンプルが未処理対照より暗いことを示す。本発明の処理は、高度に透明な性質および処理済みパネル表面上に示される膜の視覚的な表示の欠如から予測されるように、測定された色に最小限の影響を与えるようである。デルタEおよびデルタLの成分の両方を使用する比色計試験測定は、視覚的外見に最小限の影響を有する本発明の処理が、これらのパラメータの両方について非常に小さい変化を対応して示し、色に対する最小限の影響(反射の全エネルギーE)およびヘーズに対する無視可能な寄与(反射の白色成分L)を示すことを示す。
【0194】
【表12】

【0195】
(1)対照は、未処理黒色フォード塗料パネルである
(2)クロム対照パネルを使用した6人の視覚外見等級付けの平均を基準とする
(3)2つの試行の平均
(4)対照は、未処理黒色フォード塗料パネルである
水および/またはブレーキ・ダストに暴露された処理済み黒色自動車パネルを使用して、いくつかの例示的な実施形態を使用して処理された表面の耐久性および自浄能力を試験し、結果を第13表に示す。
【0196】
1つの試験では、本発明の処置組成物で処理したパネルを、まず乾燥汚れ忌避性について試験した。第2試験では、次いで、パネルを水の連続噴霧に暴露し、水の噴霧に対するコーティングの耐久性を決定するために、最も近い15秒の間隔まで、接着水滴を形成し、かつ水の玉を表面上に保持する表示をパネルが最初に示す時間に留意した。代替として、任意の接着水滴に関して外見を測定するために、パネルを15秒の水噴霧で処理し、上述の視覚等級付けスケールによる視覚検査によって表面の外見をランク付けした。すべての処理例は、未処理の対照パネルと比較して、表面から水を容易にはじくことについて当初の利点を提供した。第13表のすべての処置組成物は、耐久剤を含まないが、保護コーティングの良好から優れた耐久性を提供することを強調する必要がある。SCLブレーキ・ダスト試験の結果は、乾燥処理済み表面が、水または清浄行為を使用せずに、乾燥ブレーキ・ダストの接着に抵抗する能力を示す。この場合、上述の方法により乾燥ブレーキ・ダスト試験泥に暴露した後、第13表に示された本発明の処置組成物で処理された黒色試験表面上に存在するブレーキ・ダストを、すべてではないにしても、ほとんど除去するのに、1回叩くだけで十分であった。これらの試験結果は、本発明による処置組成物を使用することにより送達された疎水性変性ヒュームドシリカの付着膜が、湿潤および乾燥の両方の表面保護の利点を提供し、自浄性でより容易な清浄利点を提示する保護膜が付着する処理済み物品を生成することを示す。
【0197】
【表13】

【0198】
(1)噴霧中に表面上に水玉の接着が観測される前の時間(秒単位)。2つの試行の平均
(2)対照パネルに対する上記で示された外見スケールを使用する水接着の視覚的外見ランク付け
(3)対照パネルに対する上記で示された外見スケールを使用する外見スケールに関してランク付けされた乾燥ブレーキ・ダスト試験(乾燥試験)
ヘーズ試験の結果
例示的な実施形態の測定を、高輝きクロム試験パネルに対して上述のクロム試験手順により行い、結果を第14表に示す。クロム試験パネルは、鏡状の仕上げを有し、あらゆる表面のゆがみまたは残留物は、眼ならびに機器によって容易に知覚可能であり、ヘーズ測定技法は、外見の非常にわずかな変化を定量するのに最も適しているようである。第14表に記録された処理質量は、試験パネル上に制御して分配する前と後のそれぞれの処理を含むエアロゾル・カンを計量することによって得られた、適用された処置組成物の量を反映する。組成物は、付着したシリカ材料の量が同等であるように、同等なシリカ活性レベルを有していた。比較例12を適用することにより、視覚的にかすんで非一様なコーティングがクロム試験パネル上に生成され、これは、許容可能ではなく、288の非常に大きなデルタ・ヘーズ値を有していた。比較すると、本発明の処置組成物である例16、20、および22は、適用したとき、クロム表面上において透明でほとんど知覚されないコーティングをもたらし、すべて、非常に小さいデルタ・ヘーズ単位値を有していた。例16は、眼では認識できないが、本発明を使用することによって示された全範囲の保護性能利点を示す、見えないコーティングを生成した。研摩されたクロムに対する様々な試験が、上述のクロム試験手順に従うことによって決定される約250以下の測定デルタ・ヘーズ単位値を提供する本発明の処置組成物から得ることができることを明らかにした。
【0199】
