説明

改良された固体媒体

【課題】分離媒体、触媒物質、薬剤担体物質、センサー材料及び組合わせ化学媒体のような種々の用途において有用な固体媒体を提供する。
【解決手段】この固体媒体は1から50ナノメートルの範囲の平均直径を有するPNP(架橋重合体ナノ粒子)を含み、該PNPは重合単位として多エチレン性不飽和モノマーからなり、例えば、より高い表面積、より高い多孔度、調節された粒径、改良された透明性、独特の電気的特性のような、固体媒体に対し様々な改良された特性を付与することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された固体媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
TRRを形成する方法が、米国特許第4,087,357号において提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,087,357号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に本発明は、架橋重合体ナノ粒子(以下「PNP」と称される)を含む、分離媒体、触媒物質、薬剤担体物質、センサー材料及び組合わせ化学媒体のような固体媒体に関し、その固体媒体はPNP不在の固体媒体に比較して少なくとも一つの改良された特性を有する。そのPNPは、1から50nmの範囲の平均直径を有し、それが改良された独特の特性を固体媒体に付与する。より大きな粒子との比較において、本発明に使用されるPNPは、例えば、より高い表面積、より高い多孔度、調節された粒径、改良された透明性、独特の電気的特性のような、固体媒体に対し様々な改良された特性を付与することができる。そのようなPNPを含有する改良された固体媒体は、触媒物質、センサー、分離媒体及び薬剤配達用物質を含む多数の材料に有用である。
【0005】
ここで「分離媒体」とは、例えば、イオン交換粒子のような粒状重合体物質、イオン交換膜、浸透膜、分離用繊維、被覆キャピラリー分離管及び酸素吸収/捕獲物質のような固体層形態の分離又は精製を実施することが可能な固体媒体を意味する。
【0006】
ここで「酸素吸収/捕獲物質」とは、環境から酸素原子、酸素分子、又はオゾンを吸収し又は捕獲する物質を意味する。酸素原子、酸素分子又はオゾンは、化学的又は物理的に特性づけられる相互作用を通してその物質と結合する。
【0007】
ここで「触媒物質」とは、化学的プロセス又は反応を促進し、向上させ、可能にすることが出来る物質を意味する。触媒物質とは、触媒を含む担持物質、例えば、触媒をその中又はその上に取り込むことにより変性された固体重合体物質を含むが、これに限定はされない。
【0008】
ここで「触媒」とは、触媒的に活性なサイト、例えば、化学的プロセス又は反応を促進し、向上させ、可能にすることが出来る金属を意味する。
【0009】
ここで「薬剤運搬物質」とは、薬剤又は他の活性剤がロードされ又はそれらと反応され得る物質であって、その薬剤又は活性剤の運搬を向上させる物質を意味する。
【0010】
ここで「センサー材料」とは、物質又は放射線と反応又は相互作用する材料を意味し、その物質又は放射線は検出又は測定され得る材料において変化をもたらす。
【0011】
ここで「組合わせ化学媒体」とは、固体基体、層又はコーティング形態の材料を意味し、そこでは空間的に別個の領域が種々の化合物又は材料の製造又は変性用に指定される。
【0012】
特に断りのない限り、ここで用語「又は」の使用は、その両方を含む場合を意味する。
【0013】
ここで改良された固体媒体は、1から50ナノメートルの粒子直径を有するPNPを含有し、含み、内包され、又は物理的若しくは化学的にそれらと会合しており、それらの望ましい機能における少なくとも一つの改良を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第一の態様においては、1から50ナノメートルの平均直径を有するPNPを含む分離媒体が提供され、ここで該PNPは重合単位として少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含む。
【0015】
本発明の第二の態様においては、1から50ナノメートルの平均直径を有するPNPを含む触媒材料が提供され、ここで該PNPは重合単位として少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含む。
【0016】
本発明の第三の態様においては、1から50ナノメートルの平均直径を有するPNPを含む組合わせ化学(combinatorial chemistry)媒体が提供され、ここで該PNPは重合単位として少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含む。
【0017】
本発明の第四の態様においては、1から50ナノメートルの平均直径を有するPNPを含む薬剤運搬用物質(drug carrying material)が提供され、ここで該PNPは重合単位として少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含む。
【0018】
本発明の第五の態様においては、1から50ナノメートルの平均直径を有するPNPを含むセンサー材料が提供され、ここで該PNPは重合単位として少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含む。
【0019】
本発明の第六の態様においては、1から50ナノメートルの平均直径を有するPNPを形成し、ここで該PNPは重合単位として少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含む;及び該PNPを含む該固体媒体を形成することを含む固体媒体を提供する方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで使用されるように、次の略語は、明らかに特段の断りのない限り次の意味を有する:C=摂氏度;μm=ミクロン;UV=紫外線;rpm=1分当たりの回転数;nm=ナノメートル;J=ジュール;cc=立法センチメートル;g=グラム;wt%=重量パーセント;L=リットル;mL=ミリリットル;MIAK=メチルイソアミルケトン;MIBK=メチルイソブチルケトン;BA=ブチルアクリレート;AA=アクリル酸;MAA=メタクリル酸;PS=粒径=平均粒子直径;PMA=ポリ(メチルアクリレート);CyHMA=シクロヘキシルメタクリレート;EG=エチレングリコール;DPG=ジプロピレングリコール;DEA=ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート;BzA=ベンジルアクリレート;BzMA=ベンジルメタクリレート;MAPS=MATS=(トリメトキシルシリル)プロピルメタクリレート;OFPMA=オクタフルオロペンチルメタクリレート;プロピルメタクリレート;PETTA=ペンタエリトリットテトラ/トリアセテート;PPG4000DMA=ポリプロピレングリコール4000ジメタクリレート;DPEPA;ジペンタエリトリットペンタアクリレート;TMSMA=トリメチルシリルメタクリレート;GMA=グリシジルメタクリレート;MOPTSOMS=メタクリルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン;MOPMDMOS=3‐メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン;TAT=トリアリル‐1,3,5‐トリアジン‐2,4,6‐(1H、3H、5H)-トリオン;IBOMA=イソボルニルメタクリレート;PGMEA=プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;PEGMEMA475=ポリ(エチレングリコールメチルエーテル)メタクリレートMw=475;PGDMA=プロピレングリコールジメタクリレート。
【0021】
用語「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリル双方を含み、用語「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタアクリレート双方を含む。同様に、用語「(メタ)アクリルアミド」はアクリルアミド及びメタアクリルアミド双方を意味する。「アルキル」は直鎖、分岐及び環状アルキル基を含む。
【0022】
ここで規定される全ての範囲は、両端の数字を含み、組み合わせ可能である。
【0023】
本発明は、1nmから50nmの範囲の平均粒子直径を有するPNPを含有する固体媒体を目的とし、PNPは少なくとも一つの他エチレン性不飽和モノマーの重合単位を含む。
【0024】
特に断りのない限り、本発明の種々の態様において使用されるPNPは、典型的には1から50ナノメートルの平均粒子直径を有する一方で、それらは、好ましくは1から40nm、より好ましくは1nmから30nm、いっそうより好ましくは1nmから20nm、いっそう更により好ましくは1から10nm及び最も好ましくは2nmから8nmの平均粒子直径を有する。
【0025】
PNPは、少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーのフリーラジカル重合によって形成される。典型的には、PNPは、PNPの重量を基準にして少なくとも1重量%の少なくとも一つの重合された多エチレン性不飽和モノマーを含有する。PNPの重量を基準にして100%以下の重合された多エチレン性不飽和モノマーは、本発明の粒子に有効に使用され得る。重合された多エチレン性不飽和モノマーの量は、PNPの重量を基準にして1%から80%が好ましく、より好ましくはPNPの重量を基準にして1%から60%、いっそうより好ましくはPNPの重量を基準にして1%から25%である。ある種の態様においては、重合された多エチレン性不飽和モノマーの量は、PNPの重量を基準にして少なくとも5%が好ましく、より好ましくは少なくとも10%及びいっそうより好ましくは少なくとも15%である。