【表14】

【0200】
(1)上述の方法に従う。
【0201】
(2)各試験パネルに関する処理前および処理後に取られた向上精度読取りについて。比較のために、未処理クロム処理パネルの初期ヘーズ値は、約100単位であった。
【0202】
(3)適用したエアロゾル組成物の質量(グラム)
このようにして、処理前および処理後の約250より小さい驚くほど低いデルタ・ヘーズ単位が、高度に研摩されたクロム上においても、本発明の処置組成物によって実証され、透明で眼にはほとんど見えない表面保護処理に対応し、汚れ、水、および泥に抵抗してはじく有効性を依然として保持するが、処理表面から容易に除去することができる、保護膜において所望の表面保護の利点を依然として維持する。観測可能なヘーズの顕著な減少は、粒子サイズの低減に対応し、本質的に見えない25より小さいデルタ・ヘーズ値が、中央粒子サイズが1000ナノメートルより小さく低減されるときに可能であることを示唆する。さらに、比色測定を使用して、輝きのある黒色金属試験パネルについて測定した約3.0より小さい非常に低いデルタEが、本発明の方法および処置組成物が自浄能力を提示する能力、ならびに汚す前、および本発明の処理を適用する前の処理済み表面のものに近い視覚外見を維持する能力を実証し、したがって、光沢があり反射性の表面を含めて、種々の表面に適用することが可能なほぼ見えない表面保護手段を提供する。
【0203】
木材パネルの処理
好都合なエアロゾル形態の本発明の処置組成物の例示的な実施形態(以下で例23を使用する)が、水ロール・オフ特性を市販のワニス処理木材パネルに提供する能力を試験した。
【0204】
処置組成物の例23
材料 質量%
処理組成物I 5.0
DYNASILAN(登録商標)OCTEO 2.0
DC245 43.0
ATI噴射剤 50.0
完成木材基板は、Home Depotから購入した3’’×6’’のセクションのトングおよび溝木材床材であり、工場で適用した疎水性のOEMポリウレタン仕上げのコーティングが、高い防水性を有する木材を提供する。サンプルを水平に配置した状態で、6’’の距離からエアロゾル処置組成物で噴霧することによってサンプルの表面の半分を処理し、残りの半分は、過剰噴霧を防ぐためにマスクした。次いで、サンプルを周囲条件において一晩乾燥させた。
【0205】
水平位置において表面上に配置されたいくつかの水滴のロール・オフ行動を試験し、表面の処理済み領域と未処理領域を比較した。表面上の複数の水滴の表面行動を観測し、処理済み側面について2のロール・オフ試験等級、および未処理側面について6の等級を提供することが判明した。処理済み領域と未処理領域との視覚的比較は、クリアで当明な保護コーティングを完成木材表面上において提供した本発明の処理組成物で処理された側面について、2の一様外見等級を提供した。
【0206】
処理の除去可能性の実証では、処理済み表面を乾燥紙タオルで3回拭いた。この乾燥拭取りは、木材パネルの以前に処理されたがまだ清浄されていない側面と、元の未処理の対照側面との両方について、それぞれ6の同等な等級付を提供した後に実施された反復ロール・オフ試験によって実証されたように、本発明の処置組成物を除去するのに有効であった。
【0207】
したがって、本発明の処置組成物が、偶発的な水はねに対してワニス処理装飾家庭用表面の保護を提供する有用性が実証される。さらに、特別な化学的手段を使用せずに、処理を容易に除去することも、この場合に実証される。
【0208】
プラスチック表面の処理
次いで、上記で例示された本発明の処置組成物が、水ロール・オフ特性を市販のプラスチックに提供する能力を試験した。McMaster−Carrから得たプラスチック・シート材料を4’’×4’’のセクションに切断した。黒色「アクリル」プラスチックおよびグレイ「PVC」(ポリ塩化ビニル)プラスチックの2つのタイプの材料を調査した。各試験処理を少なくとも2重サンプルについて実施した。
【0209】
プラスチック・パネルを切断し、イソプロパノール(IPA)で湿らせた紙タオルで拭くことによって簡単に清浄した。完全に乾燥させた後、パネルが水平位置にある状態で、6’’の距離から噴霧したエアロゾル配合物で3秒間処理した。次いで、試験前に、パネルを一晩乾燥させた。
【0210】
水平位置の表面上に配置されたいくつかの水滴の行動を試験し、処理表面と対照としての未処理表と面を比較した。黒色アクリル・プラスチックの処理済み表面上のいくつかの水滴の表面行動は、2のロール・オフ試験等級を達成し、一方、未処理アクリル対照は、水が未処理疎水性プラスチックの表面を「湿潤」しなかったにもかかわらず、6の等級を示した。グレイのPVCプラスチックの処理済み表面上のいくつかの水滴の表面行動も、2のロール・オフ試験等級を達成し、一方、未処理PVC対照は、6の等級を示した。両方の処理済みアクリル試験パネルおよび処理済みPVCパネルの一様外見等級は、それぞれの対照と比較して、2の等級を与え、したがって、プラスチック表面上においてクリアで見えない保護コーティングを提供した。
【0211】
これらのプラスチック処理からの本発明の処理の除去性を試験するために、処理済みパネルを乾燥紙タオルで3回拭き、水ロール・オフ特性について再試験した。木材パネルの場合のように、行動は、元の未処理パネルについて観測されたものに戻った。これは、非耐久性保護をプラスチックの表面および材料に提供する本発明の処置組成物の有用性をさらに示す。さらに、特別な化学手段を必要としない処理の容易な除去も、これらの材料について示される。
【0212】
織物表面の変性
本発明の例示的な実施形態を、衣類の製造に通常使用される織り多孔性織物に水ロール・オフ特性を付与する能力についても試験した。
【0213】
この例では、試験は、白色(染色されておらず、かつ輝いていない)100%木綿布地、白色100%ナイロン6.6ニット布地、白色50−50(%)木綿−ポリエステル布地、Disperse Blue167で染色した濃紺100%Dacron56ポリエステル・テクスチャライズド・ダブル・ニット熱硬化布地StyleNo.TIC−720H、およびAcid Blue113で染色した紺青100%ナイロン・テクスチャライズド・ナイロン6.6ニット布地StyleNo.TIC−314のほぼ3’’×5’’布切れを使用し、すべて、Textile Innovators Co.[ノースカロライナ州ウィンザー]から得た。
【0214】
布切れを垂直に吊るし、次いで、プラスチック基板を処理するために上記で使用したのと同じ本発明のエアロゾル処置組成物で処理した。6インチの距離からそれぞれ約3秒布地に噴霧することによって処理を達成し、その後、布切れを周囲条件下において一晩乾燥させた。各タイプの3つの布切れを処理し、各複製から得た結果を平均した。
【0215】
本発明の処理が布切れから水ロール・オフを生成する能力を以下のように試験した。約20°だけ水平から傾斜した硬い平坦な表面上に布切れを配置した。ピペットを使用して、6滴の脱イオン水(それぞれ約200ミクロリットル)が、6インチの高さから布切れの上に落ちるのを可能にした。このようにして、布切れを湿潤させて浸透する能力に対する落ちる水滴の運動量の効果を比較する。水滴を布切れの上に単に置くだけでは、水滴が、最終的に布地の中に浸透する、または布地を染み通る前に、変動しかつ再現不可能な時間期間、表面上に留まる傾向があるという点で、偽の肯定をもたらすことがある。したがって、ある運動量では、水滴が布地の表面に影響を与える力により、究極的な水の浸透、および/または試験比較の目的ではより再現可能に耐水性を提示する布地が得られることが判明した。
【0216】
本発明の処理を有するおよび有さない布地を上記の方法によって試験し、スポットにおいて布地の湿潤を生成するのに必要な布地の同じスポットに影響を与える反復水滴の数を視覚的に観測して計数することによって、忌避スコアを割り当てた。忌避スコアは、布地に付着または浸透せずに布地を転がり離れる18の水滴の平均数(6滴、各布切れの3つの複製)である。したがって、より高いスコアを有する処理は、水による湿潤に抵抗し、かつ水滴をはじく布地の能力を表す。布地試験結果を第15表に示す。
【0217】
【表15】

【0218】
(1)18の連続する液滴後に湿潤は観測されなかった。試験を停止した。
【0219】
(2)3つの複製を試験した。
【0220】
結果は、本発明の処置組成物は、存在する少なくともいくつかの合成布地を有する多孔性織物材料に対して最も有効であることを示すが、その理由は、100%の木綿(天然でかなり親水性のバイオポリマー)に関する性能が、処理に続くはっ水についてせいぜい限界であるからである。
【0221】