【0026】
本発明に有用である好適な多エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルピリジン、ジビニルナフタレン及びジビニルキシレン;及びエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリビニルシクロヘキサン、アリルメタクリレート(「ALMA」)、エチレングリコールジメタクリレート(「EGDMA」)、ジエチレングリコールジメタクリレート(「DEGDMA」)、プロピレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート(「TMPTMA」)、ジビニルベンゼン(「DVB」)、2,2-ジメチルプロパン‐1,3‐ジアクリレート、1,3‐ブチレングリコールジアクリレート、1,3‐ブチレングリコールジメタクリレート、1,4‐ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジアクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール200ジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、ポリエチレングリコール600ジメタクリレート、ポリ(ブタンジオール)ジアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレート、グリセロールプロポキシトリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、ペンタエリトリットテトラメタクリレート、ジペンタエリトリットモノヒドロキシペンタアクリレート、ジビニルシラン、トリビニルシラン、ジメチルジビニルシラン、ジビニルメチルシラン、メチルトリビニルシラン、ジフェニルジビニルシラン、ジビニルフェニルシラン、トリビニルフェニルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、テトラビニルシラン、ジメチルビニルジシロキサン、ポリ(メチルビニルシロキサン)、ポリ(ビニルヒドロシロキサン)、ポリ(フェニルビニルシロキサン)、及びそれらの混合物のようなジ‐、トリ‐、テトラ‐又はまたはより高次な多官能性エチレン性不飽和モノマーが含まれる。
【0027】
PNPに共重合単位として組み入れられ得る好適なエチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、無水(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、アルケニル(メタ)アクリレート、芳香族(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、官能化ビニル芳香族モノマー、含窒素化合物及びそれらのチオ類似体、ホスホエチル(メタ)アクリレート(「PEM」)のようなリン含有化合物、マレイン酸モノ‐及びジアルキルエステル、マレイン酸、フマル酸エステル、マレアメート(maleamate)及びそれらのビニル芳香族類とのコポリマー、ビニルエーテル、ビニルスルフィド及び置換エチレンモノマーが含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
典型的には本発明に有用なアルキル(メタ)アクリレートとしては、(C〜C24)アルキル(メタ)アクリレートである。適当なアルキル(メタ)アクリレートには、「ローカット(low cut)」アルキル(メタ)アクリレート、「ミッドカット(mid cut)」アルキル(メタ)アクリレート及び「ハイカット(high cut)」アルキル(メタ)アクリレートが含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
「ローカット」アルキル(メタ)アクリレートは、典型的にはアルキル基が1から6の炭素原子を含むものである。適当なローカットアルキル(メタ)アクリレートとしては、メチルメタクリレート(「MMA」),メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート(「BMA」)、ブチルアクリレート(「BA」)、イソブチルメタクリレート(「IBMA」)、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
「ミッドカット」アルキル(メタ)アクリレートは、典型的にはアルキル基が7から15の炭素原子を含むものである。適当なミッドカットアルキル(メタ)アクリレートとしては、2‐エチルヘキシルアクリレート(「EHA」)、2‐エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート( 「IDMA」、 分岐(C10)アルキル異性体混合物に基づく)、ウンデシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート(ラウリルメタクリレートとしても知られる)、トリデシルメタクリレート、テトラデシルメタクリレート(ミリスチルメタクリレートとしても知られる)、ペンタデシルメタクリレート及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。有用な混合物としては、ドデシル-ペンタデシルメタクリレート(「DPMA」)、ドデシル、トリデシル、テトラデシル及びペンタデシルメタクリレートの直鎖及び分岐鎖の異性体混合物;及びラウリル‐ミリスチルメタクリレート(「LMA」)が含まれる。
【0031】
「ハイカット」アルキル(メタ)アクリレートは、典型的にはアルキル基が16から24の炭素原子を含むものである。適当なハイカットアルキル(メタ)アクリレートとしては、ヘキサデシルメタクリレート、ヘプタデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、ノナデシルメタクリレート、コシルメタクリレート、エイコシルメタクリレート及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。有用なハイカットアルキル(メタ)アクリレートとしては、ヘキサデシル、オクタデシル、コシル及びエイコシルメタクリレートの混合物であるセチル‐エイコシルメタクリレート(「CEMA」);及びヘキサデシル及びオクタデシルメタクリレートの混合物であるセチル‐ステアリルメタクリレート(「SMA」)が含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
上記のミッドカット及びハイカットのアルキル(メタ)アクリレートは、一般的に工業品質の長鎖脂肪族アルコールを使用して標準エステル化操作手順により製造され、これらの商業的に入手可能なアルコールは、アルキル基が10から15又は16から20の炭素原子を含む鎖長の間で変動するアルコールの混合物である。これらのアルコールの例は、ビスタケミカル(現在ではサソール)カンパニーの種々のチーグラー触媒によって製造されるアルフォール(ALFOL)アルコール、即ち、アルフォール1618及びアルフォール1620、シェルケミカルカンパニーのチーグラー触媒によって製造される種々のネオドール(NEODOL)アルコール、即ち、ネオドール25L及びプロクターアンドギャンブル社のTA‐1618及びCO‐1270等の天然物由来アルコールである。結論として、本発明の目的のためには、アルキル(メタ)アクリレートは、個々の名称のアルキル(メタ)アクリレート製品ばかりでなく、示されたアルキル(メタ)アクリレートと主成分であるアルキル(メタ)アクリレートの混合物をも含むことが意図されている。
【0033】
本発明に有用なアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、単一モノマーでもよいし、アルキル部分に異なる数の炭素原子を有するものの混合物であってもよい。また、本発明に有用な(メタ)アクリルアミド及びアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、任意に置換されてもよい。任意に置換された、適当な(メタ)アクリルアミド及びアルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、ヒドロキシ(C‐C)アルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノ(C‐C)‐アルキル(メタ)アクリレート及びジアルキルアミノ(C‐C)アルキルメタアクリルアミドが含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