布地を黄変する、または布地にしみをつけることに対する本発明の処理のあらゆる負の影響を遮断するために、白色の布地を使用した。白色布地の黄変またはしみを観測しなかった。本発明の処理を使用することにより、布地の外見が視覚的に退色、変色、またはグレイ化するかを観測するために、濃紺の布地を使用した。濃い布地に適用した後、退色、変色、またはグレイ化の効果は認識されなかった。しかし、本発明の処理を濃い布地に対して使用することにより、未処理布地の試験布切れと並べて観測するとき、外見が非常にわずかに暗くなることが観測されたことを認識した。比色測定は、本発明の処理の使用により、3単位よりかなり低いデルタL値をもたらし、暗い布地では、眼によって認識された非常にわずかなに暗い外見に対応して、小さい負のデルタL値を観測した。わずかではあるが、この効果は、より濃い布地に対する色の向上として知覚されることが一般に有利であるが、その理由は、磨耗、剥離、洗浄、表面繊維の損傷、およびその後の染料の損失による退色は、正のデルタL値が5より大きい値を超えるとき、眼によって一般に観測可能なより大きな正のデルタLの変化をもたらすLの変化を生成するからであり、効果は、一般に、全体的な「退色」に起因する。したがって、本発明の処置組成物は、より濃い布地に対してわずかな退色抵抗の利点を示すのに役立ち、本明細書において記述の適用する方法により適用されるとき、白色およびより明るい色の布地の上で本質的に見えない。
【0222】
【表16】

【0223】
(1)普通の白色裏打ち、選択されたUVフィルタを有して行われた測定
(2)同じ試験布切れの処理前および処理後の値から計算した比色実験値
これらの最後のいくつかの例は、本発明の処理組成物が、プラスチック、木材、金属塗装パネル、クロムなどの硬い非多孔性材料、ならびに織物などの多孔性材料の種々の両方を処理し、かつ本明細書において開示された方法により処理された処理済みの材料、基板、および物品の表面から容易に水および汚れをはじくクリアな保護コーティングを提供するために使用される有用性をさらに実証する。
【0224】
実用的で好ましい実施形態により、本発明を図示および説明したが、本開示からの逸脱は、本発明の趣旨の範囲内において考慮され、したがって、本発明の範囲は、同等物の原則下で解釈される以下の請求項内において定義されることを除いて、限定されるべきではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0225】
【図1】図1は、Dow Corning DC 245流体で活性シリカとして0.75質量%に希釈され(比較例21)、かつ以下において記述される試験方法によるPreVal Sprayerを使用して自動車試験パネルに適用された、比較方法例Hに対応する米国特許公報第2004/0213904号に記載された方法により得られた従来のロータス効果コーティング配合物の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
【図2】図2は、以下において記述される本発明の方法により黒色自動車試験パネルに適用された、本発明の処理組成物例15による本発明の方法により処理された約0.5質量%の活性シリカを含む本発明の処理組成物の一実施形態のSEM画像である。
【図3】図3は、本発明により適用された再生可能コーティングを担持する処理済み黒色塗料パネルの原子間力顕微鏡(AFM)局所画像である。
【図4】図4は、元の未変性表面を示す処理前の未処理黒色塗料パネルのAFM局所画像である。
【図5】図5は、それぞれヘキサメチルジシラザンで処理された、および処理されていない、本発明の処理組成物RおよびUの代表的な実施形態での分散液の流動学的プロファイルのプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理組成物を生成する方法において、
(a)疎水性変性ヒュームドシリカ粒子を含むシリカ粒子の予備分散液を、
(i)一般式(I)または(II)、
(R123Si)2NR4 (I)
−(R12SiNR4m−(シクロ) (II)
[式中、R1、R2、およびR3が、同一または異なってよく、水素、1〜8の炭素原子の直線もしくは分枝、飽和もしくは不飽和のアルキル鎖基、または6〜12の炭素原子の芳香族基から独立して選択され、R4が、水素またはメチル基であり、mが、3〜8である]の少なくとも1つの化合物、および
(ii)2〜14の炭素原子を有する直線または分枝、線形または環式の脂肪族または芳香族の炭化水素、1〜6の炭素原子を有する一価の線形または分枝のアルコール、1〜6の炭素原子を有するケトンまたはアルデヒド、2〜8の炭素原子を有するエーテルまたはエステル、あるいは2〜10のジメチルシロキシ単位を有する線形または環式のポリジメチルシロキサンから選択された第1揮発性溶媒または溶媒混合物
を含む溶液の中に、前記シリカ粒子を撹拌することによって提供することと、
その際、予備分散液における疎水性変性ヒュームドシリカ粒子の濃度により、予備分散液の全質量の10質量%〜約30質量%が得られ、化合物(I)および/または(II)のいずれか1つの濃度が、予備分散液の全質量の0.1〜10質量%である
(b)分散剤と前記予備分散液とを混合して処理組成物を提供すること
一方で、前記シリカ粒子は100〜4000nmの範囲の中央粒子サイズに縮小する
を含む方法。
【請求項2】
前記溶液が、さらに、一般式(III)
5aSi(OR64-a (III)
[式中、R5が、フッ素原子、水酸基、アミノ基、メルカプト基、またはエポキシ基で場合により置換された1〜16の炭素原子の直線または分枝、飽和または不飽和のアルキル鎖基であり、R6が、1〜2の炭素原子のアルキル鎖であり、aが、1または2である]のアルコキシシラン;あるいは、一般式(IV)もしくは(V)
(CH33SiO[(CH32SiO]n[(CH3)R7SiO]oSi(CH33 (IV)
−[(CH32SiO]p[(CH3)R7SiO]q−(シクロ) (V)
[式中、R7が、6〜24炭素原子のアルキル鎖基であり、nが、1〜100であり、oが、1〜40であり、和(p+q)が少なくとも3であることを条件として、pが、0〜7であり、qが、1〜7である]のアルキル−変性線形または環式ポリジメチルシロキサンの群から選択される少なくとも1つの耐久剤を含み;それにより、耐久剤(III)および/または(IV)ならびに/あるいは(V)のいずれか1つの濃度が、予備分散液の全質量の0.1〜10質量%である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに(c)処理組成物を、フッ素原子または塩素原子で場合により置換された、2〜14の炭素原子を有する直線または分枝、線形または環式の脂肪族または芳香族の炭化水素、1〜6の炭素原子を有する一価の線形または分枝のアルコール、1〜6の炭素原子を有するケトンまたはアルデヒド、2〜8の炭素原子を有するエーテルまたはエステル、あるいは2〜10のジメチルシロキシ単位を有する線形または環式のポリジメチルシロキサンから選択された第2揮発性溶媒または溶媒混合物で、処理組成物の全質量の最低5質量%の疎水性変性ヒュームド・シリカ粒子の最終濃度に希釈することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
さらに(d)一般式(III)
5aSi(OR64-a (III)
[式中、R5が、フッ素原子、水酸基、アミノ基、メルカプト基、またはエポキシ基で場合により置換された1〜16の炭素原子の直線または分枝、飽和または不飽和のアルキル鎖基であり、R6が、1〜2の炭素原子のアルキル鎖であり、aが、1または2である]のアルコキシシラン;あるいは、一般式(IV)もしくは(V)
(CH33SiO[(CH32SiO]n[(CH3)R7SiO]oSi(CH33 (IV)
−[(CH32SiO]p[(CH3)R7SiO]q−(シクロ) (V)
[式中、R7が、6〜24炭素原子のアルキル鎖基であり、nが、1〜100であり、oが、1〜40であり、和(p+q)が少なくとも3であることを条件として、pが、0〜7であり、qが、1〜7である]のアルキル−変性線形または環式ポリジメチルシロキサンから選択された耐久剤を、ステップ(b)またはステップ(c)で得られた分散液に添加することを含み、それにより、耐久剤(III)および/または(IV)ならびに/あるいは(V)のいずれか1つの濃度が、処理組成物の全質量の0.1〜10質量%である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
化学式(I)および(II)において、R4が、水素であり、R1およびR2が、メチルであり、R3が、水素、フッ素原子で場合により置換された1〜8の炭素原子の直線または分枝、飽和または不飽和アルキル鎖基、フッ素原子で場合により置換された6〜12の炭素原子の芳香族基であり、R4が、水素またはメチル基であり、mが3〜8である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