有用な置換アルキル(メタ)アクリレートモノマーの例としては、アルキル基に一つ以上の水酸基を有するもの、特にアルキル基のβ位(2の位置)に 水酸基が見出されるものである。置換アルキル基が分岐又は非分岐の(C‐C)アルキル基であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。好適なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート(「HEMA」)、2‐ヒドロキシエチルアクリレート(「HEA」)、2‐ヒドロキシプロピルメタクリレート、1‐メチル‐2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、2‐ヒドロキシプロピルアクリレート、1‐メチル‐2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシブチルメタクリレート、2‐ヒドロキシブチルアクリレート及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、HEMA、1‐メチル‐2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、2‐ヒドロキシプロピルメタクリレート及びそれらの混合物である。後者の二つのモノマー混合物は、一般に「ヒドロキシプロピルメタクリレート」又はHPMAと呼ばれている。
【0035】
本発明に有用な他の置換(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミドモノマーの例は、アルキル基中にグリシジル基、アミノ基、ジアルキルアミノ基又はジアルキルアミノアルキル基を有するものである。斯かる置換(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミドの例としては、グリシジルメタクリレート、アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N‐ジメチル‐アミノプロピルメタクリルアミド、N,N‐ジメチルアミノブチルメタクリルアミド、N,N‐ジエチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N‐ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N‐ジエチルアミノブチルメタクリルアミド、N‐(1,1‐ジメチル‐3‐オキソブチル)アクリルアミド、N‐(1,3‐ジフェニル‐1‐エチル‐3‐オキソブチル)アクリルアミド、N‐(1−メチル‐1‐フェニル‐3‐オキソブチル)メタクリルアミド及び2‐ヒドロキシエチルアクリルアミド、アミノエチルエチレンウレアのN‐メタクリルアミド、N‐メタクリルオキシエチルモルフォリン、ジメチルアミノプロピルアミンのN‐マレイミド及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
本発明に有用な他の置換(メタ)アクリレートモノマーは、γ‐プロピルトリ(C〜C)アルコキシシリル(メタ)アクリレート、γ‐プロピルトリ(C〜C)アルキルシリル(メタ)アクリレート、γ‐プロピルジ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルシリル(メタ)アクリレート、γ‐プロピルジ(C〜C)アルキル(C〜C)アルコキシシリル(メタ)アクリレート、ビニルトリ(C〜C)アルコキシシリル(メタ)アクリレート、ビニルジ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルシリル(メタ)アクリレート、ビニル(C〜C)アルコキシジ(C〜C)アルキルシリル(メタ)アクリレート、ビニルトリ(C〜C)アルキルシリル(メタ)アクリレート及びこれらの混合物等の珪素含有モノマーである。
【0037】
本発明の不飽和モノマーとして有用なビニル芳香族モノマーとしては、スチレン(「STY」)、α‐メチルスチレン、ビニルトルエン、p‐メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルキシレン、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。ビニル芳香族モノマーとしては、また、ハロゲン化誘導体、即ち、フッ素、塩素又は臭素等の1以上のハロゲン基を含む誘導体;及びニトロ、シアノ、(C〜C10)アルコキシ、ハロ(C〜C10)アルキル、カルブ(C〜C10)アルコキシ、カルボキシ、アミノ及び(C〜C10)アルキルアミノ誘導体等のそれらの相当する置換対応物が含まれる。
【0038】
本発明の不飽和モノマーとして有用な含窒素化合物及びチオ類似化合物としては、2‐ビニルピリジン又は4‐ビニルピリジン等のビニルピリジン;2‐メチル‐5‐ビニルピリジン、2‐エチル‐5‐ビニルピリジン、3‐メチル‐5‐ビニルピリジン、2,3‐ジメチル‐5‐ビニルピリジン及び2‐メチル‐3‐エチル‐5‐ビニルピリジン等の(C〜C)低級アルキル置換N‐ビニルピリジン;メチル置換キノリン及びイソキノリン;N-ビニルカプロラクタム;N‐ビニルブチロラクタム;N‐ビニルピロリドン;ビニルイミダゾール;N‐ビニルカルバゾール;N‐ビニルスクシンイミド;(メタ)アクリロニトリル;o‐,m‐又はp‐アミノスチレン;マレイミド;N‐ビニルオキサゾリドン;N、N‐ジメチルアミノエチルビニルエーテル;エチル‐2‐シアノアクリレート;ビニルアセトニトリル;N‐ビニルフタルイミド;N‐ビニル‐チオ‐ピロリドン、3‐メチル‐1‐ビニルピロリドン、4‐メチル‐1‐ビニルピロリドン、5‐メチル‐1‐ビニルピロリドン、3‐エチル‐1‐ビニルピロリドン、3‐ブチル‐1‐ビニルピロリドン、3,3‐ジメチル‐1‐ビニルピロリドン、4,5‐ジメチル‐1‐ビニルピロリドン、5,5‐ジメチル‐1‐ビニルピロリドン、3,3,5‐トリメチル‐1‐ビニル‐ピロリドン、4‐エチル‐1‐ビニルピロリドン、5‐メチル‐5‐エチル‐1‐ビニルピロリドン及び3,4,5‐トリメチル‐1‐ビニルピロリドン等のN-ビニルピロリドン;ビニルピロール;ビニルアニリン;ビニルバーサテート(versatate);及びビニルピペリジンが含まれるが、これらに限定されない。
【0039】
本発明において不飽和モノマーとして有用な置換エチレンモノマーとしては、アリルモノマー、酢酸ビニル、ビニルホルムアミド、塩化ビニル、塩化ビニルベンジル(「VBC」)、フッ化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン及び臭化ビニリデンが含まれるが、これらに限定されない。
【0040】
本発明に使用されるPNPは、エマルション重合、サスペンション重合、非水性ディスパーション重合又は溶液重合により調製され得る。ここで「溶液重合」とは、ポリマーの溶媒である水性又は非水性媒体におけるフリーラジカル付加重合を意味する。ここで「ポリマーの溶媒」とは、架橋不在のポリマーが重合体媒体中で可溶性であることを意味し、約20重量%未満の多エチレン性不飽和モノマーを含有するポリマーについて架橋モノマー不在の同一条件下で製造されたポリマーの溶解度に基づいて或いはここで開示される溶解度マップに基づいた重合媒体の選択により予見され得る。
【0041】
PNPは、非水性溶媒内で調製され得る。斯かる溶媒の例としては、アルカン、フッ素化炭化水素及び芳香族炭化水素、エーテル、ケトン、エステル、アルコール及びこれらの混合物のような炭化水素が挙げられるが、これらに限定されない。特に好適な溶媒としては、ドデカン、メシチレン、キシレン、ジフェニルエーテル、ガンマ‐ブチロラクトン、酢酸エチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カプロラクトン、2-ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及びデカノール、t-ブタノール及びイソプロパノール等のアルキルアルコールが含まれる。
【0042】
PNPは、最初に溶媒ヒール(heel)又は代替的に溶媒及びモノマーの一部分の混合物を、撹拌機、温度計及び還流凝縮器を装備した反応容器に充填して調製され得る。モノマー充填物は、典型的にはモノマー、開始剤及び連鎖移動剤から適切に構成される。溶媒又は溶媒/モノマーヒール充填物は、撹拌を伴い窒素ブランケット下で約55℃から約125℃の温度まで加熱される。ヒール充填物が重合を開始するに十分な温度に達した後で、モノマー充填物又はモノマー充填物の残りが、反応を所望の反応温度に維持しながら15分から4時間の期間にわたり反応容器に添加される。モノマー混合物添加の完了後、溶媒内の追加の開始剤は反応に供給されることができ及び/又は静置期間が採用され得る。
【0043】
PNPは、エマルション重合により調製され得る。本発明に有用なエマルションポリマーは、最初に水及び一部のモノマーエマルションを撹拌機、温度計及び還流凝縮器を装備した反応容器に充填することにより一般に調製される。典型的には、モノマーエマルションはモノマー、界面活性剤、開始剤及び連鎖移動剤から適切に構成される。モノマーエマルションの初期充填は、撹拌を伴い窒素ブランケット下で約55℃から約125℃の温度まで加熱される好適な反応容器に添加される。シード充填が重合開始に十分な温度に到達した後で、モノマーエマルション又はモノマーエマルションの残りが反応を所望の反応温度に維持しながら15分から4時間の期間にわたり反応容器に添加される。モノマーエマルション添加の完了後、追加の開始剤が反応に供給されることができ及び/又は静置期間が採用され得る。
【0044】
別法として、エマルション重合はバッチプロセスで遂行され得る。斯かるバッチプロセスにおいては、エマルションポリマーは、水、モノマー、界面活性剤、開始剤及び連鎖移動剤を適切に窒素ブランケット下で撹拌を伴いながら反応容器に充填することにより調製される。モノマーエマルションは、重合を遂行するために約55℃から約125℃の温度に加熱される。モノマー混合物添加の完了後、追加の開始剤が反応に供給されることができ及び/又は静置期間が採用され得る。
【0045】
好適なPNPとしては、例えば:HEMA/DEGDMA、MMA/DEGDMA、MMA/MAPS/DEGDMA、MMA/MAPS/PETTA、MMA/MAPS/PPG4000DMA、MMA/MAPS/DPEPA、MAPS/DEGDMA、BA/DEGDMA、MMA/MAPS/TMPTMA、MMA/MAPS/DVB、STY/MAPS/DVB、BA/MAPS/DVB、BA/TMSMA/DVB、BA/MOPTSOMS/DVB、BA/MOPMDMOS/DVB、BA/MAPS/TAT、ALMA/BA/DVB、IBOMA/MAPS/DVB、IBOA/MAPS/DVB、BA/DVB、BA/PGDMA、BA/ALMA、BA/TMPTMA、BA/DPEPA、EHA/DVB、EHA/ALMA、EHA/TMPTMA、EHA/DPEPA、STY/DVB、STY/ALMA、EHA/STY/ALMA、MMA/BA/ALMA、STY/MMA/DVB、MMA/ブタジエン/STY、MMA/EA/ALMA、BA/ALMA/MATS、STY/MATS/DVB、MMA/BA/MATS、STY/MMA/MATS/DVB、MMA/GMA/ALMA、BA/GMA/TMPTA、MMA/BA/MATS/ALMA、BzA/TMPTMA、BzA/DVB、IDMA/BzMA及びMMA/ALMA/MATSが挙げられる。
【0046】
粒径及び分布の調節は、溶媒の選択、開始剤の選択、全固形分濃度、多官能性モノマーの種類と量、連鎖移動剤の種類と量、開始剤量及び反応条件の選択のような方法によって達成され得る。粒径(平均粒子直径)は標準動的光散乱技術を使用して決定され、相関関数はコンチン(CONTIN)等のラプラス変換法を使用してハイドロダイナミックサイズに変換され得る。
【0047】
本発明のフリーラジカル重合に有用な開始剤には、例えば1以上のペルオキシエステル、ジアルキルペルオキシド、アルキルヒドロペルオキシド、過硫酸塩、アゾ開始剤及びレドックス開始剤等が含まれる。有用なフリーラジカル開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t‐ブチルペルオクトエート、t‐アミルペルオキシピバレート、クメンヒドロペルオキシド、及びアゾイソブチルニトリル及び2,2’-アゾビス(2-メチルブタンニトリル)のようなアゾ化合物が挙げられるが、これらに限定されない。フリーラジカル開始剤は、t‐アミルペルオキシピバレートであることが好ましい。フリーラジカル開始剤の量は、典型的には全モノマーの重量を基準にして0.05から10重量%である。
【0048】
連鎖移動剤は、本発明に有用なポリマーを調製するのに任意に使用され得る。好適な連鎖移動剤としては、例えば、ドデシルメルカプタンのようなアルキルメルカプタン及びトルエンのような活性水素を有する芳香族炭化水素が挙げられる。
【0049】
PNPは、典型的には10,000から1,000,000の範囲、好ましくは20,000から500,000の範囲及びより好ましくは20,000から100,000の範囲の「見掛け重量平均分子量」を有する。PNP分子量の場合、見掛け重量平均分子量の尺度としては、PNP粒子径(GPC溶出時間を介して)を反映するが、PNPのGPC溶出時間は、絶対的な平均重量分子量測定の尺度では必ずしもない。
【0050】
PNPは、PNPの重合過程で反応されない少なくとも一つの官能性を含有するエチレン性不飽和モノマー(「官能化モノマー」)で調製され得る。官能化モノマーは、その後の原子又は分子基をPNPに結合させるのに、又はそれらが取り入れられる固体媒体の特性に影響を及ぼすのに有用である。種々の官能化モノマーは当分野で知られており、例えば、「ポリマーハンドブック」(第四版、J.ブランドラップ(Brandrup)、E.H.インマーグット(Immergut)、編集発行人、JohnWiley&Sons)に開示がある。有用な官能性の例としては、ヒドロキシ(例えば、HEMA)、カルボン酸(例えば、MAA)及びグリシジル(例えば、GMA)官能性が挙げられる。
【0051】
PNPは、また、後官能化され得る。重合体物質の多くの斯かる後官能化技術は、当分野で公知であり、後官能化PNPを調製するのに使用され得る。PNPの後重合官能化は、コーティング組成物中で他の成分と粒子を相溶化すること等に有益であり得る。後官能化の例としては、スチレン/DVB及びDVBPNPのスルホン化;スルホン酸に導き;VBCは塩素の置換により、例えば、アミノ官能性により更に官能化され得る;VBCは更にメルカプタンにより官能化され得る。官能性モノマーを含有するPNPは、また、後重合官能化され得る。
【0052】
PNPは、望ましくは分離しているか非凝集的であり、媒体及びその前駆体と又はその中で分散可能、混和可能又はそうでなければ相溶性(好ましくは実質的に相溶性)である。PNPと固体媒体組成物の残りとの相溶性は、たとえばデルタd、デルタp、デルタh及びデルタvのファン クレベレン(Van Ktrevelen)パラメーターのようなそれらの溶解度パラメータを適合させることにより決定される。例えば、ファン クレベレン等の「ポリマー特性。それらの評価及び化学構造との相関」、Elsevier Scientific Publishing Co.,1976年;オラビシ(Olabisi)等の「ポリマー‐ポリマー混和性」、アカデミックプレス、NY、1979年;コールマン(Coleman)等の「ポリマーブレンドの特異的相互作用と混和性」、テクノミック、1991年;A.F.M.バートン(Barton)の「溶解度パラメーター及び他の凝集パラメーターに関するCRCハンドブック」、第二版、CRCプレス、1991年に開示されている。デルタdは物質の分散性相互作用の尺度であり、デルタpは物質の極性相互作用の尺度であり、デルタhは物質の水素結合相互作用の尺度であり、デルタvは物質の散性及び極性相互作用双方の尺度である。斯かる溶解度パラメーターは原子団寄与法等で計算され得るか又は可溶性溶媒及び不溶性溶媒からなる混合溶媒系内での重合体物質の曇り点を測定することにより決定されるかのいずれかであり得る。曇り点における溶解度パラメーターは、溶媒の重量パーセンテージとして定義される。典型的には、多くの曇り点がその物質について測定され、斯かる曇り点によって画定される中心領域はその物質の溶解度パラメーターの領域(範囲)として画定される。
【0053】
本発明のある種の態様においては、PNPの溶解度パラメーター及び固体媒体のそれは実質的に類似している。この場合、PNP及び固体媒体の相溶性は改良されることができ、PNPの相分離及び/又は凝集はより起こり難くなる。
【0054】
本発明の固体媒体は、任意のガス状、液状又は固体状反応物又は成分を使用して調製され得る。液体状態で調製されるとき、液体は、水性(例えば、実質的に水)、非水性(例えば、実質的に有機溶媒)又は水性/非水性の混合(例えば、実質的に水及び水溶性)であり得る。
【0055】
PNPは、固体媒体を調製するために使用される重合溶媒中で分散され得るか、例えば真空蒸留、非溶媒内での沈殿及びスプレー乾燥により分離され得る;分離されたPNPは固体媒体内に導入することが適当な物質内で又はその上で実質的に再分散され得る。
【0056】
本発明の一態様において、PNPから形成された分離媒体が提供される。この態様においては、ポリマーから分離媒体を調製する分野で公知の操作手順を使用してポリマーとして加工され得る。分離媒体に形成することが有効なPNPの組成は分離分野で使用されるポリマーに匹敵する組成を有することができる。この態様においては、PNPは、好ましくは分離に影響を及ぼすのに有用な官能化されたモノマーから誘導された官能性又は重合単位を含有する。従って、PNPは、イオン交換粒子、イオン交換膜、浸透膜、混合床、薄膜、炭素質樹脂、マクロレティキュラー(macroreticular)樹脂、シリカビーズ、分離用繊維、キャピラリー分離管用のコーティング及び酸素吸収/捕獲物質を含む様々な分離媒体に形成され得る。
【0057】
本発明の一態様において、PNPで変性される固体媒体を含有する分離媒体が提供される。本態様においては、固体媒体は、イオン交換粒子、イオン交換膜、浸透膜、混合床、薄膜、炭素質樹脂、マクロレティキュラー樹脂、シリカビーズ、分離用繊維、キャピラリー分離管用のコーティング及び酸素吸収/捕獲物質を含む様々な分離媒体から形成され得る。固体媒体は、吸収、吸着、混合、ブレンディング、配合、押出し、コーティング、結合、接触、液体析出、蒸着、移植、衝撃、凝集、凝塊、フロッキュレーション、沈殿、焼結、化学結合及びそれらの組み合わせ等の様々な方法で変性され得る。
【0058】
本発明の一態様において、分離又は精製を実施することができる浸透膜形態の少なくとも一つの固体媒体、及びPNPを含む分離媒体が提供される。本態様においては、浸透膜はイオン浸透性であり、PNPは分離に影響を及ぼす少なくとも一つのアニオン官能性及びカチオン官能性を含有する。本発明の浸透膜は、米国特許第5,714,521号によって提供される方法に従い製造されることができ、そこでPNPは固体媒体に組み込まれる。
【0059】
本発明の一態様において、熱再生イオン交換樹脂(「TRR」)が、調製され得る。TRRは、スチレン系マクロレティキュラーコポリマー内のポイドを吸収されたモノマー混合物で満たし、その後モノマー混合物を重合して細孔内に架橋アクリルエステルポリマーを提供することにより作ることができる。その生成物はハイブリッドコポリマーである。ハイブリッドコポリマーのスチレン部分は、それからクロロメチル化され、弱塩基樹脂に変換され得る。また、アクリルエステルは、その弱酸対応物に加水分解され得る。これにより塩と結合しうる、また熱的に再生可能な、弱酸及び弱塩基官能性の別個の領域を有するハイブリッド樹脂を提供することができる。この態様において、弱塩基(「WB」)又は弱酸(「WA」)PNP(又は架橋アクリルエステル粒子のようなそれらの前駆体)は、モノマー/架橋剤混合物中に包含され、重合されてハイブリッド樹脂を形成することができる。特定の理論に拘束されるわけではないが、PNPはアニオン性及びカチオン性部位によるより好ましい分離を提供するので、生じるハイブリッド樹脂は慣用のTRRより優れた改良されたハイブリッドWA/WBTRRを生じさせることができる。TRRを形成する方法は、米国特許第4,087,357号において提供され、WA及びWBPNPを導入して本発明のTRRを調製することができる。