化学式(I)および(II)において、R4が、水素であり、R1およびR2が、メチルであり、R3が、独立して水素またはメチルである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
化学式(I)および(II)において、R4が、水素であり、R1、R2、およびR3が、メチルである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
予備分散液における一般式(I)および(II)の化合物の濃度が、0.1〜5.0%である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1揮発性溶媒または溶媒混合物が、2〜14の炭素原子を有する直線または分枝、線形または環式の脂肪族または芳香族の炭化水素、1〜6の炭素原子を有する一価の線形または分枝のアルコール、あるいは2〜10のジメチルシロキシ単位を有する線形または環式ポリジメチルシロキサンから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第1揮発性溶媒または溶媒混合物が、2〜10のジメチルシロキシ単位を有する線形ポリジメチルシロキサンを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1揮発性溶媒または溶媒混合物が、3〜6のジメチルシロキシ単位を有する環式ポリジメチルシロキサンを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
第1揮発性溶媒が、デカメチル−シクロペンタシロキサンである、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記中央粒子サイズが、100〜3000nmの範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記中央粒子サイズが、100〜1000nmの範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
予備分散液における疎水性変性ヒュームドシリカ粒子の濃度が、予備分散液の全質量の15質量%〜約25質量%である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記処理組成物が、処置組成物に配合された後、はっ水性および汚れ忌避性を提供する剥離可能で再生可能な保護コーティングを受容表面上に形成し、前記剥離可能コーティングが、実質的に透明であり、前記コーティングの付着前および付着後に測定された前記それぞれの表面に対して3.0デルタE単位未満の変化をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
処理組成物を生成する方法において、
(a)疎水性変性ヒュームドシリカ粒子を含むシリカ粒子の予備分散液を、2〜14の炭素原子を有する直線または分枝、線形または環式の脂肪族または芳香族の炭化水素、1〜6の炭素原子を有する一価の線形または分枝のアルコール、1〜6の炭素原子を有するケトンまたはアルデヒド、2〜8の炭素原子を有するエーテルまたはエステル、あるいは2〜10のジメチルシロキシ単位を有する線形または環式のポリジメチルシロキサンから選択された揮発性溶媒または溶媒混合物の中に、前記シリカ粒子を撹拌することによって提供することと、
その際、予備分散液における疎水性変性ヒュームドシリカ粒子の濃度により、予備分散液の全質量の10質量%〜約30質量%が得られる
(b)分散剤と前記予備分散液とを混合して処理組成物を提供すること
一方で、前記シリカ粒子は100〜4000nmの範囲の中央粒子サイズに縮小する
を含む方法。
【請求項18】
100〜4000nmの範囲の中央粒子サイズを有する5〜30質量%の疎水性変性ヒュームドシリカ粒子と、
2〜14の炭素原子を有する直線または分枝、線形または環式の脂肪族または芳香族の炭化水素、1〜6の炭素原子を有する一価の線形または分枝のアルコール、1〜6の炭素原子を有するケトンまたはアルデヒド、2〜8の炭素原子を有するエーテルまたはエステル、あるいは2〜10のジメチルシロキシ単位を有する線形または環式のポリジメチルシロキサンから選択された50〜95質量%の揮発性溶媒または溶媒混合物と、
一般式(I)または(II)
(R123Si)2NR4 (I)
−(R12SiNR4m−(シクロ) (II)