【0060】
本発明の一態様においては、種々のイオン交換樹脂が、斯かるPNPを好適な反応物で処理することにより、不飽和炭素-炭素二重結合を含有するPNP、例えばDVB/VBC PNPから調製され得る。この態様においては、弱塩基性及び強塩基性イオン交換樹脂が、斯かるPNPをアンモニア、及び第一、第二及び第三アミン(最後のものは強塩基性樹脂を与える)のような塩基で処理することにより、不飽和炭素-炭素二重結合を含有するPNP、例えばDVB/VBCPNPから調製され得る。弱酸性イオン交換樹脂は、不飽和炭素-炭素二重結合を含有するPNP、例えばDVB/VBC PNPをチオグリコール酸のような酸で処理することにより調製され得る。ポリホスホネートイオン交換樹脂は、不飽和炭素-炭素二重結合を含有するPNP、例えばDVB/VBC PNPをホスホネートで処理することにより調製され得る。スルホン酸イオン交換樹脂は、不飽和炭素-炭素二重結合を含有するPNP、例えばDVB/VBC PNPを重亜硫酸塩、例えば重亜硫酸ナトリウムで処理することにより調製され得る。ポリメルカプタンイオン交換樹脂は、不飽和炭素-炭素二重結合を含有するPNP、例えばDVB/VBC PNPをビスルフィド、例えば硫化水素ナトリウムで処理することにより調製され得る。本発明の種々のイオン交換樹脂は、米国特許第4,087,357号において開示された方法に従い調製されることができ、そこでPNPは固体媒体中に取り入れられる。
【0061】
本発明の一態様において、PNPは、イオン交換樹脂及び吸着剤に導入されることができ、それらの物理的安定性を増加させる。サスペンション重合により製造され、種々の方法で官能化される樹脂及び吸着剤は、加工工程での様々な膨潤力により引き起こされる応力故に物理的に不安定な生成物又は中間体を生じさせる場合がある。
【0062】
本発明の一態様において、分離媒体はPNPから形成され得る。本態様においては、PNPは、合成の過程で固体媒体前駆体に組み入れられ得る。例えば、重合技術を使用して固体媒体を合成するのに使用されるモノマー混合物は、PNPを含有し、PNPが分散されている固体媒体(例えば樹脂又は吸着剤)を提供することができる。特定の理論に拘束されるものではないが、PNPはPNPの重合により誘導される相分離の過程でイオン交換樹脂中に多孔性を付与することが出来るので、斯かるPNPディスパーションは固体媒体の物理的安定性を改善することができる。多孔性を有するイオン交換樹脂は、典型的に多孔性を欠如するものと比較して特に浸透力に対しより強い物理的安定性を有する;米国特許第3,122,514号、4,221,871号、4,224,415号、4,256,840号、3,454,493号、4,501,826号及び6,323,249号を参照)。加えて、イオン交換樹脂へのPNPの組み入れは、伝統的な多孔性イオン交換樹脂とは区別される新種の「ケージド粒子(caged particle)」多孔性を提供することができる。本発明の多孔性イオン交換樹脂は、米国特許第3,122,514号、4,104,209号及び6,323,249号に開示されたような「ポロゲン」としてPNPを使用して製造され得る。
【0063】
本発明の一態様においては、PNPは、マクロレティキュラー樹脂のような高容量多孔性イオン交換樹脂に変換され得るコポリマービーズに導入され得る。相エキステンダーにより調製されるマクロレティキュラー樹脂は、伝統的なポロゲンが使用されるとき、相互連絡細孔及び比較的高い多孔性を有する。この多孔性は、それらから製造された総体積容量を減少させる。5から20wt%濃度における種々のモノマー混合物に種々の組成の高架橋PNPを添加することにより、現在知られているものより優れた強固な高容量樹脂に変換され得る球状細孔タイプの低多孔性「ケージドコポリマー」の球体を得ることができる。高容量多孔性イオン交換樹脂は、米国特許第6,323,249号に開示された方法で、その中でのポロゲンとしてPNPを使用して製造され得る。
【0064】
本発明の一態様においては、PNPは、クロマトグラフィー用両性樹脂に組み入れられることができる。架橋PVA又は架橋カルボキシメチルセルロースのような好適な結合性ポリマーと一緒に結合することにより、酸性及び塩基性特性の両性樹脂を有する二種のPNPが提供され得る。これらのPNPは、様々なバイオ分離及び他のクロマトグラフィー分離固体媒体として適当である。これらの独特の両性樹脂は、広範囲なバインダー及び広範囲な酸性及び塩基性PNPで製造され得る。
【0065】
本発明の一態様においては、PNPは、解凝集剤として機能する混合床イオン交換樹脂に組み入れられることができる。酸性及び塩基性イオン交換樹脂が混合床用途に使用されるとき、それらの共に凝集する傾向のため、それらは逆洗浄によりしばしば分離することが難しい。凝集した樹脂は再生が不良で、混合床からの水質は良くない。強塩基性樹脂(SBR)PNPの適当な投与量で強酸性樹脂(SAR)を処理することにより、およびSARPNPの適当な投与量で強塩基性樹脂を処理することにより、PNPは凝集を防止でき、解凝集性を改善する。特定の理論に拘束されるわけではないが、PNPは、スペーサーとして働き、凝集を防止し、解凝集性を改良することができる。結果として生じる混合床解凝集剤は、イオン交換樹脂に有用である。本発明の混合床イオン交換樹脂は米国特許第5,902,833号に記載された操作手順に従い製造されることができ、そこでは、PNPは解凝集剤として組み入れられている。イオン交換樹脂は、エレクトロニクス及び発電工業に使用される超純水の生産に有用である。
【0066】
本発明の一態様においては、イオン交換樹脂に形成されたPNPは、水ベースハイウェー塗料に混入されて乾燥時間を減少し、水ベース塗料をこの用途により適したものとする。ハイウェー塗料は、米国特許第5,947,632号の操作手順に従い調製されることができ、その中で本発明のイオン交換樹脂が使用される。
【0067】
本発明の一態様においては、PNPは炭素質樹脂に組み入れられることができる。本発明の浸透膜は、米国特許第5,166,123号に記載されたの操作手順に従い製造されることができ、ここでPNPがその中で使用される。スルホン化多孔性PNP及びPNPを含有するより大きな粒子は、形成され、熱分解されて炭素質樹脂粒子になり得る。これらの炭素質樹脂粒子並びに未熱分解粒子は、高圧クロマトグラフィー分離用に使用され得る。非常に高い表面積物質は、炭素質の場合において形成され得る。
【0068】
本発明の一態様においては、PNPは、イオン浸透膜に取り入れられることができる。浸透膜を形成する方法は、一般に米国特許第4,766,161号において提供される。カチオン浸透膜は、アニオン官能性(例えばスルホン酸塩、カルボン酸塩)を有する官能性PNPを使用して製造され得る。アニオン浸透膜は、カチオン官能性(例えば置換アンモニウム基)を有する官能性PNPを使用して製造され得る。官能性PNPは、不活性物質を塗布することにより、不活性フィルム形成物質と混合することにより又はフィルムの上にキャスティングすることにより膜中に導入され得る。両極性膜は、支持体の一面を本発明のアニオン粒子で塗布し、及び他の一面を本発明のカチオン粒子で塗布することにより調製され得る。
【0069】
本発明の一態様においては、PNPは、マクロレティキュラー樹脂に取り入れられることができる。イオン交換用途のためのマクロレティキュラー樹脂は、典型的には適当な溶媒の存在下でモノマー及び架橋剤のサスペンション重合により調製される。若しPNPがポロゲンとして、例えば架橋ポリアクリル酸PNPが使用されたならば、マクロレティキュラーポリ(STY/DVB)は、水性相のpHが中性から塩基性に変化するに連れて多くの水を吸収できるポリアクリル酸シードを使用して製造され得る。この場合において、水はポロゲンの一部であり、重合後のポロゲンを除去する必要はない;この種のイオン交換樹脂は、例えば、薬剤デリバリー、水処理、触媒物質及びクロマトグラフィー固体媒体のような用途に使用され得る。マクロレティキュラー樹脂は、米国特許第4,501,826号に記載された手順に従い製造され得る。その中でPNPは、ポロゲンとして取り入れられる。
【0070】
本発明の一態様においては、PNPは均一なマクロポアシリカビーズに組み入れられ得る。好ましくは、STY/DVBPNPが1から50nmの範囲のポア径を有する均一なシリカビーズを製造するために使用され得る。均一なマクロポアシリカビーズは、米国特許第4,105,426号に記載された手順に従い、これらのPNPをプロセス中に取り入れることにより製造され得る。
【0071】
本発明の一態様においては、PNPは、ここに記載されたように粒子として又は官能化粒子としてのいずれかでクロマトグラフィーカラムに取り入れられ得る。粒子の大きな表面積は、分離効率を向上させるものと期待される。
【0072】
本発明の一態様においては、PNPは、例えば金属ロードナノ複合物及びポリメルカプタン等の酸素吸収/捕獲組成物中に組み入れられ得る。ポリメルカプタンは、50〜100wt%DVBを含むもののようなPNP内の残存不飽和と硫化水素とを反応させることにより形成され得る。酸素吸収/捕獲粒子は、包装用途に使用されるもの等の接着剤又はコーティングに使用される。特定の理論に拘束されるわけではないが、本発明の酸素吸収/捕獲組成物は、PNPにより与えられる表面積の増加故に米国特許第6,296,678B1号に記載された系より優ている。本発明の酸素吸収/捕獲組成物は、米国特許第6,296,678B1号における手順に従い調製されることができ、そこでPNPは基体として使用される。この態様において、酸素吸収/捕獲組成物は、流動状態での鉄析出にPNPが暴露されることにより調製され得る。好ましくは、鉄析出PNPは、鉄が析出した後で良好に分散した状態(即ち、凝集又は凝塊してない)に留まる。自然発火性生成物は、不活性雰囲気下で取り扱われ、「多層パッケージング材料用酸素吸収樹脂組成物」、日本公開特許公報(2000)JP2000212448A2号に記載されたように、必要に応じそれを酸素捕獲剤としての使用に適する形態に変換されるよう処理されることができる。
【0073】
本発明の一態様においては、PNPは、酸素吸収/捕獲組成物に組み入れられ得る。この態様において、MAAのL-アスコルビン酸とのエステルがPNP調製におけるモノマーの一つとして使用され得る。例えば、酸素吸収/捕獲PNPはL-アスコルビン酸とのMAAエステルのようなL-アスコルビン酸部分を含有する10から50wt%のモノマーを使用して調製され得る。斯かるモノマーの調製及び酸素吸収/捕獲組成物製造におけるそれらの使用は、「酸素減少ポリマー及び酸素スキャベンジャーとしてのL-アスコルビン酸誘導体の製造」、日本公開特許公報(1997)JP09316066A2(1997年12月09日)に記載されている。結果として生じるPNPは、単独で酸素スキャベンジャーとして又はより複雑な系の成分として使用され得る。
【0074】
本発明の一態様においては、1から80ナノメートルの直径を有するPNPは、イオンクロマトグラフィーカラム用のような薄膜充填物外層に取り入れられ得る。薄膜充填物の外層を形成する方法は、米国特許第4,383,047号において提供される。本態様の好ましいPNP平均直径は、5から50nmの範囲である。PNPは、好ましくはアニオン交換充填物を作るために高塩基含量(例えばPNPの総重量を基準にして10重量パーセントより大の塩基官能性)を有する。代替的に、カチオン交換充填物はPNPの酸含量(PNPの総重量を基準にして10重量%より大)が高いもので製造され得る。現行の技術と比較してより高い表面積のPNPはより大きなカラム容量を与え、従って改良されたクロマトグラフィー分離を可能にするであろう。同等のPNPは、また、オープンチューブラー(open tubular)液体クロマトグラフィー(OTLC)及び毛管電気泳動(CE)に使用され得る融合シリカキャピラリーチューブの内壁を被覆し又は官能化するために使用することができるであろう。
【0075】
本発明の一態様においては、本発明のPNPはPNPの薄膜形態の改良された固体媒体を提供するために表面及び物体を被覆するのに使用される。斯かるフィルムを製造する方法は、エア、ブレード、ナイフ、スプレー、ローラー、グラビア、インクジェット、キャスティング及びスピンコーティング等の当分野で公知の様々なコーティング法を含む。
【0076】
本発明の一態様においては、PNPは組合わせ化学基体に組み入れられる。これらの基体は、典型的には種々の化学の検査に適している化学的に変性された粒子の形態である。この態様においては、組合わせ化学媒体は、固体基体、層又はコーティング形態であり、その上で化学化合物又は材料は空間的に別個の領域で調製され、変性されることができる。本発明の組合わせ化学媒体及び基体は、組合わせ化学用途用の「マトリックス」及び「マトリックス材」として、又はその調製において使用される材料とPNPを混合し、ブレンドし、共反応し又はその材料に吸着させることにより調製され得る。好適な組合わせ化学媒体の例としては、化学及び生化学合成に日常使用される如何なる物質も含まれる。その媒体は、典型的には化学及び生物学的な合成及び検定に適合する重合体物質であり、ガラス、ケイ酸塩、セルロース誘導体、ポリスチレン、多糖類、ポリプロピレン、砂、並びにアクリルアミド、特に架橋ポリマー、綿及び他のそのような物質を含む様々な合成樹脂及びポリマーを含む。媒体が本来重合体である場合、基体モノマーはPNPの存在下で重合されるこができ、例えばPNPは基体ポリマーを重合する前に基体モノマーとブレンドされ得る。「マトリックス」、「マトリックス材」及び組合わせ化学媒体を調製する方法は、米国特許第6,340,588B1号に提供される。加えて、下記の文献は固体支持体を調製するに使用される好適な組成物を記載する:メリフィールド(Merrifield),R.B.、J.Am.Chem.Soc.1963年、85卷、2149頁;ワング(Wang),S.S.、J.Org. Chem.1975年、40巻、1235頁;ミッチェル(Mitchell),A.R.等、TetrahedronLett.1976年、3795頁;バイエル(Bayer),E.、Angew.Chem.、Int.Ed.Engl.1991年、30巻、113頁;及び英国特許出願(1999)GB2338487A1号。固体支持体の好適な誘導は、また、PCT国際特許出願WO0005243A2において提供される。
【0077】
本発明の一態様においては、PNPはセンサー材料として使用され得る。PNPで得ることができる特異性はそれらを化学薬品の蒸気、ガス、臭気及び生物分子の検出に有用なものとする。例えば、PNPは蒸気又はガスを吸着することができ、そこで吸着はPNP内に変化を引き起こす(即ち、膨潤)。この変化は、伝導性及びキャパシタンスの変化として測定されることができ、PNPアレイにおいて見出されるホッピング現象により増幅される。同様にセンサー粒子は受容部を含有することができる。この種のPNPセンサー又はバイオセンサー装置の応答時間及び感受性は、現行のセンサー又はバイオセンサーに対し改良され得る。PNPはセンサー及びセンサー材料を調製するための種々の操作手順に組み入れられ得る。本発明の種々のセンサー及びセンサー材料は、米国特許第6,312,809号において記載された手順に従い製造することができ、そこでその物質はPNPを組み入れる。例えば、少なくとも10wt%DPEPAを含有するPNPは、アクリレート不飽和結合にペンダントしている表面アミノ基のマイケル様付加炭素‐窒素結合形成を経由してアミノアルキルメルカプタンの自己集合された(self-assembled)単層に結合されて、センサー材料を形成することができる。共有結合は、分光学的に及び偏光解析法等の他の物理的な方法により確認できる。斯かる被覆表面は、米国特許第6,312,809号の実施例3に記載されたような化学センサーとしての表面音波(SAW)装置に有用となり得る。
【0078】
本発明の一態様においては、PNPは薬剤担体に組み入れられ得る。本発明ののPNPは、経口及び非経口投与双方においてそれらの溶解度及びバイオ利用性を増加するために薬剤のような難溶性活性物質と処方され得る。PNPは膜壁を通過するに十分小さくなり得るので、特定の機構に拘束されることなしに、担体、味覚遮蔽剤(taste masker)、薬剤安定剤及び薬剤活性化剤のような様々な薬剤用途に使用され得る。活性PNPは、特有な疾患を処置し又は予防するため身体の特定の部位を標的とするのに使用され得る。PNPは大きさにおいて蛋白質、DNA、RNA及びウィルスに匹敵するので、それらは、身体でより認識でき、身体についての特有な相互作用を可能にすることできる(即ち、PNPは医薬活性を有することができる)。薬剤担体物質を調製する様々な方法は、本発明の薬剤担体を調製するためにPNPを取り入れることができる。この態様において、薬剤担体物質は固体重合体物質であるのが好ましい。薬剤デリバリー用ポリマーを調製する種々の方法は、ヨーロッパ出願EP1034839A1号において提供され、それは薬剤配達ポリマーを調製するための樹枝状ポリマー(デンドリマー(dendrimer))の使用を開示する。米国特許第5,714,166A1号は、また、薬剤及びインスリンからアスピリンまでの他のバイオ活性剤を有するデンドリマー組成物の多くの例を提供する。本発明においては、薬剤配達ポリマーは、ヨーロッパ出願EP1034839A1号及び米国特許第5,7141,66A1号の樹枝状ポリマー(デンドリマー)に匹敵する重合単位組成物及び分子量のPNPで置き換えることにより調製され得る。この態様において、PNPは、好ましくはアミン官能性PNPを調製するDMAEMAの重合単位のようなアミン官能基を含有することができる。アミン官能性PNPは、クロロホルム中で2‐(アセチロキシ)安息香酸と混合されて約1:1の酸:第三アミン比を与えることが出来る。特定の理論に拘束されることなく、PNP内の2‐(アセチロキシ)安息香酸の内部会合は分光学的に実証されてアミン官能性PNPが担体分子として機能することができることが確認される。これらのアミン官能性PNPは、プセウドエフェドリン、インスリン及び除草剤(例えば、2,4‐ジクロロフェノキシ酢酸)及びイメージング剤等のその他分子のような薬剤と混合され、制御された放出の担体系を調製することができる。
【0079】
本発明の一態様において、PNPは触媒物質に組み入れられ得る。この態様において、PNPは触媒物質に形成され、又はそれらは触媒結合用物質(即ち、触媒用担体)として使用され得る。触媒物質に形成されたPNPは、触媒部位を含有し、又はその次に触媒部位に形成され得る触媒前駆体を含有する。これらの触媒物質は、様々な反応媒体において改良された分散性を有する点で公知の触媒物質に対し一つの利点を有するであろう。PNPは、効果的で、容易に溶液、スラリー、ディスパーション、バルク、エマルション、固相、液相又は気相反応に使用され得る。PNPは、それ自身分離及び取り扱いを必要としないが、反応成分が生成される媒体中で使用され得る。PNPが触媒用の担体物質として機能するとき、少量のPNP担体物質は、使用済み触媒がそうであるように任意に系内に残り得る。これら触媒の製造のためには、触媒とのPNP「溶液」の混合物を形成し、触媒物質として直接混合物を使用しても良い。これらの混合物は、また、触媒物質の結果として生じる形態を変更する種々の方法を使用して引き続き加工されても良い。斯かる方法には、吸収、吸着、ブレンディング、配合、押出し、コーティング、結合、接触、液体析出、蒸着、移植、衝突、凝集、凝塊、フロキュレーション、沈殿、焼結、化学結合及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