[式中、R1、R2、およびR3が、同一または異なってよく、水素、1〜8の炭素原子の直線もしくは分枝、飽和もしくは不飽和のアルキル鎖基、6〜12の炭素原子の芳香族基から独立して選択され、R4が、水素またはメチル基であり、mが3〜8である]の0.01〜10質量%の化合物と
を含む処理組成物。
【請求項19】
さらに、一般式(III)
5aSi(OR64-a (III)
[式中、R5が、フッ素原子、水酸基、アミノ基、メルカプト基、またはエポキシ基で場合により置換された1〜16の炭素原子の直線または分枝、飽和または不飽和のアルキル鎖基であり、R6が、1〜2の炭素原子のアルキル鎖であり、aが、1または2である]のアルコキシシラン;あるいは、一般式(IV)もしくは(V)
(CH33SiO[(CH32SiO]n[(CH3)R7SiO]oSi(CH33 (IV)
−[(CH32SiO]p[(CH3)R7SiO]q−(シクロ) (V)
[式中、R7が、6〜24炭素原子のアルキル鎖基であり、nが、1〜100であり、oが、1〜40であり、和(p+q)が少なくとも3であることを条件として、pが、0〜7であり、qが、1〜7である]のアルキル−変性線形または環式ポリジメチルシロキサンから選択された0.01〜10質量%の耐久剤を含む、請求項18に記載の処理組成物。
【請求項20】
化学式(I)および(II)において、R4が、水素であり、R1およびR2が、メチルであり、R3が、水素、フッ素原子で場合により置換された1〜8の炭素原子の直線または分枝、飽和または不飽和アルキル鎖基、フッ素原子で場合により置換された6〜12の炭素原子の芳香族基であり、R4が、水素またはメチル基であり、mが、3〜8である、請求項18に記載の処理組成物。
【請求項21】
化学式(I)および(II)において、R4が、水素であり、R1およびR2が、メチルであり、R3が、独立して水素またはメチルである、請求項20に記載の処理組成物。
【請求項22】
化学式(I)および(II)において、R4が、水素であり、R1、R2、およびR3が、メチルである、請求項20に記載の処理組成物。
【請求項23】
揮発性溶媒または溶媒混合物が、2〜10のジメチルシロキシ単位を有する線形ポリジメチルシロキサンを含む、請求項18に記載の処理組成物。
【請求項24】
揮発性溶媒または溶媒混合物が、3〜6のジメチルシロキシ単位を有する環式ポリジメチルシロキサンを含む、請求項18に記載の処理組成物。
【請求項25】
揮発性溶媒が、デカメチルシクロペンタシロキサンである、請求項18に記載の処理組成物。
【請求項26】
前記シリカ粒子が、100〜3000nmの範囲の中央粒子サイズを有する、請求項18に記載の処理組成物。
【請求項27】
前記シリカ粒子が、100〜1000nmの範囲の中央粒子サイズを有する、請求項18に記載の処理組成物。
【請求項28】
100〜4000nmの範囲の中央粒子サイズを有する5〜30質量%の疎水性変性ヒュームドシリカ粒子と、
2〜14の炭素原子を有する直線または分枝、線形または環式の脂肪族または芳香族の炭化水素、1〜6の炭素原子を有する一価の線形または分枝のアルコール、1〜6の炭素原子を有するケトンまたはアルデヒド、2〜8の炭素原子を有するエーテルまたはエステル、あるいは2〜10のジメチルシロキシ単位を有する線形または環式のポリジメチルシロキサンから選択された50〜95質量%の揮発性溶媒または溶媒混合物と
を含む処理組成物。
【請求項29】
前記処理組成物が、処置組成物に配合された後、はっ水性および汚れ忌避性を提供する剥離可能で再生可能な保護コーティングを受容表面上に形成し、前記剥離可能コーティングが、実質的に透明であり、前記コーティングの付着前および付着後に測定された前記それぞれの表面に対して3.0デルタE単位未満の変化をもたらす、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−513808(P2009−513808A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538335(P2008−538335)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067760
【国際公開番号】WO2007/051747
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】