本発明の一態様においては、PNPはオレフィン重合用触媒物質に組み入れられる。オレフィン重合用触媒を形成する方法は、米国特許第6,100,214号において提供される。PNPを含有する触媒物質は、種々の重合媒体に有効に分散するという利点を有する。これらの触媒物質は、溶液、スラリー又は気相重合系に使用され得る。PNPは、それ自身分離及び取り扱いを必要としないが、反応成分が生成される媒体中で使用され得る。PNPが触媒用の担体物質として機能するとき、少量のPNP担体物質の使用でよく、任意に系内に残すことができる。この態様において最も好ましい粒径は、2〜15nmであり、それが結果として生じるポリオレフィンに改良された透明度を提供することができる。これらのPNP触媒物質を生産するためには、PNPを含有する溶液を活性触媒組成物に添加し、混合物を直接重合触媒として使用することができる。また、上記した様にPNP及び触媒を混合するための種々の方法によりこれらの触媒物質を調製することができる。
【0081】
本発明の一態様において、PNPは、有機金属触媒に組み入れられ得る。有機金属触媒を形成する方法は、米国特許出願第20020026013A1号において提供される。本発明の有機金属触媒は、触媒的に活性なPNP内に配位子を含有することができる。触媒的に活性となり得るホスフィン配位子含有のPNPは、PNP中に存在する残存二重結合にホスフィンを添加することにより調製され得る。オレフィン重合用触媒は、多不飽和PNPと有機金属オレフィン重合触媒とを混合することにより調製され得る。通常、活性化(メタアルモキサン;塩化マグネシウムのような吸着剤;又は種々の配位子種で活性化された触媒)を要求する先行技術の有機金属オレフィン重合触媒と異なり、本発明の有機金属オレフィン重合触媒は斯かる活性化を要求しない。
【0082】
様々な種類の触媒が、本発明の触媒物質を調製するためPNPと化合され得る。PNPと化合され得る数種の触媒には、チーグラーナッタ、シングルサイト及びブルックフィールド触媒が含まれる。この態様においては、PNPは好ましくは残存不飽和基を含有する。残存不飽和基は、例えば過剰の炭素‐炭素二重結合を与えるに十分量の多エチレン性不飽和モノマー、例えばDVBを使用することによりPNP内に提供され得る。多エチレン性不飽和モノマーは、典型的にはPNPを調製するのに使用される全モノマーを基準にして少なくとも5wt%、好ましくは少なくとも10wt%、より好ましくは少なくとも20wt%及び最も好ましくは少なくとも30wt%であろう。特定の理論に拘束されるわけではないが、残存不飽和は可溶性/均質触媒を固定する配位子構造として役立つことができる。従って、本発明の触媒は、アルモキサンの不存在下で働くことができる。通常、アルモキサンは触媒の効率を減少するので、アルモキサンを必要としない本発明のPNPは、改善した効率を有することができる。
【0083】
本発明の一態様においては、触媒物質は、スルホン酸官能性を有するPNPで調製され得る。これらの触媒物質は、改良した表面積を有することができ、しかも共沸乾燥(p‐トルエンスルホン酸ベース触媒物質用ではできない)される能力を共有する。スルホン酸官能性を有するPNPの増加した酸性度は、特に無水系においてそれらを有用にする。これは、また、対応する環式(及び二重結合)ハロゲン化PNPについての場合であり、それは増加した酸性度又はより高い使用温度を有することができる。触媒及び非触媒、両用途のPNPにおける有用な構造を提供する他の二重結合付加反応には、とりわけヒドロシラン付加、亜リン酸塩付加及びリン酸塩付加が含まれる。
【0084】
本発明の一態様においては、PNPは、モノリス(monolith)に取り入れられ得る。モノリスを形成する方法は、米国特許第5,540,981号において提供される。モノリスは、焼結が起きるような温度でPNP又は官能化PNPを押出し機に通して通過させることにより調製され得る。生じたモノリスは、ガスを処理するための触媒として、触媒担体として及びモノリスが一般的に適用される他の用途に使用され得る。
【0085】
次の実施例は、本発明の更なる種々の態様を例示するために提示される。
【0086】
実施例1.PNPの調製
500mLの容器に、熱電対、温度調節器、パージガス入り口、パージガス出口付き水冷還流凝縮器、撹拌機及び添加漏斗が装備された。添加漏斗に18.00gメチルメタクリレート(100%純度)、2.00gのジエチレングリコールジメタクリレート(100%純度)、ミネラルスピリット内のt-アミルペルオキシピバレートの75%溶液(ルペロックス(Luperox)554-M-75)1.60g、及び180.00gジイソブチルケトン(「DIBK」)からなる201.60gのモノマー混合物が充填された。180.00gDIBKを含有する反応器は、30分間窒素でフラッシュし、反応器の内容物を75℃にした。反応器の内容物が75℃に達したとき、添加漏斗中のモノマー混合物は、90分に亘り反応器に一定速度で充填された。モノマー混合物の添加終了30分後に、ミネラルスピリット内のt-アミルペルオキシピバレートの75%溶液(ルペロックス554-M-75)0.06g、及び2.00gのDIBKからなる二つのチェーサーアリコートの最初のものが加えられ、第二のチェーサーアリコートが30分の間隔を置いて添加された。第二チェーサーアリコートの終了時点で、反応器の内容物は、反応を完了させるために80℃で2.5時間保持された。結果として生じたポリマーは、ヘプタンでの沈殿により分離され、ろ過により収集されそして真空下で乾燥され白色粉末を生じた。この物質は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート内で再溶解された。このようにして形成されたPNPは、動的レーザー光線散乱測定により、平均1.4nmの0.8から5.0の粒径分布、及びGPC測定により、22,642g/モルの見掛け分子量、14,601g/モルの数平均分子量及び1.6のMw/Mn分布を有するとされた。
【0087】
実施例2.セミバッチエマルション重合プロセスによるPNP、AAEM/ALMAコポリマーの調製
モノマーエマルションは、17gの脱イオン水、8.85gの28%w/w固形分ラウリル硫酸アンモニウム(「ALS」)、12.4gのアセトアセトキシエチルメタクリレート(「AAEM」)及び1.78gのアリルメタクリレート(「ALMA」)との混合物から製造された。反応容器に、それから600gの脱イオン水、15.0gの28%w/w固形分ALS、及び1mL脱イオン水内の0.15gの過硫酸アンモニウム(「APS」)が準備された。反応容器は、窒素でパージされながら90℃まで加熱された。200rpmで撹拌されながらモノマーエマルションの半分が反応容器に添加された。20分後、残存モノマーエマルションが添加された。容器温度は、90℃で30分間、維持され、55℃に冷却され、それから1mL脱イオン水内の0.02gのt-ブチルヒドロキシペルオキシド(t−BHP)溶液、及び1mL脱イオン水内の0.010gのスルホキシル酸ナトリウムフォルムアルデヒド(「SSF」)溶液がそれぞれ添加された。反応は、それから周囲温度まで冷却され、エマルションは400及び100メッシュ篩を通してそれぞれろ過された。試料は、凍結乾燥により水から分離され白色の脆いさらさらした粉末を生成した。結果として生じた白色粉末は、豊富な量の、2回蒸留され、脱イオンされた水で洗浄され大部分の界面活性剤を除去した。
【0088】
実施例3.バッチエマルション重合プロセスにより調製されたPNP‐AAEM/ALMAコポリマーの調製
モノマーエマルションは、瓶の中で17gの脱イオン水、8.85gの28%w/w固形分ALS、12.4gのAAEM及び1.78gのALMAとの混合物から製造された。反応容器には、それから600gの脱イオン水、15.0gの28%w/w固形分ALS、及び1mL脱イオン水内の0.15gの過硫酸アンモニウム(「APS」)が準備された。反応容器は、窒素でパージされながら90℃まで加熱された。モノマーエマルションは、200rpmで撹拌されながら反応容器に全て一度に添加された。30分後、反応フラスコの温度は75℃まで冷却され、それから1mLの脱イオン水内の0.02gのt-BHP溶液が添加された。反応は、更に55℃に冷却され、2mLの脱イオン水内の0.010gSSF溶液が添加された。反応は周囲温度まで冷却され、エマルションは400及び100メッシュ篩を通して、ろ過された。
【0089】
実施例4.漸次添加重合プロセスにより製造されるPNPの調製
モノマーエマルションは、100gの水、1.60gの28%w/w固形分ALS、68gのエチルアクリレート(「EA」)、17gのメチルメタクリレート(「MMA」)、12.5gのジビニルベンゼン(「DVB」)及び5gのメタクリル酸(「MAA」)の混合物から製造された。445gの水、22.2gの28%w/w固形分ALS、及び0.37gのAPSは、窒素雰囲気下で85℃に加熱された。モノマーエマルションは90分に亘り容器に供給された。反応は、供給の終了後85℃で30分間保持され、それから65℃に冷却された。冷却の後、1.33gの10%硫酸鉄(FeSO4)が添加された。1分後、0.2gの70%t‐BHPが添加され、2分後、0.1gの100%イソアスコルビン酸(「IAA」)が添加され、反応は15分間保持された。第二チェーサー系は、同じ順序で、同じ時間の間添加された。反応は、それから周囲温度に冷却され、400メッシュ篩を通して、ろ過された。
【0090】
実施例5.種々のPNPの調製
PNP組成は、表5.1で報告される。これらのポリマーは、実施例1〜4の一般的操作に従い調製された。「Mw」の略語は重量平均分子量を意味し、用語「Mn」は数平均分子量を意味する。用語「Dist」は、Mw/Mnの比を意味する。見掛け分子量は溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、標準GPC法を使用して測定された。
【0091】
【表1】

【0092】
【表2】

【0093】
実施例6 固体媒体に有用なPNPの調製
1リットル反応器に、水冷却器、熱電対、オーバーヘッド撹拌機、窒素入り口及び添加用浸漬チューブが装備された。500mlのキシレンが、反応器に充填され、反応器は80℃に加熱された。撹拌速度を210rpmとし、次に8グラムのビニルベンジルクロリド、55%純度のジビニルベンゼン15グラム、57グラムのスチレン、98%のベンゾイルペルオキシド2グラム及び120グラムのキシレンを含有する溶液が、1.5ml/分の速度で添加された。添加が完了した後、温度は、更に8時間、80℃に維持された。形成されたPNPは、イオン交換樹脂用媒体、触媒担体、センサー、固体媒体及びイオン浸透膜として有用な材料への更なる官能化に対し好適である。
【0094】
実施例7 固体媒体用PNPの調製
1リットル反応器に、水冷却器、熱電対、オーバーヘッド撹拌機、窒素入り口及び添加用浸漬チューブが装備された。500mlのキシレンが、反応器に充填され、反応器は80℃に加熱された。撹拌速度を210rpmとし、次に80%純度のジビニルベンゼン40グラム、98%の過酸化ベンゾイルペルオキシド1グラム及び120グラムのキシレンを含有する溶液が、1.5ml/分の速度で添加された。添加が完了した後、温度は、更に8時間、80℃に維持された。形成されたポリジビニルベンゼン粒子は、1グラム当たり0.4ミリモルの残存ビニル基を含有していることが見出され、イオン交換樹脂用媒体、触媒担体、センサー、分離媒体及びイオン浸透膜として有用な材料への更なる官能化に対し好適であった。
【0095】
実施例8: 薄膜充填物の外層
米国特許第4,383,047号に従い薄膜充填物がの外層が、5〜30nmの平均直径を有するPNP及びビニルベンジルクロリド(90%)ジビニルベンゼン(10%)コポリマーの組成物を使用して調製される。生じた物質は、薄膜充填物の外層として有用である。
【0096】
実施例9: 酸素吸収/捕獲物質
各先端にバルブを付けた35cm長さ×1.5cm直径の垂直ガラス管に表5.1における45の組成のスチレン‐ジビニルベンゼンの流動化PNP試料100mgを含有させたものが、外部ヒーターで100℃に維持され、管に挿入する前に飽和器を通してガス混合物をバブリングすることにより得られた鉄ペンタカルボニルで飽和されたアルゴンガス流れ中の、4.7%水素を通過させた。ガス流は、180分間、5ml/分の速度で添加され、その期間中試料は100%増加した。100℃において、鉄カルボニル蒸気は、多量に分解して鉄(0)になり、PNP上に析出する。自燃性生成物は、日本公開特許公報(200)JP2000212448A2で記載されたように酸素スキャベンジャーとしての用途に適当な形態に変換するために、必要な全てのその後の移動及び操作は不活性雰囲気下で取り扱われる。
【0097】
実施例10:浸透膜
米国特許第4,766,161号の実施例1に従い、25nmの平均直径を有するPNPを含有する溶液及びジビニルベンゼン/ビニルベンジルクロリドコポリマー組成物が、膜形成に際し実施例1のスチレン/ビニルベンジルクロリドコポリマーを含有する溶液の代わりに使用されることを除き浸透膜が調製される。生じた物質は浸透膜として有用である。
【0098】
実施例11:TRR
TRRは、米国特許第4,087,357号、第一プロセス及び引き続く実施例に従い、約1nmの平均直径を有するPNP及び3%DVB架橋メチルアクリレート組成物がマクロレティキュラーコポリマーをロードする工程及びPNP成分の後重合過程で使用されることを除き調製される。生じる物質は、米国特許第4,087,357号、第一プロセス及び引き続く操作手順に記載されたようにハイブリッドコポリマーの弱塩基及び弱酸官能性を有するTRRに適当な変換の後でTRRとして有用である。
【0099】
実施例12:高容量多孔性樹脂
高容量及び強物理的安定性多孔性イオン交換樹脂は、次の操作手順により合成される:スチレン(300g)、ジビニルベンゼン(24g、55%濃度)、過酸化ベンゾイル(4.3g、75%)及び組成:MMA/MAPS/DVB(25:60:15)及び5から10nmの平均直径を有するPNP(60g)を含有する有機モノマー相が、界面活性剤を含有する約500ml水性相を含有するフラスコに充填される。有機相が微細液滴形態で分散されるよう撹拌が行われる。混合物は、その後1時間に亘り79〜82℃に加熱され、それから約10時間保持される。コポリマービーズは、ろ過され、水で洗浄される。コポリマービーズが50℃において5時間、オーブン中で乾燥された後、それらはそれぞれ高い容量を有する陰イオン又は陽イオン交換樹脂を製造するためにクロロメチル化及びアミノ化又はスルホン化され得る。
【0100】
実施例13:組合わせ化学媒体
英国特許第2338487A1号、実施例4に記載の組合わせ化学媒体は、4‐クロロメチルスチレン60.8%、スチレン37.8%及びジビニルベンゼン(DVB)1.4%から調製された50nmの平均直径を有するPNPがモノマー混合物に添加されることを除き、調製される。PNP重量画分は使用される全モノマーを基準にして5wt%であった。生じた重合体ビーズ物質は、PNP「シード粒子」から生じる改良された粒径調節を有していた。生じる物質は、組合わせ化学媒体として有用である。
【0101】
実施例14:組合わせ化学媒体
英国特許第2338487A1号、実施例4に記載の組合わせ化学媒体は、4‐クロロメチルスチレン60.8%、スチレン37.8%及びジビニルベンゼン(DVB)1.4%から調製された50nmの平均直径を有するPNPが、溶液から重合体物質ビーズ基体に吸着され、恒量となるまで重合物質を乾燥することを除き、調製される。PNP重量画分は、使用される全モノマーを基準にして2wt%であった。生じた重合体ビーズ物質は、PNP「コーティング」粒子から生じる化学結合を改良した。生じる物質は、組合わせ化学媒体として有用である。
【0102】
実施例15:センサー材料
米国特許第6,312,809B1号、実施例1に記載のセンサー材料は、表5.1における40又は44の種類のPNPがペンダントアクリレート不飽和への表面アミン基のマイケル様付加炭素‐窒素結合形成を経由してアミノアルキルメルカプタン自己集合単一層に結合されることを除き、調製される。PNP結合アミノアルキルメルカプタン自己集合単一層でコーティングされた表面は、米国特許第6,312,809B1号の実施例3に記載されたような化学センサーとしての表面音波(SAW)装置に使用される。
【0103】
実施例16:薬剤担体‐レチナールナノカプセル
EP1034839A1号、実施例1に記載のレチナールナノカプセル薬剤担体は、表5.1における項目1の種類のPNPがパーストープ(Perstorp)社からの市販のデンドリマー製品ボルソーンH40(BOLTHORN H40、商標)と置換されることを除き、調製される。
【0104】
実施例17:薬剤担体‐サリチル酸
表5.1における40又は44の種類のPNPは、ジメチルアミンと反応してペンダントアクリレート二重結合とアミンのマイケル様付加反応を行い、それらをベータ‐アミノプロピオネート基に変換する。これらのPNPは米国特許第5,714,166号の実施例1におけるデンドリマーと置換され、制御されたサリチル酸放出会合物が調製される。
【0105】
実施例18:薬剤担体‐インスリン
表5.1における1の種類のPNPは、10〜75%のMMAがDMAEMAと置換されることを除き、アミン官能性PNPを調製するのに使用される。これらのPNPは、クロロホルム内の2‐(アセチルオキシ)安息香酸と結合して酸:第三アミン比1:1を与える。PNP内の2‐(アセチルオキシ)安息香酸の内部会合は、分光学的に実証され、これらのアミン官能性PNPは、薬剤担体として使用され得ることが確認される。斯かるPNPの制御放出特徴は、動的透析並びに他の物理的方法を使用して実証される。これらのアミン官能性PNPは、インスリンと結合して、放出制御薬剤担体系が調製される。
【0106】
実施例19:オレフィン重合用触媒物質
米国特許第6,100,214A1号に記載のオレフィン重合用触媒物質は、3nmの平均直径を有するPNP及びジビニルベンゼン/塩化ビニルベンジルコポリマーの組成物が、触媒担体の合成においてクロロメチル化ポリスチレン‐コ‐ジビニルベンゼンビーズの代わりに使用されるのを除き、調製される。オレフィンポリマーが、ここで提供される触媒物質を使用して調製される。
【0107】
実施例20:有機金属触媒
米国特許第出願第2002,0026013A1、実施例3に記載に従い、25nmの平均直径を有するPNP0.5グラム及びポリビニルベンゼンの組成物が活性触媒と化合されることを除き、有機金属触媒が調製される。生じる物質は、有機金属触媒として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1から8ナノメートルの範囲の平均直径を有するPNPを含む組合わせ化学媒体、ここで該PNPは重合単位として少なくとも一つの多エチレン性不飽和モノマーを含む。

【公開番号】特開2012−177128(P2012−177128A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−105952(P2012−105952)
【出願日】平成24年5月7日(2012.5.7)
【分割の表示】特願2008−126541(P2008−126541)の分割
【原出願日】平成14年3月29日(2002.3.29)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